(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャビネット図面を取り込んでシステム上で解析することにより、キャビネットを特定するキャビネット選定システムであって、キャビネットの仕様情報を記憶するキャビネットデータベースと、キャビネット図面をシステムに取り込む取り込み手段と、取り込んだキャビネット図面から図形情報と文字情報を解析し、キャビネット関連情報を特定する解析手段と、特定したキャビネット関連情報をキャビネットデータベースに記憶された仕様情報と照合し、図面に描かれたキャビネットを特定する照合手段と、特定したキャビネットをシステム上に出力する出力手段と、を備えたキャビネット選定システム。
解析手段は、キャビネット図面の図形情報からキャビネット外形を定め、前記キャビネット外形に関連する情報からキャビネット外形の寸法情報を特定し、照合手段は、寸法情報をキャビネットデータベースに記憶された仕様情報と照合し、図面に描かれたキャビネットを特定する請求項1に記載のキャビネット選定システム。
解析手段は、キャビネット外形内に位置する図形情報から加工形状を定め、前記加工形状に関連する情報から加工情報を特定し、出力手段は、加工情報に基づいてキャビネットに加え加工形状を出力する請求項2に記載のキャビネット選定システム。
キャビネットデータベースは、キャビネットの孔加工を禁止する禁止領域が記憶され、加工位置判定手段が、加工情報と禁止領域を対比し、加工の可否を判定する請求項3に記載のキャビネット選定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、作成した図面の情報をキャビネット選定システムに取り込むことにより、システム上で図面を展開できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、キャビネット図面を取り込んでシステム上で解析することにより、キャビネットを特定するキャビネット選定システムであって、キャビネットの仕様情報を記憶するキャビネットデータベースと、キャビネット図面をシステムに取り込む取り込み手段と、取り込んだキャビネット図面から図形情報と文字情報を解析し、キャビネット関連情報を特定する解析手段と、特定したキャビネット関連情報をキャビネットデータベースに記憶された仕様情報と照合し、図面に描かれたキャビネットを特定する照合手段と、特定したキャビネットをシステム上に出力する出力手段と、を備えたキャビネット選定システムとする。
【0007】
また、解析手段は、キャビネット図面の図形情報からキャビネット外形を定め、前記キャビネット外形に関連する情報からキャビネット外形の寸法情報を特定し、照合手段は、寸法情報をキャビネットデータベースに記憶された仕様情報と照合し、図面に描かれたキャビネットを特定する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、解析手段は、キャビネット外形内に位置する図形情報から加工形状を定め、前記加工形状に関連する情報から加工情報を特定し、出力手段は、加工情報に基づいてキャビネットに加え加工形状を出力する構成とすることが好ましい。
【0009】
また、キャビネットデータベースは、キャビネットの孔加工を禁止する禁止領域が記憶され、加工位置判定手段が、加工情報と禁止領域を対比し、加工の可否を判定する構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、作成した図面の情報をキャビネット選定システムに取り込むことにより、システム上で図面を展開できるようにすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態のキャビネット選定システムは、キャビネットを選定する際に用いられるものである。また、このキャビネット選定システムは、キャビネットの仕様情報を記憶するキャビネットデータベース31と、キャビネット図面をシステムに取り込む取り込み手段82により取り込んだキャビネット図面の図形情報と文字情報を解析し、キャビネット関連情報を特定する解析手段34と、特定したキャビネット関連情報をキャビネットデータベース31に記憶されたキャビネット情報と照合し、図面に描かれたキャビネットを特定する照合手段35と、特定したキャビネットをシステム上に出力する出力手段36と、を備えている。このため、作成したキャビネット図面の情報をキャビネット選定システムに取り込むことにより、システム上で図面を展開できる。
【0013】
実施形態のキャビネット選定システムは、顧客端末8から、操作できるように構成されている。具体的には、
図1に示すように、表示手段81と取り込み手段82と操作手段83を備えた顧客端末8を特定のサーバ2に接続して操作することにより、キャビネット選定システムを操作することができる。このサーバ2は、キャビネットデータベース31などを備えており、顧客端末8からの指令に応じて、顧客端末8に情報を出力することができる。
【0014】
実施形態のキャビネットデータベース31には、キャビネットの仕様情報が記憶されている。このキャビネットの仕様情報には、キャビネットの品番、寸法、重量、価格、材質、性能(防水性能や防塵性能など)などの仕様に関する情報と、展開図や外観図などの図面に関する情報が含まれる。また、キャビネットデータベース31には、各キャビネットに設定されている孔加工を禁止する領域に関する情報が、図面に関する情報と関連付けて記憶されている。
【0015】
次に、
図2を例にして、キャビネット図面の取り込みから、キャビネットなどの出力までの流れを説明する。ここでは、
図3から
図6に示すように、キャビネット図面上に図面が1つのみ示されている例について説明する。
【0016】
先ず、
図3に示すようなキャビネット図面を取り込み手段82を用いて取り込む(S101)。例えば、端末からサーバ2へ顧客等が作成したキャビネット図面をアップロードすることで、サーバ2へキャビネット図面を取り込ませることができる。キャビネット図面としては、紙面上に描いた図面をスキャニングしたものでもよいし、図面作成ソフトを用いて作成された図面データであっても良い。図面データとしては如何なる形式でも構わないが、DXFデータであることが好ましい。
【0017】
ステップ101の次に、解析手段34を用いて図面外枠52や仕様表53の認定などを行う(S102)。図面外枠52や仕様表53は
図4に太線で示したような部分である。図面外枠52の認定においては、例えば、キャビネット図面の最外郭の閉塞図形を図面枠と認識させるようにすることができる。このとき、キャビネット図面の中央位置から広がる一定の範囲を図面エリア57とし、図面エリア57を囲うように設けられた閉塞図形を図面外枠52としてもよい。ただし、上記閉塞図形を認識することができない場合には、図面外枠52がないと判定する。なお、本明細書における閉塞図形には、一続きの線で完全に閉じた図形の他に、交点から僅かに線が突出する場合や、複数の線の端部同士に僅かに隙間が生じ、交点が形成されない場合など、一続きの線で閉じていると近似できる図形を含む。
【0018】
仕様表53の認定においては、図面枠に繋がる閉塞図形及びその閉塞図形に繋がる閉塞図形を仕様表53と認識させるようにすることができる。なお、仕様表53には、品番、型式、塗装色などのキャビネットの仕様に関する情報、案件の名称、図面番号、設計者名などの案件に関する情報、キャビネット図面の頁数、六面図の情報などの図面に関する情報などが記載される。これら仕様表53内に記載されている文字などの文字情報から、解析手段34を用いてキャビネットの品番や、図面の情報などを認識することで、キャビネットを特定してもよい。
【0019】
次に、解析手段34を用いてキャビネット外形54の特定を行う(S103)。キャビネット外形54は
図5にて太線で四角形状に表されるような部分である。例えば、図面外枠52内にあって仕様表53とは異なる閉塞図形を認識し、そのうちの最外郭に位置する閉塞図形をキャビネット外形54と特定させることができる。この際、キャビネット図面内の文字(仕様表53などに記載される文字)等から、キャビネット外形54が、六面の内のどの面を示すのかを認識させるようにしても良い。
【0020】
ステップ103の次に、解析手段34を用いてキャビネット外形54に関連する情報からキャビネット外形54の寸法の特定を行う(S104)。ここで、キャビネット外形54に関連する情報とは、例えば、キャビネット外形54の近傍に記載される文字や、キャビネット外形54の各辺を基準に描かれた寸法線55に記載される数字などの文字情報や、図面データが保有しているキャビネット外形54の各辺の座標情報であり、それらから辺の寸法を認識することができる。
図5に示すように、通常、寸法線55は、辺の両端部周辺から垂直方向に延びる線(延長線)とそれらを結ぶ線(矢印線)とで構成され、矢印線上に辺の寸法が記載される。ただし、辺が短い場合などには、
図7の寸法C2のように延長線と延長線同士を結ぶ線と、各延長線に対して外側から向けられた二本の矢印とで構成され、それらの線の近傍に寸法が記載されていることもある。なお、仕様表に記載された文字情報などから、キャビネット外形54の寸法を認識させてもよい。
【0021】
ステップ104の次に、キャビネットの特定が可能であるかを判断する(S105)。キャビネット図面上に図面が1つのみ示されている場合や、仕様表上に記載がない場合など、図形情報と文字情報を解析してもキャビネット関連情報を特定できない場合には、同時に読み込まれた他のキャビネット図面若しくは図面番号が関連する他のキャビネット図面などに対して、ステップ102からステップ104の操作を繰り返す。そうすることで、先ほどとは異なる面を描いた図面を認識させることができる。このようにして複数のキャビネット図面から、キャビネット外形54の寸法情報を読み取り、キャビネットの各辺の寸法(W×H×D)を把握させることができる。
【0022】
キャビネット関連情報の特定が可能となったら、キャビネット関連情報に対応するキャビネットがデータベースに登録されているかを、キャビネットデータベース31を参照することによって判定し、キャビネット関連情報に対応するキャビネットが登録されている場合には、キャビネットを出力する。この際、解析手段34は、図形情報からキャビネット外形54を定め、前記キャビネット外形54に関連する情報を寸法情報としてキャビネット関連情報を特定する。照合手段35は、キャビネット関連情報をキャビネットデータベース31に記憶されたキャビネットの仕様情報と照合し、出力手段36は、該当するキャビネット情報を出力する。ここで、出力手段36は、該当するキャビネットの展開図や外観図を出力してもよいし、キャビネットの品番や価格などの仕様に関する情報を出力してもよい。なお、キャビネット関連情報に対応するキャビネットがキャビネットデータベース31に登録されていない場合には、登録がない旨の出力をしてもよいし、近似するキャビネットの候補を表示し、正しいキャビネットを選択させるようにしてもよい。また、キャビネットデータベース31に登録されていないキャビネットを特注のキャビネットとして、そのシステム上に出力させても良い。
【0023】
ステップ105の次には、取り込まれた図面に、通常の仕様のキャビネットに対して穴あけ加工などが必要となることが理解される加工形状56があるか否かを認定する(S106)。例えば、キャビネット外形54の内側に閉塞図形が存在するか否かによって、キャビネット上の加工形状56を認識させることができる。このとき、キャビネット外形54の内側に存在する閉塞図形全てを加工形状56と認識してもよいが、孔パターンデータベース32に登録している図形と一致する図形を加工形状56として認識してもよい。なお、加工形状56と認識した閉塞図形のうち、孔パターンデータベース32に登録されたものと、登録されていないものとを区別するために、出力方法を異なるものとしてもよい。例えば、孔パターンデータベース32に登録されたものと、登録されていないものとの違いによって、出力される際の色を変えることなどができる。
【0024】
ステップ106の次に、加工形状に関連する情報から、加工形状56の寸法や配置位置の特定を行う(S107)。ここで、加工形状に関連する情報は、キャビネット外形54に関連する情報と同様とすることができ、加工形状近傍に記載される文字や、寸法線55に記載される数字であり、それらから加工形状56の寸法や配置位置を認識することができる。加工形状56の寸法の特定は、キャビネット外形54の寸法の特定方法と同様とすることもできる。なお、円形状を含んだ加工形状56の場合には、加工形状56に対して向けられた数字等を直径や半径や、角度の情報として認識させることができる。実施形態においては、解析手段34が、キャビネット外形54内に位置する図形から加工形状56を定め、この加工形状56に関連する情報から加工形状のサイズや形状、配置位置などの加工情報を特定する。
【0025】
ところで、加工形状56はキャビネット外形54の何れの位置に配置されるかが重要となる。例えば、
図6に示すように、キャビネット外形54の何れかの辺の端部から延びた線(延長線)と、加工形状56の中心から延びた線(中心延長線)若しくは加工形状56の延長線とを結ぶ線(矢印線など)から構成された寸法線55の周囲に記載された数字等は加工形状の寸法を表すだけでなく、キャビネット外形54の各辺からの距離を表すものと認定し、加工形状56の配置を特定するためにも利用することができる。
【0026】
また、2つの加工形状56の中心延長線間若しくは延長線間、もしくは中心延長線と延長線間を結ぶ線(矢印線など)を、寸法線55と認定し、加工形状56の配置の特定に利用してもよい。さらに、キャビネット外形54の中心から延びる線(中心延長線)と加工形状56の中心延長線若しくは延長線間を結ぶ線(矢印線)を加工形状56の配置の特定に利用してもよい。
【0027】
ステップ107の次に、キャビネット及び加工形状56を出力する(S108)。この際、出力手段36が、キャビネットに加え加工形状56を出力する。ステップ105で特定されたキャビネット関連情報に対応するキャビネットがデータベースに登録されているものと判断された場合、キャビネットデータベース31に記憶されているキャビネットの展開図が表示手段81に表示される。その展開図上に、寸法や配置位置が把握された加工形状56を表示する。つまりキャビネット図面に記載された加工形状56を含めた図面が、表示手段81に表示される。なお、キャビネットと加工形状は、寸法や配置位置を記載したリスト形式等で出力されてもよい。なお、特注のキャビネットに関しても、展開図が作成可能なものであれば、展開図と加工形状56を表示手段81に表示できるようにすることが好ましい。
【0028】
次に、キャビネット図面上に図面が複数記載されている場合について説明するが、上記した例との相違点のみについて記載する。
図7に示すように、図面が複数記載されている場合には、図面エリア57に記載される図形や文字情報の集合体が複数あるため、ステップ103において、それらの集合体のそれぞれを覆うように図面エリア57が形成されているものと認識する。つまり、キャビネット外形54の特定を行う場合、図面外枠52内の図面エリア57を複数のエリアで構成されているものとする。そして、各図面エリア57内の閉塞図形の最外郭をキャビネット外形54と認識する。
【0029】
また図面が複数記載されている場合には、ステップ105において、各キャビネット外形54の位置関係と、六面図の情報をデータベース上に登録しておくことで、キャビネット外形54の面を特定することができる。例えば、上下方向に3個の図が並ぶときは、上から上面図、正面図、下面図と特定することができる。また、L字状に3個の図画並ぶときは上の図が上面図、その下の図が正面図、右の図が右側面図と特定することができる。
【0030】
ところで、キャビネットには、加工することができない禁止領域や、加工形状56同士の距離に関する近接ルールが存在する。禁止領域とは、キャビネットの各面の外周縁から一定の距離や、ハンドル位置周縁など、キャビネットへの加工を禁止している領域である。近接ルールとは、複数の加工形状56同士がある一定距離よりも近接してしまうとキャビネット強度が低下してしまう点等を考慮し、複数の加工形状56同士がある一定距離よりも近接しないように設定されたルールである。
【0031】
実施形態においては、キャビネットデータベース31は、キャビネットの孔加工を禁止する禁止領域が記憶されている。また、加工位置判定手段33が、加工情報と禁止領域を対比し、加工の可否を判定することができる。また、この加工位置判定手段33は近接ルールを満たしているか否かを判定することもできる。この加工位置判定手段33により加工形状56の配置位置が、禁止領域に含まれる場合や近接ルールを満たさないと判定された場合には、出力後に、その旨の表示をする。この際、可否の判断の違いにより表示される加工形状56の色を変更すれば、指定された位置で加工することの可否が分かりやすくなる。なお、
図8に示す例においては、加工位置判定手段33で加工ができないと判定された場合に、禁止領域と加工が指定された位置の双方を表示する例を表している。このようにすれば、指定された位置と加工可能な位置との違いが理解しやすいものとなる。
【0032】
また、キャビネットの展開図をシステム上へ出力した後に、操作手段83によって、キャビネットの変更や加工形状56の修正や配置位置の変更などをできるようにすることが好ましい。このようにすれば、指定位置では加工が不可であると加工位置判定手段33に判定された場合にも、加工が可能な位置まで、加工形状56を移動するなどの対応をすることができる。そこで、実施形態では、
図9に示す流れで操作できるようにしている。
【0033】
具体的には、ステップ108で行った出力を受けて表示手段81へ出力した後、加工形状56は指定された位置で加工可能であるか否かを判定する(S201)。ステップ201で指定された位置で加工可能であると判定した場合、加工位置を変更しないかを確認する(S202)。ステップ202で加工位置を変更しないとされた場合、加工用図面と見積りの作成を行う(S203)。ここで、特定されたキャビネット関連情報や加工情報から、キャビネット図面に描かれるキャビネットを製造・加工するための加工用図面や、キャビネットの価格や加工費用などキャビネットの製造・加工に関する見積りを出力することができる。
【0034】
ステップ201で、指定された位置で加工できないと判定した場合、その旨が表示される(S204)。この後、加工位置の変更を行う(S205)。加工位置の変更を行ったらステップ201に戻る。なお、ステップ202で加工位置を変更するとされた場合、ステップ205を経てステップ201に戻る。
【0035】
以上、実施形態を用いて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。