特許第6983041号(P6983041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンレー電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000002
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000003
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000004
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000005
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000006
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000007
  • 特許6983041-半導体受光装置及びその製造方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983041
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】半導体受光装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/02 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   H01L31/02 B
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-220847(P2017-220847)
(22)【出願日】2017年11月16日
(65)【公開番号】特開2019-91844(P2019-91844A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】村田 知之
(72)【発明者】
【氏名】大久保 努
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−261380(JP,A)
【文献】 特開2000−173947(JP,A)
【文献】 特表2013−536568(JP,A)
【文献】 特開2015−012195(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0218239(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/0392、31/08−31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた光半導体素子と、
前記光半導体素子上に設けられた凸状又は球状の透明樹脂層と、
前記基板上に設けられ、透明樹脂よりなる樹脂層と
を具備し、
前記樹脂層は、
前記光半導体素子の側壁を完全に覆い遮光性フィラを含むフィラ含有下層樹脂部と、
前記凸状又は球状の透明樹脂層の側壁を完全に覆い前記遮光性フィラを含まないフィラ非含有上層樹脂部と
を具備する半導体受光装置。
【請求項2】
さらに、前記基板の周囲部上に設けられ、前記樹脂層を囲む枠体を具備する請求項1に記載の半導体受光装置。
【請求項3】
前記枠体の高さは前記光半導体素子と前記凸状又は球状の透明樹脂層との合計高さと同一である請求項2に記載の半導体受光装置。
【請求項4】
前記枠体の高さは前記光半導体素子と前記凸状又は球状の透明樹脂層との合計高さより大きい請求項2に記載の半導体受光装置。
【請求項5】
前記球状の透明樹脂層の一部は上面視で前記光半導体素子から外側へ突出している請求項1に記載の半導体受光装置。
【請求項6】
前記光半導体素子の上面より高い位置では、前記凸状又は球状の透明樹脂層及び前記フィラ非含有上層樹脂部のみが存在する請求項1〜5のいずれかに記載の半導体受光装置。
【請求項7】
前記フィラ含有下層樹脂部の高さは前記光半導体素子の高さと同一である請求項1〜6のいずれかに記載の半導体受光装置。

【請求項8】
前記光半導体素子の上面と前記凸状又は球状の透明樹脂層の下面とは同一面積で接触している請求項1〜7のいずれかに記載の半導体受光装置。
【請求項9】
前記凸状又は球状の透明樹脂層の屈折率は前記樹脂層の屈折率より大きい請求項1〜8のいずれかに記載の半導体受光装置。
【請求項10】
基板上に光半導体素子を実装するための光半導体素子実装工程と、
前記光半導体素子上に第1の透明樹脂をポッティングするための第1のポッティング工程と、
前記第1の透明樹脂を熱硬化させて凸状又は球状の透明樹脂層を形成するための第1の熱硬化工程と、
前記凸状又は球状の透明樹脂層上から遮光性フィラを含有する第2の透明樹脂をポッティングし、該第2の透明樹脂で前記光半導体素子の側壁及び前記凸状又は球状の透明樹脂層の側壁の少なくとも一部を覆うようにする第2のポッティング工程と、
前記第2の透明樹脂の前記遮光性フィラを沈降させるための遮光性フィラ沈降工程と、
前記フィラ沈降工程の後に前記第2の透明樹脂を熱硬化させて前記光半導体素子の側壁を覆うフィラ含有下層樹脂部及び前記凸状又は球状の透明樹脂層の側壁の少なくとも一部を覆うフィラ非含有上層樹脂部よりなる樹脂層を形成するための第2の熱硬化工程と
を具備する半導体受光装置の製造方法。
【請求項11】
さらに、前記第1のポッティング工程の前に前記基板の周囲部に枠体を接着するための枠体接着工程を具備する請求項10に記載の半導体受光装置の製造方法。
【請求項12】
前記球状の透明樹脂層の一部は上面視で前記光半導体素子から外側へ突出している請求項10又は11に記載の半導体受光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光センサ、照度センサ等として作用する半導体受光装置(パッケージ)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は第1の従来の半導体受光装置を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である(参照:特許文献1の図1B図2)。尚、(A)は(B)のA−A線断面図である。
【0003】
図6に示す半導体受光装置100−1においては、プリント配線基板101上にフォトダイオード素子、フォトトランジスタ等の光半導体素子102を搭載し、光半導体素子102上に凸レンズとして作用する凸状シリコーン樹脂層103を形成する。また、光半導体素子102及び凸状シリコーン樹脂層103の側壁を囲むようにトランスファモールド法によって遮光性樹脂層104−1を形成して封止する。これにより、光半導体素子102の側壁は遮光性樹脂層104−1によって完全に覆われるので、光半導体素子102の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。この場合、遮光性樹脂層104−1の開口をできるだけ小さくしてトランスファモールド法の金型の製造コストを低減する。
【0004】
図7は第2の従来の半導体受光装置を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である(参照:特許文献1の図5図6)。尚、(A)は(B)のA−A線断面図である。
【0005】
図7に示す半導体受光装置100−2においては、遮光性樹脂層104−2の高さを図6の遮光性樹脂層104−1の高さより低くして遮光性樹脂層104−2の開口を図6の遮光性樹脂層104−1の開口より大きくする。この場合、外部から光を取り込める面積S2は遮光性樹脂層104−2の開口によって決定されるので、図6における遮光性樹脂層104−1の開口によって決定される外部から光を取り込める面積S1より大きくなり、信号/雑音(S/N)比を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−36019号公報(特許第4955953号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6の第1の従来の半導体受光装置100−1においては、凸状シリコーン樹脂層103の突出部分を避けて遮光性樹脂層104−1をトランスファモールド法によって成型する必要がある。このために、凸状シリコーン樹脂層103の突出部分を避けるように、対応する部分に開口部を有する金型を配置して成型工程を行わなければならない。しかしながら、量産過程において、金型開口部の位置を正確に凸状シリコーン樹脂層103の突出部分に合わせるにはかなり高度な技術が必要となり、製造コストが高くなるという課題がある。
【0008】
また、図7の第2の従来の半導体受光装置100−2においては、外部から光を取り込める部分の面積S2が大きいので、S/N比は向上する。しかしながら、図7の第2の従来の半導体受光装置100−2においても、凸状シリコーン樹脂層103の突出部分を避けて遮光性樹脂層104−1をトランスファモールド法によって成型する必要がある点は、図6の第1の従来の半導体受光装置100−1と同様である。特に、遮光性樹脂層104−2から突出した凸状シリコーン樹脂層103の位置に対応する部分に開口部を有する金型を配置するときに、金型の位置がずれてしまうと、凸状シリコーン樹脂層103を潰してしまう。従って、やはり図7の第2の従来の半導体受光装置100−2の量産過程においても、高度な位置合わせの技術を必要とし、製造コストが高くなるという課題がある。
【0009】
このように、図6図7の第1、第2の従来の半導体受光装置100−1、100−2においては、S/N比の向上及び製造コストの低減の両立が図れない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明に係る半導体受光装置は、基板と、基板上に設けられた光半導体素子と、光半導体素子上に設けられた凸状又は球状の透明樹脂層と、基板上に設けられ、透明樹脂よりなる樹脂層とを具備し、樹脂層は、光半導体素子の側壁を完全に覆い遮光性フィラを含むフィラ含有下層樹脂部と、凸状又は球状の透明樹脂層の側壁を完全に覆い遮光性フィラを含まないフィラ非含有上層樹脂部とを具備するものである。これにより、光半導体素子の上面より高い位置に存在する凸状又は球状の透明樹脂層及びフィラ非含有樹脂部は共に透明となるので、これらの形状に関係なく、この半導体受光装置が外部から光を取り込める部分の面積は光半導体素子の受光面積又はそれより大きい面積によって決定される。
【0011】
また、本発明に係る半導体受光装置の製造方法は、基板上に光半導体素子を実装するための光半導体素子実装工程と、光半導体素子上に第1の透明樹脂をポッティングするための第1のポッティング工程と、第1の透明樹脂を熱硬化させて凸状又は球状の透明樹脂層を形成するための第1の熱硬化工程と、凸状又は球状の透明樹脂層上から遮光性フィラを含有する第2の透明樹脂をポッティングし、第2の透明樹脂で光半導体素子の側壁及び凸状又は球状の透明樹脂層の側壁の少なくとも一部を覆うようにする第2のポッティング工程と、第2の透明樹脂の遮光性フィラを沈降させるための遮光性フィラ沈降工程と、遮光性フィラ沈降工程の後に第2の透明樹脂を熱硬化させて光半導体素子の側壁を覆うフィラ含有下層樹脂部及び凸状又は球状の透明樹脂層の側壁の少なくとも一部を覆うフィラ非含有上層樹脂部よりなる樹脂層を形成するための第2の熱硬化工程とを具備するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体受光装置が外部から光を取り込める部分の面積は、光半導体素子の受光面積又はそれより大きい面積によって決定されるので、大きくなり、従って、S/N比を向上できると共に、製造には金型を用いないので、製造コストも低減できる。すなわち、S/N比の向上と製造コストの低減との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る半導体受光装置の第1の実施の形態を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。
図2図1の半導体受光装置の製造方法を説明するための断面図である。
図3図1の半導体受光装置の変更例を示す断面図である。
図4】本発明に係る半導体受光装置の第2の実施の形態を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。
図5図4の半導体受光装置の変更例を示す断面図である。
図6】第1の従来の半導体受光装置を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。
図7】第2の従来の半導体受光装置を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係る半導体受光装置の第1の実施の形態を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。尚、(A)は(B)のA−A線断面図である。
【0015】
図1に示す半導体受光装置10−1においては、プリント配線基板1上にフォトダイオード素子、フォトトランジスタ等の厚さ約100〜200μmの光半導体素子2が設けられている。また、プリント配線基板1の周囲部にはたとえばセラミックよりなる矩形状の枠体3を設けてある。さらに、光半導体素子2上にはシリコーン樹脂等の熱硬化性透明樹脂よりなる凸状透明樹脂層4−1を設けてある。この場合、枠体3の高さは光半導体素子2の高さより大きく、光半導体素子2及び凸状透明樹脂層4−1の合計高さより小さい。さらにまた、プリント配線基板1上の光半導体素子2、凸状透明樹脂層4−1と枠体3との間には、樹脂層5が設けられている。
【0016】
樹脂層5は枠体3の高さと同程度の高さを有し、シリコーン樹脂等の熱硬化性透明樹脂を含み、フィラ含有下部樹脂部51及びフィラ非含有上層樹脂部52よりなる。フィラ含有下部樹脂部51はたとえば直径約10μm〜50μmのTiO、Al等の反射性フィラ5aを含むが、フィラ非含有上層樹脂部52は反射性フィラ5aを含んでいない。従って、フィラ含有下部樹脂部51は反射性つまり遮光性となるが、フィラ非含有上層樹脂部52は透明性を維持する。
【0017】
反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。
【0018】
他方、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は凸状透明樹脂層4−1の側壁の一部を覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の凸状透明樹脂層4−1及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。従って、この半導体受光装置10−1が外部から光を取り込める部分の面積S−1は光半導体素子2の受光面積によって決定され、図6の遮光性樹脂層104−1の開口によって決定された面積S1及び図7の遮光性樹脂層104−2の開口によって決定された面積S2のいずれよりも大きくなる。この結果、S/N比を向上させることができる。
【0019】
図1の半導体受光装置10−1の製造方法を図2を参照して説明する。
【0020】
始めに、図2の(A)を参照すると、プリント配線基板1の配線パターン上に光半導体素子2を実装する。
【0021】
次に、図2の(B)を参照すると、矩形の枠体3をプリント配線基板1の周囲部に接着剤によって接着する。尚、この枠体接着工程は図2の(A)の光半導体素子搭載工程の前に行ってもよい。
【0022】
次に、図2の(C)を参照すると、ディスペンサDのノズルを光半導体素子2の中心の真上に設定し、シリコーン樹脂R1を光半導体素子2上にポッティングする。このとき、シリコーン樹脂R1は光半導体素子2上で表面張力により凸状となる。その後、高温たとえば150℃を1時間程度維持することによりシリコーン樹脂R1を熱硬化させて凸状透明樹脂層4−1を形成する。
【0023】
次に、図2の(D)を参照すると、ディスペンサDのノズルを凸状透明樹脂層4−1の中心の真上に設定し、反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2を凸状透明樹脂層4−1上にポッティングする。これにより、反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2は凸状透明樹脂層4を流れ落ち、反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2よりなる樹脂層5が光半導体素子2、凸状透明樹脂層4−1と枠体3との間に満たされることになる。尚、反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2における反射性フィラ5aの量は後述のフィラ含有下部樹脂部51の高さが光半導体素子2の高さと同一となるように予め調整されている。また、反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2の凸状透明樹脂層4を流れ落ち易くするためには、凸状透明樹脂層4の先の凸状部がより尖っている方がよい。
【0024】
次に、図2の(E)を参照すると、低温たとえば60〜100℃を数時間維持することにより反射性フィラ5aを反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2内を滑るように沈降させて樹脂層5を反射性フィラ5aを含むフィラ含有下部樹脂部51及び反射性フィラ5aを含まないフィラ非含有上層樹脂部52に分離する。その後、高温たとえば150℃を1時間程度維持することにより反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2を熱硬化させる。これにより、図1の半導体受光装置10−1が完成する。
【0025】
図2に示す図1の半導体受光装置10−1の製造方法によれば、金型を必要としないので、製造コストを低減できる。
【0026】
このように、第1の実施の形態においては、S/N比の向上及び製造コストの低減の両立を図ることができる。
【0027】
図1の半導体受光装置10−1の変更例を図3を参照して説明する。
【0028】
図3の(A)に示す第1の変更例においては、枠体3の高さを光半導体素子2及び凸状透明樹脂層4−1の合計高さと同程度とする。この場合の製造方法は図2に示す製造方法とほぼ同一だが、図2の(D)に示す反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2の量を少し増加すればよい。この場合、反射性フィラ5aの量は光半導体素子2の高さと同程度となるように調整する。
【0029】
図3の(A)においても、反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。また、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は凸状透明樹脂層4−1の側壁を完全に覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の凸状透明樹脂層4−1及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。この結果、半導体受光装置10−1が外部から光を取り込める部分の面積S−1は光半導体素子2の受光面積によって決定され、図1の(B)の場合と同一となる。従って、S/N比を向上させることができる。
【0030】
図3の(B)に示す第2の変更例においては、枠体3の高さを光半導体素子2及び凸状透明樹脂層4−1の合計高さより大きくする。この場合の製造方法は図2に示す製造方法とほぼ同一だが、図2の(D)に示す反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2の量をさらに少し増加すればよい。この場合も、反射性フィラ5aの量は光半導体素子2の高さと同程度となるように調整する。
【0031】
図3の(B)においても、反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。また、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は凸状透明樹脂層4−1の側壁を完全に覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の凸状透明樹脂層4−1及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。この結果、半導体受光装置10−1が外部から光を取り込める部分の面積S−1は光半導体素子2の受光面積によって決定され、図1の(B)の場合と同一となる。従って、S/N比を向上させることができる。
【0032】
このように、図1図3の半導体受光装置10−1においては、樹脂層5のフィラ非含有上層樹脂部52の大小に関係なく、半導体受光装置10−1が外部から光を取り込める部分の面積S−1は光半導体素子2の大きな受光面積によって決定されるので、S/N比を向上できる。
【0033】
尚、図1,3において、凸状透明樹脂層4−1を凸レンズとして作用させたい場合には、凸状透明樹脂層4−1のシリコーン樹脂の組成と樹脂層5のシリコーン樹脂の組成とを相違ならせることにより凸状透明樹脂層4−1の屈折率を樹脂層5の屈折率より大きくすればよい。
【0034】
図4は本発明に係る半導体受光装置の第2の実施の形態を示し、(A)は断面図、(B)は上面図である。尚、(A)は(B)のA−A線断面図である。
【0035】
図4に示す半導体受光装置10−2においては、図1の凸状透明樹脂層4−1の代りに球状透明樹脂層4−2を設けてある。球状透明樹脂層4−2の一部は上面視で光半導体素子2より外側へ突出している。従って、球状透明樹脂層4−2が凸レンズ作用を有すると、図1の凸状透明樹脂層4−1に比較して光の取り込みがよくなる。従って、光半導体素子2の受光面積に加えて球状透明樹脂層4−2の受光面積が寄与するので、半導体受光装置10−2が外部から光を取り込める部分の面積S−2は図1のそれに比較してやや大きくなる。
【0036】
図4においても、反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。
【0037】
他方、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は球状透明樹脂層4−2の側壁の一部を覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の球状透明樹脂層4−2及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。従って、半導体受光装置10−2が外部から光を取り込める部分の面積S−2は球状透明樹脂層4−2の受光面積の寄与による光半導体素子2の受光面積より大きい面積によって決定される。この結果、S/N比を向上させることができる。
【0038】
図4の半導体受光装置10−2の製造方法は図2に示す製造方法と同様であるが、図2の(C)のシリコーン樹脂ポッティング工程のみ異なる。すなわち、図2の(C)では、シリコーン樹脂R1を図1の場合より多めにポッティングする。このとき、シリコーン樹脂R1は光半導体素子2上で表面張力により球状となる。また、この球状樹脂の一部は上面視で光半導体素子2から外側へ突出する。その後、高温たとえば150℃を1時間程度維持することによりシリコーン樹脂R1を熱硬化させて球状透明樹脂層4−2を形成する。
【0039】
図4の半導体受光装置10−2の製造方法においても、金型を必要としないので、製造コストを低減できる。
【0040】
このように、第2の実施の形態においても、S/N比の向上及び製造コストの低減の両立を図ることができる。
【0041】
図4の半導体受光装置10−2の変更例を図5を参照して説明する。
【0042】
図5の(A)に示す第1の変更例においては、枠体3の高さを光半導体素子2及び球状透明樹脂層4−2の合計高さと同程度とする。この場合の製造方法は図4の場合とほぼ同一だが、図2の(D)に示す反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2の量を少し増加すればよい。この場合、反射性フィラ5aの量は光半導体素子2の高さと同程度となるように調整する。
【0043】
図5の(A)においても、反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。また、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は球状透明樹脂層4−2の側壁を完全に覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の球状透明樹脂層4−2及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。この結果、球状透明樹脂層4−2が凸レンズ作用を有すれば、半導体受光装置10−2が外部から光を取り込める部分の面積S−1は球状透明樹脂層4−2の受光面積の寄与による光半導体素子2の受光面積より大きい面積によって決定され、図4の(B)の場合と同一となる。従って、S/N比を向上させることができる。
【0044】
図5の(B)に示す第2の変更例においては、枠体3の高さを光半導体素子2及び球状透明樹脂層4−2の合計高さより大きくする。この場合の製造方法は図4の場合とほぼ同一だが、図2の(D)に示す反射性フィラ入りシリコーン樹脂R2の量をさらに少し増加すればよい。この場合も、反射性フィラ5aの量は光半導体素子2の高さと同程度となるように調整する。
【0045】
図5の(B)においても、反射性のフィラ含有下部樹脂部51は光半導体素子2の側壁を覆う。従って、光半導体素子2の側壁から入射する外乱光の影響を低減できる。また、透明性のフィラ非含有上層樹脂部52は球状透明樹脂層4−2の側壁を完全に覆う。従って、光半導体素子2の上面より高い位置では、透明性の球状透明樹脂層4−2及び透明性のフィラ非含有上層樹脂部52のみが存在する。この結果、球状透明樹脂層4−2が凸レンズ作用を有すれば、半導体受光装置10−2が外部から光を取り込める部分の面積S−2は球状透明樹脂層4−2の受光面積の寄与による光半導体素子2の受光面積より大きい面積によって決定され、図4の(B)の場合と同一となる。従って、S/N比を向上させることができる。
【0046】
このように、図4図5の半導体受光装置10−2においては、樹脂層5のフィラ非含有上層樹脂部52の大小に関係なく、半導体受光装置10−2が外部から光を取り込める部分の面積S−2は光半導体素子2の受光面積より大きい面積によって決定されるので、さらにS/N比を向上できる。
【0047】
尚、上述の実施の形態においては、各半導体受光装置10−1、10−2に枠体3を設けている。しかし、集合基板に複数の光半導体素子を実装し、集合基板の外側に枠体を設置して反射性フィラ入り樹脂を枠体の内側に流し込み、熱硬化後にブレード等を用いて切断することで個別の半導体受光装置としてもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態においては、反射性フィラ5aを用いているが、光吸収性フィラたとえばカーボンブラックをコア材の周囲に固めたものを用いてもよい。いずれのフィラも遮光性を有する。
【0049】
さらに、上述の実施の形態におけるプリント配線基板はこれに限定されるものではなく、他の基板でもよい。
【0050】
さらにまた、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内のいかなる変更にも適用し得る。
【符号の説明】
【0051】
10−1、10−2:半導体受光装置
1:プリント配線基板
2:光半導体素子
3:枠体
4−1:凸状透明樹脂層
4−2:球状透明樹脂層
5:樹脂層
5a:反射性フィラ
51:フィラ含有下部樹脂部
52:フィラ非含有上層樹脂部
S−1、S−2、S1、S2:半導体受光装置が外部から光を取り込める部分の面積
R1:シリコーン樹脂
R2:反射性フィラ入りシリコーン樹脂
100−1、100−2:半導体受光装置
101:プリント配線基板
102:光半導体素子
103:凸状シリコーン樹脂層
104−1、104−2:遮光性樹脂層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7