(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る忌避システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、所定領域内にいる忌避対象を所定領域外へ忌避させるための忌避システムに関する。ここで、「所定領域」とは、忌避対象による被害が受ける可能性がある領域を意味する。この所定領域は、例えば、建物の屋上外周部(一例として、屋上に設置されたパラペット部、手擦部、パラペット部上に取り付けられる避雷導体等)、建物の屋上中央部、建物の搬入口近傍に設けられた庇の外周部又は下部、太陽光パネルやアンテナの上端部、田畑の外周部等を含む概念であるが、実施の形態では、建物の屋上外周部及び庇の外周部として説明する。また、「忌避対象」とは、所定領域から忌避させる対象であり、例えば、鳥獣、害虫等を含む概念であるが、実施の形態では、ドバトやカラス等の害鳥として説明する。
【0021】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0022】
(構成−設置場所)
最初に、実施の形態に係る忌避システムが設置される設置場所の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る忌避システムが設けられた建物を示す斜視図である。以下の説明では、
図1のX方向を建物の左右方向(−X方向を建物の左方向、+X方向を建物の右方向)、
図1のY方向を建物の前後方向(+Y方向を建物の前方向、−Y方向を建物の後方向)、
図1のZ方向を建物の上下方向(+Z方向を建物の上方向、−Z方向を建物の下方向)と称する。
【0023】
忌避システム1は、
図1に示す建物2に設置されており、具体的には、建物2の屋上外周部3に設けられている。ここで、忌避システム1を屋上外周部3に設けた理由は、以下に示す通りとなる。すなわち、後述する
図2の忌避対象OAである害鳥は、建物2のうち見晴らしがよい高い場所に止まって建物2やその周囲の安全を確認してから、徐々に建物2に降りて営巣行為等を行うという習性を有している。このことを踏まえると、忌避対象OAが最初に飛来しやすい上記見晴らしがよい高い場所、すなわち、屋上外周部3に忌避システム1を設けることで、屋上外周部3内にいる忌避対象OAを効果的に忌避させることができ、建物2に対する鳥害を防止できると考えられるからである。なお、上述した「屋上外周部3」は、特許請求の範囲における「所定領域」に対応する。
【0024】
また、この建物2の具体的な構成については、実施の形態では、
図1に示すように、建物2の屋上は略矩形状に形成されており、屋上外周部3には後述する
図2に示すパラペット部6が設けられている。このパラペット部6は、縦断面形状が多角形状(一例として、後述する
図2の略六角形状)となるように形成されたコンクリート製(又は金属製)の長尺体であり、屋上外周部3の略全体にわたって設けられている。
【0025】
(構成−忌避システム)
次に、実施の形態に係る忌避システム1の構成について説明する。
図1に示すように、忌避システム1は、第1噴射機構10a、及び第2噴射機構10bを備えている。
【0026】
ここで、忌避システム1の各構成要素の設置方法については任意であるが、実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bは、屋上外周部3に設けられている。具体的には、
図1に示すように、第1噴射機構10aは、屋上外周部3のうち庇4側の部分(
図1では、屋上外周部3の前側部分3a)に設けられ、第2噴射機構10bは、屋上外周部3のうち屋上外周部3の右側部分3bに設けられている。
【0027】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構)
次に、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの構成について説明する。
図2は、第1噴射機構10aを示す斜視図である。ただし、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の構成は相互に略同一であるので、以下では、第1噴射機構10aの構成のみについて説明することとする。
【0028】
第1噴射機構10aは、忌避対象OAに対して流体Fを噴射するための機構であり、
図2に示すように、供給源(図示省略)、コンプレッサ(図示省略)、バルブ(図示省略)、吹出管11、噴射口12、検知部13、及び制御装置14を備えている。ここで、「流体F」とは、流動性を有するものであり、例えば空気、特殊ガス(一例として、害鳥が嫌う香りを含むガス)等の気体と、水、特殊液(一例として、害鳥が嫌う香りを含む液体)等の液体と、砂、氷等固体とを含む概念であるが、実施の形態では、空気として説明する。なお、上述した「供給源」、「コンプレッサ」、「バルブ」、「吹出管11」、及び「噴射口12」、は、特許請求の範囲における「噴射手段」に対応する。
【0029】
また、第1噴射機構10aにおける各構成要素の接続形態については、以下の通りとなる。すなわち、まず、供給源、コンプレッサ、バルブ、及び吹出管11が配管15(例えば、金属製の空気用配管)を介して接続されている。また、供給源、コンプレッサ、バルブ、及び検知部13は、制御装置14と図示しない配線を介して電気的に接続されている。これにより、供給源から吹出管11に向けて流体Fを供給することができると共に、供給源、コンプレッサ、バルブ、又は検知部13と制御装置14との相互間で通信や電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0030】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−供給源)
供給源は、吹出管11に対して流体Fを供給するためのものである。この供給源は、例えば公知のタンク(一例として、エアタンク)等を用いて構成されており、屋上外周部3の前側部分3aに設けられたパラペット部6a(以下、「前側パラペット部6a」と称する)の近傍に設けられている。
【0031】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−コンプレッサ)
コンプレッサは、供給源から供給された流体Fを加圧する加圧手段である。このコンプレッサは、例えば公知のコンプレッサ(一例として、エアコンプレッサ)等を用いて構成されており、供給源の近傍位置に設けられている。
【0032】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−バルブ)
バルブは、コンプレッサにて加圧された流体Fを吹出管11に送出するか否かを切り替えるためのものである。このバルブは、例えば公知の電磁弁等を用いて構成されており、コンプレッサと吹出管11との相互間に位置する配管15に設けられている。
【0033】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−吹出管)
吹出管11は、バルブから送出された流体Fを搬送する管である。この吹出管11は、例えば、当該吹出管11の上流側端面が開放端であり、且つ当該吹出管11の下流側端面が閉鎖端である公知の長尺な配管(一例として、金属製(例えば鋼製)の空気用配管)等を用いて構成されている。また、この吹出管11は、
図2に示すように、前側パラペット部6aの上端部において、当該上端部の長手方向(
図2では、上端部の左右方向)の略全長にわたって設けられていると共に、当該上端部に這わせるように設けられている。
【0034】
また、吹出管11の具体的な形状及び大きさについて任意であるが、実施の形態では、まず、吹出管11の縦断面形状は、略円環状に設定されている。また、吹出管11の口径及び管長については、噴射口12から噴射される流体Fの速度が噴射口12から所定距離(例えば、10cm等)離れた位置で所望の速度(例えば8m/sec以上の速度)を確保できる長さに設定されており、例えば、吹出管11の口径が10φ〜20φ程度に設定され、吹出管11の管長が5m〜10m程度に設定されている。
【0035】
また、吹出管11の固定方法については任意であるが、例えば、吹出管11の長手方向の端部の各々を図示しない取付金具を介して前側パラペット部6aに対して固定してもよい。また、この取付金具の具体的な構成については任意であるが、例えば、取付金具は、吹出管11を接続するための板状の接続部と、接続部に接続された板状の支持部であって、前側パラペット部6aの一部(一例として、前側パラペット部6aの後側側部)に対して固定具によって接続可能な支持部とを備えて構成されてもよい。あるいは、前側パラペット部6aの上端部に取付金具を取り付けるための嵌合部が設けられている場合には、取付金具を嵌合部に嵌合させてもよい。
【0036】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−噴射口)
噴射口12は、流体Fを噴射する開口である。この噴射口12は、吹出管11の側部11aに設けられており、具体的には、
図2に示すように、相互に間隔を隔てて左右方向に略沿って複数並設されている。
【0037】
また、噴射口12の具体的な形状及び大きさについて任意であるが、実施の形態では、まず、複数の噴射口12の具体的な形状及び大きさは、それぞれ同一に設定されている。また、各噴射口12の形状は、略真円状に設定されている(すなわち、1つの開口12aのみを有する)。また、各噴射口12の口径については、噴射口12から噴射される流体Fの速度が噴射口12から所定距離(例えば、10cm等)離れた位置で所望の速度(例えば8m/sec以上の速度)を確保できる大きさに設定されており、例えば、1.0φ〜2.0φ程度に設定されている。
【0038】
また、吹出管11及び噴射口12の設置方法については任意であるが、実施の形態では、
図2に示すように、流体Fが建物2の屋内側から屋外側へ向けて噴射されるように設けており、例えば、流体Fの噴射角度が前側パラペット部6aの上端部に対して45度程度(又は、45度よりも高い角度又は低い角度)となるように設けている。このような設置方法により、屋上外周部3の前側部分3a内にいる忌避対象OAに対して流体Fを噴射でき、当該忌避対象OAを屋上外周部3外へ忌避させることができる。特に、流体Fを建物2の屋外側から屋内側へ向けて噴射できるので、流体Fが建物2の屋外側から屋内側へ向けて噴射されるように噴射口12及び吹出管11を設けた場合に比べて、流体Fの噴射に伴って忌避対象OAが屋上外周部3から飛び立ちやすくなることから、忌避対象OAを効果的に忌避させることができる。
【0039】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−検知部)
検知部13は、例えば公知の検知センサ(一例として、焦電センサ等)を用いて構成されており、前側パラペット部6aの上端部に設けられ、検知部13、アンプ部、及び信号処理部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、検知部13は、赤外線の熱エネルギーを吸収して温度変化を生じ、この温度変化に比例して誘起した信号をアンプ部に出力するものである。また、アンプ部は、検知部13から出力された信号を増幅して信号処理部に出力するものである。また、信号処理部は、アンプ部から出力された検知信号に基づいて忌避対象OAの有無を判定して、判定結果を示す信号を制御装置14に出力する。
【0040】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構−制御装置)
制御装置14は、第1噴射機構10aの各部を相互に連動させる装置であり、
図2に示すように、前側パラペット部6aの近傍に設けられており、操作部、入力部、出力部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
【0041】
操作部は、制御装置14に対する操作入力を受け付ける操作手段であり、各種のスイッチやタッチパッド等の公知の操作手段を用いて構成されている。
【0042】
入力部は、信号の入力を検知部13又は操作部から受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
【0043】
出力部は、信号を供給源、コンプレッサ、又はバルブに出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
【0044】
電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置14の各部に供給すると共に、供給源、コンプレッサ、バルブ、及び検知部13にも供給する電源手段である。
【0045】
制御部は、制御装置14の各部を制御する制御手段であって、噴射タイミングが到来した際に、噴射口12及び吹出管11によって流体Fを噴射させるための制御手段である。ここで、「噴射タイミング」とは、噴射口12から流体Fを噴射させるタイミングを意味し、例えば、検知部13によって忌避対象OAが検知されたタイミング、所定時間が経過したタイミング、操作部が操作されたタイミング等を含む概念であるが、実施の形態では、検知部13によって忌避対象OAが検知されたタイミングとして説明する。また、この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0046】
記憶部は、制御装置14の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0047】
このような制御装置14により、噴射タイミングが到来した場合のみ流体Fを噴射させることができ、常時流体Fを噴射させる場合に比べて、忌避システム1から与えられる刺激に対して忌避対象OAが慣れることを回避できると共に、忌避システム1のランニングコストを低減できる。
【0048】
また、以上のような第1噴射機構10aにより、噴射口12及び吹出管11を屋上外周部3の前側部分3aに這わるように設けることができ、噴射口12及び吹出管11を目立ちにくくすることができる。また、屋上外周部3の前側部分3a内にいる忌避対象OAに対して流体Fを噴射することができ、忌避対象OAを屋上外周部3の前側部分3a外へ確実に忌避させることができる。以上のことから、従来技術(複数の針状体を設ける技術)に比べて、屋上外周部3の意匠性を維持しながら、忌避対象OAを忌避させることが可能となる。
【0049】
(構成−忌避システム−第1噴射機構、第2噴射機構の作用について)
次に、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の作用について説明する。ただし、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1噴射機構10aの作用のみについて説明することとする。
【0050】
まず、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると(すなわち、噴射タイミングが到来すると)、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させる。次に、制御装置14の制御部によって、供給源から供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御する。そして、制御装置14の制御部によって、バルブを閉鎖状態から開放状態に切り替えるように制御することにより、上記加圧された流体Fが吹出管11に送出されて、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の噴射口12から噴射される。
【0051】
このような第1噴射機構10aの作用によって、屋上外周部3の前側部分3a内にいる忌避対象OAに複数の噴射口12の少なくともいずれか1つから噴射された流体Fを直接的に当てることで、当該忌避対象OAに直接的に刺激を加えることができ、当該忌避対象OAを屋上外周部3外へ忌避させることが可能となる。
【0052】
(構成−忌避システム−その他の構成)
また、この他にも、忌避システム1の第1噴射機構10aは、任意の構造にて構成可能である。
【0053】
具体的には、実施の形態では、第1噴射機構10aの吹出管11が1つの配管を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、複数の配管を用いて構成されてもよい。
図3は、第1噴射機構10aの変形例を示す背面図である。一例として、
図3に示すように、吹出管11は、複数の噴射口12が設けられた複数の第1吹出管41と、複数の第1吹出管41に接続された第2吹出管42であって、複数の第1吹出管41の各々に流体Fを搬送する第2吹出管42とを備えてもよい。この場合において、バルブ16は、複数の第1吹出管41の各々に設けられている。また、複数の第1吹出管41の具体的な形状及び大きさについて任意であるが、例えば、まず、複数の第1吹出管41の具体的な形状及び大きさは、それぞれ同一に設定されてもよい。また、各第1吹出管41の縦断面形状は、略円環状に設定されてもよい。また、各第1吹出管41の口径は、実施の形態の吹出管11の口径と略同一に設定され、各第1吹出管41の管長は、実施の形態の吹出管11の管長よりも短く設定されてもよい。また、第2吹出管42の具体的な形状及び大きさについて任意であるが、例えば、第2吹出管42の縦断面形状は、略円環状に設定されてもよい。また、第2吹出管42の口径は、複数の第1吹出管41の各々の口径よりも大きく設定され、第2吹出管42の管長は、実施の形態の吹出管11の管長と略同一に設定されてもよい。このような構成により、第2吹出管42から搬送された流体Fを複数の第1吹出管41の各々で圧縮でき、複数の第1吹出管41の各々の複数の噴射口12から噴射される流体Fを所望の速度で噴射させることが容易となる。
【0054】
また、実施の形態では、第1噴射機構10aが、1つの吹出管11と、1つの供給源とを備えていると説明したが、これに限られない。
図4は、第1噴射機構10aの変形例を示す背面図である。例えば、
図4に示すように、第1噴射機構10aは、実施の形態に係る第1噴射機構10aの構成に加えて、実施の形態に係る吹出管11の管長よりも短い長さに設定された複数の吹出管11と、複数の吹出管11の各々に接続された複数の補助供給源43であって、対応する吹出管11に対してバルブから送出された流体Fを供給する複数の補助供給源43(一例として、公知のレシーバタンク)と、各吹出管11と各補助供給源43との相互間に位置する配管15に設けられた補助バルブ44とを備えてもよい。この場合において、
図4の第1噴射機構10aの作用については、以下の通りとなる。すなわち、所定のタイミングが到来すると、制御装置14の制御部によって、供給源から供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御することにより、当該加圧された流体Fが配管15を介して複数の補助供給源43に送出される。そして、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると、制御装置14の制御部によって、複数の補助供給源43から複数の吹出管11に流体Fを供給させると共に、複数の補助バルブ44を閉鎖状態から開放状態に切り替え制御することにより、複数の吹出管11の各々の複数の噴射口12から当該吹出管11にて搬送された流体Fが噴射される。このような構成により、1つの供給源から複数の吹出管11に対して流体Fを供給する場合に比べて、圧縮された流体Fを複数の吹出管11に対して流体Fを供給することができ、複数の吹出管11の噴射口12から噴射される流体Fを所望の速度で噴射させることが容易となる。
【0055】
また、実施の形態では、第1噴射機構10aの吹出管11の噴射口12は、1つの開口12aのみを有すると説明したが、これに限られない。
図5は、吹出管11の変形例を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図である。例えば、
図5に示すように、噴射口12は、複数の開口12a(
図5では、7つの開口12a)を有してもよい。これにより、実施の形態に係る噴射口12に比べて流体Fの噴射範囲を拡張でき、忌避対象OAに噴射口12から噴射された流体Fを確実に当てることができる。
【0056】
また、実施の形態では、第1噴射機構10aが、1つの吹出管11に対して1つのバルブを備えていると説明したが、これに限られない。
図6、
図7は、第1噴射機構10aの変形例を示す背面図である。
図8、
図9は、第1噴射機構10aの変形例を示す背面図であり、(a)噴射前の状態を示す図、(b)噴射後の状態を示す図である。
【0057】
例えば、
図6に示すように、第1噴射機構10aは、1つの吹出管11に対して複数のバルブ16を備え、これら複数のバルブ16は、吹出管11に設けられた複数の噴射口12にそれぞれ設けられてもよい。また、複数のバルブ16の各々の内部の圧力を検知するための圧力検知部45(例えば、公知の圧力センサ)が設けられ、この圧力検知部45は、複数のバルブ16の各々と信号線46を介して接続されてもよい。この場合において、
図6の第1噴射機構10aの作用については、以下の通りとなる。すなわち、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御することにより、当該加圧された流体Fが吹出管11に送出される。そして、圧力検知部45によって複数のバルブ16のうち少なくともいずれか1つのバルブ16の圧力が閾値以上になると、制御装置14の制御部によって、当該少なくともいずれか1つのバルブ16を閉鎖状態から開放状態に切り替え制御することにより、当該少なくともいずれか1つのバルブ16に対応する噴射口12から吹出管11にて搬送された流体Fが噴射される。これにより、複数のバルブ16のうち少なくともいずれか1つのバルブ16の内部の圧力が閾値以上となった場合に当該少なくともいずれか1つのバルブ16の内部に対応する噴射口12から流体Fを噴射させることができ、バルブ16の内部の圧力が低い状態において噴射口12から流体Fが遅い速度で噴射されることを回避できる。
【0058】
また、
図7に示すように、第1噴射機構10aは、1つの吹出管11に対して複数のバルブ16を備え、これら複数のバルブ16は、吹出管11内に設けられ、吹出管11に設けられた複数の噴射口12と吹出管11よりも口径が小さい吹出細管47を介してそれぞれ接続されてもよい。この場合において、
図7の第1噴射機構10aの作用については、以下の通りとなる。すなわち、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御することにより、当該加圧された流体Fが吹出管11に送出される。そして、制御装置14の制御部によって、複数のバルブ16を閉鎖状態から開放状態に切り替えるように制御することにより、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の吹出細管47を介して複数の噴射口12から噴射される。これにより、複数のバルブ16の内部の圧力が閾値以上となった場合に、吹出細管47を介して噴射口12から流体Fを噴射することができ、複数の噴射口12から噴射される流体Fの速度を均一化することが可能となる。特に、吹出細管47の口径が吹出管11の口径よりも小さいので、吹出管11から搬送された流体Fを吹出細管47で圧縮でき、複数の噴射口12から噴射される流体Fを所望の速度で噴射させることが容易となる。
【0059】
また、
図8に示すように、第1噴射機構10aは、1つの吹出管11に対して複数のバルブ16を備え、これら複数のバルブ16は、例えば公知の可塑性素材製のバルブを用いて構成されており、吹出管11に設けられた複数の噴射口12にそれぞれ設けられてもよい。この場合において、
図8の第1噴射機構10aの作用については、以下の通りとなる。すなわち、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御することにより、
図8(a)に示すように、当該加圧された流体Fが吹出管11に送出されて、複数のバルブ16が膨張した状態となる。そして、複数のバルブ16内の圧力が閾値以上になると、複数のバルブ16が閉鎖状態から開放状態に切り替えられることにより、
図8(b)に示すように、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の噴射口12から噴射されて、複数のバルブ16が収縮した状態となる。その後、複数のバルブ16内の圧力が閾値未満になると、複数のバルブ16が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる。これにより、複数のバルブ16の内部の圧力が閾値以上となった場合に、複数の噴射口12から流体Fを噴射することができ、複数の噴射口12から噴射される流体Fの速度を均一化することが可能となる。また、制御装置14による複数のバルブ16の切替制御を行う必要がないので、制御装置14の処理負荷を低減できる。
【0060】
また、
図9に示すように、第1噴射機構10aは、1つの吹出管11に対して1つのバルブ16を備え、このバルブ16は、例えば公知の可塑性素材製のバルブを用いて構成されて、吹出管11内において吹出管11に設けられた複数の噴射口12に対応するように設けられてもよい。この場合において、
図9の第1噴射機構10aの作用については、以下の通りとなる。すなわち、検知部13から忌避対象OAが検知された旨を示す信号が入力されると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御することにより、
図9(b)に示すように、当該加圧された流体Fが吹出管11に送出されて、バルブ16が膨張した状態となる。そして、バルブ16内の圧力が閾値以上になると、バルブ16が閉鎖状態から開放状態に切り替えられることにより、
図9(b)に示すように、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の噴射口12から噴射される。その後、
図9(a)に示すように、バルブ16が収縮した状態となり、バルブ16内の圧力が閾値未満になると、バルブ16が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる。これにより、バルブ16の内部の圧力が閾値以上となった場合に、複数の噴射口12から流体Fを噴射することができ、複数の噴射口12から噴射される流体Fの速度を均一化することが可能となる。また、制御装置14によるバルブ16の切替制御を行う必要がないので、制御装置14の処理負荷を低減できる。
【0061】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、噴射手段が、流体Fを搬送する吹出管11と、吹出管11の側部11aに設けられた少なくとも1つ以上の噴射口12とを備えたので、噴射手段を所定領域に這わるように設けることができ、噴射手段を目立ちにくくすることができる。また、所定領域内にいる忌避対象OAに対して流体Fを噴射することができ、忌避対象OAを所定領域外へ確実に忌避させることができる。以上のことから、従来技術(複数の針状体を設ける技術)に比べて、所定領域の意匠性を維持しながら、忌避対象OAを忌避させることが可能となる。
【0062】
また、所定領域が、屋上外周部3であり、流体Fが建物2の屋内側から屋外側へ向けて噴射されるように、噴射手段を設けたので、流体Fを建物2の屋外側から屋内側へ向けて噴射でき、流体Fが建物2の屋外側から屋内側へ向けて噴射されるように噴射口12及び吹出管11を設けた場合に比べて、流体Fの噴射に伴って忌避対象OAが屋上外周部3から飛び立ちやすくなることから、忌避対象OAを効果的に忌避させることができる。
【0063】
また、噴射タイミングが到来した際に、噴射手段によって流体Fを噴射させるための制御部を備えたので、噴射タイミングが到来した場合のみ流体Fを噴射させることができ、常時流体Fを噴射させる場合に比べて、忌避システム1から与えられる刺激に対して忌避対象OAが慣れることを回避できると共に、忌避システム1のランニングコストを低減できる。
【0064】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0065】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0066】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0067】
(設置場所について)
上記実施の形態では、忌避システム1が、建物2の屋上外周部3に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、これらの設置場所に加えて、建物2の屋上に設けられた手摺部若しくは避雷導体、又はバルコニーに設けられた手摺部に設けられてもよい。ここで、忌避システム1が上記手摺部又は上記避雷導体に設けられる場合には、流体Fが鉛直上方向に向けて噴射されるように、第1噴射機構の如き噴射機構(噴射手段)を設けることが望ましい。これにより、上記手摺部又は上記避雷導体に止まる忌避対象OAに対して流体Fを効果的に噴射でき、流体Fが建物2の屋内側から屋外側へ向けて噴射されるように設けた場合に比べて、忌避対象OAを建物外へ忌避させることができる。
【0068】
(忌避システムについて)
上記実施の形態では、忌避システム1が、屋上外周部3の一部のみ(具体的には、屋上外周部3の前側部分3a及び右側部分3b)に設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、屋上外周部3全体にわたって設けられてもよい。また、上記実施の形態では、忌避システム1が、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、第1噴射機構10a又は第2噴射機構10bのいずれか一方のみを備えてもよい。
【0069】
(第1噴射機構及び第2噴射機構について)
上記実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bが、検知部13を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、検知部13を省略してもよい。この場合には、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bを、以下に示す通りに作用させてもよい。すなわち、所定時間(例えば、一定時間又は不定時間)が経過したタイミング又は操作部が操作されたタイミングが到来すると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御する。そして、制御装置14の制御部によって、バルブを閉鎖状態から開放状態に切り替えるように制御することにより、上記加圧された流体Fが吹出管11に送出されて、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の噴射口12から噴射される。これにより、所定時間が経過したタイミング又は操作部が操作されたタイミングで流体Fを噴射できるので、検知部13が設けた場合と同様に、忌避対象OAを効果的に忌避させることができると共に、忌避システム1から与えられる刺激に対して忌避対象OAが慣れることを回避できる。あるいは、検知部13を省略せずに、上記作用が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば、検知部13が検知された場合には複数の噴射口12から気体を噴射させることが可能な供給源と、所定時間が経過した場合には複数の噴射口12から液体(一例として、水)を噴射させることが可能な供給源とを備え、制御装置14の制御部がこれら供給源の供給を切り替えできるものであってもよい。これにより、液体によって吹出管11の内部や複数の噴射口12を清掃することができ、吹出管11の内部又は複数の噴射口12が埃や塵等によって詰まることにより、気体が噴射しにくくなることを回避できる。
【0070】
また、上記実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bが、供給源、コンプレッサ、及び制御装置14をそれぞれ備えていると説明したが、これに限られず、例えば、共通に使用される1つの供給源、1つのコンプレッサ、及び1つの制御装置14を備えてもよい。これにより、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの設置コストを低減することが可能となる。
【0071】
また、上記実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bが、供給源を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、供給源に代えて、建物2の排出口(図示省略)から排出された排気ガスを取得し、当該取得した排気ガスをコンプレッサを介して吹出管11に送出する排気ガス取得手段を用いて構成されてもよい。
【0072】
(供給源について)
上記実施の形態では、供給源は、公知のエアタンクを用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、エアの温度を調整可能な温度調整部を有するエアタンクを用いて構成されてもよい。
【0073】
(検知部について)
上記実施の形態では、検知部13は、焦電センサを用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、アクティブ又はパッシブ赤外線センサ、超音波センサ、光電センサ、又は重量センサを用いて構成されてもよい。あるいは、画像を撮像する撮像部と、撮像部にて撮像された画像に基づいて忌避対象OAの有無を判定して、その旨を示す信号を出力する画像処理部とを備えて構成されてもよい。
【0074】
(吹出管について)
上記実施の形態では、吹出管11の縦断面形状が、略円環状に設定されていると説明したが、これに限られず、例えば、多角形環状(一例として、矩形環状、六角環状等)や楕円環状に設定されてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、吹出管11が、鋼製の空気用配管を用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、忌避システム1を避雷導体として機能させるために、アルミニウム製又は銅製の空気用配管を用いて構成されると共に、この吹出管11と地中に埋設されたアース棒とをアース線を介して接続してもよい。これにより、例えば、忌避システム1が建物2の屋上に設置されたパラペット部6上に取り付けられた場合には、吹出管11を避雷導体として機能させることが可能となる。また、樹脂製の空気用配管を用いて構成されてもよい。これにより、金属製に比べて吹出管11の重量を軽減できるので、設置性を向上させることができる。
【0076】
(噴射口について)
上記実施の形態では、吹出管11に複数の噴射口12が設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、1つの噴射口12のみが設けられてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の複数の噴射口12が、建物2の屋内側から屋外側へ向けて流体Fが噴射されるように設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、複数の噴射口12の一部は、建物2の屋外側から屋内側へ向けて流体Fが噴射されるように設けられてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、噴射口12の形状が略真円状に設定されていると説明したが、これに限られない。例えば、噴射口12から流体Fが噴射されている状態において、害鳥が嫌がる音(一例として、天敵である猛禽類の鳴き声やはばたき音に近い音等)が出力可能な形状に設定されてもよい。これにより、忌避対象OAに噴射口12から噴射された流体Fを直接的に当てることができると共に、忌避対象OAに害鳥が嫌がる音を聞かせることができるので、忌避対象OAを一層効果的に忌避させることができる。
【0079】
(付記)
付記1の忌避システムは、所定領域内にいる忌避対象を前記所定領域外へ忌避させるための忌避システムであって、前記所定領域に設けられた噴射手段であって、前記忌避対象に対して流体を噴射するための噴射手段を備え、前記噴射手段は、前記流体を搬送する吹出管と、前記吹出管の側部に設けられた少なくとも1つ以上の噴射口であって、前記流体を噴射する噴射口と、を備えた。
【0080】
付記2の忌避システムは、付記1に記載の忌避システムにおいて、前記流体が前記建物の屋内側から屋外側へ向けて噴射されたり、又は前記流体が鉛直上方向に向けて噴射されるように、前記噴射手段を設けた。
【0081】
付記3の忌避システムは、付記1又は2に記載の忌避システムにおいて、前記吹出管は、前記少なくとも1つ以上の噴射口が設けられた複数の第1吹出管と、前記複数の第1吹出管に接続された第2吹出管であって、前記複数の第1吹出管の各々に前記流体を搬送する第2吹出管と、を備え、前記第2吹出管の口径を、前記複数の第1吹出管の各々の口径よりも大きくした。
【0082】
付記4の忌避システムは、付記1又は2に記載の忌避システムにおいて、前記噴射手段は、複数の前記吹出管と、前記複数の吹出管の各々と接続された複数の供給源であって、対応する吹出管に対して前記流体を供給する複数の供給源と、を備えた。
【0083】
付記5の忌避システムは、付記1又は2に記載の忌避システムにおいて、前記噴射手段は、前記噴射口が複数設けられた前記吹出管と、前記吹出管内において前記複数の噴射口の少なくともいずれか1つに対応するように設けられたバルブであって、当該バルブ内の圧力が閾値以上となった場合に当該複数の噴射口の少なくともいずれか1つから前記流体を噴射するバルブと、を備えた。
【0084】
付記6の忌避システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の忌避システムにおいて、噴射タイミングが到来した際に、前記噴射手段によって前記流体を噴射させるための制御手段を備えた。
【0085】
(付記の効果)
付記1に記載の忌避システムによれば、噴射手段が、流体を搬送する吹出管と、吹出管の側部に設けられた少なくとも1つ以上の噴射口とを備えたので、噴射手段を所定領域に這わるように設けることができ、噴射手段を目立ちにくくすることができる。また、所定領域内にいる忌避対象に対して流体を噴射することができ、忌避対象を所定領域外へ確実に忌避させることができる。以上のことから、従来技術(複数の針状体を設ける技術)に比べて、所定領域の意匠性を維持しながら、忌避対象を忌避させることが可能となる。
【0086】
付記2に記載の忌避システムによれば、所定領域が、建物の屋上外周部であり、流体が建物の屋内側から屋外側へ向けて噴射されたり、又は前記流体が鉛直上方向に向けて噴射されるように、噴射手段を設けたので、流体を建物の屋外側から屋内側へ向けて噴射でき、流体が建物の屋外側から屋内側へ向けて噴射されるように噴射口及び吹出管を設けた場合に比べて、流体の噴射に伴って忌避対象が屋上外周部から飛び立ちやすくなることから、忌避対象を効果的に忌避させることができる。
【0087】
付記3に記載の忌避システムによれば、吹出管が、少なくとも1つ以上の噴射口が設けられた複数の第1吹出管と、複数の第1吹出管に接続された第2吹出管と、を備え、第2吹出管の口径を、複数の第1吹出管の各々の口径よりも大きくしたので、第2吹出管から搬送された流体を複数の第1吹出管の各々で圧縮でき、複数の第1吹出管の各々の複数の噴射口から噴射される流体を所望の速度で噴射させることが容易となる。
【0088】
付記4に記載の忌避システムによれば、噴射手段が、複数の吹出管と、複数の吹出管の各々と接続された複数の供給源であって、対応する吹出管に対して流体を供給する複数の供給源と、を備えたので、1つの供給源から複数の吹出管に対して流体を供給する場合に比べて、圧縮された流体を複数の吹出管に対して流体を供給することができ、複数の吹出管の噴射口から噴射される流体を所望の速度で噴射させることが容易となる。
【0089】
付記5に記載の忌避システムによれば、噴射手段が、噴射口が複数設けられた吹出管と、吹出管内において複数の噴射口の少なくともいずれか1つに対応するように設けられたバルブと、を備えたので、バルブの内部の圧力が閾値以上となった場合に当該バルブの内部に対応する噴射口から流体を噴射させることができ、バルブの内部の圧力が低い状態において噴射口から流体が遅い速度で噴射されることを回避できる。
【0090】
付記6に記載の忌避システムによれば、噴射タイミングが到来した際に、噴射手段によって流体を噴射させるための制御手段を備えたので、噴射タイミングが到来した場合のみ流体を噴射させることができ、常時流体を噴射させる場合に比べて、忌避システムから与えられる刺激に対して忌避対象が慣れることを回避できると共に、忌避システムのランニングコストを低減できる。