(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インスリン又はインスリンアナログが、非繰り返し配列、すなわちランダムオーダーの配列により延長される、請求項1に記載のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログ。
治療有効量の請求項1から8のいずれか一項に記載のオリゴマー延長型インスリン若しくはインスリンアナログ、又はその薬学的に許容され得る塩を、1つ又は複数のアジュバント、賦形剤、担体及び/又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログ
第一の実施形態において、本発明は、オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを提供し、このインスリン又はインスリンアナログは、A及びB鎖を含む2本鎖のインスリン分子であり、並びに、このインスリン又はインスリンアナログは、B鎖のN末端で、及び/又はA鎖のC末端から、His(H)、Gln(Q)、Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)及びThr(T)の群から選択されるアミノ酸残基のみからなる延長部により延長され;この延長部においては:
I)His(H)及びGln(Q)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の1つ又は両方(すなわち、群I)である、前記数(すなわち、1つ又は2つの)の群Iのアミノ酸残基が、
II)前記数の3倍(すなわち、3つ又は6つ)以下の、Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)、及びThr(T)からなる群から選択されるアミノ酸残基(すなわち、群II)と組み合わされて;
オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを、約100から約800の連続するアミノ酸残基を含む延長部を有するようにする。
【0016】
これは、本発明に従って選択されるアミノ酸が、所望の長さ及びサイズの延長部を得るために、必要に応じて繰り返し得ることを暗示する。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを提供し、このインスリン又はインスリンアナログは、A及びB鎖を含む2本鎖のインスリン分子であり、並びに、このインスリン又はインスリンアナログは、B鎖のN末端で、及び/又はA鎖のC末端から、His(H)、Gln(Q)、Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)及びThr(T)の群から選択されるアミノ酸残基のみからなる延長部により延長され;この延長部は、以下から構成されて:
I)His(H)及びGln(Q)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の1つ又は両方(すなわち、群I)と、前記数(すなわち、1つ又は2つ)の群Iのアミノ酸残基が組み合わされた、
II)前記数の3倍(すなわち、3つ又は6つ)以下の、Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)、及びThr(T)からなる群から選択されるアミノ酸残基(すなわち、群II);
前記数が、上述のアミノ酸残基の化学量論的な割合を指し示す、構造上のモチーフを与え、
前記組成が、繰り返され得又は延長され得、オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログに、約100から約800の連続するアミノ酸残基を含む延長部を与える。
【0018】
極性残基は、最終産物の溶解性及び流体力学的なサイズについての考慮から主として外れることが好ましい。更に、両方共に極性アミノである、Gln及びHisは、特に酵母発現系に関係して、Ser及びThrに関連するグリコシル化問題が存在しない。最終的に、特定のバランスのGln及び/又はHisが関与する配列を有する延長部は、例えば複数のGlu(E)を保持する配列等の他の配列を有する延長部と比べた場合に、より低い粘性を示した。
【0019】
したがって、第三の実施形態において、本発明のインスリン又はインスリンアナログのオリゴマー延長部は、上で規定したとおり、その構造上のモチーフ中に1つ以下のGlu(E)を保持する。
【0020】
第四の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは:
I)His(H)及びGln(Q)(すなわち、群I)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の一方が;
II)Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)及びThr(T)(すなわち、群II)からなる群から選択されるアミノ酸残基の3つ以下、と組み合わされる産物である。
【0021】
第五の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは:
I)His(H)及びGln(Q)(すなわち、群I)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の一方が;
II)Ala(A)、Glu(E)、Gly(G)及びPro(P)(すなわち、群II)からなる群から選択されるアミノ酸残基の3つ以下、と組み合わされる産物である。
【0022】
第六の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは:
I)His(H)及びGln(Q)(すなわち、群I)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の両方が;
II)Ala(A)、Asp(D)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)、Ser(S)及びThr(T)(すなわち、群II)からなる群から選択されるアミノ酸残基の6つ以下、と組み合わされる産物である。
【0023】
第七の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは:
I)His(H)及びGln(Q)(すなわち、群I)からなる群から選択される(2つの)アミノ酸残基の両方が;
II)Ala(A)、Glu(E)、Gly(G)、Pro(P)(すなわち、群II)からなる群から選択されるアミノ酸残基の6つ以下、と組み合わされる産物である。
【0024】
第八の実施形態において、群Iのアミノ酸残基の一方又は両方は、群IIから選択される同じ数のアミノ酸残基と組み合わされる。
【0025】
第九の実施形態において、群Iのアミノ酸残基の一方又は両方は、群IIから選択される1と1/2倍の数のアミノ酸残基と組み合わされる。
【0026】
第十の実施形態において、群Iのアミノ酸残基の一方又は両方は、群IIから選択される2倍の数のアミノ酸残基と組み合わされる。
【0027】
第十一の実施形態において、群Iのアミノ酸残基の一方又は両方は、群IIから選択される2.5倍の数のアミノ酸残基と組み合わされる。
【0028】
第十二の実施形態において、群Iのアミノ酸残基の一方又は両方は、群IIから選択される3倍の数のアミノ酸残基と組み合わされる。
【0029】
本発明に従って実施される延長は、任意の起源のインスリン分子、特に組換えの、ウシ又はブタの起源のインスリン分子に、又は入手可能な任意のインスリンアナログに適用され得る。
【0030】
本発明の更なる実施形態において、本発明に従うオリゴマー延長型産物は、オリゴマー延長型ヒトインスリンである。
【0031】
第二の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型産物は、
A14E、A21G、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、B16H、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、B16H、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、desB30ヒトインスリン;
A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、B16H、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23P、A24Q、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23Q、A24P、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Gヒトインスリン;
A21G、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23A、A24Q、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23Q、A24A、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23A、A24P、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P、A24A、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P、desB30ヒトインスリン;
A21G、B1F、desB30ヒトインスリン;
A21G、B3K、B29Eヒトインスリン;
A21G、desB27、desB30ヒトインスリン;
A21G、B28Dヒトインスリン;
A21G、B28D、desB30ヒトインスリン;
A21G、B28K、B29Pヒトインスリン;
A21G、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22Gヒトインスリン;
A21Q、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、B3K、B29Eヒトインスリン;
A21Q、desB27、desB30ヒトインスリン;
A21Q、B28Dヒトインスリン;
A21Q、B28D、desB30ヒトインスリン;
A21Q、B28K、B29Pヒトインスリン;
A21Q、desB30ヒトインスリン;
A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
B3K、B29Eヒトインスリン;
B28Dヒトインスリン;
B28D、desB30ヒトインスリン;
B28K、B29Pヒトインスリン;又は
desB30ヒトインスリン
からなる群から選択されるオリゴマー延長型インスリンアナログである。
【0032】
一実施形態において、インスリンアナログは、
A14E、A21G、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23P、A24Q、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23Q、A24P、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23A、A24Q、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23Q、A24A、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23A、A24P、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P、A24A、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P、desB30ヒトインスリン;
A21G、B1F、desB30ヒトインスリン;
A21G、desB30ヒトインスリン;及び
A21Q、desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
【0033】
別の実施形態において、インスリンアナログは、
A14E、A21G、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21G、desB30ヒトインスリン;及び
A21Q、desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
【0034】
第三の実施形態において、インスリンアナログは、A14E、A21G、B25H、desB30ヒトインスリンである。
【0035】
第四の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22A、A23P、A24Q、desB30ヒトインスリンである。
【0036】
第五の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22A、A23Q、A24P、desB30ヒトインスリンである。
【0037】
第六の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22P、A23A、A24Q、desB30ヒトインスリンである。
【0038】
第七の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22P、A23Q、A24A、desB30ヒトインスリンである。
【0039】
第八の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22Q、A23A、A24P、desB30ヒトインスリンである。
【0040】
第九の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22Q、A23P、A24A、desB30ヒトインスリンである。
【0041】
第十の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、A22Q、A23P、desB30ヒトインスリンである。
【0042】
第十一の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、B1F、desB30ヒトインスリンである。
【0043】
第十二の実施形態において、インスリンアナログは、A21G、desB30ヒトインスリンである。
【0044】
第十三の実施形態において、インスリンアナログは、A21Q、desB30ヒトインスリンである。
【0045】
延長部がGly(G)残基で始まる場合、本発明に従って選択されるインスリンアナログは、好ましくは、アナログA21Gly(G)を含有する又はA21Gln(Q)を含有するアナログであってもよい。
【0046】
したがって、一実施形態において、本発明のオリゴマー延長型産物はA21Gly(G)又はA21Gln(Q)変異を含むオリゴマー延長型インスリンアナログであり、延長部はGly(G)残基で始まる。
【0047】
また、なお別の実施形態において、インスリンアナログが、ネイティブのA21N位を保持する場合、オリゴマー延長部のN末端の最初のアミノ酸は、Gly(G)残基であるべきではない。
【0048】
第三の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、B鎖のN末端で延長される。
【0049】
第四の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、A鎖のC末端で延長される。
【0050】
第五の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、B鎖のN末端で及びA鎖のC末端から延長される。
【0051】
第六の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、以下により延長される、
A)[A、G、及びH若しくはQ]の群から;若しくは[E、G、及びH若しくはQ]の群から;若しくは[G、P、及びH若しくはQ]の群;(すなわち、群A);から選択されるアミノ酸残基を含む連続するアミノ酸残基;又は
B)[A、G、P、及びH若しくはQ]の群から;若しくは[E、G、P、及びH若しくはQ]の群から;若しくは[G、K、P、及びH若しくはQ]の群から;若しくは[E、G、H、及びQ]の群;(すなわち、群B);から選択されるアミノ酸残基を含む連続するアミノ酸残基;又は
C)[A、G、P、H、及びQ]の群から;若しくは[E、G、P、H、及びQ]の群;(すなわち、群C);から選択されるアミノ酸残基を含む連続するアミノ酸残基;又は
D)[A、E、G、P、H、及びQ]の群;(すなわち、群D];から選択されるアミノ酸残基を含む連続するアミノ酸残基;
並びに/又は群A、B、C、及びDの任意の組合せ。
【0052】
第七の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、非繰り返し配列、すなわち、ランダムオーダーの配列により延長される。
【0053】
一実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、A、D、E、G、H、P、Q、S、及びTを、ランダムオーダーで含むアミノ酸残基の配列により延長される。
【0054】
別の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、A、D、E、G、H、P、及びQを、ランダムオーダーで、含むアミノ酸残基の配列で延長される。
【0055】
第三の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、A、E、G、H、P、Q、S、及びTを、ランダムオーダーで、含むアミノ酸残基の配列で延長される。
【0056】
第四の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、A、E、G、H、P、及びQを、およそ等しい量であるがランダムオーダーで含むアミノ酸残基の配列により延長される。
【0057】
第八の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、特定のモチーフの繰り返しで延長され、そのようなモチーフは、所望の長さ及びサイズの延長部を得るために、必要に応じて繰り返されてもよい。問題のモチーフに応じて、繰り返しの数は、約2から約400の範囲内であってもよい。
【0058】
一実施形態において、繰り返しの数は、約5から約250の範囲内である。
【0059】
別の実施形態において、繰り返しの数は、約10から約200の範囲内である。
【0060】
第三の実施形態において、繰り返しの数は、10、12、13、15、20、25、30、31、33、37、40、44、49、50、56、60、62、65、66、67、69、70、75、80、90、100、125、又は150である。
【0061】
第九の実施形態において、群Aのアミノ酸残基は、[A、G、及びH又はQ]の群(すなわち、群A1)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0062】
一実施形態において、群A1のアミノ酸残基は、[A、G、及びH]の群から選択される。
【0063】
別の実施形態において、[A、G、及びH]の群から選択される、群A1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHA];[HAG];[AGH];[GAH];[AHG];及び[HGA];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0064】
第三の実施形態において、群A1のアミノ酸残基は、[A、G、及びQ]の群から選択される。
【0065】
第四の実施形態において、[A、G、及びQ]の群から選択される、群A1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQA];[QAG];[AGQ];[GAQ];[AQG];及び[QGA];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0066】
第五の実施形態において、[A、G、及びQ]の群から選択される、群A1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQA];及び[GAQ];並びにその任意の組合せの一方又は両方によって表される。
【0067】
第六の実施形態において、[A、G、及びQ]の群から選択される、群A1のアミノ酸残基は、任意の組合せのモチーフ:[GAQ]によって表される。
【0068】
第十の実施形態において、群Aのアミノ酸残基は、[E、G、及びH又はQ]の群(すなわち、群A2)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0069】
一実施形態において、群A2のアミノ酸残基は、[E、G、及びH]の群から選択される。
【0070】
別の実施形態において、[E、G、及びH]の群から選択される、群A2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEH];[EHG];[HGE];[GHE];[HEG];及び[EGH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0071】
第三の実施形態において、[E、G、及びH]の群から選択される、群A2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEH];及び[GHE];並びにその任意の組合せの一方又は両方によって表される。
【0072】
第四の実施形態において、[E、G、及びH]の群から選択される、群A2のアミノ酸残基は、任意の組合せのモチーフ:[GEH]によって表される。
【0073】
第五の実施形態において、群A2のアミノ酸残基は、[E、G、及びQ]の群から選択される。
【0074】
第六の実施形態において、[E、G、及びQ]の群から選択される、群A2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEQ];[EQG];[QGE];[GQE];[QEG];及び[EGQ];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0075】
第七の実施形態において、[E、G、及びQ]の群から選択される、群A2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEQ];及び[GQE];並びにその任意の組合せの一方又は両方によって表される。
【0076】
第十一の実施形態において、群Aのアミノ酸残基は、[G、P、及びH又はQ]の群(すなわち、群A3)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0077】
一実施形態において、群A3のアミノ酸残基は、[G、P、及びH]の群から選択される。
【0078】
別の実施形態において、[G、P、及びH]の群から選択される、群A3のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHPH];[HPHG];[PHGH];及び[HGHP];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0079】
第三の実施形態において、[G、P、及びH]の群から選択される、群A3のアミノ酸残基は、モチーフ:[GHPH]によって表される。
【0080】
第四の実施形態において、群A3のアミノ酸残基は、[G、P、及びQ]の群から選択される。
【0081】
第五の実施形態において、[G、P、及びQ]の群から選択される、群A3のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQP];[QPG];及び[PGQ];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0082】
第六の実施形態において、[G、P、及びQ]の群から選択される、群A3のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQPQ];[QPQG];[PQGQ];及び[QGQP];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0083】
第七の実施形態において、群Aのアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAQ];[GEH];[GEQ];[GQA];[GQE];及び/又は[GQP];並びにその任意の組合せの1つ又は複数から選択される。
【0084】
第十二の実施形態において、群Bのアミノ酸残基は、[A、G、P、及びH又はQ]の群(すなわち、群B1)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0085】
一実施形態において、群B1のアミノ酸残基は、[A,G,P,H]の群から選択される。
【0086】
別の実施形態において、[A,G,P,H]の群から選択される、群B1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAPH];[APHG];[PHGA];[HGAP];[GAHP];[AHPG];[HPGA];[PGAH];[GPAH];[PAHG];[AHGP];[HGPA];[GHAP];[HAPG];[APGH];[PGHA];[GHPA];[HPAG];[PAGH];[AGHP];[PHAG];[HAGP];[AGPH];及び[GPHA];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0087】
第三の実施形態において、[A,G,P,H]の群から選択される、群B1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAPH]によって表される。
【0088】
第四の実施形態において、群B1のアミノ酸残基は、[A,G,P,Q]の群から選択される。
【0089】
第五の実施形態において、[A,G,P,Q]の群から選択される、群B1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAPQ];[APQG];[PQGA];[QGAP];[GAQP];[AQPG];[QPGA];[PGAQ];[GPAQ];[PAQG];[AQGP];[QGPA];[GQAP];[QAPG];[APGQ];[PGQA];[GQPA];[QPAG];[PAGQ];[AGQP];[PQAG];[QAGP];[AGPQ];及び[GPQA];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0090】
第六の実施形態において、[A,G,P,Q]の群から選択される、群B1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAPQ];[GAQP];[GPAQ];[GQAP];[GQPA];[PQAG];及び[GPQA];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0091】
第十三の実施形態において、群Bのアミノ酸残基は、[E、G、P、及びH又はQ]の群(すなわち、群B2)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0092】
一実施形態において、群B2のアミノ酸残基は、[E,G,P,H]の群から選択される。
【0093】
別の実施形態において、[E,G,P,H]の群から選択される、群B2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEHP];[EHPG];[HPGE];[PGEH];[GEPH];[EPHG];[PHGE];[HGEP];[GHPE];[HPEG];[PEGH];[EGHP];[GHEP];[HEPG];[EPGH];[PGHE];[GHHP];[HHPG];[HPGH];[PGHH];[GPEH];[PEHG];[EHGP];[HGPE];[GPHE];[PHEG];[HEGP];及び[EGPH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0094】
第三の実施形態において、[E,G,P,H]の群から選択される、群B2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEHP];[GEPH];[GHPE];[GHEP];[GHHP];[GPEH];及び[GPHE];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0095】
第四の実施形態において、群B2のアミノ酸残基は、[E,G,P,Q]の群から選択される。
【0096】
第五の実施形態において、[E,G,P,Q]の群から選択される、群B2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEQP];[EQPG];[QPGE];[PGEQ];[GEPQ];[EPQG];[PQGE];[QGEP];[GQPE];[QPEG];[PEGQ];[EGQP];[GQEP];[QEPG];[EPGQ];[PGQE];[GQQP];[QQPG];[QPGQ];[PGQQ];[GPEQ];[PEQG];[EQGP];[QGPE];[GPQE];[PQEG];[QEGP];及び[EGPQ];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0097】
第六の実施形態において、[E,G,P,Q]の群から選択される、群B2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEQP];[GEPQ];[GQPE];[GQEP];[GPEQ];及び[GPQE];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0098】
第十四の実施形態において、群Bのアミノ酸残基は、[E、G、H、及びQ]の群(すなわち、群B4)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0099】
一実施形態において、群B4のアミノ酸残基は、[E,G,H,Q]の群から選択される。
【0100】
別の実施形態において、[E,G,H,Q]の群から選択される、群B4のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEQH];[EQHG];[QHGE];[HGEQ];[GEHQ];[EHQG];[HQGE];[QGEH];[GHEQ];[HEQG];[EQGH];[QGHE];[GHQE];[HQEG];[QEGH];[EGHQ];[GQHP];[QHPG];[HPGQ];[PGQH];[GQEH];[QEHG];[EHGQ];[HGQE];[GQHE];[QHEG];[HEGQ];[EGQH];[GHQP];[HQPG];[QPGH];及び[PGHQ];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0101】
第三の実施形態において、[E,G,H,Q]の群から選択される、群B4のアミノ酸残基は、次のモチーフ [GEQH];[GEHQ];[GHEQ];[GHQE];[GQHP];[GQEH];及び[GQHE];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0102】
第四の実施形態において、群Bのアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GAPH];[GAPQ];[GAQP];[GPAQ];[GQAP];[GQPA];[PQAG];[GPQA];[GEHP];[GEPH];[GHPE];[GHEP];[GHHP];[GPEH];[GPHE];[GEQP];[GEPQ];[GQPE];[GQEP];[GPEQ];[GPQE];[GEQH];[GEHQ];[GHEQ];[GHQE];[GQHP];[GQEH];及び/又は[GQHE];並びにその任意の組合せの1つ又は複数から選択される。
【0103】
第十五の実施形態において、群Cのアミノ酸残基は、[A、G、P、H、及びQ]の群(すなわち、群C1)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0104】
一実施形態において、[A、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群C1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHAPGHHP];[HAPGHHPG];[APGHHPGH];[PGHHPGHA];[GHHPGHAP];[HHPGHAPG];[HPGHAPGH];[PGHAPGHH];[GHAPGQHP];[HAPGQHPG];[APGQHPGH];[PGQHPGHA];[GQHPGHAP];[QHPGHAPG];[HPGHAPGQ];[PGHAPGQH];[GQAPGQHP];[QAPGQHPG];[APGQHPGQ];[PGQHPGQA];[GQHPGQAP];[QHPGQAPG];[HPGQAPGQ];及び[PGQAPGQH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0105】
別の実施形態において、[A、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群C1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQAPGQAPGAPHGAPH];[HGQAPGQAPGAPHGAP];[PHGQAPGQAPGAPHGA];[APHGQAPGQAPGAPHG];[GAPHGQAPGQAPGAPH];[HGAPHGQAPGQAPGAP];[PHGAPHGQAPGQAPGA];[APHGAPHGQAPGQAPG];[GAPHGAPHGQAPGQAP];[PGAPHGAPHGQAPGQA];[APGAPHGAPHGQAPGQ];[QAPGAPHGAPHGQAPG];[GQAPGAPHGAPHGQAP];[PGQAPGAPHGAPHGQA];[APGQAPGAPHGAPHGQ];[GQAPGAPHGAPHGAPH];[QAPGAPHGAPHGAPHG];[APGAPHGAPHGAPHGQ];[PGAPHGAPHGAPHGQA];[GAPHGAPHGAPHGQAP];[APHGAPHGAPHGQAPG];[PHGAPHGAPHGQAPGA];[HGAPHGAPHGQAPGAP];[GAPHGAPHGQAPGAPH];[APHGAPHGQAPGAPHG];[PHGAPHGQAPGAPHGA];[HGAPHGQAPGAPHGAP];[GAPHGQAPGAPHGAPH];[APHGQAPGAPHGAPHG];[PHGQAPGAPHGAPHGA];[HGQAPGAPHGAPHGAP];及び[QAPGQAPGAPHGAPHG];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0106】
第三の実施形態において、[A、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群C1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GQAPGQAPGQAPGAPH];[HGQAPGQAPGQAPGAP];[PHGQAPGQAPGQAPGA];[APHGQAPGQAPGQAPG];[GAPHGQAPGQAPGQAP];[PGAPHGQAPGQAPGQA];[APGAPHGQAPGQAPGQ];[QAPGAPHGQAPGQAPG];[GQAPGAPHGQAPGQAP];[PGQAPGAPHGQAPGQA];[APGQAPGAPHGQAPGQ];[QAPGQAPGAPHGQAPG];[GQAPGQAPGAPHGQAP];[PGQAPGQAPGAPHGQA];[APGQAPGQAPGAPHGQ];及び[QAPGQAPGQAPGAPHG];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0107】
第十六の実施形態において、群Cのアミノ酸残基は、[E、G、P、H、及びQ]の群(すなわち、群C2)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0108】
一実施形態において、[E、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群C2のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHEPGHHP];[HEPGHHPG];[EPGHHPGH];[PGHHPGHE];[GHHPGHEP];[HHPGHEPG];[HPGHEPGH];[PGHEPGHH];[GHEPGQHP];[HEPGQHPG];[EPGQHPGH];[PGQHPGHE];[GQHPGHEP];[QHPGHEPG];[HPGHEPGQ];[PGHEPGQH];[GQEPGQHP];[QEPGQHPG];[EPGQHPGQ];[PGQHPGQE];[GQHPGQEP];[QHPGQEPG];[HPGQEPGQ];及び[PGQEPGQH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0109】
別の実施形態において、[E、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群Cのアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHEPGHHP];[GHEPGQHP];及び[GQEPGQHP];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0110】
第三の実施形態において、群Cのアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GHEPGHHP];[GHEPGQHP];[GQEPGQHP];[GQAPGAPHGAPHGAPH];[GQAPGQAPGAPHGAPH];及び/又は[GQAPGQAPGQAPGAPH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数から選択される。
【0111】
第十七の実施形態において、群Dのアミノ酸残基は、[A、E、G、P、H、及びQ]の群、(すなわち、群D1)から;又は[A、E、G、H、P、Q]の群(ランダムオーダーで)(すなわち、群D2)から選択される連続するアミノ酸残基によって表される。
【0112】
一実施形態において、[A、E、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群D1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEHPGAPHGQEPGQAP];[EHPGAPHGQEPGQAPG];[HPGAPHGQEPGQAPGE];[PGAPHGQEPGQAPGEH];[GAPHGQEPGQAPGEHP];[APHGQEPGQAPGEHPG];[PHGQEPGQAPGEHPGA];[HGQEPGQAPGEHPGAP];[GQEPGQAPGEHPGAPH];[QEPGQAPGEHPGAPHG];[EPGQAPGEHPGAPHGQ];[PGQAPGEHPGAPHGQE];[GQAPGEHPGAPHGQEP];[QAPGEHPGAPHGQEPG];[APGEHPGAPHGQEPGQ];[PGEHPGAPHGQEPGQA];[GQAPGQAPGAPHGAPH];[QAPGQAPGAPHGAPHG];[APGQAPGAPHGAPHGQ];[PGQAPGAPHGAPHGQA];[GQAPGAPHGAPHGQAP];[QAPGAPHGAPHGQAPG];[APGAPHGAPHGQAPGQ];[PGAPHGAPHGQAPGQA];[GAPHGAPHGQAPGQAP];[APHGAPHGQAPGQAPG];[PHGAPHGQAPGQAPGA];[HGAPHGQAPGQAPGAP];[GAPHGQAPGQAPGAPH];[APHGQAPGQAPGAPHG];[PHGQAPGQAPGAPHGA];[HGQAPGQAPGAPHGAP];[GQAPGQAPGQAPGAPH];[QAPGQAPGQAPGAPHG];[APGQAPGQAPGAPHGQ];[PGQAPGQAPGAPHGQA];[GQAPGQAPGAPHGQAP];[QAPGQAPGAPHGQAPG];[APGQAPGAPHGQAPGQ];[PGQAPGAPHGQAPGQA];[GQAPGAPHGQAPGQAP];[QAPGAPHGQAPGQAPG];[APGAPHGQAPGQAPGQ];[PGAPHGQAPGQAPGQA];[GAPHGQAPGQAPGQAP];[APHGQAPGQAPGQAPG];[PHGQAPGQAPGQAPGA];[HGQAPGQAPGQAPGAP];[GQEPGAPHGAPHGAPH];[QEPGAPHGAPHGAPHG];[EPGAPHGAPHGAPHGQ];[PGAPHGAPHGAPHGQE];[GAPHGAPHGAPHGQEP];[APHGAPHGAPHGQEPG];[PHGAPHGAPHGQEPGA];[HGAPHGAPHGQEPGAP];[GAPHGAPHGQEPGAPH];[APHGAPHGQEPGAPHG];[PHGAPHGQEPGAPHGA];[HGAPHGQEPGAPHGAP];[GAPHGQEPGAPHGAPH];[APHGQEPGAPHGAPHG];[PHGQEPGAPHGAPHGA];[HGQEPGAPHGAPHGAP];[GQEPGQEPGAPHGAPH];[QEPGQEPGAPHGAPHG];[EPGQEPGAPHGAPHGQ];[PGQEPGAPHGAPHGQE];[GQEPGAPHGAPHGQEP];[QEPGAPHGAPHGQEPG];[EPGAPHGAPHGQEPGQ];[PGAPHGAPHGQEPGQE];[GAPHGAPHGQEPGQEP];[APHGAPHGQEPGQEPG];[PHGAPHGQEPGQEPGA];[HGAPHGQEPGQEPGAP];[GAPHGQEPGQEPGAPH];[APHGQEPGQEPGAPHG];[PHGQEPGQEPGAPHGA];[HGQEPGQEPGAPHGAP];[GQEPGQEPGQEPGAPH];[QEPGQEPGQEPGAPHG];[EPGQEPGQEPGAPHGQ];[PGQEPGQEPGAPHGQE];[GQEPGQEPGAPHGQEP];[QEPGQEPGAPHGQEPG];[EPGQEPGAPHGQEPGQ];[PGQEPGAPHGQEPGQE];[GQEPGAPHGQEPGQEP];[QEPGAPHGQEPGQEPG];[EPGAPHGQEPGQEPGQ];[PGAPHGQEPGQEPGQE];[GAPHGQEPGQEPGQEP];[APHGQEPGQEPGQEPG];[PHGQEPGQEPGQEPGA];及び[HGQEPGQEPGQEPGAP];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0113】
別の実施形態において、[A、E、G、P、H、及びQ]の群から選択される、群D1のアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEHPGAPHGQEPGQAP];[GQAPGAPHGAPHGAPH];[GQAPGQAPGAPHGAPH];[GQAPGQAPGQAPGAPH];[GQEPGAPHGAPHGAPH];[GQEPGQEPGAPHGAPH];及び[GQEPGQEPGQEPGAPH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数によって表される。
【0114】
別の実施形態において、群Dのアミノ酸残基は、次のモチーフ:[GEHPGAPHGQEPGQAP];[GQEPGAPHGAPHGAPH];[GQEPGQEPGAPHGAPH];及び[GQEPGQEPGQEPGAPH];並びにその任意の組合せの1つ又は複数から選択される。
【0115】
第十八の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、
[GEH];[GQA];[GQE];[GHE];[GEQ];[GAQ];及び[GQP];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Aのモチーフ;並びに/又は
[GAPH];[GAPQ];[GEHP];[GEPH];[GEQH];[GHEP];[GHHP];[PQAG];[GQAP];[GQEP];[GQHP];[GQPE];[GEQP];[GEPQ];[GPEQ];[GPQE];[GQPA];[GAQP];[GPAQ];[GPQA];[GHPE];[GPEH];[GPHE];[GQEH];[GQHE];[GEHQ];[GHEQ];及び[GHQE];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Bのモチーフ;並びに/又は
[GHEP-GHHP];[GHEP-GQHP];及び[GQEP-GQHP];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Cのモチーフ;並びに/又は
[GEHP-GAPH-GQEP-GQAP];[GQAP-GAPH-GAPH-GAPH];[GQAP-GQAP-GAPH-GAPH];[GQAP-GQAP-GQAP-GAPH];[GQEP-GAPH-GAPH-GAPH];[GQEP-GQEP-GAPH-GAPH];及び[GQEP-GQEP-GQEP-GAPH];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Dのモチーフ;並びに/又は
群A、B、C及びDのモチーフの任意の組合せ;
で延長され、
これらのモチーフは、所望の長さ及びサイズの延長部を取得するために、必要に応じて繰り返し得る。
【0116】
第十九の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、
[GAQ];[GEH];[GEQ];[GQA];[GQE];及び[GQP];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Aのモチーフ;並びに/又は
[GAPH];[GAPQ];[GAQP];[GEHP];[GEPH];[GEPQ];[GEQH];[GEQP];[GHEP];[GHEQ];[GHPE];[GHQE];[GPAQ];[GPEH];[GPEQ];[GPHE];[GPQA];[GPQE];[GQAP];[GQEH];[GQEP];[GQHE];[GQPA];及び[GQPE];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Bのモチーフ;並びに/又は
[GHEPGQHP];[GQEPGQHP];[GQAPGQAPGQAPGAPH];及び[GQAPGQAPGAPHGAPH];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Cのモチーフ;並びに/又は
[GEHPGAPHGQEPGQAP];[GQEPGQEPGQEPGAPH];[GQEPGQEPGAPHGAPH];及び[A,E,G,P,H,Q];並びに/又はその任意の組合せから選択される群Dのモチーフ
で延長される。
【0117】
インスリン又はインスリンアナログは、上記で同定される1つ又は複数のアミノ酸残基で延長され得、問題の繰り返しは、Gly(G)で始まらなければならないわけではない。
【0118】
インスリン又はインスリンアナログは、上記で同定される1つ又は複数のアミノ酸残基で延長され得、問題の繰り返しは、繰り返しからの任意のアミノ酸で開始することができる(例えば、GAPHリピートを有する延長型インスリンアナログは、APH、PH又はHで開始することができ、GAPHの繰り返しが続く)。
【0119】
第二十の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、その延長部において約100から約800の連続するアミノ酸残基を含む。
【0120】
一実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、少なくとも約100の連続するアミノ酸残基を含む。
【0121】
別の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約800未満の連続するアミノ酸残基を含む。
【0122】
第三の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約100から約700の連続するアミノ酸残基を含む。
【0123】
第四の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約100から約600の連続するアミノ酸残基を含む。
【0124】
第五の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約100から約500の連続するアミノ酸残基を含む。
【0125】
第六の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約100から約400の連続するアミノ酸残基を含む。
【0126】
第七の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約100から約300の連続するアミノ酸残基を含む。
【0127】
第八の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約150から約300の連続するアミノ酸残基を含む。
【0128】
第九の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約150から約250の連続するアミノ酸残基を含む。
【0129】
第十の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約175から約225の連続するアミノ酸残基を含む。
【0130】
第十一の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約185から約215の連続するアミノ酸残基を含む。
【0131】
第十二の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約190から約210の連続するアミノ酸残基;特に、124、148、176、196、198、200、201、208、224、248、276、300、400、500又は600の連続するアミノ酸残基を含む。
【0132】
第十三の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、約190から約210の連続するアミノ酸残基;特に、200、201、208の連続するアミノ酸残基を含む。
【0133】
第二十一の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、一般式I
Ins-Ext(I)
(式中:
「Ins」は、以下のTable 1(表1)において同定されるとおりのヒトインスリンのアナログを表す;及び
「Ext」は、以下のTable 1(表1)において記載されるとおりの延長部を示す)
の化合物である。
【0136】
第二十二の実施形態において、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、
A21Q(GQEP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21Q(GAPQ)
50、desB30ヒトインスリン;
A21Q(GQAP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21Q(GEPH)
50、desB30ヒトインスリン;
A21Q(GEHP)
50、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GQEP)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GAPQ)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GEPH)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GEHP)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GAPH)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEHPGAPHGQEPGQAP)
13、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEH)
67、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQA)
67、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQE)
67、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEQH)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQEPGQEPGQEPGAPH)
12GQEPGQEP、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQEPGQEPGAPHGAPH)
12GQEPGQEP、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAPGQAPGQAPGAPH)
12GQAPGQAP、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAPGQAPGAPHGAPH)
12GQAPGQAP、desB30ヒトインスリン;
A21G[A,E,G,H,P,Q](ランダムな200のアミノ酸)、desB30ヒトインスリン;
A21G(GHEPGQHP)
25、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQEPGQHP)
25、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQPE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEQP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEPQ)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPEQ)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPQE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQPA)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GAQP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPAQ)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPQA)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GHEP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GHPE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPEH)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GPHE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQEH)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQHE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GHEQ)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GHQE)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GEQ)
67、desB30ヒトインスリン;
A21G(GAQ)
67、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
62、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
75、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
100、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
125、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
150、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GQAP)
50、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GQAP)
75、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G(GQAP)
150、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21G、B1F(GQAP)
50、desB30ヒトインスリン;
A21G、B1F(GQAP)
100、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23P、A24Q(GAPQ)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23Q、A24P(GAQP)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23A、A24P(GQAP)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P、A24A(GQPA)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23A、A24Q(GPAQ)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22P、A23Q、A24A(GPQA)
49、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
56、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
69、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
31、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
37、desB30ヒトインスリン;
A21G(GQAP)
44、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22Q、A23P(GQP)
66、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22A、A23Q、A24P(GAQP)
37、desB30ヒトインスリン;及び
A21G、A22A、A23Q、A24P(GAQP)
62、desB30ヒトインスリン
から選択される化合物である。
【0137】
本明細書で記載する2つ以上の実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内とみなされる。
【0138】
オリゴマー延長型インスリンアナログの命名法
本発明の文脈では、オリゴマー延長型インスリンアナログは、上記、一般式Iによっても特定されるとおり、アミノ酸の欠失、置換、挿入及び延長の仕様によってヒトインスリンと比較して命名される。
【0139】
この様式で、例えば、実施例2の化合物は、ヒトインスリンのアナログ(A21Q*、desB30)を表し、ここで、A鎖の21位に配置されている天然に存在するアミノ酸残基がグルタミン(Q)に置換されており、ここで、B30位に配置されている天然に存在するアミノ酸残基が欠失させられており、このアナログは星印を付けたポジション(*)において、4つのアミノ酸残基(特定される順序においてGAPQ)の繰り返しから作り上げられる延長部により延長されて合計200のアミノ酸残基からなる延長部が作られる(これはまた(GAPQ)
50として指示されてもよい)。
【0140】
このアナログはまたA21Q(GAPQ)
50、desB30ヒトインスリンと指示されてもよく、化合物は
図8に図解される。
【0141】
産生の方法
本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログは、インスリン、インスリンアナログ、及びインスリン誘導体の調製についての従来の方法、並びに、特に、実施例に記載の方法によって取得され得る。
【0142】
簡潔に述べると、インスリン-コードDNAは、組換え延長部をコードするDNAと融合される。DNAは酵母にトランスフェクトされ、延長型インスリンが発現され、収穫される。延長型インスリンは単一鎖前駆体タンパク質として発現され、この前駆体タンパク質は引き続いて切り離されて成熟型、2本鎖(A及びB鎖)、延長型インスリンが取得される。
【0143】
生物学的活性
別の態様において、本発明は、医薬として使用するため、又は医薬若しくは医薬組成物の製造において使用するための、新規オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを提供する。
【0144】
更なる態様において、本発明は、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログの医学的使用、詳細には、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、異脂肪症、肥満、メタボリック症候群(メタボリック症候群X、インスリン抵抗性症候群)、高血圧、認知障害、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、卒中、心血管障害、冠動脈心疾患、炎症性腸症候群、消化不良、又は胃潰瘍に関係する疾患、障害、又は状態を治療、予防、又は緩和するための、このような産物の使用であって、それを必要とする対象への、治療有効量の本発明のインスリン誘導体の投与を含む方法に関する。
【0145】
別の実施形態において、本発明は、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、又は耐糖能障害に関係する疾患、障害、又は状態を治療、予防、又は緩和するための、そのような産物の使用であって、それを必要とする対象への、治療有効量の本発明のインスリン誘導体の投与を含む方法に関する。
【0146】
第三の実施形態において、本発明は、糖尿病、詳細には、1型糖尿病又は2型糖尿病に関係する疾患、障害、又は状態を治療、予防、又は緩和するための、そのような産物の使用に関する。
【0147】
医薬組成物
本発明は、医薬として有用な、又は医薬組成物/医薬の製造のための、及び特に代謝の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和における使用のための、オリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログに関する。
【0148】
したがって、別の態様において、本発明は、治療有効量の本発明に従うオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログと、場合により一緒に1つ又は複数のアジュバント、賦形剤、担体及び/又は希釈剤を含む新規医薬組成物を提供する。
【0149】
注射用組成物は、適宜、所望の最終産物を与えるため、成分を溶解すること及び混合すること、等張剤、保存剤及び/又は緩衝剤を必要性に応じて添加すること、並びに、例えば、必要に応じて、例えば塩酸等の酸又は例えば水性水酸化ナトリウム等の塩基を使用すること等の溶液のpH値を調整することを通常含む、従来技術を使用することによって調製し得る。最後に、成分が所望の濃度になるように、水で溶液の量を調整してもよい。
【0150】
一実施形態において、溶液又は懸濁液は、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを、例えば、約240から約2400μmol/Lの範囲の濃度等のわずかに酸性の条件の水性媒体中に溶解することによって作られる。水性媒体は、例えば、塩化ナトリウム又はグリセロールを使用すること等で、等張性にされる。更に、水性媒体は、緩衝液、例えば、酢酸塩又はクエン酸塩、保存剤、例えば、m-クレゾール又はフェノール及び、例えば、6インスリンあたり2から5 Zn
++、又はインスリン活性の単位あたり約20μgまでのZn
++の濃度において亜鉛イオンを含有してよい。溶液のpH値は、潜在的な沈殿を回避するために、問題の化合物の等電点に過度に近くなることなく、中性に向けて調整されてもよい。最終的なインスリン調製物のpH値は、亜鉛イオンの濃度及び本発明の化合物の濃度に依存する。インスリン調製物は、例えば、滅菌濾過によって無菌にされる。
【0151】
治療方法
本発明は、治療用途のための薬物に関する。より具体的には、本発明は、糖尿病に関係する医学的状態を治療又は予防するための、本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログの使用に関する。
【0152】
したがって、別の態様において、本発明は、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、異脂肪症、肥満、メタボリック症候群(メタボリック症候群X、インスリン抵抗性症候群)、高血圧、認知障害、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、卒中、心血管障害、冠動脈心疾患、炎症性腸症候群、消化不良、又は胃潰瘍に関係する疾患、障害、又は状態から選択されるものでよい、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害、又は状態を治療又は緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログを投与する工程を含む方法を提供する。
【0153】
別の実施形態において、本発明は、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、異脂肪症、肥満、メタボリック症候群(メタボリック症候群X、インスリン抵抗性症候群)、高血圧、認知障害、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、卒中、心血管障害、冠動脈心疾患、炎症性腸症候群、消化不良、又は胃潰瘍に関係する疾患、障害、又は状態から選択されるものでよい、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害、又は状態を治療又は緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明のオリゴマー延長型インスリン又はインスリンアナログの投与を含む方法を提供する。
【0154】
第三の実施形態において、本発明は、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、異脂肪症、肥満、又はメタボリック症候群(メタボリック症候群X、インスリン抵抗性症候群)に関係する疾患、障害、又は状態から選択されるものでよい、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害、又は状態を治療又は緩和する方法を提供する。
【0155】
第四の実施形態において、本発明は、糖尿病、詳細には、1型糖尿病又は2型糖尿病に関係する疾患、障害、又は状態から選択されるものでよい、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、又は障害、又は状態を治療又は緩和する方法を提供する。
【0156】
本発明の例示的な実施形態は、添付される図面を参照して以下に更に図解される。
【実施例】
【0158】
以下の実施例に即して本発明を更に解説するが、実施例は、いかなる点においても請求項に記載の本発明の範囲を限定しないものとする。
【0159】
(実施例1〜52)
発現及び精製の方法
発現
本発明に従って使用するためのインスリンアナログは、例えばUS6500645で開示されているような、周知されている技術によって、適切な宿主細胞中で、問題のインスリンアナログをコードするDNA配列を発現させることにより、組換え産生される。インスリンアナログは、直接に、又はB鎖における追加のN末端延長部(例えば、EEAEAEAPKの形態において)及び/又はB鎖とA鎖の間の連結ペプチド(Cペプチド、例えば、DMKの形態において)を有し得る、前駆体分子として発現される。このN末端延長部及びCペプチドは、適切なプロテアーゼ、例えば、アクロモバクター・リティカス(Achromobactor lyticus)プロテアーゼ(ALP)又はトリプシンによってインビトロで切り離され、したがって、それぞれB1位、B29位及びA1位の隣に切断部位を有することになる。本発明に従う使用に適する種類のN末端延長部及びCペプチドは、例えば、US5395922、EP765395、WO9828429及びWO2014/195452で開示されている。
【0160】
本発明に従って使用するためのインスリンアナログ前駆体をコードするポリヌクレオチド配列は、確立された方法、例えば、Beaucageら、(1981) Tetrahedron Letters 22 1859-1869によって記載されているホスホラミダイト法、又はMatthesら、(1984) EMBO Journal 3 801-805によって記載されている方法によって合成して調製される。ホスホラミダイト法によれば、例えば自動DNA合成装置でオリゴヌクレオチドを合成し、精製し、2本鎖にし、連結して、合成DNA構築物を形成する。DNA構築物の現在のところ好ましい調製の様式は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるものである。
【0161】
組換え法では通常、選択された微生物又は宿主細胞中での複製が可能であり、また本発明に従って使用するためのインスリンアナログ前駆体をコードするポリヌクレオチド配列を運搬するベクターが利用される。組換えベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外の実体として存在し、その複製が染色体の複製に非依存的であるベクター、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、又は人工染色体であってもよい。ベクターは、自己複製を確実にするいずれかの手段を含有してよい。或いは、ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、ゲノムに組み込まれ、これが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものでもよい。更に、単一のベクター若しくはプラスミド、又は宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを合わせて含有する2種以上のベクター若しくはプラスミド、又はトランスポゾンを使用してもよい。ベクターは、直鎖状又は閉環状のプラスミドでよく、ベクターが宿主細胞のゲノムに安定して組み込まれ、又はベクターが細胞中でゲノムに非依存的に自立的に複製されるのを可能にする、エレメントを含有することが好ましい。
【0162】
組換え発現ベクターは、酵母中で複製し得るものでもよい。酵母中でのベクターの複製を可能にする配列の例は、酵母プラスミド2μm複製遺伝子REP1-3及び複製起点である。
【0163】
ベクターは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする、1つ又は複数の選択マーカーを含有してよい。選択マーカーは、殺生物剤又はウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求体に対する原栄養性等を提供する遺伝子産物である。細菌用選択マーカーの例は、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)若しくはバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のdal遺伝子、又はアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、若しくはテトラサイクリン耐性等の抗生物質耐性を付与するマーカーである。糸状菌宿主細胞で使用される選択マーカーとしては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイル転移酵素)、pyrG(オロチジン5'-リン酸デカルボキシラーゼ)、及びtrpC(アントラニル酸合成酵素)が挙げられる。酵母宿主細胞に適するマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、及びURA3である。酵母に好適な選択マーカーは、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)TPI遺伝子(Russell (1985) Gene 40 125-130)である。
【0164】
ベクター内で、ポリヌクレオチド配列は、適切なプロモーター配列に作動可能に連結される。プロモーターは、突然変異型、切断型、及びハイブリッドプロモーターを含めて、最適な宿主細胞において転写活性を示すいずれの核酸配列でもよく、宿主細胞と相同又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から取得することができる。
【0165】
酵母宿主において、有用なプロモーターの例は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)Ma1、TPI、ADH、TDH3、又はPGKプロモーターである。
【0166】
本発明に従って使用するためのインスリンペプチド主鎖をコードするポリヌクレオチド配列は、通常、適切なターミネーターにも作動可能に連結される。酵母において、適切なターミネーターは、TPIターミネーターである(Alberら、(1982) J. Mol. Appl. Genet. 1 419-434)。
【0167】
本発明に従って使用するためのインスリンアナログをコードするポリヌクレオチド配列、プロモーター、及びターミネーターをそれぞれ組み合わせ、選択された宿主中での複製に必要な情報を含有する適切なベクターにこれらを挿入するために使われる手順は、当業者に周知である。本発明に従って使用されるインスリン主鎖をコードするDNA配列全体を含有するDNA構築物を最初に調製し、引き続いてこの断片を適切な発現ベクターに挿入するか、又は個々のエレメント(シグナル及びプロペプチド(B鎖のN末端延長部)、Cペプチド、A鎖及びB鎖等)の遺伝子情報を含有するDNA断片を順次挿入し、続いて連結するかのどちらかによってベクターを構築できることは理解されよう。
【0168】
本発明に従って使用するためのインスリンアナログをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターが宿主細胞に導入される結果、ベクターは、染色体組込体(chromosomal integrant)として、又は自己複製する染色体外ベクターとして保たれる。用語「宿主細胞」は、複製の間に生じる突然変異により親細胞と同一でない、親細胞の任意の子孫を包含する。
【0169】
宿主細胞は、特に、酵母細胞とすることができる。酵母生物は、培養されて、培地にインスリンペプチド主鎖又はその前駆体を分泌する、いかなる適切な酵母生物でもよい。適切な酵母生物の例としては、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、シゾサッカスミセル・プロべ(Schizosaccharomyces pombe)、サッカロミセス・ウバルム(Sacchoromyces uvarum)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、カンジダ属の種(Candida sp.)、トルラ酵母(Candida utilis)、カンジダ・カカオイ(Candida cacaoi)、ゲオトリクム属の種(Geotrichum sp.)、及びゲオトリクム・ファーメンタンス(Geotrichum fermentans)から選択される株が挙げられる。
【0170】
酵母細胞の形質転換は、例えば、プロトプラストを形成してから、既知の方法によって形質転換して行うことができる。細胞の培養に使用する培地は、酵母生物の成長に適する従来の任意の培地であってもよい。
【0171】
精製
分泌されたインスリンアナログ又はその前駆体は、遠心分離により、濾過により、又はインスリンアナログ若しくはその前駆体をイオン交換マトリックス若しくは逆相吸収マトリックスに捕らえる若しくは吸着させることにより、上清のタンパク質性成分を沈殿させることにより、又は塩、例えば硫酸アンモニウムによる濾過により酵母細胞を培地から分離した後、様々なクロマトグラフィー手順、例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等によって精製することを含めた従来の手順によって、培地から回収される。
【0172】
本発明のインスリンペプチド主鎖の精製及び消化は、次のように実施される:
B鎖のN末端延長部、及びB鎖とA鎖の間の修飾されているCペプチドを含んでいてもよい、単一鎖インスリンアナログ前駆体は、陽イオン交換によって、酵母培養上清から精製及び濃縮される(Kjeldsenら、(1998) Prot. Expr. Pur. 14 309-316)。
【0173】
単一鎖インスリンアナログ前駆体は、リシンに特異的な固定化されたアクロモバクター・リティカス(Achromobactor lyticus)プロテアーゼ(ALP)での消化(Kristensenら、(1997) J. Biol. Chem. 20 12978-12983)又はトリプシンの使用によって、存在すれば、B鎖のN末端延長部、及びCペプチドを切り離すことにより、2本鎖のインスリンペプチド主鎖に成熟される。
【0174】
トリプシン消化
インスリンアナログ前駆体を含有する、陽イオン交換クロマトグラフィーステップからの溶出液を、水で希釈して、エタノール濃度を15〜20%とする。グリシンを加えて濃度を50mMとし、NaOHでpHを9.0〜9.5に調整する。トリプシンを1:300(w:w)の割合で加え、4度で消化を進行させる。消化は、消化が完了するまで20分毎に分析してモニターする。消化は、1Mのクエン酸を3:100(v:v)の割合で加えて終結させる。トリプシンの正確な量は、いくつかのアナログについて調整される必要があり得る。
【0175】
消化反応は、C18カラムを使用するWaters社 Acquity Ultra-Performance Liquid Chromatographyシステムでの分析液体クロマトグラフィー(LC)によって分析し、分子量は、MALDI-TOF質量分析(MS)(Bruker Daltonics社 Autoflex II TOF/TOF又はUltrafleXtreme)によって確認した。
【0176】
2本鎖のインスリンアナログは、アセトニトリル勾配を使用するC18カラムでの逆相HPLC(Waters 600システム)によって精製される。所望のインスリンアナログは、引き続いて凍結乾燥によって回収される。
【0177】
産物の純度は、例えば、C18カラムを使用するWaters社 Acquity Ultra-Performance Liquid Chromatographyシステムでの分析HPLCによって決定してもよく、分子量は、MALDI-TOF MS又はLC-MS(Orbitrap、Thermo Scientific社又はG2S Synapt、Waters社)によって確認してもよい。
【0178】
ALP消化
単一鎖インスリン前駆体は、リシンに特異的な固定化されたアクロモバクター・リティカス(Achromobachter lyticus)プロテアーゼ(ALP;Kristensen et al., (1997), J. Biol. Chem. 20, 12978-12983)での消化によって2本鎖インスリンに成熟される。
【0179】
インスリン前駆体を含有する、陽イオン交換クロマトグラフィーステップからの溶出液を、水で希釈して、エタノール濃度を15〜20%とする。グルタミン酸ナトリウムを加えて濃度を15mMとし、NaOHでpHを9.7に調整する。固定化されたALPを1:100(v:v)の割合で加え、ゆっくり撹拌しながら室温で一晩消化を進行させる。
【0180】
消化反応は、C4カラムを使用するWaters社 Acquity Ultra-Performance Liquid Chromatographyシステムでの分析LCによって分析し、分子量は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(Bruker Daltonics社 Autoflex II TOF/TOF)によって確認した。固定化されたALPは、0.2μmフィルターでの濾過によって除去される。
【0181】
2本鎖のインスリン分子は、アセトニトリル勾配を使用するC18カラムでの逆相HPLC(Waters社 600システム)によって精製される。所望のインスリン又はインスリンアナログは、凍結乾燥によって回収される。
【0182】
純度は、C4カラムを使用するWaters社 Acquity Ultra-Performance Liquid Chromatographyシステムでの分析LCによって決定し、分子量は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析によって確認した。
【0183】
LC-MS決定
アナログ前駆体の同一性を、質量分析計(Synapt G2、Waters社)に連結されたWaters社 Acquity Ultra-Performance Liquid Chromatographyシステムでの分析HPLCを使用する質量分析によって上清において検証した。平均質量を、MassLynx(Waters社)におけるMaxEnt1デコンボリューションアルゴリズムを使用して計算した。
【0184】
HPLC分析に関して使用されるパラメータは、次のとおりであった:カラム:Waters社 ACQUITY UPLC(登録商標)BEH300 C4 1.7μm、カラム温度:40℃、溶媒:A:0.1%FA、B:0.1%FA(MeCN中)。
【0185】
この決定の結果を、以下のTable 3(表3)に提示する。
【0186】
【表2】
【0187】
インスリン受容体親和性の決定
本発明のインスリンアナログのヒトインスリン受容体(IR)に対する相対的な結合親和性は、シンチレーション近接検定(SPA)における競合結合によって決定される(Glendorf Tら、(2008) Biochemistry 47 4743-4751に従う)。
【0188】
簡潔に述べると、96ウェルOptiplates(Perkin-Elmer Life Sciences社)においてヒトインスリン標準及び試験されるインスリンアナログの連続希釈を行った後、[
125I-A14Y]-ヒトインスリン、抗IRマウス抗体83-7、可溶化されたヒトIR-A(IR-Aホロ受容体を過剰発現するベビーハムスター腎臓(BHK)細胞から、コムギ胚芽凝集素クロマトグラフィーによって半精製したもの)、及びシンチレーション近接検定(SPA)ビーズ(抗マウスポリビニルトルエンSPAビーズ、GE Healthcare社)を含んだ、100mMのHEPES(pH7.8)、100mMのNaCl、10mMのMgSO
4、及び0.025%(v/v)のTween20からなる結合緩衝液を加える。プレートを穏やかに振盪しながら22℃で22〜24時間インキュベートし、2000rpmで2分間遠心分離し、TopCount NXT(Perkin-Elmer Life Sciences社)で計数する。
【0189】
SPAからのデータを、4パラメータロジスティックモデルに従って分析し(Volund A (1978) Biometrics 34 357-365)、アナログの結合親和性を、同じプレート内で測定したヒトインスリン標準の結合親和性と比較して計算した。
【0190】
この決定の結果を、以下のTable 3(表3)に提示する。
【0191】
この実施例により、本発明の代表的な化合物は、ヒトインスリン受容体を実際に標的にすることが実証される。
【0192】
代謝性効力の決定
インビトロ選択したアナログの応答を発生させるアナログの能力を調査するため(ここでは、それらの代謝性効力に関して試験される)、rFFCを既知の技術(Moody A. J.ら、(1974) Metab. Res. 6 12-16及びRodbell M (1964) J. Biol. Chem. 239 375-365)に従う脂質生合成によって決定した。
【0193】
初代ラット脂肪細胞が、精巣上体脂肪パッドから単離され、1%無脂肪HSA及び標準(HI)又はリガンドのどちらかを含有する緩衝液中で、3H-グルコースとインキュベートされる。標識されたグルコースは、用量依存的な様式で抽出脂質に変換されて、両方のリガンドに関する完全な用量反応曲線がもたらされる。データを、四パラメータロジスティックモデルに従って分析し、親和性をヒトインスリン標準と比較して表現した。結果は、標準と比べたリガンドの相対強度として表現される。
【0194】
【表3A】
【0195】
【表3B】
【0196】
ネイティブサイズ排除クロマトグラフィーにおけるサイズの決定
大きい流体力学的な容量における異なるアミノ酸リピートの効果を、ネイティブサイズ排除クロマトグラフィーによって評価した。使用した溶媒は。140mM NaCl、10mM Tris-HCl、5%(v/v)イソプロパノール、pH7.3であり、カラムはWaters社 Acquity UPLC BEH450 SEC、4.6X150mm、2.5uMであった。
【0197】
方法を37℃で0.3ml/分の流量で実施し、280nmの波長で測定した。選択されたアナログを、200uM溶液中で分析した。ここでSECサイズと呼ばれる、タンパク質についての対応する質量に対する溶出保持時間の変換のため、サイズ計算のための標準を使用した(BEH450 SECタンパク質Standard Mix(P/N18600842))。
【0198】
非線形フィット(Y=Y0*exp(k*X))は、標準における個々のタンパク質の保持時間及びサイズを使用するGraphPadプリズムにおいて作成される。定数Y0及びkが見出され、SECサイズ(Y)は式中に主なピークの保持時間(X)を挿入することによって計算される。
【0199】
【表4】
【0200】
ヒトインスリンは、このシステム中で単量体と二量体の間の平衡として見出されるので、このことは、これらの構築物についても事実であろう。SECサイズは、予想される単量体サイズよりも5〜10倍を超えて大きい。SECサイズは、アミノ酸組成及びモチーフ中のアミノ酸のオーダーによっても影響される。
【0201】
(実施例53)
平均滞留時間及び血液グルコースにおける効果の決定
イヌの平均滞留時間
4nmol/kgインスリンアナログのビーグル犬への単一s.c.投薬後の薬物動態及び薬力学プロファイルを調べた。
【0202】
8匹のビーグル犬を、2群の4動物に分け、実施例2の化合物又は実施例5の化合物のどちらかを並行して投与した。
【0203】
両方のアナログの単一皮下用量は、ビーグル犬において良好な耐容性があり、低血糖の臨床症候はなかった。
【0204】
血液サンプルを、収集し、LOCI技術によって分析した。血漿インスリン濃度曲線は、
図1〜
図2に示される。計算された平均滞留時間(平均±SD)を、以下のTable 5(表5)に示す。
【0205】
ラットの平均滞留時間
20nmol/kgインスリンアナログの雄性Sprague-Dawleyラットへの単一s.c.投薬後の薬物動態プロファイルを調べた。
【0206】
非絶食ラットに、1ml/kgの用量体積で針及びシリンジを使用して頸部に20nmol/kgのインスリンをs.c.投与した。ラットを実験の間に覚醒させておき、投薬後の最初の8時間の間、水を自由に与えたが、食物は与えなかった。インスリン分析に関する血液サンプルは投薬後の48時間定期的に収集したが、血液グルコースは投薬後の8時間まで測定した。血液サンプルを、LOCI技術によって分析した。計算された平均滞留時間(平均±SD)を、以下のTable 5(表5)に示す。
【0207】
この実施例により、本発明の代表的な化合物は、
図1〜
図2に示される通り、ヒトインスリン受容体を標的にするのみならず、血液グルコースを効果的に低下させることも可能であることが実証される。
【0208】
【表5】
【0209】
(実施例54)
グリコシル化の決定
延長型インスリンアナログは、単一の質量プロファイルでMS中に現れる。GEPSリピート例のように、セリン残基が延長部配列に存在する場合には、グリコシル化が観察される(
図3を参照されたい)。配列中の複数の負電荷によって最大4つの糖残基が主として含まれるように糖部分の数が低減するのに対し、負電荷の欠如によって複数の糖部分によるグリコシル化がもたらされる。
【0210】
GEPSリピート延長部を有するアナログについてのグリコシル化の量は、セリン残基の数、例えば、延長部配列の長さに応じて、10と30%の間の範囲で存する(
図4を参照されたい)。逆相の低い分解性能が原因で、精製プロセスの間のこのグリコシル化を除去することは困難である。
【0211】
G、E、A、H、Q及びPを含有するアナログについて認められる通り、配列からのセリン残基の除去により、非グリコシル化延長部がもたらされる(
図5及び
図6を参照されたい)。
【0212】
(実施例55)
粘性の決定
この実施例は、比較例を表し、先行技術の代表的なオリゴマー延長型インスリンアナログ、すなわち一般式I(式中の「Ins」は、[A21Q*、desB30]を表し;*は延長のポイントを指し示し;「Ext」は、延長部「GEPS」を表し;及び延長部におけるアミノ酸残基の数は、200である)の化合物Aの粘性と比べた本発明の代表的なオリゴマー延長型インスリンアナログ(すなわち、実施例1〜5の化合物)の粘性決定の結果を示す。
【0213】
粘性を、DynaPro PR(商標)(Wyatt technology社、Santa Barbara、CA、USA)を使用する動的光散乱(DLS)によって推定した。DLSにおいて拡散係数が決定され、それから、流体力学的半径をStoke-Einstein式から取得することができる。粘性はStoke-Einstein式に含められ、正しい粘性は流体力学的半径の正確な決定に必要とされる。オリゴマー延長型インスリン溶液における、既知のサイズの分子(ポリスチレン標準ナノスフェアビーズ;平均直径:147nm)を利用すること及びこの標準の見かけのサイズ(粘性とともに変化)を決定することにより、所与の状態での実際の粘性を計算することができる。見かけのビーズ半径を、粘性(cP)に変換した:(見かけの半径PSビーズ[nm]/現実の半径PSビーズ[nm])x溶媒の粘性(例えば、25℃で0.893cP)。
【0214】
この決定の結果を以下のTable 6(表6)に提示し、数値は、本発明の代表的な化合物が、先行技術の代表的な化合物と比べた場合に、より低い粘性を有することを明らかに示す。
【0215】
【表6】