(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力軸の外周に円筒状のロータを固定し、該ロータに、軸方向に沿う複数のスリットを放射状に形成するとともに、各スリットを径方向に貫通する円孔に前記金属球を移動可能に収容したことを特徴とする請求項1に記載の電動機の回転軸支持構造。
前記軸受は、ニードルベアリングであって、該ニードルベアリングは、前記回転軸の内周に固定されたリング状のホルダによって摺動可能に保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の回転軸支持構造。
前記出力軸の外周にリング状のリテーナを固定し、前記出力軸の外周の前記リテーナと前記軸受との間にスプリングを縮装し、前記出力軸の回転速度が所定値以下のときには、前記スプリングと前記スライダによって前記軸受を挟持して該軸受が前記回転軸を支持する位置に保持されるよう構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電動機の回転軸支持構造。
前記スプリングのバネ定数は、前記出力軸の回転速度が所定値を超えると前記スライダと前記軸受の摺動を許容する値に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電動機の回転軸支持構造。
【背景技術】
【0002】
例えば、電動車両(EV車両)の駆動源には電動機(モータ)が使用されているが、この電動機の回転軸は、軸受によってモータケースに回転可能に支持されている。かかる支持構造を備える電動機においては、回転軸の回転速度が高い高回転域において回転軸に大きな軸電圧が発生する。そのため、迷走電流が回転軸に流れ易くなり、該回転軸を支持する軸受に電食が発生し易いという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、
図11および
図12に示すような電動機の回転軸支持構造が提案されている。
【0004】
すなわち、
図11は特許文献1において提案された電動機の回転軸支持構造を示す部分断面図、
図12は
図11のE部拡大詳細図であり、図示のように、電動機102の回転軸(第1ロータ軸)103は、ボールベアリング113によってモータケース121に回転可能に支持されている。
【0005】
そして、回転軸103のボールベアリング113に近い外周には、弾性変形可能なリング状の導電部材130が固定されており、この導電部材130は、回転軸103の低回転時には、
図12に鎖線にて示すように、ボールベアリング113の外輪113aに対して非接触状態にあるが、回転軸103の高回転時には、導電部材130がこれに作用する遠心力によって径方向外方へと広がり、
図12に実線にて示すように、その外周部がボールベアリング113の外輪113aの内周面に接触する。このため、回転軸103の高回転時には、該回転軸103とモータケース121とが電気的に短絡(ショート)し、ボールベアリング113を経ない短絡回路が形成され、回転軸103の軸電圧の上昇によるボールベアリング113の電食の発生が抑えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において提案された
図11および
図12に示す支持構造では、回転軸103の高回転時に導電部材130がボールベアリング113の外輪113aに接触するため、両者の接触による摩擦抵抗が高回転時に大きくなり、摩擦熱や動力のロスが大きくなるという問題が発生する。
【0008】
また、軸受に非導電性であるセラミック(窒化ケイ素)製の軸受を用いることも考えられるが、セラミックは、非常に高価であり、脆いために衝撃に弱いという問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、回転軸の支持に通常の軸受を用いても、高回転時の軸受の破損や電食の発生を防ぐことができる電動機の回転軸支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、電動機(2)のロータ(2a)と共に一体に回転する筒状の回転軸(3)の支持構造として、前記回転軸(3)の外周の軸方向両端部を流体軸受(9)によってモータケースに回転可能に支持するとともに、該回転軸(3)を、その内部を同軸的に貫通する出力軸(4R)に沿って軸方向に摺動可能な軸受(13)によって前記出力軸(4R)に相対回転可能に支持し、前記出力軸(4R)の軸方向に摺動可能で、かつ、該出力軸(4R)と共に回転するスライダ(16)を前記軸受(13)に当接させ、該スライダ(16)の斜面(16a)に係合して前記出力軸(4R)と共に回転する金属球(18)を設け、前記出力軸(4R)の回転速度が所定値を超えると、前記金属球(18)がこれに作用する遠心力によって径方向外方へと移動して前記スライダ(16)を摺動させ、該スライダ(16)によって前記軸受(13)を軸方向に摺動させて該軸受(13)による前記回転軸(3)の支持を解除する構成を採用する。
【0011】
本発明にかかる電動機の回転軸支持構造によれば、出力軸の高回転時に軸受がスライダによって軸方向に摺動して該軸受による回転軸の支持が解除されるため、軸受と回転軸との電気的な導通が遮断され、高回転時に回転軸に大きな軸電圧が発生しても、この軸電圧による軸受の電食が防がれる。この結果、セラミック製の高価で衝撃に弱い軸受を用いる必要がなく、通常の軸受を用いても、高回転時の軸受の破損や電食の発生を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明では、前記出力軸(4R)の外周に円筒状のロータ(12)を固定し、該ロータ(12)に、軸方向に沿う複数のスリット(12a)を放射状に形成するとともに、各スリット(12a)を径方向に貫通する円孔(17)に前記金属球(18)を移動可能に収容してもよい。
【0013】
また、本発明では、前記軸受(13)をニードルベアリングとし、該ニードルベアリング(13)を、前記回転軸(3)の内周に固定されたリング状のホルダ(20)によって摺動可能に保持してもよい。
【0014】
また、本発明では、前記出力軸(4R)の外周にリング状のリテーナ(15)を固定し、前記出力軸(4R)の外周の前記リテーナ(15)と前記軸受(13)との間にスプリング(14)を縮装し、前記出力軸(4R)の回転速度が所定値以下のときには、前記スプリング(14)と前記スライダ(16)によって前記軸受(13)を挟持して該軸受(13)が前記回転軸(3)を支持する位置に保持されるよう構成してもよい。
【0015】
また、本発明では、前記スプリング(14)のバネ定数は、前記出力軸(4R)の回転速度が所定値を超えると前記スライダ(16)と前記軸受(13)の摺動を許容する値に設定される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、回転軸の支持に通常の軸受を用いても、高回転時の軸受の破損や電食の発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
[車両用動力伝達装置]
図1(a)は本発明にかかる電動機の回転軸支持構造を備える車両用動力伝達装置の基本構成を示す概略図、
図1(b)は同車両用伝達装置の減速機構の速度線図である。
【0020】
図1(a)に示す動力伝達装置1は、電動車両(EV車両)に設けられるものであって、駆動源として電動機(モータ)2を備えている。ここで、電動機2は、本実施の形態では3相のブラシレスモータで構成されており、そのモータケース(不図示)内に回転可能に収容された中空のロータ2aと、このロータ2aの周囲に固設されたリング状のステータ2bを備えている。そして、図示しないが、ロータ2aには、複数の永久磁石が内蔵されており、ステータ2bには、3相分のコイルが巻装されている。
【0021】
上記電動機2のロータ2aの軸中心には、車幅方向(
図1(a)の左右方向)に長い円筒状の回転軸3が挿通固着されており、この回転軸3は、電動機2から出力される回転動力によってロータ2aと共に回転する。
【0022】
また、上記回転軸3の内部には、右側の出力軸4Rが回転軸3と同軸で挿通しており、この出力軸4Rには、回転軸3の回転が減速機構Tとディファレンシャル機構(差動機構)Dを経て伝達される。ここで、減速機構Tとディファレンシャル機構Dは、回転軸3および出力軸4Rと同軸に配置されている。
【0023】
上記ディファレンシャル機構Dは、ギヤケース5内に、ピニオン軸6によって回転可能に支持された一対のピニオンギヤ7と、これらのピニオンギヤ7にそれぞれ噛合する一対のサイドギヤ8を収容して構成されており、ギヤケース5は、その左右両端が不図示の軸受によって回転可能に支持されている。そして、ディファレンシャル機構Dに設けられた一方(
図1(a)の右側)のサイドギヤ8は、右側の出力軸4Rに連結されており、他方(
図1(a)の左側)のサイドギヤ8は、右側の出力軸4Rと同軸に配置された左側の出力軸4Lに連結されている。なお、図示しないが、左右の出力軸4L,4Rには左右の車軸がそれぞれ連結されており、各車軸の端部には駆動輪がそれぞれ取り付けられている。
【0024】
また、前記減速機構Tは、互いに直列に接続された2連の第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって構成されており、第1遊星ギヤ機構PG1は、回転軸3の軸方向一端(
図1(a)の左端)外周に固定されたサンギヤs1と、このサンギヤs1の周囲に固定されたリングギヤr1と、サンギヤs1とリングギヤr1の双方に噛合して自転しながらサンギヤs1の周りを公転する複数の遊星ギヤp1と、これらの遊星ギヤp1を回転(自転)可能に支持するキャリヤc1とで構成されている。
【0025】
また、第2遊星ギヤ機構PG2は、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリヤc1に固定されたサンギヤs2と、このサンギヤs2の周囲に固定されたリングギヤr2と、サンギヤs2とリングギヤr2の双方に噛合して自転しながらサンギヤs2の周りを公転する複数の遊星ギヤp2と、これらの遊星ギヤp2を回転(自転)可能に支持するキャリヤc2とで構成されている。そして、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリヤc2は、ディファレンシャル機構Dのギヤケース5に固定されている。
【0026】
以上のように構成された動力伝達装置1において、バッテリなどの不図示の電源から電動機2に給電されると、該電動機2が起動されて回転軸3がロータ2aと共に回転し、その回転は、減速機構Tを構成する2連の第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって減速されてディファレンシャル機構Dへと伝達される。すなわち、回転軸3の回転によって第1遊星ギヤ機構PG1のサンギヤs1が一体に回転し、このサンギヤs1の回転によって複数の遊星ギヤp1が自転しながらサンギヤs1の周りを公転するため、これらの遊星ギヤp1を回転可能に支持するキャリヤc1が減速しながら回転する(
図1(b)参照)。
【0027】
そして、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリヤc1の回転によって第2遊星ギヤ機構PG2のサンギヤs2がキャリヤc1と共に一体に回転し、このサンギヤs2の回転によって複数の遊星ギヤp2が自転しながらサンギヤs2の周りを公転するため、これらの遊星ギヤp2を回転可能に支持するキャリヤc2が減速しながら回転する(
図1(b)参照)。
【0028】
上述のように2連の第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって2段減速された回転は、ディファレンシャル機構Dのギヤケース5へと伝達されて該ギヤケース5が回転するため、このディファレンシャル機構Dにおいてトルクが2分されて左右の出力軸4L,4Rへと伝達され、左右の出力軸4L,4Rの回転が左右の不図示の車軸および各車軸に取り付けられた不図示の駆動輪に伝達されるために電動車両が路上を走行する。
【0029】
[回転軸支持構造]
次に、本発明にかかる回転軸3の支持構造を
図2〜
図10に基づいて以下に説明する。
【0030】
図2は本発明にかかる回転軸支持構造の低回転時の状態を示す側断面図、
図3は
図2のA部拡大詳細図、
図4は
図2のB部を半裁して示す斜視図、
図5(a)は本発明にかかる回転軸支持構造部の斜視図、
図5(b)は同回転軸支持構造部のロータからカバーを取り外した状態を示す斜視図、
図6はモータ支持構造における出力軸の部分斜視図、
図7は回転軸支持構造におけるスライダと金属球の配置構造を示す斜視図、
図8は本発明にかかる回転軸支持構造の高回転時の状態を示す側断面図、
図9は
図8のC部拡大詳細図、
図10は
図8のD部を半裁して示す斜視図である。
【0031】
図2に示すように、中空の回転軸3は、その軸方向両端部がテーパ状に開いた軸受部3aを構成しており、左右の軸受部3aは、流体軸受9によってそれぞれ回転可能に支持されている。すなわち、回転軸3の軸方向両端部は、流体軸受9によって不図示のモータケースに回転可能に支持されている。ここで、各流体軸受9は、油路10から供給されるオイルを多数の噴射孔10aから回転軸3の軸受部3aに向けて噴射することによって回転軸3を回転可能に支持する滑り軸受として構成されている。なお、回転軸3の軸方向一端(
図2の左端)内周には、円筒状のギヤ部材11が嵌着されており、このギヤ部材11の軸方向一端(
図2の左端)には、
図1に示す前記第1遊星ギヤ機構PG1のサンギヤs1が一体に形成されている。
【0032】
また、回転軸3の内部に同軸に挿通された出力軸4Rの軸方向中央部には大径部4aが形成されており、この大径部4aを挟んでこれの両側には、ロータ12、ニードルベアリング13、スプリング14、リテーナ15がそれぞれ配置されている。
【0033】
上記各ロータ12は、
図4〜
図6に示すように、円筒状の部材であって、出力軸4Rの外周にそれぞれ結着されて該出力軸4Rと共に一体に回転する。このロータ12には、
図6に示すように、軸方向に沿う4つのスリット12a(
図6には3つのみ図示)が放射状に等角度ピッチ(上下左右に90°ピッチ)で形成されており、各スリット12aは、ロータ12の径方向に貫通している。そして、各スリット12aには、プレート状のスライダ16が軸方向に摺動可能にそれぞれ収容されている。ここで、各スライダ16は、
図3、
図4および
図7に示すように、三角状の本体部16Aと該本体部16Aから軸方向に延びる押圧部16Bを備えており、本体部16Aには斜めにカットされた斜面16aが形成されている。また、各スライダ16の押圧部16Bは、ニードルベアリング13の軸方向一端に当接している。
【0034】
また、
図3、
図6、
図9および
図10に示すように、ロータ12の各スリット12aには、径方向(上下および左右)に貫通する円孔17がそれぞれ形成されており、各円孔17には、鋼球などの金属球18が径方向に移動可能に収容されている。そして、各金属球18は、
図2〜
図4に示すように、各スライダ16の本体部16Aに形成された斜面16aにそれぞれ係合している。ここで、周方向4箇所(上下および左右)に配置されたスライダ16とその斜面16aに係合する金属球18の位置関係を
図7に示す。なお、
図2〜
図5に示すように、ロータ12の外周には、円筒状のカバー19が被着されており、このカバー19によってスライダ16および金属球18の径方向外方への抜けが防がれている。
【0035】
ここで、出力軸4Rが回転すると左右の各ロータ12も出力軸4Rと共に一体に回転し、各ロータ12のスリット12aに収容された計4つのスライダ16と金属球18も回転するが、出力軸4Rの回転が所定値以下である低回転時には、各金属球18に作用する径方向外向きの遠心力が比較的小さいため、各金属球18は、
図2〜
図4に示す位置にある。このとき、各スライダ16は、軸方向に摺動することなく、出力軸4Rが回転していないときと同じ位置にある。
【0036】
前記各ニードルベアリング13は、回転軸3の内周に嵌着されたリング状のホルダ20によって軸方向に摺動可能に保持されているが、出力軸4Rの回転速度が所定値以下の低回転時には、各ニードルベアリング13は、
図2〜
図4に示すように、ホルダ20に保持されて回転軸3を出力軸4Rに対して相対回転可能に支持している。なお、出力軸4Rの軸方向両端部は、不図示の軸受によって回転可能に支持されている。
【0037】
前記各リテーナ15は、円筒状の部材であって、出力軸4Rのニードルベアリング13を挟んでスライダ16とは反対側の外周に嵌着されており、出力軸4Rの外周のリテーナ15とニードルベアリング13との間には、前記スプリング(コイルスプリング)14がそれぞれ縮装されている。このスプリング14は、ニードルベアリング13を
図3の矢印方向に付勢して該ニードルベアリング13をスライダ16の押圧部16Bとで挟持しており、回転軸4Rの回転速度が所定値以下の低回転時には、
図2〜
図4に示すように、ニードルベアリング13は、ホルダ20によって保持される位置にあって、回転軸3を出力軸4Rに対して相対回転可能に支持している。
【0038】
他方、出力軸4Rの回転速度が所定値を超える高回転時には、
図8〜
図10に示すように、出力軸4Rと共に回転する金属球18に大きな径方向外向きの遠心力が作用するため、金属球18がロータ12の各スリット12aに形成された円孔17に沿って径方向外方(
図9および
図10の矢印方向)へと移動する。すると、各金属球18が本体部16Aの斜面16aに係合する計4つのスライダ16が楔作用によって軸方向(
図9及び
図10の矢印方向)に摺動してニードルベアリング13をスプリング14の付勢力に抗して摺動させてホルダ20から押し出す。このとき、ニードルベアリング13は、周方向4箇所(上下および左右)に配置された計4つのスライダ16によって均等に押圧されるため、軸方向にスムーズに摺動してホルダ20から確実に押し出される。なお、スプリング14のバネ定数は、出力軸4Rの回転速度が所定値を超えるとスライダ16とニードルベアリング13の軸方向の摺動を許容する値に設定されている。
【0039】
上述のように、出力軸4Rの高回転時にニードルベアリング13がホルダ20から押し出されると、ニードルベアリング13による回転軸3の出力軸4Rに対する支持が解除されるが、回転軸3は、その軸方向両端部が流体軸受9によって支持されるために回転軸3の支持には何ら問題は発生しない。そして、出力軸4Rの高回転時にニードルベアリング13がホルダ20から軸方向に押し出されると、このニードルベアリング13と回転軸3との電気的な導通が遮断されるため、高回転時に回転軸3に大きな軸電圧が発生しても、この軸電圧によるニードルベアリング13の電食が防がれる。
【0040】
以上のように、出力軸4Rの高回転時にはニードルベアリング13をホルダ20から押し出して該ニードルベアリング13と回転軸3との電気的な導通を遮断するようにしたため、セラミック製の高価で衝撃に弱い軸受を用いる必要がなく、通常の軸受であるニードルベアリング13を用いても、高回転時のニードルベアリング13の破損や電食の発生を防ぐことができる。
【0041】
そして、出力軸4Rの回転速度が所定値以下に下がると、各金属球18に作用する遠心力が該金属球18の自重より小さくなるため、各金属球18は、自重によってロータ12の円孔17に沿って径方向内方へと移動して
図2〜
図4に示す位置へと戻る。すると、左右の各ニードルベアリング13と各スライダ16がスプリング14の付勢力によって出力軸4Rに沿って軸方向に摺動して
図2〜
図4に示す位置へと戻る。この結果、各ニードルベアリング13が各ホルダ20によって再び保持され、モータ軸3を出力軸4Rに対して相対回転自在に支持する。
【0042】
なお、以上の実施の形態では、回転軸3を支持する軸受としてニードルベアリング13を用いたが、ニードルベアリング13以外の例えばボールベアリングなどの他の任意の軸受を使用することができる。
【0043】
また、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。