(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本グループ表示処理では、前記グループ化操作の対象とされた前記仮グループを構成する複数の前記オブジェクトの中に、前記表示画像上で互いに重なるように配置された前記オブジェクトの組が含まれていた場合に、前記オブジェクト同士の重なりが解消されるように前記表示画像上での複数の前記オブジェクトの配置を変更して、前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトを前記表示装置に表示させる請求項1に記載の表示システム。
前記表示制御部は、前記本グループの1つである第1本グループを、前記第1本グループとは異なる前記本グループである第2本グループの内部に移動させる本グループ移動操作を示す前記操作情報を、前記操作情報取得部が取得した場合に、前記第1本グループを前記第2本グループのサブグループとして前記表示装置に表示させ、
前記表示制御部は、前記仮グループを前記本グループの内部に移動させる仮グループ移動操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記仮グループを構成していた複数の前記オブジェクトと、前記仮グループ移動操作の前の前記本グループを構成していた1つ以上の前記オブジェクトとを合わせた複数の前記オブジェクトの群を、新たな前記本グループとして設定し、新たに設定された前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が前記第2表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させる請求項1又は2に記載の表示システム。
前記操作情報取得部が移動操作を示す前記操作情報を継続的に取得している、単体の前記オブジェクト、前記仮グループを構成する前記オブジェクト、又は前記本グループを構成する前記オブジェクトのいずれかを移動中オブジェクトとして、
前記表示制御部は、前記移動中オブジェクトが、他の単体の前記オブジェクト、他の前記仮グループ、又は他の前記本グループに対して予め設定された距離以下に接近した場合に、その位置で移動操作が終了した場合に適用される表示態様を、前記表示装置に一時的に表示させる請求項1から3のいずれか一項に記載の表示システム。
前記操作情報取得部が移動操作を示す前記操作情報を継続的に取得している、単体の前記オブジェクト、前記仮グループを構成する前記オブジェクト、又は前記本グループを構成する前記オブジェクトのいずれかを移動中オブジェクトとして、
前記表示制御部は、前記移動中オブジェクトが、その時点の前記表示装置の表示領域の外に移動しようとした場合には、前記移動中オブジェクトの位置が前記表示領域の中に含まれるように、前記表示領域の縮尺を小さくする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示装置に表示されたオブジェクトを操作することで情報の整理を行う場合、ユーザは、オブジェクトの移動操作、グループの作成操作、グループの解除操作等を繰り返し行いながら思考を深めて、複数のオブジェクト(例えば、共通の概念が存在するとユーザが考える複数のオブジェクト)によるグループを作成する。この点に関し、上記特許文献1に記載の技術では、複数のオブジェクトによるグループを作成するためには、これら複数のオブジェクトを囲む閉曲線を画面上で描く必要がある。そのため、上記のように各操作を繰り返し行いながら思考を深める際に、グループの作成操作を行う度に閉曲線を描くことに意識が向かうことで、ユーザの情報整理の思考が中断されやすい。
【0006】
そこで、表示装置に表示されたオブジェクトを操作して情報の整理を行う場合に、ユーザの情報整理の思考を適切に支援することが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、複数のオブジェクトを表示装置に表示させる表示システムの特徴構成は、前記オブジェクトに対するユーザの操作内容を示す操作情報を取得する操作情報取得部と、複数の前記オブジェクトが前記操作内容に応じて表された表示画像を前記操作情報に基づき生成し、前記表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、オブジェクト移動処理と、仮グループ表示処理と、本グループ表示処理とを実行し、前記オブジェクト移動処理は、前記オブジェクトの移動操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記移動操作の対象とされた前記オブジェクトの前記表示画像上での位置を、前記移動操作に応じて移動させる処理であり、前記仮グループ表示処理は、隣接する前記オブジェクト同士の前記表示画像上での間隔が設定距離以下である複数の前記オブジェクトの群を、1つの仮グループとして自動的にグループ化して、1つの前記仮グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が第1表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させる処理であり、前記本グループ表示処理は、前記仮グループをグループとして確定するグループ化操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記グループ化操作の対象とされた前記仮グループを本グループとして設定し、1つの前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が前記第1表示態様とは異なる第2表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させる処理である点にある。
【0008】
上記の特徴構成によれば、表示システムによりオブジェクト移動処理が実行されるため、ユーザは、グループ化しようと考える複数のオブジェクト(例えば、ユーザが決めた共通の概念が存在すると考える複数のオブジェクト)を、表示画像上で寄せ集めるように移動させることができる。そして、上記の特徴構成によれば、表示システムにより仮グループ表示処理が実行されるため、隣接するオブジェクト同士の表示画像上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクトの群が、1つの仮グループとして自動的にグループ化されて、1つの仮グループを構成する複数のオブジェクトの間の関連性が第1表示態様で表示装置に表示される。よって、ユーザは、オブジェクトの移動操作とは別にグループ化のための操作を行う必要がなく、1つの仮グループを構成する複数のオブジェクトの間の関連性を視認することができる。これにより、情報の整理とは直接的に関係しない操作にユーザの意識が向き難く、情報整理の思考の連続性を確保しやすい操作環境をユーザに提供することができる。
その上で、上記の特徴構成によれば、表示システムにより本グループ表示処理が実行されるため、ユーザは、グループとして確定したい仮グループに対してグループ化操作を行うことで、グループとして確定した本グループを構成する複数のオブジェクトの間の関連性を第2表示態様で表示装置に表示させることができる。ここで、第2表示態様は、仮グループを構成する複数のオブジェクトの間の関連性を示す第1表示態様とは異なる態様で、複数のオブジェクトの間の関連性を示す表示態様である。よって、ユーザは、グループとして確定していない仮グループと、グループとして確定した本グループとを、区別して視認することができ、情報の整理を効率良く行いやすくなる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、表示装置に表示されたオブジェクトを操作して情報の整理を行う場合に、ユーザの情報整理の思考を適切に支援することが可能な技術を実現することができる。
【0009】
ここで、前記本グループ表示処理では、前記グループ化操作の対象とされた前記仮グループを構成する複数の前記オブジェクトの中に、前記表示画像上で互いに重なるように配置された前記オブジェクトの組が含まれていた場合に、前記オブジェクト同士の重なりが解消されるように前記表示画像上での複数の前記オブジェクトの配置を変更して、前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトを前記表示装置に表示させると好適である。
【0010】
この構成によれば、仮グループが形成されている段階ではオブジェクト同士の重なりを許容することで、各オブジェクトをユーザの操作内容に応じた位置に配置して、ユーザの意思とオブジェクトの配置位置との乖離を抑制することができる。そして、上記の構成によれば、仮グループに対してグループ化操作が行われた際に、オブジェクト同士の重なりが自動的に解消されて、本グループを構成する複数のオブジェクトが互いに重ならないように配置されるため、ユーザは、グループとして確定した本グループの内容を容易に把握することができる。
【0011】
また、前記表示制御部は、前記本グループの1つである第1本グループを、前記第1本グループとは異なる前記本グループである第2本グループの内部に移動させる本グループ移動操作を示す前記操作情報を、前記操作情報取得部が取得した場合に、前記第1本グループを前記第2本グループのサブグループとして前記表示装置に表示させ、前記表示制御部は、前記仮グループを前記本グループの内部に移動させる仮グループ移動操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記仮グループを構成していた複数の前記オブジェクトと、前記仮グループ移動操作の前の前記本グループを構成していた1つ以上の前記オブジェクトとを合わせた複数の前記オブジェクトの群を、新たな前記本グループとして設定し、新たに設定された前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が前記第2表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させると好適である。
【0012】
この構成によれば、本グループを別の本グループのサブグループとすることができるため、ユーザは、情報を階層的に整理することができる。また、上記の構成によれば、仮グループを構成する複数のオブジェクトをまとめて本グループに追加することができるため、情報を効率的に整理することが可能な操作環境をユーザに提供することができる。
そして、上記の構成によれば、グループを本グループの内部に移動させるという同じ操作が行われた場合であっても、移動対象のグループが仮グループであるか本グループであるかに応じて(すなわち、ユーザの思考の段階に応じて)処理結果を異ならせることで、ユーザの情報整理の思考を適切に支援することができる。
補足説明すると、仮グループは、複数のオブジェクトが寄せ集められることで自動的に生成されるグループであるため、仮グループは、ユーザが“仮にグループ化すると”というような下書き的な思考を行っている段階で生成される。上記の構成では、このような性質の仮グループが本グループの内部に移動された場合には、仮グループを維持せずに、仮グループを構成していた複数のオブジェクトを移動先の本グループの構成要素とする。この結果、ユーザが下書き的な思考を行っている段階では、グループに対するオブジェクトの追加等が柔軟に行える操作環境をユーザに提供することで、このような思考の段階での情報整理を適切に支援することができる。
一方、本グループは、ユーザの明示的な操作により生成されるグループであるため、本グループは、ユーザがオブジェクト単位だけでなくグループ単位でも情報の整理を行っている段階で生成される。上記の構成では、このような性質の本グループが別の本グループの内部に移動された場合には、移動対象の本グループを維持して別の本グループのサブグループとする。この結果、ユーザがグループ単位で情報の整理を行っている段階では、階層的な情報の整理が行える操作環境(言い換えれば、グループが自動的に解除されない操作環境)をユーザに提供することで、このような思考の段階での情報整理を適切に支援することができる。
【0013】
また、前記操作情報取得部が移動操作を示す前記操作情報を継続的に取得している、単体の前記オブジェクト、前記仮グループを構成する前記オブジェクト、又は前記本グループを構成する前記オブジェクトのいずれかを移動中オブジェクトとして、前記表示制御部は、前記移動中オブジェクトが、他の単体の前記オブジェクト、他の前記仮グループ、又は他の前記本グループに対して予め設定された距離以下に接近した場合に、その位置で移動操作が終了した場合に適用される表示態様を、前記表示装置に一時的に表示させると好適である。
【0014】
この構成によれば、ユーザは、オブジェクトの移動操作の途中で、その時点で移動操作を終了させた場合の仮グループや本グループの形成状態を把握することができるため、自身が意図するようにオブジェクトを配置しやすい操作環境をユーザに提供することができる。
【0015】
また、前記操作情報取得部が移動操作を示す前記操作情報を継続的に取得している、単体の前記オブジェクト、前記仮グループを構成する前記オブジェクト、又は前記本グループを構成する前記オブジェクトのいずれかを移動中オブジェクトとして、前記表示制御部は、前記移動中オブジェクトが、その時点の前記表示装置の表示領域の外に移動しようとした場合には、前記移動中オブジェクトの位置が前記表示領域の中に含まれるように、前記表示領域の縮尺を小さくすると好適である。
【0016】
この構成によれば、ユーザは、表示領域の縮尺を小さくする操作を先に行う必要がなく、表示領域の大きさによる制約を受けずにオブジェクトの移動操作を行うことができる。従って、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、全てのオブジェクトの配置状態(すなわち、全体像)を、画面のスクロール操作やページの切替操作等を行うことなしに常に一覧することができる操作環境を、ユーザに提供することができる。よって、画面のスクロール操作やページの切替操作等の、情報の整理とは直接的に関係しない操作にユーザの意識が向き難くして、情報整理の思考の連続性を確保しやすい操作環境をユーザに提供することができる。
【0017】
以上の各構成を備えた表示システムの技術的特徴は表示プログラムにも適用可能であり、そのようなプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。
【0018】
その場合における、複数のオブジェクトを表示装置に表示させる表示プログラムの特徴構成は、前記オブジェクトに対するユーザの操作内容を示す操作情報を取得する操作情報取得機能と、複数の前記オブジェクトが前記操作内容に応じて表された表示画像を前記操作情報に基づき生成し、前記表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御機能と、をコンピュータに実現させ、前記表示制御機能は、オブジェクト移動処理と、仮グループ表示処理と、本グループ表示処理とを実行し、前記オブジェクト移動処理は、前記オブジェクトの移動操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得機能が取得した場合に、前記移動操作の対象とされた前記オブジェクトの前記表示画像上での位置を、前記移動操作に応じて移動させる処理であり、前記仮グループ表示処理は、隣接する前記オブジェクト同士の前記表示画像上での間隔が設定距離以下である複数の前記オブジェクトの群を、1つの仮グループとして自動的にグループ化して、1つの前記仮グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が第1表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させる処理であり、前記本グループ表示処理は、前記仮グループをグループとして確定するグループ化操作を示す前記操作情報を前記操作情報取得機能が取得した場合に、前記グループ化操作の対象とされた前記仮グループを本グループとして設定し、1つの前記本グループを構成する複数の前記オブジェクトの間の関連性が前記第1表示態様とは異なる第2表示態様で示された前記表示画像を前記表示装置に表示させる処理である点にある。
【0019】
上述した表示システムの種々の技術的特徴は、表示プログラムにも適用可能である。
【0020】
表示システム及び表示プログラムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の実施形態の説明によってより明確となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
表示システムの実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、
図1、
図3〜
図5に示すように、本開示に係る表示システムを、タブレット型の可搬型通信端末(一般的に、「タブレット端末」と呼ばれる。)である端末装置2に適用した場合を例として説明する。なお、本明細書において、「装置」は一体化された1つのハードウェアに限定されるものではなく、1つの「装置」が互いに分離した複数のハードウェアにより構成されてもよい。
【0023】
図1に示すように、端末装置2は、処理装置3と、主記憶装置7と、補助記憶装置8と、入力装置4と、表示装置5と、通信装置9と、を備えている。処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備える。主記憶装置7は、処理装置3(演算処理装置)が直接参照可能な記憶装置であり、DDR(Double Data Rate)規格或いはその後継の規格のRAM(Random Access Memory)を例示することができる。主記憶装置7には、処理装置3が各処理を実行する際にデータが一時的に記憶される。補助記憶装置8は、データを記憶及び書き換え可能な記憶装置であり、フラッシュメモリを記憶媒体として備えた記憶装置や、ハードディスクを記憶媒体として備えた記憶装置を例示することができる。補助記憶装置8には、処理装置3が実行するプログラムや、表示装置5に表示させる表示画像10を生成するための画像や文字等のデータが記憶される。処理装置3は、主記憶装置7や補助記憶装置8に記憶されているプログラムを実行する。この際、補助記憶装置8に記憶されているプログラムは、基本的に、主記憶装置7にロードされて処理装置3により実行される。なお、ここでは、補助記憶装置8が端末装置2に一体的に設けられる場合を想定しているが、補助記憶装置8が、端末装置2と通信可能な別の装置(例えば、サーバ装置)に設けられてもよい。また、本明細書において補助記憶装置8に記憶されると説明するデータの少なくとも一部が、主記憶装置7に記憶される構成とすることもできる。
【0024】
入力装置4は、端末装置2のユーザ(例えば、小学生等の学習者)からの入力を受け付ける装置であり、キーボードやポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、タッチパネル等)を例示することができる。表示装置5は、画像を表示画面11(表示装置5の外面に設けられる画面、スクリーン等への投影画面等)に表示する装置であり、液晶ディスプレイを例示することができる。本実施形態では、入力装置4と表示装置5とが一体となった表示入力装置6(具体的には、表示画面11がタッチパネルとして機能する液晶ディスプレイ)を用いる場合を想定している。通信装置9は、通信ネットワークを介して通信を行う装置であり、無線LAN(Local Area Network)を利用して通信ネットワークに接続される無線通信装置や、LANケーブルを用いて通信ネットワークに接続される有線通信装置を例示することができる。本実施形態では、通信装置9は、通信ネットワーク上の他の端末装置2とデータ通信を行うために用いられる。
【0025】
表示システム1は、
図3〜
図5に示すように、複数のオブジェクト50を表示装置5に表示させるシステムである。オブジェクト50は、表示画面11に表示される表示要素(表示物)であり、例えば、文字、図形、写真、絵、記号、又はこれらの組み合わせ等によって表される。
図3に示すように、本実施形態では、オブジェクト50を、カード状(ここでは、矩形のカード状)のオブジェクトとしている。
図3では、オブジェクト50が表す情報(オブジェクト50の表示内容)を単純な図形としているが、オブジェクト50が文字(或いは文字列)を表す構成や、オブジェクト50が文字(或いは文字列)とイメージ(図形、写真、絵等)との双方を表す構成とすることもできる。例えば、ユーザの思考を整理する場面に表示システム1を用いる場合に、オブジェクト50が、ユーザによって入力された思考の結果を表す文字(或いは文字列)を少なくとも表す構成とすることができる。
【0026】
ユーザは、オブジェクト50に対する操作によって表示画像10上で(言い換えれば、表示画面11上で)オブジェクト50を移動させることで、オブジェクト50が表す情報を整理する(例えば、ユーザの思考を整理する)。具体的には、ユーザは、複数のオブジェクト50(例えば、ユーザが決めた共通の概念が存在すると考える複数のオブジェクト50)を表示画像10上で寄せ集めるように移動させてグループ化することで、オブジェクト50が表す情報を整理する。共通の概念が存在する複数のオブジェクト50のグループ化は、例えば、小学校等での学習活動において行われる。
【0027】
例えば、
図3に示す例において、ユーザが、
図5に示すように複数のオブジェクト50を図形の種類毎にグループ化することが考えられる。また、図示は省略するが、
図3に示す例において、ユーザが、複数のオブジェクト50を図形のアスペクト比毎にグループ化することも考えられる。このように、グループ化の基準となる概念(関連性)は必ずしも一意に定まるものではなく、ユーザが複数のオブジェクト50を表示画像10上で感覚的に移動させながら思考を深める中で定まる場合もある。そのため、表示システム1が提供する操作環境は、このようにユーザが思考を深める際の思考の連続性を確保しやすい操作環境であることが望ましい。
【0028】
この点に鑑みて、この表示システム1は、詳細は後述するが、
図4に示すように、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群を、1つの仮グループ60として自動的にグループ化するように構成されている。なお、
図4は、
図3に示す状態からユーザが複数のオブジェクト50を図形の種類毎に寄せ集める操作を行うことで、3つの仮グループ60が自動的に形成されている状態を示している。そして、この表示システム1は、1つの仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性を、第1表示態様D1で表示装置5に表示させるように構成されている。これにより、ユーザは、オブジェクト50の移動操作とは別にグループ化のための操作を行う必要がなく、1つの仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性を視認することができる。すなわち、ユーザは、互いに寄せ集められた複数のオブジェクト50の群をグループとして確定するか否かを決定する前に、当該複数のオブジェクト50の群をグループとして視認することができる。これにより、情報整理の思考の連続性を確保しやすい操作環境をユーザに提供することが可能となっている。
【0029】
そして、この表示システム1は、仮グループ60に対してユーザがグループ化操作を行った場合に、仮グループ60を本グループ70として設定するように構成されている(
図5参照)。なお、
図5は、
図4に示す状態からユーザが3つの仮グループ60のそれぞれに対してグループ化操作を行うことで、3つの本グループ70が形成されている状態を示している。そして、この表示システム1は、1つの本グループ70を構成する複数のオブジェクト50の関連性を、第1表示態様D1とは異なる第2表示態様D2で表示装置5に表示させるように構成されている。これにより、グループとして確定する操作をユーザが行っていない仮グループ60と、グループとして確定する操作をユーザが行った本グループ70とを、区別して視認することができる操作環境、すなわち、情報の整理を効率良く行うことが可能な操作環境を、ユーザに提供することが可能となっている。
【0030】
このように、この表示システム1は、情報整理の思考の連続性を確保しやすい操作環境であって、情報の整理を効率良く行うことが可能な操作環境を、ユーザに提供することが可能となっている。以下、このような操作環境を実現するための表示システム1の構成について具体的に説明する。なお、表示システム1は、互いに情報の受け渡しを行うことが可能な複数の機能部を備えるが(
図1、
図2参照)、これら複数の機能部は、少なくとも論理的に区別されるものであり、物理的には必ずしも区別される必要はない。また、これら複数の機能部は、共通のハードウェアで実現される必要はなく、互いに通信可能な複数のハードウェア(例えば、端末装置2とサーバ装置)に分かれて実現されてもよい。
【0031】
図1に示すように、表示システム1は、操作情報取得部30と表示制御部31とを備えている。本実施形態では、処理装置3が、操作情報取得部30と表示制御部31とを備えている。処理装置3(演算処理装置)は、記憶装置(ここでは、補助記憶装置8)に記憶されている各プログラムを実行することで、操作情報取得部30としての機能(操作情報取得機能)と、表示制御部31としての機能(表示制御機能)とを実現する。すなわち、表示システム1の各機能部(
図2に示す表示制御部31の各機能部を含む。)は、記憶装置(ここでは、補助記憶装置8)に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により構成される。言い換えれば、表示システム1の各機能部の機能を演算処理装置(コンピュータ)に実現させるためのプログラムは、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置に記憶される。表示システム1の各機能をコンピュータに実現させるための表示プログラム(複数のオブジェクトを表示装置に表示させる表示プログラム)は、記憶媒体により提供され、或いは、通信ネットワークを介して提供される。本実施形態では、提供された表示プログラムが、端末装置2の記憶装置(ここでは、補助記憶装置8)に記憶される。
【0032】
操作情報取得部30は、オブジェクト50に対するユーザの操作内容を示す操作情報を取得する機能部である。操作情報取得部30は、取得した操作情報を表示制御部31に送信する。ユーザの操作は入力装置4を用いて行われ、操作情報取得部30は、入力装置4からの信号に基づき(具体的には、入力装置4からの信号を解析して)、入力装置4に対するユーザの種々の操作の内容を示す操作情報を取得する。本実施形態では、ユーザは、表示装置5(表示入力装置6)の表示画面11に表示された画面(グラフィカルユーザインタフェース)を操作して、種々の操作を行う。
【0033】
ユーザが入力装置4を用いて行う操作には、オブジェクト50を作成又は削除する操作、オブジェクト50に表示される情報(オブジェクト50の表示内容)を設定する操作(例えば、文字又は文字列の入力操作)、オブジェクト50をオブジェクト50単位、仮グループ60単位、又は本グループ70単位で移動させる移動操作、仮グループ60をグループとして確定する(すなわち、仮グループ60を本グループ70に変更する)グループ化操作、本グループ70を解除するグループ解除操作、本グループ70に対してグループ名を入力するグループ名入力操作等が含まれる。
【0034】
表示制御部31は、複数のオブジェクト50が操作内容に応じて表された表示画像10を操作情報に基づき生成し、表示画像10を表示装置5に表示させる機能部である。
図2に示すように、表示制御部31は、座標計算部32と、オブジェクト特定部33と、オブジェクト管理部34と、オブジェクト移動処理部35と、オブジェクト表示処理部36と、メニュー生成部37と、表示画像生成部38と、を備えている。以下では、表示制御部31の各機能部の構成について説明した後、表示制御部31により実行される各処理の具体的内容を、
図6〜
図23に示す例を参照して説明する。
【0035】
座標計算部32は、ユーザの操作が行われた(或いは行われている)座標(表示画面11上の位置)を計算する機能部である。座標計算部32は、操作情報取得部30が取得した操作情報に基づき、ユーザの操作が行われた(或いは行われている)座標を計算する。本実施形態では、座標計算部32は、表示画面11(タッチパネル)に対するユーザのタッチ操作(指又はタッチペン等によるタッチ操作)がなされた座標を計算する。タッチ操作には、タップ操作、ドラッグ操作、ロングタップ操作(長押し操作)等が含まれる。例えば、ユーザがオブジェクト50に対するドラッグ操作を行った場合、当該ドラッグ操作が開始されてから終了されるまでの間、座標計算部32による計算が繰り返し行われる。
【0036】
オブジェクト特定部33は、ユーザによる操作対象とされたオブジェクト50、仮グループ60、又は本グループ70を特定する機能部である。オブジェクト特定部33は、座標計算部32による計算結果と、オブジェクト管理部34で管理されている情報(例えば、各オブジェクト50が配置されている座標の情報)とに基づき、操作対象とされたオブジェクト50、仮グループ60、又は本グループ70を特定する。例えば、ユーザが表示画面11上でオブジェクト50をタッチした場合には、当該オブジェクト50がオブジェクト特定部33により特定される。また、例えば、ユーザが、表示画面11上で、仮グループ60の表示領域(第1表示態様D1の外縁によって囲まれる領域、
図4参照)におけるオブジェクト50が配置されていない部分をタッチした場合には、当該仮グループ60がオブジェクト特定部33により特定される。また、例えば、ユーザが、表示画面11上で、本グループ70の表示領域(第2表示態様D2の外縁によって囲まれる領域、
図5参照)におけるオブジェクト50が配置されていない部分をタッチした場合には、当該本グループ70がオブジェクト特定部33により特定される。
【0037】
オブジェクト移動処理部35は、オブジェクト50の移動操作(例えば、オブジェクト50に対するドラッグ操作)を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、移動操作の対象とされたオブジェクト50の表示画像10上での位置を、移動操作に応じて移動させる機能部である。オブジェクト移動処理部35は、座標計算部32による計算結果とオブジェクト特定部33による特定結果とに基づき、移動操作の対象とされたオブジェクト50の表示画像10上での位置を移動させる(移動先の位置を決定する)。
【0038】
オブジェクト50の移動操作が、単体のオブジェクト50ではなく仮グループ60の移動操作(例えば、仮グループ60の表示領域におけるオブジェクト50が配置されていない部分に対するドラッグ操作)である場合には、オブジェクト移動処理部35は、仮グループ60を構成するオブジェクト50間の表示画像10上での位置関係を維持した状態で、仮グループ60を構成する各オブジェクト50を移動操作に応じて一体的に移動させる。すなわち、仮グループ60単位でオブジェクト50が移動される。また、オブジェクト50の移動操作が、単体のオブジェクト50ではなく本グループ70の移動操作(例えば、本グループ70の表示領域におけるオブジェクト50が配置されていない部分に対するドラッグ操作)である場合には、オブジェクト移動処理部35は、本グループ70を構成するオブジェクト50間の表示画像10上での位置関係を維持した状態で、本グループ70を構成する各オブジェクト50を移動操作に応じて一体的に移動させる。すなわち、本グループ70単位でオブジェクト50が移動される。
【0039】
オブジェクト管理部34は、オブジェクト50の情報、仮グループ60の情報、及び本グループ70の情報を管理する機能部である。オブジェクト管理部34は、これらの情報を補助記憶装置8に記憶させて管理する。具体的には、オブジェクト管理部34は、オブジェクト50の情報として、例えば、各オブジェクト50の表示内容、座標、サイズ等の情報を、オブジェクト50に関連付けて管理する。また、オブジェクト管理部34は、仮グループ生成部34aを備えており、仮グループ60の情報として、例えば、仮グループ60を構成するオブジェクト50の識別情報、仮グループ60の座標(仮グループ60の表示領域を表す座標)等を管理する。また、オブジェクト管理部34は、本グループ生成部34bとグループ名生成部34cとを備えており、本グループ70の情報として、例えば、本グループ70のグループ名、本グループ70を構成するオブジェクト50の識別情報、本グループ70の座標(本グループ70の表示領域を表す座標)等を管理する。
【0040】
仮グループ生成部34aは、各オブジェクト50の座標に基づき仮グループ60を生成する機能部である。仮グループ生成部34aは、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群を、仮グループ60として自動的にグループ化する。すなわち、仮グループ60は、ユーザの明示的な操作(グループ化操作)なしに、自動的に(具体的には、仮グループ生成部34aの処理により)形成される。なお、仮グループ60は、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群であるため、仮グループ60を構成しているオブジェクト50が残りの複数のオブジェクト50から設定距離よりも離れるように移動されると、当該仮グループ60は、残りの複数のオブジェクト50の群のグループとなるように再構築される。また、仮グループ60を構成している全てのオブジェクト50が互いに設定距離よりも離れるように移動されると、当該仮グループ60は削除される。すなわち、仮グループ60は、自動的に再構築されると共に、ユーザの明示的な操作(グループ解除操作)なしに自動的に削除される。
【0041】
本グループ生成部34bは、ユーザによるグループ化操作に応じて本グループ70を生成する機能部である。本グループ生成部34bは、仮グループ60をグループとして確定するグループ化操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、グループ化操作の対象とされた仮グループ60を本グループ70として設定する。すなわち、本グループ70は、仮グループ60のように自動的には形成されず、ユーザの明示的な操作(グループ化操作)により形成される。また、本実施形態では、本グループ生成部34bは、ユーザが本グループ70を構成する全てのオブジェクト50を本グループ70の外側に移動させる操作を行った場合でも当該本グループ70を削除せず、ユーザによるグループ解除操作に応じて本グループ70を削除する。すなわち、本実施形態では、本グループ70は、仮グループ60のように自動的には削除されず、ユーザの明示的な操作(グループ解除操作)により削除される。
【0042】
グループ名生成部34cは、グループ名を入力するグループ名入力操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、入力されたグループ名を生成する機能部である。本実施形態では、仮グループ60及び本グループ70のうちの本グループ70に対してのみグループ名入力操作が可能に構成されており、オブジェクト管理部34は、グループ名入力操作の対象とされた本グループ70に関連付けて、入力されたグループ名を管理する。
【0043】
オブジェクト表示処理部36は、表示装置5に表示されるオブジェクト50、仮グループ60、及び本グループ70の表示態様を決定する機能部である。オブジェクト表示処理部36は、オブジェクト50(単体のオブジェクト50、仮グループ60を構成するオブジェクト50、及び本グループ70を構成するオブジェクト50)の表示態様を、
図3〜
図5に示すように、オブジェクト50の表示内容(
図3に示す例では、図形)を、オブジェクト50を表す図形(本実施形態では、カード)に重ねて表示する表示態様に決定する。
【0044】
オブジェクト表示処理部36は、仮グループ60の表示態様(仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性を示す表示態様)を、
図4に示すように、第1表示態様D1に決定する。本実施形態では、第1表示態様D1は、外縁がぼやけた領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様である。具体的には、第1表示態様D1を、枠線のない領域表示(すなわち、塗りつぶしのみの領域表示)により複数のオブジェクト50を囲む表示態様としている。また、本実施形態では、第1表示態様D1の外縁を、仮グループ60を構成するオブジェクト50の周囲に沿うように設定する。そのため、仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50は、第1表示態様D1の表示色で周囲が色づけられるように表示される。なお、第1表示態様D1による領域表示(ここでは、領域の塗りつぶし)は、後述する色生成部36aによって生成された表示色で行われる。
【0045】
オブジェクト表示処理部36は、本グループ70の表示態様(本グループ70を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性を示す表示態様)を、
図5に示すように、第2表示態様D2に決定する。本実施形態では、第2表示態様D2は、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを、第1表示態様D1よりも強調して示す表示態様である。具体的には、上記のように、第1表示態様D1が、外縁がぼやけた領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様であるのに対して、第2表示態様D2は、第1表示態様D1よりも外縁が明確な領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様である。具体的には、第2表示態様D2を、枠線(ここでは、実線)のある領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様としている。また、本実施形態では、第2表示態様D2を、複数のオブジェクト50を矩形状(ここでは、角を丸めた矩形状)に囲む表示態様としている。なお、第2表示態様D2による領域表示(ここでは、枠線の描画及び領域の塗りつぶし)は、色生成部36aによって生成された表示色で行われる。
【0046】
このように、本実施形態では、第2表示態様D2を、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを、第1表示態様D1よりも強調して示す表示態様としている。これにより、第2表示態様D2で関連性が示される複数のオブジェクト50の群が、グループとして確定した本グループ70を構成するオブジェクト50の群であることを、ユーザに直観的に視認させやすくなっている。具体的には、本実施形態では、第1表示態様D1を、外縁がぼやけた領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様とし、第2表示態様D2を、第1表示態様D1よりも外縁が明確な領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様としている。これにより、第1表示態様D1で関連性が示される複数のオブジェクト50の群が、グループとして確定していない仮グループ60を構成するオブジェクト50の群であることと、第2表示態様D2で関連性が示される複数のオブジェクト50の群が、グループとして確定した本グループ70を構成するオブジェクト50の群であることを、ユーザに直観的に視認させやすくなっている。
【0047】
オブジェクト表示処理部36は、色生成部36aを備えている。色生成部36aは、表示態様の1つの要素である表示色を生成する機能部である。色生成部36aは、
図4に示すように複数の仮グループ60が表示装置5に表示される場合に、仮グループ60のそれぞれに対して互いに異なる色の表示色を設定する。これにより、仮グループ60のそれぞれは、互いに異なる色の第1表示態様D1で複数のオブジェクト50の間の関連性が示されるように、表示装置5に表示される。また、色生成部36aは、仮グループ60が本グループ70に変更された場合に、本グループ70に対して、変更元の仮グループ60と同じ色或いは同系統の色(同系色)の表示色を設定する。よって、ユーザは仮グループ60や本グループ70の表示色を指定する操作を行うことなく、表示装置5に表示された複数のグループ(仮グループ60又は本グループ70)を区別して視認しやすい。なお、ユーザが、仮グループ60や本グループ70の表示色を設定可能な構成(例えば、色生成部36aによって自動的に生成された表示色を変更可能な構成)とすることもできる。
【0048】
メニュー生成部37は、ユーザによるメニュー表示操作等に応じて、表示装置5に表示させるメニューを生成する機能部である。メニュー生成部37は、例えば、グループ化操作やグループ解除操作を行うためのボタンが配置されたメニュー(例えば、
図8に示すようなメニューウィンドウ81)を生成する。メニューに対するユーザの操作内容を示す操作情報は、操作情報取得部30により取得され、当該操作内容に応じた処理が処理装置3にて実行される。
【0049】
表示画像生成部38は、オブジェクト表示処理部36が決定した表示態様でオブジェクト50が表された表示画像10を生成する機能部である。なお、表示画像生成部38は、仮グループ60が形成されている場合には、オブジェクト表示処理部36が決定した第1表示態様D1で仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性が示された表示画像10を生成し、本グループ70が形成されている場合には、オブジェクト表示処理部36が決定した第2表示態様D2で本グループ70を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性が示された表示画像10を生成する。また、表示画像生成部38は、メニュー生成部37によりメニューが生成されている場合には、当該メニューの画像を含む表示画像10を生成する。表示画像生成部38は、補助記憶装置8に記憶されている画像や文字等のデータに基づき表示画像10を生成し、表示画像生成部38により生成された表示画像10が表示装置5に表示される。
【0050】
次に、表示制御部31が実行する各処理の具体的内容について、
図6〜
図23に示す例を参照して説明する。以下に述べるように、表示制御部31は、オブジェクト移動処理と、仮グループ表示処理と、本グループ表示処理とを実行する。本実施形態では、表示制御部31は、更に、プレビュー表示処理と、自動縮尺変更処理とを実行する。
【0051】
オブジェクト移動処理は、オブジェクト50の移動操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、移動操作の対象とされたオブジェクト50の表示画像10上での位置を、移動操作に応じて移動させる処理である。オブジェクト移動処理は、オブジェクト移動処理部35が中核となって実行される。
図6及び
図7に例示するように、オブジェクト50の移動操作が、単体のオブジェクト50の移動操作(
図6及び
図7に示す例では指によるドラッグ操作)である場合には、当該単体のオブジェクト50の表示画像10上での位置が、オブジェクト移動処理によって当該移動操作に応じて移動される。
【0052】
また、
図16に例示するように、オブジェクト50の移動操作が、仮グループ60の移動操作(
図16に示す例では、第1表示態様D1による領域表示が行われている部分に対する指によるドラッグ操作)である場合には、仮グループ60の位置が、オブジェクト移動処理によって当該移動操作に応じて移動される。この際、仮グループ60を構成するオブジェクト50間の表示画像10上での位置関係(
図16に示す例では、3つのオブジェクト50の間の位置関係)が維持された状態で、仮グループ60が移動される。
【0053】
また、
図14に例示するように、オブジェクト50の移動操作が、本グループ70の移動操作(
図14に示す例では、第2表示態様D2による領域表示が行われている部分(具体的には、枠内の背景部分)に対する指によるドラッグ操作)である場合には、本グループ70の位置が、オブジェクト移動処理によって当該移動操作に応じて移動される。この際、本グループ70を構成するオブジェクト50間の表示画像10上での位置関係(
図14に示す例では、3つのオブジェクト50の間の位置関係)が維持された状態で、本グループ70が移動される。
【0054】
仮グループ表示処理は、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群を、1つの仮グループ60として自動的にグループ化して、1つの仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性が第1表示態様D1で示された表示画像10を表示装置5に表示させる処理である。仮グループ表示処理は、仮グループ生成部34a及びオブジェクト表示処理部36が中核となって実行される。
【0055】
図6は、オブジェクト移動処理によって、1つのオブジェクト50(第1オブジェクト51)が、破線で示す位置から一点鎖線で示す位置まで移動される過程において、第1オブジェクト51が、別の1つのオブジェクト50(第2オブジェクト52)との間隔が設定距離となる位置まで移動された状況を示している。第1オブジェクト51がこのように移動されることに伴い、第1オブジェクト51と第2オブジェクト52とによる仮グループ60(第1仮グループ61)が自動的に形成されて、第1オブジェクト51と第2オブジェクト52との間の関連性が第1表示態様D1で示される。なお、ここでは、オブジェクト50同士の表示画像10上での間隔を、オブジェクト50の外縁同士の間隔としている。そのため、互いに重なるオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔は、設定距離以下となる。オブジェクト50同士の表示画像10上での間隔を、オブジェクト50の中心同士或いは重心同士の間隔等とすることもできる。
【0056】
本実施形態では、設定距離をゼロより大きな値に設定している。そのため、
図4に示すように、仮グループ60を構成するオブジェクト50のそれぞれは、表示画像10上で、当該仮グループ60を構成する他のオブジェクト50と設定距離以下の間隔で離間するように配置され、或いは、当該仮グループ60を構成する他のオブジェクト50と重なるように配置される。なお、設定距離をゼロに設定することもでき、この場合、表示画像10上で互いに重なる複数のオブジェクト50の群により、1つの仮グループ60が形成される。
【0057】
図6では、第1仮グループ61が形成される前に、別の2つのオブジェクト50(第3オブジェクト53及び第4オブジェクト54)による仮グループ60(第2仮グループ62)が形成されている状況を示している。そのため、第1仮グループ61の表示色(第1表示態様D1で領域表示を行うための表示色)は、第2仮グループ62の表示色とは異なる色に自動的に設定される。
【0058】
図7は、第1オブジェクト51を第2オブジェクト52に重なる位置(
図6において一点鎖線で示す位置)まで移動させた後、第3オブジェクト53を、第2オブジェクト52との表示画像10上での間隔が設定距離以下となる位置まで移動させた状況を示している。第3オブジェクト53がこのように移動されることに伴い、第1オブジェクト51、第2オブジェクト52、及び第3オブジェクト53による仮グループ60(第1仮グループ61)が自動的に形成される(すなわち、第1仮グループ61が、第3オブジェクト53を含むように再構築される)。一方、第2仮グループ62は、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群が、第3オブジェクト53の移動に伴い消滅することで、自動的に削除される。図示は省略するが、第3オブジェクト53単独ではなく第2仮グループ62の全体を、第1仮グループ61を構成するいずれかのオブジェクト50と第2仮グループ62を構成するいずれかのオブジェクト50との間隔が設定距離以下となる位置まで移動させた場合には、第1仮グループ61と第2仮グループ62とが結合されて、4つのオブジェクト50(51〜54)による仮グループ60が自動的に形成される。
【0059】
本グループ表示処理は、仮グループ60をグループとして確定するグループ化操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、グループ化操作の対象とされた仮グループ60を本グループ70として設定し、1つの本グループ70を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性が第1表示態様D1とは異なる第2表示態様D2で示された表示画像10を表示装置5に表示させる処理である。本グループ表示処理は、本グループ生成部34b及びオブジェクト表示処理部36が中核となって実行される。
【0060】
図8は、仮グループ60を操作するためのメニューウィンドウ81が、仮グループ60と共に表示装置5に表示されている状況を示している。メニューウィンドウ81には、仮グループ60をグループとして確定するグループ化操作を行うためのグループ化ボタン82が含まれており、グループ化ボタン82に対してユーザがタッチ操作を行うことで、
図9に示すように、仮グループ60を構成していた複数のオブジェクト50による本グループ70が形成されて、これら複数のオブジェクト50の間の関連性が第2表示態様D2で示される。なお、ここでは、グループ化操作の一例として、メニューウィンドウ81に対する操作を例示したが、仮グループ60に対するロングタップ操作等の他の操作をグループ化操作とすることもできる。
【0061】
詳細は省略するが、
図9に示す本グループ70に対してグループ解除操作が行われると、本グループ70は削除される。この際、本グループ70が、オブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群を有していた場合には、当該複数のオブジェクト50の群により仮グループ60が形成される。また、仮グループ60から本グループ70に変更された後に一部のオブジェクト50が本グループ70の外部に移動されたこと等によって、本グループ70が、オブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群を有していなかった場合には、仮グループ60は形成されない。
【0062】
本実施形態では、本グループ表示処理において、グループ化操作の対象とされた仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の中に、表示画像10上で互いに重なるように配置されたオブジェクト50の組が含まれていた場合に、オブジェクト50同士の重なりが解消されるように表示画像10上での複数のオブジェクト50の配置を変更して、本グループ70を構成する複数のオブジェクト50を表示装置5に表示させる。複数のオブジェクト50の配置の変更は、少なくともいずれかのオブジェクト50を表示画像10上で移動させることで行われる。そして、本実施形態では、複数のオブジェクト50の配置の変更後においても、仮グループ60を構成していた複数のオブジェクト50が、隣接するオブジェクト50同士の表示画像10上での間隔が設定距離以下である複数のオブジェクト50の群となるように、複数のオブジェクト50の配置を変更する。このようにオブジェクト50同士の重なりを解消する処理が行われるため、例えば
図8に示すように仮グループ60を構成する2つのオブジェクト50が互いに重なるように配置されていた場合には、仮グループ60が本グループ70に変更される際に、
図9に示すように、当該2つのオブジェクト50の重なりが解消される。
【0063】
オブジェクト50同士の重なりの解消方法の詳細は省略するが、複数のオブジェクト50の間の表示画像10上での位置関係が重なりの解消の前後においてできるだけ維持されるように、複数のオブジェクト50の配置を変更すると好適である。例えば、表示画像10上の互いに直交する2つの方向を第1方向X(左右方向)及び第2方向Y(上下方向)として、複数のオブジェクト50(
図8及び
図9に示す例では、3つのオブジェクト50)の間の第1方向X及び第2方向Yのそれぞれでの並び順を維持するように、複数のオブジェクト50の配置を変更する構成とすることができる。
【0064】
また、本実施形態では、操作情報取得部30が、仮グループ60及び本グループ70のうちの本グループ70に対してのみ、グループ名を入力するグループ名入力操作を示す操作情報を取得するように構成されている。すなわち、ユーザは、仮グループ60及び本グループ70のうちの本グループ70に対してのみ、グループ名入力操作を行うことができる。そして、表示制御部31は、グループ名入力操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、グループ名入力操作の対象とされた本グループ70を構成する1つ以上のオブジェクト50と共に、グループ名入力操作で入力されたグループ名を表示装置5に表示させるように構成されている。具体的には、
図10に例示するように、表示制御部31は、グループ名入力操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得すると、グループ名入力操作の対象とされた本グループ70と共に、グループ名表示欄80を表示装置5に表示させる。そして、グループ名表示欄80には、ユーザが入力したグループ名が表示される(
図5参照)。
【0065】
このように、ユーザは、グループとして確定した本グループ70について、グループ名を入力して表示装置5に表示させることができるため、ユーザは情報整理の結果を把握しやすくなる。また、本グループ70に対してのみグループ名を入力して表示装置5に表示させることが可能な構成とすることで、本グループ70だけでなく仮グループ60に対してもグループ名を入力して表示装置5に表示させることが可能な場合に比べて、表示装置5に表示される要素が多くなり過ぎることを回避して、表示画像10の視認性を適切に確保することもできる。なお、仮グループ60は、ユーザの明示的な操作なしに自動的に形成される未確定のグループであって、主に思考の途中段階で形成されるグループであるため、仮グループ60に対してグループ名を付与する必要性は低く、本グループ70にグループ名を付与できれば問題は生じ難い。
【0066】
プレビュー表示処理は、移動中オブジェクト50aが、他の単体のオブジェクト50、他の仮グループ60、又は他の本グループ70に対して予め設定された距離(以下、「接近距離」という。)以下に接近した場合に、その位置で移動操作が終了した場合に適用される表示態様を、表示装置5に一時的に表示させる処理である。ここで、移動中オブジェクト50aは、操作情報取得部30が移動操作を示す操作情報を継続的に取得している、単体のオブジェクト50、仮グループ60を構成するオブジェクト50、又は本グループ70を構成するオブジェクト50のいずれかである。また、他の仮グループ60とは、移動中オブジェクト50aが仮グループ60を構成しているか否かにかかわらず、移動中オブジェクト50aが構成していない仮グループ60を意味し、他の本グループ70とは、移動中オブジェクト50aが本グループ70を構成しているか否かにかかわらず、移動中オブジェクト50aが構成していない本グループ70を意味する。プレビュー表示処理は、オブジェクト表示処理部36が中核となって実行される。
【0067】
移動中オブジェクト50aの移動操作がその位置で終了した場合に適用される表示態様は、そのままの態様で表示装置5に表示されても、当該表示態様とは異なる態様(但し、移動操作がその位置で終了した場合に適用される表示態様をユーザが認識可能な態様、すなわち、当該表示態様と類似する態様)で表示装置5に表示されてもよい。以下に説明する
図6及び
図7に示す例では、移動中オブジェクト50aの移動操作がその位置で終了した場合に適用される表示態様(具体的には、第1表示態様D1)が、そのままの態様(すなわち、第1表示態様D1)で表示装置5に表示される。また、以下に説明する
図12、
図14、及び
図16に示す例では、移動中オブジェクト50aの移動操作がその位置で終了した場合に適用される表示態様(具体的には、第2表示態様D2)が、当該表示態様とは異なる態様(具体的には、第2表示態様D2に類似する第3表示態様D3)で表示装置5に表示される。
【0068】
例えば、
図6に示すように、単体のオブジェクト50(第1オブジェクト51)が、他の単体のオブジェクト50(第2オブジェクト52)に接近する移動中オブジェクト50aである場合、第1オブジェクト51が第2オブジェクト52に対して接近距離(上述した設定距離と同一の距離)以下に接近した場合に、プレビュー表示処理として、その時点での移動中オブジェクト50aの位置に応じた第1表示態様D1による領域表示が行われる。また、
図7に示すように、単体のオブジェクト50(第3オブジェクト53)が、他の仮グループ60(第1仮グループ61)に接近する移動中オブジェクト50aである場合、第3オブジェクト53が第1仮グループ61に対して接近距離(ここでは、第1仮グループ61を構成する第2オブジェクト52との間隔が上述した設定距離となる距離)以下に接近した場合に、プレビュー表示処理として、その時点での移動中オブジェクト50aの位置に応じた第1表示態様D1による領域表示が行われる。
【0069】
また、例えば
図11〜
図13に示すように、単体のオブジェクト50を本グループ70に追加する操作が行われる場合、すなわち、単体のオブジェクト50が他の本グループ70に接近する移動中オブジェクト50aである場合、
図12に示すように、移動中オブジェクト50aが他の本グループ70に対して接近距離(ここでは、移動中オブジェクト50aが他の本グループ70の表示領域に重なる距離)以下に接近した場合に、プレビュー表示処理として、移動中オブジェクト50a及び他の本グループ70を構成するオブジェクト50(この例では、合わせて4つのオブジェクト50)の間の関連性を第3表示態様D3で示す処理が行われる。本実施形態では、第3表示態様D3は、第2表示態様D2と同様に、外縁が明確な領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様である。但し、
図12に示す例では、第3表示態様D3の領域表示の枠線を、第2表示態様D2の領域表示の枠線よりも細くしている。また、第3表示態様D3の表示色は、第2表示態様D2の表示色と同じ色或いは同系統の色に設定することができるが、ユーザの視認性を考慮して色合いや透明度等を異ならせてもよい。
【0070】
また、例えば
図14に示すように、本グループ70(第1本グループ71)を他の本グループ70(第2本グループ72)の内部に移動させる操作が行われる場合、すなわち、本グループ70を構成するオブジェクト50が、他の本グループ70に接近する移動中オブジェクト50aである場合、
図14に示すように、移動中オブジェクト50aが他の本グループ70に対して接近距離(ここでは、少なくともいずれかの移動中オブジェクト50aが他の本グループ70の表示領域に重なる距離)以下に接近した場合に、プレビュー表示処理として、第1本グループ71の全体を1つのオブジェクト(グループオブジェクト)とみなして、当該グループオブジェクト及び第2本グループ72を構成するオブジェクト50の間の関連性を第3表示態様D3で示す処理が行われる。具体的には、これら4つのオブジェクト(具体的には、1つのグループオブジェクトと、第2本グループ72を構成する3つのオブジェクト50)が、外縁が明確な領域表示により囲まれる。
【0071】
図14に示す状態で移動中オブジェクト50aの移動操作が終了した場合の表示画像10を
図15に示すように、本実施形態では、表示制御部31は、本グループ70の1つである第1本グループ71を、第1本グループ71とは異なる本グループ70である第2本グループ72の内部に移動させる本グループ移動操作を示す操作情報を、操作情報取得部30が取得した場合に、第1本グループ71を第2本グループ72のサブグループとして表示装置5に表示させるように構成されている。
【0072】
また、例えば
図16に示すように、仮グループ60を本グループ70の内部に移動させる操作が行われる場合、すなわち、仮グループ60を構成するオブジェクト50が、他の本グループ70に接近する移動中オブジェクト50aである場合、
図16に示すように、移動中オブジェクト50aが他の本グループ70に対して接近距離(ここでは、少なくともいずれかの移動中オブジェクト50aが他の本グループ70の表示領域に重なる距離)以下に接近した場合に、プレビュー表示処理として、仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50(移動中オブジェクト50a)及び本グループ70を構成する複数のオブジェクト50(この例では、合わせて6つのオブジェクト50)の間の関連性を第3表示態様D3で示す処理が行われる。具体的には、これら6つのオブジェクト50が、外縁が明確な領域表示により囲まれる。
【0073】
図16に示す状態で移動中オブジェクト50aの移動操作が終了した場合の表示画像10を
図17に示すように、本実施形態では、表示制御部31は、仮グループ60を本グループ70の内部に移動させる仮グループ移動操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、仮グループ60を構成していた複数のオブジェクト50と、仮グループ移動操作の前の本グループ70を構成していた1つ以上のオブジェクト50とを合わせた複数のオブジェクト50の群を、新たな本グループ70として設定し、新たに設定された本グループ70を構成する複数のオブジェクト50の間の関連性が第2表示態様D2で示された表示画像10を表示装置5に表示させるように構成されている。
【0074】
ところで、
図18に示すように、本実施形態では、表示制御部31は、オブジェクト50が表示されるウィンドウを表示装置5に複数表示させることが可能に構成されている。
図18では、ユーザが作業(オブジェクト50が表す情報の整理作業)を行っている第1ウィンドウ21に加えて、第2ウィンドウ22が表示されている状況を示している。第2ウィンドウ22には、例えば、同じユーザ又は別のユーザによって、以前に行われた作業結果や同時に行われている作業状況が表示される。他の端末装置2から通信装置9を介した通信(例えば、無線通信)によって受信した作業結果或いは作業状況が、第2ウィンドウ22に表示されてもよい。そして、ユーザは、オブジェクト50単位、仮グループ60単位、又は本グループ70単位で、第2ウィンドウ22に表示されているオブジェクト50を第1ウィンドウ21に配置(移動或いはコピー)させることが可能に構成されている。以下、第2ウィンドウ22に表示されているオブジェクト50を第1ウィンドウ21に配置(ここでは、コピー)させる際に表示制御部31によって実行される処理について説明する。
【0075】
図18に示す状況においてユーザが第2ウィンドウ22を選択する操作(例えば、タッチ操作)を行うと、
図19に示すように、第1ウィンドウ21に重ねて第3ウィンドウ23が表示される。第3ウィンドウ23には、第2ウィンドウ22の少なくとも一部の内容が表示される。
図18及び
図19に示す例では、第2ウィンドウ22には、複数の作業結果或いは作業状況が表示されており、ユーザが選択した作業結果或いは作業状況が第3ウィンドウ23に表示されている。そして、ユーザが、第3ウィンドウ23に表示されているオブジェクト50を第1ウィンドウ21に配置させる操作(ここでは、当該オブジェクト50に対するドラッグ操作)を開始すると、
図20に示すように、第3ウィンドウ23が消滅して(例えば、徐々に消滅して)、第1ウィンドウ21の全体が表示される。そして、当該オブジェクト50は、第1ウィンドウ21におけるユーザの操作が終了した位置(ここでは、ドラッグ操作が終了した位置)に配置される。
図21に示すように、オブジェクト50が第1ウィンドウ21に配置されると、第3ウィンドウ23が再度、第1ウィンドウ21に重ねて表示される。なお、オブジェクト50が第1ウィンドウ21に配置された後、第3ウィンドウ23が自動的に再度表示されない構成としてもよい。
【0076】
自動縮尺変更処理は、移動中オブジェクト50aが、その時点の表示装置5の表示領域の外に移動しようとした場合に、移動中オブジェクト50aの位置が表示領域の中に含まれるように、表示領域の縮尺を小さくする処理である。ここで、表示領域は、表示画面11におけるユーザがオブジェクト50を移動させることが可能な領域(作業領域)であり、表示画面11の全体又は一部の領域とされる。自動縮尺変更処理は、オブジェクト移動処理部35が中核となって実行される。
【0077】
自動縮尺変更処理により表示領域の縮尺が小さくされることで、
図23に示すように、ユーザがオブジェクト50を移動させることが可能な領域が仮想的に広く確保される。なお、
図23では、オブジェクト50を
図22に示す位置から表示装置5の表示領域の外に移動させようとする移動操作がなされている状況を示しており、移動中オブジェクト50aの位置が表示領域の中に含まれるように表示領域の縮尺が小さくされることで、移動操作前での表示範囲(変更前表示範囲12a)よりも広い表示範囲(変更後表示範囲12b)が表示領域に表示されている。
【0078】
〔その他の実施形態〕
次に表示システムのその他の実施形態について説明する。
【0079】
(1)上記の実施形態では、第1表示態様D1が、外縁がぼやけた領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様であり、第2表示態様D2が、第1表示態様D1よりも外縁が明確な領域表示により複数のオブジェクト50を囲む表示態様である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第1表示態様D1及び第2表示態様D2の双方を、外縁が明確な領域表示(具体的には、枠線のある領域表示)により複数のオブジェクト50を囲む表示態様とすることもできる。この場合、例えば、第2表示態様D2の領域表示の枠線を、第1表示態様D1の領域表示の枠線よりも太くすることで、第2表示態様D2を、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを第1表示態様D1よりも強調して示す表示態様とすることができる。また、第1表示態様D1の領域表示の枠線と第2表示態様D2の領域表示の枠線との間で線種を異ならせることによっても、第2表示態様D2を、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを第1表示態様D1よりも強調して示す表示態様とすることができる。例えば、第1表示態様D1の領域表示の枠線を点線、破線、或いは鎖線とし、第2表示態様D2の領域表示の枠線を実線とすることができる。また、例えば、第1表示態様D1の領域表示の枠線を一重線とし、第2表示態様D2の領域表示の枠線を二重線とすることができる。
【0080】
(2)上記の実施形態では、第2表示態様D2が、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを、第1表示態様D1よりも強調して示す表示態様である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1表示態様D1を、複数のオブジェクト50が互いに関連性を有することを、第2表示態様D2よりも強調して示す表示態様とすることも可能である。
【0081】
(3)上記の実施形態では、表示制御部31が、本グループ70の1つである第1本グループ71を、第1本グループ71とは異なる本グループ70である第2本グループ72の内部に移動させる本グループ移動操作を示す操作情報を、操作情報取得部30が取得した場合に、第1本グループ71を第2本グループ72のサブグループとして表示装置5に表示させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、表示制御部31が、第1本グループ71を第2本グループ72の内部に移動させる本グループ移動操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、第1本グループ71を構成していた1つ以上のオブジェクト50と第2本グループ72を構成していた1つ以上のオブジェクト50とを合わせた複数のオブジェクト50の群を、新たな本グループ70として設定する構成とすることもできる。
【0082】
(4)上記の実施形態では、本グループ表示処理において、グループ化操作の対象とされた仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50の中に、表示画像10上で互いに重なるように配置されたオブジェクト50の組が含まれていた場合に、オブジェクト50同士の重なりが解消されるように表示画像10上での複数のオブジェクト50の配置を変更して、本グループ70を構成する複数のオブジェクト50を表示装置5に表示させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本グループ表示処理において、オブジェクト50同士の重なりを解消せず、表示画像10上で互いに重なるように配置されたオブジェクト50の組が含まれていた場合であっても、仮グループ60での複数のオブジェクト50の表示画像10上での配置を変更せずに、本グループ70を構成する複数のオブジェクト50を表示装置5に表示させる構成とすることもできる。
【0083】
(5)上記の実施形態では、表示制御部31が自動縮尺変更処理を実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、表示制御部31が自動縮尺変更処理を実行しない構成とすることもできる。例えば、表示制御部31が、移動中オブジェクト50aがその時点の表示装置5の表示領域の外に移動しようとした場合に、移動中オブジェクト50aの位置が表示領域の中に含まれるように表示領域をスクロールさせる構成とすることができる。また、表示領域の縮尺を変更する操作や表示領域をスクロールさせる操作を別途行わなければ、移動中オブジェクト50aを表示領域の外に移動させることができない構成とすることもできる。
【0084】
(6)上記の実施形態では、表示制御部31がプレビュー表示処理を実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、表示制御部31がプレビュー表示処理を実行しない構成とすることもできる。
【0085】
(7)上記の実施形態では、操作情報取得部30が、仮グループ60及び本グループ70のうちの本グループ70に対してのみ、グループ名を入力するグループ名入力操作を示す操作情報を取得する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、操作情報取得部30が、仮グループ60に対してもグループ名入力操作を示す操作情報を取得し、表示制御部31が、仮グループ60に対するグループ名入力操作を示す操作情報を操作情報取得部30が取得した場合に、グループ名入力操作の対象とされた仮グループ60を構成する複数のオブジェクト50と共に、グループ名入力操作で入力されたグループ名を表示装置5に表示させる構成とすることもできる。
【0086】
(8)上記の実施形態では、端末装置2がタブレット型の可搬型通信端末(タブレット端末)である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、端末装置2が、タブレット型以外の端末装置(例えば、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ)であってもよい。また、本開示に係る表示システムを、端末装置2以外の装置(例えば、通信機能を有さない装置等)或いはシステムに適用することも可能である。
【0087】
(9)上記の実施形態で示した表示システム1の各機能部(処理装置3の各機能部、表示制御部31の各機能部)の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。
【0088】
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。