(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記プログラム・パラメータ選定ツールから受信したパラメータ設定確認情報をもとに、前記パラメータの設定、変更の確認がされているかの判定を行うパラメータ設定確認部と、
前記パラメータの設定、変更が未確認の場合は、前記エンジニアリング装置に対して信頼性、可用性、保守性に関するRAS情報を発信するRAS生成部を備える請求項5に記載の制御システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、機能毎のパラメータ設定箇所の自動選定及びプログラムの自動選定を行っても、作業者が介在することによるパラメータの設定ミス、設定し忘れ、及びプログラムの転送誤りを完全に防止することはできず。誤って設定されたパラメータ、誤ったプログラムによって制御装置が、稼働する可能性が存在する。誤って設定されたパラメータ及びプログラムが実行されると、予期せぬ誤制御が発生し、プラント制御に問題が発生する可能性が高い。
【0008】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、制御装置からハードウェア情報を取得し、取得したハードウェア情報をもとに設定すべきパラメータ、プログラムの自動選定を行うことで、人が介在することによって生じるエラーを削減することができるエンジニアリング装置及び制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示されるエンジニアリング装置は、
外部の制御装置が使用するプログラム及びパラメータを選定するプログラム・パラメータ選定ツールと、
前記制御装置を構成する機器の機器名称及び前記機器が提供する機能を表す機能番号を定義する機器情報定義ファイルと、
前記プログラムの種別、プログラム名称、前記プログラムが提供する前記機能番号を定義するプログラム定義ファイルと、
前記パラメータのアドレス、前記パラメータのパラメータ名称、前記パラメータの値、前記パラメータに割り振られた前記機能番号を定義するパラメータ定義ファイルとを備え、前記プログラム・パラメータ選定ツールは、前記制御装置から受信した、前記制御装置を構成する前記機器名称を含む第一ハードウェア情報から、前記機器名称に対応する前記機能番号を含む第二ハードウェア情報を抽出するハードウェア情報抽出部と、
前記第二ハードウェア情報を元に、前記制御装置が使用する機能別の前記プログラム及び前記パラメータの少なくとも一方を自動選定する自動選定部とを備えたものである。
【0010】
また、本願に開示されるエンジニアリング装置は、
外部の制御装置が使用するプログラム及びパラメータを選定するプログラム・パラメータ選定ツールと、
前記制御装置のシステムのシステム名称及び前記システムが提供する機能の機能名称を定義するシステム情報定義ファイルと、
前記機能名称及び前記機能名称に対応する機能番号を定義する機能名称定義ファイルと、
前記プログラムの種別、プログラム名称、前記プログラムが提供する前記機能番号を定義するプログラム定義ファイルと、
前記パラメータのアドレス、前記パラメータのパラメータ名称、前記パラメータの値、前記パラメータに割り振られた前記機能番号を定義するパラメータ定義ファイルとを備え、
前記プログラム・パラメータ選定ツールは、前記システム情報定義ファイルから選択した1つのシステム名称から、前記機能名称と前記機能番号を含むシステム情報を抽出するシステム情報抽出部と、
前記システム情報を元に、前記制御装置が使用する機能別の前記プログラム及び前記パラメータの少なくとも一方を自動選定する自動選定部とを備えたものである。
【0011】
また、本願に開示される制御システムは、上述のエンジニアリング装置において、
前記プログラム・パラメータ選定ツールは、前記自動選定部において自動選定したパラメータの設定に対する作業者の確認結果を保存するパラメータ設定確認情報を有し、
前記自動選定部は、前記パラメータ設定確認情報を前記制御装置に送信し、
前記エンジニアリング装置と通信回線を介して接続された前記制御装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
本願に開示されるエンジニアリング装置によれば、制御装置から得た第一ハードウェア情報を元に、制御装置に必要なプログラム及びパラメータを自動的に選定できるので、作業者が介在することによって生じるエラーを削減することができる。
【0013】
また、本願に開示される制御システムによれば、制御装置側において、パラメータの設定ミスを確認できるので、制御装置を安全に運用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1によるエンジニアリング装置のブロック図である。
【
図2】実施の形態1による機器情報定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1によるプログラム定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1によるパラメータ定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図5】実施の形態1によるプログラム・パラメータ選定ツールの処理フローを示す図である。
【
図6】実施の形態1による制御装置の構成を示す図である。
【
図7】実施の形態1による第二ハードウェア情報の詳細を示す図である。
【
図8】実施の形態1による自動選定部の詳細な構成を示す図である。
【
図9】実施の形態1による画面表示部の詳細な構成を示す図である。
【
図10】実施の形態2によるエンジニアリング装置のブロック図である。
【
図11】実施の形態2によるシステム情報定義ファイルの構成を示す図である。
【
図12】実施の形態2による機能名称定義ファイルの構成を示す図である。
【
図13】実施の形態2によるプログラム・パラメータ選定ツールの処理フローを示す図である。
【
図14】実施の形態2によるシステム情報の詳細な構成を示す図である。
【
図15】実施の形態3によるエンジニアリング装置のブロック図である。
【
図16】実施の形態3による制御装置の詳細な構成を示す図である。
【
図17】実施の形態3によるパラメータ定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図18】実施の形態3による機能名称定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図19】実施の形態3によるプログラム・パラメータ選定ツールの処理フローの前半を示す図である。
【
図20】実施の形態3による自動選定部の詳細な構成を示す図である。
【
図21】実施の形態3による画面表示部の詳細な構成を示す図である。
【
図22】実施の形態3によるプログラム・パラメータ選定ツールの処理フローの後半を示す図である。
【
図23】実施の形態4によるプログラム・パラメータ選定ツールのブロック図である。
【
図24】実施の形態4による制御装置の詳細な構成を示す図である。
【
図25】実施の形態5による制御システムのブロック図である。
【
図26】実施の形態5によるプログラム・パラメータ選定ツールの詳細な構成を示す図である。
【
図27】実施の形態5によるプログラム定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図28】実施の形態5によるパラメータ定義ファイルの詳細な構成を示す図である。
【
図29】実施の形態5によるプログラム・パラメータ選定ツールの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、実施の形態1によるエンジニアリング装置を図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1によるエンジニアリング装置100のブロック図である。
図2は、機器情報定義ファイル11の詳細な構成を示す図である。
図3は、プログラム定義ファイル12の詳細な構成を示す図である。
図4は、パラメータ定義ファイル13の詳細な構成を示す図である。
エンジニアリング装置100は、プログラムを実行する外部の制御装置40と、通信回線30によって接続されている。
【0016】
図1に示すように、エンジニアリング装置100は、外部の制御装置40が使用するプログラム及びパラメータを選定するプログラム・パラメータ選定ツール20と、制御装置40が使用する機器の諸情報を定義する機器情報定義ファイル11と、上述のプログラムを定義するプログラム定義ファイル12と、パラメータを定義するパラメータ定義ファイル13とからなる。
【0017】
また、プログラム・パラメータ選定ツール20は、制御装置40からデータを受信する受信部21と、制御装置40のハードウェア情報(第二ハードウェア情報)を抽出するハードウェア情報抽出部23と、制御装置40が使用するプログラム及びパラメータを自動的に選定する自動選定部25と、自動選定部25が選定した制御装置40に対応するプログラム及びパラメータをディスプレイ50に表示する画面表示部26とからなる。
【0018】
次に、
図2〜
図4を用いて、機器情報定義ファイル11、プログラム定義ファイル12、及びパラメータ定義ファイル13について説明する。作業者は、エンジニアリング装置100で設定可能な各種の制御装置を構成する機器が提供する機能を表す機能番号を、
図2に示す機器情報定義ファイル11に登録して蓄積する。機器情報定義ファイル11には、通番と、機器名称と、機能番号を登録する。この登録は、新規の機器を採用する時にすると良い。
【0019】
また、作業者は、自ら作成したプログラムをプログラム定義ファイル12に登録する。プログラム定義ファイル12には、各種の制御装置に対応する作成済みのプログラムが全て登録されている。プログラム定義ファイル12に登録する項目は、通番号、プログラム種別、プログラム名称、機能番号である。プログラム種別には、4桁の数字を割り当て、登録したプログラムが、共通プログラム、機能別プログラム、制御プログラムのいずれか判断出来る番号を4桁目に格納する。1が、共通プログラム、2が機能別プログラム、3が制御プログラムを表す。そして、それぞれの種類のプログラム内での連番を1〜3桁目に割り当てる。プログラム定義ファイル12に対しては、プログラムの追加、編集、削除を行うことが可能である。
【0020】
また、作業者は、各種の制御装置40を動作させるためのパラメータをパラメータ定義ファイル13に登録する。パラメータ定義ファイル13には、エンジニアリング装置100が取り扱う全ての制御装置の全システム(全プログラム)に関連するパラメータが全て登録されており、登録する項目は、通番、アドレス、パラメータ名称、説明、値(フラグ)、パラメータに割り振られた機能番号である。パラメータ定義ファイル13は、パラメータの追加、編集、削除を行うことが可能である。
【0021】
プログラム定義ファイル12、パラメータ定義ファイル13ともに機器情報定義ファイル11と、機能番号をキーとして紐づいている。全てのプログラムとパラメータとが、それぞれのファイルに登録されている状態で、次に説明する動作を行う。
【0022】
図5は、エンジニアリング装置100のプログラム・パラメータ選定ツール20の処理フローを示す図である。
図6は、外部の制御装置40の構成を示す図である。
制御装置40は、制御装置40のスロット番号と、当該スロットに収納されている機器名称からなる第一ハードウェア情報43を備える。
【0023】
次に、プログラム・パラメータ選定ツール20の処理フローを説明する。
制御装置40は、送信部42から、通信回線30を介して、エンジニアリング装置100に第一ハードウェア情報43を送信し、エンジニアリング装置100の受信部21がこれを受信する(ステップS001)。
【0024】
図7は、ハードウェア情報抽出部23が抽出した第二ハードウェア情報23aの詳細を示す図である。
プログラム・パラメータ選定ツール20のハードウェア情報抽出部23は、制御装置40から受信した第一ハードウェア情報43の中の機器名称を元に、機器情報定義ファイル11から、当該機器名称に対応する機能番号を含む第二ハードウェア情報23aを抽出する(ステップS002)。機能番号は、機能A:000、機能B:001・・・といったように機能毎に割り当てた番号である。
【0025】
図8は、自動選定部25の詳細な構成を示す図である。
次に、作業者は、自動選定部25に対して、これから自動選定する対象が、パラメータなのかプログラム(機能別プログラム)なのかを選択する(ステップS003)。
【0026】
作業者が、「パラメータ」を選択した場合は、自動選定部25は、ハードウェア情報抽出部23が抽出した第二ハードウェア情報23aの機能番号をキーとして、パラメータ定義ファイル13から、当該機能番号に対応するパラメータの自動選定を行う(ステップS004A)。
【0027】
図9は、画面表示部26の詳細な構成を示す図である。
次に、画面表示部26は、自動選定されたパラメータを作業者が見やすいように自動編集して、パラメータ、パラメータの名称、説明、値をディスプレイ50に表示する(ステップS005)。
【0028】
作業者が、「プログラム」を選択した場合は、自動選定部25は、ハードウェア情報抽出部23が抽出した第二ハードウェア情報23aの機能番号をキーとして、プログラム定義ファイル12から、当該機能番号に対応するプログラムの自動選定を行う(ステップS004B)。
【0029】
次に、画面表示部26は、自動選定されたプログラムを作業者が見やすいように自動編集して、プログラム種別、プログラム名称をディスプレイ50に表示する(ステップS005)。
【0030】
実施の形態1によるエンジニアリング装置100によれば、制御装置40から得た第一ハードウェア情報43を元に、当該制御装置40に必要なプログラム及びパラメータを自動的に選定できるので、人が介在することによって生じるエラーを削減することができる。
【0031】
実施の形態2.
次に、実施の形態2によるエンジニアリング装置200を実施の形態1と異なる部分を中心に、図を用いて説明する。
【0032】
図10は、実施の形態2によるエンジニアリング装置200のブロック図である。
図10において、実施の形態1と同じものについては同じ符号を付している。
【0033】
実施の形態1では、制御装置40から第一ハードウェア情報43をプログラム・パラメータ選定ツール20が受信し、受信した第一ハードウェア情報43から、第二ハードウェア情報23aを抽出し、抽出した第二ハードウェア情報23aの機能番号を検索キーとしてパラメータとプログラムの自動選定を行う方法について説明した。
【0034】
しかし、実施の形態1のエンジニアリング装置100では、制御装置40の制限によって機器(ユニット)名称といった情報しかプログラム・パラメータ選定ツール20に送信することが出来ないため、システムとして使用する信号の点数などの仕様及び機器(ユニット)に依存しないプログラム・パラメータの選定はできない。
【0035】
そこで、本実施の形態では、プログラム・パラメータ選定ツール220にシステム情報抽出部224を設け、不足している情報を補う構成とする。
図11は、システム情報定義ファイル214の構成を示す図である。
図12は、機能名称定義ファイル215の構成を示す図である。
【0036】
図11に示すシステム情報定義ファイル214には、通番と、制御装置40のシステム名称と、当該システムが提供する機能の機能名称とが定義されている。例えば、AAAというシステムについて、機能Aと機能Cとを使用している場合、システム名称には、AAAシステムが、機能名称には、機能Aと機能Cとが登録されている。
図12に示す機能名称定義ファイル215には、通番と、機能名称と、当該機能名称に対応する機能番号が登録されている。
【0037】
図13は、エンジニアリング装置200のプログラム・パラメータ選定ツール220の処理フローを示す図である。
図14は、システム情報抽出部224から抽出したシステム情報224aの詳細な構成を示す図である。
実施の形態1では、処理の最初に、制御装置40から第一ハードウェア情報43を受信したが、本実施の形態では、まず、ステップS001Aにおいて、制御装置40から第一ハードウェア情報43を受信するか、システム情報抽出部224を用いて、対象となるシステムが使用するシステム情報224aを取得するのか、作業者に情報源を選択させる(ステップS001A)。
【0038】
ステップS001Aにおいて、作業者が、情報源として、制御装置40からの第一ハードウェア情報43の読み込みを選択した場合は、実施の形態1と同じ処理をする(ステップS001〜ステップS005)。
【0039】
ステップS001Aにおいて、作業者が、情報源としてシステム情報を選択した場合は、システム情報抽出部224は、どのシステムについて、システム情報を抽出するのか、作業者に対して、システム情報定義ファイル214から、1つのシステム名称を選択させ、選択されたシステムが提供する機能名称を取得する。
【0040】
次に、システム情報抽出部224は、取得された機能名称をキーとして、機能名称に対応する機能番号を、機能名称定義ファイル215から取得する(ステップS002B)。例えば、作業者が、システム情報定義ファイル214からBBBシステムを選択したとすると、機能Hに対応する機能番号008と、機能Zに対応する機能番号044とが抽出される。ステップS003以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0041】
実施の形態2によるエンジニアリング装置200によれば、使用する機器名称が分からない場合でも、指定したシステム名称を元に、当該システムで使用するパラメータ・プログラムを自動選定できる。なお、本実施の形態で使用した各図は、実施の形態1の各図に本実施の形態で使用する構成を追加して記載されているが、エンジニアリング装置200は、ハードウェア情報抽出部23を備えない構成であってもよい。
【0042】
実施の形態3.
次に、実施の形態3によるエンジニアリング装置300を実施の形態2と異なる部分を中心に、図を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態2を発展させたものである。
【0043】
図15は、実施の形態3によるエンジニアリング装置300のブロック図である。
図15において、実施の形態1、2と同じものについては同じ符号を付している。
図16は、制御装置340の詳細な構成を示す図である。
【0044】
実施の形態1では、制御装置40から第一ハードウェア情報43をプログラム・パラメータ選定ツール20が受信し、受信した第一ハードウェア情報43から、第二ハードウェア情報23aを抽出し、抽出した第二ハードウェア情報23aの機能番号を検索キーとしてパラメータとプログラムの自動選定を行う方法について説明した。また、実施の形態2では、作業者が選択したシステム名称を元に、当該システムで使用するパラメータ・プログラムの自動選定方法について説明した。
【0045】
本実施の形態では、エンジニアリング装置300は、プログラム・パラメータ選定ツール320が選定したプログラム及びパラメータを制御装置340へ送信するための送信部22を備える。また、制御装置340は、プログラム及びパラメータを受信するための受信部41と、受信した共通プログラム及びパラメータを保持するための格納部44を備えている。また、プログラム・パラメータ選定ツール320の自動選定部325は、共通プログラムを構成する複数のサブプログラムの中から特定の機能を自動選定する。
【0046】
実施の形態2では、システム情報定義ファイル214に定義されている機能名称を検索キーとしてパラメータとプログラムの自動選定を行うことを述べたが、そこで選定するプログラムは、機能から特定される機能別プログラムであった。実施の形態1についても、機能番号から選定されるプログラムは、機能別プログラムであった。
【0047】
プログラム定義ファイル12には、共通プログラムと、機能別プログラムと、制御プログラムとが分類されて定義されている。共通プログラムは、全ての制御装置340で使用されるプログラムであり、複数のサブプログラムのコンポーネントとして作成されたものである。このような共通プログラムであっても、プログラム定義ファイル12への登録は、1つの共通プログラムとして扱われるため、共通プログラム内に存在する複数のサブプログラムの中から、実際に使用するサブプログラムを個別に自動選定することはできない。
【0048】
本来、共通プログラムも複数のプログラムに分割して個々にプログラム定義ファイル12へ登録すればよいが、登録するプログラムの量が膨大になることで、プログラムの自動選定時間に多くの時間を要することになってしまう。
【0049】
図17は、パラメータ定義ファイル313の詳細な構成を示す図である。
図18は、機能名称定義ファイル315の詳細な構成を示す図である。
そこで、下準備として、まず、
図17に示すパラメータ定義ファイル313に、共通プログラムに含まれるサブプログラムが提供する機能毎に、サブプログラムの実行の可否を決定するパラメータを設けるようにしておく。次に、
図18に示す機能名称定義ファイル315において、共通プログラムのサブプログラムが提供する機能について、例えば機能番号を省略し、それが、共通プログラムの機能であることを判別できるようにしておく。
【0050】
図19は、エンジニアリング装置300のプログラム・パラメータ選定ツール320の処理フローの前半を示す図である。
図20は、自動選定部325の詳細な構成を示す図である。
図21は、画面表示部326の詳細な構成を示す図である。
次に、プログラム・パラメータ選定ツール320の処理フローを
図19を用いて説明する。実施の形態3の処理のフローは、情報源選択(ステップS001A)において、システム情報が選択され、システム情報抽出部224によりシステム情報224aが抽出される(ステップS002B)ことが前提となる。いま、作業者が、情報源として、
図11に示すAAAシステムを選択したと仮定する。AAAシステムは、機能Aと、機能Cとを含む。
【0051】
そして、ステップS003では、実施の形態1、2と同じように作業者は、パラメータかプログラムを選択する。プログラムが選択された場合、機能番号が判明している機能Cについては、実施の形態1、2と同様に取り扱かわれる(ステップS304B)。そして、次のステップにおいて、自動選定部325は、AAAシステム中の共通プログラムが提供する機能を判定する(ステップS0045)。この例では、機能Aが共通プログラムの機能であると判定される。
【0052】
次に、”機能A”の機能名称をキーとして、パラメータ定義ファイル313のパラメータの欄を検索する。すると、通番60に、機能Aの実行有無フラグを設定するパラメータが存在することが分かるので、その値を、初期値の0(OFF)から1(ON)に自動変更する(ステップS304A)。なお、この時、共通プログラムのその他の機能(機能Bを含む)のパラメータは、初期値のOFF状態のままである。
【0053】
図22は、エンジニアリング装置300のプログラム・パラメータ選定ツール320の処理フローの後半を示す図である。
その後、自動選定部325は、共通プログラムの全ての機能のパラメータと、機能Cについての機能別プログラムと、共通プログラムと、制御プログラムとを、送信部22を介して制御装置340へ送信する(ステップS008)。制御装置340は、受信部41を介して格納部44へ格納し、共通プログラムについては、送信された全機能のパラメータのフラグを参照し(ステップS009)、フラグがONとなっている機能Aに関する処理(サブプログラム)のみを実行し、その他のフラグがOFFとなっている機能に関する処理は実行しない(ステップS010)。
【0054】
実施の形態3によるエンジニアリング装置300によれば、制御装置340の共通プログラムを構成するサブプログラムについても、必要な機能を提供するサブプログラムだけを動作させることができるので、制御装置340の負荷を低減できる。
【0055】
実施の形態4.
次に、実施の形態4によるエンジニアリング装置及び制御システムを実施の形態3と異なる部分を中心に、図を用いて説明する。
【0056】
図23は、実施の形態4によるエンジニアリング装置のプログラム・パラメータ選定ツール420のブロック図である。
図23において、実施の形態1〜3と同じものについては同じ符号を付している。
図24は、制御装置440の詳細な構成を示す図である。
【0057】
制御装置440が、各プログラムを実行する場合、正しいパラメータで動作する必要があり、誤ったパラメータで動作すると、制御装置440が制御するプラントの機器の誤動作が発生し、重大事故に繋がる。そこで、本実施の形態では、プログラム・パラメータ選定ツール420で自動選定したパラメータにパラメータ設定確認情報29としてフラグを付加し、作業者が、パラメータの値を設定値のまま確認、或いは変更して確認するとフラグが更新(ON)されるようにしておき、制御装置440側で、フラグを確認できる構成とする。
【0058】
すなわち、プログラム・パラメータ選定ツール420は、自動選定部425において自動選定したパラメータの設定について作業者に確認を要求する。作業者がパラメータを確認すると確認フラグがONになる。その結果は、パラメータ設定確認情報29として保存される。そして、パラメータ設定確認情報29は、パラメータとともに送信部22を介して制御装置440に送信される。
【0059】
制御装置440は、受信部41を介してパラメータを受信し、格納部44にパラメータを格納する。パラメータ設定確認部45は、プログラム・パラメータ選定ツール420から受信したパラメータ設定確認情報29をもとに、正しくパラメータの設定、変更の確認がされている(フラグが全てON)か否かの判定を行う。RAS生成部46は、パラメータの設定、変更が未確認の場合、制御装置440に重大な問題が発生する可能性があるとして、エンジニアリング装置に対してRAS情報を発信する。ここで、RAS情報とは、Reliability:信頼性、Availability:可用性、Serviceability:保守性に関する情報である。生成されたRAS情報は、格納部44にも保存される。
【0060】
RAS情報の送信後、制御装置440は、プログラムの動作を停止し、ステータスを危険状態とする。プログラム・パラメータ選定ツール420は、制御装置440から受信部21を介して受信したRAS情報27(Aシステム:パラメータ設定異常:E101)を、通知機能28を介してディスプレイ50に表示する。すなわち、パラメータの設定確認漏れがあった旨を作業者に通知するアラームを表示する。
【0061】
実施の形態4によるエンジニアリング装置及び制御システムによれば、パラメータの確認漏れによって制御装置440が危険な状態となっても、未然にRAS情報をディスプレイ50に表示できるので、安全に制御装置440を運用することができる。
【0062】
実施の形態5.
次に、実施の形態5によるエンジニアリング装置及び制御システムを、図を用いて説明する。
図25は、制御システム500Aのブロック図である。
図25において、実施の形態1〜4と同じものについては同じ符号を付している。
【0063】
制御装置540のプログラムが停止した際にプログラム・パラメータ選定ツール520が受信するRAS情報には、実施の形態4で説明したパラメータの設定確認漏れに対するアラームの他にも、制御装置540の動作が異常となった際の異常情報が存在する。例えば、制御装置540を接続するネットワーク通信に関連するパラメータの設定を誤った場合は、ネットワーク通信に関連するRAS異常が発生し、通信異常のRAS情報527がディスプレイ50に表示される。
【0064】
作業者は、ディスプレイ50に表示されたRAS情報527をもとに、全プログラム及び全パラメータの中から、異常箇所を探し出し、正しい設定に修正しようと試みるが、異常箇所を探し出すのに時間を要する。
【0065】
そこで、実施の形態1、2で説明した第二ハードウェア情報23a及びシステム情報224aと、RAS情報527とを組み合わせ、パラメータ定義ファイル13とプログラム定義ファイル12に定義した機能番号と、各ファイルに新たに定義したエラーコードとによって、設定を誤ったパラメータの候補を選定する。
【0066】
図26は、プログラム・パラメータ選定ツール520の詳細な構成を示す図である。
図27は、プログラム定義ファイル512の詳細な構成を示す図である。
図28は、パラメータ定義ファイル513の詳細な構成を示す図である。
プログラム定義ファイル512には、エラーコードの欄を設けている。ここに登録されているエラーコードは、それぞれ対応するプログラム名称に関連するエラーコードである。また、パラメータ定義ファイル513にも、エラーコードの欄を設けている。ここに登録されているエラーコードは、それぞれ対応するパラメータに関連するエラーコードである。
【0067】
図29は、エンジニアリング装置500のプログラム・パラメータ選定ツール520の処理フローを示す図である。
制御装置540のプログラムが停止し、エンジニアリング装置500のプログラム・パラメータ選定ツール520が、RAS情報527を受信した後、作業者は、設定誤りの箇所を選定する手段の情報源を選定する(ステップS501A)。
【0068】
選定手段をハードウェア情報とした場合は、制御装置540から第一ハードウェア情報43を受信し(ステップS501)、自動選定部525は、受信した第一ハードウェア情報43の機能番号と(ステップS502A)、制御装置540から受信したRAS情報527のエラーコードを検索キーとして、パラメータ定義ファイル513から設定が誤っているパラメータの候補を選定する(ステップS503A)。
【0069】
また、受信した第一ハードウェア情報43の機能番号と、制御装置540から受信したRAS情報527のエラーコードを検索キーとして、プログラム定義ファイル512から同様に、異常が発生しているプログラムの候補を選定する(ステップS504A)。
【0070】
選定手段をシステム情報224aとした場合は(ステップS501A)、システム情報定義ファイル214から特定のシステムを選択し、機能名称定義ファイル215から当該システムが使用する先述のシステム情報224aを取得し(ステップS502B)、自動選定部525は、取得したシステム情報224aの機能番号と、制御装置540から受信したRAS情報527のエラーコードを検索キーとして、パラメータ定義ファイル513から設定が誤っているパラメータの候補を選定する(ステップS503B)。
【0071】
また、取得したシステム情報224aの機能番号と、制御装置540から受信したRAS情報527のエラーコードを検索キーとして、プログラム定義ファイル512から同様に異常が発生しているプログラムの候補を選定する(ステップS504B)。
【0072】
候補の選定後、選定したパラメータとプログラムを画面表示部526により作業者が見やすい内容に編集してディスプレイ50に表示する(ステップS505)。
【0073】
実施の形態5によるエンジニアリング装置500及び制御システム500Aによれば、パラメータの確認漏れによって制御装置540が危険な状態となっても、RAS情報を元に、設定が誤っていると考えられる候補を選定できるので、早期に制御装置540を復旧することができる。
【0074】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。