(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
銅を主成分とする金属材料からなり、半導体素子の搭載部を含む上面を有する平板と、鉄−ニッケル−コバルト合金を主成分とする金属材料からなり、平面視で前記平板を囲んで位置しており、前記平板の外側面に接合された内側面を有する枠状板とを備えており、平面視において、前記枠状板の内側面と該内側面に対向する外側面との間の寸法が、前記枠状板の前記内側面と該内側面に対向する他の内側面との間に位置する前記平板の寸法の7.5%以上であるとともに、前記内側面に対向する外側面と前記内側面に隣接する前記搭載部の外周位置との間の距離から0.3mm差し引いた寸法以下である放熱板。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の放熱板、半導体パッケージおよび半導体装置を、添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は説明上の便宜的なものであり、実際に放熱板、半導体パッケージまたは半導体装置が使用されるときの上下を限定するものではない。また、以下の説明における各種の熱伝導率は、室温〜200程度における値であ
る。この熱伝導率は、例えば、定常法または非定常法による各種の測定装置で測定することができる。
【0013】
図1(a)は本発明の実施形態の放熱板を示す上面図であり、
図1(b)は
図1(a)のA−A線における断面図である。
図2(a)は本発明の実施形態の放熱板の他の例を示す上面図であり、
図2(b)は
図2(a)のB−B線における断面図である。
図3は
図2に示す放熱板の斜視図である。
図4は本発明の実施形態の半導体パッケージを上側から見た斜視図であり、
図2に示すような放熱板を含んでいる。
図5(a)は、
図4に示す半導体パッケージの上面図であり、
図5(b)は
図5(a)のC−C線における断面図であり、
図5(c)は下面図である。
図6(a)は
図5に示す半導体パッケージを上側から見た斜視図であり、
図6(b)は
図6(a)の変形例を示す斜視図である。
図7は、本発明の実施形態の半導体装置を示す上面図であり、
図5または
図6に示すような半導体パッケージを含んでいる。放熱板10にセラミック材料等からなる絶縁枠体が接合されて半導体パッケージが形成され、半導体パッケージに半導体素子が搭載されて半導体装置が形成されている。なお、以上の各図において、断面図ではないものについても、見やすくするため一部にハッチングを施している。
【0014】
放熱板10は、四角形状等(
図1の例では正方形状)の平板1と、平面視で平板1を囲んで位置している枠状板2とを有している。
図1および
図2に示す例では、枠状板2は四角枠状(
図1の例では正方形枠状)であり、枠状板2の枠内に平板1がちょうど収まっている。
図3に示すように、放熱板10に絶縁枠体11が接合されて半導体パッケージ20が構成されている。
【0015】
平板1は、銅を主成分とする金属材料からなる。また、平板1は、半導体素子の搭載部1aを含む上面を有している。平板1は、搭載部1aに半導体素子(詳細は後述)を位置決めして固定する基部として機能する。また、平板1は、搭載部1aに搭載される半導体素子が作動時に発生する熱を外部に放散させる放熱体として機能する。半導体素子で発生した熱は、平板1の上面から下面にかけて、斜め下方向(平面視で広がる方向)に拡散しながら伝導される。平板1の下面に伝導された熱は、直接に、または下面にさらに取付け
られる放熱用の媒体(金属板、金属フィンまたは冷却管等)を介して、外部に放散される。
【0016】
平板1は、上記のような熱伝導性を考慮して、銅を主成分とする金属材料により形成されている。銅を主成分とする金属材料としては、例えば、銅が99.9質量%以上の無酸素銅、銅を主成分とする合金材料、または銅層と銅−モリブデン複合体層が交互に積層された複合材料などが挙げられる。銅を主成分とする合金材料としては、銅を99質量%以上含有する合金材料または複合材料が挙げられる。平板1は、例えば、銅に加えてダイヤモンド、カーボン等の粒状のものを分散させた複合材料を用いて作製したものとすることができる。この場合、平板1を形成する金属材料としては、例えば、熱伝導率が300W/mK以上になるような組成の材料が選択される。
【0017】
なお、半導体素子の搭載部1aは、実際に半導体素子が搭載され、接合固定される部分である。半導体素子としては、シリコン基板、窒化ガリウム(GaN)半導体基板または炭化ケイ素(SiC)半導体基板等の半導体基板に集積回路が配置された半導体集積回路素子が挙げられる。半導体集積回路素子は、各種の車両等の制御に用いられるパワー半導体素子であってもよい。搭載部1aは、例えば、平面視において半導体素子と同じ程度の外形寸法である。
【0018】
枠状板2は、平板1の外側面1bに接合された内側面2aを有している。つまり、枠状板2の枠内に収まった平板1の外側面1aと、これに接している枠状板2の内側面2aとが互いに接合されている。平板1と枠状板2との接合は、例えば、銀ろう(銀−銅合金)等の接合材(図示せず)を介して行なわれている。
【0019】
枠状板2は、鉄−ニッケル−コバルト合金を主成分とする金属材料からなる。鉄−ニッケル−コバルト合金の成分比は、例えば、鉄が54質量%、ニッケルが29質量%、コバルトが17質量%程度である。枠状板2を形成する金属材料としては、例えば、熱膨張率が8×10
−6/K以下になるような組成の材料が選択される。このような金属材料としては、例えば、鉄−ニッケル合金(鉄65質量%、ニッケル35質量%)、タングステン、モリブデン、チタンを用いることができる。また、枠状板2は、これらの金属を含む合金からなるものでもよい。
【0020】
枠状板2は、上記のように平板1よりも熱膨張率が小さい材料からなり、平板1を含む放熱板10全体としての熱膨張率を低く抑える機能を有している。また、枠状板2は、放熱板10に絶縁枠体が接合されるときの熱で横方向に(平面視で外側に)膨張することを抑制する機能を有している。枠状板2の上記機能および後述する寸法の条件により、枠状板2が絶縁枠体に接合されたときの反り等の変形を抑制することができる。
【0021】
すなわち、平面視において、枠状板2の内側面2aとその内側面2aに対向する外側面2bとの間の寸法Wが、枠状板2の内側面2aとその内側面2aに対向する他の内側面2aとの間に位置する平板1の寸法Lの7.5%以上である。つまり、枠状板2の枠部分の幅(以下、枠状板2の幅ともいう)Wは、枠内で露出する平板1の長さ(以下、平板1の露出長さともいう)Lに対してW≧0.075×Lの条件を満たす程度に広く設定されている
。これにより、枠状板2を含む放熱板10全体としての熱膨張率(みかけの熱膨張率)を絶縁枠体11の熱膨張率に近づけて、熱応力を効果的に低減することができる。また、前述したような平板1の加熱時の膨張を抑制することができる。したがって、例えば絶縁枠体11接合後の変形を低減することが容易な放熱板10とすることができる。
【0022】
また、枠状板2の幅Wは、平面視において、枠状板2の内側面2aに対向する外側面2bと、この内側面2aに隣接する搭載部1aの外周位置との間の距離LAから0.3mm差
し引いた寸法以下である。つまり、枠状板2の幅Wは、平面視で枠状板2の外側面2bから搭載部1aの外周までの距離LAに対してW≦LA−0.3(mm)の条件を満たす程度
に狭く設定されている。枠状板2の外側面2bと搭載部1aの外周との間の距離LAは、この間に存在している、枠状板2の幅Wと平板1の部分的な長さとの合計である。
【0023】
言い換えれば、平面視において搭載部1aと枠状板2の内側面との間は0.3mm以上互
いに離れている。この距離は、平板内において搭載部1a(半導体素子)から平板1の下面に向かって熱を十分に横方向に拡散させるための距離である。これにより、枠状板2を含む放熱板10全体としての熱伝導率を例えば300W/mK以上に高くすることができる。
【0024】
すなわち、上記寸法の条件を満たす枠状板2が平板1とともに放熱板10を構成していることから、外部への放熱性の向上および変形の低減のいずれに対しても有効な放熱板を提供することができる。この放熱板10が半導体パッケージ20に用いられたときには、放熱板10に反り等の変形の可能性が小さく、外部への放熱性に優れた半導体パッケージ20とすることができる。
【0025】
なお、平板1の平面視における形状および寸法は、例えば1辺の長さが5〜50mmの長方形状である。また、平板1の厚さは、例えば、0.5〜5mm程度に設定されている。枠
状板2は、例えば長方形の枠状であり、上記のように枠部分Wの寸法が設定されている。枠部分2の厚さは、平板1の厚さと同じ程度に設定されている。
【0026】
平板1および枠状板2は、例えば、前述した金属材料の塊等に、圧延、打ち抜き、プレス、切削、研磨およびエッチング等の金属加工から適宜選択した加工を施すことによって、製作することができる。
【0027】
上記構成の放熱板2は、例えば次のようなものでもよい。すなわち、例えば
図2等に示すように、平面視において、平板1が長方形状であるとともに、枠状板2が長方形枠状であって構わない。このときに、枠状板2の長辺側に位置する第1内側面2aaと第1内側面2aaに対向する第1外側面2baとの間の寸法が、枠状板2の短辺側に位置する第2内側面2abと第2内側面2abに対向する他の第2内側面2abとの間に位置する平板1の寸法Lの7.5%以上になるように設定されていてもよい。言い換えれば、長方形枠状の枠状板2の長辺側における枠部分の幅(以下、長辺側の幅ともいう)Waが、長方形板状の平板1の長辺方向における露出上面の長さ(以下、長辺長さともいう)Laに対してWa≧0.075×Laの関係を満たすように設定されている。
【0028】
また、これとあわせて、枠状板2は、第1内側面2aaに対向する第1外側面2baとの間の寸法Waが、第1内側面2aaに隣接する1a搭載部の外周位置との間の距離LAaから0.3mm差し引いた寸法以下であってもよい。つまり、枠状板2の長辺側における
枠部分の幅Waは、枠状板2の第1外側面2baから搭載部1aの外周までの距離LAaに対してWa≦ LAa−0.3(mm)の条件を満たす程度に狭く設定されている。枠状板2の第1外側面2baと搭載部1aの外周との間の距離LAaは、この間に存在している、枠状板2の幅Waと平板1の部分的な長さとの合計である。
【0029】
すなわち、枠状板2の長辺側において、搭載部1aと枠状板2の第1内側面2aaとの間は平面視で0.3mm以上互いに離れている。この距離は、上記の例と同様に、平板1内
において熱を十分に横方向に拡散させるための距離である。この構成により、枠状板2を含む放熱板10全体としての熱伝導率を、例えば300W/mK以上に、さらには例えば350W/mK以上に、効果的に高くすることができる。
【0030】
また、この場合には、より大きな熱応力が作用する傾向がある長方形枠状の枠状体2の
長辺側において、より確実に枠状板2の枠部分の幅を有効に広く確保することができる。そのため、熱応力による放熱板10全体の反り等の変形を有効に低減することができる。また、より大きな外部への熱伝導が好ましい長方形板状の平板2の長辺側において、搭載部1aから平板1の外周までの距離(つまり横方向への熱の拡散スペース)をより確実に確保することができる。したがって、反り等の変形の抑制および外部への放熱性の向上に有効な放熱板10とすることができる。
【0031】
上記構成の放熱板10において、平板1が銅からなり、枠状板2が鉄−ニッケル−コバルト合金からなるものでもよい。この場合には、平板1における熱伝導率を、銅の物性としての熱伝導率(約380W/mK)に近づけることができる。また、放熱板10としての熱伝
導率も、同様に300W/mK以上、さらに350W/mK以上等に向上させることも、より容易になる。また、枠状板2の熱膨張率を、例えばセラミック材料からなる絶縁枠体11の熱膨張率に効果的に近似させることができる。したがって、この場合には、放熱板10としての放熱性の向上および変形の低減により有効な放熱板10とすることができる。
【0032】
また、この場合には、銀ろう等のろう材を介した平板1と枠状板2との接合の強度を向上させることに関しても有利である。すなわち、上記のようなろう材は、銅および鉄−ニッケル−コバルト合金に対する濡れ性が良好である。そのため、平板1および枠状板2のろう材との接合強度の向上が容易であり、これにより上記接合強度も効果的に向上させることができる。
【0033】
なお、平板1を形成する銅は、例えば無酸素銅であり、銅の含有率が99.9質量%以上の材料である。放熱板10において、平板1および枠状板2の露出表面にニッケルおよび金等のめっき層が被着されてもよい。金めっき層等により、放熱板10の酸化および腐食等の可能性を低減することができる。
【0034】
実施形態の半導体パッケージ20は、前述したように、上記いずれかの構成の放熱板10と、放熱板10上に位置しており、枠状板2の上面に接合された下面を有する絶縁枠体11とを備えている。なお、長方形状の平板1および枠状板2を備える放熱板10は、上記のように放熱性および変形抑制について有利な点を含んでいる。以下においては、基本的に、
図2および
図3に示す形態の放熱板10およびこれを含む半導体パッケージ20および半導体装置30を例に挙げて説明する。
【0035】
絶縁枠体11は、例えば、搭載部1aに搭載される半導体素子と電気的に接続される配線導体または接続パッド等の導体12が位置する、電気絶縁性の基体として機能する。絶縁枠体11上には複数の導体12が位置していてもよい。複数の導体12は、絶縁枠体11によって互いに電気的に絶縁されているため、互いに電位が異なる外部電気回路と電気的に接続されるものが含まれていてもよい。
【0036】
絶縁枠体11は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化ケイ素質焼結体、炭化ケイ素質焼結体、ガラスセラミック焼結体およびムライト質焼結体等のセラミック材料から選択された絶縁材料によって形成されている。
【0037】
絶縁枠体11は、セラミック材料からなるものには限定されず、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂およびポリアミド樹脂等の樹脂材料を含む材料からなるものでもよい。この場合に、絶縁枠体11を形成する材料は、樹脂材料がガラスクロスに含浸されてなるもの(いわゆるFR4)でもよい。また、ガラスまたはセラミック材料等の無機物フィラーが樹脂材料に添加されたものでもよい。
【0038】
絶縁枠体11は、平面視における外形寸法が、例えば、1辺の長さが5〜50mm程度の長
方形状である。絶縁枠体11は、1辺の長さが上記値である正方形状等でも構わない。また、絶縁枠体11は、枠部分の開口寸法(平面視において内側面が形成する四角形状等の寸法)は、1辺の長さが5〜49mm程度の長方形状または正方形状である。また、枠状板1枠部分の幅W(Wa)は、前述した放熱板10に関する説明のとおりである。この枠部分の幅W(Wa)の範囲を満たすように、絶縁枠体11の外形寸法および開口寸法を決めるようにしてもよい。
【0039】
絶縁枠体11の厚さは、上記電気絶縁性の基体としての機能を有するものとして必要な電気絶縁性および機械的強度等の特性を満足する範囲で、任意に設定することができる。この場合、絶縁枠体11の生産性および放熱板10に対する接合の作業性(つまり半導体パッケージ20としての生産性)および経済性(いわゆるコスト)等を考慮してもよい。絶縁枠体11の厚さは、例えば約0.3〜1.5mm程度に設定される。
【0040】
絶縁枠体11は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム等の原料粉末を、有機溶剤およびバインダと混練してスラリーを作製する。次に、スラリーをドクターブレード法またはリップコータ法等の成形法で帯状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを適当な形状および寸法の複数のシートに切断これらのシートを必要に応じて積層する。以上の工程によって、絶縁枠体11を製作することができる。なお、上記のシートは、所定の枠状に切断してから積層してもよく、平板状の状態で積層してから、その積層体の平面視における中央部を打ち抜いて所定の枠状に成形してもよい。
【0041】
また、絶縁枠体11が樹脂材料を含む材料からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、ガラスクロスに未硬化のエポキシ樹脂を含浸させる。次にそのエポキシ樹脂を加熱等の手段で硬化させて板状の複合材を成形する。その後、その板状の複合材を所定の形状および寸法に切断等の方法で加工する。以上の方法で絶縁枠体11を製作することができる。
【0042】
放熱板10と絶縁枠体11との接合は、例えば銀−銅共晶ろう等の銀ろうを含むろう材を介して行なわれる。この場合、絶縁枠体11のうち放熱板10が接合される部分(表面の一部)には、あらかじめろう付け用の金属層(図示せず)が設けられていてもよい。
【0043】
前述した配線導体等の導体12およびろう付け用の金属層は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、ニッケル、コバルト等の金属材料により形成されている。導体12等の金属層は、上記の金属材料を少なくとも1種含む合金材料からなるものでもよい。また、互いに異なる金属材料からなる複数の金属層が含まれていてもよい。
【0044】
導体12等の金属層は、例えば、メタライズ層またはめっき層等の形態で絶縁枠体11上に配置されている。この場合、1つの金属層が複数の形態を含んでいてもよい。例えば、金属層は、タングステンのメタライズ層の表面にニッケルおよび金等のめっき層が被着されてなるものでもよい。
【0045】
金属層12は、例えばタングステンのメタライズ層からなる場合であれば、次のようにして形成することができる。すなわち、まず、タングステンの粉末を有機溶剤およびバインダと混練して金属ペーストを作製する。次に、この金属ペーストを絶縁枠体11となるセラミックグリーンシート(切断後のシート)の表面に所定パターンに印刷する。その後、金属ペーストをシートと同時焼成する。以上の工程により、絶縁枠体11に導体12等の金属層を形成することができる。この場合、上記のように、タングステンのメタライズ層表面に、さらにニッケルおよび金等のめっき層を被着させてもよい。
【0046】
平面視における絶縁枠体11の外形寸法は、例えば、放熱板10の外形寸法と同じ程度以下に設定されている。
図5に示す例では、絶縁枠体11の外形寸法が放熱板10の外形寸法よりも少し小さく設定されている。そのため、絶縁枠体11の外周に沿って放熱板10(枠状板2)の外周部分が露出している。また、平面視における絶縁枠体11の開口寸法は、例えば、放熱板10の枠状板2の開口寸法と同じ程度以下に設定されている。そのため、絶縁枠体11の内側には枠状板2は露出しない。
【0047】
すなわち、この例では、平面視において、放熱板10における平板1の露出範囲が、半導体パッケージ20において放熱板10よりも少し小さい。このような場合でも、枠状板2の枠部分の幅Waが広く確保されているので、放熱板10の変形は効果的に低減される。また、放熱板10から外部への放熱は主として平板1の下面側から行われるため、放熱性を確保することができる。つまり、放熱板10としての平板1および枠状板2の形状および寸法が上記のように設定されていれば、半導体パッケージ20としての変形低減(信頼性および実装性等)および放熱性を効果的に高めることができる。
【0048】
半導体パッケージ20は、上記のように、平面視において平板1が長方形状であるとともに、枠状板2が長方形枠状であるときに、下記条件のものであってもよい。すなわち、例えば
図5に示すように、枠状板2の長辺側に位置する第1内側面2aaと第1内側面2aaに対向する第1外側面2baとの間の寸法Waよりも、枠状板2の短辺側に位置する第2内側面2abと第2内側面2abに対向する第2外側面2bbとの間の寸法の方が大きくてもよい。言い換えれば、長方形枠状の枠状板2は、長辺側における枠部分の幅Waに対して短辺側の枠部分の幅Wbの方が大きくてもよい。つまり、Wa<Wbであってもよい。ただし、上記各例のように、Wa=Wbであっても構わない。
【0049】
Wa<Wbである場合には、平板1の長さを短くすることができ、平板1が短くなることにより平板1の高温での長辺方向への変形応力が小さくなり、反り等の変形抑制の効果を高めることができる。また、平板1が短くなることにより平板1の高温での長辺方向への変形応力が小さくなることで、幅Waを更に小さくすることが可能となり、放熱性向上の効果を高めることができる。
【0050】
図6(a)は
図5に示す半導体パッケージを上側から見た斜視図である。
図6(b)は(a)の変形例を示す斜視図である。この例において、絶縁枠体11上面の導体12は端子13が接続されるパッドして機能している。また、この例における端子13は、金属製のリード端子である。パッド(導体12)にリード(端子13)が銀ろう等の接合材を介して接合されている。端子13は、半導体パッケージにおける外部接続用の外部端子である。端子13は、導体12に接合されているのと反対側(外端側)が、外部電気回路に、はんだまたは導電性接着剤等の導電性接続材を介して電気的に接続される。
【0051】
端子13のうち導体12に接合されている側(内端側)または導体12には、後述する半導体装置30において、半導体素子21の電極が電気的に接続される。これにより、半導体素子21と外部電気回路との電気的な接続を行なせることができる。
【0052】
端子13は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金、鉄−ニッケル合金、銅および銅合金等の金属材料から適宜選択された材料により形成されている。端子13は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金の板状等の原材料に対して、切断、圧延、プレス、切削、研磨およびエッチング等から適宜選択された金属加工が施されて、製作されている。
【0053】
図7は、本発明の実施形態の半導体装置30を示す上面図である。
図7に示すように、上記構成の半導体パッケージ20と、搭載部1aに搭載された半導体素子21とによって、実施
形態の半導体装置30が基本的に構成されている。半導体素子21は、例えば、半導体集積回路素子、光半導体素子およびセンサ素子等である。半導体素子21が、作動時に発熱量が比較的大きい半導体集積回路素子であっても、上記のように搭載部1aから外部への放熱性が高められているため、半導体素子1aの温度上昇を低減して、安定して作動させることができる。また、半導体パッケージとしての変形が抑制されているため、半導体素子1aの搭載が容易であり、長期信頼性の向上も容易である。
【0054】
半導体素子21は、例えば上記のように端子13と電気的に接続されて、外部電気回路との電気的な接続が行なわれる。この場合、半導体素子21は導体12に接続されても構わない。半導体素子21と端子13または導体12との接続は、例えばボンディングワイヤまたはリボン導体等の導電性接続材(図示せず)を介して行なわれる。ボンディングワイヤが接続されるときの導体12は、ボンディングパッドとして機能する。
【0055】
図7に示す例では、半導体素子21以外に他の部品22も平板1の上面に搭載されている。他の部品22は、例えば、容量素子、インダクタ素子および抵抗器等の電子部品(いわゆる受動部品等)でもよい。また、他の部品22は、複数の電子部品が搭載された補助基板(補助基板としては符号なし)でも構わない。他の部品22は、例えば、半導体素子21の差動を安定させる電荷の供給、インピーダンス整合および位相調整等の機能を有している。なお、半導体装置30において、半導体素子21および他の部品22等が、蓋体または樹脂材料等の封止材で封止されていても構わない。
【0056】
他の部品22についても、端子13の内端側または導体12とボンディングワイヤ等の導電性接続材を介して電気的に接続される。他の部品22と電気的に接続される導体12および端子13は、半導体素子21が接続される導体12および端子13と同様の材料を用い、同様の方法で形成されたものでよい。
【0057】
図8は、本発明の実施形態の半導体装置30の他の例を示す上面図である。
図8に示す例において、絶縁枠体11は平面視で長方形の枠状であり、その枠幅が、
図7に示す例よりも広い。また、短辺側における枠幅が長辺側における枠幅よりも大きい。この場合には、短辺側において絶縁枠体11の機械的強度および剛性を高く確保することができる。そのため、半導体パッケージ20における変形の可能性を効果的に低減することができる。したがって、半導体装置30の長期信頼性を向上させること等についても有利である。
【0058】
また、
図8に示す例では、平面視において絶縁枠体11の内周が円弧状になっている。これにより、絶縁枠体11の内周部分における熱応力等の応力が直線状に集中することを低減できる。そのため、絶縁枠体11におけるクラック等の発生の可能性を低減して、半導体装置30としての信頼性を向上させることもできる。この場合、例えば絶縁枠体11と平板1とが互いに接合されたとしても、絶縁枠体11の内周部分における熱応力の集中を低減できるので、上記のように信頼性を向上させることができる。
【実施例】
【0059】
本発明の実施形態の放熱板について、その効果を確認した。効果の確認は、放熱板の変形を3次元形状測定機で測定し、放熱量をシミュレーションにより計算することで行なった。
【0060】
具体的には、無酸素銅からなる平板と、鉄−ニッケル−コバルト合金からなるおよび枠状板を用いて、上記実施形態において
図2に示した形態の放熱板を作製した。放熱板は、平面視における寸法が18mm×10mmのものとした。放熱板について、枠状板の枠部分の幅Wa、露出した平板の寸法(長さ)Laおよび枠状板の外側面から半導体素子の搭載部の外周までの距離LAaを表1に示す種々の数値に設定した。表1において、LAa−W
aの値、つまり平面視において枠状板の内側面とそれに隣り合う搭載部の外周位置との間の距離をbaとして示している。
【0061】
【表1】
【0062】
放熱板10の変形量の測定は、表1に示す試料1から8の放熱板に、酸化アルミニウム質焼結体からなる絶縁枠体を銀−銅共晶ろうを用いて接合した後に、3次元形状測定機を用いて測定した。放熱量のシミュレーションは、表1に示す試料1から8のシミュレーションモデルの搭載部に、400Wの熱量を加えた場合の半導体素子の温度の計算、および放熱
板の熱抵抗の計算により行った。
【0063】
変形抑制については、変形量が35μm以下であるものを可(○)とし、それを超えるものを不可(×)とした。また、変形量が15μm以下であるものを特に良好(◎)とした。伝熱性(放熱性)については、熱伝導率が300W/mK以上であるものを可(○)とし、
それ未満のものを不可(×)とした。また、熱伝導率が330W/mK以上であるものを特
に良好(◎)とした。変形抑制および放熱性の両方について不可ではないものを、総合判定で可(○)とした。
【0064】
表1に示す結果からわかるように、本発明の実施形態の放熱板(試料番号2〜5、7、8)の構成を選択することにより、比較例のもの(試料番号1、6)に比べて、変形の抑制および放熱性向上の効果が高いことを確認できた。
【0065】
また、本発明の実施形態の放熱板において、Wa/Laが大きいほど、つまり枠状板の幅が平板の露出長さに対して相対的に広いほど、変形抑制の点で有利な傾向が確認できた。また、baが大きいほど、つまり搭載部と枠状板との間に位置する平板の長さが長いほど、放熱性の点で有利な傾向であることが確認できた。