特許第6983132号(P6983132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 近畿車輌株式会社の特許一覧

特許6983132カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体
<>
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000002
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000003
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000004
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000005
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000006
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000007
  • 特許6983132-カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983132
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】カモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体
(51)【国際特許分類】
   B61D 17/18 20060101AFI20211206BHJP
   B61D 17/08 20060101ALI20211206BHJP
   B61D 17/12 20060101ALI20211206BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B61D17/18
   B61D17/08
   B61D17/12
   B61D37/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-184314(P2018-184314)
(22)【出願日】2018年9月28日
(65)【公開番号】特開2020-50301(P2020-50301A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2020年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000163372
【氏名又は名称】近畿車輌株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118924
【弁理士】
【氏名又は名称】廣幸 正樹
(72)【発明者】
【氏名】矢野 亮一
(72)【発明者】
【氏名】八田 雅文
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−247313(JP,A)
【文献】 中国実用新案第206427031(CN,U)
【文献】 特開2003−137089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 17/04
B61D 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部を有する本体パネル部と、
前記本体パネル部の裏面に長手方向に沿って前記本体パネル部と一体的に設けられた溝レールと、
前記平面部に設けられたパネル開口部を有し、
前記本体パネル部の上端には、
前記本体パネル部の表面から裏側に向かうフック部と、
前記フック部の先端に設けられた凸返しを有する上端フックと、
前記本体パネル部の裏面と前記上端フックとの間に形成される掛止ポケットの下方向に形成された爪リブが形成されていることを特徴とするカモイパネル。
【請求項2】
前記溝レールは、溝開口幅よりも溝内壁間隔の方が広いことを特徴とする請求項1に記載されたカモイパネル。
【請求項3】
前記平面部の裏面に幅方向に沿って補強材が配置され、
前記補強材は、前記溝レールに固定されていることを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載されたカモイパネル。
【請求項4】
鉄道車両構体の側構体と天井の間のカモイ部に、前記側構体に対して30°乃至60°の角度で傾斜して取り付けられ、表示装置用のパネル開口部に表示装置が搭載された請求項1乃至の何れか一の請求項に記載されたカモイパネルを有することを特徴とする鉄道車両構体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側構体の窓部と天井部の間のカモイ部に大型の表示装置を多数搭載した鉄道車両のカモイパネルと、それを搭載した鉄道車両構体に係るものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両内に電子表示装置を配置し、行先、次駅情報、広告などを表示させると、乗客の利便性は高くなる。特許文献1には、天井に傾斜させて配置された表示装置を有する鉄道車両が開示されている。このような表示装置は、地下鉄などで車内放送が騒音にかき消される場合にも有効であるとされている。
【0003】
また、特許文献2では、天井、カモイ部、窓に平面ディスプレイを実装する発明が開示されている。また、特許文献3には、出入口の間に薄膜表示装置を配置し、車体外部に配置したカメラで撮影した画像を表示装置に表示する鉄道車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−106364号公報
【特許文献2】特開平07−181900号公報
【特許文献3】特開2016−078541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
側構体に沿って長椅子が配置された鉄道車両において、座席に着席した乗客が対向するカモイ部に設けられた表示装置を見ようとすると、表示画面の法線方向が水平車内方向になっていたのでは見づらい。一方、表示画面の法線方向が鉛直下向きでは、見えないという課題がある。
【0006】
また、大型の表示装置を数多く車両に搭載しようとすると、故障等の場合に素早く交換できるようにしておく必要がある。例えば20インチ以上の表示装置が車両構体に固定されていると、一人で取り外しをするのは容易ではない。固定箇所が人の頭より高いところにあるので、保持しながらネジ止めを行わなければならないからである。
【0007】
一方、表示装置をカモイパネル側に取り付けると、表示装置とカモイパネルを結合させてからカモイパネルごと車両構体へ取り付ければよいので、車両構体への取り付けは容易になる。しかし、カモイパネルが表示装置を支えるので、カモイパネル側の剛性が必要となる。また、カモイパネルに表示装置を取り付けるための取付台をカモイパネル形成後に溶接等で取り付けると、カモイパネル自体に歪が入り、表側からみると溶接痕が見えてしまい、意匠として満足できるものではなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものである。より具体的に本発明に係るカモイパネルは、
平面部を有する本体パネル部と、
前記本体パネル部の裏面に長手方向に沿って前記本体パネル部と一体的に設けられた溝レールと、
前記平面部に設けられたパネル開口部を有し、
前記本体パネル部の上端には、
前記本体パネル部の表面から裏側に向かうフック部と、
前記フック部の先端に設けられた凸返しを有する上端フックと、
前記本体パネル部の裏面と前記上端フックとの間に形成される掛止ポケットの下方向に形成された爪リブが形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る鉄道車両構体は、
鉄道車両構体の側構体と天井の間のカモイ部に、前記側構体に対して30°乃至60°の角度で傾斜して取り付けられ、表示装置用のパネル開口部に表示装置が搭載された上記のカモイパネルを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るカモイパネルは、幅方向に溝レールを一体的に形成しているので、カモイパネルに固定する機器を固定するブラケットとして利用でき、さらにカモイパネル自体の剛性を向上させるという効果を奏する。
【0011】
また、溝レールは溶接でカモイパネルに接続されているのではないので、表側から見ても、溝レールの存在を視認できず、直接化粧板として利用することができる。
【0012】
また、本発明に係るカモイパネルは、パネル開口に24インチの表示装置を固定することで、さらに全体の剛性を向上することができる。
【0013】
また、表示装置を車体側ではなく、カモイパネル自体に固定しているので、表示装置の交換が簡便かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るカモイパネルを配置した鉄道車両の車内状態を示す図である。
図2】カモイパネルおよび表示装置といった備品を示す斜視図である。
図3】溝レールの構成を示す図である。
図4】カモイパネルに先端部分の断面を示す断面図である。
図5】カモイパネルに表示装置を取り付けた状態を示す図である。
図6】車両にカモイパネルを取り付ける手順を示す断面図である。
図7図6におけるカモイパネルの先端の拡大図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係るカモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体について図面を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
【0016】
図1は、本発明に係るカモイパネル1を有する車両の内覧図である。一方の妻構体から他方の妻構体85を見た図である。車内は天井部80と床面82と妻構体85および側構体84を有する。側構体84には、ドア部84aと窓部84bが形成されている。座席84cは、左右の側構体84にそれぞれ対向するように配置される。
【0017】
窓部84bと天井部80の間をカモイ部88と呼ぶ。ここには荷台が形成される場合もある。天井部80からは、座席84cに座らない乗客が姿勢を維持するための握り棒が配置されていてもよい。また、車内にはスタンションポールが配置されていてもよい(握り棒およびスタンションポールは図示していない。)。本発明に係るカモイパネル1は窓部84b(およびドア部84a)と天井部80の間のカモイ部88に設けられる。
【0018】
カモイパネル1には、ディスプレイ装置(表示装置50)の画面を露出させるパネル開口部14(図2参照)を有する。この表示装置50は、側構体84に沿って複数個配置される。したがって、1つの車両では、相当数の表示装置50が配置される。図1では、左右のカモイ部88の1枚のカモイパネル1を斜線で示した。表示装置50の部分は、斜線を抜いてある。
【0019】
図2にはカモイパネル1単体の斜視図を示す。図2(a)は表から見た図であり、図2(b)は裏から見た図である。図2(b)には、カモイパネル1に装着される部品の内、表示装置50および押え板26、補強板32を示した。なお、ここで「表」とは客が車内から見た側をいう。また、カモイパネル1において、「横方向」とは、カモイ部88に取り付けられた際に車両進行方向をいい、「縦方向」とは、「横方向」に直角な方向をいう。また、カモイパネル1の「上」は、カモイ部88に取り付けられた際に天井部80に近い側をいう。
【0020】
図2(a)および図2(b)を参照して、カモイパネル1は、平面部を有する本体パネル部10と、本体パネル部10に対して所定の角度で連続する下板部12で構成されている。本体パネル部10と下板部12とのなす角度はθである。本体パネル部10の横方向の中心を縦に通る軸を縦軸といい、本体パネル部10の縦方向の中心を横に通る軸を横軸と呼ぶ。
【0021】
本体パネル部10には、パネル開口部14が形成されている。パネル開口部14は、すくなくとも20インチ以上、好ましくは24インチのフラットディスプレイ(ディスプレイ装置)の画面を含む大きさがあればよい。ここで24インチとは、パネル開口部14の対角線14aが24インチであることを示す。
【0022】
下板部12には、止めネジ16が両端に配置されている。止めネジ16は、裏面側の係止舌片18と連通している。したがって、止めネジ16を回転させると、下板部12の裏側の係止舌片18も回転する。
【0023】
本体パネル部10の裏面には、溝レール20が横方向に複数本形成されている。下板部12の裏面にも溝レール20が施されていてもよい。また、本体パネル部10の上端には、上端フック22が形成されている。表示装置50は本体パネル部10の裏面側からパネル開口部14に表示面50Dを合わせるように取り付けられる。なお、本体パネル部10には、表示装置50のためのパネル開口部14だけでなく、他の貫通孔を設けてもよい。
【0024】
図3(a)には図2(b)のA−A断面を示す。これは溝レール20の断面である。溝レール20は、本体パネル部10に対して一体的に形成されており、対向する縦壁20aと、縦壁20aの先端から対向する縦壁20aに向かって延設された庇部20bによって形成されている。
【0025】
ここで「一体的」とは、図3(a)のように断面視した際に、本体パネル部10若しくは下板部12と溝レール20の間に境界面が存在しないことを意味する。すなわち、本体パネル部10若しくは下板部12と溝レール20は同一材料で同時に形成される。また、本体パネル部10と下板部12も一体的に形成される。より具体的には、カモイパネル1は、アルミ押出工法によって形成される。したがって、溝レール20は、本体パネル部10若しくは下板部12と境界面を持たない一体物として形成されるといってもよい。同様に、本体パネル部10と下板部12も境界面を持たない一体物として形成されているといってもよい。
【0026】
溝レール20を本体パネル部10や下板部12と一体的に形成することで、溝レール20がカモイパネル1の補強材として機能する。そして、境界面を持たない一体物として形成されていることで、本体パネル部10および下板部12の表側には、歪が入ることがなく、表側から溝レール20が形成されている箇所が全く見えない。また、このような補強構造がカモイパネル1の一体物として形成されているので、全体の軽量化にも寄与する。
【0027】
そのため、カモイパネル1の形成後に表側の平面度修正のためのパテ仕上げといった加工が不要となる。したがって、粉体塗装が可能となり、塗装するだけで、綺麗な化粧面を形成することができる。
【0028】
溝レール20のレール開口部20uは、対向する庇部20bによって形成されている。レール開口部20uの幅はレール開口幅20uwである。庇部20bより本体パネル部10側には、レール開口部20uより広い空間が形成される。この部分を溝レール内部20iと呼ぶ。
【0029】
つまり、溝レール内部20i内において、縦壁20aの内壁間隔20awは、レール開口幅20uwより広い。
【0030】
図3(b)は、溝レール20の使用方法の代表例を示すものである。頭30aと首下30bで構成される固定ネジ30を溝レール20に挿入して使用する。具体的には、溝レール内部20iに、首下30bがレール開口部20uから突出するように、固定ネジ30の頭30aを溝レール内部20iに挿入する。
【0031】
固定ネジ30は、溝レール20を横方向に移動することができ、所定の箇所で使用することができる。
【0032】
図4には、上端フック22の断面を示す。これは図2(a)のB−B断面に相当する。上端フック22は本体パネル部10の表面から裏側に向かうフック部22aとフック部22aの先端に設けられた凸返し22bで構成されている。したがって、裏面と上端フック22との間に掛止ポケット22cが形成される。
【0033】
また、掛止ポケット22cの少し下方向には、爪リブ24が、本体パネル部10の横方向に形成されている。後述するが、車体側のカモイパネル受け88c(図6および図7参照)との掛止を補強するためのものである。上端フック22に隣接して、溝レール20が形成されている。
【0034】
次に本発明に係るカモイパネル1の車体への取り付け方法について説明する。まず、カモイパネル1には表示装置50が取り付けられる。より具体的には、図5を参照して、本体パネル部10の裏面に配置された溝レール20に、固定ネジ30を通し、押え板26で表示装置50の裏側を本体パネル部10に固定する。表示装置50の表示面50Dは本体パネル部10のパネル開口部14から本体パネル部10の表面側に向いて露出される。
【0035】
また、カモイパネル1の横方向の両端には、補強板32を取り付ける。この補強板32は、補強材といってもよい。すなわち、補強板32以外の補強材を取り付けてもよい。この取り付けにも溝レール20に通した固定ネジ30を用いる。溝レール20は、本体パネル部10と一体的に形成されており、本体パネル部10の横方向に形成されている。したがって、本体パネル部10の縦軸が表裏方向に変位する撓みを抑制する効果がある。
【0036】
一方、補強板32は本体パネル部10の両端を縦方向に固定するため、本体パネル部10の横軸が表裏方向に変位する撓みを抑制することができる。結果、カモイパネル1の剛性は高くなり、カモイ部88に取り付けた際にも撓むことはない。
【0037】
表示装置50の画面が広いと、カモイパネル1に設けるパネル開口部14も広い開口となる。表示装置50を車体側に固定すると、広い開口が設けられたパネルだけを車体に固定しなければならない。すると、裏面側に本体パネル部10に一体化したリインフォースを設けても本体パネル部10に撓みが生じる。この撓みはカモイパネル1毎に異なる。結果、それを並列に設置すると、全体ではバラバラにゆがんだ外観のカモイ部88となってしまう。
【0038】
また、車体側に表示装置50を固定すると、カモイパネル1のパネル開口部14と表示装置50の画面の間に隙間ができる場合がある。また、パネル開口部14と表示装置50を、密着させようとすると、カモイパネル1の表面に歪ができ、カモイ部88を外観するとその歪が目立ってしまう。
【0039】
しかし、本発明に係るカモイパネル1のように、表示装置50自体を本体パネル部10に結合することで、表示装置50もカモイパネル1の補強構造材と利用でき、複数のカモイパネル1をカモイ部88に配置しても、歪みのないカモイ部88を形成することができる。また、カモイパネル1に表示装置50を直接固定するので、カモイパネル1と表示装置50との間に隙間が空くことがない。つまり、カモイパネル1の表面と表示装置50の表示面50Dは密着した状態を維持することができる。
【0040】
なお、ここでは、表示装置50を固定する場合を示したが、カモイパネル1に固定できる付属品は、表示装置50に限定されるものではない。例えば、スピーカーや操作ボタンといった物品を固定するようにしてもよい。また、そのための開口を設けてもよい。
【0041】
次に図6を参照する。図6(a)及び図6(b)は、車両進行方向に直角方向に切ったカモイ部88周辺の断面図である。側構体84の下方には、窓部84bの窓ガラス84baが配置されている。窓ガラス84baの上方には、側構体84に固定されたカモイ部下端部材88bが配置されている。カモイ部88は、カモイパネル1と、それに続くカモイ部上端部材88aおよびカモイ部下端部材88bで、構成されている。カモイ部上端部材88aには、空調の吹出口などが配置されていてもよい。
【0042】
カモイ部上端部材88aは車内天井板80aと接続する。車内天井板80aは、天井部80に固定されている。車体側には、表示装置50に電力および信号を配信する配信器52が設けられている。ここで信号は、次駅情報や鉄道情報、広告、インターネットや無線通信によるリアルタイム情報等を含んでよい。これらの信号の受信装置(図示せず)は、車体構造側に設けられる。
【0043】
カモイパネル1をカモイ部88に取り付ける際には、カモイパネル1を車両のカモイ部88に設けられたカモイパネル受け88cに上端フック22で引っ掛け、仮止めする。図7(a)には、カモイパネル1をカモイパネル受け88cに掛止した状態(図6(a))の拡大図を示す。
【0044】
カモイパネル受け88cは、側構体84若しくは天井部80に固定若しくは溶接されている。カモイパネル受け88cの先端には、断面が半円の受け溝88caが設けられている。受け溝88caは、上端フック22の断面球状の凸返し22bが嵌入される。ちょうど掛止ポケット22cに、受け溝88caが収納されるといってもよい。
【0045】
受け溝88caおよび凸返し22bはともに断面球状なので、カモイパネル1は上端フック22を枢軸として揺動可能に掛止される。また、爪リブ24が受け溝88caの外周面と近似して配置されているので、カモイパネル1に下方から偶発的な力が加わったとしても、カモイパネル1がカモイパネル受け88cとの掛止が外れて、落下するということはない。
【0046】
図6(a)のように、カモイパネル1をカモイパネル受け88cに掛止させておいて、表示装置50の配線を行う。配線が終了したら、上端フック22を枢軸として、カモイパネル1の下板部12を押し上げ、止めネジ16を回転させる。止めネジ16の回転に伴って、係止舌片18が回動し、カモイ部下端部材88bとカモイパネル1の下端が固定される。
【0047】
すなわち、カモイパネル1は、上端フック22と、係止舌片18によって固定される。図6(b)には、カモイパネル1の下板部12が固定された状態を示す。また、図7(b)には、その時の上端フック22の拡大図を示す。以上のように、本発明に係るカモイパネル1は、非常に簡単にカモイ部88に脱着することができる。また、本発明に係るカモイパネル1を搭載する鉄道車両構体は、車内のカモイ部88に多数の表示装置50を、歪のない平面で配置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るカモイパネルおよびそれを搭載する鉄道車両構体は、カモイ部に表示装置を多数配置する車両に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 カモイパネル
10 本体パネル部
12 下板部
14 パネル開口部
14a 対角線
16 止めネジ
18 係止舌片
20 溝レール
20a 縦壁
20b 庇部
20u レール開口部
20uw レール開口幅
20i 溝レール内部
20aw 内壁間隔
22 上端フック
22a フック部
22b 凸返し
22c 掛止ポケット
24 爪リブ
26 押え板
30 固定ネジ
30a 頭
30b 首下
32 補強板
50 表示装置
50D 表示面
52 配信器
80 天井部
80a 車内天井板
82 床面
84 側構体
84a ドア部
84b 窓部
84ba 窓ガラス
84c 座席
85 妻構体
88 カモイ部
88a カモイ部上端部材
88b カモイ部下端部材
88c カモイパネル受け
88ca 受け溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7