【実施例】
【0181】
式(I)の化合物の調製
(実施例1)
PRX-001
(Exo-フェニル、endo-アミノ)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-アミンとしても知られている)
フェンカンファミン((Exo-フェニル、endo-アミノ)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン、PRX-001)をスキーム1並びにPharmaceutical Chemistry Journal 2011、45(7)、419〜422、Journal of Organic Chemistry 1961、26、5247〜5249、GB 913866、Organometallics、2013、32、1609〜1619、及びOrganic Letters 2007、9、2819、に記載の方法の変更形態に準拠して合成した。
【0182】
【化12】
【0183】
工程1. シクロペンタ-1,3-ジエン(I-1)
中間体の合成をOrganic Syntheses、Coll.4巻、238頁(1963);32巻、41頁(1952)に記載の通り行った。
【0184】
ジシクロペンタジエン(500g)を、温度計と(それを通して50℃で水を循環させた)アップライトフリードリッヒ型冷却管を備えた1Lの二口丸底フラスコに加えた。フリードリッヒ冷却管のすりガラス出口を、温度計を備えた単一蒸留ヘッドのサイドアームに連結し、垂直位置に固定した効率的な水冷冷却管に結合した。この冷却管の下端に、ドライアイス浴に浸漬されかつ塩化カルシウム乾燥管によって空気から保護された計量500mlの二口丸底フラスコからなる受器を取り付けた。
【0185】
シクロペンタジエンがドライアイス冷却バス中に配置した受器へと蒸留するまで、ジシクロペンタジエンを含むフラスコをオイルバスを用いて加熱した(およそ160〜170℃)。4〜5時間の間に、ジシクロペンタジエンの3分の2が熱分解された後、フラスコ中の残留物は粘稠となる場合もあり、シクロペンタジエンを迅速に蒸留するためには熱分解向けにより高温が必要となるが、このような場合には、まだ高温で可動性である間に残留物を廃棄することが望ましかった。被蒸留シクロペンタジエン(I-1)(200g、40%)を無色液体として得たが、これは二量化を避けるために直ちに次の工程のために取っておいた。
【0186】
工程2. 5-ニトロ-6-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(I-2A及びI-2B)
ジクロロエタン(1L)中にβ-ニトロスチレン(500g、3.352mol)を含む撹拌溶液に、蒸留したばかりのシクロペンタジエン(I-1)(800mL)を加え、淡黄色に着色している反応混合物をアルゴン雰囲気中70℃で12時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中5%EtOAc)、反応混合物を減圧下で濃縮した。このようにして得た残留物を石油エーテル中1%EtAcを使用して60〜120シリカゲル(4.5Kg)にかけてカラムクロマトグラフィーにより精製して、濃厚で淡黄色に着色した液体として中間体I-2a及びI-2bの混合物を得た(680g、94%)。
【0187】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.39 - 7.19 (m, 5H), 6.63 - 6.61 (dd, J = 3.2 Hz & 5.6 Hz, 1H), 6.15 - 6.13 (m, 1H), 5.03 - 5.01 ( t, J = 4 Hz, 1H), 3.63 - 3.62 (m, 1H), 3.50 - 3.46 (d, J = 4 Hz, 1H), 3.20 - 3.19 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 1.92 - 1.89 (m, 1H ), 1.78 - 1.74 (m, 1H).
【0188】
工程3. (Exo-フェニル、endo-アミノ)-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(I-3A)
オートクレーブ水素添加装置中で、メタノール(6L)中にI-2a及びI-2bの混合物(600g、2.787mol)を含む溶液に10%Pd/C(120g)を加え、反応混合物を水素圧5Kg/m
2下で32時間撹拌した。反応をTLCでモニタリングした(TLC溶離液:CH
2Cl
2中5%MeOH)。反応終了後、反応混合物をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮してRf値がそれぞれ0.35及び0.2である(Exo-フェニル、endo-アミノ)異性体と(Endo-フェニル、exo-アミノ)異性体との80:20混合物を得た(CH2Cl2-MeOH、90:10、2回溶出した)。得られた粗残留物を、溶離液としてジクロロメタン中の1.5%メタノール性アンモニアを使用してシリカゲルクロマトグラフィー(15×60cm、230〜400メッシュ)により精製し、同一カラム上で再度クロマトグラフィーを行って濃厚な淡黄色に着色した液体として中間体I-3aを得た(280g、54%収率)。
【0189】
1H-NMR (DMSO, 400 MHz) δ 7.26 - 7.23 (m, 4H), 7.16 - 7.12 (m, 1H), 3.05 - 3.02 (m, 1H), 2.22 - 2.21 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.06 - 2.05 (m, 1H), 1.98 - 1.96 (dd, J = 2 Hz & 5.6 Hz, 1H), 1.89 - 1.83 (m, 1H), 1.65 - 1.51 (m, 4H), 1.37 - 1.26 (m, 3H).
[M+ H]
+ = 188.1; HPLC純度: 94.6%.
【0190】
工程4. (Exo-フェニル、endo-アミノ)-N-アセチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(I-4)
CH
2Cl
2(350mL)中のI-3a(50g、0.266mol)溶液に、室温でトリエチルアミン(75mL、0.533mol)を加えた。10分間撹拌した後、塩化アセチル(23mL、0.320mol)を0℃で滴下添加し、1時間撹拌を更に継続した。反応終了後、反応混合物を水(500mL)でクエンチし、生成物をDCMで抽出した(2×200mL)。有機層を1.5N HCl(2×100mL)、sat.NaHCO
3(2×100mL)、ブライン(2×100mL)で処理し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して黄色粗半固形中間体6を得た。更にこれをジエチルエーテル(10×500mL)ですりつぶして、純粋なオフホワイトの固形物としてI-4を得た(47g、82%収率)、mp159〜161℃。
【0191】
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.31 - 7.24 (m, 4H), 7.21 - 7.18 (m, 1H), 5.68 (s, 1H), 4.35 - 4.32 (m, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.40 - 2.39 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.22 - 2.21 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 2.0 (s, 3H), 1.87 - 1.64 (m, 2H), 1.57 - 1.51 (m, 2H), 1.45 - 1.35 (m, 2H).
[M+ H]
+ = 230.3, HPLC純度: 98.5%
【0192】
工程5. (Exo-フェニル、endo-アミノ)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(PRX-001)
乾燥THF(200mL)中にリチウムアルミニウムヒドリド(30g、0.348mol)を含む撹拌懸濁液に、I-4(40g、0.174mol)乾燥THF(200mL)溶液を0℃で滴下添加した。添加後、反応混合物を70℃でアルゴン雰囲気中で16時間還流した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中70%EtOAc)、反応混合物を4N NaOH(2L)溶液の氷冷溶液に撹拌しながら滴下添加した。完全にクエンチした後、これをセライトを通してろ過した。ろ液をEtOAc(3×400mL)で抽出し、ブライン(2×200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して淡黄色液体として粗PRX-001を得た(33g)。
【0193】
ジエチルエーテル(66mL)中に粗PRX-001(33g)を含む溶液に、エーテル性塩酸(130mL)を0℃で加えた。1時間後、オフホワイトの沈殿物を収集し、過剰のジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させた。得られた固形物をEtOAc(200mL)に溶解させ、2N NaOH溶液で塩基性化した。分離した有機層をブライン(2×100mL)で処理し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して純粋な淡黄色液体としてPRX-001を得た(30g、81%収率)。
【0194】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.30 - 7.28 (m, 4H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 3.17 - 3.14 (m, 1H), 2.59 - 2.49 (q, 2H), 2.42 (s, 1H), 2.26 - 2.25 (d, J = 4 Hz, 1H), 2.16 - 2.15 (m, 1H), 1.79 - 1.74 (m, 2H), 1.68 - 1.59 (m, 3H), 1.47 - 1.38 (m, 2H), 1.09 (t, 3H).
[M+ H]+ = 216.0; HPLC純度: 94.3%
【0195】
(実施例2)
(+)-及び(-)-(Exo-フェニル、endo-アミノ)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン、(+)-PRX-002及び(-)-PRX-002(N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-アミンとしても知られている)
ラセミ体PRX-001(200mgバッチ中90g)を、イソプロパノール中の0.1%ジエチルアミンで溶出させた(43mL/分)Chiralpak ADカラム(250×50mm)でのキラル分取HPLCにより分割して、2つのエナンチオマー、(+)-PRX-002(37g)、及び(-)-PRX-002を得た(39g)。
【0196】
PRX-002 (+ 異性体): 1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.30 - 7.27 (m, 4H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 3.17 - 3.15 (m, 1H), 2.59 (q, 2 H), 2.42 (s, 1H), 2.27 - 2.26 (d, J = 4 Hz, 1H), 2.16 - 2.15 (dd, J = 2 Hz & 5.6 Hz, 1H), 1.77 - 1.74 (m, 2H), 1.65 - 1.61 (m, 1H), 1.48 - 1.41 (m, 3H), 1.36 - 1.32 (m, 1H), 1.06 (t, 3H).
[M+ H]+ = 216.3;
HPLC保持時間 (分) = 4.42, 純度 97.7%
キラルHPLC保持時間 (分) 12.63, 純度 99.6%
[α]20 D : +52.76° (試料濃度: MeOH中0.16%)
【0197】
PRX-002 (- 異性体):
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.30 - 7.27 (m, 4H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 3.17 - 3.15 (m, 1H), 2.59 (q, 2 H), 2.42 (s, 1H), 2.27 - 2.26 (d, J = 4 Hz, 1H), 2.16 - 2.15 (dd, J = 2 Hz & 5.6 Hz, 1H), 1.77 - 1.74 (m, 2H), 1.65 - 1.61 (m, 1H), 1.48 - 1.41 (m, 3H), 1.36 - 1.32 (m, 1H), 1.06 (t, 3H).
[M+ H]+ = 216.3
HPLC保持時間 (分) 4.426, 純度 95.5%
キラルHPLC保持時間 (分) 14.437, 純度 97.3%
[α]20D : - 49.70° (試料濃度: MeOH中0.17%)
【0198】
(+)-PRX-002のHCl塩(120mg)を温メタノール(0.1mL)及び水(0.2mL)に溶解させ、次いで、室温に冷却した。生じる直方体の結晶を、(+)-フェンカンファミンについてスキーム1に示されている絶対配置を示すX線結晶解析により解析した。本明細書に提示の構造は、実施例において最初に試験したものと同じ化合物に由来し、X線結晶解析を行った後に更新されている。
【0199】
(実施例3)
PRX-P1-001
N-サクシニル-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(N-エチル-N-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-スクシンアミド酸としても知られている)
【0200】
【化13】
【0201】
【化14】
【0202】
DMF(10mL、10容量)中にコハク酸モノメチル(0.92g、6.96mmol)を含む撹拌溶液に、EDC.HCl(1.33g、6.96mmol)、HOBT(0.94g、6.96mmol)及びトリエチルアミン(1.29mL、9.28mmol)を室温で加えた。10分後、DMF(2mL、2容量)中に溶解しているN-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(PRX-001)(1g、4.64mmol)を滴下添加し、反応混合物を室温で12時間更に撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中70%EtOAc)、反応混合物を水(200mL)でクエンチし、生成物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を、60〜120メッシュのシリカゲルを備えるフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中12%EtOAc)により精製して、I-5を得た(1.14g、75%)。
【0203】
THF及びMeOH(1:1、20mL)の混合物中にI-5(0.85g、2.60mmol)を含む撹拌溶液に、LiOH(0.32g、7.80mmol)水を0℃で加え、反応混合物を1時間撹拌した。反応終了後(石油エーテル中70%EtOAc)、反応混合物を10%水性塩化アンモニウム溶液(100mL)で処理し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を、ジクロロメタン中の2%MeOHを使用する60〜120メッシュのシリカゲルを通すフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、粘着性のオフホワイトの固形物として(PRX-P1-001)を得た(0.57g、70%)。
【0204】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.31 - 7.19 (m, 5H), 4.74 (s, 1H), 4.15 (s, 1H), 3.99 - 3.96 (m, 1H), 3.63 - 3.55 (m, 1H), 3.39 - 3.37 (m, 1H), 3.18 - 3.13 (m, 1H), 2.90 - 2.42 (m, 4H), 1.84 - 1.67 (m, 4H), 1.54 - 1.50 (m, 2H), 1.37 (t, J = 6.7 Hz, 3H).
[M-H]
-= 314.0
【0205】
(実施例4)
PRX-P1-005、PRX-P1-006、PRX-P1-012、及びPRX-P1-013向けの一般合成手順
【0206】
【化15】
【0207】
工程1:DMF(5容量)中にN-Boc保護アミノ酸(1.2eq)を含む溶液にHATU(1.5eq)、Et
3N(2eq)を加え、反応混合物を20分間撹拌した。次いで、DMF(5容量)中のPRX-002(+)異性体又は(-)異性体(1eq)を滴下添加し、反応を室温で12時間継続した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中40%EtOAc)、反応生成物を氷冷水(20容量)で処理し、生成物を酢酸エチル(2×10容量)で抽出した。合わせた有機層を、3%クエン酸溶液(2×10容量)、飽和NaHCO
3溶液(2×10容量)及びブライン溶液(1容量)で洗浄した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用することにより精製して、中間体I-6を得た。
【0208】
工程2:DCM(5容量)中にI-6(1eq)を含む溶液に、TFA(1容量)を0〜5℃で滴下添加し、添加終了後、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:n-ヘキサン中80%EtOAc)、溶媒を減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を、不純物を取り除くために、n-ヘキサン(2×20容量)で洗浄した。次いで、これを酢酸エチル(2×20容量)に溶解させ、飽和NaHCO
3溶液(20容量)で中和し、ブライン溶液(20容量)で洗浄した。分離後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、化合物PRX-P1-005、PRX-P1-006、PRX-P1-012、及びPRX-P1-013を含めて、アミノ酸結合プロドラッグを得た。
【0209】
(実施例5)
PRX-P1-006
N-バリル-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-エチル-3-メチル-N-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ブタンアミドとしても知られている)
【0210】
【化16】
【0211】
PRX-001(±)異性体、(500mg、2.32mmol)と(S)-2-(Boc-アミノ)-3-メチル酪酸(504mg、2.32mmol)とを用いる上の実施例4に記載の一般手順を使用することにより、茶色がかった液体として生成物(PRX-P1-006)を得た(460mg、64%収率)。
【0212】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.18 (m, 5H), 4.80 - 4.78 (m, 1H), 4.51(s, 1H), 4.14 (s, 1H), 3.61 - 3.31 (m, 1H), 3.09 - 3.08 (m, 1H), 2.97 - 2.91 (m, 1H), 2.50 - 2.41 (m, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.71 - 2.66 (m, 1H), 2.44 - 2.28 (m, 2H), 1.66 - 1.61 (m, 2H), 1.42 - 1.36 (m, 1H), 1.26 - 1.19 (m, 6H), 1.01 (t, J =. 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ = 315.4
【0213】
(実施例6)
PRX-P1-005
N-リジル-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2,6-ジアミノ-N-エチル-N-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ヘキサンアミドとしても知られている)
【0214】
【化17】
【0215】
PRX-002(-)異性体、(200mg、0.92mmol)と(S)-2,6-bis-tert-ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸(386mg、1.11mmol)とを用いる上の実施例4に記載の一般手順を使用することにより、淡黄色液体として生成物(PRX-P1-005)を得た(160mg、160mg%収率)。
【0216】
1H-NMR (DMSO, 400 MHz) δ 8.34 (s, 2H), 7.33 - 7.18 (m, 5H), 4.60 (s, 1H), 4.38 (s, 1H), 4.06 (s, 1H), 3.82 - 3.78 (m, 1H), 3.64 - 3.35 (m, 4H), 3.33 - 3.29 (m, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.71 - 2.66 (m, 1H), 2.44 - 2.28 (m, 2H), 1.66 - 1.61 (m, 2H), 1.50 - 1.45 (m, 2H), 1.42 - 1.36 (m, 2H), 1.26 - 1.19 (m, 2H), 1.01 (t, J = 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ = 344.5
【0217】
(実施例7)
PRX-P1-012
N-グリシル-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(2-アミノ-N-エチル-N-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-アセタミドとしても知られている)
【0218】
【化18】
【0219】
PRX-002(-)異性体、(500mg、2.32mmol)とN-(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(487mg、2.78mmol)とを用いる上の実施例4に記載の一般手順を使用することにより、黄色液体として生成物(PRX-P1-012)を得た(420mg、68%収率)。
【0220】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.38 - 7.25 (m, 4H), 7.23 - 7.11 (m, 1H), 4.58 - 4.57 (m, 1H), 4.42 - 4.40 (m, 1H), 3.32 - 3.21 (m, 1H), 2.93 - 2.92 (m, 1H), 2.32 - 2.31(m, 1H), 1.66 - 1.57 (m, 5H), 1.48 - 1.40 (m, 2H), 1.23 - 1.18 (m, 2H), 1.00 (t, J = 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ = 273.3
【0221】
(実施例8)
PRX-P1-013
N-フェニルアラニル-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-エチル-3-フェニル-N-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-プロピオンアミドとしても知られている)
【0222】
【化19】
【0223】
PRX-002(-)異性体、(0.7g、3.25mmol)とN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニン(1g、3.90mmol)とを用いる上の実施例4に記載の一般手順を使用することにより、黄色液体として生成物(PRX-P1-013)を得た(0.73g、62%収率)。
【0224】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.26 - 6.99 (m, 10 H), 4.80 - 4.78 (m, 1H), 4.67 - 4.56 (m, 1H), 4.05 - 4.00 (m, 1H), 3.61 - 3.11 (m, 2H), 3.09 - 2.80 (m, 5H), 2.50 - 2.41 (m, 2H), 1.66 - 1.61 (m, 1H), 1.42 - 1.36 (m, 1H), 1.26 - 1.19 (m, 1H), 1.01 (t, J =. 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ = 363.1
【0225】
(実施例9)
PRX-P2-001
N-エトキシカルボニル-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(エチルN-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバメートとしても知られている)
【0226】
【化20】
【0227】
DCM(2mL、10容量)中にPRX-001(200mg、0.93mmol)を含む溶液に、Et
3N(0.25mL、1.86mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。5分撹拌した後、クロロギ酸エチル(0.1mL、1.11mmol)を滴下添加し、次いで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中60%EtOAc)、反応混合物を濃縮乾固させ、次いで、酢酸エチル(50mL)に溶解させ、水(2×20mL)で、及びブライン溶液(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、溶離液としてヘキサン中10〜12%EtOAcを使用してシリカ(60〜120)メッシュを備えるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色液体として生成物(PRX-P2-001)を得た(106mg、40%)。
【0228】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.17 (m, 1H), 4.39 - 4.37 (m, 1H), 4.19 - 4.09 (m, 2H), 3.69 - 3.56 (m, 1H), 3.25 - 3.17 (m, 1H), 2.86 - 2.85 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.60 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 1.77 - 1.63 (m, 2H), 1.54 - 1.43 (m, 3H) 1.29 - 1.23 (m, 4H), 1.10 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
[M+ H]
+ = 288.4
【0229】
(実施例10)
PRX-P3-002及びPRX-P3-004向けの一般合成手順
【0230】
【化21】
【0231】
工程1:0℃にあるTHF(5容量)中にトリホスゲン(0.5eq)を含む撹拌溶液にTHF(5容量)中にフェノール誘導体(1eq)及びDIPEA(1eq)を含む溶液を滴下添加し、反応混合物を室温で12時間維持した。反応終了後(TLC溶離液:ヘキサン中10%EtOAc)、反応混合物を水(20容量)で処理し、生成物をEtOAc((2×20容量)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗中間体I-7を得て、これを次の工程へと進めた。
【0232】
工程2.乾燥THF(5容量)中に(-)-PRX-002(1eq)を含む撹拌溶液にDMAP(0.1eq)及びEt
3N(2eq)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、THF(5容量)中にI-7(2eq)を含む溶液を滴下添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌し、TLCをモニタリングした(溶離液:ヘキサン中5%EtOAc)。次いで、反応混合物を水(20容量)で処理しEtOAc(2×30容量)で抽出した。有機層をブライン(20容量)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を、分取HPLC法により精製して、化合物PRX-P3-002及びPRX-P3-004を含めて、アリールカルバメートが連結されたプロドラッグを得た。本実施例に関して、Rとは、記載の化合物PRX-P3-002及びPRX-P3-004に対する原子を示す。
【0233】
(実施例11)
(PRX-P3-002)
N-(5-イソプロピル-2-メチルフェノキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(5-イソプロピル-2-メチルフェニルN-エチル-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバメートとしても知られている)
【0234】
【化22】
【0235】
PRX-002(-)異性体、(250mg、1.17mmol)とカルバクロール(400mg、2.66mmol)とを用いる上の実施例10に記載の一般手順を使用することにより、無色液体として生成物(PRX-P3-002)を得た(337mg、75%収率)。
【0236】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.34 - 7.30 (m, 4H), 7.24 - 7.21 (m, 1H), 7.13 - 7.11 (d, , J = 8 Hz, 1H), 6.99 - 6.96 (m, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.49 (s, 1H), 3.76 - 3.71 (m, 1H), 3.40 - 3.35 (m, 1H), 2.99 (s, 1H), 2.90 - 2.84 (m, 1H), 2.74 (s, 1H), 2.48 (s, 1H), 2.14 (s, 3H), 1.81 - 1.70 (m, 3H), 1.60 - 1.52 (m, 2H), 1.31 - 1.19 (m, 10H).
[M+ H]
+ = 392.2
【0237】
(実施例12)
PRX-P3-004
N-(2-イソプロピル-5-メチルフェノキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(2-イソプロピル-5-メチルフェニルN-エチル-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバメートとしても知られている)
【0238】
【化23】
【0239】
PRX-002(-)異性体、(250mg、1.17mmol)とチモール(400mg、2.66mmol)とを用いる上の実施例10に記載の一般手順を使用することにより、透明液体として生成物(PRX-P3-004)を得た(351mg、78%収率)。
【0240】
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.34 - 7.33 (m, 4H), 7.23 - 7.22 (m, 1H), 7.17 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.49 (s, 1H), 3.75 - 3.70 (m, 1H), 3.38 (s, 2H), 3.00 (s, 2H), 2.71 (s, 1H), 2.49 (s, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.81 - 1.70 (m, 3H), 1.56 - 1.55 (m, 1H), 1.31 - 1.17 (m, 10H).
[M+ H]
+ = 392.2
【0241】
(実施例13)
PRX-P4-002、PRX-P4-005、及びPRX-P4-004向けの一般合成手順
【0242】
【化24】
【0243】
工程1:アルゴン雰囲気中にある、ジクロロメタン(10容量)中にN-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(PRX-002)(1eq)を含む溶液に、トリエチルアミン(2eq)を室温で滴下添加し、混合物を5分間撹拌した。次いで、クロロギ酸クロロメチル(1.5eq)を0〜5℃で滴下導入し、反応混合物を室温で30分間更に撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中20%EtOAc)、反応混合物を水中(20容量)でクエンチし、ジクロロメタン(2×20容量)で抽出した。合わせた有機層を水(2×20容量)で、ブライン溶液(20×1容量)で洗浄し、ろ過し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、濃厚な茶色液体としてN-(クロロメトキシカルボニル)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(I-8)を得たが、これは更なる精製をせずに次の工程で使用した。
【0244】
工程2:DMF(10容量)中にN-(クロロメトキシカルボニル)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバミン酸クロロメチルエステルとしても知られている)(I-8)(1eq)を含む溶液に、乾燥Cs
2CO
3(2eq)と、酸性(R-COOH)(2eq)と、KI(0.2eq)とを室温で加えた。反応混合物を100〜105℃に加熱し、4時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:n-ヘキサン中10%EtOAc)、反応混合物を水中(20容量)でクエンチし、酢酸エチル(2×20容量)で抽出した。合わせた有機層を水(2×10容量)で、ブライン溶液(10容量)で洗浄し、ろ過し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー又は分取HPLCにより精製して、PRX-P4-002、PRX-P4-005、及びPRX-P4-004を含めて、PRX-002のアシルオキシメトキシカルボニルプロドラッグを得た。本実施例に関して、Rとは、記載の化合物PRX-P4-002、PRX-P4-005、及びPRX-P4-004に対する原子を示す。
【0245】
(実施例14)
PRX-P4-001
N-(アセトキシメトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(((N-エチル-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチルアセテートとしても知られている)
【0246】
【化25】
【0247】
PRX-002(-)異性体、(200mg、0.92mmol)と酢酸ナトリウム(160mg、1.9493mmol)とを用いる上の実施例14に記載の一般手順を使用することにより、無色液体として生成物(PRX-P4-001)を得た(132mg、44%収率)。
【0248】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.31 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.21 (m, 1H), 5.80 (dd, J = 5.6 & 11.6 Hz, 1H), 4.39 - 4.37 (m, 1H), 3.59 (brs, 1H), 3.27 - 3.18 (m, 1H), 2.89 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.43 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.75 - 1.70 (m, 2H), 1.61 - 1.59 (m, 1H), 1.55 - 1.45 (m, 3H), 1.28 - 1.25 (m, 1H), 1.10 (t, J= 6.8 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 354.20
【0249】
(実施例15)
PRX-P4-002
N-(デカノイルオキシメトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((N-エチル-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチルデカノエート(-)異性体としても知られている)
【0250】
【化26】
【0251】
PRX-002(-)異性体、(1.5g、6.96mmol)とデカン酸(1.76g、10.23mmol)とを用いる上の実施例14に記載の一般手順を使用することにより、濃厚な透明液体として生成物(PRX-P4-002)を得た(1.23g、40%収率)。
【0252】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 5.87 (dd, J = 5.6 & 10.8 Hz, 1H), 4.38 - 4.35 (m, 1H), 3.59 (brs, 1H), 3.27 - 3.17 (m, 1H), 2.89 - 2.88 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.43 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.37 - 2.32 (m, 2H), 1.78 - 1.71 (m, 2H), 1.70 - 1.58 (m, 3H), 1.57 - 1.42 (m, 1H), 1.29 - 1.25 (m, 15H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.4 Hz, 3H).
[M+ Na]
+ = 466.30
【0253】
(実施例16)
化合物15(PRX-P4-003)
N-(オクタデカノイルオキシメトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((N-エチル-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチルオクタデカノエートとしても知られている)
【0254】
【化27】
【0255】
PRX-002(-)異性体、(5g、23.21mmol)とオクタデカン酸(9.7g、34.11mmol)とを用いる上の実施例14に記載の一般手順を使用することにより、無色液体として生成物(PRX-P4-003)を得た(4.9g、38%収率)。
【0256】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.31 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 5.80 (dd, J = 5.6 & 10.8 Hz, 1H), 4.38 - 4.36 (m, 1H), 3.59 (brs, 1H), 3.26 - 3.18 (m, 1H), 2.90 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.43(d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.36 - 2.32 (m, 2H), 1.75 - 1.71 (m, 2H), 1.63 - 1.50 (m, 5H), 1.30 - 1.25 (m, 30H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.4 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 578.4
【0257】
(実施例17)
PRX-P4-004
N-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシメトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((Z)-オクタデカ-9-エン酸[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)カルバモイルオキシ]-メチルエステルとしても知られている)
【0258】
【化28】
【0259】
PRX-002(-)異性体、(1g、4.64mmol)とオレイン酸(2.56g、9.09mmol)とを用いる上の実施例14に記載の一般手順を使用することにより、無色液体として生成物(PRX-P4-004)を得た(0.91g、30%収率)。
【0260】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 5.80 (dd, J = 5.6 & 10.8 Hz, 2H), 5.39 - 5.30 (m, 2H), 4.38 - 4.37 (m, 1H), 3.59 (brs, 1H), 3.26 - 3.17 (m, 1H), 2.90 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.43 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.34 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.01 - 1.98 (m, 3H), 1.78 - 1.74 (m, 2H), 1.63 - 1.51 (m, 4H), 1.28 - 1.25 (m, 23 H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
[M+ H]
+ = 554.4
【0261】
(実施例18)
PRX-P5-001〜PRX-P5-011向けの一般合成手順
【0262】
【化29】
【0263】
工程1:アルゴン雰囲気中にある、DCM(10容量)中にN-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン、PRX-002(+)異性体又は(-)異性体、(1eq)を含む溶液に、トリエチルアミン(2eq)を室温で滴下添加した。5分間撹拌の後、クロロギ酸1-クロロエチル(2)(1.5eq)を0〜5℃で滴下添加し、反応混合物を室温で30分間更に撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中20%EtOAc)、反応混合物を水中(20容量)でクエンチし、DCM(2×20容量)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、濃厚な茶色液体としてN-(1-クロロエトキシカルボニル)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(I-9)を得たが、これを精製せずに次の工程へと進めた。
【0264】
工程2:DMF(10容量)中に中間体I-9(1eq)を含む溶液に、乾燥Cs
2CO
3(2eq)と、脂肪酸(R-COOH)(2eq)と、KI(0.2eq)とを室温で加え、反応混合物を100〜105℃で加熱し、4時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:n-ヘキサン中10%EtOAc)、反応混合物を水中(20容量)でクエンチし、酢酸エチル(2×20容量)で抽出した。合わせた有機層を水(2×10容量)で、ブライン溶液(10容量)で洗浄し、更に無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー/分取HPLCのいずれかにより精製して、化合物PRX-P5-001〜PRX-P5-011を含めて、1-アシルオキシエトキシカルボニルプロドラッグを得た。
【0265】
(実施例19)
PRX-P5-001
N-(1-アセトキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0266】
【化30】
【0267】
PRX-002(-)異性体、(200mg、0.92mmol)と酢酸ナトリウム(152mg、1.86mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより、淡黄色液体として生成物(PRX-P5-001)を得た(89mg、28%収率)。
【0268】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.23 - 7.19 (m, 1H), 6.87 (q, 1H), 4.35 - 4.33 (m, 1H), 3.59 - 3.56 (m, 1H), 3.25 - 3.18 (m, 1H), 2.88 - 2.87 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.62 (s, 1H), 2.44 - 2.42 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.75 - 1.69 (m, 2H), 1.61 - 1.55 (m, 7H), 1.10 (t, J= 7.2 Hz, 3H).
[M+ Na]
+ = 368.2
【0269】
(実施例20)
PRX-P5-002
N-(1-デカノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(デカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0270】
【化31】
【0271】
PRX-002(-)異性体、(300mg、1.39mmol)とデカン酸(482mg、2.80mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより、淡黄色液体として生成物(PRX-P5-002)を得た(242mg、38%収率)。
【0272】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 - 6.83 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.35 - 4.32 (m, 1H), 3.58 - 3.54 (m, 1H), 3.25 - 3.18 (m, 1H), 2.89 - 2.88 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 1.75 - 1.68 (m, 2H), 1.64 - 1.59 (m, 4H), 1.56 - 1.42 (m, 5H), 1.34 - 1.26 (m, 10H), 1.10 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (m, 5H)
[M+ Na]
+ = 480.3
【0273】
(実施例21)
PRX-P5-003
N-(1-ブタノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(酪酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0274】
【化32】
【0275】
PRX-002(-)異性体、(330mg、1.55mmol)と酪酸(274mg、3.10mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより、黄色液体として生成物(PRX-P5-003)を得た(240mg、42%収率)。
【0276】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.35 - 7.27 (m, 4H), 7.24 - 7.18 (m, 1H), 6.88 (q, 1H), 4.35 (s, 1H), 3.67 - 3.40 (m, 1H), 3.39 - 3.06 (m, 1H), 2.89 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 1.75 - 1.47 (m, 9H), 1.34 - 1.24 (m, 2H), 1.10 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, 3H)
[M+ Na]
+ = 396.4
【0277】
(実施例22)
PRX-P5-004
N-(1-オクタノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(オクタン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0278】
【化33】
【0279】
PRX-002(-)異性体、(330mg、1.55mmol)とオクタン酸(447mg、3.10mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより、黄色液体として生成物(PRX-P5-004)を得た(184mg、28%収率)。
【0280】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 - 6.83 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.57 - 3.56 (m, 1H), 3.24 - 3.17 (m, 1H), 2.89 (d, J = 8 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 1.75 - 1.68 (m, 4H), 1.53 - 1.45 (m, 4H), 1.28 - 1.26 (m, 11H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.89 (t, 3H)
[M+ Na]
+ = 452.60
【0281】
(実施例23)
PRX-P5-005
N-(1-ドデカノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(ドデカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0282】
【化34】
【0283】
PRX-002(-)異性体、(330mg、1.55mmol)とドデカン酸(622mg、3.10mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより、黄色液体として生成物(PRX-P5-005)を得た(300mg、40%収率)。
【0284】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.20 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.35 - 4.33 (m, 1H), 3.23 - 3.21 (m, 1H), 2.89 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 1.87 - 1.78 (m, 2H), 1.67 - 1.55 (m, 8H), 1.54 - 1.52 (m, 5H), 1.35-1.30 (m, 10H), 1.29 (t, 3H), 0.90 - 0.89 (m, 6H)
[M+ Na]
+ = 508.6
【0285】
(実施例24)
PRX-P5-006
N-(1-オクタデカノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(オクタデカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0286】
【化35】
【0287】
PRX-002(-)異性体、(5g、23.22mmol)とオクタデカン酸(13.27g、46.68mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより淡黄色液体として生成物(PRX-P5-006)を得た(5.82g、44%収率)。
【0288】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 6 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.26 - 3.18 (m, 1H), 2.89 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 (S, 1H), 2.33 - 2.27 (m, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.64 - 1.56 (m, 4H), 1.54 - 1.47 (m, 5H), 1.42 - 1.26 (m, 23H), 1.13 - 1.06 (m, 5H), 0.90 - 0.84 (m, 6H)
[M+ Na]
+ = 592.70
【0289】
(実施例25)
PRX-P5-007
N-(1-(2,2-ジメチルプロピオニルオキシ)エトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(2,2-ジメチル-プロピオン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0290】
【化36】
【0291】
PRX-002(-)異性体、(330mg、1.55mmol)とピバル酸(317mg、3.11mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P5-007)を得た(236mg、40%収率)。
【0292】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.32 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.17 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.35 - 4.31 (m, 1H), 3.61 - 3.54 (m, 1H), 3.25 - 3.16 (m, 1H), 2.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.60 (s, 1H), 2.47 - 2.46 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 1.78 - 1.60 (m, 3H), 1.55 - 1.44 ( m, 4H), 1.26 - 1.24 (m, 2H), 1.20 - 1.18 (s, 9H), 1.10 - 1.06 (m, 3H)
[M+ Na]
+ = 410.2
【0293】
(実施例26)
PRX-P5-008
N-(1-(Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((Z)-オクタデカ-9-エン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0294】
【化37】
【0295】
PRX-002(-)異性体、(0.6g、2.79mmol)とオレイン酸(1.58g、5.60mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P5-008)を得た(0.55g、35%収率)。
【0296】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 5.36 - 5.33 (m, 2H), 4.35 - 4.32 (m, 1H), 3.59 - 3.55 (m, 1H), 3.24 - 3.18 (m, 1H), 2.89 - 2.88 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 2.01 - 1.98 (m, 4H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.61 - 1.57 (m, 3H), 1.54 - 1.51 (m, 2H), 1.29 - 1.24 (m, 24H), 1.09 (s, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 590.3
【0297】
(実施例27)
PRX-P5-009
N-(1-テトラデカノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(テトラデカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0298】
【化38】
【0299】
PRX-002(-)異性体、(330mg、1.55mmol)とテトラデカン酸(690mg、3.06mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P5-009)を得た(310mg、40%収率)。
【0300】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.32 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.35 - 4.32 (m, 1H), 3.59 - 3.56 (m, 1H), 3.24 - 3.18 (m, 1H), 2.89 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 (d, J = 4 Hz, 1H), 2.32 - 2.25 (m, 2H), 1.75 - 1.60 (m, 2H), 1.55 - 1.47 (m, 4H), 1.34 - 1.25 (m, 25H), 1.10 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 536.3
【0301】
(実施例28)
PRX-P5-010
N-(1-ヘキサデカノイルオキシエトキシカルボニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(ヘキサデカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0302】
【化39】
【0303】
PRX-002(-)異性体、(0.6g、2.79mmol)とヘキサデカン酸(1.43g、5.60mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P5-010)を得た(0.6g、40%収率)。
【0304】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.35 - 4.32 (m, 1H), 3.59 - 3.56 (m, 1H), 3.28 - 3.16 (m, 1H), 2.89 - 2.87 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.34 - 2.28 (m, 2H), 1.75 - 1.68 (m, 2H), 1.64 - 1.58 (m, 1H), 1.54 - 1.47 (m, 4H), 1.34 - 1.26 (m, 28H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 564.3
【0305】
(実施例29)
PRX-P5-011
N-(1-オクタデカノイルオキシエトキシカルボニル)-(+)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(オクタデカン酸1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイルオキシ]-エチルエステルとしても知られている)
【0306】
【化40】
【0307】
PRX-002(+)異性体、(5g、23.22mmol)とオクタデカン酸(13.27g、46.68mmol)とを用いる上の実施例18に記載の一般手順を使用することにより淡黄色液体として生成物(PRX-P5-011)を得た(5.82g、44%収率)。
【0308】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.33 - 7.28 (m, 4H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 6.87 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.24 - 3.18 (m, 1H), 2.89 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 2.61 (s, 1H), 2.44 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.27 (m, 2H), 1.75 - 1.68 (m, 2H), 1.64 - 1.58 (m, 2H), 1.54 - 1.51 (m, 1H), 1.50 - 1.47 (m, 3H), 1.32 - 1.25 (m, 31H), 1.09 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
[M+ Na]
+ = 592.30
【0309】
(実施例30)
PRX-P6-001〜PRX-P6-007向けの一般合成手順
【0310】
【化41】
【0311】
工程1:DMF(5容量)中にBoc-A1(1.2eq)を含む溶液にHATU(1.5eq)、Et
3N(2eq)を加え、反応物を20分間撹拌した。次いで、DMF(5容量)中にPRX-002(1eq)を含む溶液を滴下導入し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中40%EtOAc)、反応物を氷冷水(20容量)でクエンチし、酢酸エチル(2×10容量)で抽出した。合わせた有機層を、3%クエン酸溶液(2×10容量)、飽和NaHCO
3溶液(2×10容量)及びブライン溶液(20容量)で洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、中間体I-10を得た。
【0312】
工程2:DCM(5容量)中に中間体I-10(1eq)を含む溶液に、TFA(15容量)を0〜5℃で滴下添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中80%EtOAc)、反応混合物を減圧下で濃縮して、TFAを除去した。このようにして得られた残留物をヘキサンで洗浄し、濃厚で茶色がかった液体を得たが、これを酢酸エチル(2×20容量)に溶解させ、次いで、飽和NaHCO
3水溶液(20容量)で洗浄し、ブライン(20容量)で洗浄した。合わせたEtOAc有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粘着性の茶色がかった半固形塊として中間体I-11を得た。
【0313】
工程3:DMF(5容量)中に中間体Boc-A
2(1.2eq)を含む溶液にHATU(1.5eq)、Et
3N(2eq)を加え、混合物を20分間撹拌した。次いで、DMF(5容量)中にI-11(1eq)を含む溶液を滴下添加し、反応を室温で12時間撹拌しながら維持した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中40%EtOAc)、反応物を氷冷水(20容量)でクエンチし、酢酸エチル(2×10容量)で抽出した。合わせた有機層を、3%クエン酸水溶液(2×10容量)、飽和NaHCO
3溶液(2×10容量)及びブライン溶液(20容量)で洗浄し無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、中間体I-12を得た。
【0314】
工程4:DCM(5容量)中に中間体I-12(1eq)を含む溶液に、TFA(15容量)を0〜5℃で滴下添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中80%EtOAc)、反応混合物を減圧下で濃縮して、TFAを除去し、次いで、残留物をヘキサンで洗浄して不純物を除去した。このようにして得られた濃厚で液体の茶色がかった残留物を、酢酸エチル(2×20容量)に溶解させ、次いで、飽和NaHCO
3水溶液(20容量)を使用して中和し、ブライン溶液(20容量)で洗浄した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粘着性でゴム性の茶色がかった塊として、PRX-P6-001〜PRX-P6-007を含めて、ジペプチドが連結されたプロドラッグを得た。本実施例に関して、Rとは、記載の化合物PRX-P6-001〜PRX-P6-007に対する原子を示す。
【0315】
(実施例31)
PRX-P6-001
N-(グリシル-グリシル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(2-(2-アミノアセタミド)-N-エチル-N-(3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)アセタミドとしても知られている)
【0316】
【化42】
【0317】
PRX-002(-)異性体、(500mg)とBoc-グリシン(820mg)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することによりオフホワイトの固形物として生成物(PRX-P6-001)を得た(450mg、60%収率)。
【0318】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 8.03 (s, 1H), 7.30 - 7.21 (m, 5H), 4.71 (s, 1H), 4.23 - 3.97 (m, 3H), 3.49 - 3.19 (m, 2H), 2.90 (s, 1H), 2.58 - 2.41(m, 2H ), 1.81 (m, 4H), 1.54 - 1.50 (m,3H), 1.26 (s, J = 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ = 330.50
【0319】
(実施例32)
PRX-P6-002
N-(バニル-D-バニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-{(R)-1-[エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-2-メチル-プロピル}-3-メチル-ブチルアミドとしても知られている)
【0320】
【化43】
【0321】
PRX-002(-)異性体、(500mg)とBoc-D-バリン(269mg)とBoc-L-バリン(353mg)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することによりオフホワイトの固形物として生成物(PRX-P6-002)を得た(337mg、35%収率)。
【0322】
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.54 - 7.48 (m, 2H), 7.32 - 7.27 (m, 5H), 7.25 - 7.18 (m, 1H), 4.85 - 4.77 (m, 3H), 4.31 - 4.28 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 4.06 - 4.01 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.43 - 3.37 (m, 1H), 3.13 - 3.09 (m, 1H), 2.72 (s, 1H), 1.95 - 1.92 (J = 10.8 Hz, 1H), 1.60 - 1.47 (m, 2H), 1.25 - 1.22 (dd, J
= 1.2 Hz & 10.4 Hz, 2H), 1.19 - 1.12 (m, 2H), 1.01 (s, 3H), 0.82 (d, 6H), 0.72 (d, J = 6.8 Hz, 6H)
[M+H]
+ = 414.2
【0323】
(実施例33)
PRX-P6-003
N-(グリシル-アラニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-(2-アミノ-アセチルアミノ)-N-エチル-N-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-プロピオンアミドとしても知られている)
【0324】
【化44】
【0325】
PRX-002(-)異性体、(500mg)とBoc-L-アラニン(269mg)とBoc-グリシン(292mg)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することにより淡黄色液体として生成物(PRX-P6-003)を得た(344mg、44%収率)。
【0326】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.92 (t, 2H), 7.70 (d, J = 5.8 Hz,1H), 7.34 - 7.27 (m, 3H), 7.24 - 7.18 (m, 2H), 4.97 - 4.89 (m, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.30 (s, 1H), 4.12 - 4.11 (m, 1H), 4.04 - 3.99 (m, 1H), 3.80 - 3.65 (m, 1H), 3.59 - 3.57 (m, 1H), 3.43 - 3.39 (m, 1H), 3.36 - 3.35 (m, 2H), 3.30 - 3.21 (m, 1H), 3.03 - 3.01 (d, J = 6 Hz, 1H), 2.73 (s, 1H), 2.57 - 2.42 (m, 2H), 1.30 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 1.03 (s, J = 5.6 Hz, 3H)
[M+H]
+ 344.47, 実測値344.1
【0327】
(実施例34)PRX-P6-004
N-(バリル-バリル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-{(S)-1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-2-メチル-プロピル}-3-メチル-ブチルアミドとしても知られている)
【0328】
【化45】
【0329】
PRX-002(-)異性体、(500mg)とBoc-L-バリン(987mg)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することによりオフホワイトの固形物として生成物(PRX-P6-004)を得た(386mg、40%収率)。
【0330】
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.90 - 7.83 (m, 1H), 7.34 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.19 (m, 1H), 4.85 - 4.77 (m, 3H), 4.31 - 4.28 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 4.06 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.43 - 3.37 (m, 1H), 3.13 - 3.09 (m, 1H), 2.72 (s, 1H), 1.95 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 1.60 - 1.47 (m, 2H), 1.25 (dd, J
= 1.2 Hz & 10.4 Hz, 2H), 1.19 - 1.12 (m, 2H), 1.01 (s, 3H), 0.82 (d, 6H), 0.72 (d, J = 6.8 Hz, 6H)
[M+H]
+ = 414.2
【0331】
(実施例35)
PRX-P6-005
N-(フェニルアラニル-フェニルアラニル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-{(S)-1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-2-フェニル-エチル}-3-フェニル-プロピオンアミドとしても知られている)
【0332】
【化46】
【0333】
PRX-002(-)異性体、(0.7g)とBoc-L-フェニルアラニン(1.643g)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P6-005)を得た(0.594g、36%収率)。
【0334】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.90 - 7.83 (m, 3H), 7.33 - 7.27 (m, 4H), 7.24 - 7.10 (m, 11H), 5.17 - 5.00 (m, 1H), 4.76 - 4.37 (m, 1H), 3.74 - 3.68 (m, 1H), 3.61 - 3.55 (m, 1H), 3.20 - 3.10 (m, 2H), 3.08 - 2.98 (m, 2H), 2.90 - 2.78 (m, 2H), 2.74 - 2.50 (m, 2H), 2.45 - 2.30 (m, 1H),1.56 - 1.42 (m, 2H), 1.32 - 1.18 - 1.16 (m, 2H), 1.15 (s, J = 5.7 Hz, 3H), 0.85 - 0.77 (m,1H)
[M+H]
+ = 510.3
【0335】
(実施例36)
PRX-P6-006
N-(アラニル-グリシル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-{[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-メチル}-プロピオンアミドとしても知られている)
【0336】
【化47】
【0337】
PRX-002(-)異性体、(500mg)とBoc-L-アラニン(283mg)とBoc-グリシン(488mg)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することにより黄色液体として生成物(PRX-P6-006)を得た(305mg、38%収率)。
【0338】
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 8.07 - 8.05 (m, 1H), 7.33 - 7.29 (m, 3H), 7.27 - 7.21 (m, 3H), 4.71 (s, 1H), 4.20 - 3.91 (m, 4H), 3.66 (s, 1H), 3.35 (s, 1H), 3.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 2.91 (s, 1H), 2.81 - 2.75 (m, 1H), 2.57 - 2.42 (m, 1H), 2.22 - 2.01 (m, 2H), 1.82 - 1.64 (m, 2H), 1.39 - 1.30 (m, 1H), 1.28 - 1.10 (m, 6H)
[M+H]
+ = 344.2
【0339】
(実施例37)
PRX-P6-011
N-(バリル-バリル)-(+)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2-アミノ-N-{(S)-1-[N-エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-2-メチル-プロピル}-3-メチル-ブチルアミドとしても知られている)
【0340】
【化48】
【0341】
PRX-002(+)異性体、(4g)とBoc-L-バリン(7.9g)とを用いる上の実施例30に記載の一般手順を使用することにより、無色半固形体として生成物(PRX-P6-011)を得た(3g、39%収率)。
【0342】
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.90 - 7.83 (m, 1H), 7.34 - 7.27 (m, 4H), 7.22 - 7.19 (m, 1H), 4.85 - 4.77 (m, 3H), 4.31 - 4.28 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 4.06 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.43 - 3.37 (m, 1H), 3.13 - 3.09 (m, 1H), 2.72 (s, 1H), 1.95 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 1.60 - 1.47 (m, 2H), 1.25 (dd, J
= 1.2 Hz & 10.4 Hz, 2H), 1.19 - 1.12 (m, 2H), 1.01 (s, 3H), 0.82 (d, 6H), 0.72 (d, J = 6.8 Hz, 6H)
[M+H]
+ = 414.2
【0343】
(実施例38)
PRX-P6-007
N-(N6-リジル-リジル)-(-)-N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン((S)-2,6-ジアミノ-ヘキサン酸{(S)-5-アミノ-5-[エチル-(3-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-カルバモイル]-ペンチル}-アミドとしても知られている)
【0344】
【化49】
【0345】
【化50】
【0346】
工程1:DMF(7mL)中にBoc-Lys(Z)-OH(1.27g)を含む溶液にHATU(1.6g)、Et
3N(0.65mL)を加えた。20分間撹拌後、DMF(3mL)中のPRX-002(-)異性体(0.6g)を滴下導入し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中40%EtOAc)、反応物を氷冷水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×70mL)で抽出した。合わせた有機層を、3%クエン酸溶液(2×50mL)、飽和NaHCO
3溶液(2×50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、中間体I-13を得た。
【0347】
工程2:メタノール(50mL)中にI-13(1.3g)を含む溶液に、10%Pd/C(1.3g、100%w/w)を加え、混合物をParrシェーカー中でH
2(60psi)中で8時間維持した。反応終了後(TLC溶離液:DCM中10%MeOH)、反応混合物をセライトベッドを通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、濃厚で淡黄色の液体として中間体I-14を得た。
【0348】
工程3:DMF(7mL)中にBoc-Lys(Z)-OH(0.87g)を含む溶液にHATU(1.09g)、Et
3N(0.6mL)を加えた。20分間撹拌後、DMF(3mL)中にI-14(0.85g)を含む溶液を滴下導入し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:石油エーテル中40%EtOAc)、反応物を氷冷水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×70mL)で抽出した。合わせた有機層を、3%クエン酸溶液(2×50mL)、飽和NaHCO
3溶液(2×50mL)及びブライン溶液(50mL)で洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、中間体I-15を得た。
【0349】
工程4:DCM(15mL)中にI-15(1.5g)を含む溶液に、TFA(20mL)を0〜5℃で滴下添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後(TLC溶離液:DCM中10%MeOH)、TFAを除去するために反応混合物を減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を不純物を除去するためにヘキサンで洗浄し、濃厚で液体の茶色がかった塊を得たが、これを酢酸エチル(50mL)に更に溶解させ、飽和NaHCO
3水用液(30mL)を使用して中和し、ブライン溶液(30mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粘着性でゴム性の茶色がかった塊として、中間体I-16を得た。
【0350】
工程5:メタノール(50mL)中にI-16(0.78g)を含む溶液に、10%Pd/C(0.78g、100%w/w)を加え、混合物をParrシェーカー中で60psiのH
2圧力下で8時間維持した。反応終了後(TLC溶離液:DCM中10%MeOH)、混合物をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、分取HPLCを使用することにより精製して、濃厚で淡黄色の液体として生成物(PRX-P6-007)を得た(0.4g、30%収率)。
【0351】
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 8.49 (s, 1H) 7.78 - 7.65 (m, 1H), 7.35 - 7.17 (m, 5H), 4.38 - 4.32 (m, 1H), 3.45 - 3.25 (m, 3H), 3.20 - 3.12 (m, 6H), 2.52 - 2.45 (m, 3H), 2.35 - 2.31 (m, 4H), 1.87 - 1.20 (m, 18H), 1.01 (s, 3H)
[M+H]
+ = 472.30
【0352】
(実施例39)
N-エチル-3-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミンのコンジュゲートの薬物動態(PK)プロファイル
PRX-002(-)異性体又は(+)異性体のプロドラッグに関するPK結果をここに示す。プロドラッグの全ての用量に関して、雄Sprague-Dawley(MSD)ラットにおいて、経口試験についてはPRX-002(-)又は(+)を5mg/kgと同等になるように、静脈内試験についてはPRX-002(-)又は(+)を2mg/kgと同等になるように、投与した。一部の試験では、最大で10又は15mg/kgまでの高めの用量[ここでもPRX-002(-)と同等になるように]を使用した(特定されている通り)。製剤の調製、用量投与及び試料採取の時間については以下の通りである。
【0353】
経口製剤の調製:被試験物質を秤量し[プロドラッグに対して5mg等価用量のPRX-002]、目盛管に移した。次いで、Tween80 10μLを添加し、被試験物質が完全に混合するまでボルテックス混合した。次いで、均質な懸濁液が得られるまで、連続してボルテックス混合しながら0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水溶液の少容量を滴下添加した。次いで、最終強度を0.5mg/mLとして0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水を使用して最終容量を10mLとした。得られた製剤は均質な懸濁液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0354】
経口用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量5mg/kg体重で投与容量10mL/kg体重で経口経路により、飢餓動物に被試験物質を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0355】
血液は、Table 39.1(経口)(表2)に概説した通りに採取した。
【0356】
【表2】
【0357】
IV製剤の調製:被試験物質を秤量し[2mg/kgのPRX-002用量に同等である]、目盛管に移した。次いで、PEG400(v/v)500μLを添加し、被試験物質が完全に溶解するまで十分にボルテックス混合した。次いで、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD、50%w/v)1500μLを添加し、十分にボルテックス混合した。次いで、最終製剤強度を0.4mg/mLとして注射用滅菌水(SWFI、v/v)で最終容量を5000μLとした。得られた製剤は透明溶液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0358】
IV用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量2mg/kg体重で投与容量5.0mL/kg体重で静脈内ボーラス経路により、動物に被試験物質を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0359】
血液は、Table 39.2(IV)(表3) に概説した通りに採取した。
【0360】
【表3】
【0361】
PRX-P4-003向けのより高用量経口製剤及び用量の投与[PRX-002(-)の10mg/kg用量等価]
製剤の調製:被試験物質PRX-P4-003を秤量し、目盛管に移した。次いで、Tween80 12.42μLを添加し、被試験物質が完全に混合するまでボルテックス混合した。次いで、均質な懸濁液が得られるまで、連続してボルテックス混合しながら0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水溶液の少容量を滴下添加した。次いで、最終強度を1.0mgA/mLとして0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水を使用して最終容量を12.42mLとした。得られた製剤は均質な懸濁液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0362】
用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量10mg/kg体重で投与容量10mL/kg体重で経口経路により、飢餓動物にPRX-P4-003を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0363】
PRX-P4-003向けのより高用量IV製剤及び投与[PRX-002(-)の10mg/kg用量等価]
製剤の調製[PRX-002(-)10mg/kgのPRX-P4-003用量等価]:被試験物質PRX-P4-003を秤量し、目盛管に移した。次いで、PEG400(v/v)600μLを添加し、被試験物質が完全に溶解するまで十分にボルテックス混合した。次いで、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD、50%w/v)1.800mLを添加し、十分にボルテックス混合した。次いで、最終製剤強度を5.16mgA/mLとして注射用滅菌水(SWFI、v/v)で最終容量を3.600mLとした。得られた製剤はコロイド溶液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0364】
用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量10mg/kg体重で投与容量5mL/kg体重で静脈内ボーラス経路により、動物にPRX-P4-003を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0365】
PRX-P5-006向けのより高用量経口製剤及び用量の投与[PRX-002(-)の15mg/kg用量等価]
製剤の調製:被試験物質PRX-P5-006を秤量し、目盛管に移した。次いで、Tween80 10μLを添加し、被試験物質が完全に混合するまでボルテックス混合した。次いで、均質な懸濁液が得られるまで、連続してボルテックス混合しながら0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水溶液の少容量を滴下添加した。次いで、最終強度を3.97mg/mLとして0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース水を使用して最終容量を10mLとした。得られた製剤は均質な懸濁液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0366】
用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量15mg/kg体重で投与容量10mL/kg体重で経口経路により、飢餓動物にPRX-P5-006を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0367】
PRX-P5-006向けのより高用量IV製剤及び用量の投与[PRX-002(-)の15mg/kg用量等価]
製剤の調製:被試験物質PRX-P5-006を秤量し、目盛管に移した。次いで、DMSO(v/v)500μLを添加し、被試験物質が完全に溶解するまで十分にボルテックス混合した。次いで、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD、50%w/v)4000μLを添加し、十分にボルテックス混合した。次いで、PEG 400(v/v)2500μLを添加し、十分にボルテックス混合した。次いで、最終製剤強度を3.97mg/mLとして注射用滅菌水(SWFI、v/v)で最終容量を10000μLとした。得られた製剤は透明溶液であることが見い出された。このような製剤については、動物への投与前に新たに調製した。
【0368】
用量の投与:8〜10週齢のオスの成熟Sprague-Dawleyラットを試験に使用した。用量15mg/kg体重で投与容量10mL/kg体重で静脈内ボーラス経路により、動物にPRX-P5-006を投与した。下の表に記載の通り、投与後続く24時間の間、弱いイソフルラン麻酔下で、キャピラリーチューブを使用して眼窩後方穿刺法によって、抗凝固剤(K
2EDTA-2mg/mL血液)を含有する予め標識しておいたチューブへと、血液検体を採取した。複数時点での血液サンプリングについては、右眼及び左眼を血液採取に交互に使用した。採取血液検体を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、血漿を分離し、分析するまで-80℃に保存した。
【0369】
PRX-P4-003の単回用量の経口による及び静脈内によるPK試験に関する1組の比較データをTable 39.3(表4)に示す。これに関して更なるデータを
図1に提示する。
【0370】
【表4】
【0371】
図2は、雄Sprague-DawleyラットにおけるPRX-P4-003に関する経口による及びIVによる薬物動態を表すグラフである。グラフは、経口又はIV投与を介して結果として生じるPRX-002(-)異性体の血漿濃度に関する結果を表す。見れば分かるように、経口投与によれば、活性/親薬物(ここではPRX-002(-)異性体)に対して所望の血漿濃度がもたらされ、一方、IV投与によれば、プロドラッグ形態から活性形態へと転換されるPRX-P4-003のいずれかの最低量がもたらされる。結果がTable 39.4(表5)及びTable39.5(表6)に上に概説されている。
【0372】
【表5】
【0373】
【表6】
【0374】
図3は、PRX-P4-003(2mg/kg及び10mg/kg体重)、PRX-002(-)異性体(2mg/kg体重)のIVによるPK試験に関する比較データの結果を表す。見れば分かるように、プロドラッグPRX-P4-003はより高い用量10mg/kgであってもIV投与される場合、極めて限られた量の親PRX-002(-)が生じる。更なるデータをTable39.6(表7)〜Table 39.7(表8)にまとめる。
【0375】
【表7】
【0376】
【表8】
【0377】
図4は、血漿中に存在する、結果として生じるPRX-P4-003又はPRX-P4-002(-)異性体の量に関して、PRX-P4-003の経口によるPK試験をPRX-P4-002(-)異性体と比較するグラフである。結果から分かるように、経口投与された場合、薬物(PRX-P4-003)のプロドラッグ形態は血漿中にほとんど存在しない。しかし、望ましい量の活性化合物(PRX-002(-)異性体)が血漿中に形成している。更なるデータをTable 39.8(表9)〜39.9(表10)に提示する。
【0378】
【表9】
【0379】
【表10】
【0380】
図5A及び
図5BはPRX-P5-006の単回用量の経口による及び静脈内によるPK試験について、比較データを示す。プロドラッグがIV投与された場合、インタクトのPRX-P5-006レベルは更により高いことが観察された。データをTable 39.10(表11)に示す。更なるデータをTable 39.11(表12)〜Table 39.12(表13)に示す。
【0381】
【表11】
【0382】
【表12】
【0383】
【表13】
【0384】
図6Aは、雄Sprague-DawleyラットにおけるPRX-P5-006に関する経口による薬物動態及びIVによる薬物動態の比較を表すグラフである。
図6Bは、
図6Aに表された、結果として生じる活性物質の血漿中の量に関するIVによる薬物動態の拡大図を示す。PRX-P5-006化合物について血漿中に見られる活性化合物の経時的な量がグラフに表される。データは以下Table 39.13(表14)に示してある。更なるデータをTable 39.14(表15)〜Table 39.17(表18)に示す。
【0385】
【表14】
【0386】
【表15】
【0387】
【表16】
【0388】
【表17】
【0389】
【表18】
【0390】
図7A及び
図7Bは、雄Sprague-DawleyラットにおけるPRX-P5-011に関するIVによる薬物動態を表すグラフを示す。PRX-P5-011とPRX-P5-006の間の唯一の違いは、前者は正の異性体PRX-002(+)を有する一方で、後者はPRX-002(-)を有するということであるかもしれないが、経口血漿プロファイルは著明に異なる。経口投与後、活性化合物PRX-002(+)は血漿中に検出されなかった。結果を上記のtable 39.18(表19)から39.21(表22)にまとめる。
【0391】
【表19】
【0392】
【表20】
【0393】
【表21】
【0394】
【表22】
【0395】
図8Aは、雄Sprague-DawleyラットにおけるPRX-P6-011に関するIVによる薬物動態を表すグラフである。
図8Bは、PRX-P6-011、PRX-002(+)からなる[直接投与後のPRX-002(-)のレベルと比較した]、より近接した可視化したグラフ(8Aより)である。結果をtable 39.22(表23)〜table 39.25(表26)にまとめる。
【0396】
Table 39.22〜Table 39.25には、PRX-P6-011、PRX-P1-006、PRX-002(+)の平均血漿PKパラメーターを含めて、PRX-P6-011及びPRX-002(+)に関する経口による薬物動態試験の比較結果が提供されている。
【0397】
【表23】
【0398】
【表24】
【0399】
【表25】
【0400】
【表26】
【0401】
図9A、
図9B、及び
図9Cには、経口で5mg/kg又は静脈内で2mg/kgの用量でラットに投与されたPRX-002(+)のグラフが示されている。Table 39.26(表27)及びTable 39.27(表28)に詳細な経口によるPKパラメーター及びIVによるPKパラメーターが示されている。
【0402】
【表27】
【0403】
【表28】
【0404】
図10A、
図10B、及び
図10Cには、経口で5mg/kg又は静脈内で2mg/kgの用量でラットに投与されたPRX-002(-)のグラフが示されている。Table 39.28(表29)及びTable 39.29(表30)には、詳細な経口による/IVによるPKパラメーターが示されている。
【0405】
【表29】
【0406】
【表30】
【0407】
フェンカンファミンの血漿濃度を、経時的にLC-MS/MSにより測定した。TABLE 39.30(表31)及び
図1〜
図10には、様々なフェンカンファミンプロドラッグによって得られた様々なPK曲線が、非コンジュゲート化形態と比較して示されてあり、具体的薬物動態パラメーターのデータを上記の表に及び記載の図面に提示する。プロドラッグからのフェンカンファミンの放出は、フェンカンファミンに結合された脂肪酸リンカーの鎖長によって変動した。プロドラッグから放出されたフェンカンファミンの量の変化を、曲線下面積により評価し、非コンジュゲート化フェンカンファミンと比較した。
【0408】
種々のプロドラッグ組成物によって、等モル用量で投与された場合に、非コンジュゲート化フェンカンファミンと比較して延長されたT
maxを提供するのに十分な量が意外にももたらされた。プロドラッグ組成物は、等モル用量で経口投与された場合、非コンジュゲート化フェンカンファミンと比較して、放出されたフェンカンファミンの血漿中濃度で評価して、延長された又は制御された放出プロファイルを示した。しかし、化合物の全てが全ての又は類似のそのような特性を示したわけではない。
【0409】
一部の実施形態では、プロドラッグから放出されたフェンカンファミンの血漿濃度は、経口投与後、よりゆっくりと及びより長期間にわたって増大する結果、非コンジュゲート化フェンカンファミンと比べた場合に、放出フェンカンファミンのピーク血漿中濃度の遅れ及びより長い作用期間がもたらされる。
【0410】
加えて、上の実施形態の一部により示されている通り、異性体の形態によってまた、薬物動態プロファイルが予想外にも変化する。
【0411】
したがって、本発明の薬物と会合しているブロッキング部分のタイプ(例えば、脂肪酸又はアミノ酸等)、及び使用したフェンカンファミンの特定の異性体それぞれが様々な特性をもたらし、本薬物を提供することとなった。
【0412】
種々の化合物に対するMSDラットにおける経口及びIVのin vivoデータの概要が以下Table 39.30(表31)に示されているが、これには、代替の候補プロドラッグは所望の特性を有していなかったか又は異なった特性を有していたことも示されている。特段に記載がない限り、全てのプロドラッグについては、経口では5mg/kg及びIVでは2mg/kgの用量を使用して試験を行った[PRX-002(-)に等価である]。製剤及び投与手順についてはPKセクションの開始において記載の通りである。
【0413】
【表31】
【0414】
(実施例40)
経口による及び静脈内による薬物動態的(運動)活性
(実施例40A)
経口投与によるPRX-P4-003に対する薬物動態的応答(自発運動活性)
雄Sprague-Dawley(SD)を、制御条件下で3集団で収容した。水及び飼料は自由に摂取できるようにした。ラットは、行動試験の前はこのような条件下で1週間飼育した。試験当日、ラットは、試験化合物の投与前に少なくとも30分間、試験室へ馴致させた。ラットは無作為に4群へ割り当てた。
【0415】
ビヒクルは0.1%Tween-80及び0.5%カルボキシメチルセルロースとし、これらにPRX-P4-003のそれぞれの量を加えて透明な溶液を得た。
【0416】
動物は、自発運動活性(sLMA)試験の60分前に、ビヒクル(Veh)又は3種類の用量のPRX-P4-003[活性化合物PRX-002(-)の1mg/kg、5mg/kg又は10mg/kg等価用量]をp.o.投与した。
【0417】
ラットを、60分のsLMAビデオ記録のために試験チャンバーの中央に置いた。60分の自発運動活性をビデオ記録し、Animal Behavior Video Tracking Analysis System(Ji Liang Software Technology Co., Ltd.社、Shanghai、中国)を使用してオフライン解析を行った。運動活性について15分毎の総走行距離(cm)及び時間(秒)が
図11A及び
図11Bに提示されている。
【0418】
図11A及び
図11Bに見られるように、PRX-P4-003は経口投与した場合、sLMAにおいて用量依存性の上昇を示した。
【0419】
(実施例40B)
静脈内投与によるPRX-P4-003に対する薬物動態的応答(自発運動活性)
雄SDラットは、sLMA試験の直前に、PRX-002(-)(2mg/kg)及びプロドラッグPRX-P4-003[25.8mg/kg、PRX-002(-)の10mg/kgに等価]、並びにビヒクルを静脈内投与した。
【0420】
ビヒクルは、PEG 400 10%(v/v)+ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン水(50%w/v) 30%(v/v)+注射用滅菌水(SWFI)60%(v/v):1ml/kg容量とした。
【0421】
PRX-P4-003溶液は、25.8mg/ml PRX-P4-003(25.8mg/kg:10mg/ml活性薬物に等価、i.v.、1ml/kgでの容量)とした。PRX-P4-003 42.3mgをビヒクル1.639mlに加え、室温で30分間ボルテックス混合して、均質な懸濁液を得たが、懸濁液は投与中連続的に撹拌した。
【0422】
PRX-P4-002(-)溶液は、2mg/ml PRX-P4-002(-)とした(2mg/kg、i.v.、1ml/kgでの容量)。PRX-002(-)4.5mgをビヒクル2.25mlに加え、室温で30分間ボルテックス混合して透明な溶液を得たが、溶液は投与中連続的に撹拌した。
【0423】
ラットを、90分のsLMAビデオ記録のために試験チャンバーの中央に置いた。(n=3/群)。
【0424】
運動活性について15分毎の総走行距離(cm)及び時間(秒)が
図12A及び
図12Bに提示されている。本開示と一致して、静脈内PRX-002(-)によってsLMAは有意に上昇しているが、プロドラッグPRX-P4-003では、静脈内に投与された場合でも、ビヒクルと比較してsLMAにおいて上昇は示されなかった(活性物質の5倍用量等価であっても)。
【0425】
実施例40A及び実施例40Bの結果の比較において分かるように、プロドラッグPRX-P4-003は静脈内よりも経口投与された場合、sLMA活性のレベルが高いという結果となった。実際、プロドラッグの経口投与に続いて走行距離及び運動時間の双方が上昇する一方(
図11A及び
図11B)、静脈内投与では事実上変化はないという結果となった(有効成分それ自身(PRX-002(-))の投与と比較して)。したがって、活性薬物のアベイラビリティ及び対象への影響は、プロドラッグのその投与経路に応じて異なる。
【0426】
本開示は、図面及び先の説明に詳細に図示され説明されているが、そのような図示及び説明は、実例的で例示的なもので、限定的ではないと考えられるべきである。本開示は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態への他の変更は、図面、開示内容、及び添付した請求項に関する研究から、請求項に記載された本開示を実施する上で、当業者によって理解されかつ達成し得るものである。
【0427】
本明細書で引用した全ての文献は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限りにおいて、本明細書はいかなるそのような矛盾材料にも取って代わり及び/又は優先することが意図される。
【0428】
他に定めがない限り、全ての用語(技術的及び科学的な用語を含む)はそれらの通常の及び当業者にとって慣習的な意味が与えられ、且つ本明細書に明白にそのように定められない限り、特別な或いはカスタマイズされた意味に限定されない。ここで留意されるべきことは、本開示のある特定の特徴又は態様を記載する場合の、特定の用語の使用は、その用語が関連付けられる開示の特性又は態様の特定の任意の特徴を含むように、その用語が本明細書において限定的に再定義されることを意味するものと取られるべきではないことである。
【0429】
値の範囲が設けられている場合、ここで理解されることは、上限及び下限、及びその範囲の上限と下限との間に入っているそれぞれの値が実施形態の範囲内に包含されることである。
【0430】
本出願において使用される用語や語句、及びその変形は、特に添付の請求の範囲においては、明白に述べない限り、制限とは対照的にオープンエンドであると解釈されるべきである。前述の実施例として、「含む(including)」という用語は「限定されないが、〜を含む」「含むが、それには限定されない」等を意味するものと読まれるべきである。本明細書で使用される用語「含む(comprising)」は「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「によって特徴付けられる」と同義であって包括的又はオープンエンドであり、追加の、述べられていない要素又は方法工程を除外しない。「有する」という用語は「少なくとも有する」として解釈されるべきである。「含む(include)」という用語は「含むが、これには限定されない」と解釈されるべきである。「実施例」という用語は、検討されている事項の例示的な事例を提供するのに用いられ、その事項の網羅的な又は限定するリストではない。「知られている」「通常の」「標準の」などの形容詞、及び類似の意味の用語は、記載されている事項を所与の期間に又は所与の時間時点で利用可能な事項に限定していると見なされるべきではなく、代わりに、現在又は未来の任意の時間に利用可能な又は公知である可能性がある、知られている、通常の、又は標準的な技術を包含すると読まれるべきである。そして、「好ましくは」「好ましい」「所望の」又は、「望ましい」及び類似の意味の用語の使用は、本開示の構造又は機能に取ってある特定の特徴が決定的、必須、又は更に重要であることを意味するものと理解されるべきではなく、それに代えて、本開示の特定の一実施形態において利用されても利用されなくてもよい代わりの又は追加の特徴を単に強調することが意図されている。同様に、接続詞「及び」を用いて関連付けられている事項のグループが、それらの事項のうちの一つひとつがグループ化されて存在することを必要とするように読まれるべきではなく、むしろ、明示的に別段の定めがある場合を除いて、「及び/又は」と読まれるべきである。同様に、接続詞「又は」を用いて関連付けられている事項のグループは、そのグループ内での相互排他性を必要とするものと読まれるべきではなく、むしろ、やはり、明示的に別段の定めがある場合を除いて、「及び/又は」と読
まれるべきである。
【0431】
実質的に複数及び/又は単数の用語の本明細書における使用に関して、当業者は、文脈及び/又は適用に対して適切であるように、複数から単数へと及び/又は単数から複数へと変換することができる。様々な単数の/複数の入替えは、明確化のために本明細書において明記することができる。不定冠詞「1つの(a又はan)」は、複数を除外しない。ある特定の手段について相互に異なる従属請求項で記載されているという単なる事実は、それらの手段の組合せは有利に使用することができないということを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も権利範囲の制限として解釈されるべきでない。
【0432】
当業者によって更に理解されることは、導入された請求項の記載のうち特定の数が意図される場合、そのような意図は請求項に明確に記載され、そのような記載がない場合そのような意図は存在しないということである。例えば、理解に対する助けとして、以下の添付の請求の範囲は、「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」という請求項の記載を導入する導入フレーズの使用を含んでいてよい。しかし、そのような句の使用は、同じ請求項が「1つ又は複数の」或いは「少なくとも1つの」という導入句及び「a」や「an」といった不定冠詞を含む場合でさえも、不定冠詞「a」又は「an」による請求項記載の導入が、そのような導入請求項記載を含む任意の特定の請求項を、ただ1つのそのような記載を含む実施形態だけに限定することを意味するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、通常は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味するものと解釈されるべきである)。同じことが、請求項記載を導入するのに使用される定冠詞の使用についても当てはまる。加えて、導入請求項記載の特定の数が明示的に記載されている場合でさえも、そのような記載が、通常は、少なくとも記載される数を意味するものと解釈されるべきであることも当業者は理解するであろう(例えば、他の修飾語句を伴わない「2つの記載」という記載だけで、通常は、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ等」に類似した慣用句が使用される場合、一般にそのような構造は、当業者が当該慣用句を理解するはずの意味において意図されるものである(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、それだけに限らないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、かつ/又はA、B、Cを有するシステムを含むはずである)。「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ等」に類似した慣用句が使用される場合、一般にそのような構造は、当業者が当該慣用句を理解するはずの意味において意図されるものである(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、それだけに限らないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、かつ/又はA、B、Cを有するシステムを含むはずである)。更に、2つ以上の択一的項目を提示する
事実上あらゆる選言的な語及び/又は句は、本明細書においてであれ、特許請求の範囲においてであれ、図面においてであれ、それらの項目のうちの1つ、それらの項目のうちのどちらか、又はそれらの項目の両方を含む可能性を企図するものと理解すべきであることも当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」若しくは「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0433】
本明細書で使用した成分、反応条件及びその他の量を表現する全ての数は、全ての場合に「約」という用語により修飾されると理解すべきである。したがって、反対のことが示されていない限り、本明細書に記載された数値パラメーターは、得ようと求める望ましい特性に応じて変動できる近似である。少なくとも、また、本出願に基づく優先権を主張するあらゆる出願において特許請求項の範囲に均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメーターは有効数字の数及び通常の概数化法に照らして解釈すべきである。
【0434】
更に、前記について、本発明を明確化かつ理解するために、多少とも詳細な図示及び実施例において説明したが、ある特定の変更及び修正がなしうることは当業者にとって明白なことである。したがって、説明及び実施例は、本開示の範囲を本明細書に記載の特定の実施形態及び実施例に限定するものと解釈されるものではなく、むしろ、本開示の真の範囲及び趣旨を伴う全ての改変形態及び代替形態を含むものである。