【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、これらの目的は、特に独立請求項の特徴により達成される。また、さらなる有利な実施形態は、従属請求項および明細書に依存する。
【0012】
本発明によれば、撮像システムは、撮像センサを含む。撮像システムは、各々が近赤外域に波長を有する少なくとも2つの異なる照明光源によって照明されるシーンの画像を処理するように構成されている。好ましくは、波長は、800〜1000nmである。照明光源は、撮像センサに隣接して配置されてもよく、撮像センサと同調されてもよい。少なくとも2つの照明光源は、閉塞を最小化するように配置されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源の波長は、異なる。たとえば、少なくとも1つの照明光源の波長は、約850nmであり、少なくとも1つの照明光源の波長は、約940nmである。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源は、少なくとも1つの構造化照明光源を含む。たとえば、撮像センサが飛行時間型撮像センサである場合、飛行時間の測定および構造化照明光源の測定による利点を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源は、少なくとも1つの均一照明光源を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源は、各々が近赤外域に波長を有するが、少なくとも1つの均一照明光源と少なくとも1つの構造化照明光源とを含む。構造化照明光源による画像の取得と均一照明光源による画像の取得とは、交互に行われてもよい。構造化照明光源に基づいて取得した実際の原始画像は、通常の色または強度表現で画像を取得した環境を表さないため、構造化照明光源に基づいた最新のシステムは、第2の撮像センサ装置、一般的にはRGBセンサを追加する。本発明により提案されたように、2つの異なる照明光源、たとえば1つの構造化照明光源および1つの均一照明光源を実装することによって、撮像システムは、同一の撮像センサを用いて、深度情報を導出し、代表強度の(または白黒の)画像を生成するができる。これにより、3Dマップを2D強度画像に容易にかつ一対一にマッピングすることができる。撮像センサがTOF撮像センサである場合、TOF撮像センサおよび2つの異なる照明光源をさらに時間的に変調および同期してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、構造化照明光源と均一照明光源とを含
む。構造化照明光源と均一照明光源とは、同様の中心波長、好ましくは800〜1000nmの間の中心波長を有する。このような実施形態において、構造化照明光源からの画像および均一照明光源からの画像は、それぞれ同一の光路を介して撮像されることができ、この光路には狭帯域通過光学フィルタを実装することができる。狭帯域通過フィルタを実装することによって、できるだけ多くの背景光信号を光学的に遮断することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、撮像センサは、飛行時間型センサである。
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源は、露光中に時間的に変調される少なくとも1つの照明光源を含む。適切な時間変調方式は、画像取得中にシーンの変化または物体の移動によって生じた画像の乱れを低減することができ、範囲内の他の撮像システムからの干渉を回避することもできる。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる照明光源は、同一の発光ダイに設けられる。このことは、少なくとも2つの照明光源が構造化照明光源であり、両方とも時間的に変調される場合に、特に有用である。同一の発光ダイに設けられた少なくとも2つの構造化照明光源を備え、撮像センサと同期するように少なくとも2つの構造化照明光源を変調するように構築されたシステムは、より高い情報密度で構造化画像を取得することができる。
【0020】
さらに、本発明は、撮像センサを用いた撮像方法に関する。各々が近赤外域に波長を有する少なくとも2つの異なる照明光源によって照明されるシーンの画像が処理される。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、異なる波長を有する。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、少なくとも1つの構造化照明光源を含む。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、少なくとも1つの均一照明光源を含む。一変形例において、使用された撮像センサは、飛行時間型センサである。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、飛行時間の測定に使用された変調周波数よりも低い変調周波数で時間的に変調される少なくとも1つの均一照明光源を含む。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、露光中に時間的に変調される少なくとも1つの構造化照明光源を含む。一変形例において、少なくとも2つの異なる照明光源は、同一の発光ダイに設けられる。
【0021】
本発明によれば、飛行時間型センサを含む撮像システムは、飛行時間の3次元測定に使用された変調周波数よりも低い変調周波数を有する照明光源を使用するように構成されている。
【0022】
特定の好ましい実施形態において、本発明は、典型的に各ピクセルに2つの記憶ノードを有する飛行時間型センサまたは飛行時間型構造、好ましくはある種のインピクセル背景抑制機能を有する飛行時間型センサまたは飛行時間型構造を撮像システムに実装することを提案する。また、能動的に照明される撮像システムにおいて、飛行時間型撮像センサおよび照明光源は、低い変調周波数に制御されるため、実際の飛行時間型信号は、サンプリング信号に殆ど影響を与えない。さらに、本発明は、飛行時間の実際測定の実行に十分ではないサンプル数および取得回数を獲得する取得タイミングを撮像システム上で実行し、これらの取得画像のみに基づき画像を評価することを提案する。最も実用的な実装において、飛行時間型ピクセルは、2つの記憶ノードを含み、少なくとも2つ、最も一般的に4つの連続かつ位相遅延の画像を捕捉することによって深度情報を導き出す。この実施形態において、好ましくは、ピクセルの一方の記憶ノードを用いて、背景光信号のみを積算した後、背景光信号と能動的に出射され、反射された光とを積算する他方の記憶ノードから積算された背景光信号を減算する。信号の取得、信号の積算および2つの飛行時間型ピクセル記憶ノードへの転送は、好ましくは、取得中に複数回に繰り返し且つ交互に行われる。得られたピクセル差分の出力は、能動的に出射された信号のみを表すことになり、シス
テムを周囲環境の照明条件の変化に対してよりロバストにすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、変調周波数は、100Hz〜1MHzの間にある。より遅い変調は、数十MHzでトグルする最先端の飛行時間測定システムに比べて、撮像システムの電力消費を低減する。また、より遅い変調は、照明光源および駆動系の速度要件を低減し、変調効率および復調効率を向上させる。一般的に飛行時間の測定に遅すぎる高出力LEDのような高効率高出力の光源を実現することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、飛行時間型センサのピクセルレベルに対して直接減算を行うように構成されている。飛行時間型ピクセルのオンピクセル背景光のキャンセルは、背景光による飽和を回避するように、能動照明光源を備える他のシステムを援助することができる。また、背景レベルが既にピクセルレベルで減算され、変換する必要がないため、アナログからデジタルに変換する要件が緩和される。さらに、能動照明を備えるシステム内に光を変調すること、同一フレームの取得時に信号光と背景光との積算を交互に行うことおよび数サイクルに亘って信号光と背景光とを積算することは、シーンの変動を軽減し、適切な時間変調方式とともに実行すれば、干渉を減少しながら、いくつかのシステム上で並列処理を行うことができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、構造化照明光源を使用するように構成されている。構造化照明光源は、飛行時間型撮像センサと同期され、構造化照明光源に基づいて画像を取得し、深度情報を導き出すために使用される。
【0026】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、飛行時間型撮像センサと、少なくとも1つの照明光源とを含む。飛行時間型撮像センサは、後方反射光をサンプリングするために使用される。信号は、飛行時間原理に基づいて深度情報を導き出すのに十分ではない取得回数および取得されたフレームあたりのサンプルに基づいて評価される。
【0027】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、擬似ランダムに変調される照明光源を使用することによって、異なる取得システムの間の異なる干渉を最小化にするように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも2つの照明光源を使用するように構成されている。差分読み出しまたはオンピクセル減算を行うことによって、2つの照明光源の差分画像を直接測定することができる。これにより、たとえば、非常に強固な眼追跡システムを構築することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、本発明は、飛行時間型センサを用いた撮像システムを提供する。撮像システム内の照明光源は、3次元時間の飛行測定を実行するために使用された変調周波数よりも低い変調周波数を有する。
【0030】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、飛行時間の測定を行うために必要とされたフレーム単位サンプル数よりも少ないフレーム単位サンプル数を取得するように構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態において、飛行時間型センサと少なくとも1つの照明光源とを含む撮像システムのタイミングは、飛行時間の測定を導き出すために必要とされたフレーム単位サンプル数よりも少ないフレーム単位サンプル数を取得するように構成されている。
【0032】
さらに、本発明は、飛行時間型センサを用いた撮像方法に関する。飛行時間の測定に使用された変調周波数よりも低い変調周波数を有する照明光源が使用される。一変形例にお
いて、使用された前記変調周波数は、100Hz〜1MHzの間にある。一変形例において、飛行時間型センサのピクセルレベルに対して、直接減算を行う。一変形例において、構造化照明光源を使用する。一変形例において、少なくとも2つの異なる波長を有する2つの照明光源を使用する。一変形例において、擬似ランダムに変調される照明光源を使用する。一変形例において、飛行時間の測定に必要とされたフレーム単位サンプル数よりも少ないフレーム単位サンプル数を取得する。
【0033】
本発明によれば、撮像システムは、飛行時間の測定に必要とされたフレーム単位サンプル数よりも少ないフレーム単位サンプル数を取得するように構成されている。
【0034】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、飛行時間の測定に使用された変調周波数よりも低い変調周波数、特に100Hz〜1MHzの間の変調周波数を有する照明光源を使用するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、飛行時間型センサのピクセルレベルに対して、直接減算を行うように構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、構造化照明光源を使用するように構成されている。
【0037】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも2つの照明光源を使用するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態において、撮像システムは、擬似ランダム時間に変調された照明光源を使用するように構成されている。
【0039】
さらに、本発明は、飛行時間型センサを用いた撮像方法に関する。方法は、飛行時間の測定に必要とされたフレーム単位サンプル数よりも少ないフレーム単位サンプル数を取得する。一変形例において、使用された照明光源は、飛行時間の測定に使用された変調周波数よりも低い変調周波数、特に100Hz〜1MHzの間の変調周波数を有する。一変形例において、飛行時間型センサのピクセルレベルに対して、直接減算を行う。一変形例において、構造化照明光源を使用する。一変形例において、少なくとも2つの異なる波長を有する2つの照明光源を使用する。一変形例において、擬似ランダム時間に変調される照明光源を使用する。
【0040】
本明細書に記載の本発明は、本明細書の以下の詳細な説明および添付図面からより理解されるであろう。詳細な説明および添付図面は、添付の特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものと考えるべきではない。