(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983212
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】ドームカメラ
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20211206BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20211206BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20211206BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20211206BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20211206BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20211206BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
H04N5/225 400
H04N5/222 100
G03B15/00 S
G03B17/14
G03B17/56 A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-227882(P2019-227882)
(22)【出願日】2019年12月18日
(65)【公開番号】特開2020-160436(P2020-160436A)
(43)【公開日】2020年10月1日
【審査請求日】2021年2月22日
(31)【優先権主張番号】19158264.2
(32)【優先日】2019年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井手 寛之
【審査官】
三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−208804(JP,A)
【文献】
特開2017−167207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
H04N 5/225
H04N 5/222
G03B 15/00
G03B 17/14
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(200)、交換可能なレンズ(400)、レンズホルダー(300)、および画像センサ(500)を備えるドームカメラであって、
前記画像センサ(500)は前記レンズホルダー(300)によって支持され、
前記レンズホルダー(300)は、前記交換可能なレンズ(400)の後端(402)が前記画像センサ(500)に向く位置において前記交換可能なレンズ(400)を同軸にかつロック可能に収容するように構成される貫通チャネル(306)を備え、
前記レンズホルダー(300)は、前記交換可能なレンズ(400)の前部分(404)が、前記ハウジング(200)内に配置された第1のレンズ停止部(204)とそこで強制的に当接状態にされる位置になるように、前記ハウジング(200)と前記レンズホルダー(300)との間の位置に配置された弾性部材(600)によって前記ハウジング(200)に対してばねで留められ、それにより、前記交換可能なレンズ(400)の前部分(404)の軸方向に延びる長さが一定の場合には、前記交換可能なレンズ(400)の前端(401)と前記ハウジング(200)の前端(201)との間に固定軸方向距離(L2)を提供する、ドームカメラ。
【請求項2】
前記ハウジング(200)は、前記レンズホルダー(300)の部分を同軸に収容するように構成される貫通チャネル(202)を備え、前記第1のレンズ停止部(204)は、前記貫通チャネル(202)の口部(205)を取り囲む前記ハウジング(200)の前部分内に配置される、請求項1に記載のドームカメラ。
【請求項3】
前記交換可能なレンズ(400)の前部分(404)は、前記交換可能なレンズ(400)が前記レンズホルダー(300)内にロック可能に収容される状態で、前記レンズホルダー(300)の前端を超えて突出するように構成され、前記前部分(404)は、半径方向に延在するフランジ(405)を備え、前記フランジ(405)の後部分(406)は、前記レンズホルダー(300)がばねで留められる結果として前記第1のレンズ停止部(204)に当接するように構成される、請求項1または2に記載のドームカメラ。
【請求項4】
前記交換可能なレンズ(400)は、前記貫通チャネル(306)の内側包絡面(303)と前記交換可能なレンズ(400)の外側包絡面(403)との間のねじ込み式係合によって前記貫通チャネル(306)内にロック可能に収容されるように構成される、請求項1に記載のドームカメラ。
【請求項5】
前記貫通チャネル(306)の内側包絡面(303)の後端部分(304)は第2のレンズ停止部(305)を備える、請求項4に記載のドームカメラ。
【請求項6】
前記交換可能なレンズ(400)は、前記貫通チャネル(306)の内側包絡面(303)と前記交換可能なレンズ(400)の外側包絡面(403)との間のバヨネット結合によって前記貫通チャネル(306)内にロック可能に収容されるように構成される、請求項1に記載のドームカメラ。
【請求項7】
前記弾性部材(600)は、ばね、好ましくは、コイルばねまたは板ばねである、請求項1から6のいずれか一項に記載のドームカメラ。
【請求項8】
前記ハウジング(200)はチルトユニット(700)の一部を形成する、請求項1から7のいずれか一項に記載のドームカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング、レンズ、レンズホルダー、および画像センサを備えるドームカメラに言及する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラは、通常、カメラを損傷しようと試みる外的暴力を監視カメラが受ける可能性があるエリア内に配置される。1つのタイプの監視カメラは、半透明ドームが広い監視視野を可能にしつつ、保護ケーシングを提供するドームタイプの監視カメラである。監視カメラを外的暴力から保護するため、ドームおよび搭載ベースなどの全ての外部コンポーネントは、耐衝撃性があるように作られるべきである。1つの対策として、ドームの内壁とレンズの前部との間には、多くの場合一定の距離が存在することが好ましい。その距離は、ドームが破壊されるまたはくぼまされる場合にレンズを保護することになる。同様に、その距離は、レンズの自由端とドームの内面との間に固定距離を依然として維持しながら、カメラがドームの内部でチルト動作可能になるようにすべきである。カメラがレンズ交換可能なタイプの場合には、問題を引き起こすことがある。なぜならば、短いレンズまたは長いレンズに変更される場合には、レンズの自由端とドームの内面との間の距離が変化することになるからである。特に、長いレンズに変更される場合、レンズの自由端はドームの内壁に近くなる。簡単な解決策は、単純に元のレンズ(すなわち、標準レンズ)の自由端が、ドームからさら離れて配置されるようにハウジングを設計し、それにより、余分な空間に長いレンズも収容可能にすることである。しかしながら、レンズとドームの内面との間の距離は、経験則上、反射を回避するために短く維持すべきであるため、これは満足のいく解決策ではない。また、より大きいハウジングは、かさばることになる。
【0003】
US2012/0062789A1は、弾性的に支持されるレンズユニットを有する撮像装置を開示する。レンズユニットは、ドームカバーからレンズユニットに力が加えられると、オブジェクトから反対方向にかつレンズユニットの光軸方向に沿って後退動作を行うことができる。
【0004】
WO2019/183604A1は、本願の出願日前の出願日を有するが、後で公開され、したがって、新規性のみに関連するものであり、ホルダーおよびレンズをチップと整列させるために画像センサチップに対して位置合わせする要素を含む自己整列レンズホルダーを開示している。
【0005】
したがって、レンズの自由端とドームの内面との間の距離が固定されることを依然として可能にしながら、交換可能レンズを許容するカメラが必要とされている。
【0006】
本発明の1つの目的は、レンズが容易に交換可能であると同時に、レンズの自由端とドームの内面との間の距離が固定されることを可能にするドームタイプの監視カメラを提供することである。
【発明の概要】
【0007】
これらの目的およびその他の目的は、ドームカメラによって解決され、ドームカメラは、ハウジング、レンズ、レンズホルダー、および画像センサを備え、
画像センサはレンズホルダーによって支持され、
レンズホルダーは、レンズの後端がそこで画像センサに向く位置においてレンズを同軸にかつロック可能に収容するように構成される貫通チャネルを備え、
レンズホルダーは、レンズの前部分が、ハウジング内に配置された第1のレンズ停止部とそこで強制的に当接状態にされる位置になるように、ハウジングとレンズホルダーとの間の位置に配置された弾性部材によってハウジングに対してばねで留められ、それにより、レンズの前端とハウジングの前端との間に固定軸方向距離を提供する。
【0008】
したがって、ドームカメラが提供され、ドームカメラにおいて、レンズは、その長さに無関係に、ハウジングに搭載された状態で、レンズの後端と画像センサとの間に固定距離を可能にする。さらに、レンズを支持するレンズホルダーが、物理的停止部に向かってハウジングに対してばねで留められることの結果として、レンズの前端とハウジングの前端との間の軸方向距離も固定されることになる。それにより、ドームが、カメラをカバーし保護するためにハウジングに取り付けられると、レンズの自由な前端とドームの内面との間の距離は常に同じであることになる。結果として、レンズを交換する場合に、時間がかかる較正は必要ない。さらに、レンズおよびレンズホルダーを有するハウジングは、ドームおよびマウントから容易に分解でき、点検でき、再組み立てできる、1つのユニットとして扱うことができる。したがって、全く同じハウジングを異なるレンズ長と共に使用することができる多用途カメラが提供される。
【0009】
ハウジングは、レンズホルダーの部分を同軸に収容するように構成される貫通チャネルを備えることができ、第1のレンズ停止部は、上記貫通チャネルの口部を取り囲むハウジングの前部分内に配置される。ハウジングは一体として形成すること、または、異なる相互接続部品で構成することができる。
【0010】
レンズの前部分は、レンズがレンズホルダー内にロック可能に収容される状態で、レンズホルダーの前端を超えて突出するように構成することができ、前部分は、半径方向に延在するフランジを備え、レンズの後部分は、レンズホルダーがばねで留められる結果として第1のレンズ停止部に当接するように構成される。レンズの前部分は、ハウジングの貫通チャネル内に少なくとも部分的にまたは完全に収容されるように配置され、それにより、いずれの外部暴力からもレンズを保護することに寄与できる。
【0011】
レンズは、貫通チャネルの内側包絡面とレンズの外側包絡面との間のねじ込み式係合によって貫通チャネル内にロック可能に収容されるように構成することができる。ねじ山の数および/またはそのピッチがカメラおよびそのレンズのサイズに適合できることが理解される。カメラ内で交換可能に使用されるように構成されるレンズのセットは、全く同じ軸方向長さを有するそれぞれの外側包絡面に沿うねじ山付き部分を備えることができる。それにより、レンズホルダーとレンズとの間の係合長は、レンズとレンズホルダーとの間の固定位置を保証するために制御することができる。
【0012】
貫通チャネルの内側包絡面の後端部分は第2のレンズ停止部を備えることができる。第2のレンズ停止部は、レンズとレンズホルダーとの間の固定位置を保証するため、レンズホルダーとレンズとの間の係合長を、制限し、それにより制御するために使用することができる。
【0013】
レンズは、貫通チャネルの内側包絡面とレンズの外側包絡面との間のバヨネット結合によって貫通チャネル内にロック可能に収容されるように構成することができる。バヨネット結合の使用は、レンズとレンズホルダーとの間でねじ込み式係合を使用することに対する代替的解決策である。バヨネット結合は、規定によれば、レンズとレンズホルダーとの間の固定位置を保証することになる。
【0014】
弾性部材は、ばね、好ましくは、コイルばねまたは板ばねであってもよい。
【0015】
ハウジングはチルトユニットの一部を形成することができる。チルトユニットは、カメラマウントから見てハウジングのチルト動作、したがって、ドームから見てレンズのチルト動作を可能にし、それにより、意図される監視エリアをカバーするために使用することができる。
【0016】
本発明のさらなる目的および利点は、異なる実施形態を記述した以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【0017】
本発明は、概略図面を参照して詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】外側ケーシングおよびドームが取り除かれた状態の
図1のドームカメラの斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に従うドームカメラの断面図である。
【
図5A】短いレンズを有する
図3のドームカメラの断面図である。
【
図5B】長いレンズを有する
図3のドームカメラの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および
図2で始まって、ドームカメラ1000の1つの典型的な例の斜視図が開示される。ドームカメラ1000は、使用時に見られるように、保護外側ケーシング102およびドーム101を備える。
図2において、同じドームカメラ1000が、保護ケーシング102およびドーム101が取り除かれた状態で開示される。ドームカメラ1000は、搭載プレート103を備え、搭載プレート103は、ドームカメラ1000を、壁または天井などの支持体(開示されず)に搭載するために使用される。搭載プレート103は、開示される実施形態において、ねじなど(開示されず)によって支持体に搭載されるように構成される。搭載プレート103は、カメラ100がその中に収容される内側ケーシング104を支持する。カメラ100は、チルトユニット700の一部を形成する弧状凹所105内にチルト可能に収容される。カメラ100のチルト動作は、当技術分野では周知であり、これ以上説明しない。
【0020】
外側ケーシング102は、外側ケーシング102および搭載プレート103内の貫通穴106内にそれぞれ収容されるねじ(開示されず)によって搭載プレート103に搭載されるように構成される。
【0021】
ここで
図3を参照すると、ドームカメラ1000の関連部品の断面図が開示される。同様に、ドームカメラ1000の部品の分解図が
図4に開示される。
【0022】
以下の開示を容易にするために、前部および後部という用語が使用される。「前部(front)」という用語は、ドームカメラを使用するときに撮像されるオブジェクトに向くように構成される端部として理解される。これに対応して、「後部(rear)」という用語は、ドームカメラを使用するときに撮像されるオブジェクトから外方に向くように構成される、または換言すれば、ほぼドームカメラのための搭載面に向く端部として理解される。
【0023】
さらに、本発明のコンテキストにおいて、「レンズ(lens)」という用語はカメラランズとして理解される。
【0024】
さらに、レンズのコンテキストにおいて、「長さ(length)」Lは、レンズの一番外側の後端とレンズの一番外側の前端との間の軸方向距離として理解される。
【0025】
カメラ1000は、レンズ400および画像センサ500を支持するレンズホルダー300がその中に配置されるハウジング200を基本的に備える。レンズホルダー300は、レンズ400の前端401とハウジング200の前端201との間に固定軸方向距離L2が存在する位置になるようにハウジング200に対してばねで留められる。レンズホルダー300が画像センサ500を支持することによって、レンズ400の後端402と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1が存在する。これは、レンズ400が特定のカメラタイプに適する長さLを有する限り、レンズホルダー300内に配置されるレンズ400のどんな長さLについても当てはまる。それにより、カメラ100は、ドーム101の内壁面105とレンズ400の前端401との間に固定距離を常に保証しながら、例えば、ドーム101内に配置することができる。
【0026】
ハウジング200は、本体を備え、本体は、例えば、プラスチック材料を射出成形することによってまたはアルミニウムなどの金属材料を鋳造することによって形成される。ハウジング200は、前端201から後端203までの軸方向延在部を有する貫通チャネル202を備える。貫通チャネル202は、以下で述べるレンズホルダー300の部分を同軸に収容するように構成される。
【0027】
第1のレンズ停止部204は、上記貫通チャネル202の口部205を取り囲むハウジング200の前部分206内に配置される。開示される実施形態において、第1のレンズ停止部204は、半径方向延在部を有する実質的に平坦な面として形成される。
【0028】
ハウジング200の後端203は蓋210によって閉鎖される。蓋210は省略されてもよいことを理解されたい。
【0029】
レンズホルダー300は、本体を備え、本体は、例えば、プラスチック材料を射出成形することによってまたはアルミニウムなどの金属材料を鋳造することによって形成される。
【0030】
レンズホルダー300は、軸方向に延在する首部分301を備える。首部分301の後端302は、半径方向に延在するフランジ303を備える。PCB501(プリント回路基板)によって支持される画像センサ500は、フランジ303の後面304に搭載される。画像センサ500は、レンズホルダー300によって支持されるレンズ400に向くように配置される。
【0031】
レンズホルダー300に対するPCB501の搭載はねじ502によって行われる。しかしながら、接着剤またはスナップフィットなどの他の機構を使用することによって搭載を実現することができることが理解される。PCB501は、非開示の電源に動作可能に接続されるように構成される。
【0032】
レンズホルダー300の首部分301は、ハウジング200の貫通チャネル202の内部に同軸に収容されるように構成される。
【0033】
首部分301は、レンズ400の後端402がそこで画像センサ500に向く位置でレンズ400を同軸にかつロック可能に収容するように構成される貫通チャネル306を備え、その位置で、レンズ400の後端402と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1が形成される。
【0034】
レンズ400は、貫通チャネル306の内側包絡面303とレンズ400の外側包絡面403との間のねじ込み式係合によってレンズホルダー300の貫通チャネル306内にロック可能に収容される。
【0035】
貫通チャネル306の内側包絡面303の後端部分304は第2のレンズ停止部305を備える。第2のレンズ停止部305は、例として、突出部または台座(図示せず)であってもよい。代替的に、第2のレンズ停止部305は、レンズホルダー300のねじ山付き包絡面の長手方向延在部の端であってもよい。レンズ400をレンズホルダー300にねじ込むとき、レンズ400は、レンズ400の後端402が第2のレンズ停止部305に当接するまでねじ込まれる。それにより、レンズ400の後端402と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1が保証されることになる。
【0036】
レンズ400は軸方向長さLを有し、軸方向長さLは、レンズ400が、レンズ400がレンズホルダー300内にロック可能に収容される状態で、レンズホルダー300の前端310を超えて突出するように構成されるように適合される。レンズ400の前部分404は、半径方向に延在するフランジ405を備える。レンズ400の後部分406は、ハウジング200内に形成される第1のレンズ停止部204に当接し、それにより、ハウジング200とレンズホルダー300との間の軸方向移動を制限するように構成される。
【0037】
レンズホルダー300は、レンズ400の前部分404が、第1のレンズ停止部204に強制的に当接状態にされる位置になるように、ハウジング200とレンズホルダー300との間の位置に配置される弾性部材600によってハウジング200に対してばねで留められる。それにより、レンズ400の前端401とハウジング200の前端201との間に固定軸方向距離L2が提供される。
【0038】
ばねによる留めは、ハウジング200の後端203とレンズホルダー300のフランジ303の前端との間で作用するために配置される複数の弾性部材600によって実現される。弾性部材600は、軸方向にハウジング200から離れる方向にレンズホルダー300を押しやるために配置される。しかしながら、軸方向変位は、第1のレンズ停止部204に当接するレンズ400の前部分404によって制限される。
【0039】
ここで、
図5Aおよび
図5Bを参照すると、レンズホルダーが異なる長さLのレンズ400、400’を備えるときの、ハウジング200とレンズホルダー300との間の相互作用が開示される。
【0040】
図5Aで始めると、カメラ1000は、「短い(short)」長さを有するレンズ400と共に開示される。レンズ400は、ねじ込みによってレンズホルダー300に搭載される。レンズ400の後端402は、第2のレンズ停止部305に当接し、それにより、レンズ400の後端402と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1が存在する。ハウジング200とレンズホルダー300との間で作用するために配置される弾性部材600は、レンズ400の前部分404を第1のレンズ停止部204に強制的に当接させる。それにより、レンズ400の前端401とハウジング200の前端201との間に提供される固定軸方向距離L2が存在する。
【0041】
ここで
図5Bを参照すると、
図5Aで使用される短いレンズは、「長い(long)」長さを有するレンズ400’によって置換される。全ての他の態様において、機構は、まさに同じ構成を有する。レンズ400’は、レンズ400’の後端402が第2のレンズ停止部305に当接するようにレンズホルダー300に搭載され、それにより、レンズ400’の後端402と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1が存在する。弾性部材600は、拡張しながら、レンズ400’の後端部分404を第1のレンズ停止部204に強制的に当接させて、長いレンズ400’を収容する。そのため、レンズホルダー300は、ハウジング200から見てさらに下方に押される。なお、レンズ400’の第1の端部分404が第1のレンズ停止部204に当接する結果として、レンズ400の前端401とハウジング200の前端201との間に設けられる軸方向距離L2は固定されたままとなる。留意されるように(
図5Bを参照されたい)、ハウジング200の貫通チャネル202は、その軸方向部分に沿って、レンズホルダー300の首部分301の外径dを超える直径Dを有する。さらに、ハウジング200の貫通チャネル202は、その部分に沿って、首部分301との軸方向オーバーラップAを形成する。それにより、レンズホルダー300は、ハウジング200の貫通チャネル202の内部でかつ貫通チャネル202に沿って自由に移動して、異なる長さLのレンズ400;400’を収容することを許容されることになる。
【0042】
開示される実施形態において、レンズ400は、貫通チャネル306の内側包絡面303とレンズ400の外側包絡面403との間のねじ込み式係合によってレンズホルダー300の貫通チャネ306内にロック可能に収容されるように構成されるものとして述べられた。他のロック機構を同様に使用することができることが理解される。図に示さない一実施形態において、レンズ400は、貫通チャネルの内側包絡面とレンズの外側包絡面との間のバヨネット結合によって貫通チャネル内にロック可能に収容されるように構成することができる。バヨネット結合の場合、ロック機構は、本質的に第2のレンズ停止部を形成し、レンズ400の後端と画像センサ500との間に固定軸方向距離L1を保証することになる。