特許第6983222号(P6983222)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983222
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】肺線維症の処置のための組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 311/08 20060101AFI20211206BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/4965 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/50 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20211206BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 7/12 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 11/14 20060101ALI20211206BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 213/56 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 237/08 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 239/26 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 239/42 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 241/12 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 277/30 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 401/10 20060101ALI20211206BHJP
   C07D 403/10 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   C07C311/08
   A61K31/18
   A61K31/426
   A61K31/4406
   A61K31/4439
   A61K31/4965
   A61K31/497
   A61K31/50
   A61K31/501
   A61K31/505
   A61K31/506
   A61P7/02
   A61P7/12
   A61P9/00
   A61P9/12
   A61P11/00
   A61P11/14
   A61P35/00
   C07D213/56
   C07D237/08
   C07D239/26CSP
   C07D239/42 Z
   C07D241/12
   C07D277/30
   C07D401/10
   C07D403/10
【請求項の数】21
【全頁数】109
(21)【出願番号】特願2019-503925(P2019-503925)
(86)(22)【出願日】2017年7月28日
(65)【公表番号】特表2019-523265(P2019-523265A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】AU2017050784
(87)【国際公開番号】WO2018018091
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2020年7月22日
(31)【優先権主張番号】2016902978
(32)【優先日】2016年7月28日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】516079202
【氏名又は名称】ヴェクタス バイオシステムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダガン,カレン アネット
【審査官】 二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/039172(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/039173(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/046782(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/107906(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 311/08
C07D 213/56 − 403/10
A61K 31/18 − 31/506
A61P 7/02 − 35/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
の化合物、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物若しくは溶媒和物
[式中、
Bは、
【化2】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R1とR2、R2とR3、及びR3とR4の間の結合は、独立して二重結合又は単結合であり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【化3】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]。
【請求項2】
化合物が、
【化4】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項3】
式:
【化5】
の化合物、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項4】
肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置するための医薬の製造のための、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物若しくは溶媒和物の使用。
【請求項5】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維又は粉塵に曝露されたことがある、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺の自己免疫障害、ウイルス感染症又は細菌感染症を有する、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺又は乳がんのための放射線療法を受けたことがある、請求項4に記載の使用。
【請求項8】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、遺伝的素因を有する、請求項4に記載の使用。
【請求項9】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、喫煙者である、請求項4に記載の使用。
【請求項10】
関連状態が、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんから選択される、請求項4から9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
医薬が、肺線維症の進行を予防する、低減させる、又は遅らせる、請求項4から10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
医薬が、確立された肺線維症を低減させる、請求項4から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置するための医薬組成物であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物若しくは溶媒和物を含む、医薬組成物。
【請求項14】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維又は粉塵に曝露されたことがある、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺の自己免疫障害、ウイルス感染症又は細菌感染症を有する、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺又は乳がんのための放射線療法を受けたことがある、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、遺伝的素因を有する、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
肺線維症を発病するリスクがある対象が、喫煙者である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項19】
関連状態が、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんから選択される、請求項13から18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
肺線維症の進行を予防する、低減させる、又は遅らせる、請求項13から19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
確立された肺線維症を低減させる、請求項13から20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、豪州仮特許出願第2016902978号(2016年7月28日出願)に基づく優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、化合物並びに肺線維症及び関連状態の予防的及び/又は治療的処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術のあらゆる考察は、明細書全体を通して、そのような先行技術が、広く公知であること又は当該分野における一般常識の一部を形成することの承認として、何ら見なされるべきではない。
【0004】
肺線維症は、肺において過剰な線維性結合組織が蓄積し、肺壁の肥厚及び血液への酸素供給低減につながる呼吸器疾患である。結果として、肺線維症を持つ対象は、息切れに悩まされる。
【0005】
肺線維症は、他の肺疾患、例えば、自己免疫障害、ウイルス感染症及び肺の細菌感染症(例えば、結核)の二次的影響であることがあり、又は肺若しくは乳がんのための放射線療法を受けていることがある。肺線維症は、喫煙、環境要因(例えば、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維又は粉塵への職業性曝露)又はリスク要因であると考えられる遺伝的素因による、特発性のものである場合もある。
【0006】
肺線維症のための処置選択肢は、非常に限定されている。一部の種類の肺線維症は、コルチコステロイド又は他の免疫抑制薬に応答する。しかしながら、そのような処置は、多様な結果を生み、特発性肺線維症を持つ対象において有効ではない。肺移植は、特発性肺線維症の重症例において現在利用可能な唯一の治療的選択肢である。
【0007】
肺線維症は、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんの発病につながり得る。
【0008】
肺線維症及び関連状態を予防する又は処置する作用物質が必要である。特に、肺線維症の進行を予防する、低減させる若しくは遅らせる、又は確立された肺線維症を低減させる、作用物質が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、先行技術の不利点の少なくとも1つを克服する若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によれば、本発明は、式:
【0011】
【化1】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Bは、
【0012】
【化2】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【0013】
【化3】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]
を提供する。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法であって、対象に、有効量の式
【0015】
【化4】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Bは、
【0016】
【化5】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【0017】
【化6】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]
を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する医薬の製造のための、式:
【0019】
【化7】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Bは、
【0020】
【化8】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【0021】
【化9】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]
の使用を提供する。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法において使用するための、式:
【0023】
【化10】
の化合物
[式中、
Bは、
【0024】
【化11】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【0025】
【化12】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]
を提供する。
【0026】
別の態様によれば、本発明は、式:
【0027】
【化13】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物を提供する。
【0028】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法であって、対象に、有効量の式:
【0029】
【化14】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0030】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する医薬の製造のための、式:
【0031】
【化15】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物の使用を提供する。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法において使用するための、式:
【0033】
【化16】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物を提供する。
【0034】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法であって、対象に、有効量の式:
【0035】
【化17】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Aは、場合により置換されていてもよい飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてもよいC1〜6アルコキシルアミン、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルアミン、場合により置換されていてもよいC0〜6アルキルカルボン酸、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルヒドロキシル、場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルから選択され、
Bは、
【0036】
【化18】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【0037】
【化19】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、-OH又は
【0038】
【化20】
である]
を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0039】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する医薬の製造のための、式:
【0040】
【化21】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Aは、場合により置換されていてもよい飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてもよいC1〜6アルコキシルアミン、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルアミン、場合により置換されていてもよいC0〜6アルキルカルボン酸、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルヒドロキシル、場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルから選択され、
Bは、
【0041】
【化22】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【0042】
【化23】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、-OH又は
【0043】
【化24】
である]
の使用を提供する。
【0044】
別の態様によれば、本発明は、肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法において使用するための、式:
【0045】
【化25】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Aは、場合により置換されていてもよい飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてもよいC1〜6アルコキシルアミン、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルアミン、場合により置換されていてもよいC0〜6アルキルカルボン酸、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルヒドロキシル、場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルから選択され、
Bは、
【0046】
【化26】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【0047】
【化27】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、-OH又は
【0048】
【化28】
である]
を提供する。
【0049】
別の態様によれば、本発明は、式
【0050】
【化29】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物を提供する。
【0051】
一実施形態において、飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリルは、N、S又はOの1つ以上を含有し、1つ以上のオキソ、C1〜6アルキル、アミノ、ヒドロキシル又はハロ置換基で場合により置換されていてもよい。
【0052】
一実施形態において、飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリルは、1つ以上のオキソ、C1〜6アルキル、アミノ、ヒドロキシル又はハロ置換基で場合により置換されていてもよい、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピロリジニリデン、ジヒドロピロリル、イソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル及びオキサゾリルから選択される。
【0053】
一実施形態において、C1〜6アルコキシルアミンは、アミノオキシメチルである。
【0054】
一実施形態において、C1〜6アルキルアミンは、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、ヒドロキシル又はハロの1つ以上、好ましくは一、二又は三置換ハロアルキル、最も好ましくはトリフルオロメタンで場合により置換されていてもよい。
【0055】
一実施形態において、C0〜6アルキルカルボン酸は、カルボン酸である。
【0056】
一実施形態において、C1〜6アルキルヒドロキシルは、メチルヒドロキシルである。
【0057】
一実施形態において、C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリルは、1つ以上のオキソ、好ましくはジオキソで場合により置換されていてもよい、インドリル、イソインドリル、インソリニル(insolinyl)及びイソインドリニルから選択される。
【0058】
一実施形態において、C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルは、1つ以上のオキソで場合により置換されていてもよい、インドリル、イソインドリル、インソリニル及びイソインドリニルから選択され、C1〜6アルコキシルは、メトキシ又はエトキシである。
【0059】
一実施形態において、Aは、
【0060】
【化30】
から選択される。
【0061】
一実施形態において、Qは、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロである。
【0062】
一実施形態において、Qは、式-NHWの置換アミノであり、式中、
Wは、-CN、-SO2(X1)aY及び-CO(X1)aYから選択され、
aは、0又は1であり、
X1は、-NH-及び-O-から選択され、
Yは、-H、-CH3、-CH2CH3、-CH2OH及び-CH2CH2OHから選択される。
【0063】
一実施形態において、Qは、-NHSO2CH3、-NHCOH、-NHCONHCH3、-NHCONHCH2CH3、-NHSO2NHCH3、-NHSO2NHCH2CH3、-NHCOCH3、-NHCOOCH3、-NHCOOCH2CH2OH、-NHCONH2及び-NHCNからなる群から選択される置換アミノである。
【0064】
一実施形態において、Qは、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチルからなる群から選択されるアルキルである。
【0065】
一実施形態において、Bは、
【0066】
【化31】
から選択される。
【0067】
一実施形態において、Bは、
【0068】
【化32】
[式中、Qは、置換アミノ、好ましくは-NHSO2CH3、-NHCOH、-NHCONHCH3、-NHCONHCH2CH3、-NHSO2NHCH3、-NHSO2NHCH2CH3、-NHCOCH3、-NHCOOCH3、-NHCOOCH2CH2OH、-NHCONH2又は-NHCNであり、nは、1又は2である]
から選択される。
【0069】
一実施形態において、Bは、
【0070】
【化33】
[式中、Qは、アミノであり、nは、1又は2である]
から選択される。
【0071】
一実施形態において、Bは、
【0072】
【化34】
[式中、Qは、ヒドロキシであり、nは、1又は2である]
から選択される。
【0073】
一実施形態において、Bは、
【0074】
【化35】
[式中、Qは、ハロ、好ましくは-F又は-Clであり、nは、1又は2である]
から選択される。
【0075】
一実施形態において、Bは、
【0076】
【化36】
[式中、Qは、アルキル、好ましくは-CH3であり、nは、1又は2である]
から選択される。
【0077】
一実施形態において、Bは、
【0078】
【化37】
[式中、R15からR17は、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択される]
から選択される。
【0079】
一実施形態において、Dは、
【0080】
【化38】
から選択される。
【0081】
一実施形態において、Dは、
【0082】
【化39】
[式中、Tは、アルキル、好ましくは-CH3であり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0083】
一実施形態において、Dは、
【0084】
【化40】
[式中、Tは、C0〜6アルキルカルボン酸、好ましくは-C(O)OHであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0085】
一実施形態において、Dは、
【0086】
【化41】
[式中、Tは、ハロ、好ましくは-Fであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0087】
一実施形態において、Dは、
【0088】
【化42】
[式中、Tは、アミノであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0089】
一実施形態において、Dは、
【0090】
【化43】
[式中、Tは、ヒドロキシであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0091】
一実施形態において、Dは、
【0092】
【化44】
[式中、Tは、C1〜6アルコキシ、好ましくは-OCH3であり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0093】
一実施形態において、Dは、
【0094】
【化45】
から選択される。
【0095】
一実施形態において、Dは、
【0096】
【化46】
[式中、Tは、アルキル、好ましくは-CH3であり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0097】
一実施形態において、Dは、
【0098】
【化47】
[式中、Tは、C0〜6アルキルカルボン酸、好ましくは-C(O)OHであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0099】
一実施形態において、Dは、
【0100】
【化48】
[式中、Tは、ハロ、好ましくは-Fであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0101】
一実施形態において、Dは、
【0102】
【化49】
[式中、Tは、アミノであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0103】
一実施形態において、Dは、
【0104】
【化50】
[式中、Tは、ヒドロキシであり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0105】
一実施形態において、Dは、
【0106】
【化51】
[式中、Tは、C1〜6アルコキシ、好ましくは-OCH3であり、mは、1又は2である]
から選択される。
【0107】
一実施形態において、Xは、-OHである。
【0108】
一実施形態において、Xは、
【0109】
【化52】
である。
【0110】
一実施形態において、化合物は、
【0111】
【化53】
からなる群から選択される、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物である。
【0112】
一実施形態において、化合物は、
【0113】
【化54】
からなる群から選択される、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物である。
【0114】
一実施形態において、肺線維症を発病するリスクがある対象は、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維又は粉塵に曝露されたことがある。
【0115】
一実施形態において、肺線維症を発病するリスクがある対象は、肺の自己免疫障害、ウイルス感染症又は細菌感染症を有する。
【0116】
一実施形態において、肺線維症を発病するリスクがある対象は、肺又は乳がんのための放射線療法を受けたことがある。
【0117】
一実施形態において、肺線維症を発病するリスクがある対象は、遺伝的素因を有する。
【0118】
一実施形態において、肺線維症を発病するリスクがある対象は、喫煙者である。
【0119】
一実施形態において、関連状態は、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんから選択される。
【0120】
一実施形態において、肺線維症の進行は、予防される、低減される又は遅らせられる。
【0121】
一実施形態において、確立された肺線維症は、低減される。
【0122】
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び請求項全体を通して、「を含む(comprise)」、「を含む(comprising)」等の語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包含的な意味で、すなわち「を含むがこれらに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1】16週の対照(ブレオマイシン投与の2週間後)、及びVB0004、A6、A32、A79又はビヒクル対照による4週間の処置後である20週における肺線維症の図である。すべての薬物は、飲料溶液(5%エタノール)中500 pmol/kg/分で投与した。ビヒクル対照は、飲料溶液単独である。* p<0.001対20週の対照、# p<0.025対16週の対照、## p<0.001対16週の対照。
図2】16週の対照(ブレオマイシン投与の2週間後)、並びにA32、A79、A6、VB0004、P13、D30、D6、A81及びビヒクル対照(100%)による4週間の処置後である20週における肺線維症(20週の対照に対するパーセントとして表現される)の図である。すべての薬物は、飲料溶液(5%エタノール)中500 pmol/kg/分で投与した。ビヒクル対照は、飲料溶液単独である。
図3】ヒト小気道上皮細胞における細胞インピーダンスと20週の対照と比較した線維症の減少パーセントとの間の直線関係(すなわち、肺線維症の発病を予防する)(R2=0.812)の図である。
図4】ヒト小気道上皮細胞における細胞インピーダンスと16週の対照と比較した線維症の減少パーセントの間の直線関係(すなわち、確立された肺線維症を回復させる)(R2=0.802)の図である。
図5】A6、A26、A27、A30、A32、A35、A56、A79、A81、D4、D5、D6、D10、D11、D12、D16、D17、D18、D28、D30、D31、D32、D35、D167、D171、D172、P13、P14、P25、P42、P43、P44及びVB0004で処置したヒト小気道上皮細胞において測定された、細胞インピーダンスの図である。観察された陰性波は、20週の対照と比較した線維症の減少パーセント及び16週の対照と比較した減少パーセントと相関していることが分かった。
【発明を実施するための形態】
【0124】
本発明は、肺線維症の進行を予防する、低減させる若しくは遅らせる、又は確立された肺線維症を低減させるのに有効な、化合物に関する。
【0125】
本発明の化合物は、式:
【0126】
【化55】
によって表される、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物である
[式中、
Bは、
【0127】
【化56】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【0128】
【化57】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]。
【0129】
本発明の追加の化合物は、式:
【0130】
【化58】
によって表される、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物である
[式中、
Aは、場合により置換されていてもよい飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてもよいC1〜6アルコキシルアミン、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルアミン、場合により置換されていてもよいC0〜6アルキルカルボン酸、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルヒドロキシル、場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルから選択され、
Bは、
【0131】
【化59】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【0132】
【化60】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、-OH又は
【0133】
【化61】
である]。
【0134】
本発明の追加の化合物は、
【0135】
【化62】
である。
【0136】
下記の化合物は、本発明の化合物の、具体的であるが非限定的な例である。
【0137】
【化63】
【0138】
本明細書において使用される場合、用語「アルキル」は、単独で又は組み合わせて、式-CnH(2n+1)の直鎖又は分枝鎖アルキルラジカルを意味する。アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル等を含む。
【0139】
本明細書において使用される場合、用語「アルコキシ」は、単独で又は組み合わせて、酸素と結合しているアルキルを意味し、アルキルという用語は、上記で定義されている通りである。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等を含む。
【0140】
本明細書において使用される場合、用語「ハロ」は、-F、-Cl、-Br又は-Iを示す。
【0141】
本明細書において使用される場合、用語「ヒドロキシ」は、-OHを示す。
【0142】
本明細書において使用される場合、用語「アミノ」又は「アミン」は、-NH2を示す。
【0143】
本明細書において使用される場合、用語「置換アミノ」は、-NHW[式中、Wは、-CN、-SO2(X)aY及び-CO(X)aYから選択され、aは、0又は1であり、Xは、-NH-及び-O-から選択され、Yは、-H、-CH3、-CH2CH3、-CH2OH及び-CH2CH2OHから選択される]を含む。
【0144】
本明細書において使用される場合、用語「カルボン酸」は、-C(O)OHを示す。
【0145】
本明細書において使用される場合、用語「オキシ」は、-O-を示す。
【0146】
本明細書において使用される場合、用語「オキソ」は、=Oを示す。
【0147】
本明細書において使用される場合、用語「グルクロニド」は、グルクロン酸がグリコシド結合を介して化合物と結合している化合物を含む。
【0148】
本明細書において使用される場合、略語Me、Et、Ph、Msは、メチル、エチル、フェニル及びメタンスルホニルをそれぞれ表す。有機化学の当業者によって利用される略語のより包括的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の初号において出現し、このリストは、典型的には、Standard List of Abbreviationsと題された表において提示される。前記リストに含まれる略語及び有機化学の当業者によって利用されるすべての略語は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0149】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性形態で存在していてもよい。本発明は、シス-及びトランス-異性体、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(d)-異性体、(l)-異性体、それらのラセミ混合物、並びにそれらの他の混合物を含むすべてのそのような化合物を、本発明の範囲内にあるものとして企図している。すべてのそのような異性体及びそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図されている。
【0150】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが所望される場合、不斉合成によって、又はキラル補助を用いる誘導体化によって調製され得、得られたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を開裂させて、純粋な所望のエナンチオマーを得る。或いは、ジアステレオマー塩が適切な光学的に活性な酸又は塩基と形成されることがあり、続いて、このようにして形成されたジアステレオマーの、当該技術分野において周知である分別結晶又はクロマトグラフ的手段による分割、並びにその後の純粋なエナンチオマーの回収が行われる。
【0151】
概して、本発明の化合物は、例えば後述する通りの一般的な反応スキームにおいて例証されている方法によって、又はそれらの修正形態によって、容易に入手できる出発材料、試薬及び従来の合成手順を使用して調製され得る。これらの反応において、それら自体は公知であるがここでは言及されていない変形形態を活用することも可能である。
【0152】
注記がある場合以外は、化合物の合成方法は、例えば、March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (2013)、Michael B. Smith著; Advanced Organic Chemistry, Part A: Structure and Mechanisms (2008)及びAdvanced Organic Chemistry: Part B: Reaction and Synthesis (2010)、Francis A. Carey及びRichard J. Sunberg著;並びにGreene's Protective Groups in Organic Synthesis (2014)、Peter G. M. Wuts著に記載されている、十分に確立された方法に基づく。
【0153】
本発明は、化合物の薬学的に許容される塩も企図している。用語「薬学的に許容される塩」は、酸及び塩基付加塩の両方を含み、遊離塩基又は酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にも別様にも望ましくないものでない塩を指す。薬学的に許容される塩は、無機又は有機酸又は塩基と形成され、化合物の最終単離及び精製中にインサイチュで、又は、その遊離塩基若しくは酸形態の精製された化合物を、好適な有機若しくは無機酸若しくは塩基と別個に反応させ、そのようにして形成された塩を単離することによって、調製することができる。
【0154】
用語「肺線維症」は、本発明の文脈において使用される場合、肺における過剰な線維性結合組織の形成を指す。肺線維症は、他の肺疾患の二次的影響であることがある。そのような疾患の例は、自己免疫障害、ウイルス感染症及び細菌感染症(例えば、結核)を含む。肺線維症は、リスク要因であると考えられる喫煙、環境要因(例えば、ガス、煙、化学物質又は粉塵への職業性曝露)又は遺伝的素因による、特発性のものである場合もある。
【0155】
確立された線維症の処置に加えて、本発明の化合物は、肺線維症を発病するリスクがある対象において予防的に使用され得る。肺線維症を発病するリスク分類における対象の例としては、肺疾患(例えば、肺の自己免疫障害、ウイルス感染症又は細菌感染症)、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維若しくは粉塵への曝露、又は遺伝的素因を有する対象、或いは喫煙する対象である。用語「予防的」は、本発明の文脈において使用される場合、とりわけ、リスクがある群において線維症の発病を予防する又は遅らせるために使用される処置を網羅することが意図されている。
【0156】
用語「関連状態」は、本発明の文脈において、肺線維症に関連する又はそれにより生じる任意の状態を指す。関連状態の例は、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんを含む。
【0157】
本発明は、本発明の化合物を許容される医薬賦形剤と併せて含む、医薬組成物も企図している。用語「薬学的に許容される賦形剤」は、本発明の文脈において使用される場合、組成物のあらゆる薬学的に許容される不活性成分を意味する。当該技術分野において周知の通り、賦形剤は、希釈剤、緩衝剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、酸化防止剤/保存料、pH調整剤等を含む。賦形剤は、最終形態の所望の物理的側面、例えば、所望の硬度を持つ錠剤を得ること及び急速に分散可能であり簡単に嚥下される破砕性(friability)等に基づいて選択される。組成物からの、その摂取後の活性物質の所望の放出速度は、賦形剤の選択においても役割を果たす。医薬組成物は、あらゆる種類の剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、液体製剤、遅延又は持続放出、パッチ剤、嗅ぎ薬、鼻腔用スプレー剤等を含んでよい。企図されている医薬組成物の物理的形態及び内容物は、医薬製剤分野の当業者によって製剤化することができ、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995; British Pharmacopoeia 2000並びに同様の製剤テキスト及びマニュアルに記載されている十分に確立された原理及び組成に基づく、従来の調製物である。
【0158】
例えば、化合物又は組成物が、経口的に投与されるものである場合、それらは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤として製剤化されていてもよく、又は非経口投与のために、それらは、注射(静脈、筋肉内又は皮下)、液滴注入調製物若しくは坐剤として製剤化されていてもよい。眼粘膜経路による適用のために、それらは、点眼剤又は眼軟膏剤として製剤化されていてもよい。これらの製剤は、従来の手段によって調製することができ、所望ならば、有効成分を、任意の従来の添加物、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯正薬、可溶化剤、懸濁助剤、乳化剤又はコーティング剤と混合してもよい。
【0159】
本発明の化合物が医薬品としてヒト及び動物に投与される場合、それらは、それ自体、又は、例えば0.1から99.5% (より好ましくは、0.5から90%)の有効成分を薬学的に許容される担体と組み合わせて含有する医薬組成物として、与えられ得る。
【0160】
使用されるべき化合物の投薬量及び投与の頻度は、所望の応答を生成するために、開業医によって簡単に決定することもできる。
【0161】
投薬量は、患者の症状、年齢及び体重、処置又は予防される障害の性質及び重症度、投与経路並びに薬物の形態に応じて変動することになるが、概して、本発明の化合物の0.0001mgから200mgまでの1日投薬量が、成人ヒト患者のための好適な有効量であってもよく、これは、単回用量で又は分割用量で投与されてもよい。
【0162】
主題の方法によって処置される「患者」又は「対象」は、ヒト又は非ヒト対象のいずれかを意味し得る。
【0163】
処置方法に関して、主題の化合物の「有効量」は、所望の投薬レジメンの一部として適用される場合に、臨床的に許容される基準に従って、特定の障害の処置又は予防のための利益を提供する、調製物中の処置薬の量を指す。
【0164】
ここで、具体的な組成物及び使用方法について記載する具体的であるが非限定的な例を参照して、本発明についてさらに詳細に説明する。しかしながら、具体的な手順、組成物及び方法の詳細な説明は、本発明を例示することのみを目的として含まれることを理解されたい。決して上記で示した通りの発明概念の幅広い記載に対する制約として理解すべきではない。
【0165】
[実施例]
[実施例1]
化合物の合成
【0166】
VB0004の合成は、PCT/AU2014/000923 (WO2015/039173)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0167】
A32、A6、A30、A56f、A56g、A56、A56k、A26、A27、A31、A35、A45、A79及びA81の合成は、PCT/AU2016/000095 (WO2016/145479)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0168】
T1、T2、T3、T4、T5、T6、T10、T11、T12、T15、T16、T18、T20、T22、T23、T24、T25、T26、T27、T29、T30、T31、T32、T33、T35、T37、T38、T39、T48、T58、T63、T64、T65、T66、T67、T68、T69及びT70の合成は、PCT/AU2014/000922 (WO2015/039172)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0169】
P1、P3、P4、P5、P6、P8、P9、P11、P22、P26、P33、P38、P40、P41、P42、P43、P44、P45、P46、P47、P48、P49、P50及びP104の合成は、PCT/AU2016/000094 (WO2016/145478)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0170】
P13のための合成スキームを以下に示す。
【0171】
【化64】
【0172】
ステップP13.01:3-[3'-ヒドロキシ-4-(1-オキシドピラジン-2-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミドの合成。20mLのマイクロ波バイアルに、ピラジンN-オキシド[Fagnouら、JACS 2005、127: 18020〜1] (0.346g、3.60mmol)、炭酸カリウム(0.497g、3.60mmol)、酢酸パラジウム(0.020g、0.089mmol)、トリ-n-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.052g、0.179mmol)及びピバル酸(0.055g、0.541mmol)を投入した。トルエン(4mL)中2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3'-ヒドロキシビフェニル-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(0.700g、1.798mmol)の溶液を添加し、バイアルを窒素下で10分間パージし、密閉し、4時間加熱還流した。冷却したら、クロロホルム(10mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過し、ジクロロメタン及び酢酸エチル/メタノールで引き続き洗浄した。有機物を合わせ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(アセトン/ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を無色固体(0.460g、76%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.56 (s, 1 H), 8.81 (s, 1 H), 8.52 - 8.49 (m, 1 H), 8.45 (d, J = 4.1 Hz, 1 H), 7.78 - 7.73 (m, 2 H), 7.30 - 7.26 (m, 1 H), 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.22 (br. s., 1 H), 6.80 (ddd, J = 0.8, 2.3, 8.2 Hz, 1 H), 6.78 - 6.75 (m, 1 H), 6.75 - 6.70 (m, 2 H), 2.82 (dd, J = 6.9, 9.1 Hz, 2 H), 2.31 - 2.24 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 336.2.
【0173】
ステップP13.02:3-[3'-ヒドロキシ-4-(ピラジン-2-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミド(P13)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-[3'-ヒドロキシ-4-(1-オキシドピラジン-2-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミド(0.460g、1.37mmol)及びメタノール(10mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、10%パラジウム炭素(0.046g)を添加し、反応混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌した。混合物をナイロンフィルターに通して濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、淡黄色固体を得た。固体をクロロホルム/メタノールから再結晶させて、標題化合物を無色粉末(0.245g、56%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.54 (s, 1 H), 9.28 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.74 (dd, J = 1.6, 2.5 Hz, 1 H), 8.62 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.00 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1 H), 7.30 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.26 (t, J = 7.8 Hz, 2 H), 6.83 - 6.71 (m, 4 H), 2.86 (dd, J = 6.9, 9.1 Hz, 2 H), 2.36 - 2.29 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 320.1, [M+Na]+= 342.1.
【0174】
P14のための合成スキームを以下に示す。
【0175】
【化65】
【0176】
ステップP14.01:3-[3'-ヒドロキシ-4-(2-オキシドピリダジン-3-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミドの合成。ステップP13.01に従って調製した。反応混合物を12時間加熱還流した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン/メタノール)によって精製して、標題化合物を黄色泡状物(0.380g、63%)として得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.60 (dd, J = 2.3, 5.3 Hz, 1 H), 8.12 (dd, J = 2.3, 8.0 Hz, 1 H), 7.80 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 7.75 (dd, J = 1.9, 7.9 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 5.3, 8.0 Hz, 1 H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.27 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 6.84 - 6.79 (m, 2 H), 6.78 - 6.76 (m, 1 H), 2.99 (dd, J = 7.1, 8.7 Hz, 2H), 2.44 - 2.36 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 336.1, [M+Na]+ = 358.1.
【0177】
ステップP14.02:3-[3'-ヒドロキシ-4-(ピリダジン-3-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミド(P14)の合成。ステップP13.02に従い、水酸化アンモニウム溶液(2mL)を添加して調製し、24時間後に標題化合物を無色粉末(0.105g、55%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.54 (s, 1 H), 9.22 (dd, J = 1.6, 4.9 Hz, 1 H), 8.24 (dd, J = 1.6, 8.6 Hz, 1 H), 8.13 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.00 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1 H), 7.80 (dd, J = 4.9, 8.6 Hz, 1 H), 7.32 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.29 - 7.22 (m, 2 H), 6.83 - 6.71 (m, 4 H), 2.91 - 2.83 (m, 2 H), 2.36 - 2.30 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 320.2, [M+Na]+ = 342.2.
【0178】
P25のための合成スキームを以下に示す。
【0179】
【化66】
【0180】
ステップP25.01:4-(6-クロロピリミジン-4-イル)フェノールの合成。丸底フラスコに、1,4-ジオキサン/水(9:1、100mL)の溶液中の、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(10.0g、0.045mol)、4,6-ジクロロピリミジン(8.12g、0.055mol)及び炭酸セシウム(29.58g、0.092mol)を投入し、窒素を10分間混合物に通してバブリングさせた後、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1.85g、2.27mmol)を添加し、反応混合物を3時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、濾過し、分液漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)の間に分配した。水性層を分離し、酢酸エチル(2×50mL)で再抽出した。有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって半精製して、標題化合物(3.8g)を混合物として得、これを、次のステップに直接使用した。LCMS [M+H]+= 207.1.
【0181】
ステップP25.02:4-(ピリミジン-4-イル)フェノールの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、4-(6-クロロピリミジン-4-イル)フェノール(0.20g、0.968mmol)、メタノール(10mL)及びアンモニア水溶液(1.5mLの25%溶液)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、10%パラジウム炭素(0.020g)を添加し、反応混合物を、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌し、次いで、濾紙に通して濾過した。濾液を濃縮乾固し、残留物を、酢酸エチル(20mL)及び水(10mL)の間に分配した。水性相を分離し、10%水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチル(3×20mL)でさらに抽出し、1M塩酸の添加でpHを4に調整し、混合物を9/1のジクロロメタン/メタノール溶液で抽出した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を黄色固体(0.08g、80%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.08 (s, 1 H), 9.13 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 8.74 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 8.12 - 8.06 (m, 2 H), 7.94 (dd, J = 1.4, 5.5 Hz, 1 H), 6.94 - 6.88 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 173.1.
【0182】
ステップP25.03:2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-4-イル)ベンズアルデヒドの合成。丸底フラスコに、4-(ピリミジン-4-イル)フェノール(1.9g、11.04mmol)、トリフルオロ酢酸(22mL)及びヘキサミン(2.32g、16.5mmol)を投入し、反応混合物を16時間加熱還流した。室温に冷却したら、水(100mL)を添加し、撹拌をさらに30分間続け、次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、ジクロロメタン(100mL)で抽出した。水性層を分離し、ジクロロメタン(3×100mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、水(150mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を白色固体(0.750g、42%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.32 (br. s., 1 H), 10.35 (s, 1 H), 9.21 (d, J = 1.3 Hz, 1 H), 8.82 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 8.55 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.38 (dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 1 H), 8.06 (dd, J = 1.4, 5.5 Hz, 1 H), 7.17 (d, J = 8.7 Hz, 1 H). LCMS [M+H]+ = 201.1.
【0183】
ステップP25.04:2-ホルミル-4-(ピリミジン-4-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-4-イル)ベンズアルデヒド(0.75g、3.75mmol)、アセトニトリル(30mL)及び炭酸カリウム(1.04g、17.5mmol)を投入した。N-フェニルビス(トリフルオロ-メタンスルホンイミド)(1.47g、4.12mmol)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)の間に分配し、水性相を酢酸エチル(3×40mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を黄色固体(1.4g)として得、さらに精製することなく使用した。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.35 (s, 1 H), 9.34 (d, J = 1.3 Hz, 1 H), 8.89 (d, J = 5.3 Hz, 1 H), 8.69 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.53 (dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 1 H), 7.81 (dd, J = 1.4, 5.3 Hz, 1 H), 7.41 (d, J = 7.9 Hz, 1 H). LCMS [M+H]+ = 333.0.
【0184】
ステップP25.05:3'-(ベンジルオキシ)-4-(ピリミジン-4-イル)ビフェニル-2-カルバルデヒドの合成。2-ホルミル-4-(ピリミジン-4-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(1当量)、複素環式ボロン酸(1.2当量)及び炭酸カリウム(2当量)の混合物を、1,4-ジオキサン(4mL/mmol)及び水(5滴/mmol)に懸濁した。窒素を15分間混合物に通してバブリングさせた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1当量)を添加し、混合物を、窒素下、85℃で20時間加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。残留物を酢酸エチル(2×)で洗浄した。合わせた濾液を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)によって精製した。生成物をヘキサン(4mL)に懸濁し、濾過によって単離した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン)によって精製して、標題化合物を橙色油状物(0.400g、91%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.04 (s, 1 H), 9.32 (d, J = 1.3 Hz, 1 H), 8.84 (d, J = 5.4 Hz, 1 H), 8.66 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.47 (dd, J = 2.0, 8.1 Hz, 1 H), 7.86 (dd, J = 1.5, 5.4 Hz, 1 H), 7.62 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.47 - 7.43 (m, 2 H), 7.43 - 7.38 (m, 3 H), 7.30 (m, 1 H), 7.10 (ddd, J = 0.9, 2.6, 8.4 Hz, 1 H), 7.07 - 7.03 (m, 1 H), 7.03 - 6.98 (m, 1 H), 5.13 (s, 2 H). LCMS [M+H]+ = 367.2, [M+Na]+ = 389.1.
【0185】
ステップP25.0:(E)-3-(2-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)-5-(ピリミジン-4-イル)フェニル)プロパ-2-エン酸の合成。丸底フラスコに、3'-(ベンジルオキシ)-4-(ピリミジン-4-イル)ビフェニル-2-カルバルデヒド(0.350g、0.96mmol)及びピリジン(11mL)を投入した。マロン酸(0.120g、1.15mmol)、続いて、ピペリジン(9.8mg、0.11mmol)を添加し、混合物を48時間加熱還流した。室温に冷却したら、1M塩酸を、pH1〜2に到達するまで添加した。得られた懸濁液を氷浴中で冷却し、濾過し、残留物を酢酸エチル(100mL)で抽出し、ブライン(50mL)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を橙色固体(0.280g、71%)として得、さらに精製することなく使用した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.31 (d, J = 1.1 Hz, 1 H), 8.93 (d, J = 5.4 Hz, 1 H), 8.65 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.38 - 8.33 (m, 2 H), 7.60 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 2.9 Hz, 1 H), 7.49 - 7.38 (m, 5 H), 7.36 - 7.31 (m, 1 H), 7.13 (ddd, J = 0.8, 2.6, 8.3 Hz, 1 H), 7.05 - 7.02 (m, 1 H), 6.97 - 6.93 (m, 1 H), 6.73 (d, J = 15.9 Hz, 1 H), 5.17 (s, 2 H). LCMS [M+H]+ = 409.2, [M+Na]+ = 431.2.
【0186】
ステップP25.07:(E)-3-(2-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)-5-(ピリミジン-4-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。塩化オキサリル(0.075mL、0.892mmol)を、(E)-3-(2-(3'-(ベンジルオキシ)フェニル)-5-(ピリミジン-4-イル)フェニル)プロパ-2-エン酸(0.280g、0.686mmol)及びジクロロメタン(2.3mL)を投入した丸底フラスコに滴下添加した。触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドを添加し、混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物を1,4-ジオキサン(10mL)に溶かし、氷浴中で冷却し、アンモニア水溶液(0.15mL、25%溶液)を滴下添加した。室温で30分後、反応混合物を濃縮乾固し、ジエチルエーテルを添加し、スラリーを濾過した。固体残留物を熱メタノールに溶かし、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を無色固体(0.267g、96%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.31 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 8.93 (d, J = 5.4 Hz, 1 H), 8.61 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.26 (dd, J = 1.9, 8.1 Hz, 1 H), 8.23 (dd, J = 1.4, 5.5 Hz, 1 H), 7.60 (br. s., 1 H), 7.55 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.49 - 7.45 (m, 3 H), 7.45 - 7.37 (m, 3 H), 7.36 - 7.33 (m, 1 H), 7.16 (br. s., 1 H), 7.12 (ddd, J = 0.8, 2.6, 8.3 Hz, 1 H), 7.03 - 7.00 (m, 1 H), 6.94 (td, J = 1.0, 7.8 Hz, 1 H), 6.81 (d, J = 15.6 Hz, 1 H), 5.16 (s, 2 H). LCMS [M+H]+ = 408.1.
【0187】
ステップP25.08。3-[3'-ヒドロキシ-4-(ピリミジン-4-イル)ビフェニル-2-イル]プロパンアミド(P25)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(E)-3-(2-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)-5-(ピリミジン-4-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(0.250g、0.164mmol)、メタノール(10mL)及びアンモニア水溶液(1.5mLの25%溶液)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、10%パラジウム炭素(0.025g)を添加し、反応混合物を、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌し、次いで、濾紙に通して濾過した。残留物を熱メタノールで洗浄し、濾液を濃縮乾固して、無色残留物を得、これを、逆相フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/水)及びメタノールによるトリチュレートによって精製して、標題化合物をオフホワイトの固体(0.036g、18%)として得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ ppm 9.19 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 8.80 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 8.16 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.07 - 8.00 (m, 2 H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.27 (t, J = 7.9 Hz, 1 H), 6.84 - 6.76 (m, 3 H), 3.05 - 2.99 (m, 2 H), 2.46 - 2.39 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 320.1, [M+Na]+ = 342.1.
【0188】
D4〜D18の調製用の試薬のための合成スキームを以下に示す。
【0189】
【化67】
【0190】
ステップR1.01:5-ブロモ-1,3-ジアミノベンゼンの合成。丸底フラスコに、5-ブロモ-1,3-ジニトロベンゼン(5.0g、20.2mmol)、エタノール(240mL)及び水(120mL)を投入した。鉄粉(13.57g、24.3mmol)、続いて、塩化アンモニウム(1.30g、24.3mmol)を添加し、得られた混合物を85℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を黄色固体(4.0g)として得、精製することなく使用した。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.26 (d, J = 2.0 Hz, 2 H), 5.91 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 3.59 (br. s., 4 H). LCMS [M+H]+ = 189.0.
【0191】
ステップR1.02:ジ-tert-ブチル(5-ブロモベンゼン-1,3-ジイル)ビスカルバメートの合成。丸底フラスコに、5-ブロモ-1,3-ジアミノベンゼン(3.7g、19.8mmol)を投入し、水(20mL)に懸濁した。ジ-tert-ブチルジカーボネート(9.50g、43.56mmol)を添加して、加熱及び泡立ちを引き起こした。反応混合物を水(80mL)でさらに希釈し、次いで、70℃で5時間加熱した。室温に冷却したら、水(100mL)を添加し、沈殿物を濾過によって収集し、水で徹底的に洗浄した。固体残留物をジクロロメタン(100mL)中に抽出し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を淡黄色固体(7.4g、96%)として得た。LCMS [M+Na]+ = 411.0.
【0192】
ステップR1.03:ジ-tert-ブチル(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン-1,3-ジイル)ビスカルバメートの合成。丸底フラスコに、ジ-tert-ブチル(5-ブロモベンゼン-1,3-ジイル)ビスカルバメート(4.00g、10.3mmol)、1,4-ジオキサン(50mL)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.88g、11.36mmol)及び酢酸カリウム(3.03g、30.9mmol)を投入した。窒素を5分間混合物に通してバブリングさせ、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.420g、0.515mmol)を添加し、反応混合物を100℃で20時間加熱した。冷却したら、反応混合物を酢酸エチル(150mL)及び水(20mL)の間に分配し、有機相をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を淡黄色結晶性粉末(0.55g、12%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.75 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 7.35 (d, J = 2.1 Hz, 2 H), 6.45 (s, 2 H), 1.50 (s, 18 H), 1.31 (s, 12 H).
【0193】
ステップR1.04:1,3-ジアミノ-5-ベンゼンボロン酸の合成。丸底フラスコに、ジ-tert-ブチル(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン-1,3-ジイル)ビスカルバメート(1.34g、3.08mmol)及びクロロホルム(10mL)を投入し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(2.4mL、30.8mmol)を添加した。反応混合物を室温に加温し、24時間撹拌し、次いで、濃縮乾固した。粗残留物をクロロホルム(50mL)及び水(50mL)の間に分配し、水性相をクロロホルム中10%メタノール(50mL)で洗浄し、炭酸水素ナトリウムの添加によってpHを7に調整し、ジクロロメタンで洗浄した。水性相を濃縮乾固して、固体残留物を得、これを、ジクロロメタンで洗浄し、メタノールに溶かし、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を白色固体(0.50g、定量的)として得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.62 (br. s., 3 H), 7.40 (br. s., 1 H). LCMS [M+H]+ = 153.2.
【0194】
ステップR1.05:5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ベンゼン-1,3-ジアミンの合成。丸底フラスコに1,3-ジアミノ-5-ベンゼンボロン酸(0.50g、3.30mmol)を投入し、テトラヒドロフラン(10mL)に懸濁した。2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール(0.39g、3.30mmol)を添加し、反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン中1%メタノール(50mL)で希釈し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を薄緑色固体(0.850g)として得、精製することなく使用した。LCMS [M+H]+= 235.2.
【0195】
ステップR1.06:N,N'-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)(ベンゼン-1,3-ジイル)ジメタンスルホンアミドの合成。丸底フラスコに、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ベンゼン-1,3-ジアミン(0.10g、0.427mmol)、クロロホルム(2mL)を投入し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.298mL、2.14mmol)を添加し、続いて、メタンスルホニルクロリド(0.165mL、2.14mmol)を滴下添加した。得られた混合物を2時間撹拌し、濃縮乾固し、残留物をクロロホルム(50mL)及び水(50mL)の間に分配した。水性相をクロロホルム(3×20mL)で洗浄し、有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固した。固体残留物をエーテルでトリチュレートして、標題化合物を白色固体(0.10g、43%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.90 (d, J = 2.1 Hz, 2 H), 7.44 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 3.40 (s, 12 H), 1.35 (s, 12 H).
【0196】
D4〜D18の調製用の追加の試薬のための合成スキームを以下に示す。
【0197】
【化68】
【0198】
ステップR2.01:N-(4-ブロモピリジン-2-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミドの合成。丸底フラスコに、2-アミノ-4-ブロモピリジン(1.0g、5.78mmol)及びクロロホルム(10mL)を投入し、0℃に冷却し、トリエチルアミン(2.41mL、17.34mmol)を添加し、続いて、メタンスルホニルクロリド(1.34mL、17.34mmol)を滴下した。反応混合物を、0℃で1時間、室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮乾固した。ジエチルエーテル(50mL)を添加し、懸濁液を30分間撹拌し、濾過した。固体残留物をジクロロメタン(100mL)中に抽出し、水(50mL)で洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を、およそ15%のモノスルホニル化生成物を含有する白色粉末(1.3g)として得た。LCMS [M+H]+ = 330.9, [M+Na]+ = 352.9.
【0199】
ステップR2.02:N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミドの合成。20mLのマイクロ波バイアルに、N-(4-ブロモピリジン-2-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(0.500g、1.52mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.490g、1.67mmol)及び酢酸カリウム(0.450g、4.56mmol)を投入し、窒素を5分間混合物に通してバブリングさせた。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.062g、0.076mmol)を添加し、バイアルを密閉し、混合物を90℃で12時間加熱した。冷却したら、酢酸エチルを添加し(100mL)、混合物を分液漏斗に移し、水(50mL)で洗浄した。有機相を0.01M塩酸で洗浄し、合わせた水性相を酢酸エチル(2×20mL)で再抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮乾固した。粗残留物を酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、濾過して、標題化合物を白色固体(0.120g、23%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.62 (dd, J = 0.9, 4.7 Hz, 1 H), 7.79 (t, J = 0.9 Hz, 1 H), 7.71 (dd, J = 0.9, 4.7 Hz, 1 H), 3.65 (s, 6 H), 1.34 (s, 12 H). LCMS (ボロン酸) [M+H]+ = 295.0, [M+Na]+ = 317.0.
【0200】
D4のための合成スキームを以下に示す。
【0201】
【化69】
【0202】
ステップD4.01:3-(2-ブロモ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。丸底フラスコに、3-(2-ブロモ-5-ヨードフェニル)プロパ-2-エンアミド(1.0g、1.70mmol))、ピリミジン5-ボロン酸(0.211g、1.7mmol)、炭酸セシウム(1.11g、3.4mmol)、1,4-ジオキサン(20mL)及び水(3.5mL)を投入し、窒素を5分間混合物に通してバブリングさせた。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.070g、0.08mmol)を添加し、混合物を2時間加熱還流した。冷却したら、酢酸エチルを添加し(50mL)、混合物を分液漏斗に移し、水(25mL)で洗浄した。水性相を酢酸エチル(25mL)で逆抽出し、有機物を合わせ、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮乾固した。残留物をジクロロメタン(50mL)中で撹拌し、固体材料を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を灰色粉末(0.167g、32%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.23 (s, 1H), 9.22 (s, 2H), 8.11 (d, J=2.15 Hz, 1H), 7.86 (d, J=8.40 Hz, 1H), 7.76 (dd, J=8.40, 2.34 Hz, 1H), 7.70 (d, J=15.63 Hz, 1H), 7.56 (bs, 1H), 6.83 (d, J=15.63 Hz, 1H), 7.27 (bs, 1H). LCMS [M+H]+ = 304.1, 306.1, [M+Na]+ = 326.0, 328.0.
【0203】
ステップD4.02:3-(2-ブロモ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパンアミドの合成[出典Monatshefte fur Chemie、第147巻、第3号、(2016)、509〜521頁]。還流冷却器付きの丸底フラスコに、3-(2-ブロモ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(0.200g、0.658mmol)、ジクロロメタン(10mL)、メタノール(10mL)、アゾジカルボン酸カリウム(0.639g、3.29mmol)及び酢酸(0.188mL、3.29mmol)を投入した。反応混合物を45〜50℃で3日間撹拌し、次いで、室温に冷却し、ジクロロメタン(50mL)及び水(50mL)で希釈した。混合物を振とうし、次いで、水性層を分離し、ジクロロメタン(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を褐色粉末(0.147g、73%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.20 (s, 1H), 9.14 (s, 2H), 7.78 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.74 (d, J=8.40 Hz, 1H), 7.60 (dd, J=8.40, 2.34 Hz, 1H), 7.29 - 7.37 (m, 1H), 6.83 (bs, 1H), 2.94 - 3.02 (m, 2H), 2.41 - 2.48 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 306.0, 308.0, [M+Na]+ = 328.0, 330.0, [M-H+CH3OOH]- = 350.0, 352.1.
【0204】
ステップD4.03:3-(3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-4-(ピリミジン-5-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(D4)の合成。窒素雰囲気下のマイクロ波バイアルに、3-(2-ブロモ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパンアミド(0.147g、0.480mmol)、3,5-ビス((メチルスルホニル)アミノ)フェニルボロン酸、ピナコールエステル(0.262g、0.480mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、水(0.5mL)及び炭酸セシウム(0.626g、1.92mmol)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.020g、0.024mmol)を添加した。反応容器に蓋をし、反応混合物を2.5時間還流撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)及び水(25mL)で希釈した。水性層を塩酸溶液でpH5〜6に調整し、2つの層を徹底的に混合した。水性層を分離し、ジクロロメタン/メタノール(100mLの1:1混合物)で抽出した。有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を熱酢酸エチル(50mL)中で10分間トリチュレートし、次いで、室温に冷却させた。得られた固体を濾過によって収集し、酢酸エチル(3×15mL)で洗浄し、風乾させた。固体を、熱ジクロロメタン/メタノール(20mLの1:1混合物)中、同じ様式でトリチュレートして、標題化合物をベージュ色粉末(0.058g、25%)として得た。第二のトリチュレートプロセスからの濾液は、不純生成物を含有しており、これを、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物の第二の産出物をベージュ色粉末(0.022g、9%)として得た。これを、第一の試料と均質化した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.97 (bs, 2H), 9.21 (s, 1H), 9.19 (s, 2H), 7.78 (s, 1H), 7.71 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.34 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.24 (bs, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.92 (d, J=1.56 Hz, 2H), 6.76 (bs, 1H), 3.06 (s, 6H), 2.84 (t, J=7.91 Hz, 2H), 2.28 - 2.41 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 490.1, [M+Na]+ = 512.1, [M-H]-= 488.2.
【0205】
D5のための合成スキームを以下に示す。
【0206】
【化70】
【0207】
ステップD5.01:(2E)-3-[2-(ベンジルオキシ)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル]プロパ-2-エンアミドの合成。丸底フラスコに、(2E)-3-[2-(ベンジルオキシ)-5-ブロモフェニル]プロパ-2-エンアミド(1.5g、4.51mmol)、ピリミジン5-ボロン酸(0.671g、5.41mmol)、炭酸カリウム(1.24g、9.0mmol)、1,4-ジオキサン(25mL)、エタノール(5mL)及び水(2mL)を投入し、窒素を5分間混合物に通してバブリングさせた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.26g、0.225mmol)を添加し、混合物を80℃に12時間加熱した。冷却したら、酢酸エチル(20mL)を添加し、混合物を濾過し、有機相を分離し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮乾固した。酢酸エチルによる粗材料のトリチュレートにより、標題化合物をオフホワイトの固体(1.15g、77%)として得た。LCMS [M+H]+ = 332.2.
【0208】
ステップD5.02:3-[2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル]プロパンアミドの合成。丸底フラスコに、(2E)-3-[2-(ベンジルオキシ)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル]プロパ-2-エンアミド(0.440g、1.33mmol)、メタノール(25mL)及び25%アンモニア水溶液(2.5mL)を投入した。10 wt%パラジウム炭素(0.044g)を窒素雰囲気下で添加した。混合物を水素で満たし、水素雰囲気下、室温で48時間撹拌した。反応混合物をセライトのプラグに通して濾過し、セライトを沸騰メタノール(2×50mL)ですすいだ。濾液を合わせ、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)及び水(50mL)の間に分配した。水性相を希塩酸(水溶液)でpH4〜5に調整し、ジクロロメタン(50mL)及び酢酸エチル(50mL)で逆抽出した。有機物を合わせ、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、標題化合物をオフホワイトの固体(0.025g、8%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.78 (s, 1 H), 9.08 (s, 1 H), 9.00 - 9.06 (m, 2 H), 7.53 (d, J=2.34 Hz, 1 H), 7.47 (dd, J=8.30, 2.44 Hz, 1 H), 7.30 (br. s., 1 H), 6.92 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 6.79 (br. s., 1 H), 2.80 (t, J=7.72 Hz, 2 H), 2.40 (t, J=7.81 Hz, 2 H).水性相を濃縮乾固して、標題化合物を粗製のオフホワイトの固体(0.298g)として得た。
【0209】
ステップD5.03:2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(ピリミジン-5-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパンアミド(0.323g、1.33mmol)、炭酸カリウム(0.551g、3.98mmol)及びアセトニトリル(20mL)を投入した。反応混合物を氷浴中で10℃未満に冷却し、N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.498g、1.39mmol)を添加した。反応混合物を室温に加温させ、12時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)の間に分配した。水性相を酢酸エチル(50mL)で逆抽出し、有機相を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン)によって精製して、標題化合物をオフホワイトの固体(0.314g、63%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.23 (s, 1H), 9.18 (s, 2H), 7.90 - 7.98 (m, 1H), 7.85 (dd, J=8.50, 2.25 Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.40 Hz, 1H), 7.35 (bs, 1H), 6.84 (bs, 1H), 2.96 (t, J=7.62 Hz, 2H), 2.51 - 2.57 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 376.0, [M+Na]+ = 398.0.
【0210】
ステップD5.04:ジエチル(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(D5)の合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(ピリミジン-5-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.244g、0.649mmol)、N-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタンスルホンアミド(0.513g、1.36mmol)、炭酸カリウム(0.351g 2.54mmol)、1,4-ジオキサン(10.2mL)、エタノール(3.9mL)及び水(3.9mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.075g、0.652mmol)を添加し、反応混合物を85℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(75mL)及び水(30mL)の間に分配した。混合物を分液漏斗に移し、水性層(pH6〜7)を分離し、5日間静置しておき、この時間中に、固体が沈殿した。固体を濾過によって収集し、ジクロロメタン/メタノール(4:1、50mL)中で撹拌した。固体を濾過によって収集し、メタノール(10mL)で洗浄して、標題化合物を得た。有機濾液を濃縮し、得られた固体を熱湯/メタノール(5:1、24mL)中で撹拌し、熱混合物として濾過した。濾液を室温に冷却し、18時間放置し、この時間中に、固体が沈殿した(標題化合物)。残留濾液を濃縮乾固して、標題化合物の第三の産出物を得た。試料を均質化して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.059g、23%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.22 (s, 1H), 9.19 (s, 2H), 8.29 (s, 1H), 7.82 (d, J=1.56 Hz, 1H), 7.75 (dd, J=7.91, 1.86 Hz, 1H), 7.35 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.27 (bs, 1H), 7.01 (bs, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.76 (bs, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.84 (t, J=7.81 Hz, 2H), 2.34 - 2.42 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 398.1, [M+Na]+= 420.1, [M-H]- = 396.1.
【0211】
D6のための合成スキームを以下に示す。
【0212】
【化71】
【0213】
ステップD6.01:2-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-ベンズアルデヒドの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、0.050mol)、炭酸カリウム(8.94g、0.065mol)、アセトニトリル(100mL)及び臭化ベンジル(11.1g、0.065mol)を投入した。反応混合物を70℃で16時間撹拌し、次いで、冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)の間に分配し、水性層を分離し、酢酸エチル(100mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。油状物を、ヘキサン(250mL)中で撹拌し、氷浴中で1時間冷却し、得られた固体を真空濾過によって収集し、ヘキサン(3×25mL)で洗浄し、風乾させて、標題化合物をオフホワイトの固体(10.5g、73%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 10.46 (s, 1H), 7.95 (d, J=2.54 Hz, 1H), 7.60 (dd, J=8.89, 2.64 Hz, 1H), 7.32 - 7.46 (m, 5H), 6.95 (d, J=8.99 Hz, 1H), 5.18 (s, 2H). LCMS [M+Na]+ = 313.0, 315.0.
【0214】
ステップD6.02:ベンジル4-ブロモ-2-(ヒドロキシメチル)フェニルエーテルの合成。装着された丸底フラスコに、2-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-ベンズアルデヒド(10.5g、0.036mol)及びメタノール(200mL)を投入した。反応混合物を撹拌し、氷浴中で20分間冷却し、次いで、水素化ホウ素ナトリウム(1.51g、0.040mol)を小分けにして添加し、ガス発生を伴った。反応混合物を撹拌し、1〜2時間かけて室温に加温させた。反応混合物をほぼ乾固するまで濃縮し、残留物を酢酸エチル(150mL)及び重炭酸ナトリウム溶液(150mL)の間に分配した。水性相を分離し、酢酸エチル(100mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、標題化合物を橙色油状物(10.6g、100%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.46 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.37 - 7.42 (m, 4H), 7.31 - 7.37 (m, 2H), 6.81 (d, J=8.79 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.70 (d, J=6.25 Hz, 2H), 2.17 (t, J=6.45 Hz, 1H). LCMS [M-H2O+H]+= 275.0, 277.0, [M+Na]+ = 315.0, 317.0.
【0215】
ステップD6.03:ベンジル4-ブロモ-2-(ブロモメチル)フェニルエーテルの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、ベンジル4-ブロモ-2-(ヒドロキシメチル)フェニルエーテル(10.6g、0.036mol)及び無水トルエン(110mL)を投入した。反応混合物を撹拌し、氷浴中で20分間冷却し、次いで、三臭化リン(11.3g、0.042mol)をゆっくりと添加した。反応混合物を撹拌し、氷浴中で20分間冷却し、次いで、30分間室温に加温させた。次いで、反応混合物を1.5時間還流撹拌し、室温に冷却した。水(110mL)を混合物に添加し、これを、15分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(50mL)とともに分液漏斗に移し、激しく振とうした。水性層を分離し、酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、標題化合物を暗色油状物(12.4g、96%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.43 - 7.49 (m, 3H), 7.37 - 7.43 (m, 2H), 7.32 - 7.37 (m, 2H), 6.79 (d, J=8.79 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.52 (s, 2H). GCMS m/z = 354, 356, 358.
【0216】
ステップD6.04:1,3-ジエチル2-(5-ブロモ-2-(フェニルメトキシ)ベンジル)プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、マロン酸ジエチル(5.52g、0.034mol)及び1,2-ジメトキシエタン(50mL)を投入した。水素化ナトリウム(1.26gの油中60%分散物、0.032mol)を撹拌溶液に小分けにして添加し、激しいガス発生を伴った。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、1,2-ジメトキシエタン(50mL)中4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-1-(フェニルメトキシ)ベンゼン(10.2g、0.029mol)の溶液をゆっくりと添加した。反応物を24時間還流撹拌し、次いで、室温に冷却し、水(50mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、有機物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。油状物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を無色油状物(11.3g、90%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.35 - 7.43 (m, 4H), 7.27 - 7.35 (m, 3H), 6.75 (d, J=8.40 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.08 - 4.18 (m, 4H), 3.83 (t, J=7.82Hz, 1H), 3.21 (d, J=7.62 Hz, 2H), 1.16 - 1.23 (m, 6 H). LCMS [M+H]+ = 435.0, 437.0, [M+Na]+ = 457.0, 459.0.
【0217】
ステップD6.05:1,3-ジエチル2-(2-(フェニルメトキシ)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(5-ブロモ-2-(フェニルメトキシ)ベンジル)プロパンジオエート(7.37g、16.9mmol)、ピリミジン-5-ボロン酸(2.73g、22.0mmol)、炭酸カリウム(7.02g、50.7mmol)、トルエン(290mL)、エタノール(185mL)及び水(105mL)を投入した。反応混合物を、10分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(1.96g、1.69mmol)を添加した。反応混合物を85℃で2.5時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。激しく振とうした後、水性層(pH約10)を分離し、酢酸エチル(100mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(3×100mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。粗製油状物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を暗琥珀色油状物(3.18g、43%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 9.15 (s, 1H), 8.88 (s, 2H), 7.30 - 7.49 (m, 7H), 7.02 (d, J=8.21 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 4.06 - 4.20 (m, 4H), 3.92 (t, J=7.72 Hz, 1H), 3.34 (d, J=7.62 Hz, 2H), 1.17 (t, J=7.13 Hz, 6H). LCMS [M+H]+ = 435.2, [M+Na]+ = 457.1.
【0218】
ステップD6.06:1,3-ジエチル2-(2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(2-(フェニルメトキシ)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.659g、1.52mmol)及び酢酸エチル(10mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、10%パラジウム炭素(0.066g)、続いて、トリエチルアミン(0.211mL)を添加した。反応混合物を、水素雰囲気下、45℃で3日間撹拌し、次いで、セライトに通して濾過した。セライトを酢酸エチル(3×15mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮して、標題化合物をクリーム色固体(0.471g、90%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 9.15 (s, 1H), 8.88 (s, 2H), 7.37 (dd, J=8.21, 2.34 Hz, 1H), 7.34 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.03 (d, J=8.21 Hz, 1H), 4.21 (m, 4H), 3.78 (t, J=7.03 Hz, 1H), 3.25 (d, J=7.03 Hz, 2H), 1.24 (t, J=7.13 Hz, 6H). LCMS [M+H]+ = 345.2,[M+Na]+ = 367.1.
【0219】
ステップD6.07:1,3-ジエチル2-(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリミジン-5-イル)-ベンジル)プロパンジオエートの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(2-ヒドロキシ-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.471g、1.37mmol)、炭酸カリウム(0.388g、2.80mmol)及びアセトニトリル(10mL)を投入した。反応混合物を氷浴中で10℃未満に冷却し、N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.513g、1.44mmol)を添加した。反応混合物を撹拌し、室温に加温させた。4.5時間後、反応混合物をシリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を黄色油状物(0.614g、94%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 9.26 (s, 1H), 8.92 (s, 2H), 7.59 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 2.2, 8.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.26 - 4.11 (m, 4H), 3.76 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 1.22 (t, J = 7.1 Hz, 6H). LCMS [M+H]+ = 477.1, [M+Na]+ = 499.0.
【0220】
ステップD6.08:1,3-ジエチル2-(5-(ピリミジン-5-イル)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。マイクロ波バイアルに、1,3-ジエチル2-(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリミジン-5-イル)-ベンジル)プロパンジオエート(0.600g、1.26mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.800g、3.15mmol)、酢酸カリウム(0.371g、3.78mmol)及び1,4-ジオキサン(10mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.103g、0.126mmol)を添加した。反応容器に蓋をし、混合物を、マイクロ波中、105℃で3時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(25mL)及び水(25mL)の間に分配し、水性相を炭酸ナトリウム溶液でpH10超に調整した。有機物を収集し、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。粗固体をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を桃色油状物(0.457g、80%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 9.21 (s, 1H), 8.93 (s, 2H), 7.95 (d, J=8.40 Hz, 1H), 7.42 - 7.46 (m, 2H), 4.09 - 4.20 (m, 4H), 3.75 - 3.81 (m, 1H), 3.54 (d, J=7.62 Hz, 2H), 1.37 (s, 12H), 1.16 - 1.22 (m, 6H). LCMS [M+H]+ = 455.2
【0221】
ステップD6.09:1,3-ジエチル2-(2-(6-アミノ-ピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(5-(ピリミジン-5-イル)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.577g、1.27mmol)、4-アミノ-6-クロロピリミジン(0.181g 1.40mmol)、炭酸カリウム(0.351g 2.54mmol)、1,4-ジオキサン(4mL)、エタノール(1mL)及び水(1mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.146g、0.127mmol)を添加し、反応混合物を85℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)及び水(25mL)の間に分配した。有機物を収集し、ブライン(25mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物(0.093g,17%)( LCMS [M+H]+ = 422.2)をエチル3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパノエート(LCMS [M+H]+ = 350.2)との複合混合物として得た。水性洗浄液を合わせ、2M塩酸でpH約3に酸性化し、次いで、ジクロロメタン/メタノール(9:1、3×25mL)で抽出した。有機物を合わせ、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、2-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)-3-エトキシ-3-オキソプロパン酸(LCMS [M+H]+ = 394.1)、標題化合物及び他の不純物を含有する残留物(0.202g)を得た。酸性水性洗浄液を濃縮乾固し、残留物を酢酸エチル/メタノール(9:1、2×25mL)で抽出した。抽出物を合わせ、濃縮して、(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパン二酸(LCMS [M+H]+ = 366.1)、2-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)-3-エトキシ-3-オキソプロパン酸(LCMS [M+H]+ = 394.1)及び他の不純物を含有する残留物(0.228g)を得た。標題化合物及び他の加水分解された類似体を含有する残留物を合わせ、次のステップにおいて使用した。
【0222】
ステップD6.10:メチル3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパノエートの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.523g、1.24mmol)及び硫酸(5mLの2M水溶液)を投入した。反応混合物を24時間還流撹拌し、次いで、冷却し、メタノール(150mL)から3回濃縮した。残留物を、メタノール中、室温で終夜撹拌し、次いで、濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)及び重炭酸ナトリウム溶液(50mL)の間に分配し、ガス発生を伴った。有機物を収集し、塩基性水性層を酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.075g、18%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.17 - 9.23 (m, 3H), 8.43 (d, J=0.98 Hz, 1H), 7.81 (d, J=1.76 Hz, 1H), 7.75 (dd, J=7.91, 1.86 Hz, 1H), 7.45 (d, J=8.01 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H), 6.52 (d, J=1.17 Hz, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.04 (t, J=7.91 Hz, 2H), 2.67 (t, J=8.01 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 336.2.
【0223】
ステップD6.11:3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパンアミド(D6)の合成。マイクロ波バイアルに、メチル3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパノエート(0.075g、0.224mmol)及びアンモニア溶液(5mLのメタノール中7N)を投入した。容器に蓋をし、反応混合物を60℃で5日間撹拌した。反応混合物を冷却し、シリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を桃色粉末(0.051g、71%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.21 (s, 1H), 9.19 (s, 2H), 8.40 - 8.46 (m, 1H), 7.76 - 7.80 (m, 1H), 7.73 (dd, J=8.01, 1.76 Hz, 1H), 7.45 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.26 (bs, 1H), 6.96 (s, 2H), 6.74 (bs, 1H), 6.52 (d, J=1.17 Hz, 1H), 2.95 - 3.02 (m, 2H), 2.36 - 2.43 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 321.1.
【0224】
D10のための合成スキームを以下に示す。
【0225】
【化72】
【0226】
ステップD10.01:3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミドの合成[出典Monatshefte fur Chemie、第147巻、第3号、(2016)、509〜521頁]。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(2-アミノ-2-オキソエチル)(トリフェニル)ホスホニウムクロリド(3.70g、10.4mmol)及びメタノール(40mL)を投入し、溶液を氷浴中で冷却した。カリウムtert-ブトキシド(1.17g、10.4mmol)を添加し、混合物を10分間撹拌した。2-ブロモ-5-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.99g、9.90mmol)を添加し、反応混合物を15分間撹拌し、氷浴中で冷却し、次いで、室温に加温させ、終夜撹拌した。反応混合物を水(125mL)で希釈し、塩酸溶液でpH4未満に調整した。水性層をジクロロメタン(100mL)で抽出し、有機物を収集し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を、およそ1:0.3比のE及びZ異性体両方からなる暗色粘着性ガム状物(2.30g、96%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.88 (s, 1H), 9.64 (s, 0.3H), 7.67 - 7.53 (m, 2H), 7.51 - 7.42 (m, 1.3H), 7.36 (d, J=8.8 Hz, 0.3H), 7.22 (bs, 1.3H), 7.11 - 7.03 (m, 1.3H), 7.00 (d, J=2.9 Hz, 0.3H), 6.76 (dd, J=2.9, 8.8 Hz, 1H), 6.68 - 6.61 (m, 0.6H), 6.52 (d, J=15.6 Hz, 1H), 6.09 (d, J=15.6 Hz, 0.3H). LCMS [M+H]+ = 242.1, 244.1, [M+Na]+ = 264.0, 266.0, [M-H]-= 240.0, 242.0.
【0227】
ステップD10.02:3-(5-ヒドロキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミド(8.83g、0.036mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.2g、0.040mol)、酢酸カリウム(14.3g、0.146mol)及び無水ジメチルスルホキシド(250mL)を投入した。反応混合物を、10分間窒素をバブリングさせることによって脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(4.25g、0.005mol)を添加し、反応混合物を85℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(600mL)を添加した。水性層のpHを、塩酸溶液でpH2未満に調整し、次いで、混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機物を合わせ、ブライン(250mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を、およそ2:1比のE及びZ異性体の混合物としての橙色固体(5.57g、53%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 8.36 (d, J=16.22 Hz, 1H), 7.76 (d, J=8.21 Hz, 1H), 7.59 (d, J=8.21 Hz, 0.5H), 7.10 (d, J=2.15 Hz, 1.5H), 7.00 (s, 0.5H), 6.84 (dd, J=8.21, 2.34 Hz, 1.5H), 6.41 (d, J=15.63 Hz, 0.5H), 6.32 (d, J=16.02 Hz, 1H), 1.35 (s, 18H). LCMS [M+H]+ = 290.2, [M+Na]+ = 312.1, [M-H]- = 288.2.
【0228】
ステップD10.03:3-(5-ヒドロキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロペンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(5-ヒドロキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(5.57g、0.019mol)及びエタノール(250mL)を投入した。溶液を、10分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、10%パラジウム炭素(0.56g)を添加した。反応混合物を、水素雰囲気下で終夜還流撹拌し、次いで、熱いうちにセライトのベッドに通して濾過し、残留物をエタノール(3×50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、標題化合物を黄色固体(3.54g、63%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.60 (s, 1H), 7.47 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.11 (bs, 1H), 6.66 (bs, 1H), 6.59 (d, J=2.34 Hz, 1H) 6.56 (dd, J=8.11, 2.44 Hz, 1H), 2.94 (t, J=7.82 Hz, 2H), 2.24 (t, J=7.82 Hz, 2H), 1.27 (s, 12H). LCMS [M+H]+ = 292.2, [M+Na]+ = 314.1, [M-H]-= 290.1.
【0229】
ステップD10.04:3-(4-ヒドロキシ-3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)ビフェニル-2-イル)プロペンアミドの合成。マイクロ波バイアルに、3-(5-ヒドロキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパンアミド(0.312g、1.07mmol)、N,N'-(5-ブロモベンゼン-1,3)-ジイル)ビス(N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(0.562g、1.13mmol)、炭酸カリウム(0.889g、6.43mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(12mL)及び水(1.6mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.088g、0.107mmol)を添加した。反応混合物を105℃で1時間加熱し、次いで、室温に冷却し、水(10mL)で希釈した。pHを塩酸溶液でpH4未満に調整し、次いで、混合物を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を琥珀色ガム状物(0.334g、73%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.45 (bs, 1H), 7.20 (bs, 1H), 7.11 (t, J=2.05 Hz, 1H), 6.96 (d, J=8.21 Hz, 1H), 6.82 (d, J=1.95 Hz, 2H), 6.71 (d, J=2.54 Hz, 2H), 6.66 (dd, J=8.21, 2.54 Hz, 1H), 3.02 (s, 6H), 2.61 - 2.70 (m, 2H), 2.14 - 2.24 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 428.1, [M+Na]+= 450.0, [M-H]-= 426.0.
【0230】
ステップD10.05:3-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)ビフェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、3-(4-ヒドロキシ-3',5'-ビス((メチルスルホニル)-アミノ)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(0.796g、1.86mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)、アセトニトリル(50mL)及び炭酸カリウム(2.06g、14.9mmol)を投入した。反応混合物を15分間撹拌し、次いで、N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.698g、1.96mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物をジクロロメタン/メタノール(5:1、100mL)及び水(50mL)の間に分配した。水性層を塩酸溶液でpH約4に調整し、層を徹底的に混合した。水性層を分離し、ジクロロメタン/メタノール(5:1、100mL)で洗浄した。有機物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。キシレン(150mL)から混合物を濃縮することによって残留N,N-ジメチルホルムアミドを除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をオフホワイトのガラス状物(0.513g、49%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.96 (s, 2H), 7.45 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.33 - 7.43 (m, 2H), 7.23 (bs, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.85 (d, J=1.95 Hz, 2H), 6.77 (bs, 1H), 3.04 (s, 6H), 2.73 - 2.82 (m, 2H), 2.23 - 2.31 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 560.0, [M+H]+ = 582.0, [M-H]- = 558.0.
【0231】
ステップD10.06:3-(3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビフェニル-3-イル)プロペンアミドの合成。マイクロ波バイアルに、3-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-ビフェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.507g、0.906mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.230g、0.906mmol)、無水1,4-ジオキサン(10mL)及び酢酸カリウム(0.445g、4.53mmol)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.074g、0.091mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、反応混合物を、マイクロ波中、105℃で1時間加熱し、次いで、室温に冷却し、ジクロロメタン/メタノール(5:1、25mL)で希釈した。混合物を塩酸溶液でpH約4に調整し、次いで、濾過した。残留物をジクロロメタン/メタノール(5:1、75mL)で洗浄し、濾液を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をオフホワイトのガラス状物(0.324g、67%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.91 (bs, 2H), 7.64 (s, 1H), 7.56 (d, J=7.42 Hz, 1H), 7.22 (bs, 1H), 7.13 - 7.20 (m, 2H), 6.80 - 6.90 (m, 2H), 6.72 (bs, 1H), 3.03 (s, 6H), 2.70 - 2.80 (m, 2H), 2.15 - 2.26 (m, 2H), 1.31 (s, 12H). LCMS [M+H]+ = 538.2, [M+H]+ = 560.2, [M-H]- = 536.2.
【0232】
ステップD10.07:3-(3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-1-(ピリダジン-3-イル)ビフェニル-3-イル)プロパンアミド(D10)の合成。マイクロ波バイアルに、3-(3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビフェニル-3-イル)プロパンアミド(0.100g、0.186mmol)、3-ブロモピリダジン(0.030g、0.186mmol)、炭酸カリウム(0.129g、0.930mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)及び水(0.26mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.015g、0.019mmol)を添加し、バイアルに蓋をした。反応混合物を、マイクロ波中、105℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、ジクロロメタン/メタノール(5:1、25mL)で希釈した。混合物を塩酸溶液でpH5〜6に調整し、次いで、濾過した。残留物をジクロロメタン/メタノール(5:1、50mL)で洗浄し、濾液を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を暗色ガラス状物(0.029g、32%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.95 (s, 2H), 9.24 (dd, J=4.88, 1.56 Hz, 1H), 8.26 (dd, J=8.69, 1.47 Hz, 1H), 8.15 (d, J=1.76 Hz, 1H), 8.03 (dd, J=8.01, 1.95 Hz, 1H), 7.77 - 7.85 (m, 1H), 7.37 (d, J=7.82 Hz, 1H), 7.24 (bs, 1H), 7.19 (t, J=1.95 Hz, 1H), 6.93 (d, J=1.95 Hz, 2H), 6.75 (bs, 1H), 3.06 (s, 6H), 2.82 - 2.90 (m, 2H), 2.30 - 2.38 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 490.1, [M+Na]+= 512.0, [M-H]- = 488.1.
【0233】
D16のための合成スキームを以下に示す。
【0234】
【化73】
【0235】
ステップD16.01:3-(3',5'-ビス((メチルスルホニル)アミノ)-1-(ピラジン-2-イル)ビフェニル-3-イル)プロパンアミド(D16)の合成。ステップD10.07に従い、2-クロロピラジンを使用して調製して、標題化合物を暗色ガラス状物(0.038g、39%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.96 (s, 2H), 9.29 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.64 (d, J=2.34 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.03 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.34 (d, J=8.01 Hz, 1H), 7.25 (bs, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.93 (d, J=1.76 Hz, 2H), 6.75 (bs, 1H), 3.06 (s, 6H), 2.81 - 2.89 (m, 2H), 2.33 (t, J=7.91 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 490.1, [M+Na]+ = 512.0, [M-H]- = 488.1.
【0236】
D11のための合成スキームを以下に示す。
【0237】
【化74】
【0238】
ステップD11.01:3-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミドの合成[出典Monatshefte fur Chemie、第147巻、第3号、(2016)、509〜521頁]。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(2-アミノ-2-オキソエチル)(トリフェニル)ホスホニウムクロリド(5.70g、16.0mmol)及びメタノール(60mL)を投入し、溶液を氷浴中で冷却した。カリウムtert-ブトキシド(1.80g、16.0mmol)を添加し、混合物を20分間撹拌した。2-ブロモ-5-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.07g、15.3mmol)を添加し、反応混合物を20分間撹拌し、氷浴中で冷却し、次いで、室温に加温させ、終夜撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、20分間撹拌し、次いで、濾過した。残留物をジクロロメタン/メタノール(約5/1、50mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をクリーム色固体(3.11g、84%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.35 (s, 1H), 7.49 - 7.59 (m, 2H), 7.46 (bs, 1H), 7.33 (dd, J=8.69, 2.44 Hz, 1H), 7.05 (bs, 1H), 6.86 (d, J=8.79 Hz, 1H), 6.68 (d, J=16.02 Hz, 1H). LCMS [M+H]+ = 242.0, 244.0, [M+Na]+ = 263.9, 265.9, [M-H]-= 240.0, 242.0.
【0239】
ステップD11.02:3-(2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。3つのマイクロ波バイアルに、それぞれ3-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミド(1.04g、4.30mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.20g、4.73mmol)、酢酸カリウム(1.69g、17.2mmol)及び無水1,4-ジオキサン(15mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.351g、0.430mmol)を添加し、各反応混合物を、マイクロ波中、105℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、合わせ、濾過した。残留物をジクロロメタン/メタノール(5:1、250mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を褐色固体(2.22g、60%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.79 (d, J=1.37 Hz, 1H), 7.66 (d, J=16.02 Hz, 1H), 7.48 (dd, J=8.01, 1.56 Hz, 2H), 6.99 (bs, 1H), 6.89 (d, J=8.21 Hz, 1H), 6.65 (d, J=16.02 Hz, 1H), 1.28 (s, 12H). LCMS [M+H]+ = 290.1, [M-H]-= 288.1.
【0240】
ステップD11.03:3-(2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロペンアミドの合成[出典Monatshefte fur Chemie、第147巻、第3号、(2016)、509〜521頁]。丸底フラスコに、3-(2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(2.12g、7.33mmol)、ジクロロメタン(50mL)、メタノール(50mL)、アゾジカルボン酸カリウム(8.55g、44.1mmol)及び氷酢酸(5.28g、87.9mmol)を投入し、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をシリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を淡橙色結晶性固体(0.982g、46%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.75 (s, 1H), 7.39 (d, J=1.56 Hz, 1H), 7.34 (dd, J=8.01, 1.76 Hz, 1H), 7.27 (bs, 1H), 6.71 - 6.80 (m, 2H), 2.71 (t, J=7.81 Hz, 2H), 2.26 - 2.34 (m, 2H), 1.26 (s, 12H). LCMS [M+H]+ = 292.2, [M+Na]+ = 314.1, [M-H]-= 290.2.
【0241】
ステップD11.04:3-(2-ヒドロキシ-5-(ピリダジン-3-イル)フェニル)プロペンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパンアミド(0.982g、3.37mmol)、3-ブロモピリダジン(0.590g、3.71mmol)、炭酸セシウム(3.30g、10.1mmol)、1,4-ジオキサン(50mL)及び水(9mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.275g、0.337mmol)を添加した。反応混合物を85℃で3時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物をジクロロメタン/メタノール(5:1、50mL)で希釈し、濾過した。残留物をジクロロメタン/メタノール(5:1、50mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を暗褐色固体(0.124g、15%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.90 (s, 1H), 9.10 (dd, J=4.79, 1.47 Hz, 1H), 8.07 (dd, J=8.69, 1.47 Hz, 1H), 7.93 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.83 (dd, J=8.40, 2.34 Hz, 1H), 7.68 (dd, J=8.60, 4.88 Hz, 1H), 7.32 (bs, 1H), 6.93 (d, J=8.40 Hz, 1H), 6.77 (bs, 1H), 2.82 (t, J=7.72 Hz, 2H), 2.36 - 2.44 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 244.2, [M+Na]+ = 266.1, [M-H]- = 242.2.
【0242】
ステップD11.05:2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(ピリダジン-3-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、3-(2-ヒドロキシ-5-(ピリダジン-3-イル)フェニル)プロパンアミド(0.124g、0.510mmol)、アセトニトリル(25mL)及び炭酸カリウム(0.282g、2.04mmol)を投入した。N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.191g、0.535mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を暗褐色固体(0.119g、62%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.27 (dd, J=4.88, 1.56 Hz, 1H), 8.25 - 8.31 (m, 2H), 8.17 (dd, J=8.79, 2.34 Hz, 1H), 7.84 (dd, J=8.60, 4.88 Hz, 1H), 7.58 (d, J=8.60 Hz, 1H), 7.24 (d, J=8.21 Hz, 1H), 6.83 (bs, 1H), 2.99 (t, J=7.62 Hz, 2H), 2.51 - 2.55 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 376.0, [M+Na]+ = 398.0, [M+HCO2H-H]-= 420.0.
【0243】
ステップD11.06:3-(2-(2-((メチルスルホニル)アミノ)ピリジン-4-イル)-5-(ピリダジン-3-イル)フェニル)プロパンアミド(D11)の合成。マイクロ波バイアルに、2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(ピリダジン-3-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.119g、0.317mmol)、N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン-2-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(0.131g、0.349mmol)、炭酸カリウム(0.088g、0.634mmol)、1,4-ジオキサン(6.7mL)、エタノール(1.7mL)及び水(1.7mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、テトラキス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(0)(0.037g、0.032mmol)を添加し、バイアルに蓋をした。反応混合物を、マイクロ波中、105℃で3時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、ジクロロメタン/メタノール(5:1、50mL)で希釈した。混合物(pH約7)を濾過し、残留物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を褐色固体(0.056g、44%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.25 (dd, J = 1.6, 4.9 Hz, 1H), 8.32 (bs, 1H), 8.27 (dd, J = 1.6, 8.6 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 1.8, 8.0 Hz, 1H), 7.82 (dd, J = 4.9, 8.6 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.28 (bs, 1H), 7.07 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.76 (bs, 1H), 3.33 (bs, 3H), 2.91 - 2.82 (m, 2H), 2.37 (dd, J = 7.0, 9.0 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 398.1, [M+Na]+ = 420.1, [M-H]- = 396.1.
【0244】
D12のための合成スキームを以下に示す。
【0245】
【化75】
【0246】
ステップD12.01:3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-ヒドロキシフェニル)プロパンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(5-ヒドロキシ-2-(ピナコールボラン)フェニル)プロパンアミド(1.17g、4.02mmol)、4-アミノ-6-クロロピリミジン(0.573g、4.42mmol)、炭酸セシウム(3.93g、12.0mmol)、1,4-ジオキサン(50mL)及び水(9mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.328g、0.402mmol)を添加した。反応混合物を、85℃で3時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)で希釈し、水性相を塩酸溶液でpH4に調整した。有機物を収集し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。水性層を濃縮乾固し、残留物をジクロロメタン/メタノール(1:1、2×50mL)で抽出した。有機物を濃縮して、粗生成物の第二の産出物を得、これを、第一のものと合わせ、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を褐色の半固体(0.743g、72%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.87 (bs, 1H), 8.55 (bs, 1H), 7.75 (bs, 2H), 7.41 (bs, 1H), 7.18 (d, J=8.40 Hz, 1H), 6.63 - 6.90 (m, 3H), 6.54 (s, 1H), 2.81 (t, J=7.62 Hz, 2H), 2.35 (t, J=7.81 Hz, 2 H). LCMS [M+H]+ = 259.1, [M-H]- = 257.2.
【0247】
ステップD12.02:3-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(6-アミノピリミジン-4-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド(0.769g、2.98mmol)、アセトニトリル(50mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)を投入した。炭酸カリウム(1.23g、8.93mmol)を添加し、反応混合物を氷浴中で15分間冷却した。N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(1.12g、3.13mmol)を添加し、反応混合物を数時間かけてゆっくりと室温に加温させ、次いで、50℃で3日間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(250mL)を添加し、30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮し、次いで、キシレン(2×150mL)から再度濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を褐色のワックス状固体(0.689g、59%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.42 (d, J=0.98 Hz, 1H), 7.38 - 7.50 (m, 3H), 7.26 (bs, 1H), 7.00 (s, 2H), 6.75 (bs, 1H), 6.48 (d, J=1.17 Hz, 1H), 2.92 (t, J=7.81 Hz, 2H), 2.33 (t, J=7.72 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 391.1, [M-H]- = 389.0.
【0248】
ステップD12.03:3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-プロパンアミドの合成。マイクロ波バイアルに、3-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(6-アミノピリミジン-4-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.639g、1.64mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.04g、4.09mmol)、酢酸カリウム(0.482g、4.91mmol)及び無水1,4-ジオキサン(15mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.134g、0.164mmol)を添加した。反応混合物を、マイクロ波中、105℃で1時間加熱し、次いで、室温に冷却した。混合物を濾過し、残留物をジクロロメタン/メタノール(4:1、2×50mL)で洗浄した。濾液を合わせ、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を褐色固体(0.442g、73%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.40 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.54 - 7.59 (m, 1H), 7.28 (d, J=7.62 Hz, 1H), 7.24 (bs, 1H), 6.92 (s, 2H), 6.69 (bs, 1H), 6.45 (d, J=1.17 Hz, 1H), 2.84 - 2.93 (m, 2H), 2.24 - 2.33 (m, 2H), 1.31 (s, 12H). LCMS [M+H]+ = 369.3.
【0249】
ステップD12.04:3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピリダジン-3-イル)フェニル)プロパンアミド(D12)の合成。マイクロ波バイアルに、3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパンアミド(0.224g、0.608mmol)、3-ブロモピリダジン(0.106g、0.669mmol)、炭酸セシウム(0.595g、1.82mmol)、1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1.8mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.050g、0.061mmol)を添加し、バイアルに蓋をした。反応混合物を、マイクロ波中、105℃で80分間撹拌し、次いで、室温に冷却し、濾過した。残留物を、酢酸エチル(25mL)、次いで、ジクロロメタン/メタノール(5:1、2×25mL)で洗浄した。濾液を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を暗赤色ガラス状物(0.088g、45%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.24 (dd, J = 1.5, 5.0 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 1.6, 8.6 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 4.9, 8.6 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.28 (bs, 1H), 6.97 (s, 2H), 6.72 (bs, 1H), 6.55 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 3.06 - 2.96 (m, 2H), 2.39 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 321.2, [M-H]- = 319.1.
【0250】
D18のための合成スキームを以下に示す。
【0251】
【化76】
【0252】
ステップD18.01:3-(2-(6-アミノピリミジン-4-イル)-5-(ピラジン-2-イル)フェニル)プロパンアミド(D18)の合成。ステップD12.04に従い、2-クロロピラジンを使用して調製して、標題化合物を暗色ガラス状物(0.066g、37%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.29 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.64 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.27 (bs, 1H), 6.95 (bs, 2H), 6.73 (bs, 1H), 6.53 (s, 1H), 3.00 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.38 (t, J = 7.8 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 321.2, [M-H]- = 319.0.
【0253】
D17のための合成スキームを以下に示す。
【0254】
【化77】
【0255】
ステップD17.01:4-(ピラジン-2-イル)フェノールの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、4-ヒドロキシフェニルボロン酸(10.0g、0.045mol))、2-クロロピラジン(6.25g、0.0545mol)及び炭酸セシウム(29.58g、0.0908mol)、1,4-ジオキサン(90mL)及び水(10mL)を投入した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1.85g、2.27mmol)を添加し、反応混合物を2時間還流下で加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、濾過し、分液漏斗に移した。水性相を分離し、酢酸エチル(100mL)及びジクロロメタン(100mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン)によって精製して、標題化合物を灰色粉末(7.1g、91%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.91 (s, 1 H), 9.14 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.63 (dd, J = 1.6, 2.4 Hz, 1 H), 8.49 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.03 - 7.96 (m, 2 H), 6.94 - 6.87 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 173.1
【0256】
ステップD17.02:2-ヒドロキシ-5-(ピラジン-2-イル)ベンズアルデヒドの合成。丸底フラスコに、4-(ピラジン-2-イル)フェノール(4.3g、25.0mmol)及びトリフルオロ酢酸(50mL)を投入した。ヘキサミン(5.26g、37.5mmol)を小分けにして添加し、溶液を6時間還流下で加熱した。混合物を冷却し、水(200mL)で希釈し、30分間撹拌し、分液漏斗に移した。ジクロロメタン(200mL)を添加し、有機相を分離し、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物を灰色粉末(2.11g、42%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.20 (s, 1 H), 10.04 (d, J = 0.6 Hz, 1 H), 9.06 - 9.01 (m, 1 H), 8.65 - 8.60 (m, 1 H), 8.52 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.33 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.22 (dd, J = 2.1, 8.9 Hz, 1 H), 7.15 (d, J = 8.7 Hz, 1 H). LCMS [M+H]+= 201.1.
【0257】
ステップD17.03:2-ホルミル-4-(ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、2-ヒドロキシ-5-(ピラジン-2-イル)ベンズアルデヒド(3.5g、17.5mmol)、炭酸カリウム(4.84g、35.0mmol)及びアセトニトリル(100mL)を投入した。N-フェニルビス(トリフルオロ-メタンスルホンイミド)(6.87g、19.2mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)を添加し、混合物を濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)による精製により、標題化合物を透明油状物として得、これを静置すると凝固した(4.6g、92%)。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.36 (s, 1 H), 9.12 (d, J = 1.4 Hz, 1 H), 8.70 (dd, J = 1.6, 2.5 Hz, 1 H), 8.66 (d, J = 2.2 Hz, 1 H), 8.63 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.43 (dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 1 H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 1 H). LCMS [M+H]+ = 333.0.
【0258】
ステップD17.04:2-(ヒドロキシメチル)-4-(ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。ステップD6.02に従って調製して、標題化合物を黄色固体(1.79g、51%)として得た。LCMS [M+H]+ = 335.0.
【0259】
ステップD17.05:2-(ブロモメチル)-4-(ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。窒素雰囲気下の丸底装着フラスコに、トリフェニルホスフィン(2.26g、8.62mmol)及びジクロロメタン(80mL)を投入した。反応混合物を撹拌し、氷浴中で20分間冷却し、次いで、2-(ヒドロキシメチル)-4-(ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(1.44g、4.31mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を撹拌し、氷浴中で20分間冷却し、次いで、室温に加温させ、2時間撹拌した。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を黄色油状物(1.53g、89%)として得た。LCMS [M]+ = 397.9, 399.9.
【0260】
ステップD17.06:1,3-ジエチル2-[(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピラジン-2-イル)-ベンジル]プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、マロン酸ジエチル(0.726g, 4.54mmol)及びテトラヒドロフラン(80mL)を投入した。水素化ナトリウム(0.099gの油中60%分散物、4.16mmol)を撹拌溶液に小分けにして添加し、激しいガス発生を伴った。反応混合物を10分間撹拌し、次いで、テトラヒドロフラン(20mL)中2-(ブロモメチル)-4-(ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.75g、1.89mmol)の溶液をゆっくりと添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン)による精製により、標題化合物を淡黄色油状物(1.05g)として得た。LCMS [M+H]+ = 477.1, [M+Na]+ = 499.0.
【0261】
ステップD17.07:メチル3-[5-(ピラジン-2-イル)-2-((トリフルオロメタンスルホニル)フェニル]プロパノエートの合成。丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-[(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピラジン-2-イル)-ベンジル]プロパンジオエート(7.0g、14.7mmol)及び硫酸水溶液(2M、15mL)を投入した。混合物を24時間還流下で加熱し、冷却し、メタノールを添加した(50mL)。混合物を濃縮乾固して、標題化合物を橙色油状物(1.72g、45%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.95 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.58 (dd, J = 1.6, 2.4 Hz, 1 H), 8.50 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.99 (d, J = 2.2 Hz, 1 H), 7.88 (dd, J = 2.3, 8.6 Hz, 1 H), 7.36 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 3.62 (s, 3 H), 3.08 (t, J = 7.7 Hz, 2 H), 2.68 (t, J = 7.7 Hz, 2 H). LCMS [M+H]+ = 391.1, [M+Na]+ = 413.1.
【0262】
ステップD17.08:3-[2-ヒドロキシ-5-(ピラジン-2-イル)フェニル]プロペンアミドの合成。マイクロ波バイアルに、メチル3-[5-(ピラジン-2-イル)-2-((トリフルオロメタンスルホニル)フェニル]プロパノエート(1.19g、3.07mmol)及びメタノール性アンモニアの溶液(7N、15mL)を投入した。反応容器に蓋をし、混合物を48時間還流下で加熱した。冷却したら、混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、標題化合物を淡黄色油状物(0.41g、55%)として得た。LCMS [M+H]+ = 244.2, [M+Na]+ = 266.0.
【0263】
ステップD17.09:2-((3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(ピラジン-2-イル)フェニル)トリフルオロメタンスルホネートの合成。ステップD17.03に従って調製して、標題化合物を透明油状物として得、これを静置すると凝固した(0.360g、58%)。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.96 (d, J = 1.4 Hz, 1 H), 8.58 (dd, J = 1.6, 2.4 Hz, 1 H), 8.50 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.03 (d, J = 2.2 Hz, 1 H), 7.89 (dd, J = 2.3, 8.6 Hz, 1 H), 7.35 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 5.37 (br. s., 1 H), 5.24 (br. s., 1 H), 3.14 - 3.08 (m, 2 H), 2.60 - 2.52 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 376.1, [M+Na]+ = 398.0.
【0264】
ステップD17.10:3-[2-(2-[(メチルスルホニル)アミノ]ピリジン-4-イル)-5-(ピラジン-2-イル)フェニル]プロパンアミドの合成。ステップD11.06に従って調製して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.15g、70%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6 ) δ ppm 9.30 (d, J = 1.4 Hz, 1 H), 8.75 (dd, J = 1.5, 2.5 Hz, 1 H), 8.65 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.31 (br. s., 1 H), 8.15 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.06 (dd, J = 1.9, 8.0 Hz, 1 H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.28 (br. s., 1 H), 7.05 (br. s., 1 H), 6.95 (br. s., 1 H), 6.76 (br. s., 1 H), 2.85 (dd, J = 6.6, 9.3 Hz, 2 H), 2.36 (dd, J = 6.8, 8.9 Hz, 2 H), 2.30 (s, 4 H). LCMS [M+H]+ = 398.1, [M+Na]+ = 420.0.
【0265】
D28のための合成スキームを以下に示す。
【0266】
【化78】
【0267】
ステップ:D28.01。(2E)-3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エン酸の合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、4-ブロモ-3-ホルミルフェノール(25.3g、0.126mol)、ピリジン(150mL)、マロン酸(15.7g、0.151mol)及びピペリジン(1.50mL)を投入した。反応混合物を6.5時間還流撹拌し、次いで、冷却させた。2M塩酸溶液(500mL)を反応混合物に添加し、濃塩酸溶液でpHを2未満に調整した。混合物を激しく撹拌し、氷浴中で10℃未満に冷却した。得られた固体をブフナー漏斗上に収集し、2M塩酸溶液(200mL)及び水(50mL)で洗浄した。固体を酢酸エチル(1.2L)及び2M塩酸溶液(200mL)の間に分配した。水性層を除去し、有機物をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を淡紫色粉末(24.8g、81%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.53 (bs, 1H), 9.90 (s, 1H), 7.75 (d, J=15.8 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.19 (d, J=2.9 Hz, 1H), 6.80 (dd, J=8.7, 2.8 Hz, 1H), 6.40 (d, J=15.8, 2.8 Hz, 1H). LCMS [M]+ = 242.9, 244.9.
【0268】
ステップD28.02:(2E)-3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、(2E)-3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エン酸(10.0g、0.041mol)、ジクロロメタン(100mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.20mL)を投入した。激しく撹拌しながら、塩化オキサリル(8.70mL)をゆっくりと添加し、激しいガス発生を伴った。添加が完了したら、反応混合物を4時間還流撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ほぼ乾固するまで濃縮した。残留物をジクロロメタン(50mL)から再度濃縮し、1,4-ジオキサン(100mL)に溶かした。溶液を、1,4-ジオキサン(50mL)中25%アンモニア水溶液(30mL)の撹拌混合物にゆっくりと注ぎ入れた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、ほぼ乾固するまで濃縮した。残留物を酢酸エチル(250mL)及び水(150mL)の間に分配し、不溶性沈殿物を形成させた。混合物を濾過し、濾液を分液漏斗中に合わせた。水性層を除去し、有機物をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を暗赤色固体(8.88g、89%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.89 (bs, 1H), 7.62 (bs, 1H), 7.59 (d, J=15.6, 1H), 7.45 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.21 (bs, 1H), 7.05 (d, J=2.7 Hz, 1H), 6.75 (dd, J=8.7, 2.8 Hz, 1H), 6.52 (d, J=15.6 Hz, 1H). LCMS [M+H]+ = 241.9, 243.9, [M+Na]+ = 264.0, 266.0, [M-H]- = 240.0, 242.0.
【0269】
ステップD28.03:(2E)-3-(4-ヒドロキシ-3'-ニトロビフェニル-2-イル)プロパ-2-エンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(2E)-3-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エンアミド(2.00g、8.26mmol)、3-ニトロフェニルボロン酸(2.76g、16.5mmol)、炭酸カリウム(3.43g、24.8mmol)、1,4-ジオキサン(35mL)及び水(1.5mL)を投入した。反応混合物を、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.95g、0.83mmol)を添加した。反応混合物を85℃で4時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物をほぼ乾固するまで濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL)及び水(50mL)で希釈した。混合物を濾過し、固体を2M塩酸溶液(10mL)で洗浄した。濾液を合わせ、水性層を2M塩酸溶液でpH4に調整し、混合物を分液漏斗に移した。有機物を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を黄色粉末(1.83g、78%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.89 (s, 1H), 8.20 - 8.27 (m, 1H), 8.04 (t, J=1.8 Hz, 1H), 7.67 - 7.78 (m, 2H), 7.54 (bs, 1H), 7.17 - 7.30 (m, 2H), 7.10 (d, J=2.5 Hz, 2H), 6.92 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1H), 6.52 (d, J=15.6 Hz, 1H). LCMS [M+H]+ = 285.1, [M+Na]+ = 307.0, [M-H]- = 283.1.
【0270】
ステップD28.04:2-[(1E)(3-アミノ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-3'-ニトロビフェニル-4-イルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、(2E)-3-(4-ヒドロキシ-3'-ニトロビフェニル-2-イル)プロパ-2-エンアミド(1.83g、6.43mmol)、アセトニトリル(30mL)及び炭酸カリウム(1.82g、13.2mmol)を投入した。黄色懸濁液を激しく撹拌し、氷浴中で15分間冷却した。N-フェニルビス(トリフルオロ-メタンスルホンイミド)(2.53g、7.07mmol)を小分けにして添加し、反応物を3時間かけて室温に加温させた。反応混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物をオフホワイトの固体(2.77g、定量的)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.34 (ddd, J=5.9, 3.5, 2.3 Hz, 1H), 8.16 - 8.20 (m, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.80 - 7.84 (m, 2H), 7.65 (d, J=1.4 Hz, 2H), 7.57 (bs, 1H), 7.20 (d, J=15.6 Hz, 2H), 6.70 (d, J=15.6 Hz, 1H). LCMS [M+H]+ = 417.0, [M+Na]+ = 439.0, [M+HCO2]- = 461.1.
【0271】
ステップD28.05:3'-アミノ-2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)ビフェニル-4-イルトリフルオロメタンスルホネートの合成。丸底フラスコに、2-[(1E)-2-(3-アミノ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-3'-ニトロビフェニル-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(0.500g、1.20mmol)及びエタノール(25mL)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気した。10%パラジウム炭素(0.050g)を反応混合物に添加し、これを、水素でフラッシュし、水素雰囲気下で20時間撹拌した。反応混合物をセライトのベッドに通して濾過し、セライトをエタノール(3×15mL)で洗浄した。エタノール濾液を合わせ、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を淡黄色結晶性固体(0.108g、23%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.28 (m, 1H), 7.18 - 7.23 (m, 2H), 7.11 - 7.17 (dd, 1H), 6.70 (ddd, J=8.0, 2.3, 1.0 Hz, 1H), 6.65 (dt, J=7.4, 1.3 Hz, 1 H), 6.57 - 6.60 (m, 1 H), 5.17 (brs, 2 H), 2.94 - 3.04 (m, 2H), 2.27 - 2.35 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 389.1, [M+Na]+ = 411.1, [M+HCO2]- = 433.1.
【0272】
ステップD28.06:3-(3'-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロペンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3'-アミノ-2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)ビフェニル-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(0.786g、2.02mmol)、ピリジン-3-ボロン酸(0.323g、2.63mmol)、炭酸カリウム(0.839g、6.07mmol)、水(11.5mL)、エタノール(20.5mL)及び1,4-ジオキサン(32.0mL)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.234g、0.20mmol)を添加し、反応物を85℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(75mL)及び酢酸エチル(150mL)で希釈した。混合物を濾過し、分液漏斗に移し、有機相を収集した。水性層を酢酸エチル(50mL)でさらに抽出し、有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を淡黄色ガム状物(0.382g、60%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.92 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.58 (dd, J=4.8, 1.7 Hz, 1H), 8.06 - 8.12 (m, 1H), 7.65 (d, J=1.7 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=7.8, 2.0 Hz, 1H), 7.46 - 7.53 (m, 1H), 7.23 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.08 (t, J=7.8 Hz, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.57 (dd, J=8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.52 (t, J=1.9 Hz, 1H), 6.46 (d, J=7.4 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 2.80 - 2.88 (m, 2H), 2.28 - 2.36 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 318.2, [M+Na]+ = 340.2, [M-H]- = 316.2.
【0273】
ステップD28.07:3-(3'-((メチルスルホニル)アミノ)-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(D28)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(3'-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(0.281g、0.885mmol)、ジクロロメタン(15mL)及びトリエチルアミン(0.617mL、4.43mmol)を投入した。反応混合物を氷浴中で15分間冷却し、次いで、メタンスルホニルクロリド(0.069mL、0.885mmol)を添加した。反応混合物を氷浴中で3時間撹拌し、次いで、室温に加温させ、終夜撹拌した。反応混合物をシリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、部分的に精製された材料をオフホワイトの固体として得た。粗生成物をジクロロメタン/ヘキサン(1:1)(25mL)中で数時間撹拌し、得られた固体を濾過によって収集し、ジクロロメタン/ヘキサン(1:1)(2×10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、前のステップからのアルケン不純物5mol%を含有する標題化合物を得た。化合物を、エタノール中10%パラジウム炭素を用いる水素化手順に供した。通常の様式でのワークアップ後、標題化合物がオフホワイトの粉末(0.029g、47%)として得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.94 (br. s., 1H), 8.52 - 8.67 (m, 1 H), 8.11 (d, J=7.23 Hz, 1 H), 7.70 (br. s., 1 H), 7.62 (d, J=7.42 Hz, 1 H), 7.47 - 7.57 (m, 1 H), 7.43 (t, J=7.52 Hz, 1 H), 7.15 - 7.36 (m, 5 H), 7.10 (d, J=7.03 Hz, 1 H), 6.75 (br. s., 1 H), 3.04 (s, 3 H), 2.84 (t, J=7.23 Hz, 2 H), 2.33 (t, J=7.23 Hz, 2 H). LCMS [M+H]+ = 396.1.
【0274】
D29のための合成スキームを以下に示す。
【0275】
【化79】
【0276】
ステップD29.01:3-(3'-((メチルカルバモイル)アミノ)-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(D29)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、カルボニルジイミダゾール(0.403g、2.48mmol)及びアセトニトリル(30mL)を投入し、40℃で撹拌した。アセトニトリル(30mL)中3-(3'-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(0.394g、1.24mmol)の溶液を、均圧滴下漏斗を介して反応混合物に滴下添加し、反応混合物を40℃で2時間撹拌した。余分なアリコートのカルボニルジイミダゾール(0.403g、2.48mmol)を添加し、混合物を40℃で終夜撹拌した。室温に冷却したら、メチルアミン(4.5mLのテトラヒドロフラン中2M溶液)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、シリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、部分的に精製された材料を得、これを、再度クロマトグラフィーにかけて(ジクロロメタン/メタノール)、標題化合物をオフホワイトのガラス状物(0.102g、22%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.93 (dd, J=2.4, 0.7 Hz, 1 H), 8.61 (s, 1 H), 8.58 (dd, J=4.7, 1.6 Hz, 1 H), 8.07 - 8.14 (m, 1 H), 7.68 (d, J=1.8 Hz, 1 H), 7.60 (dd, J=7.8, 2.0 Hz, 1 H), 7.51 (ddd, J=8.0, 4.8, 0.9 Hz, 1 H), 7.47 (t, J=1.7 Hz, 1 H), 7.25 - 7.38 (m, 3 H), 7.23 (br. s., 1 H), 6.88 (dt, J=7.4, 1.4 Hz, 1 H), 6.73 (br. s., 1 H), 6.07 (q, J=4.4 Hz, 1 H), 2.78 - 2.90 (m, 2 H), 2.60 - 2.69 (m, 3 H), 2.27 - 2.37 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 375.2, [M-H]- = 373.2.
【0277】
D31のための合成スキームを以下に示す。
【0278】
【化80】
【0279】
ステップD31.01:3-(3'-((メチルスルファモイル)アミノ)-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(D31)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(3'-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(0.250g、0.788mmol)、ジクロロメタン(10mL)及びトリエチルアミン(0.440mL、3.15mmol)を投入した。反応混合物を室温で撹拌し、ジクロロメタン(10mL)中メチルスルファン酸クロリド(methylsulfanic acid chloride)(0.256g、1.97mmol)溶液を2mLずつに分けて添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、濃縮し、残留物を、溶解を補助するために少量のメタノールを加えた水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)中で撹拌した。有機物を分離し、水性層(pH約8)を酢酸エチル(20mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.063g、20%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.79 (s, 1 H), 8.93 (dd, J = 0.6, 2.3 Hz, 1 H), 8.59 (dd, J = 1.6, 4.7 Hz, 1 H), 8.14 - 8.06 (m, 1 H), 7.69 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.61 (dd, J = 2.0, 7.8 Hz, 1 H), 7.51 (ddd, J = 0.8, 4.7, 8.0 Hz, 1 H), 7.42 - 7.33 (m, 2 H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.25 (br. s., 1 H), 7.21 - 7.14 (m, 2 H), 7.03 - 6.97 (m, 1 H), 6.79 (br. s., 1 H), 2.87 - 2.79 (m, 2 H), 2.48 (s, 3 H), 2.34 (dd, J = 7.0, 9.0 Hz, 2 H). LCMS [M+H]+ = 411.1, [M-H]- = 409.2.
【0280】
D30のための合成スキームを以下に示す。
【0281】
【化81】
【0282】
ステップD30.01:1,3-ジエチル2-(2-(フェニルメトキシ)-5-(ピリダ-3-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。ステップD6.05に従い、3-ピリジルボロン酸を用いて調製して、標題化合物を黄色油状物(1.57g、79%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.77 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1 H), 8.54 (dd, J = 1.6, 4.7 Hz, 1 H), 7.82 - 7.76 (m, 1 H), 7.49 - 7.44 (m, 2 H), 7.44 -7.37 (m, 4 H), 7.36 - 7.29 (m, 2 H), 7.01 - 6.96 (m, 1 H), 5.18 (s, 2 H), 4.18 - 4.07 (m, 4 H), 3.93 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 3.34 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.29 - 1.22 (m, 6 H). LCMS [M+H]+ = 434.2.
【0283】
ステップD30.02:1,3-ジエチル2-(2-ヒドロキシ-5-(ピリダ-3-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。ステップD6.06に従って調製して、標題化合物を淡黄色油状物(0.847g、68%)として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 8.75 - 8.81 (m, 1 H), 8.54 (dd, J=4.79, 1.66 Hz, 1 H), 7.80 (dt, J=7.86, 2.03 Hz, 1 H), 7.30 - 7.40 (m, 3 H), 6.99 (d, J=8.21 Hz, 1 H), 4.15 - 4.29 (m, 4 H), 3.79 (t, J=7.13 Hz, 1 H), 3.24 (d, J=7.03 Hz, 2 H), 2.04 (s, 1 H), 1.19 - 1.30 (m, 6 H). LCMS [M+H]+ = 344.2.
【0284】
ステップD30.03:1,3-ジエチル2-[(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリダ-3-イル)-ベンジル]プロパンジオエートの合成。ステップD6.07に従って調製して、標題化合物を粗製黄色油状物(1.23g)として得た。LCMS [M+H]+ = 476.44.
【0285】
ステップD30.04:1,3-ジエチル2-(2-(8-オキソ-7,9-ジアザ-ビシクロ[4.3.0]ノナ-1,3,5-トリエン-3-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-ベンジル)プロパンジオエートの合成。1,3-ジエチル2-[(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリダ-3-イル)-ベンジル]プロパンジオエート(1当量)、芳香族ボロン酸又は複素環式ボロン酸ピナコールエステル(1.1当量)及び炭酸カリウム(2〜3当量)の混合物を、1,4-ジオキサン(3.1mL/mmol)、エタノール(0.65mL/mmol)及び水(0.65mL/mmol)の混合物に溶解した。窒素を10分間混合物に通してバブリングさせた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1当量)を添加し、混合物を、窒素下、85℃で20時間加熱した。混合物を酢酸エチル及び水の間に分配した。水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過した。濾液を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)によって精製した。生成物を1:1のジクロロメタン/ヘキサンに懸濁し、濾過によって単離した。オフホワイトの粉末(0.422g、58%)。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.69 (s, 1H), 10.66 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.58 (d, J=3.5 Hz, 1H), 8.04 - 8.14 (m, 1H), 7.70 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.63 (dd, J=7.91, 1.7 Hz, 1H), 7.51 (dd, J=7.81, 4.9 Hz, 1H), 7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.82 - 6.95 (m, 2H), 3.89 - 4.03 (m, 4H), 3.72 (t, J=7.9 Hz, 1H), 3.22 (d, J=8.0 Hz, 2H), 0.99 (t, J=7.0 Hz, 6H). LCMS [M+H]+ = 460.1, [M-H]- = 458.2.
【0286】
ステップD30.05:3-(2-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾール-5-イル)-5-(ピリジニウム-3-イル)フェニル)プロパン酸ハイドロジェンスルフェートの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(2-(8-オキソ-7,9-ジアザ-ビシクロ[4.3.0]ノナ-1,3,5-トリエン-3-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-ベンジル)-プロパンジオエート(0.422g、0.918mmol)及び硫酸(5mLの水中2M溶液)を投入した。反応混合物を42時間還流撹拌した。熱溶液を不溶性材料からデカンテーションし、ゆっくりと冷却させておいた。得られた固体を真空濾過によって収集し、水(3×15mL)で洗浄し、風乾させて、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.305g、73%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.65 (s, 1H), 10.69 (s, 1H), 9.07 (s, 1H), 8.70 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.79 - 7.70 (m, 2H), 7.66 (dd, J = 1.9, 7.9 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.94 - 6.83 (m, 2H), 2.93 - 2.85 (m, 2H), 2.48 - 2.43 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 360.1, [M-H]- = 357.9.
【0287】
ステップD30.06:3-(2-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾール-5-イル)-5-(ピリジン-3-イル)フェニル)プロパンアミド(D30)の合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(2-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾール-5-イル)-5-(ピリジニウム-3-イル)フェニル)プロパン酸ハイドロジェンスルフェート(0.150g、0.328mmol)及び無水テトラヒドロフラン(10mL)を投入した。カルボニルジイミダゾール(0.106g、0.656mmol)、トリエチルアミン(0.046mL、0.328mmol)及びジメチルアセトアミド(2mL)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。LCMS分析により反応は完了していなかったため、無水アセトニトリル(20mL)を添加し、反応混合物を1〜2時間還流撹拌した。反応物を室温に冷却し、アンモニア(4mLのジオキサン中0.5M溶液、2.00mmol)を添加した。反応混合物を40〜45℃で撹拌し、アンモニア(1mLのジオキサン中0.5M溶液、0.500mmol)のさらに3回の添加を24時間かけて行った。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を水(25mL)で希釈し、炭酸ナトリウム溶液でpHを約10に調整した。混合物を撹拌し、氷浴中で15分間冷却し、得られた固体を濾過によって収集し、風乾させた。固体をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.036g、31%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.64 (s, 2H), 8.90 - 8.95 (m, 1H), 8.58 (dd, J=4.7, 1.6 Hz, 1H), 8.05 - 8.13 (m, 1H), 7.67 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.58 (dd, J=7.8, 2.0 Hz, 1H), 7.50 (ddd, J=8.0, 4.7, 0.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.22 (bs, 1H), 6.99 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.88 - 6.93 (m, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.73 (bs, 1H), 2.81 - 2.89 (m, 2H), 2.27 - 2.34 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 359.2, [M-H]- = 357.1.
【0288】
D32の合成を以下に示す。
【0289】
【化82】
【0290】
ステップD32.01:(2E)-3-(2-(ベンジルオキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(2E)-3-[2-(ベンジルオキシ)-5-ブロモフェニル]プロパ-2-エンアミド(2.0g、6.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.168g、6.62mmol)、酢酸カリウム(2.36g、24.1mmol)及び無水1,4-ジオキサン(60mL)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.492g、0.603mmol)を添加し、反応混合物を3時間、次いで、室温で終夜還流撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(200mL)及び水(125mL)で希釈し、濾過し、分液漏斗に移した。水性層を分離し、酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン)によって精製して、標題化合物を粗製暗色油状物(3.33g)として得た。LCMS [M+H]+ = 380.26.
【0291】
ステップD32.02:(2E)-3-(2-(ベンジルオキシ)-5-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、(2E)-3-(2-(ベンジルオキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(2.18g、5.73mmol)、5-ブロモ-2,4-ジメチル-1,3-チアゾール(1.10g、5.73mmol)、炭酸セシウム(3.74g、11.5mmol)、1,4-ジオキサン(25mL)及び水(2.5mL)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.234g、0.287mmol)を添加し、反応混合物を2時間還流撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)及び水(50mL)で希釈した。混合物を濾過し、分液漏斗に移し、水性層を分離し、酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を、未知の不純物を含有する褐色粉末(0.890g、43%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.72 (d, J=16.02 Hz, 1H), 7.56 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.45 - 7.52 (m, 3H), 7.32 - 7.45 (m, 4H), 7.23 (d, J=8.60 Hz, 1H), 7.10 (bs, 1H), 6.68 (d, J=16.02 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.36 (s, 3H). LCMS [M+H]+ = 365.2, [M+Na]+ = 387.1.
【0292】
ステップD32.03:3-(5-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)-2-ヒドロキシフェニル)プロパンアミドの合成。高圧反応器に、(2E)-3-(2-(ベンジルオキシ)-5-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミド(0.675g、2.44mmol)、メタノール(50mL)及びアンモニア溶液(5mLの25%水溶液)を投入した。混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気した。10%パラジウム炭素(0.100g)を反応混合物に添加し、これを、水素でフラッシュし、水素雰囲気(20バール(barr))下、室温で4日間撹拌した。混合物をセライトのプラグに通して濾過し、セライトを熱メタノール(3×50mL)で洗浄した。濾液を合わせ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標題化合物を淡褐色固体(0.211g、31%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.68 (s, 1H), 7.29 (bs, 1H), 7.12 (d, J=2.34 Hz, 1H), 7.07 (dd, J=8.30, 2.44 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.21 Hz, 1H), 6.76 (bs, 1H), 2.75 (t, J=7.62 Hz, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.35 (t, J=7.62 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H). LCMS [M+H]+ = 277.2, [M+Na]+ = 299.1, [M-H]- = 275.1.
【0293】
ステップD32.04:2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートの合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(5-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)-2-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド(0.211g、0.764mmol)、アセトニトリル(10mL)及び炭酸カリウム(0.317g、2.29mmol)を投入した。反応混合物を15分間撹拌し、次いで、N-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.286g、0.802mmol)を添加し、撹拌を室温で4.5時間続けた。反応混合物を濃縮し、残留物をジクロロメタン/メタノール(9:1、50mL)の間に分配し、水(20mL)で洗浄した。水性相を分離し、ジクロロメタン/メタノール(9:1、25mL)で抽出した。有機物を合わせ、ブライン(15mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物をオフホワイトの固体(0.338g、定量的)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.53 (s, 1H), 7.44 - 7.48 (m, 2H), 7.34 (bs, 1H), 6.84 (bs, 1H), 2.92 (t, J=7.42 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.42 - 2.48 (m, 2H), 2.39 (s, 3H). LCMS [M+H]+ = 409.0.
【0294】
ステップD32.05:4-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)-3-(3'-((メチルスルホニル)アミノ)ビフェニル-2-イル)プロパンアミド(D32)の合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、2-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-4-(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.145g、0.355mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-フェニルメタンスルホンアミド(0.116g、0.390mmol)、炭酸カリウム(0.147g、1.06mmol)、1,4-ジオキサン(1.75mL)、エタノール(0.35mL)及び水(0.35mL)を投入した。反応混合物を撹拌し、5分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.021g、0.018mmol)を添加した。反応混合物を85℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈した。水(5mL)を添加し、水性相のpHを2M塩酸溶液で5〜6に調整した。2つの層を徹底的に混合し、水性層を分離した。有機物をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を酢酸エチル/ヘキサン(3:1、40mL)中で撹拌し、穏やかに加温した。15分後、スラリーを氷浴中で冷却し、固体を濾過によって収集し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1、2×5mL)で洗浄し、乾燥させて、標題化合物を褐色粉末(0.067g、32%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.85 (bs, 1H), 7.36 - 7.45 (m, 2H), 7.30 - 7.36 (m, 1H), 7.19 - 7.27 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 7.08 (d, J=7.81 Hz, 1H), 6.73 (bs, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.79 (t, J=7.72 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.27 (t, J=7.72 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 430.1, [M-H]-= 428.2.
【0295】
D35のための合成スキームを以下に示す。
【0296】
【化83】
【0297】
ステップD35.01:3-(3-アミノ-4''-フルオロ-1,1':4':1''-テルフェニル-2'-イル)プロパンアミドの合成。ステップD28.06に記載した方法を使用し、4-フルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.064g、69%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.53 - 7.61 (m, 2H), 7.48 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.28 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.21 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.09 - 7.17 (m, 2H), 6.64 - 6.76 (m, 3H), 5.15 (bs, 2H), 3.00 - 3.10 (m, 2H), 2.30 - 2.40 (m, 2H). LCMS [M+H]+ = 335.1, [M+Na]+= 357.1, [M+HCO2]- = 379.1.
【0298】
ステップD35.02:3-(4''-フルオロ-3-((メチルスルホニル)アミノ)-1,1':4',1''-テルフェニル-2'-イル)プロパンアミド(D35)の合成。窒素雰囲気下の丸底フラスコに、3-(3-アミノ-4''-フルオロ-1,1':4':1''-テルフェニル-2'-イル)プロパンアミド(0.064g、0.191mmol)、ジクロロメタン(5mL)及びトリエチルアミン(0.106mL、0.766mmol)を投入した。反応混合物を氷浴中で15分間冷却し、次いで、メタンスルホニルクロリド(0.045mL、0.573mmol)を添加した。反応混合物を氷浴中で3時間撹拌し、次いで、室温に加温させ、48時間撹拌した。反応混合物をシリカに直接ロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、部分的に精製された材料をガム状物として得た。粗生成物をジクロロメタン/ヘキサン(1:1)(25mL)中で数時間撹拌し、得られた固体を濾過によって収集し、ジクロロメタン/ヘキサン(1:1)(2×10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.036g、46%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.84 (s, 1H), 7.70 - 7.78 (m, 2H), 7.61 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.53 (dd, J=7.8, 2.0 Hz, 1H), 7.39 - 7.46 (m, 1H), 7.28 - 7.36 (m, 2H), 7.15 - 7.28 (m, 4H), 7.09 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.73 (bs, 1H), 3.03 (s, 3H), 2.78 - 2.85 (m, 2H), 2.31 (dd, J=9.0, 7.0 Hz, 2H). LCMS [M+H]+ = 413.2, [M+Na]+ = 435.1, [M-H]- = 411.2.
【0299】
D167の構造を以下に示す。
【0300】
【化84】
【0301】
3-(2-(3-((3-(2-(2-カルバモイルエチル)-4-(ピリジン-3-イル)フェニルフェニルアミノ)ホルミルアミノ)フェニル)-5-(ピリジン-3-イル)-フェニル)プロペンアミド(D167)の合成。D29の合成により、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、緩徐溶出化合物として単離した。標題化合物が白色粉末(0.046g、11%)として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.00 (s, 2 H), 8.93 (dd, J=2.34, 0.78 Hz, 2 H), 8.59 (dd, J=4.79, 1.66 Hz, 2 H), 8.07 - 8.13 (m, 2 H), 7.69 (d, J=1.95 Hz, 2 H), 7.61 (dd, J=7.81, 1.95 Hz, 2 H), 7.48 - 7.55 (m, 4 H), 7.33 - 7.40 (m, 2 H) 7.45 (d, J=9.18 Hz, 2 H), 7.30 (d, J=7.82Hz, 2 H), 7.24 (br. s., 2 H), 6.97 (d, J=7.62 Hz, 2 H), 6.74 (br. s., 2 H), 2.81 - 2.90 (m, 4 H), 2.29 - 2.38 (m, 4 H). LCMS [M+H]+ = 661.3.
【0302】
D171のための合成スキームを以下に示す。
【0303】
【化85】
【0304】
ステップD171.01:1,3-ジエチル2-(2-(2-((1,1-ジメチルエトキシ)ホルミルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.400g、0.840mmol)、(1,1-ジメチルエトキシ)(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イルアミノ)メタノン(0.296g、0.924mmol)、炭酸カリウム(0.232g 1.68mmol)、1,4-ジオキサン(3.2mL)、エタノール(0.8mL)及び水(0.8mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.097g、0.084mmol)を添加し、反応混合物を85℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(25mL)及び水(15mL)で希釈した。混合物を分液漏斗に移し、水性相を分離し、酢酸エチル(25mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)による精製により、標題化合物を黄色固体(0.316g、72%)として得た。LCMS [M+H]+ = 521.3.
【0305】
ステップD171.02:3-(2-(2-アミノピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパン酸ハイドロジェンスルフェートの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(2-(2-((1,1-ジメチルエトキシ)ホルミルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.406g、0.780mmol)及び硫酸(5mLの2M水溶液)を投入した。反応混合物を24時間還流撹拌し、次いで、冷却し、濃縮した。炭酸ナトリウム溶液の添加でpHを4〜5に調整し、混合物を2時間撹拌した。得られた黄色沈殿物を濾過によって収集し、水(3×10mL)で洗浄し、風乾させて、標題化合物を黄色固体(0.145g、44%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.21 (s, 1 H), 9.20 (s, 2 H), 7.99 (d, J=5.67 Hz, 1 H), 7.85 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 7.75 (dd, J=8.01, 1.95 Hz, 1 H), 7.34 (d, J=8.01 Hz, 1 H), 6.66 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 6.59 (s, 1 H), 2.84 - 2.92 (m, 2 H), 2.52 - 2.58 (m, 2 H). LCMS [M]+ = 320.0.
【0306】
ステップD171.03:メチル3-(2-(2-アミノピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパノエートの合成。還流冷却器が装着された丸底フラスコに、3-(2-(2-アミノピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパン酸ハイドロジェンスルフェート(0.145mg、0.400mmol)、メタノール(75mL)及び塩酸(1mLの2M水溶液)を投入し、3時間還流下で加熱した。反応混合物を熱いうちに濾過し、残留物をメタノール(2×15mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)及び炭酸ナトリウム溶液(50mL)の間に分配した。水性相を分離し、酢酸エチル(50mL)でさらに抽出した。有機物を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮乾固して、標題化合物を黄色固体(0.048g、36%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.20 (s, 1 H), 9.19 (s, 2 H), 7.97 (d, J=5.08 Hz, 1 H), 7.82 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 7.72 (dd, J=7.81, 1.95 Hz, 1 H), 7.30 (d, J=8.01 Hz, 1 H), 6.47 (dd, J=5.18, 1.47 Hz, 1 H), 6.38 (s, 1 H), 6.02 (s, 2 H), 3.55 (s, 3 H), 2.87 - 2.94 (m, 2 H), 2.58 - 2.65 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 335.2.
【0307】
ステップD171.04:3-[2-(2-アミノピリジン-4-イル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル]プロペンアミド(D171)の合成。ステップD6.11に従って調製して、標題化合物をオフホワイトの粉末(0.045g、41%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.21 (s, 1 H), 9.18 (s, 2 H), 7.96 (d, J=5.08 Hz, 1 H), 7.77 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 7.70 (dd, J=7.91, 1.86 Hz, 1 H), 7.29 (d, J=7.82 Hz, 1 H), 7.25 (br. s., 1 H), 6.76 (br. s., 1 H), 6.48 (dd, J=5.18, 1.47 Hz, 1 H), 6.39 (s, 1 H), 6.00 (s, 2 H), 2.81 - 2.89 (m, 2 H), 2.36 (dd, J=8.89, 6.94 Hz, 2 H). LCMS [M+H]+ = 320.2.
【0308】
D172のための合成スキームを以下に示す。
【0309】
【化86】
【0310】
ステップD172.01:1,3-ジエチル2-(2-(3,5-ジアミノフェニル)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエートの合成。還流冷却器が装着された窒素雰囲気下の丸底フラスコに、1,3-ジエチル2-(((2-トリフルオロメチル)スルホニル)オキソ)-5-(ピリミジン-5-イル)ベンジル)プロパンジオエート(0.157g、0.329mmol)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン-1,3-ジアミン(0.077g、0.329mmol)、炭酸カリウム(0.091g 0.658mmol)、1,4-ジオキサン(2mL)、エタノール(0.5mL)及び水(0.5mL)を投入した。反応混合物を、2分間窒素をバブリングさせることによって脱気し、次いで、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.038g、0.033mmol)を添加し、反応混合物を85℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)及び水(25mL)で希釈し、炭酸ナトリウムでpH10超に塩基性化した。混合物を分液漏斗に移し、有機相を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)による精製により、標題化合物を黄色固体(0.118g、82%)として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 9.21 (s, 0.5 H), 8.95 (s, 1.5 H), 7.63 - 7.71 (m, 0.5 H), 7.54 (d, J=4.88 Hz, 0.5 H), 7.42 - 7.50 (m, 2.5 H), 7.34 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 6.02 - 6.10 (m, 2.5 H), 4.09 (q, J=6.32 Hz, 4 H), 3.64 (br.s., 3 H), 3.54 (t, J=7.91 Hz, 1 H), 3.36 (d, J=7.62 Hz, 2 H), 1.26 (t, J=7.03 Hz, 1 H), 1.15 (t, J=7.13 Hz, 6 H). LCMS [M+H]+ = 435.2.
【0311】
ステップD172.02:メチル3-(2-(3,5-ジアミノ-フェニル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロパノエートの合成。ステップD6.10に従って調製して、標題化合物を琥珀色ガム状物(0.105g、90%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.18 (s, 1 H), 9.17 (s, 2 H), 7.72 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 7.51 - 7.58 (m, 1 H), 7.22 (d, J=7.82 Hz, 1 H), 5.83 (t, J=1.95 Hz, 1 H), 5.73 (d, J=1.95 Hz, 2 H), 4.81 (s, 4 H), 3.56 (s, 3 H), 2.89 - 2.97 (m, 2 H), 2.54 - 2.61 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 349.2.
【0312】
ステップD172.03:3-(2-(3,5-ジアミノフェニル)-5-(ピリミジン-5-イル)フェニル)プロペンアミド(D172)の合成。ステップD6.11に従って調製して、標題化合物をベージュ色粉末(0.038g、38%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.18 (s, 1 H), 9.15 (s, 2 H), 7.70 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 7.62 (dd, J=7.81, 1.95 Hz, 1 H), 7.22 (d, J=8.01 Hz, 2 H), 6.75 (br. s., 1 H), 5.84 (t, J=1.86 Hz, 1 H), 5.74 (d, J=1.95 Hz, 2 H), 4.79 (s, 4 H), 2.82 - 2.92 (m, 2 H), 2.28 - 2.39 (m, 2 H). LCMS [M+H]+ = 334.2.
【0313】
[実施例2]
化合物のインビボスクリーニング
14週齢の自然発症高血圧ラット(SHR)に、3%イソフルランを使用して麻酔をかけ、舌を穏やかに前方に引き、鼻を穏やかに閉じながら、マイクロピペットを使用して200μLの生理食塩水中ブレオマイシン10U/体重100gを遠位中咽頭(distal oropharynx)に入れた。次いで、ラットを麻酔から覚ました。16週齢で、SHRを対照群(16週若しくは20週)又は処置群に無作為化した。16週の対照に麻酔をかけ、血液採取し、組織を採取した。20週の対照には飲料溶液のみ(5%エタノール)を与え、一方、処置群には、500pmol/kg/分の用量を4週間維持するように週に2回調整した濃度で飲料水に溶解した試験化合物を与えた。20週齢で、ラットに麻酔をかけ、血液採取し、組織を採取した。
【0314】
組織学的検査のために、肺をホルマリン中に固定し、2つのレベルのそれぞれからの切片を、マッソントリクロームを使用して染色した。実験群に盲検化した観察者による組織形態計測によって、線維症を定量化した。
【0315】
500 pmol/kg/分のA32、A79、A6、VB0004、P13、D30、D6及びA81による4週間の処置後、肺における線維症は、20週の対照と比較して減少し(図1及び2)、これらの化合物が、肺線維症の発病を予防することを実証した。
【0316】
500 pmol/kg/分のA32、A79、A6、VB0004、D30、D6及びA81による4週間の処置後、肺における線維症は、16週の対照と比較して減少し(図1及び2)、これらの化合物が、確立された肺線維症を回復させることを実証した。
【0317】
[実施例3]
化合物のインビトロスクリーニング
xCELLigence SPシステム(Roche)を使用して、試験化合物によるヒト小気道上皮細胞(ATCC)の処置後、細胞インピーダンス(細胞指数)における変化を測定した。このインビトロ細胞ベースの実験システムにおいて、負性インピーダンスプロファイルは、肺線維症の低減と相関していることが分かった(図3及び4)。
【0318】
簡潔に述べると、50μlの細胞培養培地(37℃の15%ウシ胎児血清を補充したDMEM低グルコース)を、E-プレート96(Roche)の各ウェルに添加し、各ウェルにおけるバックグラウンドインピーダンスを測定した。次いで、50μlのヒト小気道上皮細胞懸濁液(10,000細胞/ウェル)を、E-プレート96の適切なウェルに添加した。細胞指数を、細胞培養インキュベーター内、RTCA SPステーションで、E-プレート96の各ウェルについてモニターした。5% CO2及び95%湿度で16〜20時間にわたる終夜のインキュベーション後、100μlの試験化合物溶液(試験化合物をDMSO中で調製し、細胞培養培地で0.25%の最終DMSO濃度を持つ10μM、20μM又は30μMの濃度の試験化合物に希釈したもの)を、E-プレート96の適切なウェルに添加し、20秒毎3時間の化合物処置後直ちに、細胞指数値を測定した。細胞指数値を、ビヒクル処置細胞の細胞指数を減じることによってベースライン補正し、化合物添加直前の時点で細胞指数によって除することによって正規化する。時間の関数としてのベースライン正規化細胞指数を、Roche RTCAソフトウェアを使用してプロットする。
【0319】
ヒト小気道上皮細胞における負性インピーダンス応答を、A6、A26、A27、A30、A32、A35、A56、A79、A81、D4、D5、D6、D10、D11、D12、D16、D17、D18、D28、D30、D31、D32、D35、D167、D171、D172、P13、P14、P25、P42、P43、P44及びVB0004について観察(図5)したところ、これらの化合物が、肺線維症を低減させることを示していた。
本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
式:
【化87】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Bは、
【化88】
からなる群から選択され、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
Dは、
【化89】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
ここで、Dは、非置換フェニルであることができず、そしてnが1であり、R5からR9がすべてCである場合、Qは、ヒドロキシであることができない]。
[項2]
化合物が、
【化90】
からなる群から選択される、項1に記載の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物。
[項3]
式:
【化91】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物。
[項4]
肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法であって、対象に、有効量の項1から3のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
[項5]
肺線維症を持つ又は肺線維症を発病するリスクがある対象における肺線維症又は関連状態を予防的に又は治療的に処置する方法であって、対象に、有効量の式:
【化92】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物
[式中、
Aは、場合により置換されていてもよい飽和、部分飽和又は不飽和5又は6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてもよいC1〜6アルコキシルアミン、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルアミン、場合により置換されていてもよいC0〜6アルキルカルボン酸、場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルヒドロキシル、場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C0〜6アルキル二環式ヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和C1〜6アルコキシル二環式ヘテロシクリルから選択され、
Bは、
【化93】
からなる群から選択され、
Qは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ及び置換アミノから独立して選択され、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
R1、R3及びR4は、独立して、C、CH、CH2、O、N、NH又はSであり、
R2は、C、CH、CH2、N、NH、C-CF3、CH-CF3又はC=Oであり、
R5からR9は、独立して、C又はNであり、
Dは、
【化94】
であり、
R10からR14は、独立して、C、N、O又はSであり、
Tは、C1〜6アルキル、ハロ、C0〜6アルキルカルボン酸、アミノ、ヒドロキシ及びC1〜6アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、-OH又は
【化95】
である]
を投与するステップを含む、方法。
[項6]
化合物が、
【化96】
からなる群から選択される、又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物である、項5に記載の方法。
[項7]
肺線維症を発病するリスクがある対象が、ガス、煙、化学物質、アスベスト繊維又は粉塵に曝露されたことがある、項4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項8]
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺の自己免疫障害、ウイルス感染症又は細菌感染症を有する、項4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項9]
肺線維症を発病するリスクがある対象が、肺又は乳がんのための放射線療法を受けたことがある、項4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項10]
肺線維症を発病するリスクがある対象が、遺伝的素因を有する、項4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項11]
肺線維症を発病するリスクがある対象が、喫煙者である、項4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項12]
関連状態が、肺高血圧症、右心不全、呼吸不全、低酸素症、咳、血栓の形成、肺炎及び肺がんから選択される、項4から11のいずれか一項に記載の方法。
[項13]
処置が、肺線維症の進行を予防する、低減させる、又は遅らせる、項4から12のいずれか一項に記載の方法。
[項14]
処置が、確立された肺線維症を低減させる、項4から13のいずれか一項に記載の方法。[項15]

【化97】
の化合物、
又は薬理学的に許容されるその塩、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ体、水和物及び/若しくは溶媒和物。
図1
図2
図3
図4
図5