(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量及び前記第1水タンクから前記水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも一方を調整して、前記第1水タンク内の水量を所定範囲に維持する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された燃料電池システムでは、水タンクに所定量以上の水が貯留された際には、例えばオーバーフローによりドレン排水してもよい旨が記載されている。このように、水タンクから水を排水するためには、排水用のドレン配管を設ける必要がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、ドレン水の生成量を制御できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の燃料電池システムは、水供給管から供給された水を気化して水蒸気を生成する気化器と、前記気化器で生成された水蒸気を用いて原料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成された前記燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池の燃料極から排出されたオフガスに含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水が蓄えられ、前記水供給管が接続された第1水タンクと、前記燃料電池の発電量を制御して前記第1水タンクへ投入される水蒸気量を調整することにより前記第1水タンク内の水量を所定範囲に維持する制御装置と、を備えている。
【0007】
請求項2の燃料電池システムは、請求項1の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量及び前記第1水タンクから前記水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも一方を調整して、前記第1水タンク内の水量を所定範囲に維持する。
請求項2の燃料電池システムによると、制御装置が、第1水タンクへ投入される凝縮水量及び第1水タンクから水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも一方を調整する。例えば水タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、第1水タンクへ投入される凝縮水量を減らす。又は、第1水タンクから水供給管へ排出される凝縮水量を増やす。これにより第1水タンク内の水量を所定範囲内に維持して、第1水タンクからの排水を少なくすることができる。なお「改質部」とは、燃料電池と別体に設けられた改質器のほか、燃料電池内で改質反応が行われる部分の双方を指すものとする。
請求項3の燃料電池システムは、請求項1又は請求項2の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記燃料電池の発電量を減らすことにより、前記オフガスに含まれる水蒸気量を低減して前記第1水タンクへ投入される水蒸気量を低減可能とされている。
請求項4の燃料電池システムは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記燃料電池の発電量を増やすことにより、前記オフガスに含まれる水蒸気量を増やして前記第1水タンクへ投入される水蒸気量を増加可能とされている。
請求項5の燃料電池システムは、請求項1
〜請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は、前記改質部で生成された前記燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう第1燃料電池と、前記オフガスに含まれる未反応の燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう第2燃料電池と、を備え、前記制御装置は、前記第1燃料電池及び前記第2燃料電池の少なくとも一方の発電量を制御して、前記第1水タンクへ投入される水蒸気量を調整する。
請求項6の燃料電池システムは、
請求項5の燃料電池システムにおいて、前記第2燃料電池は前記第1水タンクの下流側に配置されている。
請求項7の燃料電池システム前記制御装置は、請求項6に記載の燃料電池システムにおいて、前記第1燃料電池の発電量を減らすことにより、前記オフガスに含まれる水蒸気量を低減して前記第1水タンクへ投入される水蒸気量を低減し、かつ、前記第2燃料電池の発電量を増やすことで、発電量の低減を抑制する。
【0008】
請求項8の燃料電池システムは、水供給管から供給された水を気化して水蒸気を生成する気化器と、前記気化器で生成された水蒸気を用いて原料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成された前記燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池から排出されたオフガスに含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水が蓄えられる第1水タンクと、前記燃料電池の空気極から排出された酸化オフガスで前記燃料電池から排出された前記オフガスを燃焼する燃焼器と、前記燃焼器から排出された排出ガスに含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水が蓄えられる第2水タンクと、前記燃料電池の発電量を制御して前記第1水タンクへ投入される水蒸気量及び前記第2水タンクへ投入される水蒸気量の少なくとも一方を調整することにより前記第1水タンク内の水量又は前記第2水タンク内の水量を所定範囲に維持する制御装置と、を備えている。
【0009】
請求項9の燃料電池システムは、
請求項8に記載の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量、前記第1水タンクから排出される凝縮水量、前記第2水タンクへ投入される凝縮水量及び前記第2水タンクから排出される凝縮水量の少なくとも何れかを調整して、前記第1水タンク内又は前記第2水タンク内の水量を所定範囲に維持する。
請求項9の燃料電池システムによると、制御装置が、第1水タンクへ投入される水蒸気量、第1水タンクへ投入される凝縮水量、第1水タンクから排出される凝縮水量、第2水タンクへ投入される凝縮水量、第2水タンクへ投入される水蒸気量及び前記第2水タンクから排出される凝縮水量の少なくとも何れかを調整する。例えば第2水タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、第2水タンクへ投入される凝縮水量を減らす。これにより第1水タンク内又は第2水タンク内の水量を所定範囲内に維持して、第1水タンク又は第2水タンクからの排水を少なくすることができる。
【0010】
一態様の燃料電池システムは、水供給管から供給された水を気化して水蒸気を生成する気化器と、前記気化器で生成された水蒸気を用いて原料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成された前記燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池の燃料極から排出されたオフガスに含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水が蓄えられる第1水タンクと、前記燃料電池から排出された酸化オフガスで前記燃料電池から排出された前記オフガスを燃焼する燃焼器と、前記燃焼器から排出された排出ガスに含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水が蓄えられる第2水タンクと、前記第1水タンク及び前記第2水タンクの下方に設置され、前記第1水タンクに蓄えられた凝縮水及び前記第2水タンクに蓄えられた凝縮水が投入され、前記水供給管が接続された集約タンクと、前記集約タンクに蓄えられた凝縮水を前記気化器へ供給する水供給管と、前記第1水タンクへ投入される水蒸気量、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量、前記第2水タンクへ投入される凝縮水量、前記第2水タンクへ投入される水蒸気量及び前記集約タンクから前記水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも何れかを調整して、前記集約タンク内の水量を所定範囲に維持する制御装置と、を備えている。
【0011】
一態様の燃料電池システムによると、第1水タンクに蓄えられた凝縮水及び第2水タンクに蓄えられた凝縮水が集約タンクに投入される。このため、第1水タンク及び第2水タンク内の水量を所定範囲内に維持して、第1水タンク及び第2水タンクからシステム外への排水を無くすことができる。
【0012】
そして、制御装置が、第1水タンクへ投入される凝縮水量、第2水タンクへ投入される凝縮水量、第2水タンクへ投入される水蒸気量、集約タンクから水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも何れかを調整する。なお、第2水タンクへ投入される「凝縮水」とは、例えば第2水タンクの上流側で水蒸気が冷却されて凝縮した水(液相)のことである。また、第2水タンクへ投入される「水蒸気」とは、第2水タンクの上流側で凝縮せず気体の状態を保った水(気層)のことである。
【0013】
例えば集約タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、一例として、第1水タンクへ投入される凝縮水量を減らす。別の一例として、第2水タンクへ投入される凝縮水量を減らす。さらに別の一例として、第2水タンクへ投入される水蒸気量を減らす。またさらに別の一例として、集約タンクから水供給管へ排出される凝縮水量を増やす。これらの1つ又は組合わせにより集約タンク内の水量を所定範囲内に維持して、集約タンクからの排水を少なくすることができる。
【0014】
一態様の燃料電池システムは、前記集約タンクには水位センサが設けられており、前記制御装置は、前記水位センサからの情報に基づいて、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量、前記第2水タンクへ投入される凝縮水量、前記第2水タンクへ投入される水蒸気量及び前記集約タンクから前記水供給管へ排出される凝縮水量の少なくとも何れかを調整する。
【0015】
一態様の燃料電池システムによると、集約タンクに水位センサが設けられているため、集約タンクの水位を正確に測定できる。このため集約タンク内の水量を所定範囲に維持
し易い。
【0016】
一態様の燃料電池システムは、前記集約タンクの内部には、前記オフガスが溜められる気室と前記排出ガスが溜められる気室とを仕切る仕切板が設けられている。
【0017】
一態様の燃料電池システムによると、集約タンクの内部において、仕切板によってオフガスが溜められる気室と排出ガスが溜められる気室とが隔てられている。このため、オフガスと排出ガスとが混合されない。これにより燃料ガスを含んだオフガスがシステム外へ排出されることが抑制される。
【0018】
請求項10の燃料電池システムは、
請求項8又は請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、前記排出ガスを前記第2水タンクの上流側で冷却して前記排出ガスに含まれる水蒸気を凝縮する第2冷却機構を備え、前記制御装置は、前記第2冷却機構を制御して、前記第2水タンクへ投入される凝縮水量を調整する。
【0019】
請求項10の燃料電池システムによると、制御装置が、排出ガスを第2水タンクの上流側で冷却して水蒸気を凝縮する第2冷却機構を制御する。例えば集約タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、冷却機能を抑えて排出ガスに含まれる水蒸気の凝縮量を低減する。これにより第2水タンク及び集約タンクへ投入される凝縮水量を少なくできる。
【0020】
請求項11の燃料電池システムは、
請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記第2水タンクを経由せずに前記排出ガスを排出するためのバイパス弁を備え、前記制御装置は、前記バイパス弁を制御して前記第2水タンクへ投入される水蒸気量を調整する。
【0021】
請求項11の燃料電池システムによると、制御装置が、排出ガスを第2水タンクを経由せずに排出するためのバイパス弁を制御する。例えば集約タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、バイパス弁を開放して水蒸気を含んだ排出ガスを排出する。これにより第2水タンク及び集約タンクへ投入される水蒸気量を少なくする。このように、バイパス弁を設ける簡易な構造で第2水タンクへ投入される水蒸気量を調整できる。
【0022】
請求項12の燃料電池システムは、
請求項8〜請求項11の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は、前記改質部で生成された前記燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう第1燃料電池と、前記オフガスに含まれる未反応の燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行なう第2燃料電池と、を備え、前記制御装置は、前記第1燃料電池及び前記第2燃料電池の少なくとも一方の発電量を制御して、前記第1水タンク又は前記第2水タンクへ投入される水蒸気量を調整する。
【0023】
請求項12の燃料電池システムによると、制御装置が、燃料電池及び後段燃料電池の少なくとも一方の発電量を制御する。例えば第1水タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、燃料電池における発電量を減らし、オフガス及びオフガスに含まれる水蒸気の発生量を低減する。これにより第1水タンクへ投入される水蒸気量を少なくできる。
【0024】
請求項13の燃料電池システムは、
請求項12の燃料電池システムにおいて、前記後段燃料電池は前記第1水タンクの下流側に配置されている。
【0025】
請求項13の燃料電池システムによると、制御装置は、燃料電池における発電量を減らすと同時に後段燃料電池の発電量を増やすことで、システム全体の発電量を維持できる。
【0026】
請求項14の燃料電池システムは、請求項1〜
請求項13の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記オフガスを前記第1水タンクの上流側又は前記第1水タンク内で冷却して前記オフガスに含まれる水蒸気を凝縮する第1冷却機構を備え、前記制御装置は、前記第1冷却機構を制御して、前記第1水タンクへ投入される凝縮水量を調整する。
【0027】
請求項14の燃料電池システムによると、制御装置が、オフガスを第1水タンクの上流側又は第1水タンク内で冷却して水蒸気を凝縮する第1冷却機構を制御する。例えば集約タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、冷却機能を抑えてオフガスに含まれる水蒸気の凝縮量を低減する。これにより第1水タンク及び集約タンクへ投入される凝縮水量を少なくできる。
【0028】
請求項15の燃料電池システムは、請求項1〜
請求項14の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記原料ガスの投入量を調整する流量調整機構を備え、前記制御装置は、前記流量調整機構を制御して発電量を調整する。
【0029】
請求項15の燃料電池システムによると、制御装置が、流量調整機構を制御して、原料ガスの投入量を制御できる。例えば集約タンク内の水量が所定の上限値に至った場合は、原料ガスの投入量を減らして、発電量を減らす。これにより発電反応に伴う水蒸気の発生を抑制し、第1水タンク及び集約タンクへ投入される水蒸気量を少なくする。
【0030】
請求項16の燃料電池システムは、請求項1〜
請求項15の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の空気極から排出された酸化オフガスで前記燃料電池から排出された前記オフガスを燃焼する燃焼器と、前記燃焼器から排出された排出ガスをシステム外へ排出する排気管と、前記燃焼器から排出された前記排出ガスをシステム外へ排出する排気管と、前記第1水タンクに蓄えられた前記凝縮水を前記排気管へ供給する水滴供給管と、を備え、前記制御装置は、前記排気管へ供給される凝縮水量を制御して、前記第1水タンクから排出される凝縮水量を調整する。
【0031】
請求項16の燃料電池システムによると、制御装置は、排気管へ供給される凝縮水量を制御する。例えば第1水タンクの水量が所定の上限値に至った場合は、排気管へ供給される凝縮水量を増やす。排気管へ供給された凝縮水は、排気ガスの熱によって蒸発し、水蒸気としてシステム外へ排出される。これにより第1水タンクからシステム外へ排出される水蒸気量を多くできる。
【0032】
請求項17の燃料電池システムは、
請求項8〜請求項13の何れか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃焼器から排出された前記排出ガスをシステム外へ排出する排気管と、前記第1水タンク及び前記第2水タンクの少なくとも一方に蓄えられた前記凝縮水を前記排気管へ供給する水滴供給管と、を備え、前記制御装置は、前記排気管へ供給される凝縮水量を制御して、前記第1水タンク及び前記第2水タンクの少なくとも一方から排出される凝縮水量を調整する。
【0033】
請求項17の燃料電池システムによると、制御装置は、排気管へ供給される凝縮水量を制御する。例えば第2水タンクの水量が所定の上限値に至った場合は、排気管へ供給される凝縮水量を増やす。排気管へ供給された凝縮水は、排気ガスの熱によって蒸発し、水蒸気としてシステム外へ排出される。これにより第1水タンク及び第2水タンクの少なくとも一方からシステム外へ排出される水蒸気量を多くできる。
【0034】
一態様の燃料電池システムは、前記燃焼器から排出された前記排出ガスをシステム外へ排出する排気管と、前記第1水タンク、前記第2水タンク及び前記集約タンクの少なくとも何れかに蓄えられた前記凝縮水を前記排気管へ供給して供給する水滴供給管と、を備え、前記制御装置は、前記排気管へ供給される凝縮水量を制御して、前記第1水タンク、前記第2水タンク及び前記集約タンクの少なくとも何れかから排出される凝縮水量を調整する。
【0035】
一態様の燃料電池システムによると、制御装置は、排気管へ供給される凝縮水量を制御する。例えば集約タンクの水量が所定の上限値に至った場合は、排気管へ供給される凝縮水量を増やす。排気管へ供給された凝縮水は、排気ガスの熱によって蒸発し、水蒸気としてシステム外へ排出される。これにより第1水タンク、第2水タンク及び集約タンクの少なくとも一方からシステム外へ排出される水蒸気量を多くできる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る燃料電池システムによると、ドレン水の生成量を制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1実施形態]
<燃料電池システム>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システム10は、気化器12、改質器14、燃焼器16、第1燃料電池セルスタック22、第2燃料電池セルスタック24、第1水タンク32、第2水タンク34、分流弁44A、44B、冷却機構52、54、ポンプ62、流量調整機構67、制御装置68及び集約タンク76を備えている。
【0039】
(気化器)
気化器12には、原料ガスが流れる管である原料ガス管P1の一端が接続されている。原料ガス管P1の途中箇所には、気化器12へ供給する原料ガスの流量を調整する流量調整機構67が設けられている。流量調整機構67としては、一例として流量調整弁が用いられる。
【0040】
また、気化器12には、水が流れる管である水供給管P2の一端が接続されており、水供給管P2の他端は、集約タンク76に接続されている。集約タンク76には、水が貯留されている。
【0041】
ポンプ62は、水供給管P2を介して集約タンク76から水を汲み上げる。そして、ポンプ62は、汲み上げた水を水供給管P2を介して気化器12に送出することで、気化器12に水を供給する。
【0042】
気化器12は、水供給管P2から供給された水を気化させる。気化には、燃焼器16等の熱が用いられる。
【0043】
気化器12は、配管P3を介して原料ガス及び水蒸気を改質器14に送出することで、改質器14に原料ガス及び水蒸気を供給する。
【0044】
(改質器)
改質器14は、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する。改質器14には、配管P3の一端が接続されている。これにより原料ガス及び水蒸気が配管P3を通じて改質器14に供給される。
【0045】
改質器14において原料ガスの一例であるメタンを水蒸気改質させた場合、以下の(1)式の反応により一酸化炭素及び水素が生成される。
CH
4+H
2O→CO+3H
2 ・・・(1)
【0046】
さらに、一酸化炭素をシフト改質させた場合、以下の(2)式の反応により水素及び二酸化炭素が生成される。
CO+H
2O→H
2+CO
2 ・・・(2)
【0047】
なお、本実施形態では、原料ガスの一例としてメタンが採用されているが、改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、又はブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、本実施形態で用いるメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスは、天然ガス、都市ガス、又はLPガス、バイオガス等のガスであってもよい。さらに、原料ガスは、これらの混合ガスであってもよい。
【0048】
改質器14には、改質ガス供給管P4の一端が接続されている。改質ガス供給管P4の他端は、第1燃料電池セルスタック22におけるアノード(燃料極、不図示)に接続されている。これにより、改質器14にて生成された改質ガスが、改質ガス供給管P4を通じて第1燃料電池セルスタック22に供給される。改質ガスには、未反応のメタン、改質器14で生成された二酸化炭素、水素、未反応の一酸化炭素及び水蒸気等が含まれている。
【0049】
(燃料電池セルスタック)
第1燃料電池セルスタック22は例えば固体酸化物系の燃料電池セルスタックであり、積層された複数の燃料電池セル(不図示)を有している。個々の燃料電池セルは、電解質層と、電解質層の表裏面にそれぞれ積層されたカソード(空気極、不図示)及びアノードと、を有する。なお、第1燃料電池セルスタック22は溶解炭酸塩型の燃料電池セルスタックとしてもよい。
【0050】
第1燃料電池セルスタック22のカソードには、酸化ガスが流れる管である酸化ガス管P5の一端が接続されている。カソードには、酸化ガス管P5を介して酸化ガス(例えば空気)が供給される。カソードでは、以下の(3)式に示すように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通ってアノードに到達する。
【0051】
1/2O
2+2e
−→O
2− ・・・(3)
【0052】
一方、アノードでは、以下の(4)式及び(5)式に示すように、電解質層を通ってきた酸素イオンが改質ガス中の燃料ガスである水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)、二酸化炭素及び電子が生成される。アノードで生成された電子がアノードから外部回路を通ってカソードに移動することで、各燃料電池セルにおいて発電される。なお、各燃料電池セルは、発電時に発熱する。
【0053】
H
2+O
2−→H
2O+2e
− ・・・(4)
【0054】
CO+O
2−→CO
2+2e
− ・・・(5)
【0055】
第1燃料電池セルスタック22のアノードには、アノードオフガスが流れる管であるアノードオフガス管P6の一端が接続されており、アノードオフガス管P6にはアノードオフガスが排出される。アノードオフガスには、未反応の水素、未反応の一酸化炭素、二酸化炭素、及び水蒸気等が含まれている。
【0056】
第1燃料電池セルスタック22のカソードには、カソードオフガスが流れる管であるカソードオフガス管P7の一端が接続されており、カソードオフガス管P7にはカソードオフガスが排出される。カソードオフガスには、未反応の酸化ガスなどが含まれている。
【0057】
アノードオフガス管P6の他端は、第1水タンク32に挿入され、カソードオフガス管P7の他端は、第2燃料電池セルスタック24のカソード(不図示)に接続されている。なお、アノードオフガス管P6の中間部分には、後述する冷却機構52が設けられている。
【0058】
第2燃料電池セルスタック24の構成は第1燃料電池セルスタック22と同様であり詳細の説明は省略するが、上述したように、第2燃料電池セルスタック24のカソードには、カソードオフガス管P7の一端が接続されている。また、第2燃料電池セルスタック24のアノードには、後述する再生ガス管P8の一端が接続されている。
【0059】
さらに、第2燃料電池セルスタック24のカソードには、カソードオフガスが流れる管であるカソードオフガス管P11の一端が接続されており、カソードオフガス管P11には、カソードオフガスが排出される。カソードオフガスには、未反応の酸化ガスなどが含まれており、カソードオフガスは、カソードオフガス管P11を介して燃焼器16へ供給される。
【0060】
第2燃料電池セルスタック24のアノードには、アノードオフガスが流れる管であるアノードオフガス管P13の一端が接続されており、アノードオフガス管P13には、アノードオフガスが排出される。アノードオフガスには、未反応の水素、未反応の一酸化炭素、二酸化炭素、及び水蒸気等が含まれており、アノードオフガスはアノードオフガス管P13を介して燃焼器16へ供給される。
【0061】
(燃焼器)
燃焼器16は、第2燃料電池セルスタック24のカソード及びアノードから供給された使用済みのガスを焼却に供する。燃焼器16には、排気管P12の一端が接続されており、燃焼後の排出ガスは、排気管P12へ送出される。排気管P12の途中箇所は気化器12に配置されており、気化器12では、排気管P12の熱により水が気化される。
【0062】
(第1水タンク)
第1水タンク32は、第1燃料電池セルスタック22のアノードから排出されたアノードオフガスが、アノードオフガス管P6を介して流入する中間ガスタンクである。第1水タンク32には、オーバーフロー管P15が接続されている。オーバーフロー管P15は、第1水タンク32に蓄えられた凝縮水の水位が一定の高さになったところで、凝縮水を集約タンク76へ送出する。
【0063】
第1水タンク32において水蒸気等が除去されたガスは、再生ガスとして再生ガス管P8を介して第2燃料電池セルスタック24のアノードへ流入する。
【0064】
(第2水タンク)
第2水タンク34は、燃焼器16から送出された排出ガスが、排気管P12を介して流入する排ガスタンクである。一端が燃焼器16に接続された排気管P12の他端側は、2つの流路P12A、P12Bに分岐している。流路P12Aには、分流弁44A及び冷却機構54が設けられており、流路P12Aの端部は水タンク34へ挿入されている。冷却機構54は分流弁44Aより下流側に設けられている。また、流路P12Bには、分流弁44Bが設けられており、流路P12Bの端部は外気に開放されている。さらに、流路P12Bには、一端が水タンク34に挿入された流路P12Cの他端が接続されている。なお、分流弁44A、42Bは、本発明におけるバイパス弁の一例である。
【0065】
第2水タンク34には、オーバーフロー管P14が接続されている。オーバーフロー管P14は、第2水タンク34に蓄えられた凝縮水の水位が一定の高さになったところで、凝縮水を集約タンク76へ送出する。
【0066】
(集約タンク)
集約タンク76は、第1水タンク32及び第2水タンク34より低い位置に設けられ、第1水タンク32に接続されたオーバーフロー管P15と、第2水タンク34に接続されたオーバーフロー管P14とが挿入されている。
【0067】
集約タンク76の内部には仕切板76Aと、水位センサ76Sとが設けられている。仕切板76Aは、集約タンク76に、それぞれオーバーフロー管P15、14が挿入された2つの気室を構成するように、集約タンク76の内部に接合されている。より具体的には、仕切板76Aの上端面、側端面が集約タンク76の内側面に接合されており、仕切板76Aの下端面が、所定の水位下限値より下方に配置されている。これにより仕切板76Aの下端部が凝縮水に挿入され、2つの気室内の気体が混合しないようになっている。
【0068】
水位センサ76Sは、集約タンク76内の水量を所定の上限値及び下限値の範囲内に維持するために、集約タンク76内の水位を検出できる。集約タンク76において、水位の下限位置より下方には水供給管P2の端部が接続されている。水供給管P2は、ポンプ62が駆動することにより、集約タンク76内の水を気化器12へ送出する。なお、オーバーフロー管P15、14の下端部は、水位センサ32Sの水位上限より上方に配置される。
【0069】
水位センサ76Sにおける所定の下限値は、例えば燃料電池システム10の起動時に必要な改質水量や、発電量を大きくする際に必要な改質水量によって適宜定められる。
【0070】
(冷却機構)
冷却機構52は、アノードオフガス管P6を流れるアノードオフガスを冷却する熱交換器である。冷却機構52は、例えば酸化ガス管P5を流れる酸化ガスとアノードオフガス管P6を流れるアノードオフガスとを熱交換させて、アノードオフガスを冷却する。第1水タンク32には、冷却機構52の駆動時の冷却動作によって凝縮されて得られた水が排出され蓄えられる。
【0071】
同様に、冷却機構54は、排気管P12における流路P12Aを流れる排出ガスを冷却する熱交換器である。冷却機構54は、例えば原料ガス管P1を流れる原料ガスと流路P12Aを流れる排出ガスとを熱交換させて、排出ガスを冷却する。第2水タンク34には、冷却機構54の駆動時の冷却動作によって凝縮されて得られた水が排出され蓄えられる。
【0072】
(制御装置)
制御装置68は、第1燃料電池セルスタック22、第2燃料電池セルスタック24、水位センサ76S、分流弁44A、44B、冷却機構52、54、ポンプ62、流量調整機構67と電気的に接続されている。なお、制御装置68と第1燃料電池セルスタック22とは、電流などを制御するパワーコンディショナーを介して接続されている。制御装置68と第2燃料電池セルスタック24についても同様である。
【0073】
また、制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、冷却機構52、54の駆動状態を調整することができる。
【0074】
また、制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、分流弁44A、44Bの開閉状態を調整することができる。
【0075】
また、制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、ポンプ62の駆動状態を調整することができる。
【0076】
また、制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24における発電量を調整することができる。
【0077】
また、制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて流量調整機構67を制御して、気化器12への原料ガスの投入量を調整することができる。
【0078】
<作用・効果>
第1実施形態に係る燃料電池システム10では、水供給管P2から供給された水が、改質器14の改質反応によって消費される[(1)式及び(2)式]。また、第1燃料電池セルスタック22、第2燃料電池セルスタック24の発電によって水が生成される[(4)式]。電流値が高い場合、改質器14で生成された水素の大部分が発電によって消費されるため、改質器14において消費される水量と比較して、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24で生成される水量のほうが多い。このため、改質反応及び発電反応を通して、システム内の水は増加する。
【0079】
発電反応によって生成された水は、システム内を循環する。その一部は第1水タンク32へ蓄えられて集約タンク76へ供給される。その他は第2水タンク34へ蓄えられて集約タンク76へ供給される。集約タンク76へ供給された水は、水供給管P2へ投入され、再度改質反応によって消費される。
【0080】
システム内の水(液相)をシステム外に排出することなく減らすためには、排気管P12からシステム外へ、水を「水蒸気として」排出する。燃料電池システム10においては、制御装置68が、第1燃料電池セルスタック22、第2燃料電池セルスタック24、分流弁44A、44B、冷却機構52、54、ポンプ62、流量調整機構67を適宜組合わせて制御することにより、システム外への水蒸気の排出量を調整する。これにより、システム内の水(液相)をシステム外に排出することなく減らすことができる。システム内の水量は、集約タンク76の水量によって判断する。
【0081】
具体的には、集約タンク76の水量が少ない場合(水位が水位センサ76Sの下限値に至った場合)、制御装置68は、システム内に水が不足していると判断し、発電量を多くして集約タンク76内の凝縮水量を増やす。又は、冷却機構52、54の冷却強度を強めて、水タンク32、34へ投入される凝縮水量を増やし、集約タンク76内の凝縮水量を増やす。これにより、例えばシステムの起動時に必要な改質水を確保できる。
【0082】
なお、冷却機構52は、酸化ガス管P5を流れる酸化ガスとアノードオフガス管P6を流れるアノードオフガスとを熱交換させて、アノードオフガスを冷却する。冷却機構52の冷却強度を制御するためには、アノードオフガス管P6に図示しないバイパス経路及び制御弁を設けて、酸化ガス管P5を流れる酸化ガスと「熱交換させる」アノードオフガス量と、「熱交換させない」アノードオフガス量とを調整する。
【0083】
冷却機構54においても、流路P12Aに図示しないバイパスを設ける。これにより、原料ガス管P1を流れる原料ガスと「熱交換させる」排出ガス量と、「熱交換させない」排出ガス量とを調整する。
【0084】
なお、冷却機構52、54としては、このようにシステム内の流体を利用する実施形態の他、冷却ファンや外部から引き込んだシステム外の冷却水を用いてもよい。冷却ファンや冷却水を用いる場合、バイパス経路を設ける必要はない。
【0085】
また、集約タンク76の水量が多い場合(水位が水位センサ76Sの上限値に至った場合)、制御装置68は、システム内に水が余っていると判断し、排気管P12からの水蒸気の排出量を多くして集約タンク76内の凝縮水量を減らす。これにより、集約タンク76に凝縮水を排出するドレン管を用いなくても、システムから水を減らすことができる。
【0086】
集約タンク76内の凝縮水量の調整方法について、制御装置68による制御対象毎に説明する。
【0087】
まずは、発電量を多くして集約タンク76内の凝縮水量を増やす方法の一例について説明する。
【0088】
(原料ガス投入量の調整)
制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて流量調整機構67を制御して、気化器12への原料ガスの投入量を調整することができる。
【0089】
例えば制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の下限値に至ったという情報を水位センサ76Sから得た場合、流量調整機構67を制御して、気化器12に対する原料ガスの投入量を調整する。具体的には、原料ガスの投入量を増やし、原料ガスの増加分に応じて、適宜、改質水の投入量、第1燃料電池セルスタック22における発電量、第2燃料電池セルスタック24における発電量及び第1燃料電池セルスタック22に対する酸化ガス(空気)の投入量を増やす。これにより、第1燃料電池セルスタック22におけるアノードオフガス量及びアノードオフガスに含まれる水蒸気の発生量を増やす。そして、第1水タンク32へ投入される水蒸気量を増やすことができる。このため、第1水タンク32内で凝縮する凝縮水量及び集約タンク76に蓄えられる水量を増やすことができる。
【0090】
次に、排気管P12からの水蒸気の排出量を多くして集約タンク76内の凝縮水量を減らす方法の例について説明する。
【0091】
(冷却機構の制御)
制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、冷却機構52、54の駆動状態を調整することができる。
【0092】
一例として、制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ76Sから受取った場合、冷却機構52を制御して冷却強度を弱める。又は駆動を停止する。これにより、アノードオフガス管P6を流れるアノードオフガスに含まれる水蒸気が凝縮することが抑制される。このため、第1水タンク32に投入される凝縮水量及び集約タンク76に蓄えられる水量を低減することができる。
【0093】
なお、第1水タンク32へ投入された未凝縮の水蒸気は、第1水タンク32の内部で凝縮する一部を除き、再生ガス管P8を介して第2燃料電池セルスタック24へ投入され、燃焼器16及び排気管P12を介してシステム外へ排出される。このため、第1水タンク32に蓄えられる水量を低減することができる。
【0094】
別の一例として、制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ76Sから受取った場合、冷却機構54を制御して冷却強度を弱める。又は駆動を停止する。これにより、排気管P12における流路P12Aを流れる排出ガスに含まれる水蒸気が凝縮することが抑制される。このため、第2水タンク34に投入される凝縮水量及び集約タンク76に蓄えられる水量を低減することができる。
【0095】
第2水タンク34へ投入された未凝縮の水蒸気は、第2水タンク34の内部で凝縮する一部を除き、流路P12C、P12Bを介してシステム外へ排出される。このため、水タンク34に蓄えられる水量を低減することができる。
【0096】
(分流弁の制御)
制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、分流弁44A、44Bの開閉状態を調整することができる。
【0097】
制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ76Sから得た場合、分流弁44A、44Bを制御して、排出ガスの第2水タンク34への流入量を調整する。具体的には、例えば分流弁44Aを閉鎖し、分流弁44Bを開放する。これにより、排出ガス及び排出ガスに含まれる水蒸気はシステム外に排気され、第2水タンク34へ流入することが抑制される。このため、第2水タンク34の内部で凝縮する凝縮水量を低減することができる。
【0098】
なお、制御装置68は、分流弁44Aを完全に閉鎖し、かつ、分流弁44Bを完全に開放する必要はない。例えば分流弁44A、分流弁44Bの開き具合は、排気管P12を流れる排出ガスの少なくとも一部が、第2水タンク34に流入することなく流路P12Bから直接排出されるように調整されればよい。
【0099】
(ポンプの制御)
制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、ポンプ62の駆動状態を調整することができる。
【0100】
例えば制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ76Sから得た場合、ポンプ62を制御して、集約タンク76から水供給管P2への凝縮水の排出量を調整する。具体的には、ポンプ62の駆動力を高め、集約タンク76からの凝縮水の排出量を多くする。これにより、集約タンク76に蓄えられた水量を低減することができる。
【0101】
(燃料電池スタックの制御)
制御装置68は、水位センサ76Sから受取る集約タンク76の水位情報に基づいて、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24の少なくとも一方の発電量を調整することができる。
【0102】
例えば、制御装置68は、集約タンク76の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ76Sから得た場合、第1燃料電池セルスタック22を制御して、第1燃料電池セルスタック22の発電量を調整する。具体的には、第1燃料電池セルスタック22の発電量を減らし、アノードオフガス量及びアノードオフガスに含まれる水蒸気の発生量を低減する。これにより、第1水タンク32へ投入される水蒸気量を低減することができる。このため、第1水タンク32内で凝縮する凝縮水量及び集約タンク76へ流入する凝縮水量を低減することができる。
【0103】
この際、第2燃料電池セルスタック24における発電量を増やすことで、燃料電池システム全体の発電量の低減を抑制することができる。
【0104】
別の一例として、制御装置68は、水タンク34の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ32Sから得た場合、第2燃料電池セルスタック24を制御して、第2燃料電池セルスタック24の発電量を調整する。具体的には、第2燃料電池セルスタック24の発電量を減らし、第2燃料電池セルスタック24のアノードオフガス量及びこのアノードオフガスに含まれる水蒸気の発生量を低減する。これにより、水タンク34へ投入される水蒸気量を低減することができる。
【0105】
なお、第2燃料電池セルスタック24の発電量を減らした場合、第1燃料電池セルスタック22の発電量を増やせば、燃料電池システム10全体の発電量の低減を抑制することができる。但し、第1燃料電池セルスタック22における発電量を増やした場合、第1燃料電池セルスタック22から排出されるアノードオフガスの水蒸気量が増加する。そこで、水タンク34へ流入する水蒸気量が増加することを抑制するために、例えば制御装置68は分流弁44Aを閉じ分流弁44Bを開放して、水タンク34への水蒸気の流入を抑制する。
【0106】
なお、制御装置68は、流量調整機構67の制御、冷却機構52、54の制御、分流弁44A、44Bの制御、ポンプ62の制御、第1燃料電池セルスタック22の制御、第2燃料電池セルスタック24の制御を、適宜組合わせて実行することができる。これらの制御を組合わせることで、集約タンク76における凝縮水量の調整効果を高めることができる。又は、制御装置68は、何れかの制御を単独で行なうこともできる。
【0107】
以上説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システム10によると、制御装置68が、流量調整機構67、冷却機構52、54、分流弁44A、44B、ポンプ62、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24を制御することで、システム内の水量を調整できる。
【0108】
また、燃料電池システム10では、第1水タンク32にはオーバーフロー管P15が接続されており、第1水タンク32における凝縮水の水位が一定の高さになったところで、凝縮水が集約タンク76へ送出される。同様に、第2水タンク34にはオーバーフロー管P14が接続されており、第2水タンク34における凝縮水の水位が一定の高さになったところで、凝縮水が集約タンク76へ送出される。このため、第1水タンク32、第2水タンク34からの排水を無くすことができる。
【0109】
また、制御装置68が、第1水タンク32、第2水タンク34へ投入される凝縮水量を調整する。これにより第1水タンク32、第2水タンク34から集約タンク76へ流入する凝縮水量を少なくすることができる。また、制御装置68は、第2水タンク34へ投入される水蒸気量を調整する。これにより第2水タンク34から集約タンク76へ流入する凝縮水量を少なくすることができる。
【0110】
また、制御装置68は、集約タンク76から水供給管P2へ排出される凝縮水量を調整する。これにより集約タンク76内の水量を所定範囲内に維持することができる。したがって、集約タンク76からの排水を減らすことができる。さらに、集約タンク76からの排水を無くし、排水のためのドレン設備や工事を省略することができる。
【0111】
なお、第1実施形態に係る燃料電池システム10では、排気管P12の流路P12Aに冷却機構54を設けて第2水タンク34へ投入される凝縮水量を調整しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。冷却機構54を設けなくても、分流弁44A、44Bを用いて第2水タンク34へ投入される水蒸気量を調整すればよい。
【0112】
また、燃料電池システム10では、アノードオフガス管P6に冷却機構52を設けて第1水タンク32へ投入される凝縮水量を調整しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。冷却機構52を設けなくても、分流弁44A、44Bを用いて第2水タンク34へ投入される水蒸気量を調整すればよい。又は、冷却機構54を用いて第2水タンク34へ投入される凝縮水量を調整すればよい。
【0113】
このように、燃料電池システム10においては、冷却機構52、54並びに分流弁44A及び分流弁44Bの何れかを備えていればよい。これらのうち何れかを備えていることで、集約タンク76に蓄えられる水量を調整できる。
【0114】
[第2実施形態]
<燃料電池システム>
図2に示す第2実施形態に係る燃料電池システム70は、
図1に示す第2水タンク34、集約タンク76、冷却機構54、分流弁44A、44Bが設けられていない点で、第1実施形態に係る燃料電池システム10と異なる。また、燃料電池システム70においては、第1水タンク32に水位センサ32Sが設けられ、第1水タンク32の水位の下限位置より下方に、水供給管P2の端部が接続されている。
【0115】
なお、第2実施形態において、第1実施形態に係る燃料電池システム10と同一の構成については同一の符号を用いてその説明を省略する。また、第1実施形態に係る燃料電池システム10と同一の構成による同一の効果についても説明を省略する。
【0116】
(制御装置)
燃料電池システム70における制御装置68は、第1燃料電池セルスタック22、第2燃料電池セルスタック24、水位センサ32S、冷却機構52、ポンプ62、流量調整機構67と電気的に接続されている。
【0117】
また、制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、冷却機構52の駆動状態を調整することができる。
【0118】
また、制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、ポンプ62の駆動状態を調整することができる。
【0119】
また、制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24における発電量を調整することができる。
【0120】
また、制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて流量調整機構67を制御して、気化器12への原料ガスの投入量を調整することができる。
<作用・効果>
【0121】
(原料ガス投入量の調整)
制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて流量調整機構67を制御して、気化器12への原料ガスの投入量を調整することができる。
【0122】
例えば制御装置68は、第1水タンク32の水位(水量)が所定の下限値に至ったという情報を水位センサ32Sから得た場合、流量調整機構67を制御して、気化器12に対する原料ガスの投入量を調整する。具体的には、原料ガスの投入量を増やし、原料ガスの増加分に応じて、適宜、改質水の投入量、第1燃料電池セルスタック22における発電量、第2燃料電池セルスタック24における発電量及び第1燃料電池セルスタック22に対する酸化ガス(空気)の投入量を増やす。これにより、第1燃料電池セルスタック22におけるアノードオフガス量及びアノードオフガスに含まれる水蒸気の発生量を増やす。そして、第1水タンク32へ投入される水蒸気量を増やすことができる。このため、第1水タンク32内に蓄えられる水量を増やすことができる。
【0123】
(冷却機構の制御)
制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、冷却機構52の駆動状態を調整することができる。
【0124】
一例として、制御装置68は、第1水タンク32の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ32Sから受取った場合、冷却機構52を制御して冷却強度を弱める。又は駆動を停止する。これにより、アノードオフガス管P6を流れるアノードオフガスに含まれる水蒸気が凝縮することが抑制される。このため、第1水タンク32に投入される凝縮水量を低減することができる。
【0125】
なお、第1水タンク32へ投入された未凝縮の水蒸気は、第1水タンク32の内部で凝縮する一部を除き、再生ガス管P8を介して第2燃料電池セルスタック24へ投入される。このため、第1水タンク32に溜められる凝縮水量を低減することができる。
【0126】
(ポンプの制御)
制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、ポンプ62の駆動状態を調整することができる。
【0127】
例えば制御装置68は、第1水タンク32の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ32Sから得た場合、ポンプ62を制御して、第1水タンク32から水供給管P2への凝縮水の排出量を調整する。具体的には、ポンプ62の駆動力を高め、第1水タンク32からの凝縮水の排出量を多くする。これにより、第1水タンク32の内部の凝縮水量を低減することができる。
【0128】
(燃料電池スタックの制御)
制御装置68は、水位センサ32Sから受取る第1水タンク32の水位情報に基づいて、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24における発電量を調整することができる。
【0129】
例えば、制御装置68は、第1水タンク32の水位(水量)が所定の上限値に至ったという情報を水位センサ32Sから得た場合、第1燃料電池セルスタック22を制御して、第1燃料電池セルスタック22の発電量を調整する。具体的には、第1燃料電池セルスタック22の発電量を減らし、アノードオフガス量及びアノードオフガスに含まれる水蒸気の発生量を低減する。これにより、第1水タンク32へ投入される水蒸気量を低減することができる。このため、第1水タンク32内で凝縮する凝縮水量を低減することができる。
【0130】
なお、この際、第2燃料電池セルスタック24における発電量を増やすことで、燃料電池システム全体の発電量の低減を抑制することができる。
【0131】
なお、制御装置68は、流量調整機構67の制御、冷却機構52の制御、ポンプ62の制御、第1燃料電池セルスタック22の制御及び第2燃料電池セルスタック24の制御を、適宜組合わせて実行することができる。これらの制御を組合わせることで、第1水タンク32における凝縮水量の調整効果を高めることができる。又は、制御装置68は、何れかの制御を単独で行なうこともできる。
【0132】
以上説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システム70によると、制御装置68が、第1水タンク32へ投入される凝縮水量を調整する。また、制御装置68は、第1水タンク32から水供給管P2へ排出される凝縮水量を調整する。これにより第1水タンク32内の水量を所定範囲内に維持することができる。したがって、第1水タンク32からの排水を減らすことができる。さらに、第1水タンク32からの排水を無くし、排水のためのドレン管を省略することができる。これにより、配管工事を省略できる。
【0133】
なお、第2実施形態に係る燃料電池システム70では、冷却機構52によって水タンク32へ投入される凝縮水量を調整し、ポンプ62によって水タンク32から排出される凝縮水量を調整しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば燃料電池システム70は、冷却機構52及びポンプ62の何れかを備えていればよい。これらのうち何れかを備えていれば、水タンク32内の凝縮水量を減らすことができる。
【0134】
また、第2実施形態に係る燃料電池システム70では、燃焼器16から排出された排気ガスが排気管P12からシステム外へ直接排気されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば第1実施形態における第2水タンク34を設けて、排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮させてもよい。この場合、第1実施形態と同様に分流弁44A、44B、冷却機構54を更に設けることが好適である。またさらに、この第2水タンク34には、第2水タンク34内の凝縮水を気化器12に供給する水供給経路を接続するとさらに好適である。
【0135】
さらに、第1実施形態に係る燃料電池システム70においては、集約タンク76に凝縮水の排出経路として水供給管P2のみが接続されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば集約タンク76には、図示しない水滴供給管の一端を接続し、水滴供給管の他端を排気管P12における流路P12Bに接続してもよい。水滴供給管は、排気管P12に対して、集約タンク76から排出された凝縮水を滴下して供給する。水滴供給管を設けることで、制御装置68は、排気管P12へ滴下される凝縮水量を制御することができる。
【0136】
このとき、例えば集約タンク76内の水量が所定の上限値に至った場合、制御装置68は排気管P12へ滴下する凝縮水量を増やす。排気管P12へ滴下された凝縮水は、排気ガスの熱によって蒸発し、水蒸気としてシステム外へ排出される。これにより集約タンク76からシステム外へ排出される水蒸気量を多くできる。このような水滴供給管は、第2実施形態の水タンク32に適用することもできる。あるいは、集約タンク76を備えていない構成における水タンク32、34の少なくとも一方に設けることもできる。
【0137】
また、上記各実施形態においては、燃料電池セルスタックを2段で構成しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば3段以上の任意の段数の燃料電池セルスタックを用いてもよい。
【0138】
また、上記各実施形態に係る燃料電池システムは、第1燃料電池セルスタック22及び第2燃料電池セルスタック24を備えた多段式の燃料電池システムとされているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば
図1に示す第2燃料電池セルスタック24、カソードオフガス管P11及びアノードオフガス管P13を省略し、再生ガス管P8を改質ガス供給管P4へ接続し、再生ガス管P8を分岐させた分岐管を燃焼器16に接続し、カソードオフガス管P7を燃焼器16に接続した循環式の燃料電池システムとしてもよい。
【0139】
また、上記各実施形態においては、燃料ガスを生成するための改質器14を設けているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば改質器14を設けず、第1燃料電池セルスタック22へ水蒸気と原料ガスとを供給してもよい。この場合、第1燃料電池セルスタック22において改質反応を行なう。このように、本発明における「改質部」とは、燃料電池と別体に設けられた改質器14のほか、燃料電池内で改質反応が行われる部分の双方を指すものとする。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。