特許第6983269号(P6983269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許6983269情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
<>
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000003
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000004
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000005
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000006
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000007
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000008
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000009
  • 特許6983269-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983269
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20211206BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20211206BHJP
   G06F 16/904 20190101ALI20211206BHJP
【FI】
   G06F16/90
   G06Q30/02 312
   G06F16/904
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-49136(P2020-49136)
(22)【出願日】2020年3月19日
(65)【公開番号】特開2021-149551(P2021-149551A)
(43)【公開日】2021年9月27日
【審査請求日】2021年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
(72)【発明者】
【氏名】田中 玲奈
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−228114(JP,A)
【文献】 特開2006−79454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に入力されたキーワード、前記キーワードを入力したユーザ、および、前記ユーザ端末から前記キーワードを取得した取得日時が関連付けられた複数のキーワード履歴情報を取得するキーワード履歴情報取得部と、
任意の前記キーワードを中心キーワードとし、前記中心キーワード以外の前記キーワードを周辺キーワードとしたとき、前記周辺キーワードごとに、前記周辺キーワードを検索したユーザと前記中心キーワードを検索したユーザとの重複度を示すユーザ重複度スコアを、前記キーワード履歴情報に基づいて算出するスコア算出部と、
前記周辺キーワードに対応する前記ユーザ重複度スコアに基づいて、複数の前記周辺キーワードから間引き対象の前記周辺キーワードである間引きキーワードを選択する間引きキーワード選択部と、
前記間引きキーワードを除いた前記周辺キーワードと前記中心キーワードとを、前記取得日時に対応する第1軸および前記キーワード履歴情報の取得数に対応する第2軸を有する座標系にプロットすることで、分析グラフを生成するプロット部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記第1軸に表示される前記取得日時の範囲である第1軸表示範囲と、前記第2軸に表示される前記取得数の範囲である第2軸表示範囲とを設定することにより、前記第1軸および前記第2軸の各スケールを設定するスケール設定部をさらに備え、
前記間引きキーワード選択部は、
前記スケール設定部により前記第1軸表示範囲または前記第2軸表示範囲が小さく変更され、前記第1軸または前記第2軸のスケールが拡大された場合、前記間引きキーワードの選択数を少なくし、
前記スケール設定部により前記第1軸表示範囲または前記第2軸表示範囲が大きく変更され、前記第1軸または前記第2軸のスケールが縮小された場合、前記間引きキーワードの選択数を多くする
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記間引きキーワード選択部は、前記ユーザ重複度スコアが閾値以下である前記周辺キーワードを、前記間引きキーワードとして選択し、前記スケール設定部による前記第1軸表示範囲または前記第2軸表示範囲の変更に応じて前記閾値を変更する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記間引きキーワード選択部は、前記第1軸表示範囲または前記第2軸表示範囲に設定される各区分において、前記間引きキーワードを除いた前記周辺キーワードの数が所定数以下になるように、前記周辺キーワードを前記ユーザ重複度スコアが低い順に前記間引きキーワードとして選択する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータにより分析グラフを生成する情報処理方法であって、
前記コンピュータは、キーワード履歴情報取得部、スコア算出部、間引きキーワード選択部およびプロット部を備え、
前記キーワード履歴情報取得部が、ユーザ端末に入力されたキーワード、前記キーワードを入力したユーザ、および、前記ユーザ端末から前記キーワードを取得した取得日時が関連付けられた複数のキーワード履歴情報を取得するキーワード履歴情報取得ステップと、
任意の前記キーワードを中心キーワードとし、前記中心キーワード以外の前記キーワードを周辺キーワードとしたとき、前記スコア算出部が、前記周辺キーワードごとに、前記中心キーワードとのユーザ重複度スコアを、前記キーワード履歴情報に基づいて算出するスコア算出ステップと、
前記間引きキーワード選択部が、前記周辺キーワードに対応する前記ユーザ重複度スコアに基づいて、複数の前記周辺キーワードから間引き対象の前記周辺キーワードである間引きキーワードを選択する間引きキーワード選択ステップと、
前記プロット部が、前記中心キーワードと前記間引きキーワードを除いた前記周辺キーワードとを、前記取得日時に対応する第1軸および前記キーワード履歴情報の取得数に対応する第2軸を有する座標系にプロットすることで、分析グラフを生成するプロットステップと、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータにより読み取り実行可能な情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検索サイトに入力されたキーワード(クエリ)を用いて、時間経過によるユーザのニーズの変化を分析する情報処理装置が存在する。例えば、特許文献1に開示のクエリ分析装置は、各キーワードを中心キーワードと複数の周辺キーワードとに設定し、各周辺キーワードについて、検索数、中心キーワードに対する検索時間差、および、中心キーワードに対するユーザ重複度スコアを算出し、算出結果を一覧表示する。なお、ユーザ重複度スコアとは、中心キーワードを検索したユーザと、周辺キーワードを検索したユーザとの重複の度合いを示すスコアである。
分析者は、クエリ分析装置に表示される一覧を用いることで、中心キーワードを検索したユーザに着目し、当該ユーザのニーズの変化を分析することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−228114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクエリ分析装置では、一覧表示された周辺キーワードの各種数値を分析者が読み取る必要があり、時間経過によるユーザのニーズの変化について直感的な把握が困難である。
そこで、時間経過を軸に対応させた座標上に中心キーワードおよび周辺キーワードをプロットすることが考えられる。このようなプロットにより生成される分析グラフによれば、時間経過によるユーザのニーズの変化について直感的な把握が可能になる。
しかしながら、周辺キーワードの数が多くなると、分析グラフにおいて、キーワード同士の間隔が狭くなったり、キーワード同士が重なったりしてしまい、分析グラフの視認性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、視認性を向上させた分析グラフを生成可能な情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、ユーザ端末に入力されたキーワード、前記キーワードを入力したユーザ、および、前記ユーザ端末から前記キーワードを取得した取得日時が関連付けられた複数のキーワード履歴情報を取得するキーワード履歴情報取得部と、任意の前記キーワードを中心キーワードとし、前記中心キーワード以外の前記キーワードを周辺キーワードとしたとき、前記周辺キーワードごとに、前記周辺キーワードを検索したユーザと前記中心キーワードを検索したユーザとの重複度を示すユーザ重複度スコアを、前記キーワード履歴情報に基づいて算出するスコア算出部と、前記周辺キーワードに対応する前記ユーザ重複度スコアに基づいて、複数の前記周辺キーワードから間引き対象の前記周辺キーワードである間引きキーワードを選択する間引きキーワード選択部と、前記間引きキーワードを除いた前記周辺キーワードと前記中心キーワードとを、前記取得日時に対応する第1軸および前記キーワード履歴情報の取得数に対応する第2軸を有する座標系にプロットすることで、分析グラフを生成するプロット部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明において、分析グラフは、中心キーワードおよび周辺キーワードの各キーワードについて、取得日時と取得数との相関関係を散布図として表すものであり、周辺キーワードは、中心キーワードとのユーザ重複度スコアに基づいて適宜間引かれている。分析者は、このような分析グラフを用いることにより、中心キーワードを検索したユーザに着目して、時間経過によるユーザのニーズの変化を直感的に把握することができる。また、取得されるキーワードの数が多い場合であっても、分析グラフ上のキーワード同士の間隔を確保できるため、分析グラフの視認性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態のサーバ装置を含む情報処理システムの概略構成を示す模式図。
図2】本実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】本実施形態の情報処理システムにおいて実施される分析グラフ生成方法を説明するフローチャート。
図4】本実施形態の分析コンテンツの一例を示す図。
図5】本実施形態の分析グラフ生成処理を示すフローチャート。
図6】本実施形態の分析グラフの一例を示す図。
図7】本実施形態の分析グラフの表示範囲変更処理を示すフローチャート。
図8】本実施形態の分析グラフの他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る一実施形態について説明する。
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態の情報処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、本発明の情報処理装置であるサーバ装置10と、複数のユーザ端末20と、分析端末装置30とを備え、これらがインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。また、本実施形態の情報処理システム1は、サーバ装置10以外の他のサーバ装置(例えば検索サーバ装置)を備えるものとする。
【0010】
本実施形態において、ユーザ端末20は、ユーザにより入力されるキーワードを検索クエリと共に検索サーバ装置に送信する。この検索サーバ装置は、ユーザ端末20に入力されたキーワードと、キーワードを入力したユーザの識別情報と、ユーザ端末20からキーワードを取得した取得日時(検索日時)とが関連付けられたキーワード履歴情報を生成し、検索サーバ装置の記憶部などに記憶させる。
サーバ装置10は、検索サーバ装置から所定期間に取得された複数のキーワード履歴情報を取得する。そして、サーバ装置10は、分析端末装置30から分析グラフの要求を受信すると、キーワード履歴情報の各キーワードから中心キーワードと複数の周辺キーワードとを設定し、各キーワードを2軸座標系にプロットして分析グラフを生成する。
ここで、分析グラフの2軸座標系は、キーワードの検索日時に対応する第1軸と、キーワードの検索数に対応する第2軸とを有する。また、サーバ装置10は、分析グラフを生成する際、中心キーワードを検索したユーザと周辺キーワードを検索したユーザとの重複の度合いを示すユーザ重複度スコアに基づいて、周辺キーワードの間引きを行う。
分析端末装置30は、サーバ装置10から受信した分析グラフをディスプレイに表示する。この分析グラフは、中心キーワードを検索したユーザのニーズが時間経過によって変化する様子を示すカスタマージャーニーマップとなる。
【0011】
[サーバ装置10の構成]
図2は、サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
サーバ装置10は、一般的なコンピュータにより構成されており、図2に示すように、通信部11、記憶部12および制御部13など、コンピュータを構成する各部を備えている。
なお、サーバ装置10を構成するコンピュータの数は特に限定されない。例えば、1台のコンピュータによってサーバ装置10が構成されてもよく、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバをサーバ装置10としてもよい。
通信部11は、インターネットに接続され、インターネットを介してユーザ端末20や分析端末装置30等の各装置と通信する。
【0012】
記憶部12は、例えばメモリやハードディスク等により構成された情報記録装置であり、サーバ装置10を制御するための各種情報や情報処理プログラムを記憶する。
また、記憶部12は、キーワード履歴データベース121、分析データベース122、および、ユーザデータベース123等のデータベースを備えている。
なお、本実施形態では、サーバ装置10の記憶部12に、各データベースが設けられる例を示すが、サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに、これらの情報が記憶される構成としてもよい。
【0013】
キーワード履歴データベース121には、キーワード履歴情報が記憶されている。
キーワード履歴情報は、キーワード、キーワードを入力したユーザの識別情報(ユーザID)、および、キーワードが検索された検索日時を含む。
キーワードは、ユーザ端末20に入力された文字列である。本実施形態では、キーワードとして、ユーザ端末20において実行される所定のアプリケーションにおいて、検索処理の対象として入力される検索キーワードが挙げられる。
検索日時は、例えば、検索サーバ装置がユーザ端末20からキーワードを取得した日時、または、ユーザ端末20が検索サーバ装置に対してキーワードを送信した日時である。
【0014】
分析データベース122には、過去に生成された分析グラフごとに、分析グラフ履歴情報が記録されている。この分析グラフ履歴情報は、データ抽出条件、中心キーワード情報、および、複数の周辺キーワード情報を含む。
データ抽出条件は、キーワード履歴データベース121のキーワード履歴情報を抽出するために使用された条件であり、例えば、キーワードの検索日に関する条件、キーワードを入力したユーザに関する条件、および、キーワードに関する条件などを含む。
中心キーワード情報は、中心キーワード、キーワード検索日時、および、キーワード検索数を含む。
周辺キーワード情報は、周辺キーワード、キーワード検索日時、キーワード検索数、および、ユーザ重複度スコアを含む。このユーザ重複度スコアは、上述したように、中心キーワードを検索したユーザと、周辺キーワードを検索したユーザとの重複の度合いを示す。なお、ユーザ重複度スコアの具体的な算出法方については後述する。
【0015】
ユーザデータベース123には、複数のユーザ情報が記憶される。
ユーザ情報は、ユーザIDおよびユーザ属性などを含む。
ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
ユーザ属性は、ユーザの性別や年齢層、拠点(住居や職場)情報など、ユーザの属性に関する各種情報である。
【0016】
制御部13は、CPU等の演算回路、RAM等の記憶回路により構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されている情報処理プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
そして、制御部13は、情報処理プログラムを読み込み実行することで、図2に示すように、キーワード履歴情報取得部131、データ抽出部132、中心キーワード設定部133、スコア算出部134、指標算出部135、スケール設定部136、間引きキーワード選択部137、プロット部138、および、グラフ出力部139として機能する。
【0017】
キーワード履歴情報取得部131は、検索サーバ装置などから所定のタイミングでキーワード履歴情報を取得し、キーワード履歴データベース121に蓄積記憶する。
【0018】
データ抽出部132は、分析端末装置30から受信したデータ抽出条件に基づいて、キーワード履歴データベース121に蓄積されたキーワード履歴情報を抽出する。
【0019】
中心キーワード設定部133は、キーワード履歴情報から複数のキーワードを抽出し、分析端末装置30から受信したキーワードと同一のキーワードを中心キーワードとして設定する。また、中心キーワード設定部133は、中心キーワード以外のキーワードをそれぞれ周辺キーワードとして設定する。
【0020】
スコア算出部134は、周辺キーワードごとに、中心キーワードに対するユーザ重複度スコアを算出する。
指標算出部135は、各キーワードの第1指標および第2指標を、当該キーワードに対応するキーワード履歴情報に基づいて算出する。なお、キーワードの第1指標および第2指標は、分析グラフの第1軸および第2軸に対応する値である。本実施形態において、キーワードの第1指標は、中心キーワードの検索日時を基準とした検索日時差であり、キーワードの第2指標は、キーワード履歴情報の取得数(検索数)である。
【0021】
スケール設定部136は、分析グラフの第1軸に表示される検索日時(具体的には検索日時差)の範囲である第1軸表示範囲と、分析グラフの第2軸に表示される検索数の範囲である第2軸表示範囲とをそれぞれ設定することで、各軸のスケールを設定する。
【0022】
間引きキーワード選択部137は、各周辺キーワードのユーザ重複度スコアに基づいて間引き対象の周辺キーワードである間引きキーワードを選択する。
プロット部138は、間引きキーワードを除いた周辺キーワードと、中心キーワードとを所定の2軸座標系にプロットすることで、分析グラフを生成する。
また、プロット部138は、間引きキーワードを含めた全てのキーワードのデータ点を、分析グラフと同様の2軸座標系にプロットすることで、参照グラフを生成する。
グラフ出力部139は、生成された分析グラフおよび参照グラフをそれぞれ、分析端末装置30に送信する。
【0023】
〔ユーザ端末20の構成〕
ユーザ端末20は、ユーザが管理するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等により構成されている。
ユーザ端末20の具体的な構成の図示は省略するが、ユーザ端末20は、一般的なコンピュータが有する基本的な構成を有する。すなわち、ユーザ端末20は、操作者の操作を受け付ける入力操作部、画像情報を表示させるディスプレイ、各種情報を記憶する記憶装置、各種情報を演算処理する演算回路(CPU等)を備えている。
【0024】
〔分析端末装置30の構成〕
分析端末装置30は、マーケティング調査等を実施したい企業や店舗などが管理するコンピュータであり、ユーザ端末20と同様に、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等により構成されている。
分析端末装置30の具体的な構成の図示は省略するが、分析端末装置30は、一般的なコンピュータが有する基本的な構成を有する。すなわち、分析端末装置30は、操作者の操作を受け付ける入力操作部、画像情報を表示させるディスプレイ、各種情報を記憶する記憶装置、各種情報を演算処理する演算回路(CPU等)を備えている。
【0025】
なお、本実施形態では、分析端末装置30とユーザ端末20とを分けて説明しているが、ユーザ端末20が分析端末装置30として機能してもよい。
【0026】
[分析グラフ生成方法]
本実施形態の情報処理システム1において実施される分析グラフ生成方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、サーバ装置10のキーワード履歴情報取得部131は、検索処理を行う検索サーバ装置などから、ユーザ端末20で入力されたキーワードに関するキーワード履歴情報を取得する(ステップS11:キーワード履歴情報取得ステップ)。また、キーワード履歴情報取得部131は、取得したキーワード履歴情報をキーワード履歴データベース121に蓄積する。
【0027】
このステップS11において、キーワード履歴情報取得部131は、任意のタイミングで検索サーバから送信されるキーワード履歴情報を取得すればよい。任意のタイミングとしては、例えば、検索サーバがユーザ端末20からキーワードを受信したタイミングであってもよい。また、検索サーバ装置が、キーワード履歴情報を蓄積しておき、周期的(例えば、予め設定された時刻)に蓄積されたキーワード履歴情報をサーバ装置10に送信してもよい。あるいは、検索サーバ装置において、キーワード履歴情報を蓄積し、所定数のキーワード履歴が蓄積されたタイミングで、これらのキーワード履歴情報をサーバ装置10に送信してもよい。
【0028】
一方、分析端末装置30は、分析者の操作に応じて、ブラウザ等の所定のアプリケーションを実行し、サーバ装置10に対して、分析コンテンツの表示を要求する要求情報を送信する(ステップS21)。
サーバ装置10は、要求情報を受信すると、分析コンテンツを分析端末装置30に出力する(ステップS12)。これにより、分析端末装置30は、ディスプレイに分析コンテンツを表示させる(ステップS22)。
【0029】
図4は、分析コンテンツの一例を示す図である。
図4に示すように、分析コンテンツ40は、キーワード入力部41、分析グラフ表示領域42、範囲選択バー43,44、期間選択領域45、絞り込み領域46、検索履歴表示領域47、参照グラフ表示領域48、および、分析グラフタイプ選択領域49等を含む。
【0030】
キーワード入力部41は、分析者が任意のキーワードを入力する入力ボックスである。
分析グラフ表示領域42は、分析グラフが表示される表示領域である。なお、図4に示す例では、分析グラフ表示領域42において、後述する表示範囲変更処理により生成される分析グラフ50が表示されている。
【0031】
範囲選択バー43は、分析グラフの第1軸(横軸)に沿って配置されたメモリ付きのバーであり、分析グラフの第1軸の表示範囲を選択するためのつまみ43Kを有する。
範囲選択バー44は、分析グラフの第2軸(縦軸)に沿って配置されたメモリ付きのバーであり、分析グラフの第2軸の表示範囲を選択するためのつまみ44Kを有する。
【0032】
期間選択領域45には、データ抽出条件として、キーワードの検索日に関する条件を選択するためのボタンや入力ボックス等が表示される。図4に示す例では、1日、1週間、1か月、1年などの期間を選択するボタンと、当該期間の中心に当たる日付(基準日)を入力する入力ボックスとが表示されている。
【0033】
絞り込み領域46には、データ抽出条件として、キーワードを入力したユーザに関する条件や、キーワードに関する条件などを選択するためのリストボックス等が表示される。図4に示す例では、ユーザの性別、年代、居住地域、および、キーワードのカテゴリをそれぞれ選択するリストボックスが表示される。
検索履歴表示領域47は、分析端末装置30において過去に表示した分析グラフに関する履歴情報(中心キーワードおよびデータ抽出条件等)を選択可能に表示している。
【0034】
参照グラフ表示領域48は、参照グラフが表示される表示領域である。なお、図4に示す例では、参照グラフ表示領域48において、後述する分析グラフ生成処理により生成される参照グラフ60が表示されている。
【0035】
分析グラフタイプ選択領域49には、分析グラフのタイプを選択するためのタイプ選択部が表示される。例えば、図4に例示されるタイプ選択部は、閾値タイプを選択するためのチェックボックスと、均等タイプを選択するためのチェックボックスとを有する。なお、各タイプの詳細については後述する。
【0036】
分析者は、分析コンテンツ40のキーワード入力部41に、所望のキーワードを入力し、期間選択領域45および絞り込み領域46のそれぞれにおいて、希望する条件を選択する。なお、各領域に予め表示されたデフォルト条件(例えば「すべて」など)をそのまま選択してもよい。また、分析者は、分析グラフタイプ選択領域49において、分析グラフのタイプを選択する。
分析端末装置30は、分析コンテンツ40の検索ボタンが操作されることで、キーワード入力部41に入力されたキーワードと、期間選択領域45および絞り込み領域46で選択されたデータ抽出条件と、分析グラフタイプ選択領域49で選択された分析グラフのタイプ情報とを、サーバ装置10に送信する(ステップS23)。
あるいは、分析者が検索履歴表示領域47で履歴情報を選択した場合、分析端末装置30は、当該履歴情報をサーバ装置10に送信してもよい。
【0037】
サーバ装置10は、分析端末装置30から各種情報を受信し(ステップS13)、これらの各種情報と、ステップS11で取得したキーワード履歴情報とに基づいて、分析グラフおよび参照グラフを生成する(ステップS14)。このステップS14の詳細については後述する。
【0038】
グラフ出力部139は、ステップS14で生成された分析グラフおよび参照グラフを、分析端末装置30に送信する(ステップS15)。
分析端末装置30は、サーバ装置10から分析グラフおよび参照グラフを受信し、各グラフを分析コンテンツ40の所定領域に表示させる(ステップS24)。
その後、分析端末装置30は、分析コンテンツ40の表示を終了する旨の操作が実施されたか否かを判定する(ステップS25)。分析端末装置30は、ステップS25でYesと判定した場合は、図3のフローを終了し、NOと判定した場合は、ステップS23に戻る。
【0039】
[分析グラフの生成処理]
サーバ装置10における分析グラフの生成処理(ステップS14の詳細)について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
データ抽出部132は、上述のステップS13で受信したデータ抽出条件に基づいて、キーワード履歴データベース121からキーワード履歴情報を抽出する(ステップS31)。例えば、データ抽出条件として、キーワードを入力したユーザの属性が指定されている場合、このユーザ属性に対応するユーザIDが記憶されているキーワード履歴情報を抽出する。また、データ抽出条件として、キーワードの検索期間に関する条件が指定されている場合、この検索期間内の検索日時に対応するキーワード履歴情報を抽出する。
【0041】
次いで、中心キーワード設定部133は、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報から、ステップS13で受信されたキーワードと同一のキーワードを含むキーワード履歴情報を検出し、当該キーワードを中心キーワードとして分析データベース122に記憶させる。また、中心キーワード設定部133は、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報から、中心キーワード以外のキーワードを検出し、当該キーワードを周辺キーワードとして分析データベース122に記憶させる(ステップS32)。
【0042】
なお、キーワード履歴情報が、ユーザ端末20に入力されたキーワードとして複数のワードを含む場合、これらのワードのうちのいずれか1つをキーワードとして検出してもよい。この場合、キーワードとして抽出されたワード以外のワードについては、付属ワードとして、キーワードに対応付けて記憶してもよい。あるいは、複数のワードの全てを1つのキーワードとして検出してもよい。
また、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報内に、ステップS13で受信されたキーワードと同一のキーワードが存在しない場合、異なるキーワードの入力を促す案内を分析端末装置30に送信し、フローを終了してもよい。
【0043】
次いで、スコア算出部134は、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、周辺キーワードごとに、当該周辺キーワードと中心キーワードとのユーザ重複度スコアを算出する(ステップS33;スコア算出ステップ)。
ここで、ユーザ重複度スコアは、周辺キーワードを検索したユーザと、中心キーワードを検索したユーザとの重複度を示す値である。本実施形態では、このユーザ重複度スコアとして、相関分析の指標の一つであるリフト値を利用する。このリフト値は、「中心キーワードを検索するユーザが周辺キーワードも検索する確率」を「ユーザ全体が周辺キーワードを検索する確率」で割った値となる。
【0044】
具体的には、スコア算出部134は、各キーワードのキーワード履歴情報に基づいて、中心キーワードを検索したユーザ数Uaと、周辺キーワードを検索したユーザ数Ubと、全ユーザ数Ucとを算出し、以下の式(1)に基づき、ユーザ重複度スコアを算出する。
【数1】
なお、上記式(1)では、数値間の比較をしやすくするためにリフト値の対数をとっているが、これに限られない。
また、ユーザ重複度スコアは、リフト値であることに限られず、相関分析の他の指標を利用してもよい。
【0045】
また、指標算出部135は、各キーワードのキーワード検索日時を算出する(ステップS34)。具体的には、指標算出部135は、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、周辺キーワードごとに、当該キーワードを含むキーワード履歴情報の取得日時を集計し、集計した取得日時の中央値を、キーワード検索日時として算出する。なお、中央値に限定されず、平均値や、最頻値などであってもよい。また、指標算出部135は、上述のステップS13で受信したデータ抽出条件の基準日を、中心キーワードのキーワード検索日時として設定する。
【0046】
次いで、指標算出部135は、各キーワードの検索日時差を算出する(ステップS35)。具体的には、指標算出部135は、周辺キーワードごとに、キーワード検索日時と基準日との差を、検索日時差として算出する。また、指標算出部135は、中心キーワードの検索日時の検索日時差を「0」に設定する。
本実施形態では、このステップS35で算出される検索日時差がキーワードの第1指標として用いられる。
【0047】
また、指標算出部135は、ステップS31で抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、各キーワードについて、キーワード検索日時のキーワード検索数を算出する(ステップS36)。具体的には、指標算出部135は、周辺キーワードごとに、当該周辺キーワードを含むキーワード履歴情報であって、かつ、検索日時が当該周辺キーワードのキーワード検索日時を中心とする所定期間(例えば1日)内であるキーワード履歴情報の数を、周辺キーワードのキーワード検索数として算出する。また、指標算出部135は、中心キーワードを含むキーワード履歴情報であって、かつ、検索日時が中心キーワードのキーワード検索日時(基準日)内であるキーワード履歴情報の数を、中心キーワードのキーワード検索数として算出する。
本実施形態では、このステップS36で算出されるキーワード検索数がキーワードの第2指標として用いられる。
【0048】
以上により、分析データベース122には、中心キーワード、キーワード検索日時、検索日時差、および、キーワード検索数が対応付けられた中心キーワード情報が記憶される。また、分析データベース122には、周辺キーワードごとに、周辺キーワード、キーワード検索日時、検索日時差、キーワード検索数、および、ユーザ重複度スコアが対応付けられた周辺キーワード情報が記憶される。
なお、ステップS33と、ステップS34〜S36とは、順序が逆であってもよい。
【0049】
次いで、プロット部138は、上述で生成された全ての周辺キーワード情報および中心キーワード情報に基づいて、各キーワードに対応するデータ点を所定の座標系にプロットすることで、参照グラフ(散布図)を生成する(ステップS37)。ここで、参照グラフの座標系は、分析グラフの座標系と同様、キーワード検索日時(具体的には検索日時差)に対応する第1軸(横軸)と、キーワード検索数に対応する第2軸(縦軸)とを有する。
【0050】
スケール設定部136は、分析グラフの第1軸に表示される検索日時差の範囲である第1軸表示範囲と、分析グラフの第2軸に表示される検索数の範囲である第2軸表示範囲とを設定することで、分析グラフの各軸のスケールを設定する(ステップS38)。
例えば、初期設定として、スケール設定部136は、ステップS35で算出された検索日時差を含む任意の範囲を第1軸表示範囲に設定し、ステップS36で算出されたキーワード検索数を含む任意の範囲を第2軸表示範囲に設定すればよい。
なお、第1軸表示範囲は、分析グラフの第1軸の最大値と最小値との間の範囲に相当する。同様に、第2軸表示範囲は、分析グラフの第2軸の最大値と最小値との間の範囲に相当する。
【0051】
間引きキーワード選択部137は、検索日時差が第1軸表示範囲内であり、かつ、検索数が第2表示範囲内である複数の周辺キーワードを特定し、当該複数の周辺キーワードから間引き対象の周辺キーワードである間引きキーワードを選択する(ステップS39;間引きキーワード選択ステップ)。このとき、間引きキーワード選択部137は、分析データベース122において、間引きキーワードとして選択された周辺キーワードの周辺キーワード情報に対して、間引きキーワードであることを示す情報を付加する。
ここで、間引きキーワードの選択は、各周辺キーワードのユーザ重複度スコアに基づいて行われるものであり、具体的には以下の各例が挙げられる。
【0052】
例えば、閾値タイプの分析グラフが選択されている場合、間引きキーワード選択部137は、ユーザ重複度スコアが閾値以下である周辺キーワードを、間引きキーワードに選択する。
ここで、閾値は、予め定められた値でもよい。あるいは、参照グラフにおけるデータ点の最大密集度に基づいて、閾値を設定してもよい。例えば、この最大密集度が大きいほど、大きな閾値を設定することが好ましい。
【0053】
また、均一タイプの分析グラフが選択されている場合、間引きキーワード選択部137は、第1軸表示範囲または第2軸表示範囲を複数の区分に分け、各区分内に含まれる「間引きキーワードを除いた周辺キーワードの数」が設定数以下になるように、ユーザ重複度スコアが低い順に周辺キーワードを間引きキーワードとして選択する。
また、均一タイプの分析グラフが選択されている場合、間引きキーワード選択部137は、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲のそれぞれを複数の区分に分けてもよい。この場合、第1軸表示範囲の区分と第2軸表示範囲の区分とにより定義される各範囲に含まれる「間引きキーワードを除いた周辺キーワードの数」が設定数以下になるように、ユーザ重複度スコアが低い順に周辺キーワードを間引きキーワードとして選択してもよい。
なお、第1軸表示範囲または第2軸表示範囲における区分の数と、各区分における設定数とは、それぞれ、任意に設定可能である。
【0054】
プロット部138は、間引きキーワードを除いた周辺キーワードと、中心キーワードとを、各キーワードの検索日時差およびキーワード検索数に基づいて、所定の2軸座標系にプロットすることで、分析グラフを生成する(ステップS40;プロットステップ)。ここで、分析グラフは、ステップS38で設定されたスケールを有するため、この分析グラフにプロットされる周辺キーワードは、検索日時差が第1軸表示範囲内であり、かつ、検索数が第2表示範囲内である。また、プロット部138は、各キーワードと共に各キーワードに対応するデータ点を、分析グラフにプロットする。
これにより、図6に示すような分析グラフ50が生成される。図6では、中心キーワードW1が「冷蔵庫」である例を示しており、この中心キーワードW1の周りに、複数の周辺キーワードW2が配置されている。
以上により分析グラフの生成フローが終了する。
【0055】
分析端末装置30は、サーバ装置10から送信される分析グラフおよび参照グラフを図4に示す分析グラフ表示領域42および参照グラフ表示領域48に表示させる。
また、キーワードに付属ワードが対応付けられている場合、分析者の操作(例えばカーソルをキーワードに合わせる等)により、キーワードに対応する付属ワードのリストが表示されてもよい。
【0056】
〔スケール変更処理〕
次に、本実施形態におけるスケール変更処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
分析者は、分析コンテンツ40に表示される参照グラフまたは範囲選択バー43,44を用いて、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲を選択できる。
例えば、分析者は、図4に示すように、参照グラフ60において所望のエリア60Aを選択する操作を行うことができる。これにより、当該エリア60Aに対応する第1軸表示範囲および第2軸表示範囲が選択される。
また、分析者は、範囲選択バー43,44において上限または下限を指定するつまみ43K,44Kを移動させる操作を行うことができる。これにより、つまみ43K,44Kの位置に応じた境界値を有する第1軸表示範囲または第2軸表示範囲が選択される。
分析端末装置30は、ユーザの操作に応じて、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲に関する選択範囲情報をサーバ装置10に送信する(ステップS26)。
【0057】
サーバ装置10は、分析端末装置30から、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲に関する選択範囲情報を受信する(ステップS41)。そして、スケール設定部136は、選択範囲情報に基づいて、分析グラフの第1軸表示範囲および第2軸表示範囲をそれぞれ変更する(ステップS42)。
ここで、分析グラフの第1軸表示範囲が大きく変更される場合、第1軸のスケールは縮小される。同様に、分析グラフの第2軸表示範囲が大きく変更される場合、第2軸のスケールは縮小される。
一方、分析グラフの第1軸表示範囲が小さく変更される場合、第1軸のスケールは拡大される。同様に、分析グラフの第2軸表示範囲が小さく変更される場合、第2軸のスケールは拡大される。
【0058】
次いで、間引きキーワード選択部137は、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲の変更に応じて、間引きキーワードを更新する(ステップS43)。
例えば、均一タイプの分析グラフが選択されている場合、間引きキーワード選択部137は、上述のステップS39と同様の処理により間引きキーワードを選択し、分析データベース122における間引きキーワードの情報を更新できる。
また、閾値タイプの分析グラフが選択されている場合であって、かつ、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲の大きさが変更されない場合、上述のステップS39と同様の処理により間引きキーワードを選択し、分析データベース122における間引きキーワードの情報を更新できる。
【0059】
また、閾値タイプの分析グラフが選択されている場合であって、かつ、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲の大きさが変更された場合、間引きキーワード選択部137は、ユーザ重複度スコアに関する閾値を変更する。そして、間引きキーワード選択部137は、変更後の第1軸表示範囲および第2軸表示範囲に対応する複数の周辺キーワードを特定し、当該複数の周辺キーワードから、ユーザ重複度スコアが変更後の閾値以下である周辺キーワードを、間引きキーワードに再選択する。
なお、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲に対応する周辺キーワードとは、検索日時差(第1評価値)が第1軸表示範囲内であり、かつ、検索数(第2評価値)が第2表示範囲内である周辺キーワードである。
【0060】
具体的には、スケール設定部136により第1軸表示範囲または第2軸表示範囲が小さく変更され、分析グラフの各軸のスケールが拡大された場合、間引きキーワード選択部137は、閾値を小さくすることで、間引きキーワードの選択数を少なくする。
また、スケール設定部136により第1軸表示範囲または第2軸表示範囲が大きく変更され、分析グラフの各軸のスケールが縮小された場合、間引きキーワード選択部137は、閾値を大きくすることで、間引きキーワードの選択数を多くする。
【0061】
なお、間引きキーワード選択部137は、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲に応じた参照グラフのエリアが増加するか、または減少するかに基づいて、閾値の変更方向を判断してもよい。すなわち、間引きキーワード選択部137は、当該エリアが小さくなる場合、閾値を大きくすることで間引きキーワードの選択数を多くし、当該エリアが大きくなる場合、閾値を小さくすることで間引きキーワードの選択数を少なくしてもよい。これにより、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲の一方が大きく変更され、他方が小さく変更された場合にも対応できる。
【0062】
次いで、プロット部138は、間引きキーワードを除いた各周辺キーワードと、中心キーワードとを、各キーワードの検索日時差およびキーワード検索数に基づいて所定の2軸座標系に再プロットすることで、分析グラフを更新する(ステップS44)。ここで、分析グラフは、ステップS42で設定されたスケールを有するため、この分析グラフにプロットされる周辺キーワードは、第1閾値が第1軸表示範囲内であり、かつ、第2閾値が第2表示範囲内である。また、プロット部138は、各キーワードと共に各キーワードに対応するデータ点を、分析グラフにプロットする。
【0063】
例えば、図6に示す分析グラフにおいて、分析グラフの第1軸表示範囲および第2軸表示範囲がそれぞれ小さく変更された場合、図8に示すような分析グラフが生成される。
図8に示す分析グラフは、図6に示す分析グラフに比べて、第1軸表示範囲および第2軸表示範囲が小さいため、第1軸および第2軸の各スケールが拡大される。このため、図6で間引きキーワードとして非表示であった周辺キーワードが、図8では、間引きされずに表示されている。
なお、図8では、図6と同様、中心キーワードW1が「冷蔵庫」である例を示しており、この中心キーワードW1の周りに、複数の周辺キーワードW2が配置されている。ここで、説明のために、図8では、図6で表示されていない、すなわち間引きされていた周辺キーワードW2newを丸で囲って示している。
【0064】
その後、グラフ出力部139は、ステップS44で更新された分析グラフを、分析端末装置30に送信する(ステップS45)。
分析端末装置30は、サーバ装置10から分析グラフを受信し、この分析グラフを分析コンテンツ40の所定領域に表示させる(ステップS27)。
以上により、図7におけるフローが終了する。
【0065】
〔本実施形態の効果〕
本実施形態のサーバ装置10は、記憶部12と、制御部13とを備え、制御部13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを読み込むことで、キーワード履歴情報取得部131、スコア算出部134、間引きキーワード選択部137、プロット部138として機能する。キーワード履歴情報取得部131は、ユーザ端末20に入力されたキーワード、キーワードを入力したユーザ、および、ユーザ端末20からキーワードを取得した取得日時が関連付けられた複数のキーワード履歴情報を取得する。スコア算出部134は、任意のキーワード(例えば分析者が所望するキーワード)を中心キーワードとし、中心キーワード以外のキーワードを周辺キーワードとしたとき、周辺キーワードごとに、中心キーワードとのユーザ重複度スコアを、キーワード履歴情報に基づいて算出する。間引きキーワード選択部137は、周辺キーワードに対応するユーザ重複度スコアに基づいて、複数の周辺キーワードから間引き対象の周辺キーワードである間引きキーワードを選択する。そして、プロット部138は、間引きキーワードを除いた周辺キーワードと、中心キーワードとを、検索日時に対応する第1軸および検索数に対応する第2軸を有する座標系にプロットすることで、分析グラフを生成する。
【0066】
このような本実施形態において生成される分析グラフは、中心キーワードおよび周辺キーワードの各キーワードについて、検索日時と検索数との相関関係を散布図として表すものである。この分析グラフにおいて、周辺キーワードは、中心キーワードとのユーザ重複度スコアに基づいて適宜間引かれている。分析者は、このような分析グラフを用いることにより、中心キーワードを検索したユーザに着目して、時間経過によるユーザのニーズの変化を直感的に把握することができる。また、取得されるキーワードの数が多い場合であっても、分析グラフ上のキーワード同士の間隔を確保できるため、分析グラフの視認性を向上できる。
【0067】
本実施形態において、制御部13は、分析グラフの第1軸に表示される取得日時差の範囲である第1軸表示範囲と、分析グラフの第2軸に表示される検索数の範囲である第2軸表示範囲とを設定することで、分析グラフの各軸のスケールを設定するスケール設定部136としても機能する。また、間引きキーワード選択部137は、スケール設定部136により第1軸表示範囲または第2軸表示範囲が小さく変更され、分析グラフの第1軸または第2軸のスケールが拡大された場合、間引きキーワードの選択数を少なくする。一方、間引きキーワード選択部137は、スケール設定部136により第1軸表示範囲または第2軸表示範囲が大きく変更され、分析グラフの第1軸または第2軸のスケールが縮小された場合、間引きキーワードの選択数を多くする。
このような本実施形態において、分析者は、分析グラフの各軸の表示範囲を変更させることで、より柔軟な分析を行うことができる。例えば、分析グラフの各軸の表示範囲が大きく設定された分析グラフでは、中心キーワードとのユーザ重複度が高い周辺キーワードの全体像を把握できる。また、分析グラフの各軸の表示範囲が小さく設定された分析グラフでは、中心キーワードとの関連度が低い周辺キーワードから高い周辺キーワードまでを詳細に把握することができる。
【0068】
例えば、本実施形態において、間引きキーワード選択部137は、ユーザ重複度スコアが閾値以下である周辺キーワードを、間引きキーワードとして選択し、スケール設定部136による第1軸表示範囲または第2軸表示範囲の変更に応じて閾値を変更してもよい。
この場合、分析グラフに表示される周辺キーワードは、第1軸表示範囲または第2軸表示範囲の大きさに応じて、中心キーワードに対して一定以上のユーザ重複度を有する。これにより、分析者は、視認性が保たれた分析グラフにおいて、中心キーワードと周辺キーワードとのユーザ重複度を重視した分析を行うことができる。
【0069】
また、本実施形態において、間引きキーワード選択部137は、第1軸表示範囲または第2軸表示範囲に設定される各区分において、間引きキーワードを除いた周辺キーワードの数が設定数以下になるように、周辺キーワードをユーザ重複度スコアが低い順に間引きキーワードとして選択する。
この場合、分析グラフに表示される周辺キーワードは、第1軸表示範囲または第2軸表示範囲に設定される区分ごとに、中心キーワードに対する関連性が異なる可能性があるが、各区分において表示される周辺キーワードの最大数を揃えることができる。これにより、分析者は、視認性が保たれた分析グラフにおいて、より多くの周辺キーワードを分析することができる。
【0070】
〔変形例〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形をも含むものであり、以下にその一部を変形例として示す。
【0071】
〔変形例1〕
前記実施形態において、キーワード履歴情報取得部131は、検索処理を行う検索サーバ装置からキーワード履歴情報を取得するが、本発明はこれに限られない。
例えば、サーバ装置10が検索サービスを提供する検索サーバである場合、キーワード履歴情報取得部131は、ユーザ端末20からキーワード履歴情報を取得してもよい。
また、ユーザ端末20は、所定のアプリケーションを用いた検索処理が実施された場合に、キーワード履歴情報をサーバ装置10に送信するように設定されていてもよく、周期的にサーバ装置10にキーワード履歴情報を送信する履歴送信プログラムが導入されていてもよい。
また、前記実施形態において、本発明の「ユーザ端末からキーワードを取得した取得日時」は、ユーザ端末20がキーワードを検索サーバに送信した送信日時であってもよいし、ユーザ端末20がキーワードをサーバ装置10に送信した送信日時であってもよい。
【0072】
〔変形例2〕
前記実施形態において、ユーザ端末20において所定のアプリケーションによって検索処理が実施された際の検索キーワードの送信先の対象サービス情報は、特に限定されない。
例えば、ユーザ端末20において、コンテンツを表示させるウェブブラウザ(例えば、Internet Explorer(登録商標)、Safari(登録商標)等)により、コンテンツの検索を提供する検索コンテンツ(ポータルサイトやSNS等)にアクセスして検索処理が実施された場合、当該検索コンテンツが検索対象サービスとなる。
また、ユーザ端末20において、複数のユーザが投稿した投稿コンテンツを閲覧するSNS(例えば、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)等)のアプリケーションを実施し、投稿コンテンツの検索処理を実施した場合、当該SNSが検索対象サービスとなる。
【0073】
〔変形例3〕
前記実施形態では、キーワード履歴情報取得部131は、ユーザ端末20で入力された検索キーワードを取得する例を示したが、これに限定されない。
例えば、キーワード履歴情報取得部131は、ユーザ端末20からSNS等に投稿された投稿記事を取得し、投稿記事に含まれるキーワードを分析して取得してもよい。また、ユーザ端末20において閲覧されたコンテンツ(ウェブページやSNSの投稿記事)を解析してキーワードを取得してもよい。この場合、コンテンツや投稿記事に最も多く含まれるキーワード、またはコンテンツや投稿記事のタイトルに含まれるキーワードを、キーワード履歴情報に記憶するキーワードとして取得する。
【0074】
〔変形例4〕
前記実施形態において、分析グラフの第1軸は、中心キーワードのキーワード検索日時に対する周辺キーワードのキーワード検索日時の差(検索日時差)を表すが、本発明はこれに限られない。例えば、分析グラフの第1軸は、検索日時差に替えて、キーワード検索日時を表す軸であってもよい。その他、キーワード検索日時に対応する指数であってもよい。
同様に、前記実施形態において、分析グラフの第2軸は、キーワード履歴情報の数(キーワード検索数)を表すが、本発明はこれに限られない。例えば、分析グラフの第2軸は、キーワード検索数に替えて、キーワードのボリューム指数を表す軸であってもよい。このボリューム指数は、例えば、対象となるキーワードの検索総数を、抽出された全キーワードの検索総数の合計(合計検索総数)で割った数である。その他、キーワード検索数に対応する指数であってもよい。
【0075】
〔変形例5〕
前記実施形態において、指標算出部135は、キーワードごとに1つのキーワード検索日時と1つのキーワード検索数とを算出するが、本発明はこれに限られず、キーワードごとに複数のキーワード検索日時と複数のキーワード検索数とを算出してもよい。
この場合、指標算出部135は、抽出条件として指定された期間を複数の区分に分け、各区分で集計した取得日時の中央値などを、キーワードに対応する複数のキーワード検索日時として算出してもよい。また、指標算出部135は、各区分で集計したキーワード履歴情報の数をキーワードに対応する複数のキーワード検索数として算出してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…情報処理システム、10…サーバ装置、11…通信部、12…記憶部、121…キーワード履歴データベース、122…分析データベース、123…ユーザデータベース、13…制御部、131…キーワード履歴情報取得部、132…データ抽出部、133…中心キーワード設定部、134…スコア算出部、135…指標算出部、136…スケール設定部、137…間引きキーワード選択部、138…プロット部、139…グラフ出力部、20…ユーザ端末、30…分析端末装置、40…分析コンテンツ、41…キーワード入力部、42…分析グラフ表示領域、43…範囲選択バー、44…範囲選択バー、45…期間選択領域、46…絞り込み領域、47…検索履歴表示領域、48…参照グラフ表示領域、49…分析グラフタイプ選択領域、50…分析グラフ、60…参照グラフ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8