(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983316
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
H02B 11/26 20060101AFI20211206BHJP
H02B 11/24 20060101ALN20211206BHJP
【FI】
H02B11/26 A
!H02B11/24 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-529913(P2020-529913)
(86)(22)【出願日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2018026325
(87)【国際公開番号】WO2020012599
(87)【国際公開日】20200116
【審査請求日】2020年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 達哉
(72)【発明者】
【氏名】黒川 義雄
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第0393733(EP,A1)
【文献】
特公昭36−016867(JP,B1)
【文献】
米国特許第3054874(US,A)
【文献】
実開昭53−007627(JP,U)
【文献】
実開昭49−004131(JP,U)
【文献】
特開昭54−036546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 11/00−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空コンタクタと電力ヒューズとを有する引き出し型VMCを格納した第1のコンパートメントと主回路を格納した第2のコンパートメントを有し、引き出し動作により、前記真空コンタクタと前記主回路との接続、断路を行うスイッチギヤにおいて、
前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとを区切ると共に、前記真空コンタクタの端子と前記主回路の端子とを接続するために、前記真空コンタクタの引き出し方向に対し垂直方向に2つのブッシングを有する固定枠と、
前記2つのブッシングを断路時に遮蔽するためのシャッターと、
を備え、
前記電力ヒューズの一端は、断路時に前記2つのブッシングの間で、遮蔽されたシャッターとの絶縁を確保できる位置に配置され、他端は、前記真空コンタクタ上部に配置されることにより、前記電力ヒューズは、その長手方向が、前記引き出し方向及び前記垂直方向と所定の角度を有して取り付けられていることを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項2】
前記電力ヒューズの取付けは、前記電力ヒューズの両端を保持するホルダに接続された前記垂直方向に伸びる導体を前記所定の角度だけ曲げることにより行われていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項3】
前記シャッターは、前記2つのブッシングをそれぞれ遮蔽する2つのシャッターからなり、前記2つのシャッターのそれぞれは、前記断路時から接続時に互いに反対方向に移動し、前記接続時に前記電力ヒューズとの距離が最も遠くなることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチギヤは、電力ヒューズ内蔵コンビネーションユニット(Vacuum electromagnetic Contactor、以下VMCと称す)を格納するコンパートメントの床板の上に固定枠を配置し、固定枠上に、真空コンタクタ(Vacuum Circuit Switch、以下VCSと称す)と電力ヒューズとを有する引き出し型VMCを搭載している。また、VMCのコンパートメントの上部には、金属板で仕切られている制御コンパートメントを有している。
【0003】
VMCは、引き出し機構を操作することで水平方向に移動可能であり、スイッチギヤの母線端子およびケーブル側端子と接続或いは断路する構造である。また、電力ヒューズは、過電流が流れた際には電流を遮断する役割をもっている。
【0004】
VMCは、取り付けられる電力ヒューズを含めるとVCSの占める割合よりも大きくなる傾向がある。その結果、VMCのコンパートメントは、VCSを配置しているスペースよりも奥行き、又は高さの一方向又は両方向に大きくなる傾向がある。
【0005】
従って、VMCのコンパートメントの高さ方向のスペースに制限がある場合は、コンパートメントの床面に対して電力用ヒューズが水平になるように配置され(例えば、特許文献1参照)。また、奥行き方向のスペースに制限がある場合は、コンパートメントの床面に対して垂直方向に配置されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−064325号公報
【特許文献2】特公昭64−9805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電力ヒューズの配置では、遮断電流の値が大きい電力ヒューズを配置すると、VMCが奥行方向に長くなる。そのため、VMCのコンパートメントも奥行方向に大きくなるため、主回路コンパートメントを圧迫する。その結果、主回路コンパートメントの構成によっては、絶縁距離確保のため、主回路コンパートメントの奥行を伸ばす必要性が生じ、スイッチギヤ全体が大きくなってしまい、コストアップ、及び据え置きスペースの拡大に繋がる。
【0008】
特許文献2の、電力ヒューズの配置では、VMCのコンパートメント上部の制御コンパートメントとの絶縁距離確保のため、VMCのコンパートメントを高くする必要がある。その結果、制御コンパートメントの圧迫、及びスイッチギヤの高さ方向の拡大に繋がる。
本願はこのような課題を解決するものであり、電力ヒューズによりスイッチギヤ全体が大きくなることを防ぎ、コンパートメントのスペースに制限がある場合でも電力ヒューズを最適に配置できる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示されるスイッチギヤは、
真空コンタクタと電力ヒューズとを有する引き出し型VMCを格納した第1のコンパートメントと主回路を格納した第2のコンパートメントを有し、引き出し動作により、真空コンタクタと主回路との接続、断路を行うものであって、
第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとを区切ると共に、真空コンタクタの端子と主回路の端子とを接続するために、真空コンタクタの引き出し方向に対し垂直方向に2つのブッシングを有する固定枠と、
2つのブッシングを断路時に仕切るためのシャッターと、
を備え、
電力ヒューズの一端は、断路時に2つのブッシングの間で、仕切られたシャッターとの絶縁を確保できる位置に配置され、他端は、真空コンタクタ上部に配置されることにより、電力ヒューズは、その長手方向が、引き出し方向及び垂直方向と所定の角度を有して取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願に開示されるスイッチギヤによれば、電力ヒューズを所定の角度傾けて配置することにより、第1のコンパートメントの奥行き方向と高さ方向の拡大を抑制でき、スイッチギヤの大きさを縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るスイッチギヤにおける側面図である。
【
図2】実施の形態1に係る固定枠4の拡大図である。
【
図3】実施の形態1に係る引き出し型VMCの構成図であり、
図3Aは斜視図、
図3Bは側面図である。
【
図5】シャッター10aの動作を説明する図であり、
図5Aは断路位置を示す図、
図5Bは、中間位置を示す図、
図5Cは接続位置を示す図である。
【
図6】シャッター10bの動作を説明する図であり、
図6Aは断路位置を示す図、
図6Bは、中間位置を示す図、
図6Cは接続位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願に係る電力制御装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。
【0013】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るスイッチギヤ1の側面図である。
図1において、金属閉鎖形のスイッチギヤ1は、全体が接地金属性の筐体2で覆われており、制御コンパートメント100、VMCコンパートメント200、母線コンパートメント300とケーブルコンパートメント400からなる主回路コンパートメント、のそれぞれの区画が接地金属あるいは絶縁物で仕切られたメタルクラッド形あるいはコンパートメント形スイッチギヤである。
【0014】
VMCコンパートメント200においては、床板3の上に固定枠4を配置し、固定枠4上に、VCS55と電力ヒューズを有する引き出し型のVMC5を搭載している。
図1のVMC5は接続位置の状態を示している。
【0015】
母線コンパートメント300においては、母線コンパートメント導体30が固定枠4に接続されており、ケーブルコンパートメント400においては、ケーブルコンパートメント導体40の一端が固定枠4に接続され、他端が外部からのケーブル500に接続されている。
【0016】
また、固定枠4には、金属で作られたシャッター10a、10bが設けられている。VMC5の電力ヒューズ12の端部13を、断路時のシャッター10a、10bから絶縁距離以上遠ざけてブッシング9aとブッシング9bとの間にくるように斜めに配置する。これにより、シャッター10a、10bと電力ヒューズ12との間の絶縁距離分、VMC5の奥行き方向を小さくすることを可能にし、高さ方向への拡大も最小限にしている。その結果、VCS55を配置したときと同程度の大きさのVMCコンパートメント200を構成することが可能になり、VMCコンパートメント200の奥行き方向と高さ方向の拡大を抑制でき、金属閉鎖形のスイッチギヤ1のコストダウンと据付面積の縮小を可能にする。
【0017】
次に、このような電力ヒューズ12の配置を可能にするそれぞれの構造につき詳細に説明する。
【0018】
図2に固定枠4の拡大図を示す。外形を構成する金属製のフレーム6と、母線側端子7a、7bを絶縁するブッシング9a、フレーム6とケーブル側端子8a、8bを絶縁するブッシング9bを有している。母線側端子7a、7bがボルト14aでブッシング9aに共締めされており、ケーブル側端子8a、8bがボルト14bでブッシング9bに共締めされている。母線コンパートメント導体30は母線側端子7bにボルトで固定され、ケーブルコンパートメント導体40はケーブル側端子8bにボルトで固定されている。
【0019】
VMC5は、固定枠4内で、
図3A又は
図3Bに示された引き出し機構11を操作することで水平方向に移動可能である。断路時と接続時に後述する断路位置又は接続位置に移動し、VMC5側の端子51、52が、
図2で示した固定枠4の母線側端子7aおよびケーブル側端子8aと接続或いは断路する構造である。
【0020】
図3Bで示すように、電力ヒューズ12は、一端がVMC5のVCS55と接続され、VMC5が接続位置にある際は、電力ヒューズ12の他端と端子51を介して母線側端子7aとが接続され、過電流が流れた際には電流を遮断する役割を有している。
図3Bの領域P及び領域Qの拡大図を
図4A、
図4Bに示す。
【0021】
図4Aは、導体15aを経由してケーブル側端子8aと接続される側の電力ヒューズ12の端部の拡大図である。電力ヒューズ12は、ヒューズホルダ16aに挿入され、ボルト17に当てることで位置決めされた後、ボルト18aで締め付けることで固定されている。導体15aは、ヒューズホルダ16aにボルトで固定されている。また、電力ヒューズ12を斜めに配置させるため、引き出し機構11の引き出し方向に対して垂直に伸びる導体15aは、矢印A側に所定の角度で曲げられている。
【0022】
図4Bは、導体15bを経由してVMC5のVCS55と接続される側の電力ヒューズ12の拡大図である。電力ヒューズ12は、ヒューズホルダ16bに挿入され、ボルト18bで締め付けることで固定されている。導体15bは、ヒューズホルダ16bにボルトで固定されている。また、電力ヒューズ12を斜めに配置させるため、引き出し機構11の引き出し方向に対して、VMC5のVCS55から垂直に伸びる導体15bは、矢印A側と反対方向である矢印B側に矢印A側と同じ角度で曲げられている。電力ヒューズ12の寸法は、一例として、310mm〜500mm程度であり、その絶縁距離は90mm程度である。
【0023】
次に、シャッター10a、10bについて説明する。
シャッター10aは、断路時に、母線側端子7a、7bとフレーム6を絶縁するブッシング9aを遮蔽する。これにより、
図1に示したVMCコンパートメント200と母線コンパートメント300とを区切る役割を持っている。
シャッター10aは、
図5Aで示された、断路時の引き出し機構11の位置(以下、断路位置と称す)から、VMC5が引き出し機構11により、矢印C方向に移動すると、VMC5に取付けられているフレーム21がフレーム19aに取付けられたベアリング20を押し上げていく(
図5B参照)。フレーム19aは、シャッター10aと連結されたフレーム19bとリンク機構を形成しているため、ベアリング20が押し上げられことにより、シャッター10aが垂直上側(
図5Bの矢印D方向)に移動し、接続時の引き出し機構11の位置(以下、接続位置と称す)まで引き出し機構11が移動した
図5Cで、ブッシング9a内での接続に支障がない位置まで移動する。
【0024】
また、シャッター10bは、断路時にケーブル側端子8a、8bとフレーム6を絶縁するブッシング9bを遮蔽する。これにより、
図1に示したVMCコンパートメント200とケーブルコンパートメント400を区切る役割を持っている。
シャッター10bは、
図6Aで示された断路位置から、VMC5が引き出し機構11により、矢印C方向に移動すると、VMC5に取付けられているフレーム21がフレーム22aに取付けられたベアリング20を押し上げていく(
図6B参照)。フレーム22aは、シャッター10bと連結されたフレーム22C及びフレーム22bとリンク機構を形成しているため、ベアリング20が押し上げられると、シャッター10bは垂直下側(
図6Bの矢印E方向)に移動し、接続位置まで引き出し機構11が移動した
図6Cで、ブッシング9b内での接続に支障がない位置まで移動する。
【0025】
このように、シャッター10a、10bは、固定枠4に沿って、シャッター10aは引き出し機構11の移動方向に対して、垂直上側に、シャッター10bは垂直下側に移動するよう構成される。これにより、ヒューズホルダ16aで固定されている電力ヒューズ12との距離が、断路位置では絶縁距離を保ちつつ、最も近くなるが、接続位置で最も遠くなる。
【0026】
このように、実施の形態1では、VMCコンパートメント200と主回路コンパートメントとの絶縁を保ちつつ、VMC5のVCS55の据え付け面積を底面とする空間内に配置するために、電力ヒューズ12を、所定の角度傾けた構成としている。この構成を実現するために、電力ヒューズ12を保持するヒューズホルダ16a、16b、これらを支持する導体15a、15b、及びシャッター10a、10bを配置、構成している。これにより、VMCコンパートメント200の奥行き方向と高さ方向の拡大を抑制でき、スイッチギヤの大きさを縮小できる。
【0027】
なお、本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
1:スイッチギヤ、2:筐体、3:床板、4:固定枠、5:VMC(電力ヒューズ内蔵コンビネーションユニット)、6:フレーム、7a、7b:母線側端子、8a、8b:ケーブル側端子、9a、9b:ブッシング、10a、10b:シャッター、11:引き出し機構、12:電力ヒューズ、13:端部、30:母線コンパートメント導体、40:ケーブルコンパートメント導体、55:VCS(真空コンタクタ)、100:制御コンパートメント、200:VMCコンパートメント、300:母線コンパートメント、400:ケーブルコンパートメント。