(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983318
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】光学部品、照明器具、及び光学部品を作製する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20211206BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20211206BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20211206BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20211206BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
F21V5/04 550
F21Y115:10
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-531172(P2020-531172)
(86)(22)【出願日】2019年3月6日
(65)【公表番号】特表2021-505960(P2021-505960A)
(43)【公表日】2021年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2019010126
(87)【国際公開番号】WO2019172458
(87)【国際公開日】20190912
【審査請求日】2020年6月5日
(31)【優先権主張番号】15/917,074
(32)【優先日】2018年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ブランド、マッシュー
【審査官】
瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−521293(JP,A)
【文献】
D. Michaelis,Cartesian oval representation of freeform optics in illumination systems,OPTICS LETTERS,米国,Optical Society of America,2011年03月15日,Vol. 36, No. 6,918-920
【文献】
D. Michaelis,Construction of freeforms in illumination systems via generalized Cartesian oval representation,Nonimaging Optics: Efficiant Design for Illumination and Solar Concentration VIII,米国,SPIE,2011年09月21日,Vol. 8124,1-9
【文献】
Xiaohui Zhang,Compact Lens Design for LED Chip Array using supporting surface method,Advanced Display Technology; and Micro/Nano Optical Imaging Technologies and Applications,米国,SPIE,2015年10月15日,Vol. 9672,1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
F21V 1/00 − 8/00
F21V 9/00 − 15/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源によって放射される入射光を変換して投影面上に照射パターンを形成する光学部品であって、
前記光学部品は、非球面レンズとデカルトの卵形体の集合体との結合体によって形成される自由形状光学面を有し、
各前記デカルトの卵形体は、前記入射光を一点に集束させるレンズであり、
前記デカルトの卵形体の集合体は、前記照射パターンの縁部を形成する点の集合体に前記入射光を方向付け、
前記非球面レンズは、前記照射パターンの内部を形成するように前記入射光を方向付ける屈折レンズの部分であり、
前記非球面レンズは、各前記デカルトの卵形体が、前記屈折レンズの放射焦点を共有し、単一の点において前記非球面レンズの表面と接線接触するように、前記デカルトの卵形体の集合体と組み合わさって前記結合体を形成する、光学部品。
【請求項2】
前記入射光の強度は、前記光源がランバート光源となるようにランバートの余弦則に従い、
前記屈折レンズは、前記ランバートの余弦則を逆にして、前記ランバート光源による照明に応じて、前記照射パターンの前記内部を形成する前記投影面上の均一な照射を生成するランバート均一化スポットレンズである、請求項1に記載の光学部品。
【請求項3】
各前記デカルトの卵形体は、前記ランバート均一化スポットレンズの放射焦点を共有し、
各前記デカルトの卵形体は、前記デカルトの卵形体の光軸によって規定される前記照射パターンの縁部上の固有の焦点を有し、
各前記デカルトの卵形体は、固有の点において前記非球面レンズの表面と接線接触する、請求項2に記載の光学部品。
【請求項4】
前記デカルトの卵形体の集合体における少なくとも幾つかのデカルトの卵形体は、前記照射パターンの縁部上の前記デカルトの卵形体の焦点と、前記屈折レンズと接線接触するロケーションとによって定義される異なる幾何学的パラメータを有する、請求項1に記載の光学部品。
【請求項5】
前記非球面レンズと前記デカルトの卵形体の集合体との前記結合体によって形成される前記レンズの前記自由形状光学面は、前記照射パターンの外部からディボットを通過する前記入射光の光線を前記照射パターンの縁部に転送する前記ディボットを有する前記屈折レンズの表面である、請求項1に記載の光学部品。
【請求項6】
前記入射光は平行にされ、前記屈折レンズは平坦な表面を有し、前記各デカルトの卵形体は、双曲面形状を有し、双曲面頂点において前記非球面レンズの表面と前記接線接触する、請求項1に記載の光学部品。
【請求項7】
前記照射パターンは象形文字を含む、請求項1に記載の光学部品。
【請求項8】
前記照射パターンは、単語を形成する文字を含む、請求項1に記載の光学部品。
【請求項9】
前記照射パターンはツートンカラー像を含む、請求項1に記載の光学部品。
【請求項10】
前記自由形状光学面の反対側にある前記光学部品の面はつや消しされ、前記照射パターンがつや消しされた前記光学部品の面上に形成されるようにする、請求項1に記載の光学部品。
【請求項11】
照明器具であって、
請求項1に記載の光学部品と、
前記照明器具に配置されて、光を前記自由形状光学面上に放射して前記照射パターンを生成する前記光源と、
を備える、照明器具。
【請求項12】
前記光源は発光ダイオード(LED)を含む、請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
前記自由形状光学面の形状は、前記自由形状光学面に対する前記LEDの配置の関数である、請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
光学部品を作製する方法であって、
ランバート光源によって放射される入射光を投影面上の照明パターンに変換する前記光学部品の自由形状光学面であって、前記ランバート光源による照明に応じて、照射パターンの内部を形成する前記投影面上の均一な照射を生成するランバート均一化スポットレンズの部分と、前記照射パターンの縁部に沿って前記ランバート光源からの光を集束させるデカルトの卵形体の集合体との結合体によって形成される、自由形状光学面を求めることと、
前記自由形状光学面を有する前記光学部品を作製することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記ランバート光源によって放射される前記入射光を前記投影面の均一な照射に変換する前記ランバート均一化スポットレンズを求めることと、
前記照射パターンの前記内部の前記照射に寄与する前記ランバート均一化スポットレンズの前記部分を求めることと、
前記照射パターンの前記縁部に沿って前記ランバート光源からの光を集束させる前記デカルトの卵形体の集合体によって形成される体積体を求めることと、
各前記デカルトの卵形体が単一の固有の点において前記ランバート均一化スポットレンズの前記部分と接線接触するように、前記ランバート均一化スポットレンズの前記部分を前記体積体と組み合わせて、前記光学部品の前記自由形状光学面を形成することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ランバート光源によって放射される入射光を均一な照射に変換するランバート均一化スポットレンズの部分によって形成される非球面レンズと、
デカルトの卵形体の結合体であって、各前記デカルトの卵形体は、入射光を一点に集束させるレンズであり、各前記デカルトの卵形体は、前記ランバート均一化スポットレンズの放射焦点を共有し、単一の固有の点において前記非球面レンズの表面と接線接触する、デカルトの卵形体の結合体と、
を備える、光学部品。
【請求項17】
照明器具であって、
請求項16に記載の光学部品と、
前記照明器具に配置されて、光を前記光学部品に放射する前記ランバート光源と、
を備え、
前記ランバート均一化スポットレンズは、前記ランバート光源によって放射される光源前記入射光を、照射パターンの内部を形成する均一な照射に変換し、各前記デカルトの卵形体は、前記ランバート光源によって放射される前記入射光を照射パターンの縁部における対応する点に方向付ける、照明器具。
【請求項18】
前記照射パターンは文字を含み、前記デカルトの卵形体の結合体は、前記文字の輪郭を形成するように前記入射光を方向付け、前記ランバート均一化スポットレンズは、前記輪郭の内側に前記入射光を方向付けるようになっている、請求項17に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学部品に関し、より詳細には、照明パターンを生成するために入射光を変換する自由形状光学面を有する光学部品に関する。
【背景技術】
【0002】
非結像光学部品の分野では、光源によって放射される入射光を任意の照明パターンに変換する光学面を設計する方法が長らく求められてきた。過去20年間、ゼロエタンデュの場合に、すなわち、光線が厳密に平行であるか、又は厳密に単一の点から発散する理想化の場合に、実質的な進歩がなされた。この理想化は、放射光内の光線と対象照明パターン内の光線との間の一対一対応を可能にする。この一対一対応は、設計上の問題を、その面の反射又は屈折が放射光の断面内の光線の空間密度と、対象照明パターン内の光線の空間密度との間の一対一写像を実現する光学面を特定することに軽減する。大抵の場合にゼロエタンデュ系に相当する、初期密度と対象密度との間の滑らかな写像が可能である場合には、その写像は、最適大量輸送(optimal mass transport)の分野から取り入れられた方法を用いて見つけることができる。結果として形成される光学部品は、非常に詳細な照明パターンを生成することができ、例えば、写真画像を投影することができる。これらの光学面は、単にその形状が、レンズ及びミラーに通常関連付けられる単純な代数面のいずれよりも複雑であるので、包括的に自由形状光学面と称される。
【0003】
実際には、ゼロエタンデュ光源は存在しない。実際の光源、例えば、発光ダイオード(LED)は空間的な広がりを有し、すなわち、光線が点ではなく、或る面積から放射され、これらの光線はその伝播中に交わり、一対一写像を不可能にし、その問題を最適大量輸送が解くことができる範囲の外に追いやる。自由形状光学面が、空間的に広がった光源によって照明される場合には、結果として生じる照明パターンは、曇りの日の影がぼんやりし、はっきりしなくなるほど著しくぼやける。熱力学の第二法則によれば、このぼやけは不可避である。
【0004】
その結果、自由形状光学部品が空間的に広がった光源用に設計されるとき、光学技術者は、はるかに控えめな目標を有する。すなわち、通常、円形領域又は多角形の境界を有する領域において近似的に均一な照明を達成することだけを目標とする。さらに、この領域の外側に制御されていない照明減少のぼやけたハローが存在することが、幾つかの用途において望ましくない可能性があっても、この存在は通常容認されている。研究者の中には、このハローを制御し、急激な減少を達成しようとしている者もいる。同時多面(SMS:simultaneous multiple surfaces)の方法は、光源のエッジからの光線を所定の対象に送ることによって境界の或る制御を提供し、近似的なぼけ除去と組み合わされた最適大量輸送は、照射パターン内に鮮明なエッジを達成することができる場合がある。しかしながら、いずれの手法においても、最終の照射パターンは、照射パターンの内側にぼやけたエッジと望ましくないテクスチャアーティファクトとの間の制御されていないトレードオフを欠点として有する。
【0005】
ランバート(Lambertian:ランベルト)光源から均一な放射照度を得るという問題は、高出力LEDの出現以降、多くの注目を受けてきた。今日まで、全ての設計方法は近似的なものである。さらに、自由形状光学面を設計するために提案されたこれらの方法の多くは、最も一般的には、レンズを通して均一な光束を提供するという、光源についての仮定を単純化したものに依拠している。現代のほとんどの光源はランバート光源であり、いずれの光線に沿った光束強度も、その光線と光軸との間の角度の余弦に比例する。これは、最適化において非常に慎重にモデル化しなければならず、さもなければ、放射照度像は、かなり顕著なアーティファクトを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、空間的に広がった光源からの入射光を、鮮明なエッジを有する対象照明パターンに変換することができる方法が必要とされている。それらの方法は、看板照明及び特殊作業照光用の光学部品等の多くの光学的用途に有用である。
【0007】
幾つかの実施の形態の目的は、鮮明な境界を有するとともにそれらの境界の外側の背景へ流出しない複雑な放射照度パターンを生成することができる光学部品を提供することである。幾つかの実施の形態の別の目的は、均一に照光された内部を有する複雑な放射照度パターンを生成することができるような光学部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
幾つかの実施の形態は、本明細書においてデカルトの卵形体と呼ばれる特殊なタイプのレンズが、点の外側に光害をもたらすことなくその点に入射光を集束させるという認識に基づいている。そのために、デカルトの卵形体の集合体は、点の集合体内に入射光を方向付けることができる。広がった光源を使用すると、その点は広がるが、鮮明な境界を維持し、点の集合体も同様に、鮮明な境界を有する広がった形状を形成することができる。例えば、そのような点の集合体は、照射パターン及び/又は照射パターンの縁部を形成することができる。そのような照射パターンは、象形文字、単語を形成する文字及び/又は標識を含む複雑な形を有することができる。
【0009】
幾つかの実施の形態は、屈折レンズが入射光を変換して投影面を照射するという別の認識に基づいている。通常の屈折レンズは、象形文字のような所望の照射パターンの内側及び外側に入射光を方向付ける。光を所望の照射パターン上に方向付ける屈折レンズの部分は、照射パターンの形成に有用である。屈折レンズの残りの部分は、所望の照射パターンの外側の投影面を照射し、照射パターンの形成に有用でない。
【0010】
幾つかの実施の形態は、屈折レンズの「有用でない」部分を、当該屈折レンズの「有用でない」部分によってこれまで収集されていた光を照射パターンの縁部上の点に方向付けるデカルトの卵形体の集合体に置き換えることができるという理解に基づいている。そのようにすると、屈折レンズの「有用な」部分によって形成される内部と、デカルトの卵形体の集合体によって屈折された入射光によって照明される縁部とを有するツートンカラー像を形成することができる。
【0011】
幾つかの実施の形態は、発光ダイオード(LED:light-emitting diode)等の多数の光源が、ランバートの放射則(Lambert's emission law:ランベルトの放射則)に従って光線を放射するランバート光源であるという認識に基づいている。ランバートの放射則によれば、理想的な拡散反射面又は理想的な拡散放射体で観測される放射強度又は光度は、入射光の方向と表面法線との間の角度θの余弦に正比例する。そのために、ランバート光源によって照明された投影面は、強度が輝度中心から放散する照射を示す。したがって、象形文字又は標識のような特定の照射パターンを形成するようにランバート光源によって放射される入射光を方向付けるように成形された通常のレンズは、照射パターンの内側に不均一な照射、及び/又は、光が所望の照射パターンの外側に流出している汚染された背景を有する照射パターンを生成する。
【0012】
幾つかの実施の形態は、ランバート光源による照明に応じてディスクを均一に照射するような屈折表面を有するレンズを設計することが可能であるという認識に基づいている。そのようなレンズは、本明細書においてランバート均一化スポットレンズ(Lambertian-uniformizing spot lens)と呼ばれる。そのため、屈折レンズがランバート均一化スポットレンズであるとき、均一な内部、明るい縁部、及び暗い外部を有するツートンカラー像を、ランバート光源によって照明される投影面に表示することができる。
【0013】
幾何学において、ルネ・デカルトに因んで命名されたデカルトの卵形線は、焦点と呼ばれる2つの固定点からの距離の同じ線形結合を有する点の集合である平面曲線である。光学において、デカルトの卵形体は、デカルトの卵形曲線をその2つの焦点を通る軸の回りに回転させることによって形成される屈折面を有するレンズである。焦点の一方からの光線は、焦点の他方に屈折して集束される。幾つかの実施の形態は、デカルトの卵形体の集合体を用いると、所望の放射照度パターンの外部から離れる放射光をこの放射照度パターンの縁部上に方向転換させることができるという理解に基づいている。
【0014】
そのようにして、放射された入射光をツートンカラー照射パターンに変換する光学部品は、照射パターンの内部を生成するランバート均一化スポットレンズの部分と、ランバート光源からの残りの光を照射パターンの縁部に沿って集束させるデカルトの卵形体の集合体との結合体(union)によって形成することができる。そのようなツートンカラー照射パターンを生成する光学部品では、各デカルトの卵形体は、ランバート均一化スポットレンズの放射焦点を共有し、各デカルトの卵形体は、単一の点においてランバート均一化スポットレンズの表面と接線接触する。
【0015】
特に、ランバート均一化スポットレンズの形状及びデカルトの卵形体の集合体の形状は、解析的に求めることができる。そのようなことから、結果として、ツートンカラー像を生成する光学部品も解析的に求めることができる。
【0016】
したがって、1つの実施の形態は、光源によって放射される入射光を変換して投影面上に照射パターンを形成する光学部品であって、光学部品は、非球面レンズとデカルトの卵形体の集合体との結合体によって形成される自由形状光学面を有し、各デカルトの卵形体は、入射光を一点に集束させるレンズであり、デカルトの卵形体の集合体は、照射パターンの縁部を形成する点の集合体に入射光を方向付け、非球面レンズは、照射パターンの内部を形成するように入射光を方向付ける屈折レンズの部分であり、非球面レンズは、各デカルトの卵形体が、屈折レンズの放射焦点を共有し、単一の点において非球面レンズの表面と接線接触するように、デカルトの卵形体の集合体と組み合わさって結合体を形成する、光学部品を開示する。
【0017】
別の実施の形態は、光学部品を作製する方法であって、ランバート光源によって放射される入射光を投影面上の照明パターンに変換する光学部品の自由形状光学面であって、ランバート光源による照明に応じて、照射パターンの内部を形成する投影面上の均一な照射を生成するランバート均一化スポットレンズの部分と、照射パターンの縁部に沿ってランバート光源からの光を集束させるデカルトの卵形体の集合体との結合体によって形成される、自由形状光学面を求めることと、自由形状光学面を有する光学部品を作製することとを含む、方法を開示する。
【0018】
更に別の実施の形態は、ランバート光源によって放射される入射光を均一な照射に変換するランバート均一化スポットレンズの部分によって形成される非球面レンズと、デカルトの卵形体の結合体であって、各デカルトの卵形体は、入射光を一点に集束させるレンズであり、各デカルトの卵形体は、ランバート均一化スポットレンズの放射焦点を共有し、単一の固有の点において非球面レンズの表面と接線接触する、デカルトの卵形体の結合体とを備える、光学部品を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】幾つかの実施形態によって使用される原理を示す照射パターンの概略図である。
【
図1B】
図1Aに関して開示された原理を使用して幾つかの実施形態によって設計される自由形状光学面を有する光学部品の概略図である。
【
図2A】光線を屈折させるために幾つかの実施形態によって使用されるデカルトの卵形レンズの概略図である。
【
図2B】1つの実施形態に従って光を照射パターンの外側から照射パターンの縁部に方向付けるようにデカルトの卵形体の集合体を形成することの概略図である。
【
図3】1つの実施形態による、屈折レンズとデカルトの卵形体の集合体との組み合わせによって形成されるレンズの断面図である。
【
図4A】幾つかの実施形態に従って光学部品を形成することの概略図である。
【
図4B】幾つかの実施形態によって用いられるランバート均一化原理を示す一例示的な概略図である。
【
図5】1つの実施形態による、投影面上にグラフィックを投影する光学部品を作製する方法のブロック図である。
【
図6A】本発明の様々な実施形態に従って特定された光学部品を有する照明器具の一例を示す図である。
【
図6B】本発明の様々な実施形態に従って決定される光学部品を有する照明器具の一例を示す図である。
【
図6C】本発明の様々な実施形態に従って決定される光学部品を有する照明器具の一例を示す図である。
【
図7A】幾つかの実施形態によって生成される様々な対象照明パターンの異なる非限定的な例を示す図である。
【
図7B】幾つかの実施形態によって生成される様々な対象照明パターンの異なる非限定的な例を示す図である。
【
図7C】幾つかの実施形態によって生成される様々な対象照明パターンの異なる非限定的な例を示す図である。
【
図8】幾つかの実施形態による、対象照明パターンの鮮明なエッジの境界の光強度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1Aは、幾つかの実施形態によって使用される原理を示す照射パターンの概略図を示している。幾つかの実施形態は、通常の屈折レンズが、入射光を、投影面上に投影される照射ディスク110に変換するという認識に基づいている。一方、幾つかの実施形態の目的は、入射光を、輪郭130内のパターンのような特定の照射パターンに変換するように屈折レンズを変更することである。幾つかの実施形態は、通常の屈折レンズが、入射光を照射パターン130の内側140及び外側120に方向付けるという認識に基づいている。光を照射パターン130の内側140に方向付ける屈折レンズの部分は、この照射パターンの形成に有用である。屈折レンズの残りの部分は、所望の照射パターンの外側120、すなわち、輪郭130の外側の投影面を照射し、この照射パターンの形成に有用ではない。
【0021】
幾つかの実施形態は、屈折レンズの「有用でない」部分を、当該屈折レンズの「有用でない」部分によってこれまで収集されていた光を照射パターンの縁部150上の点に方向付けるデカルトの卵形体の集合体に置き換えることができるという理解に基づいている。そのようにすると、屈折レンズの「有用な」部分によって形成される内部と、デカルトの卵形体の集合体によって屈折された入射光によって照明される縁部とを有するツートンカラー像を形成することができる。
【0022】
幾つかの実施形態は、発光ダイオード(LED)等の多数の光源が、ランバートの放射則に従って光線を放射するランバート光源であるという認識に基づいている。ランバートの放射則によれば、理想的な拡散反射面又は理想的な拡散放射体から観測される放射強度又は光度は、入射光の方向と表面法線との間の角度θの余弦に正比例する。そのために、ランバート光源によって照明された投影面は、強度が輝度中心155から放散する照射を示す。
【0023】
幾つかの実施形態は、ランバート光源による照明に応じて投影面を均一に照射するような(160)屈折表面を有するレンズを設計することが可能であるという認識に基づいている。そのようなレンズは、本明細書においてランバート均一化スポットレンズと呼ばれる。そのために、幾つかの実施形態は、照射パターンの縁部150内に局限された均一な内部160を有する照射パターンを形成するように入射光を変換する光学部品を設計する。
【0024】
図1Bは、
図1Aに関して開示される原理を使用して幾つかの実施形態によって設計された自由形状光学面を有する光学部品の概略図を示している。光学部品170は、光源175によって放出された入射光を、幾つかの実施形態に従って照射パターン180を形成するように変換する。この光学部品は、デカルトの卵形体の集合体と、屈折ランバート均一化スポットレンズの一部分との結合体によって形成された自由形状光学面を有する。
【0025】
デカルトの卵形体は、入射光を一点に集束させるレンズであり、デカルトの卵形体の集合体は、照射パターンの少なくとも縁部190を形成する点の集合体に入射光を反射するようになっている。屈折レンズの上記一部分は、縁部190によって囲まれる照射パターンの内部195を形成するように入射光を方向付ける。幾つかの実施態様では、屈折レンズがランバート均一化スポットレンズであるとき、均一な内部、明るい縁部、及び暗い外部を有するツートンカラー像を、ランバート光源によって照明される投影面に表示することができる。
【0026】
図2Aは、放射焦点F
0205からの光線を照射焦点F
1215に屈折させるために幾つかの実施形態によって使用されるデカルトの卵形体レンズ210の概略図を示している。その定義特性は、光がその経路を問わずF
0からF
1に伝播するのに同じ時間を要するということである。これは、光の速度がレンズの内側ではn分の1に低速になることから可能である。したがって、上部経路220及び下部経路225の移動時間は、np+q=nv+rである。ここで、p、v及びq、rは、2つの異なる経路のそれぞれレンズの内側及び外側を移動する直線移動距離である。特に、レンズの焦点から頂点までの中央の光線の長さv、2つの焦点F
0、F
1のロケーション、及び不変の移動時間は、デカルトの卵形体210の形状を完全に求めるのに十分である。
【0027】
図2Bは、1つの実施形態に従って光を照射パターンの外側から照射パターンの縁部に方向付けるようにデカルトの卵形体の集合体を形成することの概略図を示している。この実施形態が、2Dのデカルトの卵形体210をその光軸230の回りに回転掃引すると、その結果得られる3Dのデカルトの卵形体は、点F
0205からの光をF
1215の点に集束させる。この実施形態が、次に、3Dのデカルトの卵形体を、焦点F
0を通過する別の線240の回りに回転掃引すると、この実施形態は、デカルトの卵形体の結合体250を得る。この例では、デカルトの卵形体の結合体250は、焦点F
0からの光を、投影平面上において完全円形リングに集束させる。この掃引体積体を構築する際に、3Dデカルトの卵形体の中心軸は、投影される円の経路をトレースする。
【0028】
特に、デカルトの卵形体の集合体の結果として得られる結合体の前部は、ディボット(divot:窪み)260を備える。このディボットは、リングの内部から離れて当該ディボットを通過するあらゆる光線を転送し、この領域を暗く維持する。様々な実施形態は、この原理を使用して、照射パターンの形状によって統制される不規則な経路を通ってデカルトの卵形体を掃引することによって形成される不規則なディボットを作製し、これらのディボットを使用して、投影平面の不規則な領域を暗く維持する。
【0029】
図3は、1つの実施形態による、屈折レンズとデカルトの卵形体の集合体の結合体との組み合わせによって形成されるレンズの断面図を示している。この説明例では、屈折レンズ340(太線曲線)の断面は、投影平面350上の放射照度像355の一部を暗く保つディボット345(グレー色)を有する。この例では、所望の照射パターンは、暗い文字「I」を有する照射ディスクである。そのために、所望の照射パターンの内側、すなわち、所望の暗い文字Iの外側に入射光を屈折させるレンズ340の部分342は、「有用な」部分とみなされ、所望の暗い文字Iの内側に入射光を屈折させるレンズ340の部分345は、「有用でない」部分とみなされる。屈折レンズ340の有用な部分は、本明細書において、非球面レンズと呼ばれる。そのために、非球面レンズは、照射パターンの照明される内部を形成するように入射光を方向付ける屈折レンズの部分である。
【0030】
暗い直線315及び317は、光源310から投影平面350への光線である。2つのデカルトの卵形体320及び330(細い曲線で示す)は、レンズ340の上に重ね合わされている。各卵形体は、「I」の縁部への1つの光線がレンズを出る箇所で非球面レンズに正接し、そのデカルトの卵形体は、拡大縮小され、その光線の終点で光を集束させるように方位付けされる。これは、デカルトの卵形体の中心軸325及び335が、対応する終点を指し示していることを意味する。2つの卵形体は、それらの焦点が「I」の縁部をトレースする、同様に構成された卵形体を掃引したものの一部である。レンズの表面は、この掃引によって形成されるディボット345に従うように作製されている。
【0031】
幾つかの実施形態は、入射光を照射パターンの内側に方向付ける屈折レンズ340の有用な部分、すなわち、非球面レンズを、入射光を照射パターンの縁部に方向付けるデカルトの卵形体の集合体と組み合わせる。そのような組み合わせの結果、屈折レンズ340と放射焦点310を共有する各デカルトの卵形体320及び330を有する自由形状レンズが得られる。光は放射焦点310に投じられる。そのようにして、屈折レンズ及びデカルトの卵形体の双方が、同じ投影面350上に光を投影する。加えて、幾つかの実施形態では、各デカルトの卵形体は、単一の点及び/又は固有の点において屈折レンズの有用な部分の表面と接線接触する。例えば、デカルトの卵形体320は、点327において非球面レンズと接線接触する。同様に、デカルトの卵形体330は、点337において非球面レンズと接線接触する。そのようにして、この組み合わされた光学部品の製造の円滑性及び容易さが維持される。
【0032】
図3において見て取ることができるように、光学部品は、デカルトの卵形体の集合体を互いに結合するデカルトの卵形体の集合体の結合体によって少なくとも部分的に形成される。デカルトの卵形体の集合体の結合体は、少なくとも1つのデカルトの卵形体に入る入射光が所望の照射パターンの輪郭又は縁部上に方向付けられることを保証する。様々な実施形態において、屈折レンズの幾何形状に対する集合体内の各デカルトの卵形体の幾何形状は、焦点310と、光軸325及び/又は335の方向と、正接点327及び/又は337のロケーションとによって一意に定義される。異なるデカルトの卵形体は、異なる幾何学的パラメータを有することができる。様々な実施形態において、デカルトの卵形体は、縁部が鮮明であり、連続的であり、かつ、明るく照光されることを確実にするために、照射パターンの縁部の形状を連続してトレースする。
【0033】
図4Aは、幾つかの実施形態に従って光学部品を形成することの概略図を示している。それらの実施形態では、屈折レンズの有用な部分、すなわち、非球面レンズ410は、デカルトの卵形体の集合体420と組み合わされる(430)。様々な実施態様において、デカルトの卵形体の集合体420は、照射パターンの縁部の連続性を確保するためにデカルトの卵形体の集合体420の結合体によって形成された表面を有する。非球面レンズ410は、その表面プロファイルが球の部分でも円柱の部分でもないレンズである。これは、非球面レンズ410が屈折レンズの一部分のみであることによる。非球面レンズ410とデカルトの卵形体の集合体420との組み合わせ430は、
図3に示すように、各デカルトの卵形体が屈折レンズの放射焦点を共有するとともに単一の点において非球面レンズの表面と接線接触するように行われる。
【0034】
幾つかの実施形態では、入射光の強度はランバートの余弦則(Lambert's cosine law:ランベルトの余弦則)に従い、そのため、光源はランバート光源となり、屈折レンズは、ランバートの余弦則を逆にするランバート均一化スポットレンズとして実施される。様々な実施形態において、ランバート均一化スポットレンズは、ランバート光源による照明に応じて、照射パターンの内部を形成する投影面上に均一な照射を生成する。
【0035】
図4Bは、幾つかの実施形態によって用いられるランバート均一化原理を示す一例示的な概略図を示している。この例では、屈折器表面R(φ)460を有するランバート均一化スポットレンズは、原点におけるランバート点光源450によって放射された光を、距離r480における半径pの均一に照射されるディスク470に変換する。
【0036】
幾つかの実施形態は、ランバート光源のエミッタンスとディスクの表面積との間の関係を用いてランバート均一化スポットレンズを設計する。具体的には、ランバート光源は、cosφに比例する強度を有する放射を傾斜φ451に沿って行い、したがって、半角φの円錐を出射する全光束は、以下の式となる。
【数1】
【0037】
幾つかの実施形態は、或る有限限界までの全ての半径について、或る固定比率qにおいてこの関係を維持する光学部品を用いてディスクを均一に照射することが可能であるという認識に基づいている。そのために、適切に成形されたレンズは、傾斜角度φで放射された光線が光軸からqsinφ単位で投影平面に当たるように、これらの光線を屈折させることになる。半角β452の放射光円錐を用いて半径pの均一に照射されるディスクを生成するために、上記関係は、q=p/sinβであることを暗に意味する。例えば、1つの実施形態は、屈折面におけるエッジ光線の入射角がブルースター角を近似するように角度βを決定する。そのようにして、この実施形態は、フレネル反射に起因した損失を無視することができる。
【0038】
レンズ面の座標を球座標において指定し、投影平面の座標を極座標において指定すると、レンズ点と平面点との間の対応関係は以下の式となる。
【数2】
ここで、R(φ)は、光軸からの傾斜φにおけるレンズ面の径方向範囲であり、θは、レンズ上では方位角及び投影面上では極角である。
【0039】
レンズ面を導出するために、幾つかの実施形態は、まず、原点(0,0)に光源があり、方向{+1,0}に延びる光軸と、(r,0)を通る垂直な投影平面とを有する2Dデカルト座標を使用する。1つの実施態様は、このレンズ(2D)を(x,y)=(R(φ)cosφ,R(φ)sinφ)としてパラメータ化し、屈折の法則の余弦形式を用いて、入射光線のベクトルI=(x,y)−(0,0)と、出射光線のベクトルE=(s,t)−(x,y)=(r,pcscβsinφ)−(x,y)と、表面接線のベクトルT=(dx,dy)=(∂
φx,∂
φy)とを関係付ける。
【数3】
ただし、nは、レンズ面の両側における屈折率の比である。
【0040】
ベクトル形式で記述すると、以下の式が得られる。
【数4】
【0041】
1つの実施形態は、レンズがディスク半径p及び投影距離rに対して非常に小さく、そのため、x=s、|y|=|t|となり、出射光線の照射野が、果たす役割が無視できる表面範囲を有する表面法線によって決まるものと仮定する。極限では、これは正確である。すなわち、lim
R(φ)/min(r,p)→0E=(s,t)である。光線及び正接定義を代入し、簡単化すると、実施形態は以下の式を得る。
【数5】
この式は、以下の常微分方程式(ODE:ordinary differential equations)に展開される。
【数6】
ただし、q=p csc βである。この解は、
【数7】
という形になる。ただし、p
1、p
2は、4次方程式の根が合計される超越関数多項式である。
【0042】
代替の実施形態は、レンズが小さいという仮定を有さず、出射光線Eにおける出射面を球として近似することによってランバート均一化スポットレンズを設計し、その結果、ODEを解くことができる。特に、レンズがゼロでないサイズを有し、広がった光源が存在するときであっても、これがレンズに対して小さいことを条件とすると、シミュレーションは、表面が良好な均一性を与えることを確認している。
【0043】
そのように、幾つかの実施形態は、ランバート均一化スポットレンズの形状及びデカルトの卵形体の集合体の形状を解析的に求めることができるという理解に基づいている。したがって、その結果、ツートンカラー像を生成する光学部品も解析的に求めることができる。
【0044】
図5は、1つの実施形態による、グラフィックを投影面上に投影する光学部品を作製する方法のブロック図を示している。この実施形態は、既定のパラメータ515のランバート均一化スポットレンズを求める(510)。例えば、既定のパラメータ515は、所望の焦点距離r、スポット半径p、レンズサイズsを含むことができ、実施形態はODE(2)を解く。
【0045】
加えて、実施形態は、ランバート均一化スポットレンズによって照射されたディスク内の所望のグラフィック525の既定のロケーション及び境界に従って、グラフィックの境界とレンズ面との間の対応関係を確立する(520)。例えば、実施形態は、投影面、例えば、投影平面上にグラフィックを位置させ、グラフィックの境界の外側に光を方向付けるランバート均一化スポットレンズ面の部分を特定する。これらの部分は、その後、陥凹され、光を境界に方向付けるようにディボットを形成する。
【0046】
幾つかの実施態様では、(1)の対応関係は、投影面からレンズ面にグラフィックを背面投影するのに使用される。グラフィックによって占有される投影平面のサブセットをGとし、レンズを通る放射角の対応するセットをB、すなわち、
【数8】
とする。Gは境界∂Gを有し、同様に、Bは境界∂Bを有する。
【0047】
次に、実施形態は、ランバート均一化スポットレンズ上に投影されるグラフィックの境界のトレースに沿って掃引されるデカルトの卵形体の集合体の結合体を求める(530)。例えば、幾つかの実施態様は、レンズがGの外側に光を屈折させるあらゆる箇所においてレンズの表面を陥凹させる新たな関数を以下のように構築する。
【数9】
ここで、C
R(g,φ,θ)は、光を点gに集束させるとともにその表面が元のレンズ面上の対応する点b∈∂BにおいてR(・)に正接するデカルトの卵形体の(φ,θ)における径方向範囲である。デカルトの卵形体の動径関数は、以下のとおりである。
【数10】
ここで、vは光源から卵形体の頂点までの距離であり、p=r
g(c−n)+(n−1)vであり、cは(φ,θ)に沿った光線と、距離r
gにおける対象点gを原点における光源に接続する卵形体の軸との間の角度の余弦である。
【0048】
全てのそのような卵形体にわたるmax(最大値)を取ることによって、あらゆる点がデカルトの卵形体によるものであるデカルトの卵形体の集合体の結合体に対応する集束面が生成される。この集束面は、ランバート均一化スポットレンズの元の表面上でのあらゆる不要な屈折を、グラフィックの境界に光を搬送する屈折と置き換えて(540)、自由形状光学面545を生成する。幾つかの実施形態では、集束面上の点は、それらが寄与する卵形体と異なる表面法線を有し、一般に、これらの法線は、局所的な光線屈折が境界の接線に沿って非常にわずかに変位されるように控えめに傾斜される。
【0049】
異なる実施形態は、max関数を異なる方法で計算する。境界∂Gが単純である幾つかの場合には、集束面を解析的に導出することができる。より一般的には、表面は、最終的には数値サンプルとして作製機に指定されるので、これらのサンプルは、単純な線分及び円形の円弧線分として区分的に境界を表すことと、これらの線分に沿って卵形体を解析的に掃引することと、結果として得られた数式を用いて近傍の陥凹点の径方向範囲を算出することとによって計算することができる。
【0050】
次に、実施形態は、自由形状光学面545を有する光学部品を作製する(550)。例えば、1つの実施形態は、プラスチック光学部品の射出成形を用いて光学部品を作製する。放電加工(EDM)の開発によって、鋳型の金属において光学品質の自由形状光学面を作製する手段がもたらされた。さらに、EDMは、5軸加工及び6軸加工に依拠して、生成される部分と同一寸法の炭素電極として所望の自由形状光学面を生成する。この電極は、それ自体の形状と一致する凹面を金属内に電気的に焼き付け、それによって、所望の形状を溶融プラスチックに与える鋳型キャビティを提供するのに使用される。射出成形よりも部品当たりの費用が高くなり、したがって、通常はプロトタイプ用に用いられるが、射出成形の複製方法よりも優れており、アクリル樹脂等の幾つかの光学材料においては、多軸機械加工技法を用いて自由形状光学面を直接生成することができる。光学ポリマーの3D印刷及び金属シートのロボット変形を含む多くの他の自由形状プロトタイピング技術が存在する。
【0051】
入射光が平行にされる場合について、幾つかの実施形態は、レンズと対象との距離を一定に維持した状態で光源が(−∞,0)に移動したときに上記式の極限をとる。その極限では、レンズ及び投影面はビームの無限に小さな円錐の範囲を定め、したがって、それらの有利な位置から、ランバート点放射器は均一な平行ビームとなり、均一化レンズ面は平坦になり、卵形体は双曲面になり、接触点は常に双曲面頂点である。その結果、全体構成は、
【数11】
の内部が0であり、外側が−∞である高度場を有する双曲面の最大畳み込み(max-convolution)(グレースケールダイレーション(grayscale dilation)としても知られている)に単純化される。
【0052】
平行にされた光を有する実施形態の1つの利点は、レンズ及びレンズ鋳型を、非常に少ない機械加工を用いてフラットストックからカットすることができるということである。特に、平坦な端部及び双曲線の側面プロファイルを有するビットを使用する3軸ミルにおいて標準的なポケッティング技法を用いて、高忠実度の鋳型をカットすることができる。
【0053】
図6A、
図6B及び
図6Cは、様々な実施形態に従って特定された光学部品と、光を自由形状光学面上に照射するように照明器具内に配置された光源620とを有する照明器具の例を示している。例えば、光源620は、自由形状光学面から距離640に配置することができ、そのような距離は自由形状光学面を特定する際に考慮される。例えば、幾つかの実施形態では、自由形状光学面の形状は、広がった光源の放射エリアの形状と、自由形状光学面に対する光源の配置との関数である。
【0054】
異なる実施形態では、自由形状光学面は、片面である場合もあれば両面である場合もある。例えば、例としての照明器具611では、光学部品631は、片面自由形状光学面を有する。光学部品631の自由形状光学面は、光源620から最も遠い面であり、最も近い面は平坦である。例としての照明器具612では、光学部品632の自由形状光学面は両面であり、すなわち、光学部品の両面が自由形状光学面である。例としての照明器具613では、光学部品633の光源620に最も近い表面が自由形状を有する。
【0055】
幾つかの実施形態では、照明器具は、照明器具の外部のスクリーンに対象照明パターンを投影する。こうしたスクリーンの例としては、壁、又は他の任意の平坦面が挙げられる。代替の実施形態では、照明器具の光学部品自体がスクリーンとしての役割を果たすことができる。例えば、1つの実施形態では、光学部品633の自由形状光学面とは反対側の表面650が、つや消しされ、つや消し面上に照明パターンが形成される。さらに又は代替的に、照明器具は、撮像及び表示の目的で二次光学部品を有することができる。
【0056】
図7A、
図7B、及び
図7Cは、幾つかの実施形態によって生成される様々な照明パターンの異なる非限定的な例を示している。明確にするために、照明されたパターンは、黒線を用いて示されている。実際には、それらの例示的な像は反転している可能性がある。例えば、幾つかの実施形態では、照明パターンは、象形文字710又は芸術的な画像720を含む。例えば、照明パターンは、単語730を形成する文字を含むことができる。幾つかの実施形態では、照明パターンは、非対称なパターンである。照明パターンは、輝度勾配を有することもできる。
【0057】
図8は、本発明の幾つかの実施形態による、対象照明パターンの鮮明なエッジの境界の光強度のグラフ820を示している。境界810は、照明/照射パターンの内部から外部を分離する。グラフ上で見られるように、光強度の変化率は、縁部810からの所定の距離830内で、光強度を最小値から最大値まで変化させる。そのような距離830は、集束した像において見られ、熱力学の第二法則によって決定される。
【0058】
本発明の上記で説明した実施形態は、多数の方法のうちの任意のもので実施することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを用いて実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピューターに設けられるのか又は複数のコンピューター間に分散されるのかにかかわらず、任意の適したプロセッサ又はプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは、1つ以上のプロセッサを集積回路部品に有する集積回路として実装することができる。ただし、プロセッサは、任意の適したフォーマットの回路類を用いて実装することができる。
【0059】
また、本発明の実施形態は、例が提供された方法として実施することができる。この方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法で順序付けすることができる。したがって、動作が示したものと異なる順序で実行される実施形態を構築することができ、これには、例示の実施形態では一連の動作として示されたにもかかわらず、幾つかの動作を同時に実行することを含めることもできる。
【0060】
請求項の要素を修飾する、特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の序数の使用は、それ自体で、或る請求項の要素の別の請求項の要素に対する優先順位も、優位性も、順序も暗示するものでもなければ、方法の動作が実行される時間的な順序も暗示するものでもなく、請求項の要素を区別するために、単に、或る特定の名称を有する或る請求項の要素を、同じ(序数の用語の使用を除く)名称を有する別の要素と区別するラベルとして用いられているにすぎない。