(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2取付部及び前記接続部のうち、一方には突起部が設けられており、他方には前記突起部が挿入された挿入穴が設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電動駆動装置を示す断面図である。本実施の形態による電動駆動装置1は、自動車などの車両に搭載される車両用電動パワーステアリング装置の駆動装置として用いられる。電動駆動装置1は、ハウジング2、モータ3、制御ユニット4、プレート部材5、フレーム7及び複数の導電部材6を有している。
【0010】
ハウジング2は、開口部が設けられたケース21と、ケース21の開口部を塞いでいるカバー22とを有している。
【0011】
ケース21は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。この例では、アルミニウムなどの金属でケース21が構成されている。また、ケース21は、軸線を持つ筒状部211と、筒状部211の軸線方向一端部を塞ぐ端壁部212とを有している。筒状部211の軸線は、ケース21の軸線にもなっている。
【0012】
端壁部212の中央部には、貫通孔が設けられている。端壁部212の外周部には、複数の取付部21aが設けられている。各取付部21aには、ボルトを通すボルト通し孔が設けられている。
【0013】
筒状部211の軸線方向他端部には、ケース21の開口部が形成されている。カバー22は、ケース21の開口部を塞いだ状態で筒状部211の軸線方向他端部にねじ27によって取り付けられている。カバー22は、電気絶縁性を持つ材料で構成されている。この例では、カバー22を構成する材料として樹脂が用いられている。
【0014】
カバー22には、ハウジング2の内側に開放されたフィルタ室24が形成されている。フィルタ室24は、カバー22の略中央部がハウジング2の外側へ窪んで形成された空間である。
【0015】
モータ3は、ケース21に収容されている。制御ユニット4は、モータ3とカバー22との間に配置されている。フレーム7は、モータ3と制御ユニット4との間に配置されている。
【0016】
フレーム7は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。この例では、アルミニウムなどの金属でフレーム7が構成されている。フレーム7の形状は、筒状部211の内面に嵌る形状になっている。フレーム7は、フレーム7の外周部が筒状部211の内面に接触した状態でケース21に取り付けられている。これにより、フレーム7は、ケース21に電気的及び熱的に接続されている。フレーム7の中央部には、貫通孔が設けられている。
【0017】
モータ3は、ケース21と同軸に配置された出力軸31と、出力軸31に固定されたロータ32と、ロータ32の外周部を囲む筒状のステータ33とを有している。この例では、モータ3が三相のブラシレスモータになっている。
【0018】
出力軸31は、第1端部及び第2端部を有している。出力軸31の第1端部は、端壁部212に設けられた貫通孔に通されている。出力軸31の第2端部は、フレーム7に設けられた貫通孔に通されている。出力軸31は、各貫通孔に嵌められた軸受20を介して端壁部212及びフレーム7のそれぞれに回転自在に支持されている。出力軸31の第1端部は、電動駆動装置1の出力部になっている。
【0019】
ロータ32は、出力軸31に固定されたロータコアと、ロータコアに設けられた複数の永久磁石とを有している。ロータ32には、複数の永久磁石によって複数の極対が形成されている。ロータ32は、出力軸31の軸線を中心として出力軸31と一体に回転する。
【0020】
ステータ33は、筒状部211の内面に固定されている。また、ステータ33は、出力軸31と同軸に配置されている。ステータ33の内周面とロータ32の外周面との間には、隙間が存在している。
【0021】
ステータ33は、筒状のステータコア331と、ステータコア331に設けられた三相のステータ巻線332とを有している。この例では、三相のステータ巻線332の結線がスター結線になっている。なお、三相のステータ巻線332の結線は、デルタ結線であってもよい。また、各相のステータ巻線332は、ステータコア331に分布巻きで設けられていてもよいし、ステータコア331に集中巻きで設けられていてもよい。さらに、モータ3は、例えば2極2対のブラシ付きモータであってもよい。
【0022】
ステータコア331には、環状の接続リング34が支持されている。接続リング34は、ステータ33とフレーム7との間に配置されている。接続リング34には、フレーム7をそれぞれ貫通する3本の引出線35が取り付けられている。各相のステータ巻線332は、各引出線35を介して制御ユニット4に接続されている。なお、
図1では、3本の引出線35のうち1本の引出線35のみを示している。
【0023】
制御ユニット4は、3本の引出線35を通して各相のステータ巻線332に電流を供給する。ロータ32は、各相のステータ巻線332への電流の供給によって出力軸31と一体に回転する。
【0024】
制御ユニット4は、フレーム7に取り付けられた制御ユニット本体41と、カバー22のフィルタ室24に配置されたフィルタ部42とを有している。
【0025】
制御ユニット本体41は、各相のステータ巻線332への電流を調整することによりモータ3を制御する。また、制御ユニット本体41は、基板43と、基板43にそれぞれ搭載されたインバータ回路44、制御回路45及び電源リレー46とを有している。
【0026】
基板43は、出力軸31の軸線と直交して配置されている。基板43には、インバータ回路44、制御回路45及び電源リレー46を電気的に接続する金属製のパターンがプリントされている。
【0027】
出力軸31の回転は、回転センサ10によって検出される。回転センサ10は、出力軸31の第2端部に設けられた永久磁石であるセンサ用マグネットと、基板43に設けられたセンサ部とを有している。回転センサ10のセンサ用マグネットは、出力軸31と一体に回転する。回転センサ10のセンサ部は、出力軸31の軸線方向においてセンサ用マグネットと対向している。回転センサ10のセンサ部は、出力軸31の回転に応じて変化するセンサ用マグネットの磁界を検出する。これにより、回転センサ10は、出力軸31の回転に応じた情報を発生する。
【0028】
なお、回転センサ10は、レゾルバセンサであってもよい。レゾルバセンサは、フレーム7に固定されたセンサ部と、出力軸31の第2端部に設けられたセンサロータとを有する。センサロータは、出力軸31の軸線方向においてセンサ部と同じ位置に配置される。また、センサロータは、出力軸31と一体に回転する。センサロータは、複数の凹凸部がセンサロータの周方向に並んで形成された電磁鋼材である。レゾルバセンサのセンサ部は、センサロータの回転によって変化する磁界を検出する。回転センサ10がレゾルバセンサであっても、回転センサ10は、出力軸31の回転に応じた情報を発生する。
【0029】
ここで、
図2は、
図1の電動駆動装置1の電気回路図である。車両には、バッテリ13が搭載されている。バッテリ13の+端子は、バッテリ電源ライン131を介してフィルタ部42に電気的に接続されている。バッテリ13の−端子は、グランドライン132を介してフィルタ部42に電気的に接続されている。グランドライン132は、ボディグランドとしての車体に電気的に接続されている。これにより、グランドライン132は、グランド接続されている。
【0030】
制御回路45は、CPU(Central Processing Unit)451、駆動回路452、入力回路453及び電源回路454を有している。
【0031】
バッテリ電源ライン131及び電源回路454間には、イグニッションスイッチ14が電気的に接続されている。電源回路454は、イグニッションスイッチ14が閉じることによりバッテリ13から制御回路45へ電力を供給する。
【0032】
入力回路453には、車両に設けられた複数のセンサを含むセンサ類11と、出力軸31の回転を検出する回転センサ10とのそれぞれからの情報が送られる。センサ類11には、ステアリングホイールの操舵によるトルクを検出するトルクセンサ、及び車両の速度を検出する速度センサが含まれている。
【0033】
CPU451には、回転センサ10及びセンサ類11のそれぞれからの情報が入力回路453から送られる。CPU451は、回転センサ10及びセンサ類11のそれぞれからの情報に基づいて、モータ3の出力軸31を回転させるための制御量である電流値を演算する。CPU451によって演算された電流値は、操舵力をアシストするために必要なアシストトルクに応じた電流値である。
【0034】
駆動回路452には、CPU451によって演算された電流値の情報がCPU451から送られる。駆動回路452は、CPU451から受けた電流値の情報に応じたインバータ駆動信号をインバータ回路44へ出力する。また、駆動回路452は、CPU451からの指令に応じて、インバータ駆動信号とは異なるリレー駆動信号をインバータ回路44及び電源リレー46へ出力する。
【0035】
インバータ回路44は、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wを有している。U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wは、並列接続されている。
【0036】
U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれは、U相、V相及びW相のそれぞれのステータ巻線332に各引出線35を介して電気的に個別に接続されている。U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれの回路構成は、U相、V相及びW相のそれぞれのステータ巻線332に対して同一の構成である。
【0037】
U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれは、コンデンサ442、上アームスイッチング素子443、下アームスイッチング素子444、シャント抵抗445及びモータリレースイッチング素子446を有している。U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれでは、コンデンサ442、上アームスイッチング素子443、下アームスイッチング素子444、シャント抵抗445及びモータリレースイッチング素子446がモールド成型によって一体化されている。
【0038】
U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれでは、上アームスイッチング素子443、下アームスイッチング素子444及びシャント抵抗445が直列接続された構成部分に対してコンデンサ442が並列接続されている。また、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれでは、モータ3のステータ巻線332が上アームスイッチング素子443及び下アームスイッチング素子444間にモータリレースイッチング素子446を介して電気的に接続されている。
【0039】
コンデンサ442は、ノイズを抑制するためのコンデンサである。シャント抵抗445は、電流を検出するための抵抗である。
【0040】
モータリレースイッチング素子446は、リレー駆動信号に応じて、オン動作及びオフ動作を行う。インバータ回路44とステータ巻線332との電気的接続の実行及び遮断は、モータリレースイッチング素子446のオン動作及びオフ動作によって行われる。これにより、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441WからU相、V相及びW相のステータ巻線332への電流の供給及び停止を各モータリレースイッチング素子446の動作によって個別に行うことが可能になっている。
【0041】
上アームスイッチング素子443及び下アームスイッチング素子444は、オン動作及びオフ動作のスイッチングを繰り返すことにより、ステータ巻線332に供給する三相交流電流を調整する。
【0042】
入力回路453には、シャント抵抗445の両端部間の電位差の情報、及びステータ巻線332の端子の電圧の情報も送られる。CPU451は、これらの情報に基づく検出値と、演算した電流値との差異を演算して、いわゆるフィードバック制御を行う。これにより、モータ3に供給する電流に応じたインバータ駆動信号が駆動回路452からインバータ回路44へ送られる。
【0043】
インバータ回路44は、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれの上アームスイッチング素子443及び下アームスイッチング素子444をインバータ駆動信号に応じてスイッチングさせることにより、モータ3に三相交流電流を供給する。これにより、モータ3は、操舵力をアシストする出力を発生する。
【0044】
制御ユニット本体41では、インバータ回路44の電流のPWM(Pulse Width Modulation)制御によってノイズが発生する。フィルタ部42は、制御ユニット本体41から外部へノイズが放射されることを防止する。フィルタ部42は、EMI(Electromagnetic Interference)フィルタと呼ばれている。
【0045】
フィルタ部42は、コモンモードコイル421、ノーマルモードコイル422、Xコンデンサ423,424及びYコンデンサ425,426を有している。
【0046】
コモンモードコイル421は、バッテリ電源ライン131とグランドライン132との間でノイズを除去するためのコイルである。ノーマルモードコイル422は、バッテリ電源ライン131でノイズを除去するためのコイルである。コモンモードコイル421は、バッテリ電源ライン131及びグランドライン132間に電気的に接続されている。ノーマルモードコイル422は、コモンモードコイル421及び電源リレー46間に電気的に接続されている。
【0047】
Xコンデンサ423,424は、アクロスザラインコンデンサと呼ばれている。Xコンデンサ423,424は、コモンモードコイル421のバッテリ13側及びインバータ回路44側のそれぞれでバッテリ電源ライン131及びグランドライン132間に電気的に接続されている。
【0048】
Yコンデンサ425,426は、ラインバイパスコンデンサと呼ばれている。Yコンデンサ425,426は、バッテリ電源ライン131及びグランドライン132間に電気的に直列接続されている。直列接続された2つのYコンデンサ425,426の間の中点は、ケースグランド101としてのケース21に電気的に接続されている。
【0049】
電源リレー46は、フィルタ部42とインバータ回路44との間に電気的に接続されている。また、電源リレー46は、2個のスイッチング素子で構成されている。電源リレー46は、駆動回路452からのリレー駆動信号に応じて、フィルタ部42とインバータ回路44との間の電気的接続の実行及び遮断を行う。フィルタ部42とインバータ回路44との間の電気的接続が電源リレー46によって遮断されることにより、バッテリ13からモータ3への電流の供給が停止される。
【0050】
CPU451は、入力回路453からの情報に基づいて、センサ類11、駆動回路452、インバータ回路44、ステータ巻線332などの異常を検出する異常検出機能を有している。CPU451は、異常を検出したとき、電源リレー46及びインバータ回路44の少なくともいずれかを当該異常に応じて制御する。各相のステータ巻線332のいずれかのみの電流の供給が停止されるときには、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのいずれかの上アームスイッチング素子443、下アームスイッチング素子444及びモータリレースイッチング素子446がCPU451の制御によりオフになる。モータ3自体への電流の供給が停止されるときには、電源リレー46がCPU451の制御によりオフになる。
【0051】
制御ユニット本体41は、
図1に示すように、ケース21に収容されている。制御ユニット本体41が発生するノイズの外部への放射は、導電性を持つケース21によって抑制される。ケース21は、取付部21aのボルト通し孔に通されたボルトによって車体に取り付けられる。これにより、ケース21は、
図2のボディグランド100としての車体に電気的に接続される。ケース21がボディグランド100に電気的に接続されることにより、モータ3がケース21を介してグランド接続される。
【0052】
基板43には、基板43の厚さ方向に対向する第1面と第2面とが形成されている。基板43は、基板43の第2面をフレーム7に向けた状態で配置されている。
【0053】
制御ユニット4の各電子部品は、電流が流れることにより発熱する発熱部品である。制御回路45に含まれる複数の電子部品は、第1の発熱部品として基板43の第1面に搭載されている。インバータ回路44及び電源リレー46のそれぞれに含まれる複数の電子部品は、第2の発熱部品として基板43の第2面に搭載されている。従って、CPU451は、第1の発熱部品として基板43の第1面に搭載されている。また、電源リレー46、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wは、第2の発熱部品として基板43の第2面側に分散して搭載されている。なお、
図1では、インバータ回路44の中でU相パワーモジュール441Uのみを示している。
【0054】
電源リレー46、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wは、絶縁性及び熱伝導性を持つボンド又はグリスを介してフレーム7にそれぞれ配置されている。これにより、電源リレー46、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V及びW相パワーモジュール441Wのそれぞれからの熱は、フレーム7を介してケース21に放散される。これにより、フレーム7は、制御ユニット本体41のヒートシンクとして機能する。
【0055】
制御回路45は、基板43の第1面及び第2面のそれぞれに搭載されている。これにより、制御回路45は、基板43の第1面に搭載された第1の発熱部品と、基板43の第2面に搭載された第2の発熱部品とを有している。
【0056】
プレート部材5は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。この例では、アルミニウムなどの金属でプレート部材5が構成されている。また、プレート部材5は、制御ユニット本体41とカバー22との間に配置されている。これにより、プレート部材5は、ケース21内で制御ユニット本体41を覆っている。プレート部材5の形状は、ケース21の筒状部211の内面に嵌る形状、即ちケース21の開口部を塞ぐ形状になっている。プレート部材5の外周部は、ケース21とカバー22との間に挟まれている。
【0057】
プレート部材5は、プレート部材5の外周部がケース21の内面に接触した状態でハウジング2内に保持されている。これにより、プレート部材5は、ケース21に電気的に接続されている。プレート部材5は、ケース21が
図2のボディグランド100としての車体に電気的に接続されることにより、ケース21及び車体と同電位となる。即ち、プレート部材5は、グランド接続される。制御ユニット本体41が発生するノイズの外部への放射は、ケース21だけでなくプレート部材5によっても抑制される。
【0058】
また、プレート部材5は、ケース21の内面に接触しているプレート本体部51と、プレート本体部51に形成された複数の第1取付部52と、プレート本体部51に形成され、各第1取付部52と異なる位置に設けられた第2取付部53とを有している。
【0059】
プレート本体部51の外形は、筒状部211の内面に嵌る形状になっている。また、プレート本体部51は、基板43と平行に配置されている。
【0060】
各第1取付部52は、制御回路45の各第1の発熱部品に個別に取り付けられている。制御回路45の各第1の発熱部品は、基板43にはんだ部によって接続されている。この例では、絶縁性及び熱伝導性を持つボンド又はグリスを介して制御回路45の第1の発熱部品に第1取付部52が取り付けられている。これにより、制御回路45の各第1の発熱部品からの熱は、プレート部材5を介してケース21に放散される。即ち、プレート部材5は、制御回路45のヒートシンクとして機能する。
【0061】
制御回路45の各第2の発熱部品は、絶縁性及び熱伝導性を持つボンドまたはグリスを介してフレーム7に熱的に接続されている。
【0062】
また、各第1取付部52は、プレート本体部51から制御回路45に向けて突出している。各第1取付部52には、第1の発熱部品に取り付けられる取付面が形成されている。各第1取付部52の取付面の裏側の面、即ち各第1取付部52のカバー22側の面は、プレート本体部51に対して窪んでいる。
【0063】
カバー22には、取付用穴28が形成されている。取付用穴28は、出力軸31の軸線方向へカバー22を貫通する貫通孔である。また、取付用穴28は、出力軸31の軸線方向において第2取付部53と対向している。
【0064】
カバー22には、電源コネクタ25及び信号コネクタ26が設けられている。この例では、フィルタ室24の壁を含むカバー22と、電源コネクタ25とが樹脂材料で一体成型されている。
【0065】
電源コネクタ25内には、電源ターミナル63と、グランドターミナルとが露出している。電源ターミナル63は、バッテリ13の+端子に
図2のバッテリ電源ライン131を介して電気的に接続される。グランドターミナルは、バッテリ13の−端子に
図2のグランドライン132を介して電気的に接続される。バッテリ13からの電流は、電源コネクタ25を通ってフィルタ部42へ供給される。センサ類11からの情報は、信号コネクタ26を通って制御回路45の入力回路453へ送られる。
【0066】
複数の導電部材6は、カバー22に設けられている。複数の導電部材6は、樹脂モールドによってカバー22と一体になっている。
【0067】
各導電部材6は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。この例では、銅などの金属で各導電部材6が構成されている。複数の導電部材6には、フィルタ部42の各部品、即ちコモンモードコイル421、ノーマルモードコイル422、Xコンデンサ423,424及びYコンデンサ425,426のそれぞれの端子が接続されている。これにより、フィルタ部42の
図2の回路構成が形成されている。
【0068】
カバー22には、電源ターミナル63に繋がった導電部材と、グランドターミナルに繋がった導電部材と、Yコンデンサ425,426の一方の端子が接続された導電部材とが導電部材6として少なくとも設けられている。
【0069】
Yコンデンサ425,426の一方の端子が接続された導電部材6は、プレート部材5に接続されるプレート接続用の導電部材6とされている。プレート接続用の導電部材6は、カバー22に固定されている導電部材本体部61と、導電部材本体部61から延びる接続部62とを有している。
【0070】
導電部材本体部61は、カバー22に埋め込まれている。接続部62は、カバー22からカバー22の外部へ突出している。カバー22には、取付用穴28を塞ぐ蓋29が取り付けられている。蓋29は、プレート接続用の導電部材6の接続部62を覆っている。
【0071】
第2取付部53は、プレート本体部51から接続部62に向けて突出している。第2取付部53には、接続部62が取り付けられる取付面が形成されている。第2取付部53の取付面の裏側の面、即ち第2取付部の制御ユニット本体41側の面は、プレート本体部51に対して窪んでいる。
【0072】
第2取付部53には、ねじ穴が設けられている。接続部62は、第2取付部53のねじ穴にねじ込まれたねじ64によって第2取付部53に取り付けられている。これにより、第2取付部53の取付面には、接続部62が接触している。プレート接続用の導電部材6には、接続部62が第2取付部53に接触することにより、プレート部材5に電気的及び熱的に接続されている。即ち、プレート接続用の導電部材6は、ねじ64及びプレート部材5を介してケース21に電気的及び熱的に接続されている。
【0073】
従って、プレート接続用の導電部材6、ねじ64及びプレート部材5は、
図2の2つのYコンデンサ425,426間の中点とケースグランド101とを電気的に接続するケースグランドラインを構成している。また、制御回路45の各第1の発熱部品からの熱は、プレート部材5を介してケース21へ放散されるだけでなく、プレート部材5及びプレート接続用の導電部材6を介してもハウジング2の外部へ放散される。
【0074】
図3は、
図1の接続部62を示す拡大断面図である。また、
図4は、
図3の接続部62を示す上面図である。なお、
図3は、
図4のIII−III線に沿った断面図である。プレート接続用の導電部材6では、取付用穴28の空間を介して互いに対向する2つの導電部材本体部61が接続部62を介して繋がっている。一方の導電部材本体部61には、端子接続用穴65が設けられている。端子接続用穴65は、カバー22に設けられた貫通孔30内に露出している。Yコンデンサ425,426の一方の端子は、導電部材本体部61の端子接続用穴65に接続されている。
【0075】
接続部62は、2つの導電部材本体部61から第2取付部53に向けて突出している。また、接続部62は、第2取付部53よりも弾性変形しやすくなっている。さらに、接続部62は、プレート部材5における第2取付部53以外の部分、即ちプレート本体部51及び第1取付部52のそれぞれよりも弾性変形しやすくなっている。さらにまた、接続部62が変形する荷重は、制御ユニット本体41の耐荷重に基づいて設定されている。制御ユニット本体41がプレート部材5の第1取付部52から受ける荷重は、制御ユニット本体41の耐荷重よりも小さくなる。この例では、接続部62の厚さが第2取付部53の厚さよりも薄くなっている。これにより、この例では、接続部62が第2取付部53よりもたわみやすくなっている。
【0076】
接続部62は、2つの導電部材本体部61のそれぞれから取付用穴28の空間に延びる一対の板状の根元部621と、一対の根元部621よりも第2取付部53に近い位置に配置された板状の接触部623と、一対の根元部621のそれぞれと接触部623とを連結する一対の板状の連結部622とを有している。接触部623は、一対の連結部622のそれぞれの端部間に繋がっている。接続部62は、接触部623を第2取付部53の取付面に接触させた状態で第2取付部53に取り付けられている。接触部623には、ねじ64を通す通し穴が設けられている。
【0077】
カバー22の組付け時、又はねじ64の締め付け時の押付力によって接続部62が第2取付部53に押し付けられている状態では、第2取付部53に対する接続部62の圧力が接続部62の弾性変形によって緩和されている。また、接続部62がねじ64の締め付けによって第2取付部53を引いている状態でも、接続部62からプレート部材5が受ける力が接続部62の弾性変形によって緩和される。これにより、プレート部材5から制御回路45の各第1の発熱部品及びはんだ部に加わる圧力が過度に大きくなることが防止される。
【0078】
このような電動駆動装置1では、カバー22に設けられたプレート接続用の導電部材6が、カバー22から突出している接続部62を有している。また、プレート部材5は、制御ユニット本体41に取り付けられた第1取付部52と、接続部62が取り付けられた第2取付部53とを有している。さらに、接続部62は、プレート部材5における第2取付部53以外の部分、即ちプレート本体部51及び第1取付部52のそれぞれよりも弾性変形しやすくなっている。
【0079】
このため、プレート部材5が車体に電気的に接続されることにより、制御ユニット本体41が発生するノイズを遮蔽するシールドとしてプレート部材5を機能させることができる。従って、制御ユニット本体41からハウジング2の外部へのノイズの放射をプレート部材5によって抑制することができる。また、接続部62からプレート部材5に力が加わったときに接続部62を積極的に弾性変形させることができる。これにより、プレート部材5の第1取付部52から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることを防止することができる。従って、制御ユニット4の破損の発生を抑制することができる。
【0080】
また、接続部62は、導電部材本体部61から第2取付部53に向けて突出している。このため、第2取付部53をプレート本体部51から大きく突出させる必要がなくなる。これにより、プレート部材5の加工を容易にすることができ、コストの低減化を図ることができる。また、プレート部材5を大きく変形させる加工をなくすことができる。これにより、プレート部材5の寸法精度の向上を図ることもできる。
【0081】
また、第2取付部53は、プレート本体部51から接続部62に向けて突出している。このため、第2取付部53の取付面の位置をカバー22に近づけることができる。これにより、第2取付部53に接続部62を取り付けやすくすることができる。
【0082】
また、接続部62は、第2取付部53よりも弾性変形しやすくなっている。このため、接続部62を積極的に弾性変形させることができ、意図しないプレート部材5の変形によって生じる不具合の防止を図ることができる。
【0083】
また、プレート部材5は、導電性を持つ材料で構成されたケース21に電気的に接続されている。このため、ケース21を介してプレート部材5を車体に電気的に接続することができる。これにより、制御ユニット4のグランド接続をより確実に行うことができる。
【0084】
また、プレート部材5及びケース21のそれぞれは、熱伝導性を持つ材料で構成されている。さらに、制御ユニット本体41は、CPU451を含む複数の電子部品を第1の発熱部品として有している。さらにまた、プレート部材5は、制御ユニット本体41の第1の発熱部品及びケース21に取り付けられている。このため、制御ユニット本体41の第1の発熱部品からの熱を、プレート部材5及びケース21を介してハウジング2の外部へ効果的に放散させることができる。
【0085】
また、フレーム7及びケース21のそれぞれは、熱伝導性を持つ材料で構成されている。さらに、制御ユニット本体41は、U相パワーモジュール441U、V相パワーモジュール441V、W相パワーモジュール441W及び電源リレー46を第2の発熱部品として有している。さらにまた、制御ユニット本体41の各第2の発熱部品は、ケース21に取り付けられたフレーム7に、絶縁性及び熱伝導性を持つボンドまたはグリスを介して配置されている。このため、制御ユニット本体41の各第2の発熱部品からの熱を、フレーム7及びケース21を介してハウジング2の外部へ効果的に放散させることができる。
【0086】
また、接続部62を有するプレート接続用の導電部材6は、電源ターミナル63に繋がった導電部材、及びグランドターミナルに繋がった導電部材とは別の導電部材である。このため、接続部62及び第2取付部53のそれぞれの位置の自由度を向上させることができる。
【0087】
なお、上記の例では、第2の発熱部品、即ちインバータ回路44及び電源リレー46が基板43の第2面に搭載されている。しかし、第2の発熱部品は、フレーム7に搭載されていてもよい。
【0088】
この場合、フレーム7は、
図5に示すように、ヒートシンクとしての放熱部材71と、放熱部材71の基板43側に配置された部品搭載部材72とを有する。部品搭載部材72は、導電性を持つ複数のターミナルを樹脂で一体に形成した部材である。また、この場合、第2の発熱部品は、部品搭載部材72に搭載される。これにより、第2の発熱部品は、放熱部材71と部品搭載部材72との間の空間に第2の発熱部品の放熱面を放熱部材71に向けて配置される。また、第2の発熱部品は、絶縁性及び熱伝導性を持つボンド又はグリスを介して放熱部材71に配置される。さらに、この場合、インバータ回路44及び電源リレー46のそれぞれの電源系端子、即ち第2の発熱部品の電源系端子は、部品搭載部材72のターミナルを介して電源ターミナル63に電気的に接続され、インバータ回路44及び電源リレー46のそれぞれの信号系端子は、はんだなどによって基板43に直接電気的に接続される。また、この場合、放熱部材71には、電源コネクタ25のグランドターミナルに電気的に接続された部品搭載部材72のターミナルが電気的に接続される。
【0089】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2による電動駆動装置のプレート接続用の導電部材がプレート部材に取り付けられている状態を示す要部断面図である。また、
図7は、
図6の接続部を示す上面図である。なお、
図6は、
図7のVI−VI線に沿った断面図である。接続部62は、互いに対向する2つの導電部材本体部61からそれぞれ延びる一対の突出部620を有している。一対の突出部620は、互いに分離している。これにより、一対の突出部620は、互いに独立して変形可能になっている。
【0090】
各突出部620は、導電部材本体部61から取付用穴28の空間に延びる板状の根元部621と、根元部621よりも第2取付部53に近い位置に配置された板状の接触部624と、根元部621と接触部624とを連結する板状の連結部622とを有している。各突出部620のそれぞれの形状は、根元部621、連結部622及び接触部624によってZ字状になっている。
【0091】
各接触部624には、結合具としてのねじ64を通す通し穴624aが設けられている。各通し穴624aは、
図7に示すように、プレート接続用の導電部材6の長手方向に沿った長穴である。
【0092】
各接触部624は、第2取付部53の取付面に出力軸31の軸線方向へ順次重なっている。また、各接触部624は、各通し穴624aの位置を合わせて互いに重なっている。さらに、各接触部624は、各通し穴624aに通されたねじ64が第2取付部53のねじ穴にねじ込まれることによって第2取付部53に取り付けられている。これにより、一対の突出部620は、ねじ64によって第2取付部53にまとめて取り付けられている。
【0093】
第2取付部53の取付面には、各接触部624のうち、第2取付部53に近い一方の接触部624が接触している。また、各接触部624は、互いに接触している。これにより、プレート接続用の導電部材6は、プレート部材5に電気的及び熱的に接続されている。
【0094】
取付用穴28の形状は、
図7に示すように、長方形になっている。取付用穴28の長方形の長辺に沿った方向は、プレート接続用の導電部材6の長手方向に一致している。これにより、各突出部620のそれぞれの根元部621がカバー22から突出している長さの拡大が図られている。
【0095】
各接触部624が第2取付部53に順次重なった状態でねじ64によって各接触部624が締め付けられると、第2取付部53に対するねじ64の締め付けの圧力が各接触部624に加わる。これにより、各連結部622が互いに離れる方向、又は各連結部622が互いに近づく方向へ一対の突出部620が弾性変形する。第2取付部53が接続部62から受ける力は、一対の突出部620が弾性変形することにより緩和される。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0096】
このような電動駆動装置1では、接続部62の一対の突出部620が互いに分離されている。また、一対の突出部620は、ねじ64によって第2取付部53にまとめて取り付けられている。このため、一対の突出部620を個別に弾性変形させることができる。これにより、実施の形態1よりも接続部62をさらに弾性変形しやすくすることができる。従って、プレート部材5から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることをさらに確実に防止することができ、制御ユニット4の破損の発生をさらに確実に抑制することができる。
【0097】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による電動駆動装置のプレート接続用の導電部材がプレート部材に取り付けられている状態を示す要部断面図である。また、
図9は、
図8の接続部を示す上面図である。なお、
図8は、
図9のVIII−VIII線に沿った断面図である。一対の突出部620のそれぞれの接触部624は、連結部622の幅よりも狭い幅を持つ細板部624bを有している。各接触部624は、プレート接続用の導電部材6の幅方向に各細板部624bを互いに離した状態で同一平面上に配置されている。これにより、各細板部624bの間には、ねじ64が通る程度の空間が生じている。
【0098】
各接触部624は、各細板部624bの間の空間に通されたねじ64が第2取付部53のねじ穴にねじ込まれることによって第2取付部53に取り付けられている。これにより、一対の突出部620は、ねじ64によって第2取付部53にまとめて取り付けられている。
【0099】
第2取付部53の取付面には、各接触部624のそれぞれが接触している。これにより、プレート接続用の導電部材6は、プレート部材5に電気的及び熱的に接続されている。
【0100】
ねじ64によって各接触部624が締め付けられると、第2取付部53に対するねじ64の締め付けの圧力が各接触部624に加わる。これにより、各連結部622が互いに離れる方向、又は各連結部622が互いに近づく方向へ一対の突出部620が弾性変形する。第2取付部53が接続部62から受ける力は、一対の突出部620が弾性変形することにより緩和される。他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0101】
このように、各接触部624を第2取付部53に接触させた状態で一対の突出部620をねじ64によって第2取付部53にまとめて取り付けるようにしても、実施の形態2と同様に、接続部62をさらに弾性変形させやすくすることができる。これにより、プレート部材5から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることをさらに確実に防止することができ、制御ユニット4の破損の発生をさらに確実に抑制することができる。
【0102】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4による電動駆動装置のプレート接続用の導電部材がプレート部材に取り付けられている状態を示す要部断面図である。第2取付部53の取付面には、突起部15が設けられている。突起部15は、第2取付部53の取付面から接続部62に向けて突出している。また、突起部15は、第2取付部53と同じ材料で構成されている。
【0103】
一対の連結部622のそれぞれの端部間に繋がった接触部623には、突起部15が挿入される貫通孔である挿入穴16が設けられている。接続部62は、突起部15が挿入穴16に挿入された状態で第2取付部53に取り付けられている。
【0104】
突起部15が挿入穴16に挿入されている状態では、突起部15の外周面と挿入穴16の内周面との間に隙間が生じている。突起部15が挿入穴16に挿入されるときには、突起部15が挿入穴16に圧入されないため、第2取付部53が接続部62から受ける力が軽減される。
【0105】
接続部62が第2取付部53に取り付けられている状態では、突起部15と接触部623とを電気的及び熱的に接続する導電材17が突起部15を覆っている。この例では、はんだ又は導電性接着剤が導電材17として用いられている。また、接続部62が第2取付部53に取り付けられている状態では、接触部623が第2取付部53に接触している。これにより、プレート接続用の導電部材6は、プレート部材5に電気的及び熱的に接続されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0106】
このような電動駆動装置1では、突起部15が第2取付部53に設けられ、突起部15が挿入された挿入穴16が接続部62の接触部623に設けられている。このため、突起部15を挿入穴16に挿入することにより、接続部62を第2取付部53に取り付けることができる。これにより、接続部62を第2取付部53に取り付ける作業を容易にすることができる。また、接続部62を第2取付部53に取り付ける結合具をなくすことができる。これにより、電動駆動装置1の部品点数を減らすことができ、コストの低減化を図ることができる。
【0107】
なお、上記の例では、突起部15が第2取付部53に設けられ、挿入穴16が接続部62の接触部623に設けられている。しかし、突起部15を接続部62の接触部623に設け、突起部15が挿入される挿入穴16を第2取付部53に設けてもよい。
【0108】
また、上記の例では、導電材17が突起部15を覆っている。しかし、導電材17は、なくてもよい。
【0109】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5による電動駆動装置のプレート接続用の導電部材がプレート部材に取り付けられている状態を示す要部断面図である。一対の根元部621のそれぞれの一部は、薄肉部621aになっている。薄肉部621aの厚さは、接続部62の薄肉部621a以外の部分の厚さよりも薄くなっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0110】
このような電動駆動装置1では、各根元部621のそれぞれの一部が薄肉部621aになっている。このため、接続部62の薄肉部621a以外の部分よりも各薄肉部621aで弾性変形しやすくすることができる。これにより、接続部62をさらに弾性変形しやすくすることができる。従って、プレート部材5の第1取付部52から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることをさらに確実に防止することができ、制御ユニット4の破損の発生をさらに確実に抑制することができる。
【0111】
なお、上記の例では、接続部62の薄肉部621a以外の部分の厚さよりも薄肉部621aの厚さが薄くなっている。しかし、接続部62の薄肉部621a以外の部分の幅方向寸法よりも薄肉部621aの幅方向寸法を小さくしてもよい。
【0112】
また、上記の例では、薄肉部621aが根元部621の一部のみになっている。しかし、根元部621の全部を薄肉部621aとしてもよい。さらに、連結部622及び接触部624の少なくともいずれかの一部又は全部を薄肉部621aとしてもよい。
【0113】
また、上記の例では、接続部62の一部が薄肉部621aになっている。しかし、プレート部材5の第2取付部53の一部又は全部を薄肉部にしてもよい。この場合、第2取付部53の薄肉部の厚さは、プレート本体部51の厚さよりも薄くなる。
【0114】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6による電動駆動装置のプレート接続用の導電部材がプレート部材に取り付けられている状態を示す要部断面図である。一対の根元部621のそれぞれの一部は、S字状に曲がった曲がり部621bになっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0115】
このような電動駆動装置1では、各根元部621のそれぞれの一部が曲がり部621bになっている。このため、接続部62の曲がり部621b以外の部分よりも各曲がり部621bで弾性変形しやすくすることができる。これにより、接続部62をさらに弾性変形しやすくすることができる。従って、プレート部材5の第1取付部52から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることをさらに確実に防止することができ、制御ユニット4の破損の発生をさらに確実に抑制することができる。
【0116】
なお、実施の形態1〜3、5及び6では、接続部62を第2取付部53に取り付ける結合具としてねじ64が用いられている。しかし、接続部62を第2取付部53に機械的に取り付けることができる結合具であれば、ねじ64に限定されない。例えば、リベットを結合具として用いてもよい。また、結合具を使用せず、溶接、熱かしめ又はかしめによって、接続部62を第2取付部53に取り付けてもよい。熱かしめとしては、ヒュージングなどが挙げられる。
【0117】
また、各上記実施の形態では、駆動回路452に小電流しか流れないことから、駆動回路452が制御回路45に含まれている。しかし、インバータ回路44に駆動回路452を含めることもできる。この場合、駆動回路452は、基板43の第2面に搭載される。
【0118】
また、駆動回路452がインバータ回路44に含まれる場合、駆動回路452は、基板43ではなく、フレーム7に搭載されていてもよい。この場合、フレーム7は、
図5と同様に、ヒートシンクとしての放熱部材71と、放熱部材71の基板43側に配置された部品搭載部材72とを有する。部品搭載部材72は、導電性を持つ複数のターミナルを樹脂で一体に形成した部材である。また、この場合、駆動回路452は、部品搭載部材72に搭載される。これにより、駆動回路452に含まれる電子部品は、フレーム7の放熱部材71と部品搭載部材72との間の空間に電子部品の放熱面をフレーム7の放熱部材71に向けて配置される。さらに、この場合、インバータ回路44及び電源リレー46のそれぞれの電源系端子は、部品搭載部材72のターミナルを介して電源ターミナル63に電気的に接続され、インバータ回路44及び電源リレー46のそれぞれの信号系端子は、基板43に電気的に接続される。また、この場合、放熱部材71には、電源コネクタ25のグランドターミナルに電気的に接続された部品搭載部材72のターミナルが電気的に接続される。
【0119】
また、各上記実施の形態では、電源リレー46は、インバータ回路44とは別に配置されている。しかし、電源リレー46には、発熱を伴う大電流が流れることから、インバータ回路44に電源リレー46を含めてもよい。
【0120】
また、各上記実施の形態では、接続部62の厚さが第2取付部53の厚さよりも薄くなっていることにより、接続部62が第2取付部53よりも弾性変形しやすくなっている。しかし、プレート部材5及びプレート接続用の導電部材6のそれぞれを構成する材料の剛性を互いに異ならせることにより、接続部62が第2取付部53よりも弾性変形しやすくなるようにしてもよい。例えば、金属材料を加工硬化させたいわゆるH材によってプレート部材5を構成し、金属材料に焼きなまし処理を行ったいわゆるO材によってプレート接続用の導電部材6を構成してもよい。
【0121】
また、各上記実施の形態では、接続部62が第2取付部53よりも弾性変形しやすくなっている。しかし、弾性変形及び塑性変形にかかわらず接続部62が第2取付部53よりも変形しやすくなっていればよい。従って、接続部62が第2取付部53よりも塑性変形しやすくなっていてもよい。
【0122】
また、各上記実施の形態では、接続部62が第2取付部53よりも弾性変形しやすくなっている。しかし、第2取付部53が接続部62よりも変形しやすくなっていてもよい。この場合、第2取付部53の変形は、弾性変形及び塑性変形のどちらであってもよい。
【0123】
また、各上記実施の形態では、プレート部材5における第2取付部53以外の部分、即ちプレート本体部51及び第1取付部52のそれぞれよりも接続部62が弾性変形しやすくなっている。しかし、プレート部材5における第2取付部53以外の部分よりも第2取付部53が変形しやすくなっていてもよい。このようにしても、プレート部材5から制御ユニット本体41に加わる圧力が過度に大きくなることを第2取付部53の変形によって防止することができ、制御ユニット4の破損の発生を抑制することができる。この場合、第2取付部53の変形は、弾性変形及び塑性変形のどちらであってもよい。従って、接続部62及び第2取付部53の少なくともいずれかが、プレート部材5における第2取付部53以外の部分よりも変形しやくなっていればよい。
【0124】
また、各上記実施の形態では、第2取付部53がプレート本体部51から接続部62に向けて突出している。しかし、接続部62が第2取付部53に取り付けられるのであれば、第2取付部53がプレート本体部51から接続部62に向けて突出していなくてもよい。
【0125】
また、各上記実施の形態では、接続部62が導電部材本体部61から第2取付部53に向けて突出している。しかし、接続部62は、カバー22から突出していればよい。従って、接続部62は、導電部材本体部61から第2取付部53に向けて突出していなくてもよい。
【0126】
また、各上記実施の形態では、プレート部材5に含まれる第2取付部53の数が1個である。しかし、プレート部材5に含まれる第2取付部53の数を複数にしてもよい。この場合、複数の第2取付部53の位置は、互いに異なる位置とされる。また、この場合、カバー22には、各第2取付部53に個別に取り付けられる複数の接続部62を有するプレート接続用の導電部材6が設けられる。
【0127】
また、各上記実施の形態では、ケース21の端壁部212側に位置する出力軸31の第1端部が電動駆動装置1の出力部になっている。しかし、制御ユニット4側に位置する出力軸31の第2端部が電動駆動装置1の出力部になっていてもよい。この場合、出力軸31の第2端部は、制御ユニット4及びカバー22を貫通してハウジング2の外部へ突出する。
【0128】
また、各上記実施の形態では、フレーム7に設けられた貫通孔に軸受20が嵌められている。しかし、フレーム7とは別のハウジングカバーをケース21の内周面に固定し、ハウジングカバーに設けられた貫通孔に軸受20を嵌めてもよい。この場合、ハウジングカバー、及びハウジングカバーの貫通孔に嵌められた軸受20は、フレーム7と接続リング34との間に配置される。また、この場合、出力軸31の第2端部は、ハウジングカバーの貫通孔に通される。これにより、この場合、出力軸31は、各貫通孔に嵌められた軸受20を介して端壁部212及びハウジングカバーのそれぞれに回転自在に支持される。
【0129】
また、各上記実施の形態では、フィルタ部42が、コモンモードコイル421、ノーマルモードコイル422、Xコンデンサ423,424及びYコンデンサ425,426を有している。しかし、制御ユニット4の発生するノイズによっては、コモンモードコイル421及びノーマルモードコイル422のいずれか一方がなくてもよい。また、Xコンデンサ423,424及びYコンデンサ425,426もいずれか1つ又は複数個なくてもよい。
【0130】
また、各上記実施の形態では、接続部62を有するプレート接続用の導電部材6が、電源コネクタ25の電源ターミナル63に繋がった導電部材、及び電源コネクタ25のグランドターミナルに繋がった導電部材とは別の導電部材になっている。しかし、電源コネクタ25のグランドターミナルに繋がった導電部材を、接続部62を有するプレート接続用の導電部材としてもよい。即ち、プレート接続用の導電部材を電源コネクタ25のグランドターミナルに電気的に接続してもよい。これにより、カバー22に設けられたプレート接続用の導電部材が電源コネクタ25のグランドターミナルを介してグランドライン132に電気的に接続されたハーネスグランドの状態が形成される。
【0131】
このようにハーネスグランドの状態が形成されていれば、プレート部材5がケース21に電気的に接続されているか否かにかかわらず、プレート部材5を車体に電気的に接続することができる。これにより、制御ユニット4のグランド接続を簡単な構成でかつより確実に行うことができる。また、プレート部材5をケース21に電気的に接続する構造、及びプレート部材5の外周部を絶縁性の樹脂部材で覆ってプレート部材5をケース21から電気的に遮断させる構造のいずれの構造を採用するかの選択を、電動駆動装置1のノイズ面及び放熱面から柔軟に決めることができる。
【0132】
また、フィルタ部42のノーマルモードコイル422がない場合には、ハーネスグランドの状態が形成されることにより、導電部材6の数を減らすことができる。ノーマルモードコイル422がない場合、Xコンデンサ423,424のいずれか一方の端子がプレート接続用の導電部材6に接続される。
【0133】
さらに、ハーネスグランドの状態が形成されている場合、ケース21と車体との間に絶縁物を介在させて、ケース21と車体との間の電気的な接続が遮断された状態でケース21を車体に取り付けることもできる。ケース21が車体に電気的に接続された状態にするか、ケース21が車体から電気的に遮断された状態にするかは、電動駆動装置1の音、振動、電磁ノイズ、電波ノイズなどに応じて選択することができる。