特許第6983358号(P6983358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ カリフォルニアの特許一覧

<>
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000002
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000003
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000004
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000005
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000006
  • 特許6983358-アクティブ方式の大気水分捕集器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983358
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】アクティブ方式の大気水分捕集器
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/28 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   E03B3/28
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2021-507651(P2021-507651)
(86)(22)【出願日】2019年8月13日
(65)【公表番号】特表2021-527177(P2021-527177A)
(43)【公表日】2021年10月11日
(86)【国際出願番号】US2019046252
(87)【国際公開番号】WO2020036905
(87)【国際公開日】20200220
【審査請求日】2021年5月6日
(31)【優先権主張番号】62/718,895
(32)【優先日】2018年8月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504256408
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】ヤギー,オマー エム.
(72)【発明者】
【氏名】プレボ,マシュー,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ハニケル,ニキータ
(72)【発明者】
【氏名】カプスティン,ユージーン,エー.
(72)【発明者】
【氏名】フェティエ,ファルハド
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0044862(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0171604(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0287150(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0354920(US,A1)
【文献】 特表2021−512792(JP,A)
【文献】 特開2004−136269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの有機金属構造体(MOF)層と、加熱器と、2つのファンに電力を供給する太陽光発電パネルと、2つの側面を有する凝縮器とを含む大気水分捕集システムであって、
該大気水分捕集システムが、
a)一方のファンによって、周囲の空気が一方のMOF層を通って前記凝縮器の一方の側面に送られ、該周囲の空気中の水分がMOFに吸着されることにより乾燥した空気が生成される吸着モードと、
b)もう一方のファンによって、前記乾燥した空気がもう一方のMOF層を通って前記凝縮器のもう一方の側面に送られ、前記加熱器で熱せられた該乾燥した空気によってMOFから水分が脱着し、加湿された空気が前記凝縮器で水分を放出する再生モードで動作するように構成されており、
2つのMOF層が、再生モードと水分吸着モードのサイクルを繰り返し行うために交換可能である
大気水分捕集システム。
【請求項2】
前記加熱器が太陽光加熱器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記加熱器が電気加熱器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記加熱器への電力の供給が、太陽光発電パネルによって行われる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記加熱器への電力の供給が、前記ファンに電力を供給する太陽光発電パネルによって行われる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
a)前記周囲の空気が、30〜40℃であり、
b)前記熱せられた空気が、80〜90℃であり、
c)前記乾燥した空気の相対湿度が、10%未満であり、
d)前記加湿された空気の相対湿度が、70%より高く、かつ/または
e)前記システムによる製造量が、1日に吸着材1kgあたり1Lである
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、パリ条約の下、2019年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/718,895号に基づく優先権を主張するものであり、該出願は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、全体として、水分捕集に関するものであり、より具体的には、周囲の空気を液体の水に変換するために協働して動作する2つの水分吸着ユニットを使用する水分捕集システムおよび水分捕集方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
世界の人口の増加や地球の平均気温の上昇がこのまま続けば、水不足はさらに深刻化し、2025年までに水資源や関連する水道サービスへのアクセスに大きな課題が生じると予想されている1。ここ数年、水危機に対処するために、いくつかの概念的・行動的な枠組みが実施されており、積極的な政策(施設の拡張、新たな水価格政策など)や革新的な技術の開発(海水淡水化、霧からの水分捕集など)が優先的に行われてきた2-5。しかし、将来の水不足に対応するための、特に乾燥した地域で利用可能な、信頼性の高い水製造技術の開発や導入はまだ行われていない。
【0004】
湿潤空気5-8や霧2-4から結露水を捕集する現行の技術では、相対湿度(RH)100%の状態が頻繁に発生すること、あるいは大量のエネルギーを投入することが求められるため、多くの場所で適用が難しく、また、砂漠環境では利用できない9
【0005】
MOF-801吸着材を用いたMOFベースのパッシブ方式の大気水分捕集器が開発されている10。この完全パッシブ方式の装置(エネルギー投入が不要)では、1日に吸着材1kgあたり0.1L程度の液体の水の製造が可能である。
【0006】
そのため、乾燥した地域などで、信頼性の高い動作が可能な水分捕集器が求められている。さらに、より大量の液体を、好ましくは、少ないエネルギー量で製造可能な水分捕集器が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの態様において、本明細書で開示される発明は、有機金属構造体(MOF)などの水分捕捉材を使用して乾燥した空気から水を製造することができるアクティブ方式の大気水分捕集器に関する。
【0008】
いくつかの変形例において、前記アクティブ方式の大気水分捕集装置は、高効率のMOF吸着材を用いることにより、乾燥条件下(例えば、30%RH未満)でも大気中の水分を可逆的に吸着して放出する。さらに、本明細書に記載のアクティブ方式の大気水分捕集器では、必要とされるエネルギー量はごくわずかである。例えば、水分捕捉材1kgあたり100〜200Wh程度である。この量であれば、乾燥した環境では太陽光の強度が高いため、太陽光発電で容易に賄うことができ、また、低品位のエネルギー源でも容易に賄うことができる。さらに、本明細書に開示されているアクティブ方式の大気水分捕集器は、1日あたり吸着材(または水分捕捉材)1kgあたり1Lを上回る量の液体の水を製造することができる。
【0009】
本明細書では、連続的な吸着・脱着サイクルにより、乾燥した(典型的には相対湿度30%未満の)空気から水分を抽出して凝縮する方法、装置およびシステムを提供する。一態様において、太陽光発電式の独立型デバイスが提供され、該デバイスは、好適な水分捕捉材の一例として、高多孔性で耐水性の有機金属構造体(MOF)を用いて構成された層を含む。
【0010】
MOF吸着材は、現在の市販の材料にはない複数の利点、すなわち、i)高い水分吸着能力、ii)低RH(<20%RH)における急峻な水分吸着性、iii)高いサイクル性能と安定性、を兼ね備えている。例えば、細孔性ゼオライトは、非常に低いRHで急峻な水分吸着性を示しうるが、この多孔性材料と吸着した水との間に非常に強い相互作用が働くため、そのリサイクルには大量のエネルギーが消費される11。一方、MOFは構造的にも化学的にも高度に調整可能であるため、現在市販されている吸着材では得られないオーダーメイドの水分吸着特性を実現することができる。
【0011】
本発明におけるMOFは、空気中の水分を選択的かつ可逆的に吸着することができ、温度変化に敏感な吸着・脱着サイクルを実現することができるという特性を有しており、これらの特性は、現在市販されている吸着材では得られないものである。温度や湿度の変化に迅速に対応するために、いくつかの実施形態において、前記アクティブ方式の大気水分捕集器は、発熱体(太陽光加熱器や電気抵抗など)、ファン、アクティブ方式の冷却ユニットもさらに含み、これらはすべて、太陽光発電モジュール、発電機、または送電線から電力を供給されるものであってもよい。このMOFを用いて、2つの層が構成されており、一方の層では水分を放出し、もう一方の層では水分を吸着する。これにより、吸着材の高速サイクルが保証され、本発明により、例えば乾燥した空気から1日にMOF 1kgあたり1Lを上回る大量の液体の水の製造が可能になる。
【0012】
いくつかの変形例において、前記大気水分捕集器は、太陽光発電モジュールから電力が供給されており、該大気水分捕集器は、このモジュールからエネルギーを引き出すアクティブ方式の電気部材(ファン、熱電冷却器)を含む。他の変形例において、前記大気水分捕集器は、アクティブ方式の電気部材(ファン、冷却/凝縮ユニット)を含む。特定の変形例において、前記大気水分捕集器は、脱着サイクルに使用する空気を加熱して乾燥させるための太陽光予熱器を含み、前記大気水分捕集器は、1日に複数回のサイクルでの運転が可能である。当該システムの設置場所の大気条件にもよるが、いくつかの変形例において、太陽光加熱器の代わりに、抵抗体(太陽光発電モジュールから電力が供給されるものであってもよい)を使用して、より効率的な脱着サイクルを実現することもできる。特定の変形例において、当該システムは、MOF吸着材1kgあたり1日に1Lを上回る量の水を製造することができる(我々の旧式モデルでは約0.15L)。
【0013】
特定の態様において、2つの有機金属構造体(MOF)層と、加熱器と、2つのファンと、2つの側面を有する凝縮器とを含む大気水分捕集システムが提供され、該大気水分捕集システムは、(a)一方のファンによって、周囲の空気が一方のMOF層を通って前記凝縮器の一方の側面に送られ、該周囲の空気中の水分がMOFに吸着されることにより乾燥した空気が生成される吸着モードと、(b)もう一方のファンによって、高温の空気がもう一方のMOF層を通って前記凝縮器のもう一方の側面に送られ、前記加熱器で熱せられた該乾燥した空気によってMOFから水分が脱着し、加湿された空気が前記凝縮器で水分を放出する脱着モードで動作するように構成されており、2つのMOF層は、脱着モードと水分吸着モードのサイクルを繰り返し行うために交換可能である。前述の態様のいくつかの実施形態において、前記大気水分捕集システムは、前記ファンと前記凝縮器に電力を供給する太陽光発電パネルをさらに含む。
【0014】
吸着モードとは、周囲の空気中の水分が水分捕捉材に吸着されるモードである。脱着モードとは、少なくとも部分的に飽和した水分捕捉材から水蒸気が放出されるモードである。なお、「脱着」という用語は、本明細書では「再生」とも呼ばれることがあることは理解されるであろう。
【0015】
特定の実施形態において、
- 前記加熱器は、太陽光加熱器または電気加熱器であり、いくつかの変形例において、前記加熱器は、太陽光発電パネルから電力が供給され、ある変形例において、前記加熱器は、前記ファンに電力を供給する太陽光発電パネルから電力が供給され、
- 前記周囲の空気は、30〜40℃であり、
- 前記熱せられた空気は、80〜90℃であり、
- 前記乾燥した空気の相対湿度は、10%未満であり、
- 前記加湿された空気の相対湿度は、70%より高く、かつ/または
- 前記システムによる製造量は、1日に吸着材1kgあたり1Lである。
【0016】
前述の態様の特定の実施形態において、前記MOF金属は、ジルコニウム、ニッケル、鉄、銅、マンガンおよびアルミニウムから選択され、例えば、MOF-801[Zr6O4(OH)4(フマル酸)6]、MOF-841[Zr6O4(OH)4(MTB)3(H2O)2、MTBは、4,4',4'',4'''-メタンテトライルテトラベンゾエートである]、フマル酸アルミニウム[Al(OH)(フマル酸)]、CAU-10[Al(OH)(ベンゼン-1,3-ジカルボキシレート)]、またはMOF-303[Al(OH)(HPDC)、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートである]である。
【0017】
一態様において、大気水分捕集システムが提供され、該大気水分捕集システムは、
第1の水分吸着ユニットと第2の水分吸着ユニットと、
(a)各水分吸着ユニット内、または(b)各水分吸着ユニットの外部に配置された少なくとも1つの発熱体と、
前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットの間に配置された凝縮器と、
前記システム内のファンと前記発熱体に電力を供給するように構成された少なくとも1つの電源と
を含む。
いくつかの変形例において、各水分吸着ユニットはそれぞれ独立して、少なくとも1つのファンと、水分捕捉材を保持するように構成された少なくとも1つのトレイとを含む。前述の態様のいくつかの実施形態において、各水分吸着ユニットは、1サイクル以上動作するように構成されており、各サイクルは、吸着モードの後に脱着モードが続く構成である。前記凝縮器は、脱着モードで動作する前記水分吸着ユニットから放出された水蒸気を凝縮して、液体の水を製造するように構成されている。
【0018】
ある変形例において、前記水分吸着ユニットの一方が吸着モードで動作するとき、該水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンは、水分捕捉材を保持する前記少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導するように構成されており、それにより、周囲の空気中の水分が前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。吸着モードで動作する前記水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンは、さらに、この水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導し、それにより、該水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面が少なくとも部分的に冷却される。
【0019】
別の変形例において、もう一方の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するとき、前記少なくとも1つの発熱体は、該水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させるための熱を供給するように構成されている。
【0020】
前述の態様の特定の変形例において、前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作し、前記第1の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するように、前記水分吸着ユニットは共に動作するように構成されている。
【0021】
他の態様において、本開示の水分捕集システムを稼働させることを含む、大気中の水分を捕集する方法が提供される。
【0022】
一態様において、第1の水分吸着ユニットと、第2の水分吸着ユニットと、該第1の水分吸着ユニットと該第2の水分吸着ユニットの間に配置された凝縮器とを含む大気水分捕集システムを用いて、周囲の空気から水分を捕集する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、この方法は、
前記大気水分捕集システムの、吸着モードで動作する第1の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を保持する少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導して、該周囲の空気中の水分を前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着させること;
前記第1の水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導して、該第1の水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面を少なくとも部分的に冷却すること;
前記大気水分捕集システムの、脱着段階で動作する第2の水分吸着ユニットを加熱して、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させること;および
放出された水蒸気を前記凝縮器で凝縮して、液体の水を製造すること
を含む。
【0023】
前述の態様のいくつかの変形例において、前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するように、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットは共に動作する。
【0024】
他の実施形態において、前記方法は、前記第1の水分吸着ユニットで吸着が完了し、前記第2の水分吸着ユニットで脱着が完了した後に、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットのモードを切り替えることをさらに含む。次いで、前記第1の水分吸着ユニットは脱着モードで動作し、前記第2の水分吸着ユニットは吸着モードで動作する。
【0025】
本発明は、本明細書に記載された個々の実施形態のあらゆる組み合わせを包含するものであり、それらはすべて本明細書に記載されているものとする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、本願について最もよく理解することができるであろう。図面では、同様の部材は同様の番号で参照する。
【0027】
図1図1は、アクティブ方式の大気水分捕集器の例示的な概略図である。各ユニット間の接続と空気の流れ(温度と相対湿度の範囲とともに)を示す。太陽光加熱器と太陽光発電パネルは、自然の太陽光を利用して、それぞれ熱と電気で捕集器を駆動させる。図に示すように、2つのMOF層を入れ替えることにより、脱着と水分吸着を繰り返すことができる。液体の水が凝集器で回収される。
【0028】
図2図2は、別のアクティブ方式の大気水分捕集器の例示的な概略図である。各ユニット間の接続と空気の流れ(温度と相対湿度の範囲とともに)を示す。太陽光発電パネルは、自然の太陽光を利用して、ファンや抵抗加熱器に電力を供給して捕集器を駆動させる。2つのMOF層を入れ替えることにより、脱着と水分吸着を繰り返すことができる。液体の水が凝集器で回収される。
【0029】
図3図3Aおよび図3Bは、発熱体として太陽光加熱器を採用した、別の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集器を示した図である。この2枚の図面は、各水分吸着ユニットが協働して吸着・脱着サイクルを行う様子を示したものである。
【0030】
図4図4Aおよび図4Bは、発熱体として、水分吸着ユニット内に抵抗加熱器を採用した、別の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集器を示した図である。この2枚の図面は、各水分吸着ユニットが協働して吸着・脱着サイクルを行う様子を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、例示的な方法、パラメーターなどについて説明する。ただし、以下の記載は本開示の範囲を制限するものではなく、例示的な実施形態の説明として提示されているものである。
【0032】
いくつかの態様において、相対湿度の低い砂漠環境などで、周囲の空気から水分を捕集することができるアクティブ方式の大気水分捕集器が提供される。
【0033】
一態様において、大気水分捕集システムであって、
第1の水分吸着ユニットと第2の水分吸着ユニットと、
(a)各水分吸着ユニット内、または(b)各水分吸着ユニットの外部に配置された少なくとも1つの発熱体と、
前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットの間に配置された凝縮器と、
前記システム内のファンと前記発熱体に電力を供給するように構成された少なくとも1つの電源と
を含む大気水分捕集システムが提供される。
【0034】
いくつかの実施形態において、各水分吸着ユニットはそれぞれ独立して、少なくとも1つのファンと、水分捕捉材を保持するように構成された少なくとも1つのトレイとを含む。いくつかの変形例において、各水分吸着ユニットは、1サイクル以上動作するように構成されている。各サイクルは、吸着モードの後に脱着モードが続く構成である。
【0035】
水分吸着ユニットのいずれか一方が吸着モードで動作するとき、この水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンは、水分捕捉材を保持する前記少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導するように構成されており、それにより、該周囲の空気中の水分が前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。吸着モードで動作する前記水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンは、さらに、この水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導し、それにより、該水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面が少なくとも部分的に冷却される。
【0036】
水分吸着ユニットのいずれか一方が脱着モードで動作するとき、前記少なくとも1つの発熱体は、該水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させるための熱を供給するように構成されている。
【0037】
いくつかの変形例において、前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作し、前記第1の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するように、前記水分吸着ユニットは共に動作するように構成されている。
【0038】
前記凝縮器は、脱着モードで動作する前記水分吸着ユニットから放出された水蒸気を凝縮して、液体の水を製造するように構成されている。
【0039】
図1を参照すると、システム100は、例示的なアクティブ方式の大気水分捕集システムである。システム100は、2つの水分吸着ユニット110および120(図では「MOF層」と表記)を含む。各水分吸着ユニットには、水分捕捉材が含まれている(図示せず)。図1において、水分捕捉材はMOFである。他の変形例において、他の適切な水分捕捉材を使用してもよい。
【0040】
図1に示すように、水分吸着ユニット110は吸着モードで動作しており、一方、水分吸着ユニット120は脱着モードで動作している。各水分吸着ユニットには、少なくとも1つのファンが備えられている。具体的には、水分吸着ユニット110は、周囲の空気を水分吸着ユニット110へと誘導するファン112を有する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。
【0041】
水分吸着ユニット110の一部として1つのファンが示されているが、他の変形例において、水分吸着ユニット110が複数のファンを備えていてもよいことは理解されるであろう。さらに、ファン112は、水分吸着ユニット110の上部に示されているが、他の変形例において、ファン112は、水分吸着ユニット110の他の領域(例えば、側面および/または底面)に配置されていてもよい。水分吸着ユニット120もファンも備えているが、水分吸着ユニット120が脱着モードで動作しているため、図1に示していないことは理解されるであろう。
【0042】
再び図1を参照すると、システム100は、水分吸着ユニット110と120の間に配置された凝縮器130をさらに含む。図に示すように、凝縮器130は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット120の水分捕捉材から放出された水蒸気の凝縮に関与する。これについては、以下でさらに説明する。吸着モードで動作する水分吸着ユニット110に隣接する凝縮器130の側面は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット120に隣接する凝縮器の側面よりも平均温度が高い。
【0043】
システム100は、ファン142を備えた太陽光加熱器140を含む発熱体をさらに含む。太陽光加熱器140には1つのファンが示されているが、他の変形例において、太陽光加熱器140が複数のファンを備えていてもよいことは理解されるであろう。太陽光加熱器140は、各水分吸着ユニットの外部に配置されており、脱着モードで動作する水分吸着ユニット120の周囲の空気を加熱することで、先行の吸着段階で飽和した水分捕捉材からの水蒸気の放出を促すための熱を間接的に供給するように構成されている。
【0044】
また、ファン112は、空気を水分吸着ユニット110の外部へと誘導し、この空気が、水分吸着ユニット110に隣接する凝縮器130の側面を冷却し、水分吸着ユニット120から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。ファン142は、凝縮器130の冷却に使用された空気を太陽光加熱器140に引き込む働きをしており、この引き込まれた空気はさらに温められる。太陽光加熱器140は、上述した通り、熱せられた空気を放出することで、水分捕捉材を間接的に加熱する。
【0045】
水分吸着ユニット110が吸着段階を完了し、水分吸着ユニット120が脱着段階を完了すると、2つのユニットのモードが切り替わる。図1には示していないが、次いで、水分吸着ユニット110は脱着モードで動作し、水分吸着ユニット120は吸着モードで動作する。
【0046】
再び図1を参照すると、システム100は、ファンおよび/または凝縮器に電力を供給する太陽光発電パネル150などの電源をさらに含む。他の変形例において、この電源は電気的な電源であってもよく、また、複数の電源を組み合わせて使用してもよい。
【0047】
図3Aおよび図3Bを参照すると、システム300は、別の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集システムである。システム300は、2つの水分吸着ユニット310および320を含む(図では「MOF層」と表記)。各水分吸着ユニットには、水分捕捉材が含まれている(図示せず)。図3A図3Bにおいて、水分捕捉材はMOFである。他の変形例において、他の適切な水分捕捉材を使用してもよい。
【0048】
図3Aでは、吸着モードで動作する水分吸着ユニット310と、脱着モードで動作する水分吸着ユニット320が示されている。水分吸着ユニット310には、ファン312および314が備えられている。図3Aに示すように、吸着モードでは、ファン312は稼働中であるが、ファン314は稼働していない。ファン312は、周囲の空気を水分吸着ユニット310へと誘導する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。
【0049】
これらのファンは、適切な位置であれば、水分捕捉材を保持するトレイに対して任意の位置にあってもよいことは理解されるであろう。例えば、ファン312は、水分吸着ユニット310の上部に示されているが、他の変形例において、ファン312は、水分吸着ユニット310の他の領域(例えば、側面および/または底面)に配置されていてもよい。
【0050】
再び図3Aおよび図3Bを参照すると、システム300は、水分吸着ユニット310と320の間に配置された凝縮器330をさらに含む。図3Aに示すように、凝縮器330は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット320の水分捕捉材から放出された水蒸気を凝縮して、液体の水を製造する。これについては、以下でさらに説明する。吸着モードで動作する水分吸着ユニット310に隣接する凝縮器330の側面は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット320に隣接する凝縮器の側面よりも平均温度が高い。
【0051】
システム300は、太陽光加熱器340および350を含む発熱体をさらに含み、太陽光加熱器340および350にはそれぞれ、少なくとも1つのファン(例えば、ファン342および352)が備えられている。太陽光加熱器340および350は、水分吸着ユニットの外部に配置されている。図3Aにおいて、太陽光加熱器340は、アクティブ方式の発熱体であり、脱着モードで動作する水分吸着ユニット320の周囲の空気を加熱することで、先行の吸着段階で飽和した水分捕捉材からの水蒸気の放出を促すための熱を間接的に供給するように構成されている。
【0052】
再び図3Aを参照すると、ファン312は、吸着モードで動作する水分吸着ユニット310の外部へと空気を誘導し、この空気が、水分吸着ユニット310に隣接する凝縮器330の側面を冷却し、水分吸着ユニット320から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。ファン342は、凝縮器330の冷却に使用された空気を太陽光加熱器340に引き込む働きをしており、この引き込まれた空気はさらに温められる。ファン324は、太陽光加熱器340で熱せられた空気を水分吸着ユニット320に引き込む働きをすることで、水分捕捉材を加熱して水蒸気を放出させる。ファン324は、放出された水蒸気を凝縮器330へと誘導する働きも担っている。
【0053】
水分吸着ユニット310が吸着段階を完了し、水分吸着ユニット320が脱着段階を完了すると、2つのユニットのモードが切り替わる。図3Bでは、脱着モードで動作する水分吸着ユニット310と、吸着モードで動作する水分吸着ユニット320が示されている。
【0054】
図3Bに示すように、吸着モードでは、ファン322は稼働中であるが、ファン324は稼働していない。ファン322は、周囲の空気を水分吸着ユニット320へと誘導する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。また、ファン322は、吸着モードで動作する水分吸着ユニット320の外部へと空気を誘導し、この空気が、水分吸着ユニット320に隣接する凝縮器330の側面を冷却し、脱着モードで動作する水分吸着ユニット310から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。
【0055】
再び図3Bを参照すると、太陽光加熱器350は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット310の周囲の空気を加熱することで、先行の吸着段階(図3A)で飽和した水分捕捉材からの水蒸気の放出を促すための熱を間接的に供給するように構成されている。図3Bでは、ファン352は、凝縮器330の冷却に使用された空気を太陽光加熱器350に引き込む働きをしており、この引き込まれた空気はさらに温められる。水分吸着ユニット310が脱着モードで動作しているとき、ファン314は稼働中であるが、ファン312は稼働していない。ファン352は、凝縮器330の冷却に使用された空気を太陽光加熱器350に引き込む働きをしており、この引き込まれた空気はさらに温められる。ファン314は、太陽光加熱器350で熱せられた空気を水分吸着ユニット310に引き込む働きをすることで、水分捕捉材を加熱して水蒸気を放出させる。太陽光加熱器350から放出された空気は、水分捕捉材を間接的に加熱し、水分捕捉材から水蒸気が放出される。ファン314は、放出された水蒸気を凝縮器330へと誘導する働きも担っている。凝縮器330は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット310の水分捕捉材から放出された水蒸気を凝縮し、液体の水を製造する。
【0056】
図1図3Aおよび図3Bを再度参照すると、システム100および300はそれぞれ、ファンおよび/または凝縮器に電力を供給する太陽光発電パネル150および360などの電源をさらに含む。他の変形例において、この電源は電気的な電源であってもよく、また、複数の電源を組み合わせて使用してもよい。
【0057】
図1図3Aおよび図3Bは、特定の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集システムにおける外部発熱体を示している。ただし、発熱体を水分吸着ユニットの内部に配置し、水分捕捉材を直接加熱することも可能である。
【0058】
図2を参照すると、システム200は、別の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集システムである。システム200は、2つの水分吸着ユニット210および220(図では「MOF層」と表記)を含む。各水分吸着ユニットには、水分捕捉材が含まれている(図示せず)。図2において、水分捕捉材はMOFである。他の変形例において、他の適切な水分捕捉材を使用してもよい。
【0059】
図2に示すように、水分吸着ユニット210は吸着モードで動作しており、一方、水分吸着ユニット220は脱着モードで動作している。各水分吸着ユニットには、少なくとも1つのファンが備えられている。水分吸着ユニット210はファン212を有し、水分吸着ユニット220はファン222を有する。
【0060】
水分吸着ユニット210の一部として1つのファンが示されているが、他の変形例において、水分吸着ユニット210が複数のファンを備えていてもよいことは理解されるであろう。また、これらのファンは、適切な位置であれば、水分捕捉材を保持するトレイに対して任意の位置にあってもよいことは理解されるであろう。例えば、ファン212は、水分吸着ユニット210の上部に示されているが、他の変形例において、ファン212は、水分吸着ユニット210の他の領域(例えば、側面および/または底面)に配置されていてもよい。
【0061】
再び図2を参照すると、システム200は、水分吸着ユニット210と220の間に配置された凝縮器230をさらに含む。図に示すように、凝縮器230は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット220の水分捕捉材から放出された水蒸気を凝縮することに関与する。これについては、以下でさらに説明する。吸着モードで動作する水分吸着ユニット210に隣接する凝縮器230の側面は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット220に隣接する凝縮器の側面よりも平均温度が高い。
【0062】
システム200は、水分吸着ユニットの内部に配置された発熱体をさらに含む。システム200の発熱体は、抵抗加熱器240である。水分吸着ユニット210も抵抗加熱器を備えているが、水分吸着ユニット210が吸着モードで動作しているため、図2に示していないことは理解されるであろう。
【0063】
再び図2を参照すると、吸着モードで動作する水分吸着ユニット210のファン212は、周囲の空気を水分吸着ユニット210へと誘導する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。
【0064】
また、ファン212は、空気を水分吸着ユニット210の外部へと誘導し、この空気が、水分吸着ユニット210に隣接する凝縮器230の側面を冷却し、水分吸着ユニット220から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。凝縮器の冷却に使用された空気は、再び環境へと放出される。
【0065】
抵抗加熱器240は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット220の水分捕捉材を直接加熱する。この熱によって、先行の吸着段階で飽和した水分捕捉材から水蒸気が放出される。ファン222は、放出された水蒸気を凝縮器230へと押し出す働きをしており、この水蒸気は凝縮器230により液体の水に凝縮される。
【0066】
水分吸着ユニット210が吸着段階を完了し、水分吸着ユニット220が脱着段階を完了すると、2つのユニットのモードが切り替わる。図2には示していないが、次いで、水分吸着ユニット210は脱着モードで動作し、水分吸着ユニット220は吸着モードで動作する。
【0067】
図4Aおよび図4Bを参照すると、システム400は、さらに別の例示的なアクティブ方式の大気水分捕集システムである。システム400は、2つの水分吸着ユニット410および420(図では「MOF層」と表記)を含む。各水分吸着ユニットには、水分捕捉材が含まれている(図示せず)。図4Aおよび図4Bにおいて、水分捕捉材はMOFである。他の変形例において、他の適切な水分捕捉材を使用してもよい。
【0068】
図4Aに示すように、水分吸着ユニット410は吸着モードで動作しており、一方、水分吸着ユニット420は脱着モードで動作している。水分吸着ユニット410は、ファン412と414を有し、水分吸着ユニット420は、ファン422と424を有する。
【0069】
これらのファンは、適切な位置であれば、水分捕捉材を保持するトレイに対して任意の位置にあってもよいことは理解されるであろう。例えば、ファン412は、水分吸着ユニット410の上部に示されているが、他の変形例において、ファン412は、水分吸着ユニット410の他の領域(例えば、側面および/または底面)に配置されていてもよい。
【0070】
再び図4Aおよび図4Bを参照すると、システム400は、水分吸着ユニット410と420の間に配置された凝縮器430をさらに含む。図4Aに示すように、凝縮器430は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット420の水分捕捉材から放出された水蒸気を凝縮することに関与する。これについては、以下でさらに説明する。吸着モードで動作する水分吸着ユニット410に隣接する凝縮器430の側面は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット420に隣接する凝縮器の側面よりも平均温度が高い。
【0071】
システム400は、水分吸着ユニットの内部に配置された発熱体をさらに含む。システム400の発熱体は、抵抗加熱器416および426を含む。水分吸着ユニット410が吸着モードで動作している図4Aでは、抵抗加熱器416は稼働していない。水分吸着ユニット420が脱着モードで動作している図4Bでは、抵抗加熱器426は稼働中であり、これについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0072】
再び図4Aを参照すると、吸着モードで動作する水分吸着ユニット410のファン412は、周囲の空気を水分吸着ユニット410へと誘導する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。
【0073】
また、ファン412は、空気を水分吸着ユニット410の外部へと誘導し、この空気が、水分吸着ユニット410に隣接する凝縮器430の側面を冷却し、水分吸着ユニット420から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。凝縮器の冷却に使用された空気は、再び環境へと放出される。
【0074】
抵抗加熱器426は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット420の水分捕捉材を直接加熱する。この熱によって、先行の吸着段階で飽和した水分捕捉材から水蒸気が放出される。ファン424は、放出された水蒸気を凝縮器430へと押し出す働きをしており、この水蒸気は凝縮器430により液体の水に凝縮される。なお、脱着モードでは、水分吸着ユニット420のファン422は稼働していないことに留意されたい。
【0075】
水分吸着ユニット410が吸着段階を完了し、水分吸着ユニット420が脱着段階を完了すると、2つのユニットのモードが切り替わる。図4Bに示すように、水分吸着ユニット420は吸着モードで動作し、一方、水分吸着ユニット410は脱着モードで動作する。
【0076】
図4Bに示すように、吸着モードでは、ファン422は稼働中であるが、ファン424は稼働していない。ファン422は、周囲の空気を水分吸着ユニット420へと誘導する。この誘導された周囲の空気と水分捕捉材が接触し、該周囲の空気中の水分が該水分捕捉材の少なくとも一部に吸着される。また、ファン422は、吸着モードで動作する水分吸着ユニット420の外部へと空気を誘導し、この空気が、水分吸着ユニット420に隣接する凝縮器430の側面を冷却し、脱着モードで動作する水分吸着ユニット410から放出される水蒸気の凝縮により放出されるエネルギーの取り込みにも寄与する。
【0077】
再び図4Bを参照すると、脱着モードで動作する水分吸着ユニット410の抵抗加熱器416は稼働中である。抵抗加熱器416は、脱着モードで動作する水分吸着ユニット410の水分捕捉材を直接加熱する。この熱によって、先行の吸着段階(図4A)で飽和した水分捕捉材から水蒸気が放出される。図4Bでは、水分吸着ユニット410が脱着モードで動作しているとき、ファン414は稼働しているが、ファン412は稼働していない。ファン414は、水分吸着ユニット410の水分捕捉材から放出された水蒸気を凝縮器430へと誘導する働きをしており、この水蒸気は凝縮器430により凝縮され、液体の水が製造される。
【0078】
図2図4Aおよび図4Bを再度参照すると、システム200および400はそれぞれ、ファンおよび/または凝縮器に電力を供給する太陽光発電パネル250および440などの電源をさらに含む。他の変形例において、この電源は電気的な電源であってもよく、また、複数の電源を組み合わせて使用してもよい。
【0079】
図1図2図3A図3B図4Aおよび図4Bの例示的なシステムが、1つまたは複数の別の要素を含んでいてもよいことは理解されるであろう。例えば、いくつかの変形例において、前記システムは、水回収槽および/または水貯蔵槽をさらに含む。他の変形例において、前記システムは、少なくとも1つのセンサーと少なくとも1つの制御装置とをさらに含む。例えば、ある変形例において、前記センサー(複数可)を、脱着モードで動作する水分吸着ユニット内の水分捕捉材の飽和レベルを検出するために使用してもよい。前記センサーから前記制御装置へとデータが送られ、所定の飽和レベルに達している場合は、該制御装置が前記発熱体を作動させる。また、前記制御装置は、吸着モードで動作する水分吸着ユニットのファンのON/OFFにも使用することができる。
【0080】
前記水分吸着ユニットには、任意の適切な水分捕捉材を使用することができる。いくつかの実施形態において、前記水分捕捉材は、活性化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記水分捕捉材は、周囲環境の空気中の水分を捕捉し、その後、外部からの刺激により捕捉した水分を周囲環境に放出する。外部からの刺激としては、例えば、加熱、水蒸気圧変化または紫外線照射などが挙げられるが、これらに限定されない。前記活性化合物は、イオン結合性の多孔性固体であっても、共有結合性の多孔性固体であってもよく、例として、有機金属構造体材料、多孔性有機構造体材料、ゼオライト、有機イオン結合性固体、無機イオン結合性固体、有機分子結合性固体および無機分子結合性固体などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの変形例において、前記活性化合物は、熱容量が低く、熱伝導率が高く、水熱安定性が高い物質である。前記活性化合物は、純粋な単相形態の、複数種の活性化学物質材料の組成物として用いてもよく、かつ/または、当該化合物の特性を調整する性能強化添加物と組み合せて用いてもよい。前記性能強化添加物としては、例えば、熱伝導率とモル吸光率が高い材料が挙げられる。前記活性化合物は、粉末、押出成形物、成型体、プレス成形ペレット、単一材料もしくは複合材料からなるフィルム、または焼結体のいずれの形態で用いてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、前記水分捕捉材は、当技術分野でMOFとも呼ばれる有機金属構造体を含む。MOFは、有機配位子と結合した二次構造単位(SBU)を繰り返し単位として有する多孔質材料である。いくつかの変形例において、前記SBUは、1種以上の金属または1種以上の金属含有錯体を含んでいてもよい。他の変形例において、前記有機配位子は、酸官能基および/またはアミン官能基を有する。特定の変形例において、前記有機配位子は、カルボン酸基を有する。
【0082】
本明細書にて提供されるシステムには、水分の吸着・脱着が可能な任意の適切なMOFを用いることができる。ある変形例において、Al(OH)(HPDC)の構造を有するMOF-303を用いてもよい。HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸を意味する。別の好適なMOFとしては、例えば、MOF-801、MOF-841またはMIL-160などが挙げられる。例えば、Furukawa et al., J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 4369-4381を参照のこと。また、複数種のMOFを組み合わせて用いてもよい。
【0083】
いくつかの変形例において、前記MOFの細孔径は、約0.5nm〜約1nm、または約0.7nm〜約0.9nmである。特定の変形例において、前記MOFは、親水性細孔構造を有する。特定の変形例において、前記MOFは、酸官能基および/またはアミン官能基を含む親水性細孔構造を有する。特定の変形例において、前記MOFは、水分を可逆的に吸着できる1次元チャネルを有する。
【0084】
いくつかの変形例において、前記水分捕捉材は、少なくとも1種のMOFとグラファイトとを含む。また、本明細書に記載の水分捕捉材を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
さらに他の態様において、本明細書にて提供されるアクティブ方式の大気水分捕集器は、3つの異なるユニットを中心に構築された水製造装置である。第1のユニットは、太陽光を直接吸収することで、周囲の空気(通常30〜40℃、20〜30%RH)を80〜90℃に加熱して、RHを10%未満にする太陽光加熱器である。このユニットは、大気条件により、必要に応じて、電気抵抗に置き換えることが可能である。第2のユニットは、温度変化によって水蒸気を可逆的に吸着・脱着できる2つのMOF層を含む。MOFに水分を吸着させるために、ファンで周囲の空気をMOF層に吹き込む。周囲の(通常の)環境条件下で、MOFは細孔に大気中の水分を捕捉でき、乾燥した環境においても大気中の水分を捕捉できる。続いて、太陽光加熱器から送られる高温で乾燥した空気にMOF層を接触させると、MOFの細孔に保持されていた水分子が脱着し(MOF脱着)、その水分子が高温の空気流に移行される。この高温で湿度の高い空気流が、第3のユニットに送られる。第3のユニットは、水蒸気を液体の水に凝縮する、アクティブ方式の冷却装置(例えば、熱電式または圧縮機式)である。この装置には2つのMOF層があり、吸着・脱着サイクル頻度を最適化するために、片方のMOF層が脱着するときにもう一方のMOF層に水分を吸着させる。
【0086】
いくつかの実施形態において、前記MOF層は、耐水性で構造的に堅牢な有機金属構造体で構成されており、該有機金属構造体としては、例えば、MOF-801[Zr6O4(OH)4(フマル酸)6]、MOF-841[Zr6O4(OH)4(MTB)3(H2O)2、MTBは、4,4',4'',4'''-メタンテトライルテトラベンゾエートである]、フマル酸アルミニウム[Al(OH)(フマル酸)]、CAU-10[Al(OH)(ベンゼン-1,3-ジカルボキシレート)]、またはMOF-303[Al(OH)(HPDC)、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートである]が挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、前記MOFは、水分吸着特性の良好性に基づいて選択される。水分吸着特性としては、例えば、最大水分捕捉容量、水分吸脱着動態、および水生産性が挙げられる。
【0087】
特定の態様において、本明細書に記載の大気水分捕集システムのいずれかを使用して、周囲の空気から水分を捕集する方法も提供される。
一態様において、前記方法は、
吸着モードで動作する第1の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を保持する少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導して、該周囲の空気中の水分を前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着させること;
前記第1の水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導して、前記第1の水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面を冷却すること;
脱着段階で動作する第2の水分吸着ユニットを加熱して、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させること;および
放出された水蒸気を前記凝縮器で凝縮して、液体の水を製造すること
を含む。
いくつかの実施形態において、前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するように、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットは共に動作する。
【0088】
図1図3Aおよび図3Bを再度参照すると、これらの図面に示されている例示的なシステムは、前記第2の水分吸着ユニットの外部に配置された発熱体を有する。このような実施形態においては、水分吸着ユニットの加熱は、吸着モードで動作する第1の水分吸着ユニットから放出された空気を太陽光加熱器に誘導すること、および脱着モードで動作する第2の水分吸着ユニットの周囲の空気を加熱して、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させるための熱を間接的に供給することを含む。
【0089】
図2図4Aおよび図4Bを再度参照すると、これらの図面に示されている例示的なシステムは、第2の水分吸着ユニット内に配置された発熱体(複数可)を有する。このような実施形態においては、水分吸着ユニットの加熱は、該水分吸着ユニット内の水分捕捉材を直接加熱して、該水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させることを含む。いくつかの変形例において、前記水分吸着ユニット内に配置された発熱体は、少なくとも1つの抵抗加熱器である。前記抵抗加熱器は、前記トレイ内に配置され、該トレイ内の水分捕捉材と接触している。いくつかの変形例において、前記抵抗加熱器は、脱着段階において、飽和した水分捕捉材を均一に加熱して水蒸気を放出させるように構成されている。
【0090】
吸着モードで動作する水分吸着ユニットが吸着段階を完了し、脱着モードで動作する水分吸着ユニットが脱着段階を完了すると、2つのユニットのモードが切り替わり、吸着・脱着サイクルが完了する。
【0091】
したがって、いくつかの変形例において、前記方法は、前記第1の水分吸着ユニットで吸着が完了し、前記第2の水分吸着ユニットで脱着が完了した後に、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットのモードを切り替えることをさらに含む。次いで、前記第1の水分吸着ユニットは脱着モードで動作し、前記第2の水分吸着ユニットは吸着モードで動作する。
前記方法は、
前記第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を保持する少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導し、該周囲の空気中の水分を前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着させること;
前記第2の水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導して、該第2の水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面を少なくとも部分的に冷却すること;
前記第1の水分吸着ユニットを加熱して、該第1の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させること;および
放出された水蒸気を前記凝縮器で凝縮して、さらに液体の水を製造すること
をさらに含む。
【0092】
前記水分吸着ユニットから得られた液体の水は、回収することができ、かつ/または後で使用するために貯蔵することもできる。
【0093】
本開示の大気水分捕集器および大気中の水分を捕集する方法は、乾燥した地域での人の飲食や水に関連した人間の活動に適した規模で液体の水を製造することを可能にするものである。この堅牢で概念的にシンプルなユニットを使用することにより、来るべき気温上昇の影響を最も受ける人々が、大気から直接真水を捕集して、不可欠なニーズを充足させることが可能である。捕集された水は、人の飲食に適しているだけでなく、作物の灌漑にも使用可能である。
【0094】
実施形態の列挙
以下に列挙する実施形態は、本発明のいくつかの態様における代表的なものである。
1. 2つの有機金属構造体(MOF)層と、加熱器と、2つのファンに電力を供給する太陽光発電パネルと、2つの側面を有する凝縮器とを含む大気水分捕集システムであって、
該大気水分捕集システムが、
a)一方のファンによって、周囲の空気が一方のMOF層を通って前記凝縮器の一方の側面に送られ、該周囲の空気中の水分がMOFに吸着されることにより乾燥した空気が生成される吸着モードと、
b)もう一方のファンによって、前記乾燥した空気がもう一方のMOF層を通って前記凝縮器のもう一方の側面に送られ、前記加熱器で熱せられた該乾燥した空気によってMOFから水分が脱着し、加湿された空気が前記凝縮器で水分を放出する再生モードで動作するように構成されており、
2つのMOF層が、再生モードと水分吸着モードのサイクルを繰り返し行うために交換可能である
大気水分捕集システム。
2. 前記加熱器が太陽光加熱器である、実施形態1に記載の捕集システム。
3. 前記加熱器が電気加熱器であり、前記加熱器への電力の供給が、好ましくは、太陽光発電パネルによって行われ、好ましくは、前記ファンに電力を供給する太陽光発電パネルによって行われる、実施形態1に記載の捕集システム。
4. a)前記周囲の空気が、30〜40℃であり、
b)前記熱せられた空気が、80〜90℃であり、
c)前記乾燥した空気の相対湿度が、10%未満であり、
d)前記加湿された空気の相対湿度が、70%より高く、かつ/または
e)前記システムによる製造量が、1日に吸着材1kgあたり1Lである
実施形態1、2または3に記載の捕集システム。
5. 前記MOFの金属が、ジルコニウム、ニッケル、鉄、銅、マンガンおよびアルミニウムから選択され、例えば、MOF-801[Zr6O4(OH)4(フマル酸)6]、MOF-841[Zr6O4(OH)4(MTB)3(H2O)2、MTBは、4,4',4'',4'''-メタンテトライルテトラベンゾエートである]、フマル酸アルミニウム[Al(OH)(フマル酸)]、CAU-10[Al(OH)(ベンゼン-1,3-ジカルボキシレート)]、またはMOF-303[Al(OH)(HPDC)、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートである]である、実施形態1、2、3または4に記載の捕集システム。
6. 実施形態1、2、3、4または5に記載の捕集システムを稼働させることを含む、大気中の水分を捕集する方法。
7. 第1の水分吸着ユニットと第2の水分吸着ユニットと、
(a)各水分吸着ユニット内、または(b)各水分吸着ユニットの外部に配置された少なくとも1つの発熱体と、
前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットの間に配置された凝縮器と、
前記システム内のファンと前記発熱体に電力を供給するように構成された少なくとも1つの電源と
を含む大気水分捕集システムであって、
各水分吸着ユニットがそれぞれ独立して、少なくとも1つのファンと、水分捕捉材を保持するように構成された少なくとも1つのトレイとを含むこと、
各水分吸着ユニットが、1サイクル以上動作するように構成されていること、
各サイクルが、吸着モードの後に脱着モードが続く構成であること、
吸着モードで動作する水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面が、脱着モードで動作する水分吸着ユニットに隣接する該凝縮器の側面よりも平均温度が高いこと、
前記水分吸着ユニットのいずれかが吸着モードで動作するとき、該水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンが、水分捕捉材を保持する前記少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導するように構成されており、それにより、該周囲の空気中の水分が前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着され、かつ
吸着モードで動作する前記水分吸着ユニット内の前記少なくとも1つのファンが、さらに、この水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導し、それにより、該水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面が少なくとも部分的に冷却されること、
前記水分吸着ユニットのいずれかが脱着モードで動作するとき、前記少なくとも1つの発熱体が、該水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させるための熱を供給するように構成されていること、および
前記凝縮器が、脱着モードで動作する前記水分吸着ユニットから放出された水蒸気を凝縮して、液体の水を製造するように構成されていること
を特徴とする大気水分捕集システム。
8. 前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作し、前記第1の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するように、前記水分吸着ユニットが共に動作するように構成されている、実施形態7に記載のシステム。
9. 前記少なくとも1つの発熱体が、各水分吸着ユニットの外部に配置されている、実施形態7または8に記載のシステム。
10. 前記少なくとも1つの発熱体が、少なくとも1つの太陽光加熱器と、少なくとも1つのファンを含み、
各発熱体の前記少なくとも1つのファンが、吸着モードで動作する水分吸着ユニットから放出された空気を前記少なくとも1つの太陽光加熱器へと誘導すること、および
前記少なくとも1つの太陽光加熱器が、脱着モードで動作する水分吸着ユニットの周囲の空気を加熱することで、該水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部からの水蒸気の放出を促すための熱を間接的に供給するように構成されていること
を特徴とする実施形態9に記載のシステム。
11. 前記少なくとも1つの発熱体が、各水分吸着ユニット内に配置されている、実施形態7または8に記載のシステム。
12. 前記少なくとも1つの発熱体が、前記少なくとも1つのトレイに組み込まれ、該トレイ内の水分捕捉材の少なくとも一部と接触している、実施形態11に記載のシステム。
13. 前記少なくとも1つの発熱体が、少なくとも1つの抵抗加熱器であり、該少なくとも1つの抵抗加熱器が、前記水分捕捉材を直接加熱するように構成されており、それにより、脱着モードで動作する前記水分吸着ユニット内の前記水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気が放出される、実施形態11または12に記載のシステム。
14. 水貯蔵槽をさらに含む、実施形態7〜13のいずれか1項に記載のシステム。
15. 前記電源が、少なくとも1つの太陽光発電パネル、もしくは電気的な電源、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態7〜14のいずれか1項に記載のシステム。
16. 少なくとも1つのセンサーと、少なくとも1つの制御装置とをさらに含み、
前記少なくとも1つのセンサーが、各水分吸着ユニット内の水分捕捉材の飽和レベルを検出するように構成されていること、および
前記少なくとも1つの制御装置が、前記少なくとも1つのセンサーから、各水分吸着ユニット内の水分捕捉材の飽和レベルに関する入力を受信し、所定の飽和レベルに達している場合は、前記発熱体を作動させるように構成されていること
を特徴とする実施形態7〜15のいずれか1項に記載のシステム。
17. 前記水分捕捉材が有機金属構造体を含む、実施形態7〜16のいずれか1項に記載のシステム。
18. 前記有機金属構造体が、MOF-801[Zr6O4(OH)4(フマル酸)6]、MOF-841[Zr6O4(OH)4(MTB)3(H2O)2、MTBは、4,4',4'',4'''-メタンテトライルテトラベンゾエートである]、フマル酸アルミニウム[Al(OH)(フマル酸)]、CAU-10[Al(OH)(ベンゼン-1,3-ジカルボキシレート)]、もしくはMOF-303[Al(OH)(HPDC)、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートである]、またはこれらの任意の組み合わせである、実施形態17に記載のシステム。
19. 第1の水分吸着ユニットと、第2の水分吸着ユニットと、該第1の水分吸着ユニットと該第2の水分吸着ユニットの間に配置された凝縮器とを含む大気水分捕集システムを用いて、周囲の空気から水分を捕集する方法であって、
該方法が、
前記大気水分捕集システムの、吸着モードで動作する第1の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を保持する少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導して、該周囲の空気中の水分を前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着させること;
前記第1の水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導して、該第1の水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面を少なくとも部分的に冷却すること;
前記大気水分捕集システムの、脱着段階で動作する第2の水分吸着ユニットを加熱して、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させること;および
放出された水蒸気を前記凝縮器で凝縮して、液体の水を製造すること
を含み、
前記第1の水分吸着ユニットが吸着モードで動作するときに前記第2の水分吸着ユニットが脱着モードで動作するように、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットが共に動作すること
を特徴とする方法。
20. 前記第2の水分吸着ユニットの加熱が、該第2の水分吸着ユニットの外部に配置された少なくとも1つの発熱体によって行われる、実施形態19に記載の方法。
21. 前記少なくとも1つの発熱体が、少なくとも1つの太陽光加熱器と、少なくとも1つのファンとを含み、
前記第2の水分吸着ユニットの加熱が、
吸着モードで動作する第1の水分吸着ユニットから放出された空気を前記少なくとも1つの太陽光加熱器に誘導すること、および
脱着モードで動作する第2の水分吸着ユニットの周囲の空気を加熱して、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させるための熱を間接的に供給すること
を含む、実施形態20に記載の方法。
22. 前記第2の水分吸着ユニットの加熱が、該第2の水分吸着ユニット内に配置された少なくとも1つの発熱体によって行われる、実施形態19に記載の方法。
23. 前記少なくとも1つの発熱体が、前記第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部と接触している、実施形態22に記載の方法。
24. 前記少なくとも1つの発熱体が、少なくとも1つの抵抗加熱器であり、前記第2の水分吸着ユニットの加熱が、該第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を直接加熱して、該水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させることを含む、実施形態22または23に記載の方法。
25. 前記液体の水を回収することをさらに含む、実施形態19〜24のいずれか1項に記載の方法。
26. 前記液体の水を貯蔵することをさらに含む、実施形態19〜25のいずれか1項に記載の方法。
27. 前記第1の水分吸着ユニットで吸着が完了し、前記第2の水分吸着ユニットで脱着が完了した後に、前記第1の水分吸着ユニットと前記第2の水分吸着ユニットのモードを切り替えることにより、前記第1の水分吸着ユニットが脱着モードで動作し、前記第2の水分吸着ユニットが吸着モードで動作することをさらに含む、実施形態19〜26のいずれか1項に記載の方法。
28. 前記第2の水分吸着ユニット内の水分捕捉材を保持する少なくとも1つのトレイへと周囲の空気を誘導し、該周囲の空気中の水分を前記水分捕捉材の少なくとも一部に吸着させること;
前記第2の水分吸着ユニットの外部へと空気を誘導して、該第2の水分吸着ユニットに隣接する前記凝縮器の側面を少なくとも部分的に冷却すること;
前記第1の水分吸着ユニットを加熱して、該第1の水分吸着ユニット内の水分捕捉材の少なくとも一部から水蒸気を放出させること;および
放出された水蒸気を前記凝縮器で凝縮して、さらに液体の水を製造すること
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
29. 前記水分捕捉材が有機金属構造体を含む、実施形態19〜27のいずれか1項に記載の方法。
30. 前記有機金属構造体が、MOF-801[Zr6O4(OH)4(フマル酸)6]、MOF-841[Zr6O4(OH)4(MTB)3(H2O)2、MTBは、4,4',4'',4'''-メタンテトライルテトラベンゾエートである]、フマル酸アルミニウム[Al(OH)(フマル酸)]、CAU-10[Al(OH)(ベンゼン-1,3-ジカルボキシレート)]、もしくはMOF-303[Al(OH)(HPDC)、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートである]、またはこれらの任意の組み合わせである、実施形態29に記載の方法。
【0095】
参考文献
(1) Gleick, P.H. Water in crisis: a guide to the world’s fresh water resources.; Oxford University Press: New York, 1993.

(2) Park, K.-C.; Chhatre, S.S.; Srinivasan, S.; Cohen, R.E.; McKinley, G.H. Langmuir 2013, 29 (43), 13269-13277.

(3) Klemm, O.; Schemenauer, R.S.; Lummerich, A.; Cereceda, P.; Marzol, V.; Corell, D.; van Heerden, J.; Reinhard, D.; Gherezghiher, T.; Olivier, J.; Osses, P.; Sarsour, J.; Frost, E.; Estrela, M.J.; Valiente, J.A.; Fessehaye, G.M. Ambio 2012, 41 (3), 221-234.

(4) Schemenauer, R.S.; Cereceda, P. J. Appl. Meteorol. 1994, 33 (11), 1313-1322.

(5) Wahlgren, R.V. Water Res. 2001, 35 (1), 1-22.

(6) Muselli, M.; Beysens, D.; Marcillat, J.; Milimouk, I; Nilsson, T.; Louche, A. Atmos. Res. 2002, 64, 297-312.

(7) Clus, O.; Ortega, P.; Muselli, M.; Milimouk, I.; Beysens, D. J. Hydrol. 2008, 361, 159-171.

(8) Lee, A.; Moon, M.-W.; Lim, H.; Kim, W.-D.; Kim, H.-Y. Langmuir 2012, 28, 10183-10191.

(9) Furukawa, H.; Gandara, F.; Zhang, Y.-B.; Jiang, J.; Queen, W.-L.; Hudson, M.R.; Yaghi, O.M. J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 4369-4381.

(10) Fathieh, F.; Kalmutzki, M.J.; Kapustin, E.A.; Waller, P.J.; Yang, J.; Yaghi, O.M. Sci. Adv. 2018, 4, eaat3198

(11) Canivet, J.; Fateeva, A.; Guo, Y.; Coasne, B.; Farrusseng, D. Chem. Soc. Rev. 2014, 43, 5594-5617.
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B