(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部によって前記候補期間補修コストが前記補修予算よりも大きいと判定された場合、前記候補期間の前記補修予算の変更要求を受け付け、受け付けた結果に基づいて前記候補期間の前記補修予算を更新する補修予算更新部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の補修計画変更支援システム。
前記変更対象物の補修期間の前記選択候補期間への変更前後での前記補修コストの変動を算出し、算出した結果を前記表示部に表示させるための情報を出力する変動算出部を備える
ことを特徴とする請求項2または3に記載の補修計画変更支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる補修計画変更支援システム、補修計画変更支援方法、および補修計画変更支援プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる補修計画変更支援システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1にかかる補修計画変更支援システム100は、サーバ装置1と、クライアント装置2とを備える。サーバ装置1とクライアント装置2とは、ネットワーク3を介して互いに通信可能に接続される。ネットワーク3は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)またはLAN(Local Area Network)などである。
【0012】
サーバ装置1は、補修計画変更支援システム100のユーザによる補修計画の変更を支援する。補修計画は、複数の構造物の補修計画であって予め定められた期間毎の補修コストを含む補修計画である。構造物は、例えば、道路、橋梁、またはトンネルなどであるが、これらの構造物に限定されない。例えば、構造物は、プラントの機械設備などであってもよい。
【0013】
補修計画変更支援システム100のユーザは、例えば、上述した複数の構造物の維持管理を行う地方自治体の職員または事業者の従業員などであるが、これらに限定されない。以下において、補修計画変更支援システム100のユーザを単にユーザと記載する場合がある。
【0014】
上述した予め定められた期間は、例えば、複数の構造物の維持管理を行う地方自治体または事業者の会計年度毎の期間であり、1年単位の期間であるが、1年未満の単位の期間であってもよく、また1年を超える単位の期間であってもよい。以下において、予め定められた期間を年度で表すものとする。
【0015】
サーバ装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを備える。クライアント装置2は、通信部20と、入力部21と、処理部22と、表示部23とを備える。通信部10,20は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3を介して互いに情報の送受信を行う。サーバ装置1の記憶部11は、上述した補修計画の情報を含む補修計画情報と、年度毎の補修予算の情報を含む補修予算情報とを記憶する。
【0016】
クライアント装置2の処理部22は、入力部21へユーザの特定操作がある場合、補修計画送信要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。クライアント装置2から送信された補修計画送信要求は、サーバ装置1の通信部10によって受信される。サーバ装置1の処理部12は、通信部10で補修計画送信要求が受信された場合、補修計画情報を記憶部11から取得する。
【0017】
処理部12は、取得した補修計画情報に基づいて、クライアント装置2の表示部23に補修計画を表示するための情報である補修計画表示情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。サーバ装置1から送信される補修計画表示情報は、クライアント装置2の通信部20で受信される。クライアント装置2の処理部22は、通信部20で受信された補修計画表示情報に基づいて、補修計画の情報を表示部23に表示させる。
図2は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示される補修計画の一例を示す図である。
【0018】
図2に示す例では、A橋、B橋、C橋、およびD橋を含む複数の構造物の補修計画90がタイムライン表示方式によって表示部23に表示されている。なお、
図2では、2026年度から2028年度のタイムラインが省略されている。
【0019】
図2に示す補修計画90では、A橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
1と、B橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
2と、C橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
3と、D橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
4とが示されている。
【0020】
タイムラインバー91
1は、A橋工事の補修が2021年度に計画されていることを示し、タイムラインバー91
2は、B橋工事の補修が2022年度に計画されていることを示している。また、タイムラインバー91
3は、C橋の補修工事が2024年度に計画されていることを示し、タイムラインバー91
4は、D橋の補修工事が2023年度から2024度にかけて計画されていることを示している。以下において、タイムラインバー91
1,91
2,91
3,91
4の各々を個別に区別せずに示す場合、タイムラインバー91と記載する場合がある。
【0021】
ユーザは、A橋、B橋、C橋、およびD橋のいずれかの補修期間を変更したい場合、入力部21を操作することによって、補修期間を変更したい橋梁を選択する。補修期間は、補修工事の期間である。以下において、ユーザが補修期間の変更対象として選択した橋梁を変更対象物と記載する場合がある。また、ユーザによる入力部21への操作をユーザ操作と記載する場合がある。
【0022】
ユーザは、例えば、表示部23に表示された補修計画90に含まれるA橋のタイムラインバー91
1を入力部21への操作によって選択することによって、A橋を変更対象物とすることができる。
【0023】
クライアント装置2の処理部22は、A橋が変更対象物として決定された場合、変更対象物の情報である変更対象物情報をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。クライアント装置2から送信された変更対象物情報は、サーバ装置1の通信部10によって受信される。サーバ装置1の処理部12は、変更対象物情報が通信部10で受信された場合、通信部10から変更対象物情報を取得する。
【0024】
サーバ装置1の処理部12は、記憶部11から補修計画情報を取得し、取得した補修計画情報に基づいて、変更対象物情報で特定される変更対象物の変更先の候補となる補修期間である候補期間に変更対象物の補修期間が変更された場合の候補期間の補修コストを候補期間毎に算出する。以下において、候補期間の補修コストを候補期間補修コストと記載する場合がある。
【0025】
例えば、変更対象物がA橋である場合、処理部12は、候補期間を2022年度から2029年度までの各年度とし、補修計画における2022年度から2029年度までの各年度の補修コストにA橋の補修コストを加算した場合の各年度の補修コストを候補期間補修コストとして算出する。
【0026】
そして、処理部12は、記憶部11から補修予算情報を取得し、取得した補修予算情報に基づいて、候補期間補修コストと補修予算とを候補期間毎に比較する。例えば、変更対象物がA橋である場合、処理部12は、2022年度から2029年度までの各年度について候補期間補修コストと補修予算とを比較する。処理部12は、比較した結果をクライアント装置2の表示部23に表示させる情報である比較結果情報としてクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0027】
サーバ装置1から送信される比較結果情報は、クライアント装置2の通信部20で受信される。クライアント装置2の処理部22は、通信部20で受信された比較結果情報に基づいて、比較結果情報を表示部23に表示させる。
図3は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示される比較結果情報を含む補修計画の一例を示す図である。
【0028】
図3に示す例では、表示部23に表示された補修計画90のうちA橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
1が変更対象物として選択されたことを示す状態になり、候補期間における候補期間補修コストと補修予算との比較結果を示すタイムラインバー92
1,92
2,92
3,92
4,92
5が補修計画90上に追加されている。以下において、タイムラインバー92
1,92
2,92
3,92
4,92
5の各々を個別に区別せずに示す場合、タイムラインバー92と記載する場合がある。
【0029】
タイムラインバー92
1は、2022年度の候補期間補修コストと2022年度の補修予算との比較結果を示し、タイムラインバー92
2は、2023年度の候補期間補修コストと2023年度の補修予算との比較結果を示し、タイムラインバー92
3は、2024年度の候補期間補修コストと2024年度の補修予算との比較結果を示す。また、タイムラインバー92
4は、2025年度の候補期間補修コストと2025年度の補修予算との比較結果を示し、タイムラインバー92
5は、2029年度の候補期間補修コストと2029年度の補修予算との比較結果を示す。
【0030】
タイムラインバー92
1,92
2,92
3,92
4,92
5は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別によって異なる色が付される。
図3に示す例では、ハッチングの有無およびハッチングの種類によって色の違いを示している。候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別には、例えば、第1の種別、第2の種別、および第3の種別があり、タイムラインバー92には、これらの種別のうち対応する種別の色が付される。
【0031】
第1の種別は、候補期間補修コストが補修予算内である補修期間であることを示す。第2の種別は、候補期間補修コストが補修予算外である補修期間であるが、他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がある補修期間であることを示す。第3の種別は、候補期間補修コストが補修予算外である補修期間であり、他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がない補修期間であることを示す。
【0032】
このように、補修計画変更支援システム100は、補修期間の変更対象として選択された変更対象物の変更先の候補となる補修期間である候補期間の補修コストを候補期間補修コストとして候補期間毎に算出する。そして、補修計画変更支援システム100は、候補期間補修コストと候補期間の補修予算とを候補期間毎に比較し、比較した結果を表示部23に表示させる情報を出力する。これにより、ユーザは、構造物の補修期間の前倒しまたは先延ばしを行う際に、ユーザがコスト変動と補修予算との関係を迅速に把握可能且つどの期間への変更が有効かを容易に判断できる。
【0033】
上述したタイムラインバー92は、第1の種別、第2の種別、および第3の種別がそれぞれ異なる色で示されるが、補修計画変更支援システム100は、第1の種別、第2の種別、および第3の種別を、異なる色に代えてまたは加えて、異なる形状または模様などのタイムラインバー92で示すこともできる。以下、補修計画変更支援システム100の構成についてさらに詳細に説明する。
【0034】
図4は、実施の形態1にかかる補修計画変更支援システムの具体的構成の一例を示す図である。
図4に示すように、サーバ装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを備える。記憶部11には、補修計画情報DB(Data Base)30と、構造物情報DB31と、補修予算情報DB32と、状態遷移情報DB33とが記憶される。
【0035】
補修計画情報DB30は、複数の構造物の補修計画であって予め定められた期間毎の補修コストを含む補修計画の情報である補修計画情報を含む。以下において、補修計画は、2021年度から2030年度までの10年間の補修工事の計画であるものとして説明するが、補修計画の期間は、10年間に限定されない。
【0036】
図5は、実施の形態1にかかる補修計画情報DBに含まれる補修計画情報の一例を示す図である。
図5に示すように、補修計画情報DB30は、「工事ID」、「工事名」、「構造物ID」、「補修期間」、「補修コスト」、「担当ID」、「健全度」、および「補修限界年度」が補修工事毎に互いに関連付けられた情報である補修計画情報を含む。
【0037】
「工事ID」は、各補修工事に固有の識別情報である。「工事名」は、補修工事の名称を示す情報である。「構造物ID」は、各構造物に固有の識別情報である。「補修期間」は、補修工事の期間を示す情報であり、工事開始日を示す情報と工事終了日を示す情報とを含む。「補修コスト」は、補修工事に必要なコストを示す情報であり、単位は、例えば円である。以下において、コストの単位が円であるものとして説明するが、コストの単位は、ドルなどであってもよい。
【0038】
「担当ID」は、補修工事を管理する各担当者に固有の識別情報である。「健全度」は、構造物の健全度を示す情報であり、値が大きいほど健全度が低くなるが、健全度が高いほど値が大きくなってもよい。「補修限界年度」は、補修工事が可能な最終年度を示す情報であり、例えば、構造物が橋梁である場合、補修工事が可能な最終年度を超えると、落橋などによって構造物の補修工事ができない状態になる可能性が高い。
【0039】
図5に示す例では、工事IDがC001である補修工事は、工事名がAAA工事であり、構造物IDがE001であり、補修期間が2021年4月1日から2021年9月30日であり、補修コストが50万円であり、担当IDがT001であり、健全度が3であり、補修限界年度が2029年度である。工事IDがC002である補修工事は、工事名がBBB工事であり、構造物IDがE002であり、補修期間が2022年10月1日から2022年12月30日であり、補修コストが40万円であり、担当IDがT002であり、健全度が2であり、補修限界年度が2030年度である。
【0040】
工事IDがC003である補修工事は、工事名がCCC工事であり、構造物IDがE003であり、補修期間が2024年4月1日から2024年9月30日であり、補修コストが30万円であり、担当IDがT003であり、健全度が2であり、補修限界年度が2032年度である。工事IDがC004である補修工事は、工事名がDDD工事であり、構造物IDがE004であり、補修期間が2023年4月1日から2024年9月30日であり、補修コストが100万円であり、担当IDがT004であり、健全度が2であり、補修限界年度が2033年度である。
【0041】
構造物情報DB31は、補修計画の対象である複数の構造物に関する情報を含む。
図6は、実施の形態1にかかる構造物情報DBに含まれる構造物情報の一例を示す図である。
図6に示すように、構造物情報DB31は、「構造物ID」、「構造物名」、「竣工日」、および「地域ID」などが構造物毎に互いに関連付けられた情報である構造物情報を含む。
【0042】
「構造物ID」は、各構造物に固有の識別情報であり、
図5に示す構造物IDと同じである。「構造物名」は、構造物の名称を示す情報である。「竣工日」は、構造物の竣工日を示す情報である。「地域ID」は、各構造物が存在する地域に固有の識別情報である。
【0043】
図6に示す例では、構造物IDがE001である構造物は、構造物名がA橋であり、竣工日が1980年10月1日であり、地域IDがA001である。構造物IDがE002である構造物は、構造物名がB橋であり、竣工日が1999年12月30日であり、地域IDがA001である。構造物IDがE003である構造物は、構造物名がC橋であり、竣工日が1998年9月30日であり、地域IDがA002である。構造物IDがE004である構造物は、構造物名がD橋であり、竣工日が2001年4月1日であり、地域IDがA001である。
【0044】
補修予算情報DB32は、年度毎の補修予算の情報を含む。
図7は、実施の形態1にかかる補修予算情報DBに含まれる補修予算情報の一例を示す図である。
図7に示すように、補修予算情報DB32は、「年度」および「年間予算」が年度毎に互いに関連付けられた情報である補修予算情報を含む。「年度」は、会計年度を示す情報である。「年間予算」は、会計年度における補修予算を示す情報であり、単位は円である。
【0045】
図7に示す例では、2021年度〜2025年度までの各年度の補修予算は、300万円であり、2029年度の補修予算および2030年度の補修予算は、1000万円である。
【0046】
状態遷移情報DB33は、各複数の構造物の劣化状態と補修コストとの時間的変化を示す遷移情報を含む。
図8は、実施の形態1にかかる状態遷移情報DBに含まれる状態遷移情報の一例を示す図である。
図8に示すように、状態遷移情報DB33は、「構造物ID」、「年度」、「健全度」「補修コスト」、および「リスクコスト」が互いに関連付けられた情報である状態遷移情報を含む。
【0047】
「構造物ID」は、各構造物に固有の識別情報であり、
図5に示す構造物IDと同じである。「年度」は、会計年度を示す情報であり、
図7に示す年度と同じである。「健全度」は、構造物の健全度を示す情報であり、
図5に示す健全度と同じである。「補修コスト」は、補修工事に必要なコストを示す情報であり、
図5に示す補修コストと同じである。「リスクコスト」は、構造物のリスクコストを示す情報であり、かかるリスクコストは、例えば構造物の破損などによる損害に対する保険料などである。
【0048】
図8に示す例では、構造物IDがE001である構造物は、2021年度から2024年度の各年度で、健全度が3で、補修コストが50万円で、リスクコストが50万円であり、2025年度で、健全度が4で、補修コストが80万円で、リスクコストが100万円であり、2029年度で、健全度が5で、補修コストが200万円で、リスクコストが500万円である。また、構造物IDがE002である構造物は、2021年度において、健全度が2で、補修コストが10万円で、リスクコストが20万円である。
【0049】
図4に示す処理部12は、補修情報取得部40と、補修計画情報出力部41と、変更情報取得部42と、補修コスト算出部43と、比較部44と、判定部45と、抽出部46と、変動算出部47と、補修予算更新部48と、補修計画更新部49とを備える。
【0050】
補修情報取得部40は、記憶部11から補修計画情報、構造物情報、状態遷移情報、および補修予算情報などを取得する。例えば、補修情報取得部40は、クライアント装置2から送信される補修計画送信要求が通信部10で受信された場合、記憶部11に記憶された補修計画情報DB30および構造物情報DB31から、補修計画情報および構造物情報などを取得する。
【0051】
補修情報取得部40は、クライアント装置2から送信された変更対象物の情報または選択候補期間の情報が通信部10で受信された場合、例えば、記憶部11に記憶された補修計画情報DB30、補修予算情報DB32、および状態遷移情報DB33から、補修計画情報、補修予算情報、および状態遷移情報などを取得する。
【0052】
補修計画情報出力部41は、補修計画送信要求が通信部10で受信された場合、補修情報取得部40によって取得された補修計画情報に基づいて、クライアント装置2の表示部23に補修計画を表示させるための補修計画表示情報を生成する。補修計画情報出力部41は、生成した補修計画表示情報を補修計画送信要求の送信元のクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0053】
変更情報取得部42は、複数の構造物のうち補修期間の変更対象として選択された構造物である変更対象物の情報を取得する。変更対象物の情報は、例えば、クライアント装置2からサーバ装置1へ送信される情報であり、変更情報取得部42は、通信部10を介して変更対象物の情報をクライアント装置2から取得する。
【0054】
また、変更情報取得部42は、複数の候補期間のうち選択された候補期間である選択候補期間の情報である選択候補期間情報を取得する。選択候補期間情報は、例えば、クライアント装置2からサーバ装置1へ送信される情報であり、変更情報取得部42は、通信部10を介して選択候補期間情報をクライアント装置2から取得する。
【0055】
補修コスト算出部43は、補修情報取得部40で取得された補修計画情報に基づいて、変更対象物の変更先の候補となる補修期間である候補期間に変更対象物の補修期間が変更された場合の候補期間の補修コストを候補期間補修コストとして候補期間毎に算出する。
【0056】
例えば、補修計画情報DB30が
図5に示す補修計画情報を含み、状態遷移情報DB33が
図8に示す状態遷移情報を含み、変更対象物がA橋であるとする。
図5に示すように、A橋の補修期間は、2021年度であり、A橋の補修限界年度は、2029年度である。
【0057】
この場合、補修コスト算出部43は、現補修期間である2021年度以外の2022年度から補修限界年度である2029年度までの各年度を候補期間に決定する。補修コスト算出部43は、変更対象物の補修期間が変更された場合の2022年度から2029年度までの各年度の補修コストを候補期間補修コストとして算出する。
【0058】
ここで、候補期間補修コストの算出について具体的に説明する。補修コスト算出部43は、補修計画における2022年度から2029年度までの各年度の補修コストの合計を各年度の補修コスト総額として算出する。例えば、補修コスト算出部43は、補修計画において2022年度に計画されている全補修工事の補修コストの合計額を2022年度の補修コスト総額として算出する。また、補修コスト算出部43は、補修計画において2023年度に計画されている全補修工事の補修コストの合計額を2023年度の補修コスト総額として算出する。補修コスト算出部43は、かかる処理を2029年度の補修コスト総額を算出するまで繰り返す。
【0059】
補修コスト算出部43は、2022年度から2029年度までの各年度の補修コスト総額にA橋の補修コストを加算して、候補期間補修コストを算出する。
図8に示すように、A橋の補修工事を2022年から2024年度までのいずれかの年度に行う場合、補修コストは、50万円であり、A橋の補修工事を2025年度に行う場合、補修コストは、80万円であり、A橋の補修工事を2029年度に行う場合、補修コストは、200万円である。
【0060】
補修コスト算出部43は、2022年度から2024年度までの各年度の補修コスト総額に50万円を加算することによって、2022年度から2024年度までの各年度の候補期間補修コストを算出する。また、補修コスト算出部43は、2025年度の補修コスト総額に80万円を加算することによって、2025年度の候補期間補修コストを算出し、2029年度の補修コスト総額に200万円を加算することによって、2029年度の候補期間補修コストを算出する。
【0061】
比較部44は、補修情報取得部40で取得された補修予算の情報に基づいて、補修コスト算出部43によって算出された候補期間補修コストと補修予算とを候補期間毎に比較する。比較部44は、比較した結果をクライアント装置2の表示部23に表示させるための情報をクライアント装置2へ通信部10を介して出力する。
【0062】
比較部44は、候補期間毎に候補期間補修コストが補修予算内であるか否かを判定する。例えば、比較部44は、変更対象物がA橋である場合、2022年度から2029年度までの各年度において候補期間補修コストが補修予算内であるか否かを判定する。
【0063】
比較部44は、候補期間補修コストが補修予算内ではないと判定した場合、補修情報取得部40で取得された補修計画情報に基づいて、変更対象物の補修コストよりも補修コストが少ない構造物の補修工事があるか否かを判定する。
【0064】
例えば、変更対象物がA橋であり、2022年度の候補期間補修コストが2022年度の補修予算外であるとする。また、状態遷移情報が
図8に示す状態であるとする。この場合、比較部44は、2022年度の候補期間補修コストが2022年度の補修予算外であると判定し、さらに、2022年度に計画されている補修工事のうち補修コストが50万円未満の構造物があるか否かを判定する。
【0065】
比較部44は、候補期間補修コストが補修予算内である候補期間についての比較結果の種別が第1の種別であると判定する。比較部44は、候補期間補修コストが補修予算内ではないが、変更対象物の補修コストよりも補修コストが少ない構造物の補修工事がある候補期間についての比較結果の種別が第2の種別であると判定する。比較部44は、候補期間補修コストが補修予算内ではなく、変更対象物の補修コストよりも補修コストが少ない構造物の補修工事がない候補期間についての比較結果の種別が第3の種別であると判定する。
【0066】
比較部44は、第1の種別、第2の種別、および第3の種別のいずれであるかを示す情報を候補期間毎に含み且つクライアント装置2の表示部23に候補期間毎の比較結果の種別の情報を表示させるための候補期間情報を生成する。比較部44は、生成した候補期間情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。候補期間情報には、比較結果が第2の種別を示す候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが少ない構造物の情報も含まれる。
【0067】
判定部45は、変更情報取得部42によって取得された選択候補期間情報と補修情報取得部40によって取得された補修予算情報とに基づいて、選択候補期間の候補期間補修コストが候補期間の補修予算よりも大きいか否かを判定する。
【0068】
例えば、変更対象物がA橋であり、選択候補期間が2022年度であり、2022年度の候補期間補修コストが2022年度の補修予算よりも大きいとする。この場合、判定部45は、選択候補期間である2022年度の候補期間補修コストが候補期間の補修予算よりも大きいと判定する。
【0069】
また、変更対象物がA橋であり、選択候補期間が2023年度であり、2023年度の候補期間補修コストが2023年度の補修予算よりも小さいとする。この場合、判定部45は、選択候補期間である2023年度の候補期間補修コストが候補期間の補修予算よりも大きくないと判定する。
【0070】
抽出部46は、判定部45によって選択候補期間の候補期間補修コストが補修予算よりも大きいと判定された場合、補修計画の対象である複数の構造物のうち変更対象物以外の構造物であって選択候補期間の補修コストが補修計画に含まれる構造物を新たな変更対象物の候補として抽出する。抽出部46は、抽出した結果である新たな変更対象物の候補を特定する情報を表示部23に表示させる対象物候補情報を出力する。
【0071】
例えば、変更対象物がA橋であり、選択候補期間が2024年度であり、2024年度の候補期間補修コストが2024年度の補修予算よりも大きいとし、A橋の2024年度における補修コストよりC橋の補修コストが小さいとする。この場合、抽出部46は、C橋を新たな変更対象物の候補として抽出し、C橋を新たな変更対象物の候補として特定する情報を表示部23に表示させる対象物候補情報を出力する。
【0072】
変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動とリスクコストの変動とを算出する。例えば、変動算出部47は、記憶部11に記憶されている状態遷移情報に基づいて、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動とリスクコストの変動とを算出する。変動算出部47は、算出した補修コストの変動とリスクコストの変動とをクライアント装置2の表示部23に表示させるための変動表示情報を生成し、生成した変動表示情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0073】
例えば、変更対象物がA橋であり、選択候補期間が2024年度であるとする。この場合、変動算出部47は、2022年度のA橋の補修コストを2022年度の補修コストのマイナスの変動として算出し、補修計画における2024年度のA橋の補修コストを2023年度の補修コストのプラスの変動として算出する。変動算出部47は、状態遷移情報が
図8に示す状態である場合、変動算出部47は、2022年度の補修コストの変動として−50万円を算出し、2024年度の補修コストの変動として+50万円を算出する。
【0074】
また、変動算出部47は、変更対象物がA橋であり、選択候補期間が2024年度である場合、2022年度のA橋のリスクコストを2022年度の補修コストのプラスの変動として算出し、補修計画における2023年度のA橋のリスクコストを2023年度の補修コストのプラスの変動として算出する。変動算出部47は、状態遷移情報が
図8に示す状態である場合、変動算出部47は、2022年度のリスクコストの変動として+50万円を算出し、2023年度のリスクコストの変動として+50万円を算出する。
【0075】
変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での各年度の補修コストの変動とリスクコストの変動とをクライアント装置2の表示部23に表示させるための情報である変動表示情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0076】
また、変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後でのトータルの補修コストの変動とトータルのリスクコストの変動とを算出することができる。この場合、変動表示情報には、トータルの補修コストの変動とトータルのリスクコストの変動とを表示部23に表示させるための情報が含まれる。
【0077】
例えば、変動算出部47は、2022年度の補修コストの変動として−50万円を算出し、2024年度の補修コストの変動として+50万円を算出した場合、トータルの補修コストの変動は、ゼロである。また、変動算出部47は、2022年度のリスクコストの変動として+50万円を算出し、2023年度のリスクコストの変動として+50万円を算出した場合、トータルのリスクコストは、+100万円である。
【0078】
また、変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更後の各年度の累計コストを算出することもできる。累計コストは、補修コストとリスクコストとを含む。この場合、変動表示情報には、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更後の各年度の累計コストを補修コストとリスクコストとを区別可能に表示部23に表示させる情報が含まれる。
【0079】
補修予算更新部48は、判定部45によって候補期間補修コストが補修予算よりも大きいと判定された場合、候補期間の補修予算の変更要求である予算更新要求を受け付け、受け付けた予算更新要求に基づいて候補期間の補修予算を更新する。補修予算更新部48は、例えば、予算更新要求に含まれる変更対象物の情報と変更対象物の変更後の補修期間の情報と補修コスト算出部43による算出結果とに基づいて、選択候補期間の補修予算を選択候補期間の候補期間補修コストと同じ額にすることで、選択候補期間の補修予算を更新する。なお、補修予算更新部48は、選択候補期間の補修予算の増加分を、更新対象物の元々の補修期間の補修予算から減算することで、更新対象物の元々の補修期間の補修予算を更新することができる。
【0080】
候補期間の補修予算の更新は、記憶部11に記憶された補修予算情報を変更することによって行われる。予算更新要求は、例えば、クライアント装置2から送信され通信部10で受信される。補修予算更新部48は、通信部10で予算更新要求が受信された場合に、予算更新要求を受け付ける。
【0081】
補修計画更新部49は、補修計画の変更要求である計画更新要求を受け付け、受け付けた計画更新要求に基づいて補修計画を更新する。計画更新要求には、例えば、変更対象物と変更対象物の変更後の補修期間とが含まれており、補修計画更新部49は、計画更新要求と状態遷移情報とに基づいて、補修計画を更新する。補修計画の更新は、記憶部11に記憶された補修計画情報を変更することによって行われる。
【0082】
次に、クライアント装置2の構成についてさらに詳細に説明する。
図4に示すように、クライアント装置2は、通信部20と、入力部21と、処理部22と、表示部23とを備える。処理部22は、計画送信要求処理部50と、表示処理部51と、変更対象物選択検出部52と、候補期間選択検出部53と、計画更新通知処理部54と、予算更新通知処理部55とを備える。
【0083】
計画送信要求処理部50は、入力部21へユーザの特定操作がある場合、補修計画送信要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。
【0084】
表示処理部51は、サーバ装置1から送信された補修計画表示情報が通信部20で受信された場合、補修計画表示情報に基づいて、補修計画の情報を表示部23に表示させる。
図9は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示される補修計画の他の例を示す図である。
【0085】
図9に示す例では、A橋、B橋、C橋、およびD橋を含む複数の構造物の補修計画90がタイムライン表示方式によって表示部23に表示される。
図9に示す補修計画90には、A橋、B橋、C橋、およびD橋のタイムラインカラム95
1,95
2,95
3,95
4を含む複数のタイムラインカラムと、補修コストカラム96
1と、リスクコストカラム96
2とが含まれる。
【0086】
タイムラインカラム95
1,95
2,95
3,95
4には、A橋、B橋、C橋、およびD橋の補修時期に対応する位置にタイムラインバー91
1,91
2,91
3,91
4が配置されている。そのため、ユーザは、A橋の補修時期が2021年度であり、B橋の補修時期が2022年度であり、C橋の補修時期が2024年度であり、D橋の補修時期が2023年度から2024年度までであることを容易に把握することができる。
【0087】
なお、タイムラインカラム95
1には、2030年度に対応する領域に落橋マーク94が配置されており、これにより、ユーザは、A橋の補修工事が2030年度以降はできないことを把握することができる。以下において、タイムラインカラム95
1,95
2,95
3,95
4の各々を個別に区別せずに示す場合、タイムラインカラム95と記載する場合がある。
【0088】
ユーザは、例えば、表示部23に表示された補修計画90に含まれる複数のタイムラインカラム95のうち補修期間を変更したい構造物のタイムラインカラム95を入力部21への操作によって選択することによって、変更対象物を選択することができる。
【0089】
例えば、ユーザは、入力部21への操作によって表示部23に表示された補修計画90のタイムラインカラム95上にカーソル93を移動させ、クリック操作などによって選択操作を行うことで、変更対象物を選択することができる。なお、タイムラインカラム95に代えて、タイムラインカラム95上のタイムラインバー91を入力部21への操作によって選択することによって、変更対象物を選択することもできる。
【0090】
変更対象物選択検出部52は、例えば、カーソル93がタイムラインカラム95上またはタイムラインバー91上にある場合にクリック操作などによって選択操作が行われた場合、カーソル93があるタイムラインカラム95またはタイムラインバー91に対応する構造物が変更対象物として選択されたと判定する。例えば、
図9に示す状態で、選択操作が行われた場合、変更対象物選択検出部52によってA橋が変更対象物として検出される。
【0091】
変更対象物選択検出部52は、変更対象物を検出した場合、変更対象物の情報である変更対象物情報をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。例えば、変更対象物選択検出部52は、A橋を変更対象物として検出した場合、A橋の情報を変更対象物情報としてサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。
【0092】
サーバ装置1の処理部12は、変更対象物情報がクライアント装置2から通信部10で受信された場合、上述したように、候補期間補修コストを候補期間毎に算出し、候補期間補修コストと補修予算とを候補期間毎に比較する。処理部12は、比較した結果を表示部23に表示させる情報である比較結果情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0093】
表示処理部51は、サーバ装置1から送信された比較結果情報が通信部20で受信された場合、かかる比較結果情報に基づいて、比較結果情報を表示部23に表示させる。
図10は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示される比較結果情報を含む補修計画の他の例を示す図である。
【0094】
図10に示す例では、
図3に示す例と同様に、補修計画90のうちA橋の補修工事スケジュールを示すタイムラインバー91
1が変更対象物として選択されたことを示す状態になり、候補期間における候補期間補修コストと補修予算との比較結果を示すタイムラインバー92
1,92
2,92
3,92
4,92
5が補修計画90上に追加されている。
【0095】
タイムラインバー92
1,92
2,92
3,92
4,92
5は、上述したように、候補期間補修コストと補修予算との比較結果によって異なる色が付されており、ハッチングの有無およびハッチングの種類によって色の違いを示している。
【0096】
ハッチングが付されていないタイムラインバー92
2は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別が第1の種別であることを示している。第1の種別は、候補期間補修コストが補修予算内に収まる候補期間であることを示す。タイムラインバー92
2の色は、例えば、青色である。
【0097】
また、粗いハッチングが付されているタイムラインバー92
1,92
3,92
5は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別が第2の種別であることを示している。第2の種別は、他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がある補修期間であることを示す。換言すれば、第2の種別は、変更対象物の補修コストよりも低い補修コストの構造物を新たな変更対象物にすることで、補修コスト総額が補修予算に収まることを示す。タイムラインバー92
1,92
3,92
5は、例えば、黄色である。
【0098】
図10に示す例では、例えば、2022年度におけるB橋の補修コストが2022年度におけるA橋の補修コストよりも低いため、タイムラインバー92
1は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別が第2の種別であることを示している。この場合、B橋を新たな変更対象物としてB橋の補修期間を2022年度以外にすることによって、2022年度の補修コスト総額が補修予算に収まるため、調整が容易である。
【0099】
また、細かいハッチングが付されているタイムラインバー92
4は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別が第3の種別であることを示している。第3の種別は、候補期間補修コストが補修予算外である補修期間であり、且つ他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がない補修期間であることを示す。換言すれば、第3の種別は、候補時期における他の構造物を他の補修時期に変更しても、補修コスト総額が補修予算に収まらない可能性があり、調整が容易ではないことを示す。タイムラインバー92
4は、例えば、赤色である。
【0100】
図10に示す例では、2025年度における不図示の構造物の補修コストのいずれも2025年度におけるA橋の補修コストよりも低くないため、タイムラインバー92
4は、第3の種別であることを示している。
【0101】
なお、候補期間補修コストと補修予算との比較結果の種別は、上述した例に限定されない。例えば、サーバ装置1の比較部44は、候補期間に補修期間がある1つの構造物を新たな変更対象物にすることで、補修コスト総額が補修予算に収まることを示す第4の種別と、候補期間に補修期間があるいずれの構造物を新たな変更対象物にしても、補修コスト総額が補修予算に収まらないことを示す第5の種別を、上述した第2の種別と第3の種別に代えてまたは加えて判定することもできる。
【0102】
候補期間選択検出部53は、補修計画90上に配置された複数のタイムラインバー92のいずれかがユーザ操作によって選択されたか否かを判定する。候補期間選択検出部53は、ユーザ操作によって選択されたタイムラインバー92で特定される候補期間である選択候補期間の情報をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。
【0103】
例えば、候補期間選択検出部53は、
図10に示す補修計画90上に配置されたタイムラインバー92
1〜92
5のうちユーザ操作によってタイムラインバー92
2が選択された場合、タイムラインバー92
2で特定される2023年度を選択候補期間として判定する。候補期間選択検出部53は、2023年度の情報を選択候補期間の情報としてサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。
【0104】
サーバ装置1の処理部12は、選択候補期間の情報をクライアント装置2から通信部10を介して取得した場合、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動とリスクコストの変動とを検出する。処理部12は、検出した補修コストの変動とリスクコストの変動とをクライアント装置2の表示部23に表示させる情報である変動表示情報としてクライアント装置2へ通信部10を介して送信する。
【0105】
表示処理部51は、サーバ装置1から送信された変動表示情報が通信部20で受信された場合、変動表示情報に基づいて、補修コストの変動とリスクコストの変動とを表示部23に表示させる。
【0106】
図11は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示されるタイムラインバーが選択された場合にクライアント装置の表示部に表示される補修計画の一例を示す図である。
図11に示す例では、タイムラインバー92
2が選択された場合の例を示している。
【0107】
図11に示すように、補修コストカラム96
1には、A橋の補修期間が2023年度に変更された場合の補修コストの変動を示す補修コスト変動情報が配置され、リスクコストカラム96
2には、A橋の補修期間が2023年度に変更された場合のリスクコストの変動を示すリスクコスト変動情報が配置される。補修コスト変動情報およびリスクコスト変動情報は、コストの変動が百万円単位で示される。
【0108】
補修コスト変動情報は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動を示し、リスクコスト変動情報は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後でのリスクコストの変動を示す。
【0109】
図11に示す補修コストカラム96
1では、2021年度の補修コストの変動が−0.5百万円であり、2023年度の補修コストの変動が+0.5百万円であることが示される。したがって、ユーザは、補修コストカラム96
1を参照することによって、A橋の補修期間が2023年度に変更された場合に、2021年度の補修コストが0.5万円ほど減少し、2023年度の補修コストが0.5百万円ほど増加することを容易に把握することができる。
【0110】
また、
図11に示すリスクコストカラム96
2では、2021年度のリスクコストの変動が+0.5百万円であり、2022年度の補修コストの変動が+0.5百万円であることが示される。したがって、ユーザは、リスクコストカラム96
2を参照することによって、A橋の補修期間が2023年度に変更された場合に、2021年度のリスクコストが0.5百万円ほど増加し、2022年度のリスクコストが0.5百万円ほど増加することを容易に把握することができる。
【0111】
図11に示すように、表示部23には、変更確定ボタン82が表示されており、計画更新通知処理部54は、変更確定ボタン82がユーザ操作によって選択されたか否かを判定する。計画更新通知処理部54は、変更確定ボタン82がユーザ操作によって選択されたと判定した場合、補修計画の変更要求である計画更新要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。これにより、サーバ装置1によって、補修計画が更新される。
【0112】
計画更新要求には、例えば、変更対象物と変更対象物の変更後の補修期間とが含まれる。例えば、
図11に示す状態で、変更確定ボタン82がユーザ操作によって選択された場合、クライアント装置2からサーバ装置1へ送信される計画更新要求には、例えば、変更対象物としてA橋の情報が含まれると共に、A橋の変更後の補修期間として2023年度の情報が含まれる。
【0113】
図12は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示されるタイムラインバーが選択された場合にクライアント装置の表示部に表示される補修計画の他の例を示す図である。
図12に示す例では、
図11に示す表示内容に加えて、トータルコストの変動を示す領域86と、各年度の累計コストを示す領域87とが表示部23に表示されている。
【0114】
トータルコストの変動を示す領域86には、A橋の補修期間が2023年度に変更された場合における2021年度から2030年度までの補修コストの増減を合計したトータル補修コストと2021年度から2030年度までのリスクストの増減を合計したトータルリスクストとが示される。
【0115】
サーバ装置1から送信される変動表示情報には、トータルコストの変動を領域86に表示させる情報が含まれており、表示処理部51は、変動表示情報に基づいて、表示部23の領域86にトータルコストの変動を表示させる。
【0116】
各年度の累計コストを示す領域87には、A橋の補修期間を2023年度に変更した場合の2021年度から2030年度までの各年度の累計コストが補修コストとリスクコストとを区別可能に示される。なお、
図12に示す例では、2025年度以降の累計コストは省略されている。
【0117】
次に、
図10に示す補修計画90上に配置されたタイムラインバー92
1〜92
5のうちユーザ操作によってタイムラインバー92
3が選択された場合の例について説明する。
図13は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示されるタイムラインバーが選択された場合にクライアント装置の表示部に表示される補修計画のさらに他の例を示す図である。
図13に示す例では、タイムラインバー92
3が選択された場合の例を示している。
図13では
図12に示す領域86,87は省略している。
【0118】
図13に示すように、補修コストカラム96
1には、A橋の補修期間が2024年度に変更された場合の補修コストの変動を示す補修コスト変動情報が配置され、リスクコストカラム96
2には、A橋の補修期間が2024年度に変更された場合のリスクコストの変動を示すリスクコスト変動情報が配置される。
【0119】
補修コストカラム96
1において、2024年度の補修コストの変動が+0.5百万円であることが示されており、さらに、2024年度の位置に注意マーク98が示されている。注意マーク98は、A橋の補修期間が2024年度に変更された場合の2024年度の候補期間補修コストが2024年度の補修予算を超えることを示す。選択されたタイムラインバー92
3は、第2の種別を示すタイムラインバー92であるため、表示処理部51は、タイムラインバー92
3が選択された場合に、注意マーク98を補修コストカラム96
1に配置する。
【0120】
また、表示処理部51は、サーバ装置1から送信される対象物候補情報に基づいて、2024年度において変更対象物の補修コストよりも補修コストが少ない構造物のタイムラインバー91を強調する。
図13に示す例では、2024年度においてA橋の補修コストよりも補修コストが少ないC橋のタイムラインバー91
3が強調表示されている。ユーザは、C橋のタイムラインバー91
3を選択することによって、C橋を新たな変更対象物として、A橋の補修期間の変更の場合と同様の手順で、C橋の補修期間を変更することで補修予算になるように補修計画を調整することができる。
【0121】
図13に示すタイムラインバー91
3がユーザ操作によって選択された場合、変更対象物選択検出部52は、C橋の情報を変更対象物情報としてサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。これにより、サーバ装置1からC橋を変更対象物とする比較結果情報がクライアント装置2に送信される。
【0122】
表示処理部51は、C橋を変更対象物とする比較結果情報に基づいて、C橋を変更対象物とする比較結果情報を表示部23に表示させる。これにより、表示部23には、C橋の候補期間における候補期間補修コストと補修予算との比較結果を各々示す複数のタイムラインバーが補修計画90上に追加される。ユーザは、ユーザ操作によってこれらのタイムラインバーの1つを選択することによって、C橋の補修期間を変更することができる。
【0123】
図14は、実施の形態1にかかる補修計画において、C橋を変更対象物とし、C橋の補修期間を2029年度に変更した場合にクライアント装置の表示部に表示される補修計画の一例を示す図である。
図14では
図12に示す領域86,87は省略している。
図14に示す例では、C橋の補修期間が2029年度に変更されたことを示すタイムラインバー99が示され、2029年度までの補修コストの変動とリスクストの変動が示されている。
【0124】
また、表示処理部51は、
図12に示す補修計画90に加え、補修予算を変更するための領域を表示部23に表示させることができる。
図15は、実施の形態1にかかるクライアント装置の表示部に表示されるタイムラインバーが選択された場合にクライアント装置の表示部に表示される補修予算を変更するための領域の一例を示す図である。
図15では
図12に示す領域86,87は省略している。
【0125】
図15に示す例では、
図12に示す表示内容に加えて、補修予算を変更するための領域80が表示部23に表示されている。領域80には、補修予算の変更内容として「2024年度の補修予算を30万円増やして、A橋の補修工事を2024年度に変更しますか?」の文字列が配置されると共に、補修予算を変更するためのYesボタン81が配置されている。
【0126】
予算更新通知処理部55は、Yesボタン81がユーザ操作によって選択されたか否かを判定する。予算更新通知処理部55は、Yesボタン81がユーザ操作によって選択されたと判定した場合、候補期間の補修予算の変更要求である予算更新要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。これにより、サーバ装置1において補修予算が更新される。
【0127】
予算更新要求には、例えば、変更対象物の情報と選択候補期間の情報とが含まれる。例えば、
図11または
図12に示す状態で、変更確定ボタン82がユーザ操作によって選択された場合、クライアント装置2からサーバ装置1へ送信される予算更新要求には、例えば、変更対象物としてA橋の情報が含まれると共に、A橋の選択候補期間として2023年度の情報が含まれる。補修予算更新部48は、通信部10で予算更新要求が受信された場合に、予算更新要求を受け付ける。
【0128】
なお、補修予算を変更するための領域80には、
図15に示す補修予算の変更内容に代えてまたは加えて、補修予算の変更額または補修予算の増加額を追加する入力枠が配置されてもよい。この場合、予算更新通知処理部55は、Yesボタン81がユーザ操作によって選択されたと判定した場合、入力枠に入力された情報を含む予算更新要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する。サーバ装置1は、予算更新要求に含まれる情報に基づいて、補修予算を更新する。
【0129】
つづいて、フローチャートを用いてサーバ装置1の処理部12による処理を説明する。
図16は、実施の形態1にかかるサーバ装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
図16に示すように、サーバ装置1の処理部12は、クライアント装置2から通信部10を介して補修計画送信要求が取得されたか否かを判定する(ステップS10)。処理部12は、補修計画送信要求が取得されたと判定した場合(ステップS10:Yes)、記憶部11に記憶された補修計画情報に基づいて、補修計画表示情報を生成し、生成した補修計画表示情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する(ステップS11)。
【0131】
次に、処理部12は、計画変更支援処理を実行する(ステップS12)。ステップS12の計画変更支援処理は、
図17に示すステップS20〜S28の処理であり、後で詳述する。
【0132】
次に、処理部12は、計画変更作業の終了操作があるか否かを判定する(ステップS13)。処理部12は、計画変更作業の終了操作がないと判定した場合(ステップS13:No)、処理をステップS12へ移行する。また、処理部12は、計画変更作業の終了操作があると判定した場合(ステップS13:Yes)、または補修計画送信要求が取得されないと判定した場合(ステップS10:No)、
図16に示す処理を終了する。
【0133】
図17は、実施の形態1にかかるサーバ装置の処理部による計画変更支援処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示すように、サーバ装置1の処理部12は、クライアント装置2から通信部10を介して変更対象物情報を取得したか否かを判定する(ステップS20)。処理部12は、変更対象物情報を取得したと判定した場合(ステップS20:Yes)、比較処理を実行する(ステップS21)。ステップS21の比較処理は、
図18に示すステップS30〜S40の処理であり、後で詳述する。
【0134】
処理部12は、ステップS21の処理が終了した場合、または変更対象物情報を取得していないと判定した場合(ステップS20:No)、クライアント装置2から通信部10を介して選択候補期間情報を取得したか否かを判定する(ステップS22)。
【0135】
処理部12は、選択候補期間情報を取得したと判定した場合(ステップS22:Yes)、抽出処理を実行し(ステップS23)、変動検出処理を実行する(ステップS24)。ステップS23の抽出処処理は、
図19に示すステップS50〜S54の処理であり、後で詳述する。また、ステップS24の変動検出処理は、
図20に示すステップS60〜S62の処理であり、後で詳述する。
【0136】
処理部12は、ステップS24の処理が終了した場合、または選択候補期間情報を取得していないと判定した場合(ステップS22:No)、クライアント装置2から通信部10を介して予算更新要求を取得したか否かを判定する(ステップS25)。処理部12は、予算更新要求を取得したと判定した場合(ステップS25:Yes)、予算更新要求に基づいて、補修予算を更新する(ステップS26)。
【0137】
処理部12は、ステップS26の処理が終了した場合、または予算更新要求を取得していないと判定した場合(ステップS25:No)、クライアント装置2から通信部10を介して計画更新要求を取得したか否かを判定する(ステップS27)。処理部12は、計画更新要求を取得したと判定した場合(ステップS27:Yes)、計画更新要求に基づいて、補修計画を更新する(ステップS28)。
【0138】
処理部12は、ステップS28の処理が終了した場合、または計画更新要求を取得していないと判定した場合(ステップS27:No)、
図17に示す処理を終了する。
【0139】
図18は、実施の形態1にかかるサーバ装置の処理部による比較処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、サーバ装置1の処理部12は、記憶部11に記憶された補修計画情報および状態遷移情報を取得する(ステップS30)。
【0140】
処理部12は、クライアント装置2から取得された変更対象物情報と、ステップS30で取得した補修計画情報および状態遷移情報とに基づいて、候補期間毎の候補期間補修コストを算出する(ステップS31)。候補期間は、変更対象物の補修期間以外の期間である。そして、処理部12は、記憶部11から補修予算情報を取得する(ステップS32)。
【0141】
次に、処理部12は、未選択の候補期間の1つを選択する(ステップS33)。そして、処理部12は、ステップS33で選択した候補期間において候補期間補修コストが補修予算以内であるか否か判定する(ステップS34)。処理部12は、候補期間補修コストが補修予算以内であると判定した場合(ステップS34:Yes)、候補期間補修コストと補修予算との比較結果が、第1の種別の比較結果であると判定する(ステップS35)。
【0142】
処理部12は、候補期間補修コストが補修予算以内ではないと判定した場合(ステップS34:No)、候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい更対象物以外の他の構造物があるか否かを判定する(ステップS36)。処理部12は、変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物があると判定した場合(ステップS36:Yes)、候補期間補修コストと補修予算との比較結果が、第2の種別の比較結果であると判定する(ステップS37)。
【0143】
処理部12は、変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物がないと判定した場合(ステップS36:No)、候補期間補修コストと補修予算との比較結果が、第3の種別の比較結果であると判定する(ステップS38)。処理部12は、ステップS35の処理、ステップS37の処理、またはステップS38の処理が終了した場合、未選択の候補期間があるか否かを判定する(ステップS39)。
【0144】
処理部12は、未選択の候補期間があると判定した場合(ステップS39:Yes)、処理をステップS33へ移行する。処理部12は、未選択の候補期間がないと判定した場合(ステップS39:No)、各候補期間における候補期間補修コストと補修予算との比較結果をクライアント装置2の表示部23に表示させるための比較結果情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信し(ステップS40)、
図18に示す処理を終了する。
【0145】
図19は、実施の形態1にかかるサーバ装置の処理部による抽出処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、サーバ装置1の処理部12は、ステップS31で算出した候補期間補修コストのうち選択候補期間の候補期間補修コストの情報を取得する(ステップS50)。なお、ステップS50において、処理部12は、ステップS31と同様の処理で選択候補期間の候補期間補修コストを算出することもできる。
【0146】
次に、処理部12は、記憶部11から選択候補期間の補修予算の情報を取得する(ステップS51)。処理部12は、ステップS50で取得した選択候補期間の候補期間補修コストの情報とステップS51で取得した選択候補期間の補修予算の情報とに基づいて、選択候補期間の候補期間補修コストが選択候補期間の補修予算内であるか否かを判定する(ステップS52)。
【0147】
処理部12は、選択候補期間の候補期間補修コストが選択候補期間の補修予算内でないと判定した場合(ステップS52:No)、選択候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物があるか否かを判定する(ステップS53)。
【0148】
処理部12は、選択候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物があると判定した場合(ステップS53:Yes)、対象物候補情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信する(ステップS54)。対象物候補情報は、選択候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物を新たな変更対象物の候補とする情報である。
【0149】
処理部12は、ステップS54の処理が終了した場合、選択候補期間の候補期間補修コストが選択候補期間の補修予算内であると判定した場合(ステップS52:Yes)、または選択候補期間において変更対象物の補修コストよりも補修コストが小さい変更対象物以外の他の構造物がないと判定した場合(ステップS53:No)、
図19に示す処理を終了する。
【0150】
図20は、実施の形態1にかかるサーバ装置の処理部による変動検出処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、サーバ装置1の処理部12は、記憶部11から状態遷移情報を取得する(ステップS60)。
【0151】
次に、処理部12は、ステップS60で取得した状態遷移情報に基づいて、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動とリスクストの変動を検出する(ステップS61)。そして、処理部12は、検出した補修コストの変動とリスクコストの変動とをクライアント装置2の表示部23に表示させるための変動表示情報をクライアント装置2へ通信部10を介して送信し(ステップS62)、
図20に示す処理を終了する。
【0152】
つづいて、フローチャートを用いてクライアント装置2の処理部22による処理を説明する。
図21は、実施の形態1にかかるクライアント装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
【0153】
図21に示すように、クライアント装置2の処理部22は、特定操作があるか否かを判定する(ステップS70)。処理部22は、ユーザ操作に基づいて、特定操作があると判定した場合(ステップS70:Yes)、補修計画90の表示処理を実行する(ステップS71)。
【0154】
処理部22は、ステップS71の処理が終了した場合、または特定操作がないと判定した場合(ステップS70:No)、ユーザ操作に基づいて、変更対象物を検出したか否かを判定する(ステップS72)。処理部22は、変更対象物を検出したと判定した場合(ステップS72:Yes)、変更対象物の情報をサーバ装置1へ送信した後、サーバ装置1から送信される比較結果情報に基づいて、比較結果の表示処理を実行する(ステップS73)。比較結果の表示処理は、例えば、タイムラインバー92を補修計画90上に配置することによって行われる。
【0155】
処理部22は、ステップS73の処理が終了した場合、または変更対象物を検出していないと判定した場合(ステップS72:No)、候補期間の選択を検出したか否かを判定する(ステップS74)。処理部22は、候補期間の選択を検出したと判定した場合(ステップS74:Yes)、選択された候補期間の情報をサーバ装置1へ送信した後、サーバ装置1から送信される変動表示情報に基づいて、コスト変動などの表示処理を行う(ステップS75)。ステップS75の処理において、処理部22は、補修コストの変動とリスクストの変動とを表示部23に表示させたり、変更対象物の候補のタイムラインバー91を強調したりする。
【0156】
処理部22は、ステップS75の処理が終了した場合、または候補期間の選択を検出していないと判定した場合(ステップS74:No)、予算更新操作があるか否かを判定する(ステップS76)。ステップS76の処理において、処理部22は、例えば、
図15に示すYesボタン81がユーザ操作によって選択された場合に、予算更新操作があると判定する。
【0157】
処理部22は、予算更新操作があると判定した場合(ステップS76:Yes)、予算更新要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する予算更新要求通知処理を実行する(ステップS77)。
【0158】
処理部22は、ステップS77の処理が終了した場合、または予算更新操作がないと判定した場合(ステップS76:No)、計画更新操作があるか否かを判定する(ステップS78)。ステップS78の処理において、処理部22は、例えば、
図11に示す変更確定ボタン82がユーザ操作によって選択された場合に、計画更新操作があると判定する。
【0159】
処理部22は、計画更新操作があると判定した場合(ステップS78:Yes)、計画更新要求をサーバ装置1へ通信部20を介して送信する計画更新要求通知処理を実行する(ステップS79)。処理部22は、ステップS79の処理が終了した場合、または計画更新操作がないと判定した場合(ステップS78:No)、
図21に示す処理を終了する。
【0160】
図22は、実施の形態1にかかるサーバ装置およびクライアント装置の各々のハードウェア構成の一例を示す図である。
図22に示すように、サーバ装置1およびクライアント装置2の各々は、プロセッサ101と、メモリ102と、インタフェース回路103と、表示装置104と、入力装置105とを備えるコンピュータを含む。
【0161】
プロセッサ101、メモリ102、インタフェース回路103、表示装置104、および入力装置105は、例えば、バス106によって互いに情報の送受信が可能である。記憶部11は、メモリ102によって実現される。入力部21は、入力装置105で実現される。表示部23は、表示装置104で実現される。サーバ装置1のプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部12の機能を実行する。また、クライアント装置2のプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部22の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
【0162】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、サーバ装置1およびクライアント装置2の各々は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
【0163】
補修計画変更支援システム100において、クライアント装置2は、サーバ装置1の機能を有する構成であってもよい。また、サーバ装置1は、処理サーバと、データサーバとで構成されてもよい。
【0164】
実施の形態1にかかる補修計画変更支援システム100は、補修情報取得部40と、変更情報取得部42と、補修コスト算出部43と、比較部44とを備える。補修情報取得部40は、複数の構造物の補修計画であって予め定められた期間毎の補修コストを含む補修計画の情報と期間毎の補修予算の情報とを取得する。変更情報取得部42は、複数の構造物のうち補修期間の変更対象として選択された構造物である変更対象物の情報を取得する。補修コスト算出部43は、補修情報取得部40で取得された補修計画の情報に基づいて、変更対象物の変更先の候補となる補修期間である候補期間に変更対象物の補修期間が変更された場合の候補期間の補修コストを候補期間補修コストとして候補期間毎に算出する。比較部44は、補修情報取得部40で取得された補修予算の情報に基づいて、補修コスト算出部43によって算出された候補期間補修コストと補修予算とを候補期間毎に比較し、比較した結果を表示部23に表示させるための表示情報を出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、構造物の補修期間の前倒しまたは先延ばしを行う際に、ユーザがコスト変動と補修予算との関係を迅速に把握可能且つどの期間への変更が有効かを容易に判断できる。
【0165】
また、補修計画変更支援システム100は、判定部45と、抽出部46とを備える。判定部45は、複数の候補期間のうち選択された候補期間である選択候補期間の候補期間補修コストが候補期間の補修予算よりも大きいか否かを判定する。抽出部46は、判定部45によって候補期間補修コストが補修予算よりも大きいと判定された場合、複数の構造物のうち変更対象物以外の構造物であって選択候補期間の補修コストが補修計画に含まれる構造物を抽出し、抽出した結果を表示部23に表示させる情報を出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、前倒しまたは先延ばしようとする補修期間で補修予算が不足している場合において、新たな変更対象物の候補をユーザに提示することができ、補修計画の変更を容易にユーザに実行させることができる。
【0166】
また、補修計画変更支援システム100は、補修予算更新部48を備える。補修予算更新部48は、判定部45によって候補期間補修コストが補修予算よりも大きいと判定された場合、候補期間の補修予算の変更要求を受け付け、受け付けた結果に基づいて候補期間の補修予算を更新する。これにより、補修計画変更支援システム100では、前倒しまたは先延ばしようとする補修期間で補修予算が不足している場合において、候補期間補修コストが補修予算内に収まるように補修予算の変更を容易にユーザに実行させることができる。
【0167】
また、補修計画変更支援システム100は、変動算出部47を備える。変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後での補修コストの変動を算出し、算出した結果を表示部23に表示させるための情報を出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、変更対象物の補修期間による補修コストの変動を容易にユーザに把握させることができる。
【0168】
また、変動算出部47は、変更対象物の補修期間の選択候補期間への変更前後でのリスクコストの変動を算出し、算出した結果を表示部23に表示させるための情報を出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、変更対象物の補修期間によるリスクコストの変動を容易にユーザに把握させることができる。
【0169】
また、補修コスト算出部43は、複数の構造物の各々の劣化状態と補修コストとの時間的変化を示す状態遷移情報に基づいて、候補期間補修コストを算出する。これにより、補修計画変更支援システム100は、候補期間補修コストを精度よく算出することができる。
【0170】
また、比較部44は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果に応じた種別の情報を変更先の補修期間毎に表示部23に表示させるための情報を含む情報を表示情報として出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、ユーザがコスト変動と補修予算との関係をより迅速に把握可能且つどの期間への変更が有効かをより容易に判断できる。
【0171】
また、比較部44は、候補期間補修コストと補修予算との比較結果に応じた種別の情報を比較結果に応じた色の情報として表示部23に表示させるための情報を含む情報を表示情報として出力する。これにより、補修計画変更支援システム100では、ユーザがコスト変動と補修予算との関係をより迅速に把握可能且つどの期間への変更が有効かをより容易に判断できる。
【0172】
候補期間補修コストと補修予算との比較結果に応じた種別は、第1の種別と、第2の種別と、第3の種別とを含む。第1の種別は、候補期間補修コストが補修予算内である補修期間であることを示す。第2の種別は、候補期間補修コストが補修予算外である補修期間であるが、他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がある補修期間であることを示す。第3の種別は、候補期間補修コストが補修予算外である補修期間であるが、他の構造物のうち変更対象物の補修コストよりも補修コストが低い構造物がない補修期間であることを示す。これにより、補修計画変更支援システム100では、ユーザがコスト変動と補修予算との関係をより迅速に把握可能且つどの期間への変更が有効かをより容易に判断できる。
【0173】
実施の形態2.
実施の形態2にかかる補修計画変更支援システムは、補修コストおよびリスクコストのうちの少なくとも一方に影響を与える要因である影響要因が生じた場合に、かかる影響要因による補修コストおよびリスクストに反映することができる点で、実施の形態1にかかる補修計画変更支援システム100と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の補修計画変更支援システム100と異なる点を中心に説明する。
【0174】
図23は、実施の形態2にかかる補修計画変更支援システムの構成の一例を示す図である。
図23に示すように、実施の形態2にかかる補修計画変更支援システム100Aは、サーバ装置1Aとクライアント装置2Aとを備える。
【0175】
サーバ装置1Aは、記憶部11および処理部12に代えて、記憶部11Aおよび処理部12Aを備える点で、サーバ装置1と異なる。また、クライアント装置2Aは、処理部22に代えて、処理部22Aを備える点で、クライアント装置2と異なる。
【0176】
図24は、実施の形態2にかかる補修計画変更支援システムの具体的構成の一例を示す図である。
図24に示すサーバ装置1Aの記憶部11Aは、影響要因情報DB34をさらに記憶する点でサーバ装置1の記憶部11と異なる。また、サーバ装置1Aの処理部12Aは、影響要因更新部60をさらに備える点でサーバ装置1の処理部12と異なる。
【0177】
影響要因情報DB34は、補修コストおよびリスクコストのうちの少なくとも一方に影響を与える要因である影響要因の情報である影響要因情報を含む。
図25は、実施の形態2にかかる影響要因情報DBに含まれる影響要因情報の一例を示す図である。
図25に示すように、影響要因情報は、「要因ID」、「要因名」、「影響構造物ID」、「補修コスト影響係数」、「単位」、「リスクコスト影響係数」、および「単位」が影響要因毎に互いに関連付けられた情報である影響要因情報を含む。
【0178】
「要因ID」は、各影響要因に固有の識別情報である。「要因名」は、影響要因の名称の情報である。「影響構造物ID」は、影響要因によって補修コストおよびリスクコストのうちの少なくとも一方に影響がある構造物の構造物IDである。
【0179】
「補修コスト影響係数」は、影響要因による補修コストへの影響を示す係数である。「単位」は、補修コスト影響係数の単位が円であるか%であるかを示す情報である。「リスクコスト影響係数」は、影響要因によるリスクコストへの影響を示す係数である。「単位」は、リスクコスト影響係数の単位が円であるか%であるかを示す情報である。補修コスト影響係数またはリスクコスト影響係数は、単位が円である場合、加減値を示し、単位が%である場合、乗率を示す。
【0180】
図25に示す例では、要因IDがF001である影響要因は、要因名が「点検時応急処置実施」であり、影響構造物IDがE002であり、補修コスト影響係数が−30000円であり、リスクコスト影響係数が−100000円である。
【0181】
要因IDがF002である影響要因は、要因名が「災害による一時中断」であり、影響構造物IDがE005であり、補修コスト影響係数が50%であり、リスクコスト影響係数が50%である。要因IDがF003である影響要因は、要因名が「補修機材導入」であり、影響構造物IDがE108,E109であり、補修コスト影響係数が−20000円であり、リスクコスト影響係数がゼロである。
【0182】
図24に示すサーバ装置1Aの処理部12Aは、影響要因更新部60をさらに備える点および変動算出部47に代えて変動算出部47Aを備える点で、サーバ装置1の処理部12と異なる。
【0183】
影響要因更新部60は、クライアント装置2Aから送信される影響要因更新要求が通信部10で受信された場合、影響要因更新要求に含まれる影響要因更新情報に基づいて、影響要因の情報を影響要因情報DB34に追加する。
【0184】
変動算出部47Aは、変動算出部47の機能に加えて、影響要因情報DB34に含まれる影響要因の情報に基づいて、影響要因によって生じる補修コストの変動とリスクコストの変動とをさらに算出する。
【0185】
ここで、
図25に示す要因IDがF001である影響要因による補修コストの変動とリスクコストの変動について説明する。変動算出部47Aは、影響構造物IDがE002であるB橋のリスクコストの変動として−0.1百万を算出し、B橋の補修コストの変動として−0.03百万を算出する。
【0186】
図24に示すクライアント装置2Aの処理部22Aは、さらに影響要因通知処理部56を備える点で、処理部22と異なる。影響要因通知処理部56は、ユーザ操作によってクライアント装置2Aに入力された影響要因の情報である影響要因情報を含む影響要因更新要求をサーバ装置1Aへ通信部20を介して送信する。影響要因通知処理部56は、影響要因情報受付部の一例である。
【0187】
図26は、実施の形態2にかかるクライアント装置の表示部に表示される計画見直し設定領域の一例を示す図である。
図26に示す計画見直し設定領域70には、要因名を入力するための入力枠71と、影響構造物の情報を入力するための入力枠72と、補修コスト影響係数を入力するための入力枠73と、補修コスト影響係数の単位を選択するためのラジオボタン74,75と、リスクコスト影響係数を入力するための入力枠76と、リスクコスト影響係数の単位を選択するためのラジオボタン77,78と、設定ボタン79とが含まれる。
【0188】
ユーザは、入力部21への入力操作によって、入力枠71,72,73,76のうち必要に応じた入力枠への入力と、ラジオボタン74,75,77,78のうち必要に応じたラジオボタンの選択とを行った後、設定ボタン79を選択する。影響要因通知処理部56は、設定ボタン79の選択を検出した場合、入力枠71,72,73,76への入力状態を示す情報とラジオボタン74,75,77,78の選択状態を示す情報とを含む影響要因更新要求をサーバ装置1Aへ通信部20を介して送信する。
【0189】
図26に示す計画見直し設定領域70では、要因名として、「点検時応急処置実施」が入力枠71に入力されている。「点検時応急処置実施」とは、点検時に通常よりも早い劣化兆候を発見し応急処置が実施されたことを示し、以降予定されている補修工事では補修工法の変更によって補修コストが減少し、また、劣化進行が遅くなることによってリスクコストが減少する。
【0190】
図26に示す入力枠73へ入力される補修コスト影響係数は、例えば、補修工法の変更によって補修コストの減少に対応する係数である。また、
図26に示す入力枠76へ入力されるリスクコスト影響係数は、例えば、劣化進行が遅くなることによってリスクコストの減少に対応する係数である。
【0191】
ここで、
図26に示す入力内容を示す情報を含む影響要因更新要求がクライアント装置2Aからサーバ装置1Aへ送信された場合に、補修計画90上に示される補修コストの変動とリスクコストの変動について説明する。
【0192】
図27は、実施の形態2にかかるクライアント装置の表示部に表示される補修計画であって影響要因更新要求が送信された後の補修計画の一例を示す図である。なお、
図27に示す例では、
図12に示す領域87は省略している。
【0193】
図27に示す例では、B橋では、点検時に応急処置が実施されているため、2021年度のリスクコストの変動が−0.1百万になり、B橋の補修期間である2022年度では、補修コストの変動が−0.03百万となる。
【0194】
図28は、
図27に示す補修計画でC橋を変更対象として補修時期が変更された場合にクライアント装置の表示部に表示される補修計画の一例を示す図である。なお、
図28に示す例では、
図12に示す領域87は省略している。
【0195】
図28に示す例では、
図27に示すB橋に対しての補修コストの変動およびリスクコストの変動からユーザにより補修計画の見直しが行われた場合の例を示しており、C橋の補修期間が2024年度から2022年度に前倒しされている。
【0196】
かかる補修計画の見直しの結果、2022年度の補修コストの変動が+0.27百万になり、2023年度および2024年度のリスクコストの変動が−0.1百万になり、2024年度の補修コストの変動が−0.3百万になり、トータル補修コストが変わらずに、トータルリスクコストが改善される。
【0197】
つづいて、フローチャートを用いてサーバ装置1Aの処理部12Aによる処理を説明する。
図29は、実施の形態2にかかるサーバ装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
図29に示すステップS82〜S85の処理は、
図16に示すステップS10〜S13の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0198】
図29に示すように、サーバ装置1Aの処理部12Aは、通信部10を介してクライアント装置2Aからの影響要因更新要求を取得したか否かを判定する(ステップS80)。処理部12Aは、影響要因更新要求を取得したと判定した場合(ステップS80:Yes)、影響要因更新要求に含まれる情報に基づいて、記憶部11Aに記憶されている影響要因情報DB34を更新する(ステップS81)。
【0199】
つづいて、フローチャートを用いてクライアント装置2Aの処理部22Aによる影響要因処理を説明する。
図30は、実施の形態2にかかるクライアント装置の処理部による影響要因処理の一例を示すフローチャートである。
【0200】
図30に示すように、クライアント装置2Aの処理部22Aは、影響要因更新操作があるか否かを判定する(ステップS90)。ステップS90の処理において、処理部22Aは、例えば、
図26に示す設定ボタン79が選択された場合に、影響要因更新操作があると判定する。
【0201】
処理部22Aは、影響要因更新操作があると判定した場合(ステップS90:Yes)、影響要因更新要求をサーバ装置1Aへ通信部20を介して送信する影響要因更新要求通知処理を実行する(ステップS91)。処理部22Aは、ステップS91の処理が終了した場合、または影響要因更新操作がないと判定した場合(ステップS90:No)、
図30に示す処理を終了する。
【0202】
実施の形態2にかかるサーバ装置1Aおよびクライアント装置2Aの各々のハードウェア構成例は、
図22に示すサーバ装置1およびクライアント装置2のハードウェア構成と同じである。サーバ装置1Aのプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部12Aの機能を実行する。また、クライアント装置2Aのプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部22Aの機能を実行する。
【0203】
以上のように、実施の形態2にかかる補修計画変更支援システム100Aは、補修コストおよびリスクコストに影響を与える要因である影響要因の情報を受け付ける予算更新通知処理部55を備える。予算更新通知処理部55は、影響要因情報受付部の一例である。変動算出部47Aは、予算更新通知処理部55によって受け付けられた影響要因の情報に基づいて、補修コストの変動とリスクコストの変動とを算出する。これにより、補修計画変更支援システム100Aは、補修コストの変動とリスクコストの変動とをより精度よく算出することができる。
【0204】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
補修計画変更支援システムは、補修情報取得部(40)と、変更情報取得部(42)と、補修コスト算出部(43)と、比較部(44)とを備える。補修情報取得部(40)は、複数の構造物の補修計画であって予め定められた期間毎の補修コストを含む補修計画の情報と期間毎の補修予算の情報とを取得する。変更情報取得部(42)は、複数の構造物のうち補修期間の変更対象として選択された構造物である変更対象物の情報を取得する。補修コスト算出部(43)は、変更対象物の変更先の候補となる補修期間である候補期間に変更対象物の補修期間が変更された場合の候補期間の補修コストを候補期間補修コストとして候補期間毎に算出する。比較部(44)は、補修コスト算出部(43)によって算出された候補期間補修コストと補修予算とを候補期間毎に比較し、比較した結果である比較結果を表示部(23)に表示させるための表示情報を出力する。