(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1や特許文献2に記載の装置では、単一種の容器に対して米飯を自動的に投入することができるにとどまり、例えばトレイ状の容器で投入位置が異なったり、丼状の容器で大きさが異なったりした場合などには、自動的に容器に投入することができなかった。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、複数種の容器に米飯を自動的に投入することができる米飯投入
装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯投入装置は、設定重量値を目標とした米飯を生成する米飯生成手段と、前記米飯生成手段で生成された米飯が投入される
米飯投入領域が形成された容器を供給する容器供給手段と、前記米飯生成手段の米飯搬送方向下流に設けられ、前記米飯生成手段で生成された米飯を所定の形状に成形する成形手段と、前記成形手段の米飯搬送方向下流に設けられ、前記容器供給手段から供給された前記容器に形成された前記米飯投入領域の直上に前記成形手段から搬送された前記米飯を位置決めして当該米飯を前記米飯投入領域に落下投入する投入手段と、前記米飯投入領域に対応した形状に前記米飯が成形され、且つ、成形された前記米飯の前記投入手段からの落下位置が
前記容器供給手段から供給された前記容器の前記米飯投入領域の直上位置となるように前記成形手段による前記米飯の成形位置を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項1に記載の発明において、前記投入手段の米飯搬送方向下流に設けられ、米飯の投入された前記容器の重量である総重量を計測する総重量計測手段と、前記総重量計測手段での計測結果に基づいて前記容器を2方向に振り分ける振分手段と、前記振分手段の一方の米飯搬送方向下流に設けられ、当該振分手段に振り分けられた総重量が所定範囲内の前記容器に投入された米飯を均す均し手段と、前記振分手段の他方の米飯搬送方向下流に設けられ、当該振分手段に振り分けられた総重量が所定範囲外の前記容器を装置の外に排出する排出手段と、をさらに有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項1または2記載の発明において、前記容器供給手段は、複数種の容器を積層して収容可能な複数の容器収容部を備える、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記成形手段は、前記米飯を水平方向に押圧して前記米飯投入領域の形状に対応した形状に成形する成形型を有する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項4記載の発明において、前記成形型は、米飯搬送方向に沿った位置に対向配置され、前記米飯を米飯搬送方向に沿った方向に押圧する一対の第1の型部材と、米飯搬送方向と直交する位置に対向配置され、前記米飯を米飯搬送方向と直交する方向に押圧する一対の第2の型部材と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、前記投入手段は、前記容器供給手段から供給された前記容器の上方において開閉可能に設けられた開閉部と、前記成形手段から搬送された前記米飯を閉鎖位置にある前記開閉部における前記米飯投入領域の直上に位置決めする位置決め部とを有し、前記開閉部を閉鎖位置から開放位置に移動させて当該開閉部上の前記米飯を前記米飯投入領域に落下投入する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、前記米飯生成手段は、米飯を解す米飯解し部と、前記米飯解し部の下方に設けられ、前記米飯解し部から送られた米飯を計量分割して所定重量の米飯を生成する米飯計量分割部と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明の米飯投入装置は、上記請求項7記載の発明において、前記米飯生成手段は、前記米飯計量分割部で生成された米飯の重量を計測する計測部と、前記計測部で計測された米飯の重量と設定重量値との差分の米飯を加える調整部とをさらに有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容器に形成された米飯投入領域の対応した形状で、且つ、米飯の
落下位置が米飯投入領域の直上位置
となるように位置を調整して米飯を成形している。そして、当該
米飯を米飯投入領域の直上位置へ搬送し、容器の米飯投入領域に落下投入している。これにより、複数種の容器に米飯を自動的に投入することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態である米飯投入装置を示す斜視図、
図2は
図1の米飯投入装置を概念的に示す側面図、
図3は
図1の米飯投入装置を概念的に示す平面図、
図4は
図1の米飯投入装置の制御系を示すブロック図である。
【0021】
図1〜
図3に示すように、本実施の形態の米飯投入装置は、設定重量値を目標とした米飯Rを生成する米飯生成部(米飯生成手段)M1と、米飯生成部M1で生成された米飯Rが投入される容器T(
図5〜
図12)を供給する容器供給部(容器供給手段)M2と、米飯生成部M1で生成された米飯Rを所定の形状に成形する成形部(成形手段)M3と、容器供給部M2から供給された容器Tの米飯投入領域T1(
図5〜
図12)に米飯Rを投入する米飯投入部(投入手段)M4と、米飯投入部M4で米飯Rの投入された容器Tの重量(総重量)を計測する総重量計測部(総重量計測手段)M5と、総重量計測部M5での計測結果に基づいて容器Tを2方向に振り分ける容器振分部(振分手段)M6と、容器振分部M6で振り分けられた総重量が所定範囲内の容器Tに投入された米飯Rを均す米飯均し部(均し手段)M7と、容器振分部M6で振り分けられた総重量が所定範囲外の容器Tを機外に排出する容器排出部(排出手段)M8とを備えている。
【0022】
そして、米飯Rの搬送方向(米飯搬送方向)の上流から下流に向かって、米飯生成部M1、成形部M3、米飯投入部M4、総重量計測部M5および容器振分部M6が順次配置されており、さらに容器振分部M6から米飯搬送方向の下流側に分岐して、米飯均し部M7および容器排出部M8が配置されている。また、容器供給部M2は米飯投入部M4で米飯Rが投入される容器Tを収容しておくもので、容器供給部M2から米飯投入部M4に容器Tを搬送するための容器搬送コンベア20を介して米飯投入部M4と接続されている。
【0023】
また、
図4に示すように、本実施の形態の米飯投入装置は、装置の動作全体を司る制御部(制御手段)Sを有している。この制御部Sには、作業者が所定の設定を行う入力部94からの信号が入力されるようになっている。そして、入力部94からの信号に基づいて、米飯生成部M1、容器供給部M2、成形部M3、米飯投入部M4、総重量計測部M5、容器振分部M6および米飯均し部M7の動作を制御する。
【0024】
さて、米飯生成部M1には、第1のコンベアC1、第2のコンベアC2および第3のコンベアC3の3台のコンベアが米飯搬送方向の上流側から下流側に向けて配置されている。また、第1のコンベアC1の上方には、米飯を所定重量に計量分割して第1のコンベアC1上に送り出す主計量部(米飯計量分割部)10が配置されている。さらに、第3のコンベアC3の直上には、第2のコンベアC2から送られてきた米飯Rに、設定重量値に対して不足した重量分の米飯Rを供給するための補助計量部(調整部)14が配置されている。
【0025】
ここで、主計量部10の下部には、側面型枠11aおよび底面を構成する量目調整板11cとで構成されて上方から供給された米飯を容積計量するための計量枡11が設けられている。また、計量枡11の直上にはシャッタ11bが配置されている。そして、計量枡11に米飯が投入された後にシャッタ11bを動作させて上方の米飯と分割することで、側面型枠11a、量目調整板11cおよびシャッタ11bで形成される計量枡11の容積分の米飯Rが抽出される。計量後の計量枡11内の米飯Rは、側面型枠11aを量目調整板11cから退避させることで落下し、第1のコンベアC1上に載せられる。
【0026】
米飯生成部M1の側方(
図1において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール91に沿って米飯コンテナ92を昇降させるリフタ90が設けられている。このリフタ90により、米飯コンテナ92は主計量部10の上方に設置されたホッパ93の位置まで持ち上げられ、リフタ90の上端でホッパ93に向けて回動される。これにより、米飯コンテナ92内の米飯がホッパ93に投入される。
【0027】
ホッパ93内には投入された米飯を解すための図示しない解しローラ(米飯解し部)が設けられており、ホッパ93に投入された米飯は解しローラに解されて下方の主計量部10および側方の補助計量部14に導入される。
【0028】
主計量部10内には、左右で一対となったローラ対13が上下方向に複数段配置されており、当該ローラ対13によって、ホッパ93からの米飯が前述の計量枡11へと送り込まれるようになっている。
【0029】
第2のコンベアC2には、主計量部10で生成されて第1のコンベアC1から送られた米飯Rの重量を計量するための図示しないロードセル(計測部)が設けられている。また、第2のコンベアC2の米飯搬送方向下流に配置された第3のコンベアC3の直上には、前述の補助計量部14が配置されている。
【0030】
この補助計量部14には、補助コンベア15を介して前述したホッパ93内の米飯の一部が供給されるようになっており、さらに、第2のコンベアC2のロードセルで計測された米飯Rの重量データが送信されるようになっている。そして、補助計量部14では、作業者の設定した重量値(設定重量値)とロードセルでの計測値とから設定重量値に対する実際の米飯Rの過不足重量が算出され、不足重量分の米飯Rが生成されて第3のコンベアC3を搬送されている米飯Rに供給される。
【0031】
これにより、米飯生成部M1から成形部M3に対して、設定重量値を目標とした米飯Rが送られる。
【0032】
本実施の形態では、このように補助計量を行って米飯Rの量目精度を高くしているが、補助計量は必ずしも行われなくてもよい。また、米飯Rの計量については、本実施の形態のような容積計量である必要はなく、様々な計量手法が適用可能である。
【0033】
ホッパ93の側方(
図1において左側)には、計量される米飯Rの設定重量、容器Tの種類、生産数量などの設定を行う操作パネル94a、米飯投入装置の駆動、停止、再起動などを行う操作スイッチ94bなどから構成される入力部94が設けられている。そして、作業者は、操作パネル94aを操作して所望する米飯Rの設定重量(例えば、150g〜300gの範囲内での任意の重量)などを入力する。
【0034】
米飯Rが投入される容器Tを供給する容器供給部M2は、容器Tを積層して収容するタワー型のストック部(容器収容部)21を備えている。また、容器供給部M2には、ストック部21の直下から米飯投入部M4まで延びる前述の容器搬送コンベア20が設けられている。ストック部21の下部には、収容されている最下部の容器Tを吸着して取り出し、容器搬送コンベア20上に落下させる容器取出部22が設置されている。さらに、容器搬送コンベア20を搬送される容器Tを押して米飯投入部M4の所定位置に押し込む押込部23が設けられている。
【0035】
このような容器供給部M2により、ストック部21に収容されている容器Tは、容器取出部22によって最下部から順に1枚ずつ吸着されて容器搬送コンベア20に載せられ、当該容器搬送コンベア20に搬送された後に押込部23によって米飯投入部M4にセットされる。
【0036】
ここで、容器供給部M2に収容される容器T、つまり米飯Rの投入される容器Tの一例を
図5に示す。
図5(a)は米飯Rの投入される容器Tの一例を示す斜視図、
図5(b)は
図5(a)の容器Tの平面図である。
【0037】
図示する容器Tは、例えば熱可塑性樹脂シートを真空成形して作成されたトレイ状のもので、仕切壁によって複数の領域が形成されており、その中の一つとして、米飯Rが投入される略四角形をした米飯投入領域T1が形成されている。
【0038】
米飯生成部M1の米飯搬送方向下流に位置する成形部M3では、制御部Sによる制御の下、米飯生成部M1で生成された米飯Rを容器Tに形成された米飯投入領域T1に対応した形状に成形する。さらに、成形された米飯Rの搬送経路上が米飯投入部M4に供給された容器Tの米飯投入領域T1の直上位置となるように、米飯Rの位置(成形位置)を調整する。
【0039】
この成形部M3には、第3のコンベアC3の米飯搬送方向下流に設けられて米飯Rを搬送する第4のコンベアC4と、第4のコンベアC4上に設けられた成形型30とが備えられている。
【0040】
図示するように、成形型30は、米飯搬送方向に沿った位置に対向配置されて、米飯Rを搬送方向に沿った方向に押圧する一対の第1の型部材30a,30aと、米飯搬送方向と直交する位置に対向配置されて、米飯Rを搬送方向と直交する方向に押圧する一対の第2の型部材30b,30bと、米飯Rを上方から押圧して上面を均す第3の型部材30cとで構成されている。
【0041】
第1の型部材30a,30aおよび第2の型部材30b,30bは第4のコンベアC4と接触する位置を下降端として昇降可能になっており、さらに米飯搬送方向後方に位置する第1の型部材30aは下降端で米飯搬送方向の前後方向およびこれと直交する方向に移動可能、第2の型部材30b,30bは下降端で米飯搬送方向と直交する方向に移動可能になっている。また、第3の型部材30cは第4のコンベアC4と所定の距離を開けた位置を下降端として昇降可能になっている。なお、米飯搬送方向前方に位置する第1の型部材30aは、下降端で米飯搬送方向と直交する方向にのみ移動可能で米飯搬送方向への移動は不能となっている。
【0042】
なお、本願において「米飯Rを搬送方向(米飯搬送方向)に沿った方向に押圧する」とは、米飯Rを搬送ラインに沿って押圧することを意味するものである。よって、米飯搬送方向に米飯Rを押圧することのみならず、米飯搬送方向前方に位置する第1の型部材30aを米飯搬送方向の前後方向にも移動できるようにして、米飯搬送方向とは逆方向に米飯Rを押圧したり、さらには米飯搬送方向および米飯搬送方向とは逆方向の2方向から米飯Rを押圧するようにしてもよい。
【0043】
このような成形部M3において、第4のコンベアC4を一時的に停止させておき、第1の型部材30a,30a、第2の型部材30b,30bおよび第3の型部材30cを適宜の位置に動かして、当該第4のコンベアC4上の米飯Rを、容器Tに形成された米飯投入領域T1の形状に対応した形状に成形する。
【0044】
また、成形時においては、成形される米飯Rの第4のコンベアC4上での位置を第1の型部材30a,30a、第2の型部材30b,30bおよび第3の型部材30cで調整して、成形された米飯Rの搬送経路上に、次工程で米飯Rが投入される米飯投入部M4に位置決めされた容器Tの米飯投入領域T1の直上位置がくるように成形位置を調整する。
【0045】
このように米飯Rを容器Tに形成された米飯投入領域T1の形状に対応した形状に成形し、しかも米飯Rの成形位置を前述のように調整しておけば、米飯投入部M4において米飯Rの搬送停止位置を調整するだけで当該米飯Rが米飯投入領域T1の直上に位置決めされる。よって、そこから米飯Rを落下させれば、米飯Rが容器Tの米飯投入領域T1内にきれいに収まることになる。
【0046】
なお、本発明において、成形型30は米飯Rを第4のコンベアC4上で水平方向に押圧できれば足りる。よって、成形型30を構成する型部材およびその動きは本実施の形態に限定されるものではなく、米飯Rを上方から押圧する第3の型部材30cは設けられていなくてもよい。
【0047】
また、第1の型部材30a,30aや第2の型部材30b,30bの成形面の形状は自由に設定することができる。たとえば、成形面を水平方向に湾曲した形状にすれば、米飯Rを丸形や楕円形に成形することができる。また、成形面を水平方向に傾斜したものにすれば、米飯Rを三角形などに成形することができる。
【0048】
さらに、米飯Rを容器Tの米飯投入領域T1の形状に対応した形状に成形するとは、米飯Rを米飯投入領域T1の形状と同じ大きさの形状に成形することには限定されない。つまり、米飯Rを米飯投入領域T1に投入したときに、米飯Rが当該米飯投入領域T1からはみ出さない形状となっていればよい。したがって、容器Tの米飯投入領域T1が、例えば
図6に示すように略三角形や
図7に示すように異形の場合、米飯Rをこれらの米飯投入領域T1からはみ出さない大きさの四角形に成形すればよい。
【0049】
また、
図8〜
図12に示すように、全体が米飯投入領域T1となった丼(どんぶり)状の容器Tの場合も同様である。つまり、
図8に示す四角形の米飯投入領域T1、
図9に示す丸形の米飯投入領域T1、
図10に示す長円形の米飯投入領域T1、
図11に示す楕円形の米飯投入領域T1、
図12に示す多角形の米飯投入領域T1などにあっては、米飯Rがこれらの米飯投入領域T1からはみ出さない形状である限り、様々な形状に成形することが可能である。
【0050】
なお、第1の型部材30a,30aや第2の型部材30b,30bの形状を変更しなくても、
図13に示すように、第1の型部材30a,30aと第2の型部材30b,30bとの位置関係を可変とすることによって、第1の型部材30a,30aおよび第2の型部材30b,30bで囲まれる領域の形状(つまり、成形される米飯Rの形状や大きさ)は様々に変更することができる。
【0051】
但し、第1の型部材30a,30aや第2の型部材30b,30bの形状を変更することで米飯Rの成形形状や大きさを変更するようにしてもよいことはもちろんである。
【0052】
成形部M3の米飯搬送方向下流に設けられた米飯投入部M4では、容器供給部M2から供給された容器Tの米飯投入領域T1に、成形部M3から搬送された米飯R(つまり、成形部M3において、容器Tに形成された米飯投入領域T1の形状に対応した形状に成形され、且つ、米飯Rの搬送経路上が米飯投入部M4に設置された容器Tの米飯投入領域T1の直上位置となるように位置が調整された米飯R)が投入される。
【0053】
ここで、米飯投入部M4には、容器供給部M2から供給された容器Tが設置される容器設置部42が設けられている。また、設置された容器Tの上方にはシャッタ板(開閉部)40が設けられ、さらに、成形部M3において前述のように成形された米飯Rを閉鎖位置にあるシャッタ板40上に位置決めする位置決め部材41aが設けられている。
【0054】
ここで、シャッタ板40は2枚の板状部材で構成されて、水平方向で相互に同一面となった状態が閉鎖位置であり、両端を支点に観音開きのように下方へ回動して開放位置となる。但し、シャッタ板40の開閉態様は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば水平方向にスライド移動して開放位置となっていてもよい。
【0055】
また、位置決め部材41aは、米飯搬送方向前方に位置して米飯Rの先端位置を規制している。また、位置決め部材41aの米飯搬送方向後方には、成形部M3で成形された米飯Rを成形部M3から米飯搬送方向に沿って移動させて位置決め部材41aに当接させる移載部材41bが設けられている。
【0056】
よって、移載部材41bで移動された米飯Rが位置決め部材41aに当接することにより、米飯Rは米飯投入領域T1の直上に位置決めされる。
【0057】
これにより、米飯投入部M4では、位置決め部41で米飯Rを米飯投入領域T1の直上に位置決めした後に、シャッタ板40を閉鎖位置から開放位置に移動させることにより、シャッタ板40上の米飯Rが容器Tに形成された米飯投入領域T1に落下投入される。
【0058】
米飯投入部M4の米飯搬送方向下流に設けられた総重量計測部M5には、図示しないロードセルの設けられた第5のコンベアC5が配置されている。したがって、米飯投入部M4から送られた容器Tが第5のコンベアC5で搬送されることにより、米飯Rの投入された容器Tの重量、すなわち総重量が計測される。そして、計測結果は、次の容器振分部M6に送られる。
【0059】
総重量計測部M5の米飯搬送方向下流に設けられた容器振分部M6では、総重量計測部M5での計測結果に基づいて容器Tを2方向に振り分ける。すなわち、容器振分部M6の一方の米飯搬送方向下流には米飯均し部M7が、他方の米飯搬送方向下流には容器排出部M8が、それぞれ設けられている。そして、総重量計測部M5での計測結果である容器Tの総重量が所定の範囲内であった場合には、容器振分部M6において米飯均し部M7へ振り分けられ、容器Tの総重量が所定の範囲外であった場合には、容器振分部M6において容器排出部M8へ振り分けられる。
【0060】
ここで、容器振分部M6の前方には第6のコンベアC6が設けられている。また、容器振分部M6には、容器Tの幅以上の幅とされて第6のコンベアC6を横切る方向に出没可能となった突出板61を備えた振分部材60が設けられている。第6のコンベアC6の容器振分部M6よりも米飯搬送方向下流側の上方には、米飯均し部M7を構成する均し部材70が設置されている。この均し部材70には、第6のコンベアC6と所定の距離を開けた位置を下降端として昇降可能となった均し板71を有している。さらに、振分部材60の第6のコンベアC6を挟んで反対側には、容器排出部M8を構成する排出コンベア80が設置されている。排出コンベア80は複数の回転自在なローラで形成されており、振分部材60との対向位置を起点として下方に傾斜している。
【0061】
このような容器振分部M6、米飯均し部M7および容器排出部M8により、総重量計測部M5から搬送された容器T(米飯Rの投入された容器T)は次のように処理される。
【0062】
すなわち、容器Tの総重量が所定の範囲内であった場合には、容器振分部M6を構成する振分部材60の突出板61は突出しない。よって、容器Tは第6のコンベアC6に搬送されて米飯均し部M7に到達する。そして、米飯均し部M7を構成する均し部材70の均し板71が下降して、容器Tに投入された米飯Rが均される。なお、その後、作業者により容器Tにおかずの盛りつけが行われる。
【0063】
また、容器Tの総重量が所定の範囲外であった場合には、振分部材60の突出板61が突出し、容器Tが第6のコンベアC6から容器排出部M8を構成する排出コンベア80へと導かれる。これにより、容器Tは排出コンベア80を形成するローラ上を滑走して装置の外へと排出される。
【0064】
次に、以上のような構成を有する米飯投入装置の動作について説明する。
【0065】
ホッパ93に米飯が入れられ、容器供給部M2に米飯Rの投入される容器Tが収容されたならば、作業者は入力部94を操作して米飯Rの設定重量、容器Tの種類、生産数量などを入力し、スタートボタンを押す。なお、本実施の形態においては、容器Tの種類が予め複数登録されており、容器供給部M2に収容された容器Tを登録された容器Tの中から選択するだけで、当該容器Tに形成された米飯投入領域T1の形状と位置とが設定されるようになっている。よって、成形部M3では、設定された米飯投入領域T1の形状と位置に対応した米飯Rが成形されることになる。なお、ここでは、
図5に示すトレイ状の容器Tに米飯Rが投入されるものとして説明する。
【0066】
スタートボタンが押されると、米飯生成部M1においては、ホッパ93から送られた米飯が主計量部10において容積計量され、設定重量に応じた米飯Rが生成される。さらに、生成された米飯Rの重量が設定重量値に対して不足していた場合には、補助計量部14において不足分が補われ、最終的に設定重量値を目標とした米飯Rが生成される。
【0067】
このように米飯生成部M1で米飯Rが生成される一方で、容器供給部M2では、ストック部21に収容されている最下部の容器Tが容器取出部22によって取り出され、容器搬送コンベア20に搬送されて米飯投入部M4の容器設置部42にセットされる。
【0068】
さて、米飯生成部M1で生成された米飯Rは成形部M3に送られ、一時的に停止した第4のコンベアC4上において、容器Tの米飯投入領域T1に対応した形状および位置となるように成形型30で成形される。
【0069】
成形型30による米飯Rの成形のプロセスを
図14および
図15を用いて説明する。ここで、
図14は成形型30による米飯Rの最初の成形状態を示す説明図、
図15は成形型30による米飯Rの
図14に続く成形状態を示す説明図である。
【0070】
成形部M3では、
図14に示すように、最初に、成形型30によって米飯投入領域T1に対応した形状に米飯Rが成形される。つまり、第1の型部材30a,30aおよび第2の型部材30b,30bを第4のコンベアC4まで下降させて適宜の位置に動かして米飯Rの外周形状を規定し、さらに第3の型部材30cを下降させて当該米飯Rの上面を均す。ここでは、
図5に示す容器Tの米飯投入領域T1の形状に対応して、当該領域よりも小さな四角形に形成される。
【0071】
米飯Rの成形が完了したならば、第3の型部材30cを上昇させた後に、
図15に示すように、第1の型部材30a,30aおよび第2の型部材30b,30bを一体で水平方向に移動させて、米飯Rの搬送経路上に、米飯投入部M4に位置決めされた容器Tの米飯投入領域T1の直上位置がくるように米飯Rを位置決めする。なお、米飯Rの成形位置を調整したならば、第1の型部材30a,30aおよび第2の型部材30b,30bも上昇させて一連の成形工程が完了する。
【0072】
なお、本実施の形態の成形部M3では、米飯Rを成形した後に位置決めしているが、成形と位置決めとを同時に行う(つまり、
図15に示す位置で米飯Rを成形する)ようにしてもよい。
【0073】
このようにして成形部M3での成形が完了した米飯Rは、米飯投入部M4へと搬送される。
【0074】
米飯投入部M4による米飯Rの投入のプロセスを
図16および
図17を用いて説明する。ここで、
図16は位置決め部41により米飯Rがシャッタ板40に案内される様子を示す説明図、
図17はシャッタ板40が開いて米飯Rが容器Tの米飯投入領域T1に投入される様子を示す説明図である。
【0075】
米飯投入部M4には、前述のように、容器供給部M2から送られてきた容器Tが容器設置部42に設置されている。
図16および
図17に示すように、成形部M3からの米飯Rが、後方位置決め部材41bによって米飯搬送方向に沿って押されて前方位置決め部材41aに当接されることで、米飯Rはシャッタ板40上において、当該容器Tの米飯投入領域T1の直上に位置決めされる。そして、シャッタ板40が開放位置に移動すると、
図17に示すように、シャッタ板40上の米飯Rが容器Tに形成された米飯投入領域T1へと自動的に落下投入される。
【0076】
米飯投入部M4で米飯Rが投入された容器Tは総重量計測部M5において重量計測が行われ、容器Tの総重量が所定の範囲内であった場合には、容器振分部M6により米飯均し部M7へと振り分けられる。そして、米飯均し部M7で容器Tに投入された米飯Rが均され、次工程(例えば、おかずの盛付工程など)に送られる。また、容器Tの総重量が所定の範囲外であった場合には、容器振分部M6により容器排出部M8へと送られ、排出コンベア80から装置の外へと排出される。
【0077】
このように、本実施の形態の米飯投入装置では、容器Tに形成された米飯投入領域T1の対応した形状で、且つ、米飯Rの
落下位置が米飯投入領域T1
となるように位置を調整して米飯Rを成形している。そして、当該
米飯Rを米飯投入領域T1の直上位置へ搬送し、容器Tの米飯投入領域T1に落下投入している。よって、複数種の容器Tに米飯Rを自動的に投入することが可能になる。
【0078】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0079】
例えば、本実施の形態の米飯投入装置の容器供給部M2では、ストック部21に容器Tが積層して収容されているが、容器Tの収容形態はこれに限定されるものではない。なお、容器Tを積層して収容する場合、複数のストック部21を備え、複数種の容器Tを積層して収容可能にしてもよい。
【0080】
また、本実施の形態の米飯投入装置においては、容器Tの種類が予め複数登録されており、その中から容器供給部M2に収容された容器Tを選択することにより、当該容器Tに形成された米飯投入領域T1の形状と位置とが設定されるようになっている。しかしながら、米飯投入領域T1の形状と位置との設定についてもこのような方式に限定されるものではなく、例えば、米飯投入領域T1の形状と位置とを作業者がその場で設定したり、画像処理技術により容器Tを自動認識することで米飯投入領域T1の形状と位置とを設定することなどが考えられる。