(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乗込甲板の上側の甲板に乗り上がる船首側が高い前上がり状の艙内ランプウエイを備え、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイが機関室の天井面を形成し、前記艙内ランプウエイの下方に低速の主機を配置したRORO船において、
前記主機を船首側に移動させ、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイの取付け高さを下げスタビリティを向上させ、又は前記主機を船首側に移動させ、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイの取付け高さを下げ、さらに船幅を拡張しスタビリティを向上させ、
前記乗込甲板の上方に荷体を積載可能な3層の甲板を設け、
総トン数が凡そ14000トンのとき、前記乗込甲板の船底外面から高さが凡そ9mであることを特徴とするRORO船。
前記機関室内から最上層の甲板の上方空間に通じた排気スペースを前記艙内ランプウエイに隣接して直線状の起立状態に形成すると共に、この排気スペースのうち、少なくとも前記乗込甲板から前記艙内ランプウエイの上昇終点の固定された甲板までの部分が、これの前後長さを前記主機のシリンダ部の前後長さ以上となされ、且つ、前記シリンダ部の真上に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のRORO船。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日、RORO船に対する省エネルギー、積載能力向上に対する要求が高まっている。これに対しては、省エネルギータイプのRORO船である低速主機を搭載したRORO船において積載能力を向上させることが考え得る。例えば、特許文献1に記載の低速主機搭載のRORO船において、乗込甲板上の甲板を2層から3層にする。
【0005】
しかしながら乗込甲板上に2層の甲板を有するRORO船に対して、単に甲板を1層追加して3層構造としただけでは、重心が高くなりスタビリティ(安定性)が低下し、実際に使用できるRORO船とはならない。実用的なRORO船とするためには積載能力を向上させつつも重心を低くする工夫が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、従来の低速主機を搭載したRORO船に比較して荷体の搭載量を増加することが可能で、かつ低速主機を搭載した実用的なRORO船を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、乗込甲板の上側の甲板に乗り上がる船首側が高い前上がり状の艙内ランプウエイを備え、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイが機関室の天井面を形成し、前記艙内ランプウエイの下方に低速の主機を配置したRORO船において、前記主機を船首側に移動させ、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイの取付け高さを下げスタビリティを向上させ、又は前記主機を船首側に移動させ、前記乗込甲板及び前記艙内ランプウエイの取付け高さを下げ、さらに船幅を拡張しスタビリティを向上させ、前記乗込甲板の上方に荷体を積載可能な3層の甲板を設け、総トン数が凡そ14000ト
ンのとき、前記乗込甲板の船底外面から高さが凡そ9mであることを特徴とするRORO船である。
【0009】
本発明に係るRORO船において、さらに上層の甲板まで連続的に乗り上がることを可能とした可動式スロープウェイを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るRORO船において、前記機関室内から最上層の甲板の上方空間に通じた排気スペースを前記艙内ランプウエイに隣接して直線状の起立状態に形成すると共に、この排気スペースのうち、少なくとも前記乗込甲板から前記艙内ランプウエイの上昇終点の固定された甲板までの部分が、これの前後長さを前記主機のシリンダ部の前後長さ以上となされ、且つ、前記シリンダ部の真上に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のRORO船は、従来の低速の主機を搭載したRORO船に比較して、主機を船首側に移動させ乗込甲板及び艙内ランプウエイの取付け高さを低くする。総トン数が凡そ14000トン前後のRORO船であれば、本発明のRORO船の乗込甲板の船底外面から高さは凡そ9mであり、従来、又は現在就航中の多くの低速主機を搭載したRORO船に比較して乗込甲板の高さを3〜4m程度低くすることができる。これにより乗込甲板の上方に荷体を積載可能な3層の甲板を設けてもスタビリティを確保することができる。3層の甲板を設け、さらに船幅を拡張することで荷体の搭載量をさらに増加することができる。
【0012】
以上のように本発明によれば従来の低速主機を搭載したRORO船に比較して荷体の搭載量を増加することが可能で、かつ低速主機を搭載した実用的なRORO船を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態のRORO船1の構成を説明するための側面図であり、
図1(A)は、本発明の第1実施形態のRORO船1であり、
図1(B)は、比較例であるRORO船101である。
図2及び
図3は、本発明の第1実施形態のRORO船1の主機8の配置を説明するための側面図及び平面図である。
【0015】
本発明の第1実施形態のRORO船1は、低速の主機8を搭載し、乗込甲板Dの上方に荷体を積載可能な3層の甲板を備えるRORO船である。一方、
図1(B)に示す比較例は、低速の主機108を搭載し、乗込甲板dの上方に荷体を積載可能な2層の甲板を備えるRORO船101である。以下、低速の主機108を搭載し、乗込甲板dの上方に荷体を積載可能な2層の甲板を備えるRORO船101を2層構造のRORO船101と記す。
図1(A)に示す本発明の第1実施形態のRORO船1と
図1(B)に示す2層構造のRORO船101とは、全長が同じであり、車両列数が8列のものである。但し、本発明のRORO船1は、この全長及び車両列数に限定されるものではない。
図1(A)(B)において、図面の左が船首である。
【0016】
本発明の第1実施形態のRORO船1は、乗込甲板Dの上方に荷体を積載可能な3層の甲板を備える。具体的には、最上層にA甲板を備え、これより下方にB甲板、C甲板、D甲板、E甲板及びF甲板を備える。D甲板が上甲板をなし、乗込甲板として使用され、B甲板、C甲板、D甲板、E甲板及びF甲板が荷体nの積載に使用される。
【0017】
本RORO船1の乗込甲板Dの船底外板(キール)からの高さhは、総トン数が凡そ14000トン前後のとき凡そ9m程度である。本RORO船1は、低速の主機8を搭載しているにも関わらず、乗込甲板Dの船底外板(キール)からの高さhが、中速型の主機を搭載した従来のRORO船よりもさらに1m程度低い。また現在就航中の多くの低速型の主機を搭載したRORO船に比較して乗込甲板の高さを3〜4m程度低くすることができる。
【0018】
比較例である2層構造のRORO船101は、乗込甲板dの上方に荷体を積載可能な2層の甲板を備える。具体的には、最上層がb甲板であり、これより下方にc甲板、d甲板、e甲板及びf甲板を備える。d甲板が上甲板をなし、乗込甲板として使用され、c甲板、d甲板、e甲板及びf甲板が荷体nの積載に使用される。
【0019】
本RORO船1は、2層構造のRORO船101と比較して乗込甲板Dよりも上方の積載甲板の数が1層多いのみならず、乗込甲板Dの高さが同じ大きさの2層構造のRORO船101の乗込甲板dに比較して1m程度低い。またこれに伴いB甲板、C甲板、E甲板及びF甲板の位置が、2層構造のRORO船101のb甲板、c甲板、e甲板及びf甲板よりも低くなっている。本RORO船1は、主機8の配置を工夫することで乗込甲板Dの位置を低くすることを実現している。これについては後述する。
【0020】
船尾にはトレーラ、フォークリフト及び自動車などの車輪走行体が走行移動して陸から乗込甲板Dに乗り上がり、あるいは乗込甲板Dから陸へ移動するためのショアランプ2が設けられている。ショアランプ2は、船尾の他、船側などに必要に応じて設けられる。艙内には乗込甲板Dと甲板Cとの間で車輪走行体が走行移動することを可能とした艙内ランプウエイ3が設けられている。同様に、甲板Cと甲板Bとの間に艙内ランプウエイ4、乗込甲板Dと甲板Eとの間に艙内ランプウエイ5、甲板Eと甲板Fとの間に艙内ランプウエイ6が設けられている。
【0021】
甲板Cと甲板Bとを結ぶ艙内ランプウエイ4は、可動式のスロープウエイであり、乗込甲板Dと甲板Cとを結ぶ艙内ランプウエイ3につながる。これにより車輪走行体は、ショアランプ2、乗込甲板Dを経由して上層のB甲板まで連続的に乗り上がることができる。
【0022】
船首上部に船橋11、船尾側上部に煙突13、船尾側下部に機関室15を備える。機関室15は、前面が横隔壁17、後面が船尾の横隔壁19及び横隔壁20、天井面がD甲板及び艙内ランプウエイ3で形成され、底面22は二重底構造となっている。主機8は、低速型のディーゼルエンジンであり、出力及び回転数は、一例を示せば凡そ16000kw×135min
−1程度である。主機8は、機関室15内の船首寄りの底面22に設置されている。
【0023】
艙内ランプウエイ3は、
図2に示すように機関室15の真上に位置し、乗込甲板Dと甲板Cの間に固定されている。艙内ランプウエイ3は、船尾から船首へ向け上昇する前上がり状となっている。艙内ランプウエイ3の始点P1は、ショアランプ2よりも船首寄りであって、主機8の後端9から例えば主機8の前後方向の長さ分程度後方の乗込甲板D上面に位置し、終点P2は、前側の横隔壁17の位置よりも僅かに船尾寄りのC甲板上面に位置する。
【0024】
艙内ランプウエイ3の左右方向幅W(
図3参照)は、トレーラなどが通行できる程度の大きさであり例えば5m〜8m程度である。平面視において艙内ランプウエイ3の直下の乗込甲板Dは殆どが開口されている。また艙内ランプウエイ3の側周面は、遮蔽壁(鋼壁)18で乗込甲板Dとつながるように囲われ、艙内ランプウエイ3の下方には、機械室15と連通する密閉された空間14が形成される。
【0025】
ここで艙内ランプウエイ3の下方の空間14を含む機械室15に対する主機8の設置位置について説明する。本RORO船1の主機8は、平面視において、艙内ランプウエイ3の下方の空間14の真下に主機8のシリンダ部が位置するように機械室15に配置される(
図3参照)。これにより艙内ランプウエイ3の下方の空間14に天井クレーンを設置することで、ロングストロークの低速型の主機8のピストンであっても支障なくピストン抜き作業が行えるようになる。
【0026】
また主機8は、側面視においても、艙内ランプウエイ3の下方の空間14に位置するように機械室15に配置される(
図2参照)。艙内ランプウエイ3の下方の空間14を利用することで、中速主機に比較して高さの高い低速主機であっても乗込甲板Dの高さhを高くすることなく設置することができる。
【0027】
図2を用いて、本RORO船1の主機8と2層構造のRORO船101の主機108の配置を比較する。2層構造のRORO船101の主機108も本RORO船1と同じ低速型である。
図2において2層構造のRORO船101に関する構成については2点鎖線で示す。
【0028】
2層構造のRORO船101においても本発明のRORO船1と同様に、艙内ランプウエイ103の下方の空間14を含む機械室15に、主機108が設置される。2層構造のRORO船101の艙内ランプウエイ103の始点P1の位置(船尾からの距離)と本RORO船1の艙内ランプウエイ3の始点P1の位置は同じである。同様に、2層構造のRORO船101の艙内ランプウエイ103の終点P2の位置(船尾からの距離)と本RORO船1の艙内ランプウエイ3の終点P2の位置は同じである。また艙内ランプウエイ3と艙内ランプウエイ103の傾斜角度は同じである。
【0029】
主機8を艙内ランプウエイ3の下方の空間14に配置する場合、艙内ランプウエイ3が船首に向かって上昇しているため主機8の上端と艙内ランプウエイ3の底面との間隔δは、船尾側が狭く船首に向かって広くなる。本発明のRORO船1は、2層構造のRORO船101に比較して主機8を船首寄りに設置し、艙内ランプウエイ3の傾斜を利用し主機8の上端と艙内ランプウエイ3の底面との間隔δを確保している。これにより本発明のRORO船1は、2層構造のRORO船101に比較して艙内ランプウエイ3の設置高さ及び乗込甲板Dの高さhを低くすることができる。
【0030】
つまり本RORO船1において、船尾からの主機8の後端までの長さをL、艙内ランプウエイ3の傾斜角度をθ、乗込甲板Dの船底外板(キール)からの高さをhとし、2層構造のRORO船101において、船尾からの主機108の後端までの長さをL
0、艙内ランプウエイ103の傾斜角度をθ
0、乗込甲板dの船底外板(キール)からの高さをh
0とすると、L>L
0かつh<h
0かつθ=θ
0となる。
【0031】
以上からなる本発明のRORO船1は、乗込甲板Dの上方に3層の甲板を備えるので、従来の2層構造のRORO船101に比較して搭載可能な車両数を20%以上増加させることができる。本発明のRORO船1は、乗込甲板Dの上方に3層の甲板を備える一方で、乗込甲板Dの高さが2層構造のRORO船101に比較して低いのでスタビリティを確保することができる。
【0032】
また本発明のRORO船1は、ショアランプ2の船底からの高さhが9m程度である。この高さは、ショアランプ2を陸にかけ渡したとき車輪走行体の走行移動にとって好適な高さであり、汐の干満との関係で荷役が行えなくなる事態を回避できる。
【0033】
また低速の主機を搭載した従来の取り巻きエンジンケーシング方式のRORO船と比較して、エンジンケーシングと艙内ランプウエイを重層配置することにより両者の占めるスペースを減少させることができる。さらに乗込甲板D上におけるショアランプ2から艙内ランプウエイ3への車輪走行体の通り抜けが良好となり、荷役効率が向上する。また主機8のピストン抜きなどの保守作業が支障なく行える。
【0034】
以下、本発明の第1実施形態のRORO船1の変形例を示す。
図4は、本発明の第1実施形態のRORO船1の変形例であるRORO船1aの艙内ランプウエイ3aの構成を説明するための平面図である。
図5及び
図6は、本発明の第1実施形態のRORO船1の変形例であるRORO船1aの排気スペース25の配置を説明するための背面図及び側面図である。理解を容易にするために
図5及び
図6において排気スペース25の部分にハッチングを付す。
図1から
図3に示す本発明の第1実施形態のRORO船1と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図4に示すように、艙内ランプウエイ3aは、本発明の第1実施形態のRORO船1の艙内ランプウエイ3に比較して左右方向幅Wが上昇始点P1a周辺を除き小さく、平面視において中心線Mの左側(
図4では上部)に設置されている。艙内ランプウエイ3aの右隣には排気スペース25が設けられ、艙内ランプウエイ3aの下方の空間14a及びこの横に位置した排気スペース25に天井クレーンが設置される。
【0036】
艙内ランプウエイ3aは、第1実施形態のRORO船1の艙内ランプウエイ3に準じた構造であるが、艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aとこれに隣接した排気スペース25との間には艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aの右側の側面を覆う壁が設けられていない(
図5参照)。つまり艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aと排気スペース25とは連通している。
【0037】
艙内ランプウエイ3aは、平面視において中心線Mの右側に設置し、その左隣に排気スペース25を設けてもよい。この場合も艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aとこれに隣接した排気スペース25との間の艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aの左側の側面を覆う壁を設置せず、艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aと排気スペース25とを連通させる。
【0038】
艙内ランプウエイ3aは、上昇始点p1a近傍部分であって排気スペース25の後側(船尾側)となる個所が平面視において、後方へ向け漸次、排気スペース25側へ拡幅するように漏斗状に形成されている(
図4参照)。艙内ランプウエイ3aの上昇始点p1a近傍部分は、もともと荷体nの積載されない場所である排気スペース25の後側個所で拡幅されているため荷体nの積載場所を狭めるものではない。
【0039】
このような構造の艙内ランプウエイ3aは、上昇始点p1a近傍部分が平面視漏斗状に形成されているため、ショアランプ2と艙内ランプウエイ3aとの間で車輪走行体の走行移動が脱輪することなく円滑に行われる。また艙内ランプウエイ3aの上昇始点p1a近傍部分の真横に排気スペース25が存在しないため、ショアランプ2と艙内ランプウエイ3aとの間で車輪走行体の運転者の視界が良好となり、衝突などに対する安全性が向上する。
【0040】
排気スペース25は、機関室15内で発生する熱を船外へ流出させるためのものであり方形状を有し、背面視において艙内ランプウエイ3aの右隣に形成されている(
図5参照)。この排気スペース25は、密閉状に形成され直線状に起立し、機関室15内から最上層の甲板Aを通過し煙突13に通じる。
【0041】
排気スペース25の前後方向長さは、
図6に示すように階段状に設けられ、上方に向かって短くなっている。排気スペース25は、少くなくとも乗込甲板Dから積載甲板Cまでに位置した部分の前後長さが主機8のシリンダ部の前後長さ以上であり(
図6参照)、かつ艙内ランプウエイ3aの下方の空間14aとともにこのシリンダ部の真上に位置することが重要である(
図5参照)。排気スペース25の真上には
図5に示すように煙突13が配置され、排気スペース25と煙突13とが連通する。
【0042】
このような構造の排気スペース25は、機関室15内で発生する熱気を効率的に船外へ排出する。さらに主機8、発電機及びボイラの排気管などを短くかつ直線状にすることが可能となり、その材料や取付けのコストが低減する。さらには艙内ランプウエイ3aの下方の空間14a及び排気スペース25が低速型の主機8の搭載に対して十分なスペースを与え、主機8のピストン抜きなどの保守も支障なく行える。
【0043】
以上、第1実施形態のRORO船1及び第1実施形態の変形例であるRORO船1aを用いて本発明に係るRORO船を説明したが、本発明に係るRORO船は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明に係るRORO船は、主機を船首側に移動させ、乗込甲板及び艙内ランプウエイの取付け高さを下げることで乗込甲板の上方に乗込甲板を含め車両を積載可能な甲板を3層とし、積載量を増加させかつスタビリティを向上させるが、これと併せて船長及び/又は船幅を拡張し、より積載量を増加させかつスタビリティを向上させるようにしてもよい。
【0044】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な本発明に係るRORO船の実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【実施例】
【0045】
本発明に係るRORO船の考え方を2層構造のRORO船に適用し改良した、本発明に係る低速の主機を搭載する3層構造のRORO船の仕様を以下に示す。表1における実施例1から実施例3が本発明に係るRORO船であり、実施例1は、比較例である2層構造のRORO船を本発明に係る3層構造のRORO船に変更したものである。実施例2は、実施例1のRORO船の長さLを拡張し、実施例3は、実施例1のRORO船の長さL及び船幅Bを拡張したものである。
【0046】
実施例1に示す本発明に係る3層構造のRORO船は、2層構造のRORO船に比較して40Fシャーシを30台増加可能であり、増加率は約119%である。同様に、実施例2に示す本発明に係る3層構造のRORO船は、2層構造のRORO船に比較して40Fシャーシを60台増加可能であり、増加率は約138%、実施例3に示す本発明に係る3層構造のRORO船は、2層構造のRORO船に比較して40Fシャーシを100台増加可能であり、増加率は約163%となる。
【0047】
【表1】
【0048】
本発明に係るRORO船の考え方を2層構造のフェリーに適用し改良した、本発明に係る低速の主機を搭載する3層構造のRORO船の仕様を以下に示す。表2における実施例4及び実施例5が本発明に係るRORO船であり、実施例4は、比較例である2層構造のフェリーを本発明に係る3層構造のRORO船に変更したものである。実施例5は、実施例4のRORO船の船幅Bを拡張したものである。
【0049】
実施例4に示す本発明に係る3層構造のRORO船は、2層構造のフェリーに比較して13mシャーシを32台増加可能であり、増加率は約117%である。同様に、実施例5に示す本発明に係る3層構造のRORO船は、2層構造のフェリーに比較して13mシャーシを72台増加可能であり、増加率は約138%となる。
【0050】
【表2】
【解決手段】本発明に係るRORO船1は、乗込甲板Dの上側の甲板に乗り上がる船首側が高い前上がり状の艙内ランプウエイ3を備え、乗込甲板D及び艙内ランプウエイ3が機関室の天井面を形成し、艙内ランプウエイ3の下方に低速の主機8を配置したRORO船において、主機8を船首側に移動させ、乗込甲板D及び艙内ランプウエイ3の取付け高さを下げスタビリティを向上させ、又は主機8を船首側に移動させ、乗込甲板D及び艙内ランプウエイ3の取付け高さを下げ、さらに船幅を拡張しスタビリティを向上させ、乗込甲板Dの上方に荷体を積載可能な3層の甲板を設けてなる。