(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1以上の収納ボックスを備え、該収納ボックスに配送物を収納して一時預かり受ける収納装置と、前記収納装置における情報を管理する管理サーバと、前記配送物を配送する配送担当者により操作される配送担当者端末とを有する収納情報提供システムであって、
前記管理サーバは、配送担当者データベースにおいて、前記配送担当者を識別する配送担当者IDと、該配送担当者が所属するグループを識別するグループIDとを対応付けて管理し、
前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を受信すると、前記配送担当者データベースを参照し、該予約を要求する旨の情報に含まれる前記配送担当者IDに基づいて前記対応付けられているグループIDを抽出し、該抽出したグループIDを前記予約した収納ボックスの解錠許可者を識別する情報として登録するとともに、
前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を受信すると、該予約を要求された収納ボックスについて予約処理を行い、該予約処理を行った収納ボックスが使用中の場合に、該使用中の収納ボックスがその後未使用になったことを示す未使用情報を前記収納装置から受信すると、該未使用情報を受信したときから所定時間経過後に該予約処理を行った収納ボックスの予約処理を解除して該収納ボックスを解錠することを示す予約解除時期を登録し、
さらに、前記収納装置の収納ボックスの収納状況及び予約状況の情報を前記配送担当者端末へ送信し、
前記解錠を許可された配送担当者が前記予約された収納ボックスを解錠し配送物を入庫すると、前記収納装置から入庫した旨の情報を受信し、該受信した入庫した旨の情報に含まれる、前記入庫した配送担当者個人の配送担当者IDを入庫者として登録することを特徴とする収納情報提供システム。
前記管理サーバは、前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を前記配送担当者端末から受信すると、該予約を要求された収納ボックスについて予約処理を行い、該収納ボックスが未使用の場合には、該収納ボックスを施錠して配送物の入庫を禁止することを特徴とする請求項1記載の収納情報提供システム。
前記管理サーバは、前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を前記収納装置から受信すると、該予約を要求された収納ボックスについて予約処理を行い、該収納ボックスが未使用の場合には、該収納ボックスを施錠して配送物の入庫を禁止することを特徴とする請求項1記載の収納情報提供システム。
前記管理サーバは、前記予約処理を行ってから所定時間経過すると、該予約処理を行った収納ボックスの予約処理を解除して、該収納ボックスを解錠することを特徴とする請求項2又は3記載の収納情報提供システム。
前記管理サーバは、前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を前記配送担当者端末から受信すると、該予約を要求された収納ボックスについて予約処理を行い、該収納ボックスが使用中の場合には、該収納ボックスが未使用となったときに該収納ボックスが未使用となった旨の情報を前記配送担当者端末へ送信することを特徴とする請求項1記載の収納情報提供システム。
前記管理サーバは、前記収納装置の収納ボックスの予約を要求する旨の情報を前記収納装置から受信すると、該予約を要求された収納ボックスについて予約処理を行い、該収納ボックスが使用中の場合には、該収納ボックスが未使用となったときに該収納ボックスが未使用となった旨の情報を前記配送担当者端末へ送信することを特徴とする請求項1記載の収納情報提供システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態における収納情報提供システムは、配送物を一時的に預かり保管する収納装置の現在の使用状況を含む収納情報を配送担当者に提供することにより、配送担当者は、配送物をその収納装置にどのタイミングで入庫すべきか、又は回収すべきかを容易に把握することができる。
また、配送担当者は、本実施の形態における収納情報提供システムを利用することにより、これから入庫する収納ボックスの予約を行うことができる。
【0019】
(第1の実施の形態の構成)
(1)収納情報提供システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における収納情報提供システムの構成を示す図である。以下、図を用いて、収納情報提供システムの構成について説明を進める。
収納情報提供システムは、配送物を収納ボックスに収納可能な収納装置10と、上記収納装置10の収納ボックスの利用状況を含む収納情報を管理する管理サーバ20と、配送物の配送業務を実際に行う配送担当者により操作される配送担当者端末30とを有して構成される。
これら各機器10,20,30は、インターネットやLAN等のネットワーク100を介して互いに通信可能に接続される。
【0020】
(2)収納装置10の構成
(2−a)収納装置10の全体構成
収納装置10は、居住/利用施設に設置され、複数の施錠可能な収納ボックスを備え、当該収納ボックスに配送物を収納するものである。
例えば、収納装置10は、集合住宅又はオフィス等に設置されるいわゆる宅配ロッカーであってもよいし、郵便局やスーパーマーケット等において配送物や購入商品等を一時預かるロッカー装置であってもよいし、駅等の公共の場所や商業施設に設置されるコインロッカーであってもよく、またこれら列挙した例に限定されない。
以下、本実施の形態では、一例として、収納装置10を集合住宅の共用部(例えばエントランス)等に設置される宅配ロッカーであるとして説明を進める。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
また、
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10正面側の外観を示す図である。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、収納ボックスの解錠用の認証情報の読取り等をする操作部15と、配送物を収納する収納ボックスを複数備えた収納部16とを有して構成される。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0022】
(2−b)収納装置10の収納部16の構成
収納部16の収納ボックスは、双方とも配送物を入庫又は取出し可能な開口部が設けられており、当該開口部が扉により封止及び施錠可能に構成されている。
各収納ボックスに配送物が収納されているときには、配送物を安全に保管するため閉扉及び施錠され、操作部15による認証情報の入力により解錠及び開扉される。
一方、各収納ボックスに配送物が収納されていないときには、施錠又は解錠されており、このうち施錠された状態の場合であっても、認証情報を入力することなく、操作部15による所定の操作(キー入力等)で解錠することができる。
また、各収納ボックスに予約がされると、当該収納ボックスは施錠され、配送物が未収納の場合であっても、当該予約を行った者又はその者のグループに属する者(グループについては後述)のみが当該収納ボックスを解除することができるようになっている。
【0023】
各収納ボックスの庫内には、配送物が収納されていることを検知する配送物検知センサが設けられ、当該配送物検知センサは制御部11と接続されるよう構成されていてもよい。
この場合、制御部11は、当該配送物検知センサからの入力信号に基づいて、配送物が各収納ボックスに収納されていることを確認(検出)することができる。
上記配送物検知センサは、例えば、赤外線等の光学センサや重量センサ等により構成される。
【0024】
(3)管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、ユーザの情報と収納装置10におけるユーザ宛の配送物の収納状況とを管理する情報処理装置であって、居住/利用施設の内部又は外部いずれに設置されていてもよい。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、管理サーバ20全体を制御する制御部21と、ユーザの情報及び配送物の状況等の情報を格納する情報格納部22と、収納装置10及び配送担当者端末30との間で各種情報の送受信を行う通信部23とを有して構成される。
【0026】
図5は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の情報格納部22が格納する各データベース221〜225を示す図である。
図に示すように、情報格納部22は、配送物の配送先のユーザの個人情報を管理するユーザDB221と、配送物の配送を行う配送担当者の情報を管理する配送担当者DB222と、収納装置10の設置場所を管理する収納装置DB223と、配送物の各収納装置10への入庫履歴を管理する入庫履歴DB224と、各収納ボックスの収納状況等を管理する収納ボックスDB225とを格納する。
【0027】
管理サーバ20が収納装置10から認証情報等を受信すると、制御部21は、当該受信した認証情報と、ユーザDB221に管理されている認証情報とを照合し、認証処理を行う。認証の結果、失敗した場合には配送物が収納されている収納ボックスの施錠をそのまま維持し、成功した場合には該当する配送物が収納されている収納ボックスを解錠し、ユーザが配送物を庫内から取り出すことを可能にする。
また、管理サーバ20が収納装置10から配送担当者を識別する配送担当者IDを受信すると、制御部21は、当該受信した配送担当者IDと、収納ボックスDB225に登録されている収納ボックスの予約についての情報とを照合し、認証処理を行う。認証の結果、失敗した場合には予約済みの収納ボックスの施錠をそのまま維持し、成功した場合には該当する予約済みの収納ボックスを解錠し、配送担当者が配送物を庫内に入庫することを可能にする。
【0028】
ユーザDB221は、配送物の受取主(宛先)であるユーザ(集合住宅の居住者等)に係る情報を管理するデータベースである。
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB221のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB221は、ユーザ名と、ユーザの専有部情報(部屋番号)と、収納ボックス解錠用の認証情報と、メールアドレスとをそれぞれユーザを識別するID(ユーザID)に対応付けて管理している。
本実施の形態では、各専有部ごとに認証情報が設定されており、当該認証情報がユーザDB221において、上述のとおり管理されている。すなわち、本実施の形態では、一例として、同一専有部に居住又は利用するユーザに対しては同一の認証情報が割り当てられ、ユーザDB221において管理されている。
また、図の例において、ユーザDB221は、ユーザの連絡先(ユーザの端末等)の情報としてメールアドレスを管理しているが、連絡先の情報であればこれに限定されない。
【0029】
ユーザは、各収納ボックスにおいて、自身又は自身と同一の専有部に居住又は利用するユーザ宛の配送物が入庫されている場合のみ、自身の認証情報により解錠することができ、これら以外の他のユーザ宛の配送物が入庫されている収納ボックスについては解錠することはできない。
【0030】
図7は、本発明の第1の実施の形態における配送担当者DB222のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す配送担当者DB222は、各配送担当者を識別する配送担当者IDに対応付けて、当該配送担当者が所属するグループ(企業、店舗等)のグループIDと、当該所属のグループの名称と、当該配送担当者の氏名又は名称とを管理している。
【0031】
配送担当者が配送担当者端末30又は収納装置10を用いて配送担当者IDを入力して収納ボックスの予約を開始すると、収納装置10は、当該配送担当者IDを管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20は当該配送担当者IDを受信すると、管理サーバ20の制御部21は、配送担当者DB222を参照して、上記受信した配送担当者IDに対応付けられているグループIDを抽出し、次に、当該抽出したグループID又は上記配送担当者IDを、予約した収納ボックスの解錠権限を有する解錠許可者として収納ボックスDB225に登録して予約を行う。
【0032】
収納装置DB223は、1以上の収納装置10の設置場所を管理するデータベースである。
図8は、本発明の第1の実施の形態における収納装置DB223のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す収納装置DB223は、各収納装置10を識別する収納装置IDに対応付けて、各収納装置10の設置場所と、その設置場所の種別(店舗、施設、集合住宅等)と、設置場所のおおまかなエリアと、設置場所の住所とを管理している。
【0033】
入庫履歴DB224は、各収納装置10ごとの配送物の入庫履歴を管理するデータベースである。
図9は、本発明の第1の実施の形態における入庫履歴DB224のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す入庫履歴DB224は、配送物の入庫があった収納ボックスのボックス番号と、その入庫時期と、その入庫者(配送担当者又はユーザ)と、現在解錠が許可されている者(配送担当者又はユーザ等)あるいはグループ(企業又はその他の組織等)を示す解錠許可者(配送担当者又はユーザ)とを管理している。
【0034】
収納ボックスDB225は入庫履歴DB224に記録された入庫履歴の他、収納ボックスの予約情報等を各収納装置10ごとに管理するデータベースである。
図10は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDB225のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す収納ボックスDB225は、各収納ボックスにおいて、その収納ボックスの種類と、その収納ボックスのサイズと、収納状況(使用中又は未使用)と、予約状況(予約中又は未予約)と、配送物の入庫時期と、現在の予約が自動的に解除される時期を表す予約解除時期と、現在解錠が許可されている者(配送担当者又はユーザ等)あるいはグループ(企業又はその他の組織等)を示す解錠許可者と、収納ボックスの予約を行っている者を示す予約者とを管理している。
【0035】
上記解錠許可者の欄には当該解錠許可者に該当する者やグループを識別するIDが登録される(配送担当者ID、グループID等)。
上記グループIDは配送担当者が所属するグループを識別するためのIDであり、予約済みの収納ボックスの解錠がグループ単位で許可されている場合には、当該グループに所属する配送担当者全てが当該収納ボックスを解錠することが可能である。
当該グループIDで特定されるグループとは、例えば、店舗、企業、部署、組織又は団体等、配送担当者が所属するグループをいう。さらに具体的な例を示すと、上記グループは、宅配便や郵便等の配送会社、クリーニング店、食品配達業務を行うスーパーマーケット等である。
【0036】
図の例では、収納ボックスDB225において、ボックス番号「2」の収納ボックスは、通常・Sサイズ用の収納ボックスであり、「2016年10月30日の17時17分」に「部屋番号:101」のユーザ宛の配送物が入庫されている。
また、例えば、収納ボックスDB225において、ボックス番号「5」の収納ボックスは、通常・Lサイズ用の収納ボックスであり、配送担当者ID「00001」の配送担当者が予約を行っており、当該配送担当者に対して解錠が許可されている。
当該解錠許可者である配送担当者が予約解除時期「2016年10月31日の11時00分」までに配送物を入庫するために当該収納ボックスを解錠しない場合には当該予約は強制的に解除される。
【0037】
(4)配送担当者端末30の構成
配送担当者端末30は、配送物を配送宛のユーザに配送する配送担当者より操作される情報処理装置である。
例えば、配送担当者端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、携帯電話、PDA、PHS、PC等の携帯型情報処理装置である。
【0038】
配送担当者端末30は、収納装置10の収納ボックスにおける収納情報を管理サーバ20から受信し、表示又は音声出力等する。
ここで、収納情報とは、収納ボックスDB225において管理されている各収納ボックスの使用状況や予約状況等を示す情報をいう。
【0039】
図11は、本発明の第1の実施の形態における配送担当者端末30の構成を示す図である。
図に示すように、配送担当者端末30は、CPU等からなり配送担当者端末30全体を制御する制御部31と、配送担当者端末30を操作する配送担当者の配送担当者ID等の各種情報を格納する情報格納部32と、インターネット等のネットワーク100を介して管理サーバ20との間で情報の送受信を行う通信部33と、各種情報を表示する表示部34と、各種キー及びボタン等からなり、各種情報の入力を行う操作部35と、スピーカ等により構成され音声を出力する音声出力部36とを有して構成される。
また、上記表示部34と操作部35は、一体に構成され、タッチパネルを構成してもよい。
【0040】
配送担当者端末30は、管理サーバ20との間で情報の送受信を行ったり、管理サーバ20から受信した情報を表示したりすることにより、配送担当者は収納装置10の収納ボックスの収納状況を確認したり、収納ボックスの予約を行ったりすることができるが、これらの処理は、制御部31が情報格納部32にインストール(実装)されているアプリケーション(ソフトウェア)を実行することにより行われる。
当該アプリケーションは、例えば記憶媒体を介してインストールされるものであってもよいし、又はネットワークを介してダウンロードされインストールされるものであってもよい。
【0041】
(第1の実施の形態の動作)
(1)配送担当者が配送物を入庫するときの動作
図12は、本発明の第1の実施の形態において、配送業者等の配送担当者が配送物を収納装置10に入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、配送担当者がユーザ宛の配送物を収納ボックスに入庫するときの収納装置10による動作について説明を進める。
なお、本例では、上記配送担当者が入庫しようとしている配送物は宅配物等であるとする。
【0042】
まず、配送担当者は、ユーザ宛の配送物を持って集合住宅のエントランス等の収納装置10の設置場所を訪れる。
収納装置10の表示部14には、収納装置10の使用目的を選択するためのスタート画面が表示されている。
図13は、本発明の第1の実施の形態において収納装置10が表示するスタート画面の一例を示す図である。
図に示す例において、スタート画面には、収納装置10の使用目的として「お取り出し」、「荷物の預け入れ」、「荷物の回収」、「管理者メニュー」、「予約」が表示されている。
【0043】
配送担当者は、収納装置10の操作部15を用いて、スタート画面上の複数の使用目的から今回該当するものを選択する(ステップS101)。
ここでは、配送担当者は「荷物の預け入れ」を選択する。
【0044】
収納装置10の使用目的として「荷物の預け入れ」を選択すると、表示部14は、配送担当者IDの入力画面を表示する。
図14は、本発明の第1の実施の形態において収納装置10が表示する配送担当者IDの入力画面の一例を示す図である。
図に示す例では、配送担当者IDの入力画面には、これからユーザ宛の配送物を収納装置10に預け入れる配送担当者の配送担当者IDの入力欄が設けられている。
ここで、配送担当者は、操作部15を用いて、配送担当者IDの入力画面上の入力欄に自身の配送担当者IDを入力する(ステップS102)。
【0045】
上記のとおり配送担当者IDが入力されると、表示部14は、配送先の専有部情報(部屋番号)の入力画面を表示する。
図15は、本発明の第1の実施の形態において収納装置10が表示する専有部情報の入力画面の一例を示す図である。
図に示す例では、専有部情報の入力画面には、これから配送担当者が入庫するユーザ宛の配送物の専有部情報を入力するための入力欄が設けられている。
ここで、配送担当者は、操作部15を用いて、上記入力欄に専有部情報(部屋番号)を入力する(ステップS103)。
【0046】
上記のとおり専有部情報が入力されると、収納装置10の通信部13は、自装置10の収納ボックスの収納情報の取得要求を管理サーバ20へ送信する(ステップS104)。
管理サーバ20は、上記収納装置10の収納ボックスの収納情報の取得要求を受信すると、制御部21は収納ボックスDB225から収納情報を抽出し、通信部23はその抽出された収納情報を収納装置10へ送信する(ステップS105)。
【0047】
収納装置10の通信部13は上記自装置の10の収納情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、当該受信した収納情報に基づいて、自装置10の収納ボックスの収納状況を下記(ア)〜(ウ)の3種類に区別して示されたボックス画面情報を表示する(ステップS106)。
(ア)入庫可能な収納ボックス
(イ)予約中の収納ボックス
(ウ)入庫不可能な収納ボックス
【0048】
上記(ア)〜(ウ)の収納ボックスを以下詳細に説明する。
「(ア)入庫可能な収納ボックス」は、収納ボックスDB225において現在収納状況が「未使用」かつ「未予約」の収納ボックスであって、現在操作中の配送担当者を含め誰もが配送物を入庫可能な収納ボックスである。
「(イ)予約中の収納ボックス」は、収納ボックスDB225において現在収納状況が「未使用」かつ「予約中」であって、現在操作中の配送担当者又は当該配送担当者のグループが解錠許可者として登録されている収納ボックスである。当該収納ボックスは、現在操作中の配送担当者又は当該配送担当者のグループのみが配送物を入庫可能な収納ボックスである。
「(ウ)入庫不可能な収納ボックス」は、収納ボックスDB225において現在収納状況が「使用中」の収納ボックスであって、現在操作中の配送担当者を含め誰もが配送物を入庫不可能な収納ボックスである。
【0049】
図16は、本発明の第1の実施の形態において収納装置10が表示するボックス画面情報の一例を示す図である。
図に示す例では、ボックス画面情報上には、収納装置10の収納ボックスが示され、上記(ア)〜(ウ)の収納ボックスが異なった色等で区別されて表されている(図の例では、(ア)は斜線、(イ)は、斜め格子状の線、(ウ)は白抜き)。
ここで、配送担当者は、操作部15を用いて、ボックス画面情報上に示される
(ア)又は(イ)の収納ボックスから、配送物の特徴に合った任意の収納ボックスを選択する(ステップS107)。
【0050】
上記のとおり配送担当者が配送物を入庫する収納ボックスを選択すると、制御部11は、該当する収納ボックスを解錠及び開扉させる(ステップS108)。
配送担当者は、開扉した収納ボックスに配送物を収納し、閉扉すると、施錠される。
【0051】
制御部11は、配送物検知センサから当該収納ボックスに配送物が入庫された旨の検知信号が入力されると、配送担当者が配送物を収納ボックスに入庫した旨の情報を通信部13に管理サーバ20へ送信させる(ステップS109)。
【0052】
管理サーバ20の通信部23は上記入庫した旨の情報を収納装置10から受信すると、制御部21は当該配送担当者が配送物を収納ボックスに入庫した旨の情報を入庫履歴DB224及び収納ボックスDB225に記録する(ステップS110)。
具体的には、入庫履歴DB224における「入庫時期」、「入庫者」、「解錠許可者」の欄に、上記配送物を収納ボックスに入庫した旨の情報を受信した時刻と、ステップS102で入力された配送担当者IDと、ステップS103で入力された専有部情報とをそれぞれ記録する。
一方、収納ボックスDB225における「入庫時期」、「解錠許可者」の欄に、上記配送物を収納ボックスに入庫した旨の情報を受信した時刻と、ステップS103で入力された専有部情報とをそれぞれ記録するとともに、「収納状況」の欄を「未使用」から「使用中」に書き替える。
また、配送担当者が「(イ)予約中の収納ボックス」に配送物を入庫した場合には、収納ボックスDB225の「予約状況」の欄を「予約中」から「未予約」に書き替えるとともに、「予約解除時期」及び「予約者」の欄の情報を削除する。
以上で、配送担当者による配送物の入庫動作は終了する。
【0053】
(2)ユーザが配送物を取り出すときの動作
以上のように、配送担当者が収納装置10の収納ボックスにユーザ宛の配送物を入庫した後に、着荷情報の通知によりこれを知ったユーザは収納装置10の設置場所を訪れ、上記収納ボックスから自身宛の配送物を取り出す。
図17は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが配送物を収納装置10から取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って説明を進める。
【0054】
まず、ユーザは、自身宛の配送物が収納されている収納装置10が設置される集合住宅のエントランスを訪れる。
収納装置10の表示部14には、収納装置10の使用目的を選択するためのスタート画面が表示されている。
ここで表示されるスタート画面は、上述の
図13に示したスタート画面と同様のものであってよい。
スタート画面には、収納装置10の使用目的として「お取り出し」、「荷物の預け入れ」、「荷物の回収」、「管理者メニュー」、「予約」が表示されている。
ユーザは、収納装置10の操作部15を用いて、スタート画面上の複数の使用目的から今回該当するものを選択する(ステップS201)。
ここでは、ユーザは、自身宛の配送物を収納装置10から取り出したいので、「お取り出し」を選択する。
【0055】
収納装置10の使用目的として「お取り出し」を選択すると、表示部14は、ユーザに対し認証情報の入力を促す旨のメッセージを表示する。
ここで、ユーザは、自身の認証媒体から認証情報を操作部15に読み取らせたり、自ら操作部15を用いて認証情報を入力したりして、自身の認証情報の入力を行う(ステップS202)。
【0056】
制御部11は、ユーザの認証情報の入力を認識すると、専有部情報の入力画面を表示部14に表示させる。
ここで表示される注文情報の入力画面は、上述の
図15に示した専有部情報の入力画面と同様のものであってよい。
専有部情報の入力画面には、これからユーザ自身の専有部情報を入力するための入力欄が設けられている。
ここで、ユーザは、操作部15を用いて、上記入力欄に専有部情報を入力する(ステップS203)。
【0057】
次に、収納装置10の通信部13は上記入力された認証情報及び専有部情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS204)。
【0058】
管理サーバ20の通信部23は上記認証情報及び専有部情報を収納装置10から受信すると、制御部21は収納ボックスDB225において当該受信した専有部情報に対応付けられた認証情報と、上記受信した認証情報との照合を行って認証を行う(ステップS205)。
そして、管理サーバ20の通信部23は、上記認証結果を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS206)。
認証結果が成功の場合には、この認証結果の情報に、解錠する収納ボックスのボックス番号が含まれる。
【0059】
収納装置10の通信部13は上記認証結果の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は当該受信した認証結果を判断する(ステップS207)。
ここで、制御部11は、認証失敗と判断した場合には(ステップS207/No)、収納ボックスを解錠せずにそのまま動作を終了する。
一方、制御部11は、認証成功と判断した場合には(ステップS207/Yes)、当該認証結果に含まれるボックス番号の収納ボックスを解錠及び開扉させる(ステップS208)。
ユーザは、開扉した収納ボックスから配送物を取り出す。
【0060】
制御部11は配送物検知センサから当該収納ボックスから配送物が取り出された旨の検知信号が入力されると、通信部13に、ユーザが配送物を収納ボックスから取り出した旨の情報を当該収納ボックスのボックス番号の情報とともに管理サーバ20へ送信させる(ステップS209)。
【0061】
管理サーバ20の通信部23は上記配送物を取り出した旨の情報及びボックス番号情報を収納装置10から受信すると、当該配送物を取り出した旨を収納ボックスDB225に記録する(ステップS210)。
具体的には、収納ボックスDB225において、配送物が取り出された収納ボックスの各欄の情報(入庫時期、解錠許可者)を削除するとともに、「収納状況」の欄において「使用中」から「未使用」に書き替える。
以上で、ユーザによる配送物の取り出し動作を終了する。
【0062】
(3)配送担当者端末30からの収納ボックスの予約動作
図18〜20は、本発明の第1の実施の形態における配送担当者端末30を用いた収納ボックスの予約動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、一例として、配送担当者が配送物を集合住宅の居住者に配送する際に、前もって配送担当者端末30を操作してその入庫先の収納装置10の収納ボックスの予約を行うときの収納情報提供システムによる動作について本図に沿って説明を進める。
【0063】
まず、配送担当者は、配送担当者端末30の操作部35を操作して、収納情報の取得画面を表示部35に表示させる(ステップS301)。
次に、配送担当者は、その表示された収納情報の取得画面上に設けられた配送物の配送先の位置情報の入力欄に、該当する集合住宅の住所やエリア等の位置情報を入力する(ステップS302)。
ここで、配送担当者は、例えば「渋谷区渋谷○―○−○ アーバンマンション」のように配送先の集合住宅を特定可能な情報を入力してもよいし、
「渋谷」等集合住宅自体は特定できないが、その集合住宅の位置を含むエリア名を入力してもよい。
【0064】
配送担当者端末30の通信部33は、上記入力された位置情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS303)。
管理サーバ20の通信部23は上記位置情報を配送担当者端末30から受信すると、制御部21は、収納装置DB223を参照し、当該受信した位置情報に示される位置に設置されている収納装置10を抽出する(ステップS304)。
管理サーバ20の通信部23は、上記抽出した収納装置10の一覧の情報を配送担当者端末30へ送信する(ステップS305)。
【0065】
配送担当者端末30の通信部33が上記収納装置10の一覧情報を受信すると、制御部31は当該受信した収納装置10の一覧情報を表示部34上に表示させる(ステップS306)。
図21は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の一覧情報の一例を示す図である。
図の例では、配送担当者の配送予定先の「アーバンマンション」に設置されている収納装置10の一覧(3台の収納装置10)が表示され、各収納装置10に未使用(空いている)収納ボックスの有無が表示されている。
【0066】
配送担当者は、操作部35を用いて、表示部34上に表示されている1以上の収納装置10から入庫しようとしている収納装置10を選択する(ステップS307)。
配送担当者端末30の通信部33は、上記選択された収納装置10の収納装置IDを管理サーバ20へ送信する(ステップS308)。
【0067】
管理サーバ20の通信部23は上記収納装置IDを配送担当者端末30から受信すると、制御部21は上記収納装置IDに該当する収納装置10の収納ボックスDB225を参照して、当該収納装置10の収納ボックスの予約を行うための予約ボックス選択画面情報を生成し(ステップS309)、当該生成した予約ボックス選択画面情報を配送担当者端末30へ送信する(ステップS310)。
【0068】
配送担当者端末30の通信部32は上記予約ボックス選択画面情報を受信すると、表示部34はその受信した予約ボックス選択画面情報を表示する(ステップS311)。
図22は、本発明の第1の実施の形態において配送担当者端末30が表示する予約ボックス選択画面の一例を示す図である。
図に示す例では、予約ボックス選択画面には、収納装置10の複数の収納ボックスが示され、各収納ボックスの収納状況、種類、サイズ、予約状況、入庫時期が示されている。
なお、予約ボックス選択画面情報においては、予約状況が「予約中」の収納ボックスについては予約の選択を行えないよう上記予約ボックス選択画面を構成されていてもよい。
ここで、配送担当者は、操作部35を用いて、予約ボックス選択画面上に示される収納ボックスから、配送物の特徴に合った、予約をする任意の収納ボックスを選択する(ステップS312)。
【0069】
配送担当者が予約をする収納ボックスを選択すると、配送担当者端末30の通信部33は、その選択された収納ボックスのボックス番号の情報及び該当する収納装置10の収納装置IDとともに、上記入力された配送担当者IDを管理サーバ20へ送信し、当該収納ボックスの予約を要求する(ステップS313)。
【0070】
管理サーバ20の通信部23が上記ボックス番号の情報と収納装置IDと配送担当者IDを配送担当者端末30から受信すると、制御部21は、当該収納装置IDに該当する収納装置10の収納ボックスDB225において、当該受信したボックス番号の収納ボックスについて予約登録する(ステップS314)。
具体的には、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて、上記受信した配送担当者IDが予約者として登録されるとともに、予約状況が「未予約」から「予約中」に書き換えられる。
【0071】
次に、制御部21は、上記選択された収納ボックスの収納状況が「未使用」であるか否かを判断する(ステップS315)。
ここで、制御部21は「未使用」と判断した場合(ステップS315/Yes)、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて予約処理を開始し、予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行う(ステップS316)。
【0072】
上記予約解除時期は、例えば、管理サーバ20が上記配送担当者ID等を受信した時刻(現在時刻)から所定時間経過した時刻が設定登録される。
また、解除許可者の項目には、当該配送担当者の配送担当者ID又は配送担当者DB222に基づいて当該配送担当者が所属するグループ(配送会社等)のグループIDが登録される。例えば、制御部21は配送担当者DB222を参照し、上記受信した配送担当者IDに対応付けられているグループIDがある場合には、そのグループIDを上記解錠許可者の欄に登録する。
なお、上記予約解除時期が到来すると、当該予約は削除される。具体的には上記登録された配送担当者ID及び予約解除時期は削除され、解錠許可者の項目に予約した配送担当者又はグループのIDが登録されている場合には当該解除許可者の項目も削除される。
【0073】
上記のように収納状況が「未使用」の収納ボックスについて予約登録がされると、管理サーバ20の通信部23は、予約された収納ボックスのボックス番号を、予約対象の収納装置10へ送信する(ステップS317)。
収納装置10の通信部13は上記ボックス番号を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、該当する収納ボックスを施錠して他の者が使用することを規制する(ステップS318)。
【0074】
次に、管理サーバ20は、予約が完了した旨の情報を配送担当者端末30へ送信する(ステップS331)。
この予約が完了した旨の情報には、上記予約された収納装置10の設置位置の情報や収納ボックスのボックス番号等が含まれる。
【0075】
配送担当者端末30は、上記予約が完了した旨の情報を管理サーバ20から受信すると、その内容を表示部34上に表示したり、音声出力部36により音声出力したりして配送担当者に通知する(ステップS332)。
配送担当者は、当該予約完了の内容を確認し、その後、当該予約済みの収納装置10の設置場所へ移動し、配送業務を行う。
以上で、収納状況が「未使用」の収納ボックスに対する予約動作を終了する。
【0076】
一方、ステップS315に戻って、制御部21は、予約が選択された収納ボックスの収納状況が「使用中」であると判断した場合(ステップS315/No)、当該予約した「使用中」の収納装置10の収納ボックスから配送物が取り出され、収納状況が「使用中」から「未使用」となった旨の情報(未使用情報)を収納装置10から受信するまで待機する。
この段階では、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて、この段階では予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行わない。
なお、当該収納ボックスは、現在使用中であることから、収納ボックスDB225の解錠許可者の欄には、当該現在使用中の配送担当者又はグループのIDが登録されている。
【0077】
その後、収納装置10の制御部11は、上記予約した「使用中」の収納ボックスが「未使用」となったことを検知すると(ステップS319/Yes)、通信部13は上記未使用情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS320)。
【0078】
管理サーバ20は、上記未使用情報を収納装置10から受信すると、当該収納ボックスについて予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行う(ステップS321)。
【0079】
上記予約解除時期は、例えば、管理サーバ20が上記未使用情報を受信した時刻(現在時刻)から所定時間経過した時刻が設定登録される。
また、解除許可者の項目には、当該配送担当者の配送担当者ID又は配送担当者DB222に基づいて当該配送担当者が所属するグループ(配送会社等)のグループIDが登録される。例えば、制御部21は配送担当者DB222を参照し、上記受信した配送担当者IDに対応付けられているグループIDがある場合には、そのグループIDを上記解錠許可者の欄に登録する。
なお、上記予約解除時期が到来すると、当該予約は削除される。具体的には上記登録された配送担当者ID及び予約解除時期は削除され、解錠許可者の項目に予約した配送担当者又はグループのIDが登録されている場合には当該解除許可者の項目も削除される。
【0080】
次に、管理サーバ20の通信部23は、上記「使用中」から「未使用」となった収納ボックスについて予約登録が完了した旨の情報を収納装置10へ送信する(ステップS322)。
当該予約登録が完了した旨の情報には、当該予約完了した収納ボックスのボックス番号が含まれる。
【0081】
収納装置10の通信部13は上記予約完了した旨の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、該当する収納ボックスを施錠して他の者が使用することを規制する(ステップS323)。
【0082】
次に、管理サーバ20は、予約していた使用中の収納ボックスが未使用となって、予約が完了した旨の情報を配送担当者端末30へ送信する(ステップS324)。
この予約が完了した旨の情報には、上記予約された収納装置10の設置位置の情報や収納ボックスのボックス番号等が含まれる。
【0083】
配送担当者端末30は、上記予約が完了した旨の情報を管理サーバ20から受信すると、その内容を表示部34上に表示したり、音声出力部36により音声出力したりして配送担当者に通知する(ステップS325)。
配送担当者は、当該予約完了の内容を確認し、その後、当該予約済みの収納装置10の設置場所へ移動し、配送業務を行う。
以上で、収納状況が「使用中」から「未使用」となった収納ボックスに対する予約動作を終了する。
【0084】
以上のように、配送担当者は配送担当者端末30を用いて、配送先の建物等に設置された収納装置10の収納状況を確認し、当該収納装置10の収納ボックスの予約を行うことができるので、たとえ配送先のユーザが不在であっても、確実に収納装置10の収納ボックスに預け入れることが可能となる。
また、配送担当者は配送先のユーザが不在であって配送物の特徴に合った収納ボックスが全て使用中である場合であっても、当該使用中の収納ボックスについても予約を行うことができ、次回配送する際に確実に収納ボックスに預け入れることが可能となる。
【0085】
また、管理サーバ20は、予約解除時期の到来する所定時間前に、予約解除の時期が近づいている旨を配送担当者端末30に通知し、配送担当者に対して配送物等の入庫を早急に行うことを催促するようにしてもよい。
このように配送担当者端末30に対して通知を行うことにより、配送担当者は、予約が強制的に解除されて、配送物の入庫が不可能となる事態を防止することが可能となる。
【0086】
また、配送担当者が使用中の収納ボックスについて予約を行い、その後当該収納ボックスから配送物が取り出されて収納状況が使用中から未使用となった場合、配送物の入庫が可能となった旨を管理サーバ20は、配送担当者端末30に通知するようにしてもよい。
このように配送担当者端末30に通知を行うことにより、配送担当者は、配送先を訪れたものの、収納ボックスが空いていないため配送物を持ち帰るというような無駄足が生じないようにすることが可能となる。
【0087】
(4)収納装置10からの収納ボックスの予約動作
上述のように、配送担当者は配送担当者端末30を用いて、収納装置10の収納ボックスの予約を行うことができる。すなわち、配送担当者は、これから配送物を配送しようとするとき、あるいは配送先のユーザが不在であって配送物に合う収納ボックスがないときに、配送担当者端末30を用いて予約を行う。
これに加えて、配送担当者は、配送先のユーザが不在であって配送物に合う収納ボックスがないときに、収納装置10の操作部15を直接操作して、当該収納装置10の使用中の収納ボックスの予約を行うことができる。
【0088】
さらに、配送担当者は、収納装置10の操作部15を直接操作して、未使用の収納ボックスの予約を行うこともできる。
未使用の収納ボックスについてはその場で配送物を入庫できるため、当該未使用の収納ボックスの予約は不要であるとも考えられるが、以下のような場合に予約を行うことにより、配送担当者は配送業務を軽減させることができる。
例えば、配送担当者が現在訪れている配送先を再度訪れる予定がある場合、又は同グループに属する他の配送担当者(配送会社の同僚等)が訪れる予定がある場合、配送担当者は未使用の収納ボックスを予約しておくことで、次回同場所を本人又は他の配送担当者が訪れたときに効率よく配送業務を行うことが可能となる。
【0089】
図23,24は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10を用いた収納ボックスの予約動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、一例として、配送担当者が複数個の配送物を集合住宅の居住者に配送する際に、前もって直接収納装置10を操作して収納ボックスの予約を行うときの収納情報提供システムによる動作について本図に沿って説明を進める。
【0090】
配送担当者は、配送先のユーザが不在であり、配送物を直接ユーザに手渡すことができない場合、その配送先の建物等の収納装置10に当該配送物を預け入れる。
ここで、配送物のサイズや内容(要冷蔵、要冷凍等)に合った収納ボックスが使用中である場合、配送担当者は配送物を持ち帰らなければいけないが、次回配送時に配送先のユーザが不在の場合に確実に収納ボックスに配送物を預け入れるために当該収納ボックスの予約を行うことができる。
【0091】
収納装置10の表示部14には、
図13に示すような収納装置10の使用目的を選択するためのスタート画面が表示されている。
まず、配送担当者は、収納装置10の操作部15を操作して、スタート画面上の複数の使用目的から「予約」を選択する(ステップS401)。
【0092】
収納装置10の使用目的として「予約」を選択すると、表示部14は、配送担当者IDの入力画面を表示する。
ここで、配送担当者は、操作部15を用いて、配送担当者IDの入力画面上の入力欄に自身の配送担当者IDを入力する(ステップS402)。
【0093】
配送担当者IDが入力されると、収納装置10の通信部13は、予約対象の収納ボックスを選択するための画面情報(予約ボックス選択画面情報)の取得要求を管理サーバ20へ送信する(ステップS403)。
【0094】
管理サーバ20の通信部23は、上記予約ボックス選択画面の取得要求を収納装置10から受信すると、制御部21は、収納ボックスDB225を参照して、上記予約ボックス選択画面情報を生成し(ステップS404)、当該生成した予約ボックス選択画面情報を収納装置10へ送信する(ステップS405)。
【0095】
収納装置10の通信部12は上記予約ボックス選択画面情報を受信すると、表示部14はその受信した予約ボックス選択画面情報を表示する(ステップS406)。
本予約ボックス選択画面情報は上述の
図22に示す例と同様であるとしてよい。
なお、予約ボックス選択画面情報においては、予約状況が「予約中」の収納ボックスについては予約の選択を行えないよう上記予約ボックス選択画面を構成されていてもよい。
ここで、配送担当者は、操作部15を用いて、予約ボックス選択画面上に示される収納ボックスから、配送物の特徴に合った、予約をする任意の収納ボックスを選択する(ステップS407)。
【0096】
ここで、収納装置10の制御部11は、選択した収納ボックスが「未使用」であると判断した場合は(ステップS408/Yes)、収納装置10の通信部13は、その選択された収納ボックスのボックス番号の情報及び該当する収納装置10の収納装置IDとともに、上記入力された配送担当者IDを管理サーバ20へ送信し、当該収納ボックスの予約を要求する(ステップS409)。
【0097】
管理サーバ20の通信部23が上記ボックス番号の情報と収納装置IDと配送担当者IDを収納装置10から受信すると、制御部21は、当該収納装置IDに該当する収納ボックスDB225において、当該受信したボックス番号の収納ボックスについて予約登録する(ステップS410)。
具体的には、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて、上記受信した配送担当者IDが予約者として登録されるとともに、予約状況が「未予約」から「予約中」に書き換えられる。
【0098】
次に、制御部21は、上記選択された収納ボックスの収納状況が「未使用」であるか否かを判断する(ステップS411)。
ここで、制御部21は「未使用」と判断した場合(ステップS411/Yes)、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて、予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行う(ステップS412)。
【0099】
上記予約解除時期は、例えば、管理サーバ20が上記配送担当者ID等を受信した時刻(現在時刻)から所定時間経過した時刻が設定登録される。
また、解除許可者の項目には、当該配送担当者の配送担当者ID又は配送担当者DB222に基づいて当該配送担当者が所属するグループ(配送会社等)のグループIDが登録される。例えば、制御部21は配送担当者DB222を参照し、上記受信した配送担当者IDに対応付けられているグループIDがある場合には、そのグループIDを上記解錠許可者の欄に登録する。
なお、上記予約解除時期が到来すると、当該予約は削除される。具体的には上記登録された配送担当者ID及び予約解除時期は削除され、解錠許可者の項目に予約した配送担当者又はグループのIDが登録されている場合には当該解除許可者の項目も削除される。
【0100】
上記のように収納状況が「未使用」の収納ボックスについて予約登録がされると、管理サーバ20の通信部23は、予約された収納ボックスのボックス番号を、予約対象の収納装置10へ送信する(ステップS413)。
収納装置10の通信部13は上記ボックス番号を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、該当する収納ボックスを施錠して他の者が使用することを規制する(ステップS414)。
以上で、収納状況が「未使用」の収納ボックスに対する予約動作を終了する。
【0101】
一方、ステップS408,S411において、制御部11,21は予約が選択された収納ボックスの収納状況が「使用中」であると判断した場合(ステップS408/No,S411/No)、制御部21は、上記未使用情報を収納装置10から受信するまで待機する。
この段階では、収納ボックスDB225において、当該ボックス番号の収納ボックスについて、この段階では予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行わない。
なお、当該収納ボックスは、現在使用中であることから、収納ボックスDB225の解錠許可者の欄には、当該現在使用中の配送担当者又はグループのIDが登録されている。
【0102】
その後、収納装置10の制御部11は、上記予約した「使用中」の収納ボックスが「未使用」となったことを検知すると(ステップS415/Yes)、通信部13は上記未使用情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS416)。
【0103】
管理サーバ20は、上記未使用情報を収納装置10から受信すると、当該収納ボックスについて予約解除時期と解錠許可者の項目の登録を行う(ステップS417)。
【0104】
上記予約解除時期は、例えば、管理サーバ20が上記未使用情報を受信した時刻(現在時刻)から所定時間経過した時刻が設定登録される。
また、解除許可者の項目には、当該配送担当者の配送担当者ID又は配送担当者DB222に基づいて当該配送担当者が所属するグループ(配送会社等)のグループIDが登録される。例えば、制御部21は配送担当者DB222を参照し、上記受信した配送担当者IDに対応付けられているグループIDがある場合には、そのグループIDを上記解錠許可者の欄に登録する。
なお、上記予約解除時期が到来すると、当該予約は削除される。具体的には上記登録された配送担当者ID及び予約解除時期は削除され、解錠許可者の項目に予約した配送担当者又はグループのIDが登録されている場合には当該解除許可者の項目も削除される。
【0105】
次に、管理サーバ20の通信部23は、上記「使用中」から「未使用」となった収納ボックスについて予約登録が完了した旨の情報を収納装置10へ送信する(ステップS418)。
当該予約登録が完了した旨の情報には、当該予約完了した収納ボックスのボックス番号が含まれる。
【0106】
収納装置10の通信部13は上記予約完了した旨の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、該当する収納ボックスを施錠して他の者が使用することを規制する(ステップS419)。
以上で、収納状況が「使用中」から「未使用」となった収納ボックスに対する予約動作を終了する。
【0107】
以上のように、配送担当者は配送先の建物等に設置された収納装置10を直接操作して当該収納装置10の収納状況を確認し、当該収納装置10の収納ボックスの予約を行うことができるので、たとえ配送先のユーザが不在であっても、収納装置10の収納ボックスに今回預け入れたり、次回配送の際には確実に預け入れたりすることが可能となる。
また、配送担当者は配送先のユーザが不在であって配送物に合う収納ボックスが全て使用中である場合であっても、当該使用中の収納ボックスについても予約を行うことができ、次回配送する際に確実に収納ボックスに預け入れることが可能となる。
【0108】
また、配送担当者が収納装置10の操作部15を直接操作して収納ボックスの予約を行う場合も、配送担当者端末30を操作して予約を行う場合と同様に、管理サーバ20は、予約解除時期の到来する所定時間前に、又は予約していた収納ボックスの使用状況が使用中から未使用になったときに配送担当者端末30にその旨を知らせる通知を行う。
従って、配送担当者は、たとえ配送先のユーザが不在であっても、配送物を確実に収納装置10に預け入れて、再配送を行わないようにすることが可能となる。
【0109】
<実施の形態のまとめ>
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態における収納情報提供システムによれば、配送担当者は配送先への配送を行う前に、配送担当者端末30等を用いて前もって収納装置10の収納ボックスの収納状況を管理サーバ20から取得できるので、配送先のユーザが不在の場合を想定して、収納装置10に配送物を確実に預け入れられるような配送スケジュールを容易に組むことが可能となる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、配送担当者は、配送担当者端末30を用いて、又は配送先に設置されている収納装置10を直接操作して、収納装置10の収納ボックスの予約を行うことができるので、収納装置10に配送物を確実に預け入れられるような配送スケジュールを容易に組むことが可能となる。
配送担当者は一般に車両に配送物を載せ、駐車場や道路に一旦車両を駐車させて、配送物を配送先の建物に配送する。
大型の集合住宅の場合、駐車場所から配送先の建物まである程度の距離がある場合も多い。その場合、配送先のユーザが不在であって収納装置10の収納ボックスも空きがなかったときには、その駐車場所・建物間を、配送担当者は配送物を往復で搬送しなければならず、これは配送担当者にとって負担が大きい。
配送担当者は、本実施の形態における収納情報提供システムを利用することにより、上記のような駐車場所・建物間の配送物の搬送作業を削減し、配送業務全体の効率化を実現することが可能となる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、収納装置10の収納ボックスは現在未使用のものだけではなく、使用中の収納ボックスについても予約(いわゆる仮予約)を行うことができるので、配送担当者は使用頻度が高く確保が難しい収納ボックスについても使用することができ、煩雑な再配送の作業を効果的に削減することが可能となる。
【0112】
また、本実施の形態によれば、予約解除時期が到来すると、収納装置10は、収納ボックスの予約を強制的に解除するので、収納ボックスを長期間未使用のままにしておくことなく、収納ボックスを効率よく使用することが可能となる。
【0113】
上記の収納装置10、管理サーバ20又は配送担当者端末30は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10、管理サーバ20又は配送担当者端末30をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0114】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
例えば、上述の実施の形態では、管理サーバ20は各データベース221〜225を有し、当該各データベース221〜225を参照して認証、情報提供及び予約登録等の各処理を実行していたが、収納装置10が当該データベース221〜225と同様の内容の情報を管理するデータベースを有し、収納装置10自体が管理サーバ20に代わって上記各処理等を実行するようにしてもよい。
また、収納装置10及び管理サーバ20ともに同内容の情報を管理するデータベースをそれぞれ有し、収納装置10・管理サーバ20間で同期がとられデータベース内の情報を共有するようにしてもよい。
【0115】
上述の実施の形態においては、配送担当者端末30は、制御部31が情報格納部32にインストール(実装)されているアプリケーション(ソフトウェア)を実行することにより、収納ボックスの収納状況を確認したり、収納ボックスの予約を行ったりすることができるよう構成されているが、上記アプリケーションは、汎用的な情報閲覧用ソフトウェア、例えばブラウザであってもよい。
この場合、配送担当者は、配送担当者端末30を用いて、収納ボックスの収納状況の確認用又は予約用のWebサイトをブラウザにより表示する。当該Webサイトが管理されているWebサーバは特に限定しないが、以下、管理サーバ20であるとして説明を進める。
配送担当者は、配送担当者端末30を用いて、当該Webサイト上において所定の情報を入力し、収納ボックスの収納状況の確認又は予約に関する(画面)情報の取得要求を管理サーバ20へ送信する。
管理サーバ20は、上記情報の取得要求に応じて、該当する情報をWebページのデータ形式(HTML)で配送担当者端末30へ送信する。
上記管理サーバ20が配送担当者端末30へWebページ形式で送信する情報としては、例えば、収納情報の取得画面、収納装置10の一覧(の)情報、予約ボックス選択画面情報、予約完了した旨の情報等が含まれる。
このように、配送担当者は、ブラウザ上でも収納ボックスの収納状況の確認や予約を行うことができる。
【0116】
上述の実施の形態におけるステップS324の動作において、収納ボックスの使用状態が使用中から未使用となり、予約が完了したときに、管理サーバ20は、予約が完了した旨の情報を配送担当者端末30へ送信していたが、予約を伴わない場合であっても、収納ボックスの使用状態が使用中から未使用となったことのみを配送担当者端末30へ通知するようにしてもよい。
この場合、配送担当者は、配送担当者端末30を用いて、予約時と同様に、収納装置10及び収納ボックスを指定した後に、当該指定した収納ボックスが未使用状態となったときの通知要求を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20は、当該通知要求を情報格納部22に格納する。
管理サーバ20は、上述の予約時の動作と同様に、収納装置10から未使用情報を受信したことによって、上記配送担当者により指定された収納ボックスが未使用となったことを認識すると、当該指定された収納ボックスが未使用(空き)状態となった旨の情報を配送担当者端末30へ送信し、配送担当者端末30は、当該通知内容を表示したり、音声出力したりして配送担当者に対して報知を行う。
【0117】
また、配送担当者端末30は、予約が完了した旨の情報又は収納ボックスが未使用状態となった旨の情報を管理サーバ20から受信すると、画面表示又は音声出力により、その受信した情報の内容を配送担当者に対して報知するが、当該報知は、配送担当者が操作部35を操作することにより実行されるものであってもよいし、配送担当者端末30が当該情報を受信すると、自動的に実行されるものであってもよい。
例えば、上記のように自動的に画面表示又は音声出力により報知を実行する場合には、配送担当者が配送用の車両を運転していて手を離せず、配送担当者端末30を操作できないときであっても、その情報の内容を容易に確認することが可能となる。