特許第6983500号(P6983500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6983500テトラアルコキシシラン加水分解組成物、及び、その製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983500
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】テトラアルコキシシラン加水分解組成物、及び、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 29/04 20060101AFI20211206BHJP
   C08K 5/5415 20060101ALI20211206BHJP
   C09D 183/04 20060101ALN20211206BHJP
   C09D 129/04 20060101ALN20211206BHJP
【FI】
   C08L29/04
   C08K5/5415
   !C09D183/04
   !C09D129/04
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-219635(P2016-219635)
(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公開番号】特開2018-76443(P2018-76443A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105947
【氏名又は名称】サカタインクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】松岡 裕
【審査官】 三宅 澄也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−143197(JP,A)
【文献】 特開2001−287474(JP,A)
【文献】 特開2003−171600(JP,A)
【文献】 特開2002−363479(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/133591(WO,A1)
【文献】 特開2003−213148(JP,A)
【文献】 特開平10−251518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00− 13/08
C08L 1/00−101/14
C09D 1/00− 10/00
C09D101/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホン酸基含有ポリマーとテトラアルコキシシランとを混合した混合物を調製し、
前記スルホン酸基含有ポリマーは、スルホン酸基変性ポリビニルアルコールであり、ン化度が80%以上であり、かつ、スルホン酸塩含有ポリマーを脱塩したものであり、
前記混合物中で前記テトラアルコキシシランを加水分解させてなり、
以下の式1を満足する
ことを特徴とするテトラアルコキシシラン加水分解組成物。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、前記混合物中の前記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、前記混合物中の前記テトラアルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
【請求項2】
スルホン酸基含有ポリマーとテトラアルコキシシランとを混合した混合物を調製する工程と、
前記混合物中で前記テトラアルコキシシランを加水分解させる工程を有し、
前記スルホン酸基含有ポリマーは、スルホン酸基変性ポリビニルアルコールであり、ン化度が80%以上であり、かつ、スルホン酸塩含有ポリマーを脱塩したものであり、
以下の式1を満足する
ことを特徴とするテトラアルコキシシラン加水分解組成物の製造方法。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、前記混合物中の前記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、前記混合物中の前記テトラアルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存安定性に優れるアルコキシシラン加水分解組成物、及び、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルコキシシランを加水分解して得られるシラノール化合物(以下、アルコキシシランの加水分解物ともいう)は、ガスバリア性コーティング剤等に用いられている。
しかしながら、アルコキシシランの加水分解物は、安定性に乏しく、縮合反応が容易に進行してシロキサン化合物が形成されてしまう。
このようなシロキサン化合物が形成されると、溶解性が悪く加工等が困難となるため、アルコキシシランの加水分解物を安定して保存する技術が求められていた。
【0003】
従来、アルコキシシラン加水分解物の製造方法としては、重縮合触媒の存在下で、アルコキシシランを加水分解させる方法が知られている。
しかしながら、このような方法で製造されるアルコキシシラン加水分解物は、重縮合触媒を不活性化又は除去してさえも、縮合反応が容易に進行してしまい、保存安定性が悪いといった課題があり、アルコキシシラン加水分解物を貯蔵又は移送する際に、大きな問題となり得た。
【0004】
アルコキシシラン加水分解物を安定化させる方法としては、添加剤を添加する方法や溶媒を変更する方法が知られている。
具体的には、アルコキシシランを加水分解した後にアルコールを添加することで、アルコキシシランの加水分解物を安定化する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、アルコキシシランを加水分解に用いる溶媒を、一定範囲の比誘電率を有する比較的分極の小さい極性溶剤とし、縮合反応の進行を遅らせることで、アルコキシシランの加水分解物を安定化させる方法が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び2で開示された方法であっても、アルコキシシラン加水分解物の保存安定性が充分であるとは言い難く、より安定化させる他の方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−137061号公報
【特許文献2】特開平10−218995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、保存安定性に優れたアルコキシシラン加水分解組成物を得ることである。
ここで、本明細書において、上記「保存安定性に優れた」とは、アルコキシシラン加水分解組成物を40℃の条件で保存した場合に、粘度計(東機産業社製、RE100L型)を用いて測定した上記アルコキシシラン加水分解組成物の粘度が、100mPa・sを超えるまでに15日間以上要することを意味する。
なお、上記アルコキシシラン加水分解組成物の増粘は、アルコキシシランの加水分解物の縮合反応が進行することにより起こるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、研究を重ねた結果、スルホン酸基含有ポリマーとアルコキシシランとを特定の比率となるように混合し、アルコキシシランを加水分解させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0008】
即ち、本発明は、スルホン酸基含有ポリマーとアルコキシシランとを混合した混合物を調製し、上記混合物中で上記アルコキシシランを加水分解させてなり、以下の式1を満足することを特徴とするアルコキシシラン加水分解組成物である。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
また、上記スルホン酸基含有ポリマーは、スルホン酸基変性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
また、上記アルコキシシランは、テトラアルコキシシランの加水分解物であることが好ましい。
また、本発明は、スルホン酸基含有ポリマーとアルコキシシランとを混合した混合物を調製する工程と、上記混合物中で上記アルコキシシランを加水分解させる工程を有し、以下の式1を満足することを特徴とするアルコキシシラン加水分解組成物の製造方法でもある。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
以下、本発明のアルコキシシラン加水分解組成物について詳細に説明する。
【0009】
本発明は、スルホン酸基含有ポリマーとアルコキシシランとを混合した混合物を調製し、上記混合物中で上記アルコキシシランを加水分解させてなり、以下の式1を満足することを特徴とするアルコキシシラン加水分解組成物である。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
本発明によって奏される優れた保存安定性は、スルホン酸基含有ポリマーの存在下で、アルコキシシランを加水分解することにより、加水分解反応に対しては優れた触媒作用を有する一方で、アルコキシシランの加水分解物の縮合反応を抑制するという、スルホン酸基含有ポリマーの特徴によりもたらされたものであると考えられる。また、アルコキシシランの加水分解物は、上述したように、縮合反応が容易に進行してしまうので、単離して構造や特性を特定することが極めて困難であり、本発明のアルコキシシラン加水分解組成物の構造や特性を特定することも極めて困難である。
なお、従来の方法によりアルコキシシランを加水分解した後に、スルホン酸基含有ポリマーを添加したとしても、上述した優れた保存安定性を得ることはできない。
【0010】
上記スルホン酸基含有ポリマーとしては、スルホン酸基変性ポリビニルアルコールが好ましい。
上記スルホン酸基含有ポリマーを得る方法としては、例えば、酢酸ビニル系モノマーとスルホン酸基含有モノマーを共重合し、その後ケン化して得られるものや、酢酸ビニル系モノマーとスルホン酸塩含有モノマーを共重合し、その後ケン化及びイオン交換によってスルホン酸塩をスルホン酸基に変換して得られるもの等が挙げられる。
なお、上記ケン化する際のケン化度としては、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
【0011】
上記酢酸ビニル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミスチリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、バーサテック酸ビニル等のビニルエステル系モノマー等が挙げられる。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、ビニルスルホン酸、アクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸、オルトスチレンスルホン酸、メタスチレンスルホン酸、パラスチレンスルホン酸等が挙げられる。
上記スルホン酸塩含有モノマーとしては、上記スルホン酸基含有モノマーの塩等が挙げられる。
【0012】
上記スルホン酸基含有ポリマーとしては、CKS−50、L−3266(日本合成化学社製)、SK−5102(クラレ社製)、A−12SL(東亞合成社製)等の市販のスルホン酸塩含有ポリマーを、イオン交換処理等により脱塩したものが挙げられる。
【0013】
また、アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類等が挙げられる。
なかでも、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラアルコキシシラン類が好ましい。
なかでも、加水分解速度が大きく、また、加水分解によって発生するアルコールの乾燥性が適切であることから、テトラエトキシシランがより好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
上記スルホン酸基含有ポリマーと上記アルコキシシランとを混合した混合物を調製する際には、溶媒(溶剤)を用いて上記混合物を調製するのが好ましい。
上記溶媒(溶剤)としては、上記スルホン酸基含有ポリマーを溶解し得るものであれば、水性及び非水性のどちらの溶剤でも使用できる。
上記溶媒(溶剤)としては、水と低級アルコールとの混合溶剤を用いることが好ましい。
具体的には、水と、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数2〜4の低級アルコールの少なくとも1種を15〜70質量%含む混合溶剤であることが好ましい。
上記混合溶剤を使用すると、スルホン酸基含有ポリマーの溶解性が良好となり、適度な固形分を維持するためにも好適である。
上記混合溶剤中の炭素数2〜4の低級アルコールの含有量が上記範囲外であると、スルホン酸基含有ポリマーが析出、若しくは、保存安定性が低下することがある。
【0015】
上記アルコキシシラン加水分解組成物は、加水分解をさらに制御するために一般的に知られている触媒、塩化錫やアセチルアセトナート等を添加してもよい。
【0016】
本発明のアルコキシシラン加水分解組成物は、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量と、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量とが、下記(式1)を満足することにより、得られるアルコキシシラン加水分解物の保存安定性を優れたものとすることができる。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
上記WA/WBが3.5/96.5未満であると、保存安定性が低下し、WA/WBが50/50を超えると、樹脂が析出もしくは保存安定性が低下する。
上記WA/WBは、4/96〜15/85であることが好ましい。
【0017】
〔アルコキシシラン加水分解組成物の製造方法〕
本発明は、スルホン酸基含有ポリマーとアルコキシシランとを混合した混合物を調製する工程と、上記混合物中で上記アルコキシシランを加水分解させる工程を有し、以下の式1を満足することを特徴とするアルコキシシラン加水分解組成物の製造方法でもある。
(式1) WA/WB=3.5/96.5〜50/50
(式1中、WAは、上記混合物中の上記スルホン酸基含有ポリマーの配合量(質量)を表し、WBは、上記混合物中の上記アルコキシシランの配合量(質量)を表す。)
上記アルコキシシラン加水分解組成物を製造する方法としては、上記構成要件を満たせば従来公知の方法を用いることができ、例えば、テトラアルコキシシランに溶媒及びスルホン酸基含有ポリマーを加え、攪拌装置や分散装置を利用して各成分を混合する方法等を挙げることができる。
【0018】
上記攪拌装置や分散装置としては、通常の撹拌装置や分散装置であれば特に限定されず、これらを用いて分散液中で各成分を均一に混合することができればよく、例えば、スリーワンモータ(新東科学社製)等が挙げられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、保存安定性に優れたアルコキシシラン加水分解組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
【0021】
<スルホン酸塩含有ポリマー>
CKS−50(商品名:ゴーセネックスL CKS−50、スルホン酸ナトリウム塩含有ポリビニルアルコール、ケン化度>99%、日本合成化学社製)
L−3266(商品名:ゴーセネックスL L−3266、スルホン酸ナトリウム塩含有ポリビニルアルコール、ケン化度86.5〜89%、日本合成化学社製)
【0022】
<スルホン酸基変性ポリビニルアルコール水溶液の調製>
精製水85質量部にCKS−50の15質量部を加え、90℃で1時間撹拌して、CKS−50水溶液(固形分15%)を得た。これを室温でMonosphere 650C(カチオン交換樹脂、ダウ・ケミカル社製)の10質量部に送液し、脱塩CKS−50水溶液(固形分15%)を得た。
精製水85質量部にL−3266の15質量部を加え、90℃で1時間撹拌して、L−3266水溶液(固形分15%)を得た。これを室温でMonosphere 650C(カチオン交換樹脂、ダウ・ケミカル社製)の10質量部に送液し、脱塩L−3266水溶液(固形分15%)を得た。
【0023】
<テトラアルコキシシラン>
TEOS(商品名:高純度正珪酸エチル、多摩化学工業社製)
【0024】
<テトラアルコキシシラン加水分解物水溶液の調製>
TEOS43.3質量部にエタノール18.6質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水24.8質量部及び脱塩CKS−50水溶液13.3質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(1)を得た。
TEOS43.3質量部にエタノール18.1質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水21.9質量部及び脱塩CKS−50水溶液16.7質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(2)を得た。
TEOS43.3質量部にエタノール18.6質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水24.8質量部及び脱塩L−3266水溶液13.3質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(3)を得た。
TEOS43.3質量部にエタノール19.3質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水27.4質量部及び脱塩CKS−50水溶液10.0質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(4)を得た。
TEOS43.3質量部にエタノール16.8質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水13.3質量部及び脱塩CKS−50水溶液26.7質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(5)を得た。
TEOS43.3質量部にエタノール14.7質量部を加え撹拌し、そこにイオン交換水22.3質量部及びスノーテックスPS−SO(コロイダルシリカ、固形分15%、日産化学工業社製)19.7質量部を加え、50℃で1時間加熱して、TEOS加水分解物水溶液(6)を得た。
【0025】
<実施例1のアルコキシシラン加水分解組成物>
TEOS加水分解物水溶液(1)56.0質量部、エタノール44.0質量部を撹拌混合し、室温で10分撹拌して、実施例1のアルコキシシラン加水分解組成物を得た。
【0026】
<実施例2〜4、及び、比較例1〜2のアルコキシシラン加水分解組成物>
表1の配合に従い、実施例1と同様の操作によって、実施例2〜4、及び、比較例1〜2のアルコキシシラン加水分解組成物を得た。
【0027】
〔評価〕
(保存安定性)
実施例1〜4、及び、比較例1〜2のアルコキシシラン加水分解組成物を40℃にて保存し、粘度計(東機産業社製、RE100L型)を用いて測定した粘度が、100mPa・sを超えるまでの日数を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例におけるアルコキシシラン加水分解組成物は、保存安定性に優れていた。
一方、WA/WBの値が小さい比較例1、及び、テトラアルコキシシランを加水分解させる工程において、スルホン酸基含有ポリマーが存在しない比較例2においては、保存安定性に優れたものは得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のアルコキシシラン加水分解組成物は、ガスバリア性コーティング剤等に好適に適用できる。