特許第6983516号(P6983516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983516
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20211206BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20211206BHJP
   F01P 11/12 20060101ALI20211206BHJP
   F01P 11/10 20060101ALI20211206BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A01D41/12 E
   B60K11/04 E
   B60K11/04 D
   F01P11/12 D
   F01P11/10 C
   F01P7/16 504A
   F01P11/10 E
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-36532(P2017-36532)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2017-200469(P2017-200469A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2019年6月26日
(31)【優先権主張番号】特願2016-91242(P2016-91242)
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕明
(72)【発明者】
【氏名】松本 健太
(72)【発明者】
【氏名】光原 昌希
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 賢治
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−225571(JP,A)
【文献】 特開2016−021967(JP,A)
【文献】 特開2016−030569(JP,A)
【文献】 特開2013−154778(JP,A)
【文献】 特開2015−208242(JP,A)
【文献】 特開2015−019596(JP,A)
【文献】 特開2013−048576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
B60K 11/04
F01P 11/12
F01P 11/10
F01P 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータの機体外側に設けられ、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態で、前記ラジエータの機体外側を塞ぐ第一吸気ケースと、
前記ラジエータの機体内側に設けられ、回転駆動によって前記第一吸気ケースを通して外気を引き込んで前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、が備えられ、
通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態、かつ、前記第一吸気ケースの内部空間と連通する状態で設けられた第二吸気ケースが備えられ、
前記エンジンは、運転座席の下方に設けられ、
前記エンジンを覆ってエンジンルームを形成するとともに、前記運転座席を下側から支持し、かつ、機体横外方に向けて開放されたエンジンボンネットが備えられ、
前記エンジンボンネットの前側に、前記運転座席に着座した運転者の下肢が位置する足元空間が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結され、
前記冷却ファンの回転駆動によって、外気が前記第二吸気ケースを通して引き込まれて前記内部空間に流通し、
前記第一吸気ケースは、前記ラジエータの機体外側を覆う通常状態と、前記ラジエータの機体外側を開放する第一開放状態とに、前記第二吸気ケースと切り離して状態変更可能に構成され
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられ、
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記第一吸気ケースのうち前記風量調整板よりも前記ラジエータ側の空間と連通するように構成されている作業車。
【請求項2】
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と、前記エンジンルームを開放する第二開放状態とに、前記第一吸気ケース及び前記エンジンボンネットと一体的に状態変更可能に構成され、
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と前記第一開放状態との間での状態変更と、前記通常状態と前記第二開放状態との間での状態変更と、の両方が可能である請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記ラジエータは、前記エンジンルームにおいて前記エンジンの機体横外側に設けられ、
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項4】
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結されている請求項に記載の作業車。
【請求項5】
前記第一吸気ケースの吸気部に第一防塵網が備えられ、
前記第一防塵網と前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記第一防塵網と前記冷却装置との間に、前記冷却装置の機体横外側を覆う状態で、前記第一防塵網よりも目の細かい第二防塵網が備えられている請求項3または4に記載の作業車。
【請求項6】
前記第一吸気ケースと前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられている請求項3または4に記載の作業車。
【請求項7】
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられている請求項に記載の作業車。
【請求項8】
前記冷却装置として、インタークーラ及びオイルクーラが備えられ、
前記オイルクーラは、前記ラジエータの機体横外側、かつ、前記インタークーラの下側に設けられている請求項5から7の何れか一項に記載の作業車。
【請求項9】
前記オイルクーラとして、作業機器用オイルクーラ及びトランスミッション用オイルクーラが備えられ、
前記作業機器用オイルクーラと前記トランスミッション用オイルクーラとは、前後に位置ずれした状態で、左右に並べて配置されている請求項に記載の作業車。
【請求項10】
前記第一吸気ケースの前記吸気部は、前記第一吸気ケースの機体横外部の上部から下部に亘って設けられている請求項3から9の何れか一項に記載の作業車。
【請求項11】
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられている請求項3から10の何れか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車が、例えば、特許文献1に記載されている。この作業車には、エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、ラジエータの機体外側に設けられ、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態で、ラジエータの機体外側を塞ぐ吸気ケースと、ラジエータの機体内側に設けられ、回転駆動によって吸気ケースを通して外気を引き込んでラジエータを冷却する冷却ファンと、が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−125106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術では、1つの吸気ケースのみから外気を引き込むようにしているので、ラジエータ等の冷却効率が低下する場合があった。ラジエータ等の冷却効率を改善させるためには、冷却ファンを回転駆動させる速度を増加させて、ラジエータ等に供給される外気の風速を増加させることも考えられるが、そのようにした場合、例えば吸気ケース等に藁屑等の塵埃が張り付き易くなって、逆に冷却効率が低下したり、掃除等のメンテナンスの手間が増加したりするおそれがある。
【0005】
上記実情に鑑み、ラジエータ等に供給される外気の風速を増加させずに風量を増加させることができる作業車の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、
エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータの機体外側に設けられ、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態で、前記ラジエータの機体外側を塞ぐ第一吸気ケースと、
前記ラジエータの機体内側に設けられ、回転駆動によって前記第一吸気ケースを通して外気を引き込んで前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、が備えられ、
通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態、かつ、前記第一吸気ケースの内部空間と連通する状態で設けられた第二吸気ケースが備えられ、
前記エンジンは、運転座席の下方に設けられ、
前記エンジンを覆ってエンジンルームを形成するとともに、前記運転座席を下側から支持し、かつ、機体横外方に向けて開放されたエンジンボンネットが備えられ、
前記エンジンボンネットの前側に、前記運転座席に着座した運転者の下肢が位置する足元空間が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結され、
前記冷却ファンの回転駆動によって、外気が前記第二吸気ケースを通して引き込まれて前記内部空間に流通し、
前記第一吸気ケースは、前記ラジエータの機体外側を覆う通常状態と、前記ラジエータの機体外側を開放する第一開放状態とに、前記第二吸気ケースと切り離して状態変更可能に構成され
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられ、
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記第一吸気ケースのうち前記風量調整板よりも前記ラジエータ側の空間と連通するように構成されているものである。
【0007】
本発明によると、冷却ファンを回転駆動させると、第一吸気ケース自体から外気が引き込まれるとともに、第二吸気ケースから引き込まれた外気が第一吸気ケースの内部空間に流通し、第一吸気ケースの内部空間からラジエータ等に供給される外気の風量を増加させることが可能となり、ラジエータ等の冷却効率を向上させることができる。また、冷却ファンの回転速度を増加させるわけではないので、ラジエータ等に供給される外気の風速は増加せず、例えば第一吸気ケース等の外側に藁屑等の塵埃が張り付き易くなることもなく、これによる冷却効率の低下や、掃除等のメンテナンスの手間の増加等の不都合が生じることを回避できる。
このように、本発明であれば、ラジエータ等に供給される外気の風速を増加させずに風量を増加させることができる。
【0008】
本発明において、
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と、前記エンジンルームを開放する第二開放状態とに、前記第一吸気ケース及び前記エンジンボンネットと一体的に状態変更可能に構成され、
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と前記第一開放状態との間での状態変更と、前記通常状態と前記第二開放状態との間での状態変更と、の両方が可能であると好適である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
本発明において、
前記ラジエータは、前記エンジンルームにおいて前記エンジンの機体横外側に設けられ、
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられていると好適である。
【0013】
本構成によれば、エンジンを覆うエンジンボンネットを運転座席の支持部材として兼用し、エンジンボンネットで形成されるエンジンルームにおいて、ラジエータをエンジンの機体横外側に設け、エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられた第一吸気ケースの吸気部から、開口部、エンジンルームの開放部に向かうように機体横外側から機体横内側に向けて外気を流入させるという基本構造となっている。
このような基本構造において、運転者の足元空間に第一吸気ケースに連通する第二吸気ケースが設けられている。この第二吸気ケースにより、走行機体の機体内側部位における藁屑等の塵埃の混入が比較的少ない空気が引き込まれるので、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入し難くなると共に、例えば防塵網の目詰まり等の不都合が生じにくくなる。また、第二吸気ケースを断熱部材として機能させることが可能となり、専用の断熱部材を不要としながら、エンジン等の熱が運転座席に着座する運転者の下肢に及び難くなる。
【0014】
本発明において、
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結されていると好適である。
【0015】
本構成によれば、運転座席に着座した運転者の下肢の後側に第二吸気ケースが位置するので、エンジン等の熱が運転者の下肢の後側に及ぶことを抑制できる。第一吸気ケースと第二吸気ケースとを全体として、上面視で略L字状となるようにコンパクトに配置できる。そして、第二吸気ケースの前面部の吸気部から外気を引き込んで、第一吸気ケースの前端部へ供給するので、第二吸気ケースから第一吸気ケースに至る外気の流れがスムーズになる。
【0016】
本発明において、
前記第一吸気ケースの吸気部に第一防塵網が備えられ、
前記第一防塵網と前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記第一防塵網と前記冷却装置との間に、前記冷却装置の機体横外側を覆う状態で、前記第一防塵網よりも目の細かい第二防塵網が備えられていると好適である。
【0017】
本構成によれば、第一吸気ケースの第一防塵網により外気に含まれる大きな塵埃が除かれてから、さらに、第一防塵網よりも目の細かい第二防塵網で外気に含まれる小さな塵埃が取り除かれるので、エンジンルームに藁等の塵埃が侵入し難くなる。
【0018】
本発明において、
前記第一吸気ケースと前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられていると好適である。
【0019】
本構成によれば、支持ケースによりラジエータと冷却装置を支持しながら、その支持ケースにより、第一吸気ケースの開口部とファンシュラウドとの間に形成される空間をシール可能となるので、第一吸気ケースの内部空間以外の箇所を通じてエンジンルームに外気が流入しにくいものとなり、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入することを阻止できる。
【0020】
本発明において、
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられていると好適である。
【0021】
本構成によれば、支持ケースによりラジエータと冷却装置を支持しながら、その支持ケースにより、第一吸気ケースの開口部とファンシュラウドとの間に形成される空間をシール可能となるので、第二防塵網を通過した外気のみがエンジンルームに供給され、第一吸気ケースの内部空間以外の箇所を通じてエンジンルームに外気が流入しにくいものとなり、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入することを阻止できる。
【0022】
本発明において、
前記冷却装置として、インタークーラ及びオイルクーラが備えられ、
前記オイルクーラは、前記ラジエータの機体横外側、かつ、前記インタークーラの下側に設けられていると好適である。
【0023】
本構成によれば、ラジエータの機体横外側、かつ、インタークーラの下側のスペースを活用して、オイルクーラを好適に配置できる。これにより、冷却ファンの回転駆動によって、ラジエータ、インタークーラ、オイルクーラの冷却を好適に行うことができる。
【0024】
本発明において、
前記オイルクーラとして、作業機器用オイルクーラ及びトランスミッション用オイルクーラが備えられ、
前記作業機器用オイルクーラとトランスミッション用オイルクーラとは、前後に位置ずれした状態で、左右に並べて配置されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、作業器機用オイルクーラとトランスミッション用オイルクーラとを、前後方向にコンパクトに配置できる。
【0026】
本発明において、
前記第一吸気ケースの前記吸気部は、前記第一吸気ケースの機体横外部の上部から下部に亘って設けられていると好適である。
【0027】
本構成によれば、第一吸気ケースの吸気部の開口面積が広く確保され、第一吸気ケースの吸気部を通じてラジエータ側へ十分な量の外気を引き込むことができる。
【0028】
本発明において、
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられていると好適である。
【0029】
本構成によれば、風量調整板が抵抗となって下部吸気部からの外気の引き込みが抑えられて、他の吸気部からの第一吸気ケースへの外気の引き込みが促進され、全ての吸気部から第一吸気ケースにまんべんなく外気を引き込むことが可能となる。その結果、第一吸気ケースに引き込まれる外気の風量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】普通型コンバインの側面図である。
図2】普通型コンバインの上面図である。
図3】運転部の周辺を示し、第一吸気ケース、第二吸気ケースの一部を断面で示す上面視の部分断面図である。
図4】第一吸気ケース、接続部材、第二吸気ケース等の周辺を示し、第一吸気ケースと接続部材の一部を断面で示す側面視の部分断面図である。
図5】第一吸気ケース、接続部材、第二吸気ケース等の周辺を示し、接続部材、フロアパネル等の一部を断面で示す前面視の部分断面図である。
図6】ラジエータ等の周辺を示し、エンジンボンネット、第二吸気ケース等を断面で示す側面図である。
図7】ラジエータ等の周辺を示し、支持ケース等を断面で示し、第一吸気ケースの開放状態を示す前面視の部分断面図である。
図8】第一吸気ケースの開閉を示す後面視の部分断面図である。
図9】エンジンボンネットの開閉を示す前面視の部分断面図である。
図10】別実施形態における普通型コンバインの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、普通型コンバイン(「作業車」の一例)の走行機体に関し、図2に示される矢印Fの方向を「機体前方」、矢印Bの方向を「機体後方」、矢印Lの方向を「機体左方」、矢印Rの方向を「機体右方」とする。
【0032】
図1図2に示されるように、普通型コンバインの走行機体には、左右一対のクローラ式の走行装置10と、走行装置10で支持される枠状に組まれた機体フレーム11と、が備えられている。機体フレーム11の前端部には、植立穀稈を刈り取る刈取部12が昇降可能に設けられている。刈取部12の後方には、運転部13が設けられている。運転部13の下部には、エンジン14を配置するエンジンルームERが設けられている。運転部13の後方には、刈取穀稈の全稈を脱穀する脱穀装置15と、穀粒を貯留するグレンタンク16と、が左右方向に隣り合う状態で設けられている。刈取部12と脱穀装置15との間には、刈取部12からの刈取穀稈を脱穀装置15に搬送するフィーダ17が設けられている。グレンタンク16には、グレンタンク16内の穀粒を排出可能なアンローダ18が接続されている。
【0033】
〔運転部について〕
図1図5図7等に示されるように、運転部13には、運転者が着座可能な運転座席19、運転座席19に着座した運転者の足が位置するフロアパネル20、運転座席19の前方に離間して立設される操縦塔21、運転座席19の横側方に位置するサイドパネル22、各種操作入力を行う複数の操作レバー23、運転座席19の上方に位置する庇部材24等が備えられている。運転部13の下方には、エンジン14を覆ってエンジンルームERを形成するとともに、運転座席19を下側から支持し、かつ、機体横外方に向けて開放されたエンジンボンネット25が備えられている。フロアパネル20は、機体フレーム11に立設される箱状の支持フレーム26に支持されている。
【0034】
図3図7等に示されるように、エンジンボンネット25には、縦板状の前壁部27、前壁部27の上端部に連設される横板状の天板部28、天板部28の後端部に連接される縦板状の後壁部30が設けられている。エンジンボンネット25の機体横一方側の側部は、外部に向けて開放されている。
【0035】
〔エンジンルームについて〕
図7等に示されるように、エンジンルームERには、運転座席19の下方に設けられているエンジン14、エンジン14の冷却水を冷却するラジエータ31、回転駆動により風を発生させる冷却ファン32、ラジエータ31とは別の冷却装置33、ラジエータ31及び冷却装置33を支持する支持ケース34、ラジエータ31から冷却ファン32へ外気を導くファンシュラウド35等が備えられている。
【0036】
冷却装置33としては、エンジン14に供給される圧縮空気を冷却するためのインタークーラ36及び作動油を冷却するためのオイルクーラ37が備えられている。オイルクーラ37としては、作業機器用オイルクーラ38及びトランスミッション用オイルクーラ39が備えられている。なお、作業機器とは、刈取部12等である。
【0037】
図7に示されるように、ラジエータ31は、エンジンルームERにおいてエンジン14の機体横外側に設けられている。ファンシュラウド35は、冷却ファン32とラジエータ31との間の空間の外周を囲う状態で冷却ファン32とラジエータ31とに亘るように設けられている。オイルクーラ37は、ラジエータ31の機体横外側、かつ、インタークーラ36の下側に設けられている。オイルクーラ37としては、作業機器用オイルクーラ38と、トランスミッション用オイルクーラ39と、が備えられている。図6図7に示されるように、作業機器用オイルクーラ38とトランスミッション用オイルクーラ39とは、前後に位置ずれした状態で、左右に並べて配置されている。
【0038】
図6図7等に示されるように、ラジエータ31は、可撓性を有するアッパホース40と、可撓性を有するロワホース41と、により、エンジン14に接続されている。インタークーラ36は、可撓性を有する往路管42によりエアクリーナ72(図1参照)側の過給機に接続され、可撓性を有する復路管43によりエンジン14に接続されている。作業機器用オイルクーラ38は、第一往路ホース44と、第一復路ホース45と、により、作業機器の油路に接続されている。トランスミッション用オイルクーラ39は、第二往路ホース46と、第二復路ホース47と、により、トランスミッションの油路に接続されている。
【0039】
図1図3図5図7等に示されるように、冷却ファン32は、エンジン14の出力軸に連動連結されて回転駆動によって外気を引き込んでラジエータ31等を冷却するようになっている。冷却ファン32は、ラジエータ31の機体内側に設けられている。冷却ファン32の回転駆動により、ラジエータ31側からエンジン14側に向かう風が発生する。
【0040】
図6に示されるように、冷却ファン32の回転軌跡Pは、側面視で、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39と重複するようになっている。具体的には、冷却ファン32の回転軌跡Pは、側面視で、ラジエータ31の全体と重複するようになっている。また、冷却ファン32の回転軌跡Pは、側面視で、インタークーラ36の下部と重複するようになっている。また、冷却ファン32の回転軌跡Pは、側面視で、作業機器用オイルクーラ38の上部と重複するようになっている。また、冷却ファン32の回転軌跡Pは、側面視で、トランスミッション用オイルクーラ39と重複するようになっている。冷却ファン32の回転軸48は、ラジエータ31の前後中心よりも前方に位置している。
【0041】
図6図7等に示されるように、支持ケース34には、上下に並べて複数の取付フレーム49が設けられている。インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39は、複数の取付フレーム49に亘って、例えばボルト等により連結されている。
【0042】
〔第一吸気ケースについて〕
図1図5図7に示されるように、エンジンルームERの機体横外側には、防塵ケースとしての第一吸気ケース50が備えられている。第一吸気ケース50は、ラジエータ31、インタークーラ36、オイルクーラ37の機体外側に設けられている。第一吸気ケース50は、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態で、ラジエータ31、インタークーラ36、オイルクーラ37の機体外側を塞ぐようになっている。
【0043】
図5図7等から理解されるように、第一吸気ケース50は、エンジンルームERにおける機体外方への開放部51を塞ぐ状態で設けられている。開放部51は、エンジンボンネット25の機体横一方側の側部に形成されている。第一吸気ケース50の機体横外部には、吸気部52が備えられている。
【0044】
図1図5図7等に示されるように、第一吸気ケース50の吸気部52は、第一吸気ケース50の機体横外部の上部から下部に亘って複数設けられている。複数の吸気部52には、上側の4つの主吸気部52Aと、主吸気部52Aの下側に位置する(複数の吸気部52のうち最も下側)に位置する下部吸気部52Bが設けられている。第一吸気ケース50の機体横内部には、エンジンルームERの開放部51に対応する開口部53が備えられている。開口部53には、主開口部53Aと、主開口部53Aの下方に位置し、下部吸気部52Bに対応する下部開口部53Bが設けられている。
【0045】
図5図7に示されるように、第一吸気ケース50の吸気部52のうちの下部吸気部52Bと、開口部53のうちの下部吸気部52Bに対応する下部開口部53Bとの間に、ラジエータ31側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板76が備えられている。
風量調整板76は、冷却ファン32と下部吸気部52Bとの間に位置している。また、風量調整板76は、冷却ファン32と最も下の主吸気部52Aの間に位置している。
【0046】
風量調整板76は、例えば、多数の通気孔が設けられた縦板状のパンチングメタルで構成されている。風量調整板76は、上下方向に亘る複数箇所で第一吸気ケース50に支持されている。風量調整板76の下端部は、アングル状の取付具77を介して、機体フレーム11側の部材に取り付け支持されている。風量調整板76が抵抗となって、下部吸気部52Bからの外気の引き込みが抑えられて、後述の第二吸気ケース57の吸気部58や第三防塵網56の吸気部側からの第一吸気ケース50への外気の引き込みが促進され、全ての吸気部から第一吸気ケース50にまんべんなく外気を引き込むことが可能となる。その結果、第一吸気ケース50に引き込まれる外気の風量を増大させることができる。
【0047】
図1図3図5図7に示されるように、第一吸気ケース50の吸気部52には、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する第一防塵網54が備えられている。第一防塵網54には、各主吸気部52Aに対応する主防塵網54Aと、主防塵網54Aの下方に位置し、下部吸気部52Bに対応する下部防塵網54Bと、が備えられている。主防塵網54Aは、第一吸気ケース50の内側からボルト連結されている。下部防塵網54Bは、第一吸気ケース50の外側からボルト連結されている。冷却ファン32の回転駆動によって第一吸気ケース50を通して外気を引き込んでラジエータ31を冷却するようになっている。第一防塵網54と冷却装置33との間には、冷却装置33の機体横外側を覆う状態で、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止し、第一防塵網54よりも目の細かい第二防塵網55が備えられている。第一吸気ケース50の機体内側部のうち運転座席19の機体横側方に位置する箇所には、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する第三防塵網56が備えられている。冷却ファン32の回転駆動時には、運転座席19の近傍の空気が第三防塵網56を通じて第一吸気ケース50の内部空間Sに引き込まれるようになっている。
【0048】
図3図7等に示されるように、冷却装置33であるインタークーラ36及びオイルクーラ37は、第一吸気ケース50とラジエータ31との間に備えられている。説明を加えると、冷却装置33であるインタークーラ36及びオイルクーラ37は、第一防塵網54とラジエータ31との間に備えられている。
【0049】
〔第二吸気ケースについて〕
図3等に示されるように、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態、かつ、第一吸気ケース50の内部空間Sと連通する状態で設けられた第二吸気ケース57が備えられている。第二吸気ケース57は、第一吸気ケース50よりも機体横内側に位置している。第二吸気ケース57は、第一吸気ケース50に隣り合う位置に設けられている。第二吸気ケース57は、箱状の形状となっている。第二吸気ケース57は、運転座席19の前端部よりも前方に突出している。第二吸気ケース57の後部は閉塞されている。なお、運転座席19は、前後方向にスライド移動させることが可能になっている。運転座席19を図3に示す状態よりも前方にスライド移動させた場合には、第二吸気ケース57は、上面視で、運転座席19の前端部よりも後方において運転座席19と重複するものとなる。
【0050】
図1図4に示されるように、エンジンボンネット25の前側には、運転座席19に着座した運転者の下肢が位置する足元空間Kが備えられている。第二吸気ケース57は、足元空間Kに設けられている。第二吸気ケース57は、足元空間Kにおいて、エンジンボンネット25の前壁部27の前側に隣り合う状態で設けられている。第二吸気ケース57の前面部には、吸気部58が備えられている。
【0051】
図3図6に示されるように、第二吸気ケース57の吸気部58には、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する第四防塵網59が備えられている。第四防塵網59は、第二吸気ケース57の本体部に対してボルト等で着脱可能に取り付けられている。
【0052】
図1図4等から理解されるように、第二吸気ケース57は、エンジンボンネット25の前壁部27と、運転者の下肢との間に位置し、第二吸気ケース57内に外気が流通する空間が確保されているので、エンジン14の熱が運転者の下肢に及ばないように、遮熱や断熱を行う機能も有している。
【0053】
図1図5に示されるように、第二吸気ケース57の機体横外端部は、上面視で三角形状となった接続部材60を介して、第一吸気ケース50の前端部に連結されている。接続部材60により、第二吸気ケース57から引き込まれた外気が、第一吸気ケース50の内部空間Sに供給される。接続部材60は、第一吸気ケース50に固定されている。
【0054】
〔エンジンルームに取り込まれる外気の流れについて〕
冷却ファン32を回転駆動させると、図3に示されるように、第一吸気ケース50の第一防塵網54、第三防塵網56を通過して外気が第一吸気ケース50の内部空間Sが引き込まれる。また、冷却ファン32の回転駆動によって、外気が第二吸気ケース57を通して引き込まれて第一吸気ケース50の内部空間Sに流通する。具体的には、第四防塵網59から第二吸気ケース57の内部に引き込まれた外気は、第二吸気ケース57の機体横外端部と接続部材60の機体横内端部とを連通する第一連通口部61を通じて接続部材60に入り、接続部材60の機体後端部と第一吸気ケース50の機体前端部とを連通する第二連通口部62を通じて第一吸気ケース50の内部空間Sに供給される。
【0055】
図4図7に示されるように、第一吸気ケース50の内部空間Sに引き込まれた外気は、第二防塵網55を通過して、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39、ラジエータ31、ファンシュラウド35を通り、エンジン14側に流れる。
【0056】
図7に示されるように、第二防塵網55からファンシュラウド35の通風口63に至る導風経路は、複数のシール部材64等によりシールされているので、第一吸気ケース50以外の経路を通じてファンシュラウド35の通風口63等に向けて外気が引き込まれることを回避できる。
【0057】
〔第一吸気ケースの開閉と着脱について〕
第一吸気ケース50は、図1図4図5図7に示されるように、第一吸気ケース50の下部に位置する前後一対の前後向きの支点ピン65の前後軸心X周りに揺動して、通常状態A1(図1図5参照)と開放状態A2(本発明の「第一開放状態」に相当する)(図7参照)とに状態切り換え可能となっている。前の支点ピン65は、機体フレーム11に固定される縦板状のステー73に挿通支持されている。後の支点ピン65は、ボルト等で構成される締結具74を介して機体フレーム11に着脱可能に取り付けられるL字状のブラケット75に挿通支持されている。
【0058】
図5等に示されるように、通常状態A1の第一吸気ケース50は、前後一対のトグルラッチで構成される係止具66により縦向きの直立姿勢となって、エンジンルームERの開放部51を塞ぐ状態となる。係止具66には、フック部67とフック部67に掛止可能なラッチ部68と、が備えられている。前側の係止具66のフック部67は、第二吸気ケース57に取り付けられている。前側の係止具66のフック部67は、接続部材60に取り付けられている。後側の係止具66のフック部67は、エンジンボンネット25の後壁部30に取り付けられている。後側の係止具66のラッチ部68は、第一吸気ケース50に取り付けられている。図1に示されるように、グレンタンク16の右側壁は、第一吸気ケース50に極力近づけるように延設されている。第一吸気ケース50の右側壁には、部分的に切り欠かれた切欠部16Aが設けられている。切欠部16Aを通じて、後側の係止具66の操作を行うことが可能となっている。
【0059】
前後一対の係止具66が解除されると、第一吸気ケース50は、支点ピン65の前後軸心X周りに揺動し、図8に示されるように、例えばワイヤ等で構成される索条体79により傾斜姿勢に位置保持される。索条体79の一端は機体フレーム11側の縦フレームの上端に支持され、索条体79の他端は第一吸気ケース50に支持されている。これにより、第一吸気ケース50が、エンジンルームERの開放部51を開放する開放状態A2(図7参照)となる。なお、索条体79は、チェーン等で構成されていてもよい。
【0060】
図5等に示される接続部材60とは、第一吸気ケース50と一体的に揺動するようになっている。また、第一吸気ケース50を開放する際に、第二吸気ケース57は、第一吸気ケース50とは一体的に揺動せずに、エンジンボンネット25側に残るようになっている。
【0061】
図7に示されるように、第一吸気ケース50を開放状態A2にすることにより、第二防塵網55が露出する。第二防塵網55を上方に移動させると、第二防塵網55の係止部69が支持ケース34から外れ、第二防塵網55を取り外すことができる。第二防塵網55を取り外すことにより、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39が外部に露出される。
【0062】
図4に示される締結具74を取り外すことで、ブラケット75と後の支点ピン65とを、機体フレーム11及び第一吸気ケース50から取り外すことができる。これにより、第一吸気ケース50及び接続部材60を後方に移動させることで、ステー73から前の支点ピン65を外すことができ、これにより、第一吸気ケース50と接続部材60とを一体的に、機体フレーム11側から取り外すことができる。また、逆の手順を行うことにより、第一吸気ケース50と接続部材60とを一体的に、機体フレーム11側に取り付けることができる
【0063】
〔エンジンボンネットの開放について〕
図9に示されるように、エンジンボンネット25は、前後軸心X周りに揺動して、通常の使用状態B1(本発明の「通常状態」に相当する)と、エンジンルームERを開放するメンテナンス状態B2(本発明の「第二開放状態」に相当する)とに状態切り換え可能となっている。エンジンボンネット25の天板部28と、サイドパネル22とは、トグルラッチで構成される連結具78を介して連結されている。連結具78を解除操作することにより、エンジンボンネット25を、使用状態B1からメンテナンス状態B2に切り換えることができる。運転座席19、第一吸気ケース50、第二吸気ケース57、接続部材60は、エンジンボンネット25と一体揺動するようになっている。
【0064】
〔支持ケースの着脱について〕
図6図7等に示される支持ケース34は、例えばボルト等で構成される第一固定具70、第一固定具70の後方に位置し、例えばボルト等で構成される第二固定具71で着脱可能となっている。支持ケース34を取り外すには、第一固定具70を外し、支持ケース34を機体前方向に移動させて、第二固定具71から取り外すことができる。
【0065】
図7に示されるように、支持ケース34は、ラジエータ31及び冷却装置33の外周を囲う状態で第一吸気ケース50の開口部53とファンシュラウド35とに亘るように設けられている。支持ケース34は、枠状に構成され、機体フレーム11に着脱可能に支持されている。支持ケース34を機体フレーム11側から取り外すと、支持ケース34とともに、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39を、アッシとして一体的に取り外すことができる。これにより、掃除などのメンテナンスが行い易くなる。
【0066】
このように、ラジエータ31、冷却装置33等をコンパクトに配置しつつ、第一吸気ケース50、第二吸気ケース57を用いて、冷却ファン32を回転駆動させる速度を増加させることなく、ラジエータ31、冷却装置33等を十分な風量の外気で効率良く冷却でき、掃除等のメンテナンスの手間が少ないものとなる。
【0067】
[別実施形態]
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。上記実施形態及び各別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数選択して組み合わせることができる。なお、本発明の範囲は、各実施形態の内容に限定されない。
【0068】
(1)上記実施形態では、風量調整板76が備えられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、上記のような風量調整板76が備えられていなくてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、第一吸気ケース50の吸気部52は、第一吸気ケース50の機体横外部の上部から下部に亘って設けられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、図10に示されるように、第一吸気ケース50の吸気部52が、第一吸気ケース50の機体横外部の上部から上下中央部に亘って設けられており、第一吸気ケース50の機体横側部の下端部付近が閉塞されていてもよい。言い換えれば、第一吸気ケース50に下部吸気部52Bが設けられていなくてもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、グレンタンク16の右側壁が、第一吸気ケース50に極力近づけるように延設されているものが例示されているが、これに限られない。例えば、図10に示されるように、グレンタンク16の右側壁と第一吸気ケース50との間に前後方向の所定の間隙が設けられていてもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、第一吸気ケース50が、ラジエータ31の機体横外側に設けられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、第一吸気ケース50が、ラジエータ31の機体前外側、機体後外側、または、機体上外側に設けられていてもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、第二吸気ケース57が、第一吸気ケース50よりも機体横内側に位置しているものが例示されているが、これに限られない。例えば、第二吸気ケース57が、第一吸気ケース50より機体横外側に多少はみ出していてもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、第二吸気ケース57が、第一吸気ケース50に隣り合う位置に設けられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、第二吸気ケース57が、第一吸気ケース50から離れた箇所に設けられ、第二吸気ケース57と第一吸気ケース50とが他の接続部材60で接続されているような構造であってもよい。つまり、第二吸気ケース57が、運転部13の足元空間K以外の箇所に設けられていてもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、エンジン14が、運転座席19の下方に設けられているものが例示されているが、これに限られない。エンジン14が、運転座席19から離れた箇所に設けられていてもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、第一防塵網54と冷却装置33との間に、第一防塵網54よりも目の細かい第二防塵網55が備えられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、第二防塵網55は、第一防塵網54と目の細かさが同じであってもよい。また、第二防塵網55が備えられていなくてもよい。
【0076】
(9)上記実施形態では、第三防塵網56が備えられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、第三防塵網56が備えられておらず、第三防塵網56に対応する箇所が閉塞されていてもよい。
【0077】
(10)上記実施形態では、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39を、一体のアッシとして着脱可能なように、支持ケース34に支持させているものが例示されているが、これに限られない。
例えば、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39の夫々を、別々の支持部材に支持させるようにしてもよい。
また、例えば、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39のうち任意の1つの機器を支持ケース34に支持させ、残りの3つの機器を他の支持部材に支持させるようにしてもよい。この場合、残りの3つの機器を、夫々、別々の支持部材に支持させるようにしてもよい。
また、例えば、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39のうち任意の2つの機器を支持ケース34に支持させ、残りの2つの機器を他の支持部材に支持させるようにしてもよい。この場合、残りの2つの機器を、それぞれ、別々の支持部材に支持させるようにしてもよい。
また、例えば、ラジエータ31、インタークーラ36、作業機器用オイルクーラ38、トランスミッション用オイルクーラ39のうちの任意の3つの機器を支持ケース34に支持させ、残りの1つの機器を他の支持部材に支持させるようにしてもよい。
【0078】
(11)上記実施形態では、トランスミッション用オイルクーラ39が備えられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、トランスミッション用オイルクーラ39が備えられていなくてもよい。
【0079】
(12)上記実施形態では、走行装置10がクローラ式であるものが例示されているが、これに限られない。例えば、ホイール式の走行装置10であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、上記普通型コンバインの他、自脱型コンバイン、とうもろこし収穫機、トラクタ、草刈機、建設機械等の様々な作業車に利用できる。
【符号の説明】
【0081】
14 :エンジン
19 :運転座席
25 :エンジンボンネット
27 :前壁部
31 :ラジエータ
32 :冷却ファン
33 :冷却装置
34 :支持ケース
35 :ファンシュラウド
36 :インタークーラ
37 :オイルクーラ
38 :作業機器用オイルクーラ
50 :第一吸気ケース
51 :開放部
52 :第一吸気ケースの吸気部
52B:下部吸気部
53 :開口部
53B:下部開口部
54 :第一防塵網
55 :第二防塵網
57 :第二吸気ケース
58 :第二吸気ケースの吸気部
76 :風量調整板
ER :エンジンルーム
K :足元空間
S :内部空間
A1 :通常状態
A2 :開放状態(第一開放状態)
B1 :使用状態(通常状態)
B2 :メンテナンス状態(第二開放状態)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10