【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、
エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータの機体外側に設けられ、通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態で、前記ラジエータの機体外側を塞ぐ第一吸気ケースと、
前記ラジエータの機体内側に設けられ、回転駆動によって前記第一吸気ケースを通して外気を引き込んで前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、が備えられ、
通気を許容し且つ塵埃の通過を阻止する状態、かつ、前記第一吸気ケースの内部空間と連通する状態で設けられた第二吸気ケースが備えられ、
前記エンジンは、運転座席の下方に設けられ、
前記エンジンを覆ってエンジンルームを形成するとともに、前記運転座席を下側から支持し、かつ、機体横外方に向けて開放されたエンジンボンネットが備えられ、
前記エンジンボンネットの前側に、前記運転座席に着座した運転者の下肢が位置する足元空間が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結され、
前記冷却ファンの回転駆動によって、外気が前記第二吸気ケースを通して引き込まれて前記内部空間に流通し、
前記第一吸気ケースは、前記ラジエータの機体外側を覆う通常状態と、前記ラジエータの機体外側を開放する第一開放状態とに、前記第二吸気ケースと切り離して状態変更可能に構成され
、
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられ、
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられ、
前記第二吸気ケースは、前記第一吸気ケースのうち前記風量調整板よりも前記ラジエータ側の空間と連通するように構成されているものである。
【0007】
本発明によると、冷却ファンを回転駆動させると、第一吸気ケース自体から外気が引き込まれるとともに、第二吸気ケースから引き込まれた外気が第一吸気ケースの内部空間に流通し、第一吸気ケースの内部空間からラジエータ等に供給される外気の風量を増加させることが可能となり、ラジエータ等の冷却効率を向上させることができる。また、冷却ファンの回転速度を増加させるわけではないので、ラジエータ等に供給される外気の風速は増加せず、例えば第一吸気ケース等の外側に藁屑等の塵埃が張り付き易くなることもなく、これによる冷却効率の低下や、掃除等のメンテナンスの手間の増加等の不都合が生じることを回避できる。
このように、本発明であれば、ラジエータ等に供給される外気の風速を増加させずに風量を増加させることができる。
【0008】
本発明において、
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と、前記エンジンルームを開放する第二開放状態とに、前記第一吸気ケース及び前記エンジンボンネットと一体的に状態変更可能に構成され、
前記第一吸気ケースは、前記通常状態と前記第一開放状態との間での状態変更と、前記通常状態と前記第二開放状態との間での状態変更と、の両方が可能であると好適である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
本発明において、
前記ラジエータは、前記エンジンルームにおいて前記エンジンの機体横外側に設けられ、
前記第一吸気ケースは、前記エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられ、かつ、前記第一吸気ケースの機体横外部に吸気部が備えられる共に、前記第一吸気ケースの機体横内部に前記開放部に対応する開口部が備えられていると好適である。
【0013】
本構成によれば、エンジンを覆うエンジンボンネットを運転座席の支持部材として兼用し、エンジンボンネットで形成されるエンジンルームにおいて、ラジエータをエンジンの機体横外側に設け、エンジンルームにおける機体外方への開放部を塞ぐ状態で設けられた第一吸気ケースの吸気部から、開口部、エンジンルームの開放部に向かうように機体横外側から機体横内側に向けて外気を流入させるという基本構造となっている。
このような基本構造において、運転者の足元空間に第一吸気ケースに連通する第二吸気ケースが設けられている。この第二吸気ケースにより、走行機体の機体内側部位における藁屑等の塵埃の混入が比較的少ない空気が引き込まれるので、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入し難くなると共に、例えば防塵網の目詰まり等の不都合が生じにくくなる。また、第二吸気ケースを断熱部材として機能させることが可能となり、専用の断熱部材を不要としながら、エンジン等の熱が運転座席に着座する運転者の下肢に及び難くなる。
【0014】
本発明において、
前記第二吸気ケースは、前記足元空間において、前記エンジンボンネットの前壁部の前側に隣り合う状態で設けられ、
前記第二吸気ケースの前面部に吸気部が備えられ、かつ、前記第二吸気ケースの機体横外端部が、前記第一吸気ケースの前端部に連結されていると好適である。
【0015】
本構成によれば、運転座席に着座した運転者の下肢の後側に第二吸気ケースが位置するので、エンジン等の熱が運転者の下肢の後側に及ぶことを抑制できる。第一吸気ケースと第二吸気ケースとを全体として、上面視で略L字状となるようにコンパクトに配置できる。そして、第二吸気ケースの前面部の吸気部から外気を引き込んで、第一吸気ケースの前端部へ供給するので、第二吸気ケースから第一吸気ケースに至る外気の流れがスムーズになる。
【0016】
本発明において、
前記第一吸気ケースの吸気部に第一防塵網が備えられ、
前記第一防塵網と前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記第一防塵網と前記冷却装置との間に、前記冷却装置の機体横外側を覆う状態で、前記第一防塵網よりも目の細かい第二防塵網が備えられていると好適である。
【0017】
本構成によれば、第一吸気ケースの第一防塵網により外気に含まれる大きな塵埃が除かれてから、さらに、第一防塵網よりも目の細かい第二防塵網で外気に含まれる小さな塵埃が取り除かれるので、エンジンルームに藁等の塵埃が侵入し難くなる。
【0018】
本発明において、
前記第一吸気ケースと前記ラジエータとの間に、前記ラジエータとは別の冷却装置が備えられ、
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられていると好適である。
【0019】
本構成によれば、支持ケースによりラジエータと冷却装置を支持しながら、その支持ケースにより、第一吸気ケースの開口部とファンシュラウドとの間に形成される空間をシール可能となるので、第一吸気ケースの内部空間以外の箇所を通じてエンジンルームに外気が流入しにくいものとなり、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入することを阻止できる。
【0020】
本発明において、
前記冷却ファンと前記ラジエータとの間の空間の外周を囲う状態で前記冷却ファンと前記ラジエータとに亘るように設けられ、前記ラジエータから前記冷却ファンへ外気を導くファンシュラウドと、
前記ラジエータ及び前記冷却装置の外周を囲う状態で前記開口部と前記ファンシュラウドとに亘るように設けられ、前記ラジエータ及び前記冷却装置を支持する支持ケースと、が備えられていると好適である。
【0021】
本構成によれば、支持ケースによりラジエータと冷却装置を支持しながら、その支持ケースにより、第一吸気ケースの開口部とファンシュラウドとの間に形成される空間をシール可能となるので、第二防塵網を通過した外気のみがエンジンルームに供給され、第一吸気ケースの内部空間以外の箇所を通じてエンジンルームに外気が流入しにくいものとなり、エンジンルームに藁屑等の塵埃が侵入することを阻止できる。
【0022】
本発明において、
前記冷却装置として、インタークーラ及びオイルクーラが備えられ、
前記オイルクーラは、前記ラジエータの機体横外側、かつ、前記インタークーラの下側に設けられていると好適である。
【0023】
本構成によれば、ラジエータの機体横外側、かつ、インタークーラの下側のスペースを活用して、オイルクーラを好適に配置できる。これにより、冷却ファンの回転駆動によって、ラジエータ、インタークーラ、オイルクーラの冷却を好適に行うことができる。
【0024】
本発明において、
前記オイルクーラとして、作業機器用オイルクーラ及びトランスミッション用オイルクーラが備えられ、
前記作業機器用オイルクーラとトランスミッション用オイルクーラとは、前後に位置ずれした状態で、左右に並べて配置されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、作業器機用オイルクーラとトランスミッション用オイルクーラとを、前後方向にコンパクトに配置できる。
【0026】
本発明において、
前記第一吸気ケースの前記吸気部は、前記第一吸気ケースの機体横外部の上部から下部に亘って設けられていると好適である。
【0027】
本構成によれば、第一吸気ケースの吸気部の開口面積が広く確保され、第一吸気ケースの吸気部を通じてラジエータ側へ十分な量の外気を引き込むことができる。
【0028】
本発明において、
前記第一吸気ケースの前記吸気部のうちの下部吸気部と、前記開口部のうちの前記下部吸気部に対応する下部開口部との間に、前記ラジエータ側に引き込まれる外気の風量を調整する風量調整板が備えられていると好適である。
【0029】
本構成によれば、風量調整板が抵抗となって下部吸気部からの外気の引き込みが抑えられて、他の吸気部からの第一吸気ケースへの外気の引き込みが促進され、全ての吸気部から第一吸気ケースにまんべんなく外気を引き込むことが可能となる。その結果、第一吸気ケースに引き込まれる外気の風量を増大させることができる。