(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部材と前記駆動伝達部材の間に挟まれ、前記駆動伝達部材に対して相対的に回転可能な第1の介在部材を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
前記弾性部材が前記第2の介在部材に接触する面積よりも、前記第2の介在部材が前記上流側伝達部材に接触する面積のほうが大きい請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
前記弾性部材が前記第2の介在部材に接触する面積よりも、前記第2の介在部材が前記下流側伝達部材に接触する面積のほうが大きい請求項14に記載のプロセスカートリッジ。
前記現像ローラが前記離間位置から前記現像位置に移動することに応じて、前記維持部材を前記遮断位置から前記維持位置に移動させる力を生じさせるカム部を有する請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施例1〕
[電子写真画像形成装置の一般的な説明]
以下、本発明の第1の実施例について図を用いて説明する。
【0017】
なお、以下の実施形態では画像形成装置として、4個のプロセスカートリッジが着脱可能なフルカラー画像形成装置を例示している。
【0018】
なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。
【0019】
例えば、モノクロの画像を形成する画像形成装置の場合には、前記画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの個数は1個である。また、以下説明する実施形態では、画像形成装置の一例としてプリンタを例示している。
【0020】
[画像形成装置の概略構成]
図2は本実施例の画像形成装置の断面概略図である。また、
図3(a)、
図3(b)は本実施例の画像形成装置の斜視図である。また、
図4は本実施例のプロセスカートリッジPの断面図である。また、
図5は本実施例のプロセスカートリッジPを駆動側からみた斜視図であり、
図6は本実施例のプロセスカートリッジPを非駆動側からみた斜視図である。
【0021】
図2に示すように、この画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置1はプロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
【0022】
ここで、画像形成装置1に関して、前ドア3を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置1を正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。
図2は画像形成装置1を非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置1の非駆動側、紙面右側が画像形成装置1の正面、紙面奥側が画像形成装置1の駆動側となる。
【0023】
画像形成装置本体2には4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が水平方向に配置されている。4つのカートリッジとは、それぞれ、第1のプロセスカートリッジPY(イエロー)、第2のプロセスカートリッジPM(マゼンタ)、第3のプロセスカートリッジPC(シアン)、第4のプロセスカートリッジPK(ブラック)である。
【0024】
第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、それぞれ同様の電子写真画像形成プロセス機構を有しており、保有している現像剤(トナー)の色が各々異なる。第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2の駆動出力部から回転駆動力が伝達される。詳細は後述する。
【0025】
また、第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される(不図示)。
【0026】
図4に示すように、本実施例の第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、感光体ドラムユニット(感光体ユニット、像担持体ユニット)8を有する。感光体ユニット8は、感光体ドラム4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段及びクリーニング手段を備える。
【0027】
また、第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、ドラム4上の静電潜像を現像する現像手段を備えた現像ユニット9を有する。
【0028】
第1のプロセスカートリッジPYは、現像枠体29内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にイエロー色の現像剤像を形成する。
【0029】
第2のプロセスカートリッジPMは、現像枠体29内にマゼンタ(M)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にマゼンタ色の現像剤像を形成する。
【0030】
第3のプロセスカートリッジPCは、現像枠体29内にシアン(C)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にシアン色の現像剤像を形成する。
【0031】
第4のプロセスカートリッジPKは、現像枠体29内にブラック(K)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にブラック色の現像剤像を形成する。
【0032】
第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このレーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの露光窓部10を通過してドラム4の表面を走査露光する。
【0033】
第1〜第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11を設けている。この中間転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13・テンションローラ14、15を有し、可撓性を有する転写ベルト12を掛け渡している。
【0034】
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4は、その下面が転写ベルト12の上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12の内側には、ドラム4に対向させて1次転写ローラ16を設けている。
【0035】
また、2次転写ローラ17が、テンションローラ14と対向する位置に、転写ベルト12を介して配置されている。転写ベルト12と2次転写ローラ17の接触部が2次転写部である。
【0036】
中間転写ベルトユニット11の下方には、給送ユニット18を設けている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20を有する。
【0037】
図2における装置本体2内の左上方には、定着ユニット21と、排出ユニット22を設けている。装置本体2の上面は排出トレイ23としている。
【0038】
現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着ユニット21に設けられた定着手段により定着された後に、排出トレイ23へ排出される。
【0039】
カートリッジPは、引き出し可能なカートリッジトレイ60を介して、装置本体2に対して着脱可能な構成となっている。
図3(a)は、装置本体2からカートリッジトレイ60、および、カートリッジPを引き出した状態を示している。
図3(b)はカートリッジトレイ6を装置本体2から取り外した状態を示している。
【0040】
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
【0041】
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4が所定の速度で回転駆動される(
図4矢印D方向、
図2において反時計回り)。
【0042】
転写ベルト12もドラムの回転に順方向(
図2矢印C方向)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。
【0043】
レーザスキャナユニットLBも駆動される。スキャナユニットLBの駆動に同期して、帯電ローラ5によってドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。レーザスキャナユニットLBは各ドラム4の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。
【0044】
これにより、各ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、所定の速度で回転駆動(
図4矢印E方向、
図2において時計回り)される現像ローラ6により現像される。
【0045】
このような電子写真画像形成プロセスにより、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が転写ベルト12上に一次転写される。
【0046】
同様に第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
【0047】
同様に第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
【0048】
同様に第4のカートリッジPKのドラム4にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色の現像剤像に重畳されて1次転写される。
【0049】
このようにして、転写ベルト12上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。
【0050】
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで2次転写ローラ17と転写ベルト12との接触部である2次転写部に導入される。
【0051】
これにより、記録媒体Sが前記2次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト12上の4色重畳の現像剤像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
【0052】
[プロセスカートリッジの全体構成]
本実施例において、第1から第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、同様の電子写真画像形成プロセス機構を有し、収容されている現像剤の色や現像剤の充填量が各々異なるものである。
【0053】
カートリッジPは、感光体としてのドラム4と、ドラム4に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は帯電ローラ5、現像ローラ6、クリーニングブレード7等がある。帯電ローラはドラム4を帯電させる帯電手段(帯電部材、帯電装置)である。現像ローラ6はドラム4上に形成された潜像を現像する現像手段(現像部材、現像剤担持体)である。クリーニングブレード7は、ドラム4の表面に残留する残留現像剤を除去するためのクリーニング手段である。そして、カートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット9とに分かれている。
【0054】
[ドラムユニットの構成]
図4、
図5、
図6に示すように、ドラムユニット8は、感光体としてのドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード7、感光体枠体としてのクリーニング容器26、廃現像剤収納部27を有する。またドラムユニット8は、カートリッジカバー部材(
図5、
図6における駆動側カートリッジカバー部材24と非駆動側カートリッジカバー部材25)を有する。尚、広義の感光体枠体には、狭義の感光体枠体であるクリーニング容器26の他、廃現像剤収納部27、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25も含まれる(以下の実施例においても同様である)。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、感光体枠体は装置本体2に固定される。
【0055】
ドラム4は、カートリッジPの長手両端に設けられたカートリッジカバー部材24、25により回転自在に支持されている。ここで、ドラム4の軸線方向を長手方向と定義する。
【0056】
カートリッジカバー部材24、25は、クリーニング容器26の長手方向の両端側で、クリーニング容器26に固定されている。
【0057】
また、
図5に示すように、ドラム4の長手方向の一端側には、ドラム4に駆動力を伝達するためのカップリング部材4aが設けられている。
図3(b)は、装置本体2の斜視図であり、カートリッジトレイ60、および、カートリッジPを不図示としている。カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のそれぞれのカップリング部材4aは、
図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としてのドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合する。これにより、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力が各カートリッジのドラム4に伝達される。
【0058】
帯電ローラ5は、ドラム4に対し接触して従動回転できるように、クリーニング容器26に支持されている。
【0059】
また、クリーニングブレード7は、ドラム4の周表面に所定の圧力で接触するように、クリーニング容器26に支持されている。
【0060】
クリーニング手段7によりドラム4の周面から除去された転写残現像剤は、クリーニング容器26内の廃現像剤収納部27に収納される。
【0061】
また、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25には、現像ユニット9を回動可能に支持するための支持部24a、25aが設けられている(
図6参照)。
【0062】
[現像ユニットの構成]
現像ユニット9は、
図1、に示すように、現像ローラ6、現像ブレード31、現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材32などで構成されている。ここで、広義の現像枠体には、現像枠体29の他、軸受部材45および現像カバー部材32等が含まれる(以下の実施例においても同様である)。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、現像枠体29は装置本体2に対し移動可能である。
【0063】
また、広義のカートリッジ枠体には、前述した広義の感光体枠体および広義の現像枠体が含まれる(以下の実施例に関しても同様である)。
【0064】
現像枠体29は、現像ローラ6に供給する現像剤を収納する現像剤収納部49、及び、現像ローラ6周面の現像剤の層厚を規制する現像ブレード31を有する。
【0065】
また、
図1に示すように、軸受部材45は、現像枠体29の長手方向一端側に固定されている。この軸受部材45は、現像ローラ6を回転可能に支持している。現像ローラ6は、その長手端部に現像ローラギア69を有する。詳細は後述する。また、現像ユニット9の駆動側端部に設けられた上流側駆動伝達部材(上流側伝達部材)37は、
図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材(本体側伝達部材)としての現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合する。これにより上流側駆動伝達部材37には、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される構成となっている。
【0066】
そして現像カバー部材32が、カートリッジPの長手方向において、軸受部材45の外側に固定されている。この現像カバー部材32は、現像ローラギア69などを覆うように構成されている。
【0067】
[ドラムユニットと現像ユニットの組立]
図5、
図6に、現像ユニット9とドラムユニット8とを組み付ける様子を示す。カートリッジPの長手一端側では、駆動側カートリッジカバー部材24の支持部24aに現像カバー部材32の円筒部32bの外径部32aを回動可能に嵌合させる。また、カートリッジPの長手他端側では、非駆動側カートリッジカバー部材25の支持穴部25aに、現像枠体29から突出して設けられた突出部29bを回動可能に嵌合させる。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動可能に支持される。ここで、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動中心(回動軸線)を、回動中心(回動軸線)Xと称す。この回動中心Xは、支持穴部24aの中心と支持穴部25aの中心とを結んだ軸線である。
【0068】
[現像ローラとドラムの接触]
図4、
図5、
図6に示すように、現像ユニット9は、弾性部材(付勢部材)である加圧バネ95により付勢され、回動中心Xを中心にして回転する。この回転によって現像ローラ6がドラム4に近接し、接触するように構成されている。即ち、加圧バネ95の付勢力によって、現像ユニット9は
図4中の矢印G方向に押圧され、回動中心Xを中心に、矢印H方向のモーメントが作用する構成となっている。
【0069】
これにより、現像ローラ6がドラム4に近接し、ドラム4に所定圧で接触できる。また、このときのドラムユニット8に対する現像ユニット9の位置を近接位置(接触位置、現像位置)とする。またこの際のドラム4に対する現像ローラ6の位置を近接位置(接触位置、現像位置)と呼ぶ場合がある。現像ローラ6が近接位置にあることで、ドラム4にトナー(現像剤)を供給して、ドラム4に形成された潜像(静電潜像)を現像することができる。
【0070】
また、加圧バネ95の付勢力(弾性力)に抗して、現像ユニット9を矢印G方向と逆方向に移動させると、現像ローラ6がドラム4から離間できる。即ち、現像ローラ6はドラム4に対し近接および離間可能に構成されている。
【0071】
[現像ローラとドラムの離間]
図7はカートリッジPを駆動側から見た側面図である。この図においては、説明のために、一部の部品を不図示としている。カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8は装置本体2に位置決めされている。
【0072】
本実施例では、力受け部45aが軸受部材45に設けられている。尚、力受け部45aは、軸受部材45に限らず、カートリッジPのいずれかの箇所(例えば、現像枠体等)に設けられていれば良い。付勢力受け部(離間力受け部)としての力受け部45aは、装置本体2に設けられた本体側付勢部材(離間力付与部材)としての本体離間部材80と係合可能な構成となっている。
【0073】
この本体側付勢部材としての本体離間部材80は、不図示のモータからの駆動力を受け、レール81に沿って矢印F1、F2方向に移動可能な構成となっている。
【0074】
図7(a)は、ドラム4と現像ローラ6とが互いに接触した状態を示している。このとき、力受け部45aと本体離間部材80とは隙間dを有して離間している。
【0075】
図7(b)は、
図7(a)の状態を基準として、本体離間部材80が矢印F1方向へ距離δ1だけ移動した状態を示している。このとき、力受け部45aは本体離間部材80と係合している。この結果、力受け部45aは本体離間部材80から力を受けている。
【0076】
そして前述の通り、現像ユニット9はドラムユニット8に対して回動可能な構成となっている。そのため力受け部45aが受けた力によって、
図7(b)においては、現像ユニット9は、回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε1だけ離間した状態となっている。
【0077】
図7(c)は、
図7(a)の状態を基準として、本体離間部材80が矢印F1方向にδ2(>δ1)だけ移動した状態を示している。現像ユニット9は、回動中心Xを中心として、矢印K方向に角度θ2だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε2だけ離間した状態となっている。
【0078】
尚、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、力受け部45aとドラム4の回転中心との距離は13mm〜33mmの範囲にある。
【0079】
また、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、力受け部45aと回動中心Xとの距離は、27mm〜32mmの範囲にある。
【0080】
[駆動連結部の構成]
図1、
図8を用いて駆動連結部の構成について説明する。ここで駆動連結部とは、
図3で示す装置本体2の現像駆動出力部材62から駆動を入力され、現像ローラ6へ駆動を伝達、および、遮断する機構である。
【0082】
図8は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材24、および、現像カバー部材32を取り外した状態を示している。駆動側カートリッジカバー部材24には開口24dおよび24eが設けられている。そして、開口24dからは、感光体ドラム4の端部に設けられたカップリング部材4aが露出し、24eからは上流側駆動伝達部材37が露出する構成となっている。前述の通り、カップリング部材4aは、
図3(b)に示す装置本体2のドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合し、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力を受ける構成となっている。また、上流側駆動伝達部材37は、
図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合し、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される構成となっている。
【0083】
また、現像ユニット9の端部には、第一駆動伝達部材としての上流側駆動伝達部材(上流側伝達部材)37、第二駆動伝達部材としての下流側駆動伝達部材(下流側伝達部材)38が回転可能に設けられている。また、詳細は後述するが、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38は互いの爪部で係合したときに、上流側駆動伝達部材37から下流側駆動伝達部材38へ駆動を伝達することができる構成になっている。さらに、第二駆動伝達部材としての下流側駆動伝達部材38に設けられたギア部38gは、現像ローラギア69とも係合している。これにより、下流側駆動伝達部材38に伝達された駆動は、現像ローラギア69を介して、現像ローラ6へ伝達される構成となっている。
【0084】
図9を用いて、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38の構成を説明する。上流側駆動伝達部材37は係合部(カップリング部)としての爪部37aを有し、下流側駆動伝達部材38は係合部(カップリング部)としての爪部38aを有する。爪部37aと爪部38aは互いに係合可能に構成されている。すなわち、上流側駆動伝達部材37は、下流側駆動伝達部材38と連結可能に構成されている。本実施例においては、爪部37aと爪部38aはそれぞれ6個の爪を有する。なお、本実施例においては、爪部37a、および、爪部38aはそれぞれ6個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、
図10には、上流側駆動伝達部材1037の爪部1037a、および、爪部1038aの数がそれぞれ9個の場合を示している。爪の数が多い程、1つの爪に作用する負荷は小さくなり、爪の変形や摩耗を低減することができる。一方で、カップリングの外径を一定とした場合、爪の数を多くすると、爪の形状が小さくなる場合があり、爪の剛性が低下する等の懸念がある。爪の数は、1つの爪に作用する負荷や必要な剛性を鑑みて適宜決定することが望ましい。
【0085】
また、上流側駆動伝達部材37に設ける係合部(突起部)として爪37aを採用し、下流側駆動伝達部材38に設ける係合部(突起部)として爪38aをそれぞれ採用したが、各係合部の形状は爪形状に限られるわけではない。各係合部同士が係合(干渉)した際に駆動が伝達できればよい。
【0086】
また、
図9に示すように、下流側駆動伝達部材38の中央には穴部38mが設けられている。この穴部38mは、上流側駆動伝達部材37の小径の円筒部(円形の柱部、軸部)37mと係合する。言い換えると、円筒部37mは穴部38mを貫通している。これによって、上流側駆動伝達部材37は、下流側駆動伝達部材38に対して回転可能かつそれぞれの軸線に沿ってスライド可能に支持されている。
【0087】
図11には、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38との位置決め構成がそれぞれ異なるものを示している。
図11(a)は、
図9で示したような下流側駆動伝達部材38の穴部38mと上流側駆動伝達部材37の小径の円筒部37mとが直接係合することで両者の位置決めを行っている本実施例の構成である。
【0088】
一方、本実施例とは異なる構成をとることも可能である。
図11(c)は、各駆動伝達部材とは別部材であるシャフト(柱部、軸部)44を介して、上流側駆動伝達部材1237と下流側駆動伝達部材1238が位置決めされる構成である。具体的には、上流側駆動伝達部材1237の穴部1238mとシャフト44の外周部44d、および、上流側駆動伝達部材1037の穴部1037sとシャフト44の外周部44dがそれぞれ回転可能かつそれぞれの軸線に沿ってスライド可能に支持されている。これにより、上流側駆動伝達部材1037に対する下流側駆動伝達部材1038の位置決めが行われている。
【0089】
図11(a)の構成および、
図11(c)に示す構成のいずれも採用可能である。その一方で、
図11(a)に示す構成のほうが、
図11(c)の構成と比較して、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38とを位置決めするための部品点数を減らすことができる利点がある。その結果、各駆動伝達部材の回転精度を保ちやすい。
【0090】
図11(b)は、
図11(a)に示す上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38とが駆動解除状態から駆動伝達状態へ遷移できなかった状態を、説明するために示している。駆動伝達・解除動作については詳細は後述する。下流側駆動伝達部材38の穴部38mと上流側駆動伝達部材37の小径の円筒部37mとの間には嵌合ガタ(遊び)が生じる。図においては、説明のために嵌合ガタ(遊び)を意図的に大きく示している。前述の嵌合ガタが仮に大きいと、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38とが係合する際には、前述の嵌合ガタにより二部品が相対的に芯ズレした状態で係合できない可能性が生じる(
図11(b))。したがって、このような勘合ガタを許容できる範囲に収める必要がある。
図11(a)の構成では、下流側駆動伝達部材38と上流側駆動伝達部材37が直接係合するので、下流側駆動伝達部材38と上流側駆動伝達部材37の間に生じる勘合ガタを小さくするのが容易との利点がある。
【0091】
一方、
図11(d)は、
図11(c)に示す第一駆動伝達部材としての上流側駆動伝達部材1037と第二駆動伝達部材としての下流側駆動伝達部材1038とが駆動解除状態から駆動伝達状態へ遷移できなかった状態を示している。部品点数、および、その寸法誤差の影響により、図に示すように、上流側駆動伝達部材1037と下流側駆動伝達部材1038とは相対的に芯ズレした状態となる。このときの相対的な芯ズレ量は
図11(d)に示す構成のほうが、
図11(b)に示す構成よりも大きくなる可能性がある。このように、駆動解除状態から駆動伝達状態へ遷移する際に、上流側駆動伝達部材1037と下流側駆動伝達部材1038とが相対的に芯ズレした状態でそれぞれのカップリングの爪部1037aと爪部1038aとを係合させると、以下の可能性が生じ得る。つまり
図11(d)に示したように、カップリングの爪部1037aと爪部1038aとがそれぞれの先端部のみが接触した状態となりやすく、駆動伝達に影響が生じる可能性がある。
【0092】
上記の観点からは、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38とは互いに直接位置決めする構成(
図9、および、
図11(a)に示す構成)が望ましい。また、
図11(a)に示す構成では部品点数削減、および、組立工数削減等の効果を得ることもできる。
【0093】
しかしながら、
図11(c)の構成が採用できないわけではなく各部材の寸法をよりも厳密に管理すれば勘合ガタを許容できる範囲に抑え、安定して駆動伝達を行うことも可能である。
【0094】
軸受部材45と、駆動側カートリッジカバー部材24と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材24に向かって、以下のものが設けられている。すなわち
図1に開示されたように解除カム72、第二カップリング部材としての下流側駆動伝達部材38、付勢部材としての弾性部材であるバネ70、第一カップリング部材としての上流側駆動伝達部材37、現像カバー部材32である。これらの部材は、上流側駆動伝達部材37と同一直線上に設けられている。つまり、上流側駆動伝達部材やバネ70、下流側駆動伝達部材38は、同じ回転軸線に沿って同軸状に配置され、同じ軸線を中心に回転可能である。
【0095】
本実施の形態においては、駆動連結部は、軸受部材45、解除カム72、下流側駆動伝達部材38、バネ70、上流側駆動伝達部材37、現像カバー部材32、駆動側カートリッジカバー部材24で構成されている。解除カム(カム部材)72は、解除機構の一部でありカップリング解除部材でもあって、作用部材でもある。
【0096】
図12に、解除カム72と軸受部材45の関係を示す。解除カム72は、実質的にリング形状のリング部72jを有する。このリング部72jは、第二被ガイド部としての外周面72iを有し、軸受部材45は第二ガイド部の一部としての内周面45iを有する。この内周面45iは外周面72iと係合するように構成されている。また、解除カム72の外周面72i、および、軸受部材45の内周面45iは共に、回動中心Xに対して同一直線上(同軸状)に配置されている。すなわち、解除カム72は軸受部材45、および、現像ユニット9に対して、回動軸線X(軸線方向)に沿ってスライド移動(並進運動)可能である。また解除カム72は現像ユニット9に対して、軸線Xを中心とした回転方向にも回転可能に支持されている。
【0097】
また、カップリング解除部材としての解除カム72のリング部72jは、力受け部としての当接部(斜面、カム部)72aを有する。また、軸受部材45は、当接部72aに力を加えるための力付与部として当接部(斜面、カム部)45rを有する。当接部72a、当接部45rは現像ユニット4がドラムユニット8に対して移動する方向に対して傾斜した傾斜部である。
【0098】
そして解除カム72の当接部72aと軸受部材45の当接部45rとが接触可能に構成されている。詳細は後述するが、解除カム72と軸受部材45はカム機構を構成し、このカム機構は現像ユニット9の移動によって作動する。
【0099】
図13は、解除カム72、および、クリーニング容器26に設けられた規制部26dの構成を示している。本実施例においてクリーニング容器26に設けられた規制部26dはクリーニング容器内側に設置されるが、クリーニング容器26の形状により、クリーニング容器26のどこに設置されていても構わない。また、解除カム72は、前記リング部72jから突出した突出部72mを有する。この突出部は、第二被ガイド部としての力受け部72bを有する。この力受け部72bは、クリーニング容器26の第二ガイド部の一部としての規制部26dと係合することにより、クリーニング容器26から力を受ける。この力受け部72bは、現像カバー部材32から突出し、クリーニング容器26の規制部26dと係合する構成となっている。この規制部26dと力受け部72bとが係合していることで、解除カム72は駆動側カートリッジカバー部材24に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。つまり解除カム72はドラムユニット(クリーニング容器26)に対して回転を規制(制限)される。
【0100】
また、現像カバー部材32の円筒部32bの外径部32aは、駆動側カートリッジカバー部材24の摺動部24a(円筒内面)と摺動する構成となっている。すなわち、外径部32aは回動可能に摺動部24aと結合している。
【0101】
なお、後述する駆動切替動作において、解除カム72が軸線方向(矢印M、および、N方向)にスライド移動する際に、軸線方向に対して軸倒れする恐れがある。軸倒れの発生によって駆動連結・解除動作のタイミングなどの駆動切替性能の悪化が懸念される。解除カム72の軸倒れを抑制するために、解除カム72の外周面72iと軸受部材45の内周面45iの摺動抵抗、および、解除カム72の力受け部72bとクリーニング容器26の規制部26dとの摺動抵抗を下げるとよい。
【0102】
以上のことから、解除カム72は、軸受部材45の内周面45iと、クリーニング容器26の規制部26dと、の両者と係合している。すなわち、解除カム72は、現像ユニット9に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)と軸線Xを中心とした回転方向に摺動可能(回転可能)である。一方、ドラムユニット8(駆動側カートリッジカバー部材24)に対しては、解除カム72は軸線方向(矢印M、および、N方向)に摺動可能な構成となっている。
【0103】
ここで、
図15(a)は、現像ユニット9に作用する力を模式的に示したカートリッジPの斜視図であり、
図15(b)は、カートリッジPを軸線X方向に沿って見た側面図の一部を示している。
【0104】
現像ユニット9には、加圧バネ95からの反力Q1、現像ローラ6を介してドラム4から受ける反力Q2、および、自重Q3などが作用している。これに加え、駆動連結動作時には、解除カム72は、クリーニング容器26と係合して反力Q4を受ける(詳細は後述する)。これら反力Q1、Q2、Q4、および、自重Q3の合力Q0は、現像ユニット9を回動可能に支持している駆動側、および、非駆動側カートリッジカバー部材24、25の支持穴部24a、25a、および軸受部材45に作用することになる。
【0105】
すなわち、カートリッジPを軸線方向に沿って見た場合(
図15(b))、合力Q0の方向には、現像カバー部材32と接触する駆動側カートリッジカバー部材24の摺動部24aが必要になる。すなわち、駆動側カートリッジカバー部材24の摺動部24aには、合力Q0を受ける合力受け部24a1を有する(
図14参照)。一方、合力Q0の方向以外には、現像カバー部材32の円筒部32bや駆動側カートリッジカバー部材24の摺動部24aは必ずしも必要ではない。本実施例においては、上記を考慮し、現像カバー部材32の駆動側カートリッジカバー部材24と摺動する円筒部32bの一部で、且つ、合力Q0の方向ではない方向(本実施例では、合力Q0と逆側)に開口32cを設けている。また、その開口32cに、クリーニング容器26の規制部26dと係合する解除カム72を配置している。
【0106】
図16(a)、(b)に駆動連結部の断面図を示す。
【0107】
下流側駆動伝達部材38の円筒部38p(円筒内面)と軸受45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、下流側駆動伝達部材38の円筒部38q(円筒外面)と現像カバー部材32の内径部32qとが互いに係合している。すなわち、下流側駆動伝達部材38は、軸受部材45と現像カバー部材32とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0108】
また、上流側駆動伝達部材37の円筒部37p(円筒外面)と現像カバー部材32の穴部32pとが互いに係合している。これにより、上流側駆動伝達部材37は現像カバー部材32に対して摺動可能(回転可能)に支持されている。
【0109】
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、現像カバー部材32の内径部32q、および、穴部32pは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、上流側駆動伝達部材37は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。また、前述のように、上流側駆動伝達部材37の円筒部37mと下流側駆動伝達部材38の穴部38mとが係合している(
図9参照)。これによって、結果として、下流側駆動伝達部材38も現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されていることになる。
【0110】
図16(a)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材38の爪38aと上流側駆動伝達部材37の爪37aとが互いに係合している状態を示している。
また、
図16(b)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材38の爪38aと上流側駆動伝達部材37の爪37aとが互いに離間している状態を示している。
【0111】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0112】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材45の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図17(a)、
図17(b)に模式的に示す。また、
図17(c)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図17(a),(b)(c)は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図17(a)においては、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38の対、および、解除カム72と軸受部材45の対とを、それぞれ別々に示している。
図17(a)において、軸受部材45は当接部45rを含む一部のみを、また、クリーニング容器26は規制部26dを含む一部のみを表示している。また、このとき、上流側駆動伝達部材37の爪37aと下流側駆動伝達部材38の爪38aは互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、下流側駆動伝達部材38は現像ローラギア69と係合している(
図59参照)。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材37に入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材38を介して現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0113】
また、この時の下流側駆動伝達部材38の位置を特に伝達位置(連結位置、係合位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム72の位置を特に維持位置(付勢位置)と呼ぶ。解除カム72は維持位置にある際、下流側駆動伝達部材38をバネ70の弾性力に抗して上流側駆動伝達部材37に向かって付勢している。これにより解除カム72は下流側駆動伝達部材38を伝達位置に保持する。
【0114】
すなわち解除カム72は下流側駆動伝達部材38を付勢して伝達位置に維持するための維持部材(付勢部材)として働く。
【0115】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた軸受部材45は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム72は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図13に示したように、力受け部72bがクリーニング容器26の係合部26dと係合している。そのため現像ユニット9が回動しても、解除カム72は回動しない。
【0116】
ここで、解除カム72と軸受部材45は、現像ユニット9の移動(回動)に連動して下流側駆動伝達部材38を動かすカム機構となっている。軸受部材45が解除カム72に対して相対的に回転すると、解除カム72はX軸に沿って移動するようになっている。解除カム72がX軸に沿って移動することで、下流側駆動伝達部材38も解除カム72とともにX軸に沿って動くようになっている。
【0117】
現像ユニット9が矢印k1方向(
図7(b)参照)に回転すると、軸受部材45の当接部45rが解除カム72の当接部72aに対して相対的に移動する。このとき解除カム72は下流側駆動伝達部材38を介してバネ70によって押圧されている。そのため、当接部72aがバネ70の力を利用して当接部45rに対してスライド移動する。解除カム72自身もバネ70の力を利用して軸受部材45に対してX軸のN方向へスライド移動する。つまり解除カム72は下流側駆動伝達部材38から離れる方向に退避する。
【0118】
解除カム72が退避する際には下流側駆動伝達部材38はバネ70の力によって解除カム72をN方向に押しつつ、N方向に移動する。
【0119】
現像ユニット9が矢印K方向に角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)参照)では、
図18(a)、(b)、(c)に示すように、解除カム72の当接部72aが軸受部材45の当接部45rに対して矢印N方向へp1だけ移動している。このとき、下流側駆動伝達部材38も矢印N方向へp1だけ移動する。この移動量p1はqよりも小さいので、上流側駆動伝達部材37の爪37aと下流側駆動伝達部材38の爪38aとは互いに係合した状態を保っている(
図18(a))。つまり下流側駆動伝達部材38がまだ伝達位置にあるといえる。
【0120】
そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材37へ入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材38、および、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、力受け部72bがクリーニング容器26の係合部26dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1において力受け部72bがクリーニング容器26の係合部26dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、力受け部72bとクリーニング容器26の係合部26dとの隙間がなくなり、力受け部72bがクリーニング容器26の係合部26dに当接することになる。
【0121】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図19(a)、
図19(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材45が回動する。このとき、解除カム72は、その力受け部72bがクリーニング容器26の係合部26dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(
図13参照)。また、解除カム72の当接部72aは軸受部材45の当接部45rに対してスライドする。その結果として、解除カム72及び下流側駆動伝達部材38はバネ70の押圧力により矢印N方向へ移動量p2だけスライド移動する。(
図19、および、
図16(b)参照)。
【0122】
このとき、上流側駆動伝達部材37の爪37aと下流側駆動伝達部材38の爪38aとの係合量qよりも移動量p2が大きいため、爪37aおよび爪38aの係合が解除される。これに伴い、上流側駆動伝達部材37は装置本体2から駆動力が入力されているため回転し続け、一方で、下流側駆動伝達部材38は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0123】
また、この時の下流側駆動伝達部材38の位置を特に遮断位置(解除位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム72の位置を特に許容位置と呼ぶ。解除カム72は維持位置から許容位置に移動することによって、下流側駆動伝達部材38がバネ70の力によって遮断位置に移動するのを許容する。
【0124】
なお下流側駆動伝達部材38が遮断位置にある際に、駆動伝達が遮断されるのであれば、上流側駆動伝達部材37が回転する際に爪37aが爪38aと断続的に接触する構成をとることも可能ではある。この状態でも上流側および下流側駆動伝達部材の連結が解除されたとみなすことができる。ただし爪37aや爪38aの摩耗を抑えたり、駆動伝達が解除された状態で音が発生するのを抑えるうえでは、駆動連結が解除された時点では下流側駆動伝達部材38の爪38aと上流側駆動伝達部材37aの爪37aが接触しない方がより望ましい。
【0125】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。まとめると、プロセスカートリッジは回転可能かつ軸線方向に沿った移動が可能な駆動伝達部材(下流側駆動伝達部材38)を有する。この下流側駆動伝達部材38が上流側伝達部材(上流側駆動伝達部材37)との駆動連結する伝達位置(
図16(a))と、駆動連結を解消する遮断位置(
図16(b))との間を移動可能である。
【0126】
現像ローラ6が感光体ドラム4と近接している状態から離間することに伴って(すなわち現像ローラが近接位置から離間位置に移動することに伴って)、下流側駆動伝達部材38が、伝達位置から遮断位置に移動する。
【0127】
上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0128】
この際、下流側駆動伝達部材38と上流側駆動伝達部材37の間に配置されたバネ70の弾性力を利用して下流側駆動伝達部材38を動かす構成である。弾性力を利用して下流側駆動伝達部材38が伝達位置から遮断位置に安定して移動できるので、現像ローラ6の離間に応じて確実に駆動伝達を切ることができる。
【0129】
現像ローラ6の未使用時に、現像ローラ6ドラム4から離間して現像ローラ6の駆動を停止することで、現像ローラ6や現像ローラ6に担持されているトナー等に加わる負荷を低減することができる。
【0130】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。現像ローラ6が感光体ドラム4と離間している状態から近接することに伴って(すなわち現像ローラ6が離間位置から近接位置に移動することに伴って)、下流側駆動伝達部材38が、遮断位置(
図16(b))から伝達位置(
図16(a))に移動する。
【0131】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図19(a)、(b)、(c)に示すようなる。すなわち、上流側駆動伝達部材37の爪37aと下流側駆動伝達部材38の爪38aとの係合が解除された状態となっている。
【0132】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図18(a)、(b)、(c)に示す状態)となる。
【0133】
この状態では、解除カム72の力受け部72dがクリーニング容器26の係合部26dと係合していて回動しない。そのため軸受部材45が解除カム72に対して相対的に移動する。この結果、軸受部材45の当接部45rは、解除カム72の当接部72aに対してスライド移動しつつ、当接部72aを付勢する。解除カム72は、当接部45rから受けた力によって矢印M方向にのみスライド移動する。
【0134】
また、解除カム72の矢印M方向への移動と連動して、解除カム72の付勢部(力付与部)としての押圧面72cが、下流側駆動伝達部材38の被付勢部(力受け部)としての被押圧面38cを押圧(付勢)する。これにより、下流側駆動伝達部材38がバネ70の押圧力に抗い矢印M方向へ移動することで、上流側駆動伝達部材37の爪37aと下流側駆動伝達部材38の爪38aとが互いに係合する。
【0135】
軸受部材45の当接部45rは、現像ユニット9がドラムユニット8に対して回転移動するための力を、解除カム72や下流側駆動伝達部材38を矢印M方向に付勢するための力に変換するカム部として働く。当接部45rが当接部72aに接触して生じた力が、下流側駆動伝達部材38を伝達位置へと移動させる。
【0136】
また解除カム72は、バネ70の力に逆らって下流側駆動伝達部材38を付勢し、駆動伝達位置に移動させる移動部材(付勢部材)として働く。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0137】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを近接および接触させることができる。
【0138】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0139】
なお、上記の説明では、解除カム72の力受け部72bは、クリーニング容器26の規制部26dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではない。力受け部72bが、例えば、駆動側カートリッジカバー部材24と係合する構成でもよい。駆動側カートリッジカバー部材24もクリーニング容器26と同様にドラムユニット8を構成する部材である。
【0140】
<実施例2>
次に、この発明の第2の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
【0141】
第1の実施例では伝達位置と遮断位置の間を軸線方向に沿って移動(並進運動)する駆動伝達部材は、下流側伝達部材(下流側駆動伝達部材38)であった。これに対して本実施例では上流側の駆動伝達部材(上流側駆動伝達部材237)が伝達位置(
図23(a))と遮断位置(
図23(b))の間を移動することを特徴とする。これにより上流側駆動伝達部材237は、下流側伝達部材(下流側駆動伝達部材238)に対する駆動連結状態と駆動連結の解消状態とを切り替える。以下、詳細に説明する。
【0142】
[駆動連結部の構成]
図20を用いて駆動連結部の構成について説明する。
【0144】
軸受部材245と、駆動側カートリッジカバー部材224と、の間には、軸受部材245から駆動側カートリッジカバー部材224に向かって、以下のものが設けられている。すなわち第二カップリング部材としての下流側駆動伝達部材(下流側伝達部材)238、付勢部材としての弾性部材であるバネ70、第一カップリング部材としての上流側駆動伝達部材(上流側伝達部材)237、解除カム272、現像カバー部材232である。これらの部材は、上流側駆動伝達部材237と同一直線上に設けられている。本実施の形態においては、駆動連結部とは、軸受部材245、下流側駆動伝達部材238、バネ70、上流側駆動伝達部材237、解除カム272、現像カバー部材232、駆動側カートリッジカバー部材224で構成されている。また解除カム272は、解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材でもある。
【0145】
図21に、解除カム272と現像カバー部材232の関係を示す。解除カム272は、実質的にリング形状のリング部272jを有する。このリング部272jは、第二被ガイド部としての外周面272iを有し、現像カバー部材232は第二ガイド部の一部としての内周面232iを有する。この内周面232iは外周面272iと係合するように構成されている。また、解除カム272の外周面272i、および、現像カバー部材232の内周面232iは共に、回動中心Xに対して同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、解除カム272は現像カバー部材232、および、現像ユニット9に対して、軸線方向にスライド移動可能で、且つ、軸線Xを中心とした回転方向にも回転可能に支持されている。
【0146】
また、カップリング解除部材としての解除カム272のリング部272jは、力受け部としての当接部(斜面)272aを有する。また、現像カバー部材232は、当接部(斜面)232rを有する。ここで、解除カム272の当接部272aと現像カバー部材232の当接部232rとが接触可能に構成されている。
【0147】
図22は、駆動連結部、および、駆動側カートリッジカバー部材224の構成を示している。解除カム272は、前記リング部272jから突出した突出部272mを有する。この突出部は、第二被ガイド部としての力受け部272bを有する。この力受け部272bは、駆動側カートリッジカバー部材224の第二ガイド部の一部としての規制部224dと係合することにより、駆動側カートリッジカバー部材224から力を受ける。この力受け部272bは、現像カバー部材232の円筒部232bの一部に設けられた開口232cから突出し、駆動側カートリッジカバー部材224の規制部224dと係合する構成となっている。この規制部224dと力受け部272bとが係合していることで、解除カム272は駆動側カートリッジカバー部材224に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動(並進運動)可能な構成となっている。また、第一の実施の形態と同様に、現像カバー部材232の円筒部232bの外径部232aは、駆動側カートリッジカバー部材224の摺動部224a(円筒内面)と摺動する構成となっている。すなわち、外径部232aは回動可能に摺動部224aと結合している。
【0148】
以上のことから、解除カム272は、第二ガイド部の一部である現像カバー部材232の内周面232iと、第二ガイド部の一部である駆動側カートリッジカバー部材224の規制部224dと、の両者と係合している。すなわち、解除カム272は、現像ユニット9に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)と軸線Xを中心とした回転方向に摺動可能(回転可能)である。一方、ドラムユニット8、および、ドラムユニット8に固定された駆動側カートリッジカバー部材224に対しては解除カム272が軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
【0150】
下流側駆動伝達部材238と軸受245の第一軸受部245p(円筒外面)とが互いに係合している。また、下流側駆動伝達部材238の円筒部238q(円筒外面)と現像カバー部材232の内径部232qとが互いに係合している。すなわち、下流側駆動伝達部材238は、軸受部材245と現像カバー部材232とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0151】
また、上流側駆動伝達部材237の円筒部237p(円筒外面)と現像カバー部材232の穴部232pとが互いに係合している。これにより、上流側駆動伝達部材237は現像カバー部材232に対して摺動可能(回転可能)に支持されている。
【0152】
さらに、軸受部材245の第一軸受部245p(円筒外面)、現像カバー部材232の内径部232q、および、穴部232pは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、上流側駆動伝達部材237は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。また、前述のように、上流側駆動伝達部材237の円筒部237mと下流側駆動伝達部材238の穴部238mとが係合している。これによって、結果として、下流側駆動伝達部材238も現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されていることになる。
【0153】
図23(a)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材238の爪238aと上流側駆動伝達部材237の爪237aとが互いに係合している状態を示している。また、
図23(b)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材238の爪238aと上流側駆動伝達部材237の爪237aとが互いに離間している状態を示している。
【0154】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0155】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材45の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図24(a)、(b)に模式的に示す。また、
図24(c)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図24は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図24(a)においては、上流側駆動伝達部材237と下流側駆動伝達部材238の対、および、解除カム272と現像カバー部材232の対とを、それぞれ別々に示している。また、現像カバー部材232は当接部232rを含む一部のみを、また、駆動側カートリッジカバー部材224は規制部224dを含む一部のみを表示している。
【0156】
また、このとき、上流側駆動伝達部材237の爪237aと下流側駆動伝達部材238の爪238aは互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、下流側駆動伝達部材238は現像ローラギア69と係合している。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材237に入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材238を介して現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0157】
またこの時の上流側駆動伝達部材237の位置を特に伝達位置(駆動伝達位置、係合位置)と称する。またこの時、解除カム272は維持位置にあって、上流側駆動伝達部材237をバネ270の力に抗して付勢する。つまり解除カム272は上流側駆動伝達部材237を伝達位置に保持している。
【0158】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた現像カバー部材232は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム272は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図22に示したように、力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dと係合している。そのため解除カム272はドラムユニット8に対する回動が規制されている。また、解除カム272はバネ270により押圧されている。そのため、現像ユニット9が回動すると、解除カム272は実施例1の解除カム72と同様に、ドラムユニット8に対して回動せずX軸のM方向へスライド移動(並進運動)する。
図25(a)、
図25(b)に示すように、解除カム272の当接部272aが現像カバー部材232の当接部232rを矢印M方向へp1だけ移動した状態となっている。このとき、p1はqよりも小さい移動量となり、上流側駆動伝達部材237の爪237aと下流側駆動伝達部材238の爪238aとは互いに係合した状態を保っている(
図25(a))。つまり上流側駆動伝達部材237はまだ、伝達位置にあるといえる。
【0159】
そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材37へ入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材38、および、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1において力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、力受け部272bと駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dとの隙間がなくなり、力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dに当接することになる。
【0160】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図26(a)、
図26(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、現像カバー部材232が回動する。このとき、解除カム272の当接部272aは現像カバー部材232の当接部232rに対してスライドする。また、前述のように、解除カム272は、その力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(
図22参照)。そのため、結果として、解除カム272及び上流側駆動伝達部材237はバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動量p2だけスライド移動する(
図26、および、
図26(b)参照)。
【0161】
このとき、上流側駆動伝達部材237の爪237aと下流側駆動伝達部材238の爪238aとの係合量qよりも移動量p2が大きいため、爪237aおよび爪238aの係合が解除される。これに伴い、上流側駆動伝達部材237は装置本体2から駆動力が入力されているため回転し続け、一方で、下流側駆動伝達部材238は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0162】
また、この時の上流側駆動伝達部材237の位置を特に遮断位置(駆動遮断位置、係合解除位置、駆動連結解消位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム272の位置を特に許容位置と呼ぶ。解除カム272は維持位置から許容位置に移動することによって、上流側駆動伝達部材237がバネ270の力によって遮断位置に移動するのを許容する。
【0163】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0164】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
【0165】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図26に示すように、上流側駆動伝達部材237の爪237aと下流側駆動伝達部材238の爪238aとの係合が解除された状態となっている。
【0166】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図25に示す状態)となる。この状態では解除カム272の力受け部272dが駆動側カートリッジカバー部材224の係合部224dと係合し、解除カムが矢印N方向にのみスライド移動する。また、解除カム272の矢印N方向への移動と連動して、解除カム272の付勢部としての押圧面272cが、上流駆動伝達部材237の被付勢部としての被押圧面237cを押圧(付勢)する。これにより、上流駆動伝達部材237がバネ270の押圧力に抗い矢印N方向へ移動することで、上流側駆動伝達部材237の爪237aと下流側駆動伝達部材238の爪238aとが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0167】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
【0168】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0169】
なお、上記の説明では、解除カム272の力受け部272bは、駆動側カートリッジカバー部材224の規制部224dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、クリーニング容器226と係合する構成でもよい。
【0170】
<実施例3>
次に、この発明の第3の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例では、カートリッジに設けられた駆動伝達部材(駆動入力部材90)が伝達位置(
図28(a))から遮断位置(
図28(b))に移動する。これにより駆動入力部材90が画像形成装置本体に設けられた本体側駆動伝達部材(ドラム駆動出力部材61)との駆動連結を解消することを特徴とする。以下、説明する。
【0171】
[駆動連結部の構成]
図27を用いて駆動連結部の構成について説明する。また、詳細は後述するが、現像ユニット9の駆動側端部に設けられた駆動入力部材90は、
図3に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合しうる。この係合によって、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される構成となっている。
【0173】
図27は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材324、および、現像カバー部材332を取り外した状態を示している。駆動側カートリッジカバー部材324には開口324dが設けられている。そして、開口324dからは、感光体ドラム4の端部に設けられたカップリング部材4aが露出する構成となっている。前述の通り、カップリング部材4aは、
図3(b)に示す装置本体2のドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合し、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力を受ける構成となっている。
【0174】
また、現像ユニット9の端部には、駆動入力部材90が回転可能に設けられている。また、駆動入力部材90のギア部90gは、現像ローラギア69とも係合している。これにより、駆動入力部材90に伝達された駆動は、現像ローラギア69を介して、現像ローラ6へ伝達される構成となっている。
【0175】
軸受部材345と、駆動側カートリッジカバー部材324と、の間には、軸受部材345から駆動側カートリッジカバー部材324に向かって、以下のものが設けられている。すなわち解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材としての解除カム372、駆動入力部材90、付勢部材としての弾性部材であるバネ70、現像カバー部材332である。これらの部材は、駆動入力部材90と同一直線上に設けられている。本実施の形態においては、駆動連結部とは、軸受部材345、解除カム372、駆動入力部材90、バネ70、現像カバー部材332、駆動側カートリッジカバー部材324で構成されている。
【0176】
解除カム372と軸受部材345の関係、および解除カム372とクリーニング容器326に設けられた規制部326dの構成については実施例1と同様のため、ここでは割愛する。
【0178】
駆動入力部材90の円筒部90p(円筒内面)と軸受部材345の第一軸受部345p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材90の円筒部90q(円筒外面)と現像カバー部材332の内径部332qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材90は、軸受部材345と現像カバー部材332とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0179】
さらに、軸受部材345の第一軸受部345p(円筒外面)、現像カバー部材332の内径部332q、および、穴部332pは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材90は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。
【0180】
図28(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材90と装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。また、
図28(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。
【0181】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0182】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材345の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図29(a)に模式的に示す。また、
図29(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図29は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図29(a)においては、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62の対、および、解除カム372と軸受部材345の対とを、それぞれ別々に示している。
図29(b)において、軸受部材345は当接部345rを含む一部のみを、また、クリーニング容器326は規制部326dを含む一部のみを表示している。駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動入力が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材90は現像ローラギア69と係合している。そのため、装置本体2から駆動入力部材90に入力された駆動力は、現像ローラギア69に伝達され、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0183】
またこの時の駆動入力部材90の位置を特に伝達位置(駆動伝達位置、係合位置)と称する。またこの時、解除カム372は維持位置にあって、駆動入力部材90をバネ70の力に抗して付勢する。つまり解除カム372は駆動入力部材90を伝達位置に保持している。
【0184】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた軸受部材345は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム372は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図13に示したように、力受け部372bがクリーニング容器326の係合部326dと係合している。また、バネ70により押圧されている。そのため、現像ユニット9が回動すると、実施例1の解除カム72と同様に、解除カム372は回動せずX軸のN方向へスライド移動する。
図30(a)、
図30(b)に示すように、解除カム372の当接部372aが軸受部材345の当接部345rを矢印N方向へp1だけ移動した状態となっている。このとき、p1はqよりも小さい移動量となり、駆動入力部材90の爪90aと装置本体2の現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(
図30(a))。そのため、装置本体2から駆動入力部材90へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、力受け部372bがクリーニング容器326の係合部326dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1において力受け部372bがクリーニング容器326の係合部326dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、力受け部372bとクリーニング容器326の係合部326dとの隙間がなくなり、力受け部372bがクリーニング容器326の係合部326dに当接することになる。
【0185】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図31(a)、
図31(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材345が回動する。このとき、解除カム372の当接部372aは軸受部材345の当接部345rに対してスライドする。また、前述のように、解除カム372は、その力受け部372bがクリーニング容器326の係合部326dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(
図13参照)。そのため、結果として、解除カム372及び駆動入力部材90はバネ70の押圧力により矢印N方向へ移動量p2だけスライド移動する。(
図31、および、
図28(b)参照)。
【0186】
このとき、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量p2が大きいため、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、駆動入力部材90は装置本体2からの駆動力が解除されて停止する。その結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0187】
また、この時の駆動入力部材90の位置を特に遮断位置(駆動遮断位置、係合解除位置、駆動連結解消位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム372の位置を特に許容位置と呼ぶ。解除カム372は維持位置から許容位置に移動することによって、駆動入力部材90がバネ70の力によって遮断位置に移動するのを許容する。
【0188】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0189】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
【0190】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図31に示すように、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。
【0191】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図30に示す状態)となる。この状態では、解除カム372の力受け部372dがクリーニング容器326の係合部326dと係合し、解除カム372が矢印M方向にのみスライド移動する。また、解除カム372の矢印M方向への移動と連動して、解除カム372の付勢部としての押圧面372cが、駆動入力部材90の被付勢部としての被押圧面90cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材90がバネ70の押圧力に抗い矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材90と装置本体2の現像駆動出力部材62とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0192】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
【0193】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0194】
なお、上記の説明では、解除カム372の力受け部372bは、クリーニング容器326の規制部326dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、駆動側カートリッジカバー部材324と係合する構成でもよい。
【0195】
<実施例4>
次に、この発明の第4の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
【0196】
本実施例は駆動伝達部材(下流側駆動伝達部材438)、解除部材(解除カム472)が移動するのに実施例1で示したバネ70のような弾性部材を利用しないことを特徴とする。
【0197】
[駆動連結部の構成]
図32を用いて駆動連結部の構成について説明する。まず、概略について説明する。
【0198】
軸受部材445と、駆動側カートリッジカバー部材424と、の間には、軸受部材445から駆動側カートリッジカバー部材424に向かって以下のものが設けられる。すなわち、解除カム472、解除カム472の内側にセットされる、第二カップリング部材としての下流側駆動伝達部材438、現像カバー部材432第一カップリング部材としての上流側駆動伝達部材437、である。これらの部材は、上流側駆動伝達部材437と同一直線上に設けられている。本実施の形態においては、駆動連結部とは、軸受部材445、解除カム472、下流側駆動伝達部材438、現像カバー部材432、上流側駆動伝達部材437、駆動側カートリッジカバー部材424で構成されている。また解除カム472は、解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材である。
【0199】
図33に、解除カム472と軸受部材445の関係を示す。本実施例においても解除カム472と軸受部材445は、現像ユニット9の回転動作に応じて、解除カム472を移動させるカム機構である。
【0200】
解除カム472は、実質的にリング形状のリング部472jを有する。このリング部472jは、第二被ガイド部としてのレバー部472iを有し、軸受部材445は第二ガイド部としてのガイド溝445iを有する。このガイド溝445iはレバー部472iに対してスライド可能に構成されている。また、解除カム472は軸受部材445、および、現像ユニット9に対して、軸線方向にスライド移動可能で、且つ、軸線Xを中心とした回転方向にも回転可能に支持されている。
【0201】
図34は、解除カム472、および、クリーニング容器426に設けられた規制部426dの構成を示している。本実施例においてクリーニング容器426に設けられた規制部426dはクリーニング容器内側に設置されるが、クリーニング容器426の形状により、クリーニング容器426のどこに設置されていても構わない。解除カム472のレバー部472iがクリーニング容器426の第二ガイド部の一部としての規制部426dと係合することにより、クリーニング容器426から力を受ける。このレバー部472iは、現像カバー部材432から突出し、クリーニング容器426の規制部426dと係合する構成となっている。この規制部426dとレバー部472iとが係合していることで、解除カム472は駆動側カートリッジカバー部材424に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。また、現像カバー部材432の円筒部432bの外径部432aは、駆動側カートリッジカバー部材424の摺動部424a(円筒内面)と摺動する構成となっている。すなわち、外径部432aは回動可能に摺動部424aと結合している。
【0202】
以上のことから、解除カム472は、軸受部材445のガイド溝445i(カム溝)と、クリーニング容器426の規制部426dと、の両者と係合している。すなわち、解除カム472は、現像ユニット9に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)と軸線Xを中心とした回転方向に摺動可能(回転可能)である。またドラムユニット8、および、ドラムユニット8に固定された駆動側カートリッジカバー部材424に対して、解除カム472は軸線方向(矢印M、および、N方向)に摺動可能(回転可能)な構成となっている。
【0204】
下流側駆動伝達部材438の円筒部438p(円筒内面)と軸受445の第一軸受部445p(円筒外面)とが互いに係合している。また、下流側駆動伝達部材438の円筒部の面438cが解除カム472の面472cと、下流側駆動伝達部材438の円筒部の面438dが解除カム472の面472dと、それぞれ係合している。これにより、下流側駆動伝達部材438は、解除カム472により軸線X方向への移動が規制されている。また、下流側駆動伝達部材438の円筒部438q(円筒外面)と現像カバー部材432の内径部432qとが互いに係合している。すなわち、下流側駆動伝達部材438は、軸受部材445と現像カバー部材432とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0205】
また、上流側駆動伝達部材437の円筒部437p(円筒外面)と現像カバー部材432の穴部432qとが互いに係合している。また、上流側駆動伝達部材437の本体側円筒部437qと駆動側カートリッジカバー部材424のカップリング穴424eとが互いに係合している。これにより、上流側駆動伝達部材437は現像カバー部材432および駆動側カートリッジカバー部材424に対して摺動可能(回転可能)に支持されている。
【0206】
さらに、軸受部材445の第一軸受部445p(円筒外面)、現像カバー部材432の内径部432q、および、カップリング穴424eは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、上流側駆動伝達部材437は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。
【0207】
図35(a)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材438と上流側駆動伝達部材437とが互いに係合している状態を示している。また、
図35(b)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材438と上流側駆動伝達部材437とが互いに離間している状態を示している。
【0208】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0209】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材45の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図36(a)に模式的に示す。また、
図36(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図36は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図36(a)においては、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438の対、および、解除カム472と軸受部材445の対とを、それぞれ別々に示している。
図36(b)において、軸受部材445はガイド溝445iを含む一部のみを、また、クリーニング容器426は規制部426dを含む一部のみを表示している。この時、解除カム472のレバー部472iは、軸受部材445のガイド溝445iのうち最も駆動側カートリッジカバー部材424寄りの位置に挟まれた状態となっている。また、このとき、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、下流側駆動伝達部材438は現像ローラギア69と係合している(
図59参照)。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材437に入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材438を介して現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0210】
また、この時の下流側駆動伝達部材438の位置を特に伝達位置(駆動伝達位置、係合位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム472の位置を特に第1の維持位置(係合維持位置、駆動連結維持位置)と呼ぶ。解除カム472は第1の維持位置にある際、下流側駆動伝達部材438を付勢部(押圧面472c)によって下流側駆動伝達部材438を伝達位置に保持する。
【0211】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム472や軸受部材445は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム472は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図34に示したように、レバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dと係合している。また、軸受部材445のガイド溝445iにより、現像ユニット9が回動すると、解除カム472はドラムユニットに対して回動しない。ガイド溝445iの間をレバー部472iが滑ることで、解除カム472はX軸のN方向へスライド移動する。
【0212】
より詳細にいうと、レバー部472iがガイド溝445iをスライドする際に、ガイド溝445iの面445bと接触することで、レバー部472iは、X軸のN方向へスライド移動する。面445bは、解除カム472にN方向に向かう力を加える力付与部である。一方、面455bと接触するレバー部472iの接触部は、力受け部から力を受ける力受け部である。
【0213】
面445bは、現像ユニット9の移動方向(回転方向)に対して傾斜する傾斜面(傾斜部)である。面445bは、現像ユニット9をドラムユニットに対して移動させる力を、解除カム472や下流側駆動伝達部材438をX軸方向に付勢する力へと変換するカム面(カム部)でもある。つまり現像ユニットの回転に合わせて溝445iが解除カム472のレバー部472iに対して相対的に移動すると、レバー部472iが面445bと接触して力を受ける。この力によって解除カム472や下流側駆動伝達部材438がX軸に沿って移動する。
【0214】
図37(a)、
図37(b)に示すように、解除カム472のレバー部472iが軸受部材445のガイド部445iを矢印N方向へp1だけ移動した状態となっている。
【0215】
このとき、解除カム472の押圧面(付勢部、力付与部)472dが下流側駆動伝達部材438をN方向に付勢し、距離p1移動させる。p1はqよりも小さい移動量となり、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438とは互いに係合した状態を保っている(
図37(a))。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材437へ入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材438、および、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、レバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1においてレバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、レバー部472iとクリーニング容器426の係合部426dとの隙間がなくなり、レバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dに当接することになる。
【0216】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図38(a)、
図38(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材445が回動する。このとき、解除カム472のレバー部472iは軸受部材445のガイド溝部445iに対してスライドする。また、前述のように、解除カム472は、そのレバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(
図34参照)。またレバー472iが溝445iをスライドする際に、溝445iの面445bから矢印N方向へ力を受ける。
【0217】
そのため、結果として、解除カム472及び下流側駆動伝達部材438は矢印N方向へ移動量p2だけスライド移動する。(
図38、および、
図38(b)参照)。つまり解除カム472の押圧面472d(
図35(b))が下流側駆動伝達部材438を移動量p2移動させる。
【0218】
このとき、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438の係合量qよりも移動量p2が大きいため、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438の係合が解除される。これに伴い、上流側駆動伝達部材437は装置本体2から駆動力が入力されているため回転し続け、一方で、下流側駆動伝達部材438は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0219】
また、この時の下流側駆動伝達部材438の位置を特に遮断位置(駆動遮断位置、係合解除位置、駆動連結解消位置)と呼ぶ。また、この時の解除カム472の位置を特に第2の維持位置(許容位置)と呼ぶ。解除カム472は第1の維持位置から第2の維持位置に移動することによって、付勢部(押圧面472d)によって下流側駆動伝達部材438を伝達位置から遮断位置へ動かす。そして押圧面472dは下流側駆動伝達部材438を遮断位置に保持する。
【0220】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。現像ユニット9が回動すると、面455bとレバー部472iとが係合(接触)することによって、下流側駆動伝達部材438を遮断位置へ移動させる力が生じることになる。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0221】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
【0222】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図38に示すように、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438との係合が解除された状態となっている。
【0223】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図37に示す状態)となる。この状態では、解除カム472のレバー部472iがクリーニング容器426の係合部426dと係合し、軸受部材445のガイド溝445iに沿って解除カム472が矢印M方向にのみスライド移動する。つまり解除カム472のレバー472iが溝445iをスライドする過程で、レバー472iが溝445iの面445aから矢印M方向の力を受ける。この力によって解除カム472が矢印M方向に移動する。面445aは解除カム472に力を加えるための力付与部であり、面455aと接触するレバー472iの接触部は力付与部から力を受ける力受け部である。
【0224】
面455aは、現像ユニット9をドラムユニットに対して移動させる力を解除カム472や下流側伝達部材438を付勢する力に変換するカム部(カム面)である。また、面445aは現像ユニットの回転方向と傾斜する傾斜面(傾斜部)でもある。
【0225】
面445aは、面445bと間隔をあけて対向する。つまり面445aと面445bによってカム溝(ガイド溝445i)が形成されている。
【0226】
現像ユニット9の回転に伴って面445aと面445bの間の空間を解除カム472の一部(すなわちレバー472i)が移動する。
【0227】
また、解除カム472の矢印M方向への移動と連動して、解除カム472の付勢部としての押圧面472cが、下流側駆動伝達部材438の被付勢部としての被押圧面438cを押圧(付勢)する。押圧面472cは下流側駆動伝達部材438を付勢する第二の付勢部である。押圧面472cの付勢により、下流側駆動伝達部材438が矢印M方向へ移動することで、上流側駆動伝達部材437と下流側駆動伝達部材438とが互いに係合する。
【0228】
つまり現像ユニット9が回転すると、面455aとレバー部472iとの係合(接触)によって、下流側駆動伝達部材438を伝達位置へ移動させる力が生じることになる。
【0229】
上記の工程を経ることにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0230】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
【0231】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0232】
以上まとめると、現像ユニットが感光体ユニットに対して移動(回転)することに応じて、移動部材(解除カム472)およびガイド溝445iが下流側駆動伝達部材438を移動させ、駆動伝達の状態を切り替える。解除カム472およびガイド溝445iは、現像ユニット9の回転動作を、下流側駆動伝達部材438の移動動作に変換するカム機構である。
【0233】
詳細にいうと、ガイド溝445iの面(カム)455bとレバー部472iの接触によって生じる力が下流側駆動伝達部材438を遮断位置に移動させて駆動の伝達を切る。一方、面455aとレバー部472iの接触によって生じる力が下流側駆動伝達部材438を伝達位置に移動させて、駆動の伝達を確保する。
【0234】
下流側駆動伝達部材438を実際に移動させるのは解除カム472である。解除カムの押圧面472cと押圧面472dの間に下流側駆動伝達部材438の少なくとも一部が配置されている。これによって、解除カム472が移動すると下流側駆動伝達部材438が解除カム472から付勢されて移動するようになっている。
【0235】
なお、上記の説明では、解除カム472のレバー部472iは、クリーニング容器426の規制部426dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、駆動側カートリッジカバー部材424と係合する構成でもよい。
【0236】
<実施例5>
次に、この発明の第5の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。第4の実施例では解除カム472が下流側駆動伝達部材を移動させることで上流側駆動伝達部材との結合を解除させた。これに対して本実施例では解除カム572が上流側駆動伝達部材を動かすことで、下流側駆動伝達部材との結合を解除させる。以下、特に第4の実施例との違いを主に説明し、実施例4と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0237】
[駆動連結部の構成]
図39を用いて駆動連結部の構成について説明する。まず、概略について説明する。
【0238】
軸受部材545と、駆動側カートリッジカバー部材524と、の間には、軸受部材545から駆動側カートリッジカバー部材524に向かって以下のものが設けられている。すなわち第二カップリング部材としての下流側駆動伝達部材538、現像カバー部材532、解除カム572、解除カム472の内側にセットされ、第一カップリング部材としての上流側駆動伝達部材437、である。これらの部材は、上流側駆動伝達部材537と同一直線上に設けられている。本実施の形態においては、駆動連結部とは、軸受部材545、下流側駆動伝達部材538、現像カバー部材532、解除カム572、上流側駆動伝達部材537、駆動側カートリッジカバー部材524で構成されている。解除カム572は、解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材である。
【0239】
図40に、解除カム572と軸受部材545の関係を示す。なお、説明の為解除カム572と軸受部材545の間にある部品を不図示としている。本実施例では、実施例4とは異なり、軸受部材545の第二ガイド部としてのガイド溝545iが離間する際に駆動側カートリッジカバー部材532に向かうように切られている。このガイド溝545iはレバー部572iがスライド可能に構成されている。また、解除カム572は軸受部材545、および、現像ユニット9に対して、軸線方向にスライド移動可能で、且つ、軸線Xを中心とした回転方向にも回転可能に支持されている。
【0240】
なお、本実施例では軸受部材545にガイド溝を設けているが、現像カバー部材532や駆動側カートリッジカバー部材524に設けても構わない。
【0241】
解除カム572とクリーニング容器526の規制部については実施例4と同様の構成のため割愛する。
【0243】
下流側駆動伝達部材538の円筒部538p(円筒内面)と軸受545の第一軸受部445p(円筒外面)とが互いに係合している。また、下流側駆動伝達部材538の円筒部538q(円筒外面)と現像カバー部材532の内径部532qとが互いに係合している。すなわち、下流側駆動伝達部材538は、軸受部材545と現像カバー部材532とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0244】
また、上流側駆動伝達部材537の円筒部537p(円筒外面)と現像カバー部材532の穴部532qとが互いに係合している。また、上流側駆動伝達部材537の円筒部の面537cが解除カム572の面572cと、上流側駆動伝達部材537の円筒部の面537dが解除カム572の面572dと、それぞれ係合している。これにより、上流側駆動伝達部材537は、解除カム572により軸線X方向への移動が規制されている。また、上流側駆動伝達部材537の本体側円筒部537qと駆動側カートリッジカバー部材524のカップリング穴524eとが互いに係合している。これにより、上流側駆動伝達部材537は現像カバー部材532および駆動側カートリッジカバー部材524に対して摺動可能(回転可能)に支持されている。
【0245】
さらに、軸受部材545の第一軸受部545p(円筒外面)、現像カバー部材532の内径部532q、解除カム572、および、カップリング穴524eは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、上流側駆動伝達部材537は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。
【0246】
図41(a)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材538と上流側駆動伝達部材537とが互いに係合している状態を示している。また、
図41(b)に示す駆動連結部の断面図では、下流側駆動伝達部材538と上流側駆動伝達部材537とが互いに離間している状態を示している。
【0247】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0248】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材45の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図42(a)に模式的に示す。また、
図42(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図42は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図42(a)においては、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538の対、および、解除カム572と軸受部材545の対とを、それぞれ別々に示している。
図42(b)において、軸受部材545はガイド溝545iを含む一部のみを、また、クリーニング容器526は規制部526dを含む一部のみを表示している。この時、解除カム572のレバー部572iは、軸受部材545のガイド溝545iのうち最も駆動側カートリッジカバー部材524から離れた位置に挟まれた状態となっている。また、このとき、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、下流側駆動伝達部材538は現像ローラギア69と係合している(
図59参照)。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材537に入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材538を介して現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0249】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図43(a)、
図43(b)に示す。このとき、前述したように、現像ユニット9が回動中心Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム572や軸受部材545は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム572は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図43(b)に示すように、レバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dと係合している。また、軸受部材545のガイド溝545iにより、現像ユニット9が回動すると、解除カム572は回動せずガイド溝545iの間をレバー部572iが滑ることで、X軸のM方向へスライド移動する。このとき、
図43(a)、
図43(b)に示すように、解除カム572のレバー部572iが軸受部材545のガイド部545iを矢印M方向へp1だけ移動した状態となっている。このとき、p1はqよりも小さい移動量となり、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538とは互いに係合した状態を保っている(
図43(a))。そのため、装置本体2から上流側駆動伝達部材537へ入力された駆動力は、下流側駆動伝達部材538、および、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、レバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1においてレバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、レバー部572iとクリーニング容器526の係合部526dとの隙間がなくなり、レバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dに当接することになる。
【0250】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図44(a)、
図44(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材545が回動する。このとき、解除カム572のレバー部572iは軸受部材545のガイド溝部545iに対してスライドして、溝部544iから力を受ける。また、前述のように、解除カム572は、そのレバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている。そのため、結果として、解除カム572及び下流側駆動伝達部材538は矢印M方向へ移動量p2だけスライド移動する。(
図44、および、
図44(b)参照)。
【0251】
このとき、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538の係合量qよりも移動量p2が大きいため、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538の係合が解除される。これに伴い、上流側駆動伝達部材537は装置本体2から駆動力が入力されているため回転し続け、一方で、下流側駆動伝達部材538は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0252】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0253】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
【0254】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図44に示すように、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538との係合が解除された状態となっている。
【0255】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図43に示す状態)となる。この状態では、解除カム572のレバー部572iがクリーニング容器526の係合部526dと係合し、軸受部材545のガイド溝545iに沿って解除カム572が矢印N方向にのみスライド移動する。また、解除カム572の矢印N方向への移動と連動して、解除カム572の付勢部としての押圧面572cが、上流側駆動伝達部材537の被付勢部としての被押圧面537cを押圧(付勢)する。これにより、上流側駆動伝達部材537が矢印N方向へ移動することで、上流側駆動伝達部材537と下流側駆動伝達部材538とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0256】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
【0257】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0258】
なお、上記の説明では、解除カム572のレバー部572iは、クリーニング容器526の規制部526dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、駆動側カートリッジカバー部材524と係合する構成でもよい。
【0259】
<実施例6>
次に、この発明の第6の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。第4の実施例では解除カム472が下流側駆動伝達部材を移動させることで下流側駆動伝達部材と上流側駆動伝達部材との駆動連結状態を切り替えた。これに対して本実施例では解除カムがカートリッジ側の駆動伝達部材(駆動入力部材690)を移動させることで本体側の駆動伝達部材(現像駆動出力部材62)との駆動連結状態を切り替える。以下、特に第4の実施例との違いを主に説明し、実施例4と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0260】
[駆動連結部の構成]
図45を用いて駆動連結部の構成について説明する。まず、概略について説明する。
【0261】
軸受部材645と、駆動側カートリッジカバー部材624と、の間には、軸受部材645から駆動側カートリッジカバー部材624に向かって、以下のものが設けられている。すなわち解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材としての解除カム672、解除カム672の内側にセットされる駆動入力部材690、現像カバー部材632、である。これらの部材は、駆動入力部材690と同一直線上に設けられている。本実施の形態においては、駆動連結部とは、軸受部材645、解除カム672、駆動入力部材690、現像カバー部材632、駆動側カートリッジカバー部材624で構成されている。
【0262】
解除カム672と軸受部材645の関係、および解除カム672とクリーニング容器626に設けられた規制部626dの構成については実施例4と同様のため、ここでは割愛する。
【0264】
駆動入力部材690の円筒部690p(円筒内面)と軸受645の第一軸受部645p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材690の円筒部の面690cが解除カム672の面672cと、駆動入力部材690の円筒部の面690dが解除カム672の面672dと、それぞれ係合している。これにより、駆動入力部材690は、解除カム672により軸線X方向への移動が規制されている。また、駆動入力部材690の円筒部690q(円筒外面)と現像カバー部材632の内径部632qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材690は、軸受部材645と現像カバー部材632とによって、その両端を回転可能に支持されている。
【0265】
さらに、軸受部材645の第一軸受部645p(円筒外面)、現像カバー部材632の内径部632qは、現像ユニット9の回動中心Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材690は、現像ユニット9の回動中心Xを中心に回転可能に支持されている。
【0266】
図46(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材690と装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。また、
図46(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。
【0267】
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。
【0268】
[状態1]
図7(a)に示すように、本体離間部材80と軸受部材45の力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を本体離間部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を
図47(a)に模式的に示す。また、
図47(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。なお、
図47は、説明のために、一部の部品を不図示としている。また、
図47(a)においては、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62の対、および、解除カム672と軸受部材645の対とを、それぞれ別々に示している。
図47(b)において、軸受部材645はガイド溝645iを含む一部のみを、また、クリーニング容器626は規制部626dを含む一部のみを表示している。この時、解除カム672のレバー部672iは、軸受部材645のガイド溝645iのうち最も駆動側カートリッジカバー部材624寄りの位置に挟まれた状態となっている。また、このとき、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動入力が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材690は現像ローラギア69と係合している(
図59参照)。そのため、装置本体2から駆動入力部材690に入力された駆動力は、現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。
【0269】
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、
図7(b)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図48(a)、
図48(b)に示す。解除カム672は、現像ユニット9に組み込まれているが、
図48に示したように、レバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dと係合している。また、軸受部材645のガイド溝645iにより、現像ユニット9が回動すると、解除カム672は回動せずガイド溝645iの間をレバー部672iが滑ることで、X軸のN方向へスライド移動する。
図48(a)、
図48(b)に示すように、解除カム672のレバー部672iが軸受部材645のガイド部645iを矢印N方向へp1だけ移動した状態となっている。このとき、p1はqよりも小さい移動量となり、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(
図48(a))。そのため、装置本体2から駆動入力部材690へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、レバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1においてレバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、レバー部672iとクリーニング容器626の係合部626dとの隙間がなくなり、レバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dに当接することになる。
【0270】
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、
図7(c)に示すように、本体離間部材80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を
図49(a)、
図49(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材645が回動する。このとき、解除カム672のレバー部672iは軸受部材645のガイド溝部645iに対してスライドして、ガイド溝部645iから力を受ける。また、前述のように、解除カム672は、そのレバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(
図49参照)。そのため、結果として、解除カム672及び駆動入力部材690は矢印N方向へ移動量p2だけスライド移動する。(
図49(a)、および、
図49(b)参照)。
【0271】
このとき、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62の係合量qよりも移動量p2が大きいため、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、これに伴い、駆動入力部材690は装置本体2からの駆動力が解除されて停止する。その結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
【0272】
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
【0273】
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
【0274】
現像離間状態(
図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は
図49に示すように、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。
【0275】
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させると、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(
図7(b)、及び、
図48に示す状態)となる。この状態では、解除カム672のレバー部672iがクリーニング容器626の係合部626dと係合し、軸受部材645のガイド溝645iに沿って解除カム672が矢印M方向にのみスライド移動する。また、解除カム672の矢印M方向への移動と連動して、解除カム672の付勢部としての押圧面672cが、駆動入力部材690の被付勢部としての被押圧面690cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材690が矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材690と装置本体2の現像駆動出力部材62とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
【0276】
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を
図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
【0277】
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
【0278】
なお、上記の説明では、解除カム672のレバー部672iは、クリーニング容器626の規制部626dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、駆動側カートリッジカバー部材624と係合する構成でもよい。
【0279】
<実施例7>
図1、
図16等を用いて前述した実施例1のカートリッジにおいては、バネ70の一方の端部が現像カバー部材32に接触し、バネ70のもう一方の端部が下流側駆動伝達部材38に接触している。この場合に、上流側駆動伝達部材37を介して下流側駆動伝達部材38に駆動力が伝達されると、下流側駆動伝達部材38はバネ70に対して回転する。するとバネ70の端部と下流側駆動伝達部材38の間に摩擦が生じる。この摩擦によって、下流側駆動伝達部材38のバネ70と接している部分が摩耗する(削れる)可能性がある。
【0280】
そのため実施例1の構成においては、下流側駆動伝達部材38を摩耗に強い材質にしたり、あるいは下流側駆動伝達部材38やバネ70の材料を摩擦力を低減しやすい材質のものにしたりする対応をとることが考えられる。一方、本実施例ではこれらとは別の対応策について説明する。
【0281】
図50、
図51で示される本実施例は、実施例1の構成を一部変更した構成例である。なお
図51(a)は、上流側駆動伝達部材37と下流側駆動伝達部材38のカップリング(結合)が行われていて両者の間で駆動伝達が可能な状態を示している。
図51(b)は両者のカップリングが解消されており、上流側駆動伝達部材37の回転時に、下流側駆動伝達部材38には駆動力(回転力)が伝達されない状態を示している。
【0282】
本実施例のカートリッジは、実施例1で説明した下流側駆動伝達部材38とバネ70とを有する。しかし本実施例では実施例1とは異なり、これら下流側駆動伝達部材38とバネ70の間に板部材(介在部材、緩和部材)80が挟まれている。板部材80は、下流側駆動伝達部材38とバネ70の間に介在する介在部材であり、下流側駆動伝達部材38に加わる負荷を緩和するための緩和部材でもある。
【0283】
板部材80によって下流側駆動伝達部材38とバネ70は直接接触しない。そのため、下流側駆動伝達部材38が回転した際に、下流側駆動伝達部材38とバネ70の間に生じる摩擦をなくすことができる。
【0284】
その一方で、下流側駆動伝達部材38は板部材80に対して回転可能な構成である。すなわち下流側伝達部材38が上流側駆動伝達部材37から駆動力を受けると、下流側駆動伝達部材38は板部材80に対して回転する。このとき下流側駆動伝達部材38と板部材80の間には摩擦が生じる。
【0285】
しかし実施例1において下流側駆動伝達部材38がバネ70から受ける負荷よりも、本実施例において下流側駆動伝達部材38が板部材80から受ける負荷の方が一般的に小さくなる。というのも実施例1において下流側駆動伝達部材38がバネ70と接触する面積よりも、本実施例において下流側駆動伝達部材38が板部材80と受ける面積のほうが大きい。その結果、実施例1において下流側駆動伝達部材38がバネ70から受ける圧力よりも、本実施例において下流側駆動伝達部材38が板部材80から受ける圧力のほうが小さくなる。これによって、下流側駆動伝達部材38と板部材80の間に摩擦が生じたとしても、下流側駆動伝達部材38の摩耗を低減することができる。
【0286】
また板部材80と下流側駆動伝達部材38の間に生じる摩擦を低減すべく、両者の接触部に潤滑剤を塗ってもよい。
【0287】
なお本実施例は実施例1の構成を変形したものであるが、実施例2(
図23参照)や実施例3(
図28参照)で説明した構成を本実施例と同様に変形することもできる。このような変形例を
図52、
図53を用いて以下に説明する。
【0288】
図23に示した実施例2の構成では、バネ70の一方の端部が上流側駆動伝達部材237に接触し、他方の端部が下流側駆動伝達部材238に接触している。これに対して
図52では、実施例2の上流側駆動伝達部材237とバネ70の間、および下流側駆動伝達部材238とバネ70の間にそれぞれ板部材180、181を挟んだ構成である。なお
図52(a)は、上流側駆動伝達部材237と下流側駆動伝達部材238のカップリング(結合)が行われていて両者の間で駆動伝達が可能な状態を示している。
図52(b)は両者のカップリングが解消されており、上流側駆動伝達部材237の回転時に、下流側駆動伝達部材238には駆動力(回転力)が伝達されない状態を示している。板部材180および板部材181は、前述の板部材80と同様の介在部材(緩和部材)である。
図52の構成では、バネ70が直接、伝達部材237、238に接触しない。
【0289】
図52に示す構成では、上流側駆動伝達部材237と下流側駆動伝達部材238が互いのカップリングを解消した状態(
図52(b)参照)で、上流側駆動伝達部材237が回転すると、上流側駆動伝達部材237が板部材181に対して回転する。このとき、上流側駆動伝達部材237と板部材181の間に摩擦力が生じるが、それは、上流側駆動伝達部材237とバネ70が直接接触する場合に生じる摩擦力よりも小さい。
【0290】
なお、バネ70と下流側駆動伝達部材238の間にも板部材181が配置されている。この場合、バネ70が下流側駆動伝達部材238に対して回転したとしても、下流側駆動伝達部材238と板部材181の間に乗じる摩擦力は小さい。
【0291】
図53では、実施例3(
図28参照)における駆動入力部材90とバネ70の間に板部材280を挟んだ構成である。
図53(a)は伝達部材(駆動入力部材90)がカートリッジの外部に向かって進出した進出位置(伝達位置)にあって、駆動出力部材62とカップリング(結合)している状態を示している。
図53(b)は駆動入力部材90がカートリッジの内部に退避した退避位置(遮断位置)にあって、駆動出力部材62とのカップリングを解消している状態を示している。
【0292】
図28に示すように、実施例3ではバネ70の一方の端部は、現像ユニットの現像カバー部材332に接触し、バネ70のもう一方の端部は駆動入力部材90に接触していた。これに対して
図53に示す構成ではバネ70は駆動入力部材90には接触せず、板部材280に接触する。
【0293】
この板部材280は板部材80と実質的に同様の構成である。駆動入力部材90が装置本体から駆動力を受けて入力されて回転すると駆動入力部材90が板部材280に対して回転する。駆動入力部材90が板部材280から受ける負荷は比較的小さくなる。
【0294】
図52、
図53の構成も、
図50の構成同様、バネ70によって生じる、伝達部材(下流側駆動伝達部材、上流側駆動伝達部材、駆動入力部材)の摩耗を抑えることができる。また、
図52、53に示す構成においても板部材と駆動伝達部材の間に潤滑剤を付してもよい。また本実施例で示した各構成は、介在部材として、薄い板状の部材を採用したが伝達部材の摩耗を抑えることができれば、このような形状である必要はない。ただ介在部材を板状にすると、介在部材の厚さを抑えることができ、カートリッジやそれを装着する画像形成装置本体の大きさを抑えることができる。