(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドベーンの前記下流端縁の前記下端部は、当該ガイドベーンの圧力面側から見て、前記下流端縁の前記上端部に対して流水の流れ方向にずれている、請求項1又は2に記載のガイドベーン装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、フランシス水車では、回転駆動されるランナに供給される流水は、複数のガイドベーンによって流量調整されている。従来のフランシス水車におけるガイドベーン3及びランナ4が、
図10及び
図11に示されている。これらの図に示されるように、各ガイドベーン3は、下流端縁31を有しており、当該下流端縁31は、ランナ4の回転軸線と平行に延在している。
【0003】
図10及び
図11に示すように、ランナ4は、周方向に等間隔で配置された複数のランナ翼7を有している。各ランナ翼7は、その上流端縁71の下端部73が、その上端部72に対して、ランナ4の周方向にずれている。本明細書において、ランナ4の周方向とは、ランナ4の回転方向(例えば発電運転回転方向)R及びその逆方向の両者を包含する意味で用いられる。
図10及び
図11に示す例では、各ランナ翼7は、その上流端縁71の下端部73がその上端部72に対して、前記周方向のうちランナ4の回転方向Rにおいて進んだ位置(
図11における時計回りの方向)にずれて配置されている。このことによって、ランナ翼7の上流端縁71は、ランナ4の回転軸線に対して傾斜している。
【0004】
ところで、フランシス水車10(フランシスポンプ水車を含む)では、ガイドベーン3とランナ4との間で、静動翼間の翼列干渉により水圧脈動が発生することが知られている。この水圧脈動は、発電の安定性を損なわせたり、機器が損傷する原因になったりするため、問題になり得る。
【0005】
この水圧脈動について、
図12及び
図13を参照して説明する。
図12は、ランナ翼7とガイドベーン3との間の水圧脈動の発生要因を説明するための図であり、
図13は、ランナ4とガイドベーン3との間の仮想円筒面C上の全圧分布を模式的に示す図である。ここで、仮想円筒面Cとは、ランナ4と同心で同径の円筒面である。
【0006】
図12に示すように、フランシス水車10の運転時にガイドベーン3の上流側に設けられたステーベーン2により整流された流水は、有限の厚みを有するガイドベーン3に沿って流れる。このとき、ガイドベーン3の下流端縁31で後流8が発生する。
【0007】
一般に、後流8は、内部の流体エネルギー(全圧)が低いことが知られている。このため、
図13に示すように、仮想円筒面C上には、後流8と交差する領域に低圧部が発生する。この低圧部は、仮想円筒面Cの周方向に沿って、ガイドベーン3の枚数と同数の箇所に存在している。これらの低圧部を、高速で回転するランナ翼7が横断する際に圧力が急激に変動し、水圧脈動が発生するのである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による各実施の形態について説明するに先だち、一般的なフランシス水車10の全体構成について概略的に説明する。
【0015】
図9は、フランシス水車10の全体構成を示す概略縦断面図である。
図9に示すように、フランシス水車10は、ランナ4と、ランナ4の外周側に配置され、水圧鉄管(不図示)及び渦巻き状のケーシング1を介してランナ4に流入する流水の整流を行うステーベーン2と、ステーベーン2とランナ4との間で流水の流量調整を行うガイドベーン3と、ランナ4を通過した流水を流出させる吸出し管6と、を備えている。ランナ4は、主軸(回動軸)5に連結されたクラウンと、クラウンと対向するように配置されたバンドと、クラウンとバンドとの間に設けられた複数のランナ翼7と、を有している。
【0016】
このようなフランシス水車10では、上池から水圧鉄管を通じて供給される流水がステーベーン2及びガイドベーン3に案内されてランナ4へと導かれ、流水の圧力エネルギーがランナ4内で回転エネルギーに変換されることによって、主軸5が回転される。これにより、主軸5に結合された発電機(不図示)が回転駆動され、発電が行われることになる。
【0017】
以下の説明に当たっては、
図9に示すように、ランナ4の回動軸線に一致するようにZ軸をとり、Z軸方向を高さ方向として、以下の説明を行う。すなわち、Z軸正側に位置するクラウン側を上側と呼び、Z軸負側に位置するバンド側を下側と呼ぶこととする。更に、ランナ4の回転方向をRとする。この回転方向Rは、
図10及び
図11に矢印で示すように、上方から見て時計回りの方向である。このような座標軸及び回転方向Rは、他の図面においても同じ方向に規定されている(
図1乃至
図5参照)。
【0018】
図示されていないが、各ガイドベーン3には、Z軸と平行な回動軸線を有するスピンドルが一体的に設けられており、このスピンドルが回動されることによって、各ガイドベーン3が当該回動軸線回りに所望に回動されるようになっている。
【0019】
次に、添付の図面を参照して、本発明による第1の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるガイドベーン装置100を示す概略側面図であり、
図2は、
図1の概略背面図である。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態によるガイドベーン装置100は、Z軸に平行な軸線L回りに回動可能であり、供給される流水を下流側(
図1における左方)に向けて整流するガイドベーン110を備えている。
図1及び
図2に示すように、ガイドベーン110は、上端部112と下端部113とを有する下流端縁111を有している。そして、
図2に示すように、下流端縁111の下端部113は、下流側(
図2における手前側)から見て、下流端縁111の上端部112に対して軸線Lに直交する方向にずれている。特には、
図2に示す例では、下流端縁111の下端部113は、下流側から見て、下流端縁111の上端部112に対して左方(ランナ4の回転方向Rとは逆の方向)にずれている。このことによって、下流端縁111が、軸線Lに対して左下がりの傾斜を有している。
【0022】
ここで、ガイドベーン110の下流端縁111の傾斜について、次の通り規定することにする。すなわち、ガイドベーン110の下流端縁111の下端部113が上端部112よりもランナ4の周方向のうち回転方向Rにおいて後れている(左方にずれている)ときの傾斜を「正の傾斜」と呼び、これとは逆に、ガイドベーン110の下流端縁111の下端部113が上端部112よりもランナ4の周方向のうち回転方向Rにおいて進んでいる(右方にずれている)ときの傾斜を「負の傾斜」と呼ぶ。これによれば、本実施の形態によるガイドベーン110は、下流端縁111が正の傾斜を有している、ということになる。なお、このような傾斜の呼び方は、後述されるランナ翼7の上流端縁71についても同様に適用する。
【0023】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態によるガイドベーン装置100は、ガイドベーン110の上端に、第1フランジ131を介して第1回動軸133が設けられている。更に、ガイドベーン110の下端には、第2フランジ132を介して第2回動軸134が設けられている。特には、
図1及び
図2に示すように、第1回動軸133は、第1フランジ131の上面から上方に延びており、第2回動軸134は、第2フランジ132の下面から下方に延びている。そして、これら第1回動軸133及び第2回動軸134は、中心軸線が共に軸線Lに一致している。
【0024】
次に、このようなガイドベーン装置100が採用されたフランシス水車200について、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0025】
図3は、
図1のガイドベーン装置100が採用されたフランシス水車200の、当該ガイドベーン装置100とランナ4とを示す概略斜視図であり、
図4は、
図3の概略上面図である。
【0026】
図3及び
図4に示すように、本実施の形態によるガイドベーン110は、
図10及び
図11に示す従来のフランシス水車10のガイドベーン3に代えて、当該ガイドベーン3と同じ位置に同じ数だけ配置されている。このことは、既設のフランシス水車10において、ガイドベーン3を本実施の形態によるガイドベーン110に交換することによって、フランシス水車10の装置全体を交換すること無く、本実施の形態で説明する作用効果を得ることができる、ということを意味している。但し、従来と同じ数を配置することに限定する趣旨ではない。なお、
図3及び
図4においては、ガイドベーン110の傾きを明瞭に示すため、第1及び第2フランジ131、132、並びに、第1及び第2回動軸133、134の図示が省略されている。
【0027】
図3及び
図4に示すように、ガイドベーン110は、その下流端縁111が正の傾斜を有している。これに対し、ランナ翼7は、その上流端縁71が負の傾斜を有している。結局、
図3に示すように、ガイドベーン110の下流端縁111とこれに対面するランナ翼7の上流端縁71とは、上流側から見て概ね「X」状に配置されている。
【0028】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0029】
フランシス水車10の運転が開始されると、前述したように、ガイドベーン100の下流端縁111から後流8が発生し、この後流8は、ランナ4のランナ翼7の上流端縁71まで延びる。このため、ランナ4と同心で同じ外径を有する仮想円筒面Cを考慮すると、この仮想円筒面Cと後流8とが交差する領域は、ガイドベーン110の下流端縁111と同様に、正の傾斜をもつ。すなわち、ランナ翼7の上流端縁71が横切ることになる後流8は、従来のフランシス水車10の場合とは異なり、当該上流端縁71のZ軸に対する傾斜に対して逆方向の傾斜を有して、ランナ4に到達する。
【0030】
図5は、本実施の形態によるガイドベーン装置100を採用したフランシス水車200において、ランナ翼7の上流端縁71が後流8を横断する様子を示す概略図である。
図5(a)は、ランナ翼7の上流端縁71の下端部73が後流8を横断している状態を示す図であり、
図5(b)は、ランナ翼7の上流端縁71の中間部分が後流8を横断している状態を示す図であり、
図5(c)は、ランナ翼7の上流端縁71の上端部72が後流8を横断している状態を示す図である。なお、各図中の破線は、比較のため、従来のガイドベーン3によって生じる後流を、その下端が本実施の形態によるガイドベーン110によって生じる後流8の下端と一致するように、示している。
【0031】
図5に示すように、ガイドベーン110の下流端縁111から発生する後流8は、上流端縁71の傾斜とは逆方向の傾斜を有していることから、当該上流端縁71が後流8の横断を開始してから横断が完了するまでに要する時間は、流水の流量が同じであれば、従来のフランシス水車10においてランナ翼7の上流端縁71が後流8を完全に横断するまでに要する時間よりも、長い。すなわち、後流によって生じる低圧領域をランナ翼7の上流端縁71が通過する時間幅が従来よりも長くなるため、水圧の変動が緩和され、水圧脈動が低減される。
【0032】
以上のような本実施の形態によれば、ランナ4とガイドベーン110との間で発生する水圧脈動を低減させることが可能なガイドベーン装置100を提供することができる。このガイドベーン装置100によれば、フランシス水車200の運転時の安定性を高め、更に、機器の長寿命化をも実現可能である。
【0033】
更には、本実施の形態によるガイドベーン装置100を採用したフランシス水車200を構成することにより、運転時の安定性が高く、更には、機器の長寿命化をも実現可能なフランシス水車200を提供することができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0035】
図6は、本発明の第2の実施の形態によるガイドベーン装置300を示す概略側面図である。
【0036】
図6に示すように、本実施の形態によるガイドベーン装置300は、下流端縁311の下端部313が、ガイドベーン310の圧力面側から見て(
図6の手前方向から見て)、下流端縁311の上端部312に対して流水の流れ方向にずれている。具体的には、
図6に示す例では、下流端縁311の下端部313は、
図6の手前方向から見て、下流端縁311の上端部312に対して左方にずれている。
【0037】
このような構成によって、本実施の形態によるガイドベーン装置300が採用された水車では、ガイドベーン310の下流端縁311とランナ4との離間距離が、下端部313から上端部312に向かって、次第に大きくなっている。ここでは、ガイドベーン310の下流端縁311は、
図6の手前方向から見て直線状に構成されているため、前記離間距離は、下側から上側に向かって、線形的に増大している。
【0038】
その他の構成、特には、ガイドベーン310の下流端縁311が正の傾斜を有している点、については、第1の実施の形態と同様である。このため、
図6において、第1の実施の形態によるガイドベーン装置100と同様の構成部分には略同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、本実施の形態によるガイドベーン装置300が採用される水車では、ランナ4のランナ翼7の上流端縁71は、第1の実施の形態と同様に、負の傾斜を有している。また、第1の実施の形態におけるガイドベーン装置100の下流端縁111とランナ翼7の上流端縁71との離間距離は、本実施の形態におけるガイドベーン310の下流端縁311の下端部313とランナ翼7の上流端縁71の下端部73との離間距離と、同じである。
【0039】
このようなガイドベーン装置300の作用は、次の通りである。すなわち、フランシス水車の運転が開始されると、前述したように、ガイドベーン310の下流端縁311から後流8が発生する。後流8は、ガイドベーン310の下流端縁311の延在方向にある程度の幅を有して下流に流れる。このため、ランナ4と同心で同じ外径を有する仮想円筒面Cを考慮すると、この仮想円筒面Cと後流8とが交差する領域は、ガイドベーン310の下流端縁311と同様に、正の傾斜をもつ。すなわち、仮想円筒面Cに到達する後流8は、第1の実施の形態と同様に、ランナ翼7の上流端縁71の傾斜とは逆方向の傾斜を有する(
図5参照)。
【0040】
ただし、本実施の形態では、ガイドベーン310の下流端縁311とランナ4との離間距離が、下側から上側に向かって線形的に増大している。このため、第1の実施の形態とは異なり、仮想円筒面Cに到達する後流8は、下側から上側に向かって、減衰の程度が線形的に大きくなっている。要するに、仮想円筒面Cに到達する後流8は、その下端部を除き、第1の実施の形態において当該仮想円筒面Cに到達する後流8よりも相対的に後流8による圧力低下が抑制される。ランナ翼7の上流端縁71が後流8を横断する過程は、
図5に示した通りであり、第1の実施の形態と同様である。
【0041】
以上から、本実施の形態によるガイドベーン装置300を採用した水車では、水圧脈動が一層低減される。
【0042】
なお、本実施の形態では、ガイドベーン310の下流端縁311とランナ4との離間距離が、下側から上側に向かって線形的に増大しているが、このような実施の形態には限定されない。例えば、本実施の形態の変形例では、前記離間距離は、下側から上側に向かって非線系的に増大していても良いし、あるいは、下側から上側に向かって線形的または非線系的に減少していても良い。これらの変形例によるガイドベーン装置を採用した水車においても、効果的に水圧脈動が低減されることになる。
【0043】
更に、
図7は、
図6の更なる変形例によるガイドベーン装置400を示す概略側面図である。
図7に示すように、ガイドベーン装置400の下流端縁411とランナ4との離間距離が、当該下流端縁411の下端部413と上端部412との間の中間領域で減少していても良い。
図7においては、ガイドベーン410の中央断面Sが最も上流側に突出していることにより、当該中央断面Sと下流端縁411とが交わる部位Pと、ランナ翼7の上流端縁71と、の離間距離が最大になっている。その他の構成については、ガイドベーン410の下流端縁411が正の傾斜を有している点を含めて、第1の実施の形態によるガイドベーン装置100と同様である。このため、
図7において、ガイドベーン装置100に対応する構成部分には同様の符号を付し、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0044】
このような変形例によるガイドベーン装置400を採用した水車においても、第2の実施の形態と同様に、効果的に水圧脈動が低減され得る。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態によるガイドベーン装置500について説明する。
【0046】
図8は、本発明の第3の実施の形態によるガイドベーン装置500を示す概略平面図である。
図8において、実線は、本実施の形態によるガイドベーン装置500を示しており、破線は、第1の実施の形態によるガイドベーン100を比較のために示している。但し、各ガイドベーン110、510は、その上下方向(紙面の奥行き方向)の中央位置(中央断面)における輪郭線で示されている。
【0047】
図8に示すように、本実施の形態によるガイドベーン装置500では、ガイドベーン510を回動させるための回動軸533の軸線Lが、第1の実施の形態によるガイドベーン装置100の回動軸133、134の軸線Lと一致している。一方、本実施の形態によるガイドベーン装置500では、ガイドベーン510のキャンバーラインC2が、軸線Lよりもガイドベーン510の圧力面514の側に位置している。このようなガイドベーン装置500を採用した水車では、当該ガイドベーン装置500は、回動軸533の軸線Lの位置を従来の位置に維持したまま、ガイドベーン510が全体的にケーシング1側に位置付けられることになる。すなわち、このような水車では、ガイドベーンピッチサークルAを従来の位置に維持したまま、ガイドベーン510の下流端縁511とランナ翼7の上流端縁71との離間距離が、従来よりも増大されることになる。
【0048】
このような水車において、ガイドベーン装置500に流水が流れ込むと、前述したように、ガイドベーン510の下流端縁511から後流8が発生するのであるが、この後流8は、従来よりも弱められてランナ翼7の上流端縁71に到達する。
【0049】
このため、ランナ翼7の上流端縁71が負の傾斜を有していれば、ガイドベーン510の下流端縁511が正の傾斜を有していることと相俟って、本実施の形態によるガイドベーン装置500を採用した水車では、水圧脈動が従来よりも一層低減され得る。
【0050】
以上の説明においては、ランナ翼7の上流端縁71が、負の傾斜を有しているものとして説明を行ったが、これとは逆に正の傾斜を有していても良い。この場合、ガイドベーン装置を、ガイドベーンの下流端縁が負の傾斜を有するように、構成すればよい。
【0051】
また、
図3に示す例では、ガイドベーン110の下流端縁111が、下流側から見て、略直線状に延在しているが、このような形態には限られない。すなわち、他の実施の形態によるガイドベーンは、下流側から見て、下流端縁がC字状、S字状などの曲線を含んでいても良い。更に、ガイドベーン110の下流端縁111の少なくとも一部が、圧力面側から見て、曲線状に形成されていてもよい。これらのことは、本明細書で説明した全ての実施の形態及び変形例に対して、適用可能である。
【0052】
更に、以上の各実施の形態及び変形例による水圧脈動の低減の効果をより高めるため、ガイドベーンの上流側に配置されるステーベーン2aを
図14に示すように構成することも有効である。
【0053】
図14は、本実施の形態による水車に採用可能なステーベーン2aを示す概略背面図である。このステーベーン2aは、上端部22aと下端部23aとを有する下流端縁21aを有している。そして、
図14に示すように、下流端縁21aの下端部23aは、下流側(
図14における手前側)から見て、下流端縁21aの上端部22aに対してZ軸に直交する方向にずれている。特には、
図2に示す例では、下流端縁111の下端部113は、下流側から見て、下流端縁111の上端部112に対して左方にずれている。このことによって、下流端縁111が、軸線Lに対して左下がりの傾斜(正の傾斜)を有している。
【0054】
このステーベーン2aの下流に配置されているガイドベーンも、そのガイドベーンの下流端縁が正の傾斜を有していれば(
図2参照)、当該ガイドベーンに流れ込む流水が当初からガイドベーンと同様の傾斜を有することになる。この場合、Z軸に平行な下流端縁を有する従来のステーベーンが設けられている場合よりも、ガイドベーンによる整流の効果が一層高められる。このことにより、後流8の発生を抑制することができ、本実施の形態及びその変形例によるガイドベーン装置を採用した水車において、水圧脈動の発生を一層低減させることができる。
【0055】
なお、このような効果は、ステーベーンの下流端縁の傾斜をガイドベーンの下流端縁の傾斜と同じ方向に構成することにより、得ることができる。したがって、ガイドベーンの下流端縁が負の傾斜を有している場合には、ステーベーンをその下流端縁が負の傾斜を有するように構成すればよい。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。