特許第6983532号(P6983532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983532
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 13/02 20210101AFI20211206BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20211206BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20211206BHJP
【FI】
   G03B13/02
   H04N5/225 400
   H04N5/225 450
   G03B17/18 Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-90584(P2017-90584)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-189746(P2018-189746A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】上田 晴久
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−134051(JP,A)
【文献】 特開平02−234738(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105147240(CN,A)
【文献】 特開2009−122550(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0079865(US,A1)
【文献】 特開昭59−181326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 13/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系と、
前記撮像光学系を介して被写体像を受光する撮像素子と、
画像情報に基づく光束を出力する光源手段と、
前記光源手段からの光束を反射させて投影する走査手段と、
モード判定手段と、
前記撮像光学系と前記撮像素子との間に前記撮像光学系の光軸に対して傾斜して配置され、前記撮像光学系から入射した光束を透過させて前記撮像素子に結像させて、前記走査手段により投影された光束を前記撮像光学系を介して前記被写体へ反射させる光学素子と、を有し、
前記撮像素子と前記走査手段は、前記光学素子からの距離が略同じになるように配置され、
前記走査手段は、特定のモードと判定されたときに画像情報を投影し、
前記モード判定手段は、可動式の表示手段が被写体側を向いている場合、予め登録された顔情報が検出された場合、又はユーザ操作により前記特定のモードが設定された場合に、前記特定のモードと判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記走査手段は、前記光源手段より出力された画像情報を前記光学素子および前記撮像光学系を介して前記被写体の網膜に投影することを特徴とする請求項1に記載に撮像装置。
【請求項3】
前記走査手段は、MEMSミラーを有し、
前記MEMSミラーを微小駆動させることで前記光源手段により出力された画像情報を投影することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光源手段は、前記撮像素子が受光した被写体像から生成されたスルー画像の画像情報に基づく光束を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記走査手段は、前記撮像光学系の絞り値に応じて走査角度を変更して投影することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
所定の被写体に合焦させて前記撮像素子に被写体像を結像するように前記撮像光学系を制御する制御手段をさらに有し、
前記走査手段は、前記合焦している所定の被写体に前記画像情報を投影可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
被写体の顔に関する情報を検出する検出手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記検出した顔に関する情報に基づいて目の位置に合焦するように前記撮像光学系を制御して、
前記走査手段は、前記合焦している目の網膜に前記画像情報を投影することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関し、特に、スルー画像を投影可能な手段を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやカメラ付携帯端末において、ユーザーが自分撮り画像を撮影する用途が増えている。また、自分撮り画像は、撮像装置の撮影レンズに視線を向けるカメラ目線での撮影頻度が高い。
【0003】
そのため、デジタルカメラにおいてはユーザーが自分撮り画像を撮影する際に撮像装置の背面に配置されたプレビュー用の表示装置を可動反転させて、撮像手段からのスルー画像を確認できる構成が提供されている。また、カメラ付携帯端末においては、表示装置側に自分撮り用の撮像装置を設ける構成でスルー画像を確認できるようになっている。
【0004】
しかしながら、デジタルカメラやカメラ付携帯端末はスルー画像を確認する表示部と撮像装置の撮影レンズの位置が異なり、被写体であるユーザーが表示部を見ながら撮影レンズに視線を向けることは困難である。
【0005】
そこで、例えば特許文献1のようにレーザー光の走査手段を有し、ユーザーの瞳孔にレーザー光を走査させて、撮像手段からのスルー画像をユーザーの瞳に直接投影する方法が提案されている。操作者の目を撮像する2台の撮像手段と、2台の撮像手段のそれぞれによって撮像された画像データに基づいて、操作者の目の位置情報を取得し、ユーザーの瞳孔にレーザー光を走査させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−228573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された従来技術では、レーザー光の走査手段と撮像手段の光軸位置が異なる。そのため、被写体であるユーザーが撮影レンズに視線を向けると走査手段からのレーザー光が正面からユーザーの瞳孔に入らず、撮像手段からのスルー画像が正面に見えない問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、被写体であるユーザーが撮影レンズに視線を向けると走査手段が画像情報に基づく光をユーザーの瞳に投影することで、カメラ目線を外さずに撮像手段からの画像を確認することができる手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、撮像光学系と、前記撮像光学系を介して被写体像を受光する撮像素子と、画像情報に基づく光束を出力する光源手段と、前記光源手段からの光束を反射させて投影する走査手段と、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に前記撮像光学系の光軸に対して傾斜して配置され、前記撮像光学系から入射した光束を透過させて前記撮像素子に結像させて、前記走査手段により投影された光束を前記撮像光学系を介して前記被写体へ反射させる光学素子と、を有し、前記撮像素子と前記走査手段は、前記光学素子からの距離が略同じになるように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被写体であるユーザーが撮影レンズに視線を向けると走査手段が画像情報に基づく光をユーザーの瞳に投影することで、カメラ目線を外さずに撮像手段からの画像を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図
図2】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の外観斜視図
図3】本発明の第1の実施形態に係る走査手段の構成例を示す概念図
図4】本発明の第2の実施形態に係る走査手段の制御方法の例を示すフローチャート
図5】本発明の第2の実施形態に係る自分撮り判定手段の概略図
図6】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図
図7】本発明の第3の実施形態に係る走査手段の走査角度の例を示す概念図
図8】本発明の第3の実施形態に係る走査手段の走査角度の制御方法の例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の好ましい実施形態の一例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
まず、図1、2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の主な構成を説明する。以下では、撮像装置としてカメラを用いる場合を例に説明する。
【0014】
図1は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置(カメラ1)の構成例を示すブロック図である。また、図2は第1の実施形態に係る撮像装置(カメラ1)の外観斜視図を示したもので、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図をそれぞれ示している。
【0015】
カメラ1の正面には撮影レンズユニット2(撮像光学系)が設けられている。
【0016】
撮影レンズユニット2(撮像光学系)は、レンズから入射した光をカメラ1の内部にある焦点検出および露出検出可能なに結像するよう構成されている。
【0017】
撮像手段3は、結像した被写体像を受光して撮像信号に変換する撮像素子である。また、撮像手段3は電荷蓄積を制御した電子シャッターによる撮像が可能であり、被写体像のスルー画像を出力することができる。シャッターは撮像手段3(撮像素子)の前面に走行可能な遮光幕を配置するメカニカルシャッターを用いてもよい。
【0018】
表示手段4は、撮像手段3より出力されたスルー画像を表示可能であり、撮影者はピントや構図、露出をライブビューにより確認しながら撮影することができる。
【0019】
レリーズ釦5は、カメラ1の撮像指示を行うためのボタンである。撮影者がレリーズ釦5を半押し(SW1)すると、撮像手段3による測光、測距が開始され、撮影レンズユニット2内のレンズ駆動手段6によるフォーカスレンズ7の駆動が行われる。つぎに撮影者がレリーズ釦5を全押し(SW2)すると撮像手段3が電子シャッッターを走行させ、撮像を行う。そして撮像手段3は電荷蓄積および電荷読み出し動作を開始させる露光動作を行う。
【0020】
レンズ駆動手段6は、撮影レンズユニット2に含まれるフォーカスレンズ7やその他のレンズ群を駆動するためのモータなどの駆動手段である。フォーカスレンズ7は、光軸方向に移動して焦点調節を行う。
【0021】
そして、カメラ1の側面に設けられた画像記録読取手段8に装着されている記録媒体9に撮影画像を記録保存する。記録媒体9は一般的なSDカードやCFカードなどである。記録媒体9保存された画像は、カメラ1の背面の画像再生釦10を押すことで、表示手段4に表示される。
【0022】
システム制御回路11は、カメラ1の全体を制御し、撮像や画像処理、映像出力、などの制御を行う。システム制御回路11は、CPUやMPU等により構成され、後述する各回路等の動作を制御する。
【0023】
システム制御回路11は、焦点検出手段12を内包しており、測距が開始されると撮像手段3からの出力をもとにレンズ駆動手段6を制御し、フォーカスレンズ7を光軸方向に駆動して焦点合わせを行う。焦点検出は、撮像手段3が撮像画素群のほかに不図示の焦点検出画素群と焦点検出画素群の前に配置された瞳分割レンズ群とを有し、撮像面上で位相差による焦点検出を行う撮像面位相差AFにより検出できる。また、撮像画像のコントラスト比から焦点検出を行うコントラストAFや撮像手段3を光軸方向に前後に駆動させてコントラストAFを行うウォブリング方法などでよい。これらは公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
また、システム制御回路11は被写体認識手段13を内包しており、撮像手段3から出力される被写体の撮像画像をもとに顔に相当する領域や被写体像全体を特定し、被写体の顔に合わせて上述のAF動作を行う。たとえば、顔認識は肌色や顔の輪郭、目や鼻などの特徴点から撮像画像内の顔候補領域を抽出し、その特徴量から顔領域を決定する方法がある。また、複数の顔の形状をしたテンプレートを用意して、そのテンプレートと撮像画像の相関を解析し、その相関値より顔領域を決定する方法などでもよい。被写体像認識は、色や形状、コントラスト情報から背景と被写体像領域を分離し抽出し、被写体像を認識する。被写体を認識する方法は公知であるため詳細な説明は省略する。
【0025】
つぎにシステム制御回路11は露出検出手段14を内包しており、測光が開始されると撮像手段3からの出力をもとに撮影者が事前に設定した撮影条件に応じてレンズユニット2内の絞り15の絞り値および撮像手段3の電子シャッタースピードを決定する。レリーズ釦5(SW2)により撮影動作が開始されるとシステム制御回路11は露光制御部16により絞り15および電子シャッターの電荷蓄積時間を決定された値に制御する。また、システム制御回路11は露光制御部16によりタイミングジェネレータ17から撮像手段3を駆動する際に必要なパルス信号を出力させる。撮像手段3はタイミングジェネレータ17から出力されたパルス信号に応じ電荷蓄積および電荷読み出し動作を行う。
【0026】
撮像手段3から読み出された電荷はA/D変換回路18によりデジタル化され、画像処理回路19へ送られる。
【0027】
送られた画像は画像処理回路19内の画像処理部20によりホワイトバランス調整や画像圧縮処理等を行われ、記録制御部21により画像記録読込手段8を介し記録媒体9に記録保存される。
【0028】
記録媒体9に保存した撮影画像は、画像再生釦10を押すことで画像記録読込手段8により画像処理回路19内の表示制御部22に読み込まれ、D/A変換回路23によりアナログ化され表示手段4に示される。
【0029】
なお、本発明においては、撮影レンズユニット2はフォーカスレンズ7のみの記載であるが、ズームレンズを有するものなどでもよく、一体型もしくは取替え可能な別体型の構成としてもよい。また、撮像手段3の前面にメインミラー(光学素子)を回動可能に配置し、撮影レンズユニット2からの光をペンタプリズムと結像レンズを通して撮影者の目に導く光学ファインダーを構成してもよい。また、メインミラーにサブミラー(光学素子)を回動可能に設け、撮像手段3からの出力をもとに焦点検出を行う焦点検出手段12とは別に位相差AFによる焦点検出手段を設けてもよい。上述したこれらの構成に関しては公知であるため詳細な説明は省略する。
【0030】
撮影モード選択手段24は、ダイヤル操作部材であり、撮影モードを設定することができる。例えば自動露出モード、絞り優先露出モード(Av)、シャッタースピード優先露出モード(Tv)、マニュアルモード(M)、バルブモード(B)が設定可能である。
【0031】
例えば、自動露出モードに設定した場合は、ダイヤル操作部材である露出設定手段25により撮影者が任意に適正露出値を設定し、絞り値およびシャッタースピードは撮影時にその適正露出になるように自動で決定される。絞り優先露出モード(Av)、シャッタースピード優先露出モード(Tv)、マニュアルモード(M)を設定した場合は、絞り設定手段26およびシャッタースピード設定手段27により、絞り値およびシャッタースピードを任意に設定できる。バルブモードを設定した場合は、レリーズ釦11(SW2)を押すと撮影を開始し、レリーズ釦11(SW2)を押している間は露光し続け、レリーズ釦11(SW2)を離すと露光終了し、撮影中にシャッタースピードが決定できる。
【0032】
光源28は、RGBの平行光を束ねた光束を照射する。走査手段29は、MEMSミラーを設けており、光源28からの平行光を所定の角度で走査可能である。MEMSミラーにより走査された光束は残像現象により、画像として投影される。
【0033】
ハーフミラー30(光学素子)は、光束の一部を透過させ、または一部を反射させることが可能な構造であり、撮像手段3と撮影レンズユニット2との間に光軸に対して傾斜して配置されている。そして、撮影レンズユニット2(撮像光学系)を介して入射した光束を撮像手段3へ透過し、走査手段29により走査された光束を撮影レンズユニット2(撮像光学系)へ反射する。
【0034】
本発明の第1の実施形態に係る撮像手段3からのスルー画像をユーザーの網膜に投影する走査手段の構成例について図3を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る走査手段の構成例を示す概念図である。ハーフミラー30(光学素子)(光学素子)は、図3に示すように撮影レンズユニット2(撮像光学系)と撮像手段3の間に配置されている。
【0035】
図3(a)は、撮影レンズユニット2(撮像光学系)からの被写体像の結像光は撮像手段3へ透過させる場合の概念図である。ハーフミラー30(光学素子)は、撮影レンズユニット2(撮像光学系)を介して入射した光束を撮像手段3へ透過して結像させる。
【0036】
図3(b)は、光源28により照射された光束を被写体の網膜に結像させる場合の概念図である。
【0037】
前述したとおり本実施形態に係る撮像装置は、撮像手段3からのスルー画像を投影する光源28と、光源28からの光束を所定の角度で反射して走査する走査手段29とを有する。光源28から出力された光束を走査手段29により走査した光束を、ハーフミラーを介して撮影レンズユニット2(撮像光学系)へ導き被写体の網膜へ結像させることで画像を投影する。
【0038】
光源28は、表示制御部22により制御されて、画像情報を取得してその画像情報に基づくRGBの平行光を束ねた光束を照射可能である。本実施形態では、光源28は撮像手段3により生成されて画像処理回路19で画像処理されたスルー画像(ライブビュー画像)の画像情報を取得して光束として出力する。
【0039】
走査手段29は、光源28から照射された平行光を所定の角度で走査可能なMEMSミラーを設けており、照射する際には、微小駆動しながら、走査線として網膜に映像を投影する。MEMSミラーにより走査された光束は残像現象により、画像として投影可能である。
【0040】
図3(b)に示すように、走査手段29により走査された光束は、ハーフミラー30(光学素子)で反射して撮影レンズユニット2(撮像光学系)を介して被写体の網膜に結像することで投影される。ここで、走査手段29のMEMSミラーの回転中心は撮像レンズユニット2の結像位置と略同じ距離になるように配置されている。前述のように配置にすることにより、被写体の瞳に合焦させたときに、走査手段29からの走査された光束をハーフミラー30(光学素子)により反射させて被写体の瞳の網膜に投影可能になる。
【0041】
以上の構成により、被写体が撮像されたスルー画像を確認しながら、カメラ目線の画像を取得することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
つぎに第2の実施形態として、自分撮り時における撮像手段3からのスルー画像を、ユーザーの網膜に投影する走査手段の制御方法を図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る走査手段の制御方法の例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、システム制御回路11によって、各処理ブロックを制御し実行される処理手順を図示したものである。システム制御回路11が有するメモリ(ROM)に格納されているプログラムをメモリ(RAM)に展開し、CPUが実行することにより実現される。
【0043】
まず、ステップS101で電源を入れる(撮影モードに移行する)と、撮像手段3からのスルー画像を表示手段4により表示しながら撮影を行うライブビュー撮影を開始する。
【0044】
次にステップS102で、被写体認識によりユーザーが自分撮り撮影を行うかどうかのモード判定をする。システム制御回路11は自分撮り判定手段31を内包しており、例えば図5の(a)に示すように被写体認識13により事前に登録されたユーザーの顔が認識されると自分撮りを行うと自分撮り判定手段31により判定される。ここで被写体認識により自分撮り撮影を判定したがこれに限られない。例えば前述のようなユーザーの顔情報が登録されていない場合は、図5の(b)のように表示手段4の回転角に基づいて判断してもよい。表示手段4が可動式である場合に、表示手段4が被写体側から見える位置に回動された場合に自分撮りと判定してもよい。また、表示手段4の回転角だけでなく、被写体認識13による被写体認識と組み合わせて自分撮り判定手段31により自分撮りと判定されるように構成してもよい。また、ユーザ操作に応じて、例えば「自分撮りモード」のような自分撮りのための撮影モードに設定した場合に、自分撮りと判定する構成でもよい。自分撮りを行うと判定されない場合はステップS106へ進み、通常の撮影動作へ移行する。
【0045】
つぎにステップS103では、焦点検出手段12は被写体検出手段13により認識された被写体の目の位置の焦点検出を行い、その結果に基づいて撮影レンズユニット2(撮像光学系)内のレンズ駆動手段6によるフォーカスレンズ7の合焦駆動を行う。なお、ここで被写体検出手段13による被写体検出は、ステップS102の結果を用いてもよいし、改めて日射程検出を行ってもよい。
【0046】
ステップS104で表示装置4の表示を停止する。
【0047】
つぎにステップS105で表示制御部22は撮像手段3のスルー画像を光源28から出力し、走査手段29により走査された光束として被写体検出手段13により認識された被写体の目の位置に投影する。フォーカスレンズ7は被写体の目の位置に合焦しているため、フォーカスレンズ7を通った走査手段29からの光束は被写体の目の表面を回転中心として交わり、図3の(b)に示すようにスルー画像を網膜へ走査投影することができる。その結果、被写体は撮像レンズユニット2に目線を合わせながらスルー画像を確認することができる。
【0048】
ステップS106で撮影を実行して被写体の画像を取得する。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、撮像レンズユニット2からカメラ目線を外すことなく撮像手段3からのスルー画像を確認し、目線が合った自分撮り画像を得ることができる。
【0050】
(第3の実施形態)
つぎに第3の実施形態として、撮像手段3からのスルー画像を撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15に遮られずに走査手段29により被写体の網膜に投影する走査角度の制御方法について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置(カメラ1)の構成例を示すブロック図である。図6の撮像装置は、システム制御回路11は走査手段29の走査角度を制御する走査角度制御手段32を内包している。
【0051】
ここで図7は、本発明の第3の実施形態に係る走査手段の走査角度の例を示す概念図である。図7に示すように、走査手段29は光源28からの平行光を反射して所定の角度域で走査し撮像手段3からのスルー画像を投影するため、スルー画像の画角は撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15の開口径により遮られる。そのため、走査角度制御手段32は撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15のF値から走査手段29が光束を走査する角度を算出し、走査手段29の走査角度を制御する必要がある。
【0052】
例えば、図7の(a)に示すように撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15の開放F値がFとすると、走査手段29が走査する光束が絞り15に遮られない走査角度θは以下に示す式(1)により算出することができる。
θ=tan(1/F)・・・式(1)
【0053】
図7の(b)に示すようにユーザーが撮影時の設定で撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15のF値を開放値からF(>θ)に絞った場合、走査手段29が走査する光束が絞り15に遮られない走査角度θは以下の式(2)により算出される。
θ=tan(1/F)・・・式(2)
【0054】
すなわち、撮像手段3からのスルー画像の投影画角は開放絞りのときより小さくなる。よって、自分撮り時における撮像手段3からのスルー画像を投影する際は、撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15は開放値で制御されることが好ましい。
【0055】
つぎに図8のフローチャートを用いて走査角度制御手段32による走査角度の制御方法について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る走査手段の走査角度の制御方法の例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、システム制御回路11によって、各処理ブロックを制御し実行される処理手順を図示したものである。システム制御回路11が有するメモリ(ROM)に格納されているプログラムをメモリ(RAM)に展開し、CPUが実行することにより実現される。図8のステップS101、S102に関しては、それぞれ前述の第2の実施形態の図4のステップS101、S102と同様の処理のため説明を省略する。
【0056】
ステップS102で自分撮り撮影と判定されたときはステップS203へ進み、撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15を開放に制御する。
【0057】
つぎのステップS204、S205は、図4のステップS103、S104と同様の処理を行う。ステップS104で、焦点検出手段12は被写体検出手段13により認識された被写体の目の位置の焦点検出に基づいてレンズ駆動手段6によりフォーカスレンズ7の合焦駆動を行い、ステップS205で表示装置4の表示を停止する。
【0058】
つぎにS206で、走査角度制御手段32は撮影レンズユニット2(撮像光学系)の絞り15のF値(F)から、前述の式(2)に基づき走査手段29が光束を走査する角度(θ)を算出する。
【0059】
つぎにS207で、表示制御部22は撮像手段3のスルー画像を光源28から出力する。走査手段29は走査角度制御手段32により算出された角度(θ)内で光源28からの光束を走査し、被写体検出手段13により認識された被写体の目の位置にスルー画像を投影する。
【0060】
ステップS208で撮影を実行して被写体の画像を取得する。
【0061】
以上のように、本実施形態によれば、走査手段によって撮影レンズの絞りに遮られることなく、被写体が撮像レンズからカメラ目線を外さずに撮像手段からのスルー画像を確認しながら撮影し、被写体の目線が合った画像を得ることができる。
【0062】
以上が本発明の好ましい実施形態の説明であるが、本発明は、本発明の技術思想の範囲内において、上記実施形態に限定されるものではなく、対象となる回路形態により適時変更されて適応するべきものである。例えば、上述した実施形態で、撮像装置として説明したカメラは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに適用することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る撮像装置を構成する各手段および撮像装置の制御方法の各ステップは、コンピュータのメモリなどに記憶されたプログラムが動作することによっても実現できる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0064】
2 撮影レンズユニット
3 撮像手段
28 光源
29 走査手段
30 ハーフミラー
32 走査角度制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8