(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図7は従来の換気扇カバーを換気扇枠に対して取り付ける様子を示す概略斜視図であって、(1)は取付け前の状態であり、(2)は取付け状態である。
【0003】
図7を参照して、換気扇カバー71は、その中央部に不織布からなるフィルター73が取り付けられたアルミニウム箔成形体である換気扇カバー本体72からなる。換気扇カバー本体72の対向する両側部には係合部74が形成されている。係合部74には後述するフック部88を取り付けるための取付穴77が形成されている。又、換気扇カバー本体72は、その下方に接続され延伸する下方延長部75を備えている。下方延長部75にはフィルター73を正面視したときの左右方向に延びる罫線76a、76bが形成されており、下方延長部75は罫線76a、76bに沿って折り曲げ自在である。
【0004】
換気扇枠81は、壁90に対して脱着可能に取り付けられており、吸込口82の周囲を支持する正面部83と、正面部83の四方端部に接続され壁90側に延びる側壁84と、側壁84にその一方端部86が脱着自在に取り付けられたコイルスプリング85とから構成されている。又、コイルスプリング85の他方端部87には、フック部88が形成されている。特許文献1には、このようなコイルスプリング等を用いた換気扇カバーの取付具に関する技術が開示されている。
【0005】
換気扇カバー71の取付けに際しては例えば、まず換気扇枠81を壁90から取り外し、取り外された換気扇枠81の対向する側壁84端部を挟着するようにして一対の薄板ピース79を取り付け、薄板ピース79にコイルスプリング85を取り付ける。次に、
図7の(1)で示すように換気扇カバー71の上方端部78を換気扇枠81の上方側壁89に沿わせるように重ね合わせた後、
図7の(1)の一点鎖線の矢印で示すように、換気扇カバー71全体を換気扇枠81を覆うように嵌め込む。次に、コイルスプリング85のフック部88を取付穴77に掛合させる。そして、下方延長部75を罫線76a、76bに沿って換気扇枠81側に折り曲げ、換気扇枠81の下方側壁80を覆う。このようにして換気扇カバー71は換気扇枠81に脱着自在に取り付けられ、フィルター73により吸込口82に流入する空気を濾過し、吸込口82内部の換気扇の油汚れ等を防止する。
【0006】
又、経時使用に伴ってフィルター73が汚れた場合は、フック部88を取付穴77から外すことで、容易に換気扇カバー71を換気扇枠81から取り外して交換することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような従来の換気扇カバー71では、換気扇枠81への取付けに際してまず換気扇枠81を壁90から取り外す等の手間が必要であり、煩雑であった。又、換気扇枠81は高所に取り付けられていることが多く、その場合は作業箇所である換気扇枠81の側壁84が視認し難かったり足場を用意する必要があったりする等、更に煩雑であった。そのため、より簡便に取り付けられる換気扇カバーが待望されていた。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡便に取り付けられる換気扇カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、換気扇枠に取り付けられる換気扇カバーであって、
その表面から換気扇枠と反対方向に凹部が形成されている換気扇カバー本体と、凹部内部に設けられ、換気扇枠と換気扇カバー本体とを脱着自在に当接状態に固定することができる固定手段とを備え
、固定手段は、換気扇枠における換気扇カバー本体の凹部に対応する位置の表面に設置することができる接合部と、凹部に設置されると共に接合部と接合することができる被接合部とを含み、凹部の陥没方向長さは、接合部の厚さと被接合部の厚さとの合計長さと同一であるものである。
【0011】
このように構成すると、固定状態において固定手段が凹部に収納される。
又、換気扇枠に接合部を設置すると共に換気扇カバーに被接合部を設置し、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることで換気扇カバーは換気扇枠に固定される。
【0014】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載の発明の構成において、接合部及び被接合部は、一方が第1の磁石であり、他方が第1の磁石と接合可能な磁性体であるものである。
【0015】
このように構成すると、換気扇カバーの換気扇枠に対する固定が磁力によるものとなる。
【0016】
請求項
3記載の発明は、請求項
2記載の発明の構成において、接合部は、凹部内部に嵌まり込み、磁性体は、第2の磁石であって、第1の磁石及び第2の磁石は、換気扇カバーを換気扇枠に取り付ける方向視において互いに同一の形状であり、且つ、形状が上下180°回転させた時に不一致となる形状であるものである。
【0017】
このように構成すると、第1の磁石及び第2の磁石について取り付けるべき方向を示唆する。
【0018】
請求項
4記載の発明は、その少なくとも一部の表面に固定手段の一方が設置された換気扇枠に取り付けられる換気扇カバーであって、換気扇枠に取り付けられる際に固定手段の一方に対応する位置に、
その表面から換気扇枠と反対方向に凹部が形成されている換気扇カバー本体と、凹部に設置することができる固定手段の他方とを備え、固定手段の一方と他方とが接合することにより、換気扇枠に脱着自在に当接状態に固定することができ
、固定手段は、換気扇枠における換気扇カバー本体の凹部に対応する位置の表面に設置することができる接合部と、凹部に設置されると共に接合部と接合することができる被接合部とを含み、凹部の陥没方向長さは、接合部の厚さと被接合部の厚さとの合計長さと同一であるものである。
【0019】
このように構成すると、換気扇カバーに固定手段の他方を固定し、換気扇枠に接合させることで、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることができる。
又、換気扇枠に接合部を設置すると共に換気扇カバーに被接合部を設置し、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることで換気扇カバーは換気扇枠に固定される。
【0020】
請求項
5記載の発明は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載の発明の構成において、換気扇カバー本体は、その素材がポリ塩化ビニルであるものである。
【0021】
このように構成すると、難燃性の換気扇カバーとなる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、固定状態において固定手段が凹部に収納されるため、換気扇カバーの取付けが簡便になると共に、取付け状態が安定する。
又、換気扇枠に接合部を設置すると共に換気扇カバーに被接合部を設置し、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることで換気扇カバーは換気扇枠に固定されるため、換気扇カバーの取付けが簡便となる。
【0024】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載の発明の効果に加えて、換気扇カバーの換気扇枠に対する固定が磁力によるものとなるため、経時使用による性能劣化が軽減され、長期安定性が向上する。
【0025】
請求項
3記載の発明は、請求項
2記載の発明の効果に加えて、第1の磁石及び第2の磁石について取り付けるべき方向を示唆するため、換気扇カバーの設置の際の第1の磁石及び第2の磁石の位置ずれを防止する。
【0026】
請求項
4記載の発明は、換気扇カバーに固定手段の他方を固定し、換気扇枠に接合させることで、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることができるため、換気扇カバーの取付けが簡便になる。
又、換気扇枠に接合部を設置すると共に換気扇カバーに被接合部を設置し、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることで換気扇カバーは換気扇枠に固定されるため、換気扇カバーの取付けが簡便となる。
【0027】
請求項
5記載の発明は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、難燃性の換気扇カバーとなるため、高温に達することのある換気扇に対しても好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はこの発明の第1の実施の形態による換気扇カバーの全体形状を示す正面図であり、
図2は
図1で示した換気扇カバーの換気扇枠に対する取付け前後の様子を示す右側面図であって、(1)は取付け前の状態であり、(2)は取付け状態である。
【0030】
尚、本明細書において、上下左右方向とは、
図1に示すような正面方向(換気扇カバーを換気扇枠に取り付ける方向)視における上下左右方向をいう。又、前方向(表方向)とは、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けた取付け状態を基準として、換気扇枠に対する換気扇カバー方向をいい、逆を後方向(裏方向)という。
【0031】
まず
図1を参照して、換気扇カバー1は、正面視略矩形状であって、その中央部に不織布からなるフィルター3が取り付けられた換気扇カバー本体2からなる。換気扇カバー本体2は、ポリ塩化ビニルのシートを真空成形してなり、フィルター3が取り付けられる開口4を除いた部分は厚み1mm程度である。又、換気扇カバー本体2の外周全縁には、折り曲げ自在な罫線6a〜6dを介して接続され外方に延びる延長部7(左方延長部7a、上方延長部7b、右方延長部7c、下方延長部7d)が形成されている。又、下方延長部7dには更に、左右方向に横断するように延びる罫線6eが形成されている。延長部の効果については後述する。
【0032】
又、換気扇カバー本体2には、その四隅に、取付け状態を基準として図示しない換気扇枠と反対方向(前方向)に凹む凹部9a〜9dが形成されている。
図2の(1)を併せて参照して、凹部9b内部には固定手段の一方としての縦長矩形シート状の第1の磁石10bが嵌まり込むように両面テープを用いて設けられ、同様に凹部9c内部には第1の磁石10cが設けられ、
図1に示した凹部9a、9dの各々の内部にも同様に第1の磁石10a、10dの各々が設けられている。又、
図2の(2)を参照して、取付け状態において換気扇枠81の表面の第1の磁石10b、10cの各々に対応する位置(正面視において第1の磁石及び第2の磁石の少なくとも一部が重複する位置)には、あらかじめ第2の磁石11a、11bの各々が両面テープにより設置されている。そのため、
図2の一点鎖線の矢印で示すように、第1の磁石10b、10cの各々と第2の磁石11a、11bの各々とが重なるように換気扇カバー1を換気扇枠81に近づけることで磁力により脱着自在に取り付けることができる。換気扇カバー1の取付け後、上方延長部7b及び下方延長部7dの各々を、罫線6b、6dに沿って換気扇枠81側に折り曲げることで、換気扇枠81の上方側壁89及び下方側壁80の各々の少なくとも一部を覆うように取り付けることができる。尚、上述したように下方延長部7dには左右方向に横断するように延びる罫線6eが形成されているため、下方側壁80が平坦でない場合にも換気扇カバー1が下方側壁80に沿うように調整することができる。
【0033】
次に、この換気扇カバー1の取付けについてより詳細に説明する。
【0034】
図3は
図2で示したX部分の概略拡大断面図であって、(1)は取付け前の状態であり、(2)は取付け状態である。
【0035】
図3を参照して、上述したように、
図3の(1)で示すようにその凹部9b内部に第1の磁石10bが設けられた換気扇カバー1を、
図3の実線の矢印で示すように換気扇枠81に取り付けることで、
図3の(2)で示す取付け状態となる。
【0036】
そして、
図3の(2)の取付け状態において、凹部9bの陥没方向長さD
1、換言すれば凹部9bの裏面12(換気扇枠81方向の面)から換気扇枠81の表面13(換気扇カバー1方向の面)までの長さD
1は、第1の磁石10bの陥没方向長さ(即ち、厚さ)D
2と第2の磁石11aの陥没方向長さ(即ち、厚さ)D
3との合計長さと略同一(D
1=D
2+D
3)に設定されている。これによって、凹部を有さない換気扇カバーの場合には、換気扇カバー本体が換気扇枠に対して固定手段の厚さの分浮き上がってしまいフィルターを介さず吸込口に空気が流入する虞があるが、本発明の換気扇カバー1は凹部9により、換気扇枠81と換気扇カバー本体2とを当接状態に固定することができるものである。
【0037】
更に、取付け状態において、第1の磁石10b及び第2の磁石11aは凹部9bに覆われ保護される状態となるため、第1の磁石10b及び第2の磁石11aが外部からの不意の衝撃により不用意に脱落する虞を減少させ、取付け状態の安定性が向上したものである。
【0038】
このようにして、換気扇枠81と反対方向に凹部9が形成されている換気扇カバー本体2と、凹部9内部に設けられ、換気扇枠81と換気扇カバー本体2とを脱着自在に当接状態に固定することができる固定手段(第1の磁石10及び第2の磁石11)と、換気扇枠81とからなる換気扇カバー構造体15が構成される。これによって、換気扇枠に対して換気扇カバーが簡便且つ安定的に取り付けられ、図示しない吸込口から流入する空気を換気扇カバーのフィルターが濾過する。
【0039】
以上説明したように、換気扇カバー1は、固定手段(第1の磁石10及び第2の磁石11)により換気扇枠81に取り付けることができ、その際に固定手段(第1の磁石10及び第2の磁石11)を凹部9内部に設けたことにより換気扇枠81と換気扇カバー1とを当接状態に固定することができる。即ち、固定状態において固定手段が凹部に収納される。これによって、換気扇カバーの取付けが簡便になると共に、取付け状態が安定するものである。
【0040】
ここで、換気扇枠には、取付け状態を基準として換気扇カバーの方向に突出する突起が形成されていることがある。突起が微小でなく換気扇カバー本体の撓みにより吸収できない程度に大きい場合には換気扇カバーの取付けを阻害する虞があるため問題となる。このような問題も解決可能なこの発明の第2の実施の形態について以下説明する。
【0041】
図4はこの発明の第2の実施の形態による換気扇カバーの全体形状を示す正面図であり、
図1に対応するものである。又、
図5は
図4で示した換気扇カバーの換気扇枠に対する取付け前後の様子を示す右側面図であって、
図2に対応するものであり、(1)は取付け前の状態であり、(2)は取付け状態である。
図6は
図5で示したY部分の概略拡大断面図であって、
図3に対応するものであり、(1)は取付け前の状態であり、(2)は取付け状態である。
【0042】
第2の実施の形態に係る換気扇カバー21の基本的な構成は、上述した第1の実施の形態に係る換気扇カバー1と同様であるため、相違点を中心に以下説明する。
【0043】
これらの図を参照して、換気扇カバー本体22には、その四隅に、取付け状態を基準として換気扇枠61の方向(後方向)に凸状の凸部29a〜29dが形成されている。又、凸部29a〜29dの各々の先端部表面には、第1の磁石30a〜30dの各々が両面テープを用いて設置されている。
【0044】
又、換気扇カバー21を取り付ける換気扇枠61には、換気扇カバー21の方向に突出する突起62が形成されている。
【0045】
そして、
図6の(2)の取付け状態において、換気扇カバー本体22から換気扇枠61までの長さD
4、即ち、凸部29bの突出方向の長さ(換気扇カバー本体22の裏面32から凸部29bの表面までの長さ)D
5、第1の磁石30bの突出方向の長さD
6、及び、第2の磁石31aの突出方向の長さD
7の合計長さ(D
4=D
5+D
6+D
7)は、突起62の突出方向の長さD
8を超える(D
4≧D
8)ように設定されている。そのため、換気扇カバー本体22の裏面32に突起62が接触する虞が減少する。このように、凸部を有さない換気扇カバーの場合には突起62に接触し取付けが阻害される虞があったが、換気扇カバー21は凸部29を備えることによって、換気扇カバー21を換気扇枠61に対して浮き上がらせるように脱着自在に固定することができるものである。
【0046】
又、換気扇カバー21は、換気扇カバー本体22の外周全縁に接続され、換気扇枠61の側壁(例えば上方側壁63)を覆うことのできる延長部27(例えば
図6の(2)に示した取付け状態において上方側壁63を覆う上方延長部27b)を備える。そのため、換気扇カバー21のフィルター23を介さず図示しない吸込口に空気が流入する虞が減少する。
【0047】
このようにして、換気扇枠61の方向に凸部29が形成されている換気扇カバー本体22と、凸部29に設けられ、換気扇枠61と換気扇カバー本体22とを脱着自在に固定することができる固定手段(第1の磁石30及び第2の磁石31)と、換気扇カバー本体22の外周全縁に接続され、換気扇枠61の側壁を覆うことができる延長部27とからなる換気扇カバー構造体35が構成される。これによって、突起が形成された換気扇枠に対して換気扇カバーが簡便に取り付けられ、図示しない吸込口から流入する空気を換気扇カバーのフィルターが濾過する。
【0048】
以上説明したように、換気扇カバー21にあっては、換気扇カバー21を固定手段(第1の磁石30及び第2の磁石31)により換気扇枠61に取り付けることができるため、換気扇カバーの取付けが簡便になる。又、換気扇枠61に突起62が形成されている場合にも第1の磁石30と第2の磁石31とを接近させ易くなるため、換気扇枠に対する機種適合性が向上する。更に、固定手段がシート状の第1の磁石及び第2の磁石であって、これらを凹部内部に嵌まり込むように設けた場合には、設置の方向が相違すると正確な位置で接合しない場合があったが、換気扇カバー21にあっては多少位置ずれを起こしても取付けを完了させることができ、位置ずれに係る許容範囲が大きくなるため、第1の磁石と第2の磁石との方向決めの必要性が減少し、使用勝手が向上する。
【0049】
尚、上記の各実施の形態では、フィルターは不織布からなるものであったが、他の素材であっても良い。又、フィルターが無く、単に換気扇枠を覆う換気扇カバーであっても本発明を同様に適用することができる。
【0050】
又、上記の各実施の形態では、換気扇カバー本体はポリ塩化ビニルからなるものであったが、他の素材であっても良い。例えば他の合成樹脂や、アルミニウム箔成形体であっても良い。但し、ポリ塩化ビニルである場合、難燃性の換気扇カバーとなるため、高温に達することのある換気扇に対しても好適に使用でき好ましい。
【0051】
更に、上記の各実施の形態では、換気扇カバー本体には折り曲げ自在な罫線が形成され、取付け前には平坦な状態であったが、取付け前から折り曲げられ隣接する延長部の端部同士が接続されていても良い。又、罫線が形成されていなくとも良い。
【0052】
更に、上記の第1の実施の形態では、延長部が形成されていたが、延長部の1つ又は全部が形成されていなくとも良い。
【0053】
更に、上記の各実施の形態では、換気扇カバー本体は特定形状であったが、他の形状であっても良い。
【0054】
更に、上記の各実施の形態では、第1の磁石が凹部内部又は凸部の特定位置に設けられていたが、凹部内部又は凸部の他の位置に設けられていても良い。
【0055】
更に、上記の各実施の形態では、第2の磁石が取付け前にあらかじめ換気扇枠の表面に設置されていたが、他の取付方法であっても良い。例えば、第1の磁石の換気扇枠側に第2の磁石を付けると共に第2の磁石の換気扇枠側に両面テープを貼付しておき、換気扇枠に対して換気扇カバーを取り付ける際に同時に第2の磁石を換気扇枠の表面に設置する方法でも良い。
【0056】
更に、上記の各実施の形態では、固定手段として第1の磁石及び第2の磁石が用いられていたが、他の固定手段であっても良い。例えば面ファスナーのように、固定手段の一方を換気扇枠における換気扇カバー本体の凹部又は凸部に対応する位置の表面に設置することができる接合部とし、固定手段の他方を凹部又は凸部に設置されると共に接合部と接合することができる被接合部としても良い。このように構成することで、換気扇枠に接合部を設置すると共に換気扇カバーに被接合部を設置し、換気扇カバーを換気扇枠に取り付けることで換気扇カバーは換気扇枠に固定される。そのため、換気扇カバーの取付けが簡便になると共に、換気扇枠に接合部を設置した状態を維持しながら換気扇カバーを取り外し、接合部の位置決めの必要なく交換することが同様に容易となる。
【0057】
更に、上記の各実施の形態では、被接合部(固定手段の一方)として第1の磁石が、又、接合部(固定手段の他方)として第2の磁石が用いられていたが、第2の磁石に代えて鉄板等の他の磁性体を用いても良い。又、第1の磁石と磁性体とは互いに位置関係を入れ替えても良い。
【0058】
尚、上述した接合部及び被接合部は、一方が第1の磁石であり、他方が第1の磁石と接合可能な磁性体であることが好ましい。このように構成することで、換気扇カバーの換気扇枠に対する固定が磁力によるものとなるため、経時使用による性能劣化が軽減され、長期安定性が向上する。
【0059】
更に、上記の各実施の形態では、第1の磁石及び第2の磁石が特定形状であったが、他の形状であっても良い。例えば、換気扇カバーを換気扇枠に取り付ける方向視(正面視)において互いに同一の形状であり、且つ、その形状が上下180°回転させた時に不一致となる形状である五角形状のもの等が挙げられる。このように構成することで、第1の磁石及び第2の磁石について取り付けるべき方向を示唆するため、換気扇カバーの設置の際の第1の磁石及び第2の磁石の位置ずれを防止することができる。
【0060】
更に、上記の各実施の形態では、第1の磁石が凹部内部の表面に対して両面テープを用いて嵌まり込むように設置されていたが、嵌まり込むように設置されていなくとも良い。例えば、凹部が第1の磁石又は第2の磁石よりも大きく形成されていても良い。又、設置の手段は両面テープに限定されず、他の物理的又は化学的方法であっても良い。例えば接着剤を用いる方法や、設置箇所周辺に突起体を形成し第1の磁石が突起体を乗り越えることで位置を固定する方法等が挙げられる。尚、換気扇カバーの交換を容易とする観点から、第1の実施の形態のように、換気扇カバーに対する第1の磁石(被接合部)の固定強度及び換気扇枠に対する第2の磁石(接合部)の固定強度は、第1の磁石と第2の磁石とが引き合う力(接合部及び被接合部による接合強度)よりも強いことが好ましい。
【0061】
更に、上記の第1の実施の形態では、
図3に示したD
1=D
2+D
3となるように凹部の陥没方向長さが設定されていたが、換気扇カバーの取付けが可能であれば第1の磁石と第2の磁石とが磁力が生じる程度に離間する寸法関係(D
1>D
2+D
3)であっても良い。又、第1の磁石及び第2の磁石がより厚い場合や換気扇枠の表面に凹凸がある場合等、換気扇カバーが換気扇枠に対して離間する寸法関係(D
1<D
2+D
3)であっても良く、実質的に吸込口に流入する空気がフィルターにより濾過されるように設定されていればこれらの場合も当接状態に含む。
【0062】
更に、上記の各実施の形態では、凹部又は凸部が複数形成されていたが、少なくとも1つあれば良く、又その位置、範囲及び大きさは適宜変更することができる。
【0063】
更に、上記の第2の実施の形態では、換気扇枠に突起が形成されていたが、突起が形成されていない換気扇枠に対しても同様に換気扇カバーを取り付けることができる。
【0064】
更に、上記の第2の実施の形態では、取付け状態において、凸部及び固定手段の突出方向の合計長さが突起の突出方向の長さを超えるように設定されていたが、このように設定されていなくとも凸部を有していれば換気扇カバーの取付けが突起に阻害される虞は減少する。
【0065】
更に、上記の第2の実施の形態では、凸部を有することで固定手段の位置は第1の実施の形態と同様に維持しておきながら換気扇カバー本体と換気扇枠の突起との接触を回避していたが、突起により換気扇カバーが換気扇枠に対して浮き上がる等して換気扇カバーとしての機能を阻害される虞を他の方法により解決しても良い。例えば、換気扇カバー本体を突起に接触しないような形状となるように折り曲げ可能な複数の罫線を形成すること、換気扇カバーにおける突起に対応する位置に、換気扇枠と反対方向に凹状の凹部を突起を覆うように形成すること、当該位置に開口を形成すること、当該位置に十字型の切れ込みを形成すること等が挙げられる。
【0066】
更に、上記の各実施の形態では、延長部が換気扇枠の上方側壁等を覆っていたが、側壁を覆うとは、側壁の全面を覆っている必要は無く、使用時に吸込口へ流入する空気が実質的にフィルターを通過するように換気扇枠の吸込口周囲の表面を覆うように構成すれば良く、例えば特定の側壁とこれに隣接する側壁の接続部である角部のみ換気扇カバーが接していない場合も側壁を覆っている状態に含まれる。