特許第6983537号(P6983537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983537
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】フレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20211206BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20211206BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20211206BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20211206BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20211206BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G09F9/30 348A
   G09F9/30 308Z
   G02F1/1345
   G02F1/1333 505
   H01L27/32
   H05B33/14 A
   H05B33/06
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-97183(P2017-97183)
(22)【出願日】2017年5月16日
(65)【公開番号】特開2018-194641(P2018-194641A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 安
(72)【発明者】
【氏名】山口 一
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0204183(US,A1)
【文献】 特開平08−166581(JP,A)
【文献】 米国特許第09276055(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 − 9/46
G02F 1/1345
G02F 1/1333
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 − 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子が配置された第1領域と、パッド領域と、前記第1領域と前記パッド領域との間に位置する折り曲げ領域と、を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に形成され前記第1領域から前記パッド領域に延在する複数の配線と、
前記折り曲げ領域において、前記絶縁基板及び前記複数の配線の上に位置し有機絶縁材料で形成された第1保護膜と、
前記折り曲げ領域において、前記第1保護膜の上に前記第1保護膜とは異なる有機絶縁材料で形成された第2保護膜と、を備え、
前記第1保護膜のガラス転移温度は、前記第2保護膜のガラス転移温度より高く、
前記第1保護膜は、前記第1領域から前記パッド領域に亘って設けられ、
前記第2保護膜は、前記第1領域及び前記パッド領域には設けられておらず、
前記第1保護膜の前記複数の配線の延在方向と交差する方向における端部は、前記第2保護膜によって覆われており、
前記第2保護膜の前記複数の配線の延在方向と交差する方向における端部は、前記絶縁基板と接している、
レキシブル基板。
【請求項2】
前記第1保護膜の前記ガラス転移温度は、−40℃未満、又は85℃を超えている、
請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記複数の配線は、前記折り曲げ領域にて屈曲部を有する、
請求項1又は2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
さらに、前記絶縁基板の上に形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に形成された第2絶縁層と、を有し、
前記複数の配線は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は無機絶縁層である、請求項4に記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記折り曲げ領域において、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれ前記複数の配線と実質同一の形状を有している、
請求項4又は5に記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
前記折り曲げ領域において、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記複数の配線の配線毎に分離して形成されている、請求項4乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項8】
前記第1保護膜は、前記複数の配線の配線毎に分離して形成されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フレキシブルな基板を用いたシート状の表示装置の製品化が進められている。このような表示装置は、軽量かつ薄型の表示装置として注目されている。上記のフレキシブルな基板には、例えば、PI膜(ポリイミド前駆体含有溶液の塗膜からなるポリイミドフィルム)が使用されている。表示装置を狭額縁化するために、上記のフレキシブルな基板は、上記基板が折り曲げられた状態で電子機器等に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−232300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、製造歩留まりの高いフレキシブル基板を提供する。又は、本実施形態は、折り曲げ領域に信頼性の高い配線を有するフレキシブル基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るフレキシブル基板は、
複数のスイッチング素子が配置された第1領域と、パッド領域と、前記第1領域と前記パッド領域との間に位置する折り曲げ領域と、を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の上に形成され前記第1領域から前記パッド領域に延在する複数の配線と、前記折り曲げ領域において、前記絶縁基板及び前記複数の配線の上に位置し有機絶縁材料で形成された第1保護膜と、前記折り曲げ領域において、前記第1保護膜の上に前記第1保護膜とは異なる有機絶縁材料で形成された第2保護膜と、を備え、前記第1保護膜のガラス転移温度は、前記第2保護膜のガラス転移温度より高く、前記第1保護膜は、前記第1領域から前記パッド領域に亘って設けられ、前記第2保護膜は、前記第1領域及び前記パッド領域には設けられておらず、前記第1保護膜の前記複数の配線の延在方向と交差する方向における端部は、前記第2保護膜によって覆われており、前記第2保護膜の前記複数の配線の延在方向と交差する方向における端部は、前記絶縁基板と接している
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した表示装置の表示領域を示す断面図である。
図3図3は、図1に示した表示装置を示す他の断面図であり、非表示領域などを示す図である。
図4図4は、上記表示装置を示す断面図であり、表示パネルの折り曲げ領域が折り曲がっている状態を示す図である。
図5図5は、上記表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図6図6は、図5の線VI−VIに沿った第1基板を示す断面図である。
図7図7は、上記第1の実施形態の変形例1に係る表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図8図8は、上記第1の実施形態の変形例2に係る表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図9図9は、上記第1の実施形態の変形例3に係る表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図10図10は、上記第1の実施形態の変形例4に係る表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図11図11は、上記第1の実施形態の変形例5に係る表示パネルの第1基板の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域などを示す図である。
図12図12は、上記第1の実施形態の変形例6に係る表示パネルの第1基板の折り曲げ領域を示す断面図である。
図13図13は、上記第1の実施形態の変形例7に係る表示パネルの第1基板の折り曲げ領域を示す断面図である。
図14図14は、第2の実施形態に係る表示装置を示す断面図であり、非表示領域などを示す図である。
図15図15は、上記第2の実施形態に係る表示パネルの第1基板の折り曲げ領域を示す断面図である。
図16図16は、上記第2の実施形態の変形例1に係る表示パネルの第1基板の折り曲げ領域を示す断面図である。
図17図17は、上記第2の実施形態の変形例2に係る表示パネルの第1基板の折り曲げ領域を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態及び変形例について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、第1方向X及び第2方向Yは互いに直交している。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交している。なお、本実施形態と異なり、第1方向X及び第2方向Yは、90°以外の角度で交差していてもよい。以下、本実施形態において、表示装置が有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro-Luminescent)表示装置である場合について説明する。
【0010】
本実施形態においては、第1基板SUB1から偏光板POLに向かう側(第3方向Zの矢印の先端に向かう方向)を上と定義し、偏光板POLから第1基板SUB1に向かう側(第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向)を下と定義する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。
【0011】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、配線基板1と、配線基板2と、を備えている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された偏光板POLと、支持部材5と、を備えている。本実施形態において、表示パネルPNLは、電気光学素子としての有機EL素子OLEDを有する有機EL表示パネルである。
【0012】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの外側の非表示領域NDAと、を備えている。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに並べられ、マトリクス状に設けられている。
【0013】
第1基板SUB1は、偏光板POLと重なる領域よりも外側に位置したパッド領域MTを有している。より具体的には、第1基板SUB1の3つの側縁は、第3方向Zにおいて、偏光板POLの3つの側縁とそろっている。第1基板SUB1の第1方向Xに平行な側縁の長さは、偏光板POLの第1方向Xに平行な側縁の長さと実質等しい。また、第1基板SUB1の第2方向Yに平行な側縁の長さは、偏光板POLの第2方向Yに平行な側縁の長さより大きい。つまり、第1基板SUB1のX−Y平面に平行な面積は、偏光板POLのX−Y平面に平行な面積より大きい。ここで、X−Y平面は、第1方向Xと第2方向Yとで規定される平面である。
【0014】
図示した例では、配線基板1は、非表示領域NDAにおいて、パッド領域MT上に実装されている。図示した例では、配線基板1の第1方向Xに平行な側縁の長さは、第1基板SUB1及び偏光板POLの第1方向Xに平行な側縁の長さに比べて小さいが、同等であってもよい。配線基板1は、表示パネルPNLに連結されている。配線基板2は、配線基板1の下に配置され、配線基板1に連結されている。
配線基板1,2は、例えば可撓性を有するフレキシブル基板である。なお、本実施形態で適用可能なフレキシブル基板とは、その少なくとも一部分に、屈曲可能な材料によって形成されたフレキシブル部を備えていればよい。
【0015】
ここで、本実施形態においては、表示装置DSPは、電子機器等の筐体に収容される際に折り曲げられる領域である折り曲げ領域BAを有している。図中、折り曲げ領域BAに斜線を付している。すなわち、配線基板1及び配線基板2が表示領域DAの下側に配置されるように、折り曲げ領域BAが折り曲げられる。折り曲げ領域BAは、非表示領域NDA内に位置している。
支持部材5は、表示パネルPNLの下に位置し第1基板SUB1に貼り付けられている。なお、支持部材5は、第3方向Zに折り曲げ領域BAと対向する位置には配置されていない。また、第1絶縁基板10は、表示領域DAと、折り曲げ領域BAと、パッド領域MTと、を有している。
【0016】
図2は、図1に示した表示装置DSPの表示領域DAを示す断面図である。
図2に示すように、第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、複数のスイッチング素子SW、複数の光反射層4、複数の有機EL素子OLED、封止層41、支持部材5などを備えている。上記画素PXは、複数の副画素SPXを有している。本実施形態では、画素PXは、3個の副画素SPXを有している。各副画素SPXは、単個のスイッチング素子SW、単個の有機EL素子OLEDなどを備えている。図2の説明において、単個の副画素SPXの構成について説明するが、他の副画素SPXの構成も同様である。
【0017】
第1絶縁基板10は、有機絶縁材料を用いて形成され、例えば、ポリイミド(PI)を用いて形成される。このため、第1絶縁基板10を、有機絶縁基板(樹脂基板)と称した方が適当な場合があり得る。又は、第1絶縁基板10を、絶縁層、有機絶縁層、又は樹脂層と称した方が適当な場合があり得る。第1絶縁基板10は、第1面10Aと、第1面10Aとは反対側の第2面10Bとを有している。第1絶縁基板10は、第1絶縁膜11によって覆われている。
【0018】
スイッチング素子SWは、第1絶縁膜11の上に形成されている。図示した例では、スイッチング素子SWは、トップゲート型の薄膜トランジスタで構成されているが、ボトムゲート型の薄膜トランジスタで構成されていてもよい。スイッチング素子SWは、第1絶縁膜11の上に形成された半導体層SCを備えている。半導体層SCは、第2絶縁膜12によって覆われている。また、第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上にも配置されている。
【0019】
スイッチング素子SWのゲート電極WGは、第2絶縁膜12の上に形成され、半導体層SCの直上に位置している。ゲート電極WGは、第3絶縁膜13によって覆われている。また、第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12の上にも配置されている。
このような第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、及び、第3絶縁膜13は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの無機絶縁材料によって形成されている。
【0020】
スイッチング素子SWのソース電極WS及びドレイン電極WDは、第3絶縁膜13の上に形成されている。ソース電極WS及びドレイン電極WDは、それぞれ第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを通して半導体層SCと電気的に接続されている。スイッチング素子SWは、第5絶縁膜15によって覆われている。第5絶縁膜15は、第3絶縁膜13の上にも配置されている。このような第5絶縁膜15は、例えば、透明な樹脂等の有機絶縁材料によって形成されている。
【0021】
光反射層4は、第5絶縁膜15の上に配置されている。光反射層4は、アルミニウムや銀等の光反射率の高い金属材料で形成される。なお、光反射層4の表面(つまり、偏光板POL側の面)は、平坦面であってもよいし、光散乱性を付与するための凹凸面であってもよい。
【0022】
有機EL素子OLEDは、第5絶縁膜15の上に形成されている。図示した例では、有機EL素子OLEDはスイッチング素子SWと電気的に接続されている。例えば、画素PXは、赤色光を放射する有機EL素子OLEDと、緑色光を放射する有機EL素子OLEDと、青色光を放射する有機EL素子OLEDと、を有している。但し、有機EL素子OLEDが放射する光の色は本実施形態に限定されるものではなく種々変形可能である。
なお、本実施形態と異なり、有機EL素子OLEDは、白色光を放射するように構成されていてもよい。この場合、表示パネルPNLは、カラーフィルタを備えていてもよい。
【0023】
有機EL素子OLEDは、光反射層4の上に形成された画素電極PEを備えている。画素電極PEは、例えば、アルミニウム、銀などの金属材料やインジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0024】
第5絶縁膜15及び画素電極PEの上には、隔壁絶縁層17が設けられている。隔壁絶縁層17には、画素電極PEに対応した位置に貫通孔が設けられているか、或いは、画素電極PEが形成する列又は行に対応した位置にスリットが設けられている。ここでは、一例として、隔壁絶縁層17は、画素電極PEに対応した位置に貫通孔を有している。
【0025】
有機EL素子OLEDは、さらに、有機発光層ORG及び共通電極CEを備えている。画素電極PE及び共通電極CEのうち、一方が陽極であり、他方が陰極である。有機発光層ORGは、画素電極PEの上に位置している。
【0026】
共通電極CEは、有機発光層ORG及び隔壁絶縁層17の上に位置している。共通電極CEは、例えば、ITO、IZOなどの透明な導電材料によって形成されている。図示した例では、有機EL素子OLEDは、それぞれ隔壁絶縁層17によって区画されている。なお、図示しないが、有機EL素子OLEDは、透明な封止膜によって封止されていることが望ましい。
なお、本実施形態と異なり、有機EL素子は、第1絶縁基板10の側に向かって光を放射するいわゆるボトムエミッションタイプとして構成されてもよい。この場合、光反射層4の位置など、種々調整される。
【0027】
封止層41は、酸素や水分の侵入を抑制するため、有機EL素子OLEDを覆い、素子の劣化を防止している。なお、封止層41は、無機膜と有機膜の積層体から構成されていてもよい。偏光板POLは、接着層AD5を介して封止層41の上に配置されている。
【0028】
支持部材5は、樹脂フィルムであり、第1基板SUB1の下に配置されている。支持部材5は、第1絶縁基板10の第2面10Bに接着層AD2によって接着されている。支持部材5の材料としては、例えば、耐熱性、ガス遮断性、防湿性、強度に優れ、尚且つ安価な材料が好ましい。支持部材5は、例えば、表示装置DSPを製造する過程でのプロセス温度にて変質、変形しない程度の耐熱性を有する。また、支持部材5は、例えば、第1絶縁基板10より大きな強度を有し、支持層として機能する。支持部材5を付加することにより、表示パネルPNLは、外部からの応力がかからない状態にて湾曲し難くなる。また、支持部材5は、例えば、第1絶縁基板10への水分等の侵入を抑制する防湿性やガスの侵入を抑制するガス遮断性等を有し、バリア層として機能する。本実施形態においては、支持部材5は、例えば、ポリエチレンテレフタラートを用いて形成されたフィルムである。
なお、図1に示した画素PXは、例えば、カラー画像を構成する最小単位であり、上記の有機EL素子OLEDを備えている。
【0029】
図3は、図1に示した表示装置DSPを示す他の断面図であり、非表示領域NDAなどを示す図である。
図3に示すように、支持部材5は、第1部分5aと、第1部分5aに間隔を置いて配置された第2部分5bと、を有している。また、表示パネルPNLは、第1領域AR1と、第1領域AR1に隣接する第2領域AR2と、第2領域AR2に隣接する第3領域AR3と、を有している。第2領域AR2は、第1領域AR1と第3領域AR3との間に位置している。
【0030】
ここで、本実施形態においては、偏光板POLから第1基板SUB1を見ることを平面視と定義する。第1領域AR1は、平面視で第1部分5aと重なる領域に相当する。第2領域AR2は、平面視で支持部材5が配置されていない領域に相当する。図1にも示した折り曲げ領域BAは、第2領域AR2に含まれている。もしくは、折り曲げ領域BAは、第2領域AR2と同等の領域である。第3領域AR3は、パッド領域MTであり、平面視で第2部分5bと重なる領域に相当する。また、第1部分5aは、接着層AD2によって第1領域AR1に接着され、第2部分5bは、接着層AD2によって第3領域AR3に接着されている。
【0031】
配線6は、第1領域AR1から第3領域AR3まで連続して配置されている。配線6は、電源線や各種制御用配線などに相当する。第1基板SUB1は、第4絶縁膜14及び第2保護膜PF2をさらに有している。第4絶縁膜14は、配線6の上に配置され、第1領域AR1、第2領域AR2、及び第3領域AR3に位置している。第5絶縁膜15は、第4絶縁膜14の上に配置されている。第5絶縁膜15は、表示領域DA(第1領域AR1)の他、第2領域AR2及び第3領域AR3にも位置している。非表示領域NDAにおいて、第5絶縁膜15は、少なくとも折り曲げ領域BAに位置している。第5絶縁膜15は、折り曲げ領域BAにて、第1保護膜PF1を形成している。
【0032】
第2保護膜PF2は、第5絶縁膜15の上に配置されている。第2保護膜PF2は、少なくとも折り曲げ領域BAに位置している。本実施形態において、第2保護膜PF2は、第1領域AR1の一部及び第3領域AR3にも位置している。図示した例では、第2保護膜PF2は、隔壁絶縁層17の端部、封止層41の端部、導電材料である異方性導電膜8の端部を覆っている。パッドPDは、第3領域AR3に位置している。パッドPDは、第1保護膜PF1の上に配置され、第4絶縁膜14及び第1保護膜PF1に形成されたコンタクトホールCHを通り配線6と電気的に接続されている。
【0033】
配線基板1は、異方性導電膜8を介して第3領域AR3に実装されている。配線基板1は、コア基板200と、コア基板200の下面側に配置された接続配線100と、コア基板200の下面側に配置された駆動ICチップ3と、を備えている。駆動ICチップ3は、表示パネルPNLを駆動するのに必要な信号を供給する信号供給源等として機能する。
【0034】
ここで、折り曲げ領域BAが折り曲げられることによって、パッドPDは、表示パネルPNLの背面側へ配置される。
【0035】
図4は、上記表示装置DSPを示す断面図であり、表示パネルPNLの折り曲げ領域BAが折り曲がっている状態を示す図である。
図4に示すように、折り曲げ領域BAは、第1部分5aと第2部分5bとが対向するように折れ曲がっている。表示パネルPNLは、支持部材5が配置されていない第2領域AR2を有している。このため、折り曲げ領域BAの曲率半径を小さくすることが可能である。台座部7は、第1領域AR1と配線基板1との間に配置されている。
【0036】
接着層A1は、第1領域AR1と台座部7との間に配置され、両者を接着している。また、接着層A2は、配線基板1と台座部7との間に配置され、両者を接着している。なお、接着層A1及びA2は、図示したようにつながって形成されていてもよいし、別々に形成されていてもよい。接着層A1及びA2は、例えば両面テープである。
表示装置DSPは、上記のように構成されている。
【0037】
上記のように、表示パネルPNLの折り曲げ領域BAを折り曲げることによって、表示パネルPNLを収容する電子機器等を狭額縁化もしくは小型化することが可能となる。また、非表示領域NDAの幅を縮めることなく収容体積を縮小することができる。上記のように、表示パネルPNLを折り曲げる観点から、表示パネルPNLには支持部材5が配置されていない第2領域AR2が必要である。
【0038】
次に、上記表示パネルPNLの非表示領域NDA、特に折り曲げ領域BAについて説明する。図5は、上記表示パネルPNLの第1基板SUB1の一部を示す平面図であり、折り曲げ領域BAなどを示す図である。なお、図5では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
【0039】
図5に示すように、複数の配線6は、少なくとも折り曲げ領域BAにて延在している。本実施形態において、複数の配線6は、第1領域AR1(表示領域DA)からパッド領域MTに向かう方向である第2方向Yに延在し、第1方向Xに互いに距離を置いて配置されている。複数の配線6のうち、第1配線6a及び第2配線6bに注目すると、第2配線6bは、第1配線6aとともに第2方向Yに延在し、第1方向Xに第1配線6aに距離を置いて配置されている。各配線6は、折り曲げ領域BAにて屈曲部を有している。各配線6は、折り曲げ領域BAを通る全域において曲がりくねっている。本実施形態において、各配線6は、波形(より具体的には三角波形)に形成されている。なお、本実施形態において屈曲部とは、配線6が第2方向Yから傾斜している部分を含む。
【0040】
図5に示すように、折り曲げ領域においては、複数の無機層ILは第1方向Xに互いに距離を置いて配置されている。無機層ILは、配線6と一対一で対応している。各無機層ILは、対応する配線6と実質同一の形状を有し、対応する配線6と揃って折り曲げ領域BAを延在している。各無機層ILの輪郭は、対応する配線6の輪郭より外側に位置している。各無機層ILは、下層BL及び上層ULを有している。
【0041】
第1保護膜PF1(第5絶縁膜15)は、少なくとも折り曲げ領域BAに位置する複数の配線6を覆っている。本実施形態において、第1保護膜PF1は、折り曲げ領域BAの全体を覆い、左端の配線6(6a)より左側から右端の配線6より右側まで、第1方向Xに連続して形成された単一膜である。第1保護膜PF1は、配線6の間の領域において途切れること無しに形成されている。第2保護膜PF2は、第1領域AR1の一部、折り曲げ領域BA、及びパッド領域MTの一部に配置されている。なお、第2保護膜PF2は、少なくとも折り曲げ領域BAに位置し、第1保護膜PF1を覆っている。
【0042】
図6は、図5の線VI−VIに沿った第1基板SUB1を示す断面図である。
図6に示すように、第1下層BLa及び第2下層BLbを含む複数の下層BLは、第1絶縁基板10の上に設けられ、第1絶縁基板10に接している。下層BLは、無機絶縁材料で形成されている。下層BLは、パターニングされた第1絶縁膜11及び第2絶縁膜12の積層体で形成されている。ここでは、第1絶縁膜11はシリコン窒化物で形成され、第2絶縁膜12はシリコン酸化物で形成されている。
【0043】
第1上層ULa及び第2上層ULbを含む複数の上層ULは、それぞれ対応する下層BLの上に設けられている。上層ULは、無機絶縁材料で形成されている。本実施形態において、上層ULの輪郭(側面)は、下層BLの輪郭(側面)と第1基板SUB1の厚み方向にそろっている。但し、本実施形態と異なり、上層ULの輪郭は、下層BLの輪郭と上記厚み方向にそろっていなくともよい。上層ULは、パターニングされた第4絶縁膜14で形成されている。ここでは、第4絶縁膜14はシリコン窒化物で形成されている。
【0044】
各配線6は、下層BLと上層ULとで挟まれている。複数の下層BLは第1絶縁層INS1を構成している。複数の上層ULは第2絶縁層INS2を構成している。このため、複数の配線6は、第1絶縁層INS1と第2絶縁層INS2との間に位置している。また、折り曲げ領域BAにおいて、第1絶縁層INS1及び第2絶縁層INS2は、複数の配線6の配線毎に分離して形成されている。例えば、第1配線6aは第1下層BLaと第1上層ULaとで挟まれ、第2配線6bは第2下層BLbと第2上層ULbとで挟まれている。なお、第1上層ULaは第1配線6aの外側で第1下層BLaに接し、第2上層ULbは第2配線6bの外側で第2下層BLbに接している。下層BL及び上層ULは、外部から配線6への水分の浸入を抑制することができる。これにより、配線6の劣化(腐食)を抑制することができる。
【0045】
配線6は、金属製である。本実施形態において、各配線6は、チタン(Ti)又はチタン窒化物(TiN)からなる第1導電層L1、アルミニウム(Al)又はアルミニウム合金からなる第2導電層L2、及びTi又はTiNからなる第3導電層L3の順に積層した積層体である。また、配線6は、上記ソース電極WS及び上記ドレイン電極WDと同一材料で同一層に形成されている。
【0046】
但し、配線6の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、配線6は、第1導電層L1無しに形成されていてもよい。配線6は、2層若しくは4層以上の積層体で形成されていてもよく、又は単一層で形成されていてもよい。配線6に利用する材料としては、上記の材料に限定されるものではなく、銅(Cu)などの他の金属材料を利用可能である。また、配線6は、上記ソース電極WSなどに使用する材料と異なる材料で形成されていてもよく、上記ソース電極WSなどと異なる層に位置していてもよい。
【0047】
第1保護膜PF1は、第1絶縁基板10及び複数の上層ULの上に設けられ、複数の上層ULを覆っている。第1保護膜PF1は、有機絶縁材料で形成されている。但し、本実施形態と異なり、第5絶縁膜15は、折り曲げ領域BAに形成されていなくともよく、この場合、第1保護膜PF1は、第5絶縁膜15に利用する材料と異なる有機絶縁材料で少なくとも折り曲げ領域BAに形成されていればよい。
【0048】
第2保護膜PF2は、第1絶縁基板10及び第1保護膜PF1の上に設けられ、第1保護膜PF1を覆っている。第2保護膜PF2は、第1保護膜PF1に利用する材料とは異なる有機絶縁材料で形成されている。例えば、第2保護膜PF2は、光硬化型のアクリル系樹脂で形成されている。アクリル系樹脂で形成された第2保護膜PF2は、水分等の侵入を抑制する防湿性を有している。
【0049】
第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、表示装置DSPの使用温度の範囲外にある。すなわち、ガラス転移温度Tg1は、使用温度範囲の上限より高く、又は使用温度範囲の下限より低い。望ましくは使用温度の上限より高い方が好適である。さらに望ましくは表示装置DSPの保管温度範囲の上限より高い方がより好適である。第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、−40℃未満、又は85℃を超えている。本実施形態において、上記ガラス転移温度Tg1は100℃以上であり、上記第2保護膜PF2のガラス転移温度Tg2は実質的に50℃である。このため、第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、第2保護膜PF2のガラス転移温度Tg2より高い。言うまでもないが、第1保護膜PF1は、第2保護膜PF2より配線6に近接している。
【0050】
表示装置DSPが使用温度範囲の中で高温環境と低温環境の温度変化に繰り返し曝された場合、第1保護膜PF1に温度変化が生じても、第1保護膜PF1の温度がガラス転移温度Tg1を超える事態を回避することができる。第1保護膜PF1の膨張及び収縮は抑制されるため、第1保護膜PF1は、配線6及び無機層ILに与える熱応力(ストレス)を抑制することができる。上記熱応力は、引張り応力や圧縮応力である。仮に第2保護膜PF2の温度がガラス転移温度Tg2を超えても、第1保護膜PF1は、第2保護膜PF2が与える熱応力を吸収緩和することができる。これにより、配線6の断線、配線6へのクラックの発生、配線6の剥離など、配線6の破損を抑制することができる。そして、折り曲げ領域BAにおいて信頼性の高い配線6を得ることができる。
【0051】
なお、有機絶縁材料からなる第1保護膜PF1及び第2保護膜PF2は、ガラス転移温度を超えると、熱線膨張係数は2乃至5倍程度、増大する。そのためガラス転移温度を超えた場合の温度変化による第1保護膜PF1及び第2保護膜PF2の変形量は、ガラス転移温度を超えていない場合と比較し、少なくとも数倍増大し得る。
例えば、第1保護膜PF1無しに表示装置DSPが形成され、使用温度または保管温度範囲の中で高温環境と低温環境の温度変化に繰り返し曝され、第2保護膜PF2の温度がガラス転移温度Tg2を超えた場合、相対的に熱線膨張係数の小さい配線6に第2保護膜PF2から大きな熱応力が加わるため、配線6に破損が生じ易くなる。
【0052】
ここで、第1絶縁基板10などポリイミド(PI)を使用した部材の熱線膨張係数α1と、第1絶縁膜11、第4絶縁膜14などシリコン窒化物(SiN)を使用した部材の熱線膨張係数α2と、第2絶縁膜12などシリコン酸化物(SiO)を使用した部材の熱線膨張係数α3と、第2導電層L2などアルミニウム(Al)を使用した部材の熱線膨張係数α4と、第1導電層L1、第3導電層L3などチタン窒化物(TiN)を使用した部材の熱線膨張係数α5とは、次の通りである。なお、TiNの替わりにチタン(Ti)を使用した場合での、部材の熱線膨張係数α6に関しても記載する。
【0053】
PI : α1=10〜40[10−6/℃]
SiN: α2=2.5〜2.9[10−6/℃]
SiO: α3=0.6〜0.9[10−6/℃]
Al : α4=23[10−6/℃]
TiN: α5=7.4[10−6/℃]
Ti : α6=8.6[10−6/℃]
【0054】
折り曲げ領域BAに位置する配線6には、上記熱応力の他に、曲げ応力も加わる。上記の温度変化が構成材料のガラス転移温度を跨ぐ場合には、その構成材料のヤング率がガラス転移温度近傍で低減するため中立面の移動に伴う曲げ応力の変化も誘発する。そのため、各構成部材のガラス転移温度が使用温度範囲外にあることが望ましい。
【0055】
そこで、本実施形態において、仮想の基準線RL上において、各構成部材のヤング率と厚みを調整し、折り曲げ領域BAにおいて、中立面が配線6近傍に位置するように調整している。ここで、上記基準線RLは、第1絶縁基板10のうち配線6と対向する側の面(第1面10A)に直交し、配線6を通る直線である。
【0056】
上述したことから、本実施形態では、曲げ応力に起因した配線6の破損の抑制が可能である。
【0057】
なお、上記中立面を制御する観点から、第1保護膜PF1を、第1絶縁基板10と同じポリイミドで形成した方が望ましい。この場合、第1保護膜PF1の上には、防湿性の観点から、アクリル系樹脂を使用した第2保護膜PF2が配置される。
【0058】
さらに、配線6は、折り曲げ領域BAにて屈曲部を有し、第2方向Yから傾斜した成分を含んでいる。本実施形態では、配線6は、何度も曲がっている。このため、配線6が第2方向Yに直線状に延在している場合と比較して、配線6は、曲げ応力による悪影響を受け難い。
【0059】
ここで、本実施形態の表示装置DSPに対して信頼性試験を行った。第1の信頼性試験として、本実施形態の表示装置DSPを、温度が60℃であり湿度が90%である高温高湿の環境下に長時間曝した。第2の信頼性試験として、本実施形態の表示装置DSPを、温度が−20℃である低温の環境下に1時間曝した後、温度が60℃である高温の環境下に1時間曝す表示装置DSPの温度サイクル試験を実施した。上記第1の信頼性試験及び上記第2の信頼性試験の何れにおいても、配線6が破損することは無かった。
【0060】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置によれば、表示装置DSPは、少なくとも、第1絶縁基板10、第1下層BLa、第1上層ULa、第1配線6a、第1保護膜PF1及び第2保護膜PF2を備えている。第2保護膜PF2は、第1保護膜PF1に利用する材料とは異なる有機絶縁材料で形成されている。本実施形態において、第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、第2保護膜PF2のガラス転移温度Tg2より高い。
上記のことから、製造歩留まりの高い表示装置DSPを得ることができる。また、折り曲げ領域BAに信頼性の高い配線6を有する表示装置DSPを得ることができる。
【0061】
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1に係る表示装置について説明する。
図7に示すように、配線6は、折り曲げ領域BAにて第2方向Yに直線状に延在していてもよい。配線6は、折り曲げ領域BAにて屈曲部を有していない。なお、各無機層ILは、対応する配線6に対向し、対応する配線6に沿って延在している。変形例1の配線6は、折り曲げ領域BAにて屈曲部を有する配線6と比較して、熱応力による悪影響を受け難い。
【0062】
(第1の実施形態の変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2に係る表示装置について説明する。
図8に示すように、配線6は、第2方向Yから傾斜しかつ第1方向Xからも傾斜した方向に直線状に延在した第1線状部61と、第2方向Yに直線状に延在した第2線状部62と、第2方向Yに直線状に延在した第3線状部63と、を有していてもよい。
【0063】
第1線状部61は、折り曲げ領域BAに位置し、第1領域AR1及びパッド領域MTにそれぞれ間隔を置いている。第1線状部61は、折り曲げ軸AXを跨いでいる。ここで、上記折り曲げ軸AXは、第1基板SUB1を折り曲げる際の基準となる軸である。第1基板SUB1の折り曲げ領域BAが折り曲がっている状態にて、折り曲げ軸AXの位置における第1基板SUB1の接線は第3方向Zに平行である。
【0064】
第2線状部62は、折り曲げ領域BA(第2領域AR2)と第1領域AR1との第1境界BO1を跨ぎ、第1線状部61につながっている。第3線状部63は、折り曲げ領域BA(第2領域AR2)とパッド領域MT(第3領域AR3)との第2境界BO2を跨ぎ、第1線状部61につながっている。
上記のように、配線6は、第2方向Yから傾斜した第1線状部61を有している。このため、変形例2において、配線6は、曲げ応力による悪影響を受け難い。
【0065】
(第1の実施形態の変形例3)
次に、第1の実施形態の変形例3に係る表示装置について説明する。
図9に示すように、配線6は、第1線状部61、第2線状部62、及び第3線状部63を有している。第1線状部61は、第1境界BO1を越えて第1領域AR1側に延在し、かつ、第2境界BO2を越えてパッド領域MT側に延在している。
上記のように、変形例3においても、配線6は、第2方向Yから傾斜した第1線状部61を有しているため、曲げ応力による悪影響を受け難い。
【0066】
(第1の実施形態の変形例4)
次に、第1の実施形態の変形例4に係る表示装置について説明する。
図10に示すように、上記変形例1と同様、配線6は、第2方向Yに延在している。変形例4は、変形例1とは、折り曲げ領域BAにおいて、全体が湾曲している点で異なり、図5に示した第1の実施形態とは、何度も曲がっていない点で異なっている。
上記のように、変形例4においても、配線6は、第2方向Yから傾斜した部分を有しているため、曲げ応力による悪影響を受け難い。
【0067】
(第1の実施形態の変形例5)
次に、第1の実施形態の変形例5に係る表示装置について説明する。
図11に示すように、第1保護膜PF1は、第1分割部DI1、第2分割部DI2などの複数の分割部DIを有していてもよい。第1分割部DI1は、第1上層ULaを覆い、第2方向Yに延在している。第2分割部DI2は、第2上層ULbを覆い、第2方向Yに延在し、第1方向Xに第1分割部DI1に距離を置いている。平面視において、各分割部DIは、折り曲げ領域BAにて、対応する配線6の全体及び対応する無機層ILの全体を覆っている。言い換えると、第1保護膜PE1は、配線6毎にそれぞれ分割されていても良い。本変形例5において、第1分割部DI1及び第2分割部DI2を含む複数の分割部DIは、それぞれ帯状に形成され、第2方向Yに直線状に延びている。
【0068】
また、変形例5の第1保護膜PF1は、第5絶縁膜15から独立して設けられ、少なくとも折り曲げ領域BAに位置している。
上記のように、配線6は、個別に第1保護膜PF1の分割部DIで覆われていてもよい。このため、変形例5においても、熱応力による悪影響を受け難い配線6を得ることができる。
【0069】
(第1の実施形態の変形例6)
次に、第1の実施形態の変形例6に係る表示装置について説明する。なお、図12では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
図12に示すように、第1基板SUB1は、上層UL無しに構成されていてもよい。折り曲げ領域BAにおいて、配線6は、上層ULで覆われていない。
【0070】
本変形例6においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。第2保護膜PF2を、アクリル系樹脂などの防湿性を有する材料で形成することが可能である。その場合、第2保護膜PF2は、配線6への水分の侵入を抑制することができる。
【0071】
(第1の実施形態の変形例7)
次に、第1の実施形態の変形例7に係る表示装置について説明する。なお、図13では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
図13に示すように、第1基板SUB1は、上層UL及び下層BL無しに構成されていてもよい。折り曲げ領域BAにおいて、配線6は、上層UL及び下層BLで囲まれていない。
【0072】
第1基板SUB1は、第3保護膜PF3をさらに備えている。図13に示す例では、第3保護膜PF3は、第1絶縁基板10の第2面10B側に位置している。言い換えると、第3保護膜PF3上に第1絶縁基板10が配置されている。なお、折り曲げ領域BA以外の領域において、第3保護膜PF3は、第1絶縁基板10と支持部材5との間に位置している。
【0073】
第2保護膜PF2及び第3保護膜PF3を、アクリル系樹脂などの防湿性を有する材料で形成することが可能である。その場合、第2保護膜PF2及び第3保護膜PF3は、配線6への水分の侵入を抑制することができる。
【0074】
なお、本変形例7と異なり、第3保護膜PF3は、第1絶縁基板10と配線6との間に位置していてもよい。また、第3保護膜PF3は薄い無機膜層と有機膜の積層でもよい。さらに、第1基板SUB1は、第3保護膜PF3無しに形成されていてもよい。
本変形例7においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。第2保護膜PF2及び第3保護膜PF3を、アクリル系樹脂などの防湿性を有する材料で形成することが可能である。その場合、第2保護膜PF2及び第3保護膜PF3は、配線6への水分の侵入を抑制することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る表示装置について説明する。図14は、第2の実施形態に係る表示装置DSPを示す断面図であり、非表示領域NDAなどを示す図である。
図14に示すように、第2の実施形態では、第1基板SUB1が第2保護膜PF2無しに形成されている点で、上記第1の実施形態と相違している。
【0076】
第2の実施形態の第1保護膜PF1は、第5絶縁膜15から独立して設けられ、少なくとも折り曲げ領域BAに位置している。例えば、第1保護膜PF1は、光硬化型のアクリル系樹脂で形成されている。第5絶縁膜15及び隔壁絶縁層17の第2領域AR2側の側縁は、封止層41で覆われている。図示した例では、第1保護膜PF1は、封止層41の端部、異方性導電膜8の端部を覆っている。
【0077】
図15は、第2の実施形態に係る表示パネルPNLの第1基板SUB1の折り曲げ領域BAを示す断面図である。なお、図14では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
図15に示すように、第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、表示装置DSPの使用温度の範囲外にある。第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、−40℃未満、又は85℃を超えている。本実施形態において、上記ガラス転移温度Tg1は実質的に100℃である。第1保護膜PF1に温度変化が生じても、第1保護膜PF1は、配線6及び無機層ILに与える熱応力を抑制することができる。
【0078】
ここで、本実施形態の表示装置DSPに対して信頼性試験を行った。第1の信頼性試験として、本実施形態の表示装置DSPを、温度が60℃であり湿度が90%である高温高湿の環境下に長時間曝した。第2の信頼性試験として、本実施形態の表示装置DSPを、温度が−20℃である低温の環境下に1時間曝した後、温度が60℃である高温の環境下に1時間曝す温度サイクル試験を表示装置DSPに実施した。上記第1の信頼性試験及び上記第2の信頼性試験の何れにおいても、配線6が破損することは無かった。
【0079】
上記のように構成された第2の実施形態に係る表示装置によれば、表示装置DSPは、少なくとも、第1絶縁基板10、第1配線6a、及び第1保護膜PF1を備えている。第1保護膜PF1のガラス転移温度Tg1は、85℃を超えている。
上記のことから、第2の実施形態においても、製造歩留まりの高い表示装置DSPを得ることができる。また、折り曲げ領域BAに信頼性の高い配線6を有する表示装置DSPを得ることができる。
【0080】
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1に係る表示装置について説明する。なお、図16では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
図16に示すように、第1基板SUB1は、上層UL無しに構成されていてもよい。
【0081】
本変形例1においても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上記第2の実施形態と同様、第1保護膜PF1を、アクリル系樹脂などの防湿性を有する材料で形成することが可能である。その場合、第1保護膜PF1は、配線6への水分の侵入を抑制することができる。
【0082】
(第2の実施形態の変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2に係る表示装置について説明する。なお、図17では、折り曲げ領域BAが折り曲げられる前の状態を示している。
図17に示すように、第1基板SUB1は、上層UL及び下層BL無しに構成されていてもよい。
【0083】
第1基板SUB1は、第3保護膜PF3をさらに備えている。図17に示す例では、第3保護膜PF3は、第1絶縁基板10の第2面10B側に位置している。第3保護膜PF3を、アクリル系樹脂などの防湿性を有する材料で形成することが可能である。
本変形例2においても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、複数の実施形態を組合せることも可能である。
【0085】
例えば、上述した表示パネル及び表示装置は、有機EL表示パネル及び有機EL表示装置に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、電気光学素子として液晶素子を有する液晶表示パネル及び液晶表示装置に適用することも可能である。その場合、表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、例えば、第1基板SUB1と、第2基板と、第1基板と第2基板との間に保持された液晶層と、必要に応じて液晶層の上下両方に偏光板を備えている
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]表示領域と、パッド領域と、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する折り曲げ領域と、を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に形成され前記表示領域から前記パッド領域に延在する複数の配線と、
前記折り曲げ領域において、前記絶縁基板及び前記複数の配線の上に位置し有機絶縁材料で形成された第1保護膜と、
前記折り曲げ領域において、前記第1保護膜の上に前記第1保護膜とは異なる有機絶縁材料で形成された第2保護膜と、を備える、
表示装置。
[2]前記第1保護膜のガラス転移温度は、−40℃未満、又は85℃を超えている、
[1]に記載の表示装置。
[3]前記第1保護膜のガラス転移温度は、前記第2保護膜のガラス転移温度より高い、
[1]又は[2]に記載の表示装置。
[4]前記複数の配線は、前記折り曲げ領域にて屈曲部を有する、
[1]乃至[3]のいずれか1に記載の表示装置。
[5]さらに、前記絶縁基板の上に形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に形成された第2絶縁層と、を有し、
前記複数の配線は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置する、
[1]乃至[4]のいずれか1に記載の表示装置。
[6]前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は無機絶縁層である、
[5]に記載の表示装置。
[7]前記折り曲げ領域において、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれ前記複数の配線と実質同一の形状を有している、
[5]又は[6]に記載の表示装置。
[8]前記折り曲げ領域において、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記複数の配線の配線毎に分離して形成されている、[5]乃至[7]のいずれか1に記載の表示装置。
[9]前記第1保護膜は、前記複数の配線の配線毎に分離して形成されている、[1]乃至[8]のいずれか1に記載の表示装置。
[10]表示領域と、パッド領域と、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する折り曲げ領域と、を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に形成され、前記表示領域から前記パッド領域に延在する複数の配線と、
前記折り曲げ領域において、前記絶縁基板及び前記複数の配線の上に位置し有機絶縁材料で形成された第1保護膜と、を備え、
前記第1保護膜のガラス転移温度は、−40℃未満、又は85℃を超えている、
表示装置。
[11]さらに、前記絶縁基板の上に形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に形成された第2絶縁層と、を有し、
前記複数の配線は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置する、
[10]に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0086】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、10…第1絶縁基板、
IL…無機層、BL,BLa,BLb…下層、UL,ULa,ULb…上層、
6,6a,6b…配線、PF1…第1保護膜、DI,DI1,DI2…分割部、
PF2…第2保護膜、RL…基準線、
DA…表示領域、NDA…非表示領域、MT…パッド領域、BA…折り曲げ領域、
X…第1方向、Y…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17