(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
また、本明細書において「αはA,B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」といった表現は、特に明示がない限り、αがA〜Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0009】
各実施形態においては、表示装置が備える2枚のパネルがいずれも透過型の液晶表示パネルである場合を例示する。この表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器、ヘッドマウント型の機器等の種々の装置に用いることができる。なお、各実施形態は、他種の表示パネルを備えた表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。他種の表示パネルとしては、例えば、外光を利用して画像を表示する反射型の液晶表示パネルや、透過型と反射型の双方の機能を備えた液晶表示パネルなどが想定される。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、表示装置1の構成例を概略的に示す分解斜視図である。表示装置1は、照明装置IDと、調光パネルPNL1と、表示パネルPNL2とを備えている。図示したように第1方向X、第2方向Y、第3方向Zを定義する。各方向X,Y,Zは、本実施形態においては互いに直交する方向であるが、垂直以外の角度で交わってもよい。本開示においては、第3方向Zの矢印が示す方向を「上方」あるいは「上」と称し、この矢印の反対方向を「下方」あるいは「下」と称する。
【0011】
図1の例において、照明装置IDは、導光板LGと、光源ユニットLUとを備えたサイドエッジ型のバックライトである。但し、照明装置IDの構成は
図1の例に限られず、画像表示に必要な光を供給する構成であればよい。例えば、照明装置IDは、調光パネルPNL1の下方に配置された発光素子を含むいわゆる直下型のバックライトであってもよい。
【0012】
図1の例において、調光パネルPNL1、表示パネルPNL2、および導光板LGは、いずれも第1方向Xに沿う短辺と、第2方向Yに沿う長辺とを有する長方形状に形成されている。導光板LG、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2は、この順で第3方向Zに重ねられている。なお、各パネルPNL1,PNL2および導光板LGは長方形状に限られず、他の形状であってもよい。
【0013】
導光板LGは、入射面F1と、出射面F2とを有している。入射面F1は導光板LGの第1方向Xに沿う一対の側面のうちの一方に相当し、出射面F2は導光板LGの一対の主面のうち調光パネルPNL1の側の一方に相当する。
【0014】
光源ユニットLUは、導光板LGの入射面F1に沿って第1方向Xに並んだ複数の発光ダイオードLDを備えている。光源ユニットLUは、発光ダイオードLDに代えて、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子などの他種の発光素子を備えてもよい。発光ダイオードLDからの光は、入射面F1から導光板LGに入射し、導光板LGを伝播して出射面F2から出射する。
【0015】
調光パネルPNL1は、透過型の液晶パネルであり、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2と、これら基板SUB1,SUB2の間に配置された第1液晶層LC1とを備えている。調光パネルPNL1は、複数の第1画素PX1を含む調光領域A1を有している。各第1画素PX1は、第1方向Xおよび第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。
【0016】
表示パネルPNL2は、透過型の液晶パネルであり、第2基板SUB2に対向する第3基板SUB3と、第3基板SUB3に対向する第4基板SUB4と、これら基板SUB3,SUB4の間に封入された第2液晶層LC2とを備えている。表示パネルPNL2は、複数の第2画素PX2を含む表示領域A2を有している。各第2画素PX2は、第1方向Xおよび第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。
【0017】
照明装置IDは、第3方向Zに向けて光を照射する。すなわち、
図1の例においては、この光の照射方向において、第1基板SUB1、第2基板SUB2、第3基板SUB3、および第4基板SUB4が順に並んでいる。
【0018】
表示装置1は、さらに、反射シートRFと、光学シート群OGと、第1偏光部材PL1と、第2偏光部材PL2と、第3偏光部材PL3とを備えている。
反射シートRFは、導光板LGの一対の主面のうち出射面F2の反対側にあたる裏面に対向し、この裏面から漏れる光を導光板LGに戻す。導光板LGの入射面F1を除く側面と対向する反射シートがさらに配置されてもよい。
光学シート群OGは、例えば、導光板LGの出射面F2から出射する光を拡散する拡散シートDFと、多数のプリズムレンズが形成された第1プリズムシートPR1および第2プリズムシートPR2とを含む。
【0019】
第1偏光部材PL1は、導光板LGと第1基板SUB1の間に配置されている。第2偏光部材PL2は、第2基板SUB2と第3基板SUB3の間に配置されている。第3偏光部材PL3は、表示パネルPNL2の上に配置され、第4基板SUB4に対向している。
【0020】
第1偏光部材PL1及び第3偏光部材PL2は、第1偏光軸を有している。第2偏光部材PL2は、第1偏光軸と直交する第2偏光軸を有している。すなわち、第1偏光部材PL1と第2偏光部材PL2、及び、第2偏光部材PL2と第3偏光部材PL3は、いずれもクロスニコルの関係にある。
【0021】
以上のような構成の表示装置1において、導光板LGの出射面F2からの光は、第1偏光部材PL1を透過し、調光パネルPNL1に入射する。調光パネルPNL1に入射する光は、第1偏光部材PL1の第1偏光軸と直交する直線偏光である。この光は、第1液晶層LC1のうちオフ状態(黒表示)の第1画素PX1に対応する領域を通過した際には偏光状態が殆ど変化せず、第1偏光軸と直交する第2偏光軸を有する第2偏光部材PL2によって吸収される。
【0022】
一方で、調光パネルPNL1に入射した光は、第1液晶層LC1のうちオン状態(白表示)の第1画素PX1に対応する領域を通過した際には偏光状態が変化し、少なくとも一部が第2偏光部材PL2の第2偏光軸に直交する偏光状態となる。したがって、この光の少なくとも一部は第2偏光部材PL2を透過する。
【0023】
第2偏光部材PL2を透過した光は、表示パネルPNL2に入射する。表示パネルPNL2に入射する光は、第2偏光部材PL2の第2偏光軸と直交する直線偏光である。この光は、第2液晶層LC2のうちオフ状態の第2画素PX2に対応する領域を通過した際には偏光状態が殆ど変化せず、第1偏光軸を有する第3偏光部材PL3によって吸収される。
【0024】
一方で、表示パネルPNL2に入射した光は、第2液晶層LC2のうちオン状態の第2画素PX2に対応する領域を通過した際には偏光状態が変化し、少なくとも一部が第1偏光軸に直交する偏光状態となる。したがって、この光の少なくとも一部は第3偏光部材PL3を透過し、画像を形成する。
なお、本実施形態では各パネルPNL1,PNL2がノーマリブラックモードである場合を想定するが、各パネルPNL1,PNL2はノーマリホワイトモードであってもよい。
【0025】
図2は、第1画素PX1および第2画素PX2の概略的な等価回路を示す図である。
図2(A)に示すように、調光パネルPNL1は、第1方向Xに延びる複数の走査線G1と、第2方向Yに延びる複数の信号線S1とを備えている。これら走査線G1および信号線S1によって区画された領域が第1画素PX1に相当する。第1画素PX1は、第1スイッチング素子SW1と、第1画素電極PE1と、第1共通電極CE1とを備えている。第1スイッチング素子SW1は、走査線G1、信号線S1、および第1画素電極PE1と電気的に接続されている。走査線G1に走査信号が供給されると、信号線S1の映像信号が第1画素電極PE1に印加される。このとき、第1画素電極PE1と第1共通電極CE1の間に形成される電界が第1液晶層LC1に作用する(オン状態)。本実施形態において、第1基板SUB1は、カラーフィルタ層を備えていない。したがって、第1画素PX1は、白または黒のいずれか一方を表示するモノクロの画素である。
【0026】
図2(B)に示すように、表示パネルPNL2は、第1方向Xに延びる複数の走査線G2と、第2方向Yに延びる複数の信号線S2とを備えている。これら走査線G2および信号線S2によって区画された領域は、副画素SPに相当する。第2基板SUB2は、複数色のカラーフィルタを含むカラーフィルタ層42(
図4参照)を備えている。したがって、各副画素SPは、対応するカラーフィルタに応じた色を表示する。第2画素PX2は、例えば赤色を表示する副画素SPRと、緑色を表示する副画素SPGと、青色を表示する副画素SPBとを含む。これら副画素SPR,SPG,SPBは、例えば第1方向Xに並んでいる。第2画素PX2に含まれる副画素SPの種類はこの例に限られず、例えば白色など他の色を表示する副画素SPをさらに含んでもよい。
【0027】
副画素SPは、第2スイッチング素子SW2と、第2画素電極PE2と、第2共通電極CE2とを備えている。第2スイッチング素子SW2は、走査線G2、信号線S2、および第2画素電極PE2と電気的に接続されている。走査線G2に走査信号が供給されると、信号線S2の映像信号が第2画素電極PE2に印加される。このとき、第2画素電極PE2と第2共通電極CE2の間に形成される電界が第2液晶層LC2に作用する(オン状態)。
【0028】
図3は、表示装置1による画像表示を説明するため概略的な斜視図である。ここでは、表示装置1を構成する要素の一部のみを示している。
表示装置1は、コントローラCTを備えている。コントローラCTは、光源ユニットLU、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2を制御する。例えば、コントローラCTは、ICや各種回路で構成されている。コントローラCTは、外部から入力される画像データ等に応じて、調光パネルPNL1の各第1画素PX1および表示パネルPNL2の各第2画素PX2(各副画素SP)をオンまたはオフする。
【0029】
例えば図示したように、表示領域A2に高輝度部分HBと低輝度部分LBとを含む画像を表示する場合を想定する。この場合、コントローラCTは、調光領域A1において高輝度部分HBに対応する第1画素PX1をオンし、低輝度部分LBに対応する第1画素PX1をオフする。さらに、コントローラCTは、表示領域A2において高輝度部分HBに対応する第2画素PX2をオンし、低輝度部分LBに対応する第2画素PX2をオフする。
【0030】
照明装置IDからの光は、調光領域A1においてオンされた第1画素PX1に対応する部分は透過するが、オフされた第1画素PX1に対応する部分は殆ど透過しない。調光領域A1を透過した光は、表示領域A2における高輝度部分HBを透過して、ユーザが視認する画像を形成する。
【0031】
一般的な液晶パネルにおいては、画素をオフしたとしても、バックライトからの光を完全に遮ることは難しく、僅かに光が漏れる。その結果、オンされた画素とオフされた画素のコントラスト比を十分に高めることができない。一方で、本実施形態の構成であれば、低輝度部分LBでは2枚のパネルで光が遮られる。したがって、低輝度部分LBの輝度を十分に低下させ、表示装置1のコントラスト比を高めることができる。
【0032】
図4は、表示装置1の概略的な断面図である。ここでは、照明装置ID、各走査線G1,G2、各信号線S1,S2、各スイッチング素子SW1,SW2などの図示を省略している。
調光パネルPNL1の第1基板SUB1は、第1基材10と、絶縁層11と、配向膜12と、第1画素電極PE1とを備えている。絶縁層11は、第1基材10の上面を覆っている。
図4においては、絶縁層11を1つの層として示しているが、実際には有機樹脂膜や無機樹脂膜などの複数の層を含む。第1画素電極PE1は、絶縁層11の上に配置されている。配向膜12は、第1画素電極PE1および絶縁層11を覆っている。
【0033】
調光パネルPNL1の第2基板SUB2は、第2基材20と、遮光層21と、オーバーコート層22と、配向膜23と、第1共通電極CE1とを備えている。遮光層21は、第2基材20の下に配置されている。遮光層21は、例えば上述の走査線G1および信号線S1と第3方向Zにおいて対向している。オーバーコート層22は、例えば有機樹脂膜であり、第2基材20の下面および遮光層21を覆っている。第1共通電極CE1は、オーバーコート層22の下に配置されている。配向膜23は、第1共通電極CE1を覆っている。配向膜12,23の間に第1液晶層LC1が配置されている。
【0034】
表示パネルPNL2の第3基板SUB3は、第3基材30と、絶縁層31,32と、配向膜33と、第2画素電極PE2と、第2共通電極CE2とを備えている。絶縁層31は、第3基材30の上面を覆っている。
図4においては、絶縁層31を1つの層として示しているが、実際には有機樹脂膜や無機樹脂膜などの複数の層を含む。第2共通電極CE2は、絶縁層31の上に配置されている。絶縁層32は、例えば無機樹脂膜であり、第2共通電極CE2を覆っている。第2画素電極PE2は、絶縁層32の上に配置されている。
図4の例においては、第2画素電極PE2が複数のスリットを有している。しかしながら、第2画素電極PE2は、スリットを有さなくてもよい。配向膜33は、第2画素電極PE2および絶縁層32を覆っている。
【0035】
表示パネルPNL2の第4基板SUB4は、第4基材40と、遮光層41と、カラーフィルタ層42と、オーバーコート層43と、配向膜44とを備えている。遮光層41は、第4基材40の下に配置されている。遮光層41は、例えば上述の走査線G2および信号線S2と第3方向Zにおいて対向している。また、遮光層41は、遮光層21と第3方向Zにおいて対向している。カラーフィルタ層42は、第4基材40の下面および遮光層41を覆っている。オーバーコート層43は、例えば有機樹脂膜であり、カラーフィルタ層42を覆っている。カラーフィルタ層42は、例えば有機樹脂膜であり、副画素SPR,SPG,SPBに対応する色のカラーフィルタを含む。カラーフィルタ層42は、第3基板SUB3に配置されてもよい。配向膜44は、オーバーコート層43を覆っている。配向膜33,44の間に第2液晶層LC2が配置されている。
各画素電極PE1,PE2および各共通電極CE1,CE2は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料で形成されている。
【0036】
図4に示す調光パネルPNL1の構成は、VA(Vertical Aligned)モードに相当する。すなわち、オフ状態においては、第1液晶層LC1の液晶分子が第3方向Zに沿ってホメオトロピック配向(垂直配向)されている。オン状態においては、異なる基板SUB1,SUB2にそれぞれ配置された第1画素電極PE1と第1共通電極CE1の間に生じる縦方向(第3方向Z)の電界によって、第1液晶層LC1の液晶分子が第3方向Zと交わる方向に配向される。一方で、
図4に示す表示パネルPNL2の構成は、IPS(In-Plane Switching)モードの一種であるFFS(Fringe Field Switching)モードに相当する。すなわち、オフ状態においては、第2液晶層LC2の液晶分子が各配向膜33,44の配向処理方向に沿って配向されている。オン状態においては、一つの基板SUB3に配置された第2画素電極PE2と第2共通電極CE2の間に生じる主として横方向(X−Y平面と平行な方向)の電界によって、第2液晶層LC2の液晶分子が配向される。なお、各パネルPNL1,PNL2におけるモードはこれらの例に限られず、種々のモードを適用することができる。
【0037】
調光パネルPNL1において、遮光層21で区切られた領域が第1画素PX1に相当する。表示パネルPNL2において、遮光層41で区切られた領域が副画素SPに相当する。
図4の例においては、第1方向Xに並ぶ副画素SPR,SPG,SPBで第2画素PX2が構成されている。例えば、各副画素SPおよび第1画素PX1は、第3方向Zにおいて対向し、かつサイズが一致している。但し、第1画素PX1は、複数の副画素SPより大きいサイズを有してもよい。この場合には、第1画素PX1が複数の副画素SPと対向する。
【0038】
表示装置1は、第1接着層AD1と、第2接着層AD2と、第3接着層AD3と、第4接着層AD4とをさらに備えている。例えば、各偏光部材PL1〜PL3は、各パネルPNL1,PNL2とは別途に製造された後にこれら基板にそれぞれ貼り合わされた偏光板である。すなわち、第1偏光部材PL1は、第1接着層AD1を介して第1基材10の下面に接着されている。第2偏光部材PL2は、第2接着層AD2を介して第2基材20の上面に接着されるとともに、第3接着層AD3を介して第3基材30の下面に接着されている。第3偏光部材PL3は、第4接着層AD4を介して第4基材40の上面に接着されている。各偏光部材PL1〜PL3は、例えばヨウ素型の偏光板であり、配向されたヨウ素を含んだPVA(ポリビニルアルコール)等の偏光層を、TAC(トリアセチルセルロース)等の一対の支持フィルムで挟んだ構成を備えている。但し、各偏光部材PL1〜PL3の構成はこの例に限定されない。
【0039】
各偏光部材PL1〜PL3の少なくとも1つが偏光膜であってもよい。偏光膜は、塗布型偏光板と称されることもある。例えば、第1偏光部材PL1および第3偏光部材PL3として偏光板を用い、第2偏光部材PL2として偏光膜を用いてもよい。このような第2偏光部材PL2の形成に際しては、先ず第2基材20に配向膜材料を塗布して仮焼成し、直線偏光の紫外光を照射し、その後に再度焼成する。そして、色素を含んだ液晶材料を配向膜材料に塗布し、仮焼成し、紫外光を照射し、その後に再度焼成する。これにより、液晶材料の色素が所定方向に配向され、直線偏光子として機能する偏光膜としての第2偏光部材PL2を得ることができる。なお、ここで説明した第2偏光部材PL2は一例であり、直線偏光子として機能すればどのような構造の偏光膜を用いてもよいし、製造工程も特に限定されない。なお、偏光膜である第2偏光部材PL2は、第2基板SUB2や第3基板SUB3の内部に形成することもできる。
【0040】
図2に示した走査線G1、信号線S1、および第1スイッチング素子SW1は、第1基板SUB1に設けられる。すなわち、第1基板SUB1は調光パネルPNL1のアレイ基板であり、第2基板SUB2は調光パネルPNL1の対向基板である。また、
図2に示した走査線G2、信号線S2、および第2スイッチング素子SW2は、第3基板SUB3に設けられる。すなわち、第3基板SUB3は表示パネルPNL2のアレイ基板であり、第4基板SUB4は表示パネルPNL2対向基板である。
【0041】
本実施形態において、第1基材10および第4基材40は例えばガラスで形成されており、剛性を有している。したがって、第1基板SUB1および第4基板SUB4は、剛性基板である。一方、第2基材20および第3基材30は、例えばポリイミド、ポリエステルまたはポリカーボネートなどの樹脂材料で形成されており、可撓性を有している。したがって、第2基板SUB2および第3基板SUB3は、可撓性基板である。
図4の例では、第2基材20および第3基材30が第1基材10および第4基材40よりも薄い。このように、樹脂製の基材は、ガラス製の基材に比べて薄く形成することができる。さらに、樹脂製の基材は、ガラス製の基材に比べて軽い。
【0042】
ポリイミドは、ネガティブC型の位相差を有している。一方、VAモードにおける液晶層の液晶分子は、上述の通りホメオトロピック配向されている。すなわち、液晶分子は、長軸が第3方向Zに沿うように配向しており、ポジティブC型の位相差を有している。したがって、本実施形態のように調光パネルPNL1にVAモードを適用する場合、第1液晶層LC1がポジティブC型の位相差を有し、第2基材20および第3基材30をポリイミドで形成した場合のネガティブC型の位相差を打ち消すことができる。
【0043】
本実施形態のようにコントラスト比を高めた表示装置1の用途は特に限定されないが、例えば高いコントラスト比が求められるVR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、またはMR(Mixed Reality)のための表示装置として用いることができる。この場合において、
図13のように、表示装置1は、ユーザの頭部HDに装着されるヘッドマウント型の機器HMDに組み込まれてもよい。
【0044】
図5は、VR等の用途における表示装置1の一構成例を示す図である。この表示装置1は、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2に加え、第4基板SUB4に対向するレンズLZを備えている。レンズLZは、表示パネルPNL2により表示される画像を、ユーザの視点において最適な大きさとなるように拡大する。表示装置1は、例えば5000以上(好ましくは10000以上)のコントラスト比を有している。このような高いコントラスト比を有していれば、極めて良好な画像をユーザに視認させることができる。
【0045】
なお、本実施形態では、第2基板SUB2および第3基板SUB3を可撓性基板としたが、各基板SUB1〜SUB4の少なくとも1つを可撓性基板とし、残りを剛性基板とすれば、表示装置の軽量化が可能である。
以下に、表示装置のバリエーションとして、第2乃至第7実施形態を開示する。これら実施形態を説明した後に、第1乃至第7実施形態の効果について述べる。各実施形態にて参照する
図6乃至
図11は、いずれも
図5と同様にレンズLZを備える表示装置を示す。しかしながら、各実施形態に係る表示装置の用途は特に限定されず、レンズLZを備えなくてもよい。
図6乃至
図11において、調光パネルPNL1および表示パネルPNL2のアレイ基板にはドットの模様を付し、対向基板にはこの模様を付していない。さらに、剛性基板には斜めの実線と破線を交互に付し、可撓性基板には斜めの実線を付している。上述の
図5においても同様の表現方法を用いている。
【0046】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る表示装置2の一構成例を示す図である。表示装置2においては、照明装置IDと調光パネルPNL1の間に表示パネルPNL2が配置されている。すなわち、照明装置IDが光を照射する方向において、第3基板SUB3、第4基板SUB4、第1基板SUB1、および第2基板SUB2が順に並んでいる。このような構成であっても、第1実施形態と同様に、コントラスト比を高めることができる。
【0047】
第1基板SUB1および第3基板SUB3はアレイ基板であり、第2基板SUB2および第4基板SUB4は対向基板である。第1基板SUB1および第4基板SUB4は可撓性基板であり、第2基板SUB2および第3基板SUB3は剛性基板である。
【0048】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に係る表示装置3の一構成例を示す図である。表示装置3においては、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2が第1実施形態と同様に配置されている。
第1基板SUB1および第4基板SUB4はアレイ基板であり、第2基板SUB2および第3基板SUB3は対向基板である。第1基板SUB1および第4基板SUB4は剛性基板であり、第2基板SUB2および第3基板SUB3は可撓性基板である。
【0049】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係る表示装置4の一構成例を示す図である。表示装置4においては、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2が第1実施形態と同様に配置されている。
第2基板SUB2および第3基板SUB3はアレイ基板であり、第1基板SUB1および第4基板SUB4は対向基板である。第1基板SUB1および第4基板SUB4は剛性基板であり、第2基板SUB2および第3基板SUB3は可撓性基板である。
【0050】
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態に係る表示装置5の一構成例を示す図である。表示装置5においては、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2が第2実施形態と同様に配置されている。
第1基板SUB1および第3基板SUB3はアレイ基板であり、第2基板SUB2および第4基板SUB4は対向基板である。第2基板SUB2および第4基板SUB4は剛性基板であり、第1基板SUB1および第3基板SUB3は可撓性基板である。
【0051】
[第6実施形態]
図10は、第6実施形態に係る表示装置6の一構成例を示す図である。表示装置6においては、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2が第2実施形態と同様に配置されている。
第2基板SUB2および第4基板SUB4はアレイ基板であり、第1基板SUB1および第3基板SUB3は対向基板である。第2基板SUB2および第4基板SUB4は剛性基板であり、第1基板SUB1および第3基板SUB3は可撓性基板である。
【0052】
[第7実施形態]
図11は、第7実施形態に係る表示装置7の一構成例を示す図である。表示装置7においては、照明装置ID、調光パネルPNL1、および表示パネルPNL2が第1実施形態と同様に配置されている。
第1基板SUB1および第4基板SUB4はアレイ基板であり、第2基板SUB2および第3基板SUB3は対向基板である。第2基板SUB2および第4基板SUB4は剛性基板であり、第1基板SUB1および第3基板SUB3は可撓性基板である。
【0053】
[各実施形態の効果]
各実施形態に係る表示装置1〜7によれば、2枚のパネルを重ねたことにより、いずれもコントラスト比を向上させることができる。また、例えば各基板SUB1〜SUB4が剛性基板である場合には、表示装置の重量および厚みが増す。これに対し、各実施形態に係る表示装置1〜7は、各基板SUB1〜SUB4のうちの2つが可撓性基板であるために、軽量化および薄型化を実現できる。軽量化および薄型化にのみ着目すれば、各基板SUB1〜SUB4を全て可撓性基板とすることが好ましい。しかしながら、この場合には、高温高湿信頼性、アレイ基板作製時の耐熱性、基板の反りに関する問題が生じ得る。以下、これらの問題の詳細および各実施形態に係る表示装置1〜7の効果につき詳述する。
【0054】
図12は、表示装置1〜7が奏する効果の一例を示す表である。ここでは、「高温高湿信頼性」、「耐熱性(アレイ作製時)」、「基板の反り」の3つの項目について表示装置1〜7を評価した。表の下方には、各実施形態に係る表示装置1〜7の概略的な構成を示している。「表示パネル」および「調光パネル」の「上基板」はレンズLZ側の基板であり、「下基板」は照明装置ID側の基板である。「パネル順序」の「上側」はレンズLZ側に配置されるパネルであり、「下側」は照明装置ID側に配置されるパネルである。
【0055】
以下、上記の評価項目について説明する。各評価項目に対しては、A(最良)、B(良)、C(可)の3段階でランクを付けた。
(1)高温高湿信頼性
高温高湿環境下においては、調光パネルPNL1および表示パネルPNL2に含まれる各要素に悪影響が及び、表示装置の信頼性が低下し得る。最もレンズLZに近い位置にある基板(最上の基板)、および、最も照明装置IDに近い位置にある基板(最下の基板)がガラス基材等を用いた剛性基板である場合には、これら基板が樹脂基材を用いた可撓性基板である場合に比べ、高温または高湿の環境下でも各パネルPNL1,PNL2の内部に影響が及びにくい。また、アレイ基板は、有機樹脂膜に比べて耐湿性が高い無機樹脂膜を含む。したがって、最上または最下の基板が樹脂基板である場合でも、これら基板がアレイ基板であれば耐湿性が向上する。さらに、高温高湿環境の影響は、表示面となる最上の基板側から及びやすい。このような観点から、A,B,Cのランクの基準は、以下の通り設定した。
[A]:最上および最下の基板の双方が剛性基板またはアレイ基板である。
[B]:最下の基板が剛性基板およびアレイ基板のいずれでもなく、最上の基板が剛性基板またはアレイ基板である。
[C]:最上の基板が剛性基板およびアレイ基板のいずれでもない。
【0056】
(2)耐熱性(アレイ作製時)
アレイ基板の作製時において、例えば各スイッチング素子SW1,SW2の半導体層を形成する際には、高温のプロセスを経る必要がある。アレイ基板が可撓性基板である場合、樹脂基材がこの高温のプロセスにおいて変形または変質する可能性がある。表示パネルPNL2は、高い画素解像度と良好な表示品位を実現すべく、高性能かつ小サイズの薄膜トランジスタを用いることが好ましい。このような薄膜トランジスタには、例えば低温で形成したポリシリコンを用いるLTPS型の薄膜トランジスタがある。しかしながら、この種の薄膜トランジスタは、ポリシリコンを形成する際の温度が数百℃と高いので、樹脂基材に影響を及ぼす可能性がある。一方で、調光パネルPNL1は、表示パネルPNL2に比べて低い画素解像度を採用し得ることから、第1スイッチング素子SW1として用いる薄膜トランジスタの選択の幅が広い。一例として、第1スイッチング素子SW1としては、アモルファスシリコン半導体を利用した薄膜トランジスタまたは透明アモルファス酸化物半導体を用いるTAOS型の薄膜トランジスタを採用できる。TAOS型の薄膜トランジスタは、LTPS型よりも性能が劣るものの、極めて低温で半導体層を形成可能であるため、樹脂基材への影響が小さい。このような観点から、A,B,Cのランクの基準は、以下の通り設定した。
[A]:調光パネルおよび表示パネルのアレイ基板がいずれも剛性基板である。
[B]:調光パネルのアレイ基板が可撓性基板でなく、表示パネルのアレイ基板が剛性基板である。
[C]:表示パネルのアレイ基板が可撓性基板である。
【0057】
(3)基板の反り
可撓性基板の製造工程においては、ガラス基板の上に樹脂基材が形成され、その上に各層が形成された後に、樹脂基材がガラス基板から剥離される。この剥離後、樹脂基材が収縮することによって、可撓性基板が反る可能性がある。アレイ基板は、無機樹脂膜を有するために、このような反りが生じにくい。一方で、一般的な構成の対向基板は、無機樹脂膜を備えないため、反りが生じやすい。対向基板を可撓性基板とする場合に、対向基板に無機樹脂膜を追加することも考えられるが、この場合には製造プロセスが増えるし、対向基板の厚さも増す。このような観点から、A,B,Cのランクの基準は、以下の通り設定した。
[A]:調光パネルおよび表示パネルの対向基板がいずれも剛性基板である。
[B]:調光パネルおよび表示パネルの対向基板のいずれか一方が剛性基板であり、他方が可撓性基板である。
[C]:調光パネルおよび表示パネルの対向基板の双方が可撓性基板である。
【0058】
(4)総合判定
「高温高湿信頼性」、「耐熱性(アレイ作製時)」、「基板の反り」の3つの項目の評価結果に基づき、各実施形態に係る表示装置1〜7を総合判定した結果を、
図12の表中に示している。第1実施形態に係る表示装置1は、高温高湿信頼性および基板の反りに関して優れるものの、耐熱性が「C」であるために総合判定を「B」とした。第2実施形態に係る表示装置2は、各項目がいずれも「A」または「B」であり、優れた性能を有しているため総合判定を「A」とした。第5実施形態に係る表示装置5は、2つの項目が「A」であり、優れた性能を有しているため総合判定を「A」とした。第6実施形態に係る表示装置6は、高温高圧信頼性および耐熱性に関して優れるものの、基板の反りが「C」であるために総合判定を「B」とした。第3,第4,第7実施形態に係る表示装置3,4,7は、いずれも1つ又は2つの項目が「A」である。しかしながら、これらの表示装置3,4,7は、調光パネルPNL1または表示パネルPNL2のアレイ基板が最上に位置するため、当該アレイ基板内の各金属配線を遮光するための遮光層を別途に設ける必要がある。この点を考慮し、第3,第4,第7実施形態に係る表示装置3,4,7は総合判定を「B」とした。
【0059】
なお、表示装置の性能を判定するに際しては、上述の3つの項目以外にも種々の項目が存在し、着目する項目によって好ましい実施形態が異なる。したがって、求められる性能に応じて、各実施形態に係る表示装置1〜7の構成から最適なものを選択すればよい。
【0060】
各実施形態においては、4つの基板SUB1〜SUB4のうちの2つが剛性基板であり、残りの2つが可撓性基板である表示装置を例示した。しかしながら、4つの基板SUB1〜SUB4のうちの1つまたは3つを剛性基板とし、残りを可撓性基板としてもよい。このような場合であっても、各基板SUB1〜SUB4の全てが剛性基板である場合よりも、表示装置の軽量化および薄型化が可能である。さらに、剛性基板または可撓性基板とする基板を適切に選択することで、上述した各評価基準において良好な判定となる表示装置を実現することができる。
【0061】
各実施形態においては、調光パネルがVAモードであり、表示パネルがIPSモードである場合を例示した。しかしながら、調光パネルおよび表示パネルには、TN(Twisted Nematic)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードなどの種々のモードを適用できる。調光パネルおよび表示パネルにTNモードを適用する場合、調光パネルPNL1と表示パネルPNL2の配向処理方向を90°ずらすことで、視野角特性を改善することができる。一例として、調光パネルPNL1の2つの配向膜の配向処理方向をそれぞれ第1方向Xに対して45°および135°の方向とし、表示パネルPNL2の2つの配向膜の配向処理方向をそれぞれ第1方向Xに対して135°および225°の方向とすればよい。配向処理としては、ラビング処理や光配向処理を利用することができる。
なお、調光パネルPNL1はアクティブマトリクス方式に限られず、パッシブマトリクス方式であってもよい。
【0062】
本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。