【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0050】
<実施例1>
(ハードコート層用塗工液(1)の調整)
SUS(ステンレス鋼)製容器に、アクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)を10.36g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK(methyl isobutyl ketone)溶液を0.41g、MIBKを4.23gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(A)を調整した。
【0051】
また、別のSUS製容器に、上記のアクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)からアクリル樹脂系微粒子4を抜いたアクリレート化合物組成物を11.39g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.45g、MIBKを3.15gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(B)を調整した。
【0052】
新たなSUS製容器に、ハードコート層用塗工液(A)を2.0g、ハードコート層用塗工液(B)を2.0gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(1)を調整した。
【0053】
(ハードコートフィルム(1)の作製)
非晶性ポリマーフィルム基材2としてシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)を用いた。このフィルムの片面にコロナ処理を施した後、上記のハードコート層用塗工液(1)を、#5のワイヤーバーを用いて塗工し、その後、80℃の温度で1.0分間かけて乾燥し、次いで、高圧水銀ランプを用いて、光量200mJ/cm
2の条件で紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させて、ハードコートフィルム(1)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0054】
<実施例2>
(ハードコートフィルム(2)の作製)
ハードコート層用塗工液を、実施例1のハードコート層用塗工液(A)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(2)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0055】
<実施例3>
(ハードコート層用塗工液(2)の調整)
SUS製容器に、実施例1のアクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)の微粒子4を、粒径(平均粒径)400nmのアクリル樹脂系微粒子(粒子濃度5.5重量%)に変更した、固形分濃度55.5%のアクリレート化合物組成物を10.26g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.41g、MIBKを4.33gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(C)を調整した。
【0056】
新たなSUS製容器に、実施例1のハードコート層用塗工液(B)を2.0g、上記のハードコート層用塗工液(C)を2.0gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(2)を調整した。
【0057】
(ハードコートフィルム(3)の作製)
ハードコート層用塗工液(1)を、上記のハードコート層用塗工液(2)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(3)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0058】
<実施例4>
(ハードコートフィルム(4)の作製)
ハードコート層用塗工液(1)を、実施例3のハードコート層用塗工液(C)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(4)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0059】
<実施例5>
(ハードコートフィルム(5)の作製)
ハードコート層用塗工液を、実施例1のハードコート層用塗工液(A)に変更し、#8のワイヤーバーを用いる以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(5)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は5.0μmであった。
【0060】
<実施例6>
(ハードコート層用塗工液(3)の調整)
SUS製容器に、実施例1のアクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)の微粒子4を、粒径(平均粒径)180nmのアクリル樹脂系微粒子(粒子濃度5.5重量%)に変更した、固形分濃度55.5%のアクリレート化合物組成物を10.26g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.41g、MIBKを4.33gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(3)を調整した。
【0061】
(ハードコートフィルム(6)の作製)
ハードコート層用塗工液(1)を、上記のハードコート層用塗工液(3)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(6)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0062】
<実施例7>
(ハードコート層用塗工液(4)の調整)
SUS製容器に、アクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)を2.91g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.11g、MIBKを4.98gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(4)を調整した。
(ハードコートフィルム(7)の作製)
【0063】
ハードコート層用塗工液を、上記のハードコート層用塗工液(4)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(7)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は0.75μmであった。
【0064】
<実施例8>
(ハードコート層用塗工液(5)の調整)
SUS製容器に、実施例1のアクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)の微粒子4を粒子濃度8.5重量%に増量した、固形分濃度50.0%のアクリレート化合物組成物を3.2g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.12g、MIBKを4.67gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(5)を調整した。
(ハードコートフィルム(8)の作製)
【0065】
ハードコート層用塗工液(1)を、上記のハードコート層用塗工液(5)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(8)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は0.75μmであった。
【0066】
<実施例9>
(ハードコート層用塗工液(6)の調整)
SUS製容器に、アクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−735−35L、固形分濃度50重量%、粒子濃度10重量%、粒径(平均粒径)120nm)を4.0g、PGMを4.0g加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(6)を調整した。
【0067】
(ハードコートフィルム(9)の作製)
非晶性ポリマーフィルム基材2としてシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZD16、厚み100μm)を用い、#7のワイヤーバーを用いる以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(9)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は2.0μmであった。
【0068】
<実施例10>
(ハードコートフィルム(10)の作製)
#4のワイヤーバーに変更する以外は実施例9と全く同様にして、ハードコートフィルム(10)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.0μmであった。
【0069】
<実施例11>
(ハードコート層用塗工液(7)の調整)
SUS製容器に、アクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−735−35L、固形分濃度50重量%、粒子濃度10重量%、粒径(平均粒径)120nm)を15.0kg、PGMを15.0kg加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(7)を調整した。
【0070】
(ハードコートフィルム(11)の作製)
非晶性ポリマーフィルム基材2としてシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZD16、厚み100μm)を用いた。このフィルムの両面にコロナ処理を施した後、上記のハードコート層用塗工液(7)を、リバースグラビアを用いて塗工し、その後、70℃の温度で1.5分間かけて乾燥し、次いで、高圧水銀ランプを用いて、光量200mJ/cm
2の条件で紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させて、ハードコートフィルム(11)を作製した。得られたハードコート層3、5の膜厚(平均膜厚)は1.0μmであった。
【0071】
<実施例12>
(ハードコート層用塗工液(8)の調整)
SUS製容器に、アクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)を16.47kg、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の10重量%のMIBK溶液を0.24kg、MIBKを6.86kg、シクロヘキサノンを27.45kgを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(8)を調整した。
【0072】
(ハードコートフィルム(12)の作製)
非晶性ポリマーフィルム基材2としてシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)を用い、ハードコート層用塗工液(7)を、上記のハードコート層用塗工液(8)に変更する以外は実施例11と全く同様にして、ハードコートフィルム(12)を作製した。得られたハードコート層3、5の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0073】
<実施例13>
(光学調整層用塗工液(1)の調整)
SUS製容器に、酸化ジルコニウム微粒子を含むアクリレート化合物組成物(固形分濃度40重量%、屈折率1.65)を3.38kg、MIBKを26.63kgを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、光学調整層用塗工液(1)を調整した。
【0074】
(光学調整層付きハードコートフィルム(1)の作製)
実施例12で作製したハードコートフィルム(12)を用い、その片面であるハードコート層3の表面に、上記光学調整層用塗工液(1)を、リバースグラビアを用いて塗工し、その後100℃の温度で1.5分間かけて乾燥し、次いで、窒素ガス雰囲気下で高圧水銀ランプを用いて、光量200mJ/cm
2の条件で紫外線を照射し、光学調整層を硬化させて、光学調整層付きハードコートフィルム(1)を作製した。得られた光学調整層6(詳しくは、高屈折率層6a)の膜厚は60nmであった。
【0075】
<実施例14>
光学調整層用塗工液(1)を、ハードコートフィルム(12)の両面に塗工する以外は、実施例13と全く同様にして、光学調整層を硬化させて、光学調整層付きハードコートフィルム(2)を作製した。得られた光学調整層6(詳しくは、高屈折率層6a)の膜厚は、60nmであった。
【0076】
<実施例15>
実施例13にて作製した光学調整層付きハードコートフィルム(1)の光学調整層6が設けられていない面側に、粘着層7bを有するプラスチック保護フィルム7を貼り合わせ、保護フィルムおよび光学調整層付きハードコートフィルム(1)を作製した。
【0077】
<比較例1>
(ハードコート層用塗工液(9)の調整)
SUS製容器に、実施例1のハードコート層用塗工液(A)を1.25g、ハードコート層用塗工液(B)を3.75gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(9)を調整した。
【0078】
(ハードコートフィルム(13)の作製)
ハードコート層用塗工液(1)を、上記のハードコート層用塗工液(9)に変更する以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(13)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は1.5μmであった。
【0079】
<比較例2>
(ハードコート層用塗工液(10)の調整)
SUS製容器に、実施例1のアクリル樹脂系微粒子4を含有するアクリレート化合物組成物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、粒子濃度5重量%、粒径(平均粒径)120nm)からアクリル樹脂系微粒子4を抜いたアクリレート化合物組成物を5.0g、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:8019ADDITIVE)の1重量%のMIBK溶液を0.20g、1,3−ジオキソラン(1,3−dioxolane)を0.40g、粒径(平均粒径)1500nmの球状アクリル粒子(綜研化学株式会社製、商品名:MX−150)を1.0gを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(10)を調整した。
【0080】
(ハードコートフィルム(14)の作製)
ハードコート層用塗工液(1)を、上記のハードコート層用塗工液(10)に変更し、#6のワイヤーバーを用いる以外は実施例1と全く同様にして、ハードコートフィルム(14)を作製した。得られたハードコート層3の膜厚(平均膜厚)は2.0μmであった。
【0081】
[ハードコートフィルムの評価]
(表面粗さRa)
白色干渉計(株式会社菱化システム製、商品名:VertScan)を用い、10×10cmに切り出したサンプルをステージに置き、50倍レンズにて、表面粗さ(算術平均粗さ)Raを3回測定し、その平均値を算出した。
【0082】
(表面凸部の分布密度)
白色干渉計(株式会社菱化システム製、商品名:VertScan)を用い、三次元算術平均粗さSaの測定データから、そのSaの測定基準となる平均面からの高さが2nm以上になっている凸部の個数をカウントした。
【0083】
(ヘイズ)
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、商品名:NDH 5000)にて測定した。
【0084】
(耐ブロッキング性)
作製したハードコートフィルムから、A4サイズのサンプルを切り出し、10枚を重ね合わせ、25℃/60%の恒温恒湿条件下で、10kgの荷重を72時間与え、フィルムの同士の密着性を目視で観察した。
【0085】
その結果、全く密着せず密着跡も認められないものを◎、密着はしていないがわずかに密着跡が認められるものを○、密着しているものを×と判断した。
【0086】
(ギラツキ)
高精細なディスプレイを搭載するタブレットPC(Apple社製、商品名:i−Pad)の画面全体を緑色表示にし、その上に評価すべきハードコートフィルムを載せて、ギラツキを目視判定した。ギラツキが全く認められないものを○、ギラツキがわずかでも認められるものを×と判断した。
【0087】
実施例および比較例のハードコートフィルムの性能を下記表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
表1から、実施例1〜12におけるハードコートフィルムは、表面粗さ(算術平均粗さ)Raが小さく、表面の凸部の密度が高く、ヘイズが低く、フィルム表面に微小な凸部が多数形成されている。このハードコートフィルムは、ギラツキがなく、十分な耐ブロッキング性を有している。
【0090】
また、微粒子4の添加量が少ない比較例1では、表面粗さRaが小さく、表面の凸部の分布密度が低く、十分な耐ブロッキング性が得られていない。一方、大きな微粒子4を用いた比較例2では、表面粗さRaは大きく、表面の凸部の分布密度が低く、フィルム表面に比較的大きな凸部が少数形成され、耐ブロッキング性は確保されているものの、ギラツキがあり、視認性が低下している。
【0091】
また、実施例13〜15に関しては、表1に記載しないが、実施例13は、実施例12のハードコートフィルムに光学調整層6を設けたものであり、表面粗さRaが、3.3nm、表面凸部分布密度が、103000個/mm
2、ヘイズが0.7%であり、耐ブロッキング性の評価は、○であった。この実施例13は、膜厚が60nmの光学調整層6を有するが、表面粗さは、ほとんど変化せず、実施例12と同様の耐ブロッキング性が得られている。