【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY 2016 INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OF TECHNICAL PAPERS Volume 47(発行年月日 平成28年5月22日)第57−60頁、第735−738頁、第1002−1004頁にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 DISPLAY WEEK 2016 INTERNATIONAL SYMPOSIUM(開催日 平成28年5月22日−27日)にて発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
<表示装置の構成>
図1は、表示装置の構成を説明するためのブロック図である。表示装置10は、ソースドライバIC31、ゲートドライバ20、ゲートドライバ22、表示部14、および表示部18を有する。
【0020】
表示部14は、反射型表示素子である液晶素子LCを有する。表示部14は、発光型表示素子である発光素子ELを有する。表示部14は表示部18と重なる領域を有している。そして、上記重なる領域において、表示部18の発光素子ELから発せられた光が、表示部14を通過する構成を有している。発光素子ELおよび液晶素子LCは、表示部14および表示部18が有する画素(または副画素)ごとに設けられる。
【0021】
本明細書等において、画素とは、例えば、明るさを制御できる要素一つ分を示すものとする。よって、一例としては、一画素とは、一つの色要素を示すものとし、その色要素一つで明るさを表現する。従って、そのときは、R(赤)G(緑)B(青)の色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。この場合、RGBのそれぞれの画素は副画素と呼び、RGBの副画素を併せて画素と呼ぶ。
【0022】
ソースドライバIC31は、ソースドライバ24、信号生成回路26、信号生成回路28、フレームメモリ30、フレームメモリ32、制御回路34およびインターフェース36を有する。
【0023】
ソースドライバIC31は、アプリケーションプロセッサ99から画像を表示するための信号(画像データ)等を受信する。アプリケーションプロセッサ99は、画像データを所定の形式の信号に変換してインターフェース36に出力する機能を有する。インターフェ−ス36は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)などに即した信号に変換する回路が挙げられる。
【0024】
フレームメモリ30およびフレームメモリ32は、インターフェース36を経て制御回路34より入力される1フレーム分の画像データを一時的に記憶するための回路である。
図1では複数のフレームメモリを図示しているが1つでもよい。またラインメモリを用いることも可能である。フレームメモリのメモリセルは、SRAM(Static RAM)またはDRAM(Dynamic RAM)を用いることができる。DRAMのトランジスタはオフ電流の小さいトランジスタを用いることで、リフレッシュ頻度を低減できるため低消費電力を図る上で好ましい。
【0025】
信号生成回路26は、ゲートドライバ20が出力する走査信号を制御するための信号を生成する回路である。信号生成回路28は、ゲートドライバ22が出力する走査信号を制御するための信号を生成する回路である。信号生成回路26および信号生成回路28は、ゲートドライバ20およびゲートドライバ22にクロック信号CLK、パルス幅制御信号PWC、リセット信号RES、およびスタートパルス等の信号を出力し、走査信号の出力を制御する。
【0026】
例えば信号生成回路26または信号生成回路28は、パルス幅制御信号PWCおよびクロック信号CLKをLレベルに固定することで、ゲートドライバ20またはゲートドライバ22より出力される走査信号をLレベルとする期間を設けることができ、画素に書き込む画像データのリフレッシュレートを小さくできる。なおゲートドライバ20またはゲートドライバ22において、走査信号として出力されるパルス信号をLレベルの信号とすることを、走査信号の出力を停止させるともいう。
【0027】
また、信号生成回路26または信号生成回路28は、任意の行に対応するパルス幅制御信号PWCをLレベルに固定することで、ゲートドライバ20またはゲートドライバ22から任意の行に出力される走査信号をLレベルとする期間を設けることができ、走査信号を一部の行に出力し、その他の行に出力する走査信号をLレベルの信号とすることができる。なおゲートドライバ20またはゲートドライバ22において、任意の行に出力される走査信号として出力されるパルス信号をLレベルの信号とすることを、任意の行の画素への走査信号の出力を停止させるともいう。
【0028】
ソースドライバ24は、各列のソース線に画像データに基づく電圧(ビデオ電圧)を与えるための回路である。ゲートドライバ20は、選択した行にある画素の液晶素子LCに、ソース線に与えたビデオ電圧に基づく階調が制御されるための走査信号を与えるための回路である。ゲートドライバ22は、選択した行にある画素の発光素子ELに、ソース線に与えたビデオ電圧に基づく階調が制御されるための走査信号を与えるための回路である。液晶素子LCが階調を制御されることにより、表示部14は画像を表示することができる。また、発光素子ELが階調を制御されることにより、表示部18は画像を表示することができる。
【0029】
図1に示す表示装置10では、表示部14と表示部18のうち、表示部14においてのみ画像を表示することができる。表示部14では反射型表示素子である液晶素子LCを用いているため、画像を表示する際に光源として外光を利用することができる。外光を利用する場合、表示部14においてのみ画像の表示を行うことで、表示装置10の消費電力を抑えることができる。また、表示部18では発光型表示素子である発光素子ELを用いているため、外光を利用することなく画像の表示を行うことができる。よって、表示部14と表示部18のうち、表示部14においてのみ画像を表示することで、外光の強度が低い場合でも画像の表示品質を高くすることができる。すなわち、表示装置10の使用環境に左右されずに高い表示品質を確保することができる。
【0030】
また、本発明の一態様に係る表示装置10では、表示部14と表示部18の両方を用いて画像を表示することも可能である。上記構成により、表示装置10において表示できる画像の階調数を高めることができる。或いは、表示装置10において表示できる画像の色域の範囲を広げることができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る表示装置10では、表示部14と表示部18の両方を用いて画像を表示する場合、表示する画像に応じて信号生成回路28は、画素にビデオ電圧の書き込みを行うための走査信号の出力を、任意の行にて停止させる信号をゲートドライバ22に出力する構成とする。そのため、外光の強度が低い場合において、情報の更新が不要な画素での発光素子ELの発光を抑制することができる。換言すれば、外光の強度が低い場合に画像の表示品質を高くするとともに、情報の更新が必要な領域のみ発光素子ELの発光を行うことができる。従って、低消費電力化と利便性に優れた表示装置とすることができる。
【0032】
また、本発明の一態様に係る表示装置10では、表示部14と表示部18の両方を用いて画像を表示する場合、表示する画像に応じて信号生成回路26は、画素にビデオ電圧の書き込みを行うための走査信号の出力を全行にて停止させる信号をゲートドライバ20に出力する構成とする。そのため、外光の強度が低い場合において、情報の更新が不要な画素での液晶素子LCによる表示の更新を間欠的、つまりリフレッシュレートを小さくして表示を行うことができる。従って、低消費電力化と利便性に優れた表示装置とすることができる。
【0033】
なお上述の情報とは、画素を有する各表示部で表示される情報である。つまり各表示部に入力される画像データに相当する。また情報の更新とは、画素を有する各表示部で表示される情報を更新することである。つまり各表示部に入力される画像データの書き換え(リフレッシュ)に相当する。
【0034】
なお表示装置の構成は、
図1に示す表示装置10の構成に限らない。例えば
図2(A)に示す表示装置10AのようにソースドライバIC31Aにおいて信号生成回路26、信号生成回路28、フレームメモリ30、フレームメモリ32を省略する構成とすることもできる。当該構成では、ソースドライバIC31Aは、ソースドライバ24およびインターフェース36を有する。
【0035】
図2(A)のソースドライバIC31Aは、信号生成回路26、信号生成回路28、フレームメモリ30、フレームメモリ32などの機能を外部のタイミングコントローラ等にて行う。そしてインターフェース36を介してソースドライバ24及びゲートドライバ(図示せず)を制御するための信号を送信する。インターフェース36は、外部のタイミングコントローラとの通信を高速で行うために、DVI(Digital Visual Interface)、EPI(External Presentation Interface)、SPI(Serial Peripheral Interface)などを選択することが好ましい。当該構成とすることでソースドライバIC31Aの小型化を図ることができ、小型の電子機器に表示装置を搭載する際に好適である。
【0036】
また
図2(B)に示す表示装置10AのようにソースドライバIC31Aを複数用いる構成とすることもできる。当該構成とすることでソースドライバIC31Aの小型化を図るとともに、大型の電子機器に表示装置を搭載する際に好適である。なお複数のソースドライバIC31Aは、外部のタイミングコントローラ35によって制御する構成とすればよい。
【0037】
<表示部の構成>
図3は、表示装置が有する表示部の構成を説明するためのブロック図である。表示部13は、
図1で示す表示部14および表示部18を併せた領域に相当する。表示部13は、複数の画素19を有する。画素19は、画素回路15および画素回路17を有する。また
図3は、
図1で示すソースドライバ24、ゲートドライバ20およびゲートドライバ22を図示している。
【0038】
画素回路15は、ビデオ電圧が書き込まれることで液晶素子LC(図示せず)による階調を制御するための回路である。画素回路15は、トランジスタおよび容量素子を有する。画素回路15に書き込まれるビデオ電圧は、ソース線SL
LCを介して与えられる。画素回路15にビデオ電圧を書き込むための走査信号は、ゲートドライバ20よりゲート線GL
LCを介して与えられる。
【0039】
画素回路17は、ビデオ電圧が書き込まれることで発光素子EL(図示せず)による階調を制御するための回路である。画素回路17は、トランジスタおよび容量素子を有する。画素回路17に書き込まれるビデオ電圧は、ソース線SL
ELを介して与えられる。画素回路17にビデオ電圧を書き込むための走査信号は、ゲートドライバ22よりゲート線GL
ELを介して与えられる。
【0040】
なお図面等において、ソース線SL
EL、ソース線SL
LC、ゲート線GL
LCおよびゲート線GL
ELは、ソース線SL
EL[1]、ソース線SL
LC[1]、ゲート線GL
LC[1]およびゲート線GL
EL[1]として図示しているが、これらは1行目または1列目を表している。なお画素19をm行n列(m、nは共に自然数)で表す場合、表示部13が有する画素は、ソース線SL
EL[1]乃至[n]のいずれか一列、ソース線SL
LC[1]乃至[n]のいずれか一列、ゲート線GL
LC[1]乃至[m]のいずれか一行およびゲート線GL
EL[1]乃至[m]のいずれか一行に接続される。
【0041】
次いで画素19について説明する。
図4(A)は、画素19の回路図の一例である。画素19は、画素回路15、画素回路17、液晶素子LCおよび発光素子ELを有する。
【0042】
図4(A)において、画素回路15は、トランジスタM1および容量素子Cs
LCを有する。画素回路17は、トランジスタM2、M3および容量素子Cs
ELを有する。画素19が有する各素子は、
図4(A)に示すように、ゲート線GL
LC[1]、ゲート線GL
EL[1]、信号線SL
LC[1]、信号線SL
EL[1]、容量線L
CS、電流供給線L
ano、および共通電位線L
casに接続される。
【0043】
なお容量素子Cs
ELは、発光素子ELを駆動するための階調電圧をトランジスタM3のゲートに保持するために設けている。このような構成とすることで、発光素子ELを駆動するための階調電圧の保持をより確実に行うことができる。
【0044】
なおトランジスタM3は、バックゲートを有するトランジスタとしている。このような構成とすることで、トランジスタを流れる電流量を大きくすることができる。なおバックゲートに与える電圧は、別の配線から与える構成としてもよい。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧をコントロールすることができる。
【0045】
トランジスタM1は、導通状態を制御することで、液晶素子LCを駆動するための階調電圧を容量素子Cs
LCに与える。トランジスタM2は、導通状態を制御することで、発光素子ELを駆動するための階調電圧をトランジスタM3のゲートに与える。トランジスタM3は、ゲートの電圧に応じて電流供給線L
anoと共通電位線L
casとの間に電流を流して発光素子ELを駆動する。
【0046】
トランジスタM1乃至M3は、nチャネル型トランジスタを用いることができる。nチャネル型トランジスタは、各配線の電圧の大小関係を変えることで、pチャネル型トランジスタに置き換えることもできる。トランジスタM1乃至M3の半導体材料は、シリコンを用いることができる。シリコンは、単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを適宜選択して用いることができる。
【0047】
あるいはトランジスタM1乃至M3の半導体材料は、金属酸化物を用いることができる。金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む金属酸化物などを用いることができる。
【0048】
また画素19が有するトランジスタM1乃至M3は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。
【0049】
また画素19が有するトランジスタM1乃至M3を、バックゲートを有するトランジスタとしてもよい。バックゲートに与える電圧は、ゲート線GL
LC[1]やゲート線GL
EL[1]とは異なる、別の配線から与える構成としてもよい。また、バックゲートを有するトランジスタは、トランジスタM3だけというように限定してもよい。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧のコントロール、あるいはトランジスタを流れる電流量を大きくすることができる。
【0050】
液晶素子LCは、IPS(In−Plane−Switching)モード、TN(Twisted Nematic)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる。または、垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super−View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる。
【0051】
液晶素子が有する液晶材料には、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0052】
なお発光素子ELとしては、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子等のEL素子の他、または発光ダイオードなどを用いることができる。
【0053】
EL素子は、白色の光を射出するように積層された積層体を用いることができる。具体的には、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の有機化合物を含む層と、緑色および赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層または黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層体を、用いることができる。
【0054】
次いで画素19の層構造の模式図について説明する。
図4(B)に示す画素19では、画素回路15、画素回路17、液晶素子LCおよび発光素子ELの配置を示している。
図4(B)に示す液晶素子LCは開口21を有する。この開口21は、反射電極に設けられる開口を表している。
図4(B)に示す発光素子ELは、液晶素子LCが有する開口21に重ねて設けられる。
図4(B)に示す画素回路15および画素回路17は、液晶素子LCが設けられる層と発光素子ELが設けられる層の間に設けられる。なお
図4(B)に示す画素回路15および画素回路17は、異なる層に設けられてもよい。
【0055】
図4(B)に示す構成とすることで画素19は、液晶素子LCによる反射光12の強度の制御と、開口21を透過する発光素子ELの発する光16の強度の制御と、によって階調を制御することができる。なお反射光12が射出される方向および発光素子ELが発する光16が射出される方向は、表示装置10の表示面となる。
【0056】
図4(B)に示す構成では、液晶素子LCが有する反射電極の下に画素回路15および画素回路17といった画素を駆動するための回路を配置することができる。そのため、発光素子ELを駆動するための画素回路17が増える分の開口率の低下を抑制することができる。
【0057】
また
図4(B)に示す構成では、画素19ごとに液晶素子LCを制御することができる画素回路15、及び発光素子ELを制御することができる画素回路17を有する。つまり、画素19ごとに液晶素子LCおよび発光素子ELの階調表示を別々に制御することができる。このような構成では、複数の画素で一様に点灯するバックライトの制御とは異なり、表示する画像に応じた発光素子ELの発光を画素レベルといった最小単位で制御することができるため、余分な発光を抑えることができる。そのため
図4(B)の画素を有する表示装置は、低消費電力化を図ることができる。
【0058】
なお画素回路15および画素回路17は、階調表示を制御するためのトランジスタを有する。当該トランジスタとしてチャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタを用いる構成とすることが好適である。金属酸化物は、酸化物半導体として機能し、当該酸化物半導体をチャネル形成領域に有するOSトランジスタは、オフ電流が極めて低い。そのため、表示装置で静止画表示を行う場合、画素回路でビデオ電圧に応じた電荷を長時間保持することができる。画素回路内にビデオ電圧に応じた電荷を長時間保持できる構成とすることで、画素の書き換え頻度(リフレッシュレート)を減らせる(例えばフレームレート30Hz以下)ため、低消費電力化を図ることができる。
【0059】
<表示装置の動作例>
次いで
図1に示す表示装置の動作について、当該表示装置を備えた電子機器の動作を挙げて説明する。
図5(A)には、
図1の表示装置を備えた電子機器40を示す。
【0060】
図5(A)に示す電子機器40は、表示部を有する携帯型電子機器であり、筐体42内に表示装置を具備し、その他の構成として光センサ44および電源ボタン46を図示している。表示装置の表示部には、背景部48および時計表示部50を図示している。時計表示部50では、文字盤、長針、短針および秒針といった時間を示すための構成を図示している。
【0061】
筐体42の長軸方向にゲートドライバを配置して走査信号を出力する場合、上述した背景部48のみを表示する画素がゲート線に接続される領域は、
図5(A)に静止画表示部47,51として図示するように情報の更新が不要な領域とすることができる。一方、上述した時計表示部50を表示する画素がゲート線に接続される領域は、
図5(A)に動画表示部49として図示するように情報の更新が必要な領域とすることができる。
【0062】
図5(B)には、
図5(A)の動画表示部49および静止画表示部47,51を有する表示部13および周辺の駆動回路のブロック図を図示する。
図5(B)に示す表示部13は、複数の画素19を有する。画素19は、画素回路15および画素回路17を有する。また
図5(B)は、ソースドライバ24、ゲートドライバ20およびゲートドライバ22を図示している。
【0063】
なお
図5(B)では、
図3と同様に、1列目のソース線SL
EL[1]およびソース線SL
LC[1]、並びに1行目のゲート線GL
LC[1]およびゲート線GL
EL[1]を図示している。加えて、
図5(B)では、2行目のゲート線GL
LC[2]およびゲート線GL
EL[2]、j行目(jは3以上(m−1)以下(mは5以上の自然数)の自然数)のゲート線GL
LC[j]およびゲート線GL
EL[j]、j+1行目のゲート線GL
LC[j+1]およびゲート線GL
EL[j+1]、m−1行目のゲート線GL
LC[m−1]およびゲート線GL
EL[m−1]、m行目のゲート線GL
LC[m]およびゲート線GL
EL[m]を図示している。
【0064】
なお
図5(B)に示す1行目のゲート線GL
LC[1]およびゲート線GL
EL[1]、ならびに2行目のゲート線GL
LC[2]およびゲート線GL
EL[2]は、
図5(A)の静止画表示部47の画素に走査信号を与えるゲート線とする。また
図5(B)に示すj行目のゲート線GL
LC[j]およびゲート線GL
EL[j]、ならびにj+1行目のゲート線GL
LC[j+1]およびゲート線GL
EL[j+1]は、
図5(A)の動画表示部49の画素に走査信号を与えるゲート線とする。また
図5(B)に示すm−1行目のゲート線GL
LC[m−1]およびゲート線GL
EL[m−1]、ならびにm行目のゲート線GL
LC[m]およびゲート線GL
EL[m]は、
図5(A)の静止画表示部51の画素に走査信号を与えるゲート線とする。
【0065】
図5(A)で図示する電子機器40について、
図6に改めて図示する。電子機器40における動画表示部49では、情報の更新が必要な領域とすることができる。電子機器40における静止画表示部47,51では、上述したように、情報の更新が不要な領域とすることができる。そのため、静止画表示部47,51では、液晶素子LCによる表示の更新を間欠的、つまりリフレッシュレートを小さくして表示を行う。一方で動画表示部49では、液晶素子LCによる表示に合わせて発光素子ELの発光による表示を行う。つまり
図6に図示するように、静止画表示部47,51では、液晶素子LCによる反射光12を利用した表示を行い、動画表示部49では、液晶素子LCの反射光12および発光素子ELの光16を利用した表示を行う構成とする。
【0066】
図5(B)に図示するブロック図を用いて、
図7(A)、(B)では、
図6の動作を行う場合の
図1の表示装置の動作について説明する。
【0067】
図7(A)において破線矢印23は、ゲートドライバ20が走査信号を順次出力する走査方向を可視化したものである。また
図7(A)において破線矢印25は、ゲートドライバ22が走査信号を順次出力する走査方向を可視化したものである。
【0068】
本発明の一態様の表示装置の動作は、
図7(A)に示すように、
図6の動作を行う場合において情報の更新が必要な領域において発光素子ELに書き込んだビデオ電圧の更新を行うように走査信号を出力する構成とする。つまり、ゲートドライバ20が破線矢印23のように走査信号を順次出力する際に、ゲートドライバ22では1行目のゲート線GL
EL[1]、2行目のゲート線GL
EL[2]から走査信号を出力せず、j行目のゲート線GL
EL[j]、j+1行目のゲート線GL
EL[j+1]から走査信号を出力し、m−1行目のゲート線GL
EL[m−1]、m行目のゲート線GL
EL[m]から走査信号を出力しないように動作させる。ゲートドライバ22から走査信号を出力するように
図1の信号生成回路26による各制御信号を切り替えて、当該走査信号の切り替えを実現する。
【0069】
そのため、外光の強度が低い場合において、情報の更新が不要な画素での発光素子ELの発光を抑制することができる。つまり情報の更新が必要な領域のみ発光素子ELの発光を行うことができる。従って、低消費電力化と利便性に優れた表示装置とすることができる。
【0070】
また
図7(B)では
図7(A)とは異なる本発明の一態様の表示装置の動作を説明する図である。
図7(A)とは異なり、
図7(B)での動作は、ゲートドライバ20による走査信号を出力する間隔を大きくして、走査信号による表示の更新を間欠的に行うことでゲートドライバ20による走査信号の出力を定期的に停止する構成とする。
図7(B)では、
図7(A)で示した破線矢印23を図示しないことで走査信号の出力の定期的な停止を表している。このゲートドライバ20による走査信号の出力を停止させた状態で、ゲートドライバ22では1行目のゲート線GL
EL[1]、2行目のゲート線GL
EL[2]から走査信号を出力せず、j行目のゲート線GL
EL[j]、j+1行目のゲート線GL
EL[j+1]から走査信号を出力し、m−1行目のゲート線GL
EL[m−1]、m行目のゲート線GL
EL[m]から走査信号を出力しないように動作させる。ゲートドライバ22から走査信号を出力するように
図1の信号生成回路26による各制御信号を切り替えて、当該走査信号の切り替えを実現する。また走査信号の出力の停止は、
図1の信号生成回路28による各制御信号を切り替えて実現する。
【0071】
そのため、外光の強度が低い場合において、情報の更新が不要な画素での発光素子ELの発光を抑制するするとともに、情報の更新が不要な画素での液晶素子LCによる表示の更新を間欠的、つまりリフレッシュレートを小さくして表示を行うことができる。従って、低消費電力化と利便性に優れた表示装置とすることができる。
【0072】
また、本発明の一態様に係る表示装置10では、表示部14と表示部18の両方を用いて画像を表示する場合、表示する画像に応じて信号生成回路26は、画素にビデオ電圧の書き込みを行うための走査信号の出力を全行にて停止させる信号をゲートドライバ22に出力する構成とする。そのため、外光の強度が低い場合において、情報の更新が不要な画素での液晶素子LCによる表示の更新を間欠的、つまりリフレッシュレートを小さくして表示を行うことができる。従って、低消費電力化と利便性に優れた表示装置とすることができる。
【0073】
なお
図5乃至7説明では、表示部の表示の一例として、動画表示部と静止画表示部に分けて各領域に対応する表示素子を有する画素回路への走査信号の出力を異ならせる構成について説明したが他の構成としてもよい。
【0074】
例えば
図8(A)に図示するように、液晶素子LCを駆動して低リフレッシュレートで表示を行う表示部14では時計の文字盤53を表示させ、発光素子ELを駆動して表示を行う表示部18では長針、短針および秒針52の表示をさせる。なお発光素子ELを駆動して表示を行う表示部18のリフレッシュレートは、1秒間に一回、つまり1Hz以下でよい。また、液晶素子LCを駆動して表示を行う表示部14は、表示部18のリフレッシュレートより小さいことが好ましい。
【0075】
別の例としては
図8(B)に図示するように、液晶素子LCを駆動して低リフレッシュレートで表示を行う表示部14では地
図55を表示させ、発光素子ELを駆動して表示を行う表示部14ではキャラクター54の表示をさせる。なお発光素子ELを駆動して表示を行う表示部18のリフレッシュレートは、1秒間に一回、つまり1Hz以下でよい。また、液晶素子LCを駆動して表示を行う表示部14は、表示部18のリフレッシュレートより小さいことが好ましい。
【0076】
<表示装置の表示モード>
図9(A)乃至(D)を用いて、上記表示装置の動作例で説明したリフレッシュレートを小さくする表示モードについて説明する。また
図10乃至
図12を用いて、
図5(A)で説明した電源ボタン46を利用した表示モードの切り替えについて説明する。また
図13(A)乃至(E)を用いて、
図5(A)で説明した光センサ44を利用した表示モードの切り替えについて説明する。
【0077】
なお上記表示装置の動作例で説明したリフレッシュレートを小さくする表示モードをアイドリング・ストップ(IDS)駆動モードとして以下説明する。なお表示装置10が取り得る表示モードとして、通常のフレーム周波数で動作する通常駆動モード(Normal mode)と、アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードと、を挙げて説明する。
【0078】
なお、IDS駆動とは、画像データの書き込み処理を実行した後、画像データの書き換えを停止する駆動方法のことをいう。一旦画像データの書き込みをして、その後次の画像データの書き込みまでの間隔を延ばすことで、その間の画像データの書き込みに要する分の消費電力を削減することができる。
【0079】
上述した通常駆動モードとIDS駆動について、
図9(A)乃至(D)で一例を挙げて説明する。なお
図9(A)乃至(D)では、液晶素子LCおよび画素回路15に通常駆動モードとIDS駆動を適用する場合について説明するが、発光素子ELおよび画素回路17についても通常駆動モードとIDS駆動を適用することが可能である。
【0080】
図9(A)は、液晶素子LCおよび画素回路15で構成される画素の回路図を図示している。
図9(A)では、ソース線SLおよびゲート線GLに接続されたトランジスタM1、容量素子Cs
LCおよび液晶素子LCを図示している。ソース線SLおよびゲート線GLは、
図3等で図示するソース線SL
LCおよびゲート線GL
LCに相当する。
【0081】
図9(B)は、通常駆動モードでのソース線SLおよびゲート線GLにそれぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。通常駆動モードでは通常のフレーム周波数(例えば60Hz)で動作する。1フレーム期間を期間T
1乃至T
3で表すと、各フレーム期間でゲート線に走査信号を与え、ソース線のビデオ電圧D
1を画素に書き込む動作を行う。この動作は、期間T
1乃至T
3で同じビデオ電圧D
1を書き込む場合であっても、異なるビデオ電圧を書き込む場合であっても同じである。
【0082】
一方
図9(C)は、IDS駆動でのソース線SLおよびゲート線GLにそれぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。IDS駆動では低速のフレーム周波数(例えば1Hz)で動作する。1フレーム期間を期間T
1で表し、その中でビデオ電圧の書き込み期間を期間T
W、ビデオ電圧の保持期間を期間T
RETで表す。IDS駆動は、期間T
Wでゲート線に走査信号を与え、ソース線のビデオ電圧D
1を画素に書き込み、期間T
RETでゲート線をLレベルの電圧に固定し、トランジスタM1を非導通状態として一旦書き込んだビデオ電圧D
1を画素に保持させる動作を行う。
【0083】
図9(D)には、上述した通常駆動モードとIDS駆動とを切り替える場合の状態遷移図を示す。状態C1はIDS駆動モードを表し、状態C2は通常駆動モードを表している。
【0084】
状態C1およびC2は、表示するコンテンツに応じて異ならせる。例えば
図5で説明した時計表示を行う場合には、液晶素子LCおよび発光素子ELの双方の表示においてIDS駆動が有効である。また例えば画面全体に液晶素子LCおよび発光素子ELを駆動させて動画を表示において通常駆動モードが有効である。
【0085】
また
図10乃至
図12を用いて、
図5(A)で説明した電源ボタン46を利用した電子機器40での表示装置の表示モードの切り替えについて説明する。
【0086】
電子機器40において、電源がオンの場合、スタンバイモード(スリープモード)か否かの判断を行う(ステップS11)。スタンバイモードとは、電子機器の電源が入っている状態で、表示部での表示が行われていない状態をいう。
【0087】
スタンバイモードである場合、電源ボタン46を押下(1回目)するか否かの判断を行う(ステップS12)。続いて、電源ボタン46を押下(2回目)するか否かの判断を行う(ステップS13)。つまり2回続けて電源ボタン46が押下されたか否かに応じて表示モードAか表示モードBかの切り替えを行う構成とする。
【0088】
図11(A)、(B)は、
図2(A)で説明した小型の電子機器を想定した際の表示モードAおよび表示モードBの動作について説明するためのフローチャートである。
【0089】
図11(A)は、表示モードAつまり電源ボタン46が2回押下された場合の動作のフローチャートである。表示モードAは、通常表示を行うモードである。
【0090】
まず電源ボタン46が2回押下されると、通常表示を行うためにアプリケーションプロセッサからSPI等のインターフェースを介してソースドライバICに設定データが送信される(ステップS21)。次いで通常駆動モードが行われるようソースドライバおよびゲートドライバを駆動するための信号生成回路の設定を行う(ステップS22)。次いでMIPI等のインターフェースを介してソースドライバICに動画像の画像データが送信される(ステップS23)。次いで信号生成回路からゲートドライバを駆動するための各種制御信号が出力され、ソースドライバからビデオ電圧が出力される(ステップS24)。そしてゲートドライバから走査信号、ソースドライバからビデオ電圧が出力され、通常表示が行われる(ステップS25)。
【0091】
図11(B)は、表示モードBつまり電源ボタン46が1回押下された場合の動作のフローチャートである。表示モードBは、時計表示を行うモードである。
【0092】
まず電源ボタン46が1回押下されると、通常表示を行うためにアプリケーションプロセッサからSPI等のインターフェースを介してソースドライバICに設定データが送信される(ステップS31)。次いでIDS駆動モードが行われるようゲートドライバを駆動するための信号生成回路の設定を行う(ステップS32)。次いでMIPI等のインターフェースを介してソースドライバICに静止画像、つまり1フレーム分の画像データが送信される(ステップS33)。次いで1フレーム分の画像データをフレームメモリに記憶する(ステップS34)。次いで信号生成回路からゲートドライバを駆動するための各種制御信号が出力される(ステップS35)。そしてゲートドライバから走査信号、ソースドライバからビデオ電圧が出力され、時計表示が行われる(ステップS36)。
【0093】
以上の電源ボタン46の押下回数により、表示モードの切り替えを行い、時計表示を行う場合の消費電力を低減することができる。
【0094】
次いで
図12(A)、(B)は、
図2(B)で説明した大型の電子機器を想定した際の表示モードAおよび表示モードBの動作について説明するためのフローチャートである。
【0095】
図12(A)は、表示モードAつまり電源ボタン46が2回押下された場合の動作のフローチャートである。表示モードAは、通常表示を行うモードである。
【0096】
まず電源ボタン46が2回押下されると、通常表示を行うためにタイミングコントローラからソースドライバICに設定データが送信される(ステップS41)。次いで通常駆動モードが行われるよう信号生成回路が設定される(ステップS42)。次いでEPI等のインターフェースを介してソースドライバICに動画像の画像データが送信される(ステップS43)。次いでタイミングコントローラおよびソースドライバからゲートドライバを駆動するための各種制御信号およびビデオ電圧が出力される(ステップS44)。そして通常表示が行われる(ステップS45)。
【0097】
図12(B)は、表示モードBつまり電源ボタン46が1回押下された場合の動作のフローチャートである。表示モードBは、時計表示を行うモードである。
【0098】
まず電源ボタン46が1回押下されると、通常表示を行うためにアプリケーションプロセッサからSPI等のインターフェースを介してソースドライバICに設定データが送信される(ステップS51)。次いでIDS駆動モードが行われるようソースドライバおよびゲートドライバが設定される(ステップS52)。次いでEPI等のインターフェースを介してソースドライバICにリフレッシュレートに同期して間欠的に画像データが送信される(ステップS53)。次いでタイミングコントローラおよびソースドライバからゲートドライバを駆動するための各種制御信号およびビデオ電圧が出力される(ステップS54)。そして時計表示が行われる(ステップS55)。
【0099】
以上の電源ボタン46の押下回数により、表示モードの切り替えを行い、時計表示を行う場合の消費電力を低減することができる。
【0100】
また
図13を用いて、
図5(A)で説明した光センサ44を利用した電子機器40での表示装置の表示モードの切り替えについて説明する。
【0101】
電子機器40は、光センサ44で取得される照度の情報を含む信号によって、動作モードを切り替えることができる。
図13(A)のブロック図では、光センサ44およびアプリケーションプロセッサ99を示している。
【0102】
図13(A)において光センサ44は、例えば、照度に応じた信号S
ILLを生成する機能を有する。アプリケーションプロセッサ99は、信号S
ILLに応じて表示モードを切り替える機能を有する。
【0103】
また
図13(B)乃至(D)には、照度に応じて表示装置が取り得る表示モードを説明するための画素の模式図である。なお
図13(B)乃至(D)においては、
図4(B)と同様に、画素回路15、画素回路17、液晶素子LC、発光素子EL、開口21、液晶素子LCが有する反射電極が反射する反射光12、および開口21より射出される発光素子ELが発する光16を図示している。
【0104】
表示装置10が取り得る表示モードとしては、
図13(B)乃至(D)に示す、反射表示モード(R mode)と、反射+発光表示モード(ER mode)と、発光表示モード(E mode)と、を挙げて説明する。
【0105】
反射表示モードは、画素が有する液晶素子を駆動して反射光の強度を調節して階調を制御する表示モードである。具体的には
図13(B)に示す画素の模式図のように液晶素子LCが有する反射電極で反射光12の強度を調節して階調の制御を行う。
【0106】
反射+発光表示モード(ER mode)は、液晶素子の駆動と発光素子の駆動とによって反射光の強度と発光素子の光の強度の双方を調節して階調を制御する表示モードである。具体的には
図13(C)に示す画素の模式図のように液晶素子LCが有する反射電極で反射光12の強度と、発光素子ELが開口21より射出する光16の強度と、を調節して階調の制御を行う。上記
図6で示した表示装置の動作は、
図13(C)における反射+発光表示モード時において適用することで、表示品位の向上および消費電力の低減の双方を図ることができる。
【0107】
なお本明細書等において、上記した反射+発光表示モード(ER mode)のように、発光素子EL(第1の表示素子)と、液晶素子LC(第2の表示素子)とを組み合わせた表示をハイブリッド表示方法と呼称する。なおハイブリッド表示方法とは、同一画素または同一副画素において複数の光を表示し、文字及び/または画像を表示する方法である。また、ハイブリッドディスプレイとは、表示部に含まれる同一画素または同一副画素において複数の光を表示し、文字及び/または画像を表示する集合体である。
【0108】
ハイブリッド表示方法の一例としては、同一画素または同一副画素において、第1の光と、第2の光の表示タイミングを異ならせて表示する方法がある。このとき、同一画素または同一副画素において、同一色調(赤、緑、または青、もしくはシアン、マゼンタ、またはイエローのいずれかの一)の第1の光及び第2の光を同時に表示し、表示部において文字及び/または画像を表示させることができる。
【0109】
また、ハイブリッド表示方法の一例としては、反射光と自発光とを同一画素または同一副画素で表示する方法がある。同一色調の反射光及び自発光(例えば、有機ELの発光、発光ダイオードの発光等)を、同一画素または同一副画素で、同時に表示させることができる。
【0110】
また、ハイブリッドディスプレイは、同一の画素または同一の副画素において、複数の表示素子を有し、同じ期間に複数の表示素子それぞれが表示する集合体である。また、ハイブリッドディスプレイは、同一の画素または同一の副画素において、複数の表示素子と、表示素子を駆動する能動素子とを有する。能動素子として、スイッチ、トランジスタ、薄膜トランジスタ等がある。複数の表示素子それぞれに能動素子が接続されているため、複数の表示素子それぞれの表示を個別に制御することができる。
【0111】
発光表示モード(E mode)は、発光素子を駆動して光の強度を調節して階調を制御する表示モードである。具体的には
図13(D)に示す画素の模式図のように、発光素子ELが開口21より射出する光16の強度を調節して階調の制御を行う。上記
図6で示した表示装置の動作は、
図13(D)における発光表示モード時において適用することで、消費電力の低減を図ることができる。
【0112】
図13(E)には、上述した3つのモード(反射表示モード、反射+発光表示モード、発光表示モード)の状態遷移図を示す。状態C3は反射表示モードを表し、状態C4は反射+発光表示モードを表し、状態C5は発光表示モードを表している。
【0113】
図13(E)に図示するように、状態C3乃至C5は照度に応じていずれかの状態の表示モードを取り得る。例えば屋外のように照度が大きい場合、状態C3を取り得る。また屋外から屋内に移動するような照度が小さくなる場合、状態C3から状態C5に遷移する。また屋内であっても照度が大きく、反射光による階調表示が可能な場合、状態C5から状態C4に遷移する。
【0114】
以上のように照度に応じて表示モードを切り替える構成とすることで、消費電力が比較的大きい発光素子の光の強度による階調表示の頻度を減らすことができる。そのため、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0115】
<ゲートドライバの構成例>
次いで上記
図1等で説明したゲートドライバ20、22に適用可能なシフトレジスタの具体例について、説明する。
【0116】
図14(A)には、m+2段のパルスを出力できるシフトレジスタの回路構成の一例を示す。
図14(A)のシフトレジスタは、外部よりスタートパルスSP、クロック信号CLK1乃至CLK4、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4、リセット信号RESを入力することによって、出力端子OUT_1乃至OUT_m+2にパルスを出力することができる。なお出力端子OUT_1乃至OUT_mは、上記説明したゲート線GL
EL[1]乃至[m]、GL
LC[1]乃至[m]に相当し、パルスは走査信号に相当する。
【0117】
回路SRには、
図14(B)に示す各信号が与えられる。回路SR
DUMには、
図14(C)に示す各信号が与えられる。回路SRおよび回路SR
DUMにおいて与えられる、クロック信号CLK1乃至CLK4、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4は段ごとに異なる。なおLINはシフトレジスタのシフト方向の上段側から与えられる信号である。またRINは、シフトレジスタのシフト方向の下段側から与えられる信号である。またSROUTは、下段のシフトレジスタに与えられる信号である。OUTは、負荷となるゲート線に与えられる信号である。
【0118】
回路SRの回路構成の一例を
図15(A)に示す。
図15(A)に示す回路700は、トランジスタ701乃至709を有する。
図15(A)に示す回路710は、トランジスタ711乃至713を有する。
図15(A)に示す回路720は、トランジスタ721乃至723を有する。トランジスタ701乃至709、711乃至713、および721乃至723は、シングルゲートトランジスタとして図示したが、バックゲートを有するデュアルゲートトランジスタでもよい。同様に、回路SR
DUMの回路構成の一例を
図15(B)に示す。
【0119】
また
図16には、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4、クロック信号CLK1乃至CLK4、スタートパルスSP、および出力端子OUT_1乃至OUT_mの波形を表すタイミングチャートを示す。
図16に示すタイミングチャートは、前半の期間が
図7(A)で説明した破線矢印23で図示した各行に順に走査信号を出力する期間P1に相当する。また後半の期間が
図7(A)で説明した破線矢印25で図示した所定の行にのみ走査信号を出力する期間P2に相当する。
【0120】
期間P1では、スタートパルスSP、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4、およびクロック信号CLK1乃至CLK4に応じて、順にパルスが出力される。
【0121】
一方、期間P2では、所定の行のみパルスが出力されるようにするため、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4を一定期間Lレベルに固定する。例えば
図16では、出力端子OUT_1、OUT_2、OUT_m−1およびOUT_mにパルスを出力し、出力端子OUT_j、OUT_j+1にパルスを出力されないようにする。この場合、期間Pa、期間Pcでは、期間P1と同様にパルス幅制御信号PWC1乃至PWC4によるトグル動作を行い、期間Pbでは、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4をLレベルとする。パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4をLレベルとすることで、出力端子OUT_j、OUT_j+1がLレベルとなるため、パルスが出力されない。
【0122】
このようにゲートドライバを領域ごとに分割することなく、所定の行に対する走査信号の出力を停止させることができる。
【0123】
なお本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と、自由に組み合わせて実施することができる。
【0124】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明した反射型表示素子と発光型表示素子とを用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態では、反射型表示素子として液晶素子を用い、発光型表示素子としてEL材料を用いた発光素子を用いる場合を例に挙げて、表示装置の構成例について説明する。
【0125】
図17(A)に、本発明の一態様に係る表示装置406の断面の構造を一例として示す。
図17(A)に示す表示装置406は、発光素子203と、液晶素子204と、発光素子203への電流の供給を制御する機能を有するトランジスタ205と、液晶素子204への電圧の供給を制御する機能を有するトランジスタ206とを有する。そして、発光素子203と、液晶素子204と、トランジスタ205と、トランジスタ206とは、基板201と基板202の間に位置する。
【0126】
また、表示装置406において液晶素子204は、画素電極207と、共通電極208と、液晶層209とを有する。画素電極207は、トランジスタ206に電気的に接続されている。そして、画素電極207と共通電極208の間に印加される電圧にしたがって液晶層209の配向が制御される。なお、
図17(A)では、画素電極207が可視光を反射する機能を有し、共通電極208が可視光を透過する機能を有する場合を例示しており、基板202側から入射した光が白抜きの矢印で示すように画素電極207において反射し、再び基板202側から放射される。
【0127】
また、発光素子203は、トランジスタ205に電気的に接続されている。発光素子203から発せられる光は、基板202側に放射される。なお、
図17(A)では、画素電極207が可視光を反射する機能を有し、共通電極208が可視光を透過する機能を有する場合を例示しているため、発光素子203から発せられる光は、白抜きの矢印で示すように画素電極207と重ならない領域を通過し、共通電極208が位置する領域を通過して、基板202側から放射される。
【0128】
そして、
図17(A)に示す表示装置406では、トランジスタ205とトランジスタ206とが同一の層210に位置しており、トランジスタ205とトランジスタ206とが含まれる層210は、液晶素子204と発光素子203の間の領域を有する。なお、少なくとも、トランジスタ205が有する半導体層と、トランジスタ206が有する半導体層とが同一の絶縁表面上に位置している場合、トランジスタ205とトランジスタ206とが同一の層210に含まれていると言える。
【0129】
上記構成により、トランジスタ205とトランジスタ206とを共通の作製工程で作製することができる。
【0130】
次いで、
図17(B)に、本発明の一態様に係る表示装置406の別の構成について、断面の構造を一例として示す。
図17(B)に示す表示装置406は、トランジスタ205とトランジスタ206とが異なる層に含まれている点において、
図17(A)に示す表示装置406と構成が異なる。
【0131】
具体的に、
図17(B)に示す表示装置406では、トランジスタ205が含まれる層210aと、トランジスタ206が含まれる層210bとを有し、層210aと層210bとは、液晶素子204と発光素子203の間の領域を有する。そして、
図17(B)に示す表示装置406では、層210aが層210bよりも発光素子203側に近い。なお、少なくとも、トランジスタ205が有する半導体層と、トランジスタ206が有する半導体層とが異なる絶縁表面上に位置している場合、トランジスタ205とトランジスタ206とが異なる層に含まれていると言える。
【0132】
上記構成により、トランジスタ205と、トランジスタ205に電気的に接続される各種配線とを、トランジスタ206と、トランジスタ206に電気的に接続される各種配線とを、部分的に重ねることができるため、画素のサイズを小さく抑え、表示装置406の高精細化を実現することができる。
【0133】
次いで、
図17(C)に、本発明の一態様に係る表示装置406の別の構成について、断面の構造を一例として示す。
図17(C)に示す表示装置406は、トランジスタ205とトランジスタ206とが異なる層に含まれている点において、
図17(A)に示す表示装置406と構成が異なる。そして、
図17(C)に示す表示装置406は、トランジスタ205が含まれる層210aが、発光素子203よりも基板201側に近い点において、
図17(B)に示す表示装置406と構成が異なる。
【0134】
具体的に、
図17(C)に示す表示装置406では、トランジスタ205が含まれる層210aと、トランジスタ206が含まれる層210bとを有する。そして、層210aは、発光素子203と基板201との間の領域を有する。また、層210bは、液晶素子204と発光素子203の間の領域を有する。
【0135】
上記構成により、トランジスタ205と、トランジスタ205に電気的に接続される各種配線とを、トランジスタ206と、トランジスタ206に電気的に接続される各種配線とを、
図17(B)の場合よりもより多く重ねることができるため、画素のサイズを小さく抑え、表示装置406の高精細化を実現することができる。
【0136】
なお、
図17では、2つの液晶素子204に対して1つの発光素子203が対応している断面構造を例示しているが、本発明の一態様に係る表示装置は、1つの液晶素子204に対して1つの発光素子203が対応している断面構造を有していても良いし、1つの液晶素子204に対して複数の発光素子203が対応している断面構造を有していても良い。
【0137】
また、
図17では、液晶素子204が有する画素電極207が、可視光を反射する機能を有する場合を例示しているが、画素電極207は可視光を透過する機能を有していても良い。この場合、バックライトやフロントライトなどの光源を表示装置406に設けても良いし、液晶素子204を用いて画像を表示する際に発光素子203を光源として用いても良い。
【0138】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0139】
(実施の形態3)
本実施の形態では、反射型表示素子と発光型表示素子とを用いた表示装置が有する、画素の構成例について説明する。なお、本実施の形態では、反射型表示素子として液晶素子を用い、発光型表示素子としてEL材料を用いた発光素子を用いる場合を例に挙げて、本発明の一態様に係る画素300の構成例について説明する。
【0140】
図18(A)に示す画素300は、画素350と画素351とを有する。そして、画素350は液晶素子301を有し、画素351は発光素子302を有する。
【0141】
具体的に、画素350は、液晶素子301と、液晶素子301に印加する電圧を制御する機能を有するトランジスタ303と、容量素子304とを有する。そして、トランジスタ303は、ゲートが配線GLに電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が配線SLに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が液晶素子301の画素電極に電気的に接続されている。また、液晶素子301の共通電極は、所定の電位が供給される配線または電極に電気的に接続されている。また、容量素子304は、一方の電極が、液晶素子301の画素電極に電気的に接続され、他方の電極が、所定の電位が供給される配線または電極に電気的に接続されている。
【0142】
また、具体的に、画素351は、発光素子302と、発光素子302に供給する電流を制御する機能を有するトランジスタ305と、トランジスタ305のゲートへの電位の供給を制御する機能を有するトランジスタ306と、容量素子307とを有する。そして、トランジスタ306は、ゲートが配線GEに電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が配線DLに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方がトランジスタ305のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ305は、ソース又はドレインの一方が配線ALに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が発光素子302に電気的に接続されている。容量素子307は、一方の電極が配線ALに電気的に接続され、他方の電極がトランジスタ305のゲートに電気的に接続されている。
【0143】
図18(A)に示す画素300では、液晶素子301に対応した画像信号を配線SLに供給し、発光素子302に対応した画像信号を配線DLに供給することで、液晶素子301によって表示される階調と、発光素子302によって表示される階調とを個別に制御することができる。
【0144】
なお、
図18(A)では、液晶素子301を有する画素350と、発光素子302を有する画素351とを一つずつ有する画素300の構成例を示したが、画素300が複数の画素350を有していても良いし、或いは画素300が複数の画素351を有していても良い。
【0145】
図18(B)に、画素300が一の画素350と、4つの画素351を有している場合の、画素300の構成例を示す。
【0146】
具体的に
図18(B)に示す画素300は、液晶素子301を有する画素350と、発光素子302をそれぞれ有する画素351a乃至画素351dとを有する。
【0147】
図18(B)に示す画素350の構成については、
図18(A)に示す画素350の構成を参照することができる。
【0148】
また、
図18(B)に示す画素351a乃至画素351dは、
図18(A)に示す画素351と同様に、発光素子302と、発光素子302に供給する電流を制御する機能を有するトランジスタ305と、トランジスタ305のゲートへの電位の供給を制御する機能を有するトランジスタ306と、容量素子307とをそれぞれ有する。そして、画素351a乃至画素351dがそれぞれ有する発光素子302から発せられる光が、異なる領域の波長を有することで、表示装置においてカラーの画像を表示することが可能になる。
【0149】
また、
図18(B)に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ306のゲートと、画素351cの有するトランジスタ306のゲートとが、配線GEbに電気的に接続されている。また、画素351bの有するトランジスタ306のゲートと、画素351dの有するトランジスタ306のゲートとが、配線GEaに電気的に接続されている。
【0150】
また、
図18(B)に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方と、画素351bの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方とが、配線DLaに電気的に接続されている。また、画素351cの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方と、画素351dの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方とが、配線DLbに電気的に接続されている。
【0151】
また、
図18(B)に示す画素351a乃至画素351dでは、全てのトランジスタ305のソース又はドレインの一方が、配線ALに電気的に接続されている。
【0152】
上述したように、
図18(B)に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aと画素351cが配線GEbを共有し、画素351bと画素351dが配線GEaを共有しているが、画素351a乃至画素351dの全てが一の配線GEを共有していても良い。この場合、画素351a乃至画素351dは、互いに異なる4つの配線DLに電気的に接続されるようにすることが望ましい。
【0153】
次いで、
図19(A)に、
図18(A)とは異なる画素300の構成例を示す。
図19(A)に示す画素300は、画素351が有するトランジスタ305がバックゲートを有する点において、
図18(A)に示す画素300と構成が異なる。
【0154】
具体的に、
図19(A)に示す画素300では、トランジスタ305のバックゲートがゲート(フロントゲート)に電気的に接続されている。
図19(A)に示す画素300は、上記構成を有することにより、トランジスタ305の閾値電圧がシフトするのを抑えることができ、トランジスタ305の信頼性を高めることができる。また、
図19(A)に示す画素300は、上記構成を有することにより、トランジスタ305のサイズを小さく抑えつつ、トランジスタ305のオン電流を高めることができる。
【0155】
なお、本発明の一態様に係る表示装置では、画素300が、
図19(A)に示す画素350を複数有していても良いし、或いは
図19(A)に示す画素351を複数有していても良い。具体的には、
図18(B)に示した画素300と同様に、
図19(A)に示す1つの画素350と、4つの画素351とを有していても良い。その場合、各種配線と4つの画素351との接続関係は、
図18(B)に示した画素300を参照することができる。
【0156】
次いで、
図19(B)に、
図18(A)とは異なる画素300の構成例を示す。
図19(B)に示す画素300は、画素351が有するトランジスタ305がバックゲートを有する点において、
図18(A)に示す画素300と構成が異なる。そして、
図19(B)に示す画素300では、トランジスタ305のバックゲートがゲートではなく発光素子302に電気的に接続されている点において、
図19(A)に示す画素300と構成が異なる。
【0157】
図19(B)に示す画素300は、上記構成を有することにより、トランジスタ305の閾値電圧がシフトするのを抑えることができ、トランジスタ305の信頼性を高めることができる。
【0158】
なお、本発明の一態様に係る表示装置では、画素300が、
図19(B)に示す画素350を複数有していても良いし、或いは
図19(B)に示す画素351を複数有していても良い。具体的には、
図18(B)に示した画素300と同様に、
図19(B)に示す1つの画素350と、4つの画素351とを有していても良い。その場合、各種配線と4つの画素351との接続関係は、
図18(B)に示した画素300を参照することができる。
【0159】
次いで、
図20に、
図18(A)とは異なる画素300の構成例を示す。
図20に示す画素300は、画素350と画素351とを有し、画素351の構成が
図18(A)とは異なる。
【0160】
具体的に、
図20に示す画素351は、発光素子302と、発光素子302に供給する電流を制御する機能を有するトランジスタ305と、トランジスタ305のゲートへの電位の供給を制御する機能を有するトランジスタ306と、発光素子302の画素電極に所定の電位を供給する機能を有するトランジスタ308と、容量素子307とを有する。また、トランジスタ305と、トランジスタ306と、トランジスタ308とは、それぞれバックゲートを有する。
【0161】
そして、トランジスタ306は、ゲート(フロントゲート)が配線MLに電気的に接続され、バックゲートが配線GEに電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が配線DLに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方がトランジスタ305のゲート及びフロントゲートに電気的に接続されている。トランジスタ305は、ソース又はドレインの一方が配線ALに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が発光素子302に電気的に接続されている。
【0162】
トランジスタ308は、ゲート(フロントゲート)が配線MLに電気的に接続され、バックゲートが配線GEに電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が配線MLに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が発光素子302に電気的に接続されている。容量素子307は、一方の電極が発光素子302に電気的に接続され、他方の電極がトランジスタ305のゲートに電気的に接続されている。
【0163】
なお、
図20では、液晶素子301を有する画素350と、発光素子302を有する画素351とを一つずつ有する画素300の構成例を示したが、画素300が複数の画素350を有していても良いし、或いは画素300が複数の画素351を有していても良い。
【0164】
図21に、画素300が一の画素351と、4つの画素351を有している場合の、画素300の構成例を示す。
【0165】
具体的に
図21に示す画素300は、液晶素子301を有する画素350と、発光素子302をそれぞれ有する画素351a乃至画素351dとを有する。
【0166】
図21に示す画素350の構成については、
図20に示す画素350の構成を参照することができる。
【0167】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dは、
図20に示す画素351と同様に、発光素子302と、発光素子302に供給する電流を制御する機能を有するトランジスタ305と、トランジスタ305のゲートへの電位の供給を制御する機能を有するトランジスタ306と、発光素子302の画素電極に所定の電位を供給する機能を有するトランジスタ308と、容量素子307とをそれぞれ有する。そして、画素351a乃至画素351dがそれぞれ有する発光素子302から発せられる光が、異なる領域の波長を有することで、表示装置においてカラーの画像を表示することが可能になる。
【0168】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ306のゲートと、画素351bの有するトランジスタ306のゲートとが、配線MLaに電気的に接続されている。また、画素351cの有するトランジスタ306のゲートと、画素351dの有するトランジスタ306のゲートとが、配線MLbに電気的に接続されている。
【0169】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ306のバックゲートと、画素351cの有するトランジスタ306のバックゲートとが、配線GEbに電気的に接続されている。また、画素351bの有するトランジスタ306のバックゲートと、画素351dの有するトランジスタ306のバックゲートとが、配線GEaに電気的に接続されている。
【0170】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方と、画素351bの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方とが、配線DLaに電気的に接続されている。また、画素351cの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方と、画素351dの有するトランジスタ306のソース又はドレインの一方とが、配線DLbに電気的に接続されている。
【0171】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ308のバックゲートと、画素351cの有するトランジスタ308のバックゲートとが、配線GEbに電気的に接続されている。また、画素351bの有するトランジスタ308のバックゲートと、画素351dの有するトランジスタ308のバックゲートとが、配線GEaに電気的に接続されている。
【0172】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aの有するトランジスタ308のゲートとソース又はドレインの一方とが配線MLaに電気的に接続され、画素351bの有するトランジスタ308のゲートとソース又はドレインの一方とが、配線MLaに電気的に接続されている。また、画素351cの有するトランジスタ308のゲートとソース又はドレインの一方とが配線MLbに電気的に接続され、画素351bの有するトランジスタ308のゲートとソース又はドレインの一方とが、配線MLbに電気的に接続されている。
【0173】
また、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、全てのトランジスタ305のソース又はドレインの一方が、配線ALに電気的に接続されている。
【0174】
上述したように、
図21に示す画素351a乃至画素351dでは、画素351aと画素351cが配線GEbを共有し、画素351bと画素351dが配線GEaを共有しているが、画素351a乃至画素351dの全てが一の配線GEを共有していても良い。この場合、画素351a乃至画素351dは、互いに異なる4つの配線DLに電気的に接続されるようにすることが望ましい。
【0175】
なお、画素350に、オフ電流が低いトランジスタを用いることで、表示画面を書き換える必要がない場合(すなわち静止画を表示する場合)、一時的に駆動回路を停止することができる(以下、「アイドリングストップ」、もしくは「IDS駆動」と呼ぶ。)。IDS駆動によって、表示装置406の消費電力を低減することができる。
【0176】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0177】
(実施の形態4)
本実施の形態では、
図17(C)に示した表示装置406を例に挙げて、反射型表示素子と発光型表示素子とを用いた表示装置406の具体的な構成例について
図22を用いて説明する。なお
図17(A)、
図17(B)に示した表示装置406についても、反射型表示素子と発光型表示素子とを用いた表示装置406の具体的な構成例の断面構造を
図23、
図24に図示しているが、詳細な説明については省略する。なお
図23、
図24においては、
図22と同じ構成について同じ符号を付している。
【0178】
図22に、表示装置406の断面構造の一例を示す。
【0179】
図22に示す表示装置406は、基板250と基板251の間に、表示部102と、表示部104とが積層された構成を有する。具体的に
図22では、表示部102と表示部104とが接着層252により接着されている。
【0180】
そして、
図22では、表示部102の画素が有する発光素子302、トランジスタ305、及び容量素子307と、表示部102の駆動回路が有するトランジスタ309とを図示している。また、
図22では、表示部104の画素が有する液晶素子301と、トランジスタ303と、容量素子304と、表示部104の駆動回路が有するトランジスタ310とを図示している。
【0181】
トランジスタ305は、バックゲートとしての機能を有する導電層311と、導電層311上の絶縁層312と、絶縁層312上において導電層311と重なる半導体層313と、半導体層313上の絶縁層316と、絶縁層316上に位置し、ゲートとしての機能を有する導電層317と、導電層317上に位置する絶縁層318のさらに上に位置し、半導体層313と電気的に接続されている導電層314及び導電層315と、を有する。
【0182】
また、導電層315は、導電層319と電気的に接続され、導電層319は導電層320に電気的に接続されている。導電層319は導電層317と同一の層に形成されており、導電層320は導電層311と同一の層に形成されている。
【0183】
また、導電層311及び導電層320と同一の層に、トランジスタ306(図示せず)のバックゲートとしての機能を有する導電層321が位置している。導電層321上には絶縁層312が位置し、絶縁層312上には導電層321と重なる領域を有する半導体層322が位置する。半導体層322にはトランジスタ306(図示せず)のチャネル形成領域が含まれる。半導体層322上には絶縁層318が位置し、絶縁層318上には導電層323が位置する。導電層323は半導体層322に電気的に接続されており、導電層323はトランジスタ306(図示せず)のソース電極またはドレイン電極としての機能を有する。
【0184】
トランジスタ309は、トランジスタ305と同様の構成を有するので、詳細な説明は割愛する。
【0185】
トランジスタ305、導電層323、トランジスタ309上には、絶縁層324が位置し、絶縁層324上には絶縁層325が位置する。絶縁層325上には導電層326及び導電層327が位置する。導電層326は導電層314と電気的に接続されており、導電層327は導電層323と電気的に接続されている。導電層326及び導電層327上には絶縁層328が位置し、絶縁層328上には導電層329が位置する。導電層329は導電層326に電気的に接続されており、発光素子302の画素電極としての機能を有する。
【0186】
導電層327と絶縁層328と導電層329とが重なる領域が、容量素子307として機能する。
【0187】
導電層329上には絶縁層330が位置し、絶縁層330上にはEL層331が位置し、EL層331上には対向電極としての機能を有する導電層332が位置する。導電層329とEL層331と導電層332とは、絶縁層330の開口部において電気的に接続されており、導電層329とEL層331と導電層332とが電気的に接続された領域が発光素子302として機能する。発光素子302は、導電層332側から破線の矢印で示す方向に光を放射する、トップエミッション構造を有する。
【0188】
導電層329と導電層332とは、一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。導電層329と導電層332の間に、発光素子302の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層331に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層331において再結合し、EL層331に含まれる発光物質が発光する。
【0189】
なお、半導体層313、322に金属酸化物を用いる場合、表示装置の信頼性を高めるには、絶縁層318は酸素を含む絶縁材料を用いることが望ましく、絶縁層324には水又は水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが望ましい。
【0190】
絶縁層325または絶縁層330として有機材料を用いる場合、絶縁層325または絶縁層330が表示装置の端部に露出していると、絶縁層325または絶縁層330を介して発光素子302等に表示装置の外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不純物の侵入により、発光素子302が劣化すると、表示装置の劣化につながる。そのため、
図22に示すように、絶縁層325及び絶縁層330が、表示装置の端部に位置しないことが好ましい。
【0191】
発光素子302は、接着層333を介して着色層334と重なる。スペーサ335は、接着層333を介して遮光層336と重なる。
図22では、導電層332と遮光層336との間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。
【0192】
着色層334は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。
【0193】
なお、本発明の一態様は、カラーフィルタ方式に限られず、塗り分け方式、色変換方式、又は量子ドット方式等を適用してもよい。
【0194】
表示部104において、トランジスタ303は、バックゲートとしての機能を有する導電層340と、導電層340上の絶縁層341と、絶縁層341上において導電層340と重なる半導体層342と、半導体層342上の絶縁層343と、絶縁層343上に位置し、ゲートとしての機能を有する導電層344と、導電層344上に位置する絶縁層345のさらに上に位置し、半導体層342と電気的に接続されている導電層346及び導電層347と、を有する。
【0195】
また、導電層340と同一の層に導電層348が位置する。導電層348上には絶縁層341が位置し、絶縁層341上には導電層348と重なる領域に導電層347が位置する。導電層347と絶縁層341と導電層348とが重なる領域が、容量素子304として機能する。
【0196】
トランジスタ310は、トランジスタ303と同様の構成を有するので、詳細な説明は割愛する。
【0197】
トランジスタ303、容量素子304、トランジスタ310上には、絶縁層360が位置し、絶縁層360上には導電層349が位置する。導電層349は導電層347と電気的に接続されており、液晶素子301の画素電極としての機能を有する。導電層349上には配向膜364が位置する。
【0198】
基板251には、共通電極としての機能を有する導電層361が位置する。具体的に、
図22では、基板251上に接着層362を介して絶縁層363が接着されており、絶縁層363上に導電層361が位置する。そして、導電層361上には配向膜365が位置し、配向膜364と配向膜365の間には液晶層366が位置する。
【0199】
図22では、導電層349が可視光を反射する機能を有し、導電層361が可視光を透過する機能を有することで、破線の矢印で示すように基板251側から入射した光を、導電層349において反射させ、基板251側から放射させることができる。
【0200】
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などが挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
【0201】
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、またはこれらの金属材料を含む合金等が挙げられる。そのほか、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、またはこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料または合金に、ランタン、ネオジム、またはゲルマニウム等が添加されていてもよい。アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。
【0202】
なお、
図22乃至24では、バックゲートを有するトップゲート型のトランジスタを用いた表示装置の構成について説明したが、本発明の一態様に係る表示装置はバックゲートを有さないトランジスタを用いていても良いし、バックゲート型のトランジスタを用いていても良い。
【0203】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0204】
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などを適用できる。特にシリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0205】
金属酸化物を用いる場合、半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0206】
半導体層を構成する金属酸化物がIn−M−Zn系酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0207】
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのとき金属酸化物を用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できる、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。
【0208】
半導体層としては、キャリア密度の低い金属酸化物膜を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×10
17/cm
3以下、好ましくは1×10
15/cm
3以下、さらに好ましくは1×10
13/cm
3以下、より好ましくは1×10
11/cm
3以下、さらに好ましくは1×10
10/cm
3未満であり、1×10
−9/cm
3以上の金属酸化物を用いることができる。そのような金属酸化物を、高純度真性または実質的に高純度真性な金属酸化物と呼ぶ。これにより不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する金属酸化物であるといえる。
【0209】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0210】
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×10
18atoms/cm
3以下、好ましくは2×10
17atoms/cm
3以下とする。
【0211】
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×10
18atoms/cm
3以下、好ましくは2×10
16atoms/cm
3以下にする。
【0212】
また、半導体層を構成する金属酸化物に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×10
18atoms/cm
3以下にすることが好ましい。
【0213】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC−OS(C−Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、または、C−Axis Aligned and A−B−plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0214】
非晶質構造の金属酸化物膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0215】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0216】
なお、本実施の形態では、反射型表示素子として液晶素子を用いた表示装置の構成を例示したが、反射型表示素子として、液晶素子のほかに、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることができる。
【0217】
また、発光型表示素子として、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。
【0218】
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
【0219】
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
【0220】
なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0221】
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
【0222】
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
【0223】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0224】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
【0225】
<CAC−OSの構成>
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0226】
本明細書において、金属酸化物が、導電体の機能を有する領域と、誘電体の機能を有する領域とが混合し、金属酸化物全体では半導体として機能する場合、CAC(Cloud−Aligned Composite)−OS(Oxide Semiconductor)、またはCAC−metal oxideと定義する。
【0227】
つまり、CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の元素が偏在し、該元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0228】
特定の元素が偏在した領域は、該元素が有する性質により、物理特性が決定する。例えば、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、絶縁体となる傾向がある元素が偏在した領域は、誘電体領域となる。一方、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、導体となる傾向がある元素が偏在した領域は、導電体領域となる。また、導電体領域、および誘電体領域がモザイク状に混合することで、材料としては、半導体として機能する。
【0229】
つまり、本発明の一態様における金属酸化物は、物理特性が異なる材料が混合した、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)の一種である。
【0230】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)が含まれていてもよい。
【0231】
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InO
X1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、In
X2Zn
Y2O
Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaO
X3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、Ga
X4Zn
Y4O
Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInO
X1、またはIn
X2Zn
Y2O
Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0232】
つまり、CAC−OSは、GaO
X3が主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0233】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO
3(ZnO)
m1(m1は自然数)、またはIn
(1+x0)Ga
(1−x0)O
3(ZnO)
m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0234】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0235】
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0236】
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0237】
なお、GaO
X3が主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0238】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該元素を主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0239】
<CAC−OSの解析>
続いて、各種測定方法を用い、基板上に成膜した酸化物半導体について測定を行った結果について説明する。
【0240】
≪試料の構成と作製方法≫
以下では、本発明の一態様に係る9個の試料について説明する。各試料は、それぞれ、酸化物半導体を成膜する際の基板温度、および酸素ガス流量比を異なる条件で作製する。なお、試料は、基板と、基板上の酸化物半導体と、を有する構造である。
【0241】
各試料の作製方法について、説明する。
【0242】
まず、基板として、ガラス基板を用いる。続いて、スパッタリング装置を用いて、ガラス基板上に酸化物半導体として、厚さ100nmのIn−Ga−Zn酸化物を形成する。成膜条件は、チャンバー内の圧力を0.6Paとし、ターゲットには、酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いる。また、スパッタリング装置内に設置された酸化物ターゲットに2500WのAC電力を供給する。
【0243】
なお、酸化物を成膜する際の条件として、基板温度を、意図的に加熱しない温度(以下、室温またはR.T.ともいう。)、130℃、または170℃とした。また、Arと酸素の混合ガスに対する酸素ガスの流量比(以下、酸素ガス流量比ともいう。)を、10%、30%、または100%とすることで、9個の試料を作製する。
【0244】
≪X線回折による解析≫
本項目では、9個の試料に対し、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定を行った結果について説明する。なお、XRD装置として、Bruker社製D8 ADVANCEを用いた。また、条件は、Out−of−plane法によるθ/2θスキャンにて、走査範囲を15deg.乃至50deg.、ステップ幅を0.02deg.、走査速度を3.0deg./分とした。
【0245】
図25にOut−of−plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示す。なお、
図25において、上段には成膜時の基板温度条件が170℃の試料における測定結果、中段には成膜時の基板温度条件が130℃の試料における測定結果、下段には成膜時の基板温度条件がR.T.の試料における測定結果を示す。また、左側の列には酸素ガス流量比の条件が10%の試料における測定結果、中央の列には酸素ガス流量比の条件が30%の試料における測定結果、右側の列には酸素ガス流量比の条件が100%の試料における測定結果、を示す。
【0246】
図25に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度を高くする、または、成膜時の酸素ガス流量比の割合を大きくすることで、2θ=31°付近のピーク強度が高くなる。なお、2θ=31°付近のピークは、被形成面または上面に略垂直方向に対してc軸に配向した結晶性IGZO化合物(CAAC(c−axis aligned crystalline)−IGZOともいう。)であることに由来することが分かっている。
【0247】
また、
図25に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さいほど、明確なピークが現れなかった。従って、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい試料は、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0248】
≪電子顕微鏡による解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料を、HAADF(High−Angle Annular Dark Field)−STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)によって観察、および解析した結果について説明する(以下、HAADF−STEMによって取得した像は、TEM像ともいう。)。
【0249】
HAADF−STEMによって取得した平面像(以下、平面TEM像ともいう。)、および断面像(以下、断面TEM像ともいう。)の画像解析を行った結果について説明する。なお、TEM像は、球面収差補正機能を用いて観察した。なお、HAADF−STEM像の撮影には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いて、加速電圧200kV、ビーム径約0.1nmφの電子線を照射して行った。
【0250】
図26(A)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像である。
図26(B)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像である。
【0251】
≪電子線回折パターンの解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料に、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで、電子線回折パターンを取得した結果について説明する。
【0252】
図26(A)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像において、黒点a1、黒点a2、黒点a3、黒点a4、および黒点a5で示す電子線回折パターンを観察する。なお、電子線回折パターンの観察は、電子線を照射しながら0秒の位置から35秒の位置まで一定の速度で移動させながら行う。黒点a1の結果を
図26(C)、黒点a2の結果を
図26(D)、黒点a3の結果を
図26(E)、黒点a4の結果を
図26(F)、および黒点a5の結果を
図26(G)に示す。
【0253】
図26(C)、
図26(D)、
図26(E)、
図26(F)、および
図26(G)より、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
【0254】
また、
図26(B)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像において、黒点b1、黒点b2、黒点b3、黒点b4、および黒点b5で示す電子線回折パターンを観察する。黒点b1の結果を
図26(H)、黒点b2の結果を
図26(I)、黒点b3の結果を
図26(J)、黒点b4の結果を
図26(K)、および黒点b5の結果を
図26(L)に示す。
【0255】
図26(H)、
図26(I)、
図26(J)、
図26(K)、および
図26(L)より、リング状に輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
【0256】
ここで、例えば、InGaZnO
4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO
4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが見られる。つまり、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターンが確認される。つまり、CAAC−OSは、a軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
【0257】
また、微結晶を有する酸化物半導体(nano crystalline oxide semiconductor。以下、nc−OSという。)に対し、大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。また、nc−OSに対し、小さいプローブ径の電子線(例えば50nm未満)を用いるナノビーム電子線回折を行うと、輝点(スポット)が観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域に複数の輝点が観測される場合がある。
【0258】
成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の電子線回折パターンは、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点を有する。従って、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料は、電子線回折パターンが、nc−OSになり、平面方向、および断面方向において、配向性は有さない。
【0259】
以上より、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい酸化物半導体は、アモルファス構造の酸化物半導体膜とも、単結晶構造の酸化物半導体膜とも明確に異なる性質を有すると推定できる。
【0260】
≪元素分析≫
本項目では、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評価することによって、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置として日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分析装置JED−2300Tを用いる。なお、試料から放出されたX線の検出にはSiドリフト検出器を用いる。
【0261】
EDX測定では、試料の分析対象領域の各点に電子線照射を行い、これにより発生する試料の特性X線のエネルギーと発生回数を測定し、各点に対応するEDXスペクトルを得る。本実施の形態では、各点のEDXスペクトルのピークを、In原子のL殻への電子遷移、Ga原子のK殻への電子遷移、Zn原子のK殻への電子遷移及びO原子のK殻への電子遷移に帰属させ、各点におけるそれぞれの原子の比率を算出する。これを試料の分析対象領域について行うことにより、各原子の比率の分布が示されたEDXマッピングを得ることができる。
【0262】
図27には、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面におけるEDXマッピングを示す。
図27(A)は、Ga原子のEDXマッピング(全原子に対するGa原子の比率は1.18乃至18.64[atomic%]の範囲とする。)である。
図27(B)は、In原子のEDXマッピング(全原子に対するIn原子の比率は9.28乃至33.74[atomic%]の範囲とする。)である。
図27(C)は、Zn原子のEDXマッピング(全原子に対するZn原子の比率は6.69乃至24.99[atomic%]の範囲とする。)である。また、
図27(A)、
図27(B)、および
図27(C)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面において、同範囲の領域を示している。なお、EDXマッピングは、範囲における、測定元素が多いほど明るくなり、測定元素が少ないほど暗くなるように、明暗で元素の割合を示している。また、
図27に示すEDXマッピングの倍率は720万倍である。
【0263】
図27(A)、
図27(B)、および
図27(C)に示すEDXマッピングでは、画像に相対的な明暗の分布が見られ、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料において、各原子が分布を持って存在している様子が確認できる。ここで、
図27(A)、
図27(B)、および
図27(C)に示す実線で囲む範囲と破線で囲む範囲に注目する。
【0264】
図27(A)では、実線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含む。また、
図27(B)では実線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含む。
【0265】
つまり、実線で囲む範囲はIn原子が相対的に多い領域であり、破線で囲む範囲はIn原子が相対的に少ない領域である。ここで、
図27(C)では、実線で囲む範囲において、右側は相対的に明るい領域であり、左側は相対的に暗い領域である。従って、実線で囲む範囲は、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1などが主成分である領域である。
【0266】
また、実線で囲む範囲はGa原子が相対的に少ない領域であり、破線で囲む範囲はGa原子が相対的に多い領域である。
図27(C)では、破線で囲む範囲において、左上の領域は、相対的に明るい領域であり、右下側の領域は、相対的に暗い領域である。従って、破線で囲む範囲は、GaO
X3、またはGa
X4Zn
Y4O
Z4などが主成分である領域である。
【0267】
また、
図27(A)、
図27(B)、および
図27(C)より、In原子の分布は、Ga原子よりも、比較的、均一に分布しており、InO
X1が主成分である領域は、In
X2Zn
Y2O
Z2が主成分となる領域を介して、互いに繋がって形成されているように見える。このように、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域は、クラウド状に広がって形成されている。
【0268】
このように、GaO
X3などが主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有するIn−Ga−Zn酸化物を、CAC−OSと呼称することができる。
【0269】
また、CAC−OSにおける結晶構造は、nc構造を有する。CAC−OSが有するnc構造は、電子線回折像において、単結晶、多結晶、またはCAAC構造を含むIGZOに起因する輝点(スポット)以外にも、数か所以上の輝点(スポット)を有する。または、数か所以上の輝点(スポット)に加え、リング状に輝度の高い領域が現れるとして結晶構造が定義される。
【0270】
また、
図27(A)、
図27(B)、および
図27(C)より、GaO
X3などが主成分である領域、及びIn
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域のサイズは、0.5nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下で観察される。なお、好ましくは、EDXマッピングにおいて、各元素が主成分である領域の径は、1nm以上2nm以下とする。
【0271】
以上より、CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaO
X3などが主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0272】
ここで、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域は、GaO
X3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0273】
一方、GaO
X3などが主成分である領域は、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaO
X3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0274】
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaO
X3などに起因する絶縁性と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(I
on)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0275】
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0276】
また、半導体層にCAC−OSを有するトランジスタは電界効果移動度が高く、且つ駆動能力が高いので、該トランジスタを、駆動回路、代表的にはゲート信号を生成する走査線駆動回路に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、該トランジスタを、表示装置が有する信号線からの信号の供給を行う信号線駆動回路(とくに、信号線駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
【0277】
また、半導体層にCAC−OSを有するトランジスタは低温ポリシリコンを用いたトランジスタのように、レーザ結晶化工程が不要である。これのため、大面積基板を用いた表示装置であっても、製造コストを低減することが可能である。さらに、ウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」)、スーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」)のように高解像度であり、且つ大型の表示装置において、半導体層にCAC−OSを有するトランジスタを駆動回路及び表示部に用いることで、短時間での書き込みが可能であり、表示不良を低減することが可能であり好ましい。
【0278】
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0279】
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。このとき特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している。
【0280】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0281】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様を用いて作製することができる表示モジュールについて説明する。
【0282】
図28(A)に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との間に、FPC6005に接続された表示パネル6006、フレーム6009、プリント基板6010、及びバッテリ6011を有する。
【0283】
例えば、本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示パネル6006に用いることができる。これにより、高い歩留まりで表示モジュールを作製することができる。
【0284】
上部カバー6001及び下部カバー6002は、表示パネル6006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0285】
また、表示パネル6006に重ねてタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルとしては、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル6006に重畳して用いることができる。また、タッチパネルを設けず、表示パネル6006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
【0286】
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
【0287】
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号生成回路等の回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ6011による電源であってもよい。バッテリ6011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
【0288】
また、表示モジュール6000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
【0289】
図28(B)は、光学式のタッチセンサを備える表示モジュール6000の断面概略図である。
【0290】
表示モジュール6000は、プリント基板6010に設けられた発光部6015及び受光部6016を有する。また、上部カバー6001と下部カバー6002により囲まれた領域に一対の導光部(導光部6017a、導光部6017b)を有する。
【0291】
上部カバー6001と下部カバー6002は、例えばプラスチック等を用いることができる。また、上部カバー6001と下部カバー6002とは、それぞれ薄く(例えば0.5mm以上5mm以下)することが可能である。そのため、表示モジュール6000を極めて軽量にすることが可能となる。また少ない材料で上部カバー6001と下部カバー6002を作製できるため、作製コストを低減できる。
【0292】
表示パネル6006は、フレーム6009を間に介してプリント基板6010やバッテリ6011と重ねて設けられている。表示パネル6006とフレーム6009は、導光部6017a、導光部6017bに固定されている。
【0293】
発光部6015から発せられた光6018は、導光部6017aにより表示パネル6006の上部を経由し、導光部6017bを通って受光部6016に達する。例えば指やスタイラスなどの被検知体により、光6018が遮られることにより、タッチ操作を検出することができる。
【0294】
発光部6015は、例えば表示パネル6006の隣接する2辺に沿って複数設けられる。受光部6016は、発光部6015と表示パネル6006を挟んで対向する位置に複数設けられる。これにより、タッチ操作がなされた位置の情報を取得することができる。
【0295】
発光部6015は、例えばLED素子などの光源を用いることができる。特に、発光部6015として、使用者に視認されず、且つ使用者にとって無害である赤外線を発する光源を用いることが好ましい。
【0296】
受光部6016は、発光部6015が発する光を受光し、電気信号に変換する光電素子を用いることができる。好適には、赤外線を受光可能なフォトダイオードを用いることができる。
【0297】
導光部6017a、導光部6017bとしては、少なくとも光6018を透過する部材を用いることができる。導光部6017a及び導光部6017bを用いることで、発光部6015と受光部6016とを表示パネル6006の下側に配置することができ、外光が受光部6016に到達してタッチセンサが誤動作することを抑制できる。特に、可視光を吸収し、赤外線を透過する樹脂を用いることが好ましい。これにより、タッチセンサの誤動作をより効果的に抑制できる。
【0298】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0299】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る表示装置または表示モジュールを用いた電子機器の一例を示す。
【0300】
図29(A)は、タブレット型の携帯端末6200であり、筐体6221、表示装置6222、操作ボタン6223、スピーカ6224を有する。また、本発明の一態様に係る表示装置6222に、位置入力装置としての機能を付加しても良い。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン6223に携帯端末6200を起動する電源スイッチ、携帯端末6200のアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、又は表示装置6222を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、
図29(A)に示した携帯端末6200では、操作ボタン6223の数を4個示しているが、携帯端末6200の有する操作ボタンの数及び配置は、これに限定されない。
【0301】
また、携帯端末6200は、外光の照度を測定する光センサ6225X及び光センサ6225Yを有する。光センサ6225X及び光センサ6225Yは、筐体6221のベゼルに配置されている。特に、光センサ6225Xは、筐体6221のベゼルにおいて2つある短辺の一方に配置され、光センサ6225Yは、筐体6221のベゼルにおいて2つある長辺の一方に配置されている。本発明の一態様では、光センサ6225X及び光センサ6225Yによって外光の照度を測定して、それらのデータを基づいて、表示装置6222に表示する表示素子の切り替え等の調整を行うことができる。
【0302】
また、光センサ6225X及び光センサ6225Yの配置箇所は、
図29(A)に示した携帯端末6200に限定されない。例えば、
図29(B)に示す携帯端末6201のように、光センサ6225Xは、筐体6221のベゼルにおいて2つある短辺の両方に配置され、光センサ6225Yは、筐体6221のベゼルにおいて2つある長辺の両方に配置されてもよい。
【0303】
また、図示していないが、
図29(A)に示した携帯端末6200は、筐体6221の内部にセンサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する構成であってもよい。特に、ジャイロセンサ、加速度センサなどの傾きを測定するセンサを有する測定装置を設けることで、
図29(A)に示す携帯端末6200の向き(鉛直方向に対して携帯端末がどの向きに向いているか)を判断して、表示装置6222の画面表示を、携帯端末6200の向きに応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
【0304】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0305】
(実施の形態8)
図30に、本発明の一態様に係る表示装置を有する携帯端末に適用可能な電子機器の具体例を示す。
【0306】
図30(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、本発明の一態様に係る表示装置5003、発明の一態様に係る表示装置5004、マイクロホン5005、スピーカ5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。なお、
図30(A)に示した携帯型ゲーム機は、表示装置5003と表示装置5004とで示す二つの表示装置を有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示装置の数は、これに限定されない。携帯型ゲーム機に本発明の一態様に係る表示装置5003及び表示装置5004を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5003及び表示装置5004に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0307】
図30(B)は腕時計型の携帯端末であり、筐体5201、本発明の一態様に係る表示装置5202、ベルト5203、光センサ5204、スイッチ5205等を有する。腕時計型の携帯端末に本発明の一態様に係る表示装置5202を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5202に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0308】
図30(C)はタブレット型のパーソナルコンピュータであり、筐体5301、筐体5302、本発明の一態様に係る表示装置5303、光センサ5304、光センサ5305、スイッチ5306等を有する。表示装置5303は、筐体5301及び筐体5302によって支持されている。そして、表示装置5303は可撓性を有する基板を用いて形成されているため形状をフレキシブルに曲げることができる機能を有する。筐体5301と筐体5302の間の角度をヒンジ5307及び5308において変更することで、筐体5301と筐体5302が重なるように、表示装置5303を折りたたむことができる。図示してはいないが、開閉センサを内蔵させ、上記角度の変化を表示装置5303において使用条件の情報として用いても良い。タブレット型のパーソナルコンピュータに本発明の一態様に係る表示装置5303を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5303に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0309】
図30(D)はビデオカメラであり、筐体5801、筐体5802、本発明の一態様に係る表示装置5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は筐体5801に設けられており、表示装置5803は筐体5802に設けられている。そして、筐体5801と筐体5802とは、接続部5806により接続されており、筐体5801と筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示装置5803における映像を、接続部5806における筐体5801と筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としても良い。ビデオカメラに本発明の一態様に係る表示装置5803を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5803に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0310】
図30(E)は腕時計型の携帯端末であり、曲面を有する筐体5701、本発明の一態様に係る表示装置5702等を有する。本発明の一態様に係る表示装置5702に可撓性を有する基板を用いることで、曲面を有する筐体5701に表示装置5702を支持させることができ、フレキシブルかつ軽くて使い勝手の良い腕時計型の携帯端末を提供することができる。そして、腕時計型の携帯端末に本発明の一態様に係る表示装置5702を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5702に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0311】
図30(F)は携帯電話であり、曲面を有する筐体5901に、本発明の一態様に係る表示装置5902、マイク5907、スピーカ5904、カメラ5903、外部接続部5906、操作用のボタン5905が設けられている。携帯電話に本発明の一態様に係る表示装置5902を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示装置5902に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
【0312】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、応用、上位概念化、または下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせて実施すること、あるいは置き換えて実施することができる。
【0313】
<本明細書等の記載に関する付記>
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。
【0314】
本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0315】
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0316】
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0317】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0318】
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
【0319】
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
【0320】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
【0321】
本明細書等において、画素とは、例えば、明るさを制御できる要素一つ分を示すものとする。よって、一例としては、一画素とは、一つの色要素を示すものとし、その色要素一つで明るさを表現する。従って、そのときは、R(赤)G(緑)B(青)の色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。RGBのそれぞれの画素は副画素と呼び、RGBの画素を併せて画素と呼ぶ場合もある。
【0322】
なお、色要素は、三色に限定されず、それ以上でもよく、例えば、RGBW(Wは白)や、RGBに、イエロー、シアン、マゼンタを追加したものなどがある。
【0323】
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。