(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本実施形態では、タッチ検出機能を備えた表示装置を説明する。ここでのタッチ検出機能とは、表示装置への被検出物の近接又は接触を検出することに相当する。本実施形態の表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。本実施形態にて開示する主要な構成は、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパー型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などに適用可能である。
【0010】
図1は、本実施形態の表示装置1を概略的に示す断面図である。図において、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置1の厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置1を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX−Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0011】
表示装置1は、表示パネルPNL、照明装置BL、制御基板2、配線基板31、筐体4、カバー部材5、などを備えている。
【0012】
また、図示は省略するが、表示装置1は、後述するように、表示装置1への被検出物の近接又は接触を検出するセンサを備えている。センサとして、表示パネルPNLと独立した専用のタッチパネルを利用している装置であっても、一部の部品を表示パネルPNLの部品と共用している装置であっても、本実施形態が適用可能である。
【0013】
表示パネルPNLは、一例では、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルである。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された図示しない液晶層とを備えている。表示パネルPNLは一例では、照明装置BLから照射された光を選択的に透過することで画像を表示する。
【0014】
照明装置BLは、表示パネルPNLの下方に位置している。照明装置BLは、例えば導光板と、導光板のエッジに沿って配置された光源とを備えている。
【0015】
制御基板2は、照明装置BLの下方に位置し、筐体4に収容されている。制御基板2は、後述するように、表示装置1のタッチ検出機能を制御するICチップ、外部との通信を行うための通信モジュール、各種アプリケーションを実装して表示装置1の動作を制御するホスト装置などを搭載している。なお、制御基板2は、表示パネルPNLの表示機能を制御するICチップを含んでいてもよい。
【0016】
配線基板31は、表示パネルPNLと制御基板2とを電気的に接続している。配線基板31は、一例では、フレキシブルプリント回路基板(FPC)である。図示した例では、配線基板31の一端部は、第1基板SUB1の一端部に設けられ、配線基板31の他端部は、制御基板2の一端部に設けられている。なお、上述したタッチ検出機能を制御するICチップや表示機能を制御するICチップの一部又は全部は、配線基板31に搭載されてもよい。
【0017】
カバー部材5は、表示パネルPNLの上方に位置している。図示した例では、カバー部材5は、表示パネルPNLのすべてを覆っている。カバー部材5は、例えばガラス又は樹脂等の透明な材料によって形成されている。
【0018】
図2は、
図1に示す配線基板31の近傍を拡大して示す図である。表示装置1は、表示パネルPNL、照明装置BL、制御基板2、配線基板31、及びカバー部材5に加え、ドライバ6、導電層CL1、偏光板PL、及び接着層71及び72を備えている。なお、
図2では、筐体4の図示は省略している。
【0019】
表示パネルPNLにおいて、第1基板SUB1は、第2基板SUB2より大きい。第1基板SUB1は、第2基板SUB2より延出した延出部EXを有している。図示した例では、延出部EXは、第2方向Yに沿って延出している。
【0020】
ドライバ6は、延出部EXに配置されている。すなわち、第2方向Yにおいて、ドライバ6は、第1基板SUB1の端部E1と第2基板SUB2の端部E2との間に位置している。より具体的には、ドライバ6は、延出部EXのカバー部材5と対向する側に設けられている。ドライバ6は、表示パネルPNLの表示動作を制御する。
【0021】
偏光板PLは、第2基板SUB2とカバー部材5との間に位置している。偏光板PLは、接着層71によってカバー部材5に接着されている。
【0022】
制御基板2は、ホスト装置21と、ICチップ22等を備えている。ホスト装置21は、例えば各種アプリケーションを実装して表示装置1の動作を制御する。ICチップ22は、例えば、表示パネルPNLのタッチ検出機能を制御する。ホスト装置21とICチップ22とは、制御基板2の照明装置BLと対向する側と反対側の面に設けられている。制御基板2は、接着層72によって照明装置BLの筐体に接着されている。あるいは、制御基板2は、ネジなどで照明装置BLと固定され、照明装置BLは、制御基板2の接地電位に電気的に接続されている。
【0023】
カバー部材5は、表示パネルPNLと対向する第1面5Aと、第1面5Aと反対側の第2面5Bとを有している。カバー部材5は、第3方向Zにおいて、延出部EXのすべてと重なっている。換言すると、端部E2、端部E1、及びカバー部材5の端部E5は、この順で第2方向Yに沿って並んでいる。
【0024】
本実施形態において、導電層CL1は、第1面5Aに設けられ、少なくともドライバ6と対向している。図示した例では、導電層CL1は、第3方向Zにおいて、延出部EXのすべてと重なっている。第2方向Yにおいて、導電層CL1の一端部は、端部E1と端部E5との間に位置している。導電層CL1の他端部は、接着層71と接している。
【0025】
導電層CL1は、例えば銅、アルミニウム等の金属材料からなるシート状の部材である。導電層CL1は、粘着性を有する粘着面を有していてもよく、接着剤を用いて第1面に貼り付けられていてもよい。あるいは、導電層CL1は、例えば銀等の金属材料を含むペースト状の導電材料を塗布することで形成されてもよい。この場合、導電材料が第1面5Aに直接塗布されてもよく、導電材料が塗布されたシート状の部材が第1面に貼り付けられてもよい。
【0026】
図3は、表示装置1の構成例を示す平面図である。
図3は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面と平行な面を示している。
【0027】
カバー部材5は、一例では、四角形であり、図示した例では、第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さよりも大きい長方形状である。図示した例では、端部E5は、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0028】
表示パネルPNLは、カバー部材5とほぼ同形状である。すなわち、表示パネルPNLは、長さが第2方向Yに沿った長さよりも大きい長方形状である。表示パネルPNLは、平面視で、そのすべてがカバー部材5と重なっている。図示した例では、端部E2と端部E1とは、第1方向Xに沿って延出している。また、第1基板SUB1は、第2方向Yに沿って延出した端部E1a及びE1bを有している。延出部EXは、端部E1と端部E2との間の領域に相当する。
【0029】
表示パネルPNLは、表示領域DAと、表示領域DAの外側に位置する非表示領域NDAを有している。表示領域DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域内に位置し、複数の画素PXを備えている。非表示領域NDAは、表示領域DAを囲んでいる。
【0030】
表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の走査線G、複数の信号線S、及び画素PXを備えている。走査線Gは、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。信号線Sは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。画素PXは、走査線Gと信号線Sとの交点の近傍に位置し、後述するように、スイッチング素子や画素電極などを含んでいる。
【0031】
走査線G及び信号線Sは、非表示領域NDAを通って延出部EXまで引き出され、ドライバ6と電気的に接続されている。図示した例では、端部E1a側に引き出された走査線Gは、シフトドライバD1に接続され、端部E1b側に引き出された走査線Gは、シフトドライバD2に接続されている。シフトドライバD1及びD2は、ドライバ6と接続されている。また、信号線Sは、端部E1側の非表示領域NDAを通ってドライバ6に接続されている。ドライバ6は、配線基板31を介して、制御基板2に設けられたホスト装置21と電気的に接続されている。なお、図示した例では、表示装置1は、表示パネルPNLと制御基板2とを接続する配線基板32を備えている。配線基板32は、後述するセンサとICチップ22とを電気的に接続している。
【0032】
本実施形態において、導電層CL1は、平面視で、少なくともドライバ6の一部と重なる領域に設けられている。図示した例では、導電層CL1は、ドライバ6のすべてと重なっている。より具体的には、導電層CL1は、延出部EXと重なっているが、第1基板SUB2と重なっていない。すなわち、導電層CL1は、端部E2と端部E5との間の領域に位置している。図示した例では、導電層CL1は、略矩形状であるが、導電層CL1は、少なくともドライバ6と重なっていればよく、その形状は特に限定されない。
【0033】
図4は、
図3に示す画素PXの構成例を示す平面図である。図示した例では、画素PXは、第1方向Xに並ぶ2本の信号線Sと、第2方向Yに並ぶ2本の走査線Gとで区画されている。
【0034】
画素PXは、スイッチング素子SWと、画素電極PEとを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタであり、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。より具体的には、スイッチング素子SWは、ゲート電極GE、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEを備えている。ゲート電極GEは、走査線Gと一体的に形成されている。図示した例では、スイッチング素子SWは、半導体層SCの下にゲート電極GEが位置するボトムゲート型であるが、半導体層SCの上にゲート電極GEが位置するトップゲート型であってもよい。半導体層SCは、例えばアモルファスシリコンによって形成されるが、多結晶シリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。ソース電極SEは、信号線Sと一体的に形成され、半導体層SCに接触している。ドレイン電極DEは、ソース電極SEから離間し、半導体層SCに接触している。画素電極PEは、ドレイン電極DEの上に重畳し、コンタクトホールCHにおいてドレイン電極DEに接触している。
【0035】
図5は、表示装置1が備えるセンサSSの構成例を示す平面図である。
【0036】
センサSSは、タッチ操作を検出するための複数の第1電極Rxと、この複数の第1電極Rxに対して交差するように配列された複数の第2電極Txとを備えている。図示した例では、第1電極Rxは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。第2電極Txは、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。第1電極Rx及び第2電極Txは、平面視で、上述の表示領域DAとほぼ重なる領域に配置されている。第1電極Rxは、例えば第2基板SUB2に配置される。第2電極Txは、例えば第1基板SUB1に配置される。第2電極Txが第1基板SUB1に配置される場合、第2電極Txを表示パネルPNLが備える共通電極と兼用することができる。
【0037】
センサSSは、第1電極Rx及び第2電極Txとそれぞれ接続される外周配線を備えている。
図5では、第1電極Rxに接続される外周配線LRxの一部を示している。図示した例では、外周配線LRxは、端部E2側に引き出され、延出部EXを通って配線基板32と電気的に接続されている。第1電極Rx及び第2電極Txは、配線基板32を介して、制御基板2が備えるICチップ22によって制御される。
【0038】
なお、第1電極Rxと第2電極Txの配置は、上記の例に限定されない。たとえば、第1電極Rx及び第2電極Txの双方が第2基板SUB2に配置されてもよく、第1電極Rx及び第2電極Txの少なくとも一方が、例えばカバー部材5の第1面5Aに設けられてもよい。
【0039】
図6は、表示装置1の外観を示す斜視図である。
図6は、表示装置1の表示面と反対側、すなわちカバー部材5の第1面5A側を示している。
【0040】
照明装置BLは、光源や導光板などを収容する筐体CHSを備えている。本実施形態において、導電層CL1は、照明装置BLを構成する筐体CHSと電気的に接続されている。図示した例では、導電層CL1は、導電層CNを介して筐体CHSと接続されている。より具体的には、導電層CNは、筐体4の縁に沿って配置され、導電層CL1と筐体CHSとに接している。導電層CNは、導電層CL1と同一の材料で形成されてもよく、導電層CL1と異なる材料で形成されてもよい。なお、導電層CL1と導電層CNとは、一体的に形成されていてもよい。すなわち、導電層CL1は、照明装置BLまで延出し照明装置BLの筐体と接していてもよい。
【0041】
筐体CHSは、基準電位に保たれている。基準電位は、一例では、接地電位である。図示した例では、筐体CHSは、その内部において、例えば接地電位に保たれた基準電位部材RVと接している。基準電位部材RVは、一例では、ネジ81によって筐体CHSと接するように固定されている。なお、基準電位部材RVと筐体CHSとの接続方法は、図示した例に限定されない。例えば、基準電位部材RVと筐体CHSとは、導電部材82を介して電気的に接続されてもよい。
【0042】
筐体4は、例えばアルミニウム等の金属によって形成され、筐体CHSと接している。筐体4は、一例では、表示パネルPNLの主面と平行に延出した延出部4aを有している。延出部4aは、筐体CHSに接した状態でネジ83によって筐体CHSに固定されている。これにより、筐体4は、筐体CHSと同電位にすることができる。したがって、筐体4内に収容される制御基板2は、外部からの干渉を受けることなく、動作することができる。
【0043】
なお、例えば、表示装置1が液晶表示装置でない場合などは、導電層CL1は、筐体CHSと接続されていなくてもよい。導電層CL1は、例えば導電部材84を介して基準電位部材RVと接続されてもよい。図示した例では、導電部材84は、導電層CNと基準電位部材RVとに接している。
【0044】
図7は、表示装置1の外観の他の例を示す斜視図である。
図7に示す例は、筐体CHSと基準電位部材RVとがネジ81又は導電部材82を介して接続されていない点で、
図6に示す例と相違している。この場合、筐体CHSは、基準電位部材RVと容量結合している。
【0045】
本実施形態によれば、導電層CL1は、カバー部材5の第1面5Aのうち、少なくともドライバ6と第3方向Zに重なる領域に設けられている。導電層CL1は、接地電位に保たれている。したがって、例えば
図2に示すように、第2面5B側に静電放電などによって電圧が印加された場合であっても、接地電位に保たれた導電層CL1がドライバ6と重なる領域に設けられていることで、この電圧によってドライバ6の動作が影響を受けることを抑制することができる。これにより、第2面5Bに電圧が印加された場合であっても、表示パネルPNLに表示される画像のちらつき等を抑制することができ、表示装置1の表示品質を向上することができる。
【0046】
以下、
図8乃至
図15を参照して、表示装置1の変形例について説明する。
【0047】
図8は、表示装置1の第1変形例を示す平面図である。
図9は、第1変形例の表示装置1の外観を示す斜視図である。
図8に示すように、第1変形例は、平面視で、導電層CL1がセンサSSの外周配線LRxと重なっている点で、
図5に示す例と相違している。図示した例では、導電層CL1は、平面視で端部E2と端部E5との間の領域において、第1方向Xに沿って延出している。導電層CL1は、外周配線LRxと重なるとともに、配線基板32とも重なっている。
【0048】
なお、図示した例では、単一の導電層CL1がドライバ6と外周配線LRxとの双方と重なっているが、ドライバ6と重なる導電層と外周配線LRxと重なる導電層とが個別に設けられていてもよい。この場合、導電層の各々が、筐体CHSと電気的に接続される。
【0049】
また、
図9において、導電層CNは、配線基板32側に設けられていてもよいし、導電層CL1を挟んで両側に設けられていてもよい。
【0050】
第1変形例によっても、
図5に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、第1変形例によれば、導電層CL1は、平面視で、外周配線LRxと配線基板32の一部とも重なっている。これにより、外周配線LRxへのノイズの侵入を抑制することができる。したがって、表示品質を向上するとともに、センサSSの動作を安定させることができる。
【0051】
図10は、表示装置1の第2変形例を示す平面図である。
図11は、第2変形例の表示装置1の外観を示す斜視図である。
図10に示すように、第2変形例は、導電層CL1が枠状に配置されている点で、
図5に示す例と相違している。より具体的には、導電層CL1は、非表示領域NDAのほぼ全体に亘って配置されている。このような構成では、導電層CL1は、平面視で、非表示領域NDAに引き出され走査線G及び信号線S、及び外周配線と重なる。図示した例では、導電層CL1は、端部E2に沿って延出した外周配線LRxも重なっている。一方、導電層CL1は、第1電極Rx及び第2電極Txとは重なっていない。
【0052】
第2変形例によっても
図5に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、外周配線LRxと重なる領域が大きくなるため、第1変形例と比較して外周配線LRxへのノイズの侵入をさらに抑制することができる。したがって、表示品質を向上するとともに、センサSSの動作を安定させることができる。
【0053】
図12は、表示装置1の第3変形例を示す断面図である。第3変形例は、導電層CL1が配線基板31を覆っている点で、
図2に示す例と相違している。導電層CL1は、第2方向Yにおいて、端部E2と端部E5との間で部分的に第1面5Aと接するとともに、制御基板2の下方まで延在している。すなわち、導電層CL1の一端部(第1端部)ECaは、第1面5Aと接し、導電層CL1の他端部(第2端部)ECbは、制御基板2の下方に位置している。第1基板SUB1とドライバ6とは、第3方向Zにおいて、一端部ECaと他端部ECbとの間に位置している。ドライバ6と配線基板31とは、導電層CL1に囲まれた内側の領域に位置している。
【0054】
図13は、第3変形例の表示装置1の外観を示す斜視図である。
【0055】
配線基板31は、配線WLと、絶縁材料からなるフィルムF1及びF2と、導電材料からなる基準電位部材V1及びV2と、を備えている。基準電位部材V1及びV2と配線WLとは、フィルムF1とフィルムF2とによって挟まれている。基準電位部材V1及びV2は、同電位であり、いずれも接地電位に固定されている。配線WLは、基準電位部材V1と基準電位部材V2との間に位置し、第1電極RxとICチップ22とを電気的に接続している。図示した例では、フィルムF1は、基準電位部材V1を露出する孔HL1と、基準電位部材V2を露出する孔HL2とを有している。
【0056】
導電層CL1は、配線基板31よりも外側に位置し、配線基板31を包み込むように覆っている。導電層CL1は、孔HL1において基準電位部材V1と接し、孔HL2において基準電位部材V2と接している。これにより、導電層CL1の電位は、基準電位部材V1及びV2と同電位、すなわち接地電位に保たれる。
【0057】
第3変形例によっても
図2に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、ドライバ6と配線基板31とが導電層CL1によって囲まれているため、例えばカバー部材5と第1基板SUB1との間の領域(すなわち表示パネルの側面側)からドライバ6へのノイズの侵入を抑制することができる。また、配線基板31へのノイズの侵入を抑制することができる。この結果、表示される画像のちらつき等を抑制することができ、表示装置1の表示品質を向上することができる。
【0058】
図14は、表示装置1の第4変形例を示す断面図である。第4変形例は、ドライバ6が配線基板31に実装されている点で、第3変形例と相違している。すなわち、ドライバ6は、第3方向Zにおいて、配線基板31と導電層CL1との間に位置している。図示した例では、ドライバ6と導電層CL1との間に、さらに絶縁層ILが介在している。なお、
図14において、絶縁層ILは、ドライバ6の上面に設けられているが、導電層CL1の他端ECbを超える位置まで延在させてもよい。また、ドライバ6は、配線基板31上において表示パネルPNLの下方に設けられていてもよい。導電層CL1は、
図13に示す例と同様に、基準電位部材V1及びV2に接続される。
【0059】
本例においても、第3変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、絶縁層ILが設けられることによって、ドライバ6と導電層CL1との接触を防ぐことができる。したがって、ドライバ6と導電層CL1との間における短絡(ショート)が抑制され、ドライバ6の動作を安定させることができる。この結果、表示装置1の表示品質を向上することができる。
【0060】
図15は、表示装置1の第5変形例を示す断面図である。第5変形例は、導電層CL2をさらに備えている点で、
図2に示す例と相違している。導電層CL2は、導電層CL1に接するとともに、制御基板2の下方まで延在している。すなわち、導電層CL2の一端部ECcは、導電層CL1と接し、導電層CL2の他端部ECdは、制御基板2の下方に位置している。第1基板SUB1とドライバ6とは、第3方向Zにおいて、一端部ECcと他端部ECdとの間に位置している。ドライバ6と配線基板31とは、導電層CL1と導電層CL2とによって囲まれた内側の領域に位置している。
【0061】
導電層CL1は、
図6又は
図7に示す例と同様に、照明装置BLの筐体CHSと電気的に接続される。導電層CL2は、
図13に示す例と同様に、配線基板31の基準電位部材V1及びV2と電気的に接続されていてもよい。また、ドライバ6は、第4変形例と同様に、配線基板31上に実装されてもよい。第5変形例によっても、第3変形例と同様の効果を得ることができる。
【0062】
図16は、表示装置1の第6変形例を示す断面図である。第6変形例は、ドライバ6と導電層CL1との間に絶縁層ILが設けられている点で、
図2に示す例と相違している。なお、導電層CL1は、
図6又は
図7に示す例と同様に、照明装置BLの筐体CHSと電気的に接続されている。
【0063】
絶縁層ILは、第3方向Zにおいて、少なくともドライバ6のすべてと重なっている。図示した例では、絶縁層ILは、導電層CL1と接している。絶縁層ILは、導電層CL1とほぼ同じ大きさであり、延出部EXとも重なっている。
【0064】
第6変形例によっても、
図2に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、第6変形例によれば、ドライバ6と導電層CL1との接触を防ぐことができる。したがって、ドライバ6と導電層CL1との間における短絡(ショート)が抑制され、ドライバ6の動作を安定させることができる。この結果、表示装置1の表示品質を向上することができる。
【0065】
図17は、
図2に示す表示パネルPNLの他の例を示す断面図である。
図17は、表示パネルPNLが表示素子として有機EL素子を有している点で、
図2に示す例と相違している。表示装置1のその他の構成については、
図2、
図3、
図5〜16、
図18、
図19と同様である。
【0066】
表示パネルPNLは、絶縁基板10、第1乃至第5絶縁膜11乃至15、反射層RL、有機EL素子OLED、封止膜16、配線L、端子T11及びT12などを備えている。
【0067】
絶縁基板10は、一例では、ポリイミド等の有機絶縁材料によって形成されている。なお、絶縁基板10は、樹脂又はガラス等の透明な絶縁材料によって形成されていてもよい。第1乃至第4絶縁膜11乃至14は、この順で絶縁基板10の上に積層されている。詳細は省略するが、有機EL素子OLEDを駆動するためのスイッチング素子の半導体層は、第1絶縁膜11の上に形成され、ゲート電極は、第2絶縁膜12の上に形成され、ソース電極及びドレイン電極は、第3絶縁膜13の上に形成される。第1乃至第3絶縁膜11乃至13は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン等の無機絶縁材料により形成されている。第4絶縁膜は、有機絶縁材料により形成されている。
【0068】
有機EL素子OLEDは、第4絶縁膜14の上に形成されている。図示した例では、有機EL素子OLEDは、絶縁基板10とは反対側に光を出射する所謂トップエミッションタイプであるが、この例に限らず、絶縁基板10の側に光を出射する所謂ボトムエミッションタイプであってもよい。有機EL素子OLEDは、画素電極PE、共通電極CE、及び有機発光層ORG1により構成されている。
【0069】
画素電極PE1は、第4絶縁膜14の上に設けられている。画素電極PEは、有機EL素子OLEDの例えば陽極として機能する。画素電極PEは、図示しないスイッチング素子と電気的に接続されている。有機発光層ORGは、画素電極PEの上に形成されている。有機発光層ORGは、発光効率を向上するために、電子注入層、正孔注入層、電子輸送層、正孔輸送層等をさらに含んでいてもよい。共通電極CEは、有機発光層ORGの上に形成されている。共通電極CEは、有機EL素子OLEDの例えば陰極として機能する。共通電極CEと画素電極PEとは、例えばインジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料によって形成されている。有機EL素子OLEDは、画素電極PEと共通電極CEとの間に印加される電圧(あるいは電流)に応じた輝度で発光する。
【0070】
なお、トップエミッションタイプの場合には、有機EL素子OLED1は、
図17に示すように、第4絶縁膜14と画素電極PE1との間に反射層RLを含んでいることが望ましい。反射層RLは、例えばアルミニウム、銀等の反射率の高い金属材料により形成されている。
【0071】
各有機EL素子OLEDは、有機絶縁材料からなる第5絶縁膜(リブ)15により、画素PXごとに区画されている。図示した例では、共通電極CEは、有機発光層ORGと接するとともに、第5絶縁膜15とも接している。
【0072】
封止膜16は、有機EL素子OLEDを覆っている。封止膜16は、有機EL素子OLEDへの水分や酸素の侵入を抑制し、有機EL素子OLEDの劣化を抑制する。封止膜16は、一例では、第1無機膜161、有機膜162、及び第2無機膜163を備えている。第1無機膜161は、有機EL素子OLEDの上に形成されている。図示した例では、第1無機膜161は、共通電極CEと接している。第2無機膜163は、第1無機膜161の上に位置している。有機膜162は、第1無機膜161と第2無機膜163の間に位置し、第1無機膜161及び第2無機膜163と接している。
【0073】
本例において、絶縁基板10から共通電極CEまでの構成は、
図2に示す第1基板SUB1に相当する。封止膜16は、
図2に示す第2基板SUB2に相当する。すなわち、本例における延出部EXとは、表示パネルPNLのうち封止膜16より延出した部分に相当する。第4絶縁膜14及び第5絶絵膜15は、第3方向Zにおいて、そのすべてが封止膜16と重なっている。一方、絶縁基板10、第1乃至第3絶縁膜11乃至13は、封止膜16より第2方向Yに延出し、延出部EXを構成している。
【0074】
配線Lは、第3絶縁膜13の上に形成されている。配線Lの一端は、第4絶縁膜14に覆われているが、配線Lの他端は、延出部EXに位置している。端子T11は、第4絶縁膜14の上に形成されている。端子T11は、第4絶縁膜14に形成されたコンタクトホールCHを通って、配線Lと接している。共通電極CEは、有機EL素子OLEDよりも延出部EX側に延出し、この端子T11と接している。これにより、配線Lと有機EL素子OLEDとが電気的に接続される。端子T12は、配線Lの他端側において、配線Lの上に形成される。上述のドライバ6は、例えば端子T12に接続される。なお、必要に応じて配線Lを覆う保護膜が設けられてもよい。
【0075】
図18は、表示装置1に適用される相互容量方式(ミューチャル方式)のタッチ検出装置200を概略的に示す平面図である。
【0076】
タッチ検出装置200は、センサSSと、ICチップ22とを備えている。センサSSは、上述したように、駆動電極としての第2電極Tx(Tx1、Tx2、Tx3・・・)と、この第2電極Txに対して絶縁し、交差するように配列された検出電極としての第1電極Rx(Rx1、Rx2、Rx3・・・)を備える。第2電極Txと第1電極Rxとの各交差部では、容量が形成される。
【0077】
なお、表示パネルPNLにおいて表示期間に一定電位が与えられる共通電極が、上記第2電極Txとして利用されてもよい。つまり、インセルタイプと称される表示装置においては、第2電極Tx(Tx1、Tx2、Tx3・・・)が、画素回路のための共通電極として兼用される。オンセルタイプと称される表示装置においては、タッチ検出用として設けられたタッチパネル(タッチ検出用基板)に対して上記第2電極Tx及び第1電極Rxがタッチ検出専用電極として設けられている。上記のタッチ検出装置200は、ICチップ22により制御される。
【0078】
タッチ検出期間は、例えば1フレーム内に分散して設定されている。したがって、表示装置では、表示期間とタッチ検出期間が、時分割されている。セレクタSELAは、パルス状の駆動信号Txsを、タッチ検出期間に第2電極Tx1、Tx2、Tx3・・・に順次供給する。もし、どこかにユーザの指が触れていると(タッチしていると)、該当するタッチ位置の検出電極から出力される検出信号Rxsは、他の検出電極から出力される検出信号Rxsよりも低いレベルとなる。図では、タッチを検出していない検出信号レベルがAP1の場合と、タッチを検出している電極の検出信号レベルがAP2<AP1の場合を示している。
【0079】
図19は、表示装置1に適用される自己容量方式(セルフ方式)のタッチ検出装置200を概略的に示す平面図である。
【0080】
タッチ検出装置200は、センサSSと、ICチップ22と、駆動・検出回路DDETとを備えている。自己容量方式では、センサSSは、例えばマトリクス状に配置された、タッチ操作を検出するための複数の共通電極CE(CE11、CE12、CE13、・・・・、CE21、CE22、CE23、・・・・、CE31、CE32、CE33、・・・・、)を備えている。それぞれの共通電極CEには、外周配線TR(TR1,TR2・・・・)が接続されている。この外周配線TRは、駆動・検出回路DDETに接続されている。駆動・検出回路DDETは、例えば、表示パネルPNLの第1基板(アレイ基板)SUB1の非表示領域に形成されている。この駆動・検出回路DDETは、ICチップ22により制御され、タッチ検出機能を制御する。なお、1つの共通電極CEの面積は、例えば1つの画素領域の24倍程度である。
【0081】
なお、上記の説明では、マトリクス状に配置された共通電極CEが自己容量方式の電極として用いられる例を説明したが、
図18に示す第2電極Tx及び第1電極Rxの各々が、自己容量方式の電極として用いられてもよい。例えば、タッチ検出装置200は、第2電極Txのみを用いて自己容量方式として動作してもよく、第1電極Rxのみを用いて自己容量方式として動作してもよい。このような動作は、例えば節電状態のときに実行される。
【0082】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。