特許第6983638号(P6983638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983638
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】吸引吹出空気ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20211206BHJP
   F04D 17/10 20060101ALI20211206BHJP
   F04D 29/50 20060101ALI20211206BHJP
   F04D 29/46 20060101ALI20211206BHJP
   A47L 9/00 20060101ALN20211206BHJP
   A47L 9/02 20060101ALN20211206BHJP
【FI】
   F04D25/08 302E
   F04D17/10
   F04D29/50
   F04D29/46 J
   !A47L9/00 H
   !A47L9/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-230942(P2017-230942)
(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-90401(P2019-90401A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年10月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-220477(P2017-220477)
(32)【優先日】2017年11月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】506348466
【氏名又は名称】株式会社アール
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】松元 利暁
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06733254(US,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第0275896(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0204361(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 17/10、25/08
F04D 29/46、29/50
A47L 9/00、9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータとファンとを有し、ファンへ空気を導入する導入口とファンから吹出された空気を排出する排出口とが形成され、電動モータによって回転されたファンにより導入口から吸引した空気を排出口から径方向外向きに吹出す駆動機構部と、
略円筒状に形成され、駆動機構部を適宜な間隔をおいて入れ子状に覆うように配設され、排出口から径方向外向きに吹出された空気を内面に沿って一方端側に案内する外殻部と、
導入口に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替える流路切替部と、
を備える吸引吹出空気ポンプであって、
流路切替部は、ドーム状本体と、ドーム状本体の中心に連通してドーム状本体の凸方向に向かって筒状に延びるアダプタと、を有し、駆動機構部に対して回転可能であり、
ドーム状本体は、アダプタから連通されて空気の出入口となる中心出入口と、中心出入口よりも径方向外側に位置して空気の出入口となる外側出入口と、が形成され、
流路切替部は、
駆動機構部に対して所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を中心出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を外側出入口に接続することによって中心出入口を吸引状態とし、
駆動機構部に対して前記回転位置とは異なる所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を外側出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を中心出入口に接続することによって中心出入口を吹出状態とする、
ことを特徴とする、吸引吹出空気ポンプ。
【請求項2】
最上部を構成する取手部を更に備え、
流路切替部のドーム状本体は、外殻部の一方端近傍を塞ぐように外殻部の内面と一体的に接続され、
外殻部は、他方端縁を取手部と回転可能に接合し、
駆動機構部は、取手部に連結され、
流路切替部は、外殻部が駆動機構部に対して回転されることによって、流入流路の接続先と排出流路の接続先とを切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の吸引吹出空気ポンプ。
【請求項3】
外側出入口は、全体形状が中心出入口を取り囲むような半円弧の扇状にドーム状本体が切り欠かれて形成され、半円弧の扇状の全体形状に沿うように全体形状の内側に半円弧状に延びるブレード羽が1枚又は複数枚並列して設けられ、
ブレード羽は、断面がL字形に形成され、L字形の一方端がドーム状本体の凹側に向き、L字形の他方端がドーム状本体の外周側に向いて設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の吸引吹出空気ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の吸引及び吹出を切り替えることができる吸引吹出空気ポンプに関し、並びに、収納袋内の空気を吸引して排気するために用いられる収納袋用吸引バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭において、衣類や寝具等(以下「収納物」という。)を収納袋に収納し、その後、当該収納袋内の空気を吸引して収納物を圧縮するために、家庭用のキャニスタ型電動掃除機(以下「キャニスタ型掃除機」という。)が用いられている。
【0003】
また、収納袋には、通常、排気口を有する吸引バルブが設けられている。収納袋の使用者は、当該排気口にキャニスタ型掃除機の吸気ノズルを連結し、キャニスタ型掃除機の吸引力によって、収納袋内の空気を吸引して外部に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−91848
【特許文献2】特開2014−117615
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、吸引力が排気口の下方の収納物の表面に集中的に作用して、当該表面が排気口に吸着し、その結果、収納袋内の空気の排出に、多大な時間を要するという問題があった。そこで、収納物の表面が排気口を塞ぐことを防止するために、特許文献1では、排気弁のベースの下面に多数のリブを設けて当該リブ間に空気通路を形成する方式が提案されている。しかしなお、収納物(例えば布団)の表面の生地が、リブ間の空気通路内に入り込みやすく、当該生地によって空気流路の一部が塞がれるので、収納袋内の空気の排出に時間を要する。
【0006】
また、例えば、特許文献2に記載のキャニスタ型真空掃除機は、高出力の電動モータが用いられていることから、発熱量が多く、収納袋内の空気を吸引する過程において特に収納袋内の気圧が真空に近づくにつれて故障しやすいという問題があった。
【0007】
また、キャニスタ型掃除機は、収納袋内の空気を吸引する空気ポンプとしては大型で重く、持ち運びや取り扱いに困難を伴うものであるという問題があった。
【0008】
また、近時、一人暮らし世帯の増加に伴い、キャニスタ型掃除機を所有していない世帯が増加し、代わりに、ハンドクリーナ型電動掃除機(以下「ハンド型掃除機」という。)を所有している世帯が増加している。ハンド型掃除機は、人の手に持って使われることとの関係から小型小出力の電動モータが用いられており、収納袋内の空気の吸引に時間を要するという問題があった。さらに、ハンド型掃除機の先端に取り付けられる吸引用ノズルは、細く、収納袋の吸引バルブと適合しないという問題があった。
【0009】
また、キャニスタ型掃除機又はハンド型掃除機はいずれであっても、吸引しかできないことから、用途及び機能が限定的であるという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、収納袋内の空気の吸引に要す時間がキャニスタ型掃除機と同等の時間であり、故障しにくく、小型軽量であり、同じ口から吸引と吹出とを切り替えて使用することができる吸引吹出空気ポンプ、及び、収納袋内の空気の吸引に要す時間が短時間である収納袋用吸引バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る吸引吹出空気ポンプは、電動モータとファンとを有し、ファンへ空気を導入する導入口とファンから吹出された空気を排出する排出口とが形成され、電動モータによって回転されたファンにより導入口から吸引した空気を排出口から径方向外向きに吹出す駆動機構部と、略円筒状に形成され、駆動機構部を適宜な間隔をおいて入れ子状に覆うように配設され、排出口から径方向外向きに吹出された空気を内面に沿って一方端側に案内する外殻部と、導入口に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替える流路切替部と、を備える吸引吹出空気ポンプであって、流路切替部は、ドーム状本体と、ドーム状本体の中心に連通してドーム状本体の凸方向に向かって筒状に延びるアダプタと、を有し、駆動機構部に対して回転可能であり、ドーム状本体は、アダプタから連通されて空気の出入口となる中心出入口と、中心出入口よりも径方向外側に位置して空気の出入口となる外側出入口と、が形成され、流路切替部は、駆動機構部に対して所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を中心出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を外側出入口に接続することによって中心出入口を吸引状態とし、駆動機構部に対して前記回転位置とは異なる所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を外側出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を中心出入口に接続することによって中心出入口を吹出状態とする、ことを特徴とする、吸引吹出空気ポンプである。
【0012】
この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、導入口に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替える流路切替部は、駆動機構部に対して所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を中心出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を外側出入口に接続することによって中心出入口を吸引状態とするので、駆動機構部が生じる吸引力によって、中心出入口に連通する筒状のアダプタに任意のノズルアタッチメントを装着することで、任意の収納袋の収納袋用吸引バルブから収納袋内の空気を吸引することができる。すなわち、任意の収納袋に収納された収納物を圧縮することができる。
【0013】
さらに、この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、流路切替部は、駆動機構部に対して前記回転位置とは異なる所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部が吸引する空気の導入口に繋がる流入流路を外側出入口に接続し駆動機構部が排出し外殻部によって案内された空気の排出流路を中心出入口に接続することによって中心出入口を吹出状態とするので、吹出された空気を当てたい対象物に中心出入口を向けることによって、対象物に積もった埃、塵等を吹き飛ばすことができる。
【0014】
さらに、この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、流路切替部は、駆動機構部に対して所定の回転位置又は前記回転位置とは異なる回転位置とすることによって、すなわち、駆動機構部に対して回転されることによって、導入口に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替えることができ、この切替は駆動機構部が作動している最中においても流路切替部を回転することのみによって可能であることから、同じ出入口である中心出入口を吸引状態と吹出状態とに任意の時に切り替えて使用することができる。
【0015】
さらに、この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、流路切替部は、ドーム状本体と、ドーム状本体の中心に連通してドーム状本体の凸方向に向かって筒状に延びるアダプタと、を有し、駆動機構部に対して回転可能であり、ドーム状本体は、アダプタから連通されて空気の出入口となる中心出入口が形成されているので、アダプタに任意のノズルアタッチメントを装着することで、吸引時においては任意の収納袋の吸引バルブに適合しながら外気を吸引することなく収納袋内の空気のみを吸引することができ、または、吹出時においては流速を加速して勢いよく空気を吹出すことができる。したがって、駆動機構部の電動モータが小型小出力のものであっても、収納袋の吸引バルブから確実に収納袋内の空気を吸引することにより、キャニスタ型掃除機と同等の吸引時間で収納袋内の空気を吸引することができ、または、より確実に対象物に積もった埃、塵等を吹き飛ばすことができる。
【0016】
さらに、この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、小型小出力の電動モータを用いることができるので、発熱量が少なく故障しにくいものとなるとともに、吸引吹出空気ポンプ自体も小型軽量となり取り扱いが容易である。
【0017】
この発明に係る吸引吹出空気ポンプは、最上部を構成する取手部を更に備え、流路切替部のドーム状本体は、外殻部の一方端近傍を塞ぐように外殻部の内面と一体的に接続され、外殻部は、他方端縁を取手部と回転可能に接合し、駆動機構部は、取手部に連結され、流路切替部は、外殻部が駆動機構部に対して回転されることによって、流入流路の接続先と排出流路の接続先とを切り替えることを特徴としてもよい。
【0018】
この発明に吸引吹出空気ポンプによれば、最上部を構成する取手部を更に備え、流路切替部のドーム状本体は、外殻部の一方端近傍を塞ぐように外殻部の内面と一体的に接続され、外殻部は、他方端縁を取手部と回転可能に接合し、駆動機構部は、取手部に連結され、流路切替部は、外殻部が駆動機構部に対して回転されることによって、流入流路の接続先と排出流路の接続先とを切り替えることができるので、使用者は吸引吹出空気ポンプの底部側に位置することとなる流路切替部に触れずとも外殻部を取手部に対して回転することによって、流路切替部が駆動機構部に対して回転し、流路切替部の中心出入口の吸引状態と吹出状態とを切り替えることができる。
【0019】
この発明に係る吸引吹出空気ポンプは、外側出入口は、全体形状が中心出入口を取り囲むような半円弧の扇状にドーム状本体が切り欠かれて形成され、半円弧の扇状の全体形状に沿うように全体形状の内側に半円弧状に延びるブレード羽が1枚又は複数枚並列して設けられ、ブレード羽は、断面がL字形に形成され、L字形の一方端がドーム状本体の凹側に向き、L字形の他方端がドーム状本体の外周側に向いて設けられていることを特徴としてもよい。
【0020】
この発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、外側出入口は、全体形状が中心出入口を取り囲むような半円弧の扇状にドーム状本体が切り欠かれて形成されているので、中心出入口が吸引状態であるときの吸引された空気の排出が中心出入口から径方向外側で行われるとともに、半円弧の扇状の全体形状に沿うように全体形状の内側に半円弧状に延びるブレード羽が1枚又は複数枚並列して設けられ、ブレード羽は、断面がL字形に形成され、L字形の一方端がドーム状本体の凹側に向き、L字形の他方端がドーム状本体の外周側に向いて設けられているので、外側出入口から排出される空気をより外周側に向かって斜めに排出することができる。したがって、外側出入口から排出された高温の空気が、収納袋の構成部材である吸引バルブ又は熱可塑性樹脂部材に悪影響を与えることを避けることができる。
【0021】
この発明に係る収納袋用吸引バルブは、吸引空気ポンプによって排気される収納袋の吸引バルブであって、吸引バルブは、互いに結合されたベースおよびカバーと、ベースおよびカバーの間に介在し収納袋内への空気の侵入を阻止する逆止弁と、を備え、ベースは、弁口を有し、カバーは、吸引空気ポンプのスカートノズルアタッチメントに連通可能な排気口を有し、排気孔より適宜な間隔をおいて、スカートノズルアタッチメントの筒口を嵌める凹部が配設されたことを特徴とする、収納袋用吸引バルブである。
【0022】
この発明に係る収納袋用吸引バルブは、凹部は、カバーのドームと主体との間に形成された排気口を跨いでドームと主体とを連続する連結部に形成された溝により構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る吸引吹出空気ポンプによれば、収納袋内の空気の吸引に要す時間がキャニスタ型掃除機と同等の時間であり、故障しにくく、小型軽量であり、同じ口から吸引と吹出とを切り替えて使用することができ、さらに、本発明に係る収納袋用吸引バルブによれば、収納袋内の空気の吸引に要す時間が短時間である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る吸引吹出空気ポンプ及び収納袋用吸引バルブの使用状態を示す斜視図である(なお、外殻部を透明化しその輪郭線を一点鎖線として示している)。
図2】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの外観の六面図である。
図3】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの外殻部を除く分解斜視図である。
図4】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの流路切替部の平面図である。
図5】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの流路切替部の側面図である。
図6】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの流路切替部の断面図ないし斜視図であって、(A)は図4のVIA−VIA断面図であり、(B)は図4のVIB−VIB断面図であり、(C)は斜視図である。
図7】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの外殻部を示す図であり、(A)は斜視図であり、(B)は底面図である。
図8】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの駆動機構部及び電源コード保護部を示す斜視図である(なお、一点鎖線は、外殻部の輪郭線を示している)。
図9】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの駆動機構部のモータユニットケースの底部近傍の形状を示す図8のVIII−VIII断面斜視図である。
図10】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの駆動機構部及び取手部の底面図である。
図11】本発明に係る吸引吹出空気ポンプのモータユニットの側面図である。
図12】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの中心出入口が吸引状態であるときの、駆動機構部及び流路切替部の位置関係並びに空気の流れを示す縦断面図である。
図13】本発明に係る吸引吹出空気ポンプの中心出入口が吹出状態であるときの、駆動機構部及び流路切替部の位置関係並びに空気の流れを示す縦断面図である。
図14】本発明の一実施の形態の収納袋の吸引バルブの断面図である。
図15】吸引バルブの分解斜視図である。
図16】ベースの下面図である。
図17】別のスカートノズルアタッチメントを使用した状態を示す断面図である。
図18】別のスカートノズルアタッチメント(図17よりも小径のもの)を使用した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(吸引吹出空気ポンプ)
以下、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の好ましい態様を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10及び収納袋用吸引バルブ1001の使用状態を示す斜視図である。なお、図1は、吸引と吹出とを切り替えている途中の外殻部20を透明化しその輪郭線を一点鎖線として示している。また、図1において、IN−OUTの矢印は、透明化している外殻部20及び流路切替部100の回転による中心出入口112の吸引状態又は吹出状態を切り替える過程を示すものである。図2は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の外観の六面図であって、図2(A)は、Y+から見た正面図、図2(B)は、Y−から見た正面図、図2(C)は、平面図、図2(D)は、底面図、図2(E)は、X+から見た正面図、図2(F)は、X−から見た正面図である。なお、図2は、外殻部20及び流路切替部100の回転位置が、中心出入口112が吸引状態となっているときの外殻部20及び流路切替部100の回転位置として示している。図3は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の外殻部20を除く分解斜視図である。なお、図3の駆動機構部及び流路切替部の位置関係は、中心出入口が吹出状態であるときの駆動機構部及び流路切替部の位置関係となっている。図4は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の流路切替部100の平面図である。図5は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の流路切替部100の側面図である。図6は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の流路切替部100の断面図ないし斜視図であって、図6(A)は図4のVIA−VIA断面図であり、図6(B)は図4のVIB−VIB断面図であり、図6(C)は斜視図である。図7は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプの外殻部を示す図であり、(A)は斜視図であり、(B)は底面図である。図8は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の駆動機構部40及び電源コード保護部170を示す斜視図である。なお、図8の一点鎖線は、外殻部20の輪郭線を示している。図9は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10の駆動機構部40のモータユニットケース80の底部近傍の形状を示す図8のVIII−VIII断面斜視図である。なお、図9では、モータユニット60を省略して図示している。図10は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプの駆動機構部及び取手部の底面図である。図11は、本発明に係る吸引吹出空気ポンプ10のモータユニット60の側面図である。
【0026】
ここで、本明細書において、吸引吹出空気ポンプに関する方向を、図1に従って次のように定義する。吸引吹出空気ポンプの中心から見て電源コードが延びる向きをX+向きと、電源ボタンの向きをX−向きと、取手部の配置される向きを上向きと、外殻部の脚の向きを下向きと、定義する。また、上下X平面においてX+向きを右向きとしたときの、手前側をY−向きと、向こう側をY+向きと、定義する。また、上下方向を軸方向、X+X−方向ないしY+Y−方向を径方向、軸を周る方向を周方向と、定義する。
【0027】
図1に示すように、吸引吹出空気ポンプ10は、主に、衣類や寝具等の収納物(図示しない)を圧縮するための収納袋Bにおいて、収納袋用吸引バルブ1001を介して収納袋B内の空気を吸引するための電動の空気ポンプである。吸引吹出空気ポンプ10は、外殻部20と取手部30と駆動機構部40と流路切替部100とノズルアタッチメント140とを備える。
【0028】
図2及び図7に示すように、外殻部20は、吸引吹出空気ポンプ10の最外側を保護するとともに吸引吹出空気ポンプ10が自立するように脚を形成するケースである。外殻部20は、略円筒状ないし略フード状の形状に形成されている。外殻部20は、下端である一方端と、上端である他方端と、中空状に開放している。外殻部20は、後述する駆動機構部40を適宜な間隔をおいて入れ子状に覆うように配設される。すなわち、図8及び図12に示すように、外殻部20は、駆動機構部40との間で、空気を案内するのに必要な空間を確保できる程度の間隔をおいて、駆動機構部40と二重構造を構成している。また、外殻部20は、駆動機構部40の排出口から径方向外向きに吹出された空気を内面に沿って一方端側に案内する。すなわち、外殻部20は、駆動機構部40の外周面に沿って空気を案内するための内面を有する。外殻部20の内面と駆動機構部40との間には、空気が流れるための適宜な間隔を備えた空気流通路が形成されている。外殻部20の他方端縁である上端縁は、後述する取手部30の支持部34の下端縁と回転可能に接合する。外殻部20の上下方向の中間と下端との間に、後述する流路切替部100が嵌合するように接続している。例えば、外殻部20の上下方向の中間と下端との間であって、図7(B)に示すようにその円筒状の内面の120度ずつ離れた異なる3つの位置にビス受け29が設けられて、図6(A)に示すようにビスsによって流路切替部100が接続されている。外殻部20は、上端側を取手部30に、下端側を流路切替部100に、塞がれることによって、内側と外側との空気を遮断する。また、外殻部20は、上下方向において取手部30と流路切替部100との間で、内面で空気を案内することができる。外殻部20の下端縁は、下向きに開放していると同時に、その側面の3つの異なる部分が半円状に切りかかれて形成されている。すなわち、外殻部20の下端縁は、例えば、図7(B)の底面視において互いに120度ずつ離れ、図7(A)で上向きに凹の3つの半円状に切りかかれた凹部22と、半円と半円との間で下向きに伸び先端が直線状に形成されている部分である脚24と、を有する。凹部22は、後述する流路切替部100の外側出入口122から排出された空気を、さらに吸引吹出空気ポンプ10の外側に排出する開口である。脚24は、吸引吹出空気ポンプ10を机等の平面又は収納袋B上で自立させる脚である。図2(A)に示すように、外殻部20は、上端縁に取手部30に対する回転位置を示すための目盛りが付されている。
【0029】
図2に示すように、取手部30は、吸引吹出空気ポンプ10の最上部を構成し、上向きに凸かつX方向に伸びるアーチ状に形成されたアーチ部32とアーチ部32を支える支持部34とを有する。支持部34は、図2(C)の平面視において、円形状に形成されている。支持部34は、アーチ部32がX方向にのびる方向の一端側すなわちX−側に電源ボタン180が設けられ、他端側すなわちX+側に電源コード保護部170が設けられている。支持部34は、円状の下端縁に、外殻部20の円状の上端縁を回転可能に接合する。また、支持部34は、後述する駆動機構部40を固定するように連結するための、ビス受け38、39を有する。ビス受け38は、図3に示すように、支持部34のX−側であって、その内側に形成されている。ビス受け39は、図3に示すように、支持部34のX+側であって、その内側に形成されている。支持部34には、外殻部20の回転位置すなわち後述する流路切替部100の回転位置を示すための目盛りであって、Y+側に「IN」、Y−側に「OUT」の縦線の目盛りが付されている。すなわち、取手部30の「IN」と「OUT」との目盛りは、平面視において180度反対側の位置にある。そして、後述するように、取手部30の「IN」に外殻部20の目盛りが合わされたときに、流路切替部100の中心出入口112は吸引状態となり、取手部30の「OUT」に外殻部20の目盛りが合わされたときに、流路切替部100の中心出入口112は吹出し状態となる。
【0030】
図3図8に示すように、駆動機構部40は、吸引吹出空気ポンプ10の動力を発生するものであり、モータユニット60とモータユニットケース80とを有する。図11に示すように、モータユニット60は、電動モータ62とファン70とを有する。モータユニットケース80は、モータユニット60を包むケースである。モータユニットケース80は、ファン70へ空気を導入する導入口84とファン70から吹出された空気を排出する排出口86、96とが形成されている。ファン70は、図11に示すように、電動モータ62の下方に連結されており、電動モータ62よりも大きな径を備えている。ファン70は、その上方に空気排出口76を備え、その下方に空気流入口74を備えている。駆動機構部40は、電動モータ62によって回転されたファン70により導入口84から吸引した空気を排出口86、96から径方向外向きに吹出す。また、駆動機構部40は、外殻部20に内包されるように、取手部30の下側に連結されている。
【0031】
電動モータ60は、例えば、交流モータであり、電圧110V消費電力300W耐熱クラスEの電動モータである。図11に示すように、ファン70は、斜流ファンであり、電動モータ60の駆動軸にその軸が連結されている。ファン70は、電動モータ60によって軸を回転されることにより、軸方向に空気流入口74から吸引した空気を、空気流入口74と反対側にある空気排出口76から軸に対して斜め且つ軸周りの径方向外向きに吹出す。吸引吹出空気ポンプ10では、ファン70の上側(取手部30側)に電動モータ60が配設されている。
【0032】
ファン70は、ファンフード72に包まれて空気の流れを整流されることが好ましい。図11に示すように、ファンフード72は、ファン70の外形状に略相似する形状であって、ファン70の吹出口である上面を開放しファン70の吸引口である下面を先細に開口している、「足」のない漏斗形状である。なお、「足」とは、漏斗のうちの管状の部分である。
【0033】
図3図8に示すように、モータユニットケース80は、モータユニット60をケース状に包み、略円筒状であり、モータユニット60に吸引される空気とモータユニット60から排出される空気とを、吸引吹出空気ポンプ10内で分離又は遮断する。モータユニットケース80は、そのX−側を構成するケース第1構成部82とX+側を構成するケース第2構成部92とを有する。すなわち、モータユニットケース80は、ケース第1構成部82とケース第2構成部92とがX方向に一体的に接続されて構成されている。モータユニットケース80は、その内面形状が、電動モータ60の外鉄心周辺においてモータユニット60の外面形状と略一致して、電動モータ60を支持するとともに、電動モータ60の外鉄心の下側とファン70の上側との間で電動モータ60の軸周辺に、ファン70から吹出された空気を排出する排出口86、96が形成されている。また、モータユニットケース80は、モータユニット60のファン70の下側であって中心軸よりもX−側に、ファン70へ空気を導入する導入口84が形成されている。具体的には、ケース第1構成部82は、導入口84と排出口86とが形成されており、ケース第2構成部92は、四分の一球状の第1隔壁板94と排出口96とが形成されている。導入口84は、ファン70の空気流入口74に向けて吸引吹出空気ポンプ10の外側から流入した空気を案内するように構成されている。排出口86は、ファン70の空気排出口76より排出された空気をX―側で外殻部20とケース第1構成部82との間に形成された空気流通路に導くように外方に向けて開口している。同様に、排出口96は、ファン70の空気排出口76より排出された空気をX+側で外殻部20とケース第2構成部92との間に形成された空気流通路に導くように外方に向けて開口している。
モータユニットケース80は、取手部30に連結されて固定されている。例えば、ケース第1構成部82の上端縁近傍には、図3に示すように、ビス受け89が形成されており、図10に示すように、ビス受け89にビス(図示しない)が挿通され、さらに当該ビスが取手部30のビス受け38に挿通されて、モータユニットケース80は、X−側で取手部30と連結されて固定されている。同様に、ケース第2構成部92の上端縁近傍には、図3に示すように、ビス受け99が形成されており、図10に示すように、ビス受け99にビス(図示しない)が挿通され、さらに当該ビスが取手部30のビス受け39に挿通されて、モータユニットケース80は、X+側で取手部30と連結されて固定されている。すなわち、外殻部20は、取手部30に対して周方向に回転可能であるのに対し、駆動機構部40は、取手部30に対して周方向に回転できない。
【0034】
更に、図8図9に示すように、ケース第1構成部82は、ファン70の吸引側であって、導入口84をX−側で周方向に半円筒状に取り囲むように、ケース側半円筒隔壁板88を有する。ケース側半円筒隔壁板88は、後述する流路切替部100の切替側円筒隔壁板116と同じ曲率半径で曲がっている。また、ケース側半円筒隔壁板88の下端縁は、流路切替部100の切替側円筒隔壁板116の上端縁と、上下位置が一致し、相互に摺動することができる。そして、ケース側半円筒隔壁板88は、後述するように、流路切替部100の中心出入口112から導入口84に進入する空気と、外殻部20のX−側の内面に案内されて流路切替部100近傍まで到達した空気と、を遮断する。
【0035】
また、ケース第1構成部82の導入口84は、その開口に簾状のスリットである第1構成部スリット85が形成されている。第1構成部スリット85は、流路切替部100の中心出入口112から導入口84に進入する空気に、ファン70を容易に通過できない大きな埃等の異物が含まれている場合に、空気を通しながらもその異物の進入を阻止するものである。
【0036】
更に、図8に示すように、ケース第2構成部92は、第1隔壁板94をX+側で半円弧状に取り囲むように、第2構成部スリット95を有する。第2構成部スリット95は、後述する流路切替部100の中心出入口112が吹出状態となっているときに、中心出入口112から異物が吸引吹出空気ポンプ10内に進入することを阻止するものである。
【0037】
流路切替部100は、導入口84に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部20によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替える部材である。流路切替部100は、駆動機構部40の下側であって導入口84近傍に配設されている。流路切替部100は、駆動機構部40に対して回転可能である。流路切替部100は、ドーム状本体110と、ドーム状本体110の中心に連通してドーム状本体110の凸方向に向かって筒状に延びるアダプタ130と、を有する。ドーム状本体110は、アダプタ130から連通されて空気の出入口となる中心出入口112と、中心出入口112よりも径方向外側に位置して空気の出入口となる外側出入口122と、が形成されている。また、ドーム状本体110は、中心出入口112をドーム状本体110の凹側に四分の一球状に覆う第2隔壁板114を有する。アダプタ130は、吸引吹出空気ポンプ10によって中心出入口112から吸引する時にはアダプタ130からスカート状に広がるスカートノズルアタッチメント150が取付可能であり、吹出時にはアダプタ130から先端にかけて細くなる先細ノズルアタッチメント160が取付可能である。
【0038】
流路切替部100のドーム状本体110は、その凸を下向きに向けて、外殻部20の上下方向の中間位置よりも下端側すなわち外殻部20の一方端近傍を塞ぐように外殻部20の内面に一体的に接続されている。これにより、外殻部20が取手部30及び駆動機構部40に対して周方向に回転されることによって、流路切替部100は、取手部30及び駆動機構部40に対して回転される。
そして、ドーム状本体110に形成されている中心出入口112と外側出入口122とは、外殻部20が駆動機構部40に対して回転することによって、駆動機構部40の導入口84と排出口86、96とに接続する流路を切り替えられる。
【0039】
外側出入口122は、図3図4等に示すように、全体形状が中心出入口112を取り囲むような半円弧の扇状にドーム状本体110が切り欠かれて形成されている。そして、外側出入口122は、半円弧の扇状の全体形状に沿うように全体形状の内側に半円弧状に延びるブレード羽126が1枚又は複数枚、例えば2枚、径方向に並列して設けられている。
ブレード羽126は、図6(A)に示すように、断面がL字形に形成され、L字形の一方端がドーム状本体110の凹側に向き、L字形の他方端がドーム状本体110の外周側に向いて設けられている。
【0040】
さらに、図4図5及び図6に示すように、ドーム状本体110は、その凹側で、中心出入口112を中心とする円筒状の切替側円筒隔壁板116と、その切替側円筒隔壁板116を中心出入口112を通るように2つの半円筒に分ける2枚の切替側立隔壁板118と、を有する。また、ドーム状本体110は、その外周縁の内面に、120度ずつ離れた異なる3つの位置にビス受け119が設けられている。ビス受け119は、外殻部20の内面に設けられているビス受け29と、平面視において一致し、側面視において嵌合するように、形成されている。そして、ドーム状本体110すなわち流路切替部100は、ビスsによって、ビス受け119とビス受け29とが接続されて、外殻部20に接続される。
【0041】
切替側円筒隔壁板116の曲率半径は、外側出入口122の最外側の曲率半径と一致するとともに、ケース第1構成部82のケース側半円筒隔壁板88の曲率半径とする。また、切替側円筒隔壁板116の上端縁は、ケース側半円筒隔壁板88の下端縁と、上下位置が一致し、相互に摺動することができる。そして、切替側円筒隔壁板116は、後述するように、流路切替部100の中心出入口112又は外側出入口122から導入口84に進入する空気と、外殻部20のX−側の内面に案内されて流路切替部100近傍まで到達した空気と、をケース側半円筒隔壁板88と相まって遮断する。さらに、切替側円筒隔壁板116は、ドーム状本体110近傍の空気を周方向に案内する。
【0042】
切替側立隔壁板118は、切替側円筒隔壁板116の内面と内面とに接続されているとともに、第2隔壁板114に接続されている。切替側立隔壁板118は、第2隔壁板114の凹面側には進入せず、凸面側にその曲面に沿いながら連続的に接続する。切替側立隔壁板118は、流路切替部100近傍であって切替側円筒隔壁板116より径方向内側の、中心出入口112から吸引又は吹出される空気と、外側出入口122から吸引又は吹出される空気と、混入することがないよう、遮断する。言い換えれば、切替側立隔壁板118は、ドーム状本体110近傍の空気であって切替側円筒隔壁板116よりも径方向内側の空気を、X+側とX−側とに、第2隔壁板114と相まって、遮断する。
【0043】
(作用効果)
流路切替部100は、駆動機構部40に対して所定の回転位置に配置されたとき、すなわち、外殻部20の目盛りが取手部30の「IN」に合わされたとき、すなわち、外側出入口122が吸引吹出空気ポンプ10のX+側になるように配置されたとき、駆動機構部40が吸引する空気の導入口84に繋がる流入流路を中心出入口112に接続し駆動機構部40が排出し外殻部20によって案内された空気の排出流路を外側出入口122に接続する。
このとき、流路切替部100の第2隔壁板114と駆動機構部40の第1隔壁板94とは、吸引吹出空気ポンプ10においてX+側で、その四分の一球状の凸面を突き合わせるように、配置されている。言い換えると、中心出入口112が吸引状態にあるときの、流路切替部100の第2隔壁板114と駆動機構部40の第1隔壁板94とは、上下方向に面対称となっている。この配置状態を、回転中心を通る上下X平面で切断した、図12に示す断面図で見た場合、第1隔壁板94と第2隔壁板114とは、くの字状に折れ曲がるように配置され、くの字状のX−側で中心出入口112から導入口84に繋がる空気の流路を形成するとともに、くの字状のX+側で当該流路と遮断する排出口86、96から外側出入口122に繋がる空気の流路を形成する。
【0044】
空気airの視点で説明すると、図12に示すように、中心出入口112が吸引状態にあるとき、中心出入口112から進入する空気airは、吸引吹出空気ポンプ10のX+側を四分の一球状に覆う第2隔壁板114の内面に案内されて、流路切替部100のドーム状本体110のX−向きに向かう。そして、ドーム状本体110の切替側円筒隔壁板116と駆動機構部40のケース側半円筒隔壁板88とで連続的に形成される円筒状の隔壁の内面に案内されて、導入口84から、電動モータ62によって回転されたファン70によって、空気は吸引される。このとき、ドーム状本体110内において、図12には図示されていないが、切替側立隔壁板118が切替側円筒隔壁板116よりも径方向内側の空気をX+側とX−側とで遮断するため、第2隔壁板114が及ばない位置においても、吸引する空気がX+側に流入せず、導入口84に流入する。そして、空気は、駆動機構部40の排出口86、96からそれぞれ径方向外向きに吹出される。吹出された空気は、外殻部20の内面に沿って、外殻部の一方端側である下側に案内される。X+側で排出口96からドーム状本体110の内面近傍に到達した空気は、第1隔壁板94と第2隔壁板114とで形成されたくの字状の隔壁に阻害されて、中心出入口112には進入せず、くの字状のX+側に位置する外側出入口122から排出される。このときも、切替側立隔壁板118が切替側円筒隔壁板116よりも径方向内側の空気をX+側とX−側とで遮断するため、第2隔壁板114が及ばない位置においても、排出する空気がX−側すなわち導入口84ないし中心出入口112に流出しない。また、切替側円筒隔壁板116よりも径方向外側かつX−側で排出口86からドーム状本体110の内面近傍に到達した空気は、ケース側半円筒隔壁板88と切替側円筒隔壁板116とで連続的に形成される円筒状の隔壁の外面に阻害されて、導入口84ないし中心出入口112には流出せず、ドーム状本体110及び外殻部20の内面に周方向に案内されて、X+側に位置する外側出入口122まで到達し、外側出入口122から排出される。
【0045】
したがって、流路切替部100は、駆動機構部40に対して所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部40が生じる吸引力によって、駆動機構部40が吸引する空気の導入口84に繋がる流入流路を中心出入口112に接続して、中心出入口112を吸引状態とするので、中心出入口112に連通する筒状のアダプタ130に任意のノズルアタッチメント例えばスカートノズルアタッチメント150を装着することで、任意の収納袋Bの収納袋用吸引バルブ1001から収納袋B内の空気を吸引することができる。
【0046】
ここで、外側出入口122から排出される空気は、ブレード羽126によって、下向きの流れからやや外周側に向いた下向き(下向き且つ径方向外向き)に流れを変えられ、外殻部20の凹部22から、吸引吹出空気ポンプ10の外側に排出される。外側出入口122から排出される空気は、発熱したモータユニット60の内部ないし近傍を通過しているため、外気よりも高温となる場合がある。この場合においても、外側出入口122から排出された高温の空気は、収納袋Bの構成部材である吸引バルブ1001又は熱可塑性樹脂部材(符号なし)に悪影響を与えることを避けることができる。そして、排出された空気は、外殻部20の凹部22から吸引吹出空気ポンプ10の外側に排出される。
【0047】
一方、流路切替部100は、駆動機構部40に対して前記回転位置とは異なる所定の回転位置に配置されたとき、すなわち、外殻部20の目盛りが取手部30の「OUT」に合わされたとき、すなわち、外側出入口122が吸引吹出空気ポンプ10のX−側になるように配置されたとき、駆動機構部40が吸引する空気の導入口84に繋がる流入流路を外側出入口122に接続し駆動機構部40が排出し外殻部20によって案内された空気の排出流路を中心出入口112に接続する。
このとき、駆動機構部40の第1隔壁板94は、吸引吹出空気ポンプ10においてX+側に位置する一方で、流路切替部100の第2隔壁板114は、X−側に配置される。言い換えると、流路切替部100の第2隔壁板114と駆動機構部40の第1隔壁板94とは、それぞれの四分の一球状の凸面が屈曲するように、配置されている。さらに言い換えると、中心出入口112が吹出状態にあるときの、流路切替部100の第2隔壁板114と駆動機構部40の第1隔壁板94とは、回転中心に対して、点対称となっている。この配置状態を、回転中心を通る上下X平面で切断した、図13に示す断面図で見た場合、第1隔壁板94と第2隔壁板114とは、S字状に折れ曲がるような配置状態となり、S字状のX−側で外側出入口122から導入口84に繋がる空気の流路を形成するとともに、S字状のX+側で当該流路と遮断する排出口86、96から中心出入口112に繋がる空気の流路を形成する。
【0048】
空気airの視点で説明すると、図13に示すように、中心出入口112が吹出状態にあるとき、外側出入口122から進入する空気airは、吸引吹出空気ポンプ10のX−側を四分の一球状に覆う第2隔壁板114の外面及び切替側円筒隔壁板116及びケース側半円筒隔壁板88に案内されて、流路切替部100のドーム状本体110のX+向き(中心)に向かう。このとき、ドーム状本体110内において、図13には図示されていないが、切替側立隔壁板118が切替側円筒隔壁板116よりも径方向内側の空気をX+側とX−側とで遮断するため、第2隔壁板114が及ばない位置においても、吸引する空気がX+側に流入せず、導入口84に流入する。そして、導入口84から、電動モータ62によって回転されたファン70によって、空気は吸引される。そして、空気は、駆動機構部40の排出口86、96からそれぞれ径方向外向きに吹出される。吹出された空気は、外殻部20の内面に沿って、外殻部の一方端側である下側に案内される。X+側で排出口96からドーム状本体110の内面近傍に到達した空気は、第1隔壁板94と第2隔壁板114とで形成されたS字状の隔壁に阻害されて、外側出入口122には進入せず、ドーム状本体110の内面に案内されてS字状のX+側に位置し且つドーム状本体110の中心に連通する中心出入口112及びアダプタ130から排出すなわち吹出される。このときも、切替側立隔壁板118が空気をX+側とX−側とで遮断するため、第2隔壁板114が及ばない位置においても、排出する空気がX−側すなわち外側出入口122に流出しない。また、切替側円筒隔壁板116よりも径方向外側かつX−側で排出口86からドーム状本体110の内面近傍に到達した空気は、ケース側半円筒隔壁板88と切替側円筒隔壁板116とで連続的に形成される円筒状の隔壁の外面に阻害されて、外側出入口122ないし導入口84には流出せず、ドーム状本体110及び外殻部20の内面に周方向にX+側にまで案内されて、中心出入口112から排出される。
【0049】
したがって、流路切替部100は、駆動機構部40に対して異なる所定の回転位置に配置されたとき、駆動機構部40が生じる吹出力によって、駆動機構部40が排出し外殻部20によって案内された空気の排出流路を中心出入口112に接続して、中心出入口112を吹出状態とするので、吹出された空気を当てたい対象物に中心出入口112を向けることによって、対象物に積もった埃、塵等を吹き飛ばすことができる。
さらに、中心出入口112に連通する筒状のアダプタ130に先細ノズルアタッチメント160を装着することで、吹出された空気の速度をさらに加速し、より確実に対象物に積もった埃、塵等を吹き飛ばすことができる。
【0050】
上記の吸引状態と吹出状態との切替は、駆動機構部40が作動している最中においても流路切替部100を回転することのみによって可能であることから、使用者の意思に従い任意の時に同じ出入口である中心出入口112を吸引状態と吹出状態とに切り替えて使用することができる。
【0051】
また、アダプタ130に任意のノズルアタッチメント140を装着することで、吸引時においては任意の収納袋Bの吸引バルブ1001に適合しながら収納袋B内の空気を吸引することができ、または、吹出時においては流速を加速して勢いよく空気を吹出すことができる。したがって、駆動機構部40の電動モータ62が小型小出力のものであっても、収納袋Bの吸引バルブ1001から確実に収納袋B内の空気を吸引することにより、キャニスタ型掃除機と同等の吸引時間で収納袋B内の空気を吸引することができ、または、より確実に対象物に積もった埃、塵等を吹き飛ばすことができる。
【0052】
吸引吹出空気ポンプ10によれば、小型小出力の電動モータ62を用いることができるので、発熱量が少なく故障しにくいものとなるとともに、吸引吹出空気ポンプ10自体も小型軽量となり取り扱いが容易となる。
【0053】
(圧縮収納袋の吸引バルブ)
次に、本発明にかかる吸引吹出空気ポンプ10によって排気される圧縮収納袋の吸引バルブの好ましい態様を添付図面を参照しつつ説明する。
図15は吸引バルブ1001の分解斜視図である。
吸引バルブ1001は、布団等を圧縮して収納する圧縮収納袋1002の開口1003に設けられ、圧縮収納袋1002内を空気の排出するために用いられる。
吸引バルブ1001は、圧縮収納袋1002の開口1003の周縁1003aを内外から挟持するベース1004およびカバー1005と、ベース1004およびカバー1005の間に介在し、圧縮収納袋1002内が負圧になってときに圧縮収納袋1002内への空気の侵入を阻止するする逆止弁1006と、ベース1004の少なくとも下方を覆う、ベース1004よりも大径の多孔質体1007と、多孔質体1007をベース1004に取り付けるための取付具1008とを備えている。
【0054】
ベース1004は、上面1004aと、下面1004bと、上面1004aおよび下面1004bに開口する弁口1009とを有している。図14および図15に示すように、弁口1009の中央部から上方に突出する筒状の弁保持部1010が設けられている。弁保持部1010は、弁口1009内に放射状(例えば十字状)に延びる支持リブ1011によって支持されている。したがって、弁口1009は、放射状の支持リブ1011によって複数に区画されている。
【0055】
逆止弁1006は、例えばシリコーンゴム等のゴムからなる弾性体により形成されている。逆止弁1006は、弁保持部1010によって受けられた概ね平坦な中央部1012と、中央部1012から下方に延びる円錐状部1013とを備えている。
通常時は、図14に示すように、逆止弁1006の円錐状部1013の周縁13aが、ベース1004の上面1004aにおいて、弁口1009の周縁に形成された弁座部1009aに、弾性的に接触している。逆止弁1006は、圧縮収納袋1002内が負圧になったときに、圧縮収納袋1002外の大気圧によって、弁口1009の周縁に形成された弁座部1009aに強く押圧されることにより、弁口1009を閉塞する。これにより、逆止弁1006は、圧縮収納袋1002内への空気の流通を阻止するように機能する。
【0056】
ベース1004は、上面1004aにおいて、支持リブ1011に連設された円環状の弁座部1009aが形成され、弁座部1009aの外周縁に、弁座部1009aの上面より低い位置において、環状凹部1014が形成されている。
そして、ベース1004は、上面1004aの外周縁に沿って、図14および図15に示すように、環状凹部1014が形成されている。この環状凹部1014に、カバー1005の外周縁に設けられた環状フランジ1015を接合させ、且つ、カバー1005の主体部1020の下部に突設された略円環状の結合部1020aの嵌合凹部を弁座部1009aの周縁に設けられた嵌合凸部に嵌合させて、ベース1004とカバー1005を一体化する。
このときに、環状凹部1014および弁座部1009aの間に、圧縮収納袋1002の開口1003の周縁1003aを挟持するように形成されている。
図16に示すように、ベース1004の下面1004bには、弁口1009を中心として放射状に延びる多数のリブ1016A,1016B,1017が、下方に突出するように一体に設けられている。リブ1016A,1016Bの高さは、リブ1017の高さよりも高くされている。高さの高いリブ1016A,1016Bと高さの低いリブ1017は、周方向に交互に並んでいる。
【0057】
また、各リブ1016A,1016B,1017の径方向外端は、同方向に傾斜されており、これにより、吸引吹出空気ポンプ10による空気吸引時にリブ1016A,1016B,1017間に収納物の生地が入り込むことを、より確実に防止することができるという利点がある。
隣接するリブ1016A,1016Bおよびリブ1017間に、弁口1009から放射状に延びる通気路1018が形成されている。図14に示すように、この通気路1018の下方を多孔質体1007が覆っている。
【0058】
高さの高い複数のリブ1016A,1016Bのうちリブ1016Aは、図16に示すように、十字状に交差する状態で、上記支持リブ1011に連続している。また、上記十字状に交差する上記複数のリブ1016Aの内端は、残りのリブ1016Bの内端やリブ1017の内端よりも径方向内方へ延び、被係合部1019を形成している。これらの被係合部1019に、多孔質体1007を取り付けるための取付具1008の係合部としてのスリット1028が係合されるようになっている。
【0059】
カバー1005は、図15に示すように、環状の主体部1020と、主体部1020の中心に配置され主体部1020と放射状の連結部1021によって連結された円形ドーム1022と、主体部1020および円形ドーム1022の間に形成され、環状に配列された複数の円弧状の第1排気口1023と、円形ドーム1022に環状に配列された複数の円孔からなる第2排気口1024とを有している。
円形ドーム1022は、図14に示すように、逆止弁1006と対向している。円形ドーム1022の中央部に設けられた受け部1025が、逆止弁1006の中央部1012を受けている。すなわち、逆止弁1006の中央部1012が、カバー1005の円形ドーム1022の受け部1025とベース1004の弁保持部1010との間に挟持されている。円形ドーム1022に設けられた第2排気口1024は、逆止弁1006の円錐状部1013に、上下方向に対向する位置に配置されている。
【0060】
主体部1020の表面は、略々平面状である。
主体部1020の下面には、環状フランジ1015と間隔をあけて、略環状の結合部1020aが垂下されており、結合部1020aと環状フランジ1015とは、略平行でそれらの下端は略々同じ位置に達する。
主体部1020は、例えば、掃除器等の吸引器具のノズルの形状(部分的な凸部がある)にあわせて、部分的に凹み1020bが設けられ、主体部1020の表面に吸引器具のノズルを接合できるように構成されている。
【0061】
連結部1021は、適宜な間隔をおいて複数条の第1連結部1021a、第2連結部1021b、第3連結部1021c、第4連結部1021dが、放射状に配設されている。この実施の形態においては、連結部1021を構成する複数の連結部1021の間に第1排気口1023が形成されるように構成されている。
第1連結部1021a、第2連結部1021b、第3連結部1021c及び第4連結部1021dは、第1排気口1023の外側において、吸引吹出空気ポンプ10のスカートノズルアタッチメント150の筒口を嵌合するための凹部1040が環状に形成されている。
凹部1040は、スカートノズルアタッチメント150の筒口の形状が真円であることに対応して、円形ドーム1022の中心を中心とした円環状に構成されている。
凹部1040は、第1連結部1021aの第1溝1040aと第2連結部1021bの第2溝1040bと第3連結部1021cの第3溝1040cと第4連結部1021dの第4溝1040dにより構成されている。第1溝1040aと第2溝1040bと第3溝1040cと第4溝1040dは、第1排気口1023の外縁より一定の間隔をおいて、円環状に配設されている。第1溝1040aと第2溝1040bと第3溝1040cと第4溝1040dは、それらの溝底が主体部1020の上面の平面状部分と連なって平面状になっている。
第1排気口1023に近い側の凹部1040の壁と第1排気口1023より遠い側の凹部1040の壁とは、略々平行に対向しており、対向する壁の間にスカートノズルアタッチメント150の筒先が嵌まり込む。
【0062】
図14に示すように、カバー1005の表面に形成された凹部1040に吸引吹出空気ポンプ10のスカートノズルアタッチメント150を押し当てて、空気吸引したときに、円形ドーム1022の第2排気口1024からの空気吸引によって、逆止弁1006の円錐状部1013が、円形ドーム1022の内面に吸着され、これにより、第2排気口1024が閉塞されるとともに、弁口1009が、第1排気口1023を介して圧縮収納袋1002外へ開放されるようになっている。
【0063】
スカートノズルアタッチメント150が、図17又は図18に示すように大径となったときには、カバー1005の環状フランジ1015の外側面と接して圧縮収納袋1002内の空気を吸引して排出することができる。
【0064】
多孔質体1007としては、多数の連続気泡を有するスポンジ、樹脂等の発泡体、不織布、ニードルパンチされた織布、網状体、多孔質シート等を例示することができる。多孔質体1007には、公知のダニ誘引剤が担持されていてもよい。ダニ誘引剤としては、例えばフルーツエキスを用いてなるフェロモンフレーバーを用いることができる。多孔質体1007にダニ誘引剤を保持する方法としては、例えば液状にされたダニ誘引剤を多孔質体に含浸させて保持する方法がある。
【0065】
多孔質体1007には、挿通孔としての中心孔1026が形成されている。一方、取付具1008は、多孔質体1007の中心孔1026を挿通して、多孔質体1007をベース1004に取り付けるようにしている。 具体的には、取付具1008は取付筒1027を有しており、その取付筒1027は、第1の端部1027aと、第2の端部1027bとを有している。取付筒1027の第1の端部1027aには、ベース1004の上記十字状に配置されたリブ1016Aの被係合部1019に、取り外し可能に係合する係合部としてのスリット1028が設けられている。取付筒1027の第1の端部1027aの外周は、リブ1016Bの内端に嵌合するようになっている。また、取付筒1027の第2の端部1027bには、多孔質体1007を押さえる押圧板1029が設けられている。
【0066】
本実施の形態によれば、多孔質体1007が、ベース1004よりも大径をなして、リブ1016A,1016B,1017の少なくとも下方(図14に示す吸引時には下方および側方)を覆っているので、収納物(例えば布団)の表面の生地がリブ1016A,1016B,1017間に入り込むことがない。したがって、上記生地がリブ1016A,1016B,1017間の通気路1018を閉塞したり狭めたりすることがない。しかも、ベース1004の弁口1009の入口と多孔質体1007とを連通するための、リブ1016A,1016B,1017間の通気路1018が、非常に広い領域で多孔質体1007と連通するので、多孔質体1007を通しての排気を格段に円滑にすることができる。したがって、確実に短時間で排気を行うことができる。
【0067】
圧縮収納袋1002内の空気を排出する経路としては、上述のように、多孔質体1007から、リブ1016A,1016B,1017間の通気路1018、弁口1009および第1排気口23を順次に介して、圧縮収納袋1002外へ排出される経路が主であるが、多孔質体1007を介さずに通気路1018に直接至る経路が一部に存在していてもよい。
また、取付具1008を多孔質体1007の挿通孔としての中心孔1026に挿通させて、多孔質体1007をベース1004に容易に取り付けることができる。具体的には、取付具1008の取付筒1027を多孔質体1007の中心孔1026に挿通させて、取付筒1027の第1の端部1027aの係合部としてのスリット1028を、十字状のリブ1016Aの被係合部1019に係合させた状態で、取付筒1027の第2の端部1027bの押圧板1029で多孔質体1007を押さえる。これにより、多孔質体1007をベース1004に容易に取り付けることができる。また、多孔質体1007を押圧板1029で押さえているので、多孔質体1007の保持が確実である。
【0068】
また、係合部1028が、十字状に配置されたリブ1016Aに取り外し可能に係合しているので、取付具1008を容易にベース1004から取り外すことができる。したがって、多孔質体1007をベース1004から容易に着脱することができ、多孔質体1007に対する清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、使い古した多孔質体を新品の多孔質体に容易に取り替えることができる。
【0069】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【0070】
すなわち、例えば、駆動機構部40は、取手部30に固定されておらず外殻部20と連結されて固定され、外殻部20と共に取手部30に対して回転可能であり、さらに、流路切替部100は、外殻部20と接続されておらず、取手部30と連結されて固定されていてもよい。この場合においても、外殻部20の取手部30に対する周方向の回転によって、駆動機構部40と流路切替部100との位置関係は、上記の図12又は図13の位置関係となり、同様に、流路切替部100は、導入口84に流入する空気の流入流路の接続先と外殻部20によって案内された空気の排出流路の接続先とをそれぞれ切り替えて、中心出入口を吸引状態又は吹出状態とすることができる。
【0071】
また、例えば、ファン70は、斜流ファンに限定されず、プロペラ、ターボファン、シロッコファンであってもよい。ファン70は、これらのものであっても、ファンフード72によって整流されることにより、空気流入口74から空気を吸引することができ、空気排出口76から空気を排出することができる。
【0072】
また、例えば、収納袋内の空気の吸引に要す時間がキャニスタ型掃除機と同等の時間であり、故障しにくく、小型軽量であり、同じ口から吸引と吹出とを切り替えて使用することができるものとしての吸引吹出空気ポンプ10は、取手部30を備えていなくてもよい。すなわち、吸引吹出空気ポンプ10は、外殻部20の上端縁が塞がれて、外殻部20が駆動機構部40を内包しているように構成されていてもよい。
【0073】
また、例えば、切替側立隔壁板118は、1枚であってもよい。ただし、1枚よりも複数枚である方が、より確実に、流路切替部100近傍の流入流路側の空気と排出流路側の空気とを、遮断することができる。
【0074】
また、例えば、スカートノズルアタッチメント150は、図17及び図18に示すように、任意の収納袋B又は圧縮収納袋1002に設けられた吸引バルブの径に応じて、任意の先端の径に形成されていてもよい。これにより、任意の吸引バルブを有する収納袋B又は圧縮収納袋1002であっても、吸引吹出空気ポンプ10によって、確実かつ短時間にその内部の空気を吸引することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 吸引吹出空気ポンプ
20 外殻部
22 凹部
24 脚
30 取手部
32 アーチ部
34 支持部
38、39 ビス受け
40 駆動機構部
60 モータユニット
62 電動モータ
70 ファン
72 ファンフード
74 空気流入口
76 空気排出口
80 モータユニットケース
82 ケース第1構成部
84 導入口
85 第1構成部スリット
86 排出口
88 ケース側半円筒隔壁板
89 ビス受け
92 ケース第2構成部
94 第1隔壁板
95 第2構成部スリット
96 排出口
99 ビス受け
100 流路切替部
110 ドーム状本体
112 中心出入口
114 第2隔壁板
116 切替側円筒隔壁板
118 切替側立隔壁板
119 ビス受け
122 外側出入口
126 ブレード羽
130 アダプタ
140 ノズルアタッチメント
150 スカートノズルアタッチメント
160 先細ノズルアタッチメント
170 電源コード保護部
180 電源ボタン
air 空気
s ビス
B 収納袋
1001 吸引バルブ
1002 圧縮収納袋
1003 開口
1003a 周縁
1004 ベース
1004a 上面
1004b 下面
1005 カバー
1006 逆止弁
1007 多孔質体
1008 取付具
1009 弁口
1009a 弁座部
1010 弁保持部
1011 支持リブ
1012 中央部
1013 円錐状部
1014 環状凹部
1015 環状フランジ
1016A,1016B,1017 リブ
1018 通気路
1019 被係合部
1020 主体部
1020a 結合部
1020b 凹み
1021 連結片
1021a 第1連結片
1021b 第2連結片
1021c 第3連結片
1021d 第4連結片
1022 円形ドーム
1023 第1排気口
1024 第2排気口
1025 受け部
1026 中心孔(挿通孔)
1027 取付筒
1027a 第1の端部
1027b 第2の端部
1028 スリット(係合部)
1029 押圧板
1040 凹部
1040a 第1溝
1040b 第2溝
1040c 第3溝
1040d 第4溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18