(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983650
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】端末装置、及び、遠隔監視システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20211206BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20211206BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20211206BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20211206BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
H04N7/18 D
G08C15/00 D
G08C19/00 X
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-252594(P2017-252594)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-118080(P2019-118080A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】末吉 康則
(72)【発明者】
【氏名】中出 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】藤本 好宏
(72)【発明者】
【氏名】武内 利樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雅司
(72)【発明者】
【氏名】森田 仁
(72)【発明者】
【氏名】陳 巨壹
【審査官】
岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−243551(JP,A)
【文献】
特開2016−063311(JP,A)
【文献】
特開2004−128623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
H04N 7/18
G08C 15/00
G08C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを監視装置に送信する端末装置であって、
監視対象に関するデータを取得する取得部と、
前記監視装置と通信可能な通信部と、
保管用のデータを記憶するデータ記憶部と、
前記取得部の取得したデータに関し、前記データ記憶部に記憶させる第一のデータの種類と、前記通信部に定期的に送信させる第二のデータの種類と、前記第二のデータを前記通信部に送信させる定期送信タイミングと、対応する前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させる記憶タイミングと、を含む設定情報が格納されている設定情報記憶部と、
前記取得部の取得したデータを処理して、前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させ、前記定期送信タイミングが到来したときに、前記第二のデータを前記通信部に送信させる送信処理を開始し、前記記憶タイミングが到来したときに、対応する前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させる記憶処理を開始する、ように構成されているデータ処理部と、を備え、
前記設定情報記憶部には、前記記憶タイミングとして、前記取得部が前記監視対象に所定のイベントが生じたことを示すイベントデータを取得したときが設定されており、
前記データ処理部は、前記取得部が前記イベントデータを取得したとき、前記記憶処理を開始させるように構成されており、
前記設定情報記憶部には、前記監視対象に生じたイベントの種類ごとに前記第一のデータの種類が設定されている端末装置。
【請求項2】
前記設定情報記憶部には、前記第一のデータとして前記取得部が取得した所定範囲の生のデータが設定され、且つ、前記第二のデータとして前回の前記定期送信タイミングからその時点までに取得された前記生のデータに所定の統計処理を行って得る処理後データが設定されており、
前記データ処理部は、前記所定の統計処理を行って前記処理後データを生成し、前記定期送信タイミングが到来したときに、前記通信部に、前記処理後データを前記監視装置へ送信させる前記送信処理を開始するように構成されている請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、外部からの指示に応じて、前記データ記憶部に記憶してある前記第一のデータのうち対応するデータを所定の宛先へ送信させるように構成されている請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記設定情報記憶部には、前記第一のデータとして前記監視対象を撮像した動画データが設定され、且つ、前記第二のデータとして前記定期送信タイミングが到来したときに前記監視対象を撮像した画像データが設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末装置と、当該端末装置と通信ネットワーク接続され少なくとも前記第二のデータを受け取る監視装置と、当該監視装置と通信ネットワーク接続される通信端末とからなる遠隔監視システムであって、前記通信端末は、少なくとも前記第一のデータを前記端末装置から直接取得可能に構成されている遠隔監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを監視装置に送信する端末装置、及び、当該端末装置を備える遠隔監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2007−156858号公報(特許文献1)には、この種の端末装置として、監視対象機器に何らかの異常が発生したときに、その時点の前後の所定時間分の監視対象機器の測定データを監視装置に送信する端末装置が記載されている。この端末装置によれば、異常発生前後の測定データを取得できるので、異常発生前後の監視対象機器の状態を監視装置の側で把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−156858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の場合、異常発生時にのみデータが送信されるので、通常時の監視対象機器の状態を把握できない。また、異常発生時には自動で予め定められたデータが送信されるので、その時点で必ずしもユーザにとって確認する必要のないデータも送信される場合があり、確認不要なデータの分だけ通信コストが嵩むことにもなる。また、異常を判断するために異常発生前後のデータを多量に必要とする場合もあり、その場合は必要なデータが欠落したり、必要量を送る場合は通信コストが嵩むという問題が生じる。
【0005】
そこで、必要なデータを必要なタイミングで得ることができる端末装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、
データを監視装置に送信する端末装置であって、
監視対象に関するデータを取得する取得部と、
前記監視装置と通信可能な通信部と、
保管用のデータを記憶するデータ記憶部と、
前記取得部の取得したデータに関し、前記データ記憶部に記憶させる第一のデータの種類と、前記通信部に定期的に送信させる第二のデータの種類と、前記第二のデータを前記通信部に送信させる定期送信タイミングと、
対応する前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させる記憶タイミングと、を含む設定情報が格納されている設定情報記憶部と、
前記取得部の取得したデータを処理して、前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させ、前記定期送信タイミングが到来したときに、前記第二のデータを前記通信部に送信させる送信処理を開始
し、前記記憶タイミングが到来したときに、対応する前記第一のデータを前記データ記憶部に記憶させる記憶処理を開始する
、ように構成されているデータ処理部と、を備え
、
前記設定情報記憶部には、前記記憶タイミングとして、前記取得部が前記監視対象に所定のイベントが生じたことを示すイベントデータを取得したときが設定されており、
前記データ処理部は、前記取得部が前記イベントデータを取得したとき、前記記憶処理を開始させるように構成されており、
前記設定情報記憶部には、前記監視対象に生じたイベントの種類ごとに前記第一のデータの種類が設定されている。
【0007】
この構成によれば、定期送信させずに記憶部に記憶させておく第一のデータと定期送信に用いる第二のデータとの2種類を設けているので、緊急時等にのみ必要となるデータを第一のデータとし、定期的に必要なデータを第二のデータとすれば、監視装置は、必要なデータを必要なタイミングで得ることが可能になる。
また、監視対象に運転や故障などのイベントが生じたときなどの必要なタイミングに、これに関連するデータを第一のデータとして記憶させることができる。
【0008】
以下、本発明に係る端末装置の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0013】
1つの態様として、前記設定情報記憶部には、前記第一のデータとして前記取得部が取得した所定範囲の生のデータが設定され、且つ、前記第二のデータとして前回の前記定期送信タイミングからその時点までに取得された前記生のデータに所定の統計処理を行って得る処理後データが設定されており、前記データ処理部は、前記所定の統計処理を行って前記処理後データを生成し、前記定期送信タイミングが到来したときに、前記通信部に、前記処理後データを前記監視装置へ送信させる前記送信処理を開始するように構成されていると好適である。
【0014】
この構成によれば、定期送信のときには、生のデータについては記憶部に記憶させて、生のデータを統計処理した処理後データを定期送信時に送信するので、通信コストを抑制することができる。
【0015】
1つの態様として、前記データ処理部は、外部からの指示に応じて、前記データ記憶部に記憶してある前記第一のデータのうち対応するデータを所定の宛先へ送信させるように構成されていると好適である。
【0016】
この構成によれば、記憶部に記憶させていたデータを、必要なタイミングで、必要な分だけ取得することができるので、通信コストを抑制できる。
【0017】
1つの態様として、前記設定情報記憶部には、前記第一のデータとして前記監視対象を撮像した動画データが設定され、且つ、前記第二のデータとして前記定期送信タイミングが到来したときに前記監視対象を撮像した画像データが設定されていると好適である。
【0018】
この構成によれば、定期送信時には通信コストの低い画像データのみを送信し、詳細な動画データについては記憶部に記憶させておくので、通信コストを抑制できる。
【0019】
本発明に係る遠隔監視システムは、
本発明に係る端末装置と、当該端末装置と通信ネットワーク接続され少なくとも前記第二のデータを受け取る監視装置と、当該監視装置と通信ネットワーク接続される通信端末とからなる遠隔監視システムであって、前記通信端末は、少なくとも前記第一のデータを前記端末装置から直接取得可能に構成されている。
【0020】
この構成によれば、監視対象(端末装置)に関するデータのうち、監視装置の側では定期配信される第二のデータのみを確認しつつ、端末装置のある現場等で通信端末を介して詳細な第一のデータを取得するなど必要な場所に必要なデータのみを送るようにすることができ、適切に点検や異常時の対応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本実施形態に係るデータ処理の概要を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る端末装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る遠隔監視システムを示し、遠隔監視システムは、監視対象1に関するデータを取得する端末装置2と、端末装置2と通信ネットワーク5を介して通信ネットワーク接続され、端末装置2から監視対象1に関するデータを受け取る監視サーバ(監視装置の一例)3と、監視サーバ3と通信ネットワーク6を介して通信ネットワーク接続される通信端末4と、を備えている。そして、本実施形態に係る端末装置2は監視対象1から取得したデータを監視サーバ3に送信するものであり、監視対象1に関するデータを取得する取得部21と、データ処理部22と、設定情報を格納する設定情報記憶部23と、保管用のデータを記憶するデータ記憶部24と、監視サーバ3と通信可能な通信部25と、を備えている。通信端末4は監視サーバ3と通信ネットワーク6を介して接続され、監視対象1を管理するユーザ等が利用し、監視サーバ3が提供する所定のウェブサービスを利用して監視対象1に関するデータを閲覧したり、メールなどで異常等のイベント通知を受け取ることが可能になっている。また、通信端末4は、監視サーバ3を介して監視対象に関するデータを受け取るのみならず、端末装置2とブルートゥースなどの近距離通信無線等を介して直接通信接続可能で、端末装置2から監視対象に関するデータを直接送受信可能となっている。
【0023】
取得部21は、本実施形態では、制御盤11から監視対象1を構成する装置の運転/停止や装置の故障などのイベントデータを取得し、センサ12から監視対象1を構成する装置に関するセンサデータ(温度、圧力、電流など)を取得し、カメラ13から監視対象1や周囲環境を撮像した画像データを取得し、ビデオカメラ14から監視対象1や周囲環境を撮像した動画データを取得するようになっている。なお、カメラ13は設けず、画像データはビデオカメラ14で取得するようにしてもよい。このうち、イベントデータについては、新たなイベントが生じたとき又は常時取得し、センサデータについては後述の定期送信タイミングの周期よりも短い所定のサンプリング周期で取得し、動画データについては常時取得し、画像データについては後述の定期送信タイミングに合わせて取得するようになっている。
【0024】
データ処理部22は、取得部21の取得した各種のデータを、設定情報記憶部23に格納した設定情報に従って処理するようになっている。具体的には、設定情報記憶部23には、設定情報として、データ記憶部24に記憶させる第一のデータの種類と、第一のデータをデータ記憶部24に記憶させる記憶処理を開始する記憶タイミングと、通信部25に定期的に送信させる送信処理を開始する第二のデータの種類と、第二のデータを通信部25に送信させる定期送信タイミング(例えば1分おきなど)と、を格納してある。そのため、データ処理部22は、取得部21の取得したデータを処理して、記憶タイミングが到来したときに、記憶処理を開始して、第一のデータとして設定情報に格納されているデータに対応するデータをデータ記憶部22に記憶させ、定期送信タイミングが到来したときに、送信処理を開始して、通信部25に、第二のデータとして設定情報に格納されているデータを監視サーバ3へ送信させるように構成されている。このように、直ちには必要でないが、後に必要となる可能性があるデータを第一のデータとし、定期的に必要なデータを第二のデータとして設定することで、定期的に必要なデータのみを監視サーバ3に送信させつつ、後に必要となりそうなデータを保管しておくことができる。
【0025】
具体的には、設定情報記憶部23には、第一のデータとして取得部21が取得した所定範囲のセンサデータ(生のデータ)と動画データとが設定され、且つ、第二のデータとして前回の定期送信タイミングからその時点までに取得されたセンサデータに所定の統計処理を行って得る処理後データと、定期送信タイミングが到来したときに監視対象1を撮像した画像データが設定されている。これにより、データ処理部22は、記憶タイミングが到来したときに、対応する範囲のセンサデータをデータ記憶部24に記憶させる記憶処理を開始し、定期送信タイミングが到来したときに、所定の統計処理を行って処理後データを生成し、通信部25に、処理後データを監視サーバ3へ送信させる送信処理を開始するようになっている。つまり、定期送信タイミングでは、生のセンサデータや動画データではなく、センサデータを統計処理した処理後のデータと定期送信タイミングが到来したときの画像データのみを送信するので通信コストが抑えられ、かつ、詳細な生のセンサデータや動画データについてはデータ記憶部24に保管されるようになっている。なお、図示は省略してあるが、データ処理部22には、取得されたセンサデータを所定時間分格納できるリングバッファが設けられており、リングバッファに格納されたセンサデータのうち、前回の定期送信タイミングからその時点までに取得されたセンサデータに対して統計処理を行って処理後のデータを求めるようになっている。また、第一のデータとしてデータ記憶部24に記憶させるセンサデータの範囲は、例えば記憶タイミング到来時の前後の所定範囲のセンサデータや動画データであり、データ処理部22は、記憶処理として、第一のデータとして記憶させる範囲のセンサデータや動画データがリングバッファに格納された後に、対応する範囲のデータをデータ記憶部24に記憶するようになっている。
【0026】
また、データ記憶部24に保管された詳細なデータが必要となるのは、監視対象1に異常や故障などの何らかのイベントが生じたときであるので、設定情報記憶部23には、記憶タイミングとして、取得部21が監視対象1に所定のイベントが生じたことを示すイベントデータを取得したときが設定され、且つ、監視対象1に生じたイベントの種類ごとに第一のデータの種類が設定されている。そして、データ処理部22が、取得部21がイベントデータを取得したとき、当該イベントデータに対応する種類の第一のデータをデータ記憶部24に記憶させる記憶処理を開始するようになっている。なお、データ処理部22は、データ記憶部24に、第一のデータとして記憶させるデータをイベントデータの種類とそのイベントデータを取得した日時と関連付けて記憶するようになっている。これにより、記憶されているデータがどの時間にどのイベントと関連付けて記憶されたかがわかるようになっている。
【0027】
そして、データ処理部22は、監視サーバ3や通信端末4などの外部からの指示に応じて、データ記憶部24に記憶してある第一のデータのうち、当該指示に対応するデータを監視サーバ3や通信端末4等の所定の宛先へ送信させるように構成されている。具体的には、本実施形態では、データ処理部22は、取得部21がイベントデータを取得したとき、記憶処理を開始させるとともに、通信部25に、監視サーバ3に対して、イベントが発生したことの通知を行うようになっており、監視サーバ3がその通知を受け取ったとき、監視サーバ3に表示されている監視画面上に、イベントが生じたこととともに、データ記憶部24に記憶されている第一のデータを取得するかどうか、また、取得するとした場合にはどの範囲のデータを取得するかを選択するためのアイコン等が順次表示されるようになっている。そして、監視画面上で第一のデータを取得することと、取得するデータの範囲が選択されると、監視サーバ3からデータの要求が端末装置2に送られ、データ処理部22は、監視サーバ3からのデータの要求の内容に応じて、対応するデータを監視サーバ3に送信するようになっている。また、イベント発生時のみならず、監視サーバ3からの要求に応じて、データ処理部22が、データ記憶部24に記憶されている各データに対応するイベントのリストを監視サーバ3に送信するようにして、監視サーバ3においてそのリストの中からデータの送信を求めるイベントとそのデータの範囲の選択があったときに、その選択に対応するデータを通信部25から監視サーバ3に送信するようにしてもよい。なお、監視サーバ3のみならず、PCやタブレット、スマートフォン等の他の通信端末4と端末装置2との間で監視サーバ3を介して同様の処理が行われるようにしてもよい。
【0028】
また、監視サーバ3を介することなく、他の通信端末4が直接端末装置2との間でデータを直接送受信して同様の処理を行うようにしてもよい。この場合、センサの生のデータや動画など、情報量の多い第一のデータを端末装置2から直接取得することができるので、端末装置2と監視サーバ3との間の通信負荷を下げることができる。また、多数の端末装置2が接続されている遠隔監視システムでは、各端末装置2に割り当てられる通信量に制限があったり、あるいは、定期送信間隔が短く、次の第二のデータの送信タイミングまでに第一のデータを送ることができないシステムであっても、端末装置2のある現場に行けばセンサの生のデータや動画を取得できるので、監視対象1の状態を詳細に確認することができる。このとき、通信端末4が、イベントのリストを受け取り、リストの中からデータの送信を求めるイベントを選択すると、端末装置2からそのイベントに対応付けられた第一のデータを受け取るようにしてもよい。イベントのリストは端末装置2から受け取ってよいが、監視サーバ3からイベントがあった場合にリストを受け取るようにしておくと、異常等のイベントがあった場合に現場に行って確認すればよいので、より好適である。また、端末装置2と監視サーバ3や通信端末4などの他の装置とを直接接続し、データ記憶部24に記憶されるデータを、他の装置の記憶部に直接コピーするようにしてもよい。
【0029】
図2を用いて、端末装置2と、監視サーバ3や通信端末4との間のデータ処理の流れの一例を説明すると、まず定期送信タイミングが到来すると、端末装置2では、前回の定期送信タイミングからその時点までに取得されたセンサデータの統計処理が行われ(S1)、その後処理後データと画像データが監視サーバ3に送信される(S2)。また、監視対象1にイベントの発生があったとき(S3)、制御盤11から端末装置2にイベントデータの送信がある(S4)。そして、端末装置2は、イベントデータを取得すると、異常等のイベントが発生したことの通知(イベント発生通知)を監視サーバ3に送信し(S5)、また、当該イベントに対応する範囲のセンサデータや動画データを記憶する(S6)。その後、監視サーバ3に対する詳細データの要求指示があると(S7)、監視サーバ3から端末装置2へ詳細データの要求が送られ(S8)、端末装置2は対応する詳細データを監視サーバ3に送信する(S9)。また、その後、定期送信タイミングが到来すると、データの統計処理と(S10)、処理後のデータと画像データが監視サーバ3に送信される(S11)。また、監視サーバ3は、端末装置2からイベント発生通知を受信したとき、通信端末4に対しメールなどでイベント発生通知を送信するようになっており(S12)、イベント発生通知を受信した通信端末4では、イベント発生通知で送られたイベント、あるいは別途監視サーバ3から取得するイベントリストの中からデータの送信を求めるイベントを選択することで、通信端末4に対する詳細データの要求が可能になっている。そして、通信端末4においてデータの送信を求めるイベントが選択されて通信端末4に対する詳細データの要求指示があると(S13)、通信端末4から端末装置2へ詳細データの要求が送られ(S14)、端末装置2は対応する詳細データを通信端末4に送信する(S15)。このように、本実施形態に係る端末装置2によれば、必要なデータを必要なタイミングで得ることができるようになっている。
【0030】
〔その他の実施形態〕
なお、監視対象からどのようなデータを取得するか、第一のデータや第二のデータを何にするか、記憶タイミングや定期配信タイミングをどのように設定するかなどは、上記したものに限定されず、目的に応じて、適宜変更可能である。また、記憶タイミングを特に設定せず、第一のデータを連続的に記憶するようにしてもよい。例えば、上記の実施形態では、第二のデータは、定期送信タイミングが到来したときに、前回の定期送信タイミングからその時点までに取得されたセンサデータに所定の統計処理を行って得る処理後データを生成し、その処理後データを監視サーバ3へ送信させる構成を示したが、これに限定されず、定期送信タイミングと処理後データを生成するタイミングとは一致していなくてもよい。例えば、第二のデータの定期送信タイミングを1日に1度として、処理後データを生成するタイミングを1分ごととして、1分ごとに統計処理をして処理後データを生成して、定期送信タイミングが到来したときに、前回の定期送信タイミングから今回の定期タイミングまでの1日分の処理後データを監視サーバ3に送信する構成であってもよい。
【0031】
また、その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、データを監視装置に送信する端末装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 監視対象
2 端末装置
21 取得部
22 データ処理部
23 設定情報記憶部
24 データ記憶部
25 通信部
3 監視サーバ(監視装置)
4 通信端末