(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2ではグルタチオンの安定性を高める手段が開示されているが、アルギニン及び有機酸を共存させることが必須である。これらの成分は比較的高価であり、より安価な手段によりグルタチオンの保存安定性を高めるという要望を満たすものではない。また、アルギニン、有機酸等の有機化合物は無機物質と比較して長期的には化学的に不安定であるため、特許文献2に記載の技術はグルタチオンの保存安定性を向上させる技術として必ずしも満足できるものではない。
【0010】
また、グルタチオンに限らず他のペプチドにおいても保存安定性を向上させるという課題が存在する。特許文献3では、生理活性ペプチドの安定性を向上させる方法が開示されているが、上記の通り所定構造の両親媒性高分子集合体を共存させることが必須である。この両親媒性高分子集合体は容易には入手することはできないものであり、しかも有機化合物であるため化学的に十分安定とは限らないことから、特許文献3に記載の技術もまた、ペプチドの保存安定性を向上させる技術としては満足できるものではない。
【0011】
そこで本発明は、グルタチオン等のペプチドの保存安定性を向上させる新たな技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らはペプチドをアルカリ性鉱物質担体とともに含む組成物中ではペプチドが安定に保持されるという驚くべき知見を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ペプチドとアルカリ性鉱物質担体とを含み、ペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体が8質量部以上である、ペプチド含有組成物。
(2)ペプチドがグルタチオンである、(1)に記載の組成物。
(3)アルカリ性鉱物質担体がタルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物を植物に施用することを含む、植物の栽培方法。
(5)アルカリ性鉱物質担体を含有する、ペプチドの安定化剤。
(6)ペプチドがグルタチオンである、(5)に記載の安定化剤。
(7)アルカリ性鉱物質担体がタルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上である、(5)又は(6)に記載の安定化剤。
(8)ペプチドの安定性を向上させる方法であって、ペプチドにアルカリ性鉱物質担体を混合する混合工程を含む方法。
(9)ペプチドがグルタチオンである、(8)に記載の方法。
(10)前記混合工程において、ペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体を8質量部以上混合する、(8)又は(9)に記載の方法。
(11)アルカリ性鉱物質担体がタルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上である、(8)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)ペプチドの保存方法であって、アルカリ性鉱物質担体の共存下ペプチドを保存する保存工程を含む方法。
(13)ペプチドがグルタチオンである、(12)に記載の方法。
(14)前記保存工程において、ペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体を8質量部以上共存させる、(12)又は(13)に記載の方法。
(15)アルカリ性鉱物質担体がタルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上である、(12)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物の、植物の栽培のための使用。
(17)ペプチドの安定性を向上させるための、アルカリ性鉱物質担体の使用。
(18)ペプチドがグルタチオンである、(17)に記載の使用。
(19)ペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体を8質量部以上混合することでペプチドの安定性を向上させるための、(17)又は(18)に記載の使用。
(20)アルカリ性鉱物質担体がタルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上である、(17)〜(19)のいずれかに記載の使用。
【0013】
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2016−016248号の開示内容を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<1.ペプチド含有組成物>
本発明はペプチド含有組成物(以下「本発明の組成物」と称する場合がある)に関する。本発明の組成物中では、ペプチドが安定に保持され、ペプチドの分解を促進し得る条件(例えば加温条件)での保存においてペプチドの分解が抑制される。
【0016】
本発明の組成物の用途は特に限定されずペプチドの用途に応じた用途であればよい。例えばペプチドがグルタチオンである場合、本発明の組成物は植物に施用するための用途に用いることができる。以下、本発明の組成物について具体的に説明する。
【0017】
1.1.ペプチド
本発明においてペプチドとは2以上のアミノ酸がペプチド結合により結合して化合物であればよく、構成アミノ酸残基数(n)は特に限定されない。ペプチドとしてはnが2〜10のオリゴペプチドであってもよいし、11以上のポリペプチド(nが約50よりも大きいタンパク質とよばれるものも包含される)であってもよい。ペプチドは、単一のペプチド鎖からなるものであってもよいし、2以上のペプチド鎖が側鎖を介して連結して形成されるペプチド鎖の多量体であってもよい。ペプチドが、ペプチド鎖の多量体である場合は、該ペプチドの構成アミノ酸残基数(n)とは、各ペプチド鎖の構成アミノ酸数を指し、各ペプチド鎖の構成アミノ酸数が上記の範囲であればよい。ペプチドはフリー体、酸及び/又は塩基との反応により形成される塩、水和物、これらの混合物などの各種形態であってよい。ペプチドはアミノ酸残基のみからなる必要はなく側鎖又は末端がアミノ酸以外の基により修飾されたものであってもよい。本発明では、ペプチドの質量は特に限定の無い限りフリー体として換算した質量で表す。
【0018】
本発明において典型的なペプチドはグルタチオンである。本発明においてグルタチオンは、酸化型グルタチオン(GSSG)あってもよいし、還元型グルタチオン(GSH)であってもよいし、GSSGとGSHとの混合物であってもよい。
【0019】
1.1.1.酸化型グルタチオン(GSSG)
GSSGは、GSH(N−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)の2分子がジスルフィド結合を介して結合して形成される物質であり、フリー体は次式で表される。
【化1】
【0020】
本発明においてGSSGは、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSSGと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSSGを包含し得る。
【0021】
GSSGは、同一のアミノ酸配列からなるnが3のオリゴペプチド鎖の2つが、各々のシステイン残基の側鎖を介してジスルフィド結合により連結しているという特徴的な構造を有する。
【0022】
本発明においてグルタチオンとしてGSSGを主に含む組成物は、該組成物中でGSSGの含有量がGSHの含有量よりも相対的に多い組成物であり、実質的にGSHを含まないことがより好ましい。より好ましくは、前記組成物中に含まれGSSGとGSHとの総質量(全てフリー体として換算した質量)に対してGSSGの総質量(フリー体として換算した質量)は、合計で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
【0023】
GSSGの塩としてはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の目的に応じて許容される1種以上の塩であれば特に限定されないが、好ましくはアンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩から選択される1種以上の塩である。特許文献4に開示されている通り、GSSGの固体状のアンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩は低潮解性であり取扱いが容易であるとともに高水溶性であることから特に好ましい。このような塩は、特許文献4に記載されている通り、アンモニウムイオン、カルシウムカチオン、及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種を生成し得る物質の存在下、GSSGを水及び/又は水可溶性媒体から選択される水性媒体と接触させながら温度30℃以上に加温することにより固体として得ることができる。加温温度は30℃以上であれば特に限定されないが、好ましくは33℃以上、より好ましくは35℃以上、特に好ましくは40℃以上であり、上限は特に限定されないが例えば80℃以下、好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下であり、工業規模での生産においては53〜60℃の範囲が特に好ましい。前記水性媒体は、単独で用いてもよく2種以上を適宜組み合わせてもよいが、水と水可溶性媒体とを組み合わせて用いることが推奨される。この場合、水が酸化型グルタチオンの富溶媒として機能し、水可溶性媒体が貧溶媒として機能する。水可溶性媒体の容量は、水10容量部に対して、例えば、1〜1000容量部程度、好ましくは5〜500容量部程度、さらに好ましくは10〜100容量部程度、特に12〜50容量部程度である。水可溶性媒体としてはアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)等を用いることができる。この方法で得られるGSSG塩としてはGSSGの1アンモニウム塩、GSSGの0.5カルシウム塩又は1カルシウム塩、GSSGの0.5マグネシウム塩又は1マグネシウム塩等が例示できる。
【0024】
1.1.2.還元型グルタチオン(GSH)
GSHはN−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)とも表記される。本発明においてGSHは、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSHと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSHを包含し得る。
【0025】
本発明においてグルタチオンとしてGSHを主に含む組成物は、該組成物中でGSHの含有量がGSSGの含有量よりも相対的に多い組成物であり、実質的にGSSGを含まないことがより好ましい。より好ましくは、前記組成物中に含まれGSSGとGSHとの総質量(全てフリー体として換算した質量)に対してGSHの総質量(フリー体として換算した質量)は、合計で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
【0026】
GSHの塩としてはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の目的に応じて許容される1種以上の塩であれば特に限定されない。
【0027】
1.2.アルカリ性鉱物質担体
本発明においてアルカリ性鉱物質担体とは、25℃において、蒸留水100質量部に対して10質量部を混合して十分に懸濁させて得られる懸濁混合物の水相のpHが7.0よりも大きい値となる鉱物質担体を指す。前記水相のpHは、前記懸濁混合物を形成後に遠心分離した時の上清液を試料として測定したpHであってもよいし、前記懸濁混合物中にpH計のプローブを浸して測定したpHであってもよい。具体的には、25℃において、蒸留水25gに対して2.5gを混合して100rpmで2時間撹拌し懸濁させて得られる懸濁混合物の水相のpHが7.0よりも大きい値となる鉱物質担体をアルカリ性鉱物質担体とすることができる。ここで前記懸濁混合物が遠心分離により固液分離可能なものであれば、前記懸濁混合物を更に2000g、5分間で遠心分離した時の上清液をpH測定の試料としてもよく、遠心分離により容易には固液分離できないものであれば、前記懸濁混合物自体をpH測定の試料としてもよい。アルカリ性鉱物質担体は、前記条件で測定される上清液のpHが好ましくは7.5以上、より好ましくは8.0以上、より好ましくは8.5以上であり、好ましくは10.0以下である。一般的には、加水分解可能な結合を有する有機化合物をアルカリ性担体とともに含む組成物では有機化合物の分解が促進されることが知られているが、本発明者らは驚くべきことに、ペプチドをアルカリ性鉱物質担体とともに含む組成物中ではペプチドの保存安定性が顕著に向上すること、一方で、ペプチドと酸性鉱物質担体であるクレーとを含む組成物中ではペプチドは速やかに分解されてしまうことを見出した。
【0028】
アルカリ性鉱物質担体としては単一種の担体であってもよいし、複数種の担体の混合物であってもよい。ペプチドの安定性を向上させる効果の観点から、アルカリ性鉱物質担体としてはタルク、マイカ、ベントナイト、モンモリロナイト及びスメクタイトからなる群から選択される1種以上が好ましく、タルク、マイカ及びベントナイトからなる群から選択される1種以上が特に好ましい。なかでもタルクは滑沢性を有しておりペプチドとの混合後に造粒する場合に造粒時の操作性を向上させることができるため、アルカリ性鉱物質担体が少なくともタルクを含むことが好ましい。
【0029】
各アルカリ性鉱物質担体は通常は粉末の形態のものを原料として本発明に用いる。
【0030】
1.3.組成
本発明の組成物は、ペプチドとアルカリ性鉱物質担体とを含み、ペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体が8質量部以上であることを特徴とする。本発明者らは驚くべきことにペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体を8重量部以上混合した場合に、ペプチドの分解が特に顕著に抑制されることを見出した。本発明の組成物においてペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体は、ペプチドの分解を抑制できるという観点から、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上であり、更に好ましくは40質量部以上である。本発明の組成物においてアルカリ性鉱物質担体の配合量の上限は特に限定されないが典型的にはペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体が10,000質量部以下又は4,000質量部以下である。
【0031】
本発明の組成物中でのペプチドの配合量は、アルカリ性鉱物質担体との相対量が上記の範囲である限り特に限定されず組成物の用途等に応じて調整することができるが、組成物の全量に対してペプチドを例えば0.000001質量%以上好ましくは0.005質量%以上、例えば20質量%以下好ましくは5質量%以下とすることができる。この範囲はペプチドがグルタチオンである場合に特に好ましい。
【0032】
本発明の組成物中でのアルカリ性鉱物質担体の配合量は、ペプチドとの相対量が上記の範囲である限り特に限定されず組成物等の用途に応じて調整することができるが、組成物の全量に対してアルカリ性鉱物質担体を例えば0.01質量%以上好ましくは0.02質量%以上、例えば99.98質量%以下好ましくは99質量%以下とすることができる。この範囲はペプチドがグルタチオンである場合に特に好ましい。
【0033】
本発明の組成物はアルカリ鉱物質担体以外にも更なる鉱物質担体を含んでもよい。更なる鉱物質担体としてはクレー、カオリン、活性白土、ゼオライト、珪藻土、パーライト、ジークライト、セリサイト、軽石、シリカ、バーミキュライト、炭酸カルシウム等から選択される少なくとも1種を使用することができ、クレーが特に好ましい。本発明の組成物は、鉱物質担体として、クレー、カオリン、活性白土、ゼオライト、珪藻土、パーライト、ジークライト、セリサイト、軽石、シリカ、バーミキュライト、炭酸カルシウム等から選択される少なくとも1種のみを含み且つそれ以外の鉱物質担体(例えば前記アルカリ性鉱物質担体の1つ)を含まない組成物であることはない。
【0034】
本発明の組成物が更なる鉱物質担体を含む場合は、本発明の組成物中での鉱物質担体(アルカリ性鉱物質担体と更なる鉱物質担体との合計)の配合量は特に限定されず組成物等の用途に応じて調整することができるが、組成物の全量に対して例えば50質量%以上好ましくは60質量%以上、例えば99.98質量%以下、好ましくは99質量%以下である。この範囲は本発明の組成物を植物に施用する用途に用いる場合に特に好ましい。
【0035】
アルカリ性鉱物質担体は上記の条件のもとで担体単独で評価した場合にpH値が上記範囲となるものであるが、本発明の組成物を水中に分散した時のpHは組成物に含まれる成分により定まる。本発明の組成物を水中に分散した時のpHは特に限定されないが、好ましくは8.0未満であり、より好ましくは2.0以上であり、より好ましくは3.0以上であり、より好ましくは7.0未満であり、より好ましくは6.5未満である。このpH値は、25℃において、蒸留水100gに本発明の組成物1gを加え十分に撹拌した懸濁液のpH値である。pH値がこの範囲であるときペプチドの安定化効果がより高いと考えられる。
【0036】
本発明の組成物の水分は、ペプチドの保存安定性を向上させる観点からは少ないことが好ましく、具体的には10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
【0037】
本発明の組成物の形態は特に限定されないが、上記の水分とするには粉末、顆粒、錠剤等の固形状物であることが好ましい。また、本発明の組成物はまた液状物であってもよく、液状物としてはペプチドを含む粒子が分散相として乳化分散したエマルジョンの形態が例示できる。
【0038】
本発明の組成物に含まれる上記で挙げた以外の成分としては増粘剤、結合剤、有機担体、水、賦形剤等の、組成物の用途において許容される成分が挙げられる。
【0039】
増粘剤と結合剤とは、相互に排他的に分類できるわけではなく、増粘剤及び結合剤の両方の作用を有する材料も存在する。そこで、本明細書では、説明の便宜上、増粘剤及び結合剤の少なくとも一方の作用を有する材料を「増粘剤及び/又は結合剤」と称する。増粘剤及び/又は結合剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、アクリル酸系高分子、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天、アラビアガム、アラビアガム末、キサンタンガム、トランガム、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、部分アルファ化澱粉、マクロゴール、澱粉、可溶性澱粉、デキストリン、トラガカントゴム、βグルカン、ペクチン、カゼイン、大豆タンパク、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、リグニンスルホン酸、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ポリビニルメチルエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、セラック、ロジン、トール油、エステルガム、ポリビニルアセテート、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ尿素、ポリアミド、クマロン樹脂、生分解性高分子、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、モンタンワックス、カルナウバロウ、綿ロウ、ミツロウ、羊毛ロウ、高分子の非イオン系界面活性剤、高分子の陰イオン系界面活性剤、高分子の陽イオン系界面活性剤、高分子の両性界面活性剤、アルギン酸(以上は高分子化合物である)、ケイ酸ナトリウム、グリセリン、動植物油、油脂、流動パラフィン、重油、グルコース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、非高分子の非イオン系界面活性剤、非高分子の陰イオン系界面活性剤、非高分子の陽イオン系界面活性剤、非高分子の両性界面活性剤(以上は非高分子化合物である)等や、これらの塩が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に好ましい増粘剤及び/又は結合剤は、高分子化合物の増粘剤及び/又は結合剤であり、なかでも好ましいものとして、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ポリビニルアルコール、澱粉、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、リグニンスルホン酸及びその塩、並びにポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種が挙げられる。カルボキシメチルセルロースの塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。カルボキシメチルセルロース及びその塩は組成物中でのペプチドの保存安定性の向上にも寄与すると考えられる。これらの増粘剤及び/又は結合剤を用いることで、本発明の組成物を植物へ施用する用途に用いる場合にペプチドの徐放放出を実現できる場合がある。
【0040】
本発明の組成物が含み得る有機担体としてはモミガラ、オガクズ、大豆粉、トウモロコシ茎、植物繊維等の乾燥植物材料、パルプフロック、ホワイトカーボン、活性炭等の有機多孔質担体が挙げられる。
【0041】
本発明の組成物が含み得る賦形剤としては乳糖、トレハロース、セルロース等が挙げられる。
【0042】
本発明の組成物は用途に応じて適宜更なる成分を含有することができる。例えば本発明の組成物を植物へ施用する用途に用いる場合には、他の成分として肥料成分を含むことができる。肥料成分としてはカリウム、窒素、リン、カルシウム、マグネシウム等の肥料として有用な元素が挙げられる。
【0043】
本発明の組成物の製造方法は特に限定されない。本発明の組成物が粉末、顆粒等の粒子である場合、好ましい製法としては、
ペプチドと、アルカリ性鉱物質担体と、水又は水溶性溶媒である溶媒との混合物を形成する混合工程と、
前記混合物からペプチドとアルカリ性鉱物質担体とを含む粒子を形成する造粒工程と
を含む方法が挙げられる。
【0044】
混合工程では必要に応じて上記で挙げた、ペプチドとアルカリ性鉱物質担体以外の他の成分を混合する。混合工程では、溶媒に溶解したペプチドを、アルカリ性鉱物質担体を含む相の中で十分に分散させることが好ましい。
【0045】
混合工程における溶媒の使用量は特に限定されず、十分に均質な混合物が得られるよう適量の溶媒を使用すればよい。前記水溶性溶媒としてはエタノール等のアルコールが使用できる。溶媒は好ましくは水、又は水とアルコールとの混合溶媒である。
【0046】
混合工程で形成される混合物は粒状、ペースト状又は液状である。
【0047】
造粒工程は押出造粒、攪拌造粒、転動造粒、圧縮造粒等の通常の造粒法により行うことができる。造粒工程は必要に応じて整粒工程や、乾燥工程を含むことができる。乾燥工程では、前記溶媒が揮発により除去され、アルカリ性鉱物質担体とペプチドとが共存した粒子が形成される。
【0048】
造粒工程により得られる本発明の組成物の粒子の形状や寸法は特に限定されないが、作業性、および、徐放性を制御する観点から、形状は球形や円柱状であることが好ましく、寸法は、各粒子の最長寸法として0.01cm以上、10cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05cm以上、特に好ましくは0.1cm以上であり、さらに好ましくは5cm以下、特に好ましくは2cm以下である。各粒子の最短寸法も同様の範囲であることができる。
【0049】
<2.植物の栽培方法>
本発明はまた、上記の本発明の組成物を植物に施用することを含む植物の栽培方法に関する。本発明はまた、上記の本発明の組成物の、植物の栽培のための使用に関する。このとき本発明の組成物に含まれるペプチドは、植物生長促進作用等の植物に対して有用な作用を有するペプチドであることが好ましく、具体的にはグルタチオン(酸化型グルタチオンであってもよいし還元型グルタチオンであってもよい)が好ましく、酸化型グルタチオンが特に好ましい。本発明の組成物中では保存中及び施用後にペプチドの損失が少なく安定に保持されることから、これを用いた植物の栽培方法では、植物に対してペプチドを効果的に作用させることができる。
【0050】
本発明の組成物の植物への施用量は、前記有用な作用を生じるための有効量とすることができる。この有効量は、植物の種類及びペプチドの種類に応じて適宜決定することができる。
【0051】
植物に施用する方法としては、本発明の組成物又は本発明の組成物から放出されたペプチドが植物の根、茎、葉などの植物体に接触することができる方法であれば特に限定されず、前記植物体に本発明の組成物が直接接するように施用してもよいし、前記植物体が定着した土壌等の栽培担体に本発明の組成物を施用してもよい。
【0052】
本発明の組成物の植物体及び/又は栽培担体への施用は、本発明の組成物を水及び/又は水性溶媒に分散させた液体を植物体及び/又は栽培担体に施用する方法や、本発明の組成物を植物体及び/又は栽培担体に施用する方法により行うことができる。前記水溶性溶媒としてはエタノール等のアルコールが使用できる。施用方法としては特に好ましくは、固形状の本発明の組成物を対象植物の根の近傍の栽培担体の表面又は栽培担体中に配置して施用する方法や、液状の本発明の組成物自体を、或いは液状又は固形状の本発明の組成物を水及び/又は水性媒体に分散させたものを、対象植物の植物体の地上部(茎、葉、花等)に噴霧、塗布等の方法で接触させて施用する方法が挙げられる。
【0053】
本発明の組成物を植物に施用する時期は特に限定されず植物栽培の任意の段階で施用することができる。
【0054】
本発明の植物を施用する対象植物は特に限定されず双子葉植物、単子葉植物等の種々の植物である。対象植物は野生型の植物には限らず変異体や形質転換体等でもよい。
【0055】
<3.ペプチドの安定性を向上させる方法、及び、ペプチドの安定化剤>
本発明はまた、ペプチドの安定性を向上させる方法であって、ペプチドにアルカリ性鉱物質担体を混合する混合工程を含む方法に関する。
【0056】
本発明はまた、アルカリ性鉱物質担体を含有する、ペプチドの安定化剤に関する。
【0057】
本発明はまた、ペプチドの安定性を向上させるための、アルカリ性鉱物質担体の使用に関する。
【0058】
本発明のこれらの態様におけるペプチド及びアルカリ性鉱物質担体の具体例及び好ましい形態については本発明の組成物に関して「1.ペプチド含有組成物」に記載の通りである。
【0059】
本発明のこれらの態様では、ペプチドに対して、該ペプチドを安定化させるのに有効な量(安定化有効量)のアルカリ性鉱物質を用いることができる。
【0060】
本発明のこれらの態様においてペプチドとアルカリ性鉱物質担体との比率は特に限定されないが、ペプチドの安定性をより高める観点から、本発明の組成物に関して「1.ペプチド含有組成物」に記載した比率の範囲となるようにすることが好ましい。
【0061】
前記混合工程ではペプチドとアルカリ性鉱物質担体とが十分に混合されるように、ペプチドとアルカリ性鉱物質担体とを含有する組成物(安定化用組成物)を調製することが好ましい。前記安定化用組成物は、好ましくは、前記ペプチドと、前記ペプチドの安定化有効量の前記アルカリ性鉱物質担体とを含む。前記安定化用組成物の組成は特に限定されないが、典型的には、「1.ペプチド含有組成物」に記載した本発明の組成物と同様の組成であることができる。ただし前記安定化用組成物においてはペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体が8質量部以上であることが好ましいものの、この範囲外のものも包含する点で「1.ペプチド含有組成物」に記載した本発明の組成物とは異なる。
【0062】
本発明のペプチドの安定化剤は、アルカリ性鉱物質担体を少なくとも含有し、他の成分を更に含んでもよい。他の成分としては、上記の「1.ペプチド含有組成物」で挙げたのと同様の、アルカリ鉱物質担体以外の更なる鉱物質担体、増粘剤、結合剤、及び、有機担体が例示でき、その具体例は上記の「1.ペプチド含有組成物」に記載の通りである。
【0063】
<4.ペプチドの保存方法>
本発明はまた、ペプチドの保存方法であって、アルカリ性鉱物質担体の共存下ペプチドを保存する保存工程を含む方法に関する。
【0064】
本発明のこの態様におけるペプチド及びアルカリ性鉱物質担体の具体例及び好ましい形態については本発明の組成物に関して「1.ペプチド含有組成物」に記載の通りである。
【0065】
本発明のこの態様では、ペプチドを、該ペプチドを安定化させるのに有効な量(安定化有効量)のアルカリ性鉱物質担体の共存下で保存することができる。
【0066】
本発明のこの態様においてペプチドとアルカリ性鉱物質担体との比率は特に限定されないが、保存工程でのペプチドの安定性をより高める観点から、本発明の組成物に関して「1.ペプチド含有組成物」に記載した比率の範囲となるようにすることが好ましい。
【0067】
前記保存工程ではペプチドをアルカリ性鉱物質担体と共存させた状態で保存するが、このときペプチドとアルカリ性鉱物質担体とを含有する組成物(保存用組成物)を形成した状態で保存することが好ましい。前記保存用組成物の組成は特に限定されないが、典型的には、「1.ペプチド含有組成物」に記載した本発明の組成物と同様の組成であることができる。ただし前記保存用組成物においてはペプチド100質量部に対してアルカリ性鉱物質担体が8質量部以上であることが好ましいものの、この範囲外のものも包含する点で「1.ペプチド含有組成物」に記載した本発明の組成物とは異なる。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を、具体例を参照して説明する。しかしながら以下の具体例は本発明の範囲を限定するものではない。なお各試験で用いたGSSGはGSH(還元型グルタチオン)を含まない。
【0069】
<試験1>
次表に示す各組成のGSSG含有顆粒を押出し造粒により製造し、GSSGの保存安定性を確認した。
【表1】
【0070】
表1中での左向き矢印は、それを含む各欄の値が、左側の欄と同じであることを示す。すなわち、比較例2〜4及び実施例1〜8において、表1の左向き矢印を含む各欄の値は比較例1と同じであり、具体的には、比較例2〜4及び実施例1〜8では、いずれも、GSSG・NH
3が2.3質量%、硫酸カリウムが11.0質量%、界面活性剤が3.0質量%、PVAが2.0質量%、CMC Naが2.0質量%であった。
【0071】
酸化型グルタチオン(GSSG)としては、一アンモニウム塩を用いた。
【0072】
硫酸カリウムとしてはSESODA CORPORATION製を用いた。
【0073】
界面活性剤としてはライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。
【0074】
PVA(ポリビニルアルコール)としては電気化学工業株式会社製を用いた。
【0075】
CMCNa(カルボキシメチルセルロースナトリウム)としては第一工業製薬製を用いた。
【0076】
クレーとしては昭和KDE株式会社製NK−300を用いた。
【0077】
タルクとしては日本タルク株式会社製SSSを用いた。
【0078】
「タルク/GSSG」は、各組成において、タルクの質量(g)の、GSSGアンモニウム塩をフリー体として換算した質量(g)に対する比を示す。
【0079】
表1に示す割合の合計量500gの上記原料を水95gと混合し、混合物を押出造粒機(株式会社ダルトン製、マルチグランMG−55−1型)を用いて直径1.2mmの円柱状顆粒となるように押出造粒し、長さ1〜4mm程度となるよう整粒し、乾燥した。乾燥後の顆粒を篩により分級し、直径1.2mm、長さ1〜4mmの円柱状顆粒を得た。
【0080】
顆粒製剤のpHの測定方法:水100gに各製剤1gを加えてスターラーで十分に混合した液のpHをpHメーターで測定した。
【0081】
顆粒製剤の水分の測定方法:赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所)を用いて、各製剤5g、110℃、15分間の測定条件にて測定した。
【0082】
各製剤のpH及び水分の測定結果を表1に示す。
【0083】
保存試験を以下の手順で行った。各製剤20gをアルミラミネート袋に密封包装し、60℃の恒温槽で1カ月間保存した。密封包装の際に袋内の脱気は行わなかった。保存開始時、保存開始0.5カ月後、保存開始1カ月後にGSSG含量を測定した。GSSG含量の測定はHPLCを用いて行った(検出波長210nm)。保存開始時のGSSG量をGSSG残存率100%としたときの、保存開始0.5カ月後、保存開始1カ月後のGSSG残存率(%)を算出した。また1カ月間でのGSSG減少率(%)をGSSG分解速度(%/月)とした。
【0084】
保存試験の結果を
図1及び
図2に示す。
図2では、説明のため比較例1〜4と実施例1〜4でのGSSG分解速度のみを示す。
図2における横軸はGSSG100質量部あたりのタルクの質量部を示す。タルクを配合した実施例1〜8の顆粒では、タルクを含まず鉱物質担体としてクレーのみを含む比較例1の顆粒と比較して、GSSGの保存安定性が顕著に向上することが確認された。
【0085】
<試験2>
次表に示す各組成のGSSG含有顆粒を押出し造粒により製造し、GSSGの保存安定性を確認した。
【表2】
【0086】
表2中での左向き矢印は、それを含む各欄の値が、左側の欄と同じであることを示す。すなわち、実施例6、9、10において、表2の左向き矢印を含む各欄の値は比較例1と同じであり、具体的には、実施例6、9、10では、いずれも、GSSG・NH
3が2.3質量%、硫酸カリウムが11.0質量%、界面活性剤が3.0質量%、PVAが2.0質量%、CMC Naが2.0質量%であった。
【0087】
マイカとしては株式会社ヤマグチマイカ製A−11を用いた。
【0088】
ベントナイトとしては三立砿業株式会社製250SA−Bを用いた。
【0089】
比較例1、実施例6は試験1と同一である。
【0090】
他の材料及びGSSG含有顆粒の製造方法については試験1と同様とした。得られたGSSG含有顆粒の60℃での保存安定性を試験1に記載した手順により評価した。
【0091】
結果を
図3に示す。タルクの代わりにマイカ又はベントナイトをGSSGに対して質量比で4.47となるように配合した実施例9及び実施例10の顆粒においても、タルクを配合した実施例6の顆粒と同様に、GSSGの保存安定性が顕著に向上することが確認された。
【0092】
<試験3>
試験1及び試験2で用いた各鉱物質担体、モンモリロナイト及びスメクタイトについてpH値を測定した。
【0093】
pH値は、25℃の温度条件において、鉱物質担体2.5gと蒸留水25gとを混合し、100rpmで2時間振とうしたのち、遠心分離(2000g、5分間)し、上清のpHをpHメーターで測定して得た。鉱物質担体としてはクレー、タルク、マイカ、ベントナイト、モンモリロナイト及びスメクタイトを用いた。タルク及びマイカについては複数の市販品を入手しそれぞれについてpH値を測定した。鉱物質担体としてモンモリロナイト及びスメクタイトを用いた場合、懸濁混合物がゲル状であり上記遠心分離条件では固液分離できなかったため、懸濁混合液にpH計のプローブを浸してpH値を測定した。
【0094】
結果を下記の表に示す。
【表3】
【0095】
以上の結果から、GSSGを安定化する作用を有する鉱物質担体であるタルク、マイカ、ベントナイトは7を超えるアルカリ性のpH値を示したのに対して、GSSGを安定化する作用を有していないクレーでは酸性のpH値であった。このように、GSSGにアルカリ性を呈する鉱物質担体を組み合わせることによりGSSGが安定化されることが確認された。アルカリ性のpH値を示すモンモリロナイト及びスメクタイトについても、GSSGを安定化する作用が期待できる。
【0096】
<試験4(参考試験)>
試験1〜3の結果から、アルカリ性を呈する鉱物質担体がGSSGの保存安定性を顕著に向上させることが示された。この効果が、鉱物質担体以外のアルカリ成分によっても生じるのかを確認するために以下の参考試験を行った。
【0097】
硫酸カリウム、リン酸水素二カリウム、重炭酸カリウムを25℃の蒸留水に1質量%の濃度となるように溶解し十分に撹拌した時のpH値は次表の通りであった。
【表4】
【0098】
そこでpHが異なるこれらのカリウム塩を用い下記の表に示す配合に従いGSSG含有粒剤を製造した。
【表5】
【0099】
撹拌造粒は次の手順で行った。上記の表に示す組成の原料を粉砕して混合し、原料混合物500gと水43.8gとを撹拌造粒機(株式会社ダルトン製、SPG−2TG型)に入れ、撹拌700rpm、チョッパー3000rpm、ジャケット温度25℃の条件にて4分間撹拌造粒を行った。造粒後、造粒物を70℃で乾燥させ、篩を用いて分級し、粒径2mm未満のGSSG含有粒剤を得た。
【0100】
GSSG含有粒剤の保存安定性を試験1と同様の手順で求めた。
【0101】
また保存試験開始前の時点での各粒剤のGSSG含量をHPLCにより求めた。
【0102】
上記の造粒工程における造粒後乾燥前の粒剤の外観を観察したところ、アルカリ性のカリウム剤を用いた参考例2及び3では淡黄色に変色したのに対して、酸性のカリウム剤を用いた参考例1では白色であった。また参考例2及び3では造粒中にアンモニア臭が感じられた。
【0103】
図4に、上記の造粒工程における乾燥後の粒剤の外観の写真を示す。アルカリ性のカリウム剤を用いた参考例2及び3では褐色に変色したのに対して、酸性のカリウム剤を用いた参考例1では白色であった。また表5に示す通り、保存開始時点でのGSSG含量(フリー体換算量)が参考例1の粒剤では16.0質量%であるのに対して、参考例2、参考例3の粒剤ではそれぞれ10.9質量%、10.4質量%でありGSSGの約3分の1が製造工程にて分解していることが確認された。
【0104】
図5に、保存安定性試験の結果を、保存開始時点での各粒剤のGSSG量を100%としたときの各時点でのGSSG残存率として示す。アルカリ性のカリウム剤を用いた参考例2及び3では参考例1と比較してGSSGの分解が進み易いことが確認された。
【0105】
<試験5>
次表に示す各組成の還元型グルタチオン(GSH)含有顆粒を押出し造粒により製造し、GSHの保存安定性を確認した。
【表6】
【0106】
還元型グルタチオン(GSH)はGSSGを含まない。
【0107】
GSH以外の成分は、試験1と同じものを用いた。
【0108】
「タルク/GSH」は、各組成において、タルクの質量(g)の、GSH(フリー体)の質量(g)に対する比を示す。
【0109】
表6に示す割合の原料を用いて試験1と同様の手順で顆粒製剤を製造した。
【0110】
顆粒製剤のpH及び水分の測定方法は試験1に記載の通りである。
【0111】
各製剤のpH及び水分の測定結果を表6に示す。
【0112】
製造された顆粒製剤について試験1と同じ手順で保存試験を行った。
【0113】
試験1と同様に、保存開始時のGSSG量をGSSG残存率100%としたときの、保存開始0.5カ月後、保存開始1カ月後のGSSG残存率(%)を算出した。結果を表7及び
図6に示す。
【表7】
【0114】
また、試験1と同様に、1カ月間でのGSSG減少率(%)をGSSG分解速度(%/月)とした。結果を表8及び
図7に示す。
【表8】
【0115】
タルクを配合した実施例11〜13の顆粒では、タルクを含まず鉱物質担体としてクレーのみを含む比較例5の顆粒と比較して、GSHの保存安定性が顕著に向上することが確認された。
【0116】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。