特許第6983683号(P6983683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983683
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】フィラー用分散剤
(51)【国際特許分類】
   C08K 5/11 20060101AFI20211206BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20211206BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20211206BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20211206BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20211206BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20211206BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20211206BHJP
   B01F 17/42 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   C08K5/11
   C08L71/02
   C08K3/22
   C08K3/26
   C08K3/34
   C08K3/04
   C08L101/00
   B01F17/42
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-14594(P2018-14594)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-131692(P2019-131692A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2020年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】浅井 千穂
(72)【発明者】
【氏名】城籔 将虎
(72)【発明者】
【氏名】木村 拓郎
【審査官】 牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−112962(JP,A)
【文献】 特開2001−59044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K、C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物とのエステル化物(A)を含有するフィラー用分散剤であって、
前記エステル化物(A)が下記一般式(1)で表される、フィラー用分散剤。
【化1】
式(1)中、Rは炭素数2〜10の2価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数8〜30の脂肪族炭化水素基であり、AOおよびAOはそれぞれ独立して炭素数が1〜4のオキシアルキレン基であり、mおよびnはそれぞれ独立してアルキレンオキシドの平均付加モル数を表し、m+nは1.5〜30である。
【請求項2】
金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属ケイ酸塩およびカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1種のフィラーの分散に用いられる、請求項に記載のフィラー用分散剤。
【請求項3】
フィラーを樹脂に分散させるために用いられる、請求項1または2に記載のフィラー用分散剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィラー用分散剤に関する。さらに詳しくは樹脂にフィラーを分散させる際に有用な分散剤に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂の物理的性質(例えば、硬さ、衝撃強さ、引っ張り強さ、耐摩耗性、耐熱性など)を向上させる目的で、各種フィラーが使用されている。フィラーが有する性能を十分に発揮するためには、フィラーを樹脂中に均一に分散させることが必要である。しかしながら、親水性が高いフィラーは凝集しやすいため均一に分散することが難しく、分散できたとしても粘度が高くなりやすく、作業性の改善が求められている。
【0003】
そこで、フィラーを均一に分散するための分散剤が検討されている。例えば、特許文献1では、界面活性剤を用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平8−13938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の界面活性剤を用いた場合、樹脂の粘度が高くなり、耐衝撃性などの物理的性質の改善効果が小さいことがわかった。
【0006】
本発明の実施形態は、フィラーの分散性に優れ、フィラー分散体を低粘度化し得るフィラー用分散剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るフィラー用分散剤は、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物とのエステル化物(A)を含有するフィラー用分散剤であって、前記脂肪族アルコールの炭素数が8〜30であるものである。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態に係る分散剤であると、フィラーの分散性に優れ、フィラー分散体を低粘度化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
本実施形態に係るフィラー用分散剤は、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物とのエステル化物(A)(以下、単にエステル化物(A)ということがある。)を含有する。
【0011】
上記エステル化物(A)の製法は特に限定されず、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物とをエステル化する方法、脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物とをエステル交換させる方法、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル化反応物にアルキレンオキシドを付加する方法、などが挙げられる。
【0012】
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸およびデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸およびイタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは、いずれか1種用いてもよく、2種以上用いてもよい。なお、脂肪族ジカルボン酸は、酸無水物を用いてもよい。
【0013】
前記脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、脂肪族アルコールにアルキレンオキシドを付加重合した化合物が挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。これらのうち、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、エチレンオキシドを含むことが好ましい。全アルキレンオキシド中のエチレンオキシドの含有量は、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
【0014】
アルキレンオキシドを2種以上用いる場合の付加形態は特に限定されず、ブロック付加、ランダム付加、ブロック付加とランダム付加の併用などが挙げられる。これらのうち、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、ブロック付加が好ましい。
【0015】
脂肪族アルコールとしては、炭素数が8〜30である脂肪族モノオールが用いられ、例えば、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、n−ノニルアルコール、イソノニルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、n−ウンデシルアルコール、イソウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール、イソドデシルアルコール、n−トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、n−テトラデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、イソペンタデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコール、イソヘプタデシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、イソオクタデシルアルコール、2−オクチルデシルアルコール、2−ヘキシルドデシルアルコール、n−ノナデシルアルコール、イソノナデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、イソエイコシルアルコール等の飽和脂肪族アルコール、オクテニルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、2−エチルデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコール、ノナデセニルアルコール、エイコセニルアルコール等の不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。上記脂肪族アルコールは、いずれか1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0016】
これらのうち、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、脂肪族アルコールの炭素数は8〜24であることが好ましく、より好ましくは8〜20であり、更に好ましくは8〜18であり、特に好ましくは10〜18である。
【0017】
脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを用いる場合は、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステルなどを用いることができる。脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを用いる場合、必要により減圧下で、副生するアルコール(メタノール、エタノールなど)を除去しながら反応することが好ましい。
【0018】
エステル化物(A)は、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、分子内にオキシアルキレン基を平均1.5〜30個有することが好ましく、2〜25個であることがより好ましく、3〜20個であることがさらに好ましい。
【0019】
エステル化物(A)は、下記一般式(1)で表すジエステル化合物であることが好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
式(1)中、Rは炭素数1〜10である2価の脂肪族炭化水素基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数8〜30である脂肪族炭化水素基であり、AOおよびAOはそれぞれ独立して炭素数が1〜4のオキシアルキレン基であり、mおよびnはそれぞれ独立してアルキレンオキシドの平均付加モル数を表し、m+nは1.5〜30である。
【0022】
の脂肪族炭化水素基としては、上記例示の脂肪族ジカルボン酸由来の炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、Rの脂肪族炭化水素基は炭素数1〜6が好ましく、炭素数2〜4であることがより好ましい。
【0023】
およびRの脂肪族炭化水素基としては、上記例示の脂肪族アルコール由来の炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、分散性がより優れ、分散体の粘度がより低くなることから、RおよびRの脂肪族炭化水素基は炭素数8〜24が好ましく、炭素数8〜18であることがより好ましく、炭素数10〜18であることが更に好ましい。
【0024】
炭素数1〜4のオキシアルキレン基としては、アルキレンオキシドについて前述した通り、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられ、オキシエチレン基を含むことが好ましい。オキシエチレン基を含む場合、全オキシアルキレン基中での含有率は特に限定されず、例えば50モル%以上でもよく、70モル%以上でもよく、80モル%以上でもよい。また、2種以上のオキシアルキレン基を含む場合の付加形態は特に限定されず、ブロック付加、ランダム付加、ブロック付加とランダム付加の併用などが挙げられ、ブロック付加が好ましい。また、m+nは、好ましくは2〜25であり、より好ましくは3〜20である。
【0025】
本実施形態に係るフィラー用分散剤は、上記エステル化物(A)を含有するものであり、エステル化物(A)のみで構成されてもよく、あるいはまた、エステル化物(A)を主成分としつつその効果が損なわれない範囲内で、任意成分として各種添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、例えば、耐衝撃性改質剤、耐候性改質剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改質剤、可塑剤、防菌剤、ワックス、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤、軟化剤、ステアリン酸などが挙げられる。
【0026】
本実施形態のフィラー用分散剤は、各種のフィラーに適用できる。フィラーとしては、具体的には、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩、金属窒化物、炭素類及びその他フィラーが挙げられる。
【0027】
金属酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ及び酸化アンチモン等が挙げられる。
【0028】
金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0029】
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト及びハイドロタルサイト等が挙げられる。
【0030】
金属硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び石膏繊維等が挙げられる。
【0031】
金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ及びシリカ系バルーン等が挙げられる。
【0032】
金属窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び窒化ケイ素等が挙げられる。
【0033】
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末及びフラーレン等が挙げられる。
【0034】
その他のフィラーとしては、例えば、その他各種金属粉(金、銀、銅、スズ等)、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、スラグ繊維、フッ素樹脂粉、木粉、セルロース繊維、ゴム粉及びアラミド繊維等が挙げられる。
【0035】
これらのフィラーは、それぞれ単独で用いても、2種以上併用してもよい。これらのうち、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属ケイ酸塩、カーボンブラックが好ましく、より好ましくは、シリカ、モンモリロナイト、及びカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0036】
フィラー用分散剤の使用量は、特に限定されず、例えば、フィラー100質量部に対して、1〜100質量部使用してもよく、1〜30質量部使用してもよい。
【0037】
本実施形態に係るフィラー用分散剤は、フィラーを含有する樹脂組成物において、樹脂中にフィラーを分散させるために用いられる。樹脂とは、天然樹脂と合成樹脂の総称であり、ゴムも含まれる。樹脂の具体例としては、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらをいずれか1種用いた樹脂に適用してもよく、2種以上組み合わせた樹脂に適用してもよい。
【0038】
フィラー用分散剤の使用方法としては、特に限定されず、例えば、樹脂に対して、フィラーとともにフィラー用分散剤を添加し混合してもよい。フィラーおよびフィラー分散剤とともに、樹脂に通常配合される各種添加剤を添加し混合してもよい。
【実施例】
【0039】
[製造例1(分散剤1の合成)]
オートクレーブにトリデカノール(KHネオケム社製)200g(1モル)、水酸化カリウム0.3gを仕込み、反応器内を窒素置換した。圧力2.0kg/cm、温度130℃の条件にてエチレンオキシド220g(5モル)を導入し、さらに3時間反応させた後、酢酸で中和することによりトリデカノールのエチレンオキシド付加物を得た。このトリデカノールのエチレンオキシド付加物を撹拌機、温度計、窒素導入管、還流管および検水管を備えた反応容器に移し、マレイン酸58g(0.5モル)、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、220℃で6時間、窒素雰囲気下で検水管を用いて水を除去し、脱水縮合を行うことにより、式(1)で表される分散剤1(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=10)を得た。
【0040】
[製造例2(分散剤2の合成)]
マレイン酸に代えて無水マレイン酸49g(0.5モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤2を得た。
【0041】
[製造例3(分散剤3の合成)]
マレイン酸に代えてアジピン酸73g(0.5モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤3(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=10)を得た。
【0042】
[製造例4(分散剤4の合成)]
マレイン酸に代えてイタコン酸65g(0.5モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤4(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=10)を得た。
【0043】
[製造例5(分散剤5の合成)]
トリデカノール(KHネオケム社製)に代えてラウリルアルコール186g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤5(R:−C−、R,R:C1225−、m+n=10)を得た。
【0044】
[製造例6(分散剤6の合成)]
ラウリルアルコールに代えてテトラデシルアルコール214g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤6(R:−C−、R,R:C1429−、m+n=10)を得た。
【0045】
[製造例7(分散剤7の合成)]
ラウリルアルコールに代えてパルミチルアルコール242g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤7(R:−C−、R,R:C1633−、m+n=10)を得た。
【0046】
[製造例8(分散剤8の合成)]
ラウリルアルコールに代えてオレイルアルコール268g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤8(R:−C−、R,R:C1835−、m+n=10)を得た。
【0047】
[製造例9(分散剤6の合成)]
エチレンオキシドの使用量を88g(2モル)とした以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤9(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=4)を得た。
【0048】
[製造例10(分散剤10の合成)]
エチレンオキシドの使用量を440g(10モル)とした以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤10を得た(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=20)。
【0049】
[製造例11(分散剤11の合成)]
エチレンオキシドに代えてプロピレンオキシド290g(5モル)、続いてエチレンオキシド220g(5モル)を反応させた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤11(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=20)を得た。
【0050】
[製造例12(分散剤12の合成)]
エチレンオキシドに代えて1,2−ブチレンオキシド360g(5モル)、続いてエチレンオキシド220g(5モル)を反応させた以外は製造例3と同様の操作を行い、式(1)で表される分散剤12(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=20)を得た。
【0051】
[製造例13(分散剤13の合成)]
撹拌機、温度計、窒素導入管、還流管および検水管を備えた反応容器にトリデカノール(KHネオケム社製)200g(1モル)、アジピン酸73g(0.5モル)、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、220℃で6時間、窒素雰囲気下で検水管を用いて水を除去し、脱水縮合を行うことにより、アジピン酸のトリデカノールエステルを得た。このアジピン酸のトリデカノールエステルをオートクレーブに移し、水酸化カリウム0.3gを仕込み、反応器内を窒素置換した。圧力2.0kg/cm、温度130℃の条件にてエチレンオキシド220g(5モル)を導入し、さらに3時間反応させた後、酢酸で中和することにより、式(1)で表される分散剤13(R:−C−、R,R:C1327−、m+n=10)を得た。
【0052】
[製造例14((分散剤14の合成)]
トリデカノール(KHネオケム社製)に代えてメタノール32g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、分散剤14(式(1)において、R:−C−、R,R:CH−、m+n=10)を得た。
【0053】
[製造例15(分散剤15の合成)]
オートクレーブにトリデカノール(KHネオケム社製)200g(1モル)、無水マレイン酸49g(0.5モル)、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、220℃で6時間、窒素雰囲気下で検水管を用いて水を除去し、脱水縮合を行うことにより、分散剤15を得た。
【0054】
[実施例1〜13、比較例1〜2]
ポリ乳酸(商品名:テラマックTP−4000、ユニチカ社製)67質量部、モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業社製)30質量部、及び、表1に記載の分散剤3質量部をタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(KRCニーダー、栗本鉄工所社製)を用いて混練温度200℃で溶融混合することにより、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0055】
[比較例3]
ポリ乳酸69質量部、モンモリロナイト31質量部とし、分散剤を用いない以外は、実施例1と同様の方法により、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0056】
[実施例14、比較例4]
ポリ乳酸に代えてポリアミド6(A1030BRL、ユニチカ社製)67質量部、モンモリロナイトに代えてガラス繊維(T−187、日本電気硝子社製)30質量部、及び、表1に記載の分散剤3質量部を用い、混練温度を300℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0057】
[比較例5]
ポリアミド6を69質量部、ガラス繊維を31質量部とし、分散剤を用いない以外は、実施例14と同様の方法により、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0058】
[実施例15、比較例6]
ガラス繊維に代えてタルク(ミクロエースSG−95、日本タルク社製)30質量部、及び、表1に記載の分散剤3質量部を用いた以外は、実施例14と同様の方法により、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0059】
[比較例7]
ポリアミド6を69質量部、タルクを31質量部とし、分散剤を用いない以外は、実施例15と同様の方法により、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0060】
得られた樹脂組成物を用いて溶融粘度および耐衝撃性を下記方法により評価した。結果を表1に示す。
【0061】
(溶融粘度)
動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製「Rheosol−G3000」)を用いて所定の温度で溶融粘度を測定した。測定温度は、実施例1〜13および比較例1〜3は200℃、実施例14〜15および比較例4〜7は300℃である。
【0062】
(耐衝撃性)
射出成形機(SG75Mk−II、住友重機械工業社製)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、厚さ3mmの試験片を作成した。これを用いて、ISO179に準じて温度23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度(kJ/m)を測定した。
【0063】
【表1】
【0064】
表1に示されるように、ポリ乳酸にモンモリロナイトを配合する場合において、本実施形態に係る分散剤1〜13を用いた実施例1〜13であると、分散剤を用いていない比較例3に対して、溶融粘度が顕著に低減しており、また分散性に優れることで耐衝撃性が大幅に向上した。一方、比較例に係る分散剤14,15では、比較例1,2の通り、溶融粘度の低減効果および耐衝撃性の向上効果ともに実施例に対して劣るものであった。樹脂としてポリアミドを用い、これにガラス繊維やタルクを配合する場合も同様、本実施形態に係る分散剤を用いた実施例14,15であると、比較例4〜7に対して、溶融粘度が大きく低減し、かつ耐衝撃性が大きく向上した。
【0065】
[実施例16〜28、比較例8〜10]
天然ゴム(TSR20)40質量部、スチレンブタジエンゴム(商品名:Nipol NS116R、ZSエラストマー社製)60質量部、カーボンブラック(商品名:アサヒサーマル、旭カーボン社製)35質量部、シリカ(商品名:ニップシールAQ、東ソー・シリカ社製)70質量部、シランカップリング剤(商品名:Si69、エボニックデグザ社製)7質量部、亜鉛華3質量部、ステアリン酸2質量部、パラフィンワックス1質量部、老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)3質量部、硫黄1質量部、加硫促進剤(N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)1質量部、及び、表2に記載の分散剤3質量部(ただし、比較例8は分散剤を使用しない。)をバンバリーミキサーで混練することにより、ゴム組成物を得た。
【0066】
得られたゴム組成物を用いて、下記の方法によりムーニー粘度を測定した。さらに、ゴム組成物を金型に投入し、180℃で1時間加硫することにより試験片を得た。得られた試験片を用いて、下記の方法によりフィラー分散性を評価した。結果を表2に示す。
【0067】
(ムーニー粘度)
JIS K6300−1に準じて、L型ローターを用いて、予熱1分、ローターの回転時間4分、温度100℃にてムーニー粘度を測定した。結果は比較例8のムーニー粘度を100とした場合の指数とした。この数字が低いほどムーニー粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
【0068】
(フィラー分散性)
ゴム組成物を金型に投入し、180℃で1時間加硫することにより試験片を得た。得られた試験片を用いて、ISO11345B法に準拠して、試験片を切り出し、その断面を観察、画像処理によって分散状態を数値化することにより、フィラー分散性を評価した。結果は、比較例8を100とした場合の指数で記載した。この数字が大きいほどフィラーの分散不良が少なく、フィラー分散が優れることを示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2に示されるように、カーボンブラックおよびシリカをゴムに分散させる場合において、本実施形態に係る分散剤1〜13を用いた実施例16〜28であると、分散剤を用いていない比較例8、および比較例に係る分散剤14,15を用いた比較例9,10に対して未加硫ゴムの低粘度化を図ることができ、またフィラーの分散性に優れていた。
【0071】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。