(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像手段により出力された画像を用いたオートフォーカス処理が無効である場合に、前記制御手段は、前記パノラマ画像の中央部分を含む画像を前記代表画像として切り取ることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
前記オートフォーカス処理の実行が無効である場合、前記撮像装置にはマニュアルフォーカス及びフォーカスロックのいずれか一方が設定されることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
前記作成手段は、前記アルバム動画の作成時に、前記パノラマ画像をスライドしながら全体を記録し、その際に前記代表画像の付近を他の部分の画像よりも長時間記録することを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
前記制御手段は、前記パノラマ画像がフォーカスが無限遠の画像である場合は、前記パノラマ画像の中央部分を含む画像を前記代表画像として切り取ることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態では、本発明に係る撮像装置として、静止画像と動画との撮影が可能なデジタルカメラを適用した場合を例にして説明する。尚、本発明に係る撮像装置は、画像の撮影が可能な装置であれば、デジタルカメラに限定されるものではなく、例えばスマートフォン等のモバイル端末であってもよい。
【0011】
[デジタルカメラの構成について]
図1は、本発明に係る撮像装置としてのデジタルカメラの外観図である。
【0012】
図1において、デジタルカメラ100は、表示部28、電源スイッチ72、シャッターボタン61、モード切替スイッチ60、接続ケーブル111、コネクタ112、操作部70、記憶媒体200、記憶媒体スロット201、及び蓋202を備える。
【0013】
表示部28は、画像や各種情報を表示する。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替える。
【0014】
シャッターボタン61は、ユーザの操作途中(半押し)で第1シャッタースイッチ信号SW1を発生(ONに)し、ユーザの操作完了(全押し)で第2シャッタースイッチ信号SW2を発生(ONに)する。
【0015】
モード切替スイッチ60は、デジタルカメラ100における各種モードを切り替える。より具体的には、静止画記録モード、動画記録モード、パノラマ撮影モード、再生モード等のモードの切り替えが可能である。
【0016】
接続ケーブル111は、デジタルカメラ100と外部機器を接続する。コネクタ112は、接続ケーブル111とデジタルカメラ100とを接続する。
【0017】
操作部70は、ユーザからの各種操作を受け付ける。操作部70は図示の各種ボタンや、表示部28の画面上に設けられたタッチパネル等の操作部材を有する。操作部70の各種ボタンとは、具体的に例示すると、消去ボタン、メニューボタン、SETボタン、十字に配置された4方向ボタン(上ボタン、下ボタン、右ボタン、左ボタン)、ホイール73等である。
【0018】
記憶媒体200は、メモリカードやハードディスク等で構成される。記憶媒体スロット201は、記憶媒体200を格納する。記憶媒体スロット201に格納された記憶媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋202は、記憶媒体スロット201の蓋である。
【0019】
図2は、
図1のデジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2において、デジタルカメラ100は、撮影レンズ103、絞り機能を備えるシャッター101、撮像部22、A/D変換器23、音声制御部11、バリア102、タイミング発生部12、D/A変換器13、画像処理部24、及びメモリ制御部15を備える。また、デジタルカメラ100は、システム制御部50、メモリ32、表示部28、マイク10、圧縮/伸張部16、記憶媒体200を接続するインターフェース18、スピーカ39、不揮発性メモリ56、及びシステムメモリ52を備える。さらに、デジタルカメラ100は、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70、電源制御部80、電源部30、コネクタ33,34、姿勢検出部40、コネクタ35、記憶媒体着脱検知98、及び通信部110を備える。
【0021】
撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成され、被写体を撮影して得られた画像をアナログ信号として出力する。
【0022】
A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合や、音声制御部11から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合に用いられる。
【0023】
バリア102は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0024】
タイミング発生部12は、撮像部22、音声制御部11、A/D変換器23、及びD/A変換器13にクロック信号や制御信号を供給する。タイミング発生部12は、メモリ制御部15及びシステム制御部50により制御される。
【0025】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50(AF処理実行手段)が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のオートフォーカス処理(以下、「AF処理」という。)、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0026】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、直接メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。
【0027】
メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。尚、メモリ32は、マイク10において録音された音声データ、静止画像、動画像及び画像ファイルを構成する場合のファイルヘッダを格納するのにも用いられる。従って、メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0028】
圧縮/伸張部16は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮、伸張する。圧縮/伸張部16は、シャッター101をトリガにしてメモリ32に格納された撮影画像を読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えたデータをメモリ32に書き込む。また、記憶媒体200の記録部19などからメモリ32に読み込まれた圧縮画像に対して伸張処理を行い、処理を終えたデータをメモリ32に書き込む。圧縮/伸張部16によりメモリ32に書き込まれた画像データは、システム制御部50のファイル部においてファイル化され、インターフェース18を介して記憶媒体200に記録される。また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0029】
D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。表示部28は、LCD等の表示器上に、A/D変換器23からのアナログ信号に応じた表示を行う。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。
【0030】
マイク10は、外部音源からの音をアナログ信号の音声信号に変換する。この音声信号は、アンプ等で構成される音声制御部11を介してA/D変換器23に供給され、A/D変換器23においてデジタル信号に変換された後、メモリ制御部15によってメモリ32に格納される。一方、記憶媒体200に記録されている音声データは、メモリ32に読み込まれた後、D/A変換器13によりアナログ信号に変換される。音声制御部11は、このアナログ信号によりスピーカ39を駆動し、音声出力する。
【0031】
不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0032】
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、上述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52は、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。
【0033】
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、及び操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0034】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替えることができる。
【0035】
シャッターボタン61は、ユーザが半押しするとシステム制御部50に送信する第1シャッタースイッチ信号SW1をONにする。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1を受信すると、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0036】
また、シャッターボタン61は、ユーザが全押しするとシステム制御部50に送信する第2シャッタースイッチ信号SW2をONにする。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2を受信すると、撮像部22からの信号読み出しから記憶媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0037】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0038】
電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替える。
【0039】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記憶媒体200を含む各部へ供給する。
【0040】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。コネクタ33,34は、電源部30と電源制御部80とを接続する。
【0041】
姿勢検出部40は、たとえば加速度センサ/角速度センサなどから構成される。この姿勢検出部40は、デジタルカメラ100の姿勢変化や移動方向を検出する。
【0042】
インターフェース18は、記憶媒体200とのインターフェースである。コネクタ35は、該記憶媒体200とインターフェース18との接続のためのコネクタである。記憶媒体着脱検知98は、コネクタ35に記憶媒体200が装着されているか否かを検知する。尚、記憶媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部19、デジタルカメラ100とのインターフェース37、及び、記憶媒体200とデジタルカメラ100とを接続するためのコネクタ36を備えている。
【0043】
通信部110は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信処理を行う。コネクタ(無線通信の場合はアンテナ)112は、通信部110を介してデジタルカメラ100を他の機器と接続する。
【0044】
[実施例1]
以下、
図3から
図6を参照して、
図2におけるデジタルカメラ100のシステム制御部50で実行される、実施例1に係るデジタルカメラ100の表示制御方法について説明する。以下の実施例1に係るパノラマ撮影処理は、予め、デジタルカメラ100において、シャッターボタン61の半押しによるAF処理が有効にされている場合に行われる。
【0045】
(パノラマ撮影処理について)
図3は、システム制御部50により実行される実施例1のパノラマ撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【0046】
本処理は、デジタルカメラ100の使用者が、モード切替スイッチ60をパノラマ撮影モードにして、シャッターボタン61を半押し、第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなったときに開始する。
【0047】
システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1をシャッターボタン61から受信すると露出と焦点距離を決めるAE/AF処理を行う(ステップS301)。このAE/AF処理の詳細は広く知られており、ここでは説明しない。
【0048】
つぎにシステム制御部50はステップS302に進み、第1シャッタースイッチ信号SW1がONのままであるかどうかを判別し、ONのままであればステップS303に進み、シャッターボタン61から使用者の手が離されていたときは本処理を終了する。
【0049】
システム制御部50は、ステップS303で使用者がシャッターボタン61を全押しし、第2シャッタースイッチ信号SW2がONとなったかどうかを判定する。システム制御部50は、判定の結果、ONとなった場合はステップS304に進み、撮影されたパノラマ画像用の複数の画像を撮像部22から取り込む一方、シャッターボタン61が半押しのままであるときはステップS302に戻る。
【0050】
システム制御部50は、ステップS304で撮像部22から取り込んだ複数の画像をメモリ32に保存した後、メモリ32に保存した複数の画像を元に、パノラマ画像に合成する(以下、「パノラマ合成」という。)(ステップS305)。このパノラマ合成の方法は広く知られているため、ここでは説明しない。
【0051】
つぎにシステム制御部50は、ステップS307に進み撮影方向の取得を行う(第1の判別手段)。この撮影方向の取得は、デジタルカメラ100の使用者が操作部70を操作して、あらかじめ撮影方向を「右から左(→)」、「左から右(←)」、「下から上(↑)」、「上から下(↓)」のどれかを指定するように構成してもよい。あるいは姿勢検出部40によりデジタルカメラ100がパンニングされた方向を検知して、撮影方向を取得してもよい。
【0052】
つぎにシステム制御部50は、EXIFヘッダーのMakerNoteにステップS307で取得した撮影方向を記録する(ステップS308)。その後、パノラマ画像を圧縮符号化しEXIFファイルフォーマットで記憶媒体200に保存し(ステップS309)、本処理を終了する。
【0053】
上述したようにパノラマ撮影処理では、AE/AF処理はシャッターボタン61が半押しとなり第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなった時に1回だけ行われるため、ステップS304で最初に取り込んだ画像のみ露出やフォーカスが合っている。
【0054】
尚、本実施例では、ステップS307で取得した撮影方向は、パノラマ画像を圧縮符号化しファイル化した際のヘッダー部分に記録されたがこれに限定されない。例えば、パノラマ画像とステップS307で取得した撮影方向の情報を別々に同一又は異なるメモリに保持すると共に、その対応関係を示すテーブルを設けるようにしてもよい。
【0055】
本実施例のデジタルカメラ100では、パノラマ撮影処理においては、画像の撮影前にAF/AEを行った被写体が、パノラマ画像中のどこに位置しているかを知ることができない。そして、このようなパノラマ撮影処理においては、ユーザは、任意の位置で撮影を終了することができる。そのため、パノラマ画像の中央部分が重要でない場合が多くなる。
【0056】
また、パノラマ画像の撮影終了位置については、ユーザが任意で決定することができるため、重要となる被写体が含まれていない可能性が高い。それに対し、撮影開始位置については、ユーザが最初に撮影対象を決めた位置であるため、パノラマ画像の中でも、比較的重要な被写体が含まれている可能性が高い。そのため、本実施例のデジタルカメラ100では、パノラマ画像のうち撮影開始位置側の領域を、代表画像として切り取るようにしている。
【0057】
(アルバム動画作成処理について)
図4は、システム制御部50により実行される実施例1のアルバム動画作成処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
ここで、アルバム動画とは、複数の画像のそれぞれから代表画像を1枚取出し、複数の画像のそれぞれの代表画像を1つの動画として合成したものをいう。
【0059】
システム制御部50は、ステップS401で動画ファイルを作成する。ここでは動画に関する各種管理情報も含めて作成する。この管理情報に関しては広く知られており、ここでは説明しない。
【0060】
つぎにシステム制御部50は、アルバム動画を作成するための複数の画像を選択し、アルバム用画像一覧を作成する(ステップS402)。このステップS402では、たとえばピントが合っている画像や、人物が多く写っている画像や、パノラマ画像などを優先的に選択される。
【0061】
つぎにシステム制御部50は、ステップS402で作成したアルバム用画像一覧から最初の画像を選択し(ステップS403)、選択した画像がパノラマ画像かどうかを判定する(ステップS404)。ステップS404でパノラマ画像である場合、パノラマ画像アルバム動画化処理を行う(ステップS405)。このステップS405のパノラマ画像アルバム動画化処理については、
図5を用いて後述する。一方、ステップS404でパノラマ画像でない場合、選択した画像を復号化し(ステップS406)、復号化した画像を所定フレームだけ動画ファイルに記録する(ステップS407)。ステップS407では復号化した画像は、画像の一部を切り取らず、画像の全部を代表画像として全画素を動画ファイルに記録する。
【0062】
つぎにシステム制御部50は、ステップS402で作成したアルバム用画像一覧のすべての画像を動画にしたかを判定し(ステップS408)、すべての画像を動画にしたときは本処理を終了する。一方、アルバム用画像一覧の画像の一部しか動画にしていないときには、アルバム用画像一覧から、次の画像を選択し(ステップS409)、ステップS404に戻る。
【0063】
(パノラマ画像アルバム動画化処理について)
図5は、
図4のステップS405で実行される、実施例1のパノラマ画像アルバム動画化処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
最初にシステム制御部50は、圧縮符号化されEXIFファイルフォーマットで保存されたパノラマ画像を復号化する(ステップS501)。つぎにシステム制御部50は、そのEXIFヘッダーのMakerNoteから撮影方向を取得する(ステップS502)。
【0065】
つぎにシステム制御部50は、ステップS502で取得した撮影方向を判定する(ステップS503)。ステップS503で撮影方向が「左から右(→)」であると判定したときはパノラマ画像の左端を撮影開始位置として判別し、その撮影開始位置を含む画像を代表画像としてパノラマ画像から切り取る(ステップS504:第2の判別手段、切取手段)。一方、ステップS503で撮影方向が「右から左(←)」であると判定したときはパノラマ画像の右端を撮影開始位置として判別し、その撮影開始位置を含む画像を代表画像としてパノラマ画像から切り取る(ステップS505)。同様に、ステップS503の判定の結果、撮影方向が「下から上(↑)」の場合は画像の下端を撮影開始位置として判別し、その撮影開始位置を含む画像をパノラマ画像から代表画像として切り取る(ステップS506)。また、ステップS503の判定の結果、「上から下(↓)」の場合は画像の上端を撮影開始位置として判別し、その撮影開始位置を含む画像をパノラマ画像から代表画像として切り取る(ステップS507)。
【0066】
つぎにシステム制御部50は、ステップS504〜S507で切り取った画像を所定フレーム分だけ動画ファイルに記録し(ステップS508)、本処理を終了する。
【0067】
図6は、
図5のステップS504〜S507のそれぞれで切り取られる画像の領域を説明する図である。
【0068】
撮影方向が「左から右(→)」のときは601の部分を切り取る(ステップS504)。同様に、撮影方向が「右から左(←)」のときは602の部分を(ステップS505)、撮影方向が「下から上(↑)」のときは603の部分を(ステップS506)、撮影方向が「上から下(↓)」のときは604の部分を(ステップS507)切り取る。つまり、パノラマ画像作成時に最初に取り込んだ画像付近が切り取られる。結果として、AE/AF処理が行われた画像を切り取ることができる。この切り取った画像をパノラマ画像の代表画像として、アルバム動画に記録する。
【0069】
実施例1に拠れば、パノラマ画像のフォーカスの合っている部分をアルバム動画に含める代表画像として切り取ることが可能となる。
【0070】
[実施例2]
以下、
図7から
図9を参照して、システム制御部50で実行される、実施例2に係るデジタルカメラ100の表示制御方法について説明する。
【0071】
(パノラマ撮影処理について)
図7は、システム制御部50により実行される実施例2のパノラマ撮影処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS301〜S309は、実施例1で
図3を用いて前述したため説明を省略する。
【0072】
システム制御部50は、ステップS301のAE/AF処理を行った後、姿勢変更フラグをオフにする(ステップS701)。つぎにシステム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1がONのままであるかどうかを判別し(ステップS302)、ONのままであればステップS702に進み、シャッターボタン61から使用者の手が離されていたときは本処理を終了する。
【0073】
ステップS702では、システム制御部50は、姿勢検出部40から所定以上の姿勢変化があったかどうかを検出する。システム制御部50は、デジタルカメラ100が、ユーザの操作等により移動された場合に、姿勢変化があったと判断する。この検出の結果、姿勢変化があったときは姿勢変更フラグをオンにし(ステップS703)、姿勢変化がなかったときはそのままステップS303に進む。つぎにシステム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号W2がONとなったかどうかを判定し(ステップS303)、シャッターボタン61が半押しのままであるときにはステップS302に戻る。結果として、第1シャッタースイッチ信号SW1がONの状態で、デジタルカメラ100が移動したときには姿勢変更フラグがオンになる。第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなりAE/AF処理を行った後にデジタルカメラ100が移動した場合は、AE/AF処理を行った被写体が、撮影開始位置にないと考えられる。そこで、実施例2のパノラマ撮影処理では、姿勢変更フラグをONにすることにより、撮影開始位置でAE/AF処理を行っていないことを示す情報を保持しておく。姿勢検出部40はデジタルカメラ100の移動を検出し、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなってからの移動量が閾値以上となった場合に、姿勢変化があると判断する。また、姿勢検出部40において、デジタルカメラ100の向き(撮影方向)を検出可能な場合、デジタルカメラ100自体の移動量が少なくても、デジタルカメラ100の向きが所定以上変化(移動)した場合に、姿勢変化があると判断するようにしてもよい。ここで、デジタルカメラ100の移動とは、パンニング等によりデジタルカメラの向き(撮影方向)を変更することなく一定方向にデジタルカメラ100を平行移動する場合も含む。また、姿勢検出部40はかかる平行移動をデジタルカメラ100がおこなった場合は、その移動の有無、移動があった場合の移動方向や移動量を検出する。
【0074】
その後、システム制御部50は、ステップS309でパノラマ画像を保存し、本処理を終了する前に、姿勢変更フラグの値を読みだして、EXIF−MakerNoteに姿勢変更の有無を記録する。具体的には、姿勢変更フラグがオンのときは1を、オフのときは0を記録する。
【0075】
(パノラマ画像アルバム動画化処理について)
図8は、
図4のステップS405で実行される、実施例2のパノラマ画像アルバム動画化処理の手順を示すフローチャートである。なお、アルバム動画作成処理は
図4に示す実施例1と同様であるため説明を省略する。また、ステップS501〜S508は、実施例1で
図5を用いて前述したため説明を省略する。
【0076】
システム制御部50は、ステップS501で圧縮符号化されEXIFファイルフォーマットで保存されたパノラマ画像を復号化した後、そのEXIFヘッダーのMakerNoteから姿勢変更の有無を取得する(ステップS801)。
【0077】
つぎにシステム制御部50は、姿勢変更があったかどうかを検出し(ステップS802)、姿勢変更が検出されたときはステップS803に進む。システム制御部50は、ステップS803で画像の中央部分を代表画像として切り取る。一方、姿勢変更が検出されなかったときはステップS502〜S507を実行する。
【0078】
その後、ステップS508でステップS504〜S507,S803で切り取った画像を所定フレーム分だけ動画ファイルに記録し、本処理を終了する。
【0079】
図9は、
図8のステップS803における、姿勢変更があった場合に切り取られる画像の一例を説明する図である。
【0080】
図9(a)は第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなった時のデジタルカメラ100の向き(撮影方向)であり、ここでは撮影されたパノラマ画像の中央付近の風景にデジタルカメラ100を向けている例を示す。
【0081】
一方、
図9(b)は第2シャッタースイッチ信号SW2がONとなった時のデジタルカメラ100の向き(撮影方向)であり、ここでは撮影されたパノラマ画像の左端付近の子供にデジタルカメラ100を向けている例を示す。
【0082】
このように、第1シャッタースイッチ信号SW1がONのまま、デジタルカメラ100の向きを大きく変えたときは、撮影されたパノラマ画像の1枚目付近にフォーカスがあっていない。
図9(b)の例では、画像の1枚目付近で撮影した子供ではなく、第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなった時にデジタルカメラ100が向けられていた、撮影されたパノラマ画像の中央付近の風景にフォーカスが合う。このように、シャッターボタン61の半押しで第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなってから、シャッターボタン61が全押しで第2シャッタースイッチ信号SW2がONとなるまでの間にデジタルカメラ100の姿勢が大きく変化する場合がある。かかる場合は、パノラマ画像の中央部分を代表画像として切り取り、この切り取った画像をパノラマ画像の代表画像としてアルバム動画に記録する。
【0083】
実施例2に拠れば、フォーカスがどこに合っているのか判別できないパノラマ画像については、中央部分を代表画像として切り取る。これにより、デジタルカメラ100の使用者が最も確認したいと思われる部分をアルバム動画に含めることが可能となる。
【0084】
[実施例3]
以下、
図10、
図11を参照して、システム制御部50で実行される、実施例3に係るデジタルカメラ100の表示制御方法について説明する。
【0085】
(パノラマ画像アルバム動画化処理について)
図10は、
図4のステップS405で実行される、実施例3のパノラマ画像アルバム動画化処理の手順を示すフローチャートである。なお、パノラマ撮影処理及びアルバム動画作成処理は
図3,4に示す実施例1と同様であるため説明を省略する。また、ステップS501〜S508は、実施例1で
図5を用いて前述したため説明を省略する。
【0086】
システム制御部50は、ステップS508でパノラマ画像の代表画像を所定フレーム分だけ動画ファイルに記録した後、ステップS1001に進む。ステップS1001では、パノラマ画像の代表画像以外の部分の画像をそれぞれスライドショーの形で、すなわち1フレーム分として動画ファイルに記録する。
【0087】
図11は、実施例3におけるパノラマ画像をアルバム動画化したときの画面遷移を表す図である。ここでは
図6に示したパノラマ画像を「左から右(→)」方向に撮影したものとする。
図11(a)は、
図10のステップS508で記録される代表画像であり、所定時間(1秒など)、代表画像が表示される。つぎにステップS1001での処理により、
図11(b)〜(d)のようにパノラマ画像の代表画像以外の部分をその左端から右方向に少しずつずらしながら、
図11(e)のようにその右端まで順に切り取り、これらを動画像ファイルのフレームとして記録する。すなわち、前記パノラマ画像をスライドしながら全体を記録し、その際に
図11(a)に示す代表画像の付近を
図11(b)〜(e)に示す他の部分の画像よりも長時間記録する。
【0088】
このように構成することによって、パノラマ画像をアルバム動画にしたときに、フォーカスのあっている代表画像を長い時間表示するとともに、パノラマ画像全体を閲覧することが可能となる。
【0089】
[実施例4]
実施例2では、シャッターボタン61の半押しから全押しまでの間にデジタルカメラ100の姿勢が大きく変化したときは、パノラマ画像のどこにフォーカスが合っているのか判別できないため、その中央付近を代表画像として切り取った。一方、実施例4では、実施例2と同じように、フォーカスがどこに合っているのか判別できないパノラマ画像は、中央付近を代表画像とするように構成する。
【0090】
具体的には、実施例1のように、シャッターボタン61の半押しによるAF処理が有効な場合に撮影されたパノラマ画像はその1枚目付近にフォーカスが合っている可能性が高い。逆に、シャッターボタン61の半押しによるAF処理が無効な場合、具体的には、MF(マニュアルフォーカス)やフォーカスロックの設定がされている場合、パノラマ画像の1枚目付近にフォーカスが合っていない可能性が高い。
【0091】
よって実施例4では、
図8のステップS801においてEXIF−MakerNoteから姿勢変更の有無を取得する代わりにMFやフォーカスロックの設定の有無を取得する。その後、かかる設定があると判別された場合(ステップS802でYES:第3の判別手段)、ステップS803に進み、パノラマ画像の中央部分を含む画像を代表画像として切り取る。
【0092】
同様に、フォーカスが無限遠で撮影されたパノラマ画像は、その中央部分を含む画像を代表画像として切り取るようにしても良い。その理由は、フォーカスが無限遠の画像は、風景写真のように画像全体にフォーカスが合っている可能性が高いからである。
【0093】
実施例4に拠れば、実施例2と同様に、フォーカスがどこに合っているのか判別できないパノラマ画像については、中央付近を代表画像として切り取る。これにより、デジタルカメラ100の使用者が最も確認したいと思われる部分をアルバム動画に含めることが可能となる。
【0094】
[実施例5]
実施例1〜4では、代表画像をアルバム動画の作成に使用した。しかし、これに限らず、たとえばサムネイル画像や、撮影直後のレビュー画像に代表画像を使用してもよい。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0096】
[その他の実施例]
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、装置に供給することによっても、達成されることは言うまでもない。このとき、供給された装置の制御部を含むコンピュータ(またはCPUやMPU)は、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。
【0097】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0099】
また、上述のプログラムコードの指示に基づき、装置上で稼動しているOS(基本システムやオペレーティングシステム)などが処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、装置に挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれ、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。このとき、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う。