(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップと前記ノズル部材との間には、前記キャップが前記口部から取り外されるときに、前記ノズル部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる連動機構が設けられている、請求項1または2に記載の塗布容器。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態の塗布容器について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、塗布容器1は、内容液が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着された塗布栓3と、塗布栓3を覆う有頂筒状のキャップ4と、を備えている。
なお、内容液としては、特に限定されないが、例えば人体の頭皮、皮膚、爪等に塗布する育毛剤、水虫薬等の薬剤、化粧料等の液体が挙げられる。また、内容液は、人体用に限定されるものではなく、人体以外に塗布する液体であってもよい。
【0015】
(方向定義)
図1に示すように、容器本体2およびキャップ4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向(容器軸方向)という。また、上下方向に沿って、キャップ4側を上方といい、その反対側(容器本体2側)を下方という。また、上下方向から見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0016】
図2に示すように、塗布栓3は、中栓部5と、ノズル部材30と、塗布部材6と、コイルばね(付勢部材)7と、を備えている。中栓部5は、容器本体2の口部2aに装着されるとともに、容器本体2内に連通する連通孔15を有している。塗布部材6は、中栓部5およびノズル部材30の内側に位置しており、上端部41がノズル部材30の上端開口部34aから上方に突出した状態で、下方に向けて(連通孔15側に向けて)移動可能に配設されている。コイルばね7は、塗布部材6を上方に向けて付勢する。
【0017】
塗布部材6は、塗布体40と、支持部材50と、を有している。塗布部材6は、
図2に示す待機位置と、待機位置よりも下方の吐出位置(
図5参照)と、の間で上下動可能に設けられている。
ノズル部材30は、
図2に示す第1位置と、第1位置よりも上方の第2位置(
図4参照)と、の間で上下動可能に設けられている。
以下、より詳しく説明する。
【0018】
(中栓部)
図2に示すように、中栓部5は、連通孔15が形成された第1中栓部材10と、ノズル部材30および第1中栓部材10を互いに連結させる第2中栓部材20と、を有している。これら第1中栓部材10と第2中栓部材20とが組み合わされることで、中栓部5が構成されている。中栓部5は、全体として容器軸Oと同軸の筒状に形成されている。なお、第1中栓部材10および第2中栓部材20は一体に形成されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、第1中栓部材10は、平面視で環状のフランジ部11と、フランジ部11から上方に向けて延びる第1シール筒部13と、フランジ部11の内周縁部から上方に向けて延びると共に、第1シール筒部13との間に隙間をあけた状態で第1シール筒部13よりも径方向内側に配置された内筒部12と、を備えている。
【0020】
第1中栓部材10は、例えばフランジ部11、第1シール筒部13、および内筒部12が一体成形された合成樹脂製とされ、容器軸Oと同軸に配設されている。
内筒部12は、その上端部が第1シール筒部13の上端部よりも下方に位置するように形成されている。内筒部12の内側が連通孔15とされている。なお、内筒部12における下端部側の内周面は、下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて傾斜する傾斜面15aとされている。
【0021】
内筒部12は、支持部材50の後述する下軸部52を径方向外側から囲む筒状に形成されている。なお、支持部材50は、内筒部12の内側に下方移動可能に配設されている。
内筒部12の内周面には、径方向内側に向けて突出する、平面視で環状の第1弁体14が形成されている。
なお、内筒部12のうち第1弁体14よりも上方に位置する部分の内周面は、上方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて傾斜する傾斜面14aとされている。
【0022】
第2中栓部材20は、第2シール筒部21と、フランジ部22と、支持筒部23と、ストッパ壁24と、弁筒部25と、第2弁体26と、収容筒部27と、ガイドリブ28と、を有している。第2中栓部材20は、各部21〜28が一体成形された合成樹脂製とされ、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0023】
第2シール筒部21は、容器本体2の口部2aの内側に密に嵌合されている。第2シール筒部21の下端開口縁は、第1中栓部材10のフランジ部11に、その上方から接触している。第2シール筒部21の内側には、第1中栓部材10の第1シール筒部13が下方から密に嵌合されている。これにより、第1中栓部材10は、第2中栓部材20に対してその下方から組み合わされている。
【0024】
フランジ部22は、第2シール筒部21の上端部から径方向外側に向かって突出し、平面視で環状に形成されている。フランジ部22は、容器本体2の口部2aの上端開口縁上に配置されている。これにより、第2中栓部材20は、その下部が容器本体2の口部2aの内側に配設された状態で口部2aに装着されている。なお、第2シール筒部21が容器本体2の口部2aの内側に密に嵌合されているので、第2シール筒部21の外周面と口部2aの内周面との間には高いシール性が確保されている。
【0025】
支持筒部23は、第2シール筒部21の上端部(フランジ部22の内周縁)から上方に向かって延びている。
図3に示すように、支持筒部23の上端部には、径方向内側に向けて突出する第2規制突起23aが形成されている。第2規制突起23aは、径方向内側に向けて凸の曲面状に形成されている。
ストッパ壁24は、収容筒部27の下端部から径方向内側に向けて突出し、平面視で環状に形成されている。ストッパ壁24の下端面には、上方に向けて窪む凹部24aが形成されている。凹部24aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。ストッパ壁24のうち凹部24aが形成されていない部分によって、収容筒部27と第2シール筒部21とが連結されている。
【0026】
弁筒部25は、ストッパ壁24の内周縁部から下方に向けて延びている。弁筒部25は、凹部24aの径方向内側に位置している。弁筒部25は、支持部材50の後述する上軸部51を径方向外側から囲む筒状に形成されている。なお、支持部材50は、弁筒部25の内側に下方移動可能に配設されている。
【0027】
図2に示すように、第2弁体26は、弁筒部25の内周面から径方向内側に向けて突出しており、平面視で環状に形成されている。なお、弁筒部25のうち、第2弁体26よりも下方に位置する部分の内周面は、下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて傾斜する傾斜面25aとされている。
【0028】
収容筒部27は、支持筒部23の径方向内側に位置している。収容筒部27と支持筒部23との間には、筒状の隙間が設けられている。この筒状の隙間に、ノズル部材30の摺動筒部31(後述)が挿入されている。この筒状の隙間の下端部は、凹部24aの上端部に連なっている。収容筒部27内には、塗布部材6の塗布体40が下方移動可能に収容されている。
図3に示すように、収容筒部27の外周面には、径方向内側に向けて窪む第2縦溝27aが形成されている。第2縦溝27aの下端は、ストッパ壁24よりも上方に位置している。つまり、ストッパ壁24の外周面には第2縦溝27aが形成されていない。
【0029】
ガイドリブ28は、収容筒部27の内周面から径方向内側に向かって突出しており、上下方向に沿って縦長に形成されている。ガイドリブ28は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ガイドリブ28の上端部は、収容筒部27の内周面および上端面にわたって形成されており、収容筒部27の上端面から上方に向けて延びている。ガイドリブ28の下端部はストッパ壁24の上面に接続されている。
【0030】
なお、塗布体40は、複数のガイドリブ28によって径方向外側から支持された状態で下方移動可能にガイドされている。また、周方向に隣り合うガイドリブ28同士の間に形成される隙間は、内容液が流通する液通路として機能する。
第1シール筒部13、第2シール筒部21、フランジ部11、および内筒部12によって画成された空間は、容器本体2内からの内容液を貯留する液室Sとして機能する。
【0031】
(塗布部材)
塗布部材6は、塗布体40と、塗布体40をその下方から支持する支持部材50と、を備えている。塗布体40は、その上端部41がノズル部材30の上端開口部34aから上方に突出した状態で、収容筒部27内に下方移動可能に配設されている。支持部材50は、塗布体40よりも下方に配置され、第2中栓部材20の弁筒部25内および第1中栓部材10の内筒部12内に下方移動可能に配設されている。塗布部材6は全体として、容器軸Oと同軸上に配設されている。
【0032】
(塗布体)
塗布体40は、内容液を含浸可能な含浸材で形成されている。
塗布体40に用いる含浸材としては、例えばスポンジ等の多孔質材料や、合成繊維が樹脂溶液によって固化され、毛細管現象を利用して内容液を含浸させることが可能な繊維体等が挙げられる。ただし、含浸材としては、上記に限定されず、内容液を含浸可能な各種の材料を選択することができる。
【0033】
なお、上記繊維体を含浸材として採用する場合には、例えば数μ〜数十μの繊維径を有する合成繊維(例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維やアクリル繊維等)を複数束ねた状態で、樹脂溶液を利用して束状の合成繊維を固化させれば良い。その際、気孔率(固体部分である合成繊維と気孔(空隙)との容積比率或いは体積比率)が例えば40%〜80%程度の範囲内に収まるように合成繊維の密度を調整すれば良い。これにより、毛細管現象を利用して内容液を適切に含浸させることが可能となる。なお、上記樹脂溶液としては例えばポリウレタン樹脂を溶液化したものを利用できる。
【0034】
図2に示すように、塗布体40は、容器軸Oと同軸に配設された円柱状に形成され、複数のガイドリブ28にガイドされた状態で収容筒部27内に配設されている。塗布体40の上端部41は、ノズル部材30の上端開口部34aから上方に突出しており、上方に向けてドーム状(半球状)に膨らんだ形状とされている。
ただし、塗布体40の上端部41の形状は、上記に限定されず、被塗布部の形状や塗布容器1の用途等に応じて適宜変更してもよい。さらに、
図2では塗布体40全体の形状が円柱状となっているが、その形状は円柱状に限定されず、被塗布部や塗布容器1の用途等に応じて適宜変更してもよい。
【0035】
塗布体40の下端面42は、支持部材50における後述する上軸部51の上端面に対して上方から接触している。つまり、塗布体40は、支持部材50に対して重なった状態で収容筒部27内に配置されている。
ただし、上記に限定されず、例えば塗布体40の内側に支持部材50を下方から差し込むように連結することで、塗布体40と支持部材50とを一体に組み合わせても良い。
【0036】
塗布体40は、その下端面42とストッパ壁24との間に上下方向の隙間が確保されるように、支持部材50に対して重なっている。従って、塗布体40は、この隙間分(ストローク分)だけ下方移動可能とされ、塗布体40の下端面42がストッパ壁24に上方から接触した時点で、それ以上の塗布体40の下方移動が規制される。これによって、塗布部材6の全体は、最下降位置に位置した状態となる。
【0037】
なお、収容筒部27に対する塗布体40の上端部41の上方への突出量は、塗布体40の下端面42とストッパ壁24との間の隙間よりも大きい。そのため、塗布部材6が最下降位置に移動した場合であっても、塗布体40の上端部41は上端開口部34aよりも上方に突出した状態を維持する。
【0038】
(支持部材)
図2に示すように、支持部材50は、上軸部51と、下軸部52と、規制片53と、保持壁54と、を有している。上軸部51、規制片53、保持壁54、および下軸部52は、上方から下方に向けてこの順に配置されている。支持部材50は、全体として容器軸Oと同軸上に配設されている。支持部材50は、各部51〜54が一体成形された合成樹脂製とされている。
【0039】
上軸部51は、第2中栓部材20の弁筒部25内に配設されている。上軸部51は、第2中栓部材20のストッパ壁24よりも上方に突出するように延びている。上軸部51の上端面は、収容筒部27内に位置していると共に、塗布体40の下端面42に対して下方から接触している。
下軸部52は、上軸部51の下端部から下方に向けて延びると共に、上軸部51よりも外径が小さく形成されている。下軸部52は、第1中栓部材10の内筒部12の内側(連通孔15内)に配設されている。
【0040】
下軸部52の外周面には、径方向内側に向かって凹む流通溝52aが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。流通溝52aは、上下方向に沿って縦長に形成されている。流通溝52aは、下軸部52の上下方向の全長にわたって形成されておらず、流通溝52aの上端部は、保持壁54の下端部よりも下方に位置している。つまり、下軸部52の上端部には流通溝52aが形成されていない。また、流通溝52aの上端部は、第1弁体14よりも上方に位置している。
【0041】
流通溝52aは、下方に向けて開口したスリット状に形成され、下軸部52の下端部から第1弁体14よりも上方に位置する部分に亘って形成されている。これにより、流通溝52aは、塗布部材6が待機位置に位置しているときに、容器本体2内と液室S内とを内筒部12の第1弁体14を跨いで連通させている。
【0042】
規制片53は、上軸部51の下端部から径方向外側に向けて突出している。規制片53は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。規制片53は、平面視で円弧状に形成され、液室S内に配設されている。規制片53は、弁筒部25に対してその下方から当接している。規制片53の外周面と第2シール筒部21の内周面との間には、径方向の隙間が設けられている。したがって、この隙間を通じて内容液を流通させることができる。また、周方向で隣接する規制片53同士の間の隙間を通じて、内容液を流通させることも可能である。
【0043】
保持壁54は、規制片53から下方に向けて延びている。保持壁54は、平面視で円弧状に形成されており、その外径は規制片53よりも小さい。保持壁54の外周面には、コイルばね7の上端部が嵌合されている。コイルばね7の下端部は、第1中栓部材10における内筒部12の外周面に嵌合されている。コイルばね7は、上下方向に圧縮された状態で、規制片53とフランジ部11との間に配設されている。これにより、コイルばね7は、規制片53と第1中栓部材10との間に安定して保持された状態で、中栓部5に対して支持部材50を上方に向けて付勢している。
【0044】
従って、塗布部材6の全体は、コイルばね7によって上方付勢されている。そして、規制片53が弁筒部25に対して下方から接触することで、塗布部材6の全体はそれ以上の上方移動が規制され、最上昇位置である待機位置に位置決めされている。
【0045】
図2に示すように、支持部材50における上軸部51の外周面には、径方向内側に向かって凹むと共に、上下方向に沿って延びる縦長の流通溝(第1流路R1)51aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
流通溝51aは、上軸部51の上端面に開口したスリット状に形成され、上軸部51の上端面から第2中栓部材20における弁筒部25よりも上方に位置する部分にわたって形成されている。これにより、流通溝51aは、
図2に示すように塗布部材6が待機位置に位置しているときに、弁筒部25の第2弁体26よりも上方に位置している。
【0046】
なお、流通溝51aは、塗布部材6が押し込まれて所定量下降したときに、その一部が弁筒部25の第2弁体26よりも下方に位置する。これにより、流通溝51aは液室S内と収容筒部27内とを弁筒部25の第2弁体26を跨いで連通させることが可能となっている。このように、流通溝51aが液室S内と収容筒部27内とを連通させた状態となるときの塗布部材6の位置を、「吐出位置」という。
【0047】
以上のように構成された塗布部材6は、
図2に示す待機位置にあるとき、塗布体40の上端部41が上端開口部34aから上方に最も突出した状態となる。塗布部材6が待機位置にあるとき、コイルばね7の付勢力によって、規制片53が弁筒部25に突き当たっている。このため、塗布部材6の待機位置を超えた上方移動は規制されている。つまり待機位置とは、塗布部材6の最上昇位置に相当する。
なお
図5に示すように、塗布部材6は、塗布体40の下端面42がストッパ壁24に対して接するまで下降することができる。下端面42がストッパ壁24に接すると、塗布部材6のそれ以上の下降が規制され、塗布部材6が最下降位置に位置決めされる。最下降位置は、先述の吐出位置に含まれる。
【0048】
上述した流通溝52aおよび第1中栓部材10の第1弁体14は、塗布部材6が、
図2に示す待機位置に位置しているときに連通孔15を通じた容器本体2内と液室S内との連通を許容し、かつ塗布部材6が、
図5に示す吐出位置に位置しているときに連通孔15を通じた容器本体2内と液室S内との連通を遮断する第1切換弁V1を構成する。
また、上述した流通溝51aおよび第2中栓部材20における第2弁体26は、塗布部材6が、
図2に示す待機位置に位置しているときに液室S内と収容筒部27内との連通を遮断し、かつ塗布部材6が、
図5に示す吐出位置に位置しているときに液室S内と収容筒部27内との連通を許容する第2切換弁V2を構成する。
【0049】
(ノズル部材)
図2に示すように、ノズル部材30は、摺動筒部31と、係止筒部32と、環状部33と、ノズル筒34と、を有している。ノズル部材30は、上下方向に延びる筒状に形成され、全体として容器軸Oと同軸上に配設されている。
摺動筒部31は、中栓部5における支持筒部23と収容筒部27との間の隙間に位置している。摺動筒部31は、支持筒部23と収容筒部27との間に位置した状態で、中栓部5に対して上下方向に摺動可能となっている。摺動筒部31の下端部には、径方向内側に向けて突出する第1シール突起31bが形成されている。第1シール突起31bは、平面視で環状に形成されている。
【0050】
図3に示すように、摺動筒部31の外周面には、径方向外側に向けて突出する第1規制突起31cおよび第2シール突起31dが形成されている。第1規制突起31cは、中栓部5の第2規制突起23aに対して上下方向で対向している。第1規制突起31cの下端部には、上方に向かうに従って漸次径方向外側に向けて延びる傾斜面が形成されている。第2シール突起31dは、第1規制突起31cの下方に位置している。第2シール突起31dは、支持筒部23の内周面に対して摺動可能に嵌合している。これにより、摺動筒部31と支持筒部23との間の隙間が閉塞されている。
【0051】
係止筒部32は、摺動筒部31の上方に設けられている。係止筒部32の外径は摺動筒部31の外径よりも大きい。係止筒部32の下端面は、中栓部5の支持筒部23における上端面と、上下方向で対向している。係止筒部32の下端面と支持筒部23の上端面との間には隙間が形成されている。
係止筒部32の外周面には、径方向外側に向けて突出する第1係止部32aが形成されている。
【0052】
係止筒部32および摺動筒部31の内周面は連続しており、面一に形成されている。摺動筒部31および係止筒部32の内周面には、径方向外側に向けて窪み、上下方向に延びる第1縦溝31aが形成されている。
ノズル部材30の第1縦溝31aおよび中栓部5の第2縦溝27aは、第2流路R2を構成している。第2流路R2の上端部は、周方向で隣り合うガイドリブ28同士の隙間を通じて、収容筒部27の内部に連通している。第2流路R2の上端部は、ガイドリブ28同士の隙間を介して、塗布体40の上下方向における中間部に向けて開口している。
【0053】
第1縦溝31aの下端部(第2流路R2の下端部)は、第1シール突起31bよりの上方に位置している。第1縦溝31aの下端部は、ノズル部材30が第1位置にあるとき、凹部24aに向けて開口している。したがって、ノズル部材30が第1位置にあるとき、第2流路R2は凹部24aを通じて、液室Sおよび連通孔15と収容筒部27内とを連通させる。
第2流路R2の流路断面積は、第1流路R1(流通溝51a)の流路断面積よりも小さい。本実施形態では、第2流路R2の流路断面積は、非常に小さくなっている。このため、第2流路R2に接した内容液には毛管力が作用する。
【0054】
環状部33は、係止筒部32の上端部から径方向内側に向けて延びており、平面視で環状に形成されている。環状部33の下端面は、ガイドリブ28の上端面に、その上方から当接若しくは近接している。
ノズル筒34は、環状部33の内周縁から上方に向けて延びている。ノズル筒34および環状部33の内周面は、連続して面一に形成されている。ノズル筒34および環状部33の内径(上端開口部34aの内径)は、収容筒部27の内径と同等になっている。
【0055】
上述した第1シール突起31bおよび第2中栓部材20のストッパ壁24は、ノズル部材30が、
図2、
図3に示す第1位置に位置しているときに液室S内と収容筒部27内との連通を許容し、かつノズル部材30が、
図4に示す第2位置に位置しているときに液室S内と収容筒部27内との連通を遮断する第3切換弁V3を構成する。
【0056】
(キャップ)
図2に示すように、キャップ4は、頂壁4aおよび周壁4bを有する有頂筒状に形成されている。周壁4bは、容器本体2の口部2aおよび塗布栓3を径方向外側から囲んでいる。頂壁4aは、周壁4bの上端部を塞いでいる。
【0057】
周壁4bのうち、容器本体2の口部2aを囲む部分の内周面には、容器本体2の口部2aに形成された雄ねじ部に螺着される雌ねじ部が形成されている。口部2aの雄ネジ部にキャップ4の雌ねじ部が螺着することで、キャップ4が口部2aに離脱自在に装着されている。
ただし、キャップ4の装着方法は螺着に限定されず、例えば容器本体2の口部2aに対するアンダーカット嵌合によって装着してもよい。
【0058】
頂壁4aには、下方に向けて延びるサポート筒部4cが形成されている。サポート筒部4cは、周壁4bの径方向内側に位置しており、ノズル部材30の環状部33に上方から当接している。サポート筒部4cの下端部には、径方向内側に向けて突出する環状のシール突起が形成されており、このシール突起がノズル部材30におけるノズル筒34の外周面に対して離脱可能に嵌合している。これによりサポート筒部4cは、ノズル部材30の上端開口部34aをシールしている。
なお、サポート筒部4cが容器軸O回りに回転可能に嵌合されているので、容器本体2の口部2aに対するキャップ4の装着および取り外し操作を安定して行うことが可能とされている。
【0059】
周壁4bには、径方向内側に向けて突出する第2係止部4dが形成されている。第2係止部4dは、ノズル部材30の第1係止部32aにアンダーカット嵌合している。第2係止部4dは、径方向内側に向けて凸となる曲面状に形成されている。キャップ4が上方移動すると、第1係止部32aと第2係止部4dとが係止することで、ノズル部材30も上方移動する。これにより、ノズル部材30は第1位置(
図2)から第2位置(
図4)へと移動する。このように、第1係止部32aおよび第2係止部4dは、キャップ4が口部2aから取り外されるときに、ノズル部材30を第1位置から第2位置に移動させる連動機構を構成している。
【0060】
(作用)
次に、上述のように構成された塗布容器1の作用について説明する。
【0061】
図2に示すように、塗布容器1が流通・保管されている状態では、キャップ4が口部2aに装着されており、塗布部材6は待機位置にあり、ノズル部材30は第1位置にある。また、キャップ4のサポート筒部4cがノズル部材30の環状部33に、その上方から当接している。
【0062】
塗布部材6が待機位置にあるとき、第1弁体14は流通溝52aと上下方向で同等の位置にあり、第1弁体14と流通溝52aとが径方向で対向する。このため、流通溝52aが開放されており、流通溝52aを通じて内容液が連通孔15から液室Sへと流通可能な状態となっている。
また、塗布部材6が待機位置にあるとき、第2弁体26は、上軸部51のうち流通溝51aよりも下方の部分の外周面に対して、その全周に亘って密に接触する。つまり、第2弁体26が上軸部51の外周面に嵌合しており、第2弁体26は流通溝51aよりも下方に位置している。このため、流通溝51a(第1流路R1)が閉塞されている。
【0063】
図3に示すように、ノズル部材30が第1位置にあるとき、ノズル部材30の第1シール突起31bは、ストッパ壁24の下端面から下方に離間している。このとき、摺動筒部31における第1縦溝31aの下端部は、中栓部5の凹部24a内に向けて開口している。このため、縦溝31a、27aにより構成される第2流路R2は、凹部24aを通じて、液室S内に連通している。また、第2流路R2の上端部は収容筒部27の内部に連通している。つまり、ノズル部材30が第1位置にあるとき、第2流路R2によって、液室Sと収容筒部27の内部とが連通する。
【0064】
このように、キャップ4が装着された状態では、連通孔15、液室S、および第2流路R2を通じて、容器本体2内と収容筒部27内とが連通する。したがって、塗布容器1が流通・保管されている段階で、塗布体40に内容液をあらかじめ含浸させておくことができる。
【0065】
塗布容器1を使用する場合には、
図4に示すように、キャップ4を容器本体2に対して容器軸O回りに回転させるなどによって、キャップ4を上昇させる。このとき、第2係止部4dが第1係止部32aにアンダーカット嵌合していることにより、キャップ4とともにノズル部材30が上昇する。これにより、ノズル部材30の第1シール突起31bがストッパ壁24の外周面に乗り上げて、第1シール突起31bとストッパ壁24とが液密に嵌合し、第2流路R2の下端部が閉塞される。本実施形態では、このように第2流路R2が閉塞される位置を、ノズル部材30の「第2位置」という。つまり、ノズル部材30の第2位置とは、第1位置よりも上方であって第2流路R2が閉塞される位置をいう。
【0066】
ノズル部材30がさらに所定量上昇すると、第1規制突起31cが第2規制突起23aに対して、その下方から当接する。これにより、ノズル部材30のそれ以上の上昇が規制され、ノズル部材30が最上昇位置に到達する。なお本実施形態では、ノズル部材30の最上昇位置が、第2位置に含まれている。ノズル部材30が最上昇位置にある状態で、さらにキャップ4を上昇させると、第2係止部4dが第1係止部32aを上方に乗り越えて、アンダーカット嵌合が解除される。これにより、キャップ4を塗布栓3から取り外すことができる。なお、第2係止部4dが第1係止部32aを上方に乗り越える際に要する力は、第1シール突起31bがストッパ壁24の外周面に乗り上げる際に要する力よりも大きくなっている。したがって、キャップ4を取り外す操作を行うことで、ノズル部材30が確実に第2位置に到達する。
【0067】
内容液を塗布する場合には、キャップ4を容器本体2の口部2aから取り外して、被塗布部に塗布体40を当接させる。これにより、塗布体40に含浸している内容液を染み出させて、内容液を被塗布部に塗布することができる。
また、塗布容器1を倒立姿勢とし、塗布部材6の上端部41を下向きとすると、容器本体2内の内容液を塗布栓3側に移動させることができる。このとき、塗布部材6が待機位置に位置しているので、第1切換弁V1は開弁し、かつ第2切換弁V2は閉弁している。
つまり、流通溝52aが、連通孔15を通じた容器本体2内と液室S内との連通を許容しているので、容器本体2内から液室S内への内容液の移動を許容することができる。従って、容器本体2内の内容液を、連通孔15および流通溝52aを通じて液室S内に流入させることができる。また、流通溝51aが第2弁体26よりも上端開口部34a側に位置しているので、第2弁体26が流通溝51aを通じた液室S内と収容筒部27内との連通を遮断し、液室S内から収容筒部27内への内容液の移動を停止することができる。
【0068】
なお、第2中栓部材20における内筒部12に傾斜面15aが形成されているので、傾斜面15aを利用して内容液を容器本体2内から流通溝52a内にスムーズに流動させることができ、流通溝52a内への内容液の流入を促すことができる。また、内筒部12に傾斜面14aが形成されているので、傾斜面14aを利用して流通溝52a内から液室S内に内容液をスムーズに流動させることができ、液室S内への内容液の流入(つまり、流通溝52a内からの内容液の排出)を促すことができる。
【0069】
続いて、塗布体40に含浸されている内容液が少なくなってきた場合には、塗布部材6の上端部41を被塗布部に押し付けるなどの操作により、コイルばね7の付勢力(弾性復元力)に抗して塗布部材6を押し込む。これにより、
図5に示すように、塗布部材6を中栓部5に対して連通孔15側に向けて移動させて、塗布部材6を待機位置から吐出位置に移動させることができる。塗布部材6が吐出位置(
図5)にあるとき、第1弁体14は、下軸部52のうち流通溝52aよりも上方の部分における外周面に対して、その全周に亘って密に接触する。これにより、第1切換弁V1が閉弁し、かつ第2切換弁V2が開弁する。
【0070】
つまり、流通溝52aが第1弁体14よりも連通孔15側に移動するので、第1弁体14が流通溝52aを通じた容器本体2内と液室S内との連通を遮断し、容器本体2内から液室S内への内容液の移動を停止することができる。また、流通溝51aの一部が第2弁体26よりも連通孔15側に移動するので、流通溝51aを通じて液室S内と収容筒部27内との連通を許容することができ、液室S内から収容筒部27内への内容液の移動を許容することができる。
【0071】
従って、連通孔15を通じた容器本体2内から液室S内への内容液の流入を規制しながら、液室S内に溜まった内容液を、流通溝51aを通じて収容筒部27内に供給することができる。なお、第2中栓部材20における弁筒部25に傾斜面25aが形成されているので、傾斜面25aを利用して内容液を液室S内から流通溝51a内にスムーズに流れ易くすることができ、流通溝51a内への内容液の流入を促して、積極的に収容筒部27内に供給することができる。収容筒部27内に供給された内容液は、塗布体40に含浸されるため、再び塗布体40を介して内容液を被塗布部に塗布可能な状態となる。なお、被塗布部への塗布は、塗布部材6が吐出位置にある状態で行っても良いし、塗布部材6の押し込みを解除して、コイルばね7の付勢力によって塗布部材6が待機位置に復元変位した状態で行っても良い。
【0072】
被塗布部への内容液の塗布が完了した後、キャップ4を再び容器本体2の口部2aに装着させると、サポート筒部4cがノズル部材30の環状部33にその上方から当接する。そして、キャップ4に押し下げられることでノズル部材30が第1位置に向けて復元変位する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器1では、支持部材50と中栓部5との間に、内容液を連通孔15から塗布体40の下端部に向けて導く第1流路R1が設けられている。また、中栓部5とノズル部材30との間に、内容液を連通孔15から塗布体40に向けて導く第2流路R2が設けられている。そして塗布部材6は、第1流路R1が閉塞される待機位置と、第1流路R1が開放される吐出位置と、の間で移動可能とされ、ノズル部材30は、第2流路R2が開放される第1位置と、第2流路R2が閉塞される第2位置と、の間で移動可能とされている。そして、キャップ4が口部2aに装着された状態では、ノズル部材30が第1位置に位置している。
【0074】
この構成により、塗布容器1が流通・保管されているときにノズル部材30を第1位置に位置させることで、第2流路R2を開放した状態とすることができる。そして、内容液を連通孔15および液室Sから第2流路R2を通じて塗布体40へと導き、内容液を塗布体40にあらかじめ含浸させておくことができる。したがって、塗布体40を被塗布部に押し付けた際に、スムーズに内容液を塗布することが可能となり、塗布容器1の使い始めの操作性を向上させることができる。
【0075】
また、キャップ4とノズル部材30との間には、キャップ4が口部2aから取り外されるときに、ノズル部材30を第1位置から第2位置に移動させる連動機構(第1係止部32a、第2係止部4d)が設けられている。このため、内容液を被塗布部に塗布するためにキャップを外すことで、ノズル部材30が第2位置に向けて移動するため、第2流路R2を閉塞させることができる。そして、塗布体40の位置によって閉塞状態および開放状態が切り替わる第1流路R1によって、内容液を塗布体40に向けて供給することができる。このように、内容液を被塗布部に塗布する際に、第1流路R1以外の意図しない流路から内容液が塗布体40に向けて流動することを抑制し、塗布している間の操作性も維持することができる。
【0076】
また、第2流路R2の流路断面積が、第1流路R1の流路断面積よりも小さくなっている。このように、第2流路R2の流路断面積を小さくすることで、第2流路R2に接した内容液に毛管力を作用させて、この毛管力によって内容液を塗布体40に向けてスムーズに流動させることができる。したがって、塗布容器1が流通・保管されている間に、内容液を塗布体40により確実に含浸させることができる。さらに、第2流路R1の流路断面積が小さいことで、内容液が過剰に塗布体40に向けて流動することを抑止することができる。
【0077】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0078】
例えば、前記実施形態では、ノズル部材30の第2位置が第1位置よりも上方にあり、ノズル部材30が上下動することで第2流路R2の閉塞および開放が切り替えられた。しかしながら、これに限られず、例えばノズル部材30が中栓部5に対して容器軸O回りに回転することで、第2流路R2の閉塞および開放が切り替えられてもよい。また、連動機構は、キャップ4を容器軸O回りに回転させる操作によって、ノズル部材30を容器軸O回りに回転させてもよい。この場合、第2位置は、第1位置からノズル部材30が容器軸O回りに所定量回転した位置となる。
【0079】
また、前記実施形態では塗布栓3が第1切換弁V1を備えていたが、塗布栓3は第1切換弁V1を備えていなくてもよい。
また、前記実施形態では、キャップ4を取り外す際に、ノズル部材30が自ずと第1位置から第2位置へと移動する機構を採用したが、塗布容器1はこの機構を有していなくてもよい。たとえば、キャップ4を取り外した後、ノズル部材30を手動で引き上げることで、第1位置から第2位置へと移動させてもよい。
【0080】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。