(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法〕
まず、実施形態に係る情報処理装置1が行う情報処理方法について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の一例を示す説明図である。ここでは、情報処理装置1がネットワークNを介して店舗端末3から提供されるクーポンに関する情報を取得し、かかるクーポンをユーザ端末2に配信する場合に行う情報処理方法について説明する。
【0011】
なお、以下に記載の実施形態では、ユーザに配信されるコンテンツの例としてクーポンが配信される例について説明する。なお、実施形態において、ユーザに配信されるコンテンツはクーポンに限られず、かかるコンテンツは、例えば、有効期間付きの各種情報でもよいし、有効期間付きのニュースや動画等のコンテンツであってもよい。
【0012】
図1に示すように、ユーザ端末2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末のように、ネットワークNを介してクーポンを提供する店舗端末3からクーポンを取得し、かかるクーポンを店舗で利用可能な携帯端末装置である。
【0013】
店舗端末3は、店舗の管理者等が利用する端末装置であり、かかる店舗で取り扱う商品の購買意欲を促進させるため、商品に対してクーポンの設定を行なうことができる端末装置である。かかるクーポンの設定が行われる商品(以下、クーポン対象商品とも呼称する。)は、例えば、商品を販売する店舗や商品の製造メーカーなどにおける事情で適宜決定される。例えば、店舗端末3は、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Data Assistance)、タブレット端末等の情報処理装置が適用される。また、店舗端末3は、無線LAN(Local Area Network)や有線LAN等を用いて、ネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0014】
ここで、実施形態に係る情報処理装置1は、店舗端末3で設定されたクーポンの利用を促進させるため、以下の工程を実施する。
【0015】
まず、情報処理装置1は、ユーザ端末2等を介して、ユーザのコンテキストに関する情報を取得する(ステップS1)。ユーザのコンテキストに関する情報とは、例えば、ユーザを取り巻く状況に関する情報である。かかるコンテキストに関する情報には、ユーザの属性、ユーザの現在位置、現在時刻、ユーザが置かれた物理環境、ユーザが置かれた社会環境、ユーザの運動状態、およびユーザの気分等が含まれる。
【0016】
そして、店舗端末3においてクーポン対象商品(例えば、商品#1)が設定された際に、情報処理装置1は、かかる設定されたクーポンに関する情報を店舗端末3から取得する(ステップS2)。
【0017】
次に、情報処理装置1は、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて、店舗端末3で設定されたクーポンの有効期間を決定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置1は、ユーザの現在位置における気象(天気や気温、湿度等)に応じて、クーポンの有効期間を決定する。
【0018】
例えば、情報処理装置1は、クーポン対象商品が冷たいお茶であり、ユーザが気温の高い場所にいる場合に、かかるクーポンの有効期間を比較的短い期間(例えば、配信時点から30分以内)に決定することができる。
【0019】
そして、情報処理装置1は、かかる決定された有効期間でユーザ端末2にクーポンを配信する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、上述した決定結果に基づいて「配信時点から30分以内に冷たいお茶を買えば30円引き」というクーポンをユーザ端末2に配信することができる。
【0020】
なお、
図1の例では、情報処理装置1がユーザ端末2にクーポンを配信した例について示したが、情報処理装置1で決定された有効期間に基づいて、店舗端末3がユーザ端末2にクーポンを配信してもよい。
【0021】
ここまで説明したように、実施形態では、ユーザのコンテキストに関する情報に応じてクーポンの有効期間を決定することにより、クーポンの有効期間を最適化することができることから、ユーザに対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0022】
すなわち、ユーザのコンテキストにかかわらず、ただ「1ヶ月以内に冷たいお茶を買えば30円引き」というクーポンを配信するよりも、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて「30分以内に冷たいお茶を買えば30円引き」というクーポンを配信したほうが、ユーザに対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0023】
また、情報処理装置1は、クーポン対象商品がかき氷等の冷たい商品であり、ユーザが位置するエリアにおいて今後気温の低下が予測されている場合に、かかるクーポンの有効期間を比較的短い期間(例えば、配信時点から30分以内)に決定してもよい。これにより、ユーザが位置するエリアで今後気温が低下する前に、冷たい商品が対象商品であるクーポンの利用を促進させることができる。
【0024】
また、情報処理装置1は、ユーザの気分に応じてクーポンの有効期間を決定してもよい。例えば、ユーザの気分が落ち込んでいる場合には、かかるユーザの判断力が鈍っていると推定することができる。
【0025】
したがって、実施形態では、ユーザの気分が落ち込んでいる場合には、クーポンの有効期間を比較的長い期間(例えば、配信時点から次の日まで)に決定することにより、ユーザの判断力が回復した段階で改めてクーポンの利用を検討してもらうことができる。
【0026】
なお、上述の例においては、クーポンの有効期間を配信時点からではなく、配信からしばらく経た時点から(例えば、次の日の朝から夜まで)に決定することによって、より確実にユーザの判断力が回復した段階で改めてクーポンの利用を検討してもらうことができる。
【0027】
例えば、配信時点においてユーザの気分が落ち込んでいる場合には、配信時点ではクーポンを利用することができないが、ストレス解消のため次の日にはユーザの購買意欲が高まるとも推定できることから、クーポンの有効期間を次の日の10時から30分間に決定することができる。
【0028】
また、上記ではユーザの気分が落ち込んでいる場合に、クーポンの有効期間が比較的長い期間に決定された例について示したが、ユーザの気分が落ち込んでいる場合に、クーポンの有効期間を比較的短い期間(例えば、配信時点から30分以内)に決定してもよい。
【0029】
また、情報処理装置1は、ユーザの現在位置に応じてクーポンの有効期間を決定してもよい。例えば、情報処理装置1は、ユーザが会社にいる場合と、同じユーザが自宅にいる場合とでクーポンの有効期間を変更することができる。
【0030】
このように、実施形態では、ユーザの現在位置に応じてクーポンの有効期間を最適化することにより、ユーザに対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0031】
また、情報処理装置1は、ユーザの位置とクーポンを提供した店舗の所在地との位置関係に応じてクーポンの有効期間を決定してもよい。例えば、ユーザが店舗内や店舗に近い場所に位置している場合に、情報処理装置1は、クーポンの有効期間を比較的短い期間(例えば、配信時点から30分以内)に決定することができる。
【0032】
一方で、ユーザが店舗から遠い場所に位置している場合に、情報処理装置1は、ユーザが店舗内や店舗に近い場所に位置している場合よりも、クーポンの有効期間を長い期間(例えば、配信時点から1時間以内)に決定することができる。
【0033】
このように、実施形態では、ユーザの位置とクーポンを提供した店舗の所在地との位置関係に応じてクーポンの有効期間を最適化することにより、店舗の近くに位置するユーザと店舗から遠い場所に位置するユーザとのいずれに対してもクーポンの利用を促進させることができる。
【0034】
なお、クーポンを提供した店舗の所在地に関する情報は、あらかじめ情報処理装置1の記憶部12(
図3参照)に登録されていてもよいし、店舗端末3で設定されたクーポンに関する情報に付随して店舗端末3から情報処理装置1に送信されていてもよい。
【0035】
また、情報処理装置1は、ユーザの性別に応じてクーポンの有効期間を決定してもよい。例えば、ユーザが女性である場合には、ユーザが男性である場合に比べて外出するために必要となる時間が化粧等によって長くかかると推定することができる。
【0036】
そこで、ユーザが女性である場合に、情報処理装置1は、ユーザが男性である場合よりもクーポンの有効期間を長い期間に決定するとよい。このように、実施形態では、ユーザの性別に応じてクーポンの有効期間を最適化することにより、ユーザに対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0037】
また、上記の例においては、情報処理装置1等からユーザ端末2に配信されたクーポン(いわゆるプッシュクーポン)に対して有効期間が最適化された例について示したが、実施形態はプッシュクーポンに適用される場合に限られない。
【0038】
例えば、ユーザ端末2等を用いてユーザが自ら探した結果取得したクーポン(いわゆるウェブクーポン)の有効期間を最適化してもよい。なお、この場合、ユーザがかかるウェブクーポンを見つけたタイミングを基準にして、クーポンの有効期間を最適化するとよい。
【0039】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を参照して、実施形態に係る情報処理システム100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム100の構成の一例を示す説明図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1、ユーザ端末2、および店舗端末3を含む。
【0040】
情報処理装置1は、例えば、サーバであり、ユーザ端末2等からユーザのコンテキストに関する情報を取得し、店舗端末3からクーポンに関する情報を取得する。また、情報処理装置1は、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて、店舗端末3で設定されたクーポンの有効期間を決定する。
【0041】
ユーザ端末2は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型無線端末である。店舗端末3は、例えば、PCであり、店舗で取り扱う商品に対してクーポンの設定を行なうことができる。
【0042】
これら情報処理装置1とユーザ端末2と店舗端末3とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信や、WAN(Wide Area Network)通信、携帯電話通信等によってネットワーク(例えば、インターネット)Nを介して接続され、双方の間で各種情報の通信が可能である。
【0043】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を参照して、実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。なお、情報処理装置1は、かかる情報処理装置1を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0044】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末2や、店舗端末3との間で情報の送受信を行う。
【0045】
(記憶部12について)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部12は、ユーザ情報記憶部121と、モデル情報記憶部122とを有する。
【0046】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、ユーザ端末2等から取得したユーザのコンテキストに関する情報を記憶する。
図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す説明図である。
図4に示すように、ユーザ情報記憶部121には、ユーザIDと、年齢、性別、居住地、現在位置、位置するエリアの気象および気分等とが対応付けられて登録されている。
【0047】
ここで、ユーザIDとは、ユーザを識別するための識別子である。年齢とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの年齢を示す情報である。性別とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの性別を示す情報である。
【0048】
居住地とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの居住地を示す情報である。現在位置とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの現在位置を示す情報である。かかる現在位置は、例えば、対応付けられたユーザIDが示すユーザの所持するユーザ端末2等から取得することができる。
【0049】
位置するエリアの気象とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの位置する気象を示す情報である。かかる位置するエリアの気象には、ユーザの位置するエリアにおける現在の気象のほかに、かかるエリアにおける今後の気象等も含まれる。また、ユーザの位置する気象は、例えば、気象情報サービスを提供するサーバ等から取得することができる。
【0050】
気分とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの気分を示す情報である。かかる気分は、例えば、ユーザの検索行動や画面上のアクション、操作ログ等に基づいて取得することができる。
【0051】
なお、ユーザ情報記憶部121に含まれるユーザのコンテキストに関する情報は、ユーザを取り巻く環境等の種々の情報が含まれてもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121には、上記情報の他にイベント、株価、当日のニュース等、種々の情報が含まれてもよい。また、ユーザのコンテキストに関する情報は、あらかじめ登録されたものであってもよく、公知の種々の推定技術により推定されたものであってもよい。
【0052】
(モデル情報記憶部122について)
モデル情報記憶部122は、学習に関する情報を記憶する。例えば、モデル情報記憶部122は、後述する生成部132により生成されたモデル情報を記憶する。例えば、モデル情報記憶部122は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)等といった任意の分類器により実現される。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。また、RNNは、LSTM(Long short-term memory)等であってもよい。
【0053】
(制御部13について)
制御部13は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0054】
図3に示すように、制御部13は、取得部131と、生成部132と、決定部133と、配信部134とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0055】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザ端末2等からユーザのコンテキストに関する情報を取得する。そして、取得部131は、取得したユーザのコンテキストに関する情報をユーザ情報記憶部121に登録する。また、取得部131は、店舗端末3で設定されたクーポンに関する情報を店舗端末3から取得する。
【0056】
(生成部132について)
生成部132は、クーポンが配信されたユーザのコンテキストに関する情報と、当該ユーザに配信されたクーポンの有効期間と、当該クーポンの利用の有無とが対応付けられた情報により機械学習を実行し、ユーザのコンテキストに応じて最適化されたクーポンの有効期間についての学習モデルを生成する。生成部132は、生成した学習モデルの情報をモデル情報記憶部122に記憶する。
【0057】
例えば、生成部132は、クーポンが利用された場合を正解データとし、クーポンが利用されなかった場合を不正解データとして、学習モデルを生成することができる。また、生成部132は、クーポンがユーザに取得された場合を正解データとし、クーポンがユーザに取得されなかった場合を不正解データとして、学習モデルを生成してもよい。
【0058】
さらに、生成部132は、クーポンを受け取ったユーザの行動が日常より変化するとともに当該クーポンをユーザが利用した場合を正解データとし、クーポンを受け取ったユーザの行動が日常と変化しない場合、またはクーポンを受け取ったユーザの行動が日常より変化したが当該クーポンをユーザが利用しなかった場合を不正解データとして、学習モデルを生成してもよい。
【0059】
例えば、生成部132は、普段は喫茶店を利用しないユーザが、クーポンを提供した喫茶店に来訪してクーポンを利用した場合を正解データとすることができる。具体的には、生成部132は、ユーザの行動履歴が記憶されている記憶部12からかかるユーザの行動履歴を取得し、喫茶店を来訪したことを示す行動履歴が所定の頻度(例えば、1ヶ月に1回)より少ない場合に、かかるユーザが普段は喫茶店を利用しないと判定することができる。
【0060】
また、生成部132は、普段はカフェラテを購入しないユーザが、提供されたクーポンを利用してカフェラテを購入した場合を正解データとすることができる。さらに、生成部132は、普段は小サイズでコーヒーを購入するユーザが、提供されたクーポンを利用して大サイズのコーヒーを購入した場合を正解データとすることができる。
【0061】
このように、実施形態では、クーポンを受け取ったユーザの行動が日常より変化するとともに当該クーポンをユーザが利用した場合を正解データとすることによって、クーポンの有効期間をさらに最適化することができる。
【0062】
また、生成部132は、ユーザの気分が落ち込んでいる場合の各種情報を機械学習の対象外にするとよい。上述のように、ユーザの気分が落ち込んでいる場合には、かかるユーザの判断力が鈍っていると推定することができることから、このような状況でクーポンが利用された場合を正解データとすることは、むしろ妥当でない可能性がある。
【0063】
そこで、実施形態では、ユーザの気分が落ち込んでいる場合の各種情報を機械学習の対象外にすることによって、さらに妥当な学習モデルを生成することができる。
【0064】
(決定部133について)
決定部133は、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて、店舗端末3で設定されたクーポンの有効期間を決定する。例えば、決定部133は、モデル情報記憶部122に記憶された学習モデルの情報を用いて、取得部131で取得されたユーザのコンテキストに関する情報と、店舗端末3で設定されたクーポンに関する情報とを入力情報として学習モデルから、店舗端末3で設定されたクーポンの有効期間を決定することができる。
【0065】
また、決定部133は、例えば管理者が知恵などに基づいて設定したルールベースでクーポンの有効期間を決定してもよい。また、決定部133は、単なる統計処理で設定したif−thenルールでクーポンの有効期間を決定してもよい。さらに、決定部133は、上述の学習モデルやルールベース、if−thenルールと、例えば管理者が設定した戦略とを組み合わせてクーポンの有効期間を決定してもよい。
【0066】
(配信部134について)
配信部134は、決定部133で決定された有効期間で、店舗端末3において設定されたクーポンをユーザ端末2に配信する。
【0067】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置1の他の実施形態について説明する。
【0068】
〔4−1.別の端末からのコンテキストに関する情報の取得〕
上記した実施形態では、ユーザのコンテキストに関する情報を取得する端末と、有効期間が最適化されたクーポンを配信する端末とを同じユーザ端末2を用いた例について示した。しかしながら、ユーザのコンテキストに関する情報を取得する端末と、有効期間が最適化されたクーポンを配信する端末とは同じ端末に限られない。
【0069】
例えば、ユーザの検索行動や画面上のアクション、操作ログ等をユーザの使用するPC等から取得することによって、ユーザの気分をコンテキストに関する情報として取得する。そして、かかるコンテキストに関する情報に応じて、ユーザ端末2に有効期間が最適化されたクーポンを配信してもよい。
【0070】
〔4−2.情報処理装置によるクーポン対象商品の設定〕
上記した実施形態では、クーポン対象商品が店舗端末3で設定される例について示したが、クーポン対象商品を情報処理装置1が設定してもよい。この場合、情報処理装置1は、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて、クーポン対象商品を設定するとよい。例えば、情報処理装置1は、ユーザの気分がイライラしている場合には、お菓子などの甘い商品をクーポン対象商品として設定することができる。
【0071】
また、店舗端末3などを用いてクーポンに店舗側の配信条件が設定された場合に、かかる設定された配信条件に基づいて、情報処理装置1がクーポン対象商品を設定してもよい。例えば、クーポンの配信条件として所定の売上額や売上量が設定された場合に、かかる所定の売上額や売上量に達していない商品を情報処理装置1がクーポン対象商品として設定することができる。
【0072】
また、予めクーポンにカテゴリを付与し、配信条件として気象条件が設定された場合に、かかる気象条件およびカテゴリに基づいてクーポン対象商品を設定してもよい。例えば、配信条件として設定された温度より気温が低い場合に、情報処理装置1は、冷たい商品カテゴリに含まれるアイスコーヒーではなく、温かい商品カテゴリに含まれるホットコーヒーをクーポン対象商品として設定することができる。
【0073】
〔4−3.情報処理装置による有効場所の設定〕
上記した実施形態では、情報処理装置1がクーポンの有効期間を決定する例について示したが、情報処理装置1がクーポンの有効場所を決定してもよい。この場合、情報処理装置1は、ユーザのコンテキストに関する情報に応じて、クーポンの有効場所を決定するとよい。
【0074】
〔5.処理手順〕
次に、
図5を参照して、情報処理装置1の制御部13が実行する処理について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の制御部13が実行する処理を示すフローチャートである。
【0075】
図5に示すように、制御部13は、まず、ユーザ端末2等を介して、ユーザのコンテキストに関する情報を取得する(ステップS101)。そして、店舗端末3においてクーポン対象商品が設定された際に、制御部13は、かかる設定されたクーポンに関する情報を店舗端末3から取得する(ステップS102)。
【0076】
次に、制御部13は、ステップS101で取得されたユーザのコンテキストに関する情報に応じて、店舗端末3で設定されたクーポンの有効期間を決定する(ステップS103)。そして、制御部13は、かかる決定された有効期間でユーザ端末2にクーポンを配信し(ステップS104)、処理を終了する。
【0077】
〔6.ハードウェア構成〕
なお、実施形態における情報処理装置1は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ50によって実現される。
図6は、情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0078】
CPU51は、ROM53またはHDD54に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ50の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ50のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0079】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラム、および当該プログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス55は、通信部11に対応し、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU51へ送り、CPU51が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0080】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して出力装置へ出力する。
【0081】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0082】
例えば、コンピュータ50が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。また、HDD54には、記憶部12内のデータが記憶される。コンピュータ50のCPU51は、これらのプログラムを記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0083】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0085】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0086】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部131と、決定部133とを備える。取得部131は、ユーザのコンテキストに関する情報を取得する。決定部133は、取得部131によって取得されたコンテキストに関する情報に応じて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0087】
これにより、情報処理装置1は、ユーザに対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0088】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、取得部131は、ユーザが位置するエリアの気象をコンテキストに関する情報として取得する。
【0089】
これにより、情報処理装置1は、気温の高い場所にいるユーザ等に対してクーポンの利用を促進させることができる。
【0090】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、取得部131は、ユーザの気分をコンテキストに関する情報として取得する。
【0091】
これにより、情報処理装置1は、気分が落ち込んだユーザに対して、ユーザの判断力が回復した段階で改めてクーポンの利用を検討してもらうことができる。
【0092】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、ユーザの位置とコンテンツを提供した店舗の所在地との位置関係に応じてユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0093】
これにより、情報処理装置1は、店舗の近くに位置するユーザと店舗から遠い場所に位置するユーザとのいずれに対してもクーポンの利用を促進させることができる。
【0094】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、ユーザのコンテキストに関する情報と、当該ユーザに配信されたコンテンツの有効期間と、当該コンテンツの利用の有無とが対応付けられた情報により学習されたモデルに基づいて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0095】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0096】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、コンテンツが利用された場合の当該コンテンツの有効期間を正解データとして学習されたモデルに基づいて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0097】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0098】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、コンテンツを配信されたユーザの行動が日常より変化した場合の当該コンテンツの有効期間を正解データとして学習されたモデルに基づいて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0099】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0100】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、モデルと、あらかじめ設定された戦略とを組み合わせて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0101】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0102】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、あらかじめ設定されたルールベースに基づいて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0103】
これにより、情報処理装置1は、有効期間が最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0104】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、ルールベースと、あらかじめ設定された戦略とを組み合わせて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0105】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0106】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、統計処理で設定されたif−thenルールに基づいて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0107】
これにより、情報処理装置1は、有効期間が最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0108】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、if−thenルールと、あらかじめ設定された戦略とを組み合わせて、ユーザに配信するコンテンツの有効期間を決定する。
【0109】
これにより、情報処理装置1は、有効期間がさらに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0110】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、取得部131によって取得されたコンテキストに関する情報に応じて、ユーザに配信するコンテンツを決定する。
【0111】
これにより、情報処理装置1は、ユーザそれぞれに最適化されたクーポンをユーザに配信することができる。
【0112】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、決定部133は、予め設定された配信条件に基づいて、ユーザに配信するコンテンツを決定する。
【0113】
これにより、情報処理装置1は、店舗側等の事情に応じたクーポンをユーザに配信することができる。
【0114】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0115】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。