(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明にかかる差圧検出装置は、濾過装置、バルブ等に設けられており、高圧側と低圧側との圧力差である差圧を検出する。
【0016】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる差圧検出装置1が設けられた濾過装置100の概略を示す図である。濾過装置100は、油、水等の液体に含まれる塵埃等を、フィルタを用いて除去するものであり、例えば油圧アクチュエータを備える重機等の液圧回路に組み込まれている。なお、
図1では、一部、断面を示すハッチングを省略する。
【0017】
濾過装置100は、主として、ハウジング110と、フィルタエレメント120と、ヘッド130と、を有する。
【0018】
ハウジング110は、一端が略閉塞され、他端が開口する略有底円筒形状の部材である。ハウジング110の下端には、ドレン111が設けられる。なお、ドレン111は必須ではない。
【0019】
ハウジング110の開口部は、ヘッド130に取り付けられる。ハウジング110がヘッド130に取り付けられると、フィルタエレメント120がヘッド130の中央筒132(後に詳述)に取り付けられる。これにより、フィルタエレメント120がハウジング110の内部に収容される。
【0020】
フィルタエレメント120は、主として、内筒126と、濾材127と、濾材127の両端に設けられるプレート128、129と、を有する。内筒126は、両端に開口を有する略中空円筒形状の部材であり、耐腐食性の高い材料(例えば、樹脂や金属)を用いて形成される。
【0021】
濾材127は、径方向に厚みを有する略中空円筒形状である。濾材127は、合成樹脂や紙等を用いたシート状のろ紙をひだ折りにし、ひだ折りにしたろ紙の両端を連結して丸めることによって形成される。
【0022】
濾材127の一方の端(
図1における上側の端)にはプレート128が設けられ、他方の端(
図1における下側の端)にはプレート129が設けられる。プレート128及びプレート129は、有底略円筒形状の部材であり、耐腐食性の高い材料を用いて形成される。
【0023】
プレート128は、濾材127の上端に設けられる。プレート128には、ヘッド130の中央筒132(後に詳述)が挿入される。プレート128と中央筒132との間には、シール部材113(例えば、Oリング)が設けられる。シール部材113により、プレート128と中央筒132との間から液体が外部に漏れないようにシールされる。また、プレート128に内筒126が設けられているため、プレート128に中央筒132が挿入されると、内筒126の内部空間が中央筒132の内部空間と連通する。
【0024】
ヘッド130は、主として、本体131と、中央筒132と、流入路133と、流出路134と、取付穴135と、を有する。
【0025】
本体131は、略有底円筒形状の部材であり、耐腐食性の高い材料で形成される。本体131の開口端近傍の外周には、雄ねじ部131aが形成されている。雄ねじ部131aを、ハウジング110の内周に形成された雌ねじ部110aに螺合させると、ヘッド130にハウジング110が取り付けられる。
【0026】
ハウジング110とヘッド130との間には、シール部材112(例えば、Oリング)が設けられる。シール部材112により、ハウジング110とヘッド130との間から液体が外部に漏れないようにシールされる。
【0027】
中央筒132は、略円筒形状の部材であり、本体131に一体形成される。中央筒132は、本体131の底面略中央から、本体131の側面と同方向に突出している。中央筒132の外周面には、プレート128の中空部123aに挿入される凹部132aが形成される。
【0028】
流入路133及び流出路134は略管状である。本体131の側面と中央筒132とにより形成される空間(中央筒132の外部の空間)S1は、流入路133と連通する。また、中央筒132の内部の空間S2は、流出路134と連通する。
【0029】
流入路133を介して、作動油のうちの濾過すべき作動油L1が濾過装置100に供給される。作動油L1(
図1実線矢印参照)は、ハウジング110内に流入し、その後濾材127で濾過されて、内筒126の内部へ流出する。また、内筒126の内部へ流出した濾過後の作動油L2(
図1二点鎖線矢印参照)は、流出路134から濾過装置100の外部へ排出される。
【0030】
取付穴135は、本体131の底面近傍に形成される。取付穴135には、差圧検出装置1が設けられる。取付穴135の側面には、雌ねじ部135aが形成される。差圧検出装置1に形成された雄ねじ部16(
図2参照)を雌ねじ部135aに螺合すると、差圧検出装置1がヘッド130に取り付けられる。
【0031】
取付穴135と差圧検出装置1との間には、シール部材114、115(例えば、Oリング)が設けられる。シール部材114、115により、取付穴135と差圧検出装置1との間から液体が外部に漏れないようにシールされる。
【0032】
取付穴135の底部近傍は、流出路134、すなわち空間S2と連通する。差圧検出装置1は底面が開口しているため、空間S2は、差圧検出装置1内部の第1穴121(後に詳述)と連通する。
【0033】
また、取付穴135の雌ねじ部135aは、孔136を介して、空間S1と連通する。空間S1は、差圧検出装置1に形成された孔15(後に詳述)を介して、差圧検出装置1内部の第2穴122(後に詳述)と連通する。
【0034】
次に、差圧検出装置1について詳細に説明する。
図2は、差圧検出装置1の断面図である。
図2においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。
【0035】
差圧検出装置1は、主として、ケース10と、検出ユニット20と、スプール30と、磁石40と、弾性部材50と、を有する。
【0036】
ケース10は、略円筒形状であり、両端にそれぞれ穴11、摺動穴12が形成される。穴11、摺動穴12は、それぞれ略円筒形状である。
【0037】
穴11は、ケース10の端面13に開口する。穴11には、検出ユニット20が設けられる。穴11の内部には、雌ねじ部11aが形成される。
【0038】
検出ユニット20は、略円筒形状であり、周囲に雄ねじ部20aが形成される。雄ねじ部20aを雌ねじ部11aに螺合させることで、検出ユニット20が穴11の内部に、高さ(z方向の位置)が調整可能に設けられる。
【0039】
検出ユニット20の略中央には、磁界検出素子21が設けられている。磁界検出素子21は、磁石40により形成される磁界を検出する。磁界検出素子21は、リードスイッチ、ホール素子等を用いることができる。リードスイッチ及びホール素子はすでに公知であるため、説明を省略する。
【0040】
摺動穴12は、ケース10の他方の端面14に開口する。摺動穴12は、主として、第1穴121と、第2穴122と、を有する。第1穴121及び第2穴122の中心軸は、中心軸Aと略一致する。第2穴122は、第1穴121の先端(摺動穴12の奥側)に形成される。
【0041】
第2穴122の側面には、孔15が開口する。孔15は、ケース10を径方向に貫通しており、両端が第2穴122の側面及びケース10の外周面に開口している。ケース10の外周面は空間S1に面しているため、孔15を介して第2穴122と空間S1とが連通する。
【0042】
摺動穴12の内部には、スプール30、磁石40及び弾性部材50が設けられている。スプール30は、摺動穴12の内部を摺動穴12の中心軸Aに沿って移動可能に設けられている。
【0043】
スプール30は、主として、磁石40が設けられた第1スプール31と、第1スプール31よりも端面14側に設けられた第2スプール32と、を有する。磁石40が設けられた状態において、第1スプール31は第2スプール32より軽い。本実施の形態では、第1スプール31が略2g〜略4gであり、第2スプール32が略5g〜略10gである。
【0044】
第1スプール31は、略円筒形状であり、直径が小さい第1円筒部31aと、直径が大きい第2円筒部31bと、を有する。第1円筒部31aは、第2円筒部31bよりも底面123側に位置しており、第2穴122の内部に挿入されている。第1円筒部31aの先端(底面123側)には、磁石40が設けられている。
【0045】
第1スプール31が摺動穴12の内部に設けられると、磁石40は、摺動穴12の底面と対向する。そのため、摺動穴12の底面123を挟んで磁石40と磁界検出素子21とが対向する。
【0046】
第2スプール32は、主として、略円板形状の板状部32aと、略円筒形状の円筒部32bと、を有する。円筒部32bは、底面123に向けて突出している。円筒部32bの直径は第1穴121の内径と略同一であり、円筒部32bは第1穴121の内部を摺動する。
【0047】
第2円筒部31bは、円筒部32bの内部に設けられており、円筒部32bの内周面に沿って摺動する。
【0048】
スプール30(第1スプール31及び第2スプール32)は、摺動穴12を2つの空間、ここでは、第2穴122と第1スプール31及び第2スプール32とにより形成される高圧側の空間Hと、第1穴121と第2スプール32とにより形成される低圧側の空間Lと、に分割する。言い換えれば、第1スプール31は高圧側の空間Hに面して設けられており、第2スプール32は低圧側の空間Lに面して設けられている。
【0049】
高圧側の空間は、孔15を介して空間S1に連通する(
図1参照)。また、低圧側の空間は、第2穴122の開口部を介して、取付穴135及び流出路134、すなわち空間S2に連通する(
図1参照)。
【0050】
弾性部材50は、第1スプール31を高圧側の空間Hに向けて(ここでは、底面123に向けて)付勢する第1弾性部材51と、第2スプール32を高圧側の空間Hに向けて付勢する第2弾性部材52と、を有する。第1弾性部材51と第2弾性部材52とは直列に配置されている。
【0051】
第1弾性部材51の付勢力は、第2弾性部材52の付勢力より小さい。本実施の形態では、第1弾性部材51及び第2弾性部材52は、コイルばねであり、第1弾性部材51のばね定数は、第2弾性部材52のばね定数より小さい。また、第1弾性部材51の線径は、第2弾性部材52の線径より細い。
【0052】
第1弾性部材51は、一方の端が第1スプール31に設けられ、他方の端が第2スプール32に設けられている。第1弾性部材51は、第1スプール31と第2スプール32との間で変形する。
【0053】
第2弾性部材52は、一方の端が第2スプール32に設けられ、他方の端がスプリング受け41に設けられている。第2弾性部材52は、第2スプール32とスプリング受け41との間で変形する。スプリング受け41は、摺動穴12に固定されており、第2弾性部材52の他方の端は、スプリング受け41を介してケース10に設けられている。
【0054】
次に、差圧検出装置1の作用について説明する。高圧側の圧力が低い場合には、弾性部材50の付勢力により、スプール30は高圧側(底面123側)に押されており、
図2に示すようにスプール30が最も底面123に近い位置にある。このとき、第1スプール31及び第2スプール32は、第1穴121と第2穴122との間の平面124に当接している。
【0055】
濾材127の目詰まり等により空間S1の圧力が高くなってくると、弾性部材50の付勢力に抗して、スプール30が低圧側(端面14側)に移動する。本実施の形態では、第1スプール31(磁石40を含む)が第2スプール32より軽く、第1弾性部材51の付勢力が第2弾性部材52の付勢力より小さいため、まず第1スプール31が端面14側に移動し、次に第2スプール32が端面14側に移動する。
【0056】
図3は、第1スプール31が第1弾性部材51の付勢力に抗して端面14側に移動した状態を示す図である。
図3においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。本実施の形態では、差圧が略53kPaより小さい場合には、第1スプール31のみが端面14側に移動する。第1スプール31は、
図3に示すように、第2円筒部31bの端面31cが第2スプール32のストッパ32cに当接するまで、円筒部32bの内部を端面14側に移動する。
【0057】
その後、さらに空間S1の圧力が高くなってくる(本実施の形態では、差圧が略53kPa以上)と、第2弾性部材52の付勢力に抗して、第1スプール31及び第2スプール32が端面14側に移動する。
図4は、第2弾性部材52の付勢力に抗して、第1スプール31及び第2スプール32が端面14側に移動した様子を示す図である。
図4においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。端面31cがストッパ32cに当接しているため、第1スプール31及び第2スプール32が一緒に端面14側に移動する。
【0058】
本実施の形態によれば、スプール30を第1スプール31と第2スプール32とに分け、第1スプール31を軽量化し、第1弾性部材51の付勢力を弱くすることで、差圧測定範囲を広げることができる。
【0059】
例えば、差圧検出装置1が建設機械の内部に設けられている場合には、建設機械に最大10G程度の加速度がかかるため、差圧検出装置1が誤動作しないように、10G程度の加速度がかかってもスプール30が動かない程度の力で弾性部材50がスプールを付勢する必要がある。
【0060】
例えば、スプール及び弾性部材がそれぞれ1つずつ設けられた従来の差圧検出装置では、スプールの重さが略10gであるとすると、誤動作防止のために、略100gの力を弾性部材がスプールを付勢する必要がある。例えば、スプールの受圧面積が1cm
2のときには、最低測定差圧は10kPa(100g/1cm
2=10kPa)となり、低差圧時には差圧の測定が困難になる。
【0061】
それに対し、本実施の形態では、スプール30を第1スプール31と第2スプール32とに分け、第1スプール31を軽量化するため、低差圧時にも差圧の測定が可能である。例えば、第1スプール31が略3gのときには、誤動作防止のために、第1弾性部材51は略30gの力を第1スプール31に付勢すればよい。また、スプールの受圧面積が1cm
2のときには、最低測定差圧は3kPa(30g/1cm
2=3kPa)となり、低差圧時にも差圧の測定が可能である。
【0062】
また、本実施の形態によれば、第1スプール31を第2スプール32の内部に設けることで、第1スプール31をより小型化かつ軽量化し、差圧が小さい場合であっても精度よく差圧を測定することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、弾性部材50(第1弾性部材51及び第2弾性部材52)はコイルばねであるが、第1弾性部材51が第1スプール31を底面123に向けて付勢し、第2弾性部材52が第2スプール32を底面123に向けて付勢するのであれば、弾性部材はコイルばねに限られない。例えば、弾性部材にダイアフラムを使用しても良い。
【0064】
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態にかかる差圧検出装置2について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
図5は、差圧検出装置2の断面図である。
図5においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。差圧検出装置2は、主として、ケース10と、検出ユニット20と、スプール30Aと、磁石40と、弾性部材50Aと、を有する。
【0066】
スプール30Aは、主として、磁石40が設けられた第1スプール31Aと、第1スプール31よりも端面14側に設けられた第2スプール32Aと、を有する。
【0067】
第1スプール31Aは、略円筒形状であり、直径が小さい第1円筒部31dと、直径が大きい第2円筒部31eと、を有する。第1円筒部31dは、第2円筒部31eよりも底面123側に位置しており、第2穴122の内部に挿入されている。第1円筒部31dの先端(底面123側)には、磁石40が設けられている。第2円筒部31eの直径は第1穴121の内径と略同一であり、第2円筒部31eは第1穴121の内部を摺動する。
【0068】
第2スプール32Aは、略円板形状の部材である。円筒部32bの直径は、第1穴121の内径と略同一であり、第1穴121の内部を摺動する。
【0069】
スプール30A(第1スプール31A及び第2スプール32A)は、摺動穴12を2つの空間、ここでは、第2穴122と第1スプール31Aにより形成される高圧側の空間Hと、第1穴121と第2スプール32Aとにより形成される低圧側の空間Lと、に分割する。言い換えれば、第1スプール31Aは高圧側の空間Hに面して設けられており、第2スプール32Aは低圧側の空間Lに面して設けられている。
【0070】
弾性部材50Aは、第1スプール31Aを高圧側の空間Hに向けて付勢する第1弾性部材51Aと、第2スプール32Aを高圧側の空間Hに向けて付勢する第2弾性部材52Aと、を有する。第1弾性部材51Aと第2弾性部材52Aとは直列に配置されている。第1弾性部材51Aの付勢力は、第2弾性部材52Aの付勢力より小さい。
【0071】
第1弾性部材51Aは、一方の端が第1スプール31Aに設けられ、他方の端が第2スプール32Aに設けられている。第1弾性部材51Aは、第1スプール31Aと第2スプール32Aとの間で変形する。
【0072】
第2弾性部材52Aは、一方の端が第2スプール32Aに設けられ、他方の端がスプリング受け41Aに設けられている。第2弾性部材52Aは、第2スプール32Aとスプリング受け41Aとの間で変形する。なお、スプリング受け41とスプリング受け41Aとは形状が異なる。
【0073】
次に、差圧検出装置2の作用について説明する。高圧側の圧力が低い場合には、弾性部材50Aの付勢力により、スプール30Aは高圧側の空間Hに向けて押されており、
図5に示すようにスプール30Aが最も底面123に近い位置にある。このとき、第1スプール31Aは、平面124に当接している。
【0074】
第1弾性部材51Aの付勢力が第2弾性部材52Aの付勢力より小さいため、空間S1の圧力が高くなってくると、まず第1スプール31Aが端面14側に移動し、次に第2スプール32Aが端面14側に移動する。
【0075】
第1スプール31Aは、第2円筒部31eの端面31fが第2スプール32の面32gに当接するまで、第2穴122の内部を端面14側に移動する。その後、さらに空間S1の圧力が高くなってくると、第2弾性部材52Aの付勢力に抗して、第1スプール31A及び第2スプール32Aが一緒に端面14側に移動する。
【0076】
本実施の形態によれば、第2円筒部31eの直径が第1穴121の内径と略同一であるため、第1スプール31Aの受圧面積を大きくすることができる。例えば、第1スプール31A(磁石40を含む)が略3gであるときに、スプールの受圧面積が1cm
2だとすると、最低測定差圧は3kPa(30g/1cm
2=3kPa)であるが、スプールの受圧面積が2cm
2だとすると、最低測定差圧は1.5kPa(30g/2cm
2=1.5kPa)と低くなる。このように、スプール30Aを2つに分けて第1スプール31Aを軽くし、かつ、第1スプール31Aの受圧面積を大きくすることで、差圧測定範囲を広げ、より低差圧の測定が可能になる。
【0077】
<第3の実施の形態>
以下、第3の実施の形態にかかる差圧検出装置3について説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
図6は、差圧検出装置3の断面図である。
図6においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。差圧検出装置3は、主として、ケース10と、検出ユニット20と、スプール30Bと、磁石40と、弾性部材50Bと、を有する。
【0079】
スプール30Bは、主として、磁石40が設けられた第1スプール31Bと、第1スプール31よりも端面14側に設けられた第2スプール32Bと、を有する。磁石40が設けられた状態において、第1スプール31Bは第2スプール32Bより軽い。
【0080】
第1スプール31Bは、略円筒形状であり、直径が小さい第1円筒部31dと、直径が大きい第2円筒部31eと、突出部31gと、を有する。突出部31gは、第1円筒部31dの端面14側の面に設けられており、端面14側に向けて突出する。
【0081】
第2スプール32Bは、略円筒形状であり、直径が大きい第1円筒部32dと、直径が小さい第2円筒部32eと、第1円筒部32dと第2円筒部32eとの間に設けられた板状部32fと、を有する。第2円筒部32e及び板状部32fの直径は、第1穴121の内径と略同一であり、第1穴121の内部を摺動する。第1円筒部32dは、板状部32fの底面123側の面32gに設けられており、底面123に向けて突出する。
【0082】
スプール30B(第1スプール31B及び第2スプール32B)は、摺動穴12を2つの空間、ここでは、第2穴122と第1スプール31Bにより形成される高圧側の空間Hと、第1穴121と第2スプール32Bとにより形成される低圧側の空間Lと、に分割する。言い換えれば、第1スプール31Bは高圧側の空間Hに面して設けられており、第2スプール32Bは低圧側の空間Lに面して設けられている。
【0083】
弾性部材50Bは、第1スプール31Bを高圧側の空間Hに向けて付勢する第1弾性部材51Bと、第2スプール32Bを高圧側の空間Hに向けて付勢する第2弾性部材52Bと、を有する。第1弾性部材51Bと第2弾性部材52Bとは直列に配置されている。第1弾性部材51Bの付勢力は、第2弾性部材52Bの付勢力より小さい。
【0084】
第1弾性部材51Bは、一方の端が第1スプール31Bに設けられ、他方の端が第2スプール32Bに設けられている。第1弾性部材51は、第1スプール31Bと第2スプール32Bとの間で変形する。
【0085】
第2弾性部材52Bは、一方の端が第2スプール32Bに設けられ、他方の端がスプリング受け41Aに設けられている。第2弾性部材52は、第2スプール32Bとスプリング受け41Aとの間で変形する。
【0086】
次に、差圧検出装置3の作用について説明する。高圧側の圧力が低い場合には、弾性部材50Bの付勢力により、スプール30Bは高圧側の空間Hに向けて押されており、
図6に示すようにスプール30Bが最も底面123に近い位置にある。このとき、第1スプール31Bは、平面124に当接している。
【0087】
第1スプール31B(磁石40を含む)が第2スプール32Bより軽く、第1弾性部材51Bの付勢力が第2弾性部材52Bの付勢力より小さいため、空間S1の圧力が高くなると、まず第1スプール31Bが端面14側に移動し、次に第2スプール32Bが端面14側に移動する。
【0088】
第1スプール31Bは、第2円筒部31eの端面31fが第2スプール32の面32gに当接するまで、第2穴122の内部を端面14側に移動する。このとき、突出部31gが第2スプール32Bに形成された孔32mを覆う。その後、さらに空間S1の圧力が、高くなると第2弾性部材52Bの付勢力に抗して、第1スプール31B及び第2スプール32Bが一緒に端面14側に移動する。
【0089】
本実施の形態によれば、第2円筒部31eの直径が第1穴121の内径と略同一であるため、第1スプール31Bの受圧面積を大きくし、差圧測定範囲を広げ、特に低差圧時に差圧を測定することができる。また、本実施の形態によれば、第1スプール31B及び第2スプール32Bが端面14側に移動するときに、突出部31gが第2スプール32Bに形成された孔32mを覆うため、第2穴122内を第1スプール31B及び第2スプール32Bが滑らかに移動できる。
【0090】
<第4の実施の形態>
以下、第4の実施の形態にかかる差圧検出装置4について説明する。なお、第1の実施の形態〜第2の実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0091】
図7は、差圧検出装置4の断面図である。
図7においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。差圧検出装置4は、主として、ケース10と、検出ユニット20と、スプール30Cと、磁石40と、弾性部材50Cと、を有する。
【0092】
スプール30Cは、主として、磁石40が設けられた第1スプール31Cと、第1スプール31よりも端面14側に設けられた第2スプール32Cと、を有する。磁石40が設けられた状態において、第1スプール31Cは第2スプール32Cより軽い。
【0093】
第1スプール31Cは、略円筒形状であり、直径が小さい第1円筒部31hと、直径が大きい第2円筒部31iと、第1円筒部31hと第2円筒部31iとの間に設けられた板状部31jと、を有する。板状部31jの直径は、第1穴121の内径と略同一である。
【0094】
第2スプール32Bは、略円筒形状であり、直径が大きい第1円筒部32hと、直径が小さい第2円筒部32iと、第1円筒部32hと第2円筒部32iとの間に設けられた板状部32jと、を有する。第1円筒部32h及び板状部32jの直径は、第1穴121の内径と略同一であり、第1穴121の内部を摺動する。第2円筒部32iは、板状部32jの底面123側の面に設けられており、底面123に向けて突出する。第2円筒部31iは、第2円筒部32iの外側を摺動する。
【0095】
スプール30C(第1スプール31C及び第2スプール32C)は、摺動穴12を2つの空間、ここでは、第2穴122と第1スプール31Cにより形成される高圧側の空間Hと、第1穴121と第2スプール32Cとにより形成される低圧側の空間Lと、に分割する。言い換えれば、第1スプール31Cは高圧側の空間Hに面して設けられており、第2スプール32Cは低圧側の空間Lに面して設けられている。
【0096】
弾性部材50Cは、第1スプール31Cを高圧側の空間Hに向けて付勢する第1弾性部材51Cと、第2スプール32Cを高圧側の空間Hに向けて付勢する第2弾性部材52Cと、を有する。第1弾性部材51Cと第2弾性部材52Cとは直列に配置されている。第1弾性部材51Cの付勢力は、第2弾性部材52Cの付勢力より小さい。
【0097】
第1弾性部材51Cは、一方の端が第1スプール31Cに設けられ、他方の端が第2スプール32Cに設けられている。第1弾性部材51Cは、第1スプール31Cと第2スプール32Cとの間で変形する。
【0098】
第2弾性部材52Cは、一方の端が第2スプール32Cに設けられ、他方の端がスプリング受け41Bに設けられている。第2弾性部材52は、第2スプール32Cとスプリング受け41Bとの間で変形する。なお、スプリング受け41とスプリング受け41Bとは形状が異なる。
【0099】
次に、差圧検出装置4の作用について説明する。高圧側の圧力が低い場合には、弾性部材50Bの付勢力により、スプール30Cは高圧側の空間Hに向けて押されており、
図7に示すようにスプール30Cが最も底面123に近い位置にある。このとき、第1スプール31Bは、平面124に当接している。
【0100】
第1スプール31C(磁石40を含む)が第2スプール32Cより軽く、第1弾性部材51Cの付勢力が第2弾性部材52Cの付勢力より小さいため、空間S1の圧力が高くなると、まず第1スプール31Cが端面14側に移動し、次に第2スプール32Cが端面14側に移動する。
【0101】
第1スプール31Cは、端面31kが第2スプール32の面32kに当接するまで、第2穴122の内部を端面14側に移動する。このとき、板状部31jが第2スプール32Cに形成された孔32nを覆う。その後、さらに空間S1の圧力が高くなると、第2弾性部材52Bの付勢力に抗して、第1スプール31B及び第2スプール32Bが一緒に端面14側に移動する。
【0102】
本実施の形態によれば、第1スプール31Cの受圧面積を大きくし、差圧測定範囲を広げ、特に低差圧時に差圧を測定することができる。また、本実施の形態によれば、第1スプール31C及び第2スプール32Cが端面14側に移動するときに、板状部31jが第2スプール32Bに形成された孔32nを覆うため、第2穴122内を第1スプール31C及び第2スプール32Cが滑らかに移動できる。
【0103】
<第5の実施の形態>
以下、第5の実施の形態にかかる差圧検出装置5について説明する。差圧検出装置5は、差圧検出装置1〜4と異なり、スプール及び弾性部材をそれぞれ3つ有する形態である。なお、第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0104】
図8は、差圧検出装置5の断面図である。
図8においては、複数の部品について断面を示すハッチングを省略する。差圧検出装置5は、主として、ケース10Aと、検出ユニット20と、スプール30Dと、磁石40と、弾性部材50Dと、を有する。
【0105】
ケース10とケース10Aとは長さが異なり、摺動穴12と摺動穴12Aとは深さが異なり、第1穴121と第1穴121Aとは深さが異なる。
【0106】
スプール30Dは、主として、磁石40が設けられた第1スプール31Aと、第1スプール31Aよりも端面14側に設けられた第2スプール32Aと、第2スプール32Aよりも端面14側に設けられた第3スプール33と、を有する。
【0107】
第3スプール33は、略円板形状の部材である。第3スプール33の直径は、第1穴121Aの内径と略同一であり、第1穴121Aの内部を摺動する。
【0108】
スプール30A(第1スプール31A、第2スプール32A及び第3スプール33)は、摺動穴12Aを3つの空間、ここでは、第2穴122と第1スプール31Aにより形成される高圧側の空間Hと、第1穴121と第2スプール32Aとにより形成される中間の空間M1、M2、第1穴121と第3スプール33とにより形成される低圧側の空間Lと、に分割する。第3スプール33は、中間の空間M1、M2に面して設けられている。
【0109】
弾性部材50Dは、第1スプール31Aを底面123に向けて付勢する第1弾性部材51Aと、第2スプール32Aを底面123に向けて付勢する第2弾性部材52Aと、第3スプール33を底面123に向けて付勢する第3弾性部材53と、を有する。第1弾性部材51Aと第2弾性部材52Aと第3弾性部材53とは直列に配置されている。第1弾性部材51Aの付勢力は第2弾性部材52Aの付勢力より小さく、第2弾性部材52Aの付勢力は第3弾性部材53の付勢力より小さい。
【0110】
第2弾性部材52Aは、一方の端が第2スプール32Aに設けられ、他方の端が第3スプール33に設けられている。第2弾性部材52Aは、第2スプール32Aと第3スプール33との間で変形する。
【0111】
第3弾性部材53は、一方の端が第3スプール33に設けられ、他方の端がスプリング受け41Aに設けられている。第3弾性部材53は、第3スプール33とスプリング受け41Aとの間で変形する。
【0112】
次に、差圧検出装置5の作用について説明する。高圧側の圧力が低い場合には、弾性部材50Aの付勢力により、スプール30Aは底面123側に押されている。
図8に示すように、第1スプール31Aは、平面124に当接しており、最も底面123に近い位置にある。
【0113】
空間S1の圧力が高くなると、まず第1スプール31Aが端面14側に移動し、次に第2スプール32Aが端面14側に移動する。その後、さらに空間S1の圧力が高くなると、第3弾性部材53の付勢力に抗して、第1スプール31A、第2スプール32A及び第3スプール33が一緒に端面14側に移動する。
【0114】
本実施の形態によれば、スプール30D及び弾性部材50Dをさらに多段階にすることができる。これにより、差圧測定範囲をより広げることができる。例えば、第1スプール31Aをより軽量化し、第1弾性部材51Aの付勢力をより小さくすることで、低差圧時に差圧を精度よく測定することができる。
【0115】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。当業者であれば、実施形態の各要素を、適宜、変更、追加、変換等することが可能である。
【0116】
例えば、上記第1〜第5実施の形態では、差圧検出装置1〜5を濾過装置100に設けたが、差圧検出装置が設けられるのは濾過装置に限られない。
図9は、差圧検出装置1を、油圧回路101における圧力コントロールバルブ141に設けた形態を示す模式図である。
図9における矢印は、油の流れる方向を示す。油圧回路101では、ポンプ143によりアクチュエータ102に油を流してアクチュエータ142を駆動するが、アクチュエータ142に過大な圧力が印加されないように圧力コントロールバルブ141が設けられている。また、圧力コントロールバルブ141は、アクチュエータ142が油を使用しないときに油をタンク144に戻している。この圧力コントロールバルブ141に差圧検出装置1を設け、高圧側の空間Hと低圧側の空間Lとの差圧を検出することで、アクチュエータ142に印加されている圧力を監視することができる。例えば、ポンプ143の劣化等により油圧が低下したり、圧力コントロールバルブ141の故障により油圧が低下又は上昇したりすることを監視したりすることができる。
【0117】
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行とは、厳密に平行の場合には限られず、例えば数度程度の誤差を含む概念である。また、例えば、単に平行、直交、一致等と表現する場合において、厳密に平行、直交、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、Aの近傍という場合に、Aの近くのある範囲の領域であって、Aを含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。