【課題を解決するための手段】
【0007】
抗FOLR1抗体及びその抗原結合断片ならびにFOLR1を検出する方法、FOLR1が介在する疾患及び障害(たとえば、癌)を診断する方法、抗FOLR1療法の有効性をモニターする方法、抗FOLR1療法を最適化する方法、及び患者を階層化する方法がすべて本明細書で提供される。
【0008】
本明細書で提供される抗FOLR1抗体は診断の役割を有することができる。たとえば、腫瘍と非腫瘍細胞または非腫瘍組織の間を区別する、または腫瘍の型、亜型または等級を特定する抗FOLR1抗体が本明細書で提供される。一実施形態では、本明細書で提供される抗FOLR1抗体及び/または本明細書で提供されるFOLR1検出アッセイを用いて本明細書で記載されるような腺癌及び扁平上皮細胞癌を含む非小細胞肺癌(NSCLC)の亜型間を区別することができる。別の実施形態では、本明細書で提供される抗FOLR1抗体及び/または本明細書で提供されるFOLR1検出アッセイを用いて癌の種類、たとえば、肉腫を除外する(たとえば、細胞または組織が癌の一種ではないことを決定する)ことができる。
【0009】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合断片はFOLR1のエピトープに特異的に結合することができ、その際、該エピトープは少なくとも1つ、少なくとも2つまたは3つのN−グリコシル化アミノ酸を含む。グリコシル化は膜の局在に決定的に重要であり得る。たとえば、Yanら,J.Am.Soc.Nephol.13:1385−1389(2002)を参照のこと。有利なことに、本明細書の抗体及び抗原結合断片は細胞膜上でのFOLR1の発現を検出することができ、且つFOLR1の臨床的に関連するダイナミック・レンジを検出することができる。本明細書で提供される抗体及び抗原結合断片によって得られるさらに慎重な染色によって、異なるFOLR1エピトープに結合し、十分な特異性を欠き、十分な感度を欠く抗体を用いて高い発現レベル(3のスコアを持つ)としてすべて一緒にグループ化された試料間での識別が可能になる。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合断片は、(a)配列番号27のポリペプチドと配列番号28のポリペプチドを含む抗体;(b)配列番号29のポリペプチドと配列番号30のポリペプチドを含む抗体;(c)配列番号31のポリペプチドと配列番号32のポリペプチドを含む抗体;(d)配列番号62のポリペプチドと配列番号63または配列番号64のポリペプチドを含む抗体;及び(e)配列番号65のポリペプチドと配列番号66または配列番号67のポリペプチドを含む抗体から成る群から選択される抗体と同一のFOLR1エピトープに特異的に結合することができる。一部の実施形態では、エピトープはN−グリコシル化アミノ酸を含む。
【0011】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合断片はFOLR1に特異的に結合することができ、その際、前記抗体またはその断片は、(a)配列番号27のポリペプチドと配列番号28のポリペプチドを含む抗体;(b)配列番号29のポリペプチドと配列番号30のポリペプチドを含む抗体;(c)配列番号31のポリペプチドと配列番号32のポリペプチドを含む抗体;(d)配列番号62のポリペプチドと配列番号63または配列番号64のポリペプチドを含む抗体;及び(e)配列番号65のポリペプチドと配列番号66または配列番号67のポリペプチドを含む抗体から成る群から選択される抗体のFOLR1への結合を競合して阻害する。
【0012】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、(a)それぞれ配列番号3〜8;(b)それぞれ配列番号9〜14;(c)それぞれ配列番号15〜20;(d)それぞれ配列番号21〜26;(e)それぞれ配列番号3〜5と配列番号59、7及び8;(f)それぞれ配列番号3、60及び5と配列番号6〜8;(g)それぞれ配列番号3、61及び5と配列番号6〜8;(h)それぞれ配列番号3、60及び5と配列番号59、7及び8;並びに(i)それぞれ配列番号3、61及び5と配列番号59、7及び8から成る群から選択されるVHのCDR1〜3とVLのCDR1〜3のポリペプチド配列を含む。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合断片は、FOLR1に特異的に結合することができ、その際、抗体またはその断片は、(a)それぞれ配列番号3〜8;(b)それぞれ配列番号9〜14;(c)それぞれ配列番号15〜20;(d)それぞれ配列番号21〜26;(e)それぞれ配列番号3〜5と配列番号59、7、及び8;(f)それぞれ配列番号:3、60、及び5と配列番号6〜8;(g)それぞれ配列番号:3、61及び5と配列番号6〜8;(h)それぞれ配列番号3、60及び5と配列番号59、7及び8;(i)それぞれ配列番号3、61及び5と配列番号59、7、及び8;並びに(j)1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含む(a)〜(i)の変異体から成る群から選択されるVHのCDR1〜3とVLのCDR1〜3のポリペプチド配列を含む。
【0014】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、(a)配列番号27と配列番号28;(b)配列番号29と配列番号30;(c)配列番号31と配列番号32;(d)配列番号62と配列番号63または配列番号64;(e)配列番号65と配列番号66または配列番号67;(f)配列番号68と配列番号69から成る群から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチド配列は(a)配列番号27と配列番号28;(b)配列番号29と配列番号30;(c)配列番号31と配列番号32;(d)配列番号62と配列番号63または配列番号64;(e)配列番号:65と配列番号66または配列番号67;(f)配列番号68と配列番号69から成る群から選択される配列のアミノ酸を含む、アミノ酸から本質的に成る、またはアミノ酸から成る。
【0015】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合断片はFOLR1に特異的に結合することができ、その際、抗体またはその断片はそれぞれ配列番号51、配列番号52または53、及び配列番号54のアミノ酸を含むCDR1、CDR2及びCDR3領域を含むヒト化重鎖可変領域と、それぞれ配列番号48、配列番号49、及び配列番号50のアミノ酸を含むCDR1、CDR2及びCDR3領域を含むヒト化軽鎖可変領域と、マウス定常領域とを含む。一部の実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は配列番号45のアミノ酸を含み、ヒト化軽鎖可変領域は配列番号47のアミノ酸を含む。
【0016】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、組換えで作出される。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、マウス、非ヒト、ヒト化、キメラ、表面再構成またはヒト抗体である。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、ヒトFOLR1に結合し、FOLR2またはFOLR3には結合しない。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は完全長の抗体である。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、抗原結合断片である。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、単鎖Fv若しくはscFv、ジスルフィド結合Fv、V−NARドメイン、IgNar、細胞内発現抗体、IgGΔCH2、ミニ抗体、F(ab’)3、四価抗体、三価抗体、二重特異性抗体、単ドメイン抗体、DVD−Ig、Fcab、mAb2、(scFv)2、またはscFv−Fcを含む、それらから本質的に成る、またはそれらから成る。
【0017】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるポリペプチドはFOLR1に特異的に結合することができ、その際、ポリペプチドは、(a)それぞれ配列番号3〜8;(b)それぞれ配列番号9〜14;(c)それぞれ配列番号15〜20;(d)それぞれ配列番号21〜26;(e)それぞれ配列番号3〜5と配列番号59、7、及び8;(f)それぞれ配列番号:3、60、及び5と配列番号6〜8;(g)それぞれ配列番号:3、61及び5と配列番号6〜8;(h)それぞれ配列番号3、60及び5と配列番号59、7及び8;(i)それぞれ配列番号3、61及び5と配列番号59、7、及び8;並びに(j)1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含む(a)〜(i)の変異体から成る群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、(a)配列番号27と配列番号28;(b)配列番号29と配列番号30;(c)配列番号31と配列番号32;(d)配列番号62と配列番号63または配列番号64;(e)配列番号65と配列番号66または配列番号67;及び(f)配列番号68と配列番号69から成る群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、(a)配列番号27と配列番号28;(b)配列番号29と配列番号30;(c)配列番号31と配列番号32;(d)配列番号62と配列番号63または配列番号64;(e)配列番号65と配列番号66または配列番号67;または(f)配列番号68と配列番号69のアミノ酸を含む。
【0018】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片、またはポリペプチドは、約0.5〜約10nMのKdでFOLR1に結合する。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片、またはポリペプチドは、約1.0nMまたはそれより良好なKdでFOLR1に結合する。一部の実施形態では、結合親和性はフローサイトメトリー、Biacore、ELISAまたは放射性免疫アッセイによって測定される。
【0019】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片、またはポリペプチドは、N−グリコシル化アミノ酸を含むFOLR1のエピトープに結合する。
【0020】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片、またはポリペプチドは検出可能に標識される。
【0021】
一部の実施形態では、本明細書で提供される細胞は抗体またはその抗原結合断片、またはポリペプチドを産生する。一部の実施形態では、細胞は単離される。
【0022】
抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドを作製する方法も提供される。該方法は、(a)本明細書で提供される細胞を培養することと、(b)培養した細胞から抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドを単離することとを含む。
【0023】
抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドを含む組成物も提供される。一部の実施形態では、組成物は、抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドと、FACS緩衝液、IHC緩衝液、及びELISA緩衝液から成る群から選択される緩衝液とを含む。
【0024】
抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドを使用する方法も提供される。
【0025】
一部の実施形態では、試料にてFOLR1の発現を検出する方法は試料を本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物に接触させることを含む。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は検出可能に標識される。一部の実施形態では、標識は、免疫蛍光標識、化学発光標識、リン光性標識、酵素標識、放射性標識、アビジン/ビオチン、コロイド状金粒子、着色粒子及び磁気粒子から成る群から選択される。一部の実施形態では、FOLR1の発現は放射性免疫アッセイ、ウエスタンブロットアッセイ、サイトメトリー、免疫蛍光アッセイ、酵素免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、化学発光アッセイまたは免疫組織化学アッセイによって測定される。一部の実施形態では、サイトメトリーはフローサイトメトリーである、一部の実施形態では、FOLR1の発現はIHCによって測定される。
【0026】
一部の実施形態では、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による癌治療法の有効性を高める方法は、癌を有する対象に該活性作用物質を投与することを含み、その際、FOLR1の増加した発現は、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて対象に由来する癌性試料にて検出されている。
【0027】
一部の実施形態では、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性がある癌を特定する方法は、(a)癌に由来する細胞を含む生体試料を本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物に接触させることと;(b)(a)の生体試料にて抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドのFOLR1への結合を検出することと;(c)ステップ(b)の結合にスコアを割り当て、その際、スコアは1以上の参照試料との比較に基づいて割り当てられることと、(d)ステップ(c)におけるスコアを参照組織または細胞のスコアと比較することとを含み、その際、正常な若しくは低いFOLR1を発現する参照試料のスコアより大きい癌のFOLR1レベルについてのスコア、または高いFOLR1を発現する参照試料のスコアに等しいまたはそれよりも高い癌のFOLR1レベルについてのスコアが、癌が抗FOLR1抗体に応答する可能性があることを特定する。
【0028】
一部の実施形態では、癌を有する患者を治療する方法は、(a)患者から得た癌性試料におけるFOLR1発現の検出からFOLR1発現のスコアを決定することであって、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて行われる、決定することと、(b)スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む。
【0029】
一部の実施形態では、癌を有する患者を治療する方法は、(a)患者から得た癌性試料におけるFOLR1発現の検出からFOLR1発現のスコアを決定することであって、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて行われる、決定することと、(b)スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与するようにヘルスケア提供者を指導することとを含む。
【0030】
一部の実施形態では、癌を有する患者を治療する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いたFOLR1発現の検出からFOLR1発現のスコアを決定するために癌を有する患者から採取した癌性試料を提出することと、(b)スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む。
【0031】
一部の実施形態では、癌を有する患者を治療する方法は、(a)患者から得た癌性試料にてFOLR1の発現を検出することであって、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて行われる、検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1の発現スコアを決定することと、(c)スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む。
【0032】
一部の実施形態では、癌を有する患者を治療する方法は、(a)抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の固定用量を患者に投与することと、(b)参照試料におけるFOLR1のレベルと比べた患者のFOLR1のレベルを検出することであって、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて行われる、検出することと、(c)患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、その後の固定用量の量または回数を増やすこととを含む。
【0033】
一部の実施形態では、癌を有する対象のために抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療計画を最適化する方法は、(a)対象におけるFOLR1の増加した発現が本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて検出されている癌を有する対象に高い用量の抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を投与することと、(b)対象におけるFOLR1の低い発現が検出されている癌を有する対象に低下させた用量の活性作用物質を投与することとを含む。
【0034】
一部の実施形態では、癌を有する対象のために抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療計画を最適化する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて対象に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1発現のスコアを決定することと、(c)スコアが低いのであれば、高い用量の抗FOLR1抗体またはその抗原結合を含む活性作用物質を投与すること、またはスコアが高いのであれば、低下させた用量の活性作用物質を投与することとを含む。
【0035】
一部の実施形態では、癌患者にてFOLR1を発現する癌細胞を減らす方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、参照試料におけるFOLR1のレベルに比べた患者から採取した癌性試料にてFOLR1のレベルを検出することと、(b)参照試料に比べて患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合を含む、固定用量の活性作用物質を患者に投与することとを含み、その際、活性作用物質の投与は患者にてFOLR1を発現する細胞の数を減らす。一部の実施形態では、患者にて癌を治療する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、参照試料におけるFOLR1のレベルに比べた患者から採取した癌性試料にてFOLR1のレベルを検出することと、(b)参照試料に比べて患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合を含む、固定用量の活性作用物質を患者に投与することとを含み、その際、活性作用物質の投与はFOLR1を発現する腫瘍のサイズを減らし、またはCA125のレベルを低下させる。
【0036】
一部の実施形態では、癌患者にてFOLR1を発現する癌細胞を減らす方法は、(a)癌を有する患者に抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、固定用量の活性作用物質を投与することと、(b)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、参照試料におけるFOLR1のレベルに比べた患者のFOLR1のレベルを検出することと、(c)参照試料に比べて患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、その後の固定用量の量または回数を増やすこととを含み、その際、活性作用物質の投与は患者にてFOLR1を発現する癌細胞の数を減らす。一部の実施形態では、患者にて癌を治療する方法は、(a)癌を有する患者に抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、固定用量の活性作用物質を投与することと、(b)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、参照試料におけるFOLR1のレベルに比べた患者のFOLR1のレベルを検出することと、(c)参照試料に比べて患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、その後の固定用量の量または回数を増やすこととを含み、その際、活性作用物質の投与はFOLR1を発現する腫瘍のサイズを減らす、またはCA125のレベルを低下させる。
【0037】
一部の実施形態では、患者において抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、固定用量の活性作用物質の治療上の有効性をモニターする方法は、(a)癌を有する患者に由来する生体試料にて本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて第1のFOLR1のレベルを検出することと、(b)抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、固定用量の活性作用物質を患者に投与することと、(c)活性作用物質投与の後の患者に由来する生体試料にて第2のFOLR1のレベルを検出し、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて行われることと、(d)第1のFOLR1のレベルと第2のFOLR1のレベルを比較することとを含み、第1のFOLR1のレベルと第2のFOLR1のレベルとの間での低下は治療上の有効性を示す。
【0038】
一部の実施形態では、低用量の抗FOLR1治療計画に応答する可能性がある癌を有する対象を特定する方法は、(a)癌に由来する細胞を含む生体試料を本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物に接触させることと、(b)(a)の生体試料への抗体、抗原結合断片、またはポリペプチドの結合を検出することと、(c)ステップ(b)の結合にスコアを割り当て、その際、スコアは1以上の参照試料との比較に基づいて割り当てられることと、(d)ステップ(c)におけるスコアを参照組織または参照細胞のスコアと比較することとを含み、その際、正常な若しくは低いFOLR1を発現する参照試料のスコアよりも大きい癌のFOLR1レベルについてのスコア、または高いFOLR1を発現する参照試料のスコアと同等である若しくはそれより大きい癌のFOLR1レベルについてのスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。
【0039】
一部の実施形態では、癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出することであって、その際、検出は1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現する癌性試料にて染色強度または染色均一性を区別する方法の使用を含む、検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料におけるFOLR1タンパク質の発現を測定することによって決定される相対値とステップ(b)で決定されたFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性ではない組織、細胞または細胞ペレット試料であり、相対値より高い、ステップ(b)で決定された癌性試料についてのFOLR1の染色強度スコアは、癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。
【0040】
一部の実施形態では、癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出することであって、その際、検出は、1以上の参照試料における膜FOLR1に比べてFOLR1を発現する癌性試料にて膜FOLR1を特異的に染色する方法の使用を含む、検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料にてFOLR1を測定することによって決定された相対値に対してステップ(b)にて決定されたFOLR1のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性ではない組織、細胞または細胞ペレット試料であり、相対値よりも高いステップ(b)で決定された癌性試料についてのFOLR1スコアは癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。
【0041】
一部の実施形態では、癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出することであって、その際、検出は1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現する癌性試料にて染色強度または染色均一性を区別する方法の使用を含む、検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料におけるFOLR1タンパク質の発現を測定することによって決定される相対値とステップ(b)で決定されたFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性である組織、細胞または細胞ペレット試料であり、相対値より高いまたはそれに等しいステップ(b)で決定された癌性試料についてのFOLR1の染色強度スコアは癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。
【0042】
一部の実施形態では、癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出することであって、その際、検出は、1以上の参照試料における膜FOLR1に比べてFOLR1を発現する癌性試料にて膜FOLR1を特異的に染色する方法の使用を含む、検出することと、(b)癌性試料についてFOLR1のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料にてFOLR1を測定することによって決定された相対値に対してステップ(b)にて決定されたFOLR1のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性である組織、細胞または細胞ペレット試料であり、相対値よりも高いまたはそれに等しいステップ(b)で決定された癌性試料についてのFOLR1スコアは癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。
【0043】
一部の実施形態では、方法はさらに、癌性試料または生体試料が得られた対象に、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を投与することとを含む。
【0044】
一部の実施形態では、患者のFOLR1のレベルは患者から得られる癌性試料または生体試料にて検出される。一部の実施形態では、癌性試料または生体試料は体液、細胞または組織の試料である。一部の実施形態では、細胞は循環している腫瘍細胞である。一部の実施形態では、体液は血液、腹水、尿、血漿、血清または末梢血である。
【0045】
一部の実施形態では、FOLR1は膜に局在するFOLR1である。
【0046】
一部の実施形態では、FOLR1は脱落したFOLR1である。
【0047】
一部の実施形態では、検出は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による。
【0048】
一部の実施形態では、検出は免疫組織化学法(IHC)による。一部の実施形態では、IHCはFOLR1発現の異なるレベルを区別することができる較正されたIHCである。一部の実施形態では、IHCは、FOLR1の低い細胞表面発現、FOLR1の中程度の細胞表面発現またはFOLR1の高い細胞表面発現を有する試料について様々な染色強度を生じる。一部の実施形態では、IHCは、参照試料と比べてFOLR1を発現する癌性試料または生体試料における染色強度と染色均一性の間を区別する。一部の実施形態では、IHCは膜FOLR1を検出する。一部の実施形態では、IHCは手動で実施される。一部の実施形態では、IHCは自動化システムを用いて実施される。
【0049】
一部の実施形態では、FOLR1のスコアはIHCから決定される。
【0050】
一部の実施形態では、少なくとも1のスコアはFOLR1の増加した発現を示し、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。
【0051】
一部の実施形態では、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌、または卵巣癌である。
【0052】
一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも75のHスコアは卵巣癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアはNSCLCが抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは子宮内膜癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一実施形態では、HスコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0053】
一部の実施形態では、少なくとも3の強度を伴う卵巣腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、卵巣癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴うNSCLC試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、NSCLCが抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴う子宮内膜腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、子宮内膜癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する。一実施形態では、発現スコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0054】
一部の実施形態では、少なくとも1のスコアは、FOLR1の増加した発現と、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうこととを示す。一部の実施形態では、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、癌は、肺癌、子宮内膜癌、または卵巣癌である。
【0055】
一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも75のHスコアは、卵巣癌の患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、NSCLCの患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、子宮内膜癌の患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一実施形態では、HスコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0056】
一部の実施形態では、少なくとも3の強度を伴う卵巣腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴うNSCLC試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴う子宮内膜腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一実施形態では、発現スコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0057】
一部の実施形態では、少なくとも1のスコアはFOLR1の増加した発現を示す。一部の実施形態では、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、低下させた用量の活性作用物質が投与されるべきであることを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、低下させた用量の活性作用物質が投与されるべきであることを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌、または卵巣癌である。
【0058】
一部の実施形態では、少なくとも1のスコアはFOLR1の増加した発現を示す。一部の実施形態では、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が低い用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が低い用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌、または卵巣癌である。
【0059】
一部の実施形態では、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌、または卵巣癌である。
【0060】
一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも75のHスコアは、卵巣癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、NSCLCが抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも50のHスコアは、子宮内膜癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一実施形態では、H−スコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0061】
一部の実施形態では、少なくとも3の強度を伴う卵巣腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴うNSCLC試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2の強度を伴う子宮内膜腫瘍試料における少なくとも25%のFOLR1の膜発現は、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一実施形態では、発現スコアはFOLR1−2.1抗体を用いて決定される。
【0062】
一部の実施形態では、参照試料は陽性の参照試料または陰性の参照試料である。一部の実施形態では、参照試料は細胞、細胞のペレットまたは組織を含む。
【0063】
一部の実施形態では、抗体、その抗原結合断片、またはポリペプチドは、酵素、蛍光団、放射性標識及び発光団から成る群から選択される検出試薬を含む。一部の実施形態では、検出試薬は、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、トリチウム及びローダミンから成る群から選択される。
【0064】
一部の実施形態では、癌はFOLR1陽性の癌である。一部の実施形態では、癌は、卵巣癌、脳腫瘍、乳癌、子宮癌、子宮内膜癌、膵臓癌、腎臓癌及び肺癌から成る群から選択される。一部の実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌または細気管支肺胞上皮癌である。一部の実施形態では、卵巣癌は上皮性卵巣癌である。一部の実施形態では、卵巣癌は、白金耐性、再発性または難治性である。
【0065】
一部の実施形態では、FOLR1の発現は少なくとも1つの追加の抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて検出される。一部の実施形態では、FOLR1の発現は、2つの抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて測定される。一部の実施形態では、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片が固相支持体に結合される。一部の実施形態では、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片がマイクロタイタープレートに結合される。
【0066】
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の抗体またはその抗原結合断片は検出試薬を含む。一部の実施形態では、検出試薬は、発色性検出試薬、蛍光性検出試薬、酵素検出試薬または電気化学発光検出試薬である。一部の実施形態では、検出試薬は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である。
【0067】
一部の実施形態では、ELISAはサンドイッチELISAである。
【0068】
一部の実施形態では、活性作用物質はFOLR1抗体huMov19を含む。一部の実施形態では、活性作用物質は、FOLR1抗体huMov19(配列番号45の重鎖可変領域と配列番号47の軽鎖可変領域を含む)と、メイタンシノイドDM4と、切断可能なスルホ−SPDBリンカーを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)である。
【0069】
一部の実施形態では、FOLR1抗体huMov19とメイタンシノイドDM4とスルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)による治療に癌が応答する可能性があることを特定する方法は、IHCアッセイにて配列番号27のアミノ酸を含む重鎖と配列番号28のアミノ酸を含む軽鎖を含む抗体を用いてFOLR1を測定することを含み、その際、少なくとも2ヘテロのスコアは癌が治療に応答する可能性があることを示す。
【0070】
一部の実施形態では、癌がFOLR1抗体huMov19とメイタンシノイドDM4とスルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)による治療に応答することが可能であることを特定する方法は、IHCアッセイにて配列番号27のアミノ酸を含む重鎖と配列番号28のアミノ酸を含む軽鎖を含む抗体を用いてFOLR1を測定することを含み、その際、少なくとも1のスコアは癌が治療に応答する可能性があることを示す。
【0071】
一部の実施形態では、本明細書で提供される製造物品は、本明細書で記載される抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む治療用活性作用物質と、容器と、FOLR1の増加した発現を特徴とする癌を治療するのに該活性作用物質を使用することができることを示す添付文書またはラベルとを含む。本明細書で提供される製造物品は、本明細書で記載される抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む治療用活性作用物質と、容器と、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチド、または組成物を用いて測定される2または3のレベルでのFOLR1の発現を特徴とする癌を治療するのに該活性作用物質を使用することができることを示す添付文書またはラベルとを含む。一部の実施形態では、活性作用物質の抗FOLR1抗体は細胞毒素に結合される。一部の実施形態では、添付文書またはラベルは、少なくとも1のレベルでのFOLR1の発現を特徴とする癌を治療するのに活性作用物質を使用することができることを示す。一部の実施形態では、添付文書またはラベルは、少なくとも2、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のレベルでのFOLR1の発現を特徴とする癌を治療するのに活性作用物質を使用することができることを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。一部の実施形態では、添付文書またはラベルは、少なくとも3、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のレベルでのFOLR1の発現を特徴とする癌を治療するのに活性作用物質を使用することができることを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0072】
一部の実施形態では、本明細書で提供される併用診断医薬キットは、診断で使用するための本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチド、または組成物と、治療で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質とを含む。一部の実施形態では、検出抗体はIHCによってFOLR1の発現を検出することができる。一部の実施形態では、検出抗体はELISAによってFOLR1の発現を検出することができる。一部の実施形態では、活性作用物質における抗FOLR1抗体は細胞毒素に結合される。
【0073】
一部の実施形態では、本明細書で提供される診断用キットは、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドと、免疫組織化学法(IHC)のための試薬と、1以上の標準化された参照試料とを含み、その際、標準化された参照試料は、細胞、細胞ペレットまたはホルマリン固定され、パラフィン包埋された組織試料を含み、1以上の標準化された参照試料は、FOLR1を発現しない、低いFOLR1を発現するまたは高いFOLR1を発現する細胞、細胞ペレットまたは組織に由来する。
【0074】
一部の実施形態では、試料にて脱落したFOLR1を検出するための免疫アッセイキットは、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物と、(b)検出試薬とを含む。一部の実施形態では、キットはさらに捕捉試薬のための固相支持体を含む。一部の実施形態では、捕捉試薬は固相支持体に不動化される。一部の実施形態では、捕捉試薬はマイクロタイタープレートに被覆される。一部の実施形態では、検出試薬は第2のFOLR1抗体である。一部の実施形態では、検出試薬は、種特異的な抗体を用いて検出される。一部の実施形態では、キットはさらに検出試薬のための検出手段を含む。一部の実施形態では、検出手段は比色分析である。一部の実施形態では、キットはさらに抗原標準としてのFOLR1ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、FOLR1ポリペプチドは、FOLR1−Fcである。
【0075】
活性作用物質も本明細書で提供される。一部の実施形態では、活性作用物質は、癌を治療する方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含み、その際、前記活性作用物質は癌を有する対象に投与され、FOLR1の増加した発現は、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、前記対象から得られた癌性試料にて検出されている。
【0076】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)患者から得られた癌性試料におけるFOLR1発現の検出からFOLR1の発現スコアを決定し、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて実施されることと、(b)該スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0077】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)患者から得られた癌性試料におけるFOLR1発現の検出からFOLR1の発現スコアを決定し、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて実施されることと、(b)該スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与するようにヘルスケア提供者を指導することとを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0078】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いてFOLR1の発現の検出からFOLR1の発現スコアを決定するために癌を有する患者から得られた癌性試料を提出することと、(b)該スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0079】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)前記患者から得られた癌性試料にてFOLR1の発現を検出し、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて実施されることと、(b)前記癌性試料についてFOLR1の発現スコアを決定することと、(c)該スコアが患者は活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を患者に投与することとを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0080】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、固定用量の活性作用物質を患者に投与することと、(b)参照試料におけるFOLR1のレベルに比べた患者から得られた癌性試料におけるFOLR1の発現レベルを検出し、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて実施されることと、(c)患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、その後の固定用量の量または回数を増やすこととを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0081】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)癌を有する対象に由来する癌性試料におけるFOLR1の増加した発現が本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて検出されている前記対象に抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、高い用量の活性作用物質を投与すること、または(b)癌を有する対象に由来する癌性試料におけるFOLR1の低下した発現が検出されている前記対象に、低下させた用量の活性作用物質を投与することを含む、前記活性作用物質の治療計画を最適化するステップを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0082】
一部の実施形態では、活性作用物質は、(a)本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて前記対象に由来する癌性試料におけるFOLR1発現のレベルを検出することと、(b)前記癌性試料についてFOLR1発現のスコアを決定することと、(c)スコアが低ければ、抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む、高い用量の活性作用物質を対象に投与し、またはスコアが高ければ低下させた用量の活性作用物質を投与することとを含む、前記活性作用物質の治療計画を最適化するステップを含む、癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0083】
一部の実施形態では、活性作用物質は癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含み、その際、癌患者におけるFOLR1を発現する癌細胞は減少し、(a)患者から得られた癌性試料におけるFOLR1のレベルは、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて参照試料におけるFOLR1のレベルとそれを比較することによって検出され、且つ(b)患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、固定用量の活性作用物質が患者に投与され、活性作用物質の投与は患者におけるFOLR1発現癌細胞の数を低下させる。
【0084】
一部の実施形態では、活性作用物質は癌を治療する方法において使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含み、その際、癌患者におけるFOLR1を発現する癌細胞は減少し、(a)固定用量の活性作用物質が癌を有する患者に投与され、(b)患者から得られた癌性試料におけるFOLR1のレベルは、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、参照試料におけるFOLR1のレベルに比べて検出され、(c)参照試料に比べて患者のFOLR1のレベルが上昇しているのであれば、その後の固定用量の量または回数を増やし、活性作用物質の投与は患者におけるFOLR1発現癌細胞の数を低下させる。
【0085】
モニタリング方法及び診断方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片も本明細書で提供される。一部の実施形態では、患者における活性作用物質の固定用量の治療有効性のモニタリング方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片は、(a)癌を有する患者に由来する生体試料にて本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて、第1のFOLR1のレベルを検出することと、(b)固定用量の活性作用物質を患者に投与することと、(c)活性作用物質の投与に続いて患者に由来する生体試料にて第2のFOLR1のレベルを検出し、その際、検出は本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いて実施されることと、(d)第2のFOLR1のレベルを第1のFOLR1のレベルと比べることとを含み、その際、第1のFOLR1のレベルと第2のFOLR1のレベルとの間での低下は治療有効性を示す。
【0086】
一部の実施形態では、癌を有する対象が低用量の抗FOLR1治療計画に応答する可能性があるかどうかを診断する方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片は、(a)前記癌に由来する細胞を含む生体試料を本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物に接触させることと、(b)(a)の生体試料への前記抗体、抗原結合断片またはポリペプチドの結合を検出することと、(c)ステップ(b)の前記結合に対してスコアを割り当て、その際、前記スコアが1以上の参照試料との比較に基づいて割り当てられることと、(d)ステップ(c)の前記スコアを参照組織または参照細胞のスコアと比較することとを含み、その際、正常な若しくは低いFOLR1を発現する参照試料についてのスコアよりも大きい前記癌のFOLR1レベルについてのスコア、または高いFOLR1を発現する参照試料についてのスコアと等しい若しくはそれよりも大きい前記癌のFOLR1レベルについてのスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む低い用量の活性作用物質に応答する可能性のあることを特定する。
【0087】
一部の実施形態では、癌が抗FOLR1療法による治療に感受性であるかどうかを診断する方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片は、(a)前記癌に由来する癌性試料にて、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いてFOLR1の発現のレベルを検出し、その際、前記検出は、1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現する癌性試料における染色強度または染色均一性の間を区別する方法の使用を含むことと、(b)前記癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料にてFOLR1タンパク質発現を測定することによって決定された相対値に対してステップ(b)で決定されたFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性ではない組織、細胞、細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも高い、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1の染色強度スコアは、前記癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。
【0088】
一部の実施形態では、(a)前記癌に由来する癌性試料にて、本明細書で提供される抗体、その抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物を用いてFOLR1の発現のレベルを検出し、その際、前記検出は、1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現する癌性試料における染色強度または染色均一性の間を区別する方法の使用を含むことと、(b)前記癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、(c)少なくとも1つの参照試料にてFOLR1タンパク質発現を測定することによって決定された相対値に対してステップ(b)で決定されたFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを比較することとを含み、その際、少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性である組織、細胞、細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも高い、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1の染色強度スコアは、前記癌が活性作用物質による治療に感受性であることを特定する、癌が抗FOLR1療法による治療に感受性であるかどうかを診断する方法で使用するための抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片。
【0089】
一部の実施形態では、活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の使用はさらに、癌性試料または生体試料が得られた対象に抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を投与することを含む。
【0090】
一部の実施形態では、癌性試料または生体試料は体液、細胞または組織の試料である。一部の実施形態では、細胞は循環している腫瘍細胞である。一部の実施形態では、体液は血液、腹水、尿、血漿、血清または末梢血である。
【0091】
活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の一部の実施形態では、検出は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による及び/または免疫組織化学法(IHC)による。一部の実施形態では、IHCは異なるレベルのFOLR1の発現を区別することができる較正IHCである。一部の実施形態では、IHCは低いFOLR1の細胞表面発現、中程度のFOLR1の細胞表面発現または高いFOLR1の細胞表面発現を有する試料について様々な染色強度を生じる。一部の実施形態では、IHCは、参照試料と比べてFOLR1を発現している癌性試料または生体試料にて染色強度と染色均一性の間を区別する。一部の実施形態では、IHCは手動で実施される。一部の実施形態では、IHCは自動化されたシステムを用いて実施される。一部の実施形態では、FOLR1のスコアはIHCから決定される。一部の実施形態では、本明細書で記載される抗体またはその抗原結合断片によるIHCは高いFOLR1の発現を有する細胞、特に2以上の染色のレベルの範囲内であるものについて様々な染色を生じる。
【0092】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。
【0093】
一部の実施形態では、少なくとも3のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0094】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を投与から利益を得るであろうことを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0095】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、低下させた用量の活性作用物質が投与されるべきであることを示す。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは低下させた用量の活性作用物質が投与されるべきであることを示す。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0096】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌または子宮内膜癌である。
【0097】
一部の実施形態では、少なくとも3のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0098】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が低用量の抗FOLR1治療に応答する可能性があることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0099】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、または子宮内膜癌である。
【0100】
一部の実施形態では、少なくとも3のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも3ホモ(75%超の均一性)または少なくとも3ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0101】
一部の実施形態では、少なくとも2のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、少なくとも2ホモ(75%超の均一性)または少なくとも2ヘテロ(25〜75%の均一性)のスコアは、癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性であることを特定する。一部の実施形態では、癌は肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である。
【0102】
一部の実施形態では、参照試料は陽性の参照試料または陰性の参照試料である。一部の実施形態では、参照試料は細胞、細胞ペレットまたは組織を含む。
【0103】
本明細書で提供される使用のための活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体、抗原結合断片またはポリペプチドはさらに酵素、蛍光団、放射性標識及び発光団から成る群から選択される検出試薬を含む。一部の実施形態では、検出試薬はビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、トリチウム及びローダミンから成る群から選択される。
【0104】
本明細書で提供される使用のための活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の一部の実施形態では、癌はFOLR1陽性の癌である。一部の実施形態では、癌は、卵巣癌、脳腫瘍、乳癌、子宮癌、子宮内膜癌、膵臓癌、腎臓癌及び肺癌から成る群から選択される。一部の実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌または細気管支肺胞上皮癌である。一部の実施形態では、卵巣癌は上皮性卵巣癌である。一部の実施形態では、卵巣癌は、白金耐性、再発性または難治性である。
【0105】
本明細書で提供される使用のための活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の一部の実施形態では、FOLR1の発現は少なくとも1つの追加の抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて検出される。一部の実施形態では、FOLR1の発現は2つの抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて測定される。一部の実施形態では、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片が固相支持体に結合される。一部の実施形態では、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片がマイクロタイタープレートに結合される。一部の実施形態では、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片が検出試薬を含む。一部の実施形態では、検出試薬は、発色性検出試薬、蛍光性検出試薬、酵素性検出試薬、または電気化学発光検出試薬である。一部の実施形態では、検出試薬は西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である。一部の実施形態では、ELISAはサンドイッチELISAである。
【0106】
本明細書で提供される使用のための活性作用物質または抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片の一部の実施形態では、活性作用物質はFOLR1抗体huMov19を含むまたはFOLR1抗体huMov19である。一部の実施形態では、活性作用物質はさらにメイタンシノイドDM4と切断可能なスルホ−SPDBリンカーを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)として投与される。
【0107】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体、抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物は診断剤として使用するためのものである。
【0108】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体、抗原結合断片、ポリペプチドまたは組成物は、癌を患う患者にてそれを診断する方法において使用するためのものである。一部の実施形態では、癌は上昇したレベルのFOLR1に関連する。
【0109】
一部の実施形態では、抗体、抗原結合断片、またはポリペプチドの結合親和性は実施例3で得られる及び/または
図4、5及び/または6で示される結合親和性である。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
FOLR1のエピトープに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、前記エピトープが少なくとも1つの、少なくとも2つのまたは3つのN−グリコシル化されたアミノ酸を含む、前記抗体またはその抗原結合断片。
(項目2)
抗体またはその抗原結合断片であって、
(a)配列番号27のポリペプチドと配列番号28のポリペプチドを含む抗体;
(b)配列番号29のポリペプチドと配列番号30のポリペプチドを含む抗体;
(c)配列番号31のポリペプチドと配列番号32のポリペプチドを含む抗体;
(d)配列番号62のポリペプチドと配列番号63または配列番号64のポリペプチドを含む抗体;及び
(e)配列番号65のポリペプチドと配列番号66または配列番号67のポリペプチドを含む抗体から成る群から選択される抗体として同一のFOLR1エピトープに特異的に結合する、前記抗体またはその抗原結合断片。
(項目3)
前記エピトープがN−グリコシル化されたアミノ酸を含む項目2に記載の前記抗体または抗原結合断片。
(項目4)
FOLR1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体またはその抗原結合断片が
(a)配列番号27のポリペプチドと配列番号28のポリペプチドを含む抗体;
(b)配列番号29のポリペプチドと配列番号30のポリペプチドを含む抗体;
(c)配列番号31のポリペプチドと配列番号32のポリペプチドを含む抗体;
(d)配列番号62のポリペプチドと配列番号63または配列番号64のポリペプチドを含む抗体;及び
(e)配列番号65のポリペプチドと配列番号66または配列番号67のポリペプチドを含む抗体から成る群から選択される抗体のFOLR1への結合を競合して阻害する、前記抗体またはその抗原結合断片。
(項目5)
前記抗体またはその断片が、
(a)それぞれ配列番号3〜8;
(b)それぞれ配列番号9〜14;
(c)それぞれ配列番号15〜20;
(d)それぞれ配列番号21〜26;
(e)それぞれ配列番号3〜5と配列番号59、7、及び8;
(f)それぞれ配列番号3、60、及び5と配列番号6〜8;
(g)それぞれ配列番号3、61、及び5と配列番号6〜8;
(h)それぞれ配列番号3、60、及び5と配列番号59、7、及び8;並びに
(i)それぞれ配列番号3、61、及び5と配列番号:59、7、及び8から成る群から選択されるVHのCDR1〜3及びVLのCDR1〜3のポリペプチド配列を含む項目1〜4のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目6)
前記抗体またはその断片が、
(a)配列番号27及び配列番号28;
(b)配列番号29及び配列番号30;
(c)配列番号31及び配列番号32;
(d)配列番号62及び配列番号63または配列番号64;
(e)配列番号65及び配列番号66または配列番号67;
(f)配列番号68及び配列番号69から成る群から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、または少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を含む項目1〜5のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目7)
前記ポリペプチド配列が
(a)配列番号27及び配列番号28;
(b)配列番号29及び配列番号30;
(c)配列番号31及び配列番号32;
(d)配列番号62及び配列番号63または配列番号64;
(e)配列番号65及び配列番号66または配列番号67;
(f)配列番号68及び配列番号69から成る群から選択される配列のアミノ酸を含む項目6に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目8)
FOLR1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体またはその断片が、
それぞれ配列番号51、配列番号52または53及び配列番号54のアミノ酸を含むCDR1、CDR2及びCDR3の領域を含むヒト化重鎖可変領域と
それぞれ配列番号48、配列番号49及び配列番号50のアミノ酸を含むCDR1、CDR2及びCDR3の領域を含むヒト化軽鎖可変領域と
マウスの定常領域とを含む、前記抗体またはその抗原結合断片。
(項目9)
前記ヒト化重鎖可変領域が配列番号45のアミノ酸を含み、前記ヒト化軽鎖可変領域が配列番号47のアミノ酸を含む項目8に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目10)
前記抗体が組換えで作出される項目1〜9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目11)
前記抗体またはその抗原結合断片がマウス、非ヒト、ヒト化、キメラ、表面再構成、またはヒトのものである項目1〜10のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目12)
前記抗体またはその抗原結合断片が、ヒトのFOLR1に結合するが、FOLR2またはFOLR3には結合しない項目1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目13)
完全長の抗体である項目1〜12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目14)
抗原結合断片である項目1〜13のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
(項目15)
FOLR1に特異的に結合するポリペプチドであって、前記ポリペプチドが
(a)それぞれ配列番号3〜8;
(b)それぞれ配列番号9〜14;
(c)それぞれ配列番号15〜20;
(d)それぞれ配列番号21〜26;
(e)それぞれ配列番号3〜5と配列番号59、7、及び8;
(f)それぞれ配列番号3、60、及び5と配列番号6〜8;
(g)それぞれ配列番号3、61、及び5と配列番号6〜8;
(h)それぞれ配列番号3、60、及び5と配列番号59、7、及び8;
(i)それぞれ配列番号3、61、及び5と配列番号:59、7、及び8;並びに
(j)1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含む(a)〜(i)の変異体から成る群から選択される配列を含む、前記ポリペプチド。
(項目16)
前記ポリペプチドが、
(a)配列番号27及び配列番号28;
(b)配列番号29及び配列番号30;
(c)配列番号31及び配列番号32;
(d)配列番号62及び配列番号63または配列番号64;
(e)配列番号65及び配列番号66または配列番号67;及び
(f)配列番号68及び配列番号69から成る群から選択される配列に対して少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、または少なくとも99%同一である配列を含む項目20に記載のポリペプチド。
(項目17)
前記配列が、
(a)配列番号27及び配列番号28;
(b)配列番号29及び配列番号30;
(c)配列番号31及び配列番号32;
(d)配列番号62及び配列番号63または配列番号64;
(e)配列番号65及び配列番号66または配列番号67;及び
(f)配列番号68及び配列番号69から成る群から選択される配列のアミノ酸を含む項目16に記載のポリペプチド。
(項目18)
約0.5〜約10nMのKdでヒト葉酸受容体1に結合する項目1〜17のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチド。
(項目19)
約1.0nMまたはそれより良好なKdでヒト葉酸受容体1に結合する項目1〜18のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチド。
(項目20)
前記抗体、断片またはポリペプチドがN−グリコシル化されるアミノ酸を含むFOLR1のエピトープに結合する項目4〜7または10〜19のいずれか1項に記載の抗体またはその断片またはポリペプチド。
(項目21)
前記抗原、その抗原結合断片またはポリペプチドが検出可能に標識される項目1〜20のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチド。
(項目22)
項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドを産生する細胞。
(項目23)
項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドを作製する方法であって、(a)項目22に記載の細胞を培養することと、(b)前記培養された細胞から前記抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドを単離することとを含む、前記方法。
(項目24)
項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドとFACS緩衝液、IHC緩衝液及びELISA緩衝液から成る群から選択される緩衝液とを含む組成物。
(項目25)
試料におけるFOLR1の発現の検出方法であって、項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物に前記試料を接触させることを含む、前記検出方法。
(項目26)
前記抗体またはその抗原結合断片が検出可能に標識される項目25に記載の方法。
(項目27)
前記標識が、免疫蛍光標識、化学発光標識、リン発光標識、酵素標識、放射性標識、アビジン/ビオチン、コロイド状金粒子、着色粒子及び磁気粒子から成る群から選択される項目26に記載の方法。
(項目28)
FOLR1の発現が、放射性免疫アッセイ、ウエスタンブロットアッセイ、サイトメトリー、免疫蛍光アッセイ、酵素免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、化学発光アッセイ、または免疫組織化学アッセイによって測定される項目25〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記サイトメトリーがフローサイトメトリーである項目28に記載の方法。
(項目30)
FOLR1の発現がIHCによって測定される項目28に記載の方法。
(項目31)
抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による癌療法の有効性を高める方法であって、前記方法が癌を有する対象に前記活性作用物質を投与することを含み、項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて前記対象に由来する癌性試料にてFOLR1の増加した発現が検出されている、前記方法。
(項目32)
癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定する方法であって、前記方法が
(a)項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物に前記癌に由来する細胞を含む生体試料を接触させることと、
(b)(a)の前記生体試料にてFOLR1への前記抗体、抗体断片またはポリペプチドの結合を検出することと、
(c)ステップ(b)の前記結合にスコアを割り当て、前記スコアが1以上の参照試料との比較に基づいて割り当てられることと、
(d)ステップ(c)における前記スコアを参照組織または参照細胞のスコアと比較することとを含み、その際、正常なまたは低いFOLR1を発現している参照試料についてのスコアよりも大きい前記癌のFOLR1レベルについてのスコアまたは高いFOLR1を発現している参照試料についてのスコアと同等またはそれより大きい前記癌のFOLR1レベルについてのスコアは、前記癌が抗FOLR1抗体に応答する可能性があることを特定する、前記方法。
(項目33)
癌を有する患者を治療する方法であって、前記方法が
(a)前記患者から得た癌性試料におけるFOLR1発現の検出からFOLR1発現のスコアを決定し、前記検出が項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて行われることと、
(b)前記スコアが前記患者は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、前記患者に前記活性作用物質を投与することとを含む、前記方法。
(項目34)
癌を有する患者を治療する方法であって、前記方法が
(a)項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いたFOLR1発現の検出からFOLR1発現のスコアを決定するために癌を有する患者から採取した癌性試料を提出することと、
(b)前記スコアが前記患者は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、前記患者に前記活性作用物質を投与することとを含む、前記方法。
(項目35)
癌を有する患者を治療する方法であって、前記方法が
(a)前記患者から得られた癌性試料にてFOLR1の発現を検出し、その際、前記検出は項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて実施されることと、
(b)前記癌性試料についてのFOLR1発現のスコアを決定することと、
(c)前記スコアが前記患者は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示すのであれば、患者に前記活性作用物質を投与することとを含む、前記方法。
(項目36)
癌患者にてFOLR1を発現している癌細胞を減らす方法であって、
(a)項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用い、参照試料におけるFOLR1のレベルと比べて、患者から採取した癌性試料におけるFOLR1のレベルを検出することと、
(b)前記患者のFOLR1のレベルが前記参照試料に比べて上昇しているのであれば、固定用量の抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を前記患者に投与することとを含み、前記活性作用物質の前記投与は前記患者においてFOLR1を発現している癌細胞を減らす、前記方法。
(項目37)
癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法であって、前記方法が
(a)項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて、前記癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出し、その際、前記検出は、1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現している癌性試料における染色強度または染色均一性の間を区別する方法の使用を含むことと、
(b)前記癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、
(c)ステップ(b)で決定された前記FOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを少なくとも1つの参照試料にてFOLR1タンパク質の発現を測定することによって決定される相対値と比較することとを含み、その際、前記少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性ではない組織、細胞または細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも高い、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1の染色強度のスコアが前記癌が前記活性作用物質による治療に感受性であることを特定する、前記方法。
(項目38)
癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法であって、前記方法が
(a)1以上の参照試料における膜FOLR1に比べて、項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて、前記癌に由来する癌性試料にて膜FOLR1発現のレベルを検出することと、
(b)前記癌性試料についてFOLR1のスコアを決定することと、
(c)少なくとも1つの参照試料にて膜FOLR1を測定することによって決定される相対値とステップ(b)で決定された前記FOLR1のスコアを比較することとを含み、その際、前記少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性ではない組織、細胞または細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも高い、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1のスコアが前記癌が前記活性作用物質による治療に感受性であることを特定する、前記方法。
(項目39)
癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法であって、前記方法が
(a)項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて、前記癌に由来する癌性試料にてFOLR1発現のレベルを検出し、その際、前記検出は、1以上の参照試料における染色強度または染色均一性と比べてFOLR1を発現している癌性試料における染色強度または染色均一性の間を区別する方法の使用を含むことと、
(b)前記癌性試料についてFOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを決定することと、
(c)ステップ(b)で決定された前記FOLR1の染色強度または染色均一性のスコアを少なくとも1つの参照試料にてFOLR1タンパク質の発現を測定することによって決定される相対値と比較することとを含み、その際、前記少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性である組織、細胞または細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも大きいまたはそれと同等である、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1の染色強度のスコアは前記癌が前記活性作用物質による治療に感受性であることを特定する、前記方法。
(項目40)
癌が抗FOLR1活性作用物質による治療に感受性であることを特定する方法であって、前記方法が
(a)1以上の参照試料における膜FOLR1に比べて、項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドまたは項目24に記載の組成物を用いて、前記癌に由来する癌性試料にて膜FOLR1の発現のレベルを検出することと、
(b)前記癌性試料についてFOLR1のスコアを決定することと、
(c)少なくとも1つの参照試料にて膜FOLR1を測定することによって決定される相対値とステップ(b)で決定された前記FOLR1のスコアを比較することとを含み、その際、前記少なくとも1つの参照試料は抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質による治療に感受性である組織、細胞または細胞ペレットの試料であり、前記相対値よりも大きいまたはそれと同等である、ステップ(b)で決定された前記癌性試料についてのFOLR1のスコアは前記癌が前記活性作用物質による治療に感受性であることを特定する、前記方法。
(項目41)
前記癌性試料または生体試料が得られた前記対象に抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質を投与することをさらに含む項目32または37〜40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記癌性試料または生体試料が体液、細胞または組織の試料である項目31または33〜41のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
前記細胞が循環している腫瘍細胞である項目42に記載の方法。
(項目44)
前記体液が血液、腹水、尿、血漿、血清、または末梢血である項目42に記載の方法。(項目45)
前記FOLR1が膜FOLR1である項目25〜37、39及び41〜44のいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
前記FOLR1が脱落FOLR1である項目25〜36、41、42または44のいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
前記検出が酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による項目25〜28、31〜36または41〜46のいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
前記検出が免疫組織化学法(IHC)による項目25〜28または30〜42または45のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記IHCがFOLR1発現の異なるレベルを区別することができる較正IHCである項目48に記載の方法。
(項目50)
前記IHCが、低いFOLR1の細胞表面発現、中程度のFOLR1の細胞表面発現または高いFOLR1の細胞表面発現を有する試料について様々な染色強度を生じる項目48または49に記載の方法。
(項目51)
前記IHCが参照試料と比べて、FOLR1を発現している癌性試料または生体試料における染色強度及び染色均一性の間を区別する項目48〜50のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
前記IHCが手動で実施される項目48〜51のいずれか1項に記載の方法。
(項目53)
前記IHCが自動化されたシステムを用いて実施される項目48〜51のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
FOLR1のスコアが前記IHCから決定される項目48〜53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
少なくとも2のスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目56)
少なくとも2ホモのスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目57)
少なくとも2ヘテロのスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目58)
前記癌が肺癌または子宮内膜癌である項目55〜57のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
少なくとも3のスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目60)
少なくとも3ホモのスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目61)
少なくとも3ヘテロのスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目62)
前記癌が肺癌、子宮内膜癌または卵巣癌である項目59〜61のいずれか1項に記載の方法。
(項目63)
少なくとも50のHスコアが、前記癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目64)
前記癌が卵巣癌であり、少なくとも75のHスコアが、前記卵巣癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目63に記載の方法。
(項目65)
前記癌がNSCLCまたは子宮内膜癌であり、少なくとも50のHスコアが、前記NSCLCまたは子宮内膜癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目63に記載の方法。
(項目66)
前記癌が卵巣癌であり、少なくとも3の強度での少なくとも25%のFOLR1の膜発現が、前記卵巣癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目67)
前記癌がNSCLCまたは子宮内膜癌であり、少なくとも2の強度での少なくとも25%のFOLR1の膜発現が、前記NSCLCまたは子宮内膜癌が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質に応答する可能性があることを特定し、または前記患者が抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を含む活性作用物質の投与から利益を得るであろうことを示す項目54に記載の方法。
(項目68)
前記参照試料が陽性の参照試料または陰性の参照試料である項目32及び36〜67のいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
前記参照試料が細胞、細胞ペレットまたは組織を含む項目32及び36〜68のいずれか1項に記載の方法。
(項目70)
項目1〜21のいずれか1項に記載の抗体、その抗原結合断片またはポリペプチドがさらに、酵素、蛍光団、放射性標識及び発光団から成る群から選択される検出試薬を含む項目31〜69のいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
前記検出試薬が、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、トリチウム及びローダミンから成る群から選択される項目70に記載の方法。
(項目72)
前記癌がFOLR1陽性の癌である項目31〜71のいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
前記癌が、卵巣癌、脳腫瘍、乳癌、子宮癌、子宮内膜癌、膵臓癌、腎臓癌及び肺癌から成る群から選択される項目31〜72のいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
前記肺癌が、非小細胞肺癌または細気管支肺胞上皮癌である項目73に記載の方法。
(項目75)
前記卵巣癌が上皮性卵巣癌である項目73に記載の方法。
(項目76)
前記癌が、白金耐性である、再発性であるまたは難治性である項目75に記載の方法。
(項目77)
少なくとも1つの追加の抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて前記FOLR1の発現が検出される項目31〜76のいずれか1項に記載の方法。
(項目78)
2つの抗FOLR1抗体またはその抗原結合断片を用いて前記FOLR1の発現が検出される項目77に記載の方法。
(項目79)
少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片が固相支持体に結合される項目77または78に記載の方法。
(項目80)
少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片がマイクロタイタープレートに結合される項目77または78に記載の方法。
(項目81)
少なくとも1つの追加の抗体またはその抗原結合断片が検出剤を含む項目77〜80のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
前記検出剤が、発色性検出剤、蛍光性検出剤、酵素性検出剤、または電気化学発光性検出剤である項目81に記載の方法。
(項目83)
前記検出剤が、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である項目81または82に記載の方法。
(項目84)
前記ELISAがサンドイッチELISAである項目47に記載の方法。
(項目85)
前記活性作用物質がFOLR1抗体huMov19を含む項目31〜84のいずれか1項に記載の方法。
(項目86)
前記活性作用物質が、FOLR1抗体huMov19と、メイタンシノイドDM4と、切断可能なスルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)である項目85に記載の方法。
(項目87)
癌がFOLR1抗体huMov19と、メイタンシノイドDM4と、スルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)による治療に応答する可能性があることを特定する方法であって、前記方法がIHCアッセイにて配列番号27のアミノ酸を含む重鎖と配列番号28のアミノ酸を含む軽鎖とを含む抗体を用いてFOLR1を測定することを含み、少なくとも2ヘテロのスコアが前記癌は前記治療に応答する可能性があることを示す、前記方法。
(項目88)
癌がFOLR1抗体huMov19と、メイタンシノイドDM4と、スルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)による治療に応答する可能性があることを特定する方法であって、前記方法がIHCアッセイにて配列番号27のアミノ酸を含む重鎖と配列番号28のアミノ酸を含む軽鎖とを含む抗体を用いてFOLR1を測定することを含み、少なくとも50のHスコアが前記癌は前記治療に応答する可能性があることを示す、前記方法。
(項目89)
癌がFOLR1抗体huMov19と、メイタンシノイドDM4と、スルホ−SPDBリンカーとを含む抗体メイタンシノイド複合体(IMGN853)による治療に応答する可能性があることを特定する方法であって、前記方法がIHCアッセイにて配列番号27のアミノ酸を含む重鎖と配列番号28のアミノ酸を含む軽鎖とを含む抗体を用いてFOLR1を測定することを含み、少なくとも2の強度での少なくとも25%のFOLR1の膜発現が前記癌は前記治療に応答する可能性があることを示す、前記方法。