(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重合性モノマーが、アセタール、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー又はコポリマー、又はポリカーボネート/ABSアロイ、アルキド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、セルロース系、クマロン−インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、フルオロポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル系樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール系、ポリアミドイミド、ポリアリレート及びポリアリレートエーテルスルホン又はケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及びコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、スルフィド、エーテル、ポリプロピレン及びポリプロピレン−EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックス及び他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に伝導性のポリマー、フルオロポリマー、マレイミド、ナジイミド、又はイタコンイミド、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分である、請求項3に記載の配合物。
前記(メタ)アクリレートが、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート、及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の配合物。
前記エポキシが、ビスフェノールAに基づく液体型エポキシ樹脂、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ樹脂、ビスフェノールFに基づく液体型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂に基づく多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の配合物。
本明細書において使用が企図される前記シアネートエステルモノマーが、加熱により環化三量化して置換トリアジン環を形成する2個以上の環形成シアネート(−O−C≡N)基を含む、請求項4に記載の配合物。
前記有機マトリックスが、1又は複数の流動性添加剤、接着促進剤、レオロジー改質剤、強靭化剤、フラクシング剤、フィルム形成樹脂、フィルム軟化剤、エポキシ硬化触媒、硬化剤、及び/又はラジカル重合調節剤、並びにそれらの任意の2種以上の混合物をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の配合物。
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の混合物、ソルビタンエステル、脂肪酸エステル、オルガノシラン、又はそれらの任意の2種以上の混合物が、充填材表面処理に使用される、請求項20に記載の配合物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
発明の詳細な説明
本発明によれば、電気伝導性接着剤配合物であって、前記配合物は:
約5〜最大約50重量%の有機マトリックス、
約45〜最大約95重量%の粒子状充填材であって:
前記粒子状充填材の約5〜最大約100重量%は粒子状ニッケル又は粒子状ニッケル合金であり、そして
前記粒子状充填材の0〜最大約95重量%は粒子状伝導性非ニッケル含有充填材である、粒子状充填材、
任意選択で、存在する場合には約0.1〜最大約20重量%の範囲で存在する、硬化剤、並びに
任意選択で、それらのための反応性及び/又は非反応性の有機希釈剤
を含み、
前記配合物は、それを硬化すると、約10
−5〜最大約10オームcmの範囲の体積抵抗率を有する、配合物が提供される。
【0006】
本発明に係る配合物は、以下のうちの1又は複数によってさらに特徴付けることができる:
− 前記配合物の体積抵抗率が約10
−4〜最大約10オームcmの範囲に入り;いくつかの実施形態では、前記配合物の体積抵抗率が約10
−3〜最大約10オームcmの範囲に入り;いくつかの実施形態では、前記配合物の体積抵抗率が約10
−2〜最大約10オームcmの範囲に入ること;
− 前記配合物が、粒子状充填材の電気的特性に対する腐食の影響を最小限にするようなものであること、及び
− 前記配合物の熱膨張係数(CTE)が、それが塗布され得るシリコンウェハと高度に適合すること。
【0007】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の接着剤配合物の硬化アリコートによって第2の物品に永続的に接着された第1の物品を含むアセンブリが提供される。
【0008】
有機マトリックス
本明細書において使用が企図される有機マトリックスとしては、用いられ得る有機溶媒を含まない、少なくとも1種の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分が挙げられる。熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分は、組成物から調製された接着層(例えば、フィルム)の1又は複数の性能特性(例えばフィルム品質、粘着性、濡れ性、可撓性、可使時間、高温接着性、樹脂−充填材適合性、及び/又は硬化性など)を改善するために本明細書に記載の組成物中に提供される。加えて、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分は、本発明の組成物から調製された接着層(例えば、ペースト)の1又は複数の性能特性(例えばレオロジー、分配性、可使時間、及び硬化性など)を改善するために本明細書に記載の組成物中に提供される。
【0009】
熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分は、上に列挙した特性の1又は複数を組成物に付与することができる任意の樹脂であることができ、これらに限定されるものではないが、アセタール、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー又はコポリマー、又はポリカーボネート/ABSアロイ、アルキド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、セルロース系、クマロン−インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、フルオロポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル系樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール系、ポリアミドイミド、ポリアリレート及びポリアリレートエーテルスルホン又はケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及びコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、スルフィド、エーテル、ポリプロピレン及びポリプロピレン−EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックス及び他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に伝導性のポリマー、フルオロポリマー等、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0010】
本明細書において使用が企図されるマレイミド、ナジイミド、又はイタコンアミドは、それぞれ、以下の構造を有する:
【0011】
【化1】
(式中:
mは、1〜15であり、
pは、0〜15であり、
各R
2は、水素又は低級アルキル(例えば、C
1−5)から独立して選択され、そして
Jは、有機基又は有機シロキサン基、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせを含む一価又は多価の基である)。
【0012】
いくつかの実施形態において、Jは、以下から選択される一価又は多価の基である:
− 典型的には約6〜最大約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル種であって、該ヒドロカルビル種は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、又はアルキニルアリールから選択されるが、ただし、Xが2以上の異なる種の組み合わせを含む場合のみ、Xはアリールであることができる、ヒドロカルビル種;
− 典型的には約6〜最大約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン又は置換ヒドロカルビレン種であって、該ヒドロカルビレン種は、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、又はアルキニルアリーレンから選択される、ヒドロカルビレン種、
− 典型的には約6〜最大約500個の範囲の炭素原子を有する複素環又は置換複素環種、
− ポリシロキサン、又は
− ポリシロキサン−ポリウレタンブロックコポリマー、並びに、
以下から選択されるリンカーを有する、上記の1又は複数の組み合わせ:共有結合、−O−、−S−、−NR−、−NR−C(O)−、−NR−C(O)−O−、−NR−C(O)−NR−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR−、−O−S(O)
2−、−O−S(O)
2−O−、−O−S(O)
2−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−NR−C(O)−、−O−NR−C(O)−O−、−O−NR−C(O)−NR−、−NR−O−C(O)−、−NR−O−C(O)−O−、−NR−O−C(O)−NR−、−O−NR−C(S)−、−O−NR−C(S)−O−、−O−NR−C(S)−NR−、−NR−O−C(S)−、−NR−O−C(S)−O−、−NR−O−C(S)−NR−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR−、−NR−C(S)−、−NR−C(S)−O−、−NR−C(S)−NR−、−S−S(O)
2−、−S−S(O)
2−O−、−S−S(O)
2−NR−、−NR−O−S(O)−、−NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)
2−、−NR−O−S(O)
2−O−、−NR−O−S(O)
2−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)
2−O−、−O−NR−S(O)
2−NR−、−O−NR−S(O)
2−、−O−P(O)R
2−、−S−P(O)R
2−、又は−NR−P(O)R
2−(式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、又は置換アルキルである)。
【0013】
本明細書における使用が企図される例示的なマレイミド、ナジイミド、又はイタコンアミドとしては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)−ベンゼン等が挙げられる。
【0014】
本明細書においてエポキシ樹脂とも称される、本明細書において使用が企図される1又は複数のエポキシモノマー、オリゴマー、及びポリマーとしては、脂肪族主鎖、芳香族主鎖を有するエポキシ、変性エポキシ樹脂、又はこれらの混合物を挙げることができる。特定の実施形態では、1又は複数のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーには、官能化エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーが含まれる。エポキシ樹脂のエポキシ官能価は少なくとも1である。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は1である(すなわち、エポキシ樹脂は単官能性エポキシ樹脂である)。他の実施形態では、エポキシ樹脂は、少なくとも2又はそれ以上のエポキシ官能基(例えば、2、3、4、5又はそれ以上)を含む。
【0015】
本発明の実施における使用が企図されるエポキシ樹脂は、特定の分子量を有する樹脂に限定されない。例示的なエポキシ樹脂は約50以下〜最大約1,000,000の範囲の分子量を有することができる。特定の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂は、約200,000〜最大約900,000の範囲の分子量を有する。他の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂は、約10,000〜最大約200,000の範囲の分子量を有する。さらに他の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂は、約1,000〜最大約10,000の範囲の分子量を有する。さらに他の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂は、約50〜最大約10,000の範囲の分子量を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、芳香族及び/又は脂肪族主鎖を含む液体エポキシ樹脂又は固体エポキシ樹脂、例えばビスフェノールFのジグリシジルエーテル又はビスフェノールAのジグリシジルエーテルであることができる。任意選択で、エポキシ樹脂は可撓性エポキシである。可撓性エポキシは、短鎖長又は長鎖長ポリグリコールジエポキシド液体樹脂のように、様々な長さの鎖長(例えば、短鎖又は長鎖)を有することができる。例示的な短鎖長ポリグリコールジエポキシド液体樹脂としては、D.E.R.736が挙げられ、そして例示的な長鎖長ポリグリコールジエポキシド液状樹脂としては、D.E.R.732が挙げられ、これらはいずれもDow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0017】
本明細書において使用が企図される例示的なエポキシとしては、ビスフェノールAに基づく液体型エポキシ樹脂、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ樹脂、ビスフェノールFに基づく液体型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon EXA−835LV)、フェノールノボラック樹脂に基づく多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon HP−7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、及びそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0018】
特定の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシとしては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、エポキシクレゾール樹脂等が挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、強靭化エポキシ樹脂、例えばエポキシ化カルボキシル末端ブタジエン−アクリロニトリル(CTBN)オリゴマー又はポリマー、エポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマー又はポリマー、複素環式エポキシ樹脂(例えば、イソシアネート変性エポキシ樹脂)等であることができる。
【0020】
特定の実施形態では、エポキシ化CTBオリゴマー又はポリマーは、以下の構造を有するオリゴマー又はポリマー前駆体のエポキシ含有誘導体である:
HOOC[(Bu)
x(ACN)
y]
mCOOH
(式中:
各Buは、ブチレン部分構造(例えば、1,2−ブタジエニル又は1,4−ブタジエニル)であり、
各ACNは、アクリロニトリル部分構造であり、
Bu単位及びACN単位は、ランダムに又はブロックで配置することができ、
x及びyの各々は、0より大きいが、ただし、x+yの合計=1であり、
x:yの比は、約10:1〜1:10の範囲内に入り、そして
mは、約20〜約100の範囲内に入る)。
【0021】
当業者によって容易に認識されるように、エポキシ化CTBNオリゴマー又はポリマーは、様々な方法、例えば、(1)カルボキシル末端化ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、(2)エポキシ樹脂、及び(3)ビスフェノールA:
【0022】
【化2】
から、CTBNのカルボン酸基とエポキシとの間の(鎖延長反応による)反応等によって製造することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂としては、(1)カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、(2)エポキシ樹脂、及び(3)ビスフェノールAから上記のように製造されたエポキシ化CTBNオリゴマー又はポリマー;Hypro(商標)エポキシ−官能性ブタジエン−アクリロニトリルポリマー(以前のHycar(登録商標)ETBN)等を挙げることができる。
【0024】
特定の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂としては、ゴム又はエラストマー変性エポキシが挙げられる。ゴム又はエラストマー変性エポキシとしては、以下のエポキシ化誘導体が挙げられる:
(a)米国特許第4,020,036号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような、30,000〜400,000又はそれ以上の重量平均分子量(M
w)を有する共役ジエンのホモポリマー若しくはコポリマーであって、ここで共役ジエンが1分子当たり4〜11個の炭素原子を含む(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等)もの;
(b)米国特許第4,101,604号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような、約800〜約50,000の範囲の数平均分子量(M
n)を有する、エピハロヒドリンホモポリマー、2種以上のエピハロヒドリンモノマーのコポリマー、若しくはエピハロヒドリンモノマーとオキシドモノマーとのコポリマー;
(c)エチレン/プロピレンコポリマー、及び、エチレン/プロピレンと少なくとも1種の非共役ジエンとのコポリマーを含めた、炭化水素ポリマー、例えば、米国特許第4,161,471号に記載されているような、エチレン/プロピレン/ヘキサジエン/ノルボルナジエン;又は
(d)共役ジエンブチルエラストマー、例えば、約0.5〜約15重量%の4〜14個の炭素原子を有する共役マルチオレフィンと組み合わせられた85〜99.5重量%のC
4〜C
5オレフィンからなるコポリマー、イソブチレンとイソプレンとのコポリマーであって、組み合わせられたイソプレン単位の大部分が共役ジエン不飽和を有するもの(例えば、米国特許第4,160,759号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0025】
特定の実施形態では、エポキシ樹脂は、エポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマー又はポリマーである。
【0026】
特定の実施形態では、本明細書において使用が企図されるエポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマーは、以下の構造を有する:
【0027】
【化3】
(式中:
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H又は低級アルキルであり、
R
3は、H、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビル、又はエポキシであり、
少なくとも1個の上記のエポキシ含有繰り返し単位、及び少なくとも1個の上記のオレフィン繰り返し単位が各オリゴマー中に存在し、かつ、存在する場合には1〜10個の範囲の各繰り返し単位が存在し、そして
nは、2〜150の範囲内に入る)
【0028】
特定の実施形態では、本発明の実施における使用が企図されるエポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマー又はポリマーは、以下の構造を有する:
【0029】
【化4】
(式中、Rは、H、OH、低級アルキル、エポキシ、オキシラン置換低級アルキル、アリール、アルカリール等である)。本明細書において使用が企図されるエポキシ樹脂のさらなる例としては、可撓性主鎖を有するエポキシが挙げられる。例えば、エポキシ樹脂としては:
【0031】
いくつかの実施形態では、さらなるエポキシ材料を本発明の配合物に含めてもよい。本発明の配合物に含まれる場合、多種多様なエポキシ官能化樹脂、例えば、ビスフェノールAに基づくエポキシ樹脂(例えば、Epon Resin 834)、ビスフェノールFに基づくエポキシ樹脂(例えば、RSL−173又はJER YL980)、フェノール−ノボラック樹脂に基づく多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon HP−7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、及びそれらの任意の2種以上の混合物を、本明細書において使用することが企図される。
【0032】
本明細書において使用が企図される例示的なエポキシ官能化樹脂としては、脂環式アルコールのジエポキシド、水素化ビスフェノールA(Epalloy 5000として市販されている)、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として市販されている)、Epiclon EXA−835LV、Epiclon HP−7200L等、並びにそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0033】
本発明の配合物の任意選択の追加成分として使用するのに好適な従来のエポキシ材料のさらなる例としては:
【0035】
本明細書において使用が企図される例示的なエポキシ官能化樹脂としては、エポキシ化CTBNゴム561A、24−440B、及びEP−7(Henkel Corporation;Salisbury,NC&Rancho Dominguez,CAから市販されている);脂環式アルコール、水素化ビスフェノールAのジエポキシド(Epalloy 5000として市販されている);ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として市販されている);ERL 4299;CY−179;CY−184;等、並びにそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0036】
任意選択で、エポキシ樹脂は、モノマー単位の混合物である主鎖(すなわち、ハイブリッド主鎖)を有するコポリマーであることができる。エポキシ樹脂は直鎖又は分岐鎖セグメントを含むことができる。特定の実施形態では、エポキシ樹脂は、エポキシ化シリコーンモノマー又はオリゴマーであることができる。任意選択で、エポキシ樹脂は、可撓性エポキシ−シリコーンコポリマーであることができる。本明細書において使用が企図される例示的な可撓性エポキシ−シリコーンコポリマーとしては、ALBIFLEX 296及びALBIFLEX 348が挙げられ、いずれもEvonik Industries(Germany)から市販されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、1種のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーが組成物中に存在する。特定の実施形態では、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーの組合せが組成物中に存在する。例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、又は6種以上のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーが組成物中に存在する。エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されるフィルム又はペーストの所望の特性を達成するために選択及び使用することができる。例えば、エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されるフィルムが、以下の改善された特性:フィルムの品質、粘着性、濡れ性、可撓性、可使時間、高温接着性、樹脂−充填材適合性、焼結性等のうちの1又は複数を示すように選択することができる。エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されるペーストが、レオロジー、分配性、可使時間、焼結能等のような1又は複数の改善された特性を示すように選択することができる。
【0038】
1又は複数のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の全固形分(すなわち、希釈剤を除く組成物)の約50重量%までの量で組成物中に存在することができる。例えば、1又は複数のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、約5重量%〜約50重量%、約10重量%〜約50重量%、又は約10重量%〜約35重量%の量で組成物中に存在することができる。いくつかの実施形態では、1又は複数のエポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の全固形分の重量を基準として、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下の量で組成物中に存在することができる。
【0039】
本明細書に記載の組成物は、アクリルモノマー、ポリマー、又はオリゴマーをさらに含むことができる。本発明の実施において使用が企図されるアクリレートは、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第5,717,034号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0040】
本発明の実施における使用が企図されるアクリルモノマー、ポリマー、又はオリゴマーは、特定の分子量に限定されない。例示的なアクリル樹脂は、約50以下〜最大約1,000,000の範囲の分子量を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるアクリルポリマーは、約100〜最大約10,000の範囲の分子量及び約−40℃〜最大約20℃の範囲内のTgを有することができる。特定の実施形態では、本明細書において使用が企図されるアクリルポリマーは、約10,000〜最大約900,000(例えば、約100,000〜最大約900,000又は約200,000〜最大約900,000)の範囲の分子量、及び約−40℃〜最大約20℃の範囲のTgを有する。本明細書に記載の組成物に使用するためのアクリルコポリマーの例としては、テイサンレジンSG−P3及びテイサンレジンSG−80H(いずれも、ナガセケムテックス株式会社;日本から市販されている)が挙げられる。任意選択で、本明細書に記載の組成物に使用するためのアクリルポリマー又はオリゴマーは、分解性アクリルポリマー若しくはオリゴマー、又はエポキシ変性アクリル樹脂であることができる。
【0041】
アクリルモノマー、ポリマー、及び/又はオリゴマーは、組成物の全固形分の約50重量%までの量で組成物中に存在することができる。例えば、アクリルモノマー、コポリマー、及び/又はオリゴマーは、約5重量%〜約50重量%、又は約10重量%〜約50重量%、又は約10重量%〜約35重量%、又は約5重量%〜約30重量%、又は約5重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在することができる。いくつかの実施形態では、アクリルモノマー、コポリマー、及び/又はオリゴマーは、組成物の全固形分の重量を基準にして、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下の量で組成物中に存在する。
【0042】
本明細書における使用が意図される例示的な(メタ)アクリレートとしては、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート等、及びそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0043】
本明細書に記載の組成物における使用が企図されるさらなる熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分としては、ポリウレタン、シアネートエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレア、ポリビニルアセタール樹脂、及びフェノキシ樹脂を挙げることができる。いくつかの実施形態では、組成物は、イミド含有モノマー、オリゴマー、又はポリマー、例えば、マレイミド、ナジイミド、イタコンイミド、ビスマレイミド、又はポリイミドを挙げることができる。
【0044】
1又は複数のエポキシモノマー、ポリマー、又はオリゴマー;アクリルモノマー、ポリマー、又はオリゴマー、フェノール系;ノボラック;ポリウレタン;シアネートエステル;ポリビニルアルコール;ポリエステル;ポリウレア;ポリビニルアセタール樹脂;フェノキシ樹脂;及び/又はイミド含有モノマー、ポリマー、又はオリゴマー(例えば、マレイミド、ビスマレイミド、及びポリイミド)を含めた熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂成分を組み合わせて結合剤を形成することができる。結合剤は、固体、半固体、又は液体であることができる。任意選択で、結合剤は、350℃未満の分解温度を有する。
【0045】
本明細書において使用が企図されるシアネートエステルモノマーは、加熱により環化三量化して置換トリアジン環を形成する2個以上の環形成シアネート基(−O−C≡N)を含む。
【0046】
充填材
本明細書に記載の組成物はまた、1又は複数種の粒子状伝導性充填材であって:
前記粒子状伝導性充填材の約5〜最大約100重量%が、粒子状ニッケル又は粒子状ニッケル合金であり、そして
前記粒子状伝導性充填材の0〜最大約95重量%が、粒子状伝導性非ニッケル含有充填材である、
充填材も含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、実質的に100重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、少なくとも約20重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、少なくとも約30重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約30〜最大約50重量%の範囲のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約36重量%のニッケルを含み(ここで、前記ニッケル又はニッケル合金充填材は約64重量%の鉄を含む);いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、少なくとも約40重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約40〜最大約50重量%の範囲のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約41〜43重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約42重量%のニッケルを含み(ここで、前記ニッケル又はニッケル合金充填材は約58重量%の鉄を含む);いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、少なくとも約50重量%のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約57〜59重量%の範囲のニッケルを含み;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、約30〜最大約80重量%の範囲のニッケルを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金が主要な伝導性充填材として(すなわち、組成物中に存在する伝導性充填材全体の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%)、1又は複数の追加的な伝導性充填材と共に存在する。
【0049】
いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、前記粒子状充填材の約10〜最大約95重量%の範囲を構成し;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、前記粒子状充填材の約20〜最大約85重量%の範囲を構成し;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、前記粒子状充填材の約30〜最大約75重量%の範囲を構成し;いくつかの実施形態では、ニッケル又はニッケル合金充填材は、前記粒子状充填材の約40〜最大約60重量%の範囲を構成する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、実質的に銀を含まない。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル合金充填材は、ニッケル及び鉄、並びに任意選択でコバルトを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図される粒子状伝導性非ニッケル含有充填材は、Ag、Cu、銀被覆銅、銀被覆ガラス、銀被覆グラファイト、銀被覆ニッケル、銀被覆鉄、銀被覆ニッケル−鉄合金、銀被覆フェライト等、及びそれらの任意の2種以上の混合物である。
【0053】
いくつかの実施形態では、粒子状ニッケル含有充填材の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材に対する比率は、約10:1〜1:10の範囲内に入る。いくつかの実施形態では、粒子状ニッケル含有充填材の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材に対する比率は、約8:1〜1:8の範囲内に入る。いくつかの実施形態では、粒子状ニッケル含有充填材の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材に対する比率は、約6:1〜1:6の範囲内に入る。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、約0.1〜最大約100μmの範囲の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、約1〜最大約50μmの範囲の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、約5〜最大約15μmの範囲の粒径を有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、約0.01〜約10m
2/mgの範囲の表面積を有する粉末又はフレークの形態である。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用が企図されるニッケル又はニッケル合金充填材は、約0.2〜最大約8g/cm
3の範囲のタップ密度を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、充填材表面は、充填材/樹脂の適合性を高めるために処理される。そのような処理としては、充填材/樹脂の適合性を高めるための機械的処理、充填材/樹脂の適合性を高めるための化学的処理等が挙げられる。
【0058】
充填材/樹脂の適合性を高めるための本明細書における使用が企図される例示的な機械的処理としては、プラズマ処理等が挙げられる。
【0059】
充填材/樹脂の適合性を高めるための本明細書における使用が企図される例示的な化学的処理としては、充填材表面を、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の混合物、ソルビタンエステル、脂肪酸エステル、オルガノシラン等、又はそれらの任意の2種以上の混合物で処理することが挙げられる。
【0060】
伝導性充填材は、本明細書に記載の方法において使用するのに好適な大きさを有することができ、特定の範囲に限定されない。例示的な伝導性充填材は、約0.1μm〜約20μmの範囲の平均粒径を有し得る。いくつかの実施形態では、伝導性充填材は、約1μm〜約10μmの範囲の平均粒径を有し得る。他の実施形態では、伝導性充填材は、約1μm〜約3μmの範囲の平均粒径を有し得る。
【0061】
伝導性充填材は、組成物の全固形分の少なくとも65重量%の量で組成物中に存在する。例えば、伝導性充填材は、約65重量%〜約95重量%、又は約75重量%〜約85重量%の量で組成物中に存在することができる。いくつかの実施形態では、伝導性充填材は、組成物の全固形分の少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、又は少なくとも約90重量%の量で組成物中に存在することができる。
【0062】
本明細書に記載の組成物は、任意選択で1又は複数の微粒子充填材を含むことができる。微粒子充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、鉄基合金、タングステン酸ジルコニウム、又はそれらの混合物を挙げることができる。例えば、微粒子充填材は、ニッケル/鉄組成物又はリチウムアルミニウムシリケートであることができる。例示的な微粒子充填材は、10ppm/℃以下(例えば、5ppm/℃以下、0ppm/℃以下、又は−5ppm/℃以下)の熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施形態では、微粒子充填材としては、以下の材料を挙げることができる:カーボンナノチューブ、β−ユークリプタイト、α−ZrW
2O
8、β−ZrW
2O
8、Cd(CN)
2、ReO
3、(HfMg)(WO
4)
3、Sm
2.75C
60、Bi
0.95La
0.05NiO
3、インバー(Fe−36Ni)、インバー(Fe
3Pt)、Tm
2Fe
16Cr、CuOナノ粒子、Mn
3Cu
0.53Ge
0.47N、Mn
3ZN
0.4Sn
0.6N
0.85C
0.15、Mn
3Zn
0.5Sn
0.5N
0.85C
0.1B
0.05等、及びそれらの任意の2種以上の混合物。
【0063】
微粒子充填材は、組成物の全固形分の約20重量%以下(すなわち、20重量%まで)の量で組成物中に存在することができる。例えば、微粒子充填材は、組成物の全固形分の約20重量%未満、約19重量%未満、約18重量%未満、約17重量%未満、約16重量%未満、約15重量%未満、約14重量%未満、約13重量%未満、約12重量%未満、約11重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、又は約1重量%未満の量で組成物中に存在することができる。
【0064】
硬化剤
本明細書に記載の組成物は、任意選択で、1又は複数の硬化剤を含むことができる。硬化剤は、任意選択で、組成物中で伝導性促進剤及び/又は還元剤として機能することができる。本発明の実施において使用が企図される硬化剤としては、ウレア、脂肪族及び芳香族アミン、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、ウレア−アミンハイブリッド硬化系、フリーラジカル開始剤、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール、酸無水物、ルイス酸、ルイス塩基等が挙げられる。例えば、米国特許第5,397,618号(その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0065】
硬化剤は、任意選択で、組成物の全固形分の約4重量%までの量で組成物中に存在することができる。いくつかの実施形態では、組成物に硬化剤は存在しない(すなわち、組成物の全固形分の0重量%)。他の実施形態では、硬化剤は、約0.05重量%〜約4重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%の量で組成物中に存在することができる。任意選択で、硬化剤は、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下の量で組成物中に存在する。
【0066】
希釈剤
本明細書に記載の組成物は、例えば有機希釈剤を含めた希釈剤をさらに含むことができる。有機希釈剤は、反応性有機希釈剤、非反応性有機希釈剤、又はそれらの混合物であることができる。例示的な希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等);脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラデカン等);塩化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等);エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールエーテル、エチレングリコールのモノアルキル又はジアルキルエーテル等);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル等);ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド等);ヘテロ芳香族化合物(例えば、N−メチルピロリドン等)、及びヘテロ脂肪族化合物が挙げられる。
【0067】
本発明に係る使用のために企図される非反応性希釈剤の量は、本発明の組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分な量が用いられる限り、広範に変化させることができる。存在する場合、用いられる非反応性希釈剤の量は、典型的には、組成物の約2〜最大約30重量%の範囲内に入る。特定の実施形態では、非反応性希釈剤の量は、組成物全体の約5〜最大20重量%の範囲内に入る。いくつかの実施形態では、非反応性希釈剤の量は、組成物全体の約10〜最大約18重量%の範囲内に入る。本発明に係る使用のために企図される反応性希釈剤の量は、組成物の5重量%まで(例えば、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下)であることができる。
【0068】
当業者によって容易に認識されるように、特定の実施形態では、本発明の組成物は、その中に非反応性希釈剤を実質的に含有しない。たとえ非反応性希釈剤がある時点では存在したとしても、本明細書においてさらに説明するように、Bステージ化プロセスにおけるフィルムの形成の間に除去することができる。
【0069】
本発明の配合物は、1又は複数の流動性添加剤、接着促進剤、レオロジー改質剤、強靭化剤、フラクシング剤、フィルム形成樹脂(存在する場合には40重量%まで)、フィルム軟化剤、エポキシ硬化触媒、硬化剤、及び/又はラジカル重合調節剤、並びにそれらの任意の2種以上の混合物をさらに含んでもよい。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「流動性添加剤」は、それらが導入される配合物の粘度を改変する化合物を指す。そのような特性を付与する例示的な化合物としては、シリコンポリマー、エチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ケトオキシムのリン酸エステルのアルキロールアンモニウム塩等、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「接着促進剤」は、それらが導入される配合物の接着特性を向上させる化合物を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「レオロジー改質剤」は、それらが導入される配合物の1又は複数の物理的特性を改質する添加剤を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「強靭化剤」は、それらが導入される配合物の耐衝撃性を向上させる添加剤を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、用語「フラクシング剤」は、溶融金属の表面上に酸化物が形成されるのを防止する還元剤を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「フィルム軟化剤」は、それを含有する配合物から調製されるフィルムに可撓性を付与する薬剤を指す。
【0076】
本明細書で使用される場合、用語「フェノール−ノボラックハードナー」は、反応性基のさらなる相互作用に関与して、その架橋を増大させ、それによりその剛性を高めるようにする、材料を指す。
【0077】
本明細書で使用される場合、用語「エポキシ硬化触媒」は、エポキシ含有部分構造のオリゴマー化及び/又は重合を促進する反応剤、例えばイミダゾールを指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、用語「硬化剤」は、モノマー、オリゴマー、又はポリマー材料の硬化を促進するジクミルペルオキシドなどの反応剤を指す。
【0079】
本発明によれば、伝導性インクとして有用な配合物が本明細書において提供される。例示的な伝導性インクは:
アセタール、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー又はコポリマー、又はポリカーボネート/ABSアロイ、アルキド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、セルロース系、クマロン−インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、フルオロポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル系樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール系、ポリアミドイミド、ポリアリレート及びポリアリレートエーテルスルホン又はケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及びコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、スルフィド、エーテル、ポリプロピレン及びポリプロピレン−EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックス及び他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に伝導性のポリマー、フルオロポリマー、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせ、からなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約5〜50重量%の範囲の重合性モノマー、
約45〜95重量%の範囲の、1〜最大約50μmの範囲の粒径を有する粒子状充填材であって:
前記粒子状充填材の約10〜最大約70重量%が、粒子状ニッケル又は粒子状ニッケル合金であり、そして
前記粒子状充填材の0〜最大約65重量%が、粒子状伝導性非ニッケル含有充填材である、粒子状充填材
約0.1〜10重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
存在する場合には前記配合物の20〜最大80重量%の量で存在する、それらのための非反応性有機希釈剤
を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書において企図される伝導性インク配合物は:
マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約5〜20重量%の範囲の重合性モノマー、
約70〜95重量%の範囲の、1〜最大約50μmの範囲の粒径を有する粒子状充填材であって:
前記粒子状充填材の約50〜最大約95重量%が粒子状ニッケル又は粒子状ニッケル合金であり、そして、
前記粒子状充填材の5〜最大約50重量%が、粒子状伝導性非ニッケル含有充填材である、充填材、
約0.1〜10重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
存在する場合には前記配合物の20〜最大80重量%の量で存在する、それらのための非反応性有機希釈剤
を含む。
【0081】
本発明によればまた、伝導性ダイアタッチフィルムとして有用な配合物も本明細書において提供される。例示的なダイアタッチフィルム配合物は:
アセタール、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー又はコポリマー、又はポリカーボネート/ABSアロイ、アルキド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、セルロース系、クマロン−インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、フルオロポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル系樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール系、ポリアミド−イミド、ポリアリレート及びポリアリレートエーテルスルホン又はケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及びコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、スルフィド、エーテル、ポリプロピレン及びポリプロピレン−EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックス及び他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に伝導性のポリマー、フルオロポリマー、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群より選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約10〜50重量%の範囲の重合性モノマー、
約50〜90重量%の範囲の、1〜最大約50μmの範囲の粒径を有する前記充填材であって、前記充填材は:
約1〜最大約90重量%の粒子状ニッケル又はニッケル合金充填材、及び
0〜最大約70重量%の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材
を含む、充填材、
約0〜20重量%の範囲の、(メタ)アクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルケトン、ビニル芳香族化合物、ビニルシクロアルキル、又はアリルアミドから選択されるフィルム形成樹脂、
約0.1〜10重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
存在する場合には前記配合物の5〜最大50重量%の量で存在する、それらのための非反応性有機希釈剤
を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書において企図されるダイアタッチフィルム配合物は:
マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約30〜40重量%の範囲の重合性モノマー、
約50〜90重量%の範囲の、1〜最大約50μmの範囲の粒径を有する前記充填材であって、前記充填材は:
約1〜最大約90重量%の粒子状ニッケル又はニッケル合金充填材、及び
0〜最大約70重量%の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材
を含む、充填材、
約0.1〜10重量%の範囲の、(メタ)アクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルケトン、ビニル芳香族化合物、ビニルシクロアルキル、又はアリルアミドから選択される、フィルム形成樹脂、
約0.1〜10重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
存在する場合には、前記配合物の5〜最大50重量%の量で存在する、それらのための非反応性有機希釈剤
を含む。
【0083】
本発明によればまた、伝導性ダイアタッチペーストとして有用な配合物も本明細書において提供される。例示的なダイアタッチペースト配合物は:
アセタール、アクリルモノマー、オリゴマー、又はポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー又はコポリマー、又はポリカーボネート/ABSアロイ、アルキド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、セルロース系、クマロン−インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、フルオロポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル系樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール系、ポリアミド−イミド、ポリアリレート及びポリアリレートエーテルスルホン又はケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及びコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、スルフィド、エーテル、ポリプロピレン及びポリプロピレン−EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックス及び他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に伝導性のポリマー、フルオロポリマー、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせ、からなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約5〜50重量%の範囲の重合性モノマー、
約50〜95重量%の範囲の前記充填材であって、前記充填材は、1〜最大約50μmの範囲の粒径を有し、前記充填材は:
約10〜最大約95重量%の粒子状ニッケル又はニッケル合金充填材、及び
0〜最大約85重量%の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材
を含む、充填材、
約0.1〜20重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
任意選択で、存在する場合には前記配合物の1〜最大30重量%の量で存在し、かつ低分子量エポキシ希釈剤である、それらのための反応性有機希釈剤
を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書において企図されるダイアタッチペースト配合物は:
マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、エポキシモノマー、オリゴマー、又はポリマー、可撓性のエポキシ又はエポキシ官能基を有するポリマー、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選択される熱硬化性又は熱可塑性樹脂成分を含む、約20〜40重量%の範囲の重合性モノマー、
約50〜95重量%の範囲の前記充填材であって、前記充填材は1〜最大約50μmの範囲の粒径を有し、前記充填材は:
約20〜最大約80重量%の粒子状ニッケル又はニッケル合金充填材、及び
20〜最大約80重量%の粒子状伝導性非ニッケル含有充填材
を含む、充填材、
約0.1〜20重量%の範囲の、アミン、酸、無水物、ジアシル、イミダゾール、又はペルオキシドから選択される硬化剤、並びに
任意選択で、存在する場合には前記配合物の1〜最大30重量%の量で存在し、かつ低分子量エポキシ希釈剤である、それらのための反応性有機希釈剤
を含む。
【0085】
本発明によればまた、第1の物品を第2の物品に接着して取り付ける方法であって、前記方法が:
(a)本明細書に記載の配合物のいずれかのアリコートを前記第1の物品に塗布すること、
(b)前記第1の物品と第2の物品とを緊密に接触させて、前記第1の物品と前記第2の物品とが工程(a)において塗布された配合物のみによって隔てられているアセンブリを形成すること、そしてその後、
(c)前記アセンブリを、前記配合物を硬化させるのに好適な条件に供すること
を含む、方法も提供される。
【0086】
本明細書に記載の組成物は、数多くの有用な性能特性を提供する。例えば、組成物は、硬化されると、260℃で少なくとも1.0kg/mm
2(例えば、260℃で少なくとも1.5kg/mm
2)のダイせん断強度を有する。加えて、組成物は、100℃以下の温度及び40psi以下の圧力でウェハ上に積層される。さらに、フィルムの形態の組成物は、ダイシング及びピックアッププロセスを経て、約110℃〜350℃の範囲にわたり得る温度及び約0.2〜1kg/mm
2の圧力下で基板に接合することができるダイ/フィルムをもたらすことができる。ダイの大きさは、約1×1mm以下から約8×8mm以上の範囲であることができる。接合時間は、3秒未満とすることができる。
【0087】
本発明の特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物の製造方法が提供される。本発明の組成物は、フィルムの形態で、又はペーストの形態で製造することができる。
【0088】
接着剤配合物を生成するための本発明の方法は、企図される成分の組み合わせを、実質的に均質なブレンドを得るのに十分な期間、高せん断混合に供することを含む。いくつかの実施形態では、成分は、約3時間まで(例えば、約1時間〜3時間)の期間、混合することができる。成分の組み合わせは、室温で混合することができる。
【0089】
組成物がフィルムの形態であるべき実施形態では、組成物は、好適な基体(例えば、剥離ライナー)に塗布され、次いで、実質的に全ての非反応性希釈剤(すなわち、溶媒)をそこから除去するために、高温で加熱される。例えば、溶媒の少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%を除去することができる。ペースト又はフィルムを加熱して乾燥させるプロセスは、本明細書においてBステージングと称される。得られるフィルムは、約5ミクロン〜約50ミクロンの厚さを有し得る。
【0090】
本発明の特定の実施形態では、上記Bステージ化組成物から実質的に全ての溶媒/希釈剤を除去して得られる反応生成物を含むフィルムが提供される。フィルムはローラー上に巻き取ることができる。
【0091】
本明細書に記載されるようなフィルムは、半導体産業における従来のラミネーターを使用して基体(例えば、ウェハ)上に積層することができる。例えば、フィルムは、ロールラミネーターを使用してウェハ上に積層することができる。使用することができる例示的なラミネーターとしては、DFM 2700(株式会社ディスコ;日本)、Leonardo 200 LD(Microcontrol Electronic;Italy)、及びWestern Magnum XRL−120(El Segundo,CA)が挙げられる。上記のように、積層は、100℃未満の温度(例えば、95℃以下、90℃以下、85℃以下、80℃以下、75℃以下、70℃以下、又は65℃以下)で行うことができる。積層は、40psi以下の圧力(例えば、35psi以下又は30psi以下)で行うことができる。
【0092】
剥離ライナーは、使用される場合には、フィルムから剥離することができる。次いで、ダイシングプロセス中に支持体として機能するダイシングテープにフィルムを積層することができる。ダイシングテープへのフィルムの積層は、室温で行うことができる。積層プロセスの結果として、フィルムは、ダイシングテープとウェハとの間に、これらに直接接触して保持される。ダイシングプロセスの間に、ウェハ及びフィルムを、フィルムがダイに接着されている個々のダイへとダイスすることができる。個々のダイ及び接着されたフィルムは、ピックアッププロセスの間にダイシングテープから取り除くことができ、次いで、ボンディング/ダイアタッチ工程において基板に取り付けることができる。ボンディング/ダイアタッチ工程は、約110℃〜350℃の温度で3秒未満の接合時間で行うことができる。様々なダイサイズについて(例えば、1×1mm未満〜8×8mm以上の範囲のダイサイズについて)、0.2kg/mm
2〜1kg/mm
2のボンディング/ダイアタッチ圧力を使用することができる。結果として得られるダイ/フィルム/基板アセンブリは、次に、少なくとも1つの熱操作、例えばオーブン内での硬化、ワイヤボンディング及びその後の成形等で処理することができる。
【0093】
本明細書において使用が企図される好適な基体としては、リードフレームが挙げられる。本明細書で使用される場合、「リードフレーム」は、銅又は銅合金からなるベースプレートと、該ベースプレートの上側(又は両側)表面上に形成された保護コーティングとを含む。保護コーティングは、金、金合金、銀、銀合金、パラジウム又はパラジウム合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなり、かつ、約10〜500オングストロームの厚さを有する。保護コーティングは、好適な手段によって、例えば蒸着によって形成される。ベースプレートの表面と保護コーティングとの間に、蒸着又は湿式メッキによって、ニッケル又はニッケル合金の中間コーティングを形成することが可能である。中間コーティングの好適な厚さは、約50〜20,000オングストロームの範囲内である。例えば、米国特許第5,510,197号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0094】
任意選択で、本発明に使用される基体としては、半導体パッケージ用に設計されたラミネート基板(例えば、BT基板、FR4基板等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ガラス等が挙げられる。
【0095】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ダイアタッチフィルム及びペーストを調製するための方法が提供される。ペーストについては、該方法は、上記組成物を、上記のような好適な基体に塗布した後に硬化させることを含むことができる。フィルムについては、該方法は、上記のような好適な基体へのダイ及びフィルムの高温接合を含むことができる。任意選択で、ダイアタッチフィルムを調製するための方法は、モルフォロジーを最適化するため、及びデバイス応力安定化のための硬化プロセスを含むことができる。硬化プロセスはオーブン内で行うことができる。
【0096】
本明細書に記載されるように、本発明に係るフィルム及びペーストは、ダイアタッチに使用することができる。ダイ表面は、任意選択で、銀などの金属でコーティングすることができる。
【0097】
本発明のさらに別の実施形態によれば、それらのための好適な基体に接着された、本明細書に記載されるようなダイアタッチフィルム及びペーストを含む物品が提供される。
【0098】
本発明に係る物品は、硬化されたダイアタッチフィルム又はペーストの基体に対する接着という点で特徴付けることができ;典型的には接着力は、260℃で少なくとも約1.0kg/mm
2(例えば、260℃で約1.5kg/mm
2)であり;いくつかの実施形態では、接着力は、260℃で少なくとも約2.5kg/mm
2である。上記のように、ダイせん断強度は、ダイせん断試験機で、チタン−ニッケル−銀でメタライズされたダイ及び銀被覆リードフレーム基板を使用して測定される。
【0099】
当業者に容易に認識されるように、本発明の物品の寸法は、広い範囲にわたり得る。例示的な物品としては、例えば、半導体ダイが挙げられる。本発明において使用するためのダイは表面積が異なり得る。いくつかの実施形態では、本発明において使用するための半導体ダイは、1×1mm以下〜8×8mm以上の範囲とすることができる。
【0100】
本発明のさらに別の実施形態によれば、半導体ウェハ上にフィルムを積層するための方法であって:
本明細書に記載されるようなフィルム用組成物を半導体ウェハに塗布すること;並びに
100℃以下の温度及び40psi以下の圧力で半導体ウェハ上に組成物を積層すること
を含む、方法が提供される。
【0101】
本発明のさらに別の実施形態によれば、伝導性ネットワークを製造するための方法であって、前記方法は:
本明細書に記載されるようなフィルム用の組成物をウェハに塗布すること;
100℃以下かつ40psi以下の圧力でウェハ上に組成物を積層して、ウェハに取り付けられたフィルムをもたらすこと;
ウェハに取り付けられたフィルムをダイシングして、ダイ及びフィルムをもたらすこと;並びに
0.2kg/mm
2〜1kg/mm
2の圧力下で、ダイ及びフィルムを基板に接合させること
を含む、方法が提供される。
【0102】
本発明のさらに別の実施形態によれば、伝導性ネットワークを製造するための方法であって、前記方法が:
本明細書に記載されるようなペースト用組成物を、基体(例えば、リードフレーム)に所定のパターンで塗布すること;
組成物をダイ及び基体にダイアタッチすること;及び
組成物を硬化させること
を含む、方法が提供される。
【0103】
任意選択で、組成物は、得られるフィルム又はペーストが少なくとも約5ミクロンの厚さで存在するように塗布することができる。例えば、フィルムの厚さは、約5ミクロン〜約50ミクロン(例えば、約5ミクロン〜約30ミクロン)であることができ、そしてペーストの厚さは、約5ミクロン〜約50ミクロンであることができる。
【0104】
本発明のさらに別の実施形態によれば、本明細書に記載されるように調製された伝導性ネットワークが提供される。
【0105】
本明細書に記載の配合物はエレクトロニクス産業及び他の産業用途において使用することができる。例えば、本明細書に記載の配合物は、パワーディスクリート用のリードフレームへのダイアタッチ用途、高性能ディスクリート用のワイヤボンドの交換のようなクリップ取り付け用途、エクスポーズドパッドを用いたパワーディスクリートの冷却のためのヒートスラグ取り付け用途、シングル及びマルチダイデバイス用、並びにダイとフレームとの間に高い電気及び/又は熱伝導性を必要とする他のデバイス用に使用することができる。
【0106】
本発明の様々な態様を、以下の非限定的な実施例によって例示する。実施例は例証を目的としたものであり、本発明のいかなる実施を制限するものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更及び改変を行うことができることが理解されるであろう。当業者であれば、本明細書に記載の試薬及び成分を合成するか、又は商業的に入手する方法が容易に分かる。
【実施例】
【0107】
実施例1
接着フィルム
本発明に係る配合物を、以下のように表1に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0108】
【表1】
【0109】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表1に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の75%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の25%のみが銀である)は、1×10
−2オームcmの望ましいVRを有する接着フィルムを提供することが実証された。
【0110】
実施例2
接着フィルム
本発明に係るさらなる配合物を、以下のように表2に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0111】
【表2】
【0112】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表2に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の約69%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の31%のみが銀である)は、2×10
−3オームcmの望ましいVRを有する接着フィルムを提供することが実証された。
【0113】
実施例3
接着ペースト
本発明に係るさらなる配合物を、以下のように表3に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0114】
【表3】
【0115】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表3に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の75%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の25%のみが銀である)は、2×10
−3オームcmの望ましいVRを有する接着ペーストを提供することが実証された。
【0116】
実施例4
接着ペースト
本発明に係るさらなる配合物を、以下のように表4に記載の成分を組み合わせることによって、調製した。
【0117】
【表4】
【0118】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表4に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の約73%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の約26%のみが銀である)は、8×10
−4オームcmの望ましいVRを有する接着ペーストを提供することが実証された。
【0119】
実施例5
接着ペースト
本発明に係るさらなる配合物を、以下のように表5に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0120】
【表5】
【0121】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表5に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の65%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の35%のみが銀である)は、2×10
−3オームcmの望ましいVRを有する接着フィルムを提供することが実証された。
【0122】
実施例6
伝導性インク
本発明に係る配合物を、以下のように表6に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0123】
【表6】
【0124】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表6に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の約89%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の10%のみが銀である)は、4×10
−3オームcmの望ましいVRを有する伝導性インクを提供することが実証された。
【0125】
実施例7
伝導性インク
本発明に係る配合物を、以下のように表7に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0126】
【表7】
【0127】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表7に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の約79%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の約21%のみが銀である)は、5×10
−4オームcmの望ましいVRを有する伝導性インクを提供することが実証された。
【0128】
実施例8
伝導性インク
本発明による配合物を、以下のように表8に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0129】
【表8】
【0130】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表8に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の75%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の25%のみが銀である)は、6×10
−3オームcmの望ましいVRを有する接着フィルムを提供することが実証された。
【0131】
実施例9
伝導性インク
本発明に係る配合物を、以下のように表9に記載の成分を組み合わせることによって調製した。
【0132】
【表9】
【0133】
得られた配合物の体積抵抗率(VR)を表9に記したように評価したところ、本発明に係る例示的配合物(粒子状伝導性充填材の50%がニッケル又はニッケル合金であり、そして粒子状伝導性充填材の50%が銀である)は、9×10
−4オームcmの望ましいVRを有する伝導性インクを提供することが実証された。
【0134】
本明細書に示され、また記載されているものに加えて、本発明の様々な改変は、上記の記載の技術分野における当業者には明らかであろう。そのような改変もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【0135】
本明細書において言及されている特許及び刊行物は、本発明が属する技術分野の当業者の水準の指標である。これらの特許及び刊行物は、各々の個々の出願又は刊行物が具体的かつ個別に参照により本明細書に組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
前述の説明は、本発明の特定の実施形態の例示であるが、本発明の実施に対する制限となることを意味するものではない。その全ての均等物を含めた以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義することが意図される。