【文献】
KANDA Yutaka, et al.,ESTABLISHMENT OF A GDP-MANNOSE 4,6-DEHYDRATASE (GMD) KNOCKOUT HOST CELL LINE: A NEW STRATEGY FOR GENERATING COMPLETELY NON-FUCOSYLATED RECOMBINANT THERAPEUTICS ,JOURNAL OF BIOTECHNOLOGY,2007年06月19日,VOL:130, NR:3,PAGE(S):300 - 310,http://dx.doi.org/10.1016/j.jbiotec.2007.04.025
【文献】
IMAI-NISHIYA H, et al.,DOUBLE KNOCKDOWN OF α1,6-FUCOSYLTRANSFERASE (FUT8) AND GDP-MANNOSE 4,6-DEHYDRATASE (GMD) IN ANTIBODY-PRODUCING CELLS: A NEW STRATEGY FOR GENERATING FULLY NON-FUCOSYLATED THERAPEUTIC ANTIBODIES WITH ENHANCED ADCC.,BMC BIOTECHNOLOGY,英国,BIOMED CENTRAL LTD,2007年11月30日,VOL:7, NR:84,PAGE(S):1 - 13,http://dx.doi.org/10.1186/1472-6750-7-84
【文献】
LOUIE SALINA, et al.,FX KNOCKOUT CHO HOSTS CAN EXPRESS DESIRED RATIOS OF FUCOSYLATED OR AFUCOSYLATED ANTIBODIES WITH HIGH TITERS AND COMPARABLE PRODUCT QUALITY.,BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING,2016年09月26日,VOL:114,NR:3,PAGE(S):632-644,https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/bit.26188
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フコース源の量を調整することが、フコシル化レベルが低い場合にフコース源の量を増加させること、またはフコシル化レベルが高い場合にフコース源の量を減少させることを含む、請求項3に記載の方法。
(i)宿主細胞をフコース源を含む培地中で培養する前に、宿主細胞をフコース源を含まない培地中で培養することを含む、または(ii)培養ステップの開始時にフコース源が培地中に存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(i)Fc含有タンパク質が抗体重鎖またはその断片を含む、または(ii)Fc含有タンパク質が完全長抗体である、または(iii)Fc含有タンパク質がFc含有融合タンパク質である、請求項13に記載の方法。
FX遺伝子が、クラスターを形成し規則正しい間隔を持つ短いパリンドロームリピート(CRISPR)系、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)系、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)系、またはメガヌクレアーゼ系を使用して不活性化される、請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本出願は、GDP−ケト−6−デオキシマンノース−3,5−エピメラーゼ,4−レダクターゼノックアウト(FXKO)細胞が、様々な量のフコースを含む培地における培養時に、抗体のフコシル化形態と脱フコシル化形態との両方を産生することができるという原理を利用する。産生培地中のフコースの力価により、抗体力価または産物品質にいかなる変化ももたらさずに、所望の割合のフコシル化グリカン形態及び脱フコシル化グリカン形態の抗体産生が可能となることが見い出された。FXKO宿主細胞のクローンが、比較的高い特異的産生性及び良好な成長プロファイルを有する標的抗体を発現した。
【0048】
このため、本出願は、同じFXKO宿主細胞からのフコシル化タンパク質及び脱フコシル化タンパク質の産生方法を提供する。これは、類似の産物品質でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の産生を可能にするため有利である。そして、類似の産物品質のフコシル化タンパク質及び脱フコシル化タンパク質を比較することで、脱フコシル化タンパク質上のフコースの欠如が実際に生物学的機能(例えば、強化されたADCC機能)の観察される変化の原因であるか否かを決定することができるようになる。タンパク質の野生型形態または脱フコシル化形態のいずれかを産生する能力を有するFUT8ノックアウト宿主細胞とは対照的に、FXKO宿主は、2つの別々の細胞株開発(CLD)努力を負う必要性をなくす。更に、単一の宿主細胞を使用してタンパク質のフコシル化形態と脱フコシル化形態との両方を産生させることで、同等の産物品質のクローンを特定できる可能性のために多くのコロニーをスクリーニングする必要性が回避される。
【0049】
加えて、FXKOクローンを使用して、フコシル化糖型及び脱フコシル化糖型の治療的に関連のある割合で任意の抗体またはFc含有ポリペプチドを発現させてもよい。脱フコシル化抗体が単核細胞(NK細胞など)によってADCC媒介性細胞死を強化する一方、多形核(PMN)細胞は、フコシル化グリカンを有する抗体への結合によってそれらの標的を選択的に認識し殺滅することが報告されている(Peipp et al.,Blood,112,2008,2390−2399)。このため、FXKO宿主細胞の使用、及び適正量のフコースの培地への滴定を使用して、所望の割合の抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生させることができ、これは、原理上は単核細胞及びPMN細胞の両方によるADCC媒介性細胞死を強化することに効果的であるはずである。更に、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の割合を調整できることにより、いずれの潜在的なADCC関連毒性も最小限に抑えながら最大レベルのADCC機能を有するタンパク質の産生が可能となる。
【0050】
このため、本出願は、ある態様において、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない宿主細胞を培養することを含む、所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態にあるタンパク質の産生方法を提供し、培地は、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。本出願は、別の態様において、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質の産生方法を提供し、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。本出願は、別の態様において、タンパク質フコシル化レベルの調整方法を提供し、本方法は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない宿主細胞を培養することと、タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコースの量をタンパク質が所定のフコシル化レベルで産生されるように調整することとを含む。本出願は、別の態様において、脱フコシル化タンパク質の生物学的活性をタンパク質のフコシル化形態と比較することを含む、脱フコシル化形態にあるタンパク質の特性評価方法を提供し、ここでは、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、本タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。本出願は、別の態様において、上記の方法のうちのいずれかによって産生されたタンパク質を含む組成物を提供する。本出願は、別の態様において、本タンパク質を含む医薬組成物の投与を含む疾患治療方法を提供する。本出願は、別の態様において、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない宿主細胞と、約0.01mM〜約1mMのフコース源とを含む細胞培養を提供する。
【0051】
定義
タンパク質のフコシル化形態は、本明細書で使用される場合、フコース部分を有するグリカン構造を指す。
【0052】
タンパク質の脱フコシル化形態は、本明細書で使用される場合、フコース部分を欠くグリカン構造を指す。
【0053】
「Fc含有タンパク質」は、本明細書で使用される場合、Fcドメインを含有するタンパク質(例えば、抗体またはFc含有融合タンパク質)を指す。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は、1つ以上のタンパク質サブユニットを含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は、1つ以上のポリペプチドを含む。
【0054】
「Fcドメイン」は、本明細書で使用される場合、免疫グロブリン重鎖のFc領域またはそのC末端断片を指す。本用語は、野生型Fcドメイン及び変異型Fcドメインを含む。いくつかの実施形態において、ヒトIgG重鎖Fcドメインは、Cys226またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端に及ぶ(アミノ酸番号がEUインデックスとも称されるEU付番系に従い、これは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991で説明されている通りである)。いくつかの実施形態において、本用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端断片及び1つ以上の定常領域を含む。いくつかの実施形態において、IgGについて、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCH2及びCH3、ならびにCH1とCH2との間のヒンジを含み得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「Fc含有融合タンパク質」は、少なくとも1つの他の異種タンパク質単位またはポリペプチドに融合したFcドメインを含むタンパク質を指す。
【0056】
本明細書で使用される「重鎖」という用語は、免疫グロブリン重鎖を指す。
【0057】
抗体は、Fc領域にグリコシル化を有する糖タンパク質である。このため、例えば、IgG免疫グロブリンのFc領域は、鎖間ジスルフィド結合ヒンジ領域、アスパラギン297(Asn−297)でN結合型オリゴ糖を担持するグリコシル化CH2ドメイン、及び非共有的に対形成したCH3ドメインを含むホモ二量体である。グリコシル化は、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、及びC1qを媒介するエフェクター機能において重要な役割を果たす。このため、本発明の抗体断片は、グリコシル化Fc領域及び抗原結合領域を含む必要がある。
【0058】
「抗体」という用語は、本明細書で最も広義に使用され、それらがFcドメインを含む限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。
【0059】
「完全長抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように使用される。
【0060】
「天然抗体」とは、様々な構造を有する天然に存在する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメイン(variable heavy domain)または重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)と、その後に3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)とを有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン(variable light domain)または軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)と、その後に定常軽(CL)ドメインとを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの型うちの1つに割り当てられ得る。
【0061】
抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域の型を指す。5つの主要なクラスの抗体IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、IgG
4、IgA
1、及びIgA
2に更に分類され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
【0062】
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りが異なる源または種に由来する抗体を指す。
【0063】
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原と結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)
2;二重特異性抗体;線状抗体(linear antibody);一本鎖抗体分子(例えば、scFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された抗体またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒト源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を保有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
【0065】
「ヒト化」抗体は、非ヒト超可変領域(HVR)由来のアミノ酸残基及びヒトフレームワーク(FR)由来のアミノ酸残基を含む、キメラ抗体を指す。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、そのHVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化型」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
【0066】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、即ち、その集団を成す個々の抗体は、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合するが、例えば、天然に存在する変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に発生する可能な変異形抗体を除き、かかる変異形は、一般に、少量で存在する。異なる決定基(エピトープ)に対して指向される異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られるものとして抗体の特徴を示しており、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるものではない。
【0067】
本明細書で使用されるとき、「イムノアドヘシン」という用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能とを組み合わせた分子を指す。構造的に、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を有するアミノ酸配列(このアミノ酸配列は、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち、抗体の定常領域と比較して「異種」である))と、免疫グロブリン定常ドメイン配列(例えば、IgGのC
H2及び/またはC
H3配列)との融合を含む。例示的なアドヘシン配列としては、目的とするタンパク質に結合する受容体またはリガンドの一部分を含む連続したアミノ酸配列が挙げられる。アドヘシン配列は、目的とするタンパク質に結合するが、受容体またはリガンド配列ではない配列(例えば、ペプチボディにおけるアドヘシン配列)でもあり得る。かかるポリペプチド配列は、ファージディスプレイ技法及びハイスループット選別方法を含む様々な方法によって選択または特定され得る。イムノアドヘシン中の免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4サブタイプ、IgA(IgA1及びIgA2を含む)、IgE、IgD、またはIgMなどの任意の免疫グロブリンから取得され得る。
【0068】
「治療用抗体」という用語は、疾患の治療に使用される抗体を指す。治療用抗体は、様々な作用機序を有し得る。治療用抗体は、抗原に関連する標的に結合し、その正常な機能を無効化し得る。例えば、癌細胞の生存に必要なタンパク質の活性を遮断するモノクローナル抗体は、細胞の死滅を引き起こす。別の治療用モノクローナル抗体は、抗原に関連する標的に結合し、その正常な機能を活性化する。例えば、モノクローナル抗体は、細胞上のタンパク質に結合し、アポトーシスシグナルを誘発することができる。更に別のモノクローナル抗体は、病変組織のみにおいて発現される標的抗原に結合し得、化学療法剤または放射性薬剤などの毒性ペイロード(有効薬剤)のモノクローナル抗体への共役により、毒性ペイロードを病変組織に特異的に送達して、正常な組織への害を低減するための薬剤を創出することができる。治療用抗体の「生物学的に機能的な断片」は、少なくとも標的抗原への特異的結合を含む、インタクトな抗体に帰属する生物学的機能のうちのいくつかまたは全てではないにせよ少なくとも1つを呈することになる。
【0069】
「Fc受容体」または「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合する受容体を説明するために使用される。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。更に、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり、これらの受容体のアレル変異形及び代替としてはスプライシング形態を含め、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)を含み、これらは、主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害性受容体FcγRIIBは、その細胞質側ドメイン内に免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を含有する(M.in Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)を参照されたい)。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457−92(1991)、Capel et al.,Immunomethods 4:25−34(1994)、及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330−41(1995)に概説されている。今後特定されるものも含む他のFcRは、本明細書における「FcR」という用語に包含される。この用語は、母体IgGsの胎児への移行に関与し(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)、及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))、より遅い異化、したがってより長い半減期を媒介する、新生児受容体FcRnも含む。
【0070】
「エフェクター機能」とは、抗体のアイソタイプにより異なる抗体のFc領域に起因する生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、ならびにB細胞活性化が挙げられる。
【0071】
「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、かつエフェクター機能を実行する白血球である。好ましくは、この細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を行う。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、及び好中球が挙げられ、PBMC及びNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、本明細書に記載されるように、その天然源から、例えば、血液またはPBMCから単離され得る。
【0072】
「抗体依存性細胞媒介細胞傷害性」及び「ADCC」とは、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)が標的細胞上の結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性反応を指す。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞がFcγRIIIのみを発現する一方で、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457−92(1991)の464頁の表3に要約されている。目的とする分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載のアッセイなどのインビトロADCCアッセイが行われ得る。かかるアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替としてまたは加えて、目的とする分子のADCC活性は、インビボで、例えば、動物モデル、例えば、Clynes et al.PNAS(USA)95:652−656(1998に胃開示されるものなどで評価され得る。
【0073】
「補体依存性細胞毒性」または「CDC」とは、補体の存在下で標的を溶解させる分子の能力を指す。補体活性化経路は、補体系(C1q)の第1の成分の、同種抗原と複合した分子(例えば、ポリペプチド(例えば、抗体))への結合によって開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)に記載されるようなCDCアッセイが行われ得る。
【0074】
「宿主細胞」は、本明細書で使用される場合、タンパク質またはポリペプチド産物を産生することができる細胞を指す。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFc含有タンパク質を産生し得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「FX活性が実質的にない」または「GMD活性が実質的にない」は、それぞれ活性レベルの減少のない野生型FXまたはGMDを含む宿主細胞と比較した場合に、少なくとも約80%、85%、90%、95%、または100%、それぞれFXまたはGMDの活性レベルが減少することを指す。いくつかの実施形態において、活性レベルは、約80%〜100%、約85%〜100%、約90%〜100%、または約95%〜100%減少する。いくつかの実施形態において、活性レベルは、少なくとも95%減少する。いくつかの実施形態において、活性レベルは、100%減少する。いくつかの実施形態において、酵素の活性レベルは、酵素の活性レベルの減少のない野生型酵素を含む宿主細胞と比較した場合、20%以下である。いくつかの実施形態において、酵素の活性レベルは、酵素の活性レベルの減少のない野生型酵素を含む宿主細胞と比較した場合、15%以下である。いくつかの実施形態において、酵素の活性レベルは、酵素の活性レベルの減少のない野生型酵素を含む宿主細胞と比較した場合、10%以下である。いくつかの実施形態において、酵素の活性レベルは、酵素の活性レベルの減少のない野生型酵素を含む宿主細胞と比較した場合、5%以下である。
【0076】
「遺伝子の破壊」及び「遺伝子破壊」という語句は、天然の内因性DNA配列及び/または遺伝子のプロモーター領域の突然変異を指し、この突然変異は、細胞におけるその遺伝子の発現を、遺伝子の野生型または天然に存在する配列と比較した場合に減少させるかまたは防止するものである。
【0077】
「ノックアウト」という用語は、通常は改変されていない遺伝子と比較して少なくとも80%そこからコードされる、ポリペプチドの生物学的活性を減少させる遺伝子の核酸配列における改変を指す。改変は、例えば、挿入、置換、欠失、フレームシフト突然変異、またはミスセンス突然変異であってもよい。
【0078】
「ノックダウン」という用語は、遺伝子修飾(有機体の染色体のうちの1つのDNAにおける変化)か、mRNA転写産物または遺伝子のいずれかに相補的な配列を有する短いDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドなどの試薬による処理かのいずれかによって、1つ以上の遺伝子の発現を減少させる技法を指す。DNAの遺伝子修飾が行われる場合、結果は「ノックダウン有機体」または「ノックダウン宿主細胞」となる。
【0079】
「単離された」核酸とは、その天然環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、通常は核酸分子を含有する細胞内に含有される核酸分子を含むが、その核酸分子が染色体外に、またはその天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0080】
「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、それが結合している別の核酸を運搬することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、及びそれが導入される宿主細胞のゲノム内に組み込まれたベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが作動可能に結合している核酸の発現を誘導することができる。かかるベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。
【0081】
「単離された」タンパク質とは、その天然環境の成分から分離されたタンパク質である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動法(IEF)、キャピラリー電気泳動法)またはクロマトグラフ(例えば、イオン交換もしくは逆相HPLC)によって決定される、95%または99%を超える純度に精製される。例えば、抗体純度の評価方法の概説に関して、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照されたい。
【0082】
「薬学的組成物」という用語は、調製物中に含有される活性成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつその製剤が投与されるであろう対象にとって許容できないほどに有毒である追加の構成成分を全く含有しない、調製物を指す。
【0083】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果などの有益または所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的上、有益なまたは所望の臨床結果には、以下の疾患に起因する1つ以上の症状の緩和、疾患の程度の減退、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の防止または遅延)、疾患の蔓延(例えば、転移)の防止もしくは遅延、疾患の再発の防止もしくは遅延、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の向上、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)、疾患の治療に必要な1つ以上の他の薬剤の用量の減少、疾患の進行の遅延、生活の質の改善、及び/または生存率の延長のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法は、これらの治療的態様のいずれか1つ以上を企図する。
【0085】
「個体」という用語は、哺乳動物を指し、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯動物、または霊長類を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、個体はヒトである。
【0086】
「治療有効量」は、特定の障害の測定可能な改善をもたらすために必要な少なくとも最小限の濃度である。治療有効量は、本明細書において、患者の病状、年齢、性別、及び体重、ならびに個体において所望の応答を引き起こすための抗体の能力のような因子によって変動し得る。治療有効量は、抗体のいずれの毒性または有害な影響よりも治療的に有益な効果が勝ることでもある。「予防有効量」は、必要な投与量及び投与期間にて、所望の予防的結果を達成するのに有効な量を指す。典型的であって必ずしもそうではないが、疾患の早期段階前または早期段階で予防用量が対象において用いられるため、予防上有効な量は、治療上有効な量よりも少なくてもよい。
【0087】
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態が、態様及び実施形態「からなる」及び/または「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0088】
本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(かつ記述する)。例えば、「約X」について言及する記述は、「X」の記述を含む。
【0089】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a(1つの)」、「or(または)」、及び「the(その)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0090】
タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の産生方法
本出願は、いくつかの実施形態において、タンパク質の産生方法を提供し、タンパク質は、所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生され、本方法は、培地中で、本明細書の実施形態に記載される、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない任意の宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、FXまたはGMD遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、Fc含有タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、Fc含有タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FXまたはGMD遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、抗体の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、抗体の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FXまたはGMD遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞はGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0091】
いくつかの実施形態において、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、FX活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、FX遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、Fc含有タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX活性を実質的に含まない宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、Fc含有タンパク質の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、抗体の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される、抗体の産生方法が提供され、本方法は、培地中で、FX遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含み、培地は、所定の割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0092】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約50:1〜約1:50、約50:2.5〜約1:50、約50:5.5〜約1:50、約50:8.5〜約1:50、約50:12.5〜約1:50、約50:15.5〜約1:50、約50:21.5〜約1:50、約50:27〜約1:50、約50:33.5〜約1:50、約50:41〜約1:50、約50:50〜約1:50、約50:61〜約1:50、約50:75〜約1:50、約50:93〜約1:50、約50:116.5〜約1:50、約50:150〜約1:50、約50:200〜約1:50、約50:283.5〜約1:50、約50:450〜約1:50、または約50:950〜約1:50である。
【0093】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約50:1〜約2.5:50、約50:1〜約5.5:50、約50:1〜約8.5:50、約50:1〜約12.5:50、約50:1〜約15.5:50、約50:1〜約21.5:50、約50:1〜約27:50、約50:1〜約33.5:50、約50:1〜約41:50、約50:1〜約50:50、約50:1〜約61:50、約50:1〜約75:50、約50:1〜約93:50、約50:1〜約116.5:50、約50:1〜約150:50、約50:1〜約200:50、約50:1〜約283.5:50、約50:1〜約450:50、または約50:1〜約950:50である。
【0094】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約50:2.5〜約2.5:50、約50:5.5〜約5.5:50、約50:8.5〜約8.5:50、約50:12.5〜約12.5:50、約50:15.5〜約15.5:50、約50:15.5〜約21.5:50、約50:27〜約27:50、約50:33.5〜約33.5:50、または約50:41〜約41:50である。
【0095】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約12.5:50〜約2.5:50、約12.5:50〜約5.5:50、約12.5:50〜約8.5:50、約12.5:50〜約12.5:50、または約12.5:50〜約15.5:50である。
【0096】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約21.5:50〜約2.5:50、約21.5:50〜約5.5:50、約21.5:50〜約8.5:50、約21.5:50〜約12.5:50、または約21.5:50〜約15.5:50である。
【0097】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約33.5:50〜約2.5:50、約33.5:50〜約5.5:50、約33.5:50〜約8.5:50、約33.5:50〜約12.5:50、約33.5:50〜約15.5:50、約33.5:50〜約21.5:50、または約33.5:50〜約27:50である。
【0098】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約50:50〜約2.5:50、約50:50〜約5.5:50、約50:50〜約8.5:50、約50:50〜約12.5:50、約50:50〜約15.5:50、約50:50〜約21.5:50、約50:50〜約27:50、約50:50〜約33.5:50、または約50:50〜約41:50である。
【0099】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約75:50〜約2.5:50、約75:50〜約5.5:50、約75:50〜約8.5:50、約75:50〜約12.5:50、約75:50〜約15.5:50、約75:50〜約21.5:50、約75:50〜約27:50、約75:50〜約33.5:50、約75:50〜約41:50、約75:50〜約50:50、または約75:50〜約61:50である。
【0100】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約116.5:50〜約2.5:50、約116.5:50〜約5.5:50、約116.5:50〜約8.5:50、約116.5:50〜約12.5:50、約116.5:50〜約15.5:50、約116.5:50〜約21.5:50、約116.5:50〜約27:50、約116.5:50〜約33.5:50、約116.5:50〜約41:50、約116.5:50〜約50:50、約116.5:50〜約61:50、約116.5:50〜約75:50、または約116.5:50〜約93:50である。
【0101】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約200:50〜約2.5:50、約200:50〜約5.5:50、約200:50〜約8.5:50、約200:50〜約12.5:50、約200:50〜約15.5:50、約200:50〜約21.5:50、約200:50〜約27:50、約200:50〜約33.5:50、約200:50〜約41:50、約200:50〜約50:50、約200:50〜約61:50、約200:50〜約75:50、約200:50〜約93:50、約200:50〜約116.5:50、または約200:50〜約150:50である。
【0102】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合は、約50:1、約50:2.5、約50:5.5、約50:8.5、約50:12.5、約50:15.5、約50:21.5、約50:27、約50:33.5、約50:41、約50:50、約50:61、約50:75、約50:93、約50:116.5、約50:150、約50:200、約50:283.5、約50:450、または約50:950である。
【0103】
所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む培地中のフコース源の量は、系の構成要素、例えば、宿主細胞の種類、宿主細胞の数、タンパク質産生率、ならびにタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合に大きく依存する。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM〜約1mMである。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM〜約0.1mM、約0.01mM〜約0.09mM、約0.01mM〜約0.08mM、約0.01mM〜約0.07mM、約0.01mM〜約0.06mM、約0.01mM〜約0.05mM、約0.01mM〜約0.04mM、約0.01mM〜約0.03mM、約0.01mM〜約0.02mM、約0.02mM〜約0.1mM、約0.02mM〜約0.09mM、約0.02mM〜約0.08mM、約0.02mM〜約0.08mM、約0.02mM〜約0.07mM、約0.02mM〜約0.06mM、約0.02mM〜約0.05mM、約0.02mM〜約0.04mM、約0.02mM〜約0.03mM、約0.03mM〜約0.1mM、約0.03mM〜約0.09mM、約0.03mM〜約0.08mM、約0.03mM〜約0.07mM、約0.03mM〜約0.06mM、約0.03mM〜約0.05mM、約0.03mM〜約0.04mM、約0.04mM〜約0.1mM、約0.04mM〜約0.09mM、約0.04mM〜約0.08mM、約0.04mM〜約0.07mM、約0.04mM〜約0.6mM、約0.04mM〜約0.05mM、約0.05mM〜約0.1mM、約0.05mM〜約0.09mM、約0.05mM〜約0.08mM、約0.05mM〜約0.07mM、約0.05mM〜約0.06mM、約0.06mM〜約0.1mM、約0.06mM〜約0.09mM、約0.06mM〜約0.08mM、約0.06mM〜約0.07mM、約0.07mM〜約0.1mM、約0.07mM〜約0.09mM、約0.07mM〜約0.08mM、約0.08mM〜約0.1mM、約0.08mM〜約0.9mM、または約0.09mM〜約0.1mMである。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM、約0.02mM、約0.03mM、約0.04mM、約0.05mM、約0.06mM、約0.07mM、約0.08mM、約0.09mM、約0.1mM、約0.11mM、約0.12mM、約0.13mM、約0.14mM、約0.15mM、約0.16mM、約0.17mM、約0.18mM、約0.19mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、約0.9mM、または約1mMである。
【0104】
NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質の産出方法も提供され、本方法は、タンパク質を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含み、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地は、フコース源を、強化されたADCC機能を提供する割合で前記タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量で含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有さず、Fc含有タンパク質を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、Fc含有タンパク質を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有する抗体の産生方法が提供され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、抗体を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞はGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0105】
いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有する宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有しない宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有さず、Fc含有タンパク質を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有し、Fc含有タンパク質を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するFc含有タンパク質の産生方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でFc含有タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、抗体を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有する抗体の産生方法が提供され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まず、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有し、抗体を培地中で発現するように操作された宿主細胞を培養することを含む方法が提供され、培地は、強化されたADCC機能を提供する割合で抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生するのに十分な量でフコース源を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0106】
いくつかの実施形態において、タンパク質の強化されたADCC機能は、FXまたはGMD活性レベルが減少していない野生型宿主から産生されたタンパク質と比較したものである。いくつかの実施形態において、タンパク質の強化されたADCC機能は、タンパク質のフコシル化形態と比較したものである。いくつかの実施形態において、タンパク質の強化されたADCC機能は、野生型タンパク質と比較したものである。いくつかの実施形態において、タンパク質のADCC機能は、FXまたはGMD活性レベルが減少していない野生型宿主から産生されたタンパク質と比較して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、または100倍強化される。
【0107】
いくつかの実施形態において、ADCC機能はADCCアッセイによって決定される。ADCCアッセイ、及びADCC機能の決定方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Tada et al.,PLoS One,9,2014,e95787、Cheng et al.,J Immunol Methods,414,2014,69−81を参照されたい。例えば、タンパク質のADCC機能は、Fc含有タンパク質などのタンパク質を、末梢血単核細胞(PBMC)またはナチュラルキラー細胞(NK細胞)などのその表面上にFc受容体を発現するエフェクター細胞、及び標的細胞と共にインキュベートすることによって決定することができる。標的疾患細胞に結合したタンパク質のFc領域がFc受容体とかみ合うと、Fc受容体は、エフェクター細胞内で細胞内シグナルを伝達し、標的細胞の排除を引き起こす。続いて、標的細胞を、シンチレーションカウンターまたは分光光度法を用いて細胞内標識の放出によって測定する。これらの方法には、クロム−51放出アッセイ、ユーロピウム放出アッセイ、及び硫黄−35放出アッセイが挙げられる。例えば、標的細胞溶解を、例えば、特定のプローブの事前標識した標的細胞からの特定のプローブの放出を、
51Crもしくは蛍光色素、例えば、カルセイン−AM44、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)、2’,7’−ビス−(2−カルボキシエチル)−5−(及び−6)−カルボキシフルオレセイン(BCECF)、もしくはユーロピウムを使用して測定することによって、または乳酸脱水素酵素(LDH)もしくはATPなどの細胞質内酵素の放出を測定することによって、評価することができる。ADCC機能を評価するための他のアッセイには、例えば、標的細胞中に天然に存在する酵素の放出を測定する結合生物発光方法(ACELLA(商標)TOX;Promega)が挙げられる。標的細胞標識ステップは必要とされず、放射性薬剤も使用しない。
【0108】
いくつかの実施形態において、タンパク質のADCC機能はADCCアッセイによって決定され、このADCCアッセイはNK細胞を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質のADCC機能はADCCアッセイによって決定され、このADCCアッセイはPBMCを含む。いくつかの実施形態において、ADCCアッセイはインビトロアッセイである。いくつかの実施形態において、ADCCアッセイはインビボアッセイである。
【0109】
いくつかの実施形態において、ADCC機能はFCγIII結合アッセイによって決定される。例えば、Miller et al.,J Immunol Methods,385,2012,45−50を参照されたい。代理結合方法をADCC機能の評価に使用してもよい。一般に、これらの方法は、細胞表面標的抗原への相補性決定領域(CDR)の結合及びFcγRへのFcの結合を、別々にまたは同時に測定する。様々なフローサイトメトリー及びプレート系の形式をCDR及びFcγR結合アッセイに使用することができる。組換えタンパク質受容体結合及びC1q結合アッセイは、表面プラズモン共鳴及び酵素結合免疫吸着法を含むいくつかのプラットフォームによって開発されている。いくつかの実施形態において、ADCC機能はELISA系アッセイによって決定される。
【0110】
タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるタンパク質のフコシル化レベルの調整方法も提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地が、フコース源を含む、培養することと、タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるタンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるFc含有タンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地が、フコース源を含む、培養することと、Fc含有タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるFc含有タンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、Fc含有タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、抗体を産生するように操作された宿主細胞によって産生される抗体のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、培地が、フコース源を含む、培養することと、抗体のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、抗体を産生するように操作された宿主細胞によって産生される抗体のフコシル化レベルの調整方法であって、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、抗体のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む、方法。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞はGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0111】
いくつかの実施形態において、FX活性を実質的に有さず、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるタンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるタンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるFc含有タンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まず、培地が、フコース源を含む、培養することと、Fc含有タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞によって産生されるFc含有タンパク質のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、Fc含有タンパク質のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、Fc含有タンパク質が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、抗体を産生するように操作された宿主細胞によって産生される抗体のフコシル化レベルの調整方法が提供され、本方法は、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まず、培地が、フコース源を含む、培養することと、抗体のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む。いくつかの実施形態において、FX遺伝子破壊を有し、抗体を産生するように操作された宿主細胞によって産生される抗体のフコシル化レベルの調整方法であって、宿主細胞を初期培地中で培養することであって、培地がフコース源を含む、培養することと、抗体のフコシル化レベルを決定することと、培地中のフコース源の量を、抗体が所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生されるように調整することと、を含む、方法。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0112】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態を決定することを含む、タンパク質のフコシル化レベルの決定方法が提供される。タンパク質のフコシル化形態の決定方法は、本明細書の適用に記載される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化レベルの決定は、タンパク質の脱フコシル化形態を含む。タンパク質の脱フコシル化形態の決定方法は、本明細書の適用に記載される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化レベルの決定は、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の決定を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、フコシル化及び/または脱フコシル化レベルは、培養ステップ中に決定される。いくつかの実施形態において、フコシル化及び/または脱フコシル化レベルは、宿主細胞の培養中に1回超決定される。いくつかの実施形態において、培地中のフコース源の量は、フコシル化及び/または脱フコシル化レベルの決定後に調整される。いくつかの実施形態において、フコース源の量は、フコシル化及び/または脱フコシル化レベルの決定後に調整される。いくつかの実施形態において、フコース源の量は、宿主細胞の培養中に1回超調整される。
【0114】
いくつかの実施形態において、フコース源の量をフコシル化レベルが低い時に増加させることを含む、初期培地中のフコース源の量の調整方法が提供される。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を増加させることは、フコース源をボーラス添加によって初期培地に添加することを含む。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を増加させることは、フコース源を含む第2の培地をボーラス添加によって初期培地に添加することを含み、第2の培地中のフコース源の量は、初期培地中のフコース源の量を上回る。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を増加させることは、フコース源を連続流加によって初期培地に添加することを含む。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を増加させることは、フコース源を含む第2の培地を連続流加によって初期培地に添加することを含み、第2の培地中のフコース源の量は、初期培地中のフコース源の量を上回る。
【0115】
いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量をフコシル化レベルが高い時に減少させることを含む、初期培地中のフコース源の量の調整方法が提供される。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を減少させることは、フコース源を欠く第2の培地を添加することを含む。いくつかの実施形態において、初期培地中のフコース源の量を減少させることは、初期培地と比較した場合に減少したレベルのフコース源を含む第2の培地を添加することを含む。
【0116】
本出願は、いくつかの態様において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の生物学的活性の比較方法を提供し、本方法は、脱フコシル化タンパク質の生物学的活性を、タンパク質のフコシル化形態と比較することを含み、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化タンパク質の生物学的活性を、タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化Fc含有タンパク質の生物学的活性を、Fc含有タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、Fc含有タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、Fc含有タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化Fc含有タンパク質の生物学的活性を、Fc含有タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、Fc含有タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、Fc含有タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、脱フコシル化抗体の生物学的活性を、抗体のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、抗体の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、抗体を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化抗体の生物学的活性を、抗体のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、抗体の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FXまたはGMD遺伝子破壊を有し、抗体を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞はGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0117】
いくつかの実施形態において、脱フコシル化タンパク質の生物学的活性を、タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化タンパク質の生物学的活性を、タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FX遺伝子破壊を有し、タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化Fc含有タンパク質の生物学的活性を、Fc含有タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、Fc含有タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、Fc含有タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化Fc含有タンパク質の生物学的活性を、Fc含有タンパク質のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、Fc含有タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FX遺伝子破壊を有し、Fc含有タンパク質を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、脱フコシル化抗体の生物学的活性を、抗体のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、抗体の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、抗体を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生され、宿主細胞は、FX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、脱フコシル化抗体の生物学的活性を、抗体のフコシル化形態と比較することを含む方法が提供され、抗体の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、FX遺伝子破壊を有し、抗体を産生するように操作された同じ宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0118】
タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を同じ宿主細胞から産生させることにより、類似の産物品質属性と、フコシル化状況によるものとするタンパク質のフコシル化形態と脱フコシル化形態との間の生物学的活性の差異とを有するタンパク質の形態を生成できるようになる。
【0119】
いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態は、フコース源を含まない第1の細胞培養において宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態は、フコース源を含む第2の細胞培養において宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、a)タンパク質の脱フコシル化形態を、フコース源を含まない第1の細胞培養における宿主細胞の培養によって産生させること、b)脱フコシル化タンパク質を単離すること、c)フコース源を含む第2の細胞培養における宿主細胞の培養によって産生させること、d)フコシル化タンパク質を単離すること、ならびにe)タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の生物学的活性を比較すること、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の生物学的活性を比較することを含む方法が提供され、タンパク質のフコシル化形態は第1の細胞培養において産生され、タンパク質の脱フコシル化形態は第2の細胞培養において産生される。
【0120】
いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態は、フコース源を含む培地において宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、培地中のフコース源の量は、約0.01mM〜約1mMである。一般に、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態が同じ培地において宿主細胞によって産生される場合、タンパク質のフコシル化形態と脱フコシル化形態とを分離する必要がある。タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の分離は、例えば、LCAプルダウン技法を使用して達成することができる。例えば、Seth et al.,Dev Dyn,239,2010,3380−3390、及びJilani et al.,J Histochem Cytochem,2003,51,597−604を参照されたい。
【0121】
タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の生物学的活性は、タンパク質の単離したフコシル化形態及び脱フコシル化形態を使用して比較され得る。いくつかの実施形態において、生物学的活性の比較はインビトロで実行される。いくつかの実施形態において、生物学的活性の比較はインビボで実行される。いくつかの実施形態において、生物学的活性はADCC機能である。いくつかの実施形態において、ADCC機能はADCCアッセイによって決定される。ADCCアッセイは、当該技術分野で周知であり、本明細書の適用に記載される。いくつかの実施形態において、ADCC機能は代理ADCCアッセイによって決定される。代理ADCCアッセイは、当該技術分野で周知であり、本明細書の適用に記載される。いくつかの実施形態において、代理ADCCアッセイはFCγRIII結合アッセイである。いくつかの実施形態において、ADCC機能はFCγRIII結合アッセイによって決定される。FCγRIII結合アッセイは、当該技術分野で周知であり、本明細書の適用に記載される。
【0122】
本出願は、いくつかの態様において、タンパク質のフコシル化形態及び/または脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞の特定方法を提供する。
【0123】
タンパク質のフコシル化形態及び/または脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞の特定に好適な方法は、当該技術分野で周知である。いくつかの実施形態において、フコシル化タンパク質を産生することができる宿主細胞の特定は、細胞レベルで決定される。いくつかの実施形態において、脱フコシル化タンパク質を産生することができる宿主細胞の特定は、細胞レベルで決定される。例えば、レンチルレクチン(lens culinaris agglutinin)(LCA)系アッセイを使用して、タンパク質のフコシル化形態及び/または脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞を細胞レベルで特定することができる。例えば、Okeley et al.,PNAS,110,5404−5409を参照されたい。LCAはグリカンなどの炭水化物をコアフコースと結合させる。フルオレセイン(FITC)共役LCA(LCA−FITC)などの標識されたLCAを使用して、宿主細胞表面上のフコシル化グリカンを結合し得る。続く蛍光活性化細胞分類(FACS)の使用を使用して、タンパク質のフコシル化形態及び/または脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞を特定し得る。いくつかの実施形態において、フコシル化形態を産生することができる宿主細胞の特定が行われる。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞の特定が行われる。いくつかの実施形態においては、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞の特定が行われ、ここでは、宿主細胞を、フコースを含む培地において培養した後で評価し、またそれとは別に、宿主細胞を、フコースを欠く培地において培養した後で評価する。
【0124】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態を産生することができる宿主細胞は、蛍光活性化細胞分類(FACS)によって特性される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞は、蛍光活性化細胞分類(FACS)によって特定される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞は、蛍光活性化細胞分類(FACS)によって特定される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態を産生することができる宿主細胞は、LCA系アッセイによって特定される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、フルオレセイン(FITC)共役レンチルレクチン(LCA)で染色される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態を産生することができる宿主細胞は、LCA系アッセイによって特定される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、フルオレセイン(FITC)共役レンチルレクチン(LCA)で染色されない。
【0125】
本出願は、いくつかの態様において、タンパク質のフコシル化形態及び/または脱フコシル化形態の決定方法を提供する。
【0126】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態がグリカン構造レベルで決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態がグリカン構造レベルで決定される方法が提供される。本明細書で使用される場合、「グリカン構造レベル」は、単離したグリカン構造を使用する、フコシル化または脱フコシル化の分析を指す。一般に、グリカン構造レベルでのフコシル化または脱フコシル化の決定方法は、グリカン構造をタンパク質から切断することを伴う。グリカン構造をタンパク質から切断する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Szabo et al.,Anal Chem,82,2010,2588−2593、及びMulloy et al.,Essentials of Glycobiology,2nd Edition,Chapter 47,2009を参照されたい。いくつかの実施形態において、グリカン構造は酵素的切断によって切断される。いくつかの実施形態において、酵素はN結合型グリカン構造に特異的である。いくつかの実施形態において、PNGase Fを使用して、グリカン構造をタンパク質から切断する。
【0127】
次に、単離したグリカン構造を分析して、グリカン構造の組成、例えば、フコシル化の存否を決定する。グリカン構造の分析方法は当該技術分野で周知である。例えば、Mulloy et al.,Essentials of Glycobiology,2nd Edition,Chapter 47,2009を参照されたい。一般に、グリカン構造の混合物は、例えば、キャピラリー電気泳動または高圧液体クロマトグラフィーによって分離することになる。次に、後続の分析方法を使用して、グリカン構造の混合物中に存在するグリカン構造の種類を特定する。
【0128】
いくつかの実施形態において、グリカン構造のフコシル化形態がキャピラリー電気泳動(CE)によって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造の脱フコシル化形態がCEによって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造のフコシル化形態が質量分析(MS)によって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造の脱フコシル化形態がMSによって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造のフコシル化形態が核磁気共鳴(NMR)によって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造の脱フコシル化形態がNMRによって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、グリカン構造のフコシル化形態がシンチレーションによって決定される方法が提供され、このシンチレーションでは、フコースは放射性標識されたフコースである。いくつかの実施形態において、グリカン構造の脱フコシル化形態が標識系アッセイによって決定される方法が提供され、この標識系アッセイでは、グリカン構造の遊離還元末端は蛍光タグなどのタグによって標識される。
【0129】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態がタンパク質レベルで決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態がタンパク質レベルで決定される方法が提供される。本明細書で使用される場合、「タンパク質レベル」は、グリカン構造に結合したタンパク質(例えば、糖タンパク質)を使用する、フコシル化または脱フコシル化の分析を指す。タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態のタンパク質レベルでの決定方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Balaguer&Neususs,Anal Chem,78,2006,5384−5393を参照されたい。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態は質量分析(MS)によって決定される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態がMSによって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態がトップダウン型MSによって決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態がトップダウン型MSによって決定される方法が提供される。
【0130】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態がグリカン構造レベル及びタンパク質レベルで決定される方法が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質の脱フコシル化形態がグリカン構造レベル及びタンパク質レベルで決定される方法が提供される。
【0131】
培地及び培養方法
本明細書の実施形態に記載される所望のタンパク質の産生に使用される宿主細胞は、様々な培地中で培養され得る。一般に、該培地のフコース含有量を知ることになる。Ham’s F10(Sigma)、Minimal Essential Medium((MEM),(Sigma)、RPMI−1640(Sigma)、及びDulbecco’s Modified Eagle’s Medium((DMEM),Sigma)などの市販の培地が宿主細胞の培養に好適である。加えて、Ham et al.,Meth Enz,58,1979,Barnes et al.,Anal Biochem,102,1980、米国特許第4,767,704号、同第4,657,866号、同第4,927,762号、同第4,560,655号、もしくは同第5,122,469号、国際特許出願第WO90/03430号もしくは同第WO87/00195号、または米国特許再発行第30,985号に記載されている培地のうちのいずれかを、本宿主細胞のための培地として使用してもよい。これらの培地のいずれにも、必要に応じて、ホルモン及び/または他の増殖因子(インスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩など)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシン及びチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標)薬など)、微量要素(マイクロモルの範囲の最小濃度で通常存在する無機化合物と定義される)、及びグルコースまたは同等のエネルギー源が補充され得る。いくつかの実施形態において、培地はグルコース源を更に含む。いくつかの実施形態において、培地はマンノース源を更に含む。任意の他の必要な補充物もまた、当業者には既知であろう適切な濃度で含まれ得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、培地はフコース源を含まない。いくつかの実施形態において、培地はフコース源を含む。本明細書で使用される場合、「フコース源」は、フコシル化経路に関与するフコースを含む部分を指す。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。いくつかの実施形態において、培地はフコース源を含み、培地中のフコース源の量は約0.01mM〜約1mMである。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM〜約1mMである。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM〜約0.1mM、約0.01mM〜約0.09mM、約0.01mM〜約0.08mM、約0.01mM〜約0.07mM、約0.01mM〜約0.06mM、約0.01mM〜約0.05mM、約0.01mM〜約0.04mM、約0.01mM〜約0.03mM、約0.01mM〜約0.02mM、約0.02mM〜約0.1mM、約0.02mM〜約0.09mM、約0.02mM〜約0.08mM、約0.02mM〜約0.08mM、約0.02mM〜約0.07mM、約0.02mM〜約0.06mM、約0.02mM〜約0.05mM、約0.02mM〜約0.04mM、約0.02mM〜約0.03mM、約0.03mM〜約0.1mM、約0.03mM〜約0.09mM、約0.03mM〜約0.08mM、約0.03mM〜約0.07mM、約0.03mM〜約0.06mM、約0.03mM〜約0.05mM、約0.03mM〜約0.04mM、約0.04mM〜約0.1mM、約0.04mM〜約0.09mM、約0.04mM〜約0.08mM、約0.04mM〜約0.07mM、約0.04mM〜約0.6mM、約0.04mM〜約0.05mM、約0.05mM〜約0.1mM、約0.05mM〜約0.09mM、約0.05mM〜約0.08mM、約0.05mM〜約0.07mM、約0.05mM〜約0.06mM、約0.06mM〜約0.1mM、約0.06mM〜約0.09mM、約0.06mM〜約0.08mM、約0.06mM〜約0.07mM、約0.07mM〜約0.1mM、約0.07mM〜約0.09mM、約0.07mM〜約0.08mM、約0.08mM〜約0.1mM、約0.08mM〜約0.9mM、または約0.09mM〜約0.1mMである。いくつかの実施形態において、フコース源は、約0.01mM、約0.02mM、約0.03mM、約0.04mM、約0.05mM、約0.06mM、約0.07mM、約0.08mM、約0.09mM、約0.1mM、約0.11mM、約0.12mM、約0.13mM、約0.14mM、約0.15mM、約0.16mM、約0.17mM、約0.18mM、約0.19mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、約0.9mM、または約1mMである。
【0133】
宿主細胞の培地における培養方法は当業者に周知である。例えば、Li et al.,MAbs,2,2010を参照されたい。いくつかの実施形態において、宿主細胞の培養は、宿主細胞を、フコース源を含む培地中で培養する前に、宿主細胞を、フコース源を含まない培地中で培養することを含む。いくつかの実施形態において、フコース源は、培養ステップの開始時に培地中に存在する。いくつかの実施形態において、フコース源は、培養ステップ中に培地に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、例えば、少なくとも2×10
5細胞/mLの細胞密度で添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、例えば、50%の溶存O
2の酸素レベルで添加される。いくつかの実施形態において、フコース源、例えば、6g/Lのグルコースレベルで添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は培養ステップの開始時に培地中に存在し、フコース源は培養ステップ中に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、ボーラス添加によって培養ステップ中に培地に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、連続流加によって培養ステップ中に培地に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、ボーラス添加によって培地に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源は、連続流加によって培地に添加される。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0134】
温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞にこれまでに使用されているものであり得、当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態において、培養ステップは、約37℃、36℃、35℃、34℃、33℃、32℃、31℃、または30℃未満で実行される。いくつかの実施形態において、培養ステップは、約37℃未満で実行される。いくつかの実施形態において、培養ステップは、約34℃未満で実行される。いくつかの実施形態において、培養ステップは、約37℃で実行される。いくつかの実施形態において、培養ステップは、約34℃で実行される。いくつかの実施形態において、培養ステップは、初期温度で実行された後、第2の温度に移行する。いくつかの実施形態において、初期温度は約37℃であり、第2の温度は約34℃である。いくつかの実施形態において、初期温度は約34℃であり、第2の温度は約37℃である。
【0135】
一般に、タンパク質の産生は、大規模(商業規模など)で行われる。商業規模の産生に好適な宿主細胞の集団を獲得するために、当業者は、段階的アプローチを使用して宿主細胞集団を拡大することの有用性を認識するであろう。例えば、本プロセスは、シードトレインなど、所望の宿主細胞をより小規模で成長させて宿主細胞集団の増大を可能にすることを伴う。宿主細胞の集団を更に増大させるために、方法は、シードトレインを使用して、より大きい種菌タンクなどの培養タンクに植菌することを伴う。多くの場合、サイズが漸増する一連の種菌タンクを使用して、種菌トレインなどの宿主細胞の集団を拡大させる。このプロセスにより、産生培地における培養に好適な宿主細胞集団が提供されることになる。いくつかの実施形態において、産生培地は1000Lの培養タンクである。
【0136】
いくつかの実施形態において、バッチ流加法を使用する宿主細胞の培養を含む、タンパク質の作製方法が提供される。いくつかの実施形態において、連続流加法を使用する宿主細胞の培養を含む、タンパク質の作製方法が提供される。いくつかの実施形態において、バッチ流加法と連続流加法とを含む流加方法を使用する宿主細胞の培養を含む、Fc含有タンパク質の作製方法が提供される。
【0137】
本出願は、他の態様において、本明細書の実施形態に記載のいずれかの宿主細胞と、低レベルのフコース源を含む培地とを含む細胞培養を提供する。いくつかの実施形態において、細胞培養は、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態を更に含み得る。いくつかの実施形態において、細胞培養は、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態を特定の割合で更に含み得る。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含む、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、本宿主細胞が、ノックアウト宿主細胞である、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含む、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含み、本タンパク質が、Fc含有タンパク質である、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、本宿主細胞が、ノックアウト宿主細胞である、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含み、本タンパク質が、Fc含有タンパク質である、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含み、本タンパク質が、抗体である、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、タンパク質を発現するように操作された宿主細胞であって、本宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まず、本宿主細胞が、ノックアウト宿主細胞である、宿主細胞と、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む培地と、を含み、本タンパク質が、抗体である、細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、所定の割合でタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を発現する宿主細胞を含む細胞培養が提供される。いくつかの実施形態において、宿主細胞はFX活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞はGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD活性を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0138】
いくつかの実施形態において、細胞培養は、宿主細胞を成長環境に維持する。いくつかの実施形態において、細胞培養は、宿主細胞をタンパク質産生環境に維持する。いくつかの実施形態において、このタンパク質は、所定の割合でフコシル化形態及び脱フコシル化形態で産生される。
【0139】
いくつかの実施形態において、培地は、フコース源を約0.01mM〜約1mMで含む。いくつかの実施形態において、培地は、フコース源を約0.01mM〜約0.1mMで含む。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0140】
いくつかの実施形態において、細胞培養はシード培養である。いくつかの実施形態において、細胞培養は植菌培養である。いくつかの実施形態において、この植菌培養は主に種菌培養である。いくつかの実施形態において、この種菌培養は二次種菌である。いくつかの実施形態において、細胞培養系は産生培養を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、細胞培養は特定の温度で維持される。いくつかの実施形態において、特定の温度は約15℃〜約45℃である。いくつかの実施形態において、特定の温度は約30℃である。いくつかの実施形態において、特定の温度は約37℃未満である。いくつかの実施形態において、特定の温度は約35℃未満である。いくつかの実施形態において、特定の温度は約34℃未満である。
【0142】
いくつかの実施形態において、細胞培養は特定のpHで維持される。いくつかの実施形態において、細胞培養は特定の溶存酸素濃度で維持される。いくつかの実施形態において、細胞培養は特定の栄養素レベルで維持される。
【0143】
いくつかの実施形態において、細胞培養系は、本明細書の実施形態に記載の単数のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、細胞培養は、本明細書の実施形態に記載の複数のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、細胞培養は、本明細書の実施形態に記載のタンパク質を含む組成物を含む。
【0144】
宿主細胞
本出願は、いくつかの態様において、タンパク質発現のための宿主細胞を提供し、本宿主細胞は、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない。
【0145】
用いられ得る宿主細胞には、酵母または高等真核細胞などの真核細胞がある。高等真核細胞には、昆虫細胞、及び哺乳動物期限の樹立細胞株が挙げられる。
【0146】
好適な哺乳動物宿主細胞の例には、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzman et al.,Cell,23,1981)、L細胞、293細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、もしくはそれらの誘導体、例えば、無血清培地中で成長するVeggie CHO及び関連の細胞株(Rasmussen et al.,Cytotechnology,28,1998)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL10)細胞株、及びMcMahan et al.,EMBO J,10,1991によって説明されているアフリカミドリザル腎臓細胞株CVI(ATCC CCL 70)由来のCVI/EBNA細胞株、293、293 EBNA、もしくはMSR 293などのヒト胎児腎臓細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細胞、他の形質転換された霊長類細胞株、正常2倍体細胞、霊長類組織のインビトロ培養由来の細胞株、初代外植片、HL−60、U937、HaK、またはJurkat細胞が挙げられる。任意に、例えば、HepG2/3B、KB、NIH 3T3、またはS49などの哺乳動物細胞株を宿主細胞として使用することができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO細胞である。CHO細胞は当該技術分野で周知である。例えば、Xu et al.,Nat Biotechnol,29,2011を参照されたい。いくつかの実施形態において、宿主細胞はDP12宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はDUXB−11由来DHFR欠乏DP12宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHO−K1宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はDHFR陽性CHO−K1宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はCHOK1M宿主細胞である。
【0148】
いくつかの実施形態において、宿主細胞はマウス宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はSp2/0宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞はNS0宿主細胞である。
【0149】
いくつかの実施形態において、宿主細胞はハイブリドーマである。いくつかの実施形態において、ハイブリドーマは抗体産生細胞であり、この抗体産生細胞は、宿主細胞の抗原による免疫付与の後に宿主から収集される。いくつかの実施形態において、抗体産生細胞は骨髄腫細胞と融合する。いくつかの実施形態において、宿主細胞はマウス骨髄腫由来細胞株である。
【0150】
代替として、宿主細胞は酵母などの下等真核生物であり得る。好適な酵母には、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces株、Candida、または異種ポリペプチドを発現することができる任意の酵母が挙げられる。
【0151】
本明細書で使用される場合、「FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない」は、不活性化されていない野生型FXまたはGMD遺伝子を含む宿主細胞と比較して、それぞれ、40%以下のFXまたはGMD活性を含む宿主細胞を指す。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型FXまたはGMD遺伝子を含む宿主細胞と比較して、それぞれ、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%以下のFXまたはGMD活性を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型FXを含む宿主細胞と比較して、20%、15%、10%、または5%以下のFX活性を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型FXを含む宿主細胞と比較して、FX活性を含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型GMDを含む宿主細胞と比較して、20%、15%、10%、または5%以下のGMD活性を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型GMDを含む宿主細胞と比較して、GMD活性を含まない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型FX及びGMD遺伝子を含む宿主細胞と比較して、20%、15%、10%、または5%以下のFX及びGMD活性を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されていない野生型FX及びGMD遺伝子を含む宿主細胞と比較して、FX及びGMD活性を含まない。
【0152】
FX及びGMDは、サルベージ経路に属し、L−フコースからGPD−フコースを産生する酵素である。Becker and Lowe,et al.,Biochim Biophys Acta,1455,1999,193−204を参照されたい。サイトゾルにおいて、FXは、L−フコースをL−フコース−1−ホスフェートに変換し、GMDは、L−フコース−1−ホスフェートをGPD−フコースに変換する。その後、GPD−フコースはゴルジ内腔に輸送され、そこでグリカン構造をフコシル化するために使用される基質として働く。
【0153】
いくつかの実施形態において、宿主細胞におけるFXまたはGMD遺伝子は不活性化される。本明細書で使用される場合、「不活性化」は、機能的遺伝子の翻訳、または今後生じる可能性のある翻訳(即ち、機能的酵素の発現)を阻害することを指す。不活性化は、転写、翻訳、及びタンパク質発現を含むがこれらに限定されない、遺伝子発現のいずれの段階またはプロセスにおいても生じ得、また不活性化は、DNA、mRNAなどのRNA、及びポリペプチドを含むがこれらに限定されない、いずれの遺伝子または遺伝子産物にも影響し得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子は不活性化され、ここでは、FXまたはGMD活性はDNAレベルに基づく。いくつかの実施形態において、宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子は不活性化され、ここでは、FXまたはGMD活性はRNAレベルに基づく。いくつかの実施形態において、宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子は不活性化され、ここでは、FXまたはGMD活性はポリペプチドレベルに基づく。
【0155】
ノックアウト宿主細胞の産生方法も本出願で提供される。例えば、方法には、CRISPR、TALEN、ZFN、及びメガヌクレアーゼ系の使用が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、遺伝子欠失、または遺伝子付加もしくは置換を含む。
【0156】
一般に、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、この宿主細胞の産生方法は、宿主細胞のFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む。宿主細胞中でFXまたはGMD遺伝子を不活性化するための方法及び技法には、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA;ショートヘアピン型RNAとも称される)、クラスターを形成し規則正しい間隔を持つ短いパリンドロームリピート(CRISPR)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、相同的組換え、非相同的末端結合、メガヌクレアーゼ、及び酵素阻害が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、O’Keefe,Mater Methods,3,2013、Doench et al.,Nat Biotechnol,32,2014、Gaj et al.,Trends Biotechnol,31,2014、及びSilva et al.,Curr Gene Ther,11,2011を参照されたい。
【0157】
一般に、本明細書で使用されるCRISPR系は、Cas9などのカスパーゼタンパク質とヌクレオチド配列を含むRNA配列とを含み得、目的とする配列に相補的であり、ガイド配列と称される。カスパーゼ及びRNA配列は、宿主細胞のDNA配列を特定する複合体を形成し、その後、カスパーゼのヌクレアーゼ活性により、DNA鎖の切断が可能となる。カスパーゼアイソタイプは、一本鎖DNAまたは二本鎖DNAヌクレアーゼ活性を有する。CRISPR系で使用されるガイドRNA配列の設計及びガイドRNA配列の数により、遺伝子の特定のストレッチの除去及び/またはDNA配列の付加が可能となる。
【0158】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、CRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む。いくつかの実施形態において、コード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、DNAエンドヌクレアーゼ遺伝子を含むコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、CAS遺伝子を含むコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、CAS9遺伝子を含むコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、CAS9遺伝子をコードするコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、Casタンパク質を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、CAS9タンパク質と相互作用することができるRNA分子をコードするコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、ガイドRNA(gRNA)単位を含むRNA分子をコードするコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供され、このgRNA単位は、FXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、gRNA単位を含むRNA分子を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供され、このgRNA単位は、FXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、トランス活性化crRNA(tracrRNA)単位を含むRNA分子をコードするコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、tracrRNA単位を含むRNA分子を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、gRNA単位及びtracrRNA単位を含むRNA分子をコードするコード化ベクターを含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供され、このgRNA単位は、遺伝子配列の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、gRNA単位及びtracrRNA単位を含むRNA分子を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供され、このgRNA単位は、FXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、以下を含むCRISPR系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される:a)gRNA単位を含む第1のRNA分子であって、このgRNA単位が、FXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的な第1のヌクレオチド配列を含む、第1のRNA分子、及びb)gRNA単位を含む第2のRNA分子であって、このgRNA単位が、FXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的な第2のヌクレオチド配列を含む、第2のRNA分子。いくつかの実施形態において、第1のヌクレオチド配列及び第2のヌクレオチド配列は異なる。いくつかの実施形態において、第1のヌクレオチド配列は、第2のヌクレオチド配列に相補的なFXまたはGMD遺伝子の部分の領域とは異なる場所にあるFXまたはGMD遺伝子配列の一部に相補的である。
【0159】
いくつかの実施形態において、CRISPR系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターを使用してCRISPR系を含むベクターを送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはアデノウイルスである。いくつかの実施形態において、ベクターはプロモーターを含む。
【0160】
一般に、本明細書で使用されるTALEN系は、DNA配列の認識及び続く二本鎖DNAの切断を可能にする、1つ以上の制限ヌクレアーゼ及び2つ以上のタンパク質複合体を含み得る。TALEN系のタンパク質複合体は、各々が特定のヌクレオチドと制限ヌクレアーゼのドメインとを認識するいくつかの転写活性化因子様エフェクター(TALE)を含む。一般に、TALEN系は、制限ヌクレアーゼの2つのドメイン(各タンパク質複合体から1つ)が活性なヌクレアーゼを形成し、特定のDNA配列を切断する様式で、各々がTALEと制限ヌクレアーゼのドメインとを含む2つのタンパク質複合体が個々にDNA配列に結合することになるように、設計される。TALEN系におけるタンパク質複合体及び切断されることになる配列の数の設計により、遺伝子の特定のストレッチの除去及び/またはDNA配列の付加が可能となる。
【0161】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が低下したレベルのFX活性またはGMD活性を有する、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む。いくつかの実施形態において、第1のTALEN単位を含むTALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、第1のTALEN単位は、第1のTALEN結合単位を含む。いくつかの実施形態において、第1のTALEN結合単位は、少なくとも1個の転写活性化因子様エフェクター(TALE)及び第1のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第1のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第1のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第1のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第1のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したTALEは第1のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第1のTALEN単位は、第2のTALEN結合単位を更に含む。いくつかの実施形態において、第2のTALEN結合単位は、少なくとも1つの転写活性化因子様エフェクター(TALE)と第2のヌクレアーゼドメインとを含む。いくつかの実施形態において、第2のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第2のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第2のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第2のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したTALEは第2のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第1のTALEN結合単位及び第2のTALEN結合単位は、FXまたはGMD遺伝子の異なる配列に結合する。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメイン及び第2のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性な制限エンドヌクレアーゼを構成する。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメイン及び第2のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性なFok1酵素を構成する。
【0162】
いくつかの実施形態において、第2のTALEN単位を更に含むTALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、第2のTALEN単位は、第3のTALEN結合単位を含む。いくつかの実施形態において、第3のTALEN結合単位は、少なくとも1個の転写活性化因子様エフェクター(TALE)及び第3のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第3のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第3のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第3のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第3のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したTALEは第3のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第2のTALEN単位は、第4のTALEN結合単位を更に含む。いくつかの実施形態において、第4のTALEN結合単位は、少なくとも1個の転写活性化因子様エフェクター(TALE)及び第4のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第4のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第4のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第4のTALEN結合単位は、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のTALEと、第4のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのTALEは共に連結し、連結したTALEはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したTALEは第4のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第3のTALEN結合単位及び第4のTALEN結合単位は、FXまたはGMD遺伝子の異なる配列に結合する。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメイン及び第4のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性な制限エンドヌクレアーゼを構成する。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメイン及び第4のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性なFok1酵素を構成する。
【0163】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は、FXまたはGMD遺伝子配列の異なる非重複部分に結合する第1のTALEN単位及び第2のTALEN単位を含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は、第1のTALEN単位をコードするコード化ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は、第1のTALEN単位をコードするコード化ベクターを含み、かつTALEN系は、第2のTALEN単位をコードするコード化ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は、第1のTALEN単位をコードするコード化ベクターを含み、かつTALEN系は、第1のTALEN単位及び第2のTALEN単位をコードするコード化ベクターを含む。
【0165】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は第1のTALEN単位を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は第2のTALEN単位を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、TALEN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、TALEN系は、第1のTALEN単位及び第2のTALEN単位を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、第1のTALEN結合単位は連結したTALEの群を含み、このTALEの群はヌクレオチド配列を認識する。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子の一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子プロモーターの一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子のフランキング配列の一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子の一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子プロモーターの一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子のフランキング配列の一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。
【0167】
いくつかの実施形態において、TALEN系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターを使用してTALEN系を含むベクターを送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはアデノウイルスである。
【0168】
一般に、本明細書で使用されるZFN系は、DNA配列の認識及び続く二本鎖DNAの切断を可能にする、1つ以上の制限ヌクレアーゼ及び2つ以上のタンパク質複合体を含み得る。ZFN系のタンパク質複合体は、各々が特定のヌクレオチドコドンと制限ヌクレアーゼのドメインとを認識するいくつかのジンクフィンガーを含む。一般に、ZFN系は、制限ヌクレアーゼの2つのドメイン(各タンパク質複合体から1つ)が活性なヌクレアーゼを形成し、特定のDNA配列を切断する様式で、各々がジンクフィンガーと制限ヌクレアーゼのドメインとを含む2つのタンパク質複合体が個々にDNA配列に結合することになるように、設計される。ZFN系におけるタンパク質複合体及び切断されることになる配列の数の設計により、遺伝子の特定のストレッチの除去及び/またはDNA配列の付加が可能となる。
【0169】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む。いくつかの実施形態において、第1のZFN単位を含むZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、第1のZFN単位は、第1のZFN結合単位を含む。いくつかの実施形態において、第1のZFN結合単位は、少なくとも1個のジンクフィンガー及び第1のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第1のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第1のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第1のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第1のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したジンクフィンガーは第1のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第1のZFN単位は、第2のZFN結合単位を更に含む。いくつかの実施形態において、第2のZFN結合単位は、少なくとも1個のジンクフィンガー及び第2のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第2のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第2のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第2のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第2のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したジンクフィンガーは第2のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第1のZFN結合単位及び第2のZFN結合単位は、FXまたはGMD遺伝子の異なる配列に結合する。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第2のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメイン及び第2のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性な制限エンドヌクレアーゼを構成する。いくつかの実施形態において、第1のヌクレアーゼドメイン及び第2のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性なFok1酵素を構成する。
【0170】
いくつかの実施形態において、第2のZFN単位を更に含むZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、第2のZFN単位は、第3のZFN結合単位を含む。いくつかの実施形態において、第3のZFN結合単位は、少なくとも1個のジンクフィンガー及び第3のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第3のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第3のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第3のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第3のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したジンクフィンガーは第3のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第2のZFN単位は、第4のZFN結合単位を更に含む。いくつかの実施形態において、第4のZFN結合単位は、少なくとも1個のジンクフィンガー及び第4のヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの実施形態において、第4のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第4のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識する。いくつかの実施形態において、第4のZFN結合単位は、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のジンクフィンガーと、第4のヌクレアーゼドメインとを含み、これらのジンクフィンガーは共に連結し、連結したジンクフィンガーはFXまたはGMDヌクレオチド配列の一部を認識し、かつ連結したジンガーフィンガーは第4のヌクレアーゼドメインに更に連結する。いくつかの実施形態において、第3のZFN結合単位及び第4のZFN結合単位は、FXまたはGMD遺伝子の異なる配列に結合する。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、制限エンドヌクレアーゼのドメインである。いくつかの実施形態において、第4のヌクレアーゼドメインは、Fok1のドメインである。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメイン及び第4のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性な制限エンドヌクレアーゼを構成する。いくつかの実施形態において、第3のヌクレアーゼドメイン及び第4のヌクレアーゼドメインは、会合して、活性なFok1酵素を構成する。
【0171】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は、FXまたはGMD遺伝子配列の異なる非重複部分に結合する第1のZFN単位及び第2のTALEN単位を含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は、第1のZFN単位をコードするコード化ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は、第1のZFN単位をコードするコード化ベクターを含み、かつZFN系は、第2のZFN単位をコードするコード化ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は、第1のZFN単位をコードするコード化ベクターを含み、かつZFN系は、第1のZFN単位及び第2のZFN単位をコードするコード化ベクターを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は第1のZFN単位を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は第2のZFN単位を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、ZFN系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含み、ここでは、ZFN系は第1のZFN単位及び第2のZFN単位を含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、第1のZFN結合単位は連結したジンクフィンガーの群を含み、このジンクフィンガーの群はヌクレオチド配列を認識する。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子の一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子プロモーターの一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、FXまたはGMD遺伝子のフランキング配列の一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子の一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子プロモーターの一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。いくつかの実施形態において、本配列は、FXまたはGMD遺伝子のフランキング配列の一部に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相同である。
【0175】
いくつかの実施形態において、ZFN系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターを使用してZFN系を含むベクターを送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはアデノウイルスである。
【0176】
一般に、本明細書で使用されるメガヌクレアーゼ系は、DNA配列の認識及び続く二本鎖DNAの切断を可能にする1つ以上のメガヌクレアーゼを含み得る。
【0177】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、メガヌクレアーゼ系を使用したGMD遺伝子のFXの不活性化を含む。いくつかの実施形態において、メガヌクレアーゼは、約8〜約35ヌクレオチド塩基対長のDNA認識配列を有する。いくつかの実施形態において、メガヌクレアーゼは、約12〜約30ヌクレオチド塩基対長のDNA認識配列を有する。いくつかの実施形態において、DNA認識配列は、FXまたはGMD遺伝子の一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、DNA認識配列は、FXまたはGMD遺伝子プロモーターの一部を含む配列である。いくつかの実施形態において、DNA認識配列は、FXまたはGMD遺伝子のフランキング配列の一部を含む配列である。
【0178】
いくつかの実施形態において、メガヌクレアーゼ系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターを使用してメガヌクレアーゼ系を含むベクターを送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、送達ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはアデノウイルスである。
【0179】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に有しないか、またはGMD活性を実質的に有しない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、FXまたはGMD活性のレベルの決定を更に含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、ここでは、FXまたはGMD遺伝子欠失が検出される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、ここでは、FXまたはGMD遺伝子の付加または置換が検出される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、FXまたはGMD発現のレベルは、宿主細胞中の遺伝子を不活性する前に決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、FXまたはGMD活性のレベルは、CRISPR系を使用して宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子を不活性化した後で決定される。いくつかの実施形態において、GMD活性のFXのレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、FXまたはGMD活性のレベルは、TALEN系を使用して宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子を不活性化した後で決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、FXまたはGMD活性のレベルは、ZFN系を使用して宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子を不活性化した後で決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子不活性化のレベルの決定を含む宿主細胞の産生方法が提供され、FXまたはGMD活性のレベルは、メガヌクレアーゼ系を使用して宿主細胞中のFXまたはGMD遺伝子を不活性化した後で決定される。
【0180】
本明細書に開示される方法のいくつかにおいて、FXまたはGMD活性レベルはDNAレベルで決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルはRNAレベルで決定される。いくつかの実施形態において、PCRを使用してFXまたはGMD活性レベルを決定することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、PCRを使用してFXまたはGMD活性レベルを決定することを含む、宿主細胞の産生方法が提供され、ここでは、変異型配列が検出される。いくつかの実施形態において、qPCRを使用してFXまたはGMD活性レベルを決定することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、qPCRを使用してFXまたはGMD活性レベルを決定することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0181】
本明細書に開示される方法のいくつかにおいて、FXまたはGMD活性レベルはタンパク質レベルで決定され得る。いくつかの実施形態において、免疫組織化学を使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、ウエスタンブロットを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、フローサイトメトリーを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0182】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子不活性化のレベルは、FXまたはGMD遺伝子を不活性化した後のFXまたはGMD活性のレベルを対照値と比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子不活性化のレベルは、FXまたはGMD遺伝子を不活性化した後のFXまたはGMD活性のレベルを、FXまたはGMD遺伝子を不活性化する前のFXまたはGMD活性のレベルと比較することによって決定される。
【0183】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は低分子干渉RNA(siRNA)系によって不活性化され、ここでは、宿主細胞がsiRNA系を含むことになる。
【0184】
いくつかの実施形態において、siRNA系は、約10〜200ヌクレオチド長、または約10〜100ヌクレオチド長、または約15〜100ヌクレオチド長、または約10〜60ヌクレオチド長、または約15〜60ヌクレオチド長、または約10〜50ヌクレオチド長、または約15〜50ヌクレオチド長、または約10〜30ヌクレオチド長、または約15〜30ヌクレオチド長のsiRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、siRNAヌクレオチド配列は約10〜25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、siRNAヌクレオチド配列は約15〜25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、siRNAヌクレオチド配列は、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、または少なくとも約25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、siRNA系は、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、また100%相補的である、ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、siRNA系は、FXまたはGMD前段階mRNA分子の領域に、少なくとも少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、また100%相補的である、ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、siRNA系は二本鎖RNA分子を含む。いくつかの実施形態において、siRNA系は一本鎖RNA分子を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載されるsiRNA系を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される活性なsiRNA分子へと処理される前段階siRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的である、siRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載されるsiRNA分子をコードする発現ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される前段階siRNA分子をコードする発現ベクターを含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、siRNA系は送達ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は送達ベクターを含む。いくつかの実施形態において、送達ベクターは前段階siRNA及び/またはsiRNA分子を含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は、ショートヘアピン型RNA(shRNA;ショートヘアピン型RNAとも称される)系によって不活性化され、ここでは、宿主細胞はshRNA系を含むことになる。shRNA系による遺伝子不活性化は当該技術分野で周知である。いくつかの実施形態において、shRNA系は、約10〜200ヌクレオチド長、または約10〜100ヌクレオチド長、または約15〜100ヌクレオチド長、または約10〜60ヌクレオチド長、または約15〜60ヌクレオチド長、または約10〜50ヌクレオチド長、または約15〜50ヌクレオチド長、または約10〜30ヌクレオチド長、または約15〜30ヌクレオチド長のshRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、shRNAヌクレオチド配列は約10〜25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、shRNAヌクレオチド配列は約15〜25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、shRNAヌクレオチド配列は、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、または少なくとも約25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、shRNA系は、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、また100%相補的である、ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、shRNA系は、FXまたはGMD前段階mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、また100%相補的である、ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、shRNA系は二本鎖RNA分子を含む。いくつかの実施形態において、shRNA系は一本鎖RNA分子を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載されるshRNA系を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される活性なshRNAヌクレオチド配列において処理される前段階shRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、DNAで構成される前段階shRNA分子。いくつかの実施形態において、前段階shRNA分子はDNA構築物である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的である、shRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載されるshRNA分子をコードする発現ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される前段階shRNA分子をコードする発現ベクターを含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、shRNA系は送達ベクターを含む。いくつかの実施形態において、宿主は送達ベクターを含む。いくつかの実施形態において、送達ベクターは前段階shRNA及び/またはshRNA分子を含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は不活性化され、ここでは、宿主細胞は遺伝子欠失を含む。本明細書で使用される場合、「遺伝子欠失」は、単個の核酸などのDNA配列の少なくとも一部を遺伝子からまたは遺伝子の近位で除去することを指す。いくつかの実施形態において、遺伝子欠失に供される配列は、遺伝子のエクソン配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子欠失に供される配列は、遺伝子のプロモーター配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子欠失に供される配列は、遺伝子のフランキング配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子配列の一部が遺伝子から除去される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子配列の一部が、FXまたはGMD遺伝子から、またはその近位で除去される。いくつかの実施形態において、遺伝子配列全体が染色体から除去される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD配列全体が染色体から除去される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される遺伝子欠失を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子中に遺伝子欠失を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子の近位に遺伝子欠失を含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は不活性化され、ここでは、宿主細胞は遺伝子付加または置換を含む。本明細書で使用される場合、「遺伝子付加」または「遺伝子置換」は、1つ以上のヌクレオチドまたはヌクレオチド塩基対の挿入または置換を含む、遺伝子配列の改変を指す。いくつかの実施形態において、遺伝子のイントロン配列が改変される。いくつかの実施形態において、遺伝子のエクソン配列が改変される。いくつかの実施形態において、遺伝子のプロモーター配列が改変される。いくつかの実施形態において、遺伝子のフランキング配列が改変される。いくつかの実施形態において、1個のヌクレオチドまたはヌクレオチド塩基対が遺伝子配列に付加される。いくつかの実施形態において、少なくとも1個の連続ヌクレオチドまたはヌクレオチド塩基対が遺伝子配列に付加される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される遺伝子付加または置換を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子中に遺伝子付加または遺伝子置換を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FX及びGMD遺伝子中に遺伝子付加または遺伝子置換を含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子欠失によって不活性化され、ここでは、遺伝子配列における少なくとも1個のヌクレオチドまたはヌクレオチド塩基対の欠失により、非機能性遺伝子産物がもたらされる。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子欠失によって不活性化され、ここでは、遺伝子配列に対する少なくとも1つのヌクレオチドの欠失により、元の遺伝子産物機能または活性を有さない遺伝子産物がもたらされる。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子欠失によって不活性化され、ここでは、遺伝子配列に対する少なくとも1つのヌクレオチドの欠失により、機能不全の遺伝子産物がもたらされる。
【0191】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子付加または置換によって不活性化され、ここでは、FXまたはGMD遺伝子配列への少なくとも1個のヌクレオチドまたはヌクレオチド塩基対の付加または置換により、非機能性遺伝子産物がもたらされる。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子不活性化によって不活性化され、ここでは、FXまたはGMD遺伝子配列に対する少なくとも1つのヌクレオチドの組み込みまたは置換により、元の遺伝子産物機能または活性を有さない遺伝子産物がもたらされる。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は遺伝子付加または置換によって不活性化され、ここでは、FXまたはGMD遺伝子配列への少なくとも1個のヌクレオチドの組み込みまたは置換により、機能不全の遺伝子産物がもたらされる。
【0192】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、非機能性FXまたはGMD遺伝子産物を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、それぞれ元のFXまたはGMD遺伝子産物機能または活性を有しないFXまたはGMD遺伝子産物を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、機能不全のFXまたはGMD遺伝子産物を含む。
【0193】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されたFXまたはGMD遺伝子を含み、ここでは、この不活性化されたFXまたはGMD遺伝子は、それぞれ、完全長の機能性FXまたはGMD遺伝子産物(例えば、完全長FXまたはGMDポリペプチド配列)を発現しない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されたFXまたはGMD遺伝子を含み、ここでは、この不活性化されたFXまたはGMD遺伝子は、それぞれ、内在性FXまたはGMD遺伝子産物配列を発現しない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、不活性化されたFXまたはGMD遺伝子を含み、ここでは、この不活性化されたFXまたはGMD遺伝子は、それぞれ、変異型FXまたはGMD遺伝子産物を発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、変異型FXまたはGMD遺伝子産物を含む。
【0194】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は送達ベクターを含む。いくつかの実施形態において、送達ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、送達ベクターはアデノウイルスである。いくつかの実施形態において、ベクターはプロモーターを含む。
【0195】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は安定したノックダウン宿主細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は安定したFXまたはGMDノックダウン細胞株である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は一過性ノックダウン細胞株である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は一過性FXまたはGMDノックダウン細胞株である。
【0196】
いくつかの実施形態において、FXまたはGMD遺伝子は、低分子干渉RNA(siRNA)系によって不活性化される。FXまたはGMD遺伝子不活性化に好適なsiRNA配列の特定方法は当該技術分野で周知である。例えば、FXまたはGMD遺伝子を標的化するためのsiRNAを開発及び特定するための一般的考察には、a)好ましくは21〜23ヌクレオチド長(その後、必要に応じて配列長の短縮)の配列をまず検索すること、b)開始コドン及び終止コドンの50〜100塩基対内の領域を回避すること、c)イントロン領域を回避すること、d)4つ以上の塩基のストレッチ、例えば、AAAAを回避すること、e)30%未満または60%超のGC含有量を有する領域を回避すること、f)反復及び低い配列複雑性を回避すること、g)一塩基多型部位を回避すること、h)他のオフターゲット遺伝子中の配列に相補的な配列を回避すること、が含まれる。例えば、Rules of siRNA design for RNA interference,Protocol Online,May 29,2004、及びReynolds et al.,Nat Biotechnol,22,2004を参照されたい。
【0197】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、siRNA系を使用したFXまたはGMG遺伝子の不活性化を含む。いくつかの実施形態において、約10〜200ヌクレオチド長、または約10〜100ヌクレオチド長、または約15〜100ヌクレオチド長、または約10〜60ヌクレオチド長、または約15〜60ヌクレオチド長、または約10〜50ヌクレオチド長、または約15〜50ヌクレオチド長、または約10〜30ヌクレオチド長、または約15〜30ヌクレオチド長のsiRNAヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、約10〜25ヌクレオチド長のsiRNAヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、約15〜25ヌクレオチド長のsiRNAヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、または少なくとも約25ヌクレオチド長のsiRNAヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的なヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD前段階mRNA分子の領域に、少なくとも少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的なsiRNAヌクレオチド配列を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、二本鎖RNA分子を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、一本鎖RNA分子を含むsiRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0198】
いくつかの実施形態において、siRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、siRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供され、これにおいては、siRNA系はsiRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、エレクトロポレーションを使用してsiRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、トランスフェクション技法を使用してsiRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、ウイルスを使用してsiRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0199】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、宿主細胞におけるFXまたはGMD活性のレベルの決定を更に含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルの決定は、siRNAヌクレオチド配列を宿主細胞に送達する前のFXまたはGMD活性レベルの決定を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルの決定は、siRNAヌクレオチド配列を宿主細胞に送達した後のFXまたはGMD活性レベルの決定を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルはRNAレベルで決定される。いくつかの実施形態において、PCRを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルはタンパク質レベルで決定される。いくつかの実施形態において、免疫組織化学を使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、ウエスタンブロットを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、フローサイトメトリーを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、siRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを対照値と比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、siRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを野生型の値と比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、それぞれ、siRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを、FXまたはGMD siRNAを送達する前のFXまたはGMD活性レベルと比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、FXもしくはGMD RNA及び/またはタンパク質の発現などのFXまたはGMD遺伝子の発現レベルに基づく。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、FXまたはGMDタンパク質の発現レベルに基づく。
【0200】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、shRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む。いくつかの実施形態において、約10〜200ヌクレオチド長、または約10〜100ヌクレオチド長、または約15〜100ヌクレオチド長、または約10〜60ヌクレオチド長、または約15〜60ヌクレオチド長、または約10〜50ヌクレオチド長、または約15〜50ヌクレオチド長、または約10〜30ヌクレオチド長、または約15〜30ヌクレオチド長のshRNAヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、約10〜25ヌクレオチド長のshRNAヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、約15〜25ヌクレオチド長のshRNAヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、または少なくとも約25ヌクレオチド長のshRNAヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD mRNA分子の領域に、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的なヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD前段階mRNA分子の領域に、少なくとも少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%相補的なshRNAヌクレオチド配列を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、二本鎖RNA分子を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、一本鎖RNA分子を含むshRNA系を使用したFXまたはGMD遺伝子の不活性化を含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0201】
いくつかの実施形態において、shRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、shRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供され、これにおいては、shRNA系はshRNAヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、エレクトロポレーションを使用してshRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、トランスフェクション技法を使用してshRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。いくつかの実施形態において、ウイルスを使用してshRNA系を宿主細胞に送達することを含む、宿主細胞の産生方法が提供される。
【0202】
いくつかの実施形態において、宿主細胞が、FX活性を実質的に含まないか、またはGMD活性を実質的に含まない、宿主細胞の産生方法が提供され、本方法は、宿主細胞におけるFXまたはGMD活性のレベルの決定を更に含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルの決定は、shRNAヌクレオチド配列を宿主細胞に送達する前のFXまたはGMD活性レベルの決定を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルの決定は、shRNAヌクレオチド配列を宿主細胞に送達した後のFXまたはGMD活性レベルの決定を含む。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルはRNAレベルで決定される。いくつかの実施形態において、PCRを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性のレベルはタンパク質レベルで決定される。いくつかの実施形態において、免疫組織化学を使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、ウエスタンブロットを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、フローサイトメトリーを使用したFXまたはGMD活性レベルの決定を含む、FXまたはGMD活性レベルの決定方法が提供される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、shRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを対照値と比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、shRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを野生型の値と比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、それぞれ、shRNAを送達した後のFXまたはGMD活性レベルを、FXまたはGMD shRNAを送達する前のFXまたはGMD発現レベルと比較することによって決定される。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、FXもしくはGMD RNA及び/またはタンパク質の発現などのFXまたはGMD遺伝子の発現レベルに基づく。いくつかの実施形態において、FXまたはGMD活性レベルは、FXまたはGMDタンパク質の発現レベルに基づく。
【0203】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD以外の不活性化された遺伝子を更に含む。
【0204】
一般に、宿主細胞は、所望のタンパク質をコードするDNAを含む組換え発現ベクターによって形質転換される。加えて、本出願の宿主細胞は空の宿主細胞であり得る。本明細書で使用される場合、「空の宿主」は、タンパク質をコードする発現ベクターを含有しない細胞を指す。いくつかの実施形態において、空の宿主細胞はCHO細胞である。いくつかの実施形態において、空の宿主細胞はマウス細胞である。
【0205】
本明細書に記載のタンパク質をコードする核酸を含む宿主細胞も本出願によって提供される。本発明によって提供される核酸分子には、一本鎖形態と二本鎖形態との両方にあるDNA及びRNA、ならびに対応する相補配列が含まれる。DNAには、例えば、cDNA、ゲノムDNA、化学的に合成されたDNA、PCRによって増幅されたDNA、及びこれらの組み合わせが含まれる。本発明の核酸分子には、完全長遺伝子またはcDNA分子、及びその断片の組み合わせが含まれる。本明細書で提供される核酸は、優先的にヒト源に由来する。
【0206】
ある特定の実施形態において、核酸は、汚染内在物質を実質的に含まない。この核酸分子は、標準的な生化学的方法(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989)において概説されているものなど)によって、実質的に純粋な形態、かつその構成要素のヌクレオチド配列の特定、操作、及び回収を可能にする量または濃度で少なくとも1回単離されたDNAまたはRNAに由来していることが好ましい。かかる配列は、真核生物遺伝子中に典型的に存在する内部の翻訳されていない配列またはイントラン(intran)によって妨げられていないオープンリーディングフレームの形態で提供及び/または構築されることが好ましい。翻訳されていないDNAの配列は、この配列がコード化領域の操作または発現に干渉しない、オープンリーディングフレームから5’または3’に存在し得る。
【0207】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、タンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、Fc含有タンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、Fc含有タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、タンパク質を分泌することができる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、Fc含有タンパク質を分泌することができる。
【0208】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子不活性化前の宿主細胞に類似した産生率でタンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子不活性化前の宿主細胞と同じ産生率でタンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、FXまたはGMD遺伝子不活性化前の宿主細胞の産生率の約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%でタンパク質を発現することができる。
【0209】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、遺伝子修飾を更に含む。タンパク質の産生を目的とした宿主細胞の遺伝子修飾による最適化は、当該技術分野で周知であり、例えば、統合法のためのベクター選択特性、及びタンパク質産生に対して操作するのに望ましい任意の他の細胞特性に関する検討を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子修飾は、標的化された遺伝子修飾である。いくつかの実施形態において、遺伝子修飾は、ノックアウト遺伝子修飾である。いくつかの実施形態において、遺伝子修飾は、ノックイン遺伝子修飾である。
【0210】
また、FXまたはGMD活性の決定を含む、宿主細胞をタンパク質発現の適合性について評価する方法も提供され、これにおいては、低下したレベルのFXまたはGMD活性は適合性を示す。
【0211】
タンパク質を産生するように操作された細胞
本出願は、いくつかの態様において、本明細書の実施形態に記載されるタンパク質を産生するように操作された宿主細胞を提供する。本出願は、他の態様において、本明細書の実施形態に記載される宿主細胞の作製方法を提供する。
【0212】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、タンパク質を産生するように操作される。
【0213】
いくつかの実施形態において、タンパク質を産生するように操作された宿主細胞の作製方法が提供され、本方法は、a)宿主細胞を、タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターによって形質転換することを含む。
【0214】
発現ベクターを使用する宿主細胞の形質転換方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Kim et al.,Anal Bioanal Chem,397,2010を参照されたい。宿主細胞の形質転換方法には、形質転換、感染、リン酸カルシウム共沈、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、DEAE−デキストラン媒介形質転換、または他の既知の技法が挙げられるが、これらに限定されない。選択する方法は、一部には使用する宿主細胞の種類の機能となる。これらの方法及び他の好適な方法は当業者に周知である。
【0215】
本明細書に記載される少なくとも1つのタンパク質を含む、プラスミド、発現ベクター、転写、または発現カセットの形態にある発現系及び構築物も提供される。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるプラスミド、発現ベクター、転写、または発現カセットは、少なくとも1つのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。
【0216】
いくつかの実施形態において、宿主細胞中で使用される発現ベクターは、プラスミド保持ならびに内在ヌクレオチド配列のクローニング及び発現のための配列を含有することになる。「フランキング配列」と総称されるかかる配列は、ある特定の実施形態において、典型的には、以下のヌクレオチド配列のうちの1つ以上を含むことになる:プロモーター、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、供与体及び受容体スプライス部位を含む全イントロン配列、ポリペプチド分泌に関するリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるタンパク質をコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、ならびに選択可能なマーカー要素。これらの配列の各々は以下で考察される。
【0217】
フランキング配列は、同種(即ち、宿主細胞と同じ種及び/または株由来)、異種(即ち、宿主細胞種または株以外の種に由来)、ハイブリッド(即ち、1つ超のソース由来のフランキング配列の組み合わせ)、合成、または天然であってもよい。このため、フランキング配列のソースは、フランキング配列が宿主細胞機構において機能的であり、それによって活性化され得ることを条件として、いずれの真核生物であっても、いずれの脊椎動物もしくは無脊椎動物であっても、またはいずれの植物であってもよい。
【0218】
本発明のベクターにおいて有用なフランキング配列は、当該技術分野で周知であるいくつかの方法のうちのいずれかによって得られ得る。典型的には、本明細書において有用なフランキング配列は、マッピングによって及び/または制限エンドヌクレアーゼ消化によってそれまでに特定されているため、制限エンドヌクレアーゼを使用して適当な組織源から単離することができる。いくつかの場合、フランキング配列の全ヌクレオチド配列が分かっていてもよい。ここでは、フランキング配列は、核酸合成またはクローニングについて本明細書に記載される方法を使用して合成され得る。
【0219】
分かっているフランキング配列が全てであっても一部であっても、これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、ならびに/または同じもしくは別の種由来のオリゴヌクレオチド及び/もしくはフランキング配列断片などの好適なプローブによるゲノムライブラリのスクリーニングをすることによって得られ得る。フランキング配列が分かっていない場合には、フランキング配列を含むDNAの断片は、例えばコード化配列または更には別の遺伝子(単数または複数)を含み得るより大きいDNA片から単離され得る。単離は、適当なDNA断片を産生するための制限エンドヌクレアーゼ消化、続くアガロースゲル精製、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth,CA)、または当業者に既知の他の方法を使用した単離によって達成され得る。この目的を達成するのに好適な酵素の選択は、当業者には容易に明らかとなる。
【0220】
複製起点は、典型的には、商業的に購入した部分発現ベクターであり、この起点は宿主細胞中のベクターの増幅を支援する。選択したベクターが複製起点部位を含まない場合、分かっている配列に基づいて化学的に合成し、ベクターへとライゲーションしてもよい。例えば、様々なウイルス起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水胞性口炎ウイルス(VSV)、またはHPVもしくはBPVなどのパピローマウイルス)が、哺乳動物細胞中のベクターのクローニングに有用である。一般に、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターに必要とされない(SV40起点が、ウイルス初期プロモーターも含有するという理由だけで、使用されることが多い)。
【0221】
転写終結配列は、典型的にはポリペプチドコード化領域の端部に対して3’に位置し、転写を終結させるために働く。この配列はライブラリから容易にクローニングするか、または更にはベクターの部分として商業的に購入するものであるが、明細書に記載されるものなどの核酸合成のための方法を使用して容易に合成することもできる。
【0222】
選択可能なマーカー遺伝子は、選択培地中で成長させた宿主細胞の生存及び成長に必要なタンパク質をコードする。典型的な選択マーカー遺伝子は、(a)抗生物質もしくは他の毒素への耐性を与えるか、(b)細胞の栄養要求性欠乏を補完するか、または(c)複合もしくは限定培地から入手不可能な必須の栄養素を供給する、タンパク質をコードする。具体的な選択可能なマーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピリシン耐性遺伝子、及びテトラサイクリン耐性遺伝子である。有利にも、ネオマイシン耐性遺伝子も真核性宿主細胞における選択に使用し得る。
【0223】
他の選択可能な遺伝子を使用して、発現されることになる遺伝子を増幅してもよい。増幅とは、成長または細胞生存に必須のタンパク質の産生に求められる遺伝子が組換え細胞の継続的世代の染色体内で直列に繰り返されるプロセスである。哺乳動物細胞に好適な選択可能なマーカーの例には、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)及びプロモーターを有しないチロシンキナーゼ遺伝子が挙げられる。哺乳動物細胞形質転換体は選択圧下に置かれ、ここで、形質転換体のみが、ベクター中に存在する選択可能な遺伝子によって生存するように特異的に適応する。選択圧は、培地中の選択剤の濃度を連続的に増加させることで、選択可能な遺伝子と抗体軽鎖または重鎖などの別の遺伝子をコードするDNAとの両方の増幅を生じさせる条件下で、形質転換した細胞を培養することによってかけられる。その結果、増加量のポリペプチドが、増幅されたDNAから合成される。
【0224】
リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳開始に必要とされ、例えば、コザック配列によって特徴付けられる。本要素は、発現されるポリペプチドのプロモーターに対して3’、コード化配列に対して5’に位置する。ある特定の実施形態において、1つ以上のコード化領域は、内部リボソーム結合部位(IRES)に作動可能に連結し、これにより単一のRNA転写産物からの2つのオープンリーディングフレームの翻訳が可能となる。
【0225】
本発明の発現ベクター及びクローニングベクターは、典型的に、宿主細胞によって認識され、ポリペプチドをコードする分子に作動可能に連結するプロモーターを含むことになる。プロモーターは、構造遺伝子の転写を制御する構造遺伝子の開始コドン(一般に約100〜1000bp以内)に対して上流(即ち、5’)に位置する転写されていない配列である。プロモーターは、誘導性プロモーター及び構成的プロモーターという2つのクラスのうちの1つに従来的にはグループ分けされる。誘導性プロモーターは、栄養素の存否または温度の変化などの培養条件の変化に応答して、その制御下でDNAからの転写レベルの減少を始動する。一方で構成的プロモーターは、それらが作動可能に連結する遺伝子を均一に、つまり遺伝子発現に対する制御をほとんどまたは全く有さずに転写する。様々な可能性のある宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。好適なプロモーターは、制限酵素消化によりソースDNAからプロモーターを除去し、かつ所望のプロモーター配列をベクターに挿入することによって、例えば重鎖または軽鎖をコードするDNAに作動可能に結合する。
【0226】
酵母宿主を用いた使用に好適なプロモーターも当該技術分野で周知である。酵母エンハンサーが酵母プロモーターと共に有利に使用される。哺乳動物宿主細胞を用いた使用に好適なプロモーターは、当該技術分野で周知であり、これらには、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及び最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られるものが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な哺乳動物プロモーターには、異種哺乳動物プロモーター、例えば、熱ショックプロモーター及びアクチンプロモーターが挙げられる。
【0227】
関心対象となり得る更なるプロモーターには、SV40初期プロモーター(Benoist and Chambon,1981,Nature 290:304−310);CMVプロモーター(Thomsen et al.,1984,Proc.Natl.Acad.U.S.A.81:659−663);ラウス肉腫ウイルスの3’の長い末端反復に含まれるプロモーター(Yamamoto et al.,1980,Cell 22:787−797);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1444−1445);メタロチオニン(metallothionine)遺伝子からのプロモーター及び調節配列Prinster et al.,1982,Nature 296:39−42;またはタックプロモーター(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21−25)が挙げられるが、これらに限定されない。組織特異性を呈し、トランスジェニック動物において利用されている以下の動物転写制御領域も関心のものである:膵腺房細胞において活性であるエラスターゼI遺伝子制御領域(Swift et al.,1984,Cell 38:639−646;Omitz et al.,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409;MacDonald,1987,Hepatology 7:425−515);膵臓ベータ細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nature 315:115−122);リンパ系細胞において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedl et al.,1984,Cell 38:647−658;Adames et al.,1985,Nature 318:533−538;Alexander et al.,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−1444);精巣、乳房、リンパ系、及びマスト細胞において活性なマウス乳房腫瘍ウイルス制御領域(Leder et al.,1986,Cell 45:485−495);肝臓において活性なアルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al.,1987,Genes and Devel.1:268−276);肝臓において活性なアルファ−フェタ(feta)−タンパク質遺伝子制御領域(Krumlauf et al.,1985,Mol.Cell.Biol.5:1639−1648;Hammer et al.,1987,Science 253:53−58);肝臓において活性なアルファ1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al.,1987,Genes and Devel.1:161−171);骨髄細胞において活性なベータ−グロブリン遺伝子制御領域(Mogram et al.,1985,Nature 315:338−340;Kollias et al.,1986,Cell 46:89−94);脳の乏突起膠細胞において活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al.,1987,Cell 48:703−712);骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域(Sani,1985,Nature 314:283−286);ならびに視床下部において活性な性腺刺激性放出ホルモン遺伝子制御領域(Mason et al.,1986,Science 234:1372−1378)。
【0228】
エンハンサー配列は、ベクターに挿入されて、高等真核生物による本発明の軽鎖または重鎖をコードするDNAの転写を増加させ得る。エンハンサーは、プロモーターに作用して転写を増加させる、通常は長さが約10〜300bpであるDNAのシス作用性要素である。エンハンサーは、配向及び位置に比較的依存せず、転写単位に対して5’及び3’両方の位置で見い出されている。哺乳動物遺伝子から利用可能ないくつかのエンハンサー配列が既知である(例えば、グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、アルファフェトタンパク質、及びインスリン)。しかしながら、典型的には、ウイルスからのエンハンサーが使用される。当該技術分野で既知であるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが、真核性プロモーターの活性化のための例示的な増強要素である。エンハンサーは、コード配列の5’または3’のいずれかでベクター中に位置付けられ得るが、典型的には、プロモーターから5’部位に位置する。適切な天然または異種シグナル配列(リーダー配列またはシグナルペプチド)をコードする配列は、発現ベクター中に組み込まれて、抗体の細胞外分泌を促進し得る。シグナルペプチドの選択は抗体が産生される宿主細胞の種類に左右され、異種シグナル配列は天然のシグナル配列を代置し得る。哺乳動物宿主細胞中で機能的であるシグナルペプチドの例には、米国特許第4,965,195号に記載のインターロイキン−7(IL−7)に対するシグナル配列;Cosman et al.,1984,Nature 312:768に記載のインターロイキン−2受容体に対するシグナル配列;欧州特許第0367566号に記載のインターロイキン−4受容体シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載のI型インターロイキン−I受容体シグナルペプチド;欧州特許第0460846号に記載のII型インターロイキン−I受容体シグナルペプチドが挙げられる。
【0229】
ベクターは、ベクターが宿主細胞ゲノムに統合されるときに発現を促進する1つ以上の要素を含み得る。例には、EASE要素(Aldrich et al.2003 Biotechnol Prog.19:1433−38)及びマトリックス付着領域(MAR)が挙げられる。MARは、クロマチンの構造的構成を媒介し、統合されたベクターを「位置」効果から防護し得る。このため、MARは、ベクターが安定した形質転換体を創出するために使用される場合に特に有用である。いくつかの天然及び合成MAR含有核酸が、米国特許第6,239,328号、同第7,326,567号、同第6,177,612号、同第6,388,066号、同第6,245,974号、同第7,259,010号、同第6,037,525号、同第7,422,874号、同第7,129,062号など、当該技術分野で既知である。
【0230】
本発明によって提供される発現ベクターは、市販のベクターなどの出発ベクターから構築されてもよい。かかるベクターは、所望のフランキング配列の全てを含む場合も含まない場合もある。本明細書に記載されるフランキング配列のうちの1つ以上は、ベクター中に既に存在しない場合、これらを個別に得て、ベクター中にライゲーションしてもよい。フランキング配列の各々を得るために使用される方法は当業者に周知である。
【0231】
ベクターを構築し、タンパク質配列をコードする核酸分子をベクターの適当な部位に挿入した後、完成したベクターを、増幅及び/またはポリペプチド発現のために好適な宿主細胞中に挿入し得る。
【0232】
Fc含有タンパク質などのタンパク質をコードする核酸を含むベクターの作製方法は当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第7,923,221号を参照されたい。
【0233】
タンパク質ならびに所望のコード化配列及び対照配列を含む好適なベクターの構築には、標準的なライゲーション技法が用いられる。単離されたプラスミドまたはDNA断片は、切断され、調整され、再ライゲーションされて、求められるプラスミドを形成するために所望される形態となる。用いられる方法は、DNA源または意図される宿主に左右されない。
【0234】
いくつかの実施形態において、宿主細胞に導入するのに最適なポリヌクレオチドの割合を決定することを更に含む、タンパク質の作製方法が提供される。いくつかの実施形態において、質量分析を使用してタンパク質の収率を決定し、割合を調整してタンパク質の収率を最大化する。いくつかの実施形態において、二重抗原ELISAを使用してFc含有タンパク質などのタンパク質の収率を決定し、割合を調整してタンパク質の収率を最大化する。
【0235】
精製
本明細書に記載される方法は、いくつかの態様において、本明細書に記載される方法によって産生されるタンパク質の単離方法を更に含む。
【0236】
タンパク質の獲得方法は当該技術分野で周知である。例えば、Huse et al.,J Biochem Bioph Meth,51,2002を参照されたい。タンパク質は、細胞内で産生され得るか、または培地に直接分泌され得る。タンパク質が細胞内で産生される場合、第1のステップとして、微粒子残屑(宿主細胞または溶解断片のいずれか)が、例えば、遠心分離または限外濾過により除去される。タンパク質が培地に分泌される場合、かかる発現系の上清は、一般に、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを使用して、まず濃縮される。いくつかの実施形態において、プロテアーゼ阻害剤が前述のステップのうちのいずれかに含まれてもよく、外来性夾雑物の成長を阻止するための抗生物質が含まれてもよい。
【0237】
細胞から調製された組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーを使用して精製することができ、このうち親和性クロマトグラフィーが典型的な精製技術である。Fc含有タンパク質について、親和性リガンドとしてのプロテインAの適合性は、Fc含有タンパク質内に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに左右される。タンパク質Aは、1、2、または4個の重鎖を含むヒト免疫グロブリンに基づくFc含有タンパク質を精製するために使用することができる(例えば、Lindmark et al.,J Immunol Meth,62,1983を参照されたい)。タンパク質Gは、全てのマウスアイソタイプ及びヒト3に推奨される(Guss et al.,EMBO,5,1986を参照されたい)。親和性リガンドが結合するマトリックスは、ほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。孔制御ガラスまたはポリ(スチレン−ジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスは、アガロースで達成可能なものよりも速い流速、及び短い処理時間を可能にする。タンパク質精製のための他の技法、例えば、イオン交換カラム上での分別、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー、ヘパリン上でのクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラムなど)上でのSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿も、回収されるタンパク質に応じて利用可能である。
【0238】
いくつかの実施形態において、充填剤の使用を含むタンパク質の精製方法が提供される。いくつかの実施形態において、充填剤は透析濾過系である。いくつかの実施形態において、充填剤は限外濾過系である。いくつかの実施形態において、充填剤はウイルス濾過系である。いくつかの実施形態において、タンパク質の精製は、一連の濾過ステップの使用を含む。いくつかの実施形態において、一連の濾過ステップは、以下のうちの少なくとも1つから選択される:透析濾過、限外濾過、及びウイルス濾過。
【0239】
いくつかの実施形態において、濾過、タンパク質A精製、カチオン交換精製、強カチオン交換精製、アニオン交換精製、逆相精製、及びマルチモーダル精製から選択される一連のタンパク質精製技法を使用したタンパク質の精製方法が提供される。
【0240】
組成物
本出願は、いくつかの態様において、グリカン構造を含むタンパク質を提供し、本タンパク質は、本明細書に記載される方法のいずれかによって産生されるタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態の所定の割合にある。
【0241】
いくつかの実施形態において、タンパク質はFc含有タンパク質である。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質はFcドメインを含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は1つ以上のFcドメインを含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は2つのFcドメインを含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は重鎖またはその断片を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は少なくとも1つの重鎖を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は1つ以上の重鎖を含む。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は2つの重鎖を含む。
【0243】
いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は完全長抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体は二重特異性抗体である。いくつかの実施形態において、完全長抗体は多特異性抗体である。
【0244】
いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質はFc含有融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質は1つ以上のFcドメインを含む。
【0245】
いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質のFcドメインは、Fc含有融合タンパク質の血漿半減期を延長する。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質のFcドメインは、Fc含有融合タンパク質の生物学的活性を延長する。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質のFcドメインは、Fc含有融合タンパク質の腎クリアランス率を低下させる。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質のFcドメインは、Fc含有融合タンパク質の可溶性を増大させる。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質のFcドメインは、Fc含有融合タンパク質の安定性を増大させる。
【0246】
Fc含有融合タンパク質は当該技術分野で周知である。例えば、Czajkowsky et al.,EMBO Mol Med,4,2012,1015−1028を参照されたい。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質はイムノアドヘシンである。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質はサイトカイン−Fc融合タンパク質である。
【0247】
いくつかの実施形態において、タンパク質は多量体タンパク質である。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は多量体タンパク質である。いくつかの実施形態において、Fc含有融合タンパク質は多量体タンパク質である。
【0248】
いくつかの実施形態において、タンパク質は薬剤に共役される。いくつかの実施形態において、タンパク質は、薬剤の分子少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、または10個に共役される。いくつかの実施形態において、タンパク質は、薬剤の分子約2〜10、約4〜10、約6〜10、または約8〜10個に共役される。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質は薬剤に共役され、薬剤はFc含有タンパク質のFcドメインに共役される。いくつかの実施形態において、薬剤は治療薬である。いくつかの実施形態において、治療薬は小分子治療薬である。いくつかの実施形態において、治療薬は化学療法剤である。いくつかの実施形態において、薬剤は検出薬である。いくつかの実施形態において、検出薬は放射性標識である。いくつかの実施形態において、検出薬は蛍光標識である。いくつかの実施形態において、検出薬は免疫標識である。いくつかの実施形態において、タンパク質はコンパニオン診断薬である。いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質はコンパニオン診断薬である。
【0249】
いくつかの実施形態において、タンパク質は翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、翻訳後修飾は非酵素的に産生される。いくつかの実施形態において、翻訳後修飾は酵素的に産生される。いくつかの実施形態において、翻訳後修飾は、ジスルフィド対形成、脱アミド化、酸化、及びN末端グルタミン環化から選択される。
【0250】
いくつかの実施形態において、Fc含有タンパク質などのタンパク質は、任意のタンパク質に結合するか、またはそれと相互作用し、これらのタンパク質には、HER1(EGFR)、HER2、HER3、及びHER4などのHER受容体ファミリーメンバー;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD21、CD22、及びCD34などのCDタンパク質;LFA−1、Mol、p150,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM、及びαもしくはβまたはそのサブユニットを含むav/p3インテグリンなどの細胞接着分子(例えば、抗CD11a、抗CD18、または抗CD11b抗体);CRIgなどのマクロファージ受容体、TRAIL/Apo−2などの腫瘍壊死因子、血管内皮成長因子(VEGF)などの成長因子;IgE;血液型抗原;flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;ならびにタンパク質Cが含まれるが、これらに限定されない。他の例示的なタンパク質には、成長ホルモン(GH)、例えば、ヒト成長ホルモン(hGH)及びウシ成長ホルモン(bGH);成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;凝固因子、例えば、第VIIIC因子、組織因子、及びフォン・ヴィレブランド因子;抗凝固因子、例えば、タンパク質;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;プラスミノーゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA);ボンバジン;トロンビン;腫瘍壊死因子α及びβ;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化時に調節され、通常はT細胞が発現及び分泌している);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA);ミュラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;DNase;インヒビン;アクチビン;ホルモンまたは成長因子に対する受容体;インテグリン;タンパク質AまたはD;リウマチ因子;神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、または−6(NT−3、NT−4、NT−5、またはNT−6)、または神経成長因子、例えば、NGF−β;血小板由来成長因子(PDGF);線維芽細胞成長因子、例えば、aFGF及びbFGF;表皮成長因子(EGF);形質転換成長因子(TGF)、例えば、TGF−α及びTGF−β、例えば、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、またはTGF−β5;インスリン様成長因子−I及び−II(IGF−I及びIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I);インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP);エリスロポエチン(EPO);トロンボポエチン(TPO);骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン、例えば、インターフェロン−α、−β、及び−γ;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M−CSF、GM−CSF、及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL−1〜IL−10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;分解促進因子(DAF);ウイルス抗原、例えば、AIDSエンベロープの一部など;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;イムノアドヘシン;抗体;ならびに上に挙げたポリペプチドのうちのいずれかの生物学的に活性な断片または変異型が挙げられる。多くの他の抗体及び/または他のタンパク質が本発明に従って使用されてもよく、上のリストは限定的であることを意味しない。
【0251】
本出願は、いくつかの態様において、本明細書に記載される方法のいずれかによって作製されるタンパク質を含む組成物を提供する。本出願は、別の態様において、NK細胞及びPMN細胞によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質を含む組成物を提供し、本組成物は、強化されたADCC機能を提供する割合でタンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態を含む。
【0252】
いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態は、グリカン構造の還元末端にフコースを含む。いくつかの実施形態において、タンパク質のフコシル化形態は、グリカン構造の還元末端にフコースを含み、フコースは、グリカン構造の還元末端の第1のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)部分に共有結合する。いくつかの実施形態において、グリカン構造は、グリカン構造の還元末端にフコース部分を含む。いくつかの実施形態において、フコース部分は、グリカン構造に共有結合した単個のフコース分子である。いくつかの実施形態において、グリカン構造はL−フコースを含む。いくつかの実施形態において、タンパク質は2つ以上のグリカン構造を含む。
【0253】
いくつかの実施形態において、本組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は貯蔵用形態にある。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は製品輸送用形態にある。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は凍結される。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は凍結乾燥される。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は再構成される。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は投与用組成物である。いくつかの実施形態において、本医薬組成物はそれを必要とする個体への投与用形態にある。
【0254】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は滅菌医薬組成物である。滅菌医薬組成物は、当業者に記載の医薬品グレード滅菌基準(例えば、United States Pharmacopeia Chapters 797,1072,and 1211、California Business & Professions Code 4127.7、16 California Code of Regulations 1751,21 Code of Federal Regulations 21、またはかかる規制に対する旧米国カウンターパート(ex−U.S.counterparts))に従って調合または製造される。
【0255】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は安定製剤である。本明細書で使用される場合、「安定」製剤は、含まれるタンパク質が貯蔵中に物理的及び化学的安定性及び完全性を本質的に保持するものである。タンパク質安定性を測定するための様々な分析技法が当該技術分野で利用可能であり、例えば、Jones,Adv Drug Delivery Rev,10,1993において概説されている。安定性は、選択された温度にて選択された期間測定することができる。例えば、貯蔵中の凝集の程度は、タンパク質安定性の指標として用いることができる。よって、「安定」製剤は、タンパク質の約10%未満及び好ましくは約5%未満が製剤中に凝集物として存在するものであってもよい。
【0256】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は再構成された製剤である。本明細書で使用される場合、「再構成された」製剤は、凍結乾燥したタンパク質製剤をタンパク質が全体に分散するように希釈液に溶解させることによって調製されたものである。再構成された製剤は、それを必要とする個体への投与(例えば、静脈内または皮下投与)に好適である。
【0257】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は等張製剤である。本明細書で使用される場合、「等張」製剤は、ヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有するものである。等張製剤は、一般的に、約250〜350mOsmの浸透圧を有する。「低張」という用語は、ヒト血液のものより低い浸透圧を有する製剤を説明する。同様に、「高張」という用語は、ヒト血液のものより高い浸透圧を有する製剤を説明するために用いられる。
【0258】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は特定のpHである。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、約5〜7、約5〜6、または約5〜5.5のpHである。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は約5.3のpHである。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は約5.4のpHである。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、pHが調整されている。
【0259】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、活性成分以外の薬学的組成物中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体は、一般に、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに非毒性であり、これには、緩衝液、例えばリン酸、クエン酸、及び他の有機酸;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、アクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルもしくはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体は、可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質などの介在性薬物分散剤を更に含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される担体は、酢酸ナトリウム、スクロース、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20)、コハク酸ナトリウム、ヒスチジンHCl、及び塩化ナトリウムからなる群から選択される。
【0260】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される酸を更に含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される酸」は、処方される濃度及び様式にて非毒性である無機及び有機酸を含む。例えば、適切な無機酸としては、塩化水素酸、過塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、スルホン酸、スルフィン酸、スルファニル酸、リン酸、炭酸などが挙げられる。適切な有機酸としては、直鎖及び分岐鎖アルキル、芳香族、環状、脂環式、アリール脂肪族、複素環式、飽和、不飽和のモノ、ジ、及びトリカルボン酸(例えばギ酸、酢酸、2−ヒドロキシ酢酸、トリフルオロ酢酸、フェニル酢酸、トリメチル酢酸、t−ブチル酢酸、アントラニル酸、プロパン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、プロパン二酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロペンタンプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、ブタン酸、ブタン二酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、アスコルビン酸、桂皮酸、ラウリル硫酸、ステアリン酸、ムコン酸、マンデル酸、コハク酸、エンボン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、マロン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、グリコン酸、グルコン酸、ピルビン酸、グリオキサル酸、シュウ酸、メシル酸、コハク酸、サリチル酸、フタル酸、パルモ酸、パルメイン酸、チオシアン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4′−メチレンビス−3−(ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、ヒドロキシナフトエ酸を含む)が挙げられる。
【0261】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される塩基を更に含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩基」は、処方される濃度及び様式にて非毒性である無機及び有機塩基を含む。例えば、適切な塩基には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム、N−メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジンのような無機塩基形成性金属から形成されるもの、ならびに第一級、第二級、及び第三級アミン、置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、トリメタミン(trimethamine)、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが挙げられる。特に好ましい有機非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
【0262】
本発明で用いることができる更なる薬学的に許容される酸及び塩基としては、アミノ酸、例えばヒスチジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、及びアスパラギンに由来するものが挙げられる。
【0263】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される緩衝液または塩、例えば、上記の酸及び塩基の酸及び塩基付加塩の両方に由来するものを更に含む。具体的な緩衝液及び/または塩には、ヒスチジン、コハク酸塩、及び酢酸塩が挙げられる。
【0264】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される糖を更に含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される糖」は、目的とするタンパク質と混合した場合に、貯蔵の際のタンパク質の化学的及び/または物理的不安定性を著しく妨げるかまたは低減する分子である。製剤を凍結乾燥させ、次いで再構成することを目的とする場合、「薬学的に許容される糖類」は、「凍結乾燥保護剤」としても知られ得る。例示的な糖類及び対応する糖アルコールには、グルタミン酸1ナトリウムまたはヒスチジンなどのアミノ酸;ベタインなどのメチルアミン;硫酸マグネシウムなどのリオトロピックな塩;三価またはそれより高い分子量の糖アルコールなどのポリオール、例えばグリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、及びマンニトール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;PLURONICS(登録商標);及びそれらの混合物が挙げられる。更なる例示的な凍結乾燥保護剤には、グリセリン及びゼラチン、ならびに糖類メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、及びスタキオースが挙げられる。還元糖類の例には、グルコース、マルトース、ラクトース、マルツロース、イソマルツロース、及びラクツースが挙げられる。非還元糖類の例には、糖アルコール及び他の直鎖多価アルコールから選択されるポリヒドロキシ化合物の非還元グリコシドが挙げられる。好ましい糖アルコールは、モノグリコシド、特にラクトース、マルトース、ラクツロース、及びマルツロースなどの二糖類の還元により得られる化合物である。グリコシド側鎖は、グルコシドまたはガラクトシドのいずれかであり得る。糖アルコールの更なる例は、グルシトール、マルチトール、ラクチトール、及びイソマルツロースである。好ましい薬学的に許容される糖類は、非還元糖類トレハロースまたはショ糖である。薬学的に許容される糖類は、タンパク質がその物理的及び化学的な安定性及び完全性を貯蔵中(例えば再構成及び貯蔵の後)に本質的に保持することを意味する「保護量」(例えば凍結乾燥前)で製剤に加えられる。
【0265】
いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、薬学的に許容される保存剤を更に含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される保存剤」は、細菌の活性を低減するために本明細書における製剤に加えることができる化合物である。可能性のある保存剤の例には、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドの混合物)及びベンゼトニウムクロライドが挙げられるが、これらに限定されない。他の型の保存剤には、芳香族アルコール、例えばフェノール、ブチル、及びベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、及びm−クレゾールが挙げられる。
【0266】
いくつかの実施形態において、複数のタンパク質を含む本組成物は細胞培地である。いくつかの実施形態において、細胞培地は栄養培地である。栄養培地は、宿主細胞成長に必要な全ての要素を含有する。いくつかの実施形態において、細胞培地は最小培地である。最小培地は、例えば、一般にはアミノ酸が存在しない、宿主細胞成長にとって可能な限り最低限の栄養素を含有する。いくつかの実施形態において、細胞培地は選択培地である。選択培地は、選択生物の成長を阻害する薬剤を含有する。
【0267】
いくつかの実施形態において、細胞培地は、細胞支持及び/または成長のための細胞培地栄養素を更に含む。いくつかの実施形態において、細胞培地栄養素は、例えば、タンパク質;ペプチド;アミノ酸;炭水化物;金属及び鉱物、例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄;微量金属、例えば、リン酸塩及び硫酸塩;緩衝液;pH指示薬、例えば、フェノールレッド、ブロモクレゾールパープル;ならびに抗菌薬から選択される。
【0268】
いくつかの実施形態において、細胞培地は宿主細胞を更に含む。いくつかの実施形態において、培地は宿主細胞を実質的に欠いている。
【0269】
いくつかの実施形態において、細胞培地はフコース源を含む。いくつかの実施形態において、フコース源はフコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコースである。いくつかの実施形態において、フコースはL−フコース−1−ホスフェートである。いくつかの実施形態において、フコース源はGDP−フコースである。
【0270】
いくつかの実施形態において、本組成物は細胞溶解物である。いくつかの実施形態において、細胞溶解物は、複数のタンパク質及び宿主細胞成分を含む。いくつかの実施形態において、細胞溶解物は、遠心分離された細胞溶解物である。いくつかの実施形態において、細胞溶解物は、細胞溶解物の沈殿部分と細胞溶解物の上清部分とを含む。いくつかの実施形態において、細胞溶解物は、細胞溶解物のペレット部分と細胞溶解物の上清部分とを含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、本組成物はタンパク質精製カラムからの溶出物である。本明細書で使用される場合、「溶出物」は、タンパク質精製カラムを通る任意の流体を指す。いくつかの実施形態において、溶出物は、通過画分液から単離される流体を含む。いくつかの実施形態において、溶出物は、洗浄液から単離される流体を含む。いくつかの実施形態において、溶出物は、1つ以上の洗浄液から単離される流体を含む。いくつかの実施形態において、溶出物は、溶出液から単離される流体を含む。
【0272】
いくつかの実施形態において、組成物は、複数のタンパク質のうちの少なくとも2つのタンパク質が異なる、タンパク質のライブラリである。いくつかの実施形態において、ライブラリは、異なる抗原に結合する少なくとも2つのタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリは、異なるエピトープに結合する少なくとも2つのタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、異なるタンパク質は、異なる容器中に含まれる。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも2、3、4、5、10、30、100、250、500、750、1000、2500、5000、7500、10000、25000、50000、75000、100000、250000、500000、750000、1000000、2500000、5000000、7500000、10000000、または10000000個超の異なるタンパク質を含むライブラリを提供する。
【0273】
本出願は、本明細書の実施形態に記載される組成物のいずれかの大規模なバッチ(例えば、商業用バッチまたは製造規模のバッチ)を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、バッチは、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を所定の割合で含む。いくつかの実施形態において、バッチは、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、バッチは、抗体のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を所定の割合で含む。いくつかの実施形態において、バッチは、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有する抗体を含む。
【0274】
いくつかの実施形態において、バッチは、少なくとも約5g、10g、50g、100g、200g、300g、400g、500g、600g、700g、800g、900g、1,000g、1,500g、2,000g、2,500g、3,000g、3,500g、4,000g、4,500g、または5,000gのタンパク質を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。いくつかの実施形態において、バッチは、少なくとも約5〜5,000g、50〜4,000g、または約100〜1,000gのタンパク質を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。
【0275】
いくつかの実施形態において、バッチは薬物貯蔵用形態にある。いくつかの実施形態において、バッチは製品輸送用形態にある。いくつかの実施形態において、バッチはそれを必要とする個体への投与用形態にある。いくつかの実施形態において、バッチは凍結乾燥される。いくつかの実施形態において、バッチは薬剤に共役されない。いくつかの実施形態において、バッチは薬剤に共役される。いくつかの実施形態において、バッチは製剤成分を更に含む。
【0276】
いくつかの実施形態において、バッチは細胞培地である。いくつかの実施形態において、バッチは細胞溶解物である。
【0277】
いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部は容器中にある。いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部はバイアルの中にある。いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部は複数のバイアル中にある。いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部はシリンジ中にある。
【0278】
いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部は複数のバイアル中にあり、各バイアルはタンパク質を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。いくつかの実施形態において、バッチまたはその一部は複数のバイアル中にあり、バイアルの少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、タンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態を所定の割合で含む。
【0279】
いくつかの実施形態において、バッチは単位用量に等分される。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、単回単位用量としての投与を意図したタンパク質の量である。いくつかの実施形態において、単回単位用量は約1〜約500mgのタンパク質である。いくつかの実施形態において、単位用量は容器の中にパッケージ化される。いくつかの実施形態において、単位用量はバイアルの中にパッケージ化される。
【0280】
いくつかの実施形態において、商業用バッチのサイズは、臨床用バッチサイズの約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍以下である。本明細書で使用される場合、「商業用バッチ」は、商業生産及び/または流通を目的として完了される1つ以上の生産運転中に生産されるタンパク質の量を指す。本明細書で使用される場合、「臨床用バッチ」は、臨床試験を目的として完了される1つ以上の生産運転中に生産されるタンパク質の量を指す。いくつかの実施形態において、商業用バッチのサイズは、臨床用バッチサイズの10倍以下である。
【0281】
いくつかの実施形態において、容器は、本明細書に記載される商業用バッチのアリコートを含み、この商業用バッチはタンパク質を含む組成物を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。いくつかの実施形態において、バイアルは、本明細書に記載される商業用バッチのアリコートを含み、この商業用バッチはタンパク質を含む組成物を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。いくつかの実施形態において、シリンジは、本明細書に記載される商業用バッチのアリコートを含み、この商業用バッチはタンパク質を含む組成物を含み、このタンパク質のフコシル化形態及び脱フコシル化形態は所定の割合である。
【0282】
治療方法
本出願は、いくつかの態様において、疾患の治療を、それを必要とする個体において行う方法が提供され、本方法は、その個体に、本明細書の実施形態に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0283】
いくつかの実施形態において、医薬組成物の有効量が、それを必要とする個体に投与され、この医薬組成物は、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態を所定の割合で含む。
【0284】
いくつかの実施形態において、医薬組成物の有効量が、それを必要とする個体に投与され、この医薬組成物は、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物の有効量が、それを必要とする個体に投与され、この医薬組成物は、NK細胞とPMN細胞との両方によって媒介される強化されたADCC機能を有するタンパク質を含み、かつこの医薬組成物は、タンパク質の脱フコシル化形態及びフコシル化形態を、強化されたADCC機能を提供する割合で含む。
【0285】
本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、または経皮を含む、非経口などの様々な経路で投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は非経口投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は静脈内投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は皮下投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は局所投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は局部投与され得る。
【0286】
本明細書の方法によって治療され得る疾患は、タンパク質によって治療され得る任意の疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は癌である。いくつかの実施形態では、疾患は自己免疫疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は感染症である。
【0287】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、別の投与様式または治療と組み合わせて使用される。
【0288】
当業者であれば、いくつかの実施形態が本発明の範囲及び趣旨の内で可能であることを認識するであろう。本発明は、これから以下の非限定例を参照してより詳細に説明される。以下の実施例は、本発明を更に説明するが、決してその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0289】
実施例1:
各々フコース滴定によって調整することができるフコシル化:脱フコシル化の割合を有する抗体を発現する能力があるFXノックアウトCHO細胞株の開発
抗体の脱フコシル化形態の生物学的機能の変化を評価するためには、抗体の野生型(フコシル化)形態と脱フコシル化形態との両方を産生させる必要がある。これまでに、力価が比較的妥当な抗体の脱フコシル化形態を発現する能力があるCHO細胞株を開発するためにFUT8ノックアウト宿主(FUT8−KO)が使用されてきた(Malphettes et al.,Biotechnol Bioeng,106,2010,774−783)。しかしながら、FUT8−KO細胞株は、クローンの成長及び適合速度がより遅いことが観察されている。更に、抗体を野生型形態(即ち、フコシル化形態)でも産生させるためには、更なる別々の細胞株開発(CLD)が必要とされる。これを達成するためには、多数のクローニングを産生させスクリーニングして、見合った製品品質を有する抗体の野生型形態及び脱フコシル化形態を産生するクローンを得るという骨の折れる面倒な作業が必要である。類似した十分な製品品質属性を有する抗体を産生し、抗体の野生型形態及び脱フコシル化形態によって観察されるいずれの差異も厳密に脱フコシル化に帰属し得ることを確実にする、野生型及びFUT8−KOクローンを得ることは、更により困難である。
【0290】
抗体の野生型形態及び脱フコシル化形態を産生することができる単一細胞株により、同じ製品品質属性を有する抗体の産生が可能となり得る。ここでは、デノボ経路の不活性化及びフコースレベルの制御によって、抗体の野生型フコシル化形態及び脱フコシル化形態を産生することができる細胞株を産生させることが可能であり得ると仮定した。GMDノックアウトCHO宿主株の世代及び特性評価は既に報告されているが、達成された特異的産生性(Qp)は低く、約16pg/細胞−dであった(Kanda et al.,J Biotechnol,130,2007,300−310)。ここでは、CRISPR/Cas9系によってCHO−K1宿主株におけるFX遺伝子のノックアウトを調査し、かかる宿主(複数可)における抗体の成長、発現、及びフコシル化状況を評価する。
【0291】
結果:
CRISPR/Cas9系を使用するFX遺伝子座の標的化
FX遺伝子座を標的化するため、CHO−K1 FX遺伝子の5’及び3’コード領域の配列決定を行った。この配列を使用して、配列に相補的であったガイド−RNA(gRNA)構築物を、CRISPR/Cas系と共に使用するために設計した(Le Cong et al.,Science,339,2013,819−823;Mali et al.,Nat Methods,10,2013,957−963)。gRNA配列をFX遺伝子の5’及び3’領域にフランキングするように設計し、Cas9発現ベクターと共に等モル比で共トランスフェクトして、6Kb全てのFX遺伝子を欠失させた。個々のgRNAを、pLKO.5ベクター(カタログ#SHC−201、Sigma)のヒトU6プロモーターの制御下でクローニングし発現させた。トランスフェクションの72時間後、トランスフェクトした細胞のプールを、200μg/mlのLCAを含有する培地中で選択した(フコシル化表面糖タンパク質を有する細胞を取捨するため)。DNA抽出及びPCR分析には、それぞれ、QIAGEN Blood and Tissue Extraction Kit(カタログ#69506)及びRoche HiFi Taq Polymerase(カタログ#11732650001)を使用した。gRNAに対して外側及び内側のPCRプライマーを、それぞれ、完全なFX欠失を有するアレルと野生型または少しの欠失を有するアレルとを区別するように設計した(
図2A)。CHO−K1細胞を、gRNA及びCas9発現ベクターによってトランスフェクトし、レンチルレクチン(LCA)の存在下でプールとして選択した。フルオレセイン(FITC)共役LCA(LCA−FITC)試薬を使用して、フローソーターによって細胞表面上のフコシル化糖タンパク質の低減を確認した。
【0292】
FX遺伝子欠失をPCR分析によって確認した(
図2B)。gRNAに対して内側のプライマーは、野生型アレルまたは欠失が小さいアレルを検出するために使用し、外側プライマーは、FX遺伝子の完全な欠失を有するアレルを検出するために使用した。
【0293】
FX欠失のプールは、限界希釈によってクローニングし、PCR、蛍光活性化細胞分類(FACS)、及びウエスタンブロットによってFX遺伝子の欠失についてスクリーニングした単一細胞であった。LCA−FITCで染色したFXKOプール3のフローサイトメーター分析により、細胞表面でのフコシル化グリコールタンパク質レベルの不在/低減を確認した(
図3)。
【0294】
単一細胞クローンの単離及びFX遺伝子ノックアウトの確認
FX遺伝子が全てのアレルにおいてノックアウトされる単一クローンを得るために、プール3からの細胞を限界希釈によって単一細胞クローニングし、PCRによってFX遺伝子中の欠失についてスクリーニングした(
図4A)。スクリーニングしたクローンの中で、5個のクローンが少なくとも1個の欠失したアレル及び1個の野生型アレルを保有し、1個のクローン(クローン11)がそのアレルの全てにおいて完全なFX欠失を示した(
図4A)。KOプライマーセットによって検出されたPCR産物(複数可)の存在はFX遺伝子欠失を示すが、野生型プライマーセットによって増幅されたPCRバンドの存在は、必ずしもFX遺伝子が機能的タンパク質を発現できることを意味しないことに留意されたい(
図2A及び
図4A)。野生型プライマー用に設計されたスクリーニングアプローチは、点突然変異及び小さい欠失を区別しないため、非機能的もしくは不完全なFXタンパク質の発現、または更にはまとめてFXタンパク質発現の欠乏につながり得る。FXタンパク質発現の欠如を確認するために、上位6個のクローンを免疫ブロットアッセイによって分析し、クローンの全てがFXタンパク質発現を欠いたことを確認した(
図4B)。これは、FX遺伝子が完全なアレル欠失または欠失とフレームシフトとの組み合わせのいずれかによってノックアウトされることを示す。また、LCA−FITC染色及びフローサイトメトリーを使用して、培地中のフコースの存否に応じて、これらのクローンが、それぞれ、脱フコシル化糖タンパク質またはフコシル化糖タンパク質を発現できることを確認した(
図5A〜5F)。
【0295】
野生型または脱フコシル化抗体を発現するFXKOクローンの評価
FXKO宿主3−5、3−7、及び3−11を、特にこれらが脱フコシル化抗体を発現できることを確実にするための更なる評価に対して成長及び生存プロファイルに基づいて選択した。このために、これらのFXKO宿主を、抗体Aを発現している構築物によってトランスフェクトし、3週間のプールを選択した(
図6A)。CHO−K1宿主を対照として使用し、全てのプールについての抗体発現を、HTRFアッセイを使用して確認した(データ割愛)。次に、これらのプールを使用して、フコースの存在下または非存在下にある14日間の流加バッチ産生培地をセットアップした。次に、各培地からの発現された抗体A分子を、タンパク質Aカラムを使用して培地から精製し、それらの様々なグリカン種をPNGase F処理後のキャピラリー電気泳動によって分析した(
図6B)。G0−Fグリカン種(脱フコシル化)を表す主要なピークは、フコースの非存在下にある全てのFXKO宿主に存在し、一方でフコースの存在下では、G0種は電気泳動図において主要なピークを形成した(
図6B)。各FXKO宿主の抗体グリカン種全体の98%超を分析すると、これら全てがフコースの非存在下では脱フコシル化抗体のみ発現する一方、フコースが存在するときには、抗体の2%未満が脱フコシル化されることが示された(
図6C)。したがって、フコースの非存在下ではフコシル化が欠乏する一方、フコースが存在する場合には、FXKOクローンの全てにおいて抗体フコシル化のプロセスが完全に回復される(
図6C)。FXKO3−11宿主の全てのアレルにおいてFX遺伝子が完全に欠失するため(
図4A)、この宿主を更なる試験のために選択した。
【0296】
CLDプロセスにおけるFXKO宿主評価
CLD中のFXKO3−11宿主の動作を評価するため、この宿主を、抗体Bを発現しているベクター、及び選択マーカーとしてグルタミン合成酵素(GS)によってトランスフェクトし、全CLDを実行した。上位24個のクローンを産生アッセイにおいて評価すると、3.5〜5.5g/Lの力価を有することを示した(
図7A)。最高Qpが16pg/細胞−日であった既に報告されているGMDノックアウト株(Kanda et al.,J Biotechnol,130,2007,300−310)とは異なり、FXKO3−11クローンは、Qpが25〜130pg/細胞−日の範囲であり、大部分のクローンは、Qpが40〜70pg/細胞−日であった(
図7B)。抗体Bを発現しているFXKO3−11クローンは、多様な成長(4〜1800万個の細胞/ml)及び14日目の生存(40〜95%)を示し、また予期された通り、Qpがより高いクローンは、Qpがより低いクローンと比較して成長がより遅かった(
図7C)(追加データ割愛)。加えて、全てのFXKO3−11クローンが、完全に脱フコシル化された抗体B分子を発現し、大部分の糖型が、それぞれ、豊富な順に、G0−F(
図7D)、G1−F(
図7E)、及びG0−1−F(
図7F)であった。抗体Bの発現も、同一のCLDプロトコルに従ってFUT8−KO DP12宿主において独立して評価し、上位のクローンは、脱フコシル化抗体Bを、上位のFXKO3−11クローンと比較して30〜40%低い力価で発現した(データ割愛)。これらの発見は、FXKO宿主が、所与の抗体分子を、FUT8−KO宿主のものと比較して同等またはより高い力価で、また抗体の野生型バージョンと脱フコシル化バージョンとの両方を発現する可能性を有しながら、発現し得ることを示す。
【0297】
FXKO宿主は、類似の製品品質で、抗体のWTバージョンまたは脱フコシル化バージョンの両方を発現する。
抗体を発現しているFXKOクローンが、同等の製品品質で同じ抗体の野生型バージョン及び脱フコシル化バージョンの両方を発現できるかどうかを評価するために、抗体Aを発現しているFXKOクローン(
図6A〜6C)を、培地中に1mMのフコースを含む産生アッセイまたは含まない産生アッセイにおいて使用した。抗体Aの電荷変異型パーセント及び凝集レベルは、培地におけるフコースの存在下及び非存在下で、各クローンについて類似していた(
図8A〜8B)。類似の産生アッセイを、1mMのフコース存在下及び非存在下で、抗体Bを発現している2つのFXKOクローンに対して行うと(
図7A〜7F)、両方のクローンがフコースレベルに関係なく同等の力価を有した(
図8C)。フコースの非存在下では、抗体Bの全てのグリカン種が脱フコシル化されたが、フコースを産生培地に添加することで、両方のクローンは、WTグリカン種の正常かつ予期した分布で抗体Bを発現した(
図8D)。
【0298】
電荷変異型種パーセントはフコースの存在下または非存在下において2つのクローンの間で同等であった一方(
図8E)、フコースを産生培地に添加すると、主要ピークパーセントは多少高く(4%)、酸性ピークパーセントは多少低かった(4%)ことに気付いた(
図8E)。かかる挙動は抗体A産生プールに関しては観察されなかったことに留意されたい(
図8A)。凝集レベルパーセントは、フコースの存在下または非存在下で、依然として抗体B発現クローンと同等であった(
図8F)。
【0299】
FXKO宿主は、ほぼ同一の製品品質で野生型抗体と脱フコシル化抗体との両方を発現する選択肢を提供するため、インビトロ及びインビボの抗体ADCCの強化における脱フコシル化の役割の評価に好適である。かかる特徴により、エフェクター機能または毒性試験の結果が野生型及び脱フコシル化抗体種のレベルに直結し得るのであって、異なるクローンがこれらの抗体を発現する場合に不注意に存在してしまう製品品質の差ではないことが確実となる。
【0300】
FXKO宿主を使用して、WT糖型対脱フコシル化糖型の所望の割合を有する抗体を発現させ得る
毒性に起因して完全に脱フコシル化された抗体種を有することが不要であるかまたは望ましくない場合には、毒性を最低限に抑えながらADCCの全効果を発揮するのに必要な脱フコシル化抗体のレベルを決定することが有益であり得る。FXKOクローンが、所望のレベル(複数化)の脱フコシル化糖型を有する抗体を発現することができるかどうかを評価するために、2つの抗体Bを発現しているクローンを選択して、培地中のフコースレベルが漸増する(0〜1mM)産生培養を確立した。この実験を、培養における脱フコシル化抗体種のある特定のパーセンテージに対応するフコース流加レベルを微調整するために数回行った。
図6A〜6Bは、フコースのある特定の濃度を産生培地及び流加に添加することによって、野生型抗体レベル対脱フコシル化抗体レベルの所望の割合を達成し得ることを示す。これらの実験にはボーラス流加アプローチを使用した。しかしながら、連続平衡アプローチを使用して、所望の野生型抗体対脱フコシル化抗体比を生み得ることも想定される。
【0301】
様々なグリカン種のレベルがPNGase F処理、続くキャピラリー電気泳動によって決定されるため、この方法によって、脱フコシル化グリカンが0個、1個、または2個である抗体分子の部分を決定することは可能ではない。いずれにせよ、抗体力価(
図6C)、凝集レベル(
図6D)、及び電荷変異型パーセンテージ(
図6E)は、産生培地中のフコース濃度に関係なく同等であった。全体としては、これらの発見は、FXKO宿主により、毒性を回避しながら所望のADCCレベルを測定するのに好適な野生型糖型対脱フコシル化糖型の所望の割合を有する抗体の発現が可能となったことを示す。更に、同等の製品品質を有する野生型抗体対脱フコシル化抗体の所望の割合は、毒性を最低限に抑えながらADCCを最大化するのに必要な脱フコシル化のレベルを評価するために、フコースを産生培地及び流加中に滴定することによって達成され得る。
【0302】
方法:
ベクター構築物及び試薬
構成的抗体発現を、選択のためのグルタミン合成酵素(GS)の発現も指揮する抗体発現ベクターにおいてサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下で重鎖遺伝子及び軽鎖遺伝子をクローニングすることによって達成した。最終発現ベクターのアセンブリ及びこのベクターを使用する選択は既に説明されている。Hu et al.,Biotechnol Progr,29,2013,980−985を参照されたい。マウス抗β−アクチン(Sigma、カタログ番号A2228、1:30000にて)、及びFXに対するウサギポリクローナル抗体(GeneTex、カタログ番号101663、1:2000にて)を免疫ブロットに使用した。プロテアーゼ阻害カクテル(Roche、カタログ番号11−836−153−001)を溶解緩衝液中で使用した。レンチルレクチン(LCA)(カタログ番号L−1040)及びFITC共役LCA(LCA−FITC)(カタログ番号FL−1041)試薬はVector Laboratoriesから購入した。フコースはSigmaから購入した(カタログ番号F2252)。以下のプライマーをWTまたはFXKO遺伝子セグメントの増幅に使用した:
順方向WT FXプライマー:GTCACCCAAAGCTCTCCTTG(配列番号1)、
逆方向WT FXプライマー:AAAAGTCCTGCTCTGCTTGC(配列番号2)、
順方向FXKOプライマー:CTAGGCTTCCCTAGGCCATT(配列番号3)、及び
逆方向FXKOプライマー:GCTATGCCCTTGAGTCTTGG(配列番号4)。
【0303】
免疫ブロット
免疫ブロットアッセイのため、細胞を、氷上のNP40溶解緩衝液(プロテアーゼ阻害カクテルを含む、10mMのTris、pH8.0、0.5%のNP40、150mMのNaCl、及び5mMのMgCl
2)中で30〜5000万個の細胞/mlで20分間溶解させた。次に、溶解物を、10分間、13,000rpm、4℃で遠心分離させ、上清を新しい試験管に移し、BCAアッセイ(Thermo Scientific)によってタンパク質濃度を決定した。150μlの各溶解物を50μlの4倍還元ローディングバッファと混合し、5分間沸騰させた。各試料について等しいタンパク質濃度をSDS−PAGEゲル(4〜20%のトリス−グリシン)にロードし、免疫ブロットのために膜に移した。
【0304】
LCA−FITCで染色した細胞のFACS分析
200,000個の細胞を遠沈させ、0.5mlのPBSで1回洗浄し、1%のBSAを含む0.3mlのPBS中に再懸濁させた。細胞を、氷上で30分間、2μg/mlの最終濃度で、LCA−FITCを用いて染色した。次に、細胞をFACS管に移し、FACSCalibur分析用フローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して分析した。FlowJoソフトウェアを使用して全試料を分析した。
【0305】
細胞培養及び安定したトランスフェクション
CHO−K1宿主細胞を、37℃及び5%のCO
2で無血清の専売Genentech培地中で培養した。Amaxa nucleofector kit−V(Lonza、カタログ番号VCA−1003)を使用して、標準的なトランスフェクションプロトコルに従ってCHO−K1細胞を安定してトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を384ウェルプレートにプレーティングし、メチオニンスルホキシミン(MSX)を用いて選択した。3〜4週間後、1000個の成長しているコロニーを選定し、MSXの存在下にある96ウェルプレートに置いた。4〜5日後、選定したコロニーを、均一性時間分解FRET(HTRF)アッセイを使用して抗体発現についてアッセイした。上位のコロニーは、384ウェルプレートへの限界希釈、その後の撮像を使用してクローニングした単一細胞であった。3〜4週間後、約700個の成長しているコロニーを選定して96ウェルプレートに置き、HTRFアッセイに供した(4〜6日目)。クローンを発現している上位200個、及び続いて上位100個の抗体を、HTRFによってアッセイした。クローニングし撮像した上位48個の単一細胞により、クローンが、懸濁成長に適合し、前述のように産生アッセイにおいて評価されたことを確認した(Misaghi et al.,Biotechnol Progr,30,2014,1432−1440)。端的には、細胞を、指示量のフコースと共に、産生培地において1×10
6細胞/mlで播種した。培養に、3、7、及び10日目に専売流加培地及びフコース(指示濃度にて)を与えた。培養中の生細胞数(VCC)及び細胞の生存%を、Vi−Cell XR計器(Beckman Coulter)を使用して、0、3、7、10、及び14日目に測定した。抗体力価を、産生培養の7、10、及び14日目に決定した(タンパク質A精製)。グルコース及び乳酸塩を、Bioprofile 400 Analyzer(Nova Biomedical)を使用して、7日目及び14日目に測定した。電荷変異型を、キャピラリー等電点電気泳動法(cIEF)によって測定し、グリカンサブタイプを、PNGaseF消化、続いてキャピラリー電気泳動によって特定した。タンパク質A精製した抗体をゲル濾過(サイジング)カラムに供することによって、凝集のレベルを決定した。
【0306】
実施例2:
FXKO宿主における抗体フコシル化の調節により、FcγRIII結合及びADCCレベルを調節することができる。
方法:
ADCCアッセイ
エフェクター細胞を得るために操作したNK細胞株(Roche)を使用し、DELFIA BATDA(Perkin Elmer)で標識したWIL2−S細胞を標的細胞として使用した。標識したWIL2−S標的細胞(2×10
4)とNK細胞(1.0×10
5)との混合物を、アッセイ培地(10%の加熱不活性化したFBS、2mMのL−グルタミン、及び20mMのHEPES、pH7.2を含むRPMI 1640)中で調製し、丸底96ウェル組織培養プレートの各ウェルに加えた。抗体の標的化希釈物(100〜0.06ng/mL)をプレートに加え、プレートを3時間インキュベートした。細胞溶解を、345nmの励起及び615nmでの発光定量化による相対蛍光単位(RFU)で時間分解蛍光を使用し、マイクロプレートリーダーSPECTRAMAX(登録商標)190(Molecular Devices)を使用して測定した。標識した標的細胞のみを含むウェルの吸光は、バックグラウンドについての対照(バックグラウンド)として働き、一方で、DELFIA BATDA溶解緩衝液を伴う標識した標的細胞を含むウェルは、最大の利用可能なシグナル(最大放出)を提供した。自然放出(SR)を、標的細胞のみを含むウェルから測定し、一方で、SR+NKを、抗体を有しない標的細胞及びエフェクター細胞の両方を含むウェルから測定した。特異的毒性パーセント(ST%)を以下の式に従って決定した:
ST%={[(特異的放出−バックグラウンド)−(自然放出−バックグラウンド)]×100}/[(最大放出−バックグラウンド)−(自然放出−バックグラウンド)]。
3連からの平均ST%を、4パラメータ適合を使用して単位ng/mLで抗体試料の濃度に対してプロットすることによって、用量応答曲線を生成した。SOFTmaxPROTM製の平行線分析曲線適合ソフトウェア(PLA)を使用してデータ分析を行った。Shatz et al.,mAbs,5,2013,872−81を参照されたい。
【0307】
FcγRIII結合アッセイ
Biacore T200計器(GE healthcare)をSPR分析に使用した。抗His抗体(R&D Systems)を50μg/mLに希釈し、Biacore Sensor CM5 Chips(GE healthcare)上に、アミンカップリングキット(GE healthcare)を使用して7分間10μL/分で注射することによって固定した。各サイクルにおいて、FcγRIIIa−6xHisタグタンパク質(Genentech)を試料注射前に捕捉したFcγRIIIa−6xHisタグタンパク質を、0.1%のBSA及び0.05%のTween 20を含むPBS中で0.5mg/mLに希釈し、2分間10μL/分で捕捉した。0.05%のTween 20を含むPBS中で10μg/mLの抗体濃度で調製した試料を、FcγRIIIa結合のために、5分間50μL/分で注射した。同じ泳動緩衝液を5分間チャンバに通すことによって解離相を得た。全ての実験は25℃で行った。各試料及び緩衝液ブランクの3連の注射を2つの表面(参照フローセル及び試験フローセル)に流した。データを1Hzの速度で収集した。読み値は、試料注射終了5秒前の解離相中の最大結合応答であった。参照フローセルを試験フローセルと併せて泳動させて、非特異的結合の効果を打ち消した。加えて、ブランク泳動緩衝液の注射を実験フローセルに含めた。参照フローセル及びブランク緩衝液注射からのシグナルを、実験フローセル上の試料注射の絶対応答から減算した(二重減算法)。Biacore T200評価ソフトウェア及びJMPソフトウェアを使用してデータを分析した。
【0308】
結果:
脱フコシル化糖型対フコシル化糖型の割合が異なる抗体の機能を評価するために、抗体Bを発現しているFXKOクローンを使用して、フコース流加レベルが異なる産生アッセイをセットアップした(
図10A)。産生中のフコース流加の濃度を増加させることで、フコシル化抗体種レベルは徐々に増加した一方、脱フコシル化抗体種のレベルはそれに応じて減少した。次に、抗体Bをこれらの培養から精製し、NK細胞結合の代理としてインビトロFcγRIII結合アッセイに供した(
図10B)。例示の通り、フコシル化抗体種レベルの減少は、FcγRIII結合の減少と対応する(
図10B)。0.025mMのフコース濃度ではグリカンの約40〜50%のみが脱フコシル化されるが、FcγRIII結合能力の約80%は完全なままである。FXKO宿主細胞を、抗体C(IgG1)を発現した構築物によってトランスフェクトし、これに対して機能的ADCCアッセイを開発した。プール選択後、プール産生アッセイを指示濃度のフコース流加で行って、脱フコシル化抗体種対フコシル化抗体種の割合が様々である抗体C培養を得た(
図10C)。これらの培養から精製した抗体CをADCCアッセイにおいて使用すると、ADCC活性%と脱フコシル化グリカン種レベルとの間の線形相関が観察された(
図10D)。大部分がフコシル化された(1mMのフコース)抗体C試料と完全に脱フコシル化された(0mMのフコース)抗体C試料とを混合することで、脱フコシル化グリカン種レベル及びフコース滴定チャートに基づいて予測可能なADCC応答(
図10E)が誘引され得る(
図10D)。これは、フコース流加アプローチが、実際に、類似の製品品質、及び予測可能な様式でADCCを誘引するためのフコシル化グリカン種対脱フコシル化グリカン種の所望の分布を有する抗体を生成する、実行可能な方法であることを示唆する。フコース流加アプローチにより、完全に脱フコシル化された抗体と大部分がフコシル化された抗体との両方を生成するために必要とされる2つの別々の製造戦略の必要性が排除されることは特筆すべきである。
【0309】
ADCC用量応答分析により、完全に脱フコシル化された抗体C分子が、それらの主なフコシル化カウンターパートと比較して20倍低い濃度で、最大ADCC活性の50%を達成し得ることが示された(
図10G)。ADCC活性のほぼ80%が脱フコシル化グリカン種を担持する抗体分子の60%のみで維持され得ることに留意されたい(
図10D、10E、及び10F)。加えて、グリカンの40%未満が脱フコシル化される0.02mMのフコース流加では、比較的同等のADCC活性%が、完全に脱フコシル化された(0mMのフコース)試料のものと同じ抗体C濃度で達成され得る(
図10G)。よって、これらの発見により、ほぼ最大レベルのADCC活性を達成するために100%完全に脱フコシル化された抗体を有する必要はないことが示される。