(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0022】
本主題の特徴及び利点は,以下の詳細な記載から,一層容易に理解することができる。その記載は,単に例示的で非限定的な実施例として提示されるに過ぎない添付図面を参照して読み取るべきものである。
【
図1】本主題の実施形態に係る中実造形機と共に使用する屈折ラスター機構の右正面斜視図である。
【
図2】
図1のラスター装置を使用する中実造形機の右正面斜視図である。
【
図3】本主題の実施形態の第2実施例に係る屈折ラスター機構を使用する中実造形機の左正面斜視図である。
【
図10】
図3の造形機の下側からの左断面図である。
【
図11】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第1実施例を第1位置で示す左立面斜視図である。
【
図14】
図11の造形機の第3位置における左立面斜視図である。
【
図16】
図11の造形機の第4位置における左立面斜視図である。
【
図18】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第2実施例を第1位置で示す左立面斜視図である。
【
図20】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第3実施例を示す左立面斜視図である。
【
図22】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第1方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図23】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図24】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第3方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図25】上述した
図11〜
図21の粉末複合造形機の何れにおいても実装可能なフィードバックシステムの左立面斜視図である。
【
図26】本主題の実施形態に係る中実造形で製造可能な部品の左立面斜視図である。
【
図27】
図26の部品を製造する方法を線図的に示す断面図である。
【
図28】本主題の実施形態に係る第2中実造形で製造することのできる部品の斜視図である。
【
図29】
図28の部品を製造する方法を線図的に示す断面図である。
【
図33】
図27の部品を製造する第2方法を線図的に示す断面図である。
【
図35】
図28の部品を製造する第3方法を線図的に示す詳細断面図である。
【
図36】
図28の部品を製造する第4方法を線図的に示す詳細断面図である。
【
図37】
図29の造形プロセスの他の形態を使用する造形機の左立面斜視図である。
【
図39】部品の製造プロセスにおける
図37の造形機の詳細図である。
【
図41】本主題の実施形態に係る部品又はプラスチック部品を製造するための従来の製造方法で使用されるラスターパターンの一層を上側から示す説明図である。
【
図42】本主題の実施形態に係る部品又はプラスチック部品を製造するための従来の製造方法で使用されるラスターパターンの二層を上側から示す説明図である。
【
図43】
図28の部品を製造するために使用することのできる硬化パターンの第1セットを上側から示す説明図である。
【
図44】
図28の部品を製造するために使用することのできる硬化パターンの第2セットを上側から示す説明図である。
【
図45】モジュラー流路を有する部品を製造するために使用することのできる硬化パターンセットを上側から示す説明図である。
【
図46】本主題の実施形態に係る上述した製造方法に使用されるin-situ注入方法を使用して製造された部品の第1層の左断面図である。
【
図48】本主題の実施形態に係る上述した製造方法に使用される第2のin-situ注入方法を使用して製造された部品の第1層の左断面図である。
【
図49】本主題の実施形態に係る粉末材料の直接融合のための屈折ラスター機構を使用する中実造形機の左立面斜視図である。
【
図51】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図52】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図53】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する第3方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図54】本主題の実施形態に係る多孔質ブラウンパーツを製造する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図55】本主題の実施形態に係るグリーンパーツ又はブラウンパーツを事後処理する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図56】本主題の一実施形態に係るグリーンパーツ又はブラウンパーツを事後処理する第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本主題は,各種用途に供する部品(例えば,プラスチックパーツ,金属パーツ及びセラミックパーツ)を中実造形するためのシステム,装置及び方法を提供する。一態様において,本主題は,光硬化性材料層のイメージングにおいて使用するためのイメージング装置を提供する。SLA造形機において,レーザを使用して樹脂層を硬化させることによりイメージを生成する上での共通技術は,レーザを,造形中の物体の断面境界に始点及び終点を有するラスターラインをもって,造形面を横断するようにラスター移動させることである。
図1及び2は,光硬化性樹脂の層をイメージングするために使用するラスター機構150を示す。
図1及び2に示すように,光源から平行放射ビーム156が放射される。ビーム156はプリズム158に入射して屈折する。プリズム158を出射する際に第2屈折が生じ,その結果として変位ビーム160が生じる。この場合にプリズム158は,厚さがビーム156の直径を超える矩形断面であるが,一般的には偶数個の面を有する多角形断面とすることができる。幾つかの場合,プリズム158の面は,必要とされる屈折及び変位挙動に応じて,必ずしも平行である必要はない。この実施形態において,プリズム158はロータリーアクチュエータ162で回転させ,これにより変位ビーム160で造形面102を横切るラスター移動を生じさせることができる。このようにして,1つ又は複数のプリズムラスターモジュール150を
図2に示すように造形面102を横切って並進移動させ,これにより,イメージングされる断面に応じて光源154がオンオフ切り替えされている間にバルクイメージングが達成される。
【0024】
幾つかの実施形態において,屈折ラスター機構のビーム変位能は,使用される屈折プリズムのサイズに関連する。一般的に,上述した機構によって生成される全線幅は,回転プリズムの占有スペースよりも小さく,これは造形面をカバーするために複数のラスター機構を使用しようとする場合の幾何学的な課題である。
図3〜
図10は,この課題を克服するSLA造形機の可能な一実施形態を示し,これは全体が参照符号10で表される。
【0025】
図3〜
図10の実施形態において,SLA造形機10は,造形プラットフォーム102,造成バット410及びイメージングシステムを含む。造形プラットフォーム102は造形バット410を下降移動させるものであり,造形バットは光硬化性樹脂を収めるものである。材料層のイメージングが行われると,造形プラットフォーム102を上昇移動させて当該層の下側での樹脂の流れを許容することにより,次の層のイメージングが行われる。このプロセスを,部品400が製造されるまで反復させる。
【0026】
上述したように,偶数のエッジ部を有する多角形プリズムは,連続回転ラスター機構に容易に適用することができる。この場合,
図3〜
図10の実施形態においては,2つの八角プリズム414, 416が使用される。各プリズムは,3本の別個のビームをラスターさせるように使用される。マルチビームラスター機構において,より多数のビームは所与のプリズムでイメージングし得るエリアを拡幅するが,ビーム源のマウント及びアラインメントの幾何学的配置が複雑となる。幾つかの実施形態において,この配置は,一般的に,特にビーム源をプリズムから遠隔配置して全てのビーム源をモジュール内に配置可能とする場合に,所与のビーム源の光路長を増加させるものであり,これはビーム源についての精度要件を増大させることとなる。所与のプリズムを通過させるビームの数は,ビーム源についての過大な精度要件を課することなく,造形エリアを完全にイメージング可能とするように選択することができる。使用されるビームの寸法は,ビームがプリズムを通過する際にビーム間の干渉が各ラスター機構からの出力に影響を及ぼさないように決定することができる。
【0027】
特に,例えばメソスケール及びマクロスケールの部品を製造するように構成される実施形態において,プリズム内におけるビーム間の干渉を生じさせるビーム径を使用する必要はない。しかしながら,そのようなアプリケーションが所望であれば,プリズムの厚さは,ビームがプリズム内において,互いに交差することなく,しかもモジュールにおける他の部品の機能に悪影響を及ぼすことなく,スキュー状態で互いに通過する食い違い配置となるように選択することができる。改めて
図3〜
図10を参照すると,第1プリズム414は,3つのビーム源430, 432, 436からの3本のビームの第1セットをラスターさせるように使用することができる。第2プリズム416は,3つのビーム源434, 438, 440からの3本のビームの第2セットをラスターさせるように使用することができる。これらのプリズムは,各プリズムからの3本のラスター線が,後述するように,集合的に造形領域全体のイメージングを行うようにオフセット配置することができる。図示の実施形態において,これらのプリズム414, 416の回転はベルト及びプーリ機構で達成されるが,一般的には任意の回転駆動手段で達成することができる。この場合,モータ460がベルト464を駆動するためのプーリ462を駆動し,そのベルトにより回転運動を他の2つのプーリ466, 468に伝達し,これらによりプリズム414, 416を回転駆動する。これらのプリズムの角度位置は,エンコーダ(図示せず)又は他の電子的な角度測定装置により測定することができる。
【0028】
レーザ及びプリズムアレーの機能を説明するため,1つのビーム源440と,これにより生成されるビーム418に着目する。このビーム418は,第2回転プリズム416に入射し,出射変位ビーム500を生成する。出射ビーム500はミラー426で反射され,その際に反射ビームは垂直に指向する。一般的に,垂直アラインメントは,6本の出射ビームを回転ミラーにより造形面に向けて反射するプロセスを容易化するためにこれらが概ね互いに整列している限り,厳格に要求されるものではない。ビーム500は,第2ミラー452によりパニングミラーアレー454に向けて反射される。
【0029】
他の5つのビーム源430, 432, 434, 436, 438も,2本の出射ビーム496, 498が既に垂直であるため,垂直アラインメントのためにミラーを必要としない点を除き,同様に機能させることができる。図示の実施形態において,他の3つのミラー420, 422, 424は,他の3本の出射ビーム492, 494, 490の垂直アラインメントのために使用される。前述した第2ミラー452は,垂直アラインメントの行われた3本の出射ビーム494, 498, 500をパニングミラーアレー454に向けて反射し,他のミラー450は垂直アラインメントの行われた残り3本の出射ビーム490, 492, 496をパニングミラーアレー454に向けて反射する。
【0030】
各ビームは,造形バット410の表面における特定の領域に亘ってラスターさせることにより,造形エリアの部分のイメージングを行う。造形エリア全体のイメージングを行うためには,隣接するラスター領域を僅かに重ねるのが望ましく,この重なりは,制御ソフトウェア内においてキャリブレーションの間に補正することができる。これにより,造形エリアを完全にイメージングする能力が担保され,造形機の部品の幾何学的公差に対応させることができる。この形態においては,2本のビーム494, 500がミラー422, 426を使用するため,これらのミラー422, 426のエッジ部が干渉せず,プリズム416から出射する中央ビーム498により画定されるラスター領域に重なりを生じさせる形態は容易に達成し得るものではない。従って,この形態は,これらのビーム494, 498, 500を離隔させて,各ラスター領域の間のギャップ幅を所与のラスター領域よりも狭めるものである。他のプリズム414からのビーム490, 492, 496の第2セットを僅かにオフセットさせてこれらのギャップをカバーすることにより,造形エリアの完全なイメージングを可能とする。
【0031】
パニングミラーアレー454は,その回転によりラスタービームが全造形エリアを横断するように,モータ412により駆動することができる。幾つかの実施形態において,1つ又は複数のプリズム414, 416及びパニングミラーアレー454の位置データをリアルタイムで測定し,その測定データを,6本のビーム490, 492, 494, 496, 498, 500の位置を計算し,各ビーム源430, 432, 434, 436, 438, 440を変調させることにより,造形プラットフォーム102上で製造される部品400のイメージングを行わせるために使用することができる。
【0032】
他の態様において,本主題は,粉末材料の組み合わせから部品を製造するSFFシステム,装置及び方法を提供する。このようなシステム,装置及び方法は,各種イメージングシステムの何れであっても併用可能であり,これには上述したプリズムラスターシステムが非限定的に含まれる。
図11〜
図17は,第1形態に係る粉末複合製造機械20を示す。
図11及び12は,この機械20を第1位置で示す。幾つかの実施形態において,機械20は,粉末供給チャンバ520を含む。このチャンバは,物体を製造するための粉末供給ピストン518及び粉末材料512を収めるものである。造形チャンバ522は,粉末に樹脂を注入するための内部流路515及び分配チャンバ516を有する造形プラットフォーム517を収めるものである。幾つかの実施形態において,造形プラットフォーム517の頂部上にフィルタ514を配置して,造形プラットフォーム517の頂部における孔列内への粉末の逆流を防止することができる。これらの孔は,樹脂を粉末512に注入するために使用されるものである。
【0033】
粉末供給ピストン518を第2位置まで持ち上げると,粉末材料512が粉末供給チャンバ520から押出される。粉末は粉末搬送装置,例えば搬送ローラ510によって造形プラットフォーム517まで搬送される。幾つかの実施形態において,搬送ローラ510は,粉末512を粉末供給チャンバ520から造形プラットフォーム517まで搬送するために逆転搬送又は静電搬送を使用することができる。このプロセスの間に過剰な粉末の損失が生じる場合がある;この過剰粉末は,当業者において既知の各種手段によって管理することができる。更に,図示の実施形態では粉末搬送装置として搬送ローラ510を使用しているが,本願に開示される概念が,当業界において既知の各種材料供給/堆積装置の何れについても等しく適用可能であることは,言うまでもない。
【0034】
図14及び
図15は,第3位置における造形機を示す。第3位置は,粉末搬送装置(例えば,搬送ローラ510)を完全に作動させて粉末512の層を造形プラットフォーム517上に堆積させるものである。第3位置において,樹脂を造形プラットフォーム517内の流路515内に,そして分配チャンバ516内に圧送し,これにより樹脂を造形プラットフォーム517の頂部における全ての孔に対してアクセス可能とする。樹脂は,フィルタ514を通して流れ,粉末512に浸み込む。強制された流れと毛細管作用により,粉末層への完全な注入が行われる。粉末層が樹脂注入プロセスとは別個に製造されたものであり,しかも樹脂注入プロセスが粉末層の密度に顕著な影響を及ぼさないように制御されるため,粉末層の密度は粉末堆積プロセスのパラメータにより決定され,既存の粉末SFF技術によるよりも遥かに高い粉末負荷密度を達成することができる。
【0035】
図16及び
図17に示すように,注入された層は,DLPプロジェクタ等のプログラム可能な平面光源110により,あるいは上述した屈折ラスターシステムを含む1つ又は複数のその他の光学的イメージング装置により,あるいは異なる光源の組み合わせにより,イメージングを行うことができる。注入プロセスを後続層について継続させるため,注入された粉末の第1層上に投影される断面イメージは,樹脂の流れを後続層に注入可能とするように設計することができる。従って,これらの層は多孔質構造が形成されるようにイメージングを行うのが有利であり得る。層が中実断面としてイメージングされる場合には,その結果として得られる構造が後続層に対する樹脂の流れを規制することがあり得る。このような多孔質構造を達成することのできる例示的なイメージングプロセスについては,
図35〜
図38を参照して後述する。
【0036】
図18及び
図19は,上述した粉末複合SFF造形機20の第2形態を示す。この形態においては,圧密ピストン530及び延長アーム532を使用して,注入に先立って粉末層を緻密化する(堆積後の自由密度よりも高密度とする)。粉末堆積パラメータによっては,堆積プロセスの間に粉末の理想的な密度が達成されず,粉末緻密化のために付加的な手段が必要となることがあり得る。この場合,堆積させた粉末512をピストン530によって圧密して,結果的に得られる部品の体積粉末負荷密度を高める。これは,焼結や熱的及び/又は化学的処理を非限定的に含む事後処理に関連する部品の特性を改善し得るものである。
【0037】
図20及び
図21は,上述した粉末複合SFF造形機20の第3形態を示す。この形態においては,付加的な粉末供給チャンバ546が使用される。この供給源546は,支持粉末ピストン544により支持粉末542を供給するものであり,これに対して本来の造形粉末512は形成すべき物体の本体のためにのみしようされる。この場合,ローラ510を静電イメージング装置として使用して,造形粉末512及び支持粉末542を,所望の最終的な物体を形成するに適切な形状にイメージングする。この層に対して,上述したように注入及びイメージングを行い,場合によっては上述した付加的な緻密化処理を行うことができる。
【0038】
単一の粉末供給源及び光学的イメージングの代わりに,2つの粉末供給源及び光学的イメージングを適用する場合の利点は,複数種の粉末が使用可能となることである。例えば,造形粉末をインベストメント鋳造に好適な特性を有するポリマーで構成し,支持粉末をグラファイト又は他の高温材料で構成して,印刷された物体をインベストメント鋳造のために無修正で直ちに使用可能とするのが有益な場合がある。更に,金属粉末を造形材料として使用し,グラファイト又は他の高温材料を支持材料として使用して,印刷された物体を付加的な事後処理又は浄化を行わずに焼結炉内に装入可能とするのが有益な場合がある。この場合にグラファイトは,焼結プロセスの間に物体を支持し続け,焼結プロセス後に容易に除去することが可能である。これは,樹脂結合剤が焼結プロセスの間に焼き尽くされるためである。更に,金属粉末を造形材料として使用し,非金属粉末(例えば,プラスチック粉末又はセラミック粉末)を支持材料として使用して,支持材料をデバインディングプロセスの間に除去するのが有益な場合がある。更に,3種以上の粉末,例えば,物体の構造のための鉄粉末,機能的電子部品のためのシリコン又は他の半導体粉末,導電路のための動又は他の金属粉末を使用するのが有益な場合がある。粉末の粒径及び組成は,グリーンパーツを単一の焼成温度下で焼結させ得るように決定することができる。このプロセスの利点は,印刷されたパーツに機能的電子システムが統合可能となることである。
【0039】
幾つかの用途において,樹脂に添加剤を含有させことが有益な場合がある。例えば,樹脂に電解性又は導電性添加剤を含有させて,造形面における電荷を制御可能とすることが有益な場合がある。この導電性添加剤によれば,例えば電子写真的な粉末堆積システムの使用に際しての作動特性を,特に使用される粉末がそれ以外の点では導電性を有しない場合に改善することができる。これに加えて,方面活性剤を含有させて,粉末基体に浸み込む際の樹脂混合物の濡れ性を変化させることが有益な場合がある。この変化は,注入速度を高めて製造プロセス全体を加速し得るものである。
【0040】
図22は,上述した粉末製造プロセスの詳細なアルゴリズムを示すフローチャートである。一般的に,バルク粉末層を形成し,粉末層に非選択的な態様でin-situ注入を行い,層のイメージングを行って,製造すべき物体の断面を表す多孔質層を形成し,このプロセスを物体全体が成形されるまで反復する任意の機構により,上述した利点を達成することができる。この多孔質物体は,その内部に残留する液状樹脂を硬化させて物体を中実物体に変化させるための付加的な硬化処理を含む事後処理を施すことができる。物体は,焼結処理により樹脂結合剤を部分的又は完全に除去すると共に内部の粉末を部分的又は完全に緻密化するための事後処理を施すことができる。パーツが部分的に焼結されている場合,新たなパーツに三次材料(例えば,元のパーツに使用される粉末よりも低融点の金属)を満たすことができる。
【0041】
図23は,
図21について上述した方法における粉末の密度を高める付加的なプロセスの詳細なアルゴリズムを示すフローチャートである。一般的に,樹脂基体内における粉末粒子の懸濁状態を維持するために分散剤を使用する調製済みの樹脂/粉末混合物においては,50−60%の体積粉末負荷密度が普通である。しかしながら,粉末冶金において,完全に緻密な最終製品に焼結することが意図されるグリーンパーツの場合には,通常,80%を超える密度が目標値とされる。50−60%を超える密度(例えば,幾つかの実施形態では70%を超える密度)は,樹脂が関与しない各種の粉末堆積法により達成することができる;好適なグリーンパーツの粉末負荷密度を達成するためには,粉末層の付加的な緻密化が必要とされることがあり得る。一般的に,デジタル的に製造されるグリーンパーツにおいては,可能な限り高い粒子負荷密度を達成するのが望ましい。しかしながら,粉末粒子の圧密により接着が生じ,これにより製造後のグリーンパーツから余剰の未硬化材料を除去するプロセスが阻害されるため,高度の緻密化は制約される。余剰材料を除去するプロセスは各種の方法で補助することができ,これには攪拌処理,超音波処理,あるいは溶媒又は他の化合物による処理が非限定的に含まれる。一般的に,事後処理の間に余剰材料を除去する能力を損なわない限度で最も高い粒子負荷密度が,最も好適な粒子負荷密度である。これは,上述した粉末圧密機構を非限定的に含む各種の手段で達成することができる。一般的に,圧密及び注入のパラメータは,一方のプロセスが他方のプロセスに干渉しないように選択することができる。
【0042】
図24は,造形粉末及び支持粉末を供給して層の静電的なイメージングを行い,これに引き続いて多孔質部分の注入及びイメージングを行って層成形プロセスを完了させるプロセスの詳細なアルゴリズムを示すフローチャートである。付加的な緻密化を適用することができ,一般的に支持粉末及び造形粉末は任意の順序で,又は同時に堆積させることができる。前述したように,これにより粉末の広範な組み合わせが使用可能となる;更に,イメージングプロセスをパーツの幾何学的形態とは無関係に実行することができ,これはイメージングプロセスを簡略化する点で有利である。一般的に,多孔質部品を形成するイメージングパターンを生成可能な任意の光源を使用することができる;製造すべきパーツと適合するイメージを生成する必要はない。これは,パーツの層を粉末堆積の間に静電的にイメージングすることができるからである。
【0043】
図25は,造形面における粉末512を撮像するためのカメラ511,又はその他の視覚的フィードバック機構を使用するフィードバックシステムを示す。幾つかの配合及び形態では,粉末に樹脂を注入する際に暗色化が生じ,これをカメラ511により検出すれば注入プロセスが完全かつ均一であることを検証することができる。この検証は,イメージング装置110によるイメージングに先立って注入が完了したことの保証の一助となるものである。カメラ511を使用しない場合には,既定量の樹脂を粉末512の層内に注入しても,必要とされる樹脂量についての予測誤差の大きさ又は強度によっては粉末512が過剰又は不適切に注入される懸念がある。
【0044】
図26及び
図27は,部品と,無駄な粉末を減少させる改良を前述した粉末SFF方法に施して部品を製造する方法を示す。前述した方法では,造形エリア内にある全ての粉末に樹脂が注入される。一旦粉末が樹脂と混合すると,その粉末を将来使用のために回収するのが困難であり得る。多くの粉末,特に金属粉末やセラミック粉末は非常に高価であり,無駄な材料や製造コストを削減する観点から,造形プロセスの間に樹脂が注入される粉末の量を制限するのが有利である。
【0045】
前述したSFF方法におけると同様に,樹脂注入チャネル604を有する造形プラットフォーム602を使用して,その表面に堆積させた樹脂を注入可能とする。この造形プロセスの形態において,スキン606のイメージングを行う。スキンは中実であり,その境界を越えての樹脂の浸透を許容しない。スキン606は,レーザモジュールをデジタル変調させることによりイメージングを行い,これにより中実(すなわち,無孔質)の境界層を形成する。一般的に,これは本明細書に開示するラスター機構によって,あるいはプロジェクタやガルバノメータ等の二次的イメージング機構を使用して達成することができる。スキン606の機能は,製造手段から独立している。スキン606は,造形プラットフォーム602の表面に沿って開始し,造形プロセスの間に形成されている物体600及び支持構造610に対して,造形プラットフォーム602におけるどの孔から樹脂を供給するかを規制する。この場合,物体600及び支持構造610はいずれも多孔質であり,製造プロセスの間にこれらを通しての樹脂の流れを許容する。製造プロセスの間に中実スキン606を使用する利点は,相当量の注入されなかった粉末608が存在し,これを回収して次の造形プロセスで使用し得ることである。レーザ照射により粉末を融解させてパーツを製造する従来の粉末ベースの製造において,この融解プロセスの熱的効果は残留粉末の有用性に悪影響を及ぼす。次の造形において品質を維持するため,往々にして,未使用の粉末は完全に廃棄する必要が生じる。微細スケールの金属粉末は非常に高価であり,この製造方法は,造形プロセス後に使用されなかった相当量の粉末を回収して,製造プロセスにおける無駄及びコストを削減可能とするものである。このような結果を達成するために使用されるイメージングプロセスについては,
図41〜
図44に関連して後述する。
【0046】
他の態様において,
図28〜
図32に示すように,本主題は,前述した多孔質イメージング技術の利点を活用して中実プラスチック部品(粉末複合部品ではない。)を製造するために使用可能な別のSFF方法を提供する。部品620は造形プラットフォーム602上で製造され,造形プラットフォーム602は,造形面において樹脂を注入するための注入チャネル604を使用するものである。このプロセスは,イメージング用のアクセスウィンドウ626を有する造形チャンバ内に封じ込めることができる。アクセスウィンドウ626は,造形プロセスで使用される樹脂を硬化させ得る適宜の光学的イメージングシステムによるイメージングのためのアクセスを許容するために透明であるが,造形チャンバ624内における雰囲気を制御可能とするために化学的には不透性とされている。
【0047】
前述した方法におけると同様に,部品620は,中実スキン628を有する多孔質構造とすることができる。しかしながら,前述した方法によって形成される粉末複合構造とは対照的に,粉末は存在せず,液状樹脂の新たな層が,部品610を通して樹脂を頂部イメージング面まで圧送することにより製造され,ここで液体表面628が形成される。このプロセスの利点は,新たな樹脂層の形成プロセスを加速できることである。これは,新たにイメージングされた層が造形バットの底部に積み重ねられず,前述した倒立造形形態において慣用的であった,次の層の形成前の剥離が必要とされないからである。この場合,表面張力により液体層628が造形中の部品620の頂面で維持される;これは,後述するように,形成される層の幾何学的形態に影響を及ぼしかねない。
【0048】
図33及び34は,二次的な支持流体634を造形チャンバ630に対して支持流体ポート632経由で添加する別の実施形態を示す。支持流体は,一般的には,使用される樹脂に対して非混和性であって,使用される樹脂よりも低密度であり,造形中の物体620の頂部からの樹脂の溢流を防止することができる。更に,支持流体は,液面628の形成に際しての幾何学的エッジ効果を緩和するように選択することができる。
【0049】
図35は,大気制御を使用して造形チャンバ630内における酸素濃度を増加させる更なる実施形態を示す。溶解した酸素は,光硬化性樹脂において通常使用される自由ラジカル重合を阻害する。この追加的な酸素は,重合が殆んど,又は全く生じない重合デッドゾーン638を生成する。従って,新たな造形層は,一般的には液体層628の活性ゾーンのみに生じる。大気中の酸素は,重合を少なくとも部分的に阻止するに適切ではあるが,酸素濃度を増加させて活性ゾーン及びデッドゾーンの厚さを制御するのが有利な場合がある。この場合,支持流体634も酸素バリアとして作用し,液体層628内における潜在的な酸素濃度勾配エッジ効果を抑制する。代替的に,酸素濃度勾配エッジ効果が部品精度を,特定用途に対する所要精度を下回らせるものではないと判断される場合には,
図28〜32に示した実施形態において大気酸素制御を利用することもできる。
【0050】
図36は,造形プラットフォーム602を通して樹脂を供給して,中実スキン622を有する多孔質パーツ620を形成する更なる実施形態を示す。この場合,溢流樹脂がパーツ620を包囲する。樹脂に対して非混和性であり,所望の粘性と光学的及び熱的特性を有する充填流体627を,入口ポート621のアレーを通して供給し,排出ポート623を通して造形チャンバから排出する。この充填流体627は,溢流樹脂625とイメージングウィンドウ626の間のギャップを満たす。充填流体627は,幾つかの実施形態においては水で,又は所要の特性を有するその他の流体で構成することができる。前述した支持流体634が,使用される樹脂よりも高い密度を有するように選択されるのとは対照的に,充填流体627は,使用される樹脂よりも低い密度を有するように選択することができる。このようにして,支持流体634はパーツ620周りでの造形チャンバ630内のスペースの大部分を占めるように設計され,他方,充填流体627は造形チャンバ630が殆んど樹脂で充填される状況下で使用できるものであり,充填流体627は溢流樹脂625の頂部を横切って流れ,これにより造形中のパーツ620の頂部における新たな樹脂の均一な分布を担保するように設計することができる。
【0051】
更に,幾つかの実施形態において,充填流体627は,イメージングプロセスの間に生成される熱エネルギを吸収するように構成する。光硬化性樹脂を使用する迅速製造の間,相当量の熱が生成され,その熱は造形中のパーツ620の機械的特性に悪影響を及ぼしかねない。この問題は,充填流体627を追加してこのプロセスのための冷却媒体として作用させることにより解消することができる。所与の流体における特定の冷却能力は,樹脂と冷却流体との相互作用に応じて変化する;特定の樹脂のためには,特定の流体がより適当であり得る。冷却流体は,冷却効果を最適化する(最も低い界面熱抵抗とする)と共に,粘性の相互作用を活用して樹脂の分布を補助するように選択すべきである。このイメージングにおいて,充填流体627は溢流樹脂625とイメージングウィンドウ626との間のギャップを完全に満たすものであるが,幾つかの実施形態において,充填流体627は溢流樹脂625とイメージングウィンドウ626との間にエアギャップを介在させることもできる。一般的に,エアギャップがなければ,材料層のイメージングを行うために光学エネルギが通過しなければならない光学的界面の数が減少し,光学エネルギの乱れや精度低下の懸念が払拭されるが,流体627の特性や造形チャンバ624を通過する際の速度によってはエアギャップが望ましい場合がある。
【0052】
本主題の他の態様において,
図37〜
図40は,ボトムアップ型の造形システムを使用する別の実施形態を示し,これは
図3〜10について前述した実施形態と類似するものである。ボトムアップ型の造形形態における主たる課題の一つは,イメージングすべき新たな層のためにパーツの下側に新たな樹脂を流入可能とする前に,硬化した材料層を造形バットの底部から剥離させる必要性である。この形態において,造形バット410の底部は二層,すなわち剛性透明ウィンドウ413と,この剛性ウィンドウに対してギャップ(例えばエアギャップ)を隔てて配置される可撓性透明ウィンドウ411とを含む。パーツ603を可撓性ウィンドウ411から取り出す際,ウィンドウ411の撓みにより,全体が一度に引き出されるのではなく,ウィンドウが新たな層から分離され,より穏やかな剥離プロセスが実行可能となる。幾つかの実施形態において,圧力センサ415をギャップに連通させて配置し,この圧力センサを使用して可撓性ウィンドウ411と剛性ウィンドウ413との間のギャップ内における空気体積の間接的な指標とすることにより,どの時点で可撓性ウィンドウ411が初期位置(非変形位置)に復帰して新たな層がイメージング可能となったかを決定することができる。
【0053】
剥離に関連する問題を改善するため,幾つかの実施形態においては,前述した実施形態におけると同様に,造形プラットフォーム602を通して,そして多孔質パーツ603を通して樹脂を圧送する。パーツ603を通して樹脂を圧送すれば,新たな材料層を形成する際に粘性抵抗が生じて,この種の製造システムを低速化させる顕著な制約要因になる,という課題を容易に克服することができる。製造中のパーツ603における多孔質の内部構造により樹脂に垂直方向の圧力勾配を生じさせ,これにより造形面における流体圧がより低く,造形プラットフォーム内における造形圧がより高くなる。この圧力勾配を緩和し,部品に生じ得る応力を低下させるため,1つ又は複数の追加的な樹脂チャネル605を造形プロセスの間に形成し,かつ,事後処理の間に除去することができる。垂直方向の圧力勾配が完全に消失できない場合でも,1つ又は複数の追加的な樹脂チャネル605は,圧力を部品の損傷が生じにくいレベルまで低下させる上で有用な場合がある。ここに示すチャネル605は中空の樹脂供給路であり,造形中のパーツ603において通常は生じる圧力勾配と対比して,その高さ方向における樹脂圧損失は無視し得るほどである。この方法は,一般的には,造形プラットフォーム602を通して樹脂を供給して多孔質部品を製造する,前述した何れの方法及び形態に適用することができる。
【0054】
上述したプラスチック製造方法では,多孔質パーツが製造される。このパーツは,その内部に残留する流体を硬化させるための事後効果を必要とすることがあり得る。代替的に,残留する液状樹脂を排出し,他のポリマーをパーツに充填して硬化させることができる。そのポリマーは,所要の機械的特性を発現するように選択される光硬化性樹脂,エポキシ樹脂又はその他の充填剤で構成することができる。更に,パーツの多孔性は,部品の焼損特性が部品内部における材料の削減によって顕著に改善されるインベスト鋳造プロセスにおいて有利な場合がある。
【0055】
他の態様において,本主題は,中実立体造形法により物体を形成するための方法を提供する。使用されるSFF方法の種類の如何を問わず,必要とされる空孔率は,光硬化性材料に対する照射の制御によって達成することができる。例えば,幾つかの実施形態において,光硬化性材料を照射するために使用されるイメージング装置を,造形中の物体の断面における選択された部分(例えば40〜70%未満)のみのイメージングを行うように作動させることができる。特に,
図41〜
図44は,
図3〜
図10について前述したイメージングシステムを含む多様なイメージングシステムの何れを使用する場合でも生成可能なラスターパターンセットを示す。
図41は第1層について使用される第1硬化パターン640を示し,
図42は第2層について使用される第2硬化パターン642を示す。硬化パターンを適切に選択し,造形プロセスにおいて隣接層間で第1硬化パターン640及び第2硬化パターン642を交互に切り替えるものと仮定すると,最終結果として空孔率が40〜60%を超える格子構造が得られ,流体が容易に通過可能な,構造的に信頼性の高い物体を形成することができる。硬化させた構造の公称空孔率は60%を超えることとすることができるが,前述したように,粉末基体は低い空孔率を有することが望ましい。この技術を粉末複合製造に適用すると,造形中の物体の複合空孔率は15〜25%以下となる可能性が高い。一般的に,粉末負荷密度が高ければより高品質の部品が得られるが,樹脂の流れが大幅に抑制されることとなる;従って,造形プロセス及び事後処理の間に部品を損なわないための必要最小限の構造的一体性を与えると共に,樹脂の流れに対する抵抗を低減するように硬化パターンの空孔率を最大化する硬化パターンを使用するのが望ましい。
【0056】
図43は,
図28〜
図32について前述したプラスチック製造方法に適用されるこれらの硬化パターンを示す。この方法は,多孔質の内部構造650周りの中実スキン652を硬化させるものである。この硬化方法は,
図3〜
図10について前述したシステムを含む,1つ又は複数のプログラム可能な光源を使用して達成することができる。代替的に,各種のプログラム可能な光源の何れかを単独で,又は組合わせて使用することにより,所望の硬化パターンを達成することもできる。
図44は,
図26及び
図27について前述した複合製造方法に適用されるこれらの硬化パターンを示す。前述したように,境界層654により部品を中実スキン652から分離させた状態で,多孔質構造650のイメージングを行う。注入されなかった粉末656は,後の使用のために回収される。この場合,スキンは,境界層に沿う流体流路として作用する。造形中の物体が,通常は支持構造を必要とするオーバーハング領域を有する場合,これは,樹脂のオーバーハング領域への注入を許容する流体流れ構造で置き換えることができ,これらを支持するための支持構造を取付ける必要はなくなる。それでもスキンは使用されなかった粉末を回収するために樹脂の流れを制御し,スキンと造形中の物体との間の境界部は,物体を支持粉末(注入された粉末及び注入されなかった粉末の両者)により支持可能とし,造形中の物体に直接結合される物理的な支持体を必要としない。その結果,物体の表面は,他のSLA製造プロセスでは典型的とされていた,支持材料との結合部による傷を有しない。スキン652及び物体650の分離により,注入のための追加的な流体流が生じ,これにより,部品を焼結やその他の処理に先立って浄化する際に必要とされる事後処理の工数を減少させることができる。
【0057】
図45は,前述した粉末複合又は多孔質ポリマー製造方法及び形態の何れについても適用可能な硬化パターンを示す。幾つかの場合,部品を複数の多孔質サブセクション657, 658で構成するのが望ましいことがある。これらのセクション657, 658を分割する壁659が十分に薄くて,後続層内における樹脂の流れを不当に制約するものでないと仮定すると,これは,前述した製造方法及び形態に大幅な変更を加えなくとも実施することができる。このようなイメージング方法が有利である幾つかの適用例が存在する。例えば,射出成形のためのツールを印刷する場合,往々にして,射出成形の間におけるツール温度を制御するための共形的な冷却チャネルを形成するのが望ましい。これらの多孔質サブセクションは,工具性能を向上するための共形的な冷却チャネルとして使用することができる。更に,印刷された部品の異なるセクションにおいて異なる機械的特性が望ましい場合には,前述した事後処理の間に部品に注入を行う方法に改良を施すことができる。多孔質サブセクションは,硬化しなかった樹脂を排出し,異なる材料を注入することにより,可撓性,剛性,靭性,強度,あるいは印刷されたパーツの特定領域で望まれるその他の物理的特性を高めることができる。印刷されたツールの例において,特定の肉厚を有するツールの内面により,あるゾーンを画定することができる;このゾーンは,分離された多孔質セクションとして形成し,耐熱材料を充填することによりツール性能を向上することができる。一方,この第1ゾーンの外側における追加的なゾーンは,この内側ゾーン周りでの共形的な冷却チャネルとして形成することができる。
【0058】
図46及び47は,注入された層と第2層との注入の間における相互作用を示す。前述したように,粉末粒子660は,造形プラットフォーム602上に堆積され,樹脂が注入される。これらの粒子660間に,より多くの粒子を堆積させ得るギャップとなるメニスカス662が形成され,これは依然として多孔質構造における粉末を互いに結合させるためにイメージング可能な十分な樹脂を提供する。粉末粒子の第2層664に樹脂を注入し,第2層への注入プロセスの間に新たなメニスカス666を形成する。このプロセスを,部品全体が形成されるまで反復する。
【0059】
図48は,粉末層への注入及びイメージングを可能とする代替的な方法を示す。造形エリアの雰囲気を酸素レベルが高まるように制御すれば,所与の層における各メニスカス662において重合デッドゾーンが生じる。これにより,重合が生じ得る表面668が低下する。この方法の利点は,より多くのスペースに新たな粉末を堆積させ,その際に粉末を互いに結合させるシステム能力を犠牲にする必要のないことである。これに関連して,このシステムは樹脂の流れが阻害されない粉末粒子相互間の安定した結合が可能となり,造形された部品における粉末の配置が均一である。これにより,事後処理の間における焼結のために最良のグリーンパーツが提供される。
【0060】
図49及び50は,粉末を直接融解させて印刷された部品を製造する別の形態を示す。従来のレーザ焼結では,レーザガルバノメータを使用して粉末層の部分を融解させることにより部品を製造するが,そのようなシステムは,典型的には10 m/s未満のスキャニング速度しか達成できない。これらの適用例において,熱的な影響を抑制するためにラスター速度を高めるのが有利であるが,これは解像度の犠牲(例えば,結合プロセスの間における熱飽和による溶接ビードの発生)を伴う。前述したラスターモジュール150は使用するエネルギの波長に対して不応性であるため,適切な屈折材料でプリズム158を構成できると仮定すれば,任意の波長のエネルギを使用することができる。この実施形態において,ラスターモジュール150からの出射ビーム160は,
図3〜
図10について前述したイメージングシステムにおけると同様に,固定ミラー670で反射され,回転アクチュエータ672により制御されるパニングミラー674上に入射する。その結果として得られるビームを次に造形プラットフォーム上の粉末層に亘ってラスターさせ,で示達偏重してパーツの部分のイメージングを行う。更に,レーザガルバノメータを使用するシステムでは典型的には10 m/s未満のスキャニング速度しか達成できないところ,開示されたラスターモジュール150は100 m/sを超えるスキャニング速度で作動させることができ,その場合でもビーム位置のモニタリングにおいて非常に高い精度を維持することができる。
【0061】
図51は,前述した何れかの方法及び形態を使用して粉末複合グリーンパーツを製造する方法を示す。前述した方法及び形態において,樹脂は,造形プラットフォームを通して粉末中に注入される。このプロセスの速度は,その注入プロセスの速度に部分的に依存する。この速度は,樹脂に粘度低下剤(VRA)を添加することによって改善することができる。その目的のためには,アルコール等の有機溶媒が適合する場合がある。理想的には,VRAは蒸気圧が高いので,造形面に露出し,イメージングプロセスの間に熱が生成される際にVRAが蒸発し,樹脂内におけるVRA濃度が高く,造形面におけるVRA濃度が低くなる濃度勾配を生成する。
【0062】
図52は,グリーンパーツを製造するための第2方法を示す。前述した方法及び形態においては,グリーンパーツを形成するためにスキンと多孔質の内部構造のイメージングを行う。一般的に,多孔質の内部構造全体を形成する必要がなく,スケルトン的な内部構造の形成で足りる場合がある。前述したように,グリーンパーツにおける内部構造の重要な機能は,製造及び事後処理段階で支持構造を提供することである;この課題に対して適当であると共に,硬化させるべき材料を最小化し得る構造であれば,いかなる構造であっても所与の部品のための造形時間を最適化することができる。幾つかの場合,事後硬化を行って,デバインディング及び焼結プロセスに耐える構造的一体性をグリーンパーツに付与する必要があり得る。
【0063】
図53は,グリーンパーツを製造するための第3方法を示す。これは,
図52について記載した方法の変形例である。この方法においては,パーツのスキンのみについてイメージングを行う。この方法と,前述した方法との重要な相違点として,この方法においてイメージングされる「スキン」は,スキンの内面が,製造中のパーツの外面となるように画定されことである。スキンのイメージングプロセスでは,造形中のパーツ内部に相当量の硬化されない樹脂が残留する。この樹脂は,印刷プロセスの完了後にパーツから排出し,又は吸出すことができ,その結果として得られる部品にはワックス又はその他の結合剤を注入することができる。スキンは化学的処理により除去することができ,これにより粉末と二次的な結合剤のみを含むグリーンパーツが得られる。この方法は,光硬化性ポリマーの焼損特性が最適以下である場合に有利な場合がある。特に,典型的な光硬化性ポリマーの多くは,インベスト鋳造に使用される場合に,焼損プロセス後に残留する相当の灰分含有量を有する。この灰分含有量は,典型的には材料の元の体積の端数として測定される。特に鋳造目的に供される樹脂は,灰分含有量が概ね0.1−0.25%であり得るが,状況によってはこのレーティングが高すぎると考えられる場合があり,そのような場合にはワックス又は他の二次的結合剤の使用が望ましいことがある。例えば,PIM製造においては,典型的に,デバインディング又は焼結の間に完全に除去可能な(ずなわち,灰分含有量が無視できる程度となる)ワックス又は他の結合剤が使用される。良好な焼損特性を有する幾つかの光硬化性ポリマーが開発されているが,何れもPIM製造において伝統的に使用されているポリマーと同様の良好な性能を有するものではない;本プロセスは,関与する全ての材料の利点を取り込んだものである。幾つかの実施形態において,スキンのイメージングは前述した形態におけると同様に行われ,事後処理前に除去する必要はない。本方法の最適な実施形態は,使用される結合剤及び粉末に依存する。
【0064】
図54は,
図49及び
図50に示した形態を使用することにできる多孔質パーツの製造方法を示す。ぽしまー結合剤で結合されたグリーンパーツを製造する代わりに,本方法は,粉末原料の直接注入を使用して部分的に焼結させた多孔質部品を製造する。典型的に,レーザ焼結を行う実施形態においては,焼結の間における材料層の収縮によって相当の内部応力が生成される。材料層を部分的にのみ焼結させれば,そのような応力の大部分を回避することができる。これにより,互いに僅かにしか接着していない粉末粒子の配置で構成されるパーツが得られ,これは前述したグリーンパーツのデバインディングに得られるブラウンパーツと同様である。従って,このパーツは同様の態様で事後処理を行って,緻密化された最終部品を製造可能とするものである。事後処理は均一な加熱を含むため,そのプロセスの間に付加的な熱応力が生成されることはない。
【0065】
図55及び56は,焼結プロセスにおける精度を向上する方法を示す。この方法は,焼結用のブラウンパーツを製造し得る前述した方法及び形態の何れにも適用できるものである。一般的に,グリーンパーツにおいては可及的に高い粉末負荷密度を達成するのが望ましい。この密度は,グリーンパーツにおける全体積に対する当該パーツの粉末体積として算出される。これは,焼結中に相似る収縮量を予測するものでもある。収縮量が大きければ物体が歪み,精度が損なわれる。一般的に,粉末床注入方法では,約60−65%の粉末負荷密度が容易に達成可能である。形成及びデバインディングが行われると,ブラウンパーツが製造される。このパーツは,
図49,
図50及び
図54に示した方法及び形態によっても製造することができる。このパーツは,体積が密度を約65%とすることができる。この初期密度を高めるため,粒子サイズ分布に複数のピークを有するマルチモード粉末を使用することができる。更に,ブラウンパーツに二次的な注入プロセスを施すことにより密度を高めることもできる。ブラウンパーツの粉末負荷密度を高めるため,これには,形成の際に使用される初期粉末と同一材料よりなるナノ粒子を注入することができる。ブラウンパーツに残される空孔を通して自由流動するに十分な微細度の粒子を導入するにあたり,支持液体中における粒子懸濁液としてブラウンパーツに流入させ,又は粒子の流動性を高めるための超音波励振下でブラウンパーツを粒子浴に浸漬することができる。表面に沿って粒子又は粒子懸濁液を流すことは,研磨的なプロセスである点に留意されたい。パーツの構造的一体性を保全するため,パーツに初期の部分的な焼結を施して粒子を相互間で更に結合させると共に,二次的な粒子注入を許容するに十分な空孔率を維持することが必要ななる場合がある。ブラウンパーツが部分的に焼結して粒子が注入されると,その空孔率(パーツ内における非粉末物質の堆積率)を約35%から約10−12%まで低下させることができ,これにより緻密なパーツを得るために必要とされる収縮量の低下及び潜在的な歪みの抑制を達成することができる。
【0066】
粒子物質を追加してグリーンパーツにおける粉末体積率を高める上記の方法は,特に,成形中のパーツにおける離散的な空孔ゾーンのイメージングを行う前述した方法と組み合わせたときに有利な効果を発現する。例えば,グリーンパーツにおける異なるゾーンを分離すれば,完全焼結に先立って特定のセクションに特定の材料を注入することにより,完成したパーツにおける異なる領域を異なる密度とすることができる。部品は,多孔質の内部による利益を享受しつつ,緻密なスキンを必要とすることがある;これは,印刷された金属ツール,特に内部に共形的な冷却チャネルを有するツールにも適用可能である。これは,ドリルビット,ミリングビット,ルータビット等のツールにも適用可能であり,これらは切削エッジを形成するための完全に緻密化した外面を要すると同時に,ツールを通して冷媒を流すために若干の空孔の利点を享受するものである。この場合,冷媒を流出させるための出口ポートとして僅かな多孔質領域を残す必要があり,その結果として任意の幾何学的形態にデジタル的に製造することのできる高性能の切削ツールが得られるものである。
【0067】
前述した方法の多くにおいて,特に,部分的又は完全に緻密化された最終部品に焼結させることのできるグリーンパーツの製造に関連して,主要な造形材料として使用される金属粉末及びセラミック粉末に言及した。一般的に,この造形プロセスにおいては,任意の粉末又は粉末ブレンドを使用することができ,その粉末又は粉末ブレンドに適合する所望の流れ特性を有する任意の樹脂を使用することが可能である。幾つかの付加的な選択肢を挙げれば,次のとおりである。
【0068】
プラスチック粉末及びグラファイト粉末のブレンドを使用すれば,最終製品に自己潤滑性を付与することができる。更に,金属粉末及びグラファイト粉末のブレンドを使用すれば,同様の特性を有する最終製品を得ることができる。プラスチック粉末及び金属粉末のブレンドを使用し,プラスチックと金属の配合比を5:1とすれば,誘導処理又はマイクロウェーブ処理を通じての事後処理により,金属粒子から放出される熱で隣接するプラスチック粒子同士を更に融着させることができる。所望の事後処理ステップ及び所望の最終製品に応じて,更なる粉末の組み合わせを造形粉末として,そして更なる粉末の組み合わせを支持粉末として使用することができる。
【0069】
本主題は,その精神及び本質的特徴から逸脱することなく,他の形態でも実施し得るものである。すなわち,開示された実施形態は,全ての点において例示的であって,限定的ではないと考えるべきである。本主題を特定の好適実施形態について記載したが,当業者にとって明白な他の実施形態も本主題の範囲に属する。