(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RNAi剤が、ホスファート基、ホスホロチオアート基、またはホスホナート基を介して標的化リガンドに連結される、請求項12に記載の標的化リガンド又はその医薬的に許容され得る塩。
請求項1〜7のいずれか1項に記載の標的化リガンドのいずれかに結合した発現阻害オリゴマー化合物を含む、対象において標的核酸の発現を阻害するための医薬組成物。
哺乳動物細胞を、該発現阻害オリゴマー化合物に連結した、請求項1〜7のいずれか1項に記載の標的化リガンド又はその医薬的に許容され得る塩を含む、発現阻害オリゴマー化合物を哺乳動物細胞内に導入するための医薬組成物であって、
前記標的化リガンド又はその医薬的に許容され得る塩を哺乳動物細胞に接触させる、医薬組成物。
発現阻害オリゴマー化合物に連結した請求項1〜7のいずれか1項に記載の標的化リガンド又はその医薬的に許容され得る塩を含む、発現阻害オリゴマー化合物の投与により有益性をもたらすだろう疾患または障害を治療するための医薬組成物。
哺乳動物細胞内に治療薬を導入する際に使用するための、対象における標的核酸の発現を阻害するための、または治療薬の投与により有益性をもたらすだろう疾患もしくは障害を治療するための、治療薬に連結された、請求項1〜6のいずれか1項に記載の標的化リガンド。
【発明を実施するための形態】
【0050】
詳細な説明
治療用または診断用の発現阻害オリゴマー化合物などの化合物に連結された新規標的化リガンドを本明細書中に記載する。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した標的化リガンドに連結された化合物は、RNAi剤である治療化合物を含むか、またはそれらから成る。前記標的化リガンドは、所望の位置の標的核酸または標的遺伝子に対して治療化合物を標的化するために使用できる。標的化リガンドおよび治療化合物を含む組成物、例えば標的化リガンドおよび発現阻害オリゴマー化合物を含むか、またはそれらから成る組成物などもまた、本明細書中に記載する。
【0051】
本明細書中に開示した新しい標的化リガンドは、効果的な標的化もしくは生体分布、インビボもしくはインビトロにおける十分な安定性を提供し、かつ、製造のコストおよび負担を低減する、ホスホラミダイトとしての合成に好適であり、かつ、RNAi剤などの発現阻害オリゴマー化合物に連結された以前に検討された標的化リガンドを上回る有効性を高め得る。
【0052】
標的化リガンド
標的化リガンドは、1若しくは複数の標的化基または標的化部分から成り、そしてそれは、それらが連結された化合物の薬物動力学的または生体分布特性を高める、および該複合化組成物の細胞もしくは組織特異的分配または細胞特異的取り込みを改善するのに役立つ可能性がある。一般に、標的化リガンドは、それに連結された治療化合物の、所望の標的部位への送達を誘導する際の助けとなる。場合によっては、標的化部分は、細胞または細胞受容体に結合して、該治療化合物の細胞内への侵入を容易にするためにエンドサイトーシスを開始し得る。標的化部分としては、細胞受容体、細胞表面分子または抗体に対して親和性を有する化合物を挙げることができる。標的化部分を含むさまざまな標的化リガンドが、細胞および特定の細胞受容体に剤を標的化するために治療薬および他の化合物に連結され得る。標的化部分のタイプとしては、炭水化物、コレステロールおよびコレステリル基、ならびにステロイドが挙げられる。細胞受容体に結合できる標的化部分としては、ガラクトース、ガラクトース誘導体(N−アセチル−ガラクトサミンなど)、マンノース、およびマンノース誘導体などのサッカリド;他の炭水化物;グリカン;ハプテン;ビタミン;フォラート;ビオチン;アプタマー;ならびに、例えばRGD含有ペプチド、インスリン、EGF、およびトランスフェリンなどのペプチドが挙げられる。
【0053】
アシアロ糖タンパク受容体(ASGPR)に結合することが知られている標的化部分は、肝臓へのオリゴマー化合物の送達を誘導する際に特に有用である。アシアロ糖タンパク受容体は、肝細胞を含めた肝臓細胞において豊富に発現される。ASGPRを標的化する細胞受容体標的化部分としては、ガラクトースおよびガラクトース誘導体が挙げられる。特に、2、3、または4つのN−アセチル−ガラクトサミン(GalNAcまたはNAG)から成るクラスタを含むガラクトース誘導体のクラスタは、肝臓細胞内への特定の化合物の取り込みを容易にできる。オリゴマー化合物に結合されたGalNAcクラスタは、N−アセチル−ガラクトサミン糖が肝臓細胞の表面のアシアロ糖タンパク受容体に結合できる肝臓に組成物を誘導するのに役立つ。アシアロ糖タンパク受容体への結合は、受容体介在性エンドサイトーシスを開始し、それによって、該化合物の細胞内への侵入が容易になると考えられる。
【0054】
本明細書中に開示した標的化リガンドは、1、2、3、4、または4つより多くの標的化部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、分岐点基に連結された1、2、3、4、または4つより多くの標的化部分を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、分岐点基に連結された1、2、3、4、または4つより多くの標的化部分を含み得、ここで、それぞれの標的化部分がテザーを介して分岐点基に連結される。
【0055】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、分岐点基に連結された1、2、3、4、または4つより多くのアシアロ糖タンパク受容体(ASGPR)標的化部分を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、
分岐点基に連結された1、2、3、4、または4つより多くのASGPRの標的化部分を含み得、ここで、それぞれのASGPR標的化部分がテザーを介して分岐点基に連結される。
【0056】
本明細書中に記載した標的化リガンドは、以下の式Iによって表される:
【化15】
{式中、nは、1〜4の整数(例えば、1、2、3または4)である}(式I)。いくつかの実施形態において、式Iのnは1〜3、1〜2、2〜4、2〜3、または3〜4の整数である。
【0057】
本明細書中に開示した標的化リガンドは、オリゴマー化合物などの治療化合物に連結され得る。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、追加リンカーおよび/または切断可能部分を介して治療化合物に連結され、そしてそれは、次に、治療化合物に連結される。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、治療化合物自体に結合される。
【0058】
いくつかの実施形態において、前記治療化合物は、発現阻害オリゴマー化合物である。いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、RNAi剤である。いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、二本鎖RNAi剤である。
【0059】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の5’末端に直接的または間接的に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の3’末端に直接的または間接的に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、二本鎖RNAi剤のアンチセンス鎖の5’末端または3’末端に直接的または間接的に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、一本鎖RNAi剤の5’末端または3’末端に直接的または間接的に連結される。
【0060】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の末端ヌクレオシドの5’末端にて、ホスファート基、ホスホナート基、ホスホロチオアート基、または他のヌクレオシド間連結基を介して二本鎖RNAi剤に連結される。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、切断可能部分を含む。いくつかの実施形態において、切断可能部分は、ホスファート基または切断され得る他のヌクレオシド間連結基を含むか、またはそれらから成る。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、切断可能部分を介して治療化合物に連結される。
【0062】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、追加基または切断可能部分を含む基に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、切断可能部分に連結され、そしてそれは、次に、発現阻害オリゴマー化合物に連結される。
【0063】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、ホスホラミダイト化合物(本明細書中で「ホスホラミダイト含有化合物」とも呼ばれる)である。本明細書中に記載した標的化リガンドを含むホスホラミダイト化合物は、ホスホラミダイト合成について当該技術分野で一般的に知られている方法を使用して、治療化合物または他の基に標的化リガンドを容易に取り付けるのに有用であり得る。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドを含むホスホラミダイト化合物は、当該技術分野で一般的に知られている方法を使用して、発現阻害オリゴマー化合物に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンド含有ホスホラミダイトは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の5’末端に連結される。
【0064】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドに連結される発現阻害オリゴマー化合物は、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、一本鎖オリゴヌクレオチドは、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドに直接的に連結される。いくつかの実施形態において、追加基は、標的化リガンドと一本鎖オリゴヌクレオチドの間に挿入される。
いくつかの実施形態において、RNAi剤に連結される標的化リガンドは、標的化部分または標的化部分として1若しくは複数のN−アセチル−ガラクトサミン糖を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物に連結された標的化リガンドは、ポリエチレングリコール(PEG)を含めたテザーを含む。いくつかの実施形態において、テザーはPEGから成る。いくつかの実施形態において、テザーは、1〜10個のエチレングリコール単位を有するPEGを含む。いくつかの実施形態において、テザーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のエチレングリコール単位を有するPEGを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、RNAi剤に連結される標的化リガンドは、リンカーとしてのポリエチレングリコール(PEG)を含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはPEGを含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはPEGから成る。いくつかの実施形態において、リンカーは、1〜20個のエチレングリコール単位を有するPEGを含む。いくつかの実施形態において、テザーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のエチレングリコール単位を有するPEGを含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した任意の標的化リガンドに連結される発現阻害オリゴマー化合物は、RNAi剤を含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、直接的または間接的に、RNAi剤に連結される。
【0067】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、RNAi剤に直接的に連結される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、(単数もしくは複数の)追加基がRNAi剤と標的化リガンドのリンカーとの間に挿入される場合、間接的にRNAi剤に連結される。いくつかの実施形態において、第二のリンカーは、前記リンカーと治療化合物との間に含まれる。
標的化リガンド構造、および標的化リガンドを含むホスホラミダイト化合物。
本明細書中に開示した標的化リガンドは、1若しくは複数の標的化部分、テザー、分岐点基、およびリンカーから成り得る。本明細書中に開示した標的化リガンドは、1、2、3、4、または4つより多くの標的化部分を含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、ホスホラミダイト化合物の形態となるように合成される。ホスホラミダイトは、RNAおよびDNAの化学合成において広く使用される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示したホスホラミダイト含有標的化リガンドは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の5’末端に加えられる。前記標的化リガンドが発現阻害オリゴマー化合物の5’末端に連結されるべきとき、ホスホラミダイトとして標的化リガンドを調製することは、特に有利であり得る。理論によって拘束されることを望むものではないが、ホスホラミダイトとして前記標的化リガンドを調製することは、該標的化リガンドが発現阻害オリゴマー化合物の5’末端に連結されるとき、最後の成分としての標的化リガンドの連結を許容する(それによって、製造コストを削減する)だけでなく、ならびに該標的化リガンドが二本鎖RNAi剤のセンス鎖の5’末端に取り付けられるとき、標的化リガンドがRISC内へのセンス鎖の添加を潜在的に遮断することを可能にすることが理解される。発現阻害オリゴマー化合物が二本鎖RNAi剤であるとき、前記標的化リガンドは、該標的化リガンドがRNAi剤のセンス鎖の5’末端に連結されるべきとき、ホスホラミダイト化合物として調製され得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、以下の式Bによって表される:
【化16】
{式中、nは、1〜20の整数であり;Xは、O、S、またはNHであり;および標的化部分は、ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミル−ガラクトサミン、N−アセチル−ガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、またはN−イソ−ブタノイルガラクトサミンから成る群から選択される}(式B)。いくつかの実施形態において、nは6である。いくつかの実施形態において、nは8である。いくつかの実施形態において、nは4である。
【0070】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化17】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)である}(構造1)。
【0071】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、構造1{式中、n=6}によって表される構造を有する。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、構造1{式中、n=8}によって表される構造を有する。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、構造1{式中、n=4}によって表される構造を有する。
【0072】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化18】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物を含むか、またはそれらから成る}(構造1a)。
【0073】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化19】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造1b)。
【0074】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化20】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造1c)。
【0075】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化21】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)である}(構造1d)。
【0076】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を含むか、またはそれらから成る:
【化22】
(構造101)。
【0077】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化23】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物を含むか、またはそれらから成る}(構造101a)。
【0078】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化24】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造101b)。
【0079】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化25】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造101c)。
【0080】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化26】
(構造101d)。
【0081】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を含むか、またはそれらから成る:
【化27】
(構造102)。
【0082】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化28】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物を含むか、またはそれらから成る}(構造102a)。
【0083】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化29】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造102b)。
【0084】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化30】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造102c)。
【0085】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化31】
(構造102d)。
【0086】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を含むか、またはそれらから成る:
【化32】
(構造103)。
【0087】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化33】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物を含むか、またはそれらから成る}(構造103a)。
【0088】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化34】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造103b)。
【0089】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化35】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含む}(構造103c)。
【0090】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化36】
(構造103d)。
【0091】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化37】
(構造2)。
【0092】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、標的化リガンドに連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化38】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含み;Aは、OまたはSであり;およびA’は、O
−、S
−、またはNH
−である}(構造2b)。
【0093】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化39】
(構造2d)。
【0094】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化40】
(構造3)。
【0095】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、標的化リガンドに連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化41】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含み;Aは、OまたはSであり;およびA’は、O
−、S
−、またはNH
−である}(構造3b)。
【0096】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化42】
(構造3d)。
【0097】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化43】
(構造4)。
【0098】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、標的化リガンドに連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化44】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含み;Aは、OまたはSであり;およびA’は、O
−、S
−、またはNH
−である}(構造4b)。
【0099】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化45】
(構造4d)。
【0100】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化46】
(構造5)。
【0101】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、標的化リガンドに連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化47】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含み;Aは、OまたはSであり;およびA’は、O
−、S
−、またはNH
−である}(構造5b)。
【0102】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化48】
(構造5d)。
【0103】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有する:
【化49】
(構造6)。
【0104】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、標的化リガンドに連結されていて、かつ、次の構造式によって表される構造を有する:
【化50】
{式中、Zは、発現阻害オリゴマー化合物から成るか、またはそれらを含み;Aは、OまたはSであり;およびA’は、O
−、S
−、またはNH
−である}(構造6b)。
【0105】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造式によって表される構造を有するホスホラミダイト含有化合物である:
【化51】
(構造6d)。
【0106】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、ガラクトースクラスタの形態である。本明細書中に使用される場合、ガラクトースクラスタリングは、2〜4つの末端ガラクトース誘導体を有する標的化リガンドを含む。本明細書中に使用される場合、ガラクトース誘導体という用語は、ガラクトースのそれと同等かまたはそれを越えるアシアロ糖タンパク受容体に対する親和性を有する、ガラクトースおよびガラクトース誘導体の両方を含む。ガラクトース誘導体は、一種の標的化部分であるサッカリド糖である。末端ガラクトース誘導体は、サッカリドのC−1炭素を通してテザーに連結されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、アシアロ糖タンパク受容体に対してそれぞれ親和性を有する3つの末端ガラクトサミンまたはガラクトサミン誘導体(N−アセチル−ガラクトサミンなど)から成る。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、標的化部分として3つの末端N−アセチル−ガラクトサミン(GalNAcまたはNAG)を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、アシアロ糖タンパク受容体に対してそれぞれ親和性を有する4つの末端ガラクトサミンまたはガラクトサミン誘導体(N−アセチル−ガラクトサミンなどの)から成る。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、標的化部分として4つの末端N−アセチル−ガラクトサミン(GalNAcまたはNAG)を含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、それぞれ標的化部分は、ガラクトサミン誘導体、すなわち、N−アセチル−ガラクトサミンを含む。標的化部分として使用され得る、アシアロ糖タンパク受容体に対して親和性を有する他のサッカリドは:ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミル−ガラクトサミン、N−アセチル−ガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、およびN−イソ−ブタノイルガラクトサミン、を含めた一覧から選択され得る。アシアロ糖タンパク受容体に対する多くのガラクトース誘導体の親和性は、研究されているか(例えば:Iobst, S.T. and Drickamer, K. J.B.C. 1996, 271, 6686を参照)、または当該技術分野で周知の、一般的に使用される方法を使用して容易に測定される。
【0110】
3つの末端N−アセチル−ガラクトサミンを指すとき、当該技術分野で一般的に使用される用語としては、三分岐型(tri-antennary)、三価、および三量体が挙げられる。
【0111】
リンカー
本明細書中に開示した標的化リガンドは、リンカーを含む。
前記リンカーは、片端で分岐点基に連結され、およびもう一方の末端で治療化合物に(または、該標的化リガンドがホスホラミダイト化合物として合成されるとき、ホスホラミダイト形成試薬を用いた亜ホスファート化反応によってホスホラミダイトのリン原子に)連結される原子群である。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、片端で分岐点基に連結され、および次に発現阻害オリゴマー化合物に結合される(単数もしくは複数の)基にもう一方の末端で結合される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、オリゴマー化合物に直接的に連結される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、切断可能部分に連結され、そしてそれは、次に、オリゴマー化合物に連結される。切断可能部分の例としては、これだけに限定されるものではないが、例えば、ホスファート基、ジスルフィド部分を含めた基、および/または切断され得る他のヌクレオシド間結合が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、切断可能部分に連結されない。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、ホスホロチオアート基またはホスホナート基に連結される。
【0112】
いくつかの実施形態において、前記リンカーは、ポリエチレングリコール(「PEG」)部分から成るか、またはそれらを含む。リンカー内へのPEG部分の組み込みは、置換または非置換アルキル鎖から成るかまたはそれらを含むリンカーなどの他の特定のリンカーを上回る有利な特性を与える。例えば、リンカー内へのPEG部分の組み込みは、アルキル鎖リンカーを含む化合物と比較して、ヌクレオチド合成に一般的に使用される溶媒中の標的化リガンド含有ホスホラミダイト化合物の溶解性を増強し、そしてそれは、簡易化された製造プロセスをもたらし得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するリンカーを含む:
【化52】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)である}(構造1001)。
【0114】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するホスファート基に連結されるリンカーを含む:
【化53】
{式中、nは、1〜20から選択される整数である}(構造1002)。
【0115】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するホスホロチオアート基に連結されるリンカーを含む:
【化54】
{式中、nは、1〜20から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)である}(構造1003)。
【0116】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するリンカーを含む:
【化55】
(構造1004)。
【0117】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するホスファート基に連結されるリンカーを含む:
【化56】
(構造1005)。
【0118】
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、次の構造を有するホスホロチオアート基に連結されるリンカーを含む:
【化57】
(構造1006)。
【0119】
いくつかの実施形態において、前記リンカーは発現阻害オリゴマー化合物、すなわち、二本鎖RNAi剤に連結される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の5’末端に連結される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、二本鎖RNAi剤のセンス鎖の3’末端に連結される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、二本鎖RNAi剤のアンチセンス鎖の3’末端に連結される。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、二本鎖RNAi剤のアンチセンス鎖の5’末端に連結される。
【0120】
いくつかの実施形態において、前記リンカーは、切断可能部分に連結される。いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物の末端のホスファート基は、切断可能部分として役立ち得る。いくつかの実施形態において、独立に選択される切断可能部分は、リンカーに連結される。本明細書中に使用される場合、切断可能部分は、細胞外で安定しているが、標的細胞内に入ると切断される基である。切断可能部分は、例えばpHなどの特定の条件下で、または分解を促進する分子−もしくはレドックス剤などの特定の切断剤の切断を受けやすい。
【0121】
いくつかの実施形態において、前記切断可能部分は、pHの影響を受けやすい可能性がある。例えば、エンドソームおよびリソソームは、一般的に、ヒト血液(約7.35〜7.45のpH)より高い酸性のpH(約4.5〜6.5のpH)を有することが知られており、そのことが切断可能部分の切断を促進し得る。
いくつかの実施形態において、切断可能部分はホスファート基である。ホスファート基は、ホスファート基を分解するかまたは加水分解することが知られている剤によって切断され得る。
【0122】
分岐点基
本明細書中に開示した標的化リガンドは、少なくとも1つの分岐点基を含む。本明細書中に開示した標的化リガンドの分岐点基は、リンカーに取り付けられる。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドの分岐点基は、片端でリンカーに連結され、および分岐点基は(単数もしくは複数の)他の末端で1若しくは複数のテザーに連結される。いくつかの実施形態において、前記分岐点基は、リンカーおよび1若しくは複数のテザーに取り付けられる。いくつかの実施形態において、前記分岐点基は、発現阻害オリゴマー化合物に間接的に(例えば、リンカーを介して)取り付けられる。いくつかの実施形態において、前記分岐点基は、(単数もしくは複数の)追加基を介して発現阻害オリゴマー化合物に連結される。
【0123】
本明細書中に開示した分岐点基は、1若しくは複数の標的化部分の取り付けを許容し、さらにリンカーへの取り付けを許容する任意の基である。
本明細書中に開示した分岐点基は、2、3、または4個のガラクトース誘導体の取り付けを許容し、さらに分岐点のリンカーへの取り付けを許容する任意の基である。
【0124】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有する分岐点を含む:
【化58】
(構造2001)、
【化59】
(構造2002)。
【0125】
テザー
本明細書中に開示した標的化リガンドは、1若しくは複数のテザーを含む。テザーは、分岐点基とそれぞれの標的化部分との間に連結される。いくつかの実施形態において、前記テザーは、片端で標的化リガンドに直接的に、およびもう一方の末端で分岐点基に直接的に連結される。いくつかの実施形態において、前記テザーは、片端で直接的に標的化リガンドに、およびもう片方の末端で間接的に分岐点基に連結される。いくつかの実施形態において、前記テザーは、片端で標的化リガンドに間接的に、およびもう一方の末端で分岐点基に間接的に連結される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した標的化リガンドは、3つのテザーおよび3つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した標的化リガンドは、4つのテザーおよび4つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した標的化リガンドは、1つのテザーおよび1つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した標的化リガンドは、複数のテザーおよび複数の標的化部分を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、追加テザーまたは他の基が、前記テザーと標的化部分との間に挿入される。いくつかの実施形態において、第二のテザーが、テザーと標的化部分との間に挿入される。いくつかの実施形態において、第二のテザーと第三のテザーが、テザーと標的化部分との間に挿入される。いくつかの実施形態において、第二、第三、および第四のテザーが、テザーと標的化部分との間に挿入される。本明細書中に開示される場合、あらゆる標的化部分に関して少なくとも1つのテザーが存在する。いくつかの実施形態において、それぞれ標的化部分に関して2つ以上のテザーが存在する。本明細書中に開示した標的化リガンドは、斯かる組成物を網羅することを意図している。
【0127】
いくつかの実施形態において、追加基が、テザーと分岐点基との間に挿入され得る。
本明細書中に開示される場合、前記テザーは、標的化部分と、分岐点基、リンカー、および治療化合物との間の連結にさらなる柔軟性および/または長さを加え得るスペーサーとして役立つ。いくつかの実施形態において、テザーとしては、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基、またはアラルキニル基が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記テザーとしては、1若しくは複数のヘテロ原子、複素環化合物、ヘテロアリール、アミノ酸、ヌクレオチド、またはサッカリドが挙げられる。
【0128】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化60】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20)であり、そして、Xは、O、S、またはNHである}(構造301)。
【0129】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化61】
{式中、Xは、O、S、またはNH
−である}(構造302)。
【0130】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化62】
(構造302a)。
【0131】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化63】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20)であり、およびXは、O、S、またはNHである}(構造303)。
【0132】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化64】
{式中、nは、1〜20の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20)であり、およびXは、O、S、またはNHである}(構造304)。
【0133】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化65】
{式中、Xは、O、S、またはNHである}(構造305)。
【0134】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、次の構造を有するテザーを含む:
【化66】
{式中、Xは、O、S、またはNHである}(構造306)。
【0135】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、2つ以上のテザーのタイプを含む。いくつかの実施形態において、前記テザーは、フレキシブル親水性スペーサー(例えば、U.S.5,885,968;およびBiessen et al. J. Med. Chem. 1995, 39, 1538-1546、その両方を全体として参照により本明細書中に援用する)として機能し、そして、PEGスペーサーを含む。他の実施形態において、前記PEGスペーサーは、1〜20個のエチレン単位(PEG
1〜PEG
20)を有する。例えば、前記PEGスペーサーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のエチレン単位を有する。
【0136】
標的化部分:
本明細書中に開示した標的化リガンドは、1〜4、または4つより多くの標的化部分を含み得る。
いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、ガラクトースクラスタであってもよい。本明細書中に使用される場合、ガラクトースクラスタリングは、2〜4つの末端ガラクトース誘導体を有する標的化リガンドを含む。本明細書中に使用される場合、ガラクトース誘導体という用語は、ガラクトースのそれと同等かまたはそれを越えるアシアロ糖タンパク受容体に対する親和性を有する、ガラクトースおよびガラクトース誘導体の両方を含む。ガラクトース誘導体は、一種の標的化部分であるサッカリド糖である。末端ガラクトース誘導体は、サッカリドのC−1炭素を通してテザーに連結される。
【0137】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、アシアロ糖タンパク受容体に対してそれぞれ親和性を有する3つの末端ガラクトサミンまたはガラクトサミン誘導体(N−アセチル−ガラクトサミンなど)から成る。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、標的化部分として3つの末端N−アセチル−ガラクトサミン(GalNAcまたはNAG)を含む。
【0138】
例えば、構造1、101、102、および103のそれぞれは、標的化部分としての3つの末端N−アセチル−ガラクトサミンを有する標的化リガンドである。
いくつかの実施形態において、それぞれ標的化部分は、ガラクトサミン誘導体、すなわち、N−アセチル−ガラクトサミンを含む。標的化部分として使用され得る、アシアロ糖タンパク受容体に対して親和性を有する他のサッカリドは:ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミル−ガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、およびN−イソ−ブタノイルガラクトサミン、を含めた一覧から選択され得る。アシアロ糖タンパク受容体に対する多くのガラクトース誘導体の親和性は、研究されているか(例えば:Iobst, S.T. and Drickamer, K. J.B.C. 1996, 271, 6686を参照、それを全体として参照により本明細書に援用する)、または当該技術分野で周知の、一般的に使用される方法を使用して容易に測定される。
【0139】
いくつかの実施形態において、前記標的化部分は、細胞を標的化する部分である。
いくつかの実施形態において、前記標的化部分は、N−アセチル−ガラクトサミンを含む:
【化67】
/
【化68】
。
【0140】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、3つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、4つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、1つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、2つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、4つ以上の標的化部分を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、前記標的化部分は、ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミル−ガラクトサミン、N−アセチル−ガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、またはN−イソ−ブタノイルガラクトサミンのうちの1もしくは複数を含む。
【0142】
例えば、いくつかの実施形態において、構造1〜6のいずれかのN−アセチル−ガラクトサミン標的化部分は、代替の標的化部分で置換され得る。いくつかの実施形態において、構造101、102または103のいずれかのN−アセチル−ガラクトサミン標的化部分は、代替の標的化部分で置換され得る。斯かる代替の標的化部分としては、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミル−ガラクトサミン、N−アセチル−ガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、またはN−イソ−ブタノイルガラクトサミンが挙げられる。
【0143】
さらに、いくつかの実施形態において、構造1〜6の標的化部分は、例えば、他の炭水化物;グリカン;ハプテン;ビタミン;フォラート;ビオチン;アプタマー;ならびに/あるいは、例えばRGD含有ペプチド、インスリン、EGF、および/またはトランスフェリンなどのペプチドで置換され得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、構造101、102、または103の標的化部分は、例えば、他の炭水化物;グリカン;ハプテン;ビタミン;フォラート;ビオチン;アプタマー;ならびに/あるいは、例えばRGD含有ペプチド、インスリン、EGF、および/またはトランスフェリンなどのペプチドで置換され得る。
【0145】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、N−アセチル−ガラクトサミン三量体の形態である。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、N−アセチル−ガラクトサミン四量体の形態である。
【0146】
オリゴマー化合物
本明細書中に開示した標的化リガンドは、オリゴマー化合物に連結され得る。いくつかの実施形態において、前記オリゴマー化合物は、発現阻害オリゴマー化合物である。いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、RNAi剤である。いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、二本鎖RNAi剤である。いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、一本鎖オリゴヌクレオチドである。前記発現阻害オリゴマー化合物は、当該技術分野で一般的に使用される方法を使用することで合成され得る。
【0147】
前記発現阻害オリゴマー化合物は、1若しくは複数の修飾ヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド塩基(または、核酸塩基)は、すべての核酸の構成要素であり、かつ、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)を含む複素環式ピリミジンまたはプリン化合物である。本明細書中に使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチド模倣体、脱塩基部位、または代用置換部分を含み得る。本明細書中に使用される場合、「修飾ヌクレオチド」は、リボヌクレオチド(2’−ヒドロキシルヌクレオチド)以外のヌクレオチド、ヌクレオチド模倣体、脱塩基部位、または代用置換部分である。いくつかの実施形態において、修飾ヌクレオチドとしては、2’−修飾ヌクレオチド(すなわち、5員糖環の2’位置にてヒドロキシル基以外の基を有するヌクレオチド)を含む。修飾ヌクレオチドとしては、これだけに限定されるものではないが:2’−修飾ヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド(本明細書中ではヌクレオチド配列内の小文字「n」とも表される)、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド(本明細書中ではNfと表され、また、本明細書中に2’−フルオロヌクレオチドとも表される)、2’−デオキシヌクレオチド(本明細書中ではdNとも表される)、2’−メトキシエチル(2’−O−2−メトキシルエチル)ヌクレオチド(本明細書中ではNMまたは2’−MOEとも表される)、2’−アミノヌクレオチド、2’−アルキルヌクレオチド、3’−3’連結(反転)ヌクレオチド(本明細書中ではinvdN、invN、invn、invXとも表される)、ヌクレオチドを含む非天然型塩基、ロックされたヌクレオチド、架橋ヌクレオチド、ペプチド核酸、2’、3’−セコヌクレオチド模倣体(ロックされていない核酸塩基類似体、本明細書中ではN
UNAまたはNUNAとも表される)、ロックされたヌクレオチド(本明細書中ではN
LNAまたはNLNAとも表される)、3’−O−メトキシ(2’−ヌクレオチド間連結)ヌクレオチド(本明細書中では3’−OMenとも表される)、2’−F−アラビノヌクレオチド(本明細書中ではNfANAまたはNf
ANAとも表される)、モルホリノヌクレオチド、ビニルホスホナートデオキシリボヌクレオチド(本明細書中ではvpdNとも表される)、ビニルホスホナートヌクレオチド、および脱塩基ヌクレオチド(本明細書中ではXまたはAbとも表される)が挙げられる。一様に修飾されることは、所定の化合物のすべての位置において必要とされるわけでない。逆に、2つ以上の修飾が、ただ一つの発現阻害オリゴマー化合物の中に、またはその単一ヌクレオチドの中にさえ組み込まれ得る。前記発現阻害オリゴマー化合物は、当該技術分野で知られている方法によって合成および/または修飾され得る。各ヌクレオチドの修飾は、他のヌクレオチドの修飾から独立している。
【0148】
修飾核酸塩基としては、合成および天然型核酸塩基、例えば、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、N−2−、N−6−、O−6−置換プリン(例えば、2−アミノプロピルアデニン)、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン、2−チオシトシン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、6−アゾ−ウラシル、6−アゾ−シトシン、6−アゾ−チミン、5−ウラシル(偽ウラシル)4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、および他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−置換ウラシルおよびシトシン(例えば、5−ハロウラシルおよびシトシン(例えば、5−ブロムウラシルおよび5−ブロモシトシン)、5−トリフルオロメチルウラシル、5−トリフルオロメチルシトシン)、7−メチルグアニン、7−メチルアデニン、8−アザグアニン、8−アザアデニン、7−デアザグアニン、7−アザグアニン、3−デアザグアニン、および3−アザグアニンが挙げられる。
【0149】
本明細書中に記載した発現阻害オリゴマー化合物において、任意の修飾ヌクレオチドは、ホスファート含有または非ホスファート含有共有結合性ヌクレオシド間結合によって連結され得る。修飾ヌクレオシド間結合または骨格としては、これだけに限定されるものではないが、5’−ホスホロチオアート(本明細書中ではヌクレオチドの前の小文字「s」とも表され、sN、sn、sNf、またはsdNとも表される)、キラルホスホロチオアート、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキル−ホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホナートおよびキラルホスホナートを含めたメチルおよび他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3’−アミノホスホルアミダートおよびアミノアルキルホスホルアミダートを含めたホスホルアミダート、チオノホスホルアミダート、チオノアルキル−ホスホナート、チオノアルキル−ホスホトリエステル、モルホリノ連結、通常3’−5’連結を有するボラノホスホナート、ボラノホスホナートの2’−5’連結類似体、ならびに逆極性を有するボラノホスホナートが挙げられ、ここで、ヌクレオシド単位の隣接対は、3’−5’から5’−3’にまたは2’−5’から5’−2’に連結される。いくつかの実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合または骨格は、リン原子を欠いている。リン原子を欠いている修飾ヌクレオシド間結合としては、これだけに限定されるものではないが、短鎖アルキルもしくはシクロアルキル糖間連結、混合性ヘテロ原子とアルキルもしくはシクロアルキル糖間連結、または1若しくは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式糖間連結が挙げられる。いくつかの実施形態において、修飾ヌクレオシド間骨格としては、これだけに限定されるものではないが、シロキサン骨格、スルフィド骨格、スルホキシド骨格、スルフォン骨格、ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、アルケン−含有骨格、スルファマート骨格、メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格、スルホナートおよびスルホンアミド骨格、アミド骨格、ならびに混成N、O、S、およびCH
2成分を有する他の骨格が挙げられる。
【0150】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物は、二本鎖RNAi剤であり、少なくとも部分的に互いに相補的な(少なくとも70%相補的な)センス鎖とアンチセンス鎖とを含む。前記アンチセンス鎖は、標的mRNAの配列に対して完全に相補的(100%相補的)であるか、または少なくとも実質的に相補的(少なくとも85%相補的)である配列を有する領域を含む。二本鎖RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖の長さは、それぞれ16〜30ヌクレオチドの長さであり得る。前記センスおよびアンチセンス鎖は同じ長さであっても、またはそれらが異なった長さであってもいずれでもよい。いくつかの実施形態において、前記センス鎖は、長さが約19ヌクレオチドであるが、それに対して、前記アンチセンス鎖は長さが約21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、前記センス鎖は長さが約21ヌクレオチドであるが、それに対して、前記アンチセンス鎖は長さが約23ヌクレオチドである。他の実施形態において、前記センスとアンチセンス鎖は、それぞれ独立に長さが17〜21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、センスとアンチセンス鎖の両方が、長さがそれぞれ21〜26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、前記センスとアンチセンス鎖の両方が、長さがそれぞれ26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、前記センスとアンチセンス鎖は、それぞれ独立に長さが17〜26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、二本鎖RNAi剤は、約16、17、18、19、20、21、22、23または24ヌクレオチドの二本鎖の長さを有する。前記センス鎖とアンチセンス鎖との間の完全または実質的に相補的なこの領域は、長さが典型的には15〜25ヌクレオチド(例えば、長さが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25ヌクレオチド)であり、該アンチセンス鎖の5’末端または5’末端付近で起こる。
【0151】
本明細書中に開示したリガンドに結合される発現阻害オリゴマー化合物は、任意選択かつ独立に、(延長として)追加の1、2、3、4、5、または6ヌクレオチドをコア配列の3’末端、5’末端、または3’および5’末端の両方に含む。これらの追加的ヌクレオチドは、存在する場合、前記標的化されているmRNAの対応配列に対して相補的であっても、またはそうでなくてもよい。
【0152】
いくつかの実施形態において、二本鎖RNAi剤が本明細書中に開示した標的化リガンドに結合されるとき、追加のセンス鎖追加ヌクレオチドは、存在する場合、前記標的化されているmRNAの対応配列に対して同一であっても、またはそうでなくてもよい。それが存在する場合、前記追加のアンチセンス鎖追加ヌクレオチドは、それが存在する場合、前記センス鎖の対応する追加ヌクレオチドに対して相補的であっても、またはそうでなくてもよい。
二本鎖RNAi剤は、アンチセンス鎖をセンス鎖とアニーリングすることによって形成できる。
【0153】
いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、RNAi剤のセンス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかの3’または5’末端にてRNAi剤に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、センス鎖の5’末端に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、センス鎖の3’末端に連結される。いくつかの実施形態において、前記標的化リガンドは、不安定結合、切断可能結合、または可逆的結合を介してRNAi剤に連結される。いくつかの実施形態において、前記不安定結合、切断可能結合、または可逆的結合は、前記RNAi剤と標的化リガンドとの間に追加された切断可能部分に含まれる。
【0154】
いくつかの実施形態において、前記発現阻害オリゴマー化合物は、一本鎖オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、前記一本鎖オリゴヌクレオチドは、標的mRNAの発現を阻害するためにRNA干渉機構を利用する。いくつかの実施形態において、前記一本鎖オリゴヌクレオチドは、RNA干渉以外の機構を通して標的核酸発現を低減する際に活性である。
【0155】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物に結合された前述の標的化リガンドが投与される対象における標的の遺伝子発現レベルおよび/またはmRNAレベルは、投与前の対象または標的化リガンド複合体を与えていない対象に対して、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%低減される。前記対象の遺伝子発現レベルおよび/またはmRNAレベルは、該対象の細胞、細胞群、および/または組織において低減され得る。いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物に結合された前述の標的化リガンドが投与された対象のタンパク質レベルは、前記標的化リガンド複合体を投与する前の対象または前記標的化リガンド複合体を与えていない対象に対して、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%低減される。前記対象のタンパク質レベルは、該対象の細胞、細胞群、組織、血液、および/または他の体液で低減され得る。遺伝子発現、mRNA、またはタンパク質レベルにおける低減は、当該技術分野で知られている任意の方法でも評価できる。mRNAレベルおよび/またはタンパク質レベルの低減または減少は、本明細書中では、標的化された遺伝子の発現を阻害すること、減少すること、または低減することともみなされる。
【0156】
開示される標的化リガンドと共に使用される特異的発現阻害オリゴマー化合物が、当該技術分野で知られている。特に、多数の参照文献が、肝臓への組成物の送達のために本明細書中に開示した標的化リガンドに結合され得る発現阻害オリゴマー化合物を開示する。制限されることのない例としては、Compositions and Methods for Inhibiting Gene Expression of LPAと題された米国特許出願第15/281,309号(上記文献を全体として参照により本明細書に援用する)が挙げられ、本明細書中に開示した標的化リガンドと共に使用するのに好適である(リポタンパク質(a)粒子の部分であるapo(a)タンパク質、それによるリポタンパク質(a)粒子(Lp(a))の発現を阻害するための)ヒトアポリポタンパク質(a)遺伝子[LPA]を標的化する様々な二本鎖発現阻害オリゴマー化合物を開示する。前記apo(a)遺伝子[LPA]は、ヒトおよびヒト以外の霊長動物の肝臓で主に発現される。同様に、例えば、RNAi Therapy for Hepatitis B Virus Infectionと題された米国特許出願第15/229,314号(上記文献もまた全体として参照により本明細書に援用する)は、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適である、B型肝炎ウイルスを標的化する様々な二本鎖発現阻害オリゴマー化合物を開示している。前記B型肝炎ウイルスは、厳密な肝指向性の、二本鎖DNA含有ウイルスであり、ヘパドナウイルス科のファミリーに属する、ヘパドナウイルスの一員に分類される。さらに、別の例として、Compositions and Methods for Inhibiting Gene Expression of Factor XIIと題された、米国特許出願第15/229,314号(上記文献を全体として参照により本明細書に援用する)は、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適である、第XII因子(または、第12因子、F12)遺伝子を標的化する様々な二本鎖発現阻害オリゴマー化合物を開示している。第XII因子は、主に肝臓で発現されて、血液で見つけられたセリンプロテアーゼである。さらに、別の例として、Compositions and Methods for Inhibiting Gene Expression of Alpha-1 AntiTrypsinと題された、米国特許出願第14/740,307号(上記文献を全体として参照により本明細書に援用する)は、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適である、α−1アンチトリプシン(または、AAT)遺伝子を標的化する様々な二本鎖発現阻害オリゴマー化合物を開示している。AATは、セルピンスーパーファミリーの属するプロテアーゼインヒビターであり、通常AATタンパク質は、肝細胞によって肝臓で主に合成され、そして、血中に分泌される。さらに、Organic Compositions to Treat APOC3-Related Diseasesと題されたWO2016/01123(上記文献を全体として参照により本明細書に援用する)は、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適である、ヒトアポリポタンパク質III(APOC3)を標的化する様々な二本鎖発現阻害オリゴマー化合物を開示している。アポリポタンパク質C−IIIは、トリグリセリドに富む粒子の肝臓取り込みを阻害すると考えられるリポタンパク質の構成要素である。本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適であり得る、発現阻害オリゴマー化合物を含めた様々な治療化合物を開示している更なる参照文献もまた、当該技術分野で見つけることができる。これらとしては、これだけに限定されるものではないが、肝臓に対して標的化することが望ましい組成物が挙げられる。
【0157】
医薬組成物と処方
本明細書中に開示した標的化リガンドは、オリゴマー化合物に連結されるとき、該化合物の投与により有益性をもたらすだろう疾患または障害に罹患している対象(例えば、ヒトまたは哺乳動物)を治療するために使用できる。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されるとき、標的mRNAの発現の低減または阻害により有益性をもたらすだろう疾患または障害に罹患している対象(例えば、ヒト)を治療するために使用できる。前記対象は、本明細書中に開示した標的化リガンドに連結される、RNAi剤などの任意の1若しくは複数の発現阻害オリゴマー化合物の治療的有効量を投与される。前記対象は、ヒト、患者、またはヒト患者である可能性がある。前記対象は、成人、思春期の人、小児、または幼児であってもよい。発現阻害オリゴマー化合物に連結された標的化リガンドを含む前述の医薬組成物は、疾患の治療療法のための方法を提供するために使用できる。斯かる方法は、ヒトまたは動物への、本明細書中に記載した医薬組成物の投与を含む。
【0158】
本明細書中に開示した医薬組成物および方法は、細胞、細胞群、組織、または対象の標的mRNAのレベルを減少させ得:前記対象に、標的化リガンドに連結される、本明細書中に記載した発現阻害オリゴマー化合物の治療的有効量を投与し、それによって、対象の標的mRNAの発現を阻害する。いくつかの実施形態において、前記対象は、前記標的細胞または組織における標的遺伝子の病原性上方制御を有すると以前に同定された。
【0159】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、標的化リガンドに連結される、少なくとも1つの発現阻害オリゴマー化合物を含む。これらの医薬組成物は、標的細胞、細胞群、組織、または生物体における前記標的mRNAの発現の阻害において特に有用である。前記医薬組成物は、標的mRNAのレベルの低減、または標的遺伝子の発現の阻害により有益性をもたらすだろう疾患または障害に罹患している対象を治療するために使用される。前記医薬組成物は、標的mRNAのレベルの低減、または標的遺伝子の発現の阻害により有益性をもたらすだろう疾患または障害を発症する危険性のある対象を治療するために使用できる。一実施形態において、前記方法は、治療される対象に対して、RNAi剤などの発現阻害オリゴマー化合物に連結した、本明細書中に記載した標的化リガンドを含む組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、1若しくは複数の医薬的に許容される賦形剤(ビヒクル、担体、希釈剤、および/または送達ポリマーを含む)は、発現阻害オリゴマー化合物に連結された標的化リガンドを含む医薬組成物に加えられ、それによって、ヒトに対するインビボ送達に好適な医薬製剤を形成する。
【0160】
いくつかの実施形態において、発現阻害オリゴマー化合物に連結された標的化リガンドを含む前述の医薬組成物は、標的mRNAの発現に関連している臨床像を治療するかまたは管理するために使用される。または、いくつかの実施形態において、1もしくは複数の医薬組成物の治療的または予防的有効量が、斯かる治療、予防またはマネジメントを必要とする対象に投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマー化合物に共有結合で連結された任意の複合化リガンドの投与は、対象の疾患の症状の数、重症度、および/または頻度を減少させるのに使用できる。
【0161】
発現阻害オリゴマー化合物に連結された標的化リガンドを含む前述の医薬組成物が、標的mRNAの発現の低減または阻害により有益性をもたらすだろう疾患または障害に罹患している対象における少なくとも1つの症状を治療するために使用できる。いくつかの実施形態において、前記対象は、本明細書中に記載した標的化リガンドに連結されたRNAi剤などの発現阻害オリゴマー化合物を含む1若しくは複数の医薬組成物の治療的有効量を投与され、それによって、該症状が治療される。他の実施形態において、前記対象は、1もしくは複数の発現阻害オリゴマー化合物の予防的有効量を投与され、それによって、少なくとも1つの症状が予防される。
【0162】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドに連結された発現阻害オリゴマー化合物が投与される対象における標的mRNAの発現またはそのレベルは、医薬組成物を与えていない対象に対して、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%低減される。前記対象における遺伝子発現レベルは、該対象の細胞、細胞群、および/または組織で低減され得る。いくつかの実施形態において、mRNAのレベルが低減される。他の実施形態において、発現タンパク質レベルが低減される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示した標的化リガンドに連結された発現阻害オリゴマー化合物が投与される対象のタンパク質のレベルは、医薬組成物を与えていない対象に対して、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%低減される。発現、mRNAレベル、またはタンパク質レベルにおける低減は、当該技術分野で知られている任意の方法によって評価できる。mRNAレベルおよび/またはタンパク質レベルの低減または減少は、本明細書中では、標的RNAの低減もしくは減少、または標的mRNAの発現を阻害することもしくは低減することと言われる。
【0163】
投与経路は、発現阻害オリゴマー化合物を身体と接触させる経路である。一般に、哺乳動物の治療のための薬剤および核酸を投与する方法は、当該技術分野で周知であり、かつ、本明細書中に記載した組成物の投与に適用できる。本明細書中に記載した標的化リガンドに連結された発現阻害オリゴマー化合物は、特定の経路に適切に適合させて調製物によって任意の好適な経路を介して投与できる。よって、本明細書中に記載した医薬組成物は、例えば、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、関節内、または腹腔内に注射によって投与できる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した医薬組成物は、吸入を介して投与される。
【0164】
本明細書中に記載した標的化リガンドに連結された発現阻害オリゴマー化合物を含む医薬組成物は、当該技術分野で知られているオリゴヌクレオチド送達技術を使用することで細胞、細胞群、腫瘍、組織、または対象に送達できる。一般に、(インビトロまたはインビボにおける)核酸分子を送達するための当該技術分野で認識されている任意の好適な方法が、本明細書中に記載した組成物を用いた使用に適合させることができる。例えば、送達は、局所的投与、(例えば、直接注入、移植、または局部投与)、全身投与、あるいは、頭蓋内(例えば、脳室内、脳実質内、およびくも膜下腔内)、筋肉内、経皮的、気道(エアゾール)、経鼻、経口、直腸、または局所(頬側および舌下を含む)投与を含めた、皮下、静脈、腹腔、または非経口経路によることができる。特定の実施形態において、前記組成物は、皮下、または静脈内注入または注射によって投与される。
【0165】
従って、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した医薬組成物は、1もしくは複数の医薬的に許容される賦形剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した医薬組成物は、対象への投与のために処方できる。
【0166】
本明細書中に使用される場合、医薬組成物または薬物は、薬理学的有効量の、1若しくは複数の前述の治療化合物および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む。医薬的に許容される賦形剤(賦形剤)とは、薬物送達システムに意図的に含まれる、医薬品有効成分(API、治療薬、例えば、F12 RNAi剤)以外の物質である。賦形剤は、意図された投薬量にて治療効果を発揮しないか、または発揮することが意図されていない。賦形剤は、a)製造中に前記薬物送達システムの加工の助けとなる、b)安定性、生物学的利用能またはAPIの患者の受容性を保護、補助、または強化、c)生成物の同定を助ける、および/またはd)保管もしくは使用中のAPIの送達の総合的な安全性、有効性のその他の特質を強化するように機能し得る。医薬的に許容される賦形剤は、不活性物質であっても、またはそうでなくてもよい。
【0167】
賦形剤としては、これだけに限定されるものではないが:吸収促進薬、固結防止剤、泡止め剤、抗酸化剤、結合剤、緩衝化剤、担体、被覆剤、着色料、送達増強剤、送達ポリマー、デキストラン、デキストロース、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、鎖延長剤、増量剤、香味料、流動促進剤、湿潤剤、滑沢剤、オイル、ポリマー、保存料、生理食塩水、塩、溶媒、糖、懸濁化剤、徐放性マトリックス、甘味料、増粘剤、等張化剤、ビヒクル、撥水剤、および湿潤剤が挙げられる。
【0168】
注射用途に好適な医薬組成物としては、無菌の水性溶液(水に可溶性である場合)または分散液、および無菌の注射溶液または分散液の即時調製用の無菌の粉末が挙げられる。静脈内投与に関して、好適な担体としては、生理的塩類溶液、静菌性水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany, NJ)またはホスファート緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。それは、製造および保管の条件下で安定していなければならず、さらに、細菌や真菌などの微生物の混入作用に対して保護されなければならない。前記担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、ならびに好適なその混合物を含めた溶媒または分散媒質であり得る。適切な流動性は、例えばレシチンなどの被覆の使用によって、分散液の場合には、必要な粒度の維持管理によって、および界面活性化剤の使用によって維持できる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば糖、マンニトールやソルビトールなどのポリアルコール、および塩化ナトリウムを含むことは望ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアホスファートアルミニウムおよびゼラチンを含ませることによってもたらすことができる。
【0169】
滅菌注射可能溶液は、必要に応じて、先に列挙した成分のうちの1つまたは組み合わせとともに、適当な溶媒中で必要な量の活性化合物を組み込み、続いて、濾過滅菌することによって、調製され得る。一般的に、分散液は、基本的な分散媒と、先に列挙される成分から必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射可能溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥することを含み、これによって、あらかじめ滅菌濾過したその溶液から、活性化合物および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。
【0170】
関節内投与に好適な処方は、微結晶性形態、例えば、微結晶の水性懸濁液の形態で存在し得る薬剤の無菌の水性製剤の形態であってもよい。リポゾーム製剤または生分解性ポリマー系が、関節内および眼投与の両方に向けて薬剤を提供するためにも使用できる。
【0171】
目の治療を含めた局所投与に好適な処方としては、液状または準液状製剤、例えば塗布剤、ローション、ゲル、外用薬、水中油または油中水型乳剤(例えばクリーム、軟膏剤もしくはペースト剤など)など;あるいは点眼薬などの溶液または懸濁液、が挙げられる。皮膚表面への局所投与のための処方は、例えばローション、クリーム、軟膏剤または石鹸などの皮膚科学的に許容される担体で薬剤を分散することによって調製できる。適用を局在化し、かつ、除去を妨げるために皮膚を覆うフィルムまたは層を形成することができる担体は有効である。内部組織の表面への局所投与に関して、前記剤は、液状組織接着剤または組織表面への吸着を促進することが知られている他の物質中に分散されることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液が、有益となるように使用できる。あるいは、ペクチン含有処方などの組織被覆溶液が使用できる。
【0172】
吸入治療に関して、スプレー缶、ネブライザー、またはアトマイザーを用いて分注される散剤(自己噴射型またはスプレー処方)の吸入が使用できる。斯かる処方は、散剤吸入デバイスまたは自己噴射型散剤分注処方からの肺内投与のための微細粉末の形態であってよい。自己噴射型溶液およびスプレー処方の場合、効果は、所望のスプレー特性を有する(すなわち、所望の粒度を有するスプレーは生じさせることができる)弁を選択することによって、または制御された粒度に懸濁された散剤として有効成分を組み込むことによって達成できる。吸入による投与に関して、前記化合物はまた、好適な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含有している加圧型コンテナもしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアゾールスプレーの形態でも送達できる。全身投与はまた、経粘膜または経皮的手段によっても可能である。経粘膜または経皮投与に関して、透過するべき障壁に対して適当な湿潤剤が、処方に使用できる。斯かる湿潤剤は、一般的に、当該技術分野で知られており、例えば、経粘膜投与のために、洗浄薬および胆汁酸塩が含まれる。経粘膜投与は、鼻腔用スプレーまたは坐剤の使用によって達成できる。経皮投与に関して、活性化合物は、典型的に、当該技術分野で一般的に知られている軟膏剤、軟膏、ゲル、またはクリームに処方される。
【0173】
前記活性化合物は、移植片およびマイクロカプセル化された送達系を含む徐放性処方物等の、身体からの迅速な排出に対してこの化合物を保護する担体を用いて調製できる。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸等の生分解性、生体適合性ポリマーが使用されてもよい。このような処方物の調製のための方法は、当業者には明らかである。リポソーム懸濁物もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に既知の方法に従って調製することができる。
【0174】
経口または非経口組成物は、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で処方されてもよい。本明細書で使用される投薬単位形態は、治療される対象に対する単位投薬量として好適な物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の投薬単位形態についての詳細は、活性化合物の固有の特徴、および達成されるべき治療効果、および個人の治療のための斯かる活性化合物を合成する当該技術分野における固有の制限によって決定され、かつ直接依存する。さらに、投与は、ボーラスの定期的な注射によってできるか、または外部リザーバ(例えば、静脈内バッグ)からの静脈内、筋肉内、または腹腔内投与によってより連続しておこなわれることができる。
【0175】
本開示の方法に関連して、ファーマコゲノミクス(すなわち、個人の遺伝子型と、外来化合物または薬剤に対するその個人の応答との相関に関する研究)が検討され得る。治療薬の代謝の差は、薬理学的活性薬物の用量と血中濃度との関係を変更することによって、重度の毒性または治療不全につながる可能性がある。よって、医師または臨床医は、薬剤を投与するか決定する、ならびに該薬剤を用いた治療の投薬量および/または治療計画を調整する際に関連ファーマコゲノミクス研究で得た知識を適用することを検討できる。
【0176】
医薬組成物は、医薬組成物の中で一般的に見出された他の追加成分を含むことができる。斯かる追加成分としては、これだけに限定されるものではないが、止痒剤、収斂剤、局部麻酔剤、または抗炎症薬(例えば、抗ヒスタミン剤、ジフェンヒドラミンなど)が挙げられる。本明細書中に規定したRNAi剤を発現するかまたは含む細胞、組織または摘出臓器が「医薬組成物」として使用され得ることもまた、想像される。本明細書中に使用される場合、「薬理学的有効量」、「治療的有効量」、または単に「有効量」は、薬理学的、または治療学的または予防的結果を生じさせるようなRNAi剤の量を指す。
【0177】
一般的に、活性化合物の有効量は、約0.1〜約100mg/kg体重/日、例えば、約1.0〜約50mg/kg体重/日の範囲内にある。いくつかの実施形態において、活性化合物の有効量は、1用量あたり約0.25〜約5mg/kg体重の範囲内にある。いくつかの実施形態において、有効成分の有効量は、1用量あたり約0.5〜約3mg/kg体重の範囲にある。投与される量もまた、患者の総合的な健康状態、送達される化合物の相対的生物学的効率、薬剤の処方、処方中の賦形剤の存在およびタイプ、ならびに投与経路といった変数に依存する可能性がある。また、投与された初回投与量は、所望の血中濃度または組織レベルを早急に達成するために、高レベルの上を超えて増量されてもよいか、または初回投与量は最適条件よりわずかであってもよいことも、理解すべきである。
【0178】
疾患の治療または疾患の治療のための薬物または組成物の形成に関して、標的化リガンドに連結されたRNAi剤などの発現阻害オリゴマー化合物を含む、本明細書中に記載の医薬組成物は、賦形剤、またはこれだけに限定されるものではないが:第二のまたはその他の発現阻害オリゴマー化合物、小分子薬剤、抗体、抗体フラグメント、および/またはワクチンを含めた第二の治療薬または治療と組み合わせられ得る。
【0179】
前述の標的化リガンドは、発現阻害オリゴマー化合物に連結されるとき、および医薬的に許容される賦形剤またはアジュバントに加えられるとき、キット、コンテナ、パック、またはディスペンサーにパッケージされることができる。本明細書中に記載した医薬組成物は、充填済みシリンジまたはバイアルにパッケージされることができる。
先に提供した実施形態は、次の制限されることのない例を用いてここで例示される。
【実施例】
【0180】
以下の実施例は、本明細書中に開示した特定の実施形態を限定するものではなく、例示することを意図している。
次の実施例の合成に関する実験的詳細に使用される略語の一部を以下に規定する:hまたは時間=時間;min=分;mol=モル;mmol=ミリモル;M=モル;μM=マイクロモル;g=グラム;μg=マイクログラム;rtまたはRT=室温;L=リットル;mL=ミリリットル;wt=重量;Et
2O=ジエチルエーテル;THF=テトラヒドロフラン;DMSO=ジメチルスルホキシド;EtOAc=酢酸エチル;Et
3NまたはTEa=トリエチルアミン;i−Pr
2NEt、DIPEAまたはDIEA=ジイソプロピルエチルアミン;CH
2Cl
2またはDCM=塩化メチレン;CHCl
3=クロロホルム;CDCl
3=重水素化クロロホルム;CCl
4=四塩化炭素;MeOH=メタノール;EtOH=エタノール;DMF=ジメチルホルムアミド;BOC=t−ブトキシカルボニル;CBZ=ベンジルオキシカルボニル;TBS=t−ブチルジメチルシリル;TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド;TFA=トリフルオロ酢酸;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;NaN
3=アジ化ナトリウム;Na
2SO
4=硫酸ナトリウム;NaHCO
3=重炭酸ナトリウム;NaOH=水酸化ナトリウム;MgSO
4=硫酸マグネシウム;K
2CO
3=炭酸カリウム;KOH=水酸化カリウム;NH
4OH=水酸化アンモニウム;NH
4Cl=塩化アンモニウム;SiO
2=シリカ;Pd−C=パラジウム炭素;HCl=塩化水素または塩酸;NMM=N−メチルモルホリン;H
2=水素ガス;KF=フッ化カリウム;EDC−HCl=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド;MTBE=メチル−tert−ブチルエーテル;MeOH=メタノール;Ar=アルゴン;SiO
2=シリカ;RT=保持時間。
【0181】
さらに、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適な、代表的な発現阻害オリゴマー化合物を、以下の実施例内のさまざまな表中に記載する。以下の表記を、本明細書中に開示した表中に記載する配列に関して修飾ヌクレオチドを示すのに使用する:
【0182】
N = 2’−OH(非修飾)リボヌクレオチド(fまたはd指示のない大文字)
n = 2’−OMe修飾ヌクレオチド
nf = 2’−フルオロ修飾ヌクレオチド
dN = 2’−デオキシヌクレオチド
N
UNA = 2’,3’−セコヌクレオチド模倣体(ロックされていない核酸塩基類似体)
N
LNA = ロックされたヌクレオチド
Nf
ANA = 2’−F−アラビノヌクレオチド
NM = 2’−メトキシエチルヌクレオチド
XまたはAb = 脱塩基リボース
R = リビトール
(invdN) = 反転デオキシリボヌクレオチド(3’−3’結合ヌクレオチド)
(invAb) = 反転脱塩基ヌクレオチド
(invX) = 反転脱塩基ヌクレオチド
(invn) = 反転2’−OMeヌクレオチド
s = ホスホロチオアート基結合ヌクレオチド
vpdN = ビニルホスホナートデオキシリボヌクレオチド
(3’OMen) = 3’−OMeヌクレオチド
(5Me−Nf) = 5’−Me,2’−フルオロヌクレオチド
cPrp = シクロプロピルホスホナート
本開示の化合物は、当業者に知られている合成化学技術を使用して作製できる。
【0183】
実施例1.標的化リガンド、ホスホラミダイト化合物、構造101bの合成
1)トリ−tert−ブチルN−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−γ−グルタミル]−L−グルタミン酸(3)の調製
【化69】
【0184】
熱電対、磁気撹拌子、窒素入口、および粉末用漏斗を備えた、窒素でフラッシュした、250mLの3つ口平底フラスコに、1(10.00g、29.64mmol)を加え、続いて、THF(100mL)を加えた。得られた溶液を、撹拌し、そして、N−メチルモルホリン(7.82mL、71.15mmol)を加えた。
【0185】
粉末用漏斗をゴム隔壁に置き換え、そして、前記混合物を、氷浴を使用して0℃に冷却した。ポット温度を4.0℃未満に維持したまま、クロロギ酸イソブチル(iBuCOCl、3.85mL、29.64mmol、1.0当量)を、反応混合物に滴下して10分間かけて加えた。添加に続いて、その混合物をさらに40分間撹拌し、そして、前記隔壁を粉末用漏斗に置き換えた。前記反応混合物に、4.0℃未満のポット温度を維持しながら、15分間かけて2(8.767g、29.64mmol、1.0当量)を分割して加えた。2の添加に続いて、氷浴および粉末用漏斗を取り外し、そして、残りの一連のステップ中、反応物を周囲温度に加温した。2の添加に続いて、透明で、無色の溶液を25分間寝かせた(aged)。
【0186】
反応物のサンプル(98μLを、5mLメスフラスコ内で5.0mLのACNに希釈)を、2の添加開始の40分後に採取し、そして、RP−HPLCによって変換パーセントに関して分析した。1の23%が残っていることがわかったので、反応の60分後に、追加のiBuCOCl(1.16mL、30mol%)および2(2.63g、30mol%)を連続して加えた。サンプルがHPLCによって99%超の変換を示すまで、前記溶液をさらに60分間寝かせた。総反応時間は、2の最初の添加開始から2.5時間であった。
【0187】
前記反応液を、氷浴中で3℃に冷却した0.5MのHCl
(aq)の撹拌溶液に注ぎ入れ、約5分間撹拌した。クエンチした反応混合物を500mLの分液漏斗に移し、そして、酢酸エチル(100mL)を加えた。層を分離し、有機相を塩水(100mL)で洗浄し、上でMgSO
4乾燥させ、500mLの平底フラスコ内に濾過し、そして、真空中で濃縮し、再度、粘度が高い無色のオイルを得た。前記オイルを、MTBE(100mL)中に溶解し、そして、真空中で濃縮し、再度、粘度が高い無色のオイルを得た。
【0188】
撹拌したオイルに、ヘキサン(100mL)を加えた。白色のもやが溶液中に現れ、その後それは、さらなる撹拌によって見えなくなった。種晶を加え、そして、その混合物を40分間撹拌し、その間に、白色結晶をゆっくり形成した。
【0189】
20分以内では、スラリーは撹拌を妨害できるくらい濃く、そして、追加のヘキサン(50mL)を加えた。40分後に、スラリーを、粗目フリット漏斗を介して濾過し、ヘキサン(それぞれ〜10mL)で3回洗浄し、そして、1時間漏斗内で風乾し、微細な白色粉末(15.64g、91%)として3を得た。化合物3の
1H NMRを
図1に示す。75グラムスケールでは、収率は純度99%で917%であった。
【0190】
2)N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−γ−グルタミル]−L−グルタミン酸(4)の調製
【化70】
【0191】
オーバーヘッドスターラー、粉末用漏斗、熱電対、および加熱マントルを備えた、3000mLの3つ口平底フラスコに、3(72.57g、125.4mmol)およびギ酸(試薬用グレード、>95%、1.45L、20体積当量)を加えた。粉末用漏斗を、栓/N
2で置き換え、そして、得られた溶液を、RP−HPLCによって観察しながら、45℃に加熱し、1時間撹拌した。2.0面積%未満のモノ−t−ブチルエステルが残っているとき、反応が完了したと考えた。
【0192】
反応物のサンプル(50μLを950μLのH
2Oに希釈)をギ酸添加の60分後に採取し、そして、そのサンプルを、残っているモノ−t−ブチルエステルのパーセントに関してRP−HPLCによって分析した。前記分析は、1.8%のモノ−t−Buエステルが残っていることを示し;そのため、90分の時点で、熱を冷ました。
【0193】
反応物を、トルエンおよびアセトニトリル(ACN、それぞれ1500mL)で希釈し、そして、混合物を真空中で濃縮した。ギ酸を、1:1 ACN:トルエン(〜600mL)で、そして、ACN(それぞれ〜500mL)で2回、共沸により取り除いた。前記物質を高真空で一晩乾燥させて、白色の泡沫状固体化合物4(54.3g、定量収量)を得た。化合物4(L/N1321−063B)の
1H NMRを
図2に示す。
【0194】
3)N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−γ−グルタミル]−L−グルタミン酸、トリ−[NAG−PEG
2]−アミド(6)の調製
【化71】
【0195】
1リットルの平底フラスコに、NAG−アミンp−トシラート塩(5、59.19g、97.6mmol、4.13当量)およびZ−ビス−Glu三酸塩基(4、10.01g、23.6mmol、1.0当量)を加えた。前記混合物を、アセトニトリル(500mL)中に溶解し、そして、真空中で濃縮して、共沸により水を取り除いた。残渣を、新しいアセトニトリル(400mL)中に溶解し、撹拌子を入れ、そして、熱電対を備えた、窒素フラッシュした1リットルの3つ口平底フラスコに移した。水分含量を、KF(257ppm)によって計測した。
【0196】
窒素下で撹拌した溶液に、粉末用漏斗を介してTBTU(28.20g、87.8mmol、3.7当量)を加えた。漏斗上の残りのTBTUを、追加のアセトニトリル(100mL)を使用して反応物をすすいだ。反応温度を25℃未満に維持したまま、DIPEA(34.0mL、25.2g、8.0当量)を、シリンジによって20分間かけて滴下して加えた。混合物を、HPLCで観察しながら、DIPEA添加の開始から2時間撹拌した。78分時点の分析では、開始物質の完全な消費を示した。
【0197】
2時間後に、真空中で溶媒を取り除いた。得られた粘度の高いオイルを、ジクロロメタン(1000mL)中に溶解し、1.0NのHCl
(aq)(3×500mL)で洗浄し、NaHCO
3(aq)(3×500mL)で飽和状態にした。有機層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、真空中で濃縮して、オフホワイト色の蝋質固形物(33.5g)を得た。
【0198】
フラッシュカラムクロマトグラフィーを、溶出液としてクロロホルムおよびメタノールを使用したISCO CombiFlash自動化精製システムにより実施した。UVクロマトグラム(220nm)に基づいて生成物を含むと推測されたすべての画分を、HPLCで分析し、生成物の少なくとも97.0%のAUCを含むすべての画分を貯留し、濃縮して、18.75g(97.0%の純度)の6を得た。純度の低い画分を貯留して、さらに12.2g(78.8%の純度)の6を得た。6の総収率は70.9%であった。化合物6の
1H NMRを
図3に示す。
【0199】
4)トリ−NAG−ビス−Glu−NH
2トシラート塩(7)の調製
【化72】
【0200】
p−TsOH−H
2O(0.657g、3.46mmol)を伴ったMeOH(155mL)中の化合物6(5.737g、3.46mmol)を、6時間、Pd/C10%(688mg)の存在下で水素化した。TLC(CHCl
3:MeOH=8.5:1.5)では、反応がその時までに完成したことを確認した。反応フラスコをArで満たし、EtOHを加え(200mL)、そして、その溶液を、セライトケーキを通して濾過した。生成物を、濃縮し、そして、真空中で乾燥させた。収量4.81gの生成物、トシラート塩7。化合物7の
1H NMRを
図4に示す。
【0201】
5)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
6−OH(9)の調製:
【化73】
【0202】
手順A(トリ−NAGアミン塩7が96%未満の純度である場合):NAGアミン塩7(〜90%の純度、18.50g、10.90mmol)およびHO−PEG
6−CO
2TFPエステル8(6.57g、13.08mmol)を、ジクロロメタン(185mL)中に溶解し、そして、0℃に冷やした。この溶液に、トリエチルアミン(6.10mL、43.59mmol)を加えた。その溶液を、室温まで温め、そして、HPLCで観察しながら、18時間撹拌した。反応を、飽和した水性NaHCO
3および塩水(1:1、140mL)でクエンチし、RTにて30分間撹拌し、そして、層を分離した。その有機層を、飽和した水性NaHCO
3(3×140mL)および塩水(1:1)で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。前記乾燥剤を濾別し、そして、溶液を、濃縮し、そして、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、そしてそれで、白色の固形物として9(13.56g、67%)を得た。化合物9の
1H NMRを
図5に示す。
【0203】
フラッシュカラムクロマトグラフィーを、溶出液としてジクロロメタンおよびメタノールを使用したISCO CombiFlash自動化精製システムにより実施した。純度の高い画分を貯留し、濃縮して、13.56gの9(99%の純度)を得た。純度の低い画分を貯留して、
4.9gの9(〜95%の純度)を得た。
【0204】
手順B(トリ−NAGアミン塩7が96%超の純度である場合):DCM(40mL)中の生成物7(1.94g、1.272mmol)を、HO−PEG
6−CO
2TFPエステル8(767mg、1.526mmol)およびDIPEA(443μL、2.544mmol)と共に、Ar下で16時間撹拌した。その反応混合物を、真空中で濃縮し、CHCl
3中に溶解し、そして、撹拌しているEt
2O(90mL)に滴下して加えた。沈殿物を、分離し、Et
2O(3×35mL)ですすぎ、そして、真空中で乾燥させた。収量2.275g(96%)。
【0205】
6)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
6ホスホラミダイト(10)の調製:
化合物9(6.62g、3.56mmol)および4,5−ジシアノイミダゾール(0.11g、0.89mmol)を、無水ジクロロメタン(230mL)中に溶解し、そして、窒素雰囲気下に置いた。この混合物に、無水ジクロロメタン(5mL)中の2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(「Phos試薬」、1.46mL、4.62mmol)の溶液を、5分間かけて滴下して添加した。その反応混合物を、HPLCで観察しながら室温で3時間撹拌した(<1%のSM残留)。
【0206】
前記反応混合物を、飽和した水性NaHCO
3(2×150mL)、H
2O(v/v、2×150mL)中の3% DMF、H
2O(3×150mL)、および塩水(1×150mL)で洗浄し、そして、その有機層を、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。乾燥剤を濾別し、そして、その溶液を真空中で濃縮して、未精製の生成物を得た。未精製の生成物を、5%のトルエン−ヘキサン(50mL)中に懸濁し、5分間撹拌し、その後、溶媒をデカントした。そのプロセスを、5%のトルエン−ヘキサン(1×50mL)およびヘキサン(2×50mL)を用いて繰り返した。固形物を真空によって乾燥させて、白色の固形物として6.69gの10を得た(91%)(化合物10)。化合物10(本明細書中の構造101d)の
1H NMRを
図6に示す。
【0207】
実施例2.標的化リガンド、ホスホラミダイト化合物、構造103dの合成
1)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
4−OH(12)の調製:
【化74】
【0208】
上記実施例1からの、生成物7(2.44g、1.44mmol)を、DCM(30mL)中に溶解し、そして、アルゴン雰囲気下に置いた。前記溶液に、HO−PEG
4−CO
2TFPエステル11(717mg、1.73mmol)およびDIPEA(502μL、2.88mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌した。その反応混合物を、真空中で濃縮し、そして、CHCl
3中に再溶解した。次に、その溶液を、撹拌しているEt
2O(90mL)に滴下して加えた。沈殿物を、分離し、Et
2Oですすぎ、そして、真空中で乾燥させて、2.60g(102%)の生成物12を得、そしてそれを更なる精製なしで使用した。
【0209】
2)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
4ホスホラミダイト(13)の調製:
生成物12(1.80g、1.01mmol)を、ピリジンと共に2回共留去した後、無水ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下に置いた。その溶液に、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(87mg、0.51mmol)および2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(458mg、1.52mmol)を加えた。その反応混合物を、TLC(CHCl
3:MeOH:Et
3N 95:5:2)で観察しながら、室温で5時間撹拌した。すべての開始物質が消費された時点で、その反応混合物を、DCM(250mL)で希釈し、飽和した水性NaHCO
3(100mL)、そして、飽和した水性塩水(100mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。未精製物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:Et
3N 97:3:2)で精製して、1.04g(53%)の化合物13を得た。化合物13(本明細書中の構造103d)の
1H NMRを
図7に示す。
【0210】
実施例3.標的化リガンド、ホスホラミダイト化合物、構造102dの合成
1)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
4−OH(15)の調製:
【化75】
【0211】
上記実施例1からの、生成物7(3.09g、1.82mmol)を、DCM(30mL)中に溶解し、そして、アルゴン雰囲気下に置いた。前記溶液に、HO−PEG
8−CO
2TFPエステル14(1.29g、2.18mmol)およびDIPEA(634μL、3.64mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌した。その反応混合物を、真空中で濃縮し、そして、CHCl
3中に再溶解した。次に、その溶液を、撹拌しているEt
2O(180mL)に滴下して加えた。沈殿物を、分離し、Et
2Oですすぎ、そして、真空中で乾燥させて、3.54g(99%)の生成物15を得、そしてそれを更なる精製なしで使用した。
【0212】
2)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−PEG
8ホスホラミダイト(16)の調製:
生成物15(1.79g、0.92mmol)を、ピリジンと共に2回共留去した後、無水ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下に置いた。その溶液に、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(79mg、0.46mmol)および2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(416mg、1.38mmol)を加えた。その反応混合物を、TLC(CHCl
3:MeOH:Et
3N 95:5:2)で観察しながら、室温で3時間撹拌した。すべての開始物質が消費された時点で、その反応混合物を、真空中で濃縮し、そして、DCMで再溶解した。次に、その溶液を、撹拌しているEt
2O(90mL)に滴下して加えた。沈殿物を分離し、Et
2Oですすぎ、そして、乾燥させた。未精製物をカラムクロマトグラフィー(CHCl
3:MeOH:Et
3N 97:3:2)で精製して、950mg(48%)の化合物16を得た。化合物16(本明細書中の構造102d)の
1H NMRを
図8に示す。
【0213】
実施例4.オリゴヌクレオチド組成合成
A.合成
RNAi剤を、オリゴヌクレオチド合成で使用される固相上のホスホラミダイト技術に従って合成された。スケールに応じて、MerMade96E(Bioautomation)またはMerMadel2(Bioautomation)を使用した。合成は、制御細孔ガラス(CPG、500Åまたは600Å、Prime Synthesis, Aston, PA, USAから得られる)からなる固体支持体上で行った。すべてのRNA、2’−修飾RNA、およびUNAホスホラミダイトは、Thermo Fisher Scientific(Milwaukee, WI, USA)から購入した。具体的には、以下の2’−O−メチルホスホラミダイトを使用した:(5’−O−ジメトキシトリチル−N6−(ベジゾイル)−2’−O−メチル−アデノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、5’−O−ジメトキシ−トリチル−N4−(アセチル)−2’−O−メチル−シチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、(5’−O−ジメトキシトリチル−N2−(イソブチリル)−2’−O−メチル−グアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホルアミダイト、および5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチル−ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト。標的化リガンド含有ホスホラミダイトを、無水ジクロロメタンまたは無水アセトニトリル(50mM)に溶解したが、他のすべてのアミダイトを無水アセトニトリル(50mM)に溶解し、そして、モレキュラーシーブ(3Å)を加えた。活性化剤溶液として5−ベンジルチオ−1H−テトラゾール(BTT、アセトニトリル中250mM)または5−エチルチオ−1H−テトラゾール(ETT、アセトニトリル中250mM)を使用した。カップリング時間は10分(RNA)、15分(標的化リガンド)、90秒(2’OMe)、および60秒(2’F)であった。ホスホロチオエート結合を導入するために、無水アセトニトリル中の3−フェニル1,2,4−ジチアゾリン−5−オン(POS、Poly Org, Inc., Leominster, MA, USAから入手した)の100mM溶液を使用した。
【0214】
B.支持体に結合したオリゴマーの切断と脱保護
固相合成の終了後、乾燥した固体支持体を、水中の40wt%メチルアミンと28%水酸化アンモニウム溶液(Aldrich)の1:1容量溶液で30℃で2時間処理した。溶液を蒸発させ、固体残渣を水で復元した(下記参照)。
【0215】
C.精製
未精製オリゴマーを、TKSgel SuperQ-5PW1 3uカラムおよびShimadzu LC-8システムを使用した陰イオン交換HPLCにより精製した。緩衝液Aは20mMのTris、5mMのEDTA、pH9.0であり、20%のアセトニトリルを含有し、緩衝液Bは緩衝液Aと同じであるが1.5Mの塩化ナトリウムを添加した。260nmにおけるUVトレースを記録した。適切な画分を貯留し、次に100mMの重炭酸アンモニウムpH6.7および20%のアセトニトリルから成る泳動バッファーと共に、セファデックスG‐25媒体を充填したGE Healthcare XK16/40カラムを使用したサイズ排除HPLCに流した。
【0216】
D.アニーリング
0.2×PBS(リン酸緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることにより相補鎖を混合して、RNAi剤を形成した。この溶液を70℃のサーモミキサーに入れ、95℃に加熱し、95℃で5分間保持し、ゆっくりと室温まで冷却した。一部のRNAi剤を凍結乾燥し、−15〜−25℃で保存した。二本鎖濃度は、0.2×PBS中で紫外−可視分光計で溶液の吸光度を測定することにより決定した。次に260nmでの溶液の吸光度に変換係数および希釈率を掛けて、二本鎖濃度を決定した。特に断りのない限り、すべての変換係数は0.037mg/(mL・cm)であった。いくつかの実験では、変換係数を、実験的に決定された吸光係数から計算した。
【0217】
実施例5.異なった長さのPEGリンカーを伴った標的化リガンドを含むホスホラミダイト含有化合物の特性
以下の標的化リガンドホスホラミダイト化合物を、実施例1〜4において先に開示した方法に従って合成した:
【化76】
(構造101d);
【化77】
(構造102d);
【化78】
(構造103d)。
【0218】
構造101d、102d、および103dのホスホラミダイト化合物のそれぞれを、一本鎖オリゴヌクレオチドAM03704−SSの5’末端における結合のための16の同等物で送達し、そしてそれは、F12を標的化する二本鎖RNAi剤を合成する際に使用し得るセンス鎖である。AM03704は、以下の表に示したヌクレオチド配列を有する:
【0219】
表1.実施例5のセンス鎖配列
【表1】
【0220】
前記組成物は、ジクロロメタン(DCM)中に可溶化され、そして、シーブ上で乾燥させた。構造103d(すなわち、PEG−4リンカーを有する)のホスホラミダイト化合物は、0.05Mおよび0.25Mの両方でゲル化の問題を提示した。
図9に示したように、これらの条件下、非常に少量の標的化リガンド構造103dだけを、オリゴヌクレオチドAM03704−SSの5’末端に結合させることができる。
【0221】
構造101dおよび102dの両方が、オリゴヌクレオチドへの標的化リガンドの結合を示した。
図9は、構造101dに結合したAM03704のHPLCクロマトグラフを示す。構造101の標的化リガンドに関して、標的化リガンド複合オリゴヌクレオチド(FLP=完全長の生成物)の約78%が形成された。
図10は、構造102dに結合したAM03704に関するHPLCクロマトグラフを示す。標的化リガンド複合オリゴヌクレオチドの約40%が形成され、それに対して、オリゴヌクレオチドの約60%が非結合のまま残った。
【0222】
驚いたことに、かつ、意外にも、16の同等物にて、構造101dは、配列の5’末端におけるオリゴヌクレオチドへの複合体形成に関して、構造102dおよび構造103dの両方を実質的にしのぐ。さらに、構造101dおよび102dの両方が、構造103dと比較して優れた溶解性を示した。先に述べたように、構造103dは、標準的な濃度、およびオリゴヌクレオチド合成に典型的な溶媒条件を使用して溶解することは難しかった。(構造103dのホスホラミダイト化合物を使用することによって)構造103の標的化リガンドを有する発現阻害オリゴマー化合物に連結した標的化リガンドの製造は、より攻撃的な極性溶媒の添加を必要とした。
【0223】
実施例6.野性型マウスにおける、F12発現阻害オリゴマー化合物を使用したGalNAc標的化リガンドの3’および5’センス鎖付着部位の比較
センス鎖の3’および5’末端の間のGalNAcリガンドの付着部位における差を評価するために、以下の表2に示した配列を有する、F12(本明細書中でF12 RNAi剤とも呼ばれる)に向けられた発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
【0224】
表2.実施例6のF12発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表2】
【0225】
上記の、表2では、以下の表記を使用する:
(NAG15)=
【化79】
(NAG18)=
【化80】
【0226】
(NAG18)は、本明細書中で構造2によって表される化学構造を有する。
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0227】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG15)または(NAG18))に連結したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0228】
それぞれのGalNAcリガンドに連結したF12 RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中の2種類のF12 RNAi剤(AD02803またはAD02807)のうちの一方の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に行った。1処置群あたり三(3)匹の野性型マウスが存在する。先に示したとおり、AD02803は、センス鎖の3’末端に取り付けられた(NAG15)を含むが、それに対して、AD2807は、センス鎖の5’末端に取り付けられた(NAG18)を含む。
【0229】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、8、15、22、および29日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。特定の採血日における発現を、それと同じ日付の生理食塩水対照群の平均に対して正規化した。
【0230】
図12はこの試験の結果を示す。最も低いとき(22日目)には、AD02803は、循環F12レベルの約70%の低減を示したが、それに対して、AD02807は、80%超の低減を示した。29日目にて、AD2807処置マウスと比較して、AD02803処置マウスがベースラインへのより早い復帰を示したので、該データはまたノックダウン効果の長さの差も示している。これらのデータは、センス鎖の5’末端におけるGalNAcリガンドの連結が、3’センス鎖における連結より優れていることを裏付けている。
【0231】
実施例7.野性型マウスにおける、F12発現阻害オリゴマー化合物を使用したGalNAc標的化リガンドの3’および5’センス鎖付着部位の更なる比較
二本鎖の発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)のセンス鎖の3’および5’末端のGalNAcリガンドの付着部位を更に評価するために、以下の表3に示した配列を有する、F12に向けられた組成物を調製した:
【0232】
表3.実施例7のF12発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表3】
【0233】
上記の、表3では、以下の表記を使用する:
(NAG20)=
【化81】
【0234】
(NAG20)は、本明細書中で構造4によって表される化学構造を有する。
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0235】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG20))に連結したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0236】
それぞれのGalNAcリガンドに連結したF12 RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中の2種類のF12 RNAi剤(AD02815またはAD02816)のうちの一方の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に行った。1処置群あたり三(3)匹の野性型マウスが存在する。表3で先に示したとおり、AD2815は、センス鎖の5’末端に取り付けられた(NAG20)を含むが、それに対して、AD02816は、センス鎖の3’末端に取り付けられた(NAG20)を含む。
【0237】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、8、15、22、および29日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。特定の採血日における発現を、それと同じ日付の生理食塩水対照群の平均に対して正規化した。
【0238】
図13はこの実験の結果を示す。最も低いとき(22日目)には、AD02816は、循環F12タンパク質レベルの約60%の低減を示したが、それに対して、AD02815は、79%の低減を示した。29日目において、AD02815処置マウスは、生理食塩水レベルから71%のノックダウンを示したが、それに対して、AD02816処置マウスは、40%のノックダウンを示す。これらのデータは、センス鎖の5’末端におけるGalNAcリガンドの連結を支持している。
【0239】
実施例8.Lp(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおける、構造101の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
以下の表5に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0240】
表4.実施例8のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表4】
【0241】
上記の、表4では、以下の表記を使用する:
(NAG25)=
【化82】
(NAG29)=
【化83】
【0242】
(NAG25)は、本明細書中で構造101によって表される化学構造を有する。
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0243】
Lp(a)トランスジェニック(Tg)マウス(Frazer KA et al 1995, Nature Genetics 9:424-431)を、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。このマウスは、5’および3’の追加配列を伴った(apo(a)タンパク質をコードする)完全なLPA遺伝子を含有するYAC含有からヒトapo(a)、ならびにヒトapoB−100を発現し、それによって、ヒト化Lp(a)粒子(これ以降「Lp(a)Tgマウス」とも呼ばれる)を産生する(Callow MJ et al 1994, PNAS 91:2130-2134)。
【0244】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)または(NAG29))に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0245】
センス鎖の5’末端にてそれぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)または(NAG29))に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のそれぞれのLp(a)RNAi剤(AD03547またはAD03549)のうちの一方の1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に行った。1処置群あたり四(4)匹のLp(a)Tgマウスが存在する。
【0246】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、5、11、16、22、29、および36日目に採取した。血清中の循環Lp(a)粒子レベルを計算することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0247】
結果を
図14に示す。AD03549(NAG25)は、最も低いとき(16日目)71%のノックダウンを示し、そして、AD03547(NAG29)は、最も低いとき(11日目)81%のノックダウンを示した。両トリガーは、最低の時点以降、36日目に26%未満のノックダウンを有する、類似した回復カーブを示した。これらのデータは、示したGalNAcリガンドが、単回の1mg/kgの用量を用いたLp(a)Tgマウスにおいて、初期ノックダウン活性とノックダウンの持続性の両方で共通点があることを裏付けている。
【0248】
実施例9.構造101の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後のLp(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおけるLp(a)ノックダウン
以下の表5に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0249】
表5.実施例9のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表5】
【0250】
表5では、(NAG25)は、先に実施例8に示したものと同じ構造であり、本明細書中の構造101に表される化学構造を有する。
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0251】
Lp(a)Tgマウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。
標的化リガンド構造101に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
センス鎖の5’末端にて標的化リガンドに連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、SC注射を、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤AD03272のいずれかの1mg/kg(mpk)の用量を含む、200μl溶液/20gマウスにて、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり四(4)匹のLp(a)Tgマウスが存在する。
【0252】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、29、36、および43日目に採取した。血清中の循環Lp(a)粒子レベルを計算することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0253】
結果を
図15に示す。AD03272は、最も低いとき(15日目)88%のノックダウンを示し、そして、29日目に75%のノックダウンが残った。これらのデータは、構造1008の標的化リガンドが、肝臓に対してLPA標的化RNAi剤を標的化することができ、そして、トランスジェニックマウスにおいて単回の1mg/kgの投与量を用いて>85%のノックダウンを得ることができることを裏付けている。
【0254】
実施例10.構造101、102、および103の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後のapo(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおけるアポリポタンパク質(a)(apo(a))ノックダウン
以下の表4に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0255】
表6.実施例10のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表6】
【0256】
先の表6では、以下の表記を使用する:
(NAG26)=
【化84】
;(NAG27)=
【化85】
【0257】
さらに、(NAG25)は、先に実施例8に示したものと同じ構造であり、本明細書中の構造101に表される化学構造を有する。(NAG26)は、本明細書中の構造102に表される化学構造を有する。(NAG27)は、本明細書中の構造103に表される化学構造を有する。表8で先に示したとおり、選択された異なる標的化リガンドを除いて、組成物は同一である。
【0258】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0259】
Apo(a)トランスジェニック(Tg)マウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。Apo(a)Tgマウス(Frazer KA et al 1995, Nature Genetics 9:424-431)は、5’および3’の両方の追加配列を伴った(apo(a)タンパク質をコードする)完全なLPA遺伝子を含有するYAC含有からヒトapo(a)(これ以降「apo(a)Tgマウス」とも呼ばれる)を産生する。
【0260】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG26)、または(NAG27))に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
センス鎖の5’末端にてそれぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG26)、または(NAG27))に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、SC注射は、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のそれぞれのRNAi剤(AD03275、AD03341、またはAD03421)の1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスを、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹のapo(a)Tgマウスが存在する。
【0261】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、29、36、および43日目に採取した。apo(a)のELISA(Abcam)を使用して、血清中の循環apo(a)タンパク質レベルを観察することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を、平均の標準誤差として示す。
【0262】
結果を
図16に示す。標的化リガンド構造101(NAG25)を含む、Lp(a)RNAi剤AD03275は、最も低いとき(22日目)82%のノックダウンを示し、そして、29日目に72%のノックダウンが残った。標的化リガンド構造102(NAG26)を含む、Lp(a)RNAi剤AD03341は、最も低いとき(15日目)87%のノックダウンを示すが、しかしながら、29日目のノックダウンは45%であり、投与前のapo(a)レベルに戻るまで増加することを示している。標的化リガンド構造103(NAG27)を含む、Lp(a)RNAi剤AD03421は、最も低いとき(15日目)70%のノックダウンを示し、そして、29日目では50%のノックダウンを示した。これらのデータは、構造101(NAG25)、構造102(NAG26)、および構造103(NAG27))がすべて、類似したノックダウン活性を示すことを裏付けている。しかしながら、これらのデータはまた、AD03275(構造101(NAG25))が優れた持続期間を有し、かつ、構造102(NAG26)および構造103(NAG27)より良好なノックダウン(29日目に72%のノックダウン)を維持することを示している。
【0263】
実施例11.カニクイザルにおける、標的化リガンド構造101に連結したLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
構造101によって表される標的化リガンドに連結した5種類の異なるLPA RNAi剤を、カニクイザルマカク(カニクイザル(Macaca fascicularis))霊長動物におけるそれらの性能を評価するために調製した:AD03460、AD03536、AD03851、AD03853、およびAD04110。
【0264】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0265】
五(5)種類のLp(a)RNAi剤のすべての標的化リガンドを、一般的に本明細書中に記載され、そして、当該技術分野で知られている非ヌクレオシドホスホラミダイト合成を使用して、センス鎖の5’末端に加えた。Lp(a)RNAi剤のそれぞれの標的化リガンドを、以下のホスホラミダイト化合物を使用したそれぞれのRNAi剤の5’末端に連結した:
【化86】
(構造101d)。
【0266】
AD03460およびAD03536を含む標的化リガンド(NAG25)は、それぞれのRNAi剤のセンス鎖の5’末端に結合した。(NAG25)は、先の実施例8に示したのと同じ構造を有する。
【0267】
AD03851、AD03853、およびAD04110を含む標的化リガンド(NAG25)sは、それぞれのRNAi剤のセンス鎖の5’末端に結合した。
(NAG25)s=
【化87】
。
【0268】
血液サンプルを、8日目および15日目のリポタンパク質(a)レベルについて描図し、そして、分析した。Lp(a)レベルを、3つの投与前の値の平均に対して正規化した。正規化Lp(a)レベルを、以下の表中に報告する:
【表7】
【0269】
これらのデータは、有意なノックダウンが、本明細書中の構造101の同じ標的化リガンド構造に結合した複数の異なるLp(a)RNAi剤の2mg/kg(mpk)の用量にてカニクイザルで達成されたことを示している。
【0270】
実施例12:カニクイザルにおける、構造101の標的化リガンドに連結したF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
以下の表8に示した配列を有する、F12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖F12RNAi剤)を調製した:
【0271】
表8.実施例12のF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表8】
【0272】
先の表8では、(NAG25)は、実施例8に示したものと同じ構造を表し、本明細書中の構造101によって表される。
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例4に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0273】
センス鎖の5’末端にて標的化リガンドに連結したF12RNAi剤を、作製し、そして、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーに組み合わせた。
1日目に、カニクイザルマカク(カニクイザル)霊長動物に、3mg/kgのAD03635と共に皮下に注射した。1処置群あたり三(3)匹のサルに投薬した。
【0274】
ノックダウンを観察するために、処置したカニクイザルからの血清サンプルを、−7日目および1日目(投与前)、ならびに8、15、および22日目に採取した。ノックダウンを、ヒトF12のELISAキット(Molecular Innovations)によって血清中の循環cyno F12タンパク質(cF12)レベルを定量化することによって計測した。それぞれの時点における各動物のcF12レベルを、その動物における発現の処置前レベル(−7日目と1日目の平均)で割って、「投与前に対して正規化した」発現率を決定した。実験誤差を標準偏差として示す。
【0275】
図17は結果を示している。(NAG25)(本明細書中の構造101)に連結したF12 RNAi剤は、カニクイザルにおいてノックダウンを示した。
【0276】
実施例13:PiZトランスジェニックマウスにおける、構造101の標的化リガンドに連結したα−1アンチトリプシン発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
インビボにおいてα−1アンチトリプシン(AAT)遺伝子に向けられたRNAi剤を評価するために、トランスジェニックPiZマウス・モデル(PiZマウス)を使用した。PiZマウスは、ヒトPiZ AAT変異対立遺伝子およびモデルヒトAATD(Carlson et al., Journal of Clinical Investigation 1989)を有する。
【0277】
以下の表9に示した配列を有する、AAT発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
表9.実施例13のAAT発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表9】
【0278】
表9では、(NAG25)sは、先の実施例11に示した化学構造を有する。
AAT RNAi剤を、医薬的に許容される生理食塩バッファー中で調製し、そして、AAT遺伝子発現のノックダウンを評価するために、PiZマウスには、背部の肩間の弛んだ皮膚内に、200μlの溶液/20gマウスの皮下(SC)注射によって投与した。各マウスのは、5mg/kg(mpk)のAD04454の単回SC投与量を与えた。3匹のマウスに、AAT RNAi剤を投与した(n=3)。
【0279】
血漿サンプルを、−1日目、1日目(投与前)、8日目、および15日目のAAT(Z−AAT)タンパク質レベルについて描図し、そして、分析した。AATレベルを、1日目(投与前)のAAT血漿レベルに対して正規化した。タンパク質レベルを、ELISAキットによって血漿中の循環ヒトZ−AATレベルを定量化することによって計測した。
【0280】
平均した正規化AAT(Z−AAT)レベルを
図18に示す。本明細書中の構造101の標的化リガンドに連結したAAT RNAi剤は、PiZトランスジェニックマウスにおいてノックダウンを示した。
【0281】
実施例14:構造101の標的化リガンドに連結したF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後の、野生型マウスにおけるF12ノックダウン
以下の表10に示した配列を有する、F12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖F12RNAi剤)を調製した:
【0282】
表10.実施例14のF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表10】
【0283】
表10では、(NAG25)は、実施例8に示した化学構造を有し、本明細書中に開示した構造101によって表される。
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0284】
それぞれのGalNAc標的化リガンド(すなわち、(NAG25))に結合したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0285】
前記組成物をSC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のAD03632の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹の野性型マウスが存在する。先に示したとおり、AD03632は、センス鎖の5’末端に連結された構造(NAG25)を含む。
【0286】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、29、および36日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。それぞれの時点における各動物のmF12レベルを、その動物における前処理発現レベルで割って、「投与前に対して正規化した」発現率を決定した。次に、個々の動物に関する「投与前日に対して正規化した」比率を、生理食塩水対照群のすべてのマウスの平均「投与前日に対して正規化した」比率で割ることによって、特定の時点における発現を、生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群の発現に対して正規化されたそれぞれの時点における発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0287】
この試験からの結果を
図19に示す。本明細書中に開示した標的化リガンド構造101を含んで成るAD03632は、すべての時点を通じて有意なノックダウンを示す。
【0288】
他の実施形態
本発明を、その詳細な説明と併せて説明したが、前述の説明は例示を意図するものであり、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、および変更は、以下の請求項の範囲内である。