(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983809
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】輸送容器に流体を充填する方法および充填装置
(51)【国際特許分類】
B67D 7/76 20100101AFI20211206BHJP
B01D 36/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B67D7/76 A
B01D36/00
B67D7/76 D
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-555184(P2018-555184)
(86)(22)【出願日】2017年4月18日
(65)【公表番号】特表2019-523734(P2019-523734A)
(43)【公表日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】EP2017059093
(87)【国際公開番号】WO2017182419
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2020年4月16日
(31)【優先権主張番号】102016004612.0
(32)【優先日】2016年4月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597035528
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ハウケ、ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア・ディーツ、レティシア
(72)【発明者】
【氏名】ヒラリウス、フォルケル
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04804464(US,A)
【文献】
特開平10−286411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/76
B01D 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送容器(12)に充填される前の流体が浄化設備(7)を通って搬送される、輸送容器(12)に流体を充填する方法であって、浄化回路(1)の流体浄化ステップにおいて前記流体は、浄化設備(7)を介して複数回搬送され、汚染測定設備(15)を通って、前記浄化回路(1)における流体試料量の主要な汚染指標が決定されることを特徴とし、前記輸送容器(12)を前記流体で充填する手順は、前記主要な汚染指標が所定の閾値を一度下回ると終了することを特徴とし、前記浄化回路(1)には、充填のための容器充填ラインを前記輸送容器(12)に接続可能な接合部(10)が配置されていることを特徴とする、輸送容器に流体を充填する方法。
【請求項2】
前記主要な汚染指標を決定するために提供される前記流体試料量は、前記浄化回路(1)から迂回され、前記汚染測定設備(15)に注入され、前記主要な汚染指標の決定次第、前記浄化回路(1)に戻されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
容器浄化ステップにおいて、前記輸送容器(12)に予め導入された前記浄化回路(1)からの容器流体量が再び前記輸送容器(12)から回収されて前記浄化回路(1)に戻されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体浄化ステップにおける流体は、少なくとも1つの粒子フィルタ(8)および脱気設備(9)を介して搬送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記主要な汚染指標は、それぞれが前記汚染測定設備(15)によって検出された主要な粒子含有量指標および主要なガス含有量指標からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
輸送容器(12)に流体を充填するための充填装置であって、前記充填装置は流体ライン部(2,3,4)から形成された浄化回路(1)を有し、浄化設備(7)および汚染測定設備(15)は前記浄化回路(1)内に配置され、前記浄化回路(1)には、充填のための容器充填ラインを前記輸送容器(12)に接続可能な接合部(10)が配置されている充填装置。
【請求項7】
前記浄化回路(1)には、前記輸送容器(12)を空にするための容器戻りライン(13)を前記輸送容器(12)に接続可能な合流接合部(14)が配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の充填装置。
【請求項8】
前記浄化回路(1)は、前記流体用の貯蔵容器(5)を前記浄化回路(1)に接続可能な貯蔵接続部設備を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の充填装置。
【請求項9】
前記浄化設備(7)は、少なくとも1つの粒子フィルタ(8)と1つの脱気設備(9)とを有することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項10】
流れ方向において、少なくとも1つの第1の粒子フィルタ(8)は、前記脱気設備(9)の前方に配置され、少なくとも1つの第2の粒子フィルタ(18)は、前記脱気設備(9)の後方に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の充填装置。
【請求項11】
流れ方向において、前記汚染測定設備(15)は、前記浄化設備(7)の後方に配置されていることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項12】
流れ方向において、前記容器戻りライン(13)との前記合流接合部(14)は、前記汚染測定設備(15)の前方に配置されていることを特徴とする、請求項7に従属する請求項8〜11のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項13】
所定の流体試料量のみが前記汚染測定設備(15)を介して搬送されるように、前記流体が前記汚染測定設備(15)を介して搬送され得るバイパスライン部(20)は、前記浄化回路(1)に配置されることを特徴とする、請求項6〜12のいずれか1項に記載の充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送容器に流体を充填する方法であって、輸送容器に充填される前の流体が浄化装置を通って搬送される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、有機半導体構成要素の製造、特に有機発光ダイオードおよびそれぞれのディスプレイの製造に適した種々の有機半導体材料が近年開発されている。適切な溶媒に溶解された有機半導体材料を所定の表面に塗布することができる様々な印刷技術が、とりわけ有機半導体材料の処理に適している。このように、互いに独立して作動可能な非常に多数の有機発光ダイオード(OLEDS)から組み立てられた、たとえば大面積ディスプレイは、実際に公知のインクジェット印刷装置を使用して印刷することができる。
【0003】
現在知られている印刷技術は、構成要素を、特にディスプレイを有機半導体材料から迅速に製造することを可能にするものであり、これは方法の手順が簡単である。しかしながら、粒子および溶解ガスによる、溶解された有機半導体材料のほぼ不可避な汚染は、構成要素およびディスプレイの製品品質にとって特に重要であることが実証されている。有機半導体材料の製造および充填において大きな努力がなされているにもかかわらず、異物による汚染は避けがたい。さらに、溶媒に溶解された有機半導体材料は、周囲空気および水分に対して非常に敏感であり、既に周囲空気と短時間接触している有機半導体材料は、製品を脅かす量のガスおよび/または水分を吸収しうる。
【0004】
有機半導体材料のさらなる処理に必要とされる純度を達成するために、適切な有機溶媒に溶解された半導体材料は、通常、多段浄化プロセスで浄化され、濾過され、脱気される。溶解された有機半導体材料から浄化された流体は、続いて輸送容器に充填され、有機半導体材料の製造現場から、製造に有機半導体材料を必要とする各構成要素またはディスプレイの製造現場に移動される。ここで、輸送容器はまた、有機半導体材料で充填する前に浄化され、輸送容器に充填され搬送される流体の汚染を可能な限り最小にする。さらに、有機半導体材料を含有する流体の汚染および汚濁を可能な限り最小限に抑えるために、各構成要素および部品の製造現場でも、そこに搬送された輸送容器が製造装置に接続される時、および場合によっては製造装置の始動前および稼働中にも相当の努力がなされている。
【0005】
多くの有機半導体材料の材料コストおよび製造労力は非常に高いので、製品の製造において、有機半導体材料をできるだけ効率的に使用し、同時に構成要素の製造に使用できない個々の輸送容器の流体の割合を可能な限り最小にする試みがなされなければならない。たとえば、流体の浄化により、その後の製造のために、過剰な割合の流体が失われてはならない。さらに、構成要素の製造に利用できない流体の割合を可能な限り最小にするために、輸送容器のコネクタ設置部の無効体積、または流体を浄化しその後の輸送容器の充填のための装置における無効体積をできるだけ小さくすべきである。
【0006】
汚染物質および場合により汚染物質の個々の粒子は、最小量であっても、たとえばそれぞれの有機半導体材料を用いて製造された大型ディスプレイのような製品を無駄にする可能性があるので、有機半導体材料の製造およびそれぞれの構成要素またはディスプレイの製造現場までの輸送のために、非常に高い要求がしばしば設定される。したがって、流体の所定の純度を確認および保証することができるように、実際に溶解した有機半導体材料の品質の測定および検査は、溶解した有機半導体材料の製造中および製造後の無作為のサンプルで行われる。溶解された有機半導体材料の製造および検査、ならびにそれぞれの製品のそれぞれの製造現場までの輸送のために関連する努力は、複雑で費用がかかる。
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明の目的は、輸送容器内の流体の汚染を最小限の労力で可能な限り少なくすることができるように、輸送容器に流体を充填する方法を考案することである。
【0008】
本発明によるこの目的は、浄化回路の流体浄化ステップにおいて、流体が、複数回浄化設備を介して搬送され、汚染測定設備を介して浄化回路内の流体試料量の主要な汚染指標が決定され、主要な汚染指標が第1の閾値を一度下回ると、流体を輸送容器に充填する手順を終了することで達成される。流体は、浄化回路内で複数回循環させることができる。流体は、浄化設備を介して運ばれ、浄化サイクルごとに浄化される。たとえば、濾過または脱気のような実際に知られている浄化方法は、原則として、およびそれぞれの実施態様に応じて、それぞれが、平均または最大浄化効率を有し、浄化ステップの間に汚染物質のそれぞれの割合が流体から分離および除去される。経験によれば、多くの場合、フィルタ設備または脱気設備を含む浄化設備内での流体の1回の浄化に続いて、流体の適切な純度が達成または保証されないことがある。流体が浄化設備を介して複数回搬送され、そのために連続的に、より徹底的に浄化される浄化回路に汚染測定設備を組み込むことにより、残留汚染物は、汚染測定設備によっていつでも検出することができ、更なるプロセスシーケンスの点から、または輸送容器に浄化流体を充填するために、それぞれ考慮することができる。本明細書における主要な汚染指標は、定期的または予め定められた時間間隔で、または必要なときにのみ、またはユーザによる問い合わせによって、連続的に設定することができる。主要な汚染指標を設定する労力は、非常に少ない。
【0009】
輸送容器に充填される流体の汚染物質含有量または純度は、それぞれ、本発明による方法によって輸送容器ごとに設定されてもよい。従来技術のような、個々の既に充填された輸送容器から追加の労力で専用の流体試料を回収し、これらの流体試料で汚染物質が検査される公知の方法と比較して、本発明の方法によれば、相当の追加の労力なしに、個々の輸送容器が試験され、その中に充填されている流体の汚染物質含有量をチェックすることができる。
【0010】
輸送容器の充填中に、汚染測定設備によって設定された流体試料量の主要な汚染指標が望ましくない高い汚染を示すことが判明した場合、輸送容器に既に充填されている流体のある割合を再び回収して、たとえば、その後に輸送容器をより徹底的に浄化された割合の流体で再充填することができる。したがって、充填手順は、輸送容器から既に充填された流体量の単一のまたは複数回の回収を含むこともできる。輸送容器に充填される流体の所望の純度が十分に信頼できる方法で達成され保証されるように、汚染測定設備によって測定された主要な汚染指標が所定の閾値を一度下回ると、各輸送容器の充填手順は終了する。
【0011】
本発明による方法は、充填された流体の純度が関連する様々な流体、または充填された流体の汚染が可能な限り最小限であるような様々な流体の充填に有利に使用され得る。本発明による方法が適用される分野の1つは、溶液として、または液状インク材料の成分の一部として、消費が想定される場所で輸送容器から再び回収することができるように、および有機半導体構成要素の製造に使用することができるように、それぞれ輸送容器に充填される有機半導体材料に関するものである。本明細書の有機半導体材料は、たとえば、液体コーティングされたまたは印刷された電子デバイス、光電子デバイス、光起電性デバイス、感応または有機エレクトロルミネセントデバイス、好ましくはOLED、特に好ましくはOLEDディスプレイ等の、たとえば電子デバイスまたは光電子デバイスの製造に使用することができる。しかしながら、機能成分または溶解した成分を含む可能性がある他の流体は、たとえば、その機能または効果のために、その適用後に、最大許容汚染に関する所定の閾値を可能な限り超えない必要があり、本発明による充填方法によって流体を有利に浄化し輸送容器に充填することができる。
【0012】
本発明の概念の一設計態様によれば、主要な汚染指標が第2の閾値を一度下回ると、浄化回路からの浄化流体で輸送容器を充填することが開始される。多くの場合、浄化回路に充填される流体は、最初に複数回浄化設備を介して送られることが好都合であり、このため、輸送容器の充填が開始される前に複数回浄化されることが好都合である。しかし、たとえば効率の理由から、浄化回路の所定の数の完全な灌流が未だ達成されていないにもかかわらず、浄化回路内を循環する少量の流体量を迂回させて輸送容器に充填することも同様に好都合であり得る。この場合、第2の閾値は、第1の閾値に先立って達成されてもよい。この場合、輸送容器は、より一層浄化された流体で充填されており、輸送容器の全内容物の結果としての平均汚染は、所定の閾値未満である。
【0013】
同様に、第2の閾値が第1の閾値と一致し、浄化回路内を循環する流体が所望の純度に一度達したとき、輸送容器の充填を開始することが考えられる。この場合、充填手順は、輸送容器に既に充填された流体量によってのみ監視されてもよく、充填手順は、流体の所定の充填量が充填されたときに終了されてもよい。
【0014】
測定が行われるのに必要な汚染測定設備内の流体の滞留時間によって、浄化回路内の流体の循環を制限しないためには、主要な汚染指標を決定するために提供され浄化回路から迂回された流体試料量が、汚染測定設備に注入され、主要な汚染指標が決定次第、浄化回路に戻されることが好都合でありうる。そのため、浄化回路内の流体は、浄化設備によって予め定められた最大流量によって任意に制限される高流量で循環することができる。浄化回路から迂回され、汚染測定設備に注入される流体試料量は、浄化回路に予め定められた流量とは独立して、適切な精度と正確性の測定を可能にするように、汚染測定設備に存在することができる。ここでは、浄化回路内を循環する流体は、十分に混合されて均一であり、流体試料量によって設定される主要な汚染指標は、浄化回路を循環する流体の汚染に特徴的であると仮定する。
【0015】
本発明の概念の特に有利な一つの設計態様によれば、容器浄化ステップにおいて、輸送容器に予め導入された浄化回路からの容器流体量が再び輸送容器から回収されて、浄化回路に戻される。輸送容器内の流体の汚染は、流体の製造中に不可避的に流体が汚染されることによってのみ引き起こされるのではなく、当初まだ充填されていない空の輸送容器の汚染が、その後輸送容器に充填される流体の汚染に対して相当な要因となり得ることが実証されている。輸送容器の専用浄化は複雑でコストがかかる。さらに、ほとんどの場合、不可避的に、空の輸送容器の残存汚染は、輸送容器の充填中に検出され得ず、考慮され得ない。このため、輸送容器は、輸送容器内の汚染物質が流体によって吸収され、それに続く浄化設備の浄化回路への灌流の間にそこから濾過され得るように、浄化回路に組み込まれ、流体によって灌流されてもよい。
【0016】
輸送容器に充填される流体の純度を特に確実に監視し、および事前に定めることは、輸送容器から回収されたその容器の流体量の主要な汚染指標が汚染測定設備によって決定されること、および主要な汚染指標が第3の閾値を一度下回ると、輸送容器を流体で充填する手順が終了することにより達成される。このようにして、輸送容器に充填された流体だけでなく、その後輸送容器から回収される流体も、所定の純度を有することが保証される。そのため、容器に充填される前の流体それぞれの汚染の程度または純度だけではなく、輸送容器内にある流体の回収後の純度もそれぞれ検出または監視することができ、そのため、浄化回路と一体化した汚染測定設備によって予め規定することもできる。輸送容器から流体を回収した後に設定される純度は、最も典型的には、輸送容器のユーザへの輸送の間に流体のその後の汚染が生じない限り、たとえば電子部品またはディスプレイの製造において、流体の使用者が遭遇する純度にも相当する。これは、輸送容器の適切な設計態様によって最大限に防止することができる。
【0017】
経験によれば、輸送容器の汚染は、流体の製造中に不可避的に発生した流体自体の汚染より著しく少ないので、本発明によれば、浄化回路内を搬送される流体の、流体浄化ステップにおいて決定された主要な汚染指標が第4の閾値を一度下回ると、容器浄化ステップが開始される。したがって、輸送容器を充填するために提供される流体は、たとえば、主要な汚染指標が元の値の10分の1に低下するまで、浄化回路内で初めのうちは循環することができる。その後、輸送容器が、浄化回路に組み込まれ、循環流体によって灌流されて、輸送容器内に存在する汚染物質を排出することができる。ここで、流体は、主要な汚染指標が元の値の1パーセントに低下するまで浄化回路内を循環し続け、浄化回路内および輸送容器内を循環する流体の適切な純度が確認される。
【0018】
本発明の概念の一つの設計態様によれば、流体浄化ステップにおいて、流体は、少なくとも1つの粒子フィルタを介し、および脱気設備を介して搬送される。粒子フィルタと脱気設備の組み合わせは、有機半導体材料で充填する場合に特に好ましく有利であるが、その後の利用は粒子状汚染物質およびガス状汚染物質の両方によって損なわれ、制限される可能性がある。一致するフィルタ特性を有する複数の粒子フィルタを互いに組み合わせて、浄化設備の効率を高めることも同様に考えられる。異なるフィルタ特性または異なるフィルタ分類の複数の粒子フィルタを組み合わせることもでき、たとえば、次第に小さくなる粒径を濾過することができる2つまたは3つの粒子フィルタを連続的に配置することができる。複数の脱気設備の組み合わせは、たとえば、異種ガスを濾過するために、または浄化設備を1回通過する場合の脱気の効率を高めるために、好都合であり得る。
【0019】
本発明によれば、主要な汚染指標は、汚染測定設備によってそれぞれ検出された主要な粒子含有量指標および主要なガス含有量指標からなることが好ましい。したがって、粒子およびガス含有量による汚染は、互いに独立した方法で検査され、適切な閾値によって、本発明の方法および手順を制御するために取得され、かつ考慮され得る。同様に、たとえば、充填される流体のそれぞれの粒子含有量が、異なる範囲の粒子直径について監視されるように、複数の主要な粒子含有量指標を同時に検出し、方法シーケンスに対して考慮することが可能であり、流体の浄化は、粒子直径の全ての関連する範囲において、それぞれ所定の閾値を下回るか、あるいは達成または維持されるまで続けられる。
【0020】
本発明はまた、輸送容器に流体を充填するための充填装置に関する。本発明によれば、装置は流体ライン部から形成される浄化回路を有し、浄化設備および汚染測定設備は浄化回路内に配置され、浄化回路には、充填するための容器充填ラインとの接合部が前記輸送容器に接続可能に設けられている。輸送容器の充填のために提供される流体は、簡単な方法で再循環されることができ、そのため、本発明による充填装置を介して、浄化回路に配置された浄化設備を通って複数回案内される。すでに達成されている浄化効果は、汚染測定設備によって同時にチェックされてもよい。浄化回路内の流体を適切に浄化した後、接合部を介して浄化回路に接続された輸送容器を浄化流体で充填することができる。
【0021】
本発明によれば、浄化回路には、輸送容器を空にするための容器戻りラインを輸送容器に接続することができる合流接合部が配置されることができる。このようにして、浄化回路を循環する流体が輸送容器を通って案内されるように、輸送容器を浄化回路に併せて組み込むことができる。そのため、輸送容器内にある汚染物質は、流体によって吸収され、輸送容器から排出されることができる。後の使用のために、輸送容器に充填された流体の汚染を避けるため、このようにして、相当の追加の労力なしに輸送容器のさらなる浄化を行うことができる。
【0022】
本明細書の輸送容器は、浄化回路に完全に組み込まれ、浄化回路内で再循環される全流体量によって灌流されてもよい。輸送容器がバイパスラインを介して浄化回路に接続され、浄化回路内を循環する流体の予め定められた部分量のみにより灌流されることも同様に考えられる。
【0023】
浄化回路は、流体の貯蔵容器が浄化回路に接続される貯蔵接続部設備を有することが有利であり得る。1つの貯蔵容器内に予め定められた全流体量が浄化回路を通って連続的に循環するように、浄化回路が考えられてもよい。必要があればその時は、複数の輸送容器をこの場合順次または任意で同時に浄化回路に接続し、浄化された流体で充填することができる。同様に、輸送容器を充填するために提供される流体量のみが浄化回路に注入され、輸送容器を充填するために提供される流体量のできるだけ迅速な浄化を可能にするように浄化されることが可能である。
【0024】
浄化設備は、少なくとも1つの粒子フィルタと1つの脱気設備を有することが好ましい。多くの場合、少なくとも1つの第1の粒子フィルタを脱気設備の流れ方向前方に配置し、少なくとも1つの第2の粒子フィルタを脱気設備の後方に配置することが有利であり得る。一致する濾過効果を有する複数の粒子フィルタ、または流れ方向に沿って次第に縮小するメッシュサイズまたは孔径を有する複数の粒子フィルタを組み合わせることも同様に考えられる。同様に、同じタイプまたは異なるタイプの複数の脱気設備を互いに組み合わせるか、または粒子フィルタと交互に使用することもできる。
【0025】
浄化設備がもたらした浄化効果が汚染測定設備によって検出されるように、汚染測定設備は、流れ方向に沿って浄化設備の後方に配置されることが好ましい。
【0026】
流体によって灌流される接続された輸送容器により場合によって引き起こされる汚染物質を検出することができるように、かつ方法のさらなる制御において汚染物質を考慮することができるように、容器戻りラインの合流接合部は、汚染測定設備の流れ方向前方に配置される。
【0027】
個々の場合に使用される汚染測定設備の測定方法および測定装置に応じて、本発明によれば、所定の流体試料量だけが汚染測定設備を通って搬送されるように、流体が汚染測定設備を介して搬送され得るバイパスライン部が浄化回路内に配置されることが有利である。多くの場合、主要な汚染指標を検出するのに必要な測定期間は、流体が浄化設備を灌流し、それによって浄化されるのに必要な時間よりもかなり長い。できるだけ大きな処理量を可能にし、したがって、浄化回路を循環する流体の迅速な浄化を可能にするためには、わずかな流体試料量だけが汚染測定設備において検査および評価され、その間に、循環する流体の大部分が汚染測定設備を通過して搬送され、既に浄化設備に再度注入されていることが好都合であり得る。
【0028】
図面に概略的に示されている本発明の概念の例示的な実施形態は、以下に例示的な方法でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明による充填装置の概略図を示し、充填装置は、浄化回路を有し、浄化回路内に配置される浄化設備を有し、汚染測定設備を有し、容器充填ラインとの接合部を有する。
【
図2】
図2は、別の設計の充填装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に例示的に示されている充填装置は、複数の流体ライン部2,3,4から組み立てられた浄化回路1を有する。流体ライン部2は、たとえば、10リットルまたは30リットルを収容する貯蔵容器5に接続され、ポンプ設備6を介して貯蔵容器5内に配された流体が貯蔵容器5から浄化設備7に運ばれるようになっている。浄化設備7は、1μmの孔径を有する粒子フィルタ8、たとえば膜型フィルタを有する。流体中のガス含有量を減少させることができる脱気設備9は、粒子フィルタ8の流れ方向後方に配置される。
【0031】
流体ライン部3は、流体ライン部2に隣接している。流体ライン部3には、容器充填ライン11に接続された第1の接合部10が設けられている。容器充填ライン11は、充填のために設けられた輸送容器12に解放可能に接続されている。輸送容器12は、たとえば200ml、または1リットルの容量を有し、用途に応じて、出荷パックまたはプリンタカートリッジとして設計される。容器戻りライン13は、第2の接合部14を経由する輸送容器12からの流体が流体ライン部3に戻され、流体のための浄化回路1に戻されるように、輸送容器12から流体ライン部3に戻る。
【0032】
その後、流体は、汚染測定設備15が配置された流体ライン部4を通って案内される。灌流流体のための主要な汚染指標は、汚染測定設備15によって設定することができる。流体ライン部4は、再び貯蔵容器5内へ通じ、こうして浄化回路1が閉じられる。
【0033】
本発明によれば、貯蔵容器5から流体量を回収し、浄化回路1における適切な浄化に続いて輸送容器12に充填するために、様々な方法の手順が可能である。
【0034】
流体は、汚染測定設備15によって設定された主要な汚染指標が最大許容汚染物質量の第1の閾値を下回るまで、浄化回路1内を循環し、浄化設備7において連続的かつより一層浄化される。その後、輸送容器12は、浄化された流体で充填され、充填装置から分離されてもよい。
【0035】
流体はまた、輸送容器12が接続されて流体によって灌流されることなく、最初は浄化回路1内で循環してもよい。汚染測定設備15によって主要な汚染指標が連続的に設定され、流体は、汚染成分の所定の第2の閾値がそれぞれ達成されるかまたは下回るまで浄化回路1内で再循環および循環される。続いて、輸送容器12は、バルブ16の切り替えによって浄化回路1に組み込まれ、既に浄化された流体によって灌流される。本明細書の輸送容器12内に存在する可能性のある何らかの汚染物質は、流体によって吸収され、汚染測定設備15で最初に検出され、その後の浄化設備7の流体による灌流において濾過される。輸送容器12を通る流体の循環は、汚染測定設備15で設定された主要な汚染指標が第3の閾値を下回るまで継続されてもよい。第3の閾値は、先に説明した例示的な実施形態で言及して使用した第1の閾値に対応してもよい。それとは別の閾値を予め規定してもよい。たとえば、輸送容器12の浄化後のあまり厳しくない汚染物質含有量のために、汚染測定設備15によって予め規定してもよい。既に浄化された輸送容器12による汚染は防止され得るからである。
【0036】
同様に、輸送容器12が一緒に組み込まれ、すでに浄化回路1を通った流体の1回目の循環からの流体によって潅流されることも可能である。
【0037】
全ての場合においてなし得るのは、充填手順が終了し、充填された輸送容器12が充填装置から分離されて回収される前に、実際に輸送容器12に充填されたその流体量の汚染物質はチェックされ、所定の閾値以下に低減されることである。その後のチェック測定はもはや必要ない。
【0038】
図2に、別の設計の充填装置が概略的に示されている。浄化設備7は、脱気設備9に加えて、酸素プローブ17を有する。流れ方向において、第1の粒子フィルタ8は、脱気設備9および酸素プローブ17の前方に配置されている。流れ方向において、酸素プローブ17の後方には、第2の粒子フィルタ18が配置されている。第1の粒子フィルタ8は、孔径0.1μmの膜型フィルタを有する。第2の粒子フィルタ18は、孔径0.05μmの膜型フィルタを有する。
【0039】
輸送容器12は、同様にバルブ16を介して浄化回路1に組み込まれる。流体循環のための追加の制御電位は、別のバルブ19を介して供給される。
【0040】
汚染測定設備15は、流体ライン部4に接合部21を介して接続されたバイパスライン部20内に配置されている。いずれの場合においても、浄化回路1を循環する流体のわずかな割合を表す、少量の流体試料量のみが、汚染測定設備15を灌流する。並列させたバイパスライン部20と流体ライン部4とを灌流する流体量の割合は、貫流測定設備22を介してそれぞれ検出またはチェックしてもよい。
【0041】
充填装置のそれぞれの設計態様または
図1および
図2に示す例示的実施態様とは無関係に、たとえばボトルや金属製の容器等の剛性の輸送容器12の代わりに、可撓性の輸送容器、たとえば袋や可撓性を有するプラスチック材料の容器を使用してもよい。輸送容器12が浄化回路1に結合して組み込まれている場合、必要があればその時は、剛性の輸送容器12の場合には、ほぼ任意の流体量がそれぞれのランスまたは圧力バルブを介して回収または補充されてもよく、可変の割合の流体が常に輸送容器12内に残っている。また、特に、可撓性の輸送容器の場合には、それぞれの場合における可撓性の輸送容器が連続的に完全に充填され、その後完全に空にされることが好ましい。
【0042】
本発明による充填装置によって例示的に実施されるいくつかの充填手順を、以下例示的に説明する。
【0043】
流体は、有機半導体材料、たとえばOLED材料、および場合によりさらなる添加剤を含む。流体の成分は、それぞれ、予め供給された溶媒または溶媒混合物を有する容器に重量表に従って入れられる。その後、材料を混合し、タンブリングミキサーにて溶解する。
【0044】
例示的な実施形態において使用される流体は、メルクKGaAによって市販されている製品である。
【0045】
例示的な実施形態
実施例1:
ガス圧による混合流体は、浄化窒素によって、
図2に示す充填装置に実質的に対応する充填装置の貯蔵容器5に搬送される。搬送に使用される窒素は、予めガスフィルタによって濾過されている。
図1によれば、貯蔵容器5は、ポンプ6(レビトロニクス)、膜型脱気ユニット9、および孔径0.1μmおよび0.05μmの2つのPTFEフィルタ8,18(インテグリス)にそれぞれ接続されている。本発明による浄化ステップは、流体が、ポンプ6、フィルタ設備7、および汚染測定設備15を介して光学粒子計数器内で最初に循環され、測定された主要な汚染指標が、それぞれ、所望のまたは予め定められた目標パラメータと比較される。汚染測定設備15を通過した後の流体(それぞれインクまたは他の溶媒のみ)は、貯蔵容器5に戻され、そこにある流体と混合される。流体は、所望の浄化効果が得られるまで浄化回路内で再循環され、汚染測定設備15によって検証される。
【0046】
以下に示す表1および表2は、様々なサイクル時間における溶媒およびインクのための様々なサイズの粒子について、汚染測定設備15によって測定された粒子含有量の概要を示す。それぞれの流体は、目標値が達成されるまで、異なる浄化時間を必要とする。貯蔵洗浄溶剤およびMREインクは30分ないし1時間のサイクル時間を必要とするが、他の流体は、所定の目標値を達成するために、または汚染物質含有量のそれぞれの閾値を下回るのに、約2ないし6時間を要する。
【0047】
表1:サイクル時間の増加に伴う様々な流体の粒子含有量溶液10mlあたりの粒子数
【0049】
表2:サイクル時間の増加に伴う様々な流体の粒子含有量溶液10mlあたりの粒子数
【0051】
実施例2:
実施例1の各流体が浄化された状態で浄化回路内に存在すると、充填プロセスは開始される。ここで、輸送容器12は、浄化回路1に組み込まれている。輸送容器12から取り出された流体量は、バルブ16および接合部14を経て再び浄化サイクルに戻される。溶存ガスの全内容物、特に酸素含有量が検出され得る貫流測定設備と汚染測定設備15は、貯蔵容器5への戻りラインに配置される。輸送容器12は、輸送容器12からの戻り流において目標パラメータが達成されるまで、既に浄化された流体を用いてすすがれる。一例として、輸送容器12としての複数の150mlボトル(浄化したメルク・ブラウン・ガラス・ボトル)に、流体「貯蔵洗浄溶剤」を充填した。本明細書中のボトルは、目標パラメータが達成されるまで浄化回路1に組み込まれた。ボトルF1、F2、F3、およびF6について、様々な粒子サイズの粒子測定を表3に要約する。ボトルF1、F2、F6の場合は目標値を達成するのに1ないし2時間が必要であるが、ボトルF3はわずか10分で済む。
【0052】
表3:150mlの茶色のガラス瓶に流体「貯蔵洗浄溶剤」を充填する。溶液10mlあたりの粒子数
【0054】
実施例3:
実施例1の所望の流体が浄化された状態で浄化回路内に存在すると、充填プロセスは開始される。この例では、インクカートリッジとして構成された輸送容器12に充填することが記載されている。この目的のために、充填装置は、既に浄化された流体を使用して、交互に充填および排出することによって輸送容器12をすすぐ追加の機能を含む。この交互動作は、所望の汚染濃度が得られ、主要な汚染指標のための所定の閾値を下回るまで、複数回繰り返される。この目的のために、輸送容器12を空にしている間の容器戻りライン13は、主要な汚染指標が設定されるように、流体ライン部3に接続され、続いて汚染測定設備15に接続される。汚染測定設備15を通過した後、流体は再び貯蔵容器5に戻され、再びその内部にある流体と混合される。
【0055】
実施例1に従って予め浄化した製品MBL3−6282を2つのプリンタカートリッジに充填した。これらのプリンタカートリッジには、輸送容器12の充填およびその後の排出を含む複数の洗浄サイクルが施される。様々なサイズの粒子の含有物に関するデータが、表4のプリンタカートリッジ1および2について示されている。プリンタカートリッジ1の場合には所望の値を得るのに4回の洗浄サイクルが必要であるが、プリンタカートリッジ2の場合の目標値はわずか2サイクル後に既に達成されている。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 輸送容器(12)に充填される前の流体が浄化設備(7)を通って搬送される、輸送容器(12)に流体を充填する方法であって、浄化回路(1)の流体浄化ステップにおいて前記流体は、浄化設備(7)を介して複数回搬送され、汚染測定設備(15)を通って、前記浄化回路(1)における流体試料量の主要な汚染指標が決定されることを特徴とし、前記輸送容器(12)を前記流体で充填する手順は、前記主要な汚染指標が第1の閾値を一度下回ると終了することを特徴とする、輸送容器に流体を充填する方法。
[2] 前記輸送容器(12)を前記浄化回路(1)からの浄化された前記流体で充填することは、前記主要な汚染指標が第2の閾値を一度下回ると開始されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記主要な汚染指標を決定するために提供される前記流体試料量は、前記浄化回路(1)から迂回され、前記汚染測定設備(15)に注入され、前記主要な汚染指標の決定次第、前記浄化回路(1)に戻されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 容器浄化ステップにおいて、前記輸送容器(12)に予め導入された前記浄化回路(1)からの容器流体量が再び前記輸送容器(12)から回収されて前記浄化回路(1)に戻されることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5] 前記輸送容器(12)から回収された前記容器流体量の主要な汚染指標は、前記汚染測定設備(15)によって決定され、前記輸送容器(12)を流体で充填する手順は、前記主要な汚染指標が第3の閾値を一度下回ると終了することを特徴とする、[4]に記載の方法。
[6] 前記容器浄化ステップは、前記流体浄化ステップにおいて決定された前記浄化回路(1)で搬送される前記流体の主要な汚染指標が第4の閾値を一度下回ると開始されることを特徴とする、[4]または[5]に記載の方法。
[7] 前記流体浄化ステップにおける流体は、少なくとも1つの粒子フィルタ(8)および脱気設備(9)を介して搬送されることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8] 前記主要な汚染指標は、それぞれが前記汚染測定設備(15)によって検出された主要な粒子含有量指標および主要なガス含有量指標からなることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9] 輸送容器(12)に流体を充填するための充填装置であって、前記充填装置は流体ライン部(2,3,4)から形成された浄化回路(1)を有し、浄化設備(7)および汚染測定設備(15)は前記浄化回路(1)内に配置され、前記浄化回路(1)には、充填のための容器充填ラインを前記輸送容器(12)に接続可能な接合部(10)が配置されている充填装置。
[10] 前記浄化回路(1)には、前記輸送容器(12)を空にするための容器戻りライン(13)を前記輸送容器(12)に接続可能な合流接合部(14)が配置されていることを特徴とする、[9]に記載の充填装置。
[11] 前記浄化回路(1)は、前記流体用の貯蔵容器(5)を前記浄化回路(1)に接続可能な貯蔵接続部設備を有することを特徴とする、[9]または[10]に記載の充填装置。
[12] 前記浄化設備(7)は、少なくとも1つの粒子フィルタ(8)と1つの脱気設備(9)とを有することを特徴とする、[9]〜[11]のいずれか1項に記載の充填装置。
[13] 流れ方向において、少なくとも1つの第1の粒子フィルタ(8)は、前記脱気設備(9)の前方に配置され、少なくとも1つの第2の粒子フィルタ(18)は、前記脱気設備(9)の後方に配置されることを特徴とする、[12]に記載の充填装置。
[14] 流れ方向において、前記汚染測定設備(15)は、前記浄化設備(7)の後方に配置されていることを特徴とする、[9]〜[13]のいずれか1項に記載の充填装置。
[15] 流れ方向において、前記容器戻りライン(13)との前記合流接合部(14)は、前記汚染測定設備(15)の前方に配置されていることを特徴とする、[10]〜[14]のいずれか項に記載の充填装置。
[16] 所定の流体試料量のみが前記汚染測定設備(15)を介して搬送されるように、前記流体が前記汚染測定設備(15)を介して搬送されるバイパスライン部(20)は、前記浄化回路(1)に配置されることを特徴とする、[9]〜[15]のいずれか1項に記載の充填装置。
【0056】
表4:MBL3−6282を2個のプリンタカートリッジに充填する。溶液10mlあたりの粒子数