【文献】
REGISTRY(STN)[Online],2015.6.21[検索日 2021.3.3]CAS登録No.1785394-97-9ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボキシアルデヒド
【文献】
Aghao, Arvind K.; Janrao, Dnyandeo M.; Janrao, Siddharth D.,Synthesis and characterization of some novel Schiff base ligands derived from 3-hydroxyquinoxaline-2-carboxaldehyde,Chemica Sinica,2015年,6(3),,68-72
【文献】
Katagiri, Nobuya; Kato, Tetsuzo; Niwa, Ryuji,Studies of ketene and its derivatives. Part 119. Reactions of haloketenes with 2-arylideneaminopyridines,Journal of Heterocyclic Chemistry ,1984年,21(2),,407-12
【文献】
小嶌隆史,医薬品開発における結晶性選択の効率化を目指して,薬剤学,2008年09月01日,Vol.68, No.5,p.344-349
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
違うように記載されていなければ、本明細書及び特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下に示す意味を有する。
【0011】
用語「ハロ」は、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
【0012】
「アリール」は、一価の単環式又は二環式の芳香族炭化水素部分を意味する。より具体的には、アリールという用語は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど、より詳細にはフェニルを含むが、これらに限定されない。
【0013】
「C
1−7アルキル」とは、1〜7個の炭素原子を含有する分枝鎖又は直鎖の炭化水素鎖、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルを指す。
【0014】
「C
3−8シクロアルキル」とは、単一の飽和炭素環式環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを指す。
【0015】
「C
1−
7ハロアルキル」とは、1個以上のハロゲン原子、詳細には1〜3個のハロゲン原子で置換された、上で定義したアルキルを指す。より詳細には、(C
1−
7)ハロアルキルは、クロロ−及びフルオロ−(C
1−
7)アルキルである。
【0016】
「C
1−7アルコキシ」は、(C
1−7)アルキルが上で定義されたとおりである−O−(C
1−
7)アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、又はイソプロポキシであると理解される。
【0017】
「塩基」とは、それと反応したときに別の化合物を脱プロトン化する化学的化合物を指す。本開示に従って使用するのに好適な塩基は、例えば、三級アミン及び塩基性アルカリ金属塩を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、三級アミンは、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、及びジイソプロピルエチルアミンを含む。いくつかの実施態様では、塩基性アルカリ金属塩は、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3);ナトリウム及びカリウムのt−ブトキシド、nプロポキシド、i−プロポキシド、エトキシド、メトキシドなどを含むがこれらに限定されない、ナトリウム及びカリウムのアルコキシド;ナトリウムアミド(NaNH2)、カリウムアミド(KNH2)などを含む。
【0018】
「還元剤」とは、ヒンダード有機ボラン、有機アルミニウム水素化物、又は無機アルミニウム水素化物を指す。
【0019】
「ヒンダード有機ボラン」とは、詳細には、例えば、リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、リチウムトリシアミルボロヒドリド、若しくはリチウムトリフェニルボロヒドリド、又はリチウムがカリウム若しくはナトリウムによって置き換えられたその対応する還元剤などのアルカリ金属トリ−(C
1−7)アルキル又はトリ−アリールボロヒドリド還元剤を指す。ヒンダード有機ボランの例は、リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド(L-Selectride)、カリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド(K-Selectride)、ナトリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド(N-Selectride)、リチウムトリシアミルボロヒドリド(LS-Selectride)、カリウムトリシアミルボロヒドリド(KS-Selectride)、カリウムトリフェニルボロヒドリド、及びリチウムトリフェニルボロヒドリドである。
【0020】
「有機アルミニウム水素化物」とは、アルミニウム部分及び水素化物部分と有機基(例えば、好適には1〜7個の炭素原子を含有する(C
1−7)アルキル又は「(C
1−7)アルコキシ)とを含有する還元剤、例えば、ナトリウムビス−(2−メトキシエトキシ)アルミニウム水素化物(Red-Al(登録商標))、ジイソブチル−アルミニウム水素化物(DIBAL)、又はリチウムトリ−tert−ブトキシアルミノ水素化物(LTBA)を指す。特に、本発明において使用するための有機アルミニウム水素化物は、Red-Al(登録商標)、DIBAL、及びLTBAである。
【0021】
「無機アルミニウム水素化物」とは、アルミニウム部分及び水素化物部分とナトリウム又はリチウム等の無機基とを含有する還元剤、例えば、水素化アルミニウムナトリウム又は水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)を指す。特に、本発明において使用するための無機アルミニウム水素化物は、LiAlH
4である。
【0022】
「遷移金属水素化触媒」とは、基質とは異なる相で作用する遷移金属水素化触媒を指す。特に、遷移金属水素化触媒は、固相中に存在する。詳細には、遷移金属水素化触媒は、固相中に存在するが、反応物質は液相中に存在する。遷移金属水素化触媒は、不完全に充填されたd軌道を有する、1つ以上の安定なイオンを形成する遷移金属(すなわち、Pd、Pt、Rh、Au、Ni、Co、Ru、Ir)、特に、Pd、Pt、Rh又はAu等の貴金属を含む。これらの触媒中、遷移金属は特に「担持」されており、これは、当該触媒が有効性を強化する第2の物質上に分散していることを意味する。「担体」は、表面積を増大するように金属が広がっている単なる表面であり得る。担体は、大きな表面積を有する多孔質の物質であり、最も一般的には、アルミナ又は様々な種類の炭素である。担体の更なる例は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪藻土、及び粘土を含むが、これらに限定されない。他の担体が存在しない場合、金属自体が担体として作用し得る。より具体的には、用語「遷移金属水素化触媒」は、ラネー触媒(例えば、Ra-Ni、Ra-Co、)Pd/C、Pd(OH)
2/C、Au/TiO
2、Rh/C、Ru/Al
2O
3、Ir/CaCO
3、又はPt/C、特に、Pd/Cを含むが、これらに限定されない。
【0023】
「溶媒和物」及び「偽多形」は、結晶格子に組み込まれた溶媒を化学量論的量又は非化学量論的量のいずれかで有する結晶を指すために同義的に使用され得る。組み込まれた溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は「水和物」である。組み込まれた溶媒がアルコールであるとき、形成される溶媒和物は、「アルコラート」である。
【0024】
「XRPD」とは、X線粉末回折の分析方法を指す。角度値の再現性は、2θ±0.2°の範囲内である。角度値と組み合わせて示される用語「およそ」は、2θ±0.2°の範囲内である再現性を示す。相対的なXRPDピーク強度は、構造因子、温度因子、結晶性、極性因子、多重度、及びローレンツ因子等の多くの因子に依存する。相対強度は、選択配向効果に起因して測定毎にかなり変動し得る。USP 941(US Pharmacopoeia, 37th Edition, General Chapter 941)によれば、同じ物質の2つのサンプル間の相対強度は、「選択配向」効果に起因してかなり変動し得る。選択配向をとる異方性物質は、例えば、Kocks U.F. et al.(Texture and Anisotropy: Preferred Orientations in Polycrystals and Their Effect on Materials Properties, Cambridge University Press, 2000)に記載されているように、弾性率、強度、延性、靭性、導電性、熱膨張などといった特性の異方性分布を引き起こす。XRPDだけでなくラマン分光法でも、選択配向が、強度分布における変化を生じる。選択配向効果は、比較的大きな粒子サイズの結晶性APIで特に顕著である。
【0025】
用語「薬学的に許容し得る賦形剤」、「薬学的に許容し得る担体」、及び「処置的に不活性な賦形剤」は互換的に用いることができ、そして、医薬品の製剤化において用いられる崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張化剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤、又は滑沢剤等の、処置活性を有さず、そして、投与される対象に対して非毒性である医薬組成物中の任意の薬学的に許容し得る成分を示す。
【0026】
「薬学的に許容し得る担体」とは、対象に対して非毒性である、活性成分以外の医薬組成物中の成分を指す。薬学的に許容し得る担体は、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存剤を含むが、これらに限定されない。
【0027】
用語「緩衝剤」とは、医薬製剤のpHを安定化する、薬学的に許容し得る賦形剤を示す。好適な緩衝剤は、当技術分野において周知であり、そして、文献中に見出すことができる。特に、薬学的に許容し得る緩衝剤は、ヒスチジン緩衝剤、アルギニン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、及びリン酸緩衝剤を含む。用いられる緩衝剤とは独立して、pHは、当技術分野において公知の酸又は塩基、例えば、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸、及びクエン酸、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを用いて調整され得る。
【0028】
用語「酸化防止剤」は、活性医薬成分の酸化を防ぐ、薬学的に許容し得る賦形剤を示す。酸化防止剤は、アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、メチオニン、クエン酸、EDTAを含む。
【0029】
用語「界面活性剤」は、撹拌及び剪断等の機械的ストレスからタンパク質組成物を保護するために使用される、薬学的に許容し得る賦形剤を示す。薬学的に許容し得る界面活性剤の例は、ポロキサマー、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(BRIJ(登録商標))、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(TRITON-X(登録商標))、又はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む。
【0030】
「周囲条件」とは、標準的な研究室で体験される条件、例えば、大気圧、空気、18℃〜28℃の周囲温度、30%rH〜80%rHの湿度を指す。
【0031】
本明細書で使用される「A形」とは、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの結晶性無水多形Aを指す。
【0032】
本明細書で使用される「F形」とは、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの結晶性無水多形Fを指す。
【0033】
特に、本発明は、式(I)の化合物が2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである、本明細書に記載されるプロセスに関する。
【0034】
別の実施態様では、本発明は、また、式(II):
【化5】
の化合物の調製のためのプロセスに関し、
この調製は、式(IV)
【化6】
の化合物を、式(V)
【化7】
(式中、
R
1は、水素、C
1−7−アルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
1は、メチルであり;
R
2は、水素、ハロ、C
1−7−アルキル、C
1−7−ハロアルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
2は、エチルであり;
R
3は、水素又はC
1−7−アルキルであり、特に、R
3は、メチルであり;
Aは、
【化8】
であり;
R
5〜R
8は、それぞれ独立して、水素及びC
1−3−アルキルから選択され、特に、R
5〜R
8は、水素である)
の化合物と反応させることを含む。
【0035】
更に別の実施態様では、本発明は、また、式(V):
【化9】
の化合物の調製のためのプロセスに関し、
この調製は、式(VII)
【化10】
(式中、R
2及びR
3は、既に定義したとおりであり、そして、R
aは、C
1−7−アルキル、特に、メチル又はエチルである)
の化合物を、還元剤と反応させることを含む。特に、該プロセスは、続いて、水中における結晶化工程を行う。
【0036】
特定の実施態様では、本発明は、
a)式(IV)
【化11】
の化合物を、式(V)
【化12】
の化合物と反応させて、式(II):
【化13】
の化合物を得、
b)式(II)
【化14】
の化合物を、式(III):
【化15】
の化合物と反応させることを含む、
式(I):
【化17】
の化合物
(これらの式中、
R
1は、水素、C
1−7−アルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
1は、メチルであり;
R
2は、水素、ハロ、C
1−7−アルキル、C
1−7−ハロアルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
2は、エチルであり;
R
3は、水素又はC
1−7−アルキルであり、特に、R
3は、メチルであり;
R
4は、C
1−7−アルコキシ(特に、メトキシ)であり;
Aは、
【化16】
であり;
R
5〜R
8は、それぞれ独立して、水素及びC
1−3−アルキルから選択され、特に、R
5〜R
8は、水素である)
の調製のためのプロセスを提供する。
【0037】
特定の実施態様では、本発明は、工程a)及びb)がはまり込んだ(telescoped)、記載した本明細書中のプロセスを提供する。
【0038】
式(IV)の化合物(式中、R
1、R
5、R
6、R
7、R
8、及びAは、既に定義したとおりであり、Xは、I、Br、Cl、又はF、特に、Brである)は、スキーム1に従って調製できる。
【化18】
【0039】
特に、触媒(例えば、Pd(PPh
3)
4、Pd(OAc)
2、Pd
2(dba)
3、Pd(PPh
3)
2Cl
2、PdCl
2(dppf)、PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2、PdCl
2(dppp)の存在下で、特に、PdCl
2(dppf)又はそのCH
2Cl
2付加物の存在下で、化合物(IVd)を、化合物(IVc)及び塩基(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、KOtBu、KOAc;特に、K
2CO
3)と反応させることによって、化合物IVbを調製できる。不均一遷移金属水素化触媒(例えば、Pd/C)及び水素ガスの存在下で、化合物(IVb)を還元することによって、化合物(IVa)を調製できる。還元剤を使用して(例えば、LiAlH
4、DIBAH、又はRed-Al(登録商標)、特に、LiAlH
4を用いて)、化合物(IVa)のBoc(tert−ブトキシカルボニル)基を還元することによって、化合物(IV)を調製できる。
【0040】
式(VII)の化合物(式中、R
2、R
3、及びR
aは、既に定義したとおりであり、R
bは、C
1−7−アルキルである)は、国際公開第2013119916号に記載の手順に従って、特に、スキーム2に従って調製できる。
【化19】
【0041】
特に、好適な溶媒(例えば、アセトン等)中、塩基(例えば、Cs
2CO
3)の存在下、化合物(VIIc)を化合物(VIId)と反応させ、続いて、好適な溶媒(例えば、DMSO)中の酢酸アンモニウムを添加して、化合物(VIIb)を得る。次いで、化合物(VIIb)を塩素化試薬(例えば、POCl
3)で更に処理して化合物(VIIa)を得る。触媒(例えば、Pd(dppf)Cl
2等)及び塩基(例えば、K
2CO
3等)の存在下、好適な溶媒(例えば、アニソール、トルエン等)中で、式(VIIa)の化合物を式R
2B(OH)
2のボロン酸誘導体又は式R
2ビス(ピナコラト)ジボロンのボロン酸エステル誘導体と反応させて、鈴木クロスカップリングに供して、化合物(VII)を得る。
【0042】
別の実施態様では、本発明は、式(II):
【化20】
(式中、
R
1は、水素、C
1−7−アルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
1は、メチルであり;
R
2は、水素、ハロ、C
1−7−アルキル、C
1−7−ハロアルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
2は、エチルであり;
R
3は、水素又はC
1−7−アルキルであり、特に、R
3は、メチルであり;
Aは、
【化21】
であり;
R
5〜R
8は、それぞれ独立して、水素及びC
1−3−アルキルから選択され、特に、R
5〜R
8は、水素である)
の化合物を提供する。
【0043】
別の実施態様では、本発明は、式(IV):
【化22】
(式中、
R
1は、水素、C
1−7−アルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
1は、メチルであり;
Aは、
【化23】
であり;
R
5〜R
8は、それぞれ独立して、水素及びC
1−3−アルキルから選択され、特に、R
5〜R
8は、水素である)
の化合物を提供する。
【0044】
別の実施態様では、本発明は、式(V)
【化24】
(式中、
R
2は、水素、ハロ、C
1−7−アルキル、C
1−7−ハロアルキル、又はC
3−8−シクロアルキルであり、特に、R
2は、エチルであり;
R
3は、水素又はC
1−7−アルキルであり、特に、R
3は、メチルである)
の化合物を提供する。
【0045】
別の実施態様では、本発明は、式(I’):
【化25】
の化合物の調製のためのプロセスであって、
この調製が、式(II’):
【化26】
の化合物を、式(III
b):
【化27】
の化合物と反応させることを含む、プロセスを提供する。
【0046】
別の実施態様では、本発明は、また、式(II’):
【化28】
の化合物の調製のためのプロセスであって、
この調製が、式(IV’)
【化29】
の化合物を、式(V’)
【化30】
の化合物と反応させることを含む、プロセスに関する。
【0047】
特定の実施態様では、本発明は、式(I’):
【化31】
の化合物の調製のためのプロセスであって、
この調製が、
a)式(IV’)
【化32】
の化合物を、式(V’)
【化33】
の化合物と反応させて、式(II’):
【化34】
の化合物を得、
b)該式(II’)の化合物を式(III
b):
【化35】
の化合物と反応させることを含む、プロセスを提供する。
【0048】
特定の実施態様では、本発明は、工程a)及びb)がはまり込んだ(telescoped)、本明細書中に記載されるプロセスを提供する。
【0049】
本願は、式(I’):
【化36】
の化合物の調製のためのプロセスであって、
この調製が、式(II’):
【化37】
の化合物を、式(III
a):
【化38】
の化合物と反応させることを含む、プロセスを開示する。
【0050】
本明細書中に記載されるプロセスによれば、化合物(III
a)が使用されている場合、遺伝子毒性である式(X)及び(XI):
【化39】
の化合物が副生成物として生成されることがある。
【0051】
更に別の実施態様では、本発明は、また、式(V’):
【化40】
の化合物の調製のためのプロセスであって、
この調製が、式(VII’)
【化41】
の化合物を還元剤と反応させることを含む、プロセスに関する。
【0052】
特定の実施態様では、本願は、スキーム3により式(IV’)の化合物(式中、Xは、I、Br、Cl又はF、特に、Brである)を製造するプロセスを開示する。
【化42】
【0053】
詳細には、触媒(例えば、Pd(PPh
3)
4、Pd(OAc)
2、Pd
2(dba)
3、Pd(PPh
3)
2Cl
2、PdCl
2(dppf)、PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2、PdCl
2(dppp)、詳細には、PdCl
2(dppf)又はそのCH
2Cl
2付加物の存在下;及び塩基(例えば、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、KOtBu、KOAc;詳細には、K
2CO
3)の存在下で化合物(IV’
d)を化合物(IV’
c)と反応させることによって化合物(IV’
b)を調製できる。遷移金属水素化触媒(例えば、Pd/C)及び水素ガスの存在下で化合物(IV’b)を還元することによって化合物(IV’
a)を調製できる。還元剤の使用で(例えば、LiAlH
4、DIBAH、又はRed-Al(登録商標)、詳細には、LiAlH
4で)化合物(IV’
a)のBoc(tert−ブトキシカルボニル)基を還元することによって化合物(IV’)を調製できる。
【0054】
特定の実施態様では、本願は、スキーム4に従って式(VII’)の化合物を製造するプロセスを開示する。
【化43】
【0055】
詳細には、塩基(例えば、Cs
2CO
3)の存在下、好適な溶媒(例えば、アセトン等)中で化合物(VII’c)を化合物(VII’d)と反応させ、続いて、好適な溶媒(例えば、DMSO)中で酢酸アンモニウムを添加して、化合物(VII’b)を得る。次いで、化合物(VII’b)を塩素化試薬(例えば、POCl
3)で更に処理して化合物(VII’a)を得る。触媒(例えば、Pd(dppf)Cl
2等)及び塩基(例えば、K
2CO
3等)の存在下、好適な溶媒(例えば、アニソール、トルエン等)中で、式(VII’a)の化合物を式EtB(OH)
2のボロン酸誘導体と反応させて、鈴木クロスカップリングに供して、化合物(VII)を得る。
【0056】
更に特定の実施態様では、本発明は、式(II’):
【化44】
の化合物を提供する。
【0057】
更に特定の実施態様では、本発明は、式(IV’):
【化45】
の化合物を提供する。
【0058】
更に特定の実施態様では、本発明は、式(V’)
【化46】
の化合物を提供する。
【0059】
本発明は、エーテル様溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル又はジブチルエーテル)、塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、又は芳香族溶媒(例えば、トルエン又はt−ブチル−ベンゼン)等の有機溶媒の存在下で行われる。詳細には、式(I)の化合物の調製に使用される溶媒は、トルエンである。
【0060】
反応は、詳細には不活性ガス雰囲気下、より詳細にはアルゴン又は窒素下で実施される。
【0061】
更なる実施態様では、本発明は、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの調製プロセスであって、既に言及されたプロセス又は条件のいずれかによって得られる式(I)の化合物の形成を含む、プロセスを提供する。
【0062】
更に、本発明は、本明細書中に記載されるとおりの結晶化工程を含む。
【0063】
2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンは、純粋な化合物とは異なる結晶構造で結晶化することが見出された(多形)。また、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンは、溶媒和物又は水和物を形成し得ることも見出された(偽多形)。詳細には、以下の溶媒は、溶媒和物を形成することが見出された:エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸。
【0064】
別の態様では、本発明は、多形A形及びF形の2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを提供する。A形及びF形は、エナンチオトロピー的に関連しており、F形は80℃以下でより安定であることが見出された。F形は、驚くべきことに、薬物製品のロバスト性を改善することが見出された。
【0065】
別の実施態様では、本発明は、結晶質のA形又はF形の2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを提供する。
【0066】
特定の実施態様では、本発明は、約10.3°、12.3°、13.3°及び15.4°(±0.2°)の回折角2θにピークを有するX線粉末回折パターン(XRPD)を特徴とする多形A形の−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを提供する。
【0067】
特定の実施態様では、A形は、表2に記載の回折角2θにXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする。
【0068】
特定の実施態様では、A形は、
図1のXRPD回折パターンを特徴とする。
【0069】
表1は、A形の関連する結晶構造データを列挙する。格子定数、単位セル体積及び密度計算値は、低温データに基づく。
【0072】
特定の実施態様では、本発明は、約8.0°、9.1°、15.0°及び23.7°(±0.2°)の回折角2θにピークを有するXRPDを特徴とする多形F形の−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを提供する。
【0073】
特定の実施態様では、F形は、表4に記載の回折角2θにXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする。
【0074】
特定の実施態様では、F形は、
図2のXRPD回折パターンを特徴とする。
【0075】
表3は、F形の関連する結晶構造データを列挙する。格子定数、単位セル体積及び密度計算値は、周囲温度データに基づく。
【0079】
X線粉末回折
X線回折パターンは、STOE STADI P回折計(Cu Kα線、一次モノクロメータ、シリコンストリップ検出器、角度範囲3°〜42° 2θ、合計測定時間 およそ30分間)を用いて透過幾何学における周囲条件で記録する。サンプル(およそ10〜50mg)をポリマー薄膜間で調製し、そして、物質を更に加工(例えば、粉砕又は篩い分け)することなく分析する。
【0080】
単結晶構造分析
単結晶構造分析のために、ゴニオメータ上のカプトンループに単結晶サンプルを載せ、そして、周囲条件で測定する。或いは、測定中に結晶を窒素流中で冷却する。Rigaku Oxford Diffraction製のGEMINI R Ultra回折計にデータを収集した。データを収集するために、波長1.54ÅのCu線を使用した。Rigaku Oxford Diffraction CRYSALISソフトウェアでデータを処理した。標準的な結晶学的ソフトウェアを使用して結晶構造を解明し、そして、精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)製のプログラムShelXTLを使用した。
【0081】
本発明は、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの多形A形、F形、溶媒関連溶媒和物(偽多形)又は水和物の調製のためのプロセスであって、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを加熱したうえで溶媒又は溶媒混合物中に溶解させる、プロセスを提供する。次いで、溶液を冷却する。自発的結晶化の際に飽和溶液及び結晶質固体を含む懸濁液が形成される。該懸濁液を濾過し、場合により、それぞれの溶媒又は溶媒混合物で洗浄し、そして、場合により、減圧下、高温(詳細には、50〜60℃であるがこれに限らない)で乾燥する。
【0082】
結晶化工程に係る溶媒は、アルコール、又はアルコールと他の溶媒(エステル若しくは水等)との混合物を含み;更に、環状又は直鎖状のエーテル、芳香族溶媒、塩素化溶媒及び極性プロトン性溶媒を含む。様々な多形、偽多形(溶媒和物)及び水和物が知られている。詳細には、以下の溶媒が、溶媒和物を形成することが見出された:エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸。
【0083】
(上記のとおり)自発的結晶化によって形成される溶媒和物(偽多形)は、F形に転換し得ることが見出された。詳細には、1−ブタノール/水 98/2 m/m中、およそ5℃で、およそ2週間以内で分解した際、1−ブタノール溶媒和物はF形に転換することが見出された。
【0084】
別の実施態様では、本発明は、公知の固体形態を有する種結晶(多形、偽多形)を添加することによって制御される結晶化プロセスを提供する。例えば、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを、加熱のうえ最適な溶媒又は溶媒混合物(例えば、アルコール、又はアルコールと他の溶媒(例えば、エステル若しくは水等)との混合物)中に溶解させることができる。溶液を冷却することによって、過飽和溶液が形成される。公知の固体形態を有する種結晶(多形、偽多形)を乾燥粉末として、又は好適な溶媒中の懸濁液として添加する。
【0085】
特定の実施態様では、本発明は、1−ブタノール/水混合物から(最も詳細には、1−ブタノール/水 98/2 m/m混合物から)の種冷却結晶化によって、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの多形A形を製造するプロセスを提供する。特定の実施態様では、本発明は、A形を製造するプロセスであって、
a)2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを、80℃超(より詳細には、85℃)の温度で加熱のうえ、1−ブタノール/水 98/2 m/m混合物中に溶解させることと;
b)80℃未満(より詳細には、75℃)に溶液を冷却して、詳細には、過飽和溶液を得ることと;
c)A形の種結晶を乾燥粉末として、又は1−ブタノール中の懸濁液として若しくは1−ブタノール/水 98/2 m/m混合物中の懸濁液としてのいずれかで添加することと;
d)懸濁液を更に冷却することと;
e)場合により、固形物を濾過し、そして、高温(より詳細には、50〜60℃)で減圧乾燥させることと
を含む、プロセスを提供する。
【0086】
別の実施態様では、本発明は、1−ブタノール/水混合物から(最も詳細には、1−ブタノール/水 98/2 m/mから)の種冷却結晶化によって2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの多形F形を製造するためのプロセスを提供する。
【0087】
特定の実施態様では、本発明は、F形を製造するプロセスであって、
a)2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを、80℃超(より詳細には、85℃)の温度で加熱のうえ、1−ブタノール/水 98/2 m/m混合物中に溶解させることと;
b)80℃未満(より詳細には、75℃)に溶液を冷却して、詳細には、過飽和溶液を得ることと;
c)F形の種結晶を乾燥粉末として、又は1−ブタノール/水 98/2 m/m混合物中の懸濁液として添加することと;
d)懸濁液を更に冷却することと;
e)場合により、固形物を濾過し、そして、高温(より詳細には、50〜60℃)で減圧乾燥させることと
を含む、プロセスを提供する。
【0088】
また、本発明の特定の実施態様は、本明細書中に記載される式(I’)の化合物の固体形態と少なくとも1つの薬学的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0089】
また、本発明の特定の実施態様は、処置活性物質として使用するための、本明細書中に記載されるとおりの式(I’)の化合物の固体形態に関する。
【0090】
合成経路が本明細書中に明示的に開示されていない出発物質及び試薬は、一般的に、商業的供給元から入手可能であるか、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される。
【0091】
一般に、本願で用いられる命名法は、IUPAC体系的命名法を作成するためのBeilstein Instituteのコンピュータ化システムであるAUTONOM(商標)2000に基づく。本明細書中に図示される化学構造は、MDL ISIS(商標)version 2.5 SP2を使用して作成した。本明細書中における構造中の炭素、酸素又は窒素の原子に存在する任意の空の原子価は、水素原子の存在を示す。
【実施例】
【0092】
以下の実施例は、更なる説明を目的として提供されるものであり、請求される発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0093】
実施例1:4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化47】
5−ブロモ−3−メチルピリジン−2−アミン(14.8kg、79.1mol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(24.5kg、79.1mol)及び炭酸カリウム(33.0kg、238.5mol)を水(110L)及びアセトニトリル(360L)中に懸濁させ、そして、懸濁液を70℃まで加熱する。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.3kg、4.8mol)を添加し、そして、反応混合物を70℃で>1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、この温度で1.5時間撹拌し、そして、木炭フィルタに通して濾過した。水とアセトニトリルとの混合物(3:7)でフィルタを洗浄した。減圧下で蒸留によって濾液を濃縮して、アセトニトリルを全て除去した。室温まで冷却した後、ジクロロメタン(160L)及び水(100L)を添加した。相を撹拌し、分離し、そして、有機相を水で洗浄した。同じ分量のジクロロメタンで水相を抽出した。合わせた有機相を容量 60Lまで濃縮し、そして、溶媒を一定容量のエタノールと交換した。得られた懸濁液を−5℃まで冷却し、この温度で少なくとも1時間撹拌し、そして、濾別した。−12〜−20℃まで冷却したエタノールで沈殿物を洗浄した。固形物を減圧下、70℃で乾燥して、オフホワイト色の固形物として4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(16.9kg、74%)を得た。
【0094】
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6): 7.86 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 5.93 (sbr, 1H), 5.73 (s, 2H), 3.94 (sbr, 2H), 3.50 (sbr, 2H), 2.38 (sbr, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.42 (s, 9H); MS(ISP): m/e = 290.19 (M+H
+).
【0095】
実施例2:4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化48】
4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(136g、470.0mmol)及びPd触媒(10% Pd/C、Noblyst P1070、E101 NE/W)(13.6g)をオートクレーブ内でTHF(930g)中に懸濁させた。反応混合物を40℃及び11bar(10bar過圧)水素で24時間水素化した。反応混合物を20℃まで冷却し、そして、濾過した。オートクレーブ及びフィルタをTHF(533g)ですすぎ、そして、濾液を常圧下で部分的に濃縮した。THF(356g)を添加し、そして、溶液を再度濃縮した。溶液をTHF(381g)で希釈して、定量的収率で約17%、THF中溶液として4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(純度99.1%を有する)を得た。
【0096】
実施例3:3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリジン−2−アミン
【化49】
LiAlH
4のTHF中溶液(4.6%、151.8g、180.0mmol)を55℃まで加温した。この溶液に、4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの10.8% THF中溶液(4−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル 26.2g、90.0mmolを含有する溶液 243.4g)を55℃で1時間かけて添加した。反応混合物を55℃で3時間撹拌し、次いで、0〜5℃まで冷却した。THF/水混合物(THF 53.0g及び水 6.8g)を0〜5℃で30分間以内に添加し、続いて、4.2% NaOH(28.6g)を8〜15℃で30分間以内に添加した。懸濁液を室温まで加温し、30分間撹拌し、そして、濾過した。フィルタケーキをTHF(142.2g)で洗浄した。濾液を減圧において部分的に濃縮した。減圧において蒸留を継続し、そして、ヘプタン(114g)を同時に添加することによって容量を一定に保った。懸濁液を75℃に加温し、そして、10分間撹拌した。次いで、反応混合物を7時間以内に室温まで冷却し、そして、室温で一晩撹拌した。固形物を濾過し、ヘプタン(24.0g)で洗浄し、そして、減圧において50℃で乾燥して、純度99.0%を有する無色の固形物として3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリジン−2−アミン(16.0g、収率86.2%)を得た。
【0097】
実施例4:4−ヒドロキシ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル
【化50】
1H−ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチル(20kg、94.2mol)及び炭酸セシウム(30.7kg、94.2mol)のアセトン(200L)中懸濁液に、1−クロロプロパン−2−オン(10.5kg、113mol)を室温でゆっくり添加した(発熱)。反応混合物を1.5時間撹拌し、濾過し、そして、沈殿物をアセトンで洗浄した。アセトンを60℃で濾液から留去して、60〜90Lの容量を得、DMSO(85L)を添加し、そして、アセトンが完全に除去されるまで蒸留を継続した。酢酸アンモニウム(14.5kg、188mol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、60℃まで冷却し、そして、水(290L)をゆっくり添加した。懸濁液を0〜5℃で2時間撹拌した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、そして、強い減圧下、70℃で乾燥して、ベージュ色の結晶として4−ヒドロキシ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(16.8kg、80.6%)を得た。
【0098】
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6): 11.51 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.33 (q, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.32 (t, 3H); MS(ISP): m/e = 222.09 (M+H
+).
【0099】
実施例5:4−クロロ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル
【化51】
室温で4−ヒドロキシ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(16.8kg、75.9mol)のトルエン(170L)中懸濁液に、N,N−ジメチル−p−トルイジン(20.5kg、152mol)を添加した。反応混合物を100℃に加熱し、オキシ塩化リン(23.3kg、152mol)を添加し、そして、この温度における撹拌を22時間続行した。反応混合物を室温まで冷却し、そして、室温で1時間超撹拌した。沈殿物を濾別し、トルエンで洗浄し、そして、強い減圧下、50℃で乾燥して、オフホワイト色の結晶として4−クロロ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(15.9kg、85.6%)を得た。
【0100】
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6): 8.81 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.38 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.35 (t, 3H); MS(ISP): m/e = 240.05 and 242.05 (M+H
+).
【0101】
実施例6:4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル
【化52】
4−クロロ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(24.0g、100.0mmol)、エチルボロン酸(13.3g、180.0mmol)及び炭酸カリウム(41.5g、300.0mmol)のアニソール(179g)中懸濁液を95℃まで加熱した。45分間以内にPd(dppf)Cl
2(293mg、0.40mmol)のジクロロメタン(34.4g)中溶液を反応混合物に添加し、そして、反応混合物を95〜100℃で更に30分間撹拌した。反応混合物を50℃まで冷却し、そして、酢酸エチル(162g)、水(144g)及び25% 水酸化アンモニウム水溶液(6.5g)を45〜50℃で反応混合物に添加した。二相混合物を、Dicalite(8.5g)をロードしたフィルタを介して濾過し、そして、反応容器及びフィルタケーキを酢酸エチル(9.0g)で洗浄した。濾液の層を45〜50℃で分離した。水相を除去し、そして、水(48.0g)を有機相に添加した。二相混合物を5分間撹拌し、そして、層を分離した。水相を除去し、そして、有機相を減圧において部分的に濃縮した。残渣を90〜65℃においてエタノール(75.8g)で希釈した。溶液を3時間以内に0℃まで冷却し、そして、得られた懸濁液を0℃で30分間撹拌した。固形物を濾過し、冷エタノール(42.0g)で洗浄し、そして、減圧において20℃で乾燥して、純度99.8%を有する淡黄色の固形物として4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(19.5g、収率83.4%)を得た。
【0102】
実施例7:4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル
【化53】
4−クロロ−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(24.0g、100.0mmol)、エチルボロン酸(9.61g、130.0mmol)、炭酸カリウム(30.4g、220.0mmol)及びPd(dppf)Cl
2(293mg、0.40mmol)のトルエン(232g)中懸濁液を2時間以内に95℃まで加熱し、そして、95℃で3時間撹拌した。反応混合物を70〜80℃まで冷却し、そして、水(144g)及び25% 水酸化アンモニウム水溶液(6.5g)を、80〜50℃で反応混合物に添加した。二相混合物を50℃で30分間撹拌し、続いて、層を分離した。有機相を除去し、そして、水(49.4g)を有機相に添加した。二相混合物を50℃で20分間撹拌し、そして、Dicalite(8.5g)をロードしたフィルタを介して濾過した。反応容器及びフィルタをトルエン(30.0g)ですすいだ。層を分離し、そして、水相を除去した。有機相を減圧において濃縮し、そして、残渣を90〜65℃においてエタノール(105g)で希釈した。溶液を7時間以内に−10℃まで冷却し、そして、得られた懸濁液を−10℃で2時間撹拌した。固形物を濾過し、冷エタノール(55.2g)で洗浄し、そして、減圧において45〜50℃で乾燥して、純度100%を有する淡黄色の固形物として4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(21.3g、収率91.0%)を得た。
【0103】
実施例8:4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルバルデヒド
【化54】
Red-Al(登録商標)の71% トルエン(34.0g、119.6mmol)中溶液をTBME(199g)で希釈し、そして、−7〜−10℃まで冷却した。続いて、1−メチル−ピペラジン(12.8g、128.0mmol)のTBME(74.3g)中溶液を−5〜−8℃で30分間かけて添加し、そして、反応混合物を20℃まで加温した。
【0104】
第2の反応器において、4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチル(18.7g、80.0mmol)をTBME(92.1g)中に懸濁させ、そして、懸濁液を−7〜−5℃まで冷却した。この懸濁液に、上で調製された修飾Red-Al(登録商標)溶液(321g)を−5〜−8℃で1時間以内に添加し、そして、反応混合物を5〜7℃で5時間撹拌した。変換が所望のとおりでない場合、更にRed-Al(登録商標)を添加してもよい。反応混合物を−5℃まで冷却し、そして、クエン酸(87.6g)、水(78.6g)及び28% NaOH(150.2g)の冷却された混合物をゆっくり−5〜5℃にした。二相混合物を50℃まで加温し、そして、相を分離した。水相を除去し、そして、クエン酸(8.0g)の水(50.0g)中溶液を有機相に添加した。二相混合物を50℃で5分間撹拌し、次いで、相を分離した。水層を除去し、そして、有機相を減圧において部分的に濃縮した。減圧において蒸留を継続し、そして、THF(178g)を同時に添加することによって容量を一定に保った。減圧において蒸留をゆっくり継続し、そして、水(190g)を同時に添加することによって容量を一定に保った。溶媒交換後、懸濁液を50℃まで冷却し、そして、8% NaHCO
3(85.0g)を添加した。懸濁液を2時間以内に20℃まで冷却し、そして、20℃で更に1時間撹拌した。固形物を濾過し、水(190g)で洗浄し、そして、減圧において40℃で乾燥して、純度99.9%を有する淡黄色の固形物として4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルバルデヒド(13.4g、収率88.0%)を得た。
【0105】
実施例9:(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン
【化55】
4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルバルデヒド(9.46g、50.0mmol)及び3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリジン−2−アミン(10.3g、50.0mmol)のトルエン(86.5g)中懸濁液を112℃まで加温した。得られた溶液から、常圧でトルエンを蒸留し、そして、新たなトルエン(86.5g)を同時に添加することによって容量を一定に保った。還流下で更に8時間溶液を加熱した。続いて、反応混合物を2時間以内に20℃まで冷却し、そして、2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを調製するためにそのまま使用した。
【0106】
実施例10:(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン
【化56】
4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルバルデヒド(60g、317mmol)及び3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリジン−2−アミン(65.1g、317mmol)のトルエン(519g)懸濁液を加熱還流した。得られた溶液から、共沸混合物である水/トルエンを常圧で2時間以内に留去し、そして、新たなトルエン(104g)を同時に添加することによって容量を一定に保った。還流下で更に14時間、ウォータートラップを使用して溶液を加熱した。続いて、反応混合物を減圧下、60℃でエバポレートして、(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン(120.6g;GC純度:97.60%;定量的収率)を得た。
【0107】
実施例11:2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
【化57】
(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン(20.0g(53.0mmol);実施例10に記載のとおり得られた)をトルエン(121g)で希釈し、そして、−10℃まで冷却した。トリエチルアミン(76.3g、750mmol)を−10℃で添加し、続いて、メトキシアセチルクロリド(11.2g、100mmol)のトルエン(38.9g)中溶液を−10℃で1時間以内に添加した。反応混合物を4時間以内に80〜85℃まで加温し、そして、80〜85℃で3時間撹拌した。続いて、反応混合物を70〜75℃まで冷却し、そして、減圧において部分的に濃縮した。水(50.0g)を70〜75℃で反応混合物に添加し、そして、相を分離した。水相を除去し、そして、水(50.0g)を70〜75℃で有機相に添加した。二相混合物を10分間撹拌し、そして、相を分離した。水相を除去し、そして、水(50.0g)を70〜75℃で有機相に添加した。二相混合物を10分間撹拌し、そして、70〜75℃で相を分離した。水相を除去した。有機相をトルエン(160g)で希釈し、そして、減圧において部分的に濃縮した。続いて、反応混合物を加熱還流し、そして、容器の壁上の固形物を溶解させた。溶液を5時間以内に−12℃まで冷却した。固形物を濾過し、トルエン(69.2g)で洗浄し、減圧において60℃で乾燥して、純度100%を有する淡黄色の固形物として2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(13.6g、収率61.5%)を得た。
【0108】
実施例12:2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
【化58】

粗製の(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン(59.5g、158mmol)及びジ−イソプロピル−エチルアミン(68.6g、531mmol)のジクロロメタン(576g)中溶液を、塩化亜鉛(4.31g、31.6mmol)を含有する乾燥反応容器に添加した。黄色の懸濁液を0〜5℃まで冷却し、そして、塩化クロロアセチル(30g、265mmol)のジクロロメタン(133g)中溶液を50分間以内に添加した。室温で3時間撹拌した後、ジ−イソプロピル−エチルアミン(6.94g、53.7mmol)及び塩化クロロアセチル(3.03g、26.9mmol)を室温で続けて添加した。更に30分間撹拌した後、ジ−イソプロピル−エチルアミン(6.94g、53.7mmol)及び塩化クロロアセチル(3.03g、26.9mmol)を室温で続けて再度添加した。更に30分間撹拌した後、反応混合物を0.5M HCl水溶液(957mL、478mmol)に注ぎ、ジクロロメタン(479g)を添加し、そして、25% HCl水溶液(22.4g、154mmol)を添加することによって水相のpHを1〜1.5にした。激しく撹拌した後、相を分離した。水相を2回分のジクロロメタン(各197g)で洗浄した。トルエン(1.03kg)及び水(89.7g)を水相に添加した。激しい撹拌下で30分間以内に28% 水酸化ナトリウム水溶液(約250mL)を添加することによって、pHを12以上(>=12)にした。二相混合物を65℃まで加熱し、それによって、大部分の固形物が溶解した。相を分離し、そして、有機相を65℃において2回分の水(各598g)で洗浄した。有機相をトルエン(259g)で希釈し、そして、残留ジクロロメタン及び水を減圧下、60〜70℃で留去した。続いて、活性炭(3.29g)を添加し、懸濁液を65℃で15分間撹拌し、そして、この温度で濾過した。減圧下、60〜70℃で濾液を容量 550mLに濃縮した。懸濁液を98℃まで加熱し、次いで、16時間以内に−5〜0℃まで冷却し、そして、この温度で更に3時間撹拌した。沈殿物を濾別し、冷トルエン(69.2g)で洗浄し、そして、減圧において50℃で乾燥して、薄ベージュ色の固形物として2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(52.3g、HPLC純度:99.4%、収率79.4%)を得た。
【0109】
実施例13:2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
【化59】
粗製の(E)−1−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−N−[3−メチル−5−(1−メチル−4−ピペリジル)−2−ピリジル]メタンイミン(4.41g、11.7mmol)、ジ−イソプロピル−エチルアミン(4.33g、32.8mmol)及び塩化亜鉛(319mg、2.34mmol)のジクロロメタン(58.4g)中の反応混合物に、10分間以内に、塩化クロロアセチル(1.85g、16.4mmol)のジクロロメタン(23.4g)中溶液を0℃で添加した。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物を水(200mL)に注ぎ、1M HCl水溶液(42.3g、35.3mmol)を添加することによってpHを1に調整し、そして、水相をジクロロメタン(150mL)で抽出した。32% 水酸化ナトリウム水溶液(9.45g、75.6mmol)を添加することによって水相のpHを14にした。水相を2回分のジクロロメタン(各100mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、エバポレートし、そして、強い減圧下で乾燥して、黄色の固形物 4.71gを得た。この固形物をn−プロパノール(22.1mL)及び酢酸n−プロピル(17.6mL)から結晶化させて、オフホワイト色の結晶として2−(4−エチル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチル−4−ピペリジル)ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(3.15g、HPLC純度:98.6%、収率64.6%)を得た。
【0110】
実施例14a:結晶質A形の調製(自発的結晶化)
2−(4−エチル−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(1.0g、2.4mmol;アッセイ 98.5%-m/m)を、加熱のうえエタノール/水 80/20 m/mの混合物(12.5g)中に溶解させて、完全に溶解させた。完全に濾過された(polish-filtered)透明な溶液を自然冷却によって周囲温度まで冷却し、その際、自発的結晶化が生じた。
【0111】
濾過によって固形物を単離し、そして、減圧下、60℃で16時間乾燥して、A形 0.75g(収率75%)を得た。
【0112】
実施例14b:結晶質A形の調製(自発的結晶化)
2−(4−エチル−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(103.5g、248mmol)を、加熱還流のうえ1−プロパノール(560g)及び酢酸n−プロピル(463g)中に溶解させた。透明な橙色〜赤色の溶液を内部温度60℃まで冷却し、その際、内部温度およそ82℃で自発的結晶化が生じた。懸濁液を60℃で1時間撹拌し、周囲温度まで冷却し、そして、周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液を濾過し、そして、1−プロパノール(40.0g)及び酢酸n−プロピル(89.0g)の混合物で洗浄した。フィルタケーキを減圧下、60℃で乾燥して、橙色の結晶としてA形 89.2g(収率86%)を得た。
【0113】
実施例15:結晶質F形の調製(自発的結晶化)
2−(4−エチル−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(0.05g;0.1mmol;アッセイ およそ98.7%-m/m、純度 およそ99.7%-a/a)を、80℃超に加熱のうえトルエン(0.4〜0.7mL)中に溶解させた。溶液を5℃まで冷却したところ、その間に自発的結晶化が生じた。懸濁液を濾過し、そして、湿潤ケーキを減圧下、22℃で一晩乾燥して、F形を得た。
【0114】
実施例16:結晶質F形の調製(種付け)
2−(4−エチル−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(20g;48.0mmol)を、内部温度85℃に加熱のうえ1−ブタノール/水 98:2 m/m(180g)中に溶解させた。透明な黄色帯びた溶液を内部温度75℃まで冷却し、続いて、1−ブタノール/水 98:2 m/m(2g)に懸濁している2−(4−エチル−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−9−メチル−7−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンF形種結晶(0.4g;1.0mmol)の懸濁液を添加した。懸濁液を内部温度75℃で更に30分間撹拌し、続いて、冷却速度0.1℃/分で0℃まで冷却した。内部温度0℃で懸濁液を更に5時間撹拌した後、濾過した。濾過後、湿潤ケーキを1−ブタノール/水 98:2 m/m(20g)ですすぎ、そして、減圧下、50℃で3日間乾燥して、純度99.9%(HPLC)のF形 17.68g(収率:88%)を得た。