(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図1に示す通り、自転車メンテナンスに用いる従来のトルクレンチ1は、グリップ2と六角レンチ3を有する。
六角レンチ3は、一端にグリップ2が設置され、これによりトルクレンチ1はT形を呈する。
六角レンチ3の反対端には、ソケットヘッド4が設置され、グリップ2を回転することにより、六角レンチ3を回転させ、ソケットヘッド4はネジ或いはドライバーヘッド(図示なし)を駆動できる。
トルクレンチ1は、針棒5と標示盤6を有する。
操作者がグリップ2を回転し、六角レンチ3を回転させ、針棒5は標示盤6
に対して移動し、標示盤6上の対応の目盛りを示すことで、ソケットヘッド4が
ボルトに加えたトルク値を知ることができる。
高価な自転車フレーム(特にカーボンファイバーフレーム)は、安全に螺合するために、トルク制限が設定されており、従来のトルクレンチ1を利用すれば、自転車カーボンファイバーフレームを保護する効果を達成でき、過剰な螺合トルクによる高単価の自転車フレームの損傷が防止される。
【0003】
上述の従来のトルクレンチ1は、針棒5により標示盤6上の目盛りに対応し、自転車ネジを螺合するトルク値を表示できる。
しかし、上述の従来トルクレンチ1は、構造設計に限界があり、前述の機能しか持っていない製品であるため、自転車領域においては、このような製品は通常、メンテナンス専門のエンジニアにしか購入されず、自転車市場の一般消費者に普及していない。
付加機能がないため、この従来のトルクレンチ1は自転車の一般消費者に好まれていない。
よって、自転車愛好家に好まれる多機能なトルクレンチの発明は喫緊の課題である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明し、この形態に限定されることはない。本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図2〜
図9に示す通り、本発明
のトルクレンチ10の第一実施形態は、本体20、回
転部材30及び指示装置40を有する。
本発明
のトルクレンチ10は、
ボルトA(
図4参照)を回転させることができる。
【0011】
本体20は、作動部21、結合部22、及び作動部21と結合部22との間に位置する回転部23を有する。
本体20は、作動部21を貫通する第一軸線L1を有し、作動部21は、第一軸線L1
を中心に、ボルトAを回転させる。
【0012】
回
転部材30は、接続部31、及び接続部31と連結する延伸部32を有する。
接続部31は、本体20の結合部22に接続し、これにより回
転部材30は、本体20に相対し、第一位置P1(
図3、4参照)と第二位置P2(
図5、6参照)との切り換えができる。延伸部32は、第二軸線L2に沿って延伸する。
回
転部材30が第一位置P1にある時、第二軸線L2は、第一軸線L1に垂直であり、操作者は本体20を僅かに回転させ、回転トルクを生じさせ、
ボルトA(
図4参照)を
回転できる。
回
転部材30が第二位置P2にある時、第二軸線L2は、第一軸線L1に平行であり、操作者は便利に収納し、携帯できる。
【0013】
本実施形態の回
転部材30は、中空のハウジングであり、収容槽33を有する。
収容槽33は、回
転部材30の片側は開放状を呈し、開口331を有する。
結合部22と接続部31は、収容槽33内で、枢接装置50により枢設され、相互に接続する。
本体20は、開口331から収容槽33の外に出られ、これにより第二軸線L2と第一軸線L1は垂直となる。これが第一位置P1である。
さらに、本体20は、開口331から収容槽33に入ることができ、これにより第二軸線L2と第一軸線L1は平行となる。これが第二位置P2である。
本実施形態中では、本体20が収容槽33に入ることができ、第二位置P2となる。これにより、第二軸線L2が第一軸線L1に平行である時、本体20の
長手方向の長さは、回
転部材30の
長手方向の長さより長い。これにより、作動部21は、
ボルトAに接続して
回転されて、
ボルトA(
図6参照)を回転させる。
【0014】
指示装置40は
、トルクに対応する数値を表示する。
指示装置40は
、第一指示部と第二指示部とを有する。
本体20の回転部23を回転させると、第一指示部或いは第二指示部を
回転し
て移動させ、トルクに対応する数値を表示する。
図2に示す通り、本実施形態の指示装置40の第一指示部は、指針41とウィンドウ42を有する。
指針41は、収容槽33内で、一端は本体20に枢接され、結合部22に近接し、さらに指針41の反対端には、指示端411を有する。
ウィンドウ42は、回
転部材30に設置され、貫通孔421と標示部422を有する。
標示部422には、トルク数値が設定されている。
ここで述べるトルク数値は、目盛りにより、表示される。
指示端411は、貫通孔421から突き出し、標示部422に接続する。回
転部材30が、第一位置P1において本体20を回転させる時、指示端411は、標示部422において、トルクに対応する数値を表示することができる(
図3において点線で示す指示端411参照)。
本実施形態中では、指示装置40は外付け部材43を有し、本体20には、調整台24が設置される。
調整台24は回転可能なように、外付け部材43に設置される。
調整台24は、結合部22に近接する。
指針41の一端は調整台24に枢接される。
調整台24は、本体20に対して回転後の位置を定位できる。
こうして調整指示端411が、標示部422に示す位置を調整できる。
例としては、操作初期に、指示端411を標示部422のゼロの位置に調整する。
【0015】
本実施形態の回
転部材30は、接続部31から離れた延伸部32の一端に、欠口34を有する。
作動部21が第二位置P2にある時は、欠口34から露出され、回
転部材30外に位置される。
本実施形態の指示装置40の第二指示部は、標示部44と指標45を有する。
作動部21は、欠口34から露出された部位に、標示部44を有する。
回
転部材30は、欠口34を有する一端に、指標45を有する。
標示部44は作動部21周囲に、トルク数値が設定されている。
ここで述べるトルク数値は、目盛りにより、表示される。
作動部21は第二位置P2で欠口34から露出され、さらに回
転部材30が第二位置P2で本体20を回転させ、トルクを生じる時、指標45は、標示部44においてトルクに対応数値を示す(
図7参照)。
【0016】
本実施形態の枢接装置50は、軸51を有する。
軸51は、収容槽33の幅より長く、回
転部材30の上に開いた穿孔35に接続し、これにより軸51は、穿孔35
に対して、軸方向Dに沿って摺動できる。
軸51は、径方向に突出する突起セクション511と、突起セクション511に対して陥没状を呈する回避セクション512を有する。
本体20は、結合部22において、軸51を穿設できる枢孔25を有する。
二つの位置限定溝26は、結合部22において、枢孔25の内側に形成される。
二つの位置限定溝26は、本体20と回
転部材30が、それぞれ第一位置P1と第二位置P2にある時、突起セクション511と係合固定して定位する(
図8参照)。
軸51が軸方向Dに沿って摺動する時、回避セクション512により位置限定溝26に対し、本体20と回
転部材30の係合固定が解除され、(
図9参照)本体20が、回
転部材30に対して収容槽33に入ることができ、或いは収容槽33から出られる。
好ましくは、本実施形態中の枢接装置50は、復位弾性部材52をさらに有する。
復位弾性部材52の両端は、軸51と回
転部材30を押して支え、これにより軸51は、穿孔35に対して、軸方向Dに沿って摺動後、自動復位できる。
【0017】
本実施形態の本体20は、外六角形状のロッド体であり、結合部22は、本体20において一端が湾曲し、枢孔25を形成する。
この他、軸51は、第一軸セクション513と第二軸セクション514と連結して形成される。
本実施形態の第一軸セクション513は、一端に、凸部513aを有し、さらに第二軸セクション514は、一端に、凹部514aを有する。
凸部513aと凹部514aの形状は異形であり(本実施形態では方形)、さらに凹凸は相対する。
第一軸セクション513と第二軸セクション514は、凸部513aと凹部514aが凹凸対応を呈し、これにより第一軸セクション513と第二軸セクション514は相対回転させない。
【0018】
さらに、回
転部材30は、収容槽33中の相対する両側に、第一カバーリング36と第二カバーリング37が設置される。
収容槽33中の軸51は、両端に、第一カバーリング36と第二カバーリング37を穿通して設置される。
軸51は、第一軸セクション513において、径方向に突出するストッパー513bを有し、ストッパー513bは、第一カバーリング36中に位置される。
復位弾性部材52は、第一カバーリング36中において、両端がそれぞれストッパー513bと回
転部材30を押して支える。
復位弾性部材52の作用により、
図9に示す通り、軸51は押される、軸方向Dに沿って摺動後に弾性により復位でき、突起セクション511が位置限定溝26における係合固定定位は回復される。
【0019】
本実施形態の指針41は、単純に貫通孔421から突き出し、さらに標示部422に接続する。
さらに、指針41は、異なる実施形態を有する。
【0020】
図10、11に示す通り、本発明
のトルクレンチ10の第二実施形態において、指針41には、弾片412が設置される。
指針41は、収容槽33内で、弾片412に押し上げられる。
弾片412の一端は、延伸部32に連結して斜めに突き出す。
さらに、弾片412の反対端は、指針41に当接し、指針41を押さえる。
指針41は、弾片412に押さえられ、指示端411を、標示部422上で固定できる。
こうして、回
転部材30は第一位置にあろうと、第二位置にあろうと、指針41は安定的な位置に維持でき、緩みやグラつきの問題は発生しない。
【0021】
また
図12、13に示す通り、本発明
のトルクレンチ10の第三実施形態において、指針41には、弾片413を設置する。
指針41は収容槽33内にあり、弾片413に押さえられる。
弾片413の一端は、指針41に連結して斜めに突き出し、さらに弾片413の反対端は、延伸部32に当接し、指針41を押さえる。
指針41は弾片413に押さえられ、同様に、指示端411を標示部422上で固定できる。
こうして、回
転部材30は第一位置にあろうと、第二位置にあろうと、指針41は安定的な位置に維持でき、緩みやグラつきの問題は発生しない。
さらに第三実施形態が第二実施形態より優れている点は、弾片413は指針41上から一体にプレス成形するため、コストがさらに低いことである。
【0022】
上述の説明により分かるように、本発明は以下の長所を備える。
1.回
転部材30は、本体20に対して、第一位置P1と第二位置P2との切り換えができ、第一位置P1にある時には、本体20は、延伸部32を回転させることで、回転トルクを生じさせ、
ボルトAを
回転する。こうして、延伸部32のトルクアームにより、
ボルトAを省力に回転させ、緊密固定され、或いは緩められる。指示装置40の第一指示部(即ち指針41とウィンドウ42)によりトルクの数値を表示し(
図3或いは
図7参照)、さらに収納する際には、本体20と回
転部材30を第二位置P2に切り換えれば、延伸部32の第二軸線L2と本体20の第一軸線L1は平行を呈し、第一位置にある時との状態に比べ、本体20と回
転部材30が占める体積は効果的に縮小され、T型に固定された従来のトルクレンチに比べ、操作者は便利に収納し、携帯できる。
2.回
転部材30は、本体20に対して第二位置P2に位置し、さらに延伸部32の第二軸線L2が、本体20の第一軸線L1に平行である時、収納や携帯を便利にするだけでなく、この状態で、
ボルトAを
回転して緊密固定し、或いは緩めれば、指示装置40の第二指示部により(即ち標示部44と指標45)トルクの数値を表示し、こうして第一位置P1にあろうと第二位置P2にあろうと、
ボルトAを
回転でき、便利に使用できるという効果を達成する。
3.上述のトルクレンチの指示装置40において、第一指示部の指針41は延伸部32に沿って設置され、延伸部32が第一位置P1で回転されると、指示端411は、標示部422において拡大される効果を有する。言い換えれば、回
転部材30が第二位置P2で本体20を回転させると、第二指示部の指標45は標示部44においてトルク対応の数値を指し、二倍に拡大する効果を有する。第二指示部の指針41の指示端411は標示部422において、拡大されるため、三倍に拡大される効果を有し、数値をより明確に確認できる効果が達成できる。
4.上述のトルクレンチにおいて、指示装置40の指針41は回
転部材30内に位置し、指示端411のみは貫通孔421から伸び出し、さらに指示端411はウィンドウ42内に位置するため、露出する従来の針棒5と標示盤6に比べ、体積を縮小でき、さらに操作時に指針41に刺さったりして怪我をする恐れを免れる。
5.上述の1.〜4.の内容をまとめると、本発明
のトルクレンチ10は、第一位置P1にある時、
ボルトAを駆動する機能を備え、さらに駆動時には、省力回転の機能を備える。第二位置P2にある時には、収納し携帯するのに便利な機能を備え、これにより、多機能
性が達成できる。さらに
、トルクレンチ10は第二位置P2にある時にも、ボルトAを駆動する機能を備え、また指示装置の第一指示部と第二指示部は、トルク数値をそれぞれ三倍に拡大する機能と二倍に拡大する機能を有するため、本発明トルクレンチの多機能性をさらに引き出している。
【0023】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。