特許第6983834号(P6983834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983834
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】トルクレンチ
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/142 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   B25B23/142
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-103513(P2019-103513)
(22)【出願日】2019年6月3日
(65)【公開番号】特開2020-82338(P2020-82338A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2019年6月10日
(31)【優先権主張番号】107141496
(32)【優先日】2018年11月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516032540
【氏名又は名称】胡 厚 飛
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】胡 厚 飛
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08448545(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0047800(US,A1)
【文献】 実公昭53−013999(JP,Y1)
【文献】 実開平02−090072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/142
B25B 23/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、回転部材及び指示装置を有するトルクレンチであって、
前記本体は、作動部、結合部、及び前記作動部と前記結合部の間に位置する回転部を有し、前記本体は、前記作動部を貫通する第一軸線を有し、前記作動部はボルトに嵌着され、操作者が前記トルクレンチを回転させると、前記作動部は前記第一軸線を中心に前記ボルトを回転させ、
前記回転部材は、接続部、及び前記接続部と連結する延伸部を有し、前記接続部は、前記本体の前記結合部に接続し、これにより操作者は前記回転部材の位置を前記本体に対して第一位置と第二位置との間で切り換えることができ、前記延伸部は、第二軸線に沿って延伸し、
前記回転部材が前記第一位置にある時、前記第二軸線は、前記第一軸線に垂直で、さらに操作者は前記回転部材により前記本体を僅かに回転させ、回転トルクを生じさせ、前記ボルトを回転でき、
前記回転部材が前記第二位置にある時、前記第二軸線は、前記第一軸線に平行で、操作者は前記トルクレンチをトルクレンチとしては使用しないがボルトを回転させる道具として使用でき且つ便利に収納又は携帯でき、
前記指示装置は、前記回転トルクに対応する数値を表示することを特徴とする、トルクレンチ。
【請求項2】
前記第二位置にある時、前記作動部は前記ボルトを接続し、前記ボルト回転して駆動し、
前記第二軸線が前記第一軸線に平行である時、前記本体の長手方向の長さは前記回転部材の長手方向の長さより長いことを特徴とする、請求項1に記載のトルクレンチ。
【請求項3】
前記回転部材は、中空状のハウジングであり、収容槽を有し、
前記収容槽は、前記回転部材の片側にて開放状を呈し、開口を有し、前記結合部は、前記収容槽内で前記回転部材の前記接続部の穿孔に枢設されて前記接続部と相互に接続し、前記本体は前記開口から前記収容槽を出られて、さらに前記第二軸線と前記第一軸線は垂直で、これが前記第一位置となり、
又は前記本体が前記開口から前記収容槽に入れられ、さらに前記第二軸線と前記第一軸線は前記収容槽内において平行で、これが前記第二位置となることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【請求項4】
前記結合部と前記接続部は、枢接装置により相互に枢設され、
前記枢接装置は、軸と復位弾性部材を有し、
前記回転部材は、収容槽を有し、
前記軸は、前記収容槽の幅より長く、前記回転部の前記接続部の穿孔に接続し、
前記復位弾性部材の両端は、前記軸と前記回転部材を押して支え、これにより前記軸は、前記穿孔に対して、軸方向に沿って摺動でき、
前記軸は、径方向に突出する突起セクションと、前記突起セクションに対して陥没状を呈する回避セクションを有し、
前記本体は、外六角形状のロッド体であり、前記本体は、前記結合部において、前記軸を穿設する枢孔を有し、
前記枢孔は、前記結合部が、前記本体において一端が湾曲して形成され、さらに前記本体は、前記突起セクションに対応して陥没状に設置される複数の位置限定溝を有し、
前記複数の位置限定溝は、前記結合部において、前記枢孔の内側に形成され、
前記複数の位置限定溝は、前記本体と前記回転部材が、それぞれ前記第一位置と前記第二位置にある時、前記突起セクションと係合して固定され、さらに前記軸が前記軸方向に沿って摺動する時、前記回避セクションにより前記位置限定溝に対し、前記本体と前記回転部材の係合固定は解除され、前記本体は、前記回転部材に対して前記収容槽に入ることができ、或いは出られることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【請求項5】
前記結合部と前記接続部は、枢接装置により相互に枢設され、前記枢接装置は、軸と復位弾性部材を有し、前記回転部材は、収容槽を有し、前記軸は、前記収容槽の幅より長く、前記回転部材の穿孔に接続し、前記復位弾性部材の両端は、前記軸と前記回転部材を押して支え、これにより前記軸は、前記穿孔に対して、軸方向に沿って摺動でき、
前記軸は、径方向に突出する突起セクションと、前記突起セクションに対して陥没状を呈する回避セクションを有し、
前記軸は、第一軸セクションと第二軸セクションとを連結して形成され、前記第一軸セクションと前記第二軸セクションは一方が一端に凹部を有し、これに対し、もう一方が一端に凸部を有し、前記凹部と前記凸部の形状は異形であり、さらに凹凸は相対し、
前記第一軸セクションと前記第二軸セクションは、前記凹部と前記凸部が凹凸の対応関係を呈して連結し、
前記本体は、前記結合部において、前記軸を穿設する枢孔を有し、さらに前記本体は、前記突起セクションに対応して陥没状に設置される複数の位置限定溝を有し、
前記複数の位置限定溝は、前記本体と前記回転部材が、それぞれ前記第一位置と前記第二位置にある時、前記突起セクションと係合して固定され、さらに前記軸が前記軸方向に沿って摺動する時、前記回避セクションにより前記位置限定溝に対し、前記本体と前記回転部材の係合固定は解除され、前記本体は、前記回転部材に対して前記収容槽に入ることができ、或いは出られて、
前記回転部材は、前記収容槽中の相対する両側に、第一カバーリングと第二カバーリングとを有し、前記収容槽中の前記軸は、両端に前記第一カバーリングと前記第二カバーリングが穿設され、
前記軸は、前記第一軸セクションにおいて、径方向に突出するストッパーを有し、前記ストッパーは前記第一カバーリング中に位置し、前記復位弾性部材は、前記第一カバーリング中において、両端により前記ストッパーと前記回転部材をそれぞれ押して支えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【請求項6】
前記指示装置は、第一指示部を有し、前記本体の前記回転部を回転させると、前記第一指示部を回転して相対移動させ、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記第一指示部は、指針とウィンドウとを有し、前記指針は、前記回転部材内に位置し、前記指針の一端は前記本体に枢接され、さらに前記指針の反対端には、指示端を有し、
前記回転部材は、収容槽を有し、前記指針は、前記収容槽内で弾片に押さえられ、前記指示端を、標示部上で固定し、前記弾片は、一端に前記指針に連結して斜めに突き出し、さらに前記弾片の反対端は、前記延伸部に当接し、前記指針を押さえ、
前記ウィンドウは、前記回転部材において、貫通孔とトルク目盛りを示す前記標示部を有し、前記指示端は前記貫通孔から伸び出し、さらに前記標示部に当接し、
前記回転部材が、前記第一位置において前記本体を回転させる時、前記指示端は、前記標示部において、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記指示装置は外付け部材を有し、前記本体には、調整台が、回転可能に、前記外付け部材に設置され、前記調整台はさらに前記結合部に近接し、前記指針の一端は前記調整台に枢接され、
前記調整台は、前記本体に対して回転後の位置を定位でき、前記指示端が前記標示部に示す位置は調整されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【請求項7】
前記指示装置は、第一指示部を有し、
前記本体の前記回転部を回転させると、前記第一指示部を回転して相対移動させ、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記第一指示部は、指針とウィンドウを有し、前記指針は前記回転部材内に位置し、前記指針の一端は前記本体に枢接され、さらに前記指針の反対端には、指示端を有し、
前記回転部材は、収容槽を有し、前記指針は前記収容槽内において弾片に押さえられ、これにより、前記指示端は標示部上で固定され、前記弾片の一端は前記延伸部に連結し斜めに突き出し、さらに前記弾片の反対端は、前記指針に当接し、前記指針を押さえ、
前記ウィンドウは、前記回転部材において、貫通孔とトルク目盛りを示す前記標示部を有し、
前記指示端は前記貫通孔から伸び出し、さらに前記標示部に当接し、前記回転部材が、前記第一位置において前記本体を回転させる時、前記指示端は、前記標示部において、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記指示装置は外付け部材を有し、前記本体には、調整台が、回転可能に、前記外付け部材に設置され、前記調整台はさらに前記結合部に近接し、
前記指針は一端が前記調整台に枢接され、前記調整台は、前記本体に対して回転後の位置を定位でき、前記指示端が前記標示部に示す位置は調整されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【請求項8】
前記指示装置は、第一指示部を有し、
前記本体の前記回転部を回転させると、前記第一指示部を回転して相対移動させ、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記第一指示部は、指針とウィンドウを有し、前記指針は前記回転部材内に位置し、前記指針の一端は前記本体に枢接され、さらに前記指針の反対端には、指示端を有し、
前記ウィンドウは、前記回転部材において、貫通孔とトルク目盛りを示す標示部を有し、
前記指示端は前記貫通孔から伸び出し、さらに前記標示部に当接し、前記回転部材が、前記第一位置において前記本体を回転させる時、前記指示端は、前記標示部において、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記回転部材は前記接続部から離れた前記延伸部の一端に、欠口を有し、
前記作動部が前記第二位置にある時、前記欠口は露出し、前記回転部材外に位置し、
前記指示装置は、第二指示部をさらに有し、
前記本体の前記回転部を回転させると、前記第二指示部を回転して相対移動させ、前記回転トルクに対応する数値を表示し、
前記第二指示部は、第二標示部と指標を有し、
前記作動部は前記欠口において、露出する部位に前記第二標示部を有し、前記回転部材は前記欠口の一端に前記指標を有し、前記作動部は前記第二位置で前記欠口から露出し、さらに前記回転部材が前記第二位置で前記本体を回転させ、前記トルクを生じさせる時、前記指標は、前記第二標示部において前記回転トルクに対応する数値を示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載のトルクレンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトルクレンチに関し、携帯に便利なトルクレンチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示す通り、自転車メンテナンスに用いる従来のトルクレンチ1は、グリップ2と六角レンチ3を有する。
六角レンチ3は、一端にグリップ2が設置され、これによりトルクレンチ1はT形を呈する。
六角レンチ3の反対端には、ソケットヘッド4が設置され、グリップ2を回転することにより、六角レンチ3を回転させ、ソケットヘッド4はネジ或いはドライバーヘッド(図示なし)を駆動できる。
トルクレンチ1は、針棒5と標示盤6を有する。
操作者がグリップ2を回転し、六角レンチ3を回転させ、針棒5は標示盤6に対して移動し、標示盤6上の対応の目盛りを示すことで、ソケットヘッド4がボルトに加えたトルク値を知ることができる。
高価な自転車フレーム(特にカーボンファイバーフレーム)は、安全に螺合するために、トルク制限が設定されており、従来のトルクレンチ1を利用すれば、自転車カーボンファイバーフレームを保護する効果を達成でき、過剰な螺合トルクによる高単価の自転車フレームの損傷が防止される。
【0003】
上述の従来のトルクレンチ1は、針棒5により標示盤6上の目盛りに対応し、自転車ネジを螺合するトルク値を表示できる。
しかし、上述の従来トルクレンチ1は、構造設計に限界があり、前述の機能しか持っていない製品であるため、自転車領域においては、このような製品は通常、メンテナンス専門のエンジニアにしか購入されず、自転車市場の一般消費者に普及していない。
付加機能がないため、この従来のトルクレンチ1は自転車の一般消費者に好まれていない。
よって、自転車愛好家に好まれる多機能なトルクレンチの発明は喫緊の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記先行技術は、付加機能がないため、自転車の一般消費者に好まれていないという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、操作者が転部の位置を本体に対して第一位置と第二位置との間で切り換えができ、回転部材が第一位置にある時、操作者は延伸部僅か回転させ、本体に対して回転トルクを生じさせ、ボルト回転させることで指示装置によりトルクの数値を表示し、回転部材が第二位置にある時、延伸部は本体の軸線に平行であるトルクレンチに関する。
【0006】
本発明によるトルクレンチは、本体、回転部材及び指示装置を有する。
該本体は、作動部、結合部及び作動部と結合部の間に位置する回転部を有し、本体は作動部を貫通する軸線を有し、作動部はボルトに嵌着され、操作者がトルクレンチを回転させると、作動部は軸線を中心にボルトを回転させる。
該回転部材は、接続部、及び接続部と連結する延伸部を有し、接続部は、本体の結合部に接続され、これにより操作者は回転部材の位置を本体に対して第一位置と第二位置との間で切り換えることができ、延伸部は、第二軸線に沿って延伸する。
回転部材が第一位置にある時、第二軸線は、第一軸線に垂直で、しかも操作者は本体を僅かに回転させ、回転トルクを生じさせ、ボルトを回転できる。
回転部材が第二位置にある時、第二軸線は第一軸線に平行であり、操作者は前記トルクレンチをトルクレンチとしては使用しないがボルトを回転させる道具として使用でき且つ便利に収納又は携帯できる。
指示装置は、トルクに対応する数値を表示する。
【0007】
これにより、本発明が提供するトルクレンチは、操作者が転部本体に対して第一位置と第二位置と間で切り換えることができる。第一位置で操作者が延伸部を回転させ、本体に対して回転トルクを生じさせ、ボルト回転せることによりボルトを緊密に締結して固定でき、或いは緩めることができる。指示装置によりトルクの数値を表示する。収納時には、操作者はトルクレンチを第二位置に切り換えることができる。延伸部の第二軸線本体の第一軸線に平行となることで転部材と本体が折り畳まれてトルクレンチ全体の体積縮小され、操作者が便利に収納し携帯することができるようになるという効果を達成する。
【0008】
さらに、回転部材が、本体に対して切り換えられて第二位置に位置し、且つ延伸部の第二軸線が本体の第一軸線に平行である時、収納や携帯を便利にするだけではなく、この状態の下でも、ボルトを回転して緊密に締結して固定することができ、或いは緩めることができ、この時、指示装置によりトルクの数値が表示される。これにより、第一位置ではトルクレンチして用いて、第二位置ではボルトを回転させる道具として用いて、それぞれボルトを回転することができ、使用上の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のトルクレンチの外観を立体的に示す斜視図である。
図2】本発明のトルクレンチの第一実施形態によるトルクレンチの分解斜視図である。
図3】本発明のトルクレンチの第一実施形態によるトルクレンチが第一位置にある時の外観を立体的に示す斜視図である。
図4図3中の4−4軸線から見た断面図である。
図5】本発明のトルクレンチの第一実施形態によるトルクレンチが第二位置にある時の外観を立体的に示す斜視図である。
図6】本発明のトルクレンチの第一実施形態によるトルクレンチが第二位置にある時の断面図である。
図7】本発明のトルクレンチの第一実施形態によるトルクレンチが第二位置で操作される時に指示装置によりトルク値を表示する模式図である。
図8図5中の8−8軸線から見た断面図であり、枢接装置の状態を示す。
図9図8の枢接装置操作後の状態を示す断面図である。
図10】本発明のトルクレンチの第二実施形態によるトルクレンチが第一位置にある時の断面図である。
図11図10のトルクレンチが第二位置にある時の断面図である。
図12】本発明のトルクレンチの第三実施形態によるトルクレンチが第一位置にある時の断面図である。
図13図12のトルクレンチが第二位置にある時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明し、この形態に限定されることはない。本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図2図9に示す通り、本発明のトルクレンチ10の第一実施形態は、本体20、回転部材30及び指示装置40を有する。
本発明のトルクレンチ10は、ボルトA(図4参照)を回転させることができる。
【0011】
本体20は、作動部21、結合部22、及び作動部21と結合部22との間に位置する回転部23を有する。
本体20は、作動部21を貫通する第一軸線L1を有し、作動部21は、第一軸線L1を中心に、ボルトAを回転させる。
【0012】
転部材30は、接続部31、及び接続部31と連結する延伸部32を有する。
接続部31は、本体20の結合部22に接続し、これにより回転部材30は、本体20に相対し、第一位置P1(図3、4参照)と第二位置P2(図5、6参照)との切り換えができる。延伸部32は、第二軸線L2に沿って延伸する。
転部材30が第一位置P1にある時、第二軸線L2は、第一軸線L1に垂直であり、操作者は本体20を僅かに回転させ、回転トルクを生じさせ、ボルトA(図4参照)を回転できる。
転部材30が第二位置P2にある時、第二軸線L2は、第一軸線L1に平行であり、操作者は便利に収納し、携帯できる。
【0013】
本実施形態の回転部材30は、中空のハウジングであり、収容槽33を有する。
収容槽33は、回転部材30の片側は開放状を呈し、開口331を有する。
結合部22と接続部31は、収容槽33内で、枢接装置50により枢設され、相互に接続する。
本体20は、開口331から収容槽33の外に出られ、これにより第二軸線L2と第一軸線L1は垂直となる。これが第一位置P1である。
さらに、本体20は、開口331から収容槽33に入ることができ、これにより第二軸線L2と第一軸線L1は平行となる。これが第二位置P2である。
本実施形態中では、本体20が収容槽33に入ることができ、第二位置P2となる。これにより、第二軸線L2が第一軸線L1に平行である時、本体20の長手方向の長さは、回転部材30の長手方向の長さより長い。これにより、作動部21は、ボルトAに接続して回転されて、ボルトA(図6参照)を回転させる。
【0014】
指示装置40は、トルクに対応する数値を表示する。
指示装置40は、第一指示部と第二指示部とを有する。
本体20の回転部23を回転させると、第一指示部或いは第二指示部を回転て移動させ、トルクに対応する数値を表示する。
図2に示す通り、本実施形態の指示装置40の第一指示部は、指針41とウィンドウ42を有する。
指針41は、収容槽33内で、一端は本体20に枢接され、結合部22に近接し、さらに指針41の反対端には、指示端411を有する。
ウィンドウ42は、回転部材30に設置され、貫通孔421と標示部422を有する。
標示部422には、トルク数値が設定されている。
ここで述べるトルク数値は、目盛りにより、表示される。
指示端411は、貫通孔421から突き出し、標示部422に接続する。回転部材30が、第一位置P1において本体20を回転させる時、指示端411は、標示部422において、トルクに対応する数値を表示することができる(図3において点線で示す指示端411参照)。
本実施形態中では、指示装置40は外付け部材43を有し、本体20には、調整台24が設置される。
調整台24は回転可能なように、外付け部材43に設置される。
調整台24は、結合部22に近接する。
指針41の一端は調整台24に枢接される。
調整台24は、本体20に対して回転後の位置を定位できる。
こうして調整指示端411が、標示部422に示す位置を調整できる。
例としては、操作初期に、指示端411を標示部422のゼロの位置に調整する。
【0015】
本実施形態の回転部材30は、接続部31から離れた延伸部32の一端に、欠口34を有する。
作動部21が第二位置P2にある時は、欠口34から露出され、回転部材30外に位置される。
本実施形態の指示装置40の第二指示部は、標示部44と指標45を有する。
作動部21は、欠口34から露出された部位に、標示部44を有する。
転部材30は、欠口34を有する一端に、指標45を有する。
標示部44は作動部21周囲に、トルク数値が設定されている。
ここで述べるトルク数値は、目盛りにより、表示される。
作動部21は第二位置P2で欠口34から露出され、さらに回転部材30が第二位置P2で本体20を回転させ、トルクを生じる時、指標45は、標示部44においてトルクに対応数値を示す(図7参照)。
【0016】
本実施形態の枢接装置50は、軸51を有する。
軸51は、収容槽33の幅より長く、回転部材30の上に開いた穿孔35に接続し、これにより軸51は、穿孔35に対して、軸方向Dに沿って摺動できる。
軸51は、径方向に突出する突起セクション511と、突起セクション511に対して陥没状を呈する回避セクション512を有する。
本体20は、結合部22において、軸51を穿設できる枢孔25を有する。
二つの位置限定溝26は、結合部22において、枢孔25の内側に形成される。
二つの位置限定溝26は、本体20と回転部材30が、それぞれ第一位置P1と第二位置P2にある時、突起セクション511と係合固定して定位する(図8参照)。
軸51が軸方向Dに沿って摺動する時、回避セクション512により位置限定溝26に対し、本体20と回転部材30の係合固定が解除され、(図9参照)本体20が、回転部材30に対して収容槽33に入ることができ、或いは収容槽33から出られる。
好ましくは、本実施形態中の枢接装置50は、復位弾性部材52をさらに有する。
復位弾性部材52の両端は、軸51と回転部材30を押して支え、これにより軸51は、穿孔35に対して、軸方向Dに沿って摺動後、自動復位できる。
【0017】
本実施形態の本体20は、外六角形状のロッド体であり、結合部22は、本体20において一端が湾曲し、枢孔25を形成する。
この他、軸51は、第一軸セクション513と第二軸セクション514と連結して形成される。
本実施形態の第一軸セクション513は、一端に、凸部513aを有し、さらに第二軸セクション514は、一端に、凹部514aを有する。
凸部513aと凹部514aの形状は異形であり(本実施形態では方形)、さらに凹凸は相対する。
第一軸セクション513と第二軸セクション514は、凸部513aと凹部514aが凹凸対応を呈し、これにより第一軸セクション513と第二軸セクション514は相対回転させない。
【0018】
さらに、回転部材30は、収容槽33中の相対する両側に、第一カバーリング36と第二カバーリング37が設置される。
収容槽33中の軸51は、両端に、第一カバーリング36と第二カバーリング37を穿通して設置される。
軸51は、第一軸セクション513において、径方向に突出するストッパー513bを有し、ストッパー513bは、第一カバーリング36中に位置される。
復位弾性部材52は、第一カバーリング36中において、両端がそれぞれストッパー513bと回転部材30を押して支える。
復位弾性部材52の作用により、図9に示す通り、軸51は押される、軸方向Dに沿って摺動後に弾性により復位でき、突起セクション511が位置限定溝26における係合固定定位は回復される。
【0019】
本実施形態の指針41は、単純に貫通孔421から突き出し、さらに標示部422に接続する。
さらに、指針41は、異なる実施形態を有する。
【0020】
図10、11に示す通り、本発明のトルクレンチ10の第二実施形態において、指針41には、弾片412が設置される。
指針41は、収容槽33内で、弾片412に押し上げられる。
弾片412の一端は、延伸部32に連結して斜めに突き出す。
さらに、弾片412の反対端は、指針41に当接し、指針41を押さえる。
指針41は、弾片412に押さえられ、指示端411を、標示部422上で固定できる。
こうして、回転部材30は第一位置にあろうと、第二位置にあろうと、指針41は安定的な位置に維持でき、緩みやグラつきの問題は発生しない。
【0021】
また図12、13に示す通り、本発明のトルクレンチ10の第三実施形態において、指針41には、弾片413を設置する。
指針41は収容槽33内にあり、弾片413に押さえられる。
弾片413の一端は、指針41に連結して斜めに突き出し、さらに弾片413の反対端は、延伸部32に当接し、指針41を押さえる。
指針41は弾片413に押さえられ、同様に、指示端411を標示部422上で固定できる。
こうして、回転部材30は第一位置にあろうと、第二位置にあろうと、指針41は安定的な位置に維持でき、緩みやグラつきの問題は発生しない。
さらに第三実施形態が第二実施形態より優れている点は、弾片413は指針41上から一体にプレス成形するため、コストがさらに低いことである。
【0022】
上述の説明により分かるように、本発明は以下の長所を備える。
1.回転部材30は、本体20に対して、第一位置P1と第二位置P2との切り換えができ、第一位置P1にある時には、本体20は、延伸部32を回転させることで、回転トルクを生じさせ、ボルトA回転する。こうして、延伸部32のトルクアームにより、ボルトAを省力に回転させ、緊密固定され、或いは緩められる。指示装置40の第一指示部(即ち指針41とウィンドウ42)によりトルクの数値を表示し(図3或いは図7参照)、さらに収納する際には、本体20と回転部材30を第二位置P2に切り換えれば、延伸部32の第二軸線L2と本体20の第一軸線L1は平行を呈し、第一位置にある時との状態に比べ、本体20と回転部材30が占める体積は効果的に縮小され、T型に固定された従来のトルクレンチに比べ、操作者は便利に収納し、携帯できる。
2.回転部材30は、本体20に対して第二位置P2に位置し、さらに延伸部32の第二軸線L2が、本体20の第一軸線L1に平行である時、収納や携帯を便利にするだけでなく、この状態で、ボルトAを回転して緊密固定し、或いは緩めれば、指示装置40の第二指示部により(即ち標示部44と指標45)トルクの数値を表示し、こうして第一位置P1にあろうと第二位置P2にあろうと、ボルトAを回転でき、便利に使用できるという効果を達成する。
3.上述のトルクレンチの指示装置40において、第一指示部の指針41は延伸部32に沿って設置され、延伸部32が第一位置P1で回転されると、指示端411は、標示部422において拡大される効果を有する。言い換えれば、回転部材30が第二位置P2で本体20を回転させると、第二指示部の指標45は標示部44においてトルク対応の数値を指し、二倍に拡大する効果を有する。第二指示部の指針41の指示端411は標示部422において、拡大されるため、三倍に拡大される効果を有し、数値をより明確に確認できる効果が達成できる。
4.上述のトルクレンチにおいて、指示装置40の指針41は回転部材30内に位置し、指示端411のみは貫通孔421から伸び出し、さらに指示端411はウィンドウ42内に位置するため、露出する従来の針棒5と標示盤6に比べ、体積を縮小でき、さらに操作時に指針41に刺さったりして怪我をする恐れを免れる。
5.上述の1.〜4.の内容をまとめると、本発明のトルクレンチ10は、第一位置P1にある時、ボルトAを駆動する機能を備え、さらに駆動時には、省力回転の機能を備える。第二位置P2にある時には、収納し携帯するのに便利な機能を備え、これにより、多機能が達成できる。さらに、トルクレンチ10は第二位置P2にある時にも、ボルトAを駆動する機能を備え、また指示装置の第一指示部と第二指示部は、トルク数値をそれぞれ三倍に拡大する機能と二倍に拡大する機能を有するため、本発明トルクレンチの多機能性をさらに引き出している。
【0023】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
【符号の説明】
【0024】
1・・・トルクレンチ、
2・・・グリップ、
3・・・六角レンチ、
4・・・ソケットヘッド、
5・・・針棒、
6・・・標示盤、
10・・・ルクレンチ、
20・・・本体、
21・・・作動部、
22・・・結合部、
23・・・回転部、
24・・・調整台、
25・・・枢孔、
26・・・位置限定溝、
30・・・回転部材、
31・・・接続部、
32・・・延伸部、
33・・・収容槽、
331・・・開口、
34・・・欠口、
35・・・穿孔、
36・・・第一カバーリング、
37・・・第二カバーリング、
40・・・指示装置、
41・・・指針、
411・・・指示端、
412・・・弾片、
413・・・弾片、
42・・・ウィンドウ、
421・・・貫通孔、
422・・・標示部、
43・・・外付け部材、
44・・・標示部、
45・・・指標、
50・・・枢接装置、
51・・・軸、
511・・・突起セクション、
512・・・回避セクション、
513・・・第一軸セクション、
513a・・・凸部、
513b・・・ストッパー、
514・・・第二軸セクション、
514a・・・凹部、
52・・・復位弾性部材、
A・・・ボルト
D・・・軸方向、
L1・・・第一軸線、
L2・・・第二軸線、
P1・・・第一位置、
P2・・・第二位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13